JP2004511356A - 積層裏材料を有する被覆研磨材および同被覆研磨材の製造方法 - Google Patents
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Abstract
本発明は、研磨コーティングでバリヤコーティング(17)上にオーバーコートされた布(12)および紙(15)のバリヤ被覆引裂き抵抗性積層体(11)を裏材料として有する被覆研磨製品(10)を提供する。前記被覆研磨製品(10)は、少なくとも1つの布シート(12)と少なくとも1つの紙シート(15)とを接着剤で積層して前記布シート(12)によって提供された少なくとも1つの主面を有する積層体(11)を提供し、前記布(12)の前記表面をバリヤコーティング(17)で被覆し、バリヤ被覆表面を接着剤層で被覆することによって製造される。
Description
【0001】
発明の分野
この発明は、引裂き抵抗性被覆研磨製品に関し、より詳しくは、布および紙のバリヤ被覆引裂き抵抗性積層体を裏材料として有する被覆研磨製品および前記被覆研磨製品の製造方法に関する。
【0002】
発明の背景
被覆研磨製品は、木質、金属、プラスチックおよび複合材料などの様々な基材の表面を仕上げるために、少なくとも1世紀の間、用いられている。被覆研磨製品は一般に、研磨粒子からなる研磨層でオーバーコートされる可撓性裏材料と硬化バインダー材料とを含む。裏材にバインダー材料のメイクまたはメーカコートを適用し、メイクコートが研磨粒子に付着するのに十分に粘着性である間に研磨粒子をメイクコートに適用し、次に、研磨粒子含有メイクコートをサイズコーティングでオーバーコートして特定の被覆研磨材を製造することが、慣例となっている。メイクコーティングは、サイズコーティングを適用する前に部分的に硬化されてもよいが、サイズコーティングが適用されると、得られた被覆研磨製品を研磨材料として使用するために、メイクおよびサイズコーティングの両方を完全に硬化するのが一般的である。得られた被覆研磨製品を屈曲して研磨層に亀裂を生じさせ、適した可撓性を被覆研磨製品に提供することが、時々、慣例となっている。その後、被覆研磨材料は一般に、様々な研磨製品、例えば、矩形のサンド紙シート、円形の研磨ディスク、または、被覆研磨製品のストリップを切断し、ストリップの端部を接合してエンドレスベルトを提供することによって研摩ベルトに変換される。
【0003】
様々な裏材料の何れも、被覆研磨製品の製造に用いられている。裏材料の選択は一般に、製品の所期の使用に基づいて行なわれる。紙、布(不織、または織布のどちらか)プラスチックフィルムなどの材料またはこれらの材料の組合せが使用されている。
【0004】
被覆研磨製品のための紙裏材が、それらを被覆研磨シート、研磨ディスクおよび研摩ベルトとして使用するために適したものにする、相対的に剛性であるが可撓性である性質のために、多くの適用に好ましい。しかしながら、紙は、紙裏材を有する被覆研磨製品を、その研磨表面が十分に利用される前に早期に不良することがある相対的に低い破断点引張強度を有する。これは、研磨製品が特に研磨ディスクまたは研磨ベルトとして使用されるときに裏材により大きい応力を伝える、より粗い性質を研磨粒が有するとき、特に顕著である。
【0005】
紙裏材に関して直面する他の問題には、特に、より微細な研磨粒子が用いられる場合には表面粗さ、および研磨ディスクの場合、研磨コーティングが十分に用いられる前に紙基材とメイクコートとの間の接着が不良になる端縁のチッピングなどがある。
【0006】
表面粗さの問題の解決は、Darjeeらの米国特許第5,286,541号に提案されている。この特許は、メイクコートが付着されて平滑な表面を裏材に提供するその上面にイオノマーフィルム層の付着された可撓性紙部材を備える被覆研磨製品の組合せ裏材の使用を教示する。
【0007】
欧州特許第0716 903 A1号には、その裏側に補強布を積層することによって更に補強されてもよい、バインダーによってまたは繊維の表面溶解または融着によって平らな平面の耐摩耗および引裂き抵抗性基材を形成するために補強される不織繊維マットから製造された裏材料が開示されている。この裏材は紙を有さず、従って、その使用は、被覆研磨製品のために紙裏材を有する利点を有しない。
【0008】
被覆研磨材のための裏材として英国、HydeのMcKenzie Coating and Finishing Companyによって販売された円網抄紙(cylinder paper)/クロス布積層体などの市販の積層体を用いることが周知である。この積層体は一般に、クロス面の上に研磨コーティングを提供されるが、布面をバリヤコーティングで最初に被覆しない。バリヤコーティングが無いことにより、繊維を脆化し積層体を弱める傾向があるクロス布の繊維中への硬化性メイクコーティング組成物中の液体が浸透するのを可能にする。更に、この積層体がバリヤコートを有する被覆研磨裏材として用いられた場合でも、得られた裏材は、引裂き抵抗性被覆研磨製品を提供するための必要条件を満たすために必要とされる横方向の引裂き強度を有しない。
【0009】
従って、様々な条件の何れのもとでもディスクおよびベルトの適用で利用される十分な引裂き強度を有し、相対的に剛性であるが可撓性の裏材を提供する紙裏材の有利な性質をも有する被覆研磨製品用の裏材に対する需要が存在する。
【0010】
本発明の要約
本発明は、紙と布との積層体からなる裏材に適用された研磨層を備える被覆研磨製品を提供する。前記裏材は相対的に剛性であるが可撓性であり、研磨ディスクでおよび研摩ベルトでの使用などの多種多様な適用の何れにおいても使用される十分な引裂き強度を有する。本発明の被覆研磨製品はまた、それらのクロス補強した比較例より有意に均一な裏材の厚さを有する。
【0011】
具体的には、本発明は、
a.研磨層と、
b.バリヤコーティングと、
c.接着材料によって互いに接着積層された少なくとも1つの布シートと少なくとも1つの紙シートとを含み、前記研磨層が付着される前記バリヤコーティングで被覆される前記布シートによって提供された少なくとも1つの主面と、前記紙シートによって提供された第2の反対側の主面とを有する積層体を提供する、相対的に剛性であるが可撓性の裏材であって、横方向で少なくとも10,000mNのエレメンドルフ引裂き試験値を有する裏材とを含む被覆研磨製品を提供する。
【0012】
本発明の好ましい被覆研磨製品の、それらの横方向のエレメンドルフ引裂き試験値は、少なくとも6000mNである。
【0013】
本明細書中で用いるとき、以下の定義が適用されるものとする。
「研磨層」(abrasive layer)は、硬化したバインダーのコーティング内の、またはそれに付着した研磨粒子からなる層を指す。
【0014】
「布」(fabric)は、互いに織り合わされるかまたはバインダーによって、あるいは、熱可塑性繊維の場合、熱および/または圧力、溶剤処理によってまたは接着剤を用いない他の方法によって互いに接着されるかのどちらかの繊維の一体シートとして形成された織布または不織布を指す。
【0015】
「バリヤ層(barrier layer)」は、布シートに浸透する初期液体状態を有すると共に、液体状態において、溶解されたかまたは分散系中のバインダーからなる非繊維脆化被覆可能組成物である硬化組成物の層を指し、それは、硬化した時に、その上に適用された後続の液体ベースのコーティングに実質的に不浸透性である硬化組成物をもたらす。
【0016】
「非繊維脆化被覆可能組成物」(non−fiber−embrittling coatable composition)は、布シートの繊維に最小しかまたは全く脆化効果を及ぼさない成分を有する被覆可能組成物である。
【0017】
「スパンボンド布」(spunbonded fabric)は、連続ベルト上に押し出し、圧伸し、撚り合わせ、次いですぐに接着したフィラメントから形成された布を指す。
【0018】
布シートは織クロスであってもよいが、好ましくはそれは、スパンボンド不織ウェブなどの不織布である。前記布は好ましくは、約0.1〜約0.4mmの厚さを有する。前記布は好ましくは、平方メートル当たり約17〜230グラム(gsm)の範囲の基本重量を有する。有用なクロス布の、破断点引張強度が少なくとも約50kg/25mmである。
【0019】
裏材は、その第2の反対側の主面に接着積層された第2の布シートを備えて裏材を更に補強してもよい。これは、大きな研磨粒が研磨層中でまたは高処理量研削のために使用される場合、特に望ましい。第2の布は、第1の布のように、織布であってもよいが、好ましくはスパンボンド不織ウェブなどの不織布である。
【0020】
布を紙に積層するために使用された接着材料は好ましくは、イオノマー接着材料などの熱可塑性接着剤であり、最も好ましくは、エチレンメタクリル酸コポリマーの亜鉛塩である。
【0021】
被覆研磨裏材として慣例的に使用された様々な紙の何れも、紙シートを提供するために使用されてもよい。好ましくは、紙シートは、約100〜400gsmの範囲の基本重量を好ましくは有する円網抄紙である。有用な紙は好ましくは、縦方向の破断点引張強度が少なくとも約40kg/25mmであり、横方向の引張強度が少なくとも約16kg/25mmである。
【0022】
バリヤコーティング組成物は好ましくは、硬化して架橋ポリアクリレートを提供するカルボキシル官能性を有する反応性アクリルラテックスである。
【0023】
最も好ましくは、被覆研磨製品が、帯電した粒状の空気媒介木質粒子が生成される木質製品を仕上げるために利用される場合、被覆研磨製品を電気導電性にして電荷を散逸するために添加剤が含有されてもよい。このような添加剤は、例えば、カーボンブラック粒子の形状で、バリヤコーティング組成物に添加されてもよく、または、短い炭素フィラメントセグメントの形状で、紙に添加されてもよい。
【0024】
本発明は、被覆研磨製品の製造方法を更に提供する。前記方法は、以下の工程、
a.加圧下で接着剤組成物によって布シートを紙シートに積層して、前記布シートによって提供された少なくとも1つの主面と、前記紙シートによって提供された第2の反対側の主面とを有する、相対的に剛性であるが可撓性の裏材であって、横方向で少なくとも10,000mNのエレメンドルフ引裂き試験値を有する裏材を提供する工程と、
b.前記裏材の前記1つの主面を硬化性バリヤコーティング組成物で被覆する工程と、
c.前記バリヤコーティング組成物を硬化する工程と、
d.前記裏材のバリヤ被覆主面を研磨コーティングで被覆する工程と、
を含む。
【0025】
前記研磨コーティングの好ましい提供方法は、
a.メイクコートを前記裏材の前記バリヤ被覆主面に適用する工程と、
b.前記メイクコートが完全に硬化される前に研磨粒をメイクコートに適用する工程と、
c.メイクコーティングを少なくとも部分的に硬化する工程と、
d.サイズコーティングを研磨粒被覆メイクコートに適用する工程と、
e.前記メイクおよびサイズコートを完全に硬化する工程と、
による。
【0026】
被覆研磨製品は、従来の技術を利用することによって、被覆研摩ベルト、被覆研磨ディスクおよび矩形の被覆研磨シートに変換されてもよい。
【0027】
本発明は更に、以下の図面を参照することによって示される。
【0028】
発明の詳細な説明
