JP2004511178A - ヘッダ圧縮鍵を用いたリンクレイヤでのコンテクスト識別 - Google Patents

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Abstract

圧縮されたヘッダ(24’)を有するパケット(22)を送信して通信する第1及び第2のエンティティ(20及び20)を有する電気通信ネットワークである。ヘッダ圧縮鍵(23)はパケットに関連づけされる(例えばパケットに含まれる)。ヘッダ圧縮鍵は、本発明の第1のモードにおいて、圧縮されたパケットの異なるフローを区別するためだけに用いられる第1のフィールド(CID)を有する。本発明の第2のモードにおいて、ヘッダ圧縮鍵の第1のフィールド(23A)は圧縮されたパケットの異なるフローを区別するためもしくは異なるヘッダ圧縮識別子を区別するために利用することができる。ヘッダ圧縮鍵の第1のフィールドが、圧縮されたパケットの異なるフローを区別するためにのみ用いられる(第1のモード)か、異なるヘッダ圧縮識別子を区別するためにも用いられる(第2のモード)かは、ヘッダ圧縮鍵の第2のフィールド(23B)の値に依存する。第2のモードにおいて、異なるヘッダ圧縮識別子を区別するために、ヘッダ圧縮鍵の第1のフィールドに対する値の第1サブセットが用いられる。一方、圧縮されたパケットの異なるフローを区別するためには、第1のフィールドに対する値の第2のサブセットが用いられる。

Description

【0001】
(発明が属する技術分野)
本発明は電気通信ネットワークにおけるパケット伝送に関し、特にこれらパケットのヘッダ圧縮に関する。
【0002】
(背景技術)
典型的なセルラ無線システムにおいて、移動ユーザ装置ユニット(UE)は無線アクセスネットワーク(RAN)を介して1つ又はより多くのコアネットワークと通信する。ユーザ装置ユニット(UE)は移動電話機(”セルラ”電話機)及び移動終端機能(mobile termination)を有するラップトップコンピュータといった移動機であってよく、従って、例えば、音声及び/又はデータを無線アクセスネットワークと通信する、ポータブル装置、ポケット装置、ハンドヘルド装置、コンピュータに内蔵される移動装置又は車載の移動装置であってよい。
【0003】
無線アクセスネットワーク(RAN)はセル領域に分割された地理的領域をカバーし、各セル領域は基地局によってサービスされている。セルは、基地局サイトにおける無線基地局装置によって無線カバレージが提供される地理的領域である。各セルは、セル内に報知される固有のIDによって識別される。基地局はエアインタフェース(例えば無線周波数)を介して、その基地局の範囲内のユーザ装置ユニット(UE)と通信する。無線アクセスネットワークにおいて、いくつかの基地局は一般に無線ネットワークコントローラ(RNC)に(例えば陸上通信線又はマイクロ波によって)接続される。基地局コントローラ(BSC)とも呼ばれる無線ネットワークコントローラは、接続される複数の基地局の様々な動作を管理、調整する。無線ネットワークコントローラは一般に1つ又はより多くのコアネットワークに接続される。
【0004】
無線アクセスネットワークの一例はユニバーサル移動通信システム(UMTS:Universal Mobile Telecommunications)陸上無線アクセスネットワーク(UTRAN)である。UTRANは欧州において開発された、GSM(Global System for Mobile communications)として知られる無線アクセス技術に一部立脚した第3世代システムである。UTRANは本質的には広帯域符号分割多元アクセス(W−CDMA)システムである。無線アクセスネットワークの他の例はGPRS EDGE無線アクセスネットワーク(GERAN)である。
【0005】
電気通信の世界は回線交換型のコネクションオリエンテッドな情報伝送から、パケット交換型のコネクションレス伝送へパラダイムがシフトしている。従って、UMTS(Universal Mobile Telecommunications)陸上無線アクセスネットワーク(UTRAN)は回線交換型及びパケット交換型コネクションの両方に対応している。例えば、UTRANにおいて、回線交換型コネクションは、移動通信交換局(MSC)と通信する無線ネットワークコントローラ(RNC)を含み、MSCは(例えば)公衆交換電話網(PSTN)及び/又は統合サービスディジタルネットワーク(ISDN)であるかもしれないコネクションオリエンテッドな外部コアネットワークに接続される。一方、UTRANにおいてパケット交換型コネクションは在圏GPRSサポートノード(SGSN)と通信する無線ネットワークコントローラを含み、SGSNは、バックボーンネットワーク及び関門GPRSサポートノード(GGSN)を通じてパケット交換ネットワーク(例えばインターネット、X.25外部ネットワーク)に接続される。
【0006】
UTRANには興味深いいくつかのインタフェースが存在する。無線ネットワークコントローラ(RNC)及びコアネットワークの間のインタフェースは”Iu”インタフェースと呼ばれる。無線ネットワークコントローラ(RNC)及びその基地局との間のインタフェースは”Iub”インタフェースと呼ばれる。ユーザ装置ユニット(UE)及び基地局の間のインタフェースは”エアインタフェース”、”無線インタフェース”又は”Uu”インタフェースとして知られている。
【0007】
アプリケーションへの非依存及び転送及び交換コスト削減のため、エアインタフェースからエンドユーザ装置に至る全てにおいて、パケット交換型インターネットプロトコル(IP)を利用することは魅力的である。すなわち、インターネットプロトコルをエアインタフェースの前で終端しないことには利点がある。これまで、エアインタフェースを越えてインターネットプロトコルを使用しないことの主な理由は、音声パケットに関連する所定の”ヘッダ”(例えばIP/UDP/RTPヘッダ)によって課される比較的大きなオーバヘッドであるとされてきた。
【0008】
従って、インターネットプロトコルを用い、無線(例えばエア)インタフェースを越えて音声を伝送することの主要な問題は、インターネット上で音声データを送信する際に用いられるプロトコルの、サイズの大きなヘッダである。例えば、音声データを有するIPv4パケットはIPヘッダ、UDPヘッダ及びRTPヘッダを有し、これらは合計で20+8+12=40オクテットとなる。IPv6ではIPヘッダは40オクテットとなり、合計は60オクテットとなる。音声データのサイズはコーデックに依存するが、15から30オクテットとなりうる。これらの比較的大きな数は、IP/UDP/RTPヘッダが高ビットレートを必要とし、従って高価な無線スペクトルを不効率に使用する原因となるため、IPプロトコルをエアインタフェースの前で終端することを支持しする方向に作用する。
【0009】
これまでの説明から、比較的誤りが起こりやすく、狭帯域のセルラチャネル上で、全てのヘッダフィールドのトランスペアレンシを維持しつつ、IPヘッダに関連するオーバヘッドを削減するということが、根本的に難問であることが理解される。この難問は、成功の程度は異なるが、ヘッダ圧縮技術を用いて解決される。
【0010】
音声パケット中のヘッダ情報は全て必要だが、同じパケットストリーム、例えば同じパケットフローに属する、連続したパケットのヘッダ中のヘッダフィールド間には高い冗長性が存在する。この所見を最大限に利用し、ヘッダ圧縮アルゴリズムは一般に”コンテクスト”を維持しようとする。ヘッダ圧縮が実行されるチャネルの両端で維持されるコンテクストは、基本的に、送信された最後のヘッダの非圧縮バージョンである。圧縮されたヘッダは、数ある中でもコンテクストの変化を伝える。ヘッダ圧縮手法は一般に、コンテクストをインストールするための機構、コンテクストが無効(out of date)であることを検出するための機構及びダウンストリームコンテクストが無効の場合、それを修復するための機構を有する。
【0011】
