JP2004511480A - キナゾリン誘導体 - Google Patents

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ランバート,クリスティン・マリー−ポール
プレ,パトリック
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Abstract

本発明は、式(I)(式中、m、R、n、R、およびRのそれぞれは、明細書中にて定義した意味のいずれかを有する)のキナゾリン誘導体、前記誘導体の製造法、前記誘導体を含む医薬用組成物、および充実性腫瘍の封じ込めおよび/または処置における抗浸潤薬として使用するための医薬の製造においてこれらの医薬用組成物を使用すること、に関する。

Description

【0001】
本発明は、抗腫瘍活性を有していて、従ってヒトまたは動物の体を処置する方法において有用な、特定の新規キナゾリン誘導体、もしくは前記誘導体の医薬用として許容しうる塩に関する。本発明はさらに、前記キナゾリン誘導体の製造法、前記物質を含有する医薬用組成物、および療法において前記物質を使用すること(例えば、ヒト等の温血動物の充実性腫瘍疾患を予防もしくは処置するのに使用するための医薬の製造における使用)に関する。
【0002】
細胞増殖性疾患(例えば、乾癬や癌)に対する最新の処置計画の多くは、DNA合成を阻害する化合物を使用している。このような化合物は、一般には細胞に対して有毒であるが、急速に分裂する細胞(例えば腫瘍細胞)に対してはそれらの毒性効果が有益となることがある。DNA合成の阻害以外のメカニズムによって作用する抗腫瘍薬へのアプローチは、作用選択性の向上が得られる可能性を有している。
【0003】
近年、細胞のDNAの一部が腫瘍遺伝子(すなわち、活性化すると悪性腫瘍細胞の形成をもたらす遺伝子)に形質転換することで細胞が癌性になることがある、ということが発見されている(Bradshaw, Mutagenesis, 1986, 1, 91)。このような腫瘍遺伝子の幾つかは、増殖因子に対する受容体であるペプチドの生成を誘発する。増殖因子−受容体複合体が活性化すると、細胞増殖の増大を引き起こす。例えば、幾つかの腫瘍遺伝子がチロシンキナーゼ酵素をコード化すること、および特定の成長因子受容体もチロシンキナーゼ酵素である、ということが明らかになっている(Yarden et al., Ann. Rev. Biochem., 1988, 57, 443; Larsen et al., Ann. Reports in Med. Chem., 1989, Chpt.13)。識別すべきチロシンキナーゼの第1の群は、このようなウイルス性癌遺伝子〔例えばpp60v−Srcチロシンキナーゼ(v−Srcとしても知られている)〕、および正常な細胞中の対応するチロシンキナーゼ〔例えばpp60c−Srcチロシンキナーゼ(c−Srcとしても知られている)〕から生じた。
【0004】
受容体チロシンキナーゼは、細胞の複製を開始する生化学的シグナルを伝達する上で重要である。受容体チロシンキナーゼは大きな酵素であり、細胞膜を貫通し、増殖因子〔例えば上皮細胞増殖因子(EGF)〕のための細胞外結合領域と、蛋白質中のチロシンアミノ酸をリン酸化し、従って細胞増殖に影響を及ぼすキナーゼとして作用する細胞内部分とを有する。異なった受容体チロシンキナーゼに結合する増殖因子のファミリーに基づいて、種々の種類の受容体チロシンキナーゼが知られている(Wilks, Advances in Cancer Research, 1993, 60, 43−73)。受容体チロシンキナーゼの種類としては、EGFファミリーの受容体チロシンキナーゼ(例えば、EGF受容体、TGFα受容体、Neu受容体、およびerbB受容体)を含むクラスI受容体チロシンキナーゼ、インスリンファミリーの受容体チロシンキナーゼ(例えば、インスリン受容体、IGFI受容体、およびインスリン関連受容体(IRR))を含むクラスII受容体チロシンキナーゼ、および血小板由来増殖因子(PDGF)ファミリーの受容体チロシンキナーゼ(例えば、PDGFα受容体、PDGFβ受容体、およびコロニー刺激因子1(CSF1)受容体)を含むクラスIII受容体チロシンキナーゼがある。
【0005】
さらに、特定のチロシンキナーゼが、細胞内に存在していて、生化学的シグナル(例えば、腫瘍細胞の運動性、播種、および浸潤性に影響を及ぼすシグナル、ならびに引き続き起こる転移性腫瘍の増殖に影響を及ぼすシグナルなど)の伝達に関与している非受容体チロシンキナーゼのクラスに属する、ということが知られている(Ullrich et al., Cell, 1990, 61, 203−212; Bolen et al., FASEB J., 1992, , 3403−3409; Brickell et al., Critical Reviews in Oncogenesis, 1992, , 401−406; Bohlen et al., Oncogene, 1993, , 2025−2031; Courtneidge et al., Semin. Cancer Boil., 1994, , 239−246; Lauffenburger et al., Cell, 1996, 84, 359−369; Hanks et al., BioEssays, 1996, 19, 137−145; Parsons et al., Current Opinion in Cell Biology, 1997, , 187−192; Brown et al., Biochimica et Biophysica Acta, 1996, 1287, 121−149; Schlaepfer et al., Progress in Biophysics and Molecular Biology, 1999, 71, 435−478)。Srcファミリー(例えば、Srcチロシンキナーゼ、Lynチロシンキナーゼ、およびYesチロシンキナーゼ)、Ablファミリー(例えば、AblチロシンキナーゼやArgチロシンキナーゼ)、およびJakファミリー(例えば、Jak1チロシンキナーゼやTyk2チロシンキナーゼ)を含めて、種々のクラスの非受容体チロシンキナーゼが知られている。
【0006】
Srcファミリーの非受容体チロシンキナーゼは、正常な細胞中では高度に制御され、細胞外刺激がない場合は不活性なコンコメーションにて保持される。しかしながら、Srcファミリーのあるメンバー(例えば、c−Srcチロシンキナーゼ)は、胃腸系の癌(例えば、結腸癌、直腸癌、および胃癌)(Cartwright et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 1990, 87, 558−562; Mao et al., Oncogene, 1997, 15, 3083−3090)および乳癌(Muthuswamy et al., Oncogene, 1995, 11, 1801−1810)等の一般的なヒト癌においてしばしば大幅に活性化(通常の細胞レベルと比較して)される。Srcファミリーの非受容体チロシンキナーゼはさらに、肺の腺癌や扁平上皮細胞癌を含めた非小細胞肺癌(Mazurenko et al., European Journal of Cancer, 1992, 28, 372−7)、膀胱癌(Fanning et al., Cancer Research, 1992, 52, 1457−62)、咽頭癌(Jankowski et al., Gut, 1992, 33, 1033−9)、前立腺癌、卵巣癌(Wiener et al., Clin. Cancer Research, 1999, 5, 2164−70)、および膵臓癌(Lutz et al., Biochem. and Biophys. Res. Comm., 1998, 243, 503−8)等の他の一般的なヒト癌においても存在している。さらなるヒト腫瘍組織が、Srcファミリーの非受容体チロシンキナーゼに関して調べられているので、Srcファミリーによる罹患の広がり状況が明確になるものと期待される。
【0007】
さらに、c−Src非受容体チロシンキナーゼの主要な役割は、例えば焦点接着キナーゼやパキシリンを含めた多くの細胞質蛋白質との相互作用によって焦点接着複合体(focal adhesion complexes)の集成を規定することである。c−Srcはさらに、細胞の運動性を容易にするアクチン細胞骨格を規定するシグナル経路と結合する。同様に、インデグリン媒介によるシグナル伝達において、そしてカドヘリン依存性の細胞−細胞結合を開裂させる際において、c−Src、c−Yes、およびc−Fynの非受容体チロシンキナーゼが重要な役割を果たす(Owens et al., Molecular Biology of the Cell, 2000, 11, 51−64; およびKlinghoffer et al., EMBO Journal, 1999, 18, 2459−2471)。局在化した腫瘍が、血流への伝播、他の組織の浸潤、および転移性腫瘍の増殖の開始という段階を通して進行していくためには、細胞の運動性が必要とされる。例えば、局在化状態から播種された浸潤性転移性疾患への直腸腫瘍の進行は、c−Src非受容体チロシンキナーゼの活性と相関付けられている(Brunton et al., Oncogene, 1997, 14, 283−293; Fincham et al., EMBO , 1998, 17, 81−92; およびVerbeek et al., Exp. Cell Research, 1999, 248, 531−537)。
【0008】
従って、このような非受容体チロシンキナーゼの阻害薬は、腫瘍細胞の運動性に対する選択的な阻害薬として、また哺乳類の癌細胞の播種と浸潤に対する選択的な阻害薬として有用のはずであり、これにより転移性腫瘍の増殖に対する阻害がもたらされる、ということが認識されている。特に、このような非受容体チロシンキナーゼの阻害薬は、充実性腫瘍疾患の封じ込め(containment)および/または処置に使用するための抗浸潤薬(anti−invasive agent)として有用のはずである。
【0009】
驚くべきことに、特定のキナゾリン誘導体が強力な抗腫瘍活性を有する、ということを本発明者らは見出した。本発明に開示の化合物が、単一の生物学的プロセスに及ぼす影響によってのみ薬理学的活性を有する、ということを示そうとしているわけではないが、本発明の化合物は、シグナル伝達工程に関与している、非受容体チロシンキナーゼに特異的な蛋白質キナーゼの1種以上を阻害することによって抗腫瘍効果をもたらす、と考えられる。本発明の化合物は特に、Srcファミリーの非受容体チロシンキナーゼを阻害することによって(例えば、c−Src、c−Yes、およびc−Fynの1種以上を阻害することによって)抗腫瘍効果をもたらす、と考えられる。
【0010】
さらに、破骨細胞推進性骨吸収の制御に対してはc−Src非受容体チロシンキナーゼ酵素が関与している、ということがわかっている(Soriano et al., Cell, 1991, 64, 693−702; Boyce et al., J. Clin. Invest., 1992, 90, 1622−1627; Yoneda et al., J. Clin. Invest.,1993, 91, 2791−2795; およびMissbach et al., Bone, 1999, 24, 437−49)。従ってc−Src非受容体チロシンキナーゼの阻害薬は、骨の疾患(例えば、骨粗鬆症、骨における転移性疾患、および腫瘍により誘発される高カルシウム血症)の予防と処置に対して有用である。
【0011】
本発明の化合物はさらに、悪性ではない種々の疾患〔例えば、炎症性疾患(例えば、関節リウマチや炎症性腸疾患)、線維性疾患(例えば、肝硬変や肺線維症)、糸球体腎炎、多発性硬化症、乾癬、皮膚の過敏反応、血管の疾患(例えば、アテローム性動脈硬化症や再狭窄)、アレルギー性喘息、インスリン依存性糖尿病、糖尿病性網膜症、および糖尿病性ネフロパシー〕から生じる制御されていない細胞増殖を阻害する上で有用である。
【0012】
本発明の化合物は一般に、Srcファミリーの非受容体チロシンキナーゼ(例えば、c−Srcおよび/またはc−Yes)に対して強い阻害活性を有するが、これに比べると、受容体チロシンキナーゼ(例えば、EGF受容体チロシンキナーゼおよび/またはVEGF受容体チロシンキナーゼ)等の他のチロシンキナーゼ酵素に対しては阻害活性の程度が低い。さらに、本発明の特定の化合物は、VEGF受容体チロシンキナーゼに対してより、Srcファミリーの非受容体チロシンキナーゼ(例えば、c−Srcおよび/またはc−Yes)に対してのほうが実質的に良好な効力を有する。このような化合物は、Srcファミリーの非受容体チロシンキナーゼ(例えば、c−Srcおよび/またはc−Yes)に対して充分な効力を有しているので、例えばc−Srcおよび/またはc−Yesを阻害するのに充分な量にて、しかしながらVEGF受容体チロシンキナーゼに対してはほとんど活性を示さないような量にて使用することができる。
【0013】
本発明のある1つの態様によれば、式I
【0014】
【化5】
Figure 2004511480
【0015】
〔式中、
mは0、1、2、または3であり;
各R基は、同一であっても異なっていてもよく、ハロゲノ、トリフルオロメチル、シアノ、イソシアノ、ニトロ、ヒドロキシ、メルカプト、アミノ、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、(1−6C)アルキル、(2−8C)アルケニル、(2−8C)アルキニル、(1−6C)アルコキシ、(2−6C)アルケニルオキシ、(2−6C)アルキニルオキシ、(1−6C)アルキルチオ、(1−6C)アルキルスルフィニル、(1−6C)アルキルスルホニル、(1−6C)アルキルアミノ、ジ−[(1−6C)アルキル]アミノ、(1−6C)アルコキシカルボニル、−(1−6C)アルキルカルバモイル、−ジ[(1−6C)アルキル]カルバモイル、(2−6C)アルカノイル、(2−6C)アルカノイルオキシ、(2−6C)アルカノイルアミノ、−(1−6C)アルキル−(2−6C)アルカノイルアミノ、(3−6C)アルケノイルアミノ、−(1−6C)アルキル−(3−6C)アルケノイルアミノ、(3−6C)アルキノイルアミノ、−(1−6C)アルキル−(3−6C)アルキノイルアミノ、−(1−6C)アルキルスルファモイル、−ジ−[(1−6C)アルキル]スルファモイル、(1−6C)アルカンスルホニルアミノ、および−(1−6C)アルキル−(1−6C)アルカンスルホニルアミノから選択されるか、あるいは式
−X
[式中、
は、直接結合であるか、またはO、S、SO、SO、N(R)、CO、CH(OR)、CON(R)、N(R)CO、SON(R)、N(R)SO、OC(R、SC(R、およびN(R)C(R(式中、Rは水素または(1−6C)アルキルである)から選択され、Qは、アリール、アリール−(1−6C)アルキル、(3−7C)シクロアルキル、(3−7C)シクロアルキル−(1−6C)アルキル、(3−7C)シクロアルケニル、(3−7C)シクロアルケニル−(1−6C)アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリール−(1−6C)アルキル、ヘテロサイクリル、またはヘテロサイクリル−(1−6C)アルキルである]で示される基から選択されるか、あるいは(Rは(1−3C)アルキレンジオキシであり、
このときR置換基中の(2−6C)アルキレン鎖における隣接炭素原子が、O、S、SO、SO、N(R)、CO、CH(OR)、CON(R)、N(R)CO、SON(R)、N(R)SO、CH=CH、およびC≡C(式中、Rは水素または(1−6C)アルキルである)から選択される基の(2−6C)アルキレン鎖中への挿入によって隔離されていてもよく、あるいは挿入基がN(R)であるとき、Rは(2−6C)アルカノイルであってもよく、
このときR置換基中のCH=CH−基またはHC≡C−基が、ハロゲノ、カルボキシ、カルバモイル、(1−6C)アルコキシカルボニル、−(1−6C)アルキルカルバモイル、−ジ−[(1−6C)アルキル]カルバモイル、アミノ−(1−6C)アルキル、(1−6C)アルキルアミノ−(1−6C)アルキル、およびジ−[(1−6C)アルキル]アミノ−(1−6C)アルキルからか、または式
−X
[式中、Xは、直接結合であるか、またはCOとN(R)CO(式中、Rは水素または(1−6C)アルキルである)から選択され、Qは、アリール、アリール−(1−6C)アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリール−(1−6C)アルキル、ヘテロサイクリル、またはヘテロサイクリル−(1−6C)アルキルである]で示される基から選択される置換基を、CH=もしくはHC≡の末端位置に有していてもよく
このときR置換基中のCH基またはCH基が、ハロゲノ置換基もしくは(1−6C)アルキル置換基、あるいはヒドロキシ、シアノ、アミノ、カルボキシ、カルバモイル、(1−6C)アルコキシ、(1−6C)アルキルチオ、(1−6C)アルキルスルフィニル、(1−6C)アルキルスルホニル、(1−6C)アルキルアミノ、ジ−[(1−6C)アルキル]アミノ、(1−6C)アルコキシカルボニル、−(1−6C)アルキルカルバモイル、−ジ−[(1−6C)アルキル]カルバモイル、(2−6C)アルカノイル、(2−6C)アルカノイルオキシ、(2−6C)アルカノイルアミノ、−(1−6C)アルキル(2−6C)アルカノイルアミノ、−(1−6C)アルキルスルファモイル、−ジ−[(1−6C)アルキル]スルファモイル、(1−6C)アルカンスルホニルアミノ、および−(1−6C)アルキル−(1−6C)アルカンスルホニルアミノから、または式
−X−Q
[式中、Xは、直接結合であるか、またはO、S、SO、SO、N(R)、CO、CH(OR)、CON(R)、N(R)CO、SON(R)、N(R)SO、C(RO、C(RS、およびN(R)C(R(式中、Rは水素または(1−6C)アルキルである)から選択され、Qは、アリール、アリール−(1−6C)アルキル、(3−7C)シクロアルキル、(3−7C)シクロアルキル−(1−6C)アルキル、(3−7C)シクロアルケニル、(3−7C)シクロアルケニル−(1−6C)アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリール−(1−6C)アルキル、ヘテロサイクリル、またはヘテロサイクリル−(1−6C)アルキルである]で示される基から選択される1つ以上の置換基を、それぞれの前記CH基または前記CH基上に有していてもよく、
このときR上の置換基中のアリール基、ヘテロアリール基、またはヘテロサイクリル基が、ハロゲノ、トリフルオロメチル、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、アミノ、カルボキシ、カルバモイル、(1−6C)アルキル、(2−8C)アルケニル、(2−8C)アルキニル、(1−6C)アルコキシ、(2−6C)アルケニルオキシ、(2−6C)アルキニルオキシ、(1−6C)アルキルチオ、(1−6C)アルキルスルフィニル、(1−6C)アルキルスルホニル、(1−6C)アルキルアミノ、ジ−[(1−6C)アルキル]アミノ、(1−6C)アルコキシカルボニル、−(1−6C)アルキルカルバモイル、,−ジ−[(1−6C)アルキル]カルバモイル、(2−6C)アルカノイル、(2−6C)アルカノイルオキシ、(2−6C)アルカノイルアミノ、−(1−6C)アルキル−(2−6C)アルカノイルアミノ、−(1−6C)アルキルスルファモイル、−ジ−[(1−6C)アルキル]スルファモイル、(1−6C)アルカンスルホニルアミノ、および−(1−6C)アルキル−(1−6C)アルカンスルホニルアミノから、または式
−X−R
[式中、Xは、直接結合であるか、またはOとN(R)(式中、Rは水素または(1−6C)アルキルである)から選択され、Rは、ハロゲノ−(1−6C)アルキル、ヒドロキシ−(1−6C)アルキル、(1−6C)アルコキシ−(1−6C)アルキル、シアノ−(1−6C)アルキル、アミノ−(1−6C)アルキル、(1−6C)アルキルアミノ−(1−6C)アルキル、ジ−[(1−6C)アルキル]アミノ−(1−6C)アルキル、(2−6C)アルカノイルアミノ−(1−6C)アルキル、または(1−6C)アルコキシカルボニルアミノ−(1−6C)アルキルである]で示される基、または式
−X−Q
[式中、Xは、直接結合であるか、またはO、N(R10)(式中、R10は水素または(1−6C)アルキルである)、およびCOから選択され、Qは、ハロゲノ、(1−6C)アルキル、(2−8C)アルケニル、(2−8C)アルキニル、および(1−6C)アルコキシから選択される、同一であっても異なっていてもよい1つ又は2つの置換基を有していてもよいアリール、アリール−(1−6C)アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリール−(1−6C)アルキル、ヘテロサイクリル、またはヘテロサイクリル−(1−6C)アルキルである]で示される基から選択される、同一であっても異なっていてもよい、1つ、2つ、もしくは3つの置換基を有していてもよく、
このときR上の置換基中のヘテロサイクリル基が、1つ又は2つのオキソ置換基もしくはチオキソ置換基を有していてもよく;
は、水素または(1−6C)アルキルであり;
nは0、1、2、または3であり; そして
は、ハロゲノ、トリフルオロメチル、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、アミノ、カルボキシ、カルバモイル、(1−6C)アルキル、(2−8C)アルケニル、(2−8C)アルキニル、(1−6C)アルコキシ、(2−6C)アルケニルオキシ、(2−6C)アルキニルオキシ、(1−6C)アルキルチオ、(1−6C)アルキルスルフィニル、(1−6C)アルキルスルホニル、(1−6C)アルキルアミノ、ジ−[(1−6C)アルキル]アミノ、(1−6C)アルコキシカルボニル、−(1−6C)アルキルカルバモイル、−ジ−[(1−6C)アルキル]カルバモイル、(2−6C)アルカノイル、(2−6C)アルカノイルオキシ、(2−6C)アルカノイルアミノ、−(1−6C)アルキル−(2−6C)アルカノイルアミノ、(3−6C)アルケノイルアミノ、−(1−6C)アルキル−(3−6C)アルケノイルアミノ、(3−6C)アルキノイルアミノ、−(1−6C)アルキル−(3−6C)アルキノイルアミノ、−(1−6C)アルキルスルファモイル、−ジ−[(1−6C)アルキル]スルファモイル、(1−6C)アルカンスルホニルアミノ、または−(1−6C)アルキル−(1−6C)アルカンスルホニルアミノであるか、または式
−X−R11
[式中、Xは、直接結合であるか、またはOとN(R12)(式中、R12は水素または(1−6C)アルキルである)から選択され、R11は、ハロゲノ−(1−6C)アルキル、ヒドロキシ−(1−6C)アルキル、(1−6C)アルコキシ−(1−6C)アルキル、シアノ−(1−6C)アルキル、アミノ−(1−6C)アルキル、(1−6C)アルキルアミノ−(1−6C)アルキル、またはジ−[(1−6C)アルキル]アミノ−(1−6C)アルキルである]で示される基、または式
−X−Q
[式中、Xは、直接結合であるか、またはO、S、SO、SO、N(R13)、CO、CH(OR13)、CON(R13)、N(R13)CO、SON(R13)、N(R13)SO、C(R13O、C(R13S、およびN(R13)C(R13(式中、R13は水素または(1−6C)アルキルである)から選択され、Qは、ハロゲノ、(1−6C)アルキル、(2−8C)アルケニル、(2−8C)アルキニル、および(1−6C)アルコキシから選択される、同一であっても異なっていてもよい1つ又は2つの置換基を有していてもよいアリール、アリール−(1−6C)アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリール−(1−6C)アルキル、ヘテロサイクリル、またはヘテロサイクリル−(1−6C)アルキルであり、Q中のヘテロサイクリル基が、1つ又は2つのオキソ置換基もしくはチオキソ置換基を有していてもよい]で示される基から選択される〕で示されるキナゾリン誘導体もしくは前記誘導体の医薬用として許容しうる塩、
が提供される。
【0016】
本明細書において、“アルキル”という総称は、直鎖および枝分かれ鎖のアルキル基(例えば、プロピル、イソプロピル、およびtert−ブチル)、ならびに(3−7C)シクロアルキル基(例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、およびシクロヘプチル)を含む。しかしながら、“プロピル”等の個別のアルキル基に関して言及しているときは直鎖のアルキル基のみに特定しており、“イソプロピル”等の個別の枝分かれ鎖アルキル基に関して言及しているときは枝分かれ鎖のアルキル基のみに特定しており、また“シクロペンチル”等の個別のシクロアルキル基に関して言及しているときは5員環のアルキル基のみに特定している。類似の取り決めは他の総称にも適用され、例えば、(1−6C)アルコキシは、メトキシ、エトキシ、シクロプロピルオキシ、およびシクロペンチルオキシを含み、(1−6C)アルキルアミノは、メチルアミノ、エチルアミノ、シクロブチルアミノ、およびシクロヘキシルアミノを含み、ジ−[(1−6C)アルキル]アミノは、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、−シクロブチル−−メチルアミノ、および−シクロヘキシル−N−エチルアミノを含む。
【0017】
ここで理解しておかなければならないのは、前記式Iの化合物における特定の化合物が、1つ以上の不斉炭素が存在することから光学活性形またはラセミ形にて存在することがある場合、本発明は、その定義において、上記の活性を有するこうした全ての光学活性形またはラセミ形を含む、という点である。光学活性形の合成は、当業界によく知られている有機化学の標準的な方法によって(例えば、光学活性の出発物質から合成することによって、あるいはラセミ形を分割することによって)行うことができる。同様に、上記の活性は、後述の標準的な実験室的方法を使用して評価することができる。