いま図面の図1を参照すると、上面13と、接着剤16を積層することによって紙シート15に積層されて上面13および下面14を有する積層体11を提供する下面と、を有する布12からなる積層体11の形状の裏材を含む被覆研磨製品10の断面図が示される。接着剤16がシート12および15中に、それぞれ、それらの多孔率に応じて、いくらか浸透することは理解されよう。積層裏材11の上面13は、研磨層が付着されるバリヤコート17で封止される。バリヤコート17が、布シート12の上面13中に浸透してその中の何れの表面繊維をも被覆し、上面13に適用された後続のコーティング組成物に対するバリヤを提供して繊維の脆化を妨ぐ。研磨層は、サイズ接着剤層20と任意に研削助剤などの特定の機能性材料を含有してもよいスーパーサイズ接着剤層21とのオーバーコーティングを有する複数の研磨粒子19が部分的に埋め込まれるメイクコート接着剤層18によって提供される従来の被覆研磨層であってもよい。あるいは、研磨層は、バリヤコート17上に単に被覆されるかまたは様々な周知の技術の何れかによってバリヤコート17上に被覆および造形される硬化性バインダー中研磨粒子のスラリーによって提供されてもよい。
【0029】
裏材11は図2−4に図解的に示した様々な方法の何れによって製造されてもよい。図2を参照すると、紙15がロール31から巻出され、布12が同時にロール33から巻出され、予備成形シートの形状の接着材料16がロール35から巻出されるが、紙15、布12および接着材料16の各々が、十分に近接して隔置された積層ロール36と37との間のニップ中に同時に供給されて積層を行う方法が図解的に示される。ヒータ38が、ロール36と37との間のニップの上に配置され、接着フィルム16がニップに入る前にそれを予熱する。ロール36と37との少なくとも一方を積層温度まで加熱し、接着材料16を溶融し、紙の、布への積層を行い、それによって、積層体11を製造し、それは、冷却ロール39の上に伝えられて熱可塑性接着剤を固化し、次いで、被覆研磨剤裏材として将来使用するために保管ロール40上に巻取られる。
【0030】
図1および2に示したのと同一の参照符号が同じ品目を指す図3をいま参照すると、積層体11を製造する別の方法が示される。図2に示したのと同様にして、図3は、布12が保管ロール33から巻出されるとき同時に、紙15が保管ロール31から巻出される。積層接着剤を形成する熱可塑性材料が、押出機30からフィルム16として押出される。同じ速度で移動する紙15、布12および押出接着フィルムの各々が、それぞれ、隣接した加熱ロール36および37間のニップに同時に集中し、その中に圧伸され、積層体11を製造し、それが、冷却ロール39の上に伝えられて熱可塑性接着剤を固化し、次いで、保管ロール40に伝えられ、そこにおいて、積層体11が被覆研磨剤裏材として将来使用するために巻取られる。
【0031】
図3に示した押出機は、接着材料の押出フィルムを提供することができる何れの従来の押出機であってもよい。この目的のために適した押出機は、Berlyn Extruders Inc.(マサチューセッツ州、Worcester)製の商品名「BERLYN EXTRUDER」として入手できる4つの加熱領域を有する20mmの単一スクリュー押出機である。
【0032】
図4は、積層体11を製造するための更に別の代替方法を示す。図4において、紙15が保管ロール31から巻出されるときに同時に、布12が保管ロール33から巻出される。紙15がアイドラーロール41,42および43上にそれぞれ伝えられ、そこにおいてそれは、被覆可能硬化性接着剤組成物をリザーバ47から受けるバックアップロール44とコータロール45との間で被覆されてコーテッド紙48を提供し、アイドラーロール49上に伝えられ、ロール50に誘導される。同時に布12がアイドラーロール51,52および53上にそれぞれ伝えられ、同様にロール50に誘導され、そこにおいて、布12とコーテッド紙48とが、布12とコーテッド紙48との間の接着剤コーティングによって結合して積層体11を提供し、それを、アイドラーロール54上に、次いで、各々隣接したホットキャンローラ59,60および61間にそれぞれ挿入された一連の4つのホットキャンローラ55,56,57および58上にそれぞれ伝える。ホットキャンローラは好ましくは、布スリーブを有する鋼であり、それぞれ、ロール55が88℃(190F°)に加熱され、ロール56が93℃(200F°)に加熱され、ロール57および58が99℃(210F°)に加熱される。その後、積層体11が、被覆研磨裏材として将来使用するために保管ロール40に巻取られる。この方法で使用するための好ましい接着剤コーティング組成物は、共にB.F.Goodrich and Company(オハイオ州、Cleveland)製の、商品名「CARBOBOND 26373」として入手できるカルボキシル官能性を有する熱反応性自己硬化アクリルラテックス約99重量部と、商品名「CARBOPOL EP−1」として入手できる高効率のアルカリ膨潤性エマルジョン増粘剤1重量部とのエマルジョン組成物を含む。このエマルジョンは、57.5%の固形分および1800−2800 cP@25℃の粘度を有する(表1を参照)。
【0033】
積層体11は、研磨ディスクおよび研摩ベルトなどの様々な研磨製品の何れにおいても使用されるように十分に引裂き抵抗性がある。バリヤコーティングで被覆される前の有用な裏材は、少なくとも約10,000mNのエレメンドルフ引裂き試験値を有することを特徴とする。
【0034】
図4に示した方法のコーティングはまた、バリヤコートを適用するために使用されてもよく、その場合、布12は除かれる。
【0035】
次に、積層体11は、布12の上面にバリヤコーティングで様々な従来の技術の何れかによって被覆されて、上に研磨層が被覆される表面13を提供することができる。機能について述べると、積層体の布面の上のバリヤコーティング材料の量は、布の繊維の表面層を後続のメイクコーティング組成物の浸透から保護するのに十分な量である。有用な乾燥コーティング重量は一般に、約30g/m2〜約80g/m2、好ましくは約40g/m2〜約70g/m2の間で変化する。バリヤコーティング材料のコーティングは、ロールコーティング、噴霧コーティング、押出コーティング、ナイフコーティング、マイヤーバーコーティング、浸漬コーティングなどの様々な周知の技術の何れかを必要とすることがある。次いで、バリヤコートは、研磨層を上に形成する硬化コーティングを提供するために選択された特定のコーティング組成物に適用可能な技術によって硬化される。
【0036】
研磨層を形成する技術は先行技術に周知であり、後でより詳細に説明される。図面の図5をいま参照すると、上に記載された積層裏材を利用する、被覆研磨製品の製造方法の略図が示される。図5は、代表的な工程を示すために単に便利であるので提供される被覆研磨材の連続製造方法を示すことが理解されるはずである。被覆研磨材は、このような連続方法で製造されることはほとんどなく、工程の各々は一般に、別々に実施される。更に、特定の従来の工程は図5に示されない。これらには、被覆研磨材を屈曲すること、被覆研磨材を加湿することなどがある。これらの工程は、後で、より詳細に記載される。
【0037】
図5を参照すると、積層裏材11は保管ロール40から巻出され、バリヤコーティング組成物を上に適用するためにマイヤーバーコータなどの適切なコータ62下に送られる。バリヤコーティング組成物は、被覆積層体を適切な硬化炉63中に送ることによって、硬化される。通常の工程に引き続いてその後、メイクコーティング組成物が、ロールコータなどの適切なコーティング装置64によってバリヤ被覆積層体に適用される。その後、メイクコートされた積層体は、研磨粒子が未硬化メイクコーティングにまで静電界内で推進される装置などの研磨粒堆積設備67中に通され、そこにおいて、研磨粒子は一般に直立配置に配置され、その後、硬化炉68中に送られてメイクコートを少なくとも部分的に硬化し、次いでロールコートセットなどのコーティング設備69中に送られ、そこにおいて、サイズコーティングが適用され、次いで硬化炉70中に送られる。次に、サイズコートされた製品が任意に、スーパーサイズコーティング設備71中に送られ、その後に、適切な炉72内で硬化し、被覆研磨製品73を製造して、それが、特定の被覆研磨製品に将来変換するために保管ロール上に巻取られる。その後、被覆研磨製品のロール74は一般に、製品中に湿分を再導入するために一般に約2時間、約35−50%の相対湿度を有するチャンバー内に約60℃で保管される。次に、得られた被覆研磨製品は一般に、それを90°の角度で直径1.5インチ(3.8cm)のローラ上に送ることによって一方向に屈曲されてメイクおよびサイズコーティングに制御された割れを与える。被覆研磨製品は、被覆研磨材業界で一般的である研磨ディスク、研磨ベルトまたは様々な寸法および形状の矩形の研磨シートなどの他の様々な何れかの従来の被覆研磨製品に従来の手段によって変換されてもよい。
【0038】
次に、被覆研磨製品は、研磨ディスクの裏面での固定、適した取付装置、例えば、フックアンドループ結合布、または適切な用具の回転可能な支持パッド上に適用されてもよい嵌め合い布を結合することができる扁平末端部を有する直立フィラメント支持フィルムの一体品など、様々な方法の何れかによって改良されてもよい。
【0039】
裏材の布部分は、スパンボンド不織布などの不織布または織布のどちらかであってもよい。好ましい布はスパンボンド布である。紙シート材料15は、被覆研磨製品のために裏材料として利用された様々な周知の紙の何れを含んでもよい。この目的のための好ましい紙は、円網抄紙である。円網抄紙は、各々が、パルプスラリーおよび回転シリンダーを保有するその自バット内に形成された、単一プライを採集および加圧することによって形成される多プライ紙ウェブである。各シリンダーは、繊維層を拾い上げる選別覆いを有し、それを次のシリンダーバットに運ぶフェルトまでそこから移す。プライは連続的に形成され、その数は、多シリンダー機械上のシリンダーバット数に対応する。
【0040】
被覆研磨裏材として慣例的に使用される様々な紙の何れかを使用して紙シートを提供することができる。好ましくは、紙シートは、約100〜400gsmの範囲の基本重量を好ましくは有する円網抄紙である。有用な紙は好ましくは、縦方向の破断点引張強度が少なくとも約40kg/25mmであり、横方向の引張強度が少なくとも約16kg/25mmである。好ましい円網抄紙は、FiberMark(バーモント州、Battleboro)製の、220g/m2の基本重量を有する円網抄紙である。
【0041】
布シートは織クロスであってもよいが、好ましくはそれはスパンボンド不織ウェブなどの不織布である。布は好ましくは、約0.1〜約0.4mmの厚さを有する。布は好ましくは、約17〜230グラム/平方メートル(gsm)の範囲の基本重量を有する。有用なクロス布の、破断点引張強度は、少なくとも約50kg/25mmである。
【0042】
有用な不織布には、248g/m2の基本重量を有するタイプS−88982赤色研磨ベルト紙裏材として市販の、Kimberly−Clark Corporation(ミシガン州、Munising)製の繊維補強紙、Cerex Advanced Fabrics(フロリダ州、Pensacola)製の商品名「CEREX 2320」の、68g/m2の基本重量を有するナイロンスパンボンドウェブ、Cerex Advanced Fabrics(フロリダ州、Pensacola)製の商品名「ORION」の、68g/m2の基本重量を有するポイント接着ナイロンスパンボンドウェブ、などがある。本発明において積層体11の一成分として有用な組合せ裏材は、基本重量が390g/m2、横方向のエレメンドルフ引裂き試験値が9400mNであるクロス/紙組合せウェブである。組合せウェブは、McKenzie Coating and Finishing Co.(英国、Hyde)製である。この組合せウェブは、それをそのままで引裂き抵抗性裏材として有用にするために不十分な横方向の引裂き強度を有するが、それが付加的なスパンボンド布に積層されると、適した積層体が製造される。
【0043】