同一のリンクに複数の圧縮ヘッダフローが存在する場合、特定のパケット圧縮フロー(例えば特定のパケットストリーム)に属する特定の圧縮ヘッダを判定するための何らかの方法が必要である。これは、圧縮器(compressor)及び伸張器(decompressor)が、ヘッダをどのようにして圧縮/伸張するかを決定するために状態(state)、すなわち、上述したコンテクストを用いるため重要である。パケット伝送の典型的なシナリオにおいて、圧縮器は特定のパケットフローに属する非圧縮のヘッダを受信し、そのヘッダを圧縮するためにそのパケットフローの正しいコンテクスト(correct context)を用いる。圧縮されたヘッダは、このヘッダがどの特定のフローに属するのかを識別するための何らかの機構を用いて伝送される。リンクの他端で、伸張器は圧縮ヘッダを受信し、そのヘッダがどのフロー又はコンテクストに属するかを確かめる機構を用いる。そして、伸張器は、識別されたコンテクストを、そのヘッダを伸張するため用いることが可能になる。
【0012】
CTCPとして知られる初期のヘッダ圧縮手法が、Jacobson, V.の「低速シリアルリンクのためのTCP/IPヘッダ圧縮(Compressing TCP/IP Headers for Low−Speed SerialLinks)」、RFC1144、1990年2月、によって提案された。CTCPは40オクテットのIP+TCPヘッダを4オクテット2つ(two−four octets)に圧縮する。CTCP圧縮器はトランスポートレベル再送信(transport−level retransmissions)を検出し、それが発生した際にはコンテクストを完全に更新するヘッダを送信する。
【0013】
IPヘッダ圧縮(IPHC)として知られる汎用IPヘッダ圧縮手法は任意のIP、TCP及びUDPヘッダを圧縮可能である。TCPヘッダ以外を圧縮する場合、IPHCはデルタ符号化を用いず、ロバストである。TCPを圧縮する際、CTCPの修復機構は修復速度を上げるリンクレベルナッキング(link−level nacking)手法によって補強される。IPHCはRTPヘッダを圧縮しない。
【0014】
リアルタイムIPサービス用に、CRTPとして知られるヘッダ圧縮手法が提案されている。S. Casner, V. Jacobsonによる「低速シリアルリンクのためのIP/UDP/RTPヘッダ圧縮(Compressing IP/UDP/RTP Headers for Low−Speed SerialLinks)」、RFC2508、1999年2月を参照されたい。CRTPは40オクテットのIPv4/UDP/RTPヘッダを最小で2オクテットに圧縮することかできる。コンテクスト修復に関し、CRTPは伸張器がヘッダ更新の要求を送信するアップストリームリンクの存在に依存している。コンテクストが無効である間、全ての受信パケットを伸張することができない。
【0015】
ロバストヘッダ圧縮(ROHC)として知られるヘッダ圧縮手法は、セルラ処理(cellular usage)に適している。C. Borman等による、「ロバストヘッダ圧縮(ROHC)」、draft−ietf−rohc−rtp−02.txt(作業中の未完成版)、2000年9月を参照されたい。ROHCにおいては、コンテクストが無効であること、ローカルで行った修復が成功したことを検出するための信頼できる方法を導入するため、元の(非圧縮の)ヘッダをカバーするチェックサムが圧縮ヘッダ中に含ませられる。ROHCは可能な限り高い性能を達成するため、異なる種類のRTP−ストリーム及びチャネル状況を処理するための異なる圧縮プロファイルを導入する。加えて、ROHCは、例えばセルラリンク上のロスによって、どのようにヘッダフィールドが変化したかに関するヒントを伸張器に与えるコードを圧縮ヘッダに含ませる。ROHCにおいて、パケットタイプ識別はヘッダ圧縮手法に統合されており、従ってこの機能はリンクレイヤから必要とされない。この点に関し、ROHCは0,1又は2バイトのコンテクスト識別子(CID)を有することができる。
【0016】
第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)として知られる取り組みが、UDP/IP及びTCP/IPヘッダについてのヘッダ圧縮を含む、将来的なUTRAN及びGSMベースの無線アクセスネットワーク技術を発展させようと努めている。ヘッダ圧縮手法にとって重要な3GPPシステムの1つの見知は、((例えば、インターネットといった)完全に共有されたチャネルに代わる)論理的に分離されたチャネル又は無線ベアラのコンセプトである。圧縮ヘッダの伸張にどのコンテクストを用いるべきかを識別するために、コンテクスト識別子(CID)を利用することが提案されている。S. Casner, V. Jacobsonによる「低速シリアルリンクのためのIP/UDP/RTPヘッダ圧縮(Compressing IP/UDP/RTP Headers for Low−Speed SerialLinks)」、RFC2508、1999年2月及び、Milael Degermark, Bjorn Nordgren, Stephen Pinkによる「IPヘッダ圧縮」、RFC2507、1999年2月を参照のこと。3GPPセルラシステムにおいては、既に異なる無線ベアラ上へトラフィックを多重分離(de−multiplexing)しており(無線ベアラの定義が必要。図TS25.301の無線プロトコルインタフェースアーキテクチャが必要)、この分離はコンテクスト識別の必要性を削減している。そのため、無線ベアラ当たりのコンテクスト数は比較的小さい(このような感じで)。
【0017】
第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)仕様書3G TS25.323 V3.3.0(2000−09)は、パケットデータ集中プロトコル(packet data convergence protocol:PDCP)と呼ばれるリンクレイヤプロトコルを記述する。パケットデータ集中プロトコル(PDCP)の主な機能の一部は、(1)無線リンクコントロール(RLC)プロトコルによって提供されるサービスを用いるパケットデータプロトコルユーザデータの転送及び、(2)ヘッダ圧縮(例えば、冗長制御情報の圧縮)である。パケットデータ集中プロトコル(PDCP)はそのサービスを、ユーザ装置ユニット(UE)における、又は無線ネットワークコントローラ(RNC)のリレーにおけるPDCPエンティティを経由して提供する。現在の形式(例えば、TS25.323 V.3.3.0)では、パケットデータ集中プロトコル(PDCP)において全ての無線ベアラが1つのPDCPエンティティに接続され、1つのPDCPエンティティが1つのRLCエンティティに接続される。全てのPDCPエンティティは、所定のパラメータを用いる0、1又はいくつかのヘッダ圧縮アルゴリズム形式を用い、いくつかのPDCPエンティティは同一のアルゴリズム形式を用いうる。
【0018】
パケットデータ集中プロトコル(PDCP)において、ヘッダ圧縮方法は各ネットワークレイヤプロトコル形式に固有である。ヘッダ圧縮アルゴリズム及びそのパラメータは各PDCPエンティティに対する無線資源コントロール(RRC)によって取り決められ、PDCPコントロールサービスアクセスポイント(PDCP−C−SAP)を通じてPDCPへ指示される。圧縮器及び伸張器が発するピアPDCPエンティティ間のシグナリングが、動作中にユーザプレーンで実行される。
【0019】
3GPP仕様書3G TS25.323 V3.3.0(2000−09)に示されるように、パケットデータ集中プロトコル(PDCP)は3つの形式の1つを取りうるプロトコルデータユニット(PDU)を特徴とする。第1の形式はPDCP−No−HeaderPDU、第2の形式はPDCP DataPDU、第3の形式はPDCP SeqNumPDUである。PDCP DataPDU及びPDCP SeqNumPDUは3ビットのPDU形式フィールドと5ビットのPIDフィールドを含む。3ビットのPDU形式フィールドの値は、そのPDUがPDCP DataPDU及びPDCP SeqNumPDUのどちらであるかを示す(3GPP仕様書3G TS25.323 V3.3.0(2000−09)、セクション8.3.1を参照)。5ビットのPIDフィールドは使用されたヘッダ圧縮及びパケット形式を示す。
【0020】
3ビットのPDU形式フィールド及び5ビットのPIDフィールドを有するPDCP DataPDUは、3GPP仕様書3G TS25.323 V3.3.0(2000−09)に示される。以下の表1は、PDCP DataPDUについての5ビットのPIDフィールドに対するPID値の例を示すものとして、3GPP仕様書3G TS25.323 V3.3.0(2000−09)から抜粋したものである。
【0021】
【表1】
Figure 2004511178