【0018】
上記の総称基に対する適切な意義としては、以下に記載のものがある。
‘Q’基(Q〜Q)のいずれかがアリールである場合の、そのいずれかに対する適切な意義、あるいは‘Q’基中のアリール基に対する適切な意義は、例えばフェニルまたはナフチルであり、好ましいのはフェニルである。
【0019】
‘Q’基(QまたはQ)のいずれかが(3−7C)シクロアルキルである場合の、そのいずれかに対する適切な意義、あるいは‘Q’基中の(3−7C)シクロアルキル基に対する適切な意義は、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、またはビシクロ[2.2.1]ヘプチルであり、‘Q’基(QまたはQ)のいずれか(これが(3−7C)シクロアルケニルである場合)に対する適切な意義、あるいは‘Q’基中の(3−7C)シクロアルケニル基に対する適切な意義は、例えば、シクロブテニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、またはシクロヘプテニルである。
【0020】
‘Q’基(Q〜Q)のいずれかがヘテロアリールである場合の、そのいずれかに対する適切な意義、あるいは‘Q’基中のヘテロアリール基に対する適切な意義は、例えば、酸素、窒素、およびイオウから選択される最大5つまでの環ヘテロ原子を有する5員もしくは6員の芳香族単環式の環、または9員もしくは10員の二環式の環である(例えば、フリル、ピロリル、チエニル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、1,3,5−トリアゼニル、ベンゾフラニル、インドリル、ベンゾチエニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、インダゾリル、ベンゾフラザニル、キノリル、イソキノリル、キナゾリニル、キノキサリニル、シンノリニル、またはナフチリジニル)。
【0021】
‘Q’基(Q〜Q)のいずれかがヘテロサイクリルである場合の、そのいずれかに対する適切な意義、あるいは‘Q’基中のヘテロアリール基に対する適切な意義は、例えば、酸素、窒素、およびイオウから選択される最大5つまでのヘテロ原子を有する、非芳香族で飽和もしくは部分飽和の、3〜10員の単環式または二環式の環である(例えば、オキシラニル、オキセタニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、オキセパニル、ピロリニル、ピロリジニル、モルホリニル、テトラヒドロ−1,4−チアジニル、1,1−ジオキソテトラヒドロ−1,4−チアジニル、ピペリジニル、ホモピペリジニル、ピペラジニル、ホモピペラジニル、ジヒドロピリジニル、テトラヒドロピリジニル、ジヒドロピリミジニル、またはテトラヒドロピリミジニルなどがあり、好ましいのは、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、ピロリジニル、モルホリニル、1,1−ジオキソテトラヒドロ−4H−1,4−チアジニル、ピペリジニル、またはピペラジニルである)。1つもしくは2つのオキソ置換基またはチオキソ置換基を有する基に対する適切な意義は、例えば、2−オキソピロリジニル、2−チオキソピロリジニル、2−オキソイミダゾリジニル、2−チオキソイミダゾリジニル、2−オキソピペリジニル、2,5−ジオキソピロリジニル、2,5−ジオキソイミダゾリジニル、または2,6−ジオキソピペリジニルである。
【0022】
ヘテロアリール−(1−6C)アルキルである場合の‘Q’基に対する適切な意義は、例えば、ヘテロアリールメチル、2−ヘテロアリールエチル、および3−ヘテロアリールプロピルである。例えば、ヘテロアリール−(1−6C)アルキル基ではなくて、アリール−(1−6C)アルキル基、(3−7C)シクロアルキル−(1−6C)アルキル基、(3−7C)シクロアルケニル−(1−6C)アルキル基、またはヘテロサイクリル−(1−6C)アルキル基が存在する場合は、本発明は、‘Q’基に対する対応した適切な意義を含む。
【0023】
構造式Iにおいては、キナゾリン環上の2−位と5−位のそれぞれに水素原子が存在している。これによって理解しておかなければならないことは、R置換基がキナゾリン環上の6−位、7−位、または8−位にのみ位置できること、すなわち2−位と5−位は未置換のままである、という点である。さらに理解しておかなければならないことは、構造式I中のベンゾフラン環上に存在するR基は、フェニル環上に位置していても、あるいはフリル環中の炭素原子上に位置していてもよい、という点である。
【0024】
‘R’基(R〜R13)のいずれかに対する適切な意義、あるいはR置換基もしくはR置換基中の種々の基に対する適切な意義としては、下記のようなものがある:
ハロゲノに対しては、フルオロ、クロロ、ブロモ、およびヨード;
(1−6C)アルキルに対しては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、およびtert−ブチル;
(2−8C)アルケニルに対しては、ビニル、イソプロペニル、アリル、およびブト−2−エニル;
(2−8C)アルキニルに対しては、エチニル、2−プロピニル、およびブト−2−イニル;
(1−6C)アルコキシに対しては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、およびブトキシ;
(2−6C)アルケニルオキシに対しては、ビニルオキシとアリルオキシ;
(2−6C)アルキニルオキシに対しては、エチニルオキシと2−プロピニルオキシ;
(1−6C)アルキルチオに対しては、メチルチオ、エチルチオ、およびプロピルチオ;
(1−6C)アルキルスルフィニルに対しては、メチルスルフィニルとエチルスルフィニル;
(1−6C)アルキルスルホニルに対しては、メチルスルホニルとエチルスルホニル;
(1−6C)アルキルアミノに対しては、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、イソプロピルアミノ、およびブチルアミノ;
ジ−[(1−6C)アルキル]アミノに対しては、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、−エチル−−メチルアミノ、およびジイソプロピルアミノ;
(1−6C)アルコキシカルボニルに対しては、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、およびtert−ブトキシカルボニル;
−(1−6C)アルキルカルバモイルに対しては、−メチルカルバモイル、−エチルカルバモイル、および−プロピルカルバモイル;
−ジ−[(1−6C)アルキル]カルバモイルに対しては、−ジメチルカルバモイル、−エチル−−メチルカルバモイル、および−ジエチルカルバモイル;
(2−6C)アルカノイルに対しては、アセチルとプロピオニル;
(2−6C)アルカノイルオキシに対しては、アセトキシとプロピオニルオキシ;
(2−6C)アルカノイルアミノに対しては、アセトアミドとプロピオンアミド;
−(1−6C)アルキル−(2−6C)アルカノイルアミノに対しては、−メチルアセトアミドと−プロピオンアミド;
−(1−6C)アルキルスルファモイルに対しては、−メチルスルファモイルと−エチルスルファモイル;
−ジ[(1−6C)アルキル]スルファモイルに対しては、−ジメチルスルファモイル;
(1−6C)アルカンスルホニルアミノに対しては、メタンスルホニルアミノとエタンスルホニルアミノ;
−(1−6C)アルキル−(1−6C)アルカンスルホニルアミノに対しては、−メチルメタンスルホニルアミノと−メチルエタンスルホニルアミノ;
(3−6C)アルケノイルアミノに対しては、アクリルアミド、メタクリルアミド、およびクロトンアミド;
−(1−6C)アルキル−(3−6C)アルケノイルアミノに対しては、−メチルアクリルアミドと−メチルクロトンアミド;
(3−6C)アルキノイルアミノに対しては、プロピオルアミド(propiolamido);
−(1−6C)アルキル−(3−6C)アルキノイルアミノに対して、−メチルプロピオルアミド(−methylpropiolamido);
アミノ−(1−6C)アルキルに対しては、アミノメチル、2−アミノエチル、1−アミノエチル、および3−アミノプロピル;
(1−6C)アルキルアミノ−(1−6C)アルキルに対しては、メチルアミノメチル、エチルアミノメチル、1−メチルアミノエチル、2−メチルアミノエチル、2−エチルアミノエチル、および3−メチルアミノプロピル;
ジ−[(1−6C)アルキル]アミノ−(1−6C)アルキルに対しては、ジメチルアミノメチル、ジエチルアミノメチル、1−ジメチルアミノエチル、2−ジメチルアミノエチル、および3−ジメチルアミノプロピル;
ハロゲノ−(1−6C)アルキルに対しては、クロロメチル、2−クロロエチル、1−クロロエチル、および3−クロロプロピル;
ヒドロキシ−(1−6C)アルキルに対しては、ヒドロキシメチル、2−ヒドロキシエチル、1−ヒドロキシエチル、および3−ヒドロキシプロピル;
(1−6C)アルコキシ−(1−6C)アルキルに対しては、メトキシメチル、エトキシメチル、1−メトキシエチル、2−メトキシエチル、2−エトキシエチル、および3−メトキシプロピル;
シアノ−(1−6C)アルキルに対しては、シアノメチル、2−シアノエチル、1−シアノエチル、および3−シアノプロピル;
(2−6C)アルカノイルアミノ−(1−6C)アルキルに対しては、アセトアミドメチル、プロピオンアミドメチル、および2−アセトアミドエチル; そして
(1−6C)アルコキシカルボニルアミノ−(1−6C)アルキルに対しては、メトキシカルボニルアミノメチル、エトキシカルボニルアミノメチル、tert−ブトキシカルボニルアミノメチル、および2−メトキシカルボニルアミノエチル。
【0025】
(1−3C)アルキレンジオキシキである場合の(Rに対する適切な意義は、例えば、メチレンジオキシまたはエチレンジオキシであり、その酸素原子が環の隣接位置を占めている。
【0026】
前述したように、R基が式Q−X−の基を形成し、Xが例えばOC(R連結基であるとき、キナゾリン環に結合しているのは、OC(R連結基の炭素原子であって酸素原子ではなく、酸素原子はQ基に結合している。同様に、例えば、R置換基中のCH基が式−X−Qの基を担っていて、Xが例えばC(RO連結基であるとき、CH基に結合しているのはC(RO連結基の炭素原子であって酸素原子ではなく、酸素原子はQ基に結合している。式Q−X−と−X−Qの基の結合に対しても、類似の取り決めが適用される。
【0027】
前述したように、R置換基中の(2−6C)アルキレン鎖における隣接炭素原子が、O、CON(R)、またはC≡C等の基の(2−6C)アルキレン鎖中への挿入によって隔離されてもよい。例えば、2−モルホリノエトキシ基におけるエチレン鎖中へC≡C基が挿入されると、4−モルホリノブト−2−イニルオキシ基が生成し、例えば、3−メトキシプロポキシ基におけるエチレン鎖中にCONH基が挿入されると、2−(2−メトキシアセトアミド)エトキシ基が生成する。
【0028】
前述したように、R置換基中のCH=CH−基またはHC≡C−基が、式Q−X−(式中、Xは例えばNHCOであり、Qはヘテロサイクリル−(1−6C)アルキル基である)で示される基のような置換基を、末端のCH=位置またはHC≡位置に有していてもよいとき、このようにして形成される適切なR置換基としては、例えば−[ヘテロサイクリル−(1−6C)アルキル]カルバモイルビニル基〔例えば−(2−ピロリジン−1−イルエチル)カルバモイルビニル〕や−[ヘテロサイクリル−(1−6C)アルキル]カルバモイルエチニル基〔例えば−(2−ピロリジン−1−イルエチル)カルバモイルエチニル〕がある。
【0029】
前述したように、R置換基中のCH基またはCH基が、前記それぞれのCH基またはCH基上に、1つ以上のハロゲノもしくは(1−6C)アルキル置換基を有していてもよい場合、前記それぞれのCH基上には、1つ又は2つのハロゲノもしくは(1−6C)アルキル置換基が存在するのが適切であり、前記それぞれのCH基上には、1つ、2つ、又は3つのこのような置換基が存在するのが適切である。
【0030】
前述したように、R置換基中のCH基またはCH基が、前記それぞれのCH基またはCH基上に、前記のような置換基を有していてもよい場合、このようにして形成される適切なR置換基としては、例えば、ヒドロキシ置換ヘテロサイクリル−(1−6C)アルコキシ基(例えば、2−ヒドロキシ−3−ピペリジノプロポキシや2−ヒドロキシ−3−モルホリノプロポキシ)、ヒドロキシ置換アミノ−(2−6C)アルコキシ基(例えば3−アミノ−2−ヒドロキシプロポキシ)、ヒドロキシ置換(1−6C)アルキルアミノ−(2−6C)アルコキシ基(例えば2−ヒドロキシ−3−メチルアミノプロポキシ)、ヒドロキシ置換ジ−[(1−6C)アルキル]アミノ−(2−6C)アルコキシ基(例えば3−ジメチルアミノ−2−ヒドロキシプロポキシ)、ヒドロキシ置換ヘテロサイクリル−(1−6C)アルキルアミノ基(例えば、2−ヒドロキシ−3−ピペリジノプロピルアミノや2−ヒドロキシ−3−モルホリノプロピルアミノ)、ヒドロキシ置換アミノ−(2−6C)アルキルアミノ基(例えば3−アミノ−2−ヒドロキシプロピルアミノ)、ヒドロキシ置換(1−6C)アルキルアミノ−(2−6C)アルキルアミノ基(例えば2−ヒドロキシ−3−メチルアミノプロピルアミノ)、ヒドロキシ置換ジ−[(1−6C)アルキル]アミノ−(2−6C)アルキルアミノ基(例えば3−ジメチルアミノ−2−ヒドロキシプロピルアミノ)、ヒドロキシ置換(1−6C)アルコキシ基(例えば2−ヒドロキシエトキシ)、(1−6C)アルコキシ置換(1−6C)アルコキシ基(例えば、2−メトキシエトキシや3−エトキシプロポキシ)、(1−6C)アルキルスルホニル置換(1−6C)アルコキシ基(例えば2−メチルスルホニルエトキシ)、およびヘテロサイクリル置換(1−6C)アルキルアミノ−(1−6C)アルキル基(例えば、2−モルホリノエチルアミノメチル、2−ピペラジン1−イルエチルアミノメチル、および3−モルホリノプロピルアミノメチル)などがある。
【0031】
式Iの化合物の医薬用として許容しうる適切な塩は、例えば、式Iの化合物の酸付加塩〔例えば、無機酸もしくは有機酸(塩酸、臭化水素酸、硫酸、トリフルオロ酢酸、クエン酸、またはマレイン酸)との酸付加塩〕; あるいは例えば、充分に酸性である式Iの化合物の塩〔例えば、アルカリ金属塩もしくはアルカリ土類金属塩(例えば、カルシウム塩やマグネシウム塩)、アンモニウム塩、または有機塩基(例えば、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、ピペリジン、モルホリン、またはトリス−(2−ヒドロキシエチル)アミン)との塩〕である。
【0032】
本発明の特定の新規化合物としては、例えば、式Iのキナゾリン誘導体もしくは前記誘導体の医薬用として許容しうる塩があり、このとき特に明記しない限り、m、R、R、n、およびRは、前記にて定義した意味のいずれか、あるいは下記のパラグラフ(a)〜(h)において定義されている意味のいずれかを有する:
(a) mが1または2であり、各R基は、同一であっても異なっていてもよく、ハロゲノ、トリフルオロメチル、ヒドロキシ、アミノ、カルバモイル、(1−6C)アルキル、(2−8C)アルケニル、(2−8C)アルキニル、(1−6C)アルコキシ、(1−6C)アルキルアミノ、ジ−[(1−6C)アルキル]アミノ、−(1−6C)アルキルカルバモイル、−ジ[(1−6C)アルキル]カルバモイル、(2−6C)アルカノイルアミノ、−(1−6C)アルキル−(2−6C)アルカノイルアミノ、(3−6C)アルケノイルアミノ、−(1−6C)アルキル−(3−6C)アルケノイルアミノ、(3−6C)アルキノイルアミノ、および−(1−6C)アルキル−(3−6C)アルキノイルアミノから、または式
−X
[式中、Xは、直接結合であるか、またはO、N(R)、CON(R)、N(R)CO、およびOC(R(式中、Rは水素または(1−6C)アルキルである)から選択され、Qは、アリール、アリール−(1−6C)アルキル、シクロアルキル−(1−6C)アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリール−(1−6C)アルキル、ヘテロサイクリル、またはヘテロサイクリル−(1−6C)アルキルである]で示される基から選択され、
このときR置換基中の(2−6C)アルキレン鎖における隣接炭素原子が、O、N(R)、CON(R)、N(R)CO、CH=CH、およびC≡C(式中、Rは水素または(1−6C)アルキルである)から選択される基の(2−6C)アルキレン鎖中への挿入によって隔離されていてもよく、あるいは挿入基がN(R)であるとき、Rは(2−6C)アルカノイルであってもよく、
このときR置換基中のCH=CH−基またはHC≡C−基が、カルバモイル、−(1−6C)アルキルカルバモイル、−ジ−[(1−6C)アルキル]カルバモイル、アミノ−(1−6C)アルキル、(1−6C)アルキルアミノ−(1−6C)アルキル、およびジ−[(1−6C)アルキル]アミノ−(1−6C)アルキルから、または式
−X
[式中、Xは、直接結合であるか、またはCOもしくはN(R)CO(式中、Rは水素または(1−6C)アルキルである)であり、Qは、ヘテロアリール、ヘテロアリール−(1−6C)アルキル、ヘテロサイクリル、またはヘテロサイクリル−(1−6C)アルキルである]で示される基から選択される置換基を、CH=もしくはHC≡の末端位置に有していてもよく、
このときR置換基中のCH基またはCH基が、ヒドロキシ、アミノ、(1−6C)アルコキシ、(1−6C)アルキルスルホニル、(1−6C)アルキルアミノ、ジ−[(1−6C)アルキル]アミノ、(2−6C)アルカノイルオキシ、(2−6C)アルカノイルアミノ、および−(1−6C)アルキル(2−6C)アルカノイルアミノから、または式
−X−Q
[式中、Xは、直接結合であるか、またはO、N(R)、CON(R)、N(R)CO、およびC(RO(式中、Rは水素または(1−6C)アルキルである)から選択され、Qは、ヘテロアリール、ヘテロアリール−(1−6C)アルキル、ヘテロサイクリル、またはヘテロサイクリル−(1−6C)アルキルである]で示される基から選択される置換基を、それぞれの前記CH基または前記CH基上に有していてもよく、
このときR上の置換基中のアリール基、ヘテロアリール基、またはヘテロサイクリル基が、ハロゲノ、トリフルオロメチル、ヒドロキシ、アミノ、カルバモイル、(1−6C)アルキル、(1−6C)アルコキシ、−(1−6C)アルキルカルバモイル、および,−ジ−[(1−6C)アルキル]カルバモイルから選択される、同一であっても異なっていてもよい1つ、2つ、もしくは3つの置換基を有していてもよく、あるいは式
−X−R
[式中、Xは、直接結合であるか、またはOとN(R)(式中、Rは水素または(1−6C)アルキルである)から選択され、Rは、ヒドロキシ−(1−6C)アルキル、(1−6C)アルコキシ−(1−6C)アルキル、シアノ−(1−6C)アルキル、アミノ−(1−6C)アルキル、(1−6C)アルキルアミノ−(1−6C)アルキル、ジ−[(1−6C)アルキル]アミノ−(1−6C)アルキル、(2−6C)アルカノイルアミノ−(1−6C)アルキル、または(1−6C)アルコキシカルボニルアミノ−(1−6C)アルキルである]で示される基、および式
−X−Q
[式中、Xは、直接結合であるか、またはO、N(R10)(式中、R10は水素または(1−6C)アルキルである)、およびCOから選択され、Qは、ハロゲノ、(1−6C)アルキル、および(1−6C)アルコキシから選択される、同一であっても異なっていてもよい1つ又は2つの置換基を有していてもよいヘテロサイクリルもしくはヘテロサイクリル−(1−6C)アルキルである]で示される基から選択される1つの置換基を有していてもよく、
このときR上の置換基中のヘテロサイクリル基が、1つ又は2つのオキソ置換基を有していてもよく;
(b) mが1または2であり、各R基は、同一であっても異なっていてもよく、フルオロ、クロロ、トリフルオロメチル、ヒドロキシ、アミノ、カルバモイル、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ビニル、エチニル、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジプロピルアミノ、−メチルカルバモイル、−ジメチルカルバモイル、アセトアミド、プロピオンアミド、アクリルアミド、およびプロピオルアミドから選択されるか、あるいは式
−X
[式中、Xは、直接結合であるか、またはO、NH、CONH、NHCO、およびOCHから選択され、Qは、フェニル、ベンジル、シクロプロピルメチル、2−チエニル、1−イミダゾリル、1,2,3−トリアゾール−1−イル、1,2,4−トリアゾール−1−イル、2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル、2−イミダゾール−1−イルエチル、3−イミダゾール−1−イルプロピル、2−(1,2,3−トリアゾリル)エチル、3−(1,2,3−トリアゾリル)プロピル、2−(1,2,4−トリアゾリル)エチル、3−(1,2,4−トリアゾリル)プロピル、2−ピリジルメチル、3−ピリジルメチル、4−ピリジルメチル、2−(2−ピリジル)エチル、2−(3−ピリジル)エチル、2−(4−ピリジル)エチル、3−(2−ピリジル)プロピル、3−(3−ピリジル)プロピル、3−(4−ピリジル)プロピル、1−ピロリジニル、2−ピロリジニル、3−ピロリジニル、モルホリノ、1,1−ジオキソテトラヒドロ−4−1,4−チアジン−4−イル、ピペリジノ、ピペリジン−3−イル、ピペリジン−4−イル、1−ホモピペリジニル、3−ホモピペリジニル、4−ホモピペリジニル、ピペラジン1−イル、ホモピペラジン−1−イル、1−ピロリジニルメチル、2−ピロリジニルメチル、3−ピロリジニルメチル、モルホリノメチル、ピペリジノメチル、3−ピペリジニルメチル、4−ピペリジニルメチル、1−ホモピペリジニルメチル、3−ホモピペリジニルメチル、4−ホモピペリジニルメチル、2−ピロリジン−1−イルメチル、3−ピロリジン−2−イルプロピル、ピロリジン−2−イルメチル、2−ピロリジン−2−イルエチル、3−ピロリジン−1−イルプロピル、4−ピロリジン−1−イルブチル、2−モルホリノエチル、3−モルホリノプロピル、4−モルホリノブチル、2−(1,1−ジオキソテトラヒドロ−4−1,4−チアジン−4−イル)エチル、3−(1,1−ジオキソテトラヒドロ−4−1,4−チアジン−4−イル)プロピル、2−ピペリジノエチル、3−ピペリジノプロピル、4−ピペリジノブチル、2−ピペリジン−3−イルエチル、3−ピペリジン−3−イルプロピル、2−ピペリジン−4−イルエチル、3−ピペリジン−4−イルプロピル、2−ホモピペリジン−1−イルエチル、3−ホモピペリジン−1−イルプロピル、2−ピペラジン−1−イルエチル、3−ピペラジン−1−イルプロピル、4−ピペラジン−1−イルブチル、2−ホモピペラジン−1−イルエチル、または3−ホモピペラジン−1−イルプロピルである]で示される基から選択され、
このときR置換基中の(2−6C)アルキレン鎖における隣接炭素原子が、O、NH、CONH、NHCO、CH=CH、およびC≡Cから選択される基の(2−6C)アルキレン鎖中への挿入によって隔離されていてもよく、
ここで、R置換基内の任意のCH=CH−又はHC≡C−基は、場合により、カルバモイル、N−メチルカルバモイル、N−エチルカルバモイル、N−プロピルカルバモイル、N,N−ジメチルカルバモイル、アミノメチル、2−アミノエチル、3−アミノプロピル、4−アミノブチル、メチルアミノメチル、2−メチルアミノエチル、3−メチルアミノプロピル、4−メチルアミノブチル、ジメチルアミノメチル、2−ジメチルアミノエチル、3−ジメチルアミノプロピル、又は4−ジメチルアミノブチルからか、又は式:
−X
[式中:Xは、直接の結合であるか、又はCO、NHCO、又はN(Me)COであり、そしてQは、ピリジル、ピリジルメチル、2−ピリジルエチル、ピロリジン−1−イル、ピロリジン−2−イル、モルホリノ、ピペリジノ、ピペリジン−3−イル、ピペリジン−4−イル、ピペラジン−1−イル、ピロリジン−1−イルメチル、2−ピロリジン−1−イルエチル、3−ピロリジン−1−イルプロピル、4−ピロリジン−1−イルブチル、ピロリジン−2−イルメチル、2−ピロリジン−2−イルエチル、3−ピロリジン−2−イルプロピル、モルホリノメチル、2−モルホリノエチル、3−モルホリノプロピル、4−モルホリノブチル、ピペリジノメチル、2−ピペリジノエチル、3−ピペリジノプロピル、4−ピペリジノブチル、ピペリジン−3−イルメチル、2−ピペリジン−3−イルエチル、ピペリジン−4−イルメチル、2−ピペリジン−4−イルエチル、ピペラジン−1−イルメチル、2−ピペラジン−1−イルエチル、3−ピペラジン−1−イルプロピル、又は4−ピペラジン−1−イルブチルである]の基から選択される置換基を末端のCH=若しくはHC≡の位置に担い、
ここで、R置換基内の任意のCH若しくはCH基は、場合により、それぞれの前記CH若しくはCH基に、ヒドロキシ、アミノ、メトキシ、メチルスルホニル、メチルアミノ、ジメチルアミノ、ジイソプロピルアミノ、N−エチル−N−メチルアミノ、N−イソプロピル−N−メチルアミノ、N−メチル−N−プロピルアミノ、アセトキシ、アセトアミド、及びN−メチルアセトアミドからか、又は式:
−X−Q