積層接着剤16のために利用されてもよい接着材には、E.I.DuPont DeMours Company(デラウェア州、Wilmington)製の商品名「SURLYN 1652」として入手できる熱可塑性イオノマーなどがある。積層のためにおよびバリヤコーティング組成物として有用なエマルジョン接着剤組成物は、両方の成分がB.F.Goodrich and Company(オハイオ州、Cleveland)製である、商品名「CARBOBOND 26373」として入手できるカルボキシル官能性を有する熱反応性自己硬化アクリルラテックス約99重量部と、商品名「CARBOPOL EP−1」として入手できる高効率のアルカリ膨潤性エマルジョン増粘剤1重量部とのブレンドである。得られたエマルジョンは、57.5%の固形分および1800−2800 cP@25℃の粘度を有し、硬化して架橋ポリアクリレートを提供するカルボキシル官能性を有する反応性アクリルラテックスである。
【0044】
本発明の被覆研磨製品の裏材を形成する積層体11はまた、ロールコーティングなど適したコーティング技術によって互いに積層される布または紙要素の一方の上に液体コーティング組成物を被覆し、次いで前記要素を加熱および加圧下で互いに積層して前記積層接着剤を硬化し、望ましい積層体を提供することによって製造されてもよい。
【0045】
前記積層体は、布要素の存在のために紙だけより大きい引裂き強度を有するが、それは、相対的に高価でない紙要素のために100%の布裏材よりかなり安価である。前記積層体、および被覆研磨材はまた、被覆研磨製品のための裏材として100%の紙と比較したとき、より望ましい性能の性質を提供する。
【0046】
研磨コーティング
本発明は、バリヤ被覆積層布/紙裏材上に被覆された研磨層を含む被覆研磨製品を提供する。研磨層は、何れかの周知の手段、すなわち、ドロップコーティング、スラリーコーティング、静電コーティング、ロールコーティングなどによって提供されてもよい。研磨コーティングは、積層体の布面の上のバリヤコーティングを有する裏材の面に適用される。
【0047】
裏材が形成されると、研磨粒子と、バインダー前駆物質の形で一般に適用される、様々な接着剤層とを導入することが、被覆研磨製品の研磨層の形成という文脈で考察される。
【0048】
メイクコート
メイクコートが、裏材のバリヤ被覆布面に適用される。メイクコートバインダー前駆物質を、ナイフコーティング、噴霧コーティング、ロールコーティング、輪転グラビアコーティングなど、何れかの従来の技術によって被覆することができる。
【0049】
メイク、サイズおよびスーパーサイズとして様々に用いられた本発明の被覆研磨物品中の接着剤層は一般に、樹脂接着剤から形成される。前記層の各々を、同一または異なった樹脂接着剤から形成することができる。有用な樹脂接着剤は、バリヤコーティングの有機ポリマー材料と相溶性である樹脂接着剤である。硬化樹脂接着剤はまた、接着剤層が劣化して早期に研磨材料を遊離しないように、研削条件に対して耐性がある。
【0050】
樹脂接着剤は好ましくは、熱硬化性樹脂の層である。この発明のために適した有用な熱硬化性樹脂接着剤の実施例には、制限なしに、フェノール樹脂、アミノプラスト樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アクリレート樹脂、アクリル化イソシアヌレート樹脂、ユリアホルムアルデヒド樹脂、イソシアヌレート樹脂、アクリル化ウレタン樹脂、アクリル化エポキシ樹脂、またはそれらの混合物、などがある。
【0051】
好ましくは、熱硬化性樹脂接着剤層は、フェノール樹脂、アミノプラスト樹脂、またはそれらの組合せを含有する。フェノール樹脂は好ましくは、レゾールフェノール樹脂である。市販のフェノール樹脂の実施例には、OXY Chem Corporation(テキサス州、Dallas)製の商品名「VARCUM」、Ashland Chemical Company(オハイオ州、Columbus)製の商品名「AROFENE」、およびUnion Carbide(コネチカット州、Danbury)製の商品名「BAKELITE」などがある。好ましいアミノプラスト樹脂は、米国特許第4,903,440号(ラーソンら)または5,236,472号(カークら)の開示内容によって製造される、1分子中に少なくとも1個のアルファ,ベータ−不飽和カルボニル側基を有するアミノプラスト樹脂である。
【0052】
メイク、サイズコートおよびスーパーサイズ層が、それぞれ、好ましくは被覆研磨製品中で一般に利用される他の材料を含有することができる。添加剤と称される、これらの材料には、研削助剤、充填剤、カップリング剤、湿潤剤、染料、顔料、可塑剤、剥離剤、またはそれらの組合せなどがある。一般に、所望の結果のために必要とされるより多く、これらの材料を用いない。充填剤は一般に、接着剤の重量に対して、メイクまたはサイズコートのいずれについても、約90重量%以下の量で存在している。有用な充填剤の実施例には、炭酸カルシウムおよびメタケイ酸カルシウムなどのカルシウム塩、シリカ、金属、炭素、またはガラスなどがある。
【0053】
好ましくは、接着剤層、少なくともメイク、サイズコートおよびスーパーサイズ層は、それぞれ、例えば、レゾールフェノール樹脂など、シランカップリング剤で処理されたメタケイ酸カルシウム充填樹脂から形成される。レゾールフェノール樹脂は、少なくともそれらの熱許容度、靭性、高硬度、および低コストのために、好ましい。より好ましくは、接着剤層は、レゾールフェノール樹脂中に約50〜90重量%のシラン処理メタケイ酸カルシウムを含有する。
【0054】
研磨粒子
この発明のために適した研磨粒子には、溶融酸化アルミニウム、熱処理酸化アルミニウム、セラミック酸化アルミニウム、炭化ケイ素、アルミナジルコニア、ガーネット、ダイヤモンド、立方晶系窒化ホウ素、二ホウ化チタン、またはそれらの混合物などがある。研磨粒子は、造形されるか(例えば、ロッド、三角形、または角錐)または造形されていなくてもよい(すなわち、不規則)。用語「研磨粒子」は、研磨粗粒(abrasive grains)、凝集塊、または多粗粒研磨粒(multi−grain abrasive granules)を包含する。このような凝集塊の実施例は、米国特許第4,652,275号(Bloecherら)および5,975,988号(Christianson)に記載されており、本発明の譲受人に譲渡された。凝集塊は不規則に造形されるか、またはそれらと混在された精密造形、例えば、立方体、角錐、切頭角錐、または球体を有してもよい。凝集塊は、研磨粒子または粗粒および接着剤を含む。接着剤は有機または無機であってもよい。有機バインダーの実施例には、フェノール樹脂、ユリアホルムアルデヒド樹脂、およびエポキシ樹脂などがある。無機バインダーの実施例には、金属(ニッケルなど)、および金属酸化物などがある。金属酸化物は通常、ガラス(ビトリファイド)、セラミック(結晶質)、またはガラスセラミックとして分類される。セラミック凝集塊についての更に別の情報は、本発明の譲受人に譲渡された米国特許第5,975,988号(Christianson)に開示されている。
【0055】
本発明の適用のために有用な酸化アルミニウム粗粒には、溶融酸化アルミニウム、熱処理酸化アルミニウム、およびセラミック酸化アルミニウムなどがある。このようなセラミック酸化アルミニウムの実施例は、米国特許第4,314,827号(Leitheiserら)、4,744,802号(Schwabel)、4,770,671号(Monroeら)、および4,881,951号(Woodら)に開示されている。
【0056】
本発明の有利な適用のための研磨粒子の平均粒度は、少なくとも約0.1マイクロメータ、好ましくは少なくとも約65マイクロメータである。米国国家規格協会(ANSI)規格B74.18−1984によれば、約100マイクロメータの粒径は、被覆研磨剤銘柄の約220砥粒に相当する。砥粒は整列されてもよく、またはそれは、被覆研磨裏材の所望の最終用途に応じて、整列せずに裏材に適用されてもよい。
【0057】
研磨粒子は、静電コーティング、ドロップコーティング、または磁気コーティングなどの何れかの従来の技術によってメイクコート前駆物質中に埋め込まれてもよい。静電コーティングの間に、静電荷が研磨粒子に適用され、これが、研磨粒子を上方に推進させる。静電コーティングは、研磨粒子を整列させる傾向があり、それは概して、より良い研磨性能につながる。ドロップコーティングにおいて、研磨粒子は、供給設備から圧し出され、重力によってバインダー前駆物質中に落ちる。バインダー前駆物質中への機械力によって研磨粒子を上方に推進させることもまた、この発明の範囲内である。磁気コーティングは、磁力を用いて研磨粒子を被覆することを必要とする。
【0058】
研磨粒子が静電コーティングによって適用される場合、裏材がドラム上に配置されることが好ましい。ドラムは、静電コーティング方法のための下地として役立つ。次に、研磨粒子の適切な量が、ドラムの下のプレート上に配置される。次に、ドラムを回転させ、静電界をオンにする。ドラムが回転するとき、研磨粒子がメイクコート中に埋め込まれる。ドラムは、研磨粒子の所望の量が被覆されるまで、回転される。得られた構造体は、メイクコートを固化するのに十分な条件に暴露される。
【0059】
代わりに、帯電プレートが、ドラムの代わりに静電方法のための下地として用いられてもよい。
【0060】
サイズコート
サイズコートは、ロールコーティングまたは噴霧コーティングなどによって研磨粒子およびメイクコートの上に適用されてもよい。好ましいサイズコートは、シラン処理メタケイ酸カルシウムの充填されたレゾールフェノール樹脂である。サイズコートが適用された後、サイズコートは、一般にエネルギー源に暴露した時に、固化される。これらのエネルギー源には、熱および放射線のエネルギーの両方がある。
【0061】
スーパーサイズコート
いくつかの場合には、サイズコートの上にスーパーサイズコートを適用することが好ましいことがある。任意のスーパーサイズコートは好ましくは、被覆研磨材の研磨特性を増強するために、研削助剤を含有することができる。研削助剤の実施例には、カリウムテトラフルオロボレート、氷晶石、アンモニウム氷晶石、または硫黄などがある。一般に所望の結果のために必要とされるより多くの研削助剤を用いない。スーパーサイズコートは、バインダーおよび研削助剤を含んでもよい。
【0062】
実施例
以下の非制限的な実施例は、本発明を更に説明する。特に指示しない限り、実施例の全ての部、パーセンテージ、比率などは、重量に基づいている。
【0063】
表1は、本発明による被覆研磨製品を製造するための裏材、比較用裏材、本発明による被覆研磨材および比較用被覆研磨材を形成する材料について説明する。
【0064】
【表1】表1
材料
【0065】
裏材1−5
本発明の被覆研磨材用の積層裏材1−5および比較用被覆研磨材用の比較用裏材1および2を形成する特定材料を表2に記載する。表2において、「紙」が「積層接着剤」によって「布」に積層される。裏材3だけの場合、任意の「付加的な布」が、「第2の積層接着剤」によって「紙」に付着される。
【0066】
積層裏材1−3および比較用裏材1および2を、図面の図2に示された方法によって製造した。裏材3は、付加的な布層のために第2のトリップを必要とした。裏材1−3および比較用裏材1および2については、積層接着剤は、厚さ0.0070〜0.0075インチ(0.18〜0.19mm)の予備成形フィルムの形で供給された。裏材4−5は、図4に示された方法によって不織布に積層した表1に記載した市販の「組合せ裏材」から構成された。裏材1−5のためのバリヤコーティング組成物を、#24マイヤーバーコータを用いて適用した。
【0067】
【表2】
表2
1「NM」は、測定されないことを意味する。
2この裏材用の紙は、組合せ裏材の一部である。
【0068】
表3は、本発明による被覆研磨製品および比較用被覆研磨製品を製造するために用いた様々なコーティング組成物を示す。
【0069】
【表3】
表3
コーティング組成物の確認
3この表に示した量は、100重量パーセントの合計量に対しての重量パーセントである。