【0022】
3GPP仕様書3G TS25.323 V3.3.0(2000−09)、セクション5.1.1に記述されるように、PCDPエンティティにおける所定のアルゴリズムに対するPID値の割り当ては(n+1)から開始する(nは他のアルゴリズムに既に割り当てされているPID値の数)。この割り当ては無線資源コントロールによってアルゴリズムが取り決められた順番で行われる。表1の例において、RFC2507はピア無線資源コントロールエンティティ間で交換されるPDCP情報エレメントにおいて割り当てされた最初のアルゴリズム、方法Aは2番目のアルゴリズム、方法Bは3番目のアルゴリズムである。
【0023】
コンテクストを区別するための上述の機構は、コンテクスト識別子(CID)の利用によってヘッダ圧縮手法内に明示されてもよいし、圧縮されたフローを区別するためのリンクレイヤ機構によって暗示されても良い。明示的なCIDの利用は、ヘッダ圧縮レベルにおけるROHC技術と同様、圧縮ヘッダ中に余分なビットを必要とする。一方、パケットデータ集中プロトコル(PDCP)といったリンクレイヤレベルでの暗示的なコンテクスト識別の利用は、リンクレイヤレベルにおいて更なるコストを課す。
【0024】
PDCPヘッダを用いない手法(3GPP仕様書3G TS25.323 V3.3.0(2000−09)、セクション8.2.1を参照)では、PDCPによるヘッダ圧縮パケット形式のリンクレイヤ識別を提供できる可能性はない。これは、PDCPがヘッダを用いないというオプションを用いて設定されている場合には、IPヘッダ圧縮(RFC2507)を使用できないことを意味する。しかし、ヘッダ圧縮パケット形式識別がROHC内部で完結される際には、ROHCアルゴリズムを用いることができる。
【0025】
ROHCがRTP/UDP/IP圧縮をサポート可能であるのに対し、RFC2507圧縮アルゴリズムは(他にもあるが)TCP/IP圧縮をサポートする。将来、RTP/UDP/IP及びTCP/IPトラフィックの両方を調和させるための所定のアプリケーションは、ストリーミングサービス(例えば、リアルタイムマルチメディアアプリケーション)等において有用になると思われる。
【0026】
従って、リンクレベルにおいてパケット形式識別が必要な1つ又はそれより多くの圧縮アルゴリズムによって圧縮されたヘッダを有するパケットを、リンクレベルにおいてパケット形式識別が不要な1つ又はそれより多くの圧縮アルゴリズムによって圧縮されたヘッダを有するパケットとの混合を容易にする方法が必要とされており、同時に本発明の目的である。
【0027】
(発明の概要)
電気通信ネットワークは、圧縮されたヘッダを有するパケットを送信することによって通信する第1及び第2のエンティティを有する。ヘッダ圧縮鍵がパケットに関連づけされる(例えばパケットに含まれる)。ヘッダ圧縮鍵は、本発明の第1のモードにおいて、圧縮されたパケットの異なるフローを区別するためだけに用いられる第1のフィールドを有する。本発明の第2のモードにおいて、ヘッダ圧縮鍵の第1のフィールドは圧縮されたパケットの異なるフローを区別するためもしくは異なるヘッダ圧縮識別子を区別するために利用することができる。
【0028】
ヘッダ圧縮鍵の第1のフィールドが、圧縮されたパケットの異なるフローを区別するためにのみ用いられる(第1のモード)か、異なるヘッダ圧縮識別子を区別するためにも用いられる(第2のモード)かは、ヘッダ圧縮鍵の第2のフィールドの値に依存する。
【0029】
第2のモードにおいて、異なるヘッダ圧縮識別子を区別するために、ヘッダ圧縮鍵の第1のフィールドに対する値の第1サブセットが用いられる。一方、圧縮されたパケットの異なるフローを区別するためには、第1のフィールドに対する値の第2のサブセットが用いられる。第2のサブセットの値は第1のサブセットの値の後に続くことが好ましい。
【0030】
1つの例示的な実施形態において、ヘッダ圧縮鍵はリンクレイヤプロトコルのプロトコルデータユニットのヘッダであり、特にパケットデータ集中プロトコル(PDCP)と呼ばれるプロトコルに関するプロトコルデータユニットについてのヘッダである。本実施形態において、第1のフィールドはプロトコルデータユニットのヘッダのPID形式フィールド、第2のフィールドはプロトコルデータユニットのヘッダのPDU形式フィールドである。圧縮されたパケットの異なるフローの識別は、圧縮/伸張アルゴリズムに関するコンテクスト識別子によって実行され、圧縮/伸張アルゴリズムは好ましくはロバストヘッダ圧縮(ROHC)等のリンクレイヤレベルでパケット形式識別を必要としないアルゴリズムである。第2のモードについて、本実施形態におけるヘッダ圧縮識別子はヘッダ圧縮方法及びパケット形式を意味する。
【0031】
本発明の実装例は、第1のエンティティが無線ネットワークコントローラノード(RNC)に位置するヘッダ圧縮/伸張エンティティであり、第2のエンティティがユーザ装置ユニット(UE)、例えばセルラ電話機又は移動終端機能を有する他の装置におけるヘッダ圧縮/伸張エンティティであるセルラ電気通信ネットワークである。
【0032】
本発明は、有利なことに、プロトコルデータユニットのデータ部分(例えば、ヘッダでない部分)で伝送される圧縮レベルヘッダ(例えば、ROHCヘッダ)が、そのコンテクスト識別子を省略することを可能にする。これは、リンクレイヤプロトコルデータユニットのヘッダ中でコンテクスト識別子が代わりに伝送されるためである。従って、本発明はヘッダ伝送に関連するオーバヘッドを削減することが可能である。さらに、本発明は、圧縮/伸張方法がリンクレベルでパケット形式識別を必要とするか否かにかかわらず、圧縮/伸張方法の混合、例えばロバストヘッダ圧縮(ROHC)アルゴリズム及びRFC2507等のIPヘッダ圧縮アルゴリズムの混合を容易にする。このような混合は、RTP/UDP/IPトラフィック(ROHCを用いる)とTCP/IPトラフィック(RFC2507を用いる)の混合といった、複雑なアプリケーションの組み合わせのサポートを可能にする。
【0033】
本発明の上述した目的及び他の目的、特徴及び長所は、参照数字が様々な図面を通じて同一部分を参照する添付図面に図示される好適な実施形態の、以下のより具体的な説明から明らかになるであろう。図面は必ずしも縮尺されておらず、代わりに本発明の原理の説明に強調が加えられている。
【0034】
(発明の詳細な説明)
以下の説明においては、限定ではなく説明を目的として、本発明の完全な理解を与えるため、特定のアーキテクチャ、インタフェース、方法等の特定の詳細が記述される。しかし、本技術分野に属する当業者は本発明がこれら特定の詳細を離れた他の実施形態においても実施されうることを理解するであろう。他の事例において、周知の装置、回路及び方法の詳細な説明は、本発明の説明が不要な詳細によってわかりにくくならないように省略される。
【0035】
図1は、本発明の例示的な、それに限定されない実施形態としての電気通信ネットワーク10を示す。電気通信ネットワーク10は、パケット22を送信することによってリンク21を介して互いに通信する第1及び第2の集中プロトコルエンティティ20、20を有する。以下に説明するように、本発明によれば、パケット22は圧縮されたヘッダ24’及びペイロード25を含むデータ部分のみならす、ヘッダ圧縮鍵23を用いる。
【0036】
図1の実施形態例において、第1及び第2の集中プロトコルエンティティ20、20は電気通信ネットワークの各ノード26、26に位置している。図1に示される特定のシナリオにおいて、ノード26はユーザプレーンから複数のパケットストリームPF、例えばパケットフローPF−PFを受信する。パケットフローPFの各パケットは非圧縮ヘッダ24及びペイロード25を有する。パケットがノード26で受信されると、様々な動作が実行される。本発明に密接に関係するのは、ノード26の集中プロトコルエンティティ20に含まれる圧縮エンティティシステム29によって実行されるヘッダ圧縮動作である。ヘッダ圧縮と関連して、圧縮エンティティシステム29はコンテクスト識別子(CID)を各パケットに対して生成する。例えば、図1は、パケットフローPF内のパケットに対して生成されたコンテクスト識別子CID及びパケットフローPF内のパケットに対して生成されたコンテクスト識別子CIDを示している。PFからCIDへのマッピングは任意(x及びyの範囲は0からn)であり、一般にはx=yである。
【0037】