[式中:Xは、直接の結合であるか、又はO、NH、CONH、NHCO、及びCHOから選択され、そしてQは、ピリジル、ピリジルメチル、ピロリジン−1−イル、ピロリジン−2−イル、モルホリノ、ピペリジノ、ピペリジン−3−イル、ピペリジン−4−イル、ピペラジン−1−イル、2−ピロリジン−1−イルエチル、3−ピロリジン−1−イルプロピル、ピロリジン−2−イルメチル、2−ピロリジン−2−イルエチル、3−ピロリジン−2−イルプロピル、2−モルホリノエチル、3−モルホリノプロピル、2−ピペリジノエチル、3−ピペリジノプロピル、ピペリジン−3−イルメチル、2−ピペリジン−3−イルエチル、ピペリジン−4−イルメチル、2−ピペリジン−4−イルエチル、2−ピペラジン−1−イルエチル、又は3−ピペラジン−1−イルプロピルである]の基から選択される置換基を担い、
ここで、Rの置換基内の任意のアリール、ヘテロアリール、又はヘテロサイクリル基は、場合により、フルオロ、クロロ、トリフルオロメチル、ヒドロキシ、アミノ、カルバモイル、メチル、エチル、メトキシ、N−メチルカルバモイル、及びN,N−ジメチルカルバモイルから選択される、同じであっても異なっていてもよい1、2、又は3つの置換基を担うか、又は場合により、式:
−X−R
[式中、Xは、直接結合であるか、またはOとNHから選択され、Rは、2−ヒドロキシエチル、3−ヒドロキシプロピル、2−メトキシエチル、3−メトキシプロピル、シアノメチル、アミノメチル、2−アミノメチル、3−アミノプロピル、メチルアミノメチル、2−メチルアミノエチル、3−メチルアミノプロピル、2−エチルアミノエチル、3−エチルアミノプロピル、ジメチルアミノメチル、2−ジメチルアミノエチル、3−ジメチルアミノプロピル、アセトアミドメチル、メトキシカルボニルアミノメチル、エトキシカルボニルアミノメチル、またはtert−ブトキシカルボニルアミノメチルである]で示される基、および式
−X−Q
[式中、Xは、直接の結合であるか、又はO、NH、及びCOから選択され、Qは、ピロリジン−1−イルメチル、2−ピロリジン−1−イルエチル、3−ピロリジン−1−イルプロピル、モルホリノメチル、2−モルホリノエチル、3−モルホリノプロピル、ピペリジノメチル、2−ピペリジノエチル、3−ピペリジノプロピル、ピペラジン−1−イルメチル、2−ピペラジン−1−イルエチル、又は3−ピペラジン−1−イルプロピルであって、このそれぞれは、場合により、フルオロ、クロロ、メチル、及びメトキシから選択される、同じであっても異なっていてもよい、1又は2つの置換基を担う]で示される基から選択される1つの置換基を担っていてもよく、
このときR上の置換基中のヘテロサイクリル基が、1つ又は2つのオキソ置換基を有していてもよく;
(c) mは、1又は2であり、それぞれのR基は、同じであっても異なっていてもよく、6及び/又は7位に位置し、ヒドロキシ、アミノ、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ビニル、エチニル、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、メチルアミノ、エチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、アセトアミド、プロピオンアミド、シクロペンチルオキシ、シクロヘキシルオキシ、フェノキシ、ベンジルオキシ、テトラヒドロフラン−3−イルオキシ、テトラヒドロピラン−3−イルオキシ、テトラヒドロピラン−4−イルオキシ、シクロプロピルメトキシ、2−イミダゾール−1−イルエトキシ、3−イミダゾール−1−イルプロポキシ、2−(1,2,3−トリアゾール−1−イル)エトキシ、3−(1,2,3−トリアゾール−1−イル)プロポキシ、2−(1,2,4−トリアゾール−1−イル)エトキシ、3−(1,2,4−トリアゾール−1−イル)プロポキシ、ピリド−2−イルメトキシ、ピリド−3−イルメトキシ、ピリド−4−イルメトキシ、2−ピリド−2−イルエトキシ、2−ピリド−3−イルエトキシ、2−ピリド−4−イルエトキシ、3−ピリド−2−イルプロポキシ、3−ピリド−3−イルプロポキシ、3−ピリド−4−イルプロポキシ、ピロリジン−1−イル、モルホリノ、ピペリジノ、ピペラジン−1−イル、2−ピロリジン−1−イルエトキシ、3−ピロリジン−1−イルプロポキシ、4−ピロリジン−1−イルブトキシ、ピロリジン−3−イルオキシ、ピロリジン−2−イルメトキシ、2−ピロリジン−2−イルエトキシ、3−ピロリジン−2−イルプロポキシ、2−モルホリノエトキシ、3−モルホリノプロポキシ、4−モルホリノブトキシ、2−(1,1−ジオキソテトラヒドロ−4H−1,4−チアジン−4−イル)エトキシ、3−(1,1−ジオキソテトラヒドロ−4H−1,4−チアジン−4−イル)プロポキシ、2−ピペリジノエトキシ、3−ピペリジノプロポキシ、4−ピペリジノブトキシ、ピペリジン−3−イルオキシ、ピペリジン−4−イルオキシ、ピペリジン−3−イルメトキシ、ピペリジン−4−イルメトキシ、2−ピペリジン−3−イルエトキシ、3−ピペリジン−3−イルプロポキシ、2−ピペリジン−4−イルエトキシ、3−ピペリジン−4−イルプロポキシ、2−ホモピペリジン−1−イルエトキシ、3−ホモピペリジン−1−イルプロポキシ、2−ピペラジン−1−イルエトキシ、3−ピペラジン−1−イルプロポキシ、4−ピペラジン−1−イルブトキシ、2−ホモピペラジン−1−イルエトキシ、3−ホモピペラジン−1−イルプロポキシ、2−ピロリジン−1−イルエチルアミノ、3−ピロリジン−1−イルプロピルアミノ、4−ピロリジン−1−イルブチルアミノ、ピロリジン−3−イルアミノ、ピロリジン−2−イルメチルアミノ、2−ピロリジン−2−イルエチルアミノ、3−ピロリジン−2−イルプロピルアミノ、2−モルホリノエチルアミノ、3−モルホリノプロピルアミノ、4−モルホリノブチルアミノ、2−(1,1−ジオキソテトラヒドロ−4H−1,4−チアジン−4−イル)エチルアミノ、3−(1,1−ジオキソテトラヒドロ−4H−1,4−チアジン−4−イル)プロピルアミノ、2−ピペリジノエチルアミノ、3−ピペリジノプロピルアミノ、4−ピペリジノブチルアミノ、ピペリジン−3−イルアミノ、ピペリジン−4−イルアミノ、ピペリジン−3−イルメチルアミノ、2−ピペリジン−3−イルエチルアミノ、ピペリジン−4−イルメチルアミノ、2−ピペリジン−4−イルエチルアミノ、2−ホモピペリジン−1−イルエチルアミノ、3−ホモピペリジン−1−イルプピルアミノ、2−ピペラジン−1−イルエチルアミノ、3−ピペラジン−1−イルプロピルアミノ、4−ピペラジン−1−イルブチルアミノ、2−ホモピペラジン−1−イルエチルアミノ、又は3−ホモピペラジン−1−イルプロピルアミノから選択され、
このときR置換基中の(2−6C)アルキレン鎖における隣接炭素原子が、O、NH、CH=CH、およびC≡Cから選択される基の(2−6C)アルキレン鎖中への挿入によって隔離されていてもよく、
ここで、Rがビニル若しくはエチニル基である場合、R置換基は、場合により、N−(2−ジメチルアミノエチル)カルバモイル、N−(3−ジメチルアミノプロピル)カルバモイル、メチルアミノメチル、2−メチルアミノエチル、3−メチルアミノプロピル、4−メチルアミノブチル、ジメチルアミノメチル、2−ジメチルアミノエチル、3−ジメチルアミノプロピル、及び4−ジメチルアミノブチルからか、又は式
−X
[式中、Xは、直接の結合であるか、又はNHCO、又はN(Me)COであり、そしてQは、イミダゾリルメチル、2−イミダゾリルエチル、3−イミダゾリルプロピル、ピリジルメチル、2−ピリジルエチル、3−ピリジルプロピル、ピロリジン−1−イルメチル、2−ピロリジン−1−イルエチル、3−ピロリジン−1−イルプロピル、4−ピロリジン−1−イルブチル、ピロリジン−2−イルメチル、2−ピロリジン−2−イルエチル、3−ピロリジン−2−イルプロピル、モルホリノメチル、2−モルホリノエチル、3−モルホリノプロピル、4−モルホリノブチル、ピペリジノメチル、2−ピペリジノエチル、3−ピペリジノプロピル、4−ピペリジノブチル、ピペリジン−3−イルメチル、2−ピペリジン−3−イルエチル、ピペリジン−4−イルメチル、2−ピペリジン−4−イルエチル、ピペラジン−1−イルメチル、2−ピペラジン−1−イルエチル、3−ピペラジン−1−イルプロピル、又は4−ピペラジン−1−イルブチルである]の基から選択される置換基を末端のCH=若しくはHC≡の位置に担い、
ここで、R置換基内の任意のCH若しくはCH基は、場合により、それぞれの前記CH若しくはCH基に、ヒドロキシ、アミノ、メトキシ、メチルスルホニル、メチルアミノ、ジメチルアミノ、ジイソプロピルアミノ、N−エチル−N−メチルアミノ、N−イソプロピル−N−メチルアミノ、N−メチル−N−プロピルアミノ、アセトキシ、アセトアミド、及びN−メチルアセトアミドから選択される置換基を担い、
ここで、Rの置換基内の任意のフェニル、イミダゾリル、トリアゾリル、ピリジル、又はヘテロサイクリル基は、場合により、フルオロ、クロロ、トリフルオロメチル、ヒドロキシ、アミノ、カルバモイル、メチル、エチル、N−メチルカルバモイル、N,N−ジメチルカルバモイル、及びメトキシから選択される、同じであっても異なっていてもよい1又は2つの置換基を担い、R置換基内のピロリジン−2−イル、ピペリジン−3−イル、ピペリジン−4−イル、ピペラジン−1−イル、又はホモピペラジン−1−イル基は、場合により、2−メトキシエチル、3−メトキシプロピル、シアノメチル、2−アミノエチル、3−アミノプロピル、2−メチルアミノエチル、3−メチルアミノプロピル、2−ジメチルアミノエチル、3−ジメチルアミノプロピル、2−ピロリジン−1−イルエチル、3−ピロリジン−1−イルプロピル、2−モルホリノエチル、3−モルホリノプロピル、2−ピペリジノエチル、3−ピペリジノプロピル、2−ピペラジン−1−イルエチル、又は3−ピペラジン−1−イルプロピルでN−置換され、この置換基のうち最後の8つは、それぞれ場合により、フルオロ、クロロ、メチル、及びメトキシから選択される、同じであっても異なっていてもよい、1又は2つの置換基を担い、
上の置換基中のヘテロサイクリル基が、1つ又は2つのオキソ置換基を有していてもよく;
(d) mは1であり、R基は、6又は7位に位置し、ヒドロキシ、アミノ、メチル、エチル、プロピル、ブチル、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、メチルアミノ、エチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、アセトアミド、プロピオンアミド、ベンジルオキシ、2−イミダゾール−1−イルエトキシ、2−(1,2,3−トリアゾール−1−イル)エトキシ、2−(1,2,4−トリアゾール−1−イル)エトキシ、2−ピロリジン−1−イルエトキシ、3−ピロリジン−1−イルプロポキシ、4−ピロリジン−1−イルブトキシ、ピロリジン−3−イルオキシ、ピロリジン−2−イルメトキシ、2−ピロリジン−2−イルエトキシ、3−ピロリジン−2−イルプロポキシ、2−モルホリノエトキシ、3−モルホリノプロポキシ、4−モルホリノブトキシ、2−(1,1−ジオキソテトラヒドロ−4H−1,4−チアジン−4−イル)エトキシ、3−(1,1−ジオキソテトラヒドロ−4H−1,4−チアジン−4−イル)プロポキシ、2−ピペリジノエトキシ、3−ピペリジノプロポキシ、4−ピペリジノブトキシ、ピペリジン−3−イルオキシ、ピペリジン−4−イルオキシ、ピペリジン−3−イルメトキシ、2−ピペリジン−3−イルエトキシ、ピペリジン−4−イルメトキシ、2−ピペリジン−4−イルエトキシ、2−ホモピペリジン−1−イルエトキシ、3−ホモピペリジン−1−イルプロポキシ、2−ピペラジン−1−イルエトキシ、3−ピペラジン−1−イルプロポキシ、2−ホモピペラジン−1−イルエトキシ、又は3−ホモピペラジン−1−イルプロポキシから選択され、
ここで、R置換基内の任意の(2−6C)アルキレン鎖中にある隣接炭素原子は、場合により、O、NH、CH=CH、及びC≡Cから選択される基の該鎖への挿入により分離され、
ここで、R置換基内の任意のCH若しくはCH基は、場合により、それぞれの前記CH若しくはCH基に、ヒドロキシ、アミノ、メトキシ、メチルスルホニル、メチルアミノ、ジメチルアミノ、ジイソプロピルアミノ、N−エチル−N−メチルアミノ、N−イソプロピル−N−メチルアミノ、及びアセトキシから選択される置換基を担い、
ここで、Rの置換基内の任意のヘテロアリール又はヘテロサイクリル基は、場合により、フルオロ、クロロ、トリフルオロメチル、ヒドロキシ、アミノ、メチル、エチル、及びメトキシから選択される、同じであっても異なっていてもよい1又は2つの置換基を担い、
上の置換基中のヘテロサイクリル基が、1つ又は2つのオキソ置換基を有していてもよく;
(e) Rが水素であり;
(f) nは、1又は2であり、R基は、同じであっても異なっていてもよく、ベンゾフラン環の5及び/又は6位に位置し、ハロゲノ、トリフルオロメチル、シアノ、ヒドロキシ、(1−6C)アルキル、(2−8C)アルケニル、(2−8C)アルキニル、及び(1−6C)アルコキシから選択される;
(g) nは、1又は2であり、R基は、同じであっても異なっていてもよく、ベンゾフラン環の5及び/又は6位に位置し、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、トリフルオロメチル、シアノ、ヒドロキシ、メチル、エチル、ビニル、アリル、イソプロペニル、エチニル、1−プロピニル、2−プロピニル、メトキシ、及びエトキシから選択される;
(h) nは0である。
【0033】
本発明の好ましい化合物は、式Iのキナゾリン誘導体[ここで、mは、1又は2であり、それぞれのR基は、同じであっても異なっていてもよく、6及び/又は7位に位置し、ヒドロキシ、アミノ、メチル、エチル、プロピル、ブチル、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、メチルアミノ、エチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、アセトアミド、プロピオンアミド、2−イミダゾール−1−イルエトキシ、2−(1,2,4−トリアゾール−1−イル)エトキシ、2−ピロリジン−1−イルエトキシ、3−ピロリジン−1−イルプロポキシ、4−ピロリジン−1−イルブトキシ、ピロリジン−3−イルオキシ、ピロリジン−2−イルメトキシ、2−ピロリジン−2−イルエトキシ、3−ピロリジン−2−イルプロポキシ、2−モルホリノエトキシ、3−モルホリノプロポキシ、4−モルホリノブトキシ、2−(1,1−ジオキソテトラヒドロ−4H−1,4−チアジン−4−イル)エトキシ、3−(1,1−ジオキソテトラヒドロ−4H−1,4−チアジン−4−イル)プロポキシ、2−ピペリジノエトキシ、3−ピペリジノプロポキシ、4−ピペリジノブトキシ、ピペリジン−3−イルオキシ、ピペリジン−4−イルオキシ、ピペリジン−3−イルメトキシ、ピペリジン−4−イルメトキシ、2−ピペリジン−3−イルエトキシ、3−ピペリジン−3−イルプロポキシ、2−ピペリジン−4−イルエトキシ、3−ピペリジン−4−イルプロポキシ、2−ホモピペリジン−1−イルエトキシ、3−ホモピペリジン−1−イルプロポキシ、2−ピペラジン−1−イルエトキシ、3−ピペラジン−1−イルプロポキシ、4−ピペラジン−1−イルブトキシ、2−ホモピペラジン−1−イルエトキシ、及び3−ホモピペラジン−1−イルプロポキシから選択され、
このときR置換基中の(2−6C)アルキレン鎖における隣接炭素原子が、O、NH、CH=CH、およびC≡Cから選択される基の(2−6C)アルキレン鎖中への挿入によって隔離されていてもよく、
ここで、R置換基内の任意のCH若しくはCH基は、場合により、それぞれの前記CH若しくはCH基に、ヒドロキシ、アミノ、メトキシ、メチルスルホニル、メチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、N−エチル−N−メチルアミノ、N−イソプロピル−N−メチルアミノ、N−メチル−N−プロピルアミノ、及びアセトキシから選択される基を担い;
ここで、Rの置換基内の任意のヘテロアリール若しくはヘテロシクリル基は、場合により、フルオロ、クロロ、トリフルオロメチル、ヒドロキシ、アミノ、カルバモイル、メチル、エチル、メトキシ、N−メチルカルバモイル、及びN,N−ジメチルカルバモイルから選択される、同じであっても異なっていてもよい1又は2つの置換基を担い、そしてR置換基内のピロリジン−2−イル、ピペリジン−3−イル、ピペリジン−4−イル、ピペラジン−1−イル、又はホモピペラジン−1−イル基は、場合により、2−メトキシエチル、3−メトキシプロピル、シアノメチル、2−アミノエチル、3−アミノプロピル、2−メチルアミノエチル、3−メチルアミノプロピル、2−ジメチルアミノエチル、3−ジメチルアミノプロピル、2−ピロリジン−1−イルエチル、3−ピロリジン−1−イルプロピル、2−モルホリノエチル、3−モルホリノプロピル、2−ピペリジノエチル、3−ピペリジノプロピル、2−ピペラジン−1−イルエチル、又は3−ピペラジン−1−イルプロピルでN−置換され、この置換基のうち最後の8つは、それぞれ場合により、フルオロ、クロロ、メチル、及びメトキシから選択される、同じであっても異なっていてもよい、1又は2つの置換基を担い、
ここで、Rの置換基内の任意のヘテロシクリル基は、場合により、1又は2つのオキソ置換基を担い;
は水素であり;
nは、0又は1であり、R基は、存在する場合、ベンゾフラン環の5又は6位に位置し、フルオロ、クロロ、トリフルオロメチル、シアノ、ヒドロキシ、メチル、エチル、ビニル、アリル、エチニル、メトキシ、及びエトキシから選択される]、または前記誘導体の医薬用として許容しうる酸付加塩である。
【0034】
本発明の他の好ましい化合物は、式Iのキナゾリン誘導体[ここで、mは2であり、第一のR基は6位に位置し、ヒドロキシ、メトキシ、エトキシ、及びプロポキシから選択され、第二のR基は7位に位置し、2−ジメチルアミノエトキシ、3−ジメチルアミノプロポキシ、4−ジメチルアミノブトキシ、2−ジエチルアミノエトキシ、3−ジエチルアミノプロポキシ、4−ジエチルアミノブトキシ、2−ジイソプロピルアミノエトキシ、3−ジイソプロピルアミノプロポキシ、4−ジイソプロピルアミノブトキシ、2−(N−イソプロピル−N−メチルアミノ)エトキシ、3−(N−イソプロピル−N−メチルアミノ)プロポキシ、4−(N−イソプロピル−N−メチルアミノ)ブトキシ、2−ピロリジン−1−イルエトキシ、3−ピロリジン−1−イルプロポキシ、4−ピロリジン−1−イルブトキシ、ピロリジン−3−イルオキシ、N−メチルピロリジン−3−イルオキシ、ピロリジン−2−イルメトキシ、2−ピロリジン−2−イルエトキシ、3−ピロリジン−2−イルプロポキシ、2−モルホリノエトキシ、3−モルホリノプロポキシ、4−モルホリノブトキシ、2−(1,1−ジオキソテトラヒドロ−4H−1,4−チアジン−4−イル)エトキシ、3−(1,1−ジオキソテトラヒドロ−4H−1,4−チアジン−4−イル)プロポキシ、2−ピペリジノエトキシ、3−ピペリジノプロポキシ、4−ピペリジノブトキシ、ピペリジン−3−イルオキシ、N−メチルピペリジン−3−イルオキシ、ピペリジン−4−イルオキシ、N−メチルピペリジン−4−イルオキシ、ピペリジン−3−イルメトキシ、N−メチルピペリジン−3−イルメトキシ、ピペリジン−4−イルメトキシ、N−メチルピペリジン−4−イルメトキシ、2−ピペリジン−3−イルエトキシ、2−(N−メチルピペリジン−3−イル)エトキシ、3−ピペリジン−3−イルプロポキシ、3−(N−メチルピペリジン−3−イル)プロポキシ、2−ピペリジン−4−イルエトキシ、2−(N−メチルピペリジン−4−イル)エトキシ、3−ピペリジン−4−イルプロポキシ、3−(N−メチルピペリジン−4−イル)プロポキシ、2−(4−メチルピペラジン−1−イル)エトキシ、3−(4−メチルピペラジン−1−イル)プロポキシ、4−(4−メチルピペラジン−1−イル)ブトキシ、2−(4−シアノメチルピペラジン−1−イル)エトキシ、3−(4−シアノメチルピペラジン−1−イル)プロポキシ、4−(4−シアノメチルピペラジン−1−イル)ブトキシ、2−[2−(4−メチルピペラジン−1−イル)エトキシ]エトキシ、2−メチルスルホニルエトキシ、及び3−メチルスルホニルプロポキシから選択され、
ここで、2つの炭素原子に付いた第二のR基内の任意のCH基は、場合により、前記CH基にヒドロキシ基又はアセトキシ基を担い、
ここで、第二のR基内の任意のヘテロシクリル基は、場合により、1又は2つのオキソ置換基を担い;
は水素であり;そして
nは0であるか、又はnは1であり、R基は、ベンゾフラン環の5又は6位に位置し、フルオロ、クロロ、トリフルオロメチル、シアノ、メチル、エチル、エチニル、メトキシ、及びエトキシから選択される]、または前記誘導体の医薬用として許容しうる酸付加塩である。
【0035】
本発明のさらに他の好ましい化合物は、
mが2であり、第1のR基が6−位に位置していて、ヒドロキシ、メトキシ、エトキシ、および、プロポキシから選択され、第2のR基が7−位に位置していて、2−ジメチルアミノエトキシ、3−ジメチルアミノプロポキシ、2−ジエチルアミノエトキシ、3−ジエチルアミノプロポキシ、2−ジイソプロピルアミノエトキシ、3−ジイソプロピルアミノプロポキシ、2−(−イソプロピル−−メチルアミノ)エトキシ、3−(−イソプロピル−−メチルアミノ)プロポキシ、2−(−イソブチル−−メチルアミノ)エトキシ、3−(−イソブチル−−メチルアミノ)プロポキシ、2−(−アリル−−メチルアミノ)エトキシ、3−(−アリル−−メチルアミノ)プロポキシ、2−ピロリジン−1−イルエトキシ、3−ピロリジン−1−イルプロポキシ、2−ピロリジン−2−イルエトキシ、3−ピロリジン−2−イルプロポキシ、2−モルホリノエトキシ、3−モルホリノプロポキシ、2−(1,1−ジオキソテトラヒドロ−4−1,4−チアジン−4−イル)エトキシ、3−(1,1−ジオキソテトラヒドロ−4−1,4−チアジン−4−イル)プロポキシ、2−ピペリジノエトキシ、3−ピペリジノプロポキシ、ピペリジン−3−イルメトキシ、−メチルピペリジン−3−イルメトキシ、ピペリジン−4−イルメトキシ、−メチルピペリジン−4−イルメトキシ、2−ピペリジン−3−イルエトキシ、2−(−メチルピペリジン−3−イル)エトキシ、3−ピペリジン−3−イルプロポキシ、3−(−メチルピペリジン−3−イル)プロポキシ、2−ピペリジン−4−イルエトキシ、2−(−メチルピペリジン−4−イル)エトキシ、3−ピペリジン−4−イルプロポキシ、3−(−メチルピペリジン−4−イル)プロポキシ、3−ホモピペリジノプロポキシ、2−(4−メチルピペラジン−1−イル)エトキシ、3−(4−メチルピペラジン−1−イル)プロポキシ、2−(4−シアノメチルピペラジン−1−イル)エトキシ、および3−(4−シアノメチルピペラジン−1−イル)プロポキシから選択され、
このとき第2のR基中の、2つの炭素原子に結合しているCH基が、前記CH基上にヒドロキシ基またはアセトキシ基を有していてもよく;
が水素であり; そして
nが0であるか、あるいはnが1または2であり、R基が存在する場合は、R基がベンゾフラン環の5−位または6−位に位置していて、フルオロ、クロロ、ブロモ、トリフルオロメチル、シアノ、メチル、エチル、エチニル、メトキシ、およびエトキシから選択される;
という場合の式Iのキナゾリン誘導体もしくは前記誘導体の医薬用として許容しうる酸付加塩である。
【0036】
本発明のさらに他の好ましい化合物は、
mが2であり、第1のR基が6−メトキシ基であり、第2のR基が7−位に位置していて、3−(−イソプロピル−−メチルアミノ)プロポキシ、3−(−イソブチル−−メチルアミノ)プロポキシ、3−ピロリジン−1−イルプロポキシ、3−モルホリノプロポキシ、3−(1,1−ジオキソテトラヒドロ−4−1,4−チアジン−4−イル)プロポキシ、3−ピペリジノプロポキシ、ピペリジン−4−イルメトキシ、−メチルピペリジン−4−イルメトキシ、3−ホモピペリジノプロポキシ、2−(4−メチルピペラジン−1−イル)エトキシ、3−(4−メチルピペラジン−1−イル)プロポキシ、および3−(4−シアノメチルピペラジン−1−イル)プロポキシから選択され、
このとき第2のR基中の、2つの炭素原子に結合しているCH基が、前記CH基上にヒドロキシ基またはアセトキシ基を有していてもよく;
が水素であり; そして
nが0であるか、あるいはnが1であり、R基がベンゾフラン環の5−位に位置していて、フルオロとクロロから選択される;
という場合の式Iのキナゾリン誘導体もしくは前記誘導体の医薬用として許容しうる酸付加塩である。
【0037】
本発明のさらに他の好ましい化合物は、
mが2であり、第1のR基が6−メトキシ基であり、第2のR基が7−位に位置していて、3−(−イソプロピル−−メチルアミノ)プロポキシ、3−ピロリジン−1−イルプロポキシ、3−モルホリノプロポキシ、3−(1,1−ジオキソテトラヒドロ−4−1,4−チアジン−4−イル)プロポキシ、3−ピペリジノプロポキシ、−メチルピペリジン−4−イルメトキシ、2−(4−メチルピペラジン−1−イル)エトキシ、3−(4−メチルピペラジン−1−イル)プロポキシ、3−(4−シアノメチルピペラジン−1−イル)プロポキシ、および2−[2−(4−メチルピペラジン−1−イル)エトキシ]エトキシから選択され、
このとき第2のR基中の、2つの炭素原子に結合しているCH基が、前記CH基上にヒドロキシ基を有していてもよく;
は水素であり; そして
nは0である;
という場合の式Iのキナゾリン誘導体もしくは前記誘導体の医薬用として許容しうる酸付加塩である。
【0038】
本発明の特に好ましい化合物は、例えば、
4−(4−ベンゾフラニルアミノ)−6−メトキシ−7−(3−モルホリノプロポキシ)キナゾリン、
4−(4−ベンゾフラニルアミノ)−7−[3−(1,1−ジオキソテトラヒドロ−4−1,4−チアジン−4−イル)プロポキシ]−6−メトキシキナゾリン、
4−(4−ベンゾフラニルアミノ)−6−メトキシ−7−(3−ピロリジン−1−イルプロポキシ)キナゾリン、
4−(4−ベンゾフラニルアミノ)−6−メトキシ−7−[3−(4−メチルピペラジン−1−イル)プロポキシ]キナゾリン、
4−(4−ベンゾフラニルアミノ)−6−メトキシ−7−(3−ピペリジノプロポキシ)キナゾリン、
4−(4−ベンゾフラニルアミノ)−6−メトキシ−7−(N−メチルピペリジン−4−イルメトキシ)キナゾリン、