【0070】
表4は、本発明による様々な被覆研磨製品、実施例1−5、様々な比較例、比較例A、BおよびFの要素を示す。
【0071】
【表4】
表4
【0072】
実施例1−5
実施例1−5は、本発明による優れた研磨物品を提供するバリヤ被覆積層裏材の効率を示す。バリヤ被覆積層裏材を含む被覆研磨物品を、表3に示した組成物から製造した。様々なコーティングの要素を表4に示す。
【0073】
被覆研磨物品を、次の手順によって製造した。裏材を上に記載したように製造した。裏材のためのメイクコーティングを製造するための被覆可能混合物を、表3に示した量によって製造した。メイクコーティングを、ロールコーティングによって各々のケースにおいて適用した。次に、級化セラミック酸化アルミニウム粒子(graded ceramic aluminum oxide particles)を、未硬化メイクコーティング上に静電被覆した。次いで、得られた構造体を85℃で20分、その後に93℃で60分間、予備硬化した。
【0074】
従来のレゾールフェノール樹脂、充填剤、および水を含むサイズコーティングを、二本ロールコータによって、被覆した研磨粒子およびメイクの上に適用した。得られた製品を、30分間79℃、および60分間88℃の温度で硬化した。同様に、スーパーサイズコーティングを適用し、25分間、99℃に硬化した。次いで、得られた研磨ウェブを、タイトロール(tight roll)に巻き取り、12時間、98℃に加熱した。次に、研磨ウェブのロールを、2時間、60℃および35〜50%の相対湿度で保管し、高温に暴露した時に組成物が失う湿分を再導入した。次に、得られた被覆研磨物品を一方向に屈曲し、すなわち、90°の角度で直径1.5インチ(3.8センチ)のローラ上に送った。次に、被覆研磨物品を、本技術分野に周知の方法によって被覆研摩ベルトに変換し、ベルトを試験した。
【0075】
比較例C
比較例Cは、Milliken Company(Spartanburg, SC)製の通常にフェノール樹脂処理したY−重量、4/1朱子織綿研磨裏材布を含む裏材を有する銘柄80被覆研磨物品であり、被覆研磨製品は、3M Company(ミネソタ州、St.Paul)製の商品名「80 3M 970DZ」の市販品である。フェノール樹脂処理裏材布の横方向のエレメンドルフ引裂き試験値が約14,000mNであった。
【0076】
比較例D
比較例Dは、3M Company(ミネソタ州、St.Paul)製の商品名「P150 3M 970DZ」として市販の、比較例Cの裏材を含む銘柄P150被覆研磨物品である。
【0077】
比較例E
比較例Eは、3M Company(ミネソタ州、St.Paul)製の商品名「P180 3M 970DZ」として市販の、X−重量綿布裏材を含む銘柄P180被覆研磨物品である。
【0078】
試験方法
引裂き試験
被覆研磨物品(およびそのための積層裏材)の引裂き抵抗を、ASTM D689−79、紙の内部引裂き抵抗の規格試験方法に示した手順に従ってエレメンドルフ引裂き試験によって測定した。データをミリニュートン(mN)単位で記載し、より大きな値が、より大きな引裂き抵抗を示す。データを、縦方向に直交している、横方向(CD)で記載した。好ましくは、本発明による被覆研磨物品は、少なくとも6000mNの、横方向のエレメンドルフ引裂き試験値を示す。積層裏材の引裂き抵抗試験の結果を表2に記載し、被覆研磨物品については表5に記載する。
【0079】
木−ベルト試験(Wood Belt Test)
3インチ×140インチ(7.6cm×355.6cm)エンドレスベルトの形状の本発明および比較用の研磨物品を、木質パーティクルボードの端縁のサンディングについて測定した。測定されるベルトを、直径14インチ(35.6cm)の被動コンタクトホイールと、平グラファイト潤滑支持パッドと、パーティクルボード工作物を5分間隔で24ポンド(10.9kg)の負荷まで縁にそってベルトに対して推進する設備と、を備える縦形スピンドル900RPMベルトサンダ上で試験し、各間隔の後に、工作物をベルトから空気圧の補助で後退させた。試験工作物は、Willamette Industries(Portland,OR)製の商品名「KORPINE」として得られた、立方フィート当たり45ポンド(約220kg/m3)の密度を有する、予備秤量した、5/8インチ×11インチ×32インチ(1.6cm×27.9×81.3cm)のパーティクルボードであった。試験ベルトをサンダのコンタクトホイール上に取付け、7psi(0.5kg/cm2)を、提供された空気圧シリンダーに適用することによって伸張した。パーティクルボード工作物を取付け、11インチ(27.9cm)の大きさが研磨ベルトに提供されるように、供給機構上に固定した。サンダを付勢し、工作物を5分間、被動研磨ベルトに対して機械的に推進した。工作物を取り外し、研磨された工作物の質量を測定するために秤量した。各ベルトを、6回の5分間隔について試験した。3つの試験ベルトの平均について最初の切削、最終切削、および全切削を、表5に記載する。
【0080】
トンプソン研削試験
研磨の予め決めた一定速度で工作物に対して作動されるとき、トンプソン研削試験を用いて、有効寿命によって測定した、研磨ベルトの性能を測定する。
これは、工作物に対して被動研磨ベルトの干渉(interference)を段階的に進めるか、または被動研磨ベルトを「ダウンフィード(downfeeding)」することによって行われる。
【0081】
研摩ベルトを、Waterbury Farrel Technologies(コネチカット州、Cheshire)製の商品名「THOMPSON TYPE C12」として入手できる研削機械で測定した。試験される研磨物品から製造した7.6cm×203cmのエンドレスベルトを、研削機械上に取付けた。研磨ベルトの有効な切削面積は、4.8cm×203cmであった。工作物は、研磨される4.8cm×17.78cm端縁を提供する角テーブル上に端縁に並んで取付けらた3つの1.6cm×10.2cm×17.78cmのパーティクルボード試験片(45ポンドの密度、「KORPINE」)であった。研削機械は、5600フィート/分(1707m/分)の表面速度で研磨ベルトを被動し、40フィート/分(12.2m/分)で角テーブルを移動させるように設定された。各往復は、テーブルを18インチ(45.7cm)移動させた。増分ダウンフィードは、研磨ベルト銘柄に応じて、3ミル〜110ミル(0.08mm〜2.8mm)の範囲内である固定値である(表5)。試験ベルトを研削機械上に取付け、工作物を角テーブル上に取付け、初期干渉(initial interference)をベルトと工作物との間に形成した。研削機械を付勢し、工作物を、1回の通過の間、被動研磨ベルトと接触させ、後続のダウンフィード移動のよりどころになる初期基準表面を形成する。引き続いて、工作物の提供された端縁の上の研磨ベルトの各水平通過の前に、垂直干渉が、ダウンフィード増分だけ増大した。ベルトまたは工作物のどちらかが高研削圧のために焼けるか、または工作物の合計4.5インチ(11.4cm)が研磨されて除去されるまで、この研削/ダウンフィーディングサイクルを反復した。終点までの研削サイクルの数および終点における最終負荷を、表5に記載する。
【0082】
引張試験
試験される被覆研磨裏材または被覆研磨試料を、2.5センチメートル×17.8センチメートルのストリップに変換した。少なくとも3つの引張試験片を、裏材の縦方向(ここではMDと称される)または研磨材のベルト方向に切り分けた。試験片を、ASTM方法D685によって少なくとも24時間で状態調節した。ジョーが初期に10.2センチメートルの間隔で隔てられているように、各ストリップを、商品名「SINTECH」で周知の引張試験機のジョーの間に据え付けた。折損が起こるまで、ジョーを0.5cm/分の速度で引き離し、その時点で破断するのに必要とされた力を記録した。試験結果を表6に記載する。
【0083】
試験結果
様々な試験からの結果を、表5および6に記載する。
【0084】
実施例は、優れた性能を有する研磨物品が、適切な積層ウェブを有する組合せ裏材を作り、コート面をバリヤコーティングで封止することによって得られ、研磨コーティングを適用した後にそれらの性質を保持することができることを実証する。
【0085】
本発明による被覆研磨材の実施例は明らかに、慣例的に処理した研磨布裏材と比較して達成され得る引裂き抵抗の改善を示す。更に、改善された引裂き抵抗は、引張性質の低下がほとんどなく〜全くなく達成される。同様に、上層がバリヤコーティングで処理されるとき、硬化フェノール研磨コーティングによって裏材中への浸透が低減されるために、引裂き抵抗は有意により高い。更に、全ての本発明の実施例は、バリヤコーティングのないクロス裏材および積層裏材を有する比較例よりも研削性能の増強を実証する。これは、より細かいグリットの研磨物品に特に当てはまり、実施例3は、比較例Eによって達成された2倍ものサンディングに耐える(燃焼終点まで183対79回、通過する)。
【0086】
【表5】
試験結果
【0087】
【表6】
【0088】
本発明は、いまやその様々な実施態様に対して記載された。本発明の範囲から外れることなく、記載した実施態様において多くの変更が可能であることは、当業者には明白であろう。従って、本発明の範囲は、本明細書に記載された構造体に限定されるべきではなく、請求項によって記載された構造体、およびそれらの構造体の同等物によって限定されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による被覆研磨製品のセグメントの拡大側断面図である。
【図2】図1に示した被覆研磨製品用の積層裏材の製造方法を示す略図である。
【図3】図1に示した被覆研磨材の積層裏材の別の製造方法を示す別の略図である。
【図4】図1に示した被覆研磨製品の積層裏材の更に別の製造方法を示す略図である。
【図5】図1に示した被覆研磨製品の製造方法を示す略図である。
発明の分野
この発明は、引裂き抵抗性被覆研磨製品に関し、より詳しくは、布および紙のバリヤ被覆引裂き抵抗性積層体を裏材料として有する被覆研磨製品および前記被覆研磨製品の製造方法に関する。
【0002】
発明の背景
被覆研磨製品は、木質、金属、プラスチックおよび複合材料などの様々な基材の表面を仕上げるために、少なくとも1世紀の間、用いられている。被覆研磨製品は一般に、研磨粒子からなる研磨層でオーバーコートされる可撓性裏材料と硬化バインダー材料とを含む。裏材にバインダー材料のメイクまたはメーカコートを適用し、メイクコートが研磨粒子に付着するのに十分に粘着性である間に研磨粒子をメイクコートに適用し、次に、研磨粒子含有メイクコートをサイズコーティングでオーバーコートして特定の被覆研磨材を製造することが、慣例となっている。メイクコーティングは、サイズコーティングを適用する前に部分的に硬化されてもよいが、サイズコーティングが適用されると、得られた被覆研磨製品を研磨材料として使用するために、メイクおよびサイズコーティングの両方を完全に硬化するのが一般的である。得られた被覆研磨製品を屈曲して研磨層に亀裂を生じさせ、適した可撓性を被覆研磨製品に提供することが、時々、慣例となっている。その後、被覆研磨材料は一般に、様々な研磨製品、例えば、矩形のサンド紙シート、円形の研磨ディスク、または、被覆研磨製品のストリップを切断し、ストリップの端部を接合してエンドレスベルトを提供することによって研摩ベルトに変換される。
【0003】
様々な裏材料の何れも、被覆研磨製品の製造に用いられている。裏材料の選択は一般に、製品の所期の使用に基づいて行なわれる。紙、布(不織、または織布のどちらか)プラスチックフィルムなどの材料またはこれらの材料の組合せが使用されている。
【0004】