ノード26に入来する各パケットに対し、集中プロトコルエンティティ20は、図1においてパケット22としても図示されるリンクレイヤプロトコルデータユニットを生成する。図示の実施形態において、リンクレイヤプロトコルデータユニット22は図示される2つのレイヤのうちレイヤ1もしくは最低位のレイヤであるリンク21上を、ノード26の集中プロトコルエンティティ20からノード26の集中プロトコルエンティティ20へ伝送される。リンクレイヤプロトコルデータユニット(パケット22)は、おそらくヘッダを有し、そのようなヘッダの一部又は全部は、本明細書においてヘッダ圧縮鍵23としても参照される。集中プロトコルエンティティ20は、ヘッダ圧縮鍵23を生成又はフォーマットする鍵フォーマッタ部100を含む。いくつかのパケットフロー(例えば、IP/UDP/RTP及びTCP/IPフロー)が鍵フォーマッタ部100に入来すると、鍵フォーマッタ部100は適切なヘッダ圧縮鍵23を構築し、このヘッダ圧縮鍵23はペイロード25に付加される。
【0038】
受信があると、ノード26の集中プロトコルエンティティ20は、リンク21を介して受信したパケットに、ヘッダ圧縮鍵23をデフォーマットするための鍵でフォーマッタ100及びヘッダ24’を伸張するための伸張システム29の呼び出しを含む様々な動作を実行する。伸張後、ノード26は、ノード26から(例えば、ユーザプレーンへ向かって)発する適切なパケットフローPFへパケットをルーティングすることが可能となる。
【0039】
上述したように、パケット又はリンクレイヤプロトコルデータユニット22は、パケット22のリンクレイヤプロトコルデータ部分に鍵23を含んでいる。一実施形態において、鍵23は本質的にリンクレイヤプロトコルデータユニット22に対するヘッダであり、集中プロトコルエンティティ20に含まれる鍵フォーマット機能100によって生成される。パケット22のリンクプロトコルデータ部分は圧縮されたヘッダ24’(圧縮エンティティシステム29の圧縮動作によって得られる)及びユーザプレーンパケットのペイロード25を含む。
【0040】
図2は、ノード26の集中プロトコルエンティティ20からノード26の集中プロトコルエンティティ20へ移動するリンクレイヤプロトコルデータユニット22又はパケットを多少拡大して示している。図2の図示された実施形態において、ヘッダ圧縮鍵23はリンクレイヤプロトコルデータユニット22の第1オクテットであり、2つのフィールド、具体的には第1のフィールド23A及び第2のフィールド23Bを有する。ここではたまたま、ヘッダ圧縮鍵23において下位5ビットが第1のフィールド23Aを、上位3ビットが第2のフィールド23Bを構成しているが、他の実施形態でこれらフィールドの配置及びサイズが変化しうることを理解すべきである。
【0041】
本発明は様々なモードで動作することが可能であり、そのうち2つが図2で第1のモード及び第2のモードとして示されている。第2のフィールド23Bの値は所与のパケットに対して本発明のどのモードが用いられているかを示す。例えば、第2のフィールド23B中のビットパターン010は本発明の第1のモードが適用可能であることを示すことが可能であり、一方第2のフィールド23B中のビットパターン000は本発明の第2モードが適用可能であることを示すことができる。もちろん、第2のフィールド23Bに対して他のビットパターンの取り決めを用いることができる。さらに、23Bはコンテクスト識別とともに用いるべき特定のヘッダ圧縮アルゴリズムを示すことも可能である。
【0042】
本発明の第1のモードにおいて、第1のフィールド23Aの値は圧縮されたパケットの異なるフローを区別するためだけに用いられる。換言すれば、ヘッダ圧縮鍵23の第2のフィールド23Bが、第1のモードが実施されていることを示す場合、第1のフィールド23Aはコンテクスト識別子(CID)を格納していることが理解される。この本発明の第1のモードにおいて、第1のフィールド23A中の数の全てはコンテクスト識別子(CID)であり、その結果コンテクスト識別子(CID)の番号付けは0から始まり、新しいパケットフローの各々について1つずつ増加しうる。
【0043】
本発明の第2のモードにおいて、ヘッダ圧縮鍵の第1のフィールド23Aは異なるヘッダ圧縮識別子を区別するため、又は圧縮パケットの異なるフローを区別するために利用できる。具体的には、第2のモードにおいて、異なるヘッダ圧縮識別子を区別するためにヘッダ圧縮鍵の第1のフィールド23Aに対する値の第1のサブセットが用いられ、一方圧縮パケットの異なるフローを区別するために第1のフィールド23Aに対する値の第2のサブセットが用いられる。第2のサブセットの値は第1のサブセットの値に引き続くことが好ましい。
【0044】
第2のモードの例として、ヘッダ圧縮鍵23の第1のフィールド23Aの値の最初のk個の値はk個の異なるヘッダ圧縮識別子(例えば、ヘッダ圧縮識別子0から(k−1))を区別するために用いられる。第1のフィールド23Aの残りの値は1つ又はそれより多いヘッダ圧縮アルゴリズムに対する圧縮されたパケット(CID)の異なるフローを区別するために用いることができる。従って、第1のフィールド23Aが5ビットを有する場合、第1のフィールド23AのK+1番目から32番目の値を圧縮コンテクスト識別子と呼ぶことができる。
【0045】
これまでの説明から、ヘッダ圧縮鍵23の第1のフィールド23A中の値が、取りうる値の最初のk番目までの1つであれば、それはヘッダ圧縮識別子として認識される。一方、ヘッダ圧縮鍵23の第1のフィールド23A中の値が、取りうる値の最初のk番目の外側(例えばそれより大きい)であれば、それはフロー識別子(例えばCID)として認識される。
【0046】
図1は、2つのノード26及び26を含む汎用的な電気通信ネットワークにおいて本発明がそのヘッダ圧縮鍵23とともに実装可能であることを示している。他の、例示的な、それに限定されない本発明の実装は、第1のエンティティが無線ネットワークコントローラノード(RNC)に位置するヘッダ圧縮/伸張エンティティであり、第2のエンティティが例えばセルラ電話機又は移動終端機能を有する他の装置であるユーザ装置ユニット(UE)内のヘッダ圧縮/伸張エンティティであるセルラ電気通信ネットワークである。このような実装のための構成の一例であり、それに限定されない構成は、図3に示すユニバーサル移動通信システム(UMTS)3−10である。他の例はGERAN、又はPDCPレイヤをエアインタフェースプロトコルスタックで用いる他の任意の無線アクセスネットワークである。
【0047】
図3のユニバーサル移動通信システム(UMTS)3−10において、雲形3−12として示される、代表的な、コネクションオリエンテッドな外部コアネットワークは、例えば公衆交換電話網(PSTN)及び/又は統合サービスディジタルネットワーク(ISDN)であろう。雲形3−14として示される、代表的な、コネクションレスオリエンテッドな外部コアネットワークは、、例えばインターネットであろう。両コアネットワークは対応するサービスノード3−16に接続される。PSTN/ISDNコネクションオリエンテッドネットワーク3−12は移動通信交換局(MSC)ノード3−18として示される、回線交換サービスを提供するコネクションオリエンテッドサービスノードに接続される。インターネットコネクションレスオリエンテッドネットワーク3−14はパケット交換タイプのサービスを提供するように調整された、時には在圏GPRSサービスノード(SGSN)とも呼ばれる汎用パケット無線サービス(GPRS)ノードに接続される。
【0048】
コアネットワークサービスノード3−18及び3−20の各々は、Iuインタフェースと呼ばれる無線アクセスネットワークインタフェースを介してUMTS陸上無線アクセスネットワーク(UTRAN)3−24に接続する。UTRAN3−24は1つかそれより多い無線ネットワークコントローラ(RNC)3−26を含む。便宜上、図3のUTRAN3−24は1つだけのRNCノード3−26とともに示されている。各RNC3−26は一般に複数の基地局(BS)3−28に接続される。例として、ここでも便宜上、1つの基地局3−28がRNC3−26に接続された状態を示す。各RNCが異なる数の基地局を扱いうること、またこれらRNCが同一数の基地局を取り扱う必要がないことは理解されるであろう。
【0049】
図3に示される、ユーザ装置ユニット(UE)3−30といったユーザ装置ユニット(UE)は、無線又はエアインタフェース3−32を介して1つ又はそれより多い基地局(BS)3−28と通信する無線インタフェース3−32、Iuインタフェース及びIubインタフェースは図3において一点鎖線で示されている。