4−(5−クロロベンゾフラン−4−イルアミノ)−6−メトキシ−7−(3−モルホリノプロポキシ)キナゾリン、
7−(2−アセトキシ−3−ピロリジン−1−イルプロポキシ)−4−(3−クロロベンゾフラン−4−イルアミノ)−6−メトキシキナゾリン、
7−[2−アセトキシ−3−(−イソプロピル−−メチルアミノ)プロポキシ]−4−(3−クロロベンゾフラン−4−イルアミノ)−6−メトキシキナゾリン、
7−[2−アセトキシ−3−(4−シアノメチルピペラジン−1−イル)プロポキシ]−4−(3−クロロベンゾフラン−4−イルアミノ)−6−メトキシキナゾリン、
7−(2−アセトキシ−3−ピペリジノプロポキシ)−4−(3−クロロベンゾフラン−4−イルアミノ)−6−メトキシキナゾリン、
7−(2−アセトキシ−3−モルホリノプロポキシ)−4−(3−クロロベンゾフラン−4−イルアミノ)−6−メトキシキナゾリン、
4−(4−ベンゾフラニルアミノ)−7−(2−ヒドロキシ−3−ピロリジン−1−イルプロポキシ)−6−メトキシキナゾリン、
4−(4−ベンゾフラニルアミノ)−7−[2−ヒドロキシ−3−(−イソプロピル−−メチルアミノ)プロポキシ]−6−メトキシキナゾリン、
4−(4−ベンゾフラニルアミノ)−7−[3−(4−シアノメチルピペラジン−1−イル)−2−ヒドロキシプロポキシ]−6−メトキシキナゾリン、
4−(4−ベンゾフラニルアミノ)−7−(2−ヒドロキシ−3−ピペリジノプロポキシ)−6−メトキシキナゾリン、および
4−(4−ベンゾフラニルアミノ)−7−(2−ヒドロキシ−3−モルホリノプロポキシ)−6−メトキシキナゾリン、
から選択される式Iのキナゾリン誘導体もしくは前記誘導体の医薬用として許容しうる酸付加塩である。
【0039】
式Iのキナゾリン誘導体もしくは前記誘導体の医薬用として許容しうる塩は、化学的に関連した化合物の製造に適用できることが知られているどの方法によっても製造することができる。このような方法は、式Iのキナゾリン誘導体を製造するのに使用される場合には、本発明のさらなる特徴としてもたらされ、下記の代表的な変法(process variants)にて示される(特に明記しない限り、m、R、R、n、およびRは、前記にて定義した意味のいずれかを有する)。必要な出発物質は、有機化学の標準的な方法によって得ることができる。このような出発物質の製造を、下記の代表的な変法および後述の実施例と関連させつつ説明する。これとは別に、必要な出発物質は、記載の方法と類似の方法によって得ることもでき、これらの方法は、当業界の有機化学者には周知のことである。
【0040】
(a) 式II
【0041】
【化6】
Figure 2004511480
【0042】
(式中、Lは置換可能な基であり、mとRは、必要に応じて官能基が保護されていること以外は、前記にて定義した意味のいずれかを有する)のキナゾリンと、式III
【0043】
【化7】
Figure 2004511480
【0044】
(式中、R、n、およびRは、必要に応じて官能基が保護されていること以外は、前記にて定義した意味のいずれかを有する)のアニリンとを反応させ、次いで保護基が存在している場合は、その保護基を従来の方法によって除去する。
【0045】
本反応は、適切な酸の存在下にて、あるいは適切な塩基の存在下にて簡便に行うことができる。適切な酸は、例えば、塩化水素や臭化水素等の無機酸である。適切な塩基は、例えば、ピリジン、2,6−ルチジン、コリジン、4−ジメチルアミノピリジン、トリエチルアミン、モルホリン、−メチルモルホリン、またはジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセ−7−エン等の有機アミン塩基; 炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、水酸化ナトリウム、または水酸化カリウム等の、アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の炭酸塩または水酸化物; 水素化ナトリウム等のアルカリ金属水素化物; あるいはナトリウムアミドや1,1,1,3,3,3−ヘキサメチルジシラジド水素化ナトリウム等のアルカリ金属アミド; である。
【0046】
適切な置換可能基Lは、例えば、ハロゲノ、アルコキシ、アリールオキシ、またはスルホニルオキシ基であり、具体的にはクロロ、ブロモ、メトキシ、フェノキシ、ペンタフルオロフェノキシ、メタンスルホニルオキシ、またはトルエン−4−スルホニルオキシ基である。本反応は、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、もしくは酢酸エチル等のアルコールまたはエステル; 塩化メチレン、クロロホルム、もしくは四塩化炭素等のハロゲン化溶媒; テトラヒドロフランや1,4−ジオキサン等のエーテル; トルエン等の芳香族溶媒; あるいは−ジメチルホルムアミド、−ジメチルアセトアミド、−メチルピロリジン−2−オン、もしくはジメチルスルホキシド等の双極性非プロトン性溶媒; 等の適切な不活性溶媒もしくは希釈剤の存在下にて簡便に行うことができる。本反応は、例えば10〜250℃の範囲の温度で、好ましくは40〜120℃の範囲の温度で簡便に行うことができる。
【0047】
一般には、プロトン性溶媒(例えばイソプロパノール)の存在下にて、そして好ましくは酸(例えば、ジエチルエーテル中塩化水素ガス)の存在下にて、例えば25〜150℃の範囲の温度で、好ましくは反応溶媒の還流温度もしくはその付近の温度で、式IIのキナゾリンと式IIIのアニリンとを反応させることができる。
【0048】
式Iのキナゾリン誘導体は、この方法から遊離塩基の形態で得ることもできるし、あるいはこれとは別に、式H−L(式中、Lは、前記にて定義した意味を有する)の酸との塩の形態で得ることもできる。塩から遊離塩基を得る必要がある場合は、塩を適切な塩基(例えば、ピリジン、2,6−ルチジン、コリジン、4−ジメチルアミノピリジン、トリエチルアミン、モルホリン、−メチルモルホリン、またはジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセ−7−エン等の有機アミン塩基; あるいは炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、水酸化ナトリウム、または水酸化カリウム等の、アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属の炭酸塩または水酸化物)で処理することができる。
【0049】
当該基を保護しようとする場合、保護基は通常、文献に記載の基または当業者に公知の基のいずれからでも必要に応じて選択することができ、従来の方法によって導入することができる。当該保護基を除去しようとする場合、保護基は、文献に記載の簡便な方法または当業者に公知の簡便な方法のいずれによっても必要に応じて除去することができ、このような方法は、分子中における他の位置の基ができるだけ影響を受けずに保護基の除去が果たされるように選定される。
【0050】
便宜上、保護基の特定の例を下記に示すが、例えば低級アルキルのような“低級(lower)”とは、その用語が適用されている基が好ましくは1〜4個の炭素原子を有している、ということを示している。言うまでもないことであるが、これらの例で全てが網羅されているわけではない。保護基を除去する方法の特定の例を下記に示すが、この場合もこれらの方法で全てが網羅されているわけではない。当然のことながら、具体的に挙げていない保護基の使用及び脱保護の方法も本発明の範囲内である。
【0051】
カルボキシ保護基は、エステルを形成する脂肪族もしくはアリール脂肪族アルコールの残基であってもよいし、あるいはエステルを形成するシラノールの残基であってもよい(前記のアルコールまたはシラノールは、1〜20個の炭素原子を含有するのが好ましい)。カルボキシ保護基の例としては、直鎖もしくは枝分かれ鎖の(1−12C)アルキル基(例えば、イソプロピルやtert−ブチル); 低級アルコキシ−低級アルキル基(例えば、メトキシメチル、エトキシメチル、およびイソブトキシメチル); 低級アシルオキシ−低級アルキル基(例えば、アセトキシメチル、プロピオニルオキシメチル、ブチリルオキシメチル、およびピバロイルオキシメチル); 低級アルコキシカルボニルオキシ−低級アルキル基(例えば、1−メトキシカルボニルオキシエチルや1−エトキシカルボニルオキシエチル); アリール−低級アルキル基(例えば、ベンジル、4−メトキシベンジル、2−ニトロベンジル、4−ニトロベンジル、ベンズヒドリル、およびフタリジル); トリ(低級アルキル)シリル基(例えば、トリメチルシリルやtert−ブチルジメチルシリル); トリ(低級アルキル)シリル−低級アルキル基(例えばトリメチルシリルエチル); および(2−6C)アルケニル基(例えばアリル); などがある。カルボキシル保護基の除去に対して特に適した方法としては、例えば、酸触媒による開裂、塩基触媒による開裂、金属触媒による開裂、または酵素触媒による開裂などがある。
【0052】
ヒドロキシ保護基の例としては、低級アルキル基(例えばtert−ブチル); 低級アルケニル基(例えばアリル基); 低級アルカノイル基(例えばアセチル基); 低級アルコキシカルボニル基(例えばtert−ブトキシカルボニル); 低級アルケニルオキシカルボニル基(例えばアリルオキシカルボニル); アリール−低級アルコキシカルボニル基(例えば、ベンジルオキシカルボニル、4−メトキシベンジルオキシカルボニル、2−ニトロベンジルオキシカルボニル、および4−ニトロベンジルオキシカルボニル); トリ(低級アルキル)シリル基(例えば、トリメチルシリルやtert−ブチルジメチルシリル); およびアリール−低級アルキル基(例えばベンジル); などがある。
【0053】
アミノ保護基の例としては、ホルミル基; アリール−低級アルキル基(例えば、ベンジルと置換ベンジル、4−メトキシベンジル、2−ニトロベンジル、2,4−ジメトキシベンジル、およびトリフェニルメチル); ジ−4−アニシルメチル基とフリルメチル基; 低級アルコキシカルボニル基(例えばtert−ブトキシカルボニル); 低級アルケニルオキシカルボニル基(例えばアリルオキシカルボニル); アリール−低級アルコキシカルボニル基(例えば、ベンジルオキシカルボニル、4−メトキシベンジルオキシカルボニル、2−ニトロベンジルオキシカルボニル、および4−ニトロベンジルオキシカルボニル); トリアルキルシリル基(例えば、トリメチルシリルやtert−ブチルジメチルシリル); アルキリデン基(例えばメチリデン); およびベンジリデン基と置換ベンジリデン基; などがある。
【0054】
ヒドロキシ保護基やアミノ保護基を除去するのに適した方法としては、例えば、2−ニトロベンジルオキシカルボニル等の基に対しては、酸触媒、塩基触媒、金属触媒、または酵素触媒による加水分解; ベンジル等の基に対しては水素化; および2−ニトロベンジルオキシカルボニル等の基に対しては光分解; などがある。
【0055】
反応条件や試剤に関する一般的なガイダンスに対しては「Advanced Organic Chemistry, 第4版, J. March, John Wiley & Sons, 1992」を、そして保護基に関する一般的なガイダンスに対しては「Protective Groups in Organic Synthesis, 第2版, T. Green et al., John Wiley & Sons」を参照のこと。
【0056】
式IIのキナゾリン出発物質は、従来の方法によって得ることができる。例えば、式IV
【0057】
【化8】
Figure 2004511480
【0058】
(式中、mとRは、必要に応じて官能基が保護されていること以外は、前記にて定義した意味のいずれかを有する)の3,4−ジヒドロキナゾリン−4−オンとハロゲン化剤(例えば、塩化チオニル、塩化ホスホリル、または四塩化炭素とトリフェニルホスフィンとの混合物)とを反応させることができ、次いで保護基が存在している場合は、その保護基を従来の方法によって除去する。
【0059】
このようにして得られる4−クロロキナゾリンは、必要であれば、適切な塩基(例えば炭酸カリウム)の存在下にて、そして適切な溶媒(例えば−ジメチルホルムアミド)の存在下にてペンタフルオロフェノールと反応させることによって4−ペンタフルオロフェノキシキナゾリンに転化させることができる。
【0060】
式IIIの4−アミノベンゾフラン出発物質は、実施例に記載の従来の方法によって得ることができる。
【0061】
(b) 少なくとも1つのR基が式
−X
〔式中、Qは、アリール−(1−6C)アルキル、(3−7C)シクロアルキル−(1−6C)アルキル、(3−7C)シクロアルケニル−(1−6C)アルキル、ヘテロアリール−(1−6C)アルキル、またはヘテロサイクリル−(1−6C)アルキルであり、Xは酸素原子である〕で示される基であるときの式Iの化合物を製造するためには、好ましくは適切な脱水剤の存在下にて、式V
【0062】
【化9】
Figure 2004511480
【0063】
(式中、m、R、R、n、およびRは、必要に応じて官能基が保護されていること以外は、前記にて定義した意味のいずれかを有する)のキナゾリンと適切なアルコールとをカップリングさせ(このとき必要に応じて官能基を保護する)、次いで保護基が存在する場合は、その保護基を従来の方法によって除去する。
【0064】
適切な脱水剤は、例えば、カルボジイミド試剤(例えば、ジシクロヘキシルカルボジイミドや1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド)や、アゾ化合物(例えば、ジエチルアゾジカルボキシレートやジ−tert−ブチルアゾジカルボキシレート)とホスフィン(例えばトリフェニルホスフィン)との混合物等である。本反応は、適切な不活性溶媒もしくは希釈剤(例えば、塩化メチレン、クロロホルム、または四塩化炭素等のハロゲン化溶媒)の存在下にて、例えば10〜150℃の範囲の温度で、好ましくは周囲温度もしくは周囲温度付近の温度で行うのが適切である。
【0065】
(c) R基が一級第一もしくは第二アミノ基を含有する場合の式Iの化合物を製造するためには、R基が保護された第一もしくは第二アミノ基を含有する場合の式Iの対応する化合物を開裂させる。
【0066】
アミノ基に対する適切な保護基は、例えば、アミノ基に関して前記した保護基のいずれかである。このようなアミノ保護基を開裂するための適切な方法も、前記にて説明してある。特に適切な保護基はtert−ブトキシカルボニル基等の低級アルコキシカルボニル基であり、従来の反応条件(例えば、トリフルオロ酢酸の存在下での酸触媒による加水分解)にて開裂することができる。
【0067】
(d) R基が、(1−6C)アルコキシ基もしくは置換(1−6C)アルコキシ基、または(1−6C)アルキルアミノ基もしくは置換(1−6C)アルキルアミノ基を含有する場合の式Iの化合物を製造するためには、好ましくは前記にて定義した適切な塩基の存在下にて、R基が必要に応じてヒドロキシ基または第一もしくは第二アミノ基を含有する場合の式Iのキナゾリン誘導体をアルキル化する。
【0068】
適切なアルキル化剤は、例えば、ヒドロキシのアルコキシもしくは置換アルコキシへのアルキル化に対して、あるいはアミノのアルキルアミノもしくは置換アルキルアミノへのアルキル化に対して当業界に公知の試剤であって、例えばハロゲン化アルキルもしくはハロゲン化置換アルキル〔例えば、塩化(1−6C)アルキル、臭化(1−6C)アルキル、もしくはヨウ化(1−6C)アルキル、または塩化置換(1−6C)アルキル、臭化置換(1−6C)アルキル、もしくはヨウ化置換(1−6C)アルキル〕があり、アルキル化は、好ましくは前記にて定義した適切な塩基の存在下において、前記にて定義した適切な不活性溶媒もしくは希釈剤中にて、例えば10〜140℃の範囲の温度で(好ましくは、周囲温度もしくは周囲温度付近の温度で)行う。
【0069】
簡便には、Rが(1−6C)アルキルアミノ若しくは置換(1−6C)アルキルアミノ基を含有する、式Iの化合物の生成では、還元アミノ化反応が利用され得る。例えば、RがN−メチル基を含有する式Iの化合物の生成では、N−H基を含有する対応化合物を、好適な還元剤の存在下でホルムアルデヒドと反応し得る。好適な還元剤は、例えば、ヒドリド還元剤、例えば、水素化アルミニウムリチウムのような水素化アルミニウムアルカリ金属であるか、又は、好ましくは、水素化ホウ素ナトリウム、シアノ水素化ホウ素ナトリウム、トリエチル水素化ホウ素ナトリウム、トリメトキシ水素化ホウ素ナトリウム、及びトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムのような水素化ホウ素アルカリ金属である。この反応は、簡便には、好適な不活性溶媒若しくは希釈液、例えば、水素化アルミニウムリチウムのようなより強力な還元剤ではテトラヒドロフラン及びジエチルエーテル、及び、例えば、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム及びシアノ水素化ホウ素ナトリウムのようなあまり強力でない還元剤では塩化メチレン又はメタノール及びエタノールのようなプロトン溶媒において実施される。この反応は、例えば10〜80℃の範囲の温度、簡便には周囲温度か又はその付近で実施される。
【0070】
(e) Rがアミノ−ヒドロキシ−ジ置換(1−6C)アルコキシ基(例えば、2−ヒドロキシ−3−ピロリジン−1−イルプロポキシまたは3−[−アリル−−メチルアミノ]−2−ヒドロキシプロポキシ)である場合の式Iの化合物を製造するためには、R基がエポキシ置換(1−6C)アルコキシ基を含有する場合の式Iの化合物と、ヘテクサイクリル化合物または適切なアミンとを反応させる。
【0071】
本反応は、前記にて定義した適切な不活性希釈剤もしくはキャリヤーの存在下にて、10〜150℃の範囲の温度で(好ましくは、周囲温度もしくは周囲温度付近の温度で)行うのが適切である。
【0072】
(f) R基がヒドロキシ基を含有している場合の式Iの化合物を製造するためには、R基が保護されたヒドロキシ基を含有している場合の式Iの対応する化合物を開裂する。
【0073】
ヒドロキシ基に対する適切な保護基は、例えば、前記にて開示した保護基のいずれかである。このようなヒドロキシ保護基を開裂するための適切な方法も、前記にて開示してある。具体的には、適切な保護基は、アセチル基等の低級アルカノイル基であり、このような低級アルカノイル基は、従来の反応条件下(例えば、アンモニアの存在下での塩基触媒条件下)にて開裂することができる。
【0074】
式Iのキナゾリン誘導体の医薬用として許容しうる塩(例えば酸付加)が必要とされるときは、従来の方法を使用して、前記キナゾリン誘導体と適切な酸とを反応させることによって得ることができる。
【0075】
生物学的アッセイ
以下のアッセイは、c−Srcチロシンキナーゼ阻害剤として、c−Srcでトランスフェクトされた線維芽細胞の増殖の in vitro 阻害剤として、A549ヒト肺腫瘍細胞の遊走の in vitro 阻害剤として、及び、A549組織の異種移植片のヌードマウスにおける増殖の in vivo 阻害剤としての、本発明の化合物の効果を測定するために使用され得る。
【0076】
(a) インビトロの酵素アッセイ
酵素c−Srcキナーゼによるチロシン含有ポリペプチド基質のリン酸化反応を試験化合物が阻害する能力を、従来のElisaアッセイを使用して評価した。
【0077】
基質溶液〔0.2mg/mlのアジ化ナトリウムを含有するリン酸緩衝生理食塩水(PBS)中に20μg/ml溶液のポリアミノ酸ポリ(Glu, Tyr)4:1(シグマ・カタログ番号P0275)を溶解して得た溶液100μl〕を多数のNunc96−ウェル・イムノプレート(カタログ番号439454)の各ウェルに加え、プレートを密閉し、4℃で16時間保存した。過剰の基質溶液を廃棄し、基質で被覆されたそれぞれのアッセイウェルに、ウシ血清アルブミン(BSA; PBS中5%溶液150μl)のアリコートを移し、周囲温度で1時間インキュベートして、非特異的な結合を阻止した。次いでアッセイプレートウェルを、0.05%v/vのツイーン20を含有するPBS(PBST)で、そしてpH7.4のHepes緩衝液(50mM, 300μl/ウェル)で洗浄してから吸い取り乾燥した。
【0078】
各試験化合物をジメチルスルホキシド中に溶解し、蒸留水で希釈して一連の希釈液(100μM〜0.001μM)を得た。洗浄されたアッセイプレート中のウェルに、試験化合物の各希釈液の一部(25μl)を移した。“トータル”の対照標準ウェルは、化合物の代わりに希釈したDMSOを含有した。アデノシン−5’−三リン酸(ATP; 40μM)を含有する塩化マグネシウム水溶液(80mM)のアリコート(25μl)を、“ブランク”対照標準ウェル(ATPを含有していない塩化マグネシウム水溶液を含有)以外の全ての試験ウェルに加えた。
【0079】
活性ヒトc−Srcキナーゼ(Sf9昆虫細胞中で発現される組み換え酵素; アップステートバイオテクノロジー社から入手、プロダクト14−117)を、使用する直前に、100mMのHepes緩衝液(pH7.4)、0.2mMのオルトバナジウム酸ナトリウム、2mMのジチオスレイトール、および0.02%のBSAを含んだ酵素希釈剤で1:10,000の倍率で希釈した。反応を開始させるために、新たに希釈した酵素のアリコート(50μl)を各ウェルに加え、プレートを周囲温度で20分インキュベートした。各ウェル中の上澄み液を廃棄し、ウェルをPBSTで2回洗浄した。マウスIgG抗ホスホチロシン抗体(アップステートバイオテクノロジー社、プロダクト05−321; 100μl)を、0.5%w/vのBSAを含有するPBSTで1:6000の倍率で希釈し、各ウェルに加えた。プレートを周囲温度で1時間インキュベートした。上澄み液を廃棄し、各ウェルをPBST(×4)で洗浄した。ワサビペルオキシダーゼ(HRP)を結合させたヒツジ抗マウスIg抗体(アマーシャム社カタログ番号NXA931; 100μl)を、0.5%w/vのBSAを含有するPBSTで1:500の倍率で希釈し、各ウェルに加えた。プレートを周囲温度で1時間インキュベートした。上澄み液を廃棄し、ウェルをPBST(×4)で洗浄した。
【0080】
PCSBカプセル(シグマ社カタログ番号P4922)を蒸留水(100ml)中に溶解して、0.03%の過ホウ酸ナトリウムを含有するpH5のリン酸塩−クエン酸塩緩衝液(50mM)を得た。この緩衝液のアリコート(50ml)を50mg錠剤の2,2’−アジノビス(3−エチルベンゾチアゾリン−6−スルホン酸)(ABTS; ベーリンガー社カタログ番号1204521)と混合した。得られた溶液のアリコート(100μl)を各ウェルに加えた。“トータル”対照標準ウェルの光学濃度値(プレート読み取り用分光光度計を使用して405nmにて測定)が約1.0になるまで、プレートを周囲温度で20〜60分インキュベートした。“ブランク”(ATPなし)と“トータル”(化合物なし)の対照標準値を使用して、酵素活性の50%阻害をもたらす試験化合物の希釈範囲を決定した。
【0081】
(b) インビトロの c−Src トランスフェクト NIH3T3(c−Src3T3) 線維芽細胞増殖アッセイ
本アッセイでは、ヒトc−Srcの活性化変異体(Y530F)で安定的にトランスフェクした国立保健研究所(NIH)のマウス3T3線維芽細胞の増殖を試験化合物が阻害する能力を決定した。
【0082】
“Shalloway et al., Cell, 1987, 49, 65−73”に記載の方法と類似の方法を使用して、NIH3T3細胞をヒトc−Srcの活性化変異体(Y530F)で感染させた。このようにして得られたc−Src3T3細胞を、典型的にはウェル1つ当たり1.5×10細胞にて、組織培養処理された透明な96−ウェルアッセイプレート(コスター社)中にまいた〔これらのアッセイプレートはそれぞれ、ダルベッコ変性イーグル培地(DMEM; シグマ社)+0.5%のウシ胎子血清(FCS)、2mMのグルタミン、100ユニット/mlのペニシリン、および0.1mg/mlのストレプトマイシンを0.9%塩化ナトリウム水溶液中に含んだアッセイ培地を含有する〕。これらのプレートを、加湿(7.5%CO:95%空気)したインキュベーター中にて37℃で一晩インキュベートした。
【0083】
試験化合物をDMSO中に溶解して10mMの原液を作製した。この原液のアリコートを上記のDMEM培地で希釈し、適当なウェルに加えた。一連の希釈を行って、ある範囲の試験濃度を得た。試験化合物が加えられていない対照標準ウェルを各プレートに含めた。これらのプレートを、加湿(7.5%CO:95%空気)したインキュベーター中にて37℃で一晩インキュベートした。
【0084】
BrdU標識用試剤(ベーリンガー・マンハイム社、カタログ番号647229)を、0.5%のFCSを含有するDMEM培地中に1:100の倍率で希釈し、アリコート(20μl)を各ウェルに加えて10μMの最終濃度とした。これらのプレートを37℃で2時間インキュベートした。培地をデカントした。変性溶液(FixDenat液、ベーリンガー・マンハイム社、カタログ番号647229; 50μl)を各ウェルに加え、プレートを周囲温度にて45分間プレートシェーカー上に置いた。上澄み液をデカントし、ウェルをPBS(ウェル1つ当たり200μl)で洗浄した。抗BrdUペルオキシダーゼ溶液(ベーリンガー・マンハイム社、カタログ番号647229)を、1%のBSAと0.025%の乾燥スキムミルク〔マーベル(Marvel)(登録商標)、プレミア・ビバレッジズ(Premier Beverages)、スタッフォード(Stafford)、GB〕を含有するPBS中に1:100の倍率で希釈し、得られた溶液のアリコート(100μl)を各ウェルに加えた。プレートを周囲温度にて90分間プレートシェーカー上に置いた。ウェルをPBS(×5)で洗浄して、結合していない抗体複合体を確実に除去した。プレートをふき取って乾燥し、テトラメチルベンジジン基質溶液(ベーリンガー・マンハイム社、カタログ番号647229; 100μl)を各ウェルに加えた。プレートをプレートシェーカー上で穏やかに揺り動かすと、10〜20分後に発色した。ウェルの吸光度を690nmにて測定した。各試験化合物のある濃度範囲における細胞増殖の阻害の程度を決定し、抗増殖性IC50値を求めた。