被覆研磨製品のための紙裏材が、それらを被覆研磨シート、研磨ディスクおよび研摩ベルトとして使用するために適したものにする、相対的に剛性であるが可撓性である性質のために、多くの適用に好ましい。しかしながら、紙は、紙裏材を有する被覆研磨製品を、その研磨表面が十分に利用される前に早期に不良することがある相対的に低い破断点引張強度を有する。これは、研磨製品が特に研磨ディスクまたは研磨ベルトとして使用されるときに裏材により大きい応力を伝える、より粗い性質を研磨粒が有するとき、特に顕著である。
【0005】
紙裏材に関して直面する他の問題には、特に、より微細な研磨粒子が用いられる場合には表面粗さ、および研磨ディスクの場合、研磨コーティングが十分に用いられる前に紙基材とメイクコートとの間の接着が不良になる端縁のチッピングなどがある。
【0006】
表面粗さの問題の解決は、Darjeeらの米国特許第5,286,541号に提案されている。この特許は、メイクコートが付着されて平滑な表面を裏材に提供するその上面にイオノマーフィルム層の付着された可撓性紙部材を備える被覆研磨製品の組合せ裏材の使用を教示する。
【0007】
欧州特許第0716 903 A1号には、その裏側に補強布を積層することによって更に補強されてもよい、バインダーによってまたは繊維の表面溶解または融着によって平らな平面の耐摩耗および引裂き抵抗性基材を形成するために補強される不織繊維マットから製造された裏材料が開示されている。この裏材は紙を有さず、従って、その使用は、被覆研磨製品のために紙裏材を有する利点を有しない。
【0008】
被覆研磨材のための裏材として英国、HydeのMcKenzie Coating and Finishing Companyによって販売された円網抄紙(cylinder paper)/クロス布積層体などの市販の積層体を用いることが周知である。この積層体は一般に、クロス面の上に研磨コーティングを提供されるが、布面をバリヤコーティングで最初に被覆しない。バリヤコーティングが無いことにより、繊維を脆化し積層体を弱める傾向があるクロス布の繊維中への硬化性メイクコーティング組成物中の液体が浸透するのを可能にする。更に、この積層体がバリヤコートを有する被覆研磨裏材として用いられた場合でも、得られた裏材は、引裂き抵抗性被覆研磨製品を提供するための必要条件を満たすために必要とされる横方向の引裂き強度を有しない。
【0009】
従って、様々な条件の何れのもとでもディスクおよびベルトの適用で利用される十分な引裂き強度を有し、相対的に剛性であるが可撓性の裏材を提供する紙裏材の有利な性質をも有する被覆研磨製品用の裏材に対する需要が存在する。
【0010】
本発明の要約
本発明は、紙と布との積層体からなる裏材に適用された研磨層を備える被覆研磨製品を提供する。前記裏材は相対的に剛性であるが可撓性であり、研磨ディスクでおよび研摩ベルトでの使用などの多種多様な適用の何れにおいても使用される十分な引裂き強度を有する。本発明の被覆研磨製品はまた、それらのクロス補強した比較例より有意に均一な裏材の厚さを有する。
【0011】
具体的には、本発明は、
a.研磨層と、
b.バリヤコーティングと、
c.接着材料によって互いに接着積層された少なくとも1つの布シートと少なくとも1つの紙シートとを含み、前記研磨層が付着される前記バリヤコーティングで被覆される前記布シートによって提供された少なくとも1つの主面と、前記紙シートによって提供された第2の反対側の主面とを有する積層体を提供する、相対的に剛性であるが可撓性の裏材であって、横方向で少なくとも10,000mNのエレメンドルフ引裂き試験値を有する裏材とを含む被覆研磨製品を提供する。
【0012】
本発明の好ましい被覆研磨製品の、それらの横方向のエレメンドルフ引裂き試験値は、少なくとも6000mNである。
【0013】
本明細書中で用いるとき、以下の定義が適用されるものとする。
「研磨層」(abrasive layer)は、硬化したバインダーのコーティング内の、またはそれに付着した研磨粒子からなる層を指す。
【0014】
「布」(fabric)は、互いに織り合わされるかまたはバインダーによって、あるいは、熱可塑性繊維の場合、熱および/または圧力、溶剤処理によってまたは接着剤を用いない他の方法によって互いに接着されるかのどちらかの繊維の一体シートとして形成された織布または不織布を指す。
【0015】
「バリヤ層(barrier layer)」は、布シートに浸透する初期液体状態を有すると共に、液体状態において、溶解されたかまたは分散系中のバインダーからなる非繊維脆化被覆可能組成物である硬化組成物の層を指し、それは、硬化した時に、その上に適用された後続の液体ベースのコーティングに実質的に不浸透性である硬化組成物をもたらす。
【0016】
「非繊維脆化被覆可能組成物」(non−fiber−embrittling coatable composition)は、布シートの繊維に最小しかまたは全く脆化効果を及ぼさない成分を有する被覆可能組成物である。
【0017】
「スパンボンド布」(spunbonded fabric)は、連続ベルト上に押し出し、圧伸し、撚り合わせ、次いですぐに接着したフィラメントから形成された布を指す。
【0018】
布シートは織クロスであってもよいが、好ましくはそれは、スパンボンド不織ウェブなどの不織布である。前記布は好ましくは、約0.1〜約0.4mmの厚さを有する。前記布は好ましくは、平方メートル当たり約17〜230グラム(gsm)の範囲の基本重量を有する。有用なクロス布の、破断点引張強度が少なくとも約50kg/25mmである。
【0019】
裏材は、その第2の反対側の主面に接着積層された第2の布シートを備えて裏材を更に補強してもよい。これは、大きな研磨粒が研磨層中でまたは高処理量研削のために使用される場合、特に望ましい。第2の布は、第1の布のように、織布であってもよいが、好ましくはスパンボンド不織ウェブなどの不織布である。
【0020】
布を紙に積層するために使用された接着材料は好ましくは、イオノマー接着材料などの熱可塑性接着剤であり、最も好ましくは、エチレンメタクリル酸コポリマーの亜鉛塩である。
【0021】
被覆研磨裏材として慣例的に使用された様々な紙の何れも、紙シートを提供するために使用されてもよい。好ましくは、紙シートは、約100〜400gsmの範囲の基本重量を好ましくは有する円網抄紙である。有用な紙は好ましくは、縦方向の破断点引張強度が少なくとも約40kg/25mmであり、横方向の引張強度が少なくとも約16kg/25mmである。
【0022】
バリヤコーティング組成物は好ましくは、硬化して架橋ポリアクリレートを提供するカルボキシル官能性を有する反応性アクリルラテックスである。
【0023】
最も好ましくは、被覆研磨製品が、帯電した粒状の空気媒介木質粒子が生成される木質製品を仕上げるために利用される場合、被覆研磨製品を電気導電性にして電荷を散逸するために添加剤が含有されてもよい。このような添加剤は、例えば、カーボンブラック粒子の形状で、バリヤコーティング組成物に添加されてもよく、または、短い炭素フィラメントセグメントの形状で、紙に添加されてもよい。
【0024】
本発明は、被覆研磨製品の製造方法を更に提供する。前記方法は、以下の工程、
a.加圧下で接着剤組成物によって布シートを紙シートに積層して、前記布シートによって提供された少なくとも1つの主面と、前記紙シートによって提供された第2の反対側の主面とを有する、相対的に剛性であるが可撓性の裏材であって、横方向で少なくとも10,000mNのエレメンドルフ引裂き試験値を有する裏材を提供する工程と、
b.前記裏材の前記1つの主面を硬化性バリヤコーティング組成物で被覆する工程と、
c.前記バリヤコーティング組成物を硬化する工程と、
d.前記裏材のバリヤ被覆主面を研磨コーティングで被覆する工程と、
を含む。
【0025】
前記研磨コーティングの好ましい提供方法は、
a.メイクコートを前記裏材の前記バリヤ被覆主面に適用する工程と、
b.前記メイクコートが完全に硬化される前に研磨粒をメイクコートに適用する工程と、
c.メイクコーティングを少なくとも部分的に硬化する工程と、
d.サイズコーティングを研磨粒被覆メイクコートに適用する工程と、
e.前記メイクおよびサイズコートを完全に硬化する工程と、
による。
【0026】
被覆研磨製品は、従来の技術を利用することによって、被覆研摩ベルト、被覆研磨ディスクおよび矩形の被覆研磨シートに変換されてもよい。
【0027】
本発明は更に、以下の図面を参照することによって示される。
【0028】
発明の詳細な説明
いま図面の図1を参照すると、上面13と、接着剤16を積層することによって紙シート15に積層されて上面13および下面14を有する積層体11を提供する下面と、を有する布12からなる積層体11の形状の裏材を含む被覆研磨製品10の断面図が示される。接着剤16がシート12および15中に、それぞれ、それらの多孔率に応じて、いくらか浸透することは理解されよう。積層裏材11の上面13は、研磨層が付着されるバリヤコート17で封止される。バリヤコート17が、布シート12の上面13中に浸透してその中の何れの表面繊維をも被覆し、上面13に適用された後続のコーティング組成物に対するバリヤを提供して繊維の脆化を妨ぐ。研磨層は、サイズ接着剤層20と任意に研削助剤などの特定の機能性材料を含有してもよいスーパーサイズ接着剤層21とのオーバーコーティングを有する複数の研磨粒子19が部分的に埋め込まれるメイクコート接着剤層18によって提供される従来の被覆研磨層であってもよい。あるいは、研磨層は、バリヤコート17上に単に被覆されるかまたは様々な周知の技術の何れかによってバリヤコート17上に被覆および造形される硬化性バインダー中研磨粒子のスラリーによって提供されてもよい。
【0029】
裏材11は図2−4に図解的に示した様々な方法の何れによって製造されてもよい。図2を参照すると、紙15がロール31から巻出され、布12が同時にロール33から巻出され、予備成形シートの形状の接着材料16がロール35から巻出されるが、紙15、布12および接着材料16の各々が、十分に近接して隔置された積層ロール36と37との間のニップ中に同時に供給されて積層を行う方法が図解的に示される。ヒータ38が、ロール36と37との間のニップの上に配置され、接着フィルム16がニップに入る前にそれを予熱する。ロール36と37との少なくとも一方を積層温度まで加熱し、接着材料16を溶融し、紙の、布への積層を行い、それによって、積層体11を製造し、それは、冷却ロール39の上に伝えられて熱可塑性接着剤を固化し、次いで、被覆研磨剤裏材として将来使用するために保管ロール40上に巻取られる。
【0030】
図1および2に示したのと同一の参照符号が同じ品目を指す図3をいま参照すると、積層体11を製造する別の方法が示される。図2に示したのと同様にして、図3は、布12が保管ロール33から巻出されるとき同時に、紙15が保管ロール31から巻出される。積層接着剤を形成する熱可塑性材料が、押出機30からフィルム16として押出される。同じ速度で移動する紙15、布12および押出接着フィルムの各々が、それぞれ、隣接した加熱ロール36および37間のニップに同時に集中し、その中に圧伸され、積層体11を製造し、それが、冷却ロール39の上に伝えられて熱可塑性接着剤を固化し、次いで、保管ロール40に伝えられ、そこにおいて、積層体11が被覆研磨剤裏材として将来使用するために巻取られる。
【0031】
図3に示した押出機は、接着材料の押出フィルムを提供することができる何れの従来の押出機であってもよい。この目的のために適した押出機は、Berlyn Extruders Inc.(マサチューセッツ州、Worcester)製の商品名「BERLYN EXTRUDER」として入手できる4つの加熱領域を有する20mmの単一スクリュー押出機である。
【0032】