【0050】
好ましくは、無線アクセスは個々の無線チャネルがCDMA拡散符号を用いて割り当てされる広帯域の符号分割多元アクセス(WCDMA)に基づく。もちろん、他のアクセス方法、例えばGERANを用いることも可能である。WCDMAは広い帯域幅をマルチメディアサービス及び他の高伝送速度要求に対して提供するとともに、高品質を保証するためのダイバーシチハンドオフ及びRAKE受信器のようなロバスト性を高める機能を提供する。基地局3−28が特定のユーザ装置ユニット(UE)からの伝送を識別するためのみならず、ユーザ装置ユニット(UE)が基地局からそのユーザ装置ユニット(UE)に宛てられた伝送を、同一領域内に存在する他の全ての伝送及び雑音から識別するため、ユーザ移動機又は装置ユニット(UE)3−30の各々は、固有のスクランブル符号を割り当てられる。
【0051】
図4はユーザ装置ユニット(UE)3−30の選択された一般面及び無線ネットワークコントローラ3−26及び基地局3−28といったノードの具体例を示す。図4に示すユーザ装置ユニット(UE)3−30は、ユーザ装置ユニット(UE)によって要求された様々な動作を制御するためのデータ処理及び制御部3−31を含んでいる。UEのデータ処理及び制御部3−31はアンテナ3−35に接続された無線送受信器にデータ及び制御信号を供給する。
【0052】
図4に示す例示的な無線ネットワークコントローラ3−26及び基地局3−28はその各々が、RNC3−26とユーザ装置ユニット(UE)3−30間での通信を行うのに必要な様々な動作を制御するための、対応するデータ処理及び制御部3−36及び3−37を含む無線ネットワークノードである。基地局データ処理及び制御部3−37によって制御される装置の一部には、1つ又はそれより多いアンテナ3−39に接続される複数の無線送受信器3−38が含まれる。
【0053】
図3及び図4のユニバーサル移動通信システム(UMTS)3−10において、集中プロトコルエンティティ20及び集中プロトコルエンティティ20はそれぞれパケットデータ集中プロトコル(PDCP)エンティティ20及び20の形態を取っている。PDCPエンティティ20及び20はそれぞれ無線ネットワークコントローラ(RNC)ノード3−26及びユーザ装置ユニット(UE)3−30に位置している。従って、その意味では、ユーザ装置ユニット(UE)3−30は少なくともリンクレイヤに関連するノードとして見ることができる。図1の実施形態のように、PDCPエンティティ20及び20はそれぞれ圧縮システム29及び29を有する。また、図1の鍵フォーマッタ/デフォーマッタ機能100と同様に、PDCPエンティティ20及び20はそれぞれPDCP PDUヘッダフォーマッタ/デフォーマッタ100及び100を有する。
【0054】
図3に示される時点では、無線ネットワークコントロール(RNC)ノード3−26からユーザ装置ユニット(UE)3−30への方向のパケットフローのみが示されている。この時点で、PDCPエンティティ20は(本発明のヘッダ圧縮鍵23を挿入するPDCP PDUヘッダフォーマッタ/デフォーマッタ100を用いて)ヘッダ圧縮を実行しており、その間PDCPエンティティ20は伸張等を実行している。しかし、パケットフローは通常双方向性であり、パケットはユーザ装置ユニット(UE)3−30から無線ネットワークコントロール(RNC)ノード3−26へも移動し、このパケットに対してPDCPエンティティ20が(本発明のヘッダ圧縮鍵23を挿入するPDCP PDUヘッダフォーマッタ/デフォーマッタ100を用いて)ヘッダ圧縮を実行し、その間PDCPエンティティ20は伸張を実行することを理解すべきである。
【0055】
図3及び図4の実施形態例において、ヘッダ圧縮鍵はリンクレイヤプロトコルのプロトコルデータユニットのヘッダであり、特にパケットデータ集中プロトコル(PDCP)として知られるプロトコルについてのプロトコルデータユニットのヘッダである。上述したように、パケットデータ集中プロトコル(PDCP)は例えば第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)仕様書3G TS 25.323 V3.3.0(2000−09)に記載されている。図3及び図4の実施形態において、ヘッダ圧縮鍵23の第1のフィールド23Aはプロトコルデータユニット(PDU)のヘッダのPID形式フィールドであり、第2のフィールド23Bはプロトコルデータユニット(PDU)のヘッダのPDU形式フィールドである。
【0056】
図5は図1と似ているが、ヘッダ圧縮鍵がパケットデータ集中プロトコル(PDCP)に対するプロトコルデータユニットのヘッダであり、またパケットフローがインターネットプロトコル(IP)パケットフローである、図3及び図4の実施形態の特別な場合を示している。この実施形態例において、圧縮されたパケットの異なるフロー間の区別は、ヘッダ圧縮鍵23のPIDフィールド(例えば、フィールド23A)に挿入される、圧縮/伸張アルゴリズムについてのコンテクスト識別子によって容易になる。圧縮/伸張アルゴリズムについてのコンテクスト識別子(CID)は、リンクレイヤでのパケット形式識別を必要としないロバストヘッダ圧縮(ROHC)アルゴリズムのような圧縮/伸張アルゴリズムに関するものであることが好ましい。
【0057】
図5及び図6から、PDCPサービスデータユニット(PDCP SDU)として知られるパケットが、ユーザプレーンから(PDCPエンティティ20といった)PDCPエンティティで受信されることがわかる。PDCP SDUは一般にヘッダ24及びペイロード25を含む。本実施形態においてPDCP SDUヘッダ24はIPヘッダ、UDPヘッダ及びRTPヘッダ(これらを全てまとめてIPヘッダと呼ぶ)を含んでいる。別の例としては、PDCP SDUヘッダ24がIPヘッダ及びTCPヘッダを有する。ROHC圧縮アルゴリズムの使用において、圧縮エンティティ29はヘッダ24を圧縮し、圧縮ヘッダ24’を形成する。圧縮ヘッダ24’はまた、図6においてROHCヘッダと呼ばれる。ペイロート又はデータ25は圧縮ヘッダ24’とともにPDCP PDUデータを形成する。ここで検討される一実施形態例において、圧縮ヘッダ24’はROHCヘッダだが、任意のヘッダ圧縮アルゴリズムから圧縮ヘッダを挿入することが可能である。
【0058】
PDCPエンティティ20はPDCPプロトコルデータユニット(PDCP PDU)を生成する。動作のあるケース(図6に示すケースA)において、PDCP PDUはPDCP PDUヘッダとして知られるヘッダを有する。しかし、動作の他のケース(図6に示すケースB)においては、PDCP PDUはヘッダを持つ必要がない(第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)仕様書3G TS 25.323 V3.3.0(2000−09)、セクション8.2.1を参照)。PDCPヘッダが含まれる場合には、上述したように、PDCP DPUヘッダフォーマッタ/デフォーマッタ100がヘッダ圧縮鍵23を含むようにPDCPヘッダを生成する。
【0059】
図5及び図6によっても説明される図3及び図4の実施形態は、(本質的に図1の実施形態と同様にして)本発明の第1のモード又は第2のモードで動作可能である。第1のモードにおいて、PDCP PDUヘッダのPIDフィールド23Aは圧縮パケットの異なるフロー間の区別のためにのみ用いられ、従ってPIDフィールド23A内の全ての数はコンテクスト識別子(CID)と見なされる。本発明の第2のモードにおいて、PIDフィールド23Aの値が値の第1のサブセット又は範囲内であれば、PIDフィールド23Aの中身は特定の圧縮識別子(compression identifier)であると見なされる。一方、第2のモードにおいて、PIDフィールド23Aの値が値の第2のサブセット又は範囲内であれば、PIDフィールド23Aの中身は異なるパケットフローを区別するための特定のコンテクスト識別子(CID)であると見なされる。
【0060】
図1の実施形態のように、フィールド23B、例えばPDU形式フィールドの中身は、PDCP PDUが第1のモード又は第2のモードのどちらの対象であるかを示す。PDU形式フィールドにおけるビットパターンを表2に説明する。
【0061】
【表2】