【0085】
(c) インビトロの微小液滴マイグレーション・アッセイ
本アッセイでは、試験化合物が付着性哺乳類細胞株(例えば、ヒト腫瘍細胞株A549)のマイグレーションを阻害する能力を決定する。
【0086】
10%のFCS、1%のL−グルタミン、および0.3%のアガロース(ディフコ社、カタログ番号0142−01)を含有するRPMI培地(シグマ社)を水浴中にて37℃に加温した。原液2%寒天水溶液をオートクレーブ処理し、42℃で保存した。寒天溶液のアリコート(1.5ml)を、使用する直前にRPMI培地(10ml)に加えた。A549細胞(受入番号ATCC CCL185)を2×10細胞/mlの濃度にて培地中に懸濁し、37℃の温度で保持した。
【0087】
96ウェル平底で組織培養処理していない多数のマイクロタイタープレート(ビビー・ステリリン社、カタログ番号642000)の各ウェルの中心に、細胞/アガロース混合物の液滴(2μl)をピペットで移した。プレートを氷の上に短時間置いて、アガロースを含有している液滴のゲル化を速めた。4℃に冷却しておいた培地のアリコート(90μl)を、微小液滴を乱さないよう注意しながら各ウェルに移した。試験化合物は、上記のように、RPMI培地を使用して10mM原液/DMSOから希釈した。希釈した試験化合物のアリコート(10μl)を、この場合も微小液滴を乱さないよう注意しながらウェルに移した。プレートを、加湿した(7.5%CO:95%空気)インキュベーター中にて約48時間インキュベートした。
【0088】
マイグレーションを視覚的に評価し、寒天液滴の縁に対するマイグレーションの距離を測定した。マイグレーション測定値の平均を試験化合物の濃度に対してプロットすることによって移動阻害(migratory inhibitory)IC50を求めた。
【0089】
(d) インビボの A549 異種移植片増殖アッセイ
この試験では、胸腺欠損ヌードマウス(オールダリー・パーク nu/nu種族)における腫瘍として増殖するA549ヒト癌腫の増殖を化合物が阻害する能力を測定する。マトリゲル(ベクトン・ディッキンソン社、カタログ番号40234)中に全部で約5×10のA549細胞を各試験マウスの左わき腹に皮下注射し、生じた腫瘍を約14日間増殖させた。キャリパーを使用して腫瘍の大きさを毎週2回測定し、理論体積を算出した。ほぼ等しい平均腫瘍体積の対照標準グループと処置グループが得られるよう動物を選定した。試験化合物を1%ポリソルベートビヒクル中ボールミル粉砕懸濁液として調製し、約28日間にわたって1日1回経口投与した。腫瘍の増殖に及ぼす影響を調べた。
【0090】
式Iの化合物の薬理学的特性は、予期されるように構造上の変化に従って変わるけれども、式Iの化合物がもつ活性は一般に、上記の試験(a)、(b)、(c)、および(d)の1つ以上において下記の濃度または用量にて示すことができる:
試験(a): 例えば0.001〜10μMの範囲におけるIC50
試験(b): 例えば0.01〜20μMの範囲におけるIC50
試験(c): 例えば0.1〜25μMの範囲における活性;
試験(d): 例えば1〜200mg/kg/日の範囲における活性。
【0091】
試験(d)においては、本発明の試験化合物の有効用量で、生理学的に許容しえないような毒性は認められなかった。従って、前記にて定義した式Iの化合物もしくは前記化合物の医薬用として許容しうる塩を、前記にて定義した用量範囲で投与した場合に、不都合な毒物学的影響は全く考えられない。
【0092】
本発明の他の態様によれば、前記にて定義した式Iのキナゾリン誘導体もしくは前記誘導体の医薬用として許容しうる塩を、医薬用として許容しうる希釈剤もしくはキャリヤーと共に含む医薬用組成物が提供される。
【0093】
本発明の組成物は、経口使用に適した形態(例えば錠剤、トローチ剤、硬質もしくは軟質のカプセル、水性もしくは油性の懸濁液、エマルジョン、分散性の粉末もしくは顆粒、シロップ、またはエリキシルとして)であっても、局所使用に適した形態(例えばクリーム、軟膏、ゲル、水性もしくは油性の溶液または懸濁液として)であっても、吸入法による投与に適した形態(例えば、微粉末または液体エーロゾルとして)であっても、吹送法による投与に適した形態(例えば微粉末として)であっても、あるいは非経口投与に適した形態(例えば、静脈内投与、皮下投与、もしくは筋内投与のための、水性または油性の無菌溶液として、あるいは直腸投与のための座剤として)であってもよい。
【0094】
本発明の組成物は、当業界によく知られている従来の医薬用賦形剤を使用して、従来の方法によって得ることができる。従って、経口使用が意図されている組成物は、例えば、1種以上の着色剤、甘味剤、風味剤、および/または保存剤を含有してよい。
【0095】
単一剤形を得るために1種以上の賦形剤と組み合わせる活性成分の量は、処置を受ける患者の状況および投与経路の種類に応じて必然的に変わる。例えば、ヒトへの経口投与が意図されている製剤は一般に、例えば、0.5mg〜0.5gの活性薬剤(さらに適切には0.5〜100mg、例えば1〜30mg)を適切且つ好都合な量の賦形剤と配合した状態で含有し、このとき前記賦形剤は、組成物総重量の約5重量%から約98重量%まで変わってよい。
【0096】
式Iの化合物を治療もしくは予防の目的で使用する場合の用量は、当然のことながら、よく知られている医学の原則に従って、疾病の特質や程度、動物もしくは患者の年齢や性別、および投与経路に応じて変わる。
【0097】
治療もしくは予防の目的で式Iの化合物を使用する場合、一般には、例えば体重kg当たり0.1mg〜75mgの範囲の日用量が受け取られるように投与する(必要であれば分割用量にて投与する)。一般に、非経口経路が利用される場合は、より少ない用量が投与される。従って、例えば静脈内投与の場合、例えば体重1kg当たり通常0.1mg〜30mgの範囲の用量が使用される。同様に、吸入法による投与の場合、例えば体重1kg当たり0.05mg〜25mgの範囲の用量が使用される。しかしながら好ましいのは経口投与であり、錠剤形態での経口投与が特に好ましい。単位剤形は通常、本発明の化合物を約0.5mg〜0.5g含有する。
【0098】
本発明のさらに他の態様によれば、ヒトまたは動物の体を療法によって処置するのに使用するための、前記にて定義した式Iのキナゾリン誘導体もしくは前記誘導体の医薬用として許容しうる塩が提供される。
【0099】
前述したように、c−Src非受容体チロシンキナーゼの主要な役割は、局在化した腫瘍が、血流中への播種、他の組織の浸潤、および転移性腫瘍の増殖という段階を通して進行していくのに必ず必要とされる細胞の運動性を制御することにある、ということが知られている。本発明のキナゾリン誘導体は強力な抗腫瘍活性を有しており、こうした活性は、転移性腫瘍細胞の浸潤・移動活性を引き出すシグナル伝達工程に関与する非受容体型チロシン特異的な蛋白質キナーゼ(例えばc−Srcキナーゼ)の1種以上を阻害することによって得られる(と考えられる)、ということを本発明者らは見出した。
【0100】
従って本発明のキナゾリン誘導体は、抗腫瘍薬として、特に、哺乳類癌細胞の細胞運動、播種、および浸潤に対する選択的阻害薬(これにより転移性腫瘍の増殖が防げる)として有用である。本発明のキナゾリン誘導体は特に、充実性腫瘍疾患の封じ込めおよび/処置における抗浸潤薬として有用である。本発明の化合物は特に、転移性腫瘍細胞の浸潤・移動活性を引き出すシグナル伝達工程に関与している多くの非受容体チロシンキナーゼ(例えばc−Srcキナーゼ)の1種以上が阻害されることに対して感受性がある腫瘍を予防または処置するのに有用であると考えられる。本発明の化合物はさらに、c−Src酵素単独で、またはある程度はc−Src酵素の阻害によって媒介される腫瘍の予防と処置に対して有用であると考えられる。すなわち本発明の化合物は、このような処置を必要とする温血動物においてc−Src酵素阻害効果を生じさせるのに使用することができる。具体的には、本発明の化合物は、充実性腫瘍疾患を予防もしくは処置するのに有用であると考えられる。
【0101】
従って、本発明のこの態様によれば、充実性腫瘍疾患の封じ込めおよび/または処置における抗浸潤薬として使用するための医薬の製造において、前記にて定義した式Iのキナゾリン誘導体もしくは前記誘導体の医薬用として許容しうる塩を使用することが提供される。
【0102】
本発明のこの態様のさらなる特徴によれば、充実性腫瘍疾患の封じ込めおよび/または処置を必要とする温血動物(例えばヒト)に、前記にて定義した式Iのキナゾリン誘導体もしくは前記誘導体の医薬用として許容しうる塩を有効量にて投与することを含む、前記温血動物において充実性腫瘍疾患を封じ込めおよび/または処置することによって抗浸潤効果を生成させる方法が提供される。
【0103】
本発明のさらなる態様によれば、温血動物(例えばヒト)における充実性腫瘍疾患を予防もしくは処置するのに使用するための医薬の製造において、前記にて定義した式Iのキナゾリン誘導体もしくは前記誘導体の医薬用として許容しうる塩を使用することが提供される。
【0104】
本発明のこの態様のさらなる特徴によれば、充実性腫瘍疾患の封じ込めおよび/または処置を必要とする温血動物(例えばヒト)に、前記にて定義した式Iのキナゾリン誘導体もしくは前記誘導体の医薬用として許容しうる塩を有効量にて投与することを含む、前記温血動物における充実性腫瘍疾患を封じ込めおよび/または処置するための方法が提供される。
【0105】
本発明のさらなる態様によれば、転移性腫瘍細胞の浸潤・移動活性をもたらすシグナル伝達工程に関与する非受容体チロシンキナーゼ(例えばc−Srcキナーゼ)の阻害に対して感受性のある腫瘍を予防もしくは処置するのに使用するための医薬の製造において、前記にて定義した式Iのキナゾリン誘導体もしくは前記誘導体の医薬用として許容しうる塩を使用することが提供される。
【0106】
本発明のこの態様のさらなる特徴によれば、前記にて定義した式Iのキナゾリン誘導体もしくは前記誘導体の医薬用として許容しうる塩の有効量を前記動物に投与することを含む、転移性腫瘍細胞の浸潤・移動活性をもたらすシグナル伝達工程に関与する非受容体チロシンキナーゼ(例えばc−Srcキナーゼ)の阻害に対して感受性のある腫瘍を予防もしくは処置するための方法が提供される。
【0107】
本発明のさらなる態様によれば、c−Srcキナーゼ阻害効果を得るのに使用するための医薬の製造において、前記にて定義した式Iのキナゾリン誘導体もしくは前記誘導体の医薬用として許容しうる塩を使用することが提供される。
【0108】
本発明のこの態様のさらなる特徴によれば、前記にて定義した式Iのキナゾリン誘導体もしくは前記誘導体の医薬用として許容しうる塩の有効量を前記動物に投与することを含む、c−Srcキナーゼ阻害効果を得るための方法が提供される。
【0109】
前記の抗浸潤処置は、単独療法として施してもよいし、あるいは本発明のキナゾリン誘導体のほかに、従来の手術、放射線療法、または化学療法を組み込んでもよい。このような化学療法は、下記カテゴリーの抗腫瘍薬の1種以上を含んでもよい:
(i) 他の抗浸潤薬(例えば、マリマスタットのようなメタロプロテイナーゼ阻害薬、およびウロキナーゼプラスミノゲンアクチベーター受容体機能をもつ阻害薬);
(ii) 内科腫瘍学において使用されるような抗増殖性薬物/抗癌薬およびこれらの組み合わせ、例えばアルキル化薬(例えば、シスプラチン、カーボプラチン、シクロフォスファミド、窒素マスタード、メルファラン、クロラムブシル、ブスルファン、およびニトロソウレア); 代謝拮抗薬〔例えば、5−フルオロウラシルのようなフルオロピリミジンとテガフル等の抗葉酸剤、ラルチトレキセド、メトトレキセート、サイトシン・アラビノシド、およびヒドロキシウレア、あるいは例えばヨーロッパ特許出願第562734号に開示の好ましい代謝拮抗薬の1つ(例えば(2S)−2−[−フルオロ−−[−[2,7−ジメチル−4−オキソ−3,4−ジヒドロキナゾリン−6−イルメチル)−−(プロピ−2−イニル)アミノ]ベンズアミド]−4−(テトラゾール−5−イル)酪酸〕; 抗腫瘍抗生物質(例えば、ビンクリスチン、ビンブラスチン、ビンデシン、およびビノレルビン等のビンカアルカロイド、ならびにタキソールやタキソテレ等のタキソイド); およびトポイソメラーゼ阻害薬(例えば、エトポシドやテニポシド等のエピポドフィロトキシン、アムサクリン、トポテカン、およびカンプトテシン);
(iii) 抗エストロゲン剤等の抗悪性腫瘍薬(例えばタモキシフェン、トレミフェン、ラロキシフェン、ドロロキシフェン、およびヨードキシフェン)、抗アンドロゲン剤(例えばビカルタミド、フルタミド、ニルタミド、および酢酸シプロテロン)、LHRHアンタゴニストまたはLHRHアゴニスト(例えばゴセレリン、ロイプロレリン、およびブセレリン)、プロゲストゲン(例えば酢酸メゲストロール)、アロマターゼ阻害薬(例えば、アナストロゾール、レトロゾール、ボラゾール、およびエクセメスタン)、および5α−レダクターゼの阻害薬(例えばフィナステリド);
(iv) 増殖因子機能の阻害薬; このような阻害薬としては、増殖因子抗体、増殖因子受容体抗体、チロシンキナーゼ阻害薬、およびセリン/トレオニンキナーゼ阻害薬などがある; 例えば、上皮細胞増殖因子ファミリーの阻害薬(例えば、EGFRチロシンキナーゼ阻害薬である−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−7−メトキシ−6−(3−モルホリノプロポキシ)キナゾリン−4−アミン(ZD1839)、−(3−エチニルフェニル)−6,7−ビス(2−メトキシエトキシ)キナゾリン−4−アミン(CP358774)、および6−アクリルアミド−−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−7−(3−モルホリノプロポキシ)キナゾリン−4−アミン(CI1033))、例えば血小板由来増殖因子ファミリーの阻害薬、および例えば肝細胞増殖因子ファミリーの阻害薬; ならびに
(v) 血管内皮細胞増殖因子を阻害する薬剤(例えば、国際特許出願WO97/22596、WO97/30035、WO97/32856、およびWO98/13354に開示の化合物)、および他のメカニズムによって作用する薬剤(例えばリノマイド、インテグリンαvβ3機能の阻害薬、およびアンギオスタチン)等の抗血管形成薬。
【0110】
このような併用治療は、個々の治療成分の同時、連続、または別個の投与によって達成することができる。このような組み合わせ物は、本発明の化合物を前記した用量範囲内で、そして他の医薬用活性剤をその認可用量範囲内で使用する。
【0111】
本発明のこの態様によれば、前記にて定義した式Iのキナゾリン誘導体と、癌の共同治療に関して前記した追加の抗腫瘍薬とを含む医薬品が提供される。
【0112】
式Iの化合物は主として、温血動物(ヒトを含む)に使用するための治療薬として有用であるが、c−Srcの作用を阻害することが要求される場合にも有用である。従って式Iの化合物は、新たな生物学的試験の開発に使用するための、そして新規薬物の研究において使用するための薬理学的標準として有用である。
【0113】
以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、一般には:
(i) 特に明記しない限り、操作は、不活性ガス(例えばアルゴン)の雰囲気下にて周囲温度(すなわち、17〜25℃の範囲の温度)で行った;
(ii) 蒸発は、減圧でのロータリー・エバポレーションによって行い、最終処理は、残留固体を濾過によって除去した後に行った;
(iii) カラムクロマトグラフィー(フラッシュ法による)と中圧液体クロマトグラフィー(MPLC)は、ドイツ、ダルムシュタットのE. Merck社から入手したメルク・キーゼルゲル・シリカ(Art.9385)またはメルク・リヒロプレプ(Merck Lichroprep)RP−18(Art.9303)逆相シリカにより行い、高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)は、C18逆相シリカにより(例えば、ダイナマックスC−18 60Å分取逆相カラムにより)行った;
(iv) 収率(記載されている場合)は、必ずしも得られる最大値ではない;
(v) 一般には、式Iの最終化合物は満足できる微量分析値を有しており、それらの構造は、核磁気共鳴(NMR)法および/または質量スペクトル法によって確認した; 高速原子衝撃(FAB)質量スペクトルのデータは、プラットフォーム分光計を使用して取得し、必要に応じて、陽性イオンデータまたは陰性イオンデータを採集した; NMRの化学シフト値はデルタスケールにて測定した[プロトン磁気共鳴スペクトルは、400MHzの磁界強度にて作動するジェオール(Jeol) JNM EX400分光計、300MHzの磁界強度にて作動するバリアン・ジェミニ2000分光計、または300MHzの磁界強度にて作動するブルカーAM300分光計を使用して測定した]; 次のような略語が使用されている: s, 一重項; d, 二重項; t, 三重項; q, 四重項; m, 多重項; b, ブロード;
(vi) 一般には、中間体は、完全には特性決定されておらず、純度は、薄層クロマトグラフィー分析、HPLC分析、赤外線(IR)分析、および/またはNMRによって評価した;
(vii) 融点は補正されておらず、メトラーSP62自動融点測定器または油浴装置を使用して測定した; 式Iの最終化合物に対する融点は、従来の有機溶媒(例えばエタノール、メタノール、アセトン、エーテル、またはヘキサンを単独あるいは混合物として)から再結晶した後に測定した;
(viii) 下記の略語が使用されている:
DMF −ジメチルホルムアミド
DMSO ジメチルスルホキシド
THF テトラヒドロフラン
【0114】
実施例
4−(4− ベンゾフラニルアミノ )−6− メトキシ −7−[3−(4− メチルピペラジン −1− イル プロポキシ キナゾリン
4−クロロ−6−メトキシ−7−[3−(4−メチルピペラジン−1−イル)プロポキシ]キナゾリン(0.1g)、4−アミノベンゾフラン(0.057g)、イソプロパノール(4ml)、および塩化水素をイソプロパノール中に溶解して得た溶液(6M, 0.06ml)の混合物を撹拌し、85℃で3時間加熱した。混合物を周囲温度に冷却し、沈殿物を濾過によって単離し、ジエチルエーテルとイソプロパノールの1:1混合物で、次いでジエチルエーテルで洗浄し、減圧乾燥した。このようにして、タイトル化合物(0.14g)が二塩酸塩として得られた。NMR スペクトル
【0115】
【化10】
Figure 2004511480
【0116】
質量スペクトル: M+H 448
出発物質として使用した4−アミノベンゾフランは下記のように製造した:
3−ヒドロキシ安息香酸メチル(20g)と炭酸カリウム(22g)とアセトン(200ml)の混合物に、臭化アリル(12.5ml)とヨウ化ナトリウム(1g)を順次加え、混合物を周囲温度で16時間撹拌した。混合物を濾過し、溶媒を蒸発除去した。残留物を塩化メチレンと水とに分配した。有機相を硫酸マグネシウムで乾燥して溶媒を蒸発除去し、石油エーテル(b.p.60−80℃)と酢酸エチルとの、徐々に極性を増大させた混合物を溶離液として使用して、残留物をカラムクロマトグラフィーによって精製した。これにより3−アリルオキシ安息香酸メチルが油状物(21.8g)として得られた。NMR スペクトル
【0117】
【化11】
Figure 2004511480
【0118】
このようにして得られた3−アリルオキシ安息香酸メチルを200℃で0.7時間加熱し、次いで230℃で1時間加熱した。反応生成物(2−アリル−3−ヒドロキシ安息香酸メチルと4−アリル−3−ヒドロキシ安息香酸メチルとの混合物を含む)を周囲温度に冷却し、ジエチルエーテルと1N水酸化カリウム水溶液とに分配した。水相を30分放置すると、4−アリル−3−ヒドロキシ安息香酸メチルが4−アリル−3−ヒドロキシ安息香酸に加水分解された。6N塩酸を加えることによって水相をpH1に酸性化し、ジエチルエーテルで抽出した。有機抽出物を10%炭酸カリウム水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を蒸発除去した。これにより2−アリル−3−ヒドロキシ安息香酸メチル(10.7g)が油状物として得られた。質量スペクトル: M+H 192。
【0119】
J. Med. Chem., 1995, 38, 3102−3103”の方法と類似の方法を使用して、2−アリル−3−ヒドロキシ安息香酸メチルを、2−ヒドロキシ−2,3−ジヒドロベンゾフラン−4−カルボン酸メチルとベンゾフラン−4−カルボン酸メチルを経て、3工程にてベンゾフラン−4−カルボン酸に転化させた。
【0120】
ベンゾフラン−4−カルボン酸(0.5g)、アジ化ジフェニルホスホリル(1.2ml)、トリエチルアミン(0.79ml)、およびtert−ブタノール(1.5ml)の混合物を撹拌し、18時間加熱還流した。混合物を周囲温度に冷却し、酢酸エチルと水とに分配した。有機相を水とブラインで順次洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を蒸発除去した。塩化メチレンを溶離液として使用して、残留物をカラムクロマトグラフィーによって精製した。これによりベンゾフラン−4−カルバミン酸tert−ブチル(0.8g)が油状物として得られた。質量スペクトル: M+Na 256。
【0121】
ベンゾフラン−4−カルバミン酸tert−ブチル(0.65g)と塩化メチレン(20ml)との溶液を0℃に冷却しておき、これにトリフルオロ酢酸(2.5ml)を加え、混合物を1時間撹拌した。混合物を周囲温度に自然加温し、撹拌を1.5時間続けた。混合物から溶媒を蒸発除去し、残留物を酢酸エチルと水とに分配した。有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を蒸発除去した。塩化メチレンと石油エーテル(b.p.60−80℃)との4:1混合物を溶離液として使用して、残留油状物をカラムクロマトグラフィーによって精製した。これにより4−アミノベンゾフラン(0.35g)が得られた。NMR スペクトル
【0122】
【化12】
Figure 2004511480
【0123】
質量スペクトル: M+H 133。
出発物質として使用した4−クロロ−6−メトキシ−7−[3−(4−メチルピペラジン−1−イル)プロポキシ]キナゾリンは下記のように製造した:
4−トルエンスルホン酸3−(4−メチルピペラジン−1−イル)プロピルは下記のように製造した:
3−ブロモプロパノール(20ml)、−メチルピペラジン(29ml)、炭酸カリウム(83g)、およびエタノール(200ml)の混合物を撹拌し、20時間加熱還流した。混合物を周囲温度に冷却し、濾過した。濾液から溶媒を蒸発除去し、残留物をジエチルエーテル中ですりつぶした。混合物を濾過し、濾液から溶媒を蒸発除去した。残留物を、約0.2mmHgの圧力および約60〜70℃の温度で蒸留することにより精製して、1−(3−ヒドロキシプロピル)−4−メチルピペラジン(17g)を得た。NMR スペクトル
【0124】
【化13】
Figure 2004511480
【0125】
1−(3−ヒドロキシプロピル)−4−メチルピペラジン(2.4g)とトリエチルアミン(4.6ml)と塩化メチレン(60ml)の混合物に、撹拌しながら塩化4−トルエンスルホニル(3.2g)を加え、混合物を周囲温度で2時間撹拌した。本溶液を重炭酸ナトリウム飽和水溶液と水で順次洗浄し、相分離用ペーパー(phase separating paper)を通して濾過した。有機濾液から溶媒を蒸発除去して、4−トルエンスルホン酸3−(4−メチルピペラジン−1−イル)プロピルを油状物として得た。油状物は放置後に結晶化した(3.7g)。質量スペクトル: M+H 313。
【0126】
4−(4−クロロ−2−フルオロフェノキシ)−7−ヒドロキシ−6−メトキシキナゾリンのトリフルオロ酢酸塩は下記のように製造した:
2−アミノ−4−ベンジルオキシ−5−メトキシベンズアミド(J. Med. Chem., 1977, 20, 146−149; 10g)と塩化(3−ジメチルアミノ−2−アザプロプ−2−エン−1−イリデン)ジメチルアンモニウム(ゴールド試薬, 7.4g)とジオキサン(100ml)の混合物を撹拌し、24時間加熱還流した。酢酸ナトリウム(3.02g)と酢酸(1.65ml)を加え、反応混合物をさらに3時間加熱した。混合物から溶媒を蒸発除去し、残留物に水を加えた。得られた固体を濾過によって採集し、水で洗浄し、乾燥した。本物質を酢酸から再結晶して7−ベンジルオキシ−6−メトキシ−3,4−ジヒドロキナゾリン−4−オン(8.7g)を得た。
【0127】
上記の反応を繰り返した後、7−ベンジルオキシ−6−メトキシ−3,4−ジヒドロキナゾリン−4−オン(20.3g)と塩化チオニル(440ml)とDMF(1.75ml)の混合物を4時間加熱還流した。塩化チオニルを減圧にて蒸発除去し、残留物をトルエンと3回共沸蒸留して7−ベンジルオキシ−4−クロロ−6−メトキシキナゾリンを得た。
【0128】
このようにして得た7−ベンジルオキシ−4−クロロ−6−メトキシキナゾリン、炭酸カリウム(50g)、4−クロロ−2−フルオロフェノール(8.8ml)、およびDMF(500ml)の混合物を撹拌し、100℃で5時間加熱した。混合物を周囲温度に自然冷却し、水(2リットル)中に注ぎ込み、周囲温度で数分撹拌した。生成した固体を単離し、水で洗浄した。固体を塩化メチレン中に溶解し、溶液を濾過して脱色用活性炭で処理した。溶液を濾過し、溶媒を蒸発除去して固体を得た。この固体をジエチルエーテル中ですりつぶした。これにより7−ベンジルオキシ−4−(4−クロロ−2−フルオロフェノキシ)−6−メトキシキナゾリン(23.2g)が得られた。NMR スペクトル