図4は、積層体11を製造するための更に別の代替方法を示す。図4において、紙15が保管ロール31から巻出されるときに同時に、布12が保管ロール33から巻出される。紙15がアイドラーロール41,42および43上にそれぞれ伝えられ、そこにおいてそれは、被覆可能硬化性接着剤組成物をリザーバ47から受けるバックアップロール44とコータロール45との間で被覆されてコーテッド紙48を提供し、アイドラーロール49上に伝えられ、ロール50に誘導される。同時に布12がアイドラーロール51,52および53上にそれぞれ伝えられ、同様にロール50に誘導され、そこにおいて、布12とコーテッド紙48とが、布12とコーテッド紙48との間の接着剤コーティングによって結合して積層体11を提供し、それを、アイドラーロール54上に、次いで、各々隣接したホットキャンローラ59,60および61間にそれぞれ挿入された一連の4つのホットキャンローラ55,56,57および58上にそれぞれ伝える。ホットキャンローラは好ましくは、布スリーブを有する鋼であり、それぞれ、ロール55が88℃(190F°)に加熱され、ロール56が93℃(200F°)に加熱され、ロール57および58が99℃(210F°)に加熱される。その後、積層体11が、被覆研磨裏材として将来使用するために保管ロール40に巻取られる。この方法で使用するための好ましい接着剤コーティング組成物は、共にB.F.Goodrich and Company(オハイオ州、Cleveland)製の、商品名「CARBOBOND 26373」として入手できるカルボキシル官能性を有する熱反応性自己硬化アクリルラテックス約99重量部と、商品名「CARBOPOL EP−1」として入手できる高効率のアルカリ膨潤性エマルジョン増粘剤1重量部とのエマルジョン組成物を含む。このエマルジョンは、57.5%の固形分および1800−2800 cP@25℃の粘度を有する(表1を参照)。
【0033】
積層体11は、研磨ディスクおよび研摩ベルトなどの様々な研磨製品の何れにおいても使用されるように十分に引裂き抵抗性がある。バリヤコーティングで被覆される前の有用な裏材は、少なくとも約10,000mNのエレメンドルフ引裂き試験値を有することを特徴とする。
【0034】
図4に示した方法のコーティングはまた、バリヤコートを適用するために使用されてもよく、その場合、布12は除かれる。
【0035】
次に、積層体11は、布12の上面にバリヤコーティングで様々な従来の技術の何れかによって被覆されて、上に研磨層が被覆される表面13を提供することができる。機能について述べると、積層体の布面の上のバリヤコーティング材料の量は、布の繊維の表面層を後続のメイクコーティング組成物の浸透から保護するのに十分な量である。有用な乾燥コーティング重量は一般に、約30g/m2〜約80g/m2、好ましくは約40g/m2〜約70g/m2の間で変化する。バリヤコーティング材料のコーティングは、ロールコーティング、噴霧コーティング、押出コーティング、ナイフコーティング、マイヤーバーコーティング、浸漬コーティングなどの様々な周知の技術の何れかを必要とすることがある。次いで、バリヤコートは、研磨層を上に形成する硬化コーティングを提供するために選択された特定のコーティング組成物に適用可能な技術によって硬化される。
【0036】
研磨層を形成する技術は先行技術に周知であり、後でより詳細に説明される。図面の図5をいま参照すると、上に記載された積層裏材を利用する、被覆研磨製品の製造方法の略図が示される。図5は、代表的な工程を示すために単に便利であるので提供される被覆研磨材の連続製造方法を示すことが理解されるはずである。被覆研磨材は、このような連続方法で製造されることはほとんどなく、工程の各々は一般に、別々に実施される。更に、特定の従来の工程は図5に示されない。これらには、被覆研磨材を屈曲すること、被覆研磨材を加湿することなどがある。これらの工程は、後で、より詳細に記載される。
【0037】
図5を参照すると、積層裏材11は保管ロール40から巻出され、バリヤコーティング組成物を上に適用するためにマイヤーバーコータなどの適切なコータ62下に送られる。バリヤコーティング組成物は、被覆積層体を適切な硬化炉63中に送ることによって、硬化される。通常の工程に引き続いてその後、メイクコーティング組成物が、ロールコータなどの適切なコーティング装置64によってバリヤ被覆積層体に適用される。その後、メイクコートされた積層体は、研磨粒子が未硬化メイクコーティングにまで静電界内で推進される装置などの研磨粒堆積設備67中に通され、そこにおいて、研磨粒子は一般に直立配置に配置され、その後、硬化炉68中に送られてメイクコートを少なくとも部分的に硬化し、次いでロールコートセットなどのコーティング設備69中に送られ、そこにおいて、サイズコーティングが適用され、次いで硬化炉70中に送られる。次に、サイズコートされた製品が任意に、スーパーサイズコーティング設備71中に送られ、その後に、適切な炉72内で硬化し、被覆研磨製品73を製造して、それが、特定の被覆研磨製品に将来変換するために保管ロール上に巻取られる。その後、被覆研磨製品のロール74は一般に、製品中に湿分を再導入するために一般に約2時間、約35−50%の相対湿度を有するチャンバー内に約60℃で保管される。次に、得られた被覆研磨製品は一般に、それを90°の角度で直径1.5インチ(3.8cm)のローラ上に送ることによって一方向に屈曲されてメイクおよびサイズコーティングに制御された割れを与える。被覆研磨製品は、被覆研磨材業界で一般的である研磨ディスク、研磨ベルトまたは様々な寸法および形状の矩形の研磨シートなどの他の様々な何れかの従来の被覆研磨製品に従来の手段によって変換されてもよい。
【0038】
次に、被覆研磨製品は、研磨ディスクの裏面での固定、適した取付装置、例えば、フックアンドループ結合布、または適切な用具の回転可能な支持パッド上に適用されてもよい嵌め合い布を結合することができる扁平末端部を有する直立フィラメント支持フィルムの一体品など、様々な方法の何れかによって改良されてもよい。
【0039】
裏材の布部分は、スパンボンド不織布などの不織布または織布のどちらかであってもよい。好ましい布はスパンボンド布である。紙シート材料15は、被覆研磨製品のために裏材料として利用された様々な周知の紙の何れを含んでもよい。この目的のための好ましい紙は、円網抄紙である。円網抄紙は、各々が、パルプスラリーおよび回転シリンダーを保有するその自バット内に形成された、単一プライを採集および加圧することによって形成される多プライ紙ウェブである。各シリンダーは、繊維層を拾い上げる選別覆いを有し、それを次のシリンダーバットに運ぶフェルトまでそこから移す。プライは連続的に形成され、その数は、多シリンダー機械上のシリンダーバット数に対応する。
【0040】
被覆研磨裏材として慣例的に使用される様々な紙の何れかを使用して紙シートを提供することができる。好ましくは、紙シートは、約100〜400gsmの範囲の基本重量を好ましくは有する円網抄紙である。有用な紙は好ましくは、縦方向の破断点引張強度が少なくとも約40kg/25mmであり、横方向の引張強度が少なくとも約16kg/25mmである。好ましい円網抄紙は、FiberMark(バーモント州、Battleboro)製の、220g/m2の基本重量を有する円網抄紙である。
【0041】
布シートは織クロスであってもよいが、好ましくはそれはスパンボンド不織ウェブなどの不織布である。布は好ましくは、約0.1〜約0.4mmの厚さを有する。布は好ましくは、約17〜230グラム/平方メートル(gsm)の範囲の基本重量を有する。有用なクロス布の、破断点引張強度は、少なくとも約50kg/25mmである。
【0042】
有用な不織布には、248g/m2の基本重量を有するタイプS−88982赤色研磨ベルト紙裏材として市販の、Kimberly−Clark Corporation(ミシガン州、Munising)製の繊維補強紙、Cerex Advanced Fabrics(フロリダ州、Pensacola)製の商品名「CEREX 2320」の、68g/m2の基本重量を有するナイロンスパンボンドウェブ、Cerex Advanced Fabrics(フロリダ州、Pensacola)製の商品名「ORION」の、68g/m2の基本重量を有するポイント接着ナイロンスパンボンドウェブ、などがある。本発明において積層体11の一成分として有用な組合せ裏材は、基本重量が390g/m2、横方向のエレメンドルフ引裂き試験値が9400mNであるクロス/紙組合せウェブである。組合せウェブは、McKenzie Coating and Finishing Co.(英国、Hyde)製である。この組合せウェブは、それをそのままで引裂き抵抗性裏材として有用にするために不十分な横方向の引裂き強度を有するが、それが付加的なスパンボンド布に積層されると、適した積層体が製造される。
【0043】
積層接着剤16のために利用されてもよい接着材には、E.I.DuPont DeMours Company(デラウェア州、Wilmington)製の商品名「SURLYN 1652」として入手できる熱可塑性イオノマーなどがある。積層のためにおよびバリヤコーティング組成物として有用なエマルジョン接着剤組成物は、両方の成分がB.F.Goodrich and Company(オハイオ州、Cleveland)製である、商品名「CARBOBOND 26373」として入手できるカルボキシル官能性を有する熱反応性自己硬化アクリルラテックス約99重量部と、商品名「CARBOPOL EP−1」として入手できる高効率のアルカリ膨潤性エマルジョン増粘剤1重量部とのブレンドである。得られたエマルジョンは、57.5%の固形分および1800−2800 cP@25℃の粘度を有し、硬化して架橋ポリアクリレートを提供するカルボキシル官能性を有する反応性アクリルラテックスである。
【0044】
本発明の被覆研磨製品の裏材を形成する積層体11はまた、ロールコーティングなど適したコーティング技術によって互いに積層される布または紙要素の一方の上に液体コーティング組成物を被覆し、次いで前記要素を加熱および加圧下で互いに積層して前記積層接着剤を硬化し、望ましい積層体を提供することによって製造されてもよい。
【0045】
前記積層体は、布要素の存在のために紙だけより大きい引裂き強度を有するが、それは、相対的に高価でない紙要素のために100%の布裏材よりかなり安価である。前記積層体、および被覆研磨材はまた、被覆研磨製品のための裏材として100%の紙と比較したとき、より望ましい性能の性質を提供する。
【0046】
研磨コーティング
本発明は、バリヤ被覆積層布/紙裏材上に被覆された研磨層を含む被覆研磨製品を提供する。研磨層は、何れかの周知の手段、すなわち、ドロップコーティング、スラリーコーティング、静電コーティング、ロールコーティングなどによって提供されてもよい。研磨コーティングは、積層体の布面の上のバリヤコーティングを有する裏材の面に適用される。
【0047】
裏材が形成されると、研磨粒子と、バインダー前駆物質の形で一般に適用される、様々な接着剤層とを導入することが、被覆研磨製品の研磨層の形成という文脈で考察される。
【0048】
メイクコート
メイクコートが、裏材のバリヤ被覆布面に適用される。メイクコートバインダー前駆物質を、ナイフコーティング、噴霧コーティング、ロールコーティング、輪転グラビアコーティングなど、何れかの従来の技術によって被覆することができる。
【0049】
メイク、サイズおよびスーパーサイズとして様々に用いられた本発明の被覆研磨物品中の接着剤層は一般に、樹脂接着剤から形成される。前記層の各々を、同一または異なった樹脂接着剤から形成することができる。有用な樹脂接着剤は、バリヤコーティングの有機ポリマー材料と相溶性である樹脂接着剤である。硬化樹脂接着剤はまた、接着剤層が劣化して早期に研磨材料を遊離しないように、研削条件に対して耐性がある。
【0050】