Figure 2004511178
【0062】
表3は、PIDフィールド23Aが5ビットであるとした場合、本発明の第1のモードにおいて、PIDフィールド23AにどのようにCID値が割り当てられるかを説明する。表3において、RFCxxxxは例えばRFC2507といった任意のRFC関連圧縮手法を参照することが可能である。
【0063】
【表3】
Figure 2004511178
【0064】
表4は、PIDフィールド23Aが同じビットサイズ(5ビット)であると仮定して、ROHC及びRFC2507圧縮の両方で同じPDCP PDU形式がが使用される際に、本発明の第2のモードに従ってPIDフィールド23AにCID値がどのように割り当てされるかを説明する。図4に示す特定の状況において、PID値の最初の10個は表1と同様に割り当てられている。
【0065】
【表4】
Figure 2004511178
【0066】
図6に示すように、ROHC圧縮ヘッダ24’は自らのパケット形式を表すことが可能であるため、PDCPヘッダ23は明示的には必要とされない。しかし、ROHC圧縮ヘッダ24’はコンテクストフローを識別するためにCIDフィールドを必要とする。CIDフィールドはROHC圧縮ヘッダ24’中8ビット又は16ビットの長さを取りうる。コンテクストID(CID)がヘッダ圧縮鍵23(例えば、PDCP PDUヘッダ)のPIDフィールド23Aのフォーマットの中で表現できる場合、CID表示は代わりにPDCP PDUヘッダの中で行うことが可能であり、その場合にはROHC圧縮ヘッダ24’のCIDフィールドは節約のために除去することができる。
【0067】
上述の説明及び表4から、ROHCパケット形式又はコンテクスト識別子(CID)の数が、フィールド23A(例えばPIDフィールド)のサイズ及び、既に圧縮識別子が使用している(例えばRFC2507圧縮が使用している)値のサブセットのサイズに依存することが理解されるであろう。RFC2507パケット形式に対する圧縮識別子の一般的な数は約6であろうと考えられ、それによってフィールド23Aが26のパケットフロー(CID)にも対応することを可能にしている。好ましい実施形態において、パケットフローがヘッダ圧縮鍵23に含まれるCIDを有する場合(例えば、PDCP PDUヘッダのPIDフィールド)、そのCIDがROHC圧縮ヘッダ24’に含まれる必要はない(例えば、ROHCはその”0バイトCIDモード”(0−byte−CID−mode)で動作することが可能である)。
【0068】
フィールド23Aがパケットフローの数に対応するための利用可能な十分な値を第2のサブセットに持たない場合には、ROHCがバックボーンにおいても使用可能であることに留意すべきであり、その場合には存在し得るより多くのフローをサポートするために1又は2バイトのCIDフィールドを利用することが可能である。すなわち、ROHCパケット(例えば図6の、例えば圧縮パケット24’)にはさらなるCID値を含めることが可能である。
【0069】
図7は、本発明に利用可能な、例示的な、それに限定されないRNCノード3−26をいくぶん詳細に示している。図7のRNCノード3−26はたまたま切替器3−26−120を有する交換回線ベースのノードである。切替器3−26−120はRNCノード3−26の他の構成要素の相互接続を提供する。このような他の構成要素は、拡張端子(extension terminal)3−26−124及び拡張端子3−26−122〜3−26−122を含む。基本的に、拡張端子3−26−122〜3−26−122はRNCノード3−26をRNCノード3−26によってサービス提供される基地局3−28に接続し、拡張端子3−26−124はRNCノード3−26をIuインタフェースを越えてコアネットワークへ接続するように機能する。図示していないが、RNCノード3−26をIurインタフェースとして知られる別のインタフェースを越えて他のRNCへ接続するための、1つ又はそれより多い拡張端子がおそらく存在する。
【0070】
RNCノード3−26の更に他の構成要素は、ダイバーシチハンドオーバ装置3−26−126、ALT部3−26−128、コーデック3−26−130、タイミング装置3−26−132、データサービスアプリケーション装置3−26−134及びメインプロセッサ3−26−140を含む。本技術分野に属する当業者は通常これら構成要素の機能を理解するであろう。ALT装置3−26−128は例えば、セルの、異なるプロトコルに関して、多重化及び多重分離並びに(オプションで)待機を提供する装置である。図7の例示的なRNCノード3−26において、メインプロセッサ3−26−140がPDCPエンティティ20を提供し、従ってPDCP DPUヘッダフォーマッタ/デフォーマッタ100を提供する。
【0071】
図8は、本発明の一実施形態に係る基地局(BS)ノード3−28の例の更なる詳細を、それに限定されることなく示している。RNCノード3−26と同様に、図8の基地局(BS)ノード3−28は、基地局(BS)ノード3−28の他の構成要素の相互接続を提供する切替器3−28−220を有する交換回線ベースのノードである。このような他の構成要素は、拡張端子3−28−222、ALT装置3−28−228、BSメインプロセッサ3−28−240及びインタフェース基板3−28−42を含む。
【0072】
拡張端子3−28−22は、基地局(BS)ノード3−28を無線ネットワークコントローラ(RNC)ノード3−26に接続し、従ってIubインタフェースを備える。無線ネットワークコントローラ(RNC)ノード3−26と同様に、ALT装置3−28−228はセルの異なるプロトコルに関して例えば多重化及び多重分離並びに(オプションで)待機を提供する。
【0073】
図8に示される基地局(BS)ノード3−28の具体化は、複数のサブラックを有するラックに収容される。各サブラックはそこに実装される1つ又はそれより多い基板、例えば回路基板を有する。第1のサブラック3−28−250は拡張端子3−28−222、ALT装置3−28−228、BSメインプロセッサ3ー28−240及びインタフェース基板3−28−42のそれぞれに対する基板を格納する。各インタフェース基板3−28−242は別のサブラック上の基板、例えば送信器基板3−28−260の1つ又は受信器基板2−28−270の1つに接続される。各受信器基板3−28−270は対応する送信器基板3−28−260内の所定の送信器/受信器資源を共用するため、送信器基板3−28−260に接続される。送信器基板3−28−260は増幅器及びフィルタ基板3−28−280の対応する1つに接続される。増幅器及びフィルタ基板3−28−280は適切なアンテナ3−39に接続される。例えば、インタフェース基板3−28−2421−Tは送信器基板3−28−60に接続され、一方インタフェース基板3−28−2421−Rは受信器基板3−28−270に接続される。送信器基板3−28−260及び受信器基板3−28−270の組は、次いで増幅器及びフィルタ基板3−28−280に接続される。同様の接続が送信器基板3−28−260及び受信器基板3−28−270の2番目の組についても存在し、それぞれインタフェース基板3−28−2422−T及びインタフェース基板3−28−2422−Rを介してインタフェースする。図4の送受信器3−38の各々は、このようにして、送信器基板3−28−260、受信器基板3−28−270及び増幅器及びフィルタ基板3−28−280を含むサブラックを構成する。
【0074】
一実施形態例において、基地局(BS)ノード3−28は様々なATMインタフェース機能を実行するインタフェース基板3−28−242を有する、ATMに基づくノードである。送信器基板3−28−260及び受信器基板3ー28−270の各々は、いくつかの装置を含む。例えば、各送信器基板3−28−260は、対応するインタフェース基板3−28−242に接続されるインタフェース、符号化器、変調器及びベースバンド送信器といった、図示しない要素を含む。さらに、送信器基板3−28−260は、受信器基板3ー28−270と共用する送信器/受信器資源を含む。この送信器/受信器資源には無線周波数送信器を含む。各受信器基板3−28−270は、対応するインタフェース基板3−28−242に接続されるインタフェース、復号化器、復調器及びベースバンド受信器といった、図示しない要素を含む。増幅器及びフィルタ基板3−28−280の各々は例えばMCPA及びLNA増幅器といった増幅器を含む。
【0075】