【0129】
【化14】
Figure 2004511480
【0130】
このようにして得た物質とトリフルオロ酢酸(15ml)との混合物を3時間加熱還流した。反応混合物を自然冷却し、トルエンを加え、混合物から溶媒を蒸発除去した。残留物をジエチルエーテル中ですりつぶし、次いでアセトン中ですりつぶした。得られた沈殿物を単離し、乾燥して4−(4−クロロ−2−フルオロフェノキシ)−7−ヒドロキシ−6−メトキシキナゾリン・トリフルオロ酢酸塩(21.8g)を得た。本物質をさらなる精製を行うことなく次の工程に使用した。
【0131】
次いで、4−(4−クロロ−2−フルオロフェノキシ)−7−ヒドロキシ−6−メトキシキナゾリンのトリフルオロ酢酸塩(3.2g)、4−トルエンスルホン酸3−(4−メチルピペラジン−1−イル)プロピル(3.0g)、炭酸カリウム(6.1g)、およびDMF(60ml)の混合物を90℃で5時間撹拌した。反応混合物を周囲温度に冷却し、水(700ml)中に注ぎ込み、酢酸エチルで抽出した(5回)。抽出物を合わせて、水、重炭酸ナトリウム飽和水溶液、水、およびブラインで順次洗浄した。酢酸エチル溶液を硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を蒸発除去した。塩化メチレンとメタノールと高濃度の水酸化アンモニウム水溶液(0.880g/ml)の100:8:1混合物を溶離液として使用して、残留物をシリカによるカラムクロマトグラフィーによって精製した。このようにして得た物質をジエチルエーテル中ですりつぶした。これにより4−(4−クロロ−2−フルオロフェノキシ)−6−メトキシ−7−[3−(4−メチルピペラジン−1−イル)プロポキシ]キナゾリン(1.64g)が得られた。NMR スペクトル
【0132】
【化15】
Figure 2004511480
【0133】
上記の反応を繰り返した後、4−(4−クロロ−2−フルオロフェノキシ)−6−メトキシ−7−[3−(4−メチルピペラジン−1−イル)プロポキシ]キナゾリン(2.6g)と2N塩酸水溶液(45ml)の混合物を撹拌し、95℃で2時間加熱した。混合物を周囲温度に冷却し、固体の重炭酸ナトリウムを加えることによって塩基性にした。混合物から溶媒を蒸発除去し、塩化メチレンとメタノールと高濃度の水酸化アンモニウム水溶液(0.880g/ml)の50:8:1混合物を溶離液として使用して、残留物をシリカによるカラムクロマトグラフィーによって精製した。これにより6−メトキシ−7−[3−(4−メチルピペラジン−1−イル)プロポキシ]−3,4−ジヒドロキナゾリン−4−オン(1.8g)が得られた。質量スペクトル: M+H 333
上記の反応を繰り返した後、6−メトキシ−7−[3−(4−メチルピペラジン−1−イル)プロポキシ]−3,4−ジヒドロキナゾリン−4−オン(2.15g)と塩化チオニル(25ml)とDMF(0.18ml)の混合物を撹拌し、2時間加熱還流した。塩化チオニルを減圧にて蒸発除去し、残留物をトルエンで2回共沸蒸留した。残留物を水中に混合し、重炭酸ナトリウム飽和水溶液を加えることによって塩基性にし、塩化メチレンで抽出した(4回)。抽出物を合わせて水とブラインで順次洗浄し、相分離用ペーパーを通して濾過した。濾液から減圧にて溶媒を蒸発除去し、塩化メチレンとメタノールと高濃度の水酸化アンモニウム水溶液(0.880g/ml)の100:8:1混合物を溶離液として使用して、残留物をシリカによるカラムクロマトグラフィーによって精製した。このようにして得られた固体をアセトン中ですりつぶし、濾過し、乾燥して4−クロロ−6−メトキシ−7−[3−(4−メチルピペラジン−1−イル)プロポキシ]キナゾリン(1.2g)を得た。質量スペクトル: M+H 351
【0134】
実施例
実施例1に記載の方法と類似の方法を使用して、適切な4−クロロキナゾリンと適切な4−アミノベンゾフランとを反応させて表Iに記載の化合物を得た。特に明記しない限り、表Iに記載の各化合物は二塩酸塩として得た。
【0135】
【表1】
Figure 2004511480
【0136】
注記
[1] 本生成物は下記のような特性データをもたらした。NMR スペクトル
【0137】
【化16】
Figure 2004511480
【0138】
質量スペクトル: M+H 419
出発物質として使用した4−クロロ−6−メトキシ−7−(3−ピロリジン−1−イルプロポキシ)キナゾリンは下記のように製造した:
4−ヒドロキシ−3−メトキシ安息香酸(8.4g)、塩化3−(ピロリジン−1−イル)プロピル(J. Amer. Chem. Soc., 1955, 77, 2272; 14.75g)、炭酸カリウム(13.8g)、ヨウ化カリウム(1.66g)、およびDMF(150ml)の混合物を撹拌し、100℃で3時間加熱した。混合物を周囲温度に自然冷却し、濾過し、濾液から溶媒を蒸発除去した。残留物をエタノール(75ml)中に溶解し、2N水酸化ナトリウム水溶液(75ml)を加え、混合物を90℃で2時間加熱した。混合物を蒸発にて濃縮し、濃塩酸を加えることによって酸性にした。混合物をジエチルエーテルで洗浄し、ダイアイオン(Diaion)(三菱化学の商標)HP20SSレジンカラムを使用して、水で溶離し、次いで希塩酸(pH2.2)中メタノール(0〜25%)の勾配にて溶離することでカラムクロマトグラフィーにより精製した。メタノールを蒸発除去し、水性残留物を凍結乾燥して3−メトキシ−4−(3−ピロリジン−1−イルプロポキシ)安息香酸塩酸塩(12.2g)を得た。NMR スペクトル
【0139】
【化17】
Figure 2004511480
【0140】
このようにして得た物質をトリフルオロ酢酸(40ml)中に溶解し、本溶液を0℃に冷却した。発煙硝酸(2.4ml)を徐々に加えた。冷却浴を取り除き、反応混合物を周囲温度で1時間撹拌した。混合物から溶媒を蒸発除去し、残留物に氷と水との混合物を加えた。混合物から溶媒を蒸発除去した。固体残留物を希塩酸(pH2.2)中に溶解し、水中メタノール(0〜50%)の勾配にて溶離するダイアイオンHP20SSレジンカラムを使用してカラムクロマトグラフィーにより精製した。蒸発でフラクションを濃縮することにより沈殿物を得、これに採集し、五酸化リン上で減圧乾燥した。これにより5−メトキシ−2−ニトロ−4−(3−ピロリジン−1−イルプロポキシ)安息香酸塩酸塩(12.1g, 90%)が得られた。NMR スペクトル
【0141】
【化18】
Figure 2004511480
【0142】
このようにして得た物質の一部(9.63g)、塩化チオニル(20ml)、およびDMF(0.05ml)の混合物を45℃で1.5時間加熱した。トルエン(×2)を加えて蒸発させることで、過剰の塩化チオニルを完全に除去した。得られた固体を、THF(250ml)と塩化メチレン(100ml)の混合物中に懸濁し、これにアンモニアを30分吹き込んだ。本混合物を周囲温度でさらに1.5時間撹拌した。揮発性物質を蒸発除去し、残留物を水中に溶解し、水中メタノール(0〜50%)の勾配にて溶離するダイアイオンHP20SSレジンカラムを使用してカラムクロマトグラフィーにより精製した。生成物を含有するフラクションから溶媒を蒸発除去した。残留物をできるだけ少量のメタノール中に溶解し、本溶液をジエチルエーテルで希釈した。生成した沈殿物を濾過によって採集し、ジエチルエーテルで洗浄し、減圧乾燥して5−メトキシ−2−ニトロ−4−(3−ピロリジン−1−イルプロポキシ)ベンズアミド(7.23g)を得た。NMR スペクトル
【0143】
【化19】
Figure 2004511480
【0144】
このようにして得た物質の一部(1.5g)、濃塩酸(5ml)、およびメタノール(20ml)の混合物を50℃に加温して溶液とした。鉄粉(1.3g)を少量ずつ加え、反応混合物を1時間加熱還流した。反応混合物を周囲温度に自然冷却した。珪藻土を介して濾過することによって不溶性物質を除去し、濾液から溶媒を蒸発除去した。ダイアイオンHP20SSレジンカラムを使用し、水で、次いで希塩酸(pH2)で溶離するカラムクロマトグラフィーによって残留物を精製した。生成物を含有するフラクションを蒸発により濃縮し、得られた沈殿物を濾過によって採集し、五酸化リン上で減圧にて乾燥した。これにより2−アミノ−5−メトキシ−4−(3−ピロリジン−1−イルプロポキシ)ベンズアミド塩酸塩(1.44g)が得られた。NMR スペクトル
【0145】
【化20】
Figure 2004511480
【0146】
上記の反応を繰り返した後、2−アミノ−5−メトキシ−4−(3−ピロリジン−1−イルプロポキシ)ベンズアミド塩酸塩(5.92g)、ゴールド試薬(3.5g)、およびジオキサン(50ml)の混合物を5時間加熱還流した。酢酸(0.7ml)と酢酸ナトリウム(1.33g)を加え、反応混合物をさらに5時間加熱還流した。混合物を周囲温度に自然冷却し、溶媒を蒸発除去した。残留物を水中に溶解し、2N水酸化ナトリウム水溶液でpH8に調整し、水中メタノール(0〜50%の勾配)で溶離するダイアイオンHP20SSレジンカラムにより精製した。生成物を含有するフラクションを蒸発によって濃縮し、次いで凍結乾燥して6−メトキシ−7−(3−ピロリジン−1−イルプロポキシ)−3,4−ジヒドロキナゾリン−4−オン(4.55g)を得た。NMR スペクトル
【0147】
【化21】
Figure 2004511480
【0148】
このようにして得た物質の一部(1.7g)、塩化チオニル(25ml)、およびDMF(0.2ml)の混合物を3時間加熱還流した。過剰の塩化チオニルを、蒸発によって、そしてトルエンとの共沸蒸留(×2)によって除去した。残留物をジエチルエーテル中に懸濁し、重炭酸ナトリウムの10%水溶液で洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を蒸発除去して4−クロロ−6−メトキシ−7−(3−ピロリジン−1−イルプロポキシ)キナゾリン(1.94g)を得た。NMR スペクトル
【0149】
【化22】
Figure 2004511480
【0150】
[2] 本生成物は下記のような特性データをもたらした。NMR スペクトル
【0151】
【化23】
Figure 2004511480
【0152】
質量スペクトル: M+H 483
出発物質として使用した4−クロロ−7−[3−(1,1−ジオキソテトラヒドロ−4−1,4−チアジン−4−イル)プロポキシ]−6−メトキシキナゾリンは下記のように製造した:
4−(4−クロロ−2−フルオロフェノキシ)−7−ヒドロキシ−6−メトキシキナゾリン(5.0g)とトリブチルホスフィン(11.1ml)と塩化メチレン(150ml)の混合物に、3−(1,1−ジオキソテトラヒドロ−4−1,4−チアジン−4−イル)プロパン−1−オール(4.2g)と1,1’−(アゾジカルボニル)ジピペリジン(11.7g)を順次加えた。混合物を周囲温度で一晩撹拌した。混合物をジエチルエーテル(300ml)で希釈し、沈殿物を濾過によって除去した。濾液から溶媒を蒸発除去し、残留物を、塩化メチレンとメタノールの19:1混合物を溶離液として使用するシリカによるカラムクロマトグラフィーによって精製した。このようにして得られた物質を酢酸エチル中ですりつぶし、乾燥して4−(4−クロロ−2−フルオロフェノキシ)−7−[3−(1,1−ジオキソテトラヒドロ−4−1,4−チアジン−4−イル)プロポキシ]−6−メトキシキナゾリン(5.4g)を得た。NM スペクトル
【0153】
【化24】
Figure 2004511480
【0154】
このようにして得た物質の一部(3.5g)と2N塩酸(56ml)との混合物を撹拌し、95℃で2時間加熱した。反応混合物を周囲温度に冷却し、固体重炭酸ナトリウムで処理して濃厚ペーストを得た。このペーストを水で希釈して濾過した。得られた固体をフラスコに移し、トルエンで2回共沸蒸留して乾燥固体を得た。この固体を、塩化メチレンとメタノールの19:1混合物を溶離液として使用するシリカによるカラムクロマトグラフィーによって精製した。これにより7−[3−(1,1−ジオキソテトラヒドロ−4−1,4−チアジン−4−イル)プロポキシ]−6−メトキシ−3,4−ジヒドロキナゾリン−4−オン(2.26g)が白色固体として得られた。質量スペクトル: M+H 368。
【0155】
上記の反応を繰り返した後、7−[3−(1,1−ジオキソテトラヒドロ−4−1,4−チアジン−4−イル)プロポキシ]−6−メトキシ−3,4−ジヒドロキナゾリン−4−オン(4.2g)と塩化チオニル(45ml)とDMF(0.1ml)の混合物を2.5時間加熱還流した。混合物をトルエンで希釈し、減圧にて溶媒を蒸発除去した。残留物を水中に混合し、重炭酸ナトリウム飽和水溶液で塩基性にした(pH8)。混合物を塩化メチレンで抽出し、有機層を水とブラインで順次洗浄した。有機溶液を相分離用ペーパーを通して濾過し、溶媒を蒸発除去してオレンジ色の固体を得た。この固体を、塩化メチレンとメタノールの19:1混合物を溶離液として使用するシリカによるカラムクロマトグラフィーによって精製した。得られた固体をジエチルエーテル中ですりつぶし、乾燥して4−クロロ−7−[3−(1,1−ジオキソテトラヒドロ−4−1,4−チアジン−4−イル)プロポキシ]−6−メトキシキナゾリン(2.27g)を得た。質量スペクトル: M+H+ 386。
【0156】
中間体として使用した3−(1,1−ジオキソテトラヒドロ−4−1,4−チアジン−4−イル)プロパン−1−オールは下記のように製造した:
3−アミノプロパン−1−オール(0.65ml)とジビニルスルホン(1g)の混合物を110℃で45分加熱した。混合物を周囲温度に自然冷却し、塩化メチレンとメタノールの19:1混合物を溶離液として使用するシリカによるカラムクロマトグラフィーによって精製した。これにより3−(1,1−ジオキソテトラヒドロ−4−1,4−チアジン−4−イル)プロパン−1−オール(0.8g)が得られた。NMR スペクトル
【0157】
【化25】
Figure 2004511480
【0158】
質量スペクトル: M+H 194
[3] 本生成物は次のような特性データをもたらした。NMR スペクトル
【0159】
【化26】
Figure 2004511480
【0160】
質量スペクトル: M+H+ 435。
出発物質として使用した4−クロロ−6−メトキシ−7−(3−モルホリノプロポキシ)キナゾリンは下記のように製造した:
7−ベンジルオキシ−6−メトキシ−3,4−ジヒドロキナゾリン−4−オン(35g)と塩化チオニル(440ml)とDMF(1.75ml)の混合物を4時間加熱還流した。塩化チオニルを減圧にて蒸発除去し、残留物をトルエンで3回共沸蒸留した。残留物を−メチルピロリジン−2−オン(250ml)中に溶解して、7−ベンジルオキシ−4−クロロ−6−メトキシキナゾリンの溶液を得た。
【0161】
−メチルピロリジン−2−オン(210ml)中にフェノール(29.05g)を溶解し、冷却しながら水素化ナトリウム(鉱油中60%分散液; 11.025g)を少量ずつ加えた。混合物を周囲温度で3時間撹拌した。得られた粘稠懸濁液を−ピロリジン−2−オン(180ml)で希釈し、一晩撹拌した。7−ベンジルオキシ−4−クロロ−6−メトキシキナゾリンの上記溶液を加え、得られた懸濁液を撹拌し、100℃で2.5時間加熱した。混合物を周囲温度に自然冷却し、激しく撹拌しながら水(1.5リットル)中に注ぎ込んだ。沈殿物を濾過によって採集し、水で洗浄し、減圧乾燥した。得られた物質を塩化メチレン中に溶解し、溶液をブラインで洗浄し、相分離用ペーパーを通して濾過した。溶液から減圧にて溶媒を蒸発除去し、残留物をジエチルエーテル中ですりつぶした。これにより7−ベンジルオキシ−6−メトキシ−4−フェノキシキナゾリン(87.8g)が得られた。NMR スペクトル
【0162】
【化27】
Figure 2004511480
【0163】
このようにして得た物質の一部(36.95g)とトリフルオロ酢酸(420ml)の混合物を3時間加熱還流した。反応混合物を自然冷却し、減圧にて溶媒を蒸発除去した。残留物に水を加えて機械的に撹拌し、重炭酸ナトリウム飽和水溶液を加えることによって塩基性にし、一晩撹拌した。水をデカントし、残留固体をアセトン中に懸濁した。撹拌した後、白色固体を濾過によって採集し、アセトンで洗浄し、乾燥して7−ヒドロキシ−6−メトキシ−4−フェノキシキナゾリン(26.61g)を得た。NMR スペクトル
【0164】
【化28】
Figure 2004511480
【0165】
7−ヒドロキシ−6−メトキシ−4−フェノキシキナゾリン(25.27g)、塩化3−モルホリノプロピル(18.48g)、炭酸カリウム(39.1g)、およびDMF(750ml)の混合物を撹拌し、90℃で3時間加熱した。混合物を周囲温度に自然冷却し、濾過した。濾液から溶媒を蒸発除去し、残留物を酢酸エチル中ですりつぶした。これにより6−メトキシ−7−(3−モルホリノプロポキシ)−4−フェノキシキナゾリン(31.4g)が得られた。NMR スペクトル
【0166】
【化29】
Figure 2004511480
【0167】
このようにして得た物質と6N塩酸(800ml)との混合物を撹拌し、1.5時間加熱還流した。反応混合物をデカントし、250mlの体積に濃縮した。重炭酸ナトリウム飽和水溶液を加えることによって混合物をpH9の塩基性にし、塩化メチレン(4×400ml)で抽出した。抽出物を合わせて、相分離用ペーパーを通して濾過し、濾液から溶媒を蒸発除去した。得られた固体を酢酸エチル中ですりつぶして6−メトキシ−7−(3−モルホリノプロポキシ)−3,4−ジヒドロキナゾリン−4−オン(23.9g)を得た。NMT スペクトル
【0168】
【化30】
Figure 2004511480
【0169】
このようにして得た物質、塩化チオニル(210ml)、およびDMF(1.8ml)の混合物を1.5時間加熱還流した。塩化チオニルを減圧にて蒸発除去し、残留物をトルエンで3回共沸蒸留した。残留物を水中に混合し、重炭酸ナトリウム飽和水溶液を加えることによってpH8の塩基性にした。得られた水性層を塩化メチレン(4×400ml)で抽出した。抽出物を合わせて水とブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。溶液を濾過し、溶媒を蒸発除去した。得られた固体を酢酸エチル中ですりつぶして、4−クロロ−6−メトキシ−7−(3−モルホリノプロポキシ)キナゾリン(17.39g)を得た。NMR スペクトル
【0170】
【化31】
Figure 2004511480
【0171】
試剤として使用した塩化3−モルホリノプロピルは下記のようにして得た:
モルホリン(52.2ml)、1−ブロモ−3−クロロプロパン(30ml)、およびトルエン(180ml)の混合物を70℃で3時間加熱した。固体を濾過により除去し、濾液から溶媒を減圧にて蒸発除去した。得られた油状物を、堆積したさらなる固体からデカントし、真空蒸留によって精製して塩化3−モルホリノプロピル(37.91g)を得た。NMR スペクトル
【0172】
【化32】
Figure 2004511480
【0173】
[4] 本生成物は次のような特性データをもたらした。NMRスペクトル:
【0174】
【化33】
Figure 2004511480
【0175】
質量スペクトル: M+H 419
出発物質として使用した4−クロロ−7−(−メチルピペリジン−1−イルメトキシ)−6−メトキシキナゾリンは下記のように製造した:
ピペリジン−4−カルボン酸エチル(30g)の酢酸エチル(150ml)溶液を氷浴にて0〜5℃に冷却しておき、この溶液に撹拌しながらジ−tert−ブチルジカーボネート(41.7g)の酢酸エチル(75ml)溶液を滴下した。混合物を周囲温度で48時間撹拌した。混合物を水(300ml)中に注ぎ込んだ。有機層を分離し、水(200ml)、0.1N塩酸(200ml)、重炭酸ナトリウム飽和水溶液(200ml)、およびブライン(200ml)で順次洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を蒸発除去した。これによりtert−ブトキシカルボニルピペリジン−4−カルボン酸エチル(48g)が得られた。NMR スペクトル
【0176】
【化34】
Figure 2004511480
【0177】
このようにして得た物質のTHF(180ml)溶液を0℃に冷却し、水素化リチウムアルミニウム(THF中1M溶液; 133ml)を滴下した。混合物を0℃で2時間撹拌した。水(30ml)と2N水酸化ナトリウム水溶液(10ml)を順次加え、混合物を15分撹拌した。混合物を珪藻土を通して濾過し、固体を酢酸エチルで洗浄した。濾液を水とブラインで順次洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を蒸発除去した。これよりtert−ブトキシカルボニル−4−ヒドロキシメチルピペリジン(36.3g)を得た。NMR スペクトル
【0178】
【化35】
Figure 2004511480
【0179】
tert−ブトキシカルボニル−4−ヒドロキシメチルピペリジン(52.5g)をtert−ブチルメチルエーテル(525ml)中に溶解して得た溶液に1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(42.4g)を加え、混合物を周囲温度で15分撹拌した。混合物を氷浴にて5℃に冷却し、塩化4−トルエンスルホニル(62.8g)のtert−ブチルメチルエーテル(525ml)溶液を、反応温度を約0℃に保持しつつ2時間で滴下した。混合物を周囲温度に自然加温し、1時間撹拌した。石油エーテル(b.p.60−80℃, 1リットル)を加え、沈殿物を濾過によって除去した。濾液から溶媒を蒸発除去して得られた固体残量物をジエチルエーテル中に溶解した。有機溶液を、0.5N塩酸水溶液、水、重炭酸ナトリウム飽和水溶液、およびブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を蒸発除去した。これによりtert−ブトキシカルボニル−4−(4−トルエンスルホニルオキシメチル)ピペリジン(76.7g)が得られた。NMRスペクトル:
【0180】
【化36】
Figure 2004511480
【0181】
このようにして得た物質の一部(40g)を、4−ヒドロキシ−3−メトキシ安息香酸エチル(19.6g)と炭酸カリウム(28g)をDMF(200ml)中に懸濁して得た懸濁液に加え、得られた混合物を撹拌し、95℃で2.5時間加熱した。混合物を周囲温度に冷却し、酢酸エチルとジエチルエーテルとの混合物と水とに分配した。有機層を水とブラインで順次洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を蒸発除去した。得られた油状物を石油エーテル(b.p.60−80℃)から結晶化させ、懸濁液を5℃で一晩保存した。固体を濾過によって採集し、石油エーテルで洗浄し、減圧乾燥した。これにより4−(tert−ブトキシカルボニルピペリジン−4−イルメトキシ)−3−メトキシ安息香酸エチル(35g)(m.p.81−83℃)が得られた。NMR スペクトル
【0182】
【化37】
Figure 2004511480
【0183】
このようにして得た物質をギ酸(35ml)中に溶解し、ホルムアルデヒド(12M, 水中37%, 35ml)を加え、混合物を撹拌し、95℃で3時間加熱した。混合物から溶媒を蒸発除去した。残留物を塩化メチレン中に溶解し、塩化水素(ジエチルエーテル3M溶液; 40ml)を加えた。混合物をジエチルエーテルで希釈し、固体が形成されるまで混合物をすりつぶした。固体を採集し、ジエチルエーテルで洗浄し、50℃で一晩減圧乾燥した。これにより3−メトキシ−4−(−メチルピペリジン−4−イルメトキシ)安息香酸エチル(30.6g)が得られた。NMR スペクトル
【0184】
【化38】
Figure 2004511480
【0185】
このようにして得た物質を塩化メチレン(75ml)中に溶解し、溶液を氷浴にて0〜5℃に冷却した。トリフルオロ酢酸(37.5ml)を加え、次いで発煙硝酸(24M; 7.42ml)を塩化メチレン(15ml)中に溶解して得た溶液を15分で滴下した。得られた溶液を周囲温度に自然加温し、2時間撹拌した。揮発性物質を蒸発除去した。残留物を塩化メチレン(50ml)中に溶解し、氷浴にて溶液を0〜5℃に冷却した。ジエチルエーテルを加え、生成した沈殿物を採集し、50℃にて減圧乾燥した。この固体を塩化メチレン(500ml)中に溶解し、塩化水素(ジエチルエーテル中3M溶液; 30ml)を加え、次いでジエチルエーテル(500ml)を加えた。得られた固体を採集し、50℃にて減圧乾燥した。これにより5−メトキシ−4−(−メチルピペリジン−4−イルメトキシ)−2−ニトロ安息香酸エチル(28.4g)が得られた。NMR スペクトル
【0186】
【化39】
Figure 2004511480
【0187】
このようにして得た物質の一部(3.89g)、活性炭担持10%白金(50%湿潤, 0.389g)およびメタノール(80ml)の混合物を、水素の取り込みがなくなるまで、1.8気圧の水素の雰囲気下で撹拌した。混合物を濾過し、濾液から溶媒を蒸発除去した。残留物を水(30ml)中に溶解し、重炭酸ナトリウム飽和水溶液を加えることによってpH10の塩基性にした。本混合物を、酢酸エチルとジエチルエーテルの1:1混合物で希釈し、有機層を分離した。酢酸エチルとジエチルエーテルの1:1混合物で水性層をさらに抽出し、有機抽出物を合わせて水とブラインで順次洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を蒸発除去した。石油エーテル(b.p.60−80℃)とジエチルエーテルとの混合物中で残留物をすりつぶした。得られた固体を単離し、石油エーテルで洗浄し、60℃で減圧乾燥した。これにより2−アミノ−5−メトキシ−4−(−メチルピペリジン−4−イルメトキシ)安息香酸エチル(2.58g; m.p.111−112℃)が得られた。NMR スペクトル