樹脂接着剤は好ましくは、熱硬化性樹脂の層である。この発明のために適した有用な熱硬化性樹脂接着剤の実施例には、制限なしに、フェノール樹脂、アミノプラスト樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アクリレート樹脂、アクリル化イソシアヌレート樹脂、ユリアホルムアルデヒド樹脂、イソシアヌレート樹脂、アクリル化ウレタン樹脂、アクリル化エポキシ樹脂、またはそれらの混合物、などがある。
【0051】
好ましくは、熱硬化性樹脂接着剤層は、フェノール樹脂、アミノプラスト樹脂、またはそれらの組合せを含有する。フェノール樹脂は好ましくは、レゾールフェノール樹脂である。市販のフェノール樹脂の実施例には、OXY Chem Corporation(テキサス州、Dallas)製の商品名「VARCUM」、Ashland Chemical Company(オハイオ州、Columbus)製の商品名「AROFENE」、およびUnion Carbide(コネチカット州、Danbury)製の商品名「BAKELITE」などがある。好ましいアミノプラスト樹脂は、米国特許第4,903,440号(ラーソンら)または5,236,472号(カークら)の開示内容によって製造される、1分子中に少なくとも1個のアルファ,ベータ−不飽和カルボニル側基を有するアミノプラスト樹脂である。
【0052】
メイク、サイズコートおよびスーパーサイズ層が、それぞれ、好ましくは被覆研磨製品中で一般に利用される他の材料を含有することができる。添加剤と称される、これらの材料には、研削助剤、充填剤、カップリング剤、湿潤剤、染料、顔料、可塑剤、剥離剤、またはそれらの組合せなどがある。一般に、所望の結果のために必要とされるより多く、これらの材料を用いない。充填剤は一般に、接着剤の重量に対して、メイクまたはサイズコートのいずれについても、約90重量%以下の量で存在している。有用な充填剤の実施例には、炭酸カルシウムおよびメタケイ酸カルシウムなどのカルシウム塩、シリカ、金属、炭素、またはガラスなどがある。
【0053】
好ましくは、接着剤層、少なくともメイク、サイズコートおよびスーパーサイズ層は、それぞれ、例えば、レゾールフェノール樹脂など、シランカップリング剤で処理されたメタケイ酸カルシウム充填樹脂から形成される。レゾールフェノール樹脂は、少なくともそれらの熱許容度、靭性、高硬度、および低コストのために、好ましい。より好ましくは、接着剤層は、レゾールフェノール樹脂中に約50〜90重量%のシラン処理メタケイ酸カルシウムを含有する。
【0054】
研磨粒子
この発明のために適した研磨粒子には、溶融酸化アルミニウム、熱処理酸化アルミニウム、セラミック酸化アルミニウム、炭化ケイ素、アルミナジルコニア、ガーネット、ダイヤモンド、立方晶系窒化ホウ素、二ホウ化チタン、またはそれらの混合物などがある。研磨粒子は、造形されるか(例えば、ロッド、三角形、または角錐)または造形されていなくてもよい(すなわち、不規則)。用語「研磨粒子」は、研磨粗粒(abrasive grains)、凝集塊、または多粗粒研磨粒(multi−grain abrasive granules)を包含する。このような凝集塊の実施例は、米国特許第4,652,275号(Bloecherら)および5,975,988号(Christianson)に記載されており、本発明の譲受人に譲渡された。凝集塊は不規則に造形されるか、またはそれらと混在された精密造形、例えば、立方体、角錐、切頭角錐、または球体を有してもよい。凝集塊は、研磨粒子または粗粒および接着剤を含む。接着剤は有機または無機であってもよい。有機バインダーの実施例には、フェノール樹脂、ユリアホルムアルデヒド樹脂、およびエポキシ樹脂などがある。無機バインダーの実施例には、金属(ニッケルなど)、および金属酸化物などがある。金属酸化物は通常、ガラス(ビトリファイド)、セラミック(結晶質)、またはガラスセラミックとして分類される。セラミック凝集塊についての更に別の情報は、本発明の譲受人に譲渡された米国特許第5,975,988号(Christianson)に開示されている。
【0055】
本発明の適用のために有用な酸化アルミニウム粗粒には、溶融酸化アルミニウム、熱処理酸化アルミニウム、およびセラミック酸化アルミニウムなどがある。このようなセラミック酸化アルミニウムの実施例は、米国特許第4,314,827号(Leitheiserら)、4,744,802号(Schwabel)、4,770,671号(Monroeら)、および4,881,951号(Woodら)に開示されている。
【0056】
本発明の有利な適用のための研磨粒子の平均粒度は、少なくとも約0.1マイクロメータ、好ましくは少なくとも約65マイクロメータである。米国国家規格協会(ANSI)規格B74.18−1984によれば、約100マイクロメータの粒径は、被覆研磨剤銘柄の約220砥粒に相当する。砥粒は整列されてもよく、またはそれは、被覆研磨裏材の所望の最終用途に応じて、整列せずに裏材に適用されてもよい。
【0057】
研磨粒子は、静電コーティング、ドロップコーティング、または磁気コーティングなどの何れかの従来の技術によってメイクコート前駆物質中に埋め込まれてもよい。静電コーティングの間に、静電荷が研磨粒子に適用され、これが、研磨粒子を上方に推進させる。静電コーティングは、研磨粒子を整列させる傾向があり、それは概して、より良い研磨性能につながる。ドロップコーティングにおいて、研磨粒子は、供給設備から圧し出され、重力によってバインダー前駆物質中に落ちる。バインダー前駆物質中への機械力によって研磨粒子を上方に推進させることもまた、この発明の範囲内である。磁気コーティングは、磁力を用いて研磨粒子を被覆することを必要とする。
【0058】
研磨粒子が静電コーティングによって適用される場合、裏材がドラム上に配置されることが好ましい。ドラムは、静電コーティング方法のための下地として役立つ。次に、研磨粒子の適切な量が、ドラムの下のプレート上に配置される。次に、ドラムを回転させ、静電界をオンにする。ドラムが回転するとき、研磨粒子がメイクコート中に埋め込まれる。ドラムは、研磨粒子の所望の量が被覆されるまで、回転される。得られた構造体は、メイクコートを固化するのに十分な条件に暴露される。
【0059】
代わりに、帯電プレートが、ドラムの代わりに静電方法のための下地として用いられてもよい。
【0060】
サイズコート
サイズコートは、ロールコーティングまたは噴霧コーティングなどによって研磨粒子およびメイクコートの上に適用されてもよい。好ましいサイズコートは、シラン処理メタケイ酸カルシウムの充填されたレゾールフェノール樹脂である。サイズコートが適用された後、サイズコートは、一般にエネルギー源に暴露した時に、固化される。これらのエネルギー源には、熱および放射線のエネルギーの両方がある。
【0061】
スーパーサイズコート
いくつかの場合には、サイズコートの上にスーパーサイズコートを適用することが好ましいことがある。任意のスーパーサイズコートは好ましくは、被覆研磨材の研磨特性を増強するために、研削助剤を含有することができる。研削助剤の実施例には、カリウムテトラフルオロボレート、氷晶石、アンモニウム氷晶石、または硫黄などがある。一般に所望の結果のために必要とされるより多くの研削助剤を用いない。スーパーサイズコートは、バインダーおよび研削助剤を含んでもよい。
【0062】
実施例
以下の非制限的な実施例は、本発明を更に説明する。特に指示しない限り、実施例の全ての部、パーセンテージ、比率などは、重量に基づいている。
【0063】
表1は、本発明による被覆研磨製品を製造するための裏材、比較用裏材、本発明による被覆研磨材および比較用被覆研磨材を形成する材料について説明する。
【0064】
【表1】表1
材料
【0065】
裏材1−5
本発明の被覆研磨材用の積層裏材1−5および比較用被覆研磨材用の比較用裏材1および2を形成する特定材料を表2に記載する。表2において、「紙」が「積層接着剤」によって「布」に積層される。裏材3だけの場合、任意の「付加的な布」が、「第2の積層接着剤」によって「紙」に付着される。
【0066】
積層裏材1−3および比較用裏材1および2を、図面の図2に示された方法によって製造した。裏材3は、付加的な布層のために第2のトリップを必要とした。裏材1−3および比較用裏材1および2については、積層接着剤は、厚さ0.0070〜0.0075インチ(0.18〜0.19mm)の予備成形フィルムの形で供給された。裏材4−5は、図4に示された方法によって不織布に積層した表1に記載した市販の「組合せ裏材」から構成された。裏材1−5のためのバリヤコーティング組成物を、#24マイヤーバーコータを用いて適用した。
【0067】
【表2】
表2
1「NM」は、測定されないことを意味する。
2この裏材用の紙は、組合せ裏材の一部である。
【0068】
表3は、本発明による被覆研磨製品および比較用被覆研磨製品を製造するために用いた様々なコーティング組成物を示す。
【0069】
【表3】
表3
コーティング組成物の確認
3この表に示した量は、100重量パーセントの合計量に対しての重量パーセントである。
【0070】
表4は、本発明による様々な被覆研磨製品、実施例1−5、様々な比較例、比較例A、BおよびFの要素を示す。
【0071】
【表4】
表4
【0072】
実施例1−5
実施例1−5は、本発明による優れた研磨物品を提供するバリヤ被覆積層裏材の効率を示す。バリヤ被覆積層裏材を含む被覆研磨物品を、表3に示した組成物から製造した。様々なコーティングの要素を表4に示す。
【0073】
被覆研磨物品を、次の手順によって製造した。裏材を上に記載したように製造した。裏材のためのメイクコーティングを製造するための被覆可能混合物を、表3に示した量によって製造した。メイクコーティングを、ロールコーティングによって各々のケースにおいて適用した。次に、級化セラミック酸化アルミニウム粒子(graded ceramic aluminum oxide particles)を、未硬化メイクコーティング上に静電被覆した。次いで、得られた構造体を85℃で20分、その後に93℃で60分間、予備硬化した。
【0074】
従来のレゾールフェノール樹脂、充填剤、および水を含むサイズコーティングを、二本ロールコータによって、被覆した研磨粒子およびメイクの上に適用した。得られた製品を、30分間79℃、および60分間88℃の温度で硬化した。同様に、スーパーサイズコーティングを適用し、25分間、99℃に硬化した。次いで、得られた研磨ウェブを、タイトロール(tight roll)に巻き取り、12時間、98℃に加熱した。次に、研磨ウェブのロールを、2時間、60℃および35〜50%の相対湿度で保管し、高温に暴露した時に組成物が失う湿分を再導入した。次に、得られた被覆研磨物品を一方向に屈曲し、すなわち、90°の角度で直径1.5インチ(3.8センチ)のローラ上に送った。次に、被覆研磨物品を、本技術分野に周知の方法によって被覆研摩ベルトに変換し、ベルトを試験した。
【0075】
比較例C
比較例Cは、Milliken Company(Spartanburg, SC)製の通常にフェノール樹脂処理したY−重量、4/1朱子織綿研磨裏材布を含む裏材を有する銘柄80被覆研磨物品であり、被覆研磨製品は、3M Company(ミネソタ州、St.Paul)製の商品名「80 3M 970DZ」の市販品である。フェノール樹脂処理裏材布の横方向のエレメンドルフ引裂き試験値が約14,000mNであった。
【0076】
比較例D
比較例Dは、3M Company(ミネソタ州、St.Paul)製の商品名「P150 3M 970DZ」として市販の、比較例Cの裏材を含む銘柄P150被覆研磨物品である。
【0077】
比較例E
比較例Eは、3M Company(ミネソタ州、St.Paul)製の商品名「P180 3M 970DZ」として市販の、X−重量綿布裏材を含む銘柄P180被覆研磨物品である。