本発明は、有利なことに、プロトコルデータユニットのデータ部分(例えば、ヘッダでない部分)で伝送される圧縮レベルヘッダ(例えば、ROHCヘッダ)が、そのコンテクスト識別子を省略することを可能にする。これは、リンクレイヤプロトコルデータユニットのヘッダ中でコンテクスト識別子が代わりに伝送されるためである。従って、本発明はヘッダ伝送に関連するオーバヘッドを削減することが可能である。さらに、本発明は、圧縮/伸張方法がリンクレベルでパケット形式識別を必要とするか否かにかかわらず、圧縮/伸張方法の混合、例えばロバストヘッダ圧縮(ROHC)アルゴリズム及びRFC2507等のIPヘッダ圧縮アルゴリズムの混合を容易にする。このような混合は、RTP/UDP/IPトラフィック(ROHCを用いる)とTCP/IPトラフィック(RFC2507を用いる)の混合といった、複雑なアプリケーションの組み合わせのサポートを可能にする。
【0076】
便宜上、図1の実施形態においてノード26はそれぞれ1つの集中プロトコルエンティティ20を有するものとして記述してきた。同様に、またこれも便宜上、図3及び図4の実施形態においてRNC3−26及びユーザ装置ユニット(UE)3−30の各々が1つのPDCPエンティティ20を有するものとして記述してきた。しかし、図1Aにおいて説明した例示方法と同様に、各ノード(例えば、RNC又はUE)は、実際には複数のエンティティ20を備え得る。例えば、図1Aの代表ノード26は3つの集中プロトコルエンティティ20A〜20Cを有し、各集中プロトコルエンティティは1つかそれより多い圧縮エンティティ(例えば、各々が異なる圧縮/伸張アルゴリズムを実行する複数の圧縮/伸張エンジン)を有する。例えば、集中プロトコルエンティティ20Aが圧縮エンティティ30A及び30Aを、集中プロトコルエンティティ20Bが圧縮エンティティ30B及び30Bを、集中プロトコルエンティティ20Aが圧縮エンティティ30A及び30Aを、集中プロトコルエンティティ20Cが圧縮エンティティ30Cを有する。集中プロトコルエンティティ20A〜20Cの1つ又はそれより多くが同一又は類似の圧縮エンティティを有しても良い。例えば、圧縮エンティティ30Cが圧縮エンティティ30Aと同じ圧縮アルゴリズムを実施しても良い。
【0077】
ここで、本発明がROHC及びRFCxxxx(例えばRFC2507)圧縮アルゴリズムの利用に制限されず、他の圧縮アルゴリズムが完全に本発明の範囲内に含まれることを、特に図1の汎用的な実施形態に関して理解すべきである。ROHCを用いて実施する場合には、ROHCをRFC2507とともに用いる場合、例えばTCP/IP(ベストエフォート)フロー及びRTP/UDP/IP(リアルタイム)が同一のPDCPヘッダに含まれる場合には、少なくともROHCパケット当たり1バイトのオーバヘッドが省かれる。
【0078】
本発明を現時点で最も現実的で好ましいと実施形態であると思われるものに関して説明してきたが、本発明が開示された実施形態に限定されるべきものではなく、むしろ添付の請求項の精神及び範囲内に含まれる様々な変形物及び等価構成を含むことを意図していることを理解すべきである。
【図面の簡単な説明】
【図1】
本発明の実施形態によるヘッダ圧縮鍵を用いるヘッダ圧縮手法を実施する電気通信ネットワークの機能ブロック図である。
【図1A】
図1に示すような電気通信ネットワークのノードが本発明の実施形態に従って複数の集中プロトコルエンティティを有しうることを示す機能ブロック図である。
【図2】
ヘッダ圧縮鍵を用いるリンクレイヤプロトコルデータユニットのフォーマット例を示す図である。
【図3】
本発明のヘッダ圧縮鍵を好適に利用可能な移動通信システムの例を示す図である。
【図4】
ユーザ装置ユニット(UE)局、無線ネットワークコントローラ及び基地局を含む、図3のシステムの一部を単純化した機能ブロック図である。
【図5】
ヘッダ圧縮鍵の実現をさらに詳細に示す、図3の電気通信ネットワークの機能ブロック図である。
【図6】
図3〜5の実施形態に係るPDCP SDU及びPDCP PDUのフォーマット例を示す図である。
【図7】
本発明の一実施形態に係るRNCノードの例を示す模式図である。
【図8】
本発明の一実施形態に係る基地局ノードの例を示す模式図である。

Claims (54)

  1. 圧縮されたヘッダ(24’)を有するパケット(22)を送信して第2のエンティティ(20)と通信する第1のエンティティ(20)を有する電気通信ネットワークであって、
    前記第1のエンティティがさらに前記第2のエンティティへ前記パケットに関するヘッダ圧縮鍵(23)を送信するとともに、前記ヘッダ圧縮鍵23が、圧縮されたパケットの異なるフローを区別するために用いられる第1のフィールド(23A)を有することを特徴とする電気通信ネットワーク。
  2. 圧縮されたヘッダ(24’)を有するパケット(22)を送信して第2のエンティティ(20)と通信する第1のエンティティ(20)を有する、セルラ電気通信ネットワークのノード(26)であって、
    前記第1のエンティティがさらに前記第2のエンティティへ前記パケットに関するヘッダ圧縮鍵(23)を送信するとともに、前記ヘッダ圧縮鍵23が、圧縮されたパケットの異なるフロー(PF〜PF)を区別するために用いられる第1のフィールド(23A)を有することを特徴とするノード。
  3. 圧縮されたヘッダ(24’)を有するパケット(22)を送信して、セルラ電気通信ネットワークのノード(26)に位置する第2のエンティティ(20)と通信する第1のエンティティ(20)を有するユーザ装置ユニット(UE)(3−30)であって、
    前記第1のエンティティがさらに前記第2のエンティティへ前記パケットに関するヘッダ圧縮鍵(23)を送信するとともに、前記ヘッダ圧縮鍵23が、圧縮されたパケットの異なるフロー(PF〜PF)を区別するために用いられる第1のフィールド(23A)を有することを特徴とするユーザ装置ユニット。
  4. 前記ヘッダ圧縮鍵の前記第1のフィールドに対する値の第1のサブセットが、異なるヘッダ圧縮識別子を区別するために用いられ、前記第1のフィールドに対する値の第2のサブセットが前記圧縮されたパケットの異なるフローを区別するために用いられることを特徴とする請求項1、請求項2又は請求項3に記載の装置。
  5. 前記第2のサブセットの値が、前記第1のサブセットの値の後に続くことを特徴とする請求項4記載の装置。
  6. 前記ヘッダ圧縮識別子がヘッダ圧縮方法及びパケット形式を示すことを特徴とする請求項4記載の装置。
  7. 前記ヘッダ圧縮鍵がリンクレイヤプロトコルのプロトコルデータユニットのヘッダに含まれることを特徴とする請求項4記載の装置。
  8. 前記ヘッダ圧縮鍵がパケットデータ集中プロトコル(PDCP)についてのプロトコルデータユニットのヘッダであり、前記第1のフィールドがPID形式フィールドであることを特徴とする請求項7記載の装置。
  9. 前記値の第2のサブセットが圧縮/伸張アルゴリズムについてのコンテクスト識別子を含むことを特徴とする請求項4記載の装置。
  10. 前記値の第2のサブセットが、リンクレイヤレベルでのパケット形式識別を必要としない圧縮/伸張アルゴリズムについてのコンテクスト識別子を含むことを特徴とする請求項4記載の装置。
  11. 前記圧縮/伸張アルゴリズムがロバストヘッダ圧縮(ROHC)アルゴリズムであることを特徴とする請求項10記載の装置。
  12. 前記ヘッダ圧縮鍵がリンクレイヤプロトコルのプロトコルデータユニットに含まれることを特徴とする請求項4記載の装置。
  13. 前記ヘッダ圧縮鍵が、前記ヘッダ圧縮鍵(23)の前記第1のフィールド(23A)が、前記圧縮されたパケットの異なるフローの区別のみに使用されるか否かを示すために用いられる第2のフィールド(23B)を有することを特徴とする請求項1、請求項2又は請求項3に記載の装置。
  14. 前記ヘッダ圧縮鍵の前記第2のフィールドの第1の値が、前記ヘッダ圧縮鍵の前記第1のフィールドが前記圧縮されたパケットの異なるフローの区別のみに使用されることを示し、前記ヘッダ圧縮鍵の前記第2のフィールドの第2の値が、その値に応じて、ヘッダ圧縮識別子又はパケットフロー識別子のいずれかであり得る前記ヘッダ圧縮鍵の前記第1のフィールド内のデータを示すことを特徴とする請求項13記載の装置。
  15. 前記ヘッダ圧縮鍵の前記第1のフィールドの前記データが、値の第1のサブセットに含まれる場合、異なるヘッダ圧縮識別子を区別し、