【0188】
【化40】
Figure 2004511480
【0189】
2−アミノ−5−メトキシ−4−(−メチルピペリジン−4−イルメトキシ)安息香酸エチル(16.1g)、ホルムアミジン酢酸塩(5.2g)、および2−メトキシエタノール(160ml)の混合物を撹拌し、115℃で2時間加熱した。30分ごとに4時間にわたって、さらなるホルムアミジン酢酸塩(10.4g)を分けて加え、最後の添加が終わってから加熱を30分継続した。得られた混合物から溶媒を蒸発除去した。固体残留物を、塩化メチレン(50ml)とエタノール(100ml)の混合物中で撹拌した。沈殿物を濾過によって採集し、濾液を100mlの最終体積になるよう濃縮した。得られた懸濁液を5℃に冷却した。固体を採集し、冷エタノールとジエチルエーテルで洗浄し、60℃で減圧乾燥した。これにより6−メトキシ−7−(−メチルピペリジン−4−イルメトキシ)−3,4−ジヒドロキナゾリン−4−オン(12.7g)が得られた。NMRスペクトル:
【0190】
【化41】
Figure 2004511480
【0191】
このようにして得た物質の一部(2.8g)、塩化チオニル(28ml)、およびDMF(0.28ml)の混合物を1時間加熱還流した。混合物から溶媒を蒸発除去し、沈殿物をジエチルエーテル中ですりつぶした。得られた固体を単離し、ジエチルエーテルで洗浄した。固体を塩化メチレン中に溶解し、溶液を重炭酸ナトリウム飽和水溶液で洗浄した。有機層を水とブラインで順次洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を蒸発除去した。これにより4−クロロ−6−メトキシ−7−(−メチルピペリジン−4−イルメトキシ)キナゾリン(2.9g)が得られた。NMR スペクトル
【0192】
【化42】
Figure 2004511480
【0193】
[5] 本生成物は次のような特性データをもたらした。NMR スペクトル
【0194】
【化43】
Figure 2004511480
【0195】
質量スペクトル: M+H 417
出発物質として使用した4−クロロ−7−(3−ピロリジン−1−イルプロポキシ)−6−メトキシキナゾリンは下記のように製造した:
7−ベンジルオキシ−6−メトキシ−3,4−ジヒドロキナゾリン−4−オン(8.46g)をDMF(70ml)中に溶解して得た溶液に、水素化ナトリウム(鉱油中60%分散液, 1.44g)を20分で滴下し、混合物を1.5時間撹拌した。ピバリン酸クロロメチル(5.65g)を滴下し、混合物を周囲温度で2時間撹拌した。混合物を酢酸エチル(100ml)で希釈し、2N塩酸(4ml)を含有する氷と水との混合物(400ml)上に注いだ。有機層を分離し、水性層を酢酸エチルで抽出した。有機抽出物を塩化ナトリウム飽和水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで洗浄し、溶媒を蒸発除去した。残留物を、石油エーテル(b.p.60−80℃)とジエチルエーテルの混合物中ですりつぶした。得られた固体を単離し、減圧乾燥して7−ベンジルオキシ−6−メトキシ−3−ピバロイルオキシメチル−3,4−ジヒドロキナゾリン−4−オン(10g)を得た。NMRスペクトル:
【0196】
【化44】
Figure 2004511480
【0197】
このようにして得た物質の一部(7g)、活性炭担持10%パラジウム触媒(0.7g)、酢酸エチル(250ml)、DMF(50ml)、メタノール(50ml)、および酢酸(0.7ml)の混合物を、水素雰囲気の大気圧で40分撹拌した。触媒を濾過によって除去し、濾液から溶媒を蒸発除去した。残留物をジエチルエーテル中ですりつぶした。得られた固体を単離し、減圧乾燥して7−ヒドロキシ−6−メトキシ−3−ピバロイルオキシメチル−3,4−ジヒドロキナゾリン−4−オン(4.36g)を得た。NMR スペクトル
【0198】
【化45】
Figure 2004511480
【0199】
7−ヒドロキシ−6−メトキシ−3−ピバロイルオキシメチル−3,4−ジヒドロキナゾリン−4−オン(2g)、 −(3−ヒドロキシプロピル)−1,2,3−トリアゾール(0.91g)、トリフェニルホスフィン(1.84g)、および塩化メチレン(10ml)の混合物に、撹拌しながらアゾジカルボン酸ジエチル(1.34ml)の塩化メチレン(10ml)溶液を滴下した。本混合物を周囲温度で3時間撹拌した。溶媒を蒸発除去し、塩化メチレンとメタノールの混合物を徐々に極性を増大させる形で溶離液として使用して、カラムクロマトグラフィーによって残留物を精製した。これにより6−メトキシ−3−ピバロイルオキシメチル−7−[3−(1,2,3−トリアゾール−1−イル)プロポキシ]−3,4−ジヒドロキナゾリン−4−オン(2.7g)が得られた。質量スペクトル: M+H 416
このようにして得た3,4−ジヒドロキナゾリン−4−オンのメタノール(30ml)溶液にアンモニアのメタノール(75ml)中飽和溶液を加え、反応混合物を周囲温度で4日間撹拌した。沈殿物を濾過によって除去し、濾液から溶媒を蒸発除去した。残留物をジエチルエーテル中ですりつぶし、減圧乾燥した。これにより6−メトキシ−7−[3−(1,2,3−トリアゾール−1−イル)プロポキシ]キナゾリン−4−オン(1.8g)が得られた。NMR スペクトル
【0200】
【化46】
Figure 2004511480
【0201】
質量スペクトル: M+H 302
このようにして得た物質、塩化チオニル(15ml)、およびDMF(0.15ml)の混合物を1時間加熱還流した。トルエンを加えて蒸発除去することで、過剰の塩化チオニルを完全に除去した。固体残留物に塩化メチレンと水を加え、固体状の重炭酸ナトリウムを加えることによって混合物を中性にした。この段階で所望の生成物の一部が沈殿し、これを濾過によって採集し、水で洗浄し、減圧乾燥した。有機相を水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を蒸発除去した。2つのバッチの固体を合わせた。これにより4−クロロ−6−メトキシ−7−[3−(1,2,3−トリアゾール−1−イル)プロポキシ]キナゾリン(1.6g)が得られた。NMR スペクトル
【0202】
【化47】
Figure 2004511480
【0203】
出発物質として使用した −(3−ヒドロキシプロピル)−1,2,3−トリアゾールは下記のように製造した:
1,2,3−トリアゾール(5g)とアクリル酸エチル(7.8ml)とピリジン(50滴)の混合物を撹拌し、90℃で4時間加熱した。混合物を周囲温度に冷却し、溶媒を蒸発除去した。塩化メチレンとジエチルエーテルの混合物を徐々に極性を増大させる形で溶離液として使用して、シリカによるカラムクロマトグラフィーによって残留物を精製した。これにより1,2,3−トリアゾール−1−イルプロパン酸エチル(8.96g)が得られた。NMR スペクトル
【0204】
【化48】
Figure 2004511480
【0205】
水素化リチウムアルミニウム(3g)をTHF(250ml)中に混合して得た懸濁液を0℃に冷却しておき、これに上記のようにして得た物質のTHF(50ml)溶液を滴下した。本混合物を5℃で1時間、そして周囲温度でさらに1時間撹拌した。混合物を0℃に冷却し、4N水酸化ナトリウム水溶液(30ml)を滴下した。混合物を濾過し、濾液を硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を蒸発除去した。塩化メチレンとメタノールの47:3混合物を溶離液として使用するシリカによるカラムクロマトグラフィーによって残留物を精製した。これにより −(3−ヒドロキシプロピル)−1,2,3−トリアゾール(6.2g)が得られた。NMR スペクトル
【0206】
【化49】
Figure 2004511480
【0207】
[6] 反応溶媒としてイソプロパノールの代わりにペンタン−2−オールを使用し、反応混合物を110℃で5時間加熱した。本生成物は以下のような特性データをもたらした。NMR スペクトル
【0208】
【化50】
Figure 2004511480
【0209】
質量スペクトル: M+H 469
出発物質として使用した4−アミノ−5−クロロベンゾフランは下記のように製造した:
4−クロロ−3−ニトロフェノール(1g)とトリフルオロ酢酸(9ml)とヘキサメチレンテトラミン(0.8g)の混合物を115℃で1.5時間加熱した。反応混合物を周囲温度に冷却し、塩化メチレンと4N塩酸溶液とに分配した。有機相をブラインで2回洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を蒸発除去した。塩化メチレンを溶離液として使用するシリカによるカラムクロマトグラフィーによって残留物を精製した。これにより3−クロロ−6−ヒドロキシ−2−ニトロベンズアルデヒド(3g)が得られた。NMR スペクトル
【0210】
【化51】
Figure 2004511480
【0211】
このようにして得た物質、ブロモマロン酸ジエチル(2.78ml)、炭酸カリウム(3.1g)、臭化テトラブチルアンモニウム(0.477g)、およびトルエン(50ml)の混合物を撹拌し、ディーン&シュタルク装置にて20時間加熱還流した。混合物を周囲温度に冷却し、濾過し、濾液から溶媒を蒸発除去した。残留物を酢酸エチル中に溶解し、溶液を水とブラインで順次洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を蒸発除去した。塩化メチレンを溶離液として使用するシリカによるカラムクロマトグラフィーによって残留物を精製した。これにより5−クロロ−4−ニトロベンゾフラン−2−カルボン酸エチル(3g)が得られた。NMR スペクトル
【0212】
【化52】
Figure 2004511480
【0213】
質量スペクトル: M+H 269
このようにして得た物質、2N水酸化カリウム水溶液(11.1ml)、およびエタノール(17ml)の混合物を撹拌し、1時間加熱還流した。エタノールを蒸発除去し、残留物を水中に溶解した。得られた沈殿物を単離し、水で洗浄し、五酸化リン上で減圧乾燥して5−クロロ−4−ニトロベンゾフラン−2−カルボン酸(2.65g)を得た。NMRスペクトル:
【0214】
【化53】
Figure 2004511480
【0215】
このようにして得た物質の一部(1.6g)、酸化第二銅(0.08g)、およびキノリン(14ml)の混合物を210℃で30分加熱した。次いで銅粉末(0.02g)を加え、反応混合物を230℃でさらに20分加熱した。混合物を周囲温度に冷却し、濾過した。濾液をジエチルエーテルと2N塩酸とに分配した。有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を蒸発除去した。石油エーテル(b.p.60−80℃)とジエチルエーテルの17:3混合物を溶離液として使用するシリカによるカラムクロマトグラフィーによって残留物を精製した。これにより5−クロロ−4−ニトロベンゾフラン(0.36g)が得られた。NMR スペクトル
【0216】
【化54】
Figure 2004511480
【0217】
ヒドラジン水和物(0.097ml)、ラネーニッケル(0.02g)、およびメタノール(7ml)の混合物を55〜60℃に加温しておき、これに撹拌しながら5−クロロ−4−ニトロベンゾフラン(0.1g)を少量ずつ加えた。反応混合物を30分加熱還流した。触媒を濾過によって除去し、濾液から溶媒を蒸発除去した。残留物を塩化メチレンと水とに分配した。有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を蒸発除去した。石油エーテル(b.p.60−80℃)と塩化メチレンの3:2混合物を溶離液として使用するシリカによるカラムクロマトグラフィーによって残留物を精製した。これにより4−アミノ−5−クロロベンゾフラン(0.037g)が得られた。NMR スペクトル
【0218】
【化55】
Figure 2004511480
【0219】
[7] 本生成物は次のような特性データをもたらした; 質量スペクトル: M+H 493
出発物質として使用した4−クロロ−6−メトキシ−7−(2−アセトキシ−3−モルホリノプロポキシ)キナゾリンは下記のように製造した:
7−ヒドロキシ−6−メトキシ−3−ピバロイルオキシメチル−3,4−ジヒドロキナゾリン−4−オン(40g)、臭化2,3−エポキシプロピル(16.8ml)、炭酸カリウム(36g)、およびDMF(400ml)の混合物を撹拌し、70℃で1.5時間加熱した。混合物を氷−水混合物(1.5リットル)中に注ぎ込み、生成した沈殿物を単離し、水とジエチルエーテルで順次洗浄し、五酸化リン上で減圧乾燥した。これにより7−(2,3−エポキシプロポキシ)−6−メトキシ−3−ピバロイルオキシメチル−3,4−ジヒドロキナゾリン−4−オン(46.7g)が得られた。
【0220】
このようにして得た物質の一部(8g)とモルホリン(5.8ml)とクロロホルム(120ml)の混合物を16時間加熱還流した。混合物から溶媒を蒸発除去し、塩化メチレンとメタノールとの19:1混合物を溶離液として使用するシリカによるカラムクロマトグラフィーによって残留物を精製した。これにより7−(2−ヒドロキシ−3−モルホリノプロポキシ)−6−メトキシ−3−ピバロイルオキシメチル−3,4−ジヒドロキナゾリン−4−オンが泡状物(8.2g)として得られた。NMR スペクトル
【0221】
【化56】
Figure 2004511480
【0222】
このようにして得た物質とメタノール性アンモニア飽和水溶液との混合物を周囲温度で24時間撹拌した。混合物から溶媒を蒸発除去し、得られた固体を、ジエチルエーテルおよびジエチルエーテルと塩化メチレンとの19:1混合物で洗浄した。これにより7−(2−ヒドロキシ−3−モルホリノプロポキシ)−6−メトキシ−3,4−ジヒドロキナゾリン−4−オン(6.34g)が得られた。NMR スペクトル
【0223】
【化57】
Figure 2004511480
【0224】
このようにして得た物質の一部(5.2g)と無水酢酸(20ml)とピリジン(1ml)の混合物を周囲温度で30分撹拌した。本混合物を氷−水混合物中に注ぎ込み、30分撹拌した。次いで混合物を氷浴にて冷却し、重炭酸ナトリウム飽和水溶液を徐々に加えてpH9に調節した。混合物を塩化メチレンで抽出し、有機相を水とブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を蒸発除去した。塩化メチレンとメタノールとの93:7混合物を溶離液として使用するシリカによるカラムクロマトグラフィーによって残留物を精製した。これにより7−(2−アセトキシ−3−モルホリノプロポキシ)−6−メトキシ−3,4−ジヒドロキナゾリン−4−オンが固体(5g)として得られた。NMR スペクトル
【0225】
【化58】
Figure 2004511480
【0226】
質量スペクトル: M+H 378
このようにして得た物質と塩化チオニル(60ml)とDMF(0.5ml)の混合物を1時間加熱還流した。混合物から溶媒を蒸発除去し、トルエンを加え、そして混合物から溶媒を蒸発除去した。氷と水との混合物を残留物に加え、重炭酸ナトリウム飽和水溶液を加えることによって混合物をpH8.5の塩基性にした。混合物を塩化メチレンで抽出した。有機相を水とブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を蒸発除去した。塩化メチレンとメタノールの97:3混合物を溶離液として使用するシリカによるカラムクロマトグラフィーによって残留物を精製した。これにより7−(2−アセトキシ−3−モルホリノプロポキシ)−4−クロロ−6−メトキシキナゾリンが泡状物(4.56g)として得られた。NMR スペクトル
【0227】
【化59】
Figure 2004511480
【0228】
質量スペクトル: M+H 398
[8] 本生成物は次のような特性データをもたらした。質量スペクトル: M+H 479
出発物質として使用した7−[2−アセトキシ−3−(−イソプロピル−−メチルアミノ)プロポキシ]−4−クロロ−6−メトキシキナゾリンは下記のように製造した:
上記の注記[7]に記載の方法と類似の方法を使用して、7−(2,3−エポキシプロピル)−6−メトキシ−3−ピバロイルオキシメチル−3,4−ジヒドロキナゾリン−4−オンを−イソプロピル−−メチルアミンで処理して7−[2−ヒドロキシ−3−(−イソプロピル−−メチルアミノ)プロポキシ]−6−メトキシ−3−ピバロイルオキシメチル−3,4−ジヒドロキナゾリン−4−オンを得、次いでこれを7−[2−アセトキシ−3−(−イソプロピル−−メチルアミノ)プロポキシ]−4−クロロ−6−メトキシキナゾリンに転化した。NMR スペクトル
【0229】
【化60】
Figure 2004511480
【0230】
[9] 本生成物は次のような特性データをもたらした。質量スペクトル: M+H 531
出発物質として使用した7−[2−アセトキシ−3−(4−シアノメチルピペラジン−1−イル)プロポキシ]−4−クロロ−6−メトキシキナゾリンは下記のように製造した:
上記の注記[7]に記載の方法と類似の方法を使用して、7−(2,3−エポキシプロピル)−6−メトキシ−3−ピバロイルオキシメチル−3,4−ジヒドロキナゾリン−4−オンを1−(シアノメチル)ピペラジンで処理して7−[2−ヒドロキシ−3−(4−シアノメチルピペラジン−1−イル)プロポキシ]−6−メトキシ−3−ピバロイルオキシメチル−3,4−ジヒドロキナゾリン−4−オンを得、次いでこれを7−[2−アセトキシ−3−(4−シアノメチルピペラジン−1−イル)プロポキシ]−4−クロロ−6−メトキシキナゾリンに転化した。NMR スペクトル
【0231】
【化61】
Figure 2004511480
【0232】
質量スペクトル: M+H 434および436
1−(シアノメチル)ピペラジンは下記のよう製造した:
1−(tert−ブトキシカルボニル)ピペラジン(5g)、2−クロロアセトニトリル(1.9ml)、炭酸カリウム(4g)、およびDMF(20ml)の混合物を周囲温度で16時間撹拌した。塩化アンモニウム飽和水溶液を加え、混合物を酢酸エチルで抽出した。有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を蒸発除去した。ジエチルエーテルを溶離液として使用するシリカによるカラムクロマトグラフィーによって残留物を精製した。これにより1−(tert−ブトキシカルボニル)−4−シアノメチルピペラジンが固体(5.7g)として得られた。NMR スペクトル
【0233】
【化62】
Figure 2004511480
【0234】
このようにして得た物質、トリフルオロ酢酸(20ml)、および塩化メチレン(25ml)の混合物を周囲温度で4時間撹拌した。混合物から溶媒を蒸発除去し、トルエンを加え、そして再び混合物から溶媒を蒸発除去した。塩化メチレンとメタノールの9:1混合物を溶離液として使用するシリカによるカラムクロマトグラフィーによって残留物を精製した。これにより1−シアノメチルピペラジントリフルオロ酢酸塩が得られ、これを、塩化メチレンと酢酸エチルとメタノールとの混合物中にて固体重炭酸ナトリウムで処理して遊離塩基(2.9g)を得た。NMR スペクトル
【0235】
【化63】
Figure 2004511480
【0236】
[10] 本生成物は次のような特性データをもたらした。質量スペクトル: M+H 477
出発物質として使用した7−(2−アセトキシ−3−ピロリジン−1−イルプロポキシ)−4−クロロ−6−メトキシキナゾリンは下記のように製造した:
上記の注記[7]に記載の方法と類似の方法を使用して、7−(2,3−エポキシプロピル)−6−メトキシ−3−ピバロイルオキシメチル−3,4−ジヒドロキナゾリン−4−オンをピロリジンで処理して7−(2−ヒドロキシ−3−ピロリジン−1−イルプロポキシ)−6−メトキシ−3−ピバロイルオキシメチル−3,4−ジヒドロキナゾリン−4−オンを得、次いでこれを7−(2−アセトキシ−3−ピロリジン−1−イルプロポキシ)−4−クロロ−6−メトキシキナゾリンに転化した。NMR スペクトル
【0237】
【化64】
Figure 2004511480
【0238】
[11] 本生成物は次のような特性データをもたらした。質量スペクトル: M+H 491
出発物質として使用した7−(2−アセトキシ−3−ピペリジノプロポキシ)−4−クロロ−6−メトキシキナゾリンは下記のように製造した:
上記の注記[7]に記載の方法と類似の方法を使用して、7−(2,3−エポキシプロピル)−6−メトキシ−3−ピバロイルオキシメチル−3,4−ジヒドロキナゾリン−4−オンをピペリジンで処理して7−(2−ヒドロキシ−3−ピペリジノプロポキシ)−6−メトキシ−3−ピバロイルオキシメチル−3,4−ジヒドロキナゾリン−4−オンを得、次いでこれを7−(2−アセトキシ−3−ピペリジノプロポキシ)−4−クロロ−6−メトキシキナゾリンに転化した。NMR スペクトル
【0239】
【化65】
Figure 2004511480
【0240】
実施例
4−(4− ベンゾフラニルアミノ )−7−(2− ヒドロキシ −3− モルホリノプロポキシ )−6− メトキシキナゾリン
7−(2−アセトキシ−3−モルホリノプロポキシ)−4−(4−ベンゾフラニルアミノ)−6−メトキシキナゾリン二塩酸塩(0.14g)とメタノール性アンモニア飽和溶液(3ml)の混合物を周囲温度で一晩撹拌した。溶媒を蒸発除去し、混合物を塩化メチレン(3ml)中に溶解して、5gのNH−シリカ〔インタナショナル・ソーベント・テクノロジー社(International Sorbent Technology Ltd.)から市販のイソリュート(Isolute)吸着剤, ref9470−0100〕を収容するプレパックド・クロマトグラフィーカラムの頂部に吸着させ、塩化メチレンとメタノールの19:1混合物で溶離した。このようにして得た物質を塩化メチレン(3ml)中に溶解し、イソプロパノール中塩化水素6M溶液(0.3ml)を撹拌しながら加えた。ジエチルエーテル(10ml)を加え、生成した沈殿物を採集し、ジエチルエーテルですすぎ洗いし、減圧乾燥した。これによりタイトル化合物(0.129g)が得られた。NMR スペクトル
【0241】
【化66】
Figure 2004511480
【0242】
質量スペクトル: M+H 451
実施例
実施例3に記載の方法と類似の方法を使用して、適切な7−(2−アセトキシプロポキシ)キナゾリンとメタノール性アンモニア飽和溶液とを反応させて表IIに記載の化合物を得た。特に明記しない限り、表IIに記載の化合物はいずれも二塩酸塩として得られた。
【0243】
【表2】
Figure 2004511480
【0244】
注記
[1] 本生成物は次のような特性データをもたらした。NMR スペクトル
【0245】
【化67】
Figure 2004511480
【0246】
質量スペクトル: M+H 437
[2] 本生成物は次のような特性データをもたらした。NMR スペクトル
【0247】
【化68】
Figure 2004511480
【0248】
質量スペクトル: M+H 489
[3] 本生成物は次のような特性データをもたらした。NMR スペクトル
【0249】
【化69】
Figure 2004511480
【0250】
[4] 本生成物は次のような特性データをもたらした。NMR スペクトル
【0251】
【化70】
Figure 2004511480
【0252】
質量スペクトル: M+H 449

Claims (10)

  1. 式I
    Figure 2004511480
    〔式中、
    mは0、1、2、または3であり;
    各R基は、同一であっても異なっていてもよく、ハロゲノ、トリフルオロメチル、シアノ、イソシアノ、ニトロ、ヒドロキシ、メルカプト、アミノ、ホルミル、カルボキシ、カルバモイル、(1−6C)アルキル、(2−8C)アルケニル、(2−8C)アルキニル、(1−6C)アルコキシ、(2−6C)アルケニルオキシ、(2−6C)アルキニルオキシ、(1−6C)アルキルチオ、(1−6C)アルキルスルフィニル、(1−6C)アルキルスルホニル、(1−6C)アルキルアミノ、ジ−[(1−6C)アルキル]アミノ、(1−6C)アルコキシカルボニル、−(1−6C)アルキルカルバモイル、−ジ[(1−6C)アルキル]カルバモイル、(2−6C)アルカノイル、(2−6C)アルカノイルオキシ、(2−6C)アルカノイルアミノ、−(1−6C)アルキル−(2−6C)アルカノイルアミノ、(3−6C)アルケノイルアミノ、−(1−6C)アルキル−(3−6C)アルケノイルアミノ、(3−6C)アルキノイルアミノ、−(1−6C)アルキル−(3−6C)アルキノイルアミノ、−(1−6C)アルキルスルファモイル、−ジ−[(1−6C)アルキル]スルファモイル、(1−6C)アルカンスルホニルアミノ、および−(1−6C)アルキル−(1−6C)アルカンスルホニルアミノから選択されるか、あるいは式
    −X
    [式中、
    は、直接結合であるか、またはO、S、SO、SO、N(R)、CO、CH(OR)、CON(R)、N(R)CO、SON(R)、N(R)SO、OC(R、SC(R、およびN(R)C(R(式中、Rは水素または(1−6C)アルキルである)から選択され、Qは、アリール、アリール−(1−6C)アルキル、(3−7C)シクロアルキル、(3−7C)シクロアルキル−(1−6C)アルキル、(3−7C)シクロアルケニル、(3−7C)シクロアルケニル−(1−6C)アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリール−(1−6C)アルキル、ヘテロサイクリル、またはヘテロサイクリル−(1−6C)アルキルである]で示される基から選択されるか、あるいは(Rは(1−3C)アルキレンジオキシであり、