【0078】
試験方法
引裂き試験
被覆研磨物品(およびそのための積層裏材)の引裂き抵抗を、ASTM D689−79、紙の内部引裂き抵抗の規格試験方法に示した手順に従ってエレメンドルフ引裂き試験によって測定した。データをミリニュートン(mN)単位で記載し、より大きな値が、より大きな引裂き抵抗を示す。データを、縦方向に直交している、横方向(CD)で記載した。好ましくは、本発明による被覆研磨物品は、少なくとも6000mNの、横方向のエレメンドルフ引裂き試験値を示す。積層裏材の引裂き抵抗試験の結果を表2に記載し、被覆研磨物品については表5に記載する。
【0079】
木−ベルト試験(Wood Belt Test)
3インチ×140インチ(7.6cm×355.6cm)エンドレスベルトの形状の本発明および比較用の研磨物品を、木質パーティクルボードの端縁のサンディングについて測定した。測定されるベルトを、直径14インチ(35.6cm)の被動コンタクトホイールと、平グラファイト潤滑支持パッドと、パーティクルボード工作物を5分間隔で24ポンド(10.9kg)の負荷まで縁にそってベルトに対して推進する設備と、を備える縦形スピンドル900RPMベルトサンダ上で試験し、各間隔の後に、工作物をベルトから空気圧の補助で後退させた。試験工作物は、Willamette Industries(Portland,OR)製の商品名「KORPINE」として得られた、立方フィート当たり45ポンド(約220kg/m3)の密度を有する、予備秤量した、5/8インチ×11インチ×32インチ(1.6cm×27.9×81.3cm)のパーティクルボードであった。試験ベルトをサンダのコンタクトホイール上に取付け、7psi(0.5kg/cm2)を、提供された空気圧シリンダーに適用することによって伸張した。パーティクルボード工作物を取付け、11インチ(27.9cm)の大きさが研磨ベルトに提供されるように、供給機構上に固定した。サンダを付勢し、工作物を5分間、被動研磨ベルトに対して機械的に推進した。工作物を取り外し、研磨された工作物の質量を測定するために秤量した。各ベルトを、6回の5分間隔について試験した。3つの試験ベルトの平均について最初の切削、最終切削、および全切削を、表5に記載する。
【0080】
トンプソン研削試験
研磨の予め決めた一定速度で工作物に対して作動されるとき、トンプソン研削試験を用いて、有効寿命によって測定した、研磨ベルトの性能を測定する。
これは、工作物に対して被動研磨ベルトの干渉(interference)を段階的に進めるか、または被動研磨ベルトを「ダウンフィード(downfeeding)」することによって行われる。
【0081】
研摩ベルトを、Waterbury Farrel Technologies(コネチカット州、Cheshire)製の商品名「THOMPSON TYPE C12」として入手できる研削機械で測定した。試験される研磨物品から製造した7.6cm×203cmのエンドレスベルトを、研削機械上に取付けた。研磨ベルトの有効な切削面積は、4.8cm×203cmであった。工作物は、研磨される4.8cm×17.78cm端縁を提供する角テーブル上に端縁に並んで取付けらた3つの1.6cm×10.2cm×17.78cmのパーティクルボード試験片(45ポンドの密度、「KORPINE」)であった。研削機械は、5600フィート/分(1707m/分)の表面速度で研磨ベルトを被動し、40フィート/分(12.2m/分)で角テーブルを移動させるように設定された。各往復は、テーブルを18インチ(45.7cm)移動させた。増分ダウンフィードは、研磨ベルト銘柄に応じて、3ミル〜110ミル(0.08mm〜2.8mm)の範囲内である固定値である(表5)。試験ベルトを研削機械上に取付け、工作物を角テーブル上に取付け、初期干渉(initial interference)をベルトと工作物との間に形成した。研削機械を付勢し、工作物を、1回の通過の間、被動研磨ベルトと接触させ、後続のダウンフィード移動のよりどころになる初期基準表面を形成する。引き続いて、工作物の提供された端縁の上の研磨ベルトの各水平通過の前に、垂直干渉が、ダウンフィード増分だけ増大した。ベルトまたは工作物のどちらかが高研削圧のために焼けるか、または工作物の合計4.5インチ(11.4cm)が研磨されて除去されるまで、この研削/ダウンフィーディングサイクルを反復した。終点までの研削サイクルの数および終点における最終負荷を、表5に記載する。
【0082】
引張試験
試験される被覆研磨裏材または被覆研磨試料を、2.5センチメートル×17.8センチメートルのストリップに変換した。少なくとも3つの引張試験片を、裏材の縦方向(ここではMDと称される)または研磨材のベルト方向に切り分けた。試験片を、ASTM方法D685によって少なくとも24時間で状態調節した。ジョーが初期に10.2センチメートルの間隔で隔てられているように、各ストリップを、商品名「SINTECH」で周知の引張試験機のジョーの間に据え付けた。折損が起こるまで、ジョーを0.5cm/分の速度で引き離し、その時点で破断するのに必要とされた力を記録した。試験結果を表6に記載する。
【0083】
試験結果
様々な試験からの結果を、表5および6に記載する。
【0084】
実施例は、優れた性能を有する研磨物品が、適切な積層ウェブを有する組合せ裏材を作り、コート面をバリヤコーティングで封止することによって得られ、研磨コーティングを適用した後にそれらの性質を保持することができることを実証する。
【0085】
本発明による被覆研磨材の実施例は明らかに、慣例的に処理した研磨布裏材と比較して達成され得る引裂き抵抗の改善を示す。更に、改善された引裂き抵抗は、引張性質の低下がほとんどなく〜全くなく達成される。同様に、上層がバリヤコーティングで処理されるとき、硬化フェノール研磨コーティングによって裏材中への浸透が低減されるために、引裂き抵抗は有意により高い。更に、全ての本発明の実施例は、バリヤコーティングのないクロス裏材および積層裏材を有する比較例よりも研削性能の増強を実証する。これは、より細かいグリットの研磨物品に特に当てはまり、実施例3は、比較例Eによって達成された2倍ものサンディングに耐える(燃焼終点まで183対79回、通過する)。
【0086】
【表5】
試験結果
【0087】
【表6】
【0088】
本発明は、いまやその様々な実施態様に対して記載された。本発明の範囲から外れることなく、記載した実施態様において多くの変更が可能であることは、当業者には明白であろう。従って、本発明の範囲は、本明細書に記載された構造体に限定されるべきではなく、請求項によって記載された構造体、およびそれらの構造体の同等物によって限定されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による被覆研磨製品のセグメントの拡大側断面図である。
【図2】図1に示した被覆研磨製品用の積層裏材の製造方法を示す略図である。
【図3】図1に示した被覆研磨材の積層裏材の別の製造方法を示す別の略図である。
【図4】図1に示した被覆研磨製品の積層裏材の更に別の製造方法を示す略図である。
【図5】図1に示した被覆研磨製品の製造方法を示す略図である。
Claims (29)
- a.研磨層と、
b.バリヤコーティングと、
c.接着材料によって互いに接着積層された少なくとも1つの布シートと少なくとも1つの紙シートとを含み、前記研磨層が付着される前記バリヤコーティングで被覆される前記布シートによって提供された少なくとも1つの主面と、前記紙シートによって提供された第2の反対側の主面とを有する積層体を提供する、相対的に剛性であるが可撓性の裏材であって、少なくとも10,000mNのエレメンドルフ引裂き試験値を有する裏材と、
を含む被覆研磨製品。 - 前記布が織布である、請求項1に記載の被覆研磨製品。
- 前記布が不織布である、請求項1に記載の被覆研磨製品。
- 前記布が約0.1〜約0.4mmの厚さを有する、請求項1に記載の被覆研磨製品。
- 前記裏材が、前記第2の反対側の主面に接着積層された第2の布シートを備える、請求項1に記載の被覆研磨製品。
- 前記第2の布が不織布である、請求項5に記載の被覆研磨製品。
- 前記第2の布が織布である、請求項5に記載の被覆研磨製品。
- 前記接着材料が熱可塑性接着剤である、請求項1に記載の被覆研磨製品。
- 前記接着材料がイオノマー接着剤である、請求項1に記載の被覆研磨製品。
- 前記イオノマー接着材料がエチレンメタクリル酸コポリマーの亜鉛塩である、請求項9に記載の被覆研磨製品。
- 前記紙シートが円網抄紙である、請求項1に記載の被覆研磨製品。
- 前記布が約17〜約230gsmの範囲の基本重量を有する、請求項1に記載の被覆研磨製品。
- 前記紙が約100〜約400gsmの範囲の基本重量を有する、請求項1に記載の被覆研磨製品。
- 前記バリヤコーティング組成物が、カルボキシル官能性を有する熱反応性アクリルラテックスである、請求項1に記載の被覆研磨製品。
- 前記研磨層が、メイクコート、研磨粒、サイズコート、および任意に1つ以上のスーパーサイズコートを含む、請求項1に記載の被覆研磨製品。
- 前記バリヤコーティング組成物が、バリヤコーティング組成物を電気導電性にする添加剤を含有する、請求項1に記載の被覆研磨製品。
- 前記布がスパンボンド不織ウェブである、請求項1に記載の被覆研磨製品。
- 研磨ベルトの形状の、請求項1に記載の被覆研磨製品。
- 研磨ディスクの形状の、請求項1に記載の被覆研磨製品。
- 前記紙シートが、紙シートを電気導電性にする添加剤を含有する、請求項1に記載の被覆研磨製品。
- 前記紙が、縦方向で少なくとも約40kg/25mmの破断点引張強度を有し、横方向で少なくとも約16kg/25mmの破断点引張強度を有する、請求項1に記載の被覆研磨製品。
- 前記布が少なくとも約50kg/25mmの破断点引張強度を有する、請求項2の被覆研磨製品。
- 被覆研磨製品の製造方法であって、以下の工程、
a.加圧下で接着剤組成物によって布シートを紙シートに積層して、前記布シートによって提供された少なくとも1つの主面と、前記紙シートによって提供された第2の反対側の主面とを有する、相対的に剛性であるが可撓性の裏材であって、横方向で少なくとも10,000mNのエレメンドルフ引裂き試験値を有する裏材を提供する工程と、
b.前記裏材の前記1つの主面を硬化性バリヤコーティング組成物で被覆する工程と、
c.前記バリヤコーティング組成物を硬化する工程と、
d.前記裏材のバリヤ被覆主面を研磨コーティングで被覆する工程と、
を含む方法。 - 前記研磨コーティングが、
a.メイクコートを前記裏材の前記バリヤ被覆主面に適用する工程と、
b.前記メイクコートが完全に硬化される前に研磨粒をメイクコートに適用する工程と、
c.前記メイクコーティングを少なくとも部分的に硬化する工程と、
d.サイズコーティングを前記研磨粒被覆メイクコートに適用する工程と、
e.前記メイクおよびサイズコートを完全に硬化する工程と、
によって提供される、請求項23に記載の方法。 - 第2の布シートを前記第2の反対側の主面に積層する工程を更に有する、請求項23に記載の方法。
- 前記バリヤコーティング組成物または前記紙の少なくとも1つが、前記バリヤコートまたは前記紙を電気導電性にする添加剤を含有する、請求項23に記載の方法。
- 前記被覆研磨製品によって研磨ベルトを形成する工程を更に有する、請求項23に記載の方法。
- 前記被覆研磨製品によって研磨ディスクを形成する工程を更に有する、請求項23に記載の方法。
- 少なくとも1つのスーパーサイズコーティングを前記研磨コーティングの上に適用する工程を更に有する、請求項24に記載の方法。
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