    前記ヘッダ圧縮鍵の前記第1のフィールドの前記データが、値の第2のサブセットに含まれる場合、圧縮されたパケットの異なるフローを区別することを特徴とする請求項14記載の装置。
  16. 前記第2のサブセットの値が、前記第1のサブセットの値の後に続くことを特徴とする請求項15記載の装置。
  17. 前記ヘッダ圧縮識別子がヘッダ圧縮方法及びパケット形式を示すことを特徴とする請求項15記載の装置。
  18. 前記ヘッダ圧縮鍵がリンクレイヤプロトコルのプロトコルデータユニットのヘッダに含まれることを特徴とする請求項15記載の装置。
  19. 前記ヘッダ圧縮鍵がパケットデータ集中プロトコル(PDCP)についてのプロトコルデータユニットのヘッダに含まれ、前記第1のフィールドがPID形式フィールドであることを特徴とする請求項18記載の装置。
  20. 前記値の第2のサブセットが圧縮/伸張アルゴリズムについてのコンテクスト識別子を含むことを特徴とする請求項15記載の装置。
  21. 前記値の第2のサブセットが、リンクレイヤレベルでのパケット形式識別を必要としない圧縮/伸張アルゴリズムについてのコンテクスト識別子を含むことを特徴とする請求項20記載の装置。
  22. 前記圧縮/伸張アルゴリズムがロバストヘッダ圧縮(ROHC)アルゴリズムであることを特徴とする請求項21記載の装置。
  23. 前記ヘッダ圧縮鍵がリンクレイヤプロトコルのプロトコルデータユニットのヘッダに含まれることを特徴とする請求項13記載の装置。
  24. 前記ヘッダ圧縮鍵がパケットデータ集中プロトコル(PDCP)についてのプロトコルデータユニットのヘッダに含まれ、前記第2のフィールドがPDU形式フィールドであることを特徴とする請求項23記載の装置。
  25. 前記ヘッダ圧縮鍵がリンクレイヤプロトコルのプロトコルデータユニットに含まれることを特徴とする請求項13記載の装置。
  26. 前記パケットがインターネットプロトコル(IP)パケットであることを特徴とする請求項1、請求項2又は請求項3に記載の装置。
  27. 前記電気通信ネットワークがセルラ電気通信ネットワークであり、前記第1のエンティティが少なくとも部分的にエアインタフェース(3−32)を介して前記第2のエンティティと通信することを特徴とする請求項1、請求項2又は請求項3記載の装置。
  28. 前記電気通信ネットワークがセルラ電気通信ネットワークであり、前記第1のエンティティ及び前記第2のエンティティの少なくとも一方が無線ネットワークコントローラノード(RNC)及びユーザ装置ユニット(UE)の一方に位置していることを特徴とする請求項1、請求項2又は請求項3記載の装置。
  29. 圧縮されたヘッダ(24’)を有するパケット(22)を送信して第2のエンティティ(20)と通信する第1のエンティティ(20)を有する電気通信ネットワークを操作する方法であって、
    前記第1のエンティティがさらに前記第2のエンティティへ前記パケットに関するヘッダ圧縮鍵(23)を送信するステップを有し、
    前記ヘッダ圧縮鍵23が、圧縮されたパケットの異なるフロー(PF〜PF)を区別するために用いられる第1のフィールド(23A)を有することを特徴とする方法。
  30. 前記ヘッダ圧縮鍵の前記第1のフィールドに対する値の第1のサブセットが、異なるヘッダ圧縮識別子を区別するために用いられ、前記第1のフィールドに対する値の第2のサブセットが前記圧縮されたパケットの異なるフローを区別するために用いられることを特徴とする請求項29記載の方法。
  31. 前記第2のサブセットの値が、前記第1のサブセットの値の後に続くことを特徴とする請求項30記載の方法。
  32. 前記ヘッダ圧縮識別子がヘッダ圧縮方法及びパケット形式を示すことを特徴とする請求項30記載の方法。
  33. 前記ヘッダ圧縮鍵がリンクレイヤプロトコルのプロトコルデータユニットのヘッダに含まれることを特徴とする請求項30記載の方法。
  34. 前記ヘッダ圧縮鍵がパケットデータ集中プロトコル(PDCP)についてのプロトコルデータユニットのヘッダであり、前記第1のフィールドがPID形式フィールドであることを特徴とする請求項33記載の方法。
  35. 前記値の第2のサブセットが圧縮/伸張アルゴリズムについてのコンテクスト識別子を含むことを特徴とする請求項30記載の方法。
  36. 前記値の第2のサブセットが、リンクレイヤレベルでのパケット形式識別を必要としない圧縮/伸張アルゴリズムについてのコンテクスト識別子を含むことを特徴とする請求項30記載の方法。
  37. 前記圧縮/伸張アルゴリズムがロバストヘッダ圧縮(ROHC)アルゴリズムであることを特徴とする請求項36記載の方法。
  38. 前記ヘッダ圧縮鍵がリンクレイヤプロトコルのプロトコルデータユニットに含まれることを特徴とする請求項30記載の方法。
  39. 前記ヘッダ圧縮鍵が、前記ヘッダ圧縮鍵(23)の前記第1のフィールド(23A)が、前記圧縮されたパケットの異なるフローの区別のみに使用されるか否かを示すために用いられる第2のフィールド(23B)を有することを特徴とする請求項29記載の方法。
  40. 前記ヘッダ圧縮鍵の前記第2のフィールドの第1の値が、前記ヘッダ圧縮鍵の前記第1のフィールドが前記圧縮されたパケットの異なるフローの区別のみに使用されることを示し、前記ヘッダ圧縮鍵の前記第2のフィールドの第2の値が、その値に応じて、ヘッダ圧縮識別子又はパケットフロー識別子のいずれかであり得る前記ヘッダ圧縮鍵の前記第1のフィールド内のデータを示すことを特徴とする請求項39記載の方法。
  41. 前記ヘッダ圧縮鍵の前記第1のフィールドの前記データが、値の第1のサブセットに含まれる場合、異なるヘッダ圧縮識別子を区別し、
    前記ヘッダ圧縮鍵の前記第1のフィールドの前記データが、値の第2のサブセットに含まれる場合、圧縮されたパケットの異なるフローを区別することを特徴とする請求項40記載の方法。
  42. 前記第2のサブセットの値が、前記第1のサブセットの値の後に続くことを特徴とする請求項41記載の方法。
  43. 前記ヘッダ圧縮識別子がヘッダ圧縮方法及びパケット形式を示すことを特徴とする請求項41記載の方法。
  44. 前記ヘッダ圧縮鍵がリンクレイヤプロトコルのプロトコルデータユニットのヘッダに含まれることを特徴とする請求項41記載の方法。
  45. 前記ヘッダ圧縮鍵がパケットデータ集中プロトコル(PDCP)についてのプロトコルデータユニットのヘッダに含まれ、前記第1のフィールドがPID形式フィールドであることを特徴とする請求項44記載の方法。
  46. 前記値の第2のサブセットが圧縮/伸張アルゴリズムについてのコンテクスト識別子を含むことを特徴とする請求項44記載の方法。
  47. 前記値の第2のサブセットが、リンクレイヤレベルでのパケット形式識別を必要としない圧縮/伸張アルゴリズムについてのコンテクスト識別子を含むことを特徴とする請求項46記載の方法。
  48. 前記圧縮/伸張アルゴリズムがロバストヘッダ圧縮(ROHC)アルゴリズムであることを特徴とする請求項47記載の方法。
  49. 前記ヘッダ圧縮鍵がリンクレイヤプロトコルのプロトコルデータユニットのヘッダに含まれることを特徴とする請求項39記載の方法。
  50. 前記ヘッダ圧縮鍵がパケットデータ集中プロトコル(PDCP)についてのプロトコルデータユニットのヘッダに含まれ、前記第2のフィールドがPDU形式フィールドであることを特徴とする請求項49記載の方法。
  51. 前記ヘッダ圧縮鍵がリンクレイヤプロトコルのプロトコルデータユニットに含まれることを特徴とする請求項39記載の方法。
  52. 前記パケットがインターネットプロトコル(IP)パケットであることを特徴とする請求項29記載の方法。
  53. 前記電気通信ネットワークがセルラ電気通信ネットワークであり、前記第1のエンティティが少なくとも部分的にエアインタフェース(3−32)を介して前記第2のエンティティと通信することを特徴とする請求項29記載の方法。
  54. 前記電気通信ネットワークがセルラ電気通信ネットワークであり、前記第1のエンティティ及び前記第2のエンティティの少なくとも一方が無線ネットワークコントローラノード(RNC)及びユーザ装置ユニット(UE)の一方に位置していることを特徴とする請求項29記載の方法。
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