    このときR置換基中の(2−6C)アルキレン鎖における隣接炭素原子が、O、S、SO、SO、N(R)、CO、CH(OR)、CON(R)、N(R)CO、SON(R)、N(R)SO、CH=CH、およびC≡C(式中、Rは水素または(1−6C)アルキルである)から選択される基の(2−6C)アルキレン鎖中への挿入によって隔離されていてもよく、あるいは挿入基がN(R)であるとき、Rは(2−6C)アルカノイルであってもよく、
    このときR置換基中のCH=CH−基またはHC≡C−基が、ハロゲノ、カルボキシ、カルバモイル、(1−6C)アルコキシカルボニル、−(1−6C)アルキルカルバモイル、−ジ−[(1−6C)アルキル]カルバモイル、アミノ−(1−6C)アルキル、(1−6C)アルキルアミノ−(1−6C)アルキル、およびジ−[(1−6C)アルキル]アミノ−(1−6C)アルキルからか、または式
    −X
    [式中、Xは、直接結合であるか、またはCOとN(R)CO(式中、Rは水素または(1−6C)アルキルである)から選択され、Qは、アリール、アリール−(1−6C)アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリール−(1−6C)アルキル、ヘテロサイクリル、またはヘテロサイクリル−(1−6C)アルキルである]で示される基から選択される置換基を、CH=もしくはHC≡の末端位置に有していてもよく
    このときR置換基中のCH基またはCH基が、ハロゲノ置換基もしくは(1−6C)アルキル置換基、あるいはヒドロキシ、シアノ、アミノ、カルボキシ、カルバモイル、(1−6C)アルコキシ、(1−6C)アルキルチオ、(1−6C)アルキルスルフィニル、(1−6C)アルキルスルホニル、(1−6C)アルキルアミノ、ジ−[(1−6C)アルキル]アミノ、(1−6C)アルコキシカルボニル、−(1−6C)アルキルカルバモイル、−ジ−[(1−6C)アルキル]カルバモイル、(2−6C)アルカノイル、(2−6C)アルカノイルオキシ、(2−6C)アルカノイルアミノ、−(1−6C)アルキル(2−6C)アルカノイルアミノ、−(1−6C)アルキルスルファモイル、−ジ−[(1−6C)アルキル]スルファモイル、(1−6C)アルカンスルホニルアミノ、および−(1−6C)アルキル−(1−6C)アルカンスルホニルアミノから、または式
    −X−Q
    [式中、Xは、直接結合であるか、またはO、S、SO、SO、N(R)、CO、CH(OR)、CON(R)、N(R)CO、SON(R)、N(R)SO、C(RO、C(RS、およびN(R)C(R(式中、Rは水素または(1−6C)アルキルである)から選択され、Qは、アリール、アリール−(1−6C)アルキル、(3−7C)シクロアルキル、(3−7C)シクロアルキル−(1−6C)アルキル、(3−7C)シクロアルケニル、(3−7C)シクロアルケニル−(1−6C)アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリール−(1−6C)アルキル、ヘテロサイクリル、またはヘテロサイクリル−(1−6C)アルキルである]で示される基から選択される1つ以上の置換基を、それぞれの前記CH基または前記CH基上に有していてもよく、
    このときR上の置換基中のアリール基、ヘテロアリール基、またはヘテロサイクリル基が、ハロゲノ、トリフルオロメチル、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、アミノ、カルボキシ、カルバモイル、(1−6C)アルキル、(2−8C)アルケニル、(2−8C)アルキニル、(1−6C)アルコキシ、(2−6C)アルケニルオキシ、(2−6C)アルキニルオキシ、(1−6C)アルキルチオ、(1−6C)アルキルスルフィニル、(1−6C)アルキルスルホニル、(1−6C)アルキルアミノ、ジ−[(1−6C)アルキル]アミノ、(1−6C)アルコキシカルボニル、−(1−6C)アルキルカルバモイル、,−ジ−[(1−6C)アルキル]カルバモイル、(2−6C)アルカノイル、(2−6C)アルカノイルオキシ、(2−6C)アルカノイルアミノ、−(1−6C)アルキル−(2−6C)アルカノイルアミノ、−(1−6C)アルキルスルファモイル、−ジ−[(1−6C)アルキル]スルファモイル、(1−6C)アルカンスルホニルアミノ、および−(1−6C)アルキル−(1−6C)アルカンスルホニルアミノから、または式
    −X−R
    [式中、Xは、直接結合であるか、またはOとN(R)(式中、Rは水素または(1−6C)アルキルである)から選択され、Rは、ハロゲノ−(1−6C)アルキル、ヒドロキシ−(1−6C)アルキル、(1−6C)アルコキシ−(1−6C)アルキル、シアノ−(1−6C)アルキル、アミノ−(1−6C)アルキル、(1−6C)アルキルアミノ−(1−6C)アルキル、ジ−[(1−6C)アルキル]アミノ−(1−6C)アルキル、(2−6C)アルカノイルアミノ−(1−6C)アルキル、または(1−6C)アルコキシカルボニルアミノ−(1−6C)アルキルである]で示される基、または式
    −X−Q
    [式中、Xは、直接結合であるか、またはO、N(R10)(式中、R10は水素または(1−6C)アルキルである)、およびCOから選択され、Qは、ハロゲノ、(1−6C)アルキル、(2−8C)アルケニル、(2−8C)アルキニル、および(1−6C)アルコキシから選択される、同一であっても異なっていてもよい1つ又は2つの置換基を有していてもよいアリール、アリール−(1−6C)アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリール−(1−6C)アルキル、ヘテロサイクリル、またはヘテロサイクリル−(1−6C)アルキルである]で示される基から選択される、同一であっても異なっていてもよい、1つ、2つ、もしくは3つの置換基を有していてもよく、
    このときR上の置換基中のヘテロサイクリル基が、1つ又は2つのオキソ置換基もしくはチオキソ置換基を有していてもよく;
    は、水素または(1−6C)アルキルであり;
    nは0、1、2、または3であり; そして
    は、ハロゲノ、トリフルオロメチル、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、アミノ、カルボキシ、カルバモイル、(1−6C)アルキル、(2−8C)アルケニル、(2−8C)アルキニル、(1−6C)アルコキシ、(2−6C)アルケニルオキシ、(2−6C)アルキニルオキシ、(1−6C)アルキルチオ、(1−6C)アルキルスルフィニル、(1−6C)アルキルスルホニル、(1−6C)アルキルアミノ、ジ−[(1−6C)アルキル]アミノ、(1−6C)アルコキシカルボニル、−(1−6C)アルキルカルバモイル、−ジ−[(1−6C)アルキル]カルバモイル、(2−6C)アルカノイル、(2−6C)アルカノイルオキシ、(2−6C)アルカノイルアミノ、−(1−6C)アルキル−(2−6C)アルカノイルアミノ、(3−6C)アルケノイルアミノ、−(1−6C)アルキル−(3−6C)アルケノイルアミノ、(3−6C)アルキノイルアミノ、−(1−6C)アルキル−(3−6C)アルキノイルアミノ、−(1−6C)アルキルスルファモイル、−ジ−[(1−6C)アルキル]スルファモイル、(1−6C)アルカンスルホニルアミノ、または−(1−6C)アルキル−(1−6C)アルカンスルホニルアミノであるか、または式
    −X−R11
    [式中、Xは、直接結合であるか、またはOとN(R12)(式中、R12は水素または(1−6C)アルキルである)から選択され、R11は、ハロゲノ−(1−6C)アルキル、ヒドロキシ−(1−6C)アルキル、(1−6C)アルコキシ−(1−6C)アルキル、シアノ−(1−6C)アルキル、アミノ−(1−6C)アルキル、(1−6C)アルキルアミノ−(1−6C)アルキル、またはジ−[(1−6C)アルキル]アミノ−(1−6C)アルキルである]で示される基、または式
    −X−Q
    [式中、Xは、直接結合であるか、またはO、S、SO、SO、N(R13)、CO、CH(OR13)、CON(R13)、N(R13)CO、SON(R13)、N(R13)SO、C(R13O、C(R13S、およびN(R13)C(R13(式中、R13は水素または(1−6C)アルキルである)から選択され、Qは、ハロゲノ、(1−6C)アルキル、(2−8C)アルケニル、(2−8C)アルキニル、および(1−6C)アルコキシから選択される、同一であっても異なっていてもよい1つ又は2つの置換基を有していてもよいアリール、アリール−(1−6C)アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリール−(1−6C)アルキル、ヘテロサイクリル、またはヘテロサイクリル−(1−6C)アルキルであり、Q中のヘテロサイクリル基が、1つ又は2つのオキソ置換基もしくはチオキソ置換基を有していてもよい]で示される基から選択される〕で示されるキナゾリン誘導体もしくは前記誘導体の医薬用として許容しうる塩。
  2. mが1または2であり、同一であっても異なっていてもよい各R基が6−位および/または7−位に位置していて、この各R基がヒドロキシ、アミノ、メチル、エチル、プロピル、ブチル、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、メチルアミノ、エチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、アセトアミド、プロピオンアミド、2−イミダゾール−1−イルエトキシ、2−(1,2,4−トリアゾール−1−イル)エトキシ、2−ピロリジン−1−イルエトキシ、3−ピロリジン−1−イルプロポキシ、4−ピロリジン−1−イルブトキシ、ピロリジン−3−イルオキシ、ピロリジン−2−イルメトキシ、2−ピロリジン−2−イルエトキシ、3−ピロリジン−2−イルプロポキシ、2−モルホリノエトキシ、3−モルホリノプロポキシ、4−モルホリノブトキシ、2−(1,1−ジオキソテトラヒドロ−4−1,4−チアジン−4−イル)エトキシ、3−(1,1−ジオキソテトラヒドロ−4−1,4−チアジン−4−イル)プロポキシ、2−ピペリジノエトキシ、3−ピペリジノプロポキシ、4−ピペリジノブトキシ、ピペリジン−3−イルオキシ、ピペリジン−4−イルオキシ、ピペリジン−3−イルメトキシ、ピペリジン−4−イルメトキシ、2−ピペリジン−3−イルエトキシ、3−ピペリジン−3−イルプロポキシ、2−ピペリジン−4−イルエトキシ、3−ピペリジン−4−イルプロポキシ、2−ホモピペリジン−1−イルエトキシ、3−ホモピペリジン−1−イルプロポキシ、2−ピペラジン−1−イルエトキシ、3−ピペラジン−1−イルプロポキシ、4−ピペラジン−1−イルブトキシ、2−ホモピペラジン−1−イルエトキシ、および3−ホモピペラジン−1−イルプロポキシから選択され、
    このときR置換基中の(2−6C)アルキレン鎖における隣接炭素原子が、O、NH、CH=CH、およびC≡Cから選択される基の(2−6C)アルキレン鎖中への挿入によって隔離されていてもよく、
    置換基中のCH基またはCH基が、前記CH基またはCH基上に、ヒドロキシ、アミノ、メトキシ、メチルスルホニル、メチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、−エチル−−メチルアミノ、−イソプロピル−−メチルアミノ、−メチル−−プロピルアミノ、およびアセトキシから選択される置換基を有していてもよく;
    ここで、R上の置換基中のヘテロアリール基またはヘテロサイクリル基が、フルオロ、クロロ、トリフルオロメチル、ヒドロキシ、アミノ、カルバモイル、メチル、エチル、メトキシ、−メチルカルバモイル、および−ジメチルカルバモイルから選択される、同一であっても異なっていてもよい1つ又は2つの置換基を有していてもよく、およびR置換基中のピロリジン−2−イル、ピペリジン−3−イル、ピペリジン−4−イル、ピペラジン−1−イル、またはホモピペラジン−1−イル基が、2−メトキシエチル、3−メトキシプロピル、シアノメチル、2−アミノエチル、3−アミノプロピル、2−メチルアミノエチル、3−メチルアミノプロピル、2−ジメチルアミノエチル、3−ジメチルアミノプロピル、2−ピロリジン−1−イルエチル、3−ピロリジン−1−イルプロピル、2−モルホリノエチル、3−モルホリノプロピル、2−ピペリジノエチル、3−ピペリジノプロピル、2−ピペラジン−1−イルエチル、または3−ピペラジン−1−イルプロピルで−置換されていてもよく、あとから8つの置換基のそれぞれが、フルオロ、クロロ、メチル、およびメトキシから選択される、同一であっても異なっていてもよい1つ又は2つの置換基を有していてもよく;
    ここで、R上の置換基中のヘテロサイクリル基が、1つ又は2つのオキソ置換基を有していてもよく;
    は水素であり; そして
    nは0または1であって、R基が存在する場合、R基は、ベンゾフラン環の5−位または6−位に位置していて、フルオロ、クロロ、トリフルオロメチル、シアノ、ヒドロキシ、メチル、エチル、ビニル、アリル、エチニル、メトキシ、およびエトキシから選択される;
    請求項1記載の式Iのキナゾリン誘導体もしくは前記誘導体の医薬用として許容しうる酸付加塩。
  3. mが2であり、第1のR基が6−位に位置していて、ヒドロキシ、メトキシ、エトキシ、およびプロポキシから選択され、第2のR基が7−位に位置していて、2−ジメチルアミノエトキシ、3−ジメチルアミノプロポキシ、4−ジメチルアミノブトキシ、2−ジエチルアミノエトキシ、3−ジエチルアミノプロポキシ、4−ジエチルアミノブトキシ、2−ジイソプロピルアミノエトキシ、3−ジイソプロピルアミノプロポキシ、4−ジイソプロピルアミノブトキシ、2−(−イソプロピル−−メチルアミノ)エトキシ、3−(−イソプロピル−−メチルアミノ)プロポキシ、4−(−イソプロピル−−メチルアミノ)ブトキシ、2−ピロリジン−1−イルエトキシ、3−ピロリジン−1−イルプロポキシ、4−ピロリジン−1−イルブトキシ、ピロリジン−3−イルオキシ、−メチルピロリジン−3−イルオキシ、ピロリジン−2−イルメトキシ、2−ピロリジン−2−イルエトキシ、3−ピロリジン−2−イルプロポキシ、2−モルホリノエトキシ、3−モルホリノプロポキシ、4−モルホリノブトキシ、2−(1,1−ジオキソテトラヒドロ−4−1,4−チアジン−4−イル)エトキシ、3−(1,1−ジオキソテトラヒドロ−4−1,4−チアジン−4−イル)プロポキシ、2−ピペリジノエトキシ、3−ピペリジノプロポキシ、4−ピペリジノブトキシ、ピペリジン−3−イルオキシ、−メチルピペリジン−3−イルオキシ、ピペリジン−4−イルオキシ、−メチルピペリジン−4−イルオキシ、ピペリジン−3−イルメトキシ、−メチルピペリジン−3−イルメトキシ、ピペリジン−4−イルメトキシ、−メチルピペリジン−4−イルメトキシ、2−ピペリジン−3−イルエトキシ、2−(−メチルピペリジン−3−イル)エトキシ、3−ピペリジン−3−イルプロポキシ、3−(−メチルピペリジン−3−イル)プロポキシ、2−ピペリジン−4−イルエトキシ、2−(−メチルピペリジン−4−イル)エトキシ、3−ピペリジン−4−イルプロポキシ、3−(−メチルピペリジン−4−イル)プロポキシ、2−(4−メチルピペラジン−1−イル)エトキシ、3−(4−メチルピペラジン−1−イル)プロポキシ、4−(4−メチルピペラジン−1−イル)ブトキシ、2−(4−シアノメチルピペラジン−1−イル)エトキシ、3−(4−シアノメチルピペラジン−1−イル)プロポキシ、4−(4−シアノメチルピペラジン−1−イル)ブトキシ、2−[2−(4−メチルピペラジン−1−イル)エトキシ]エトキシ、2−メチルスルホニルエトキシ、および3−メチルスルホニルプロポキシから選択され、
    ここで第2のR基中の、2つの炭素原子に結合しているCH基が、前記CH基上にヒドロキシ基もしくはアセトキシ基を有していてもよく、
    ここで第2のR基中のヘテロサイクリル基が1つ又は2つのオキソ置換基を有していてもよく;
    が水素であり; そして
    nが0であるか、あるいはnが1であって、R基がベンゾフラン環の5−位または6−位に位置していて、フルオロ、クロロ、トリフルオロメチル、シアノ、メチル、エチル、エチニル、メトキシ、およびエトキシから選択される;
    請求項1記載の式Iのキナゾリン誘導体もしくは前記誘導体の医薬用として許容しうる酸付加塩。
  4. mが2であり、第1のR基が6−位に位置していて、ヒドロキシ、メトキシ、エトキシ、およびプロポキシから選択され、第2のR基が7−位に位置していて、2−ジメチルアミノエトキシ、3−ジメチルアミノプロポキシ、2−ジエチルアミノエトキシ、3−ジエチルアミノプロポキシ、2−ジイソプロピルアミノエトキシ、3−ジイソプロピルアミノプロポキシ、2−(−イソプロピル−−メチルアミノ)エトキシ、3−(−イソプロピル−−メチルアミノ)プロポキシ、2−(−イソブチル−−メチルアミノ)エトキシ、3−(−イソブチル−−メチルアミノ)プロポキシ、2−(−アリル−−メチルアミノ)エトキシ、3−(−アリル−−メチルアミノ)プロポキシ、2−ピロリジン−1−イルエトキシ、3−ピロリジン−1−イルプロポキシ、2−ピロリジン−2−イルエトキシ、3−ピロリジン−2−イルプロポキシ、2−モルホリノエトキシ、3−モルホリノプロポキシ、2−(1,1−ジオキソテトラヒドロ−4−1,4−チアジン−4−イル)エトキシ、3−(1,1−ジオキソテトラヒドロ−4−1,4−チアジン−4−イル)プロポキシ、2−ピペリジノエトキシ、3−ピペリジノプロポキシ、ピペリジン−3−イルメトキシ、−メチルピペリジン−3−イルメトキシ、ピペリジン−4−イルメトキシ、−メチルピペリジン−4−イルメトキシ、2−ピペリジン−3−イルエトキシ、2−(−メチルピペリジン−3−イル)エトキシ、3−ピペリジン−3−イルプロポキシ、3−(−メチルピペリジン−3−イル)プロポキシ、2−ピペリジン−4−イルエトキシ、2−(−メチルピペリジン−4−イル)エトキシ、3−ピペリジン−4−イルプロポキシ、3−(−メチルピペリジン−4−イル)プロポキシ、3−ホモピペリジノプロポキシ、2−(4−メチルピペラジン−1−イル)エトキシ、3−(4−メチルピペラジン−1−イル)プロポキシ、2−(4−シアノメチルピペラジン−1−イル)エトキシ、および3−(4−シアノメチルピペラジン−1−イル)プロポキシから選択され、
    このとき第2のR基中の、2つの炭素原子に結合しているCH基が、前記CH基上にヒドロキシ基もしくはアセトキシ基を有していてもよく;
    が水素であり; そして
    nが0であるか、あるいはnが1または2であって、R基が存在する場合、R基がベンゾフラン環の5−位または6−位に位置していて、フルオロ、クロロ、ブロモ、トリフルオロメチル、シアノ、メチル、エチル、エチニル、メトキシ、およびエトキシから選択される;
    請求項1記載の式Iのキナゾリン誘導体もしくは前記誘導体の医薬用として許容しうる酸付加塩。
  5. mが2であり、第1のR基が6−メトキシ基であり、第2のR基が7−位に位置していて、3−(−イソプロピル−−メチルアミノ)プロポキシ、3−(−イソブチル−−メチルアミノ)プロポキシ、3−ピロリジン−1−イルプロポキシ、3−モルホリノプロポキシ、3−(1,1−ジオキソテトラヒドロ−4−1,4−チアジン−4−イル)プロポキシ、3−ピペリジノプロポキシ、ピペリジン−4−イルメトキシ、−メチルピペリジン−4−イルメトキシ、3−ホモピペリジノプロポキシ、2−(4−メチルピペラジン−1−イル)エトキシ、3−(4−メチルピペラジン−1−イル)プロポキシ、および3−(4−シアノメチルピペラジン−1−イル)プロポキシから選択され、
    このとき第2のR基中の、2つの炭素原子に結合しているCH基が、前記CH基上にヒドロキシ基もしくはアセトキシ基を有していてもよく;
    が水素であり; そして
    nが0であるか、あるいはnが1であって、R基がベンゾフラン環の5−位に位置していて、フルオロとクロロから選択される;
    請求項1記載の式Iのキナゾリン誘導体もしくは前記誘導体の医薬用として許容しうる酸付加塩。
  6. 4−(4−ベンゾフラニルアミノ)−6−メトキシ−7−(3−モルホリノプロポキシ)キナゾリン、
    4−(4−ベンゾフラニルアミノ)−7−[3−(1,1−ジオキソテトラヒドロ−4−1,4−チアジン−4−イル)プロポキシ]−6−メトキシキナゾリン、
    4−(4−ベンゾフラニルアミノ)−6−メトキシ−7−(3−ピロリジン−1−イルプロポキシ)キナゾリン、
    4−(4−ベンゾフラニルアミノ)−6−メトキシ−7−[3−(4−メチルピペラジン−1−イル)プロポキシ]キナゾリン、
    4−(4−ベンゾフラニルアミノ)−6−メトキシ−7−(3−ピペリジノプロポキシ)キナゾリン、
    4−(4−ベンゾフラニルアミノ)−6−メトキシ−7−(−メチルピペリジン−4−イルメトキシ)キナゾリン、
    4−(5−クロロベンゾフラン−4−イルアミノ)−6−メトキシ−7−(3−モルホリノプロポキシ)キナゾリン、
    7−(2−アセトキシ−3−ピロリジン−1−イルプロポキシ)−4−(3−クロロベンゾフラン−4−イルアミノ)−6−メトキシキナゾリン、
    7−[2−アセトキシ−3−(−イソプロピル−−メチルアミノ)プロポキシ]−4−(3−クロロベンゾフラン−4−イルアミノ)−6−メトキシキナゾリン、
    7−[2−アセトキシ−3−(4−シアノメチルピペラジン−1−イル)プロポキシ]−4−(3−クロロベンゾフラン−4−イルアミノ)−6−メトキシキナゾリン、
    7−(2−アセトキシ−3−ピペリジノプロポキシ)−4−(3−クロロベンゾフラン−4−イルアミノ)−6−メトキシキナゾリン、
    7−(2−アセトキシ−3−モルホリノプロポキシ)−4−(3−クロロベンゾフラン−4−イルアミノ)−6−メトキシキナゾリン、
    4−(4−ベンゾフラニルアミノ)−7−(2−ヒドロキシ−3−ピロリジン−1−イルプロポキシ)−6−メトキシキナゾリン、
    4−(4−ベンゾフラニルアミノ)−7−[2−ヒドロキシ−3−(−イソプロピル−−メチルアミノ)プロポキシ]−6−メトキシキナゾリン、
    4−(4−ベンゾフラニルアミノ)−7−[3−(4−シアノメチルピペラジン−1−イル)−2−ヒドロキシプロポキシ]−6−メトキシキナゾリン、
    4−(4−ベンゾフラニルアミノ)−7−(2−ヒドロキシ−3−ピペリジノプロポキシ)−6−メトキシキナゾリン、および
    4−(4−ベンゾフラニルアミノ)−7−(2−ヒドロキシ−3−モルホリノプロポキシ)−6−メトキシキナゾリンから選択される請求項1記載の式Iのキナゾリン誘導体もしくは前記誘導体の医薬用として許容しうる酸付加塩。
  7. (a) 式II
    Figure 2004511480
    (式中、Lは置換可能な基であり、mとRは、必要に応じて官能基が保護されている点を除けば、請求項1において定義されている意味のいずれかを有する)のキナゾリンと、式III
    Figure 2004511480
    (式中、R、n、およびRは、必要に応じて官能基が保護されている点を除けば、請求項1において定義されている意味のいずれかを有する)のアニリンとを反応させ、次いで存在している保護基を従来の方法によって除去すること;
    (b) 少なくとも1つのR基が式
    −X
    〔式中、Qは、アリール−(1−6C)アルキル、(3−7C)シクロアルキル−(1−6C)アルキル、(3−7C)シクロアルケニル−(1−6C)アルキル、ヘテロアリール−(1−6C)アルキル、またはヘテロサイクリル−(1−6C)アルキル基であり、Xは酸素原子である〕の基である場合の式Iの化合物を製造するためには、式V
    Figure 2004511480
    (式中、m、R、R、n、およびRは、必要に応じて官能基が保護されている点を除けば、請求項1において定義されている意味のいずれかを有する)のキナゾリンと、必要に応じて官能基が保護されている適切なアルコールとをカップリングさせ、次いで存在している保護基を従来の方法によって除去すること;
    (c) R基が第一アミノ基もしくは第二アミノ基を含有している場合の式Iの化合物を製造するためには、保護された第一アミノ基もしくは第二アミノ基をR基が含有している場合の式Iの対応する化合物を開裂させること;
    (d) R基が、(1−6C)アルコキシ基もしくは置換された(1−6C)アルコキシ基、または(1−6C)アルキルアミノ基もしくは置換された(1−6C)アルキルアミノ基を含有する場合の式Iの化合物を製造するためには、R基が、必要に応じてヒドロキシ基、第一アミノ基、または第二アミノ基を含有する場合の式Iのキナゾリン誘導体をアルキル化すること;
    (e) R基がアミノ−ヒドロキシ−ジ置換(1−6C)アルコキシ基である場合の式Iの化合物を製造するためには、R基がエポキシ置換(1−6C)アルコキシ基を含有する場合の式Iの化合物と、ヘテロサイクリル化合物もしくは適切なアミンとを反応させること; あるいは
    (f) R基がヒドロキシ基を含有する場合の式Iの化合物を製造するためには、保護されたヒドロキシ基をR基が含有する場合の式Iの対応する化合物を開裂させること;
    を含み、式Iのキナゾリン誘導体の医薬用として許容しうる塩が必要とされるときは、従来の手順を使用して得ることができる、請求項1記載の式Iのキナゾリン誘導体もしくは前記誘導体の医薬用として許容しうる塩の製造法。
  8. 請求項1記載の式Iのキナゾリン誘導体もしくは前記誘導体の医薬用として許容しうる塩を、医薬用として許容しうる希釈剤もしくはキャリヤーと共に含む医薬用組成物。
  9. 療法によってヒトまたは動物の体を処置する方法において使用するための、請求項1記載の式Iのキナゾリン誘導体もしくは前記誘導体の医薬用として許容しうる塩。
  10. 充実性腫瘍疾患の封じ込めおよび/または処置に対する抗浸潤薬として使用するための医薬の製造における、請求項1記載の式Iのキナゾリン誘導体もしくは前記誘導体の医薬用として許容しうる塩の使用。
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