JP2004510825A - レーザ視力矯正手術後の角膜と上皮下のもやを防止するためのプラスミノゲンアクチベータ(plasminogenactivator) - Google Patents

レーザ視力矯正手術後の角膜と上皮下のもやを防止するためのプラスミノゲンアクチベータ(plasminogenactivator) Download PDF

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Abstract

本発明は、エキシマレーザPRK、LASIK後の、角膜上皮下のもやを防止あるいは低減させるための方法を示す。この方法によれば、治療に効果的な量の1つあるいはそれ以上のプラスミノゲンアクチベータ(最も好ましいのはウロキナーゼ(uPA)が、手術の日は約8回〜12回、その後6日間〜12日間は1日あたり4回〜8回、0.1〜2500IU/mlのレベルで、病んでいる目の表面に投与される。最も好ましい治療法の量は、約0.1〜1IU uPA/mlまたは1〜10IU/mlである。本発明に使用することができるプラスミノゲンアクチベータは、ウロキナーゼ、プロウロキナーゼ、組織プラスミノゲンアクチベータ、ストレプトキナーゼ、それらの変異体である。本発明はまた、手術後の角膜上皮下のもやを防止あるいは低減させるための1つかあるいはそれ以上のプラスミノゲンアクチベータ(最も好ましくはuPA)を含む局部的な眼病用の構成物を含む。

Description

[発明の技術分野]
[関連出願の相互参照]
本出願は、仮アメリカ特許出願番号60/240,264(出願日:2000年10月13日)に対する優先権を主張するものである。
【0001】
本発明は、特にPRK(photorefractive keratectomy、屈折矯正角膜切除術)、LASIK(laser in situ keratomileusis)などのレーザ視力矯正手術後、およびその他の角膜障害後の、角膜上皮下(corneal subepithelial)のもや(haze)を防止あるいは低減するために用いられる調剤方法および生成物に関するものである。
【0002】
[関連技術の説明]
レーザ屈折手術は、完全に健康な目に対してますます多く実施されており、有害な手術結果は病気の目の治療よりも受け入れられない。角膜の治療の異常によるレーザ屈折手術に伴う併発症は、中心視覚のもやを含む。
角膜は、目の屈折力における3分の2の役割を負っており、外科的手術の志願者はその屈折力の矯正を目当てとする。ArFエキシマレーザによって作られた傷の性質は、このようなレーザを上皮層を除去した後の角膜を直接に光学的に切除する(photoablate)ために使うという概念を提案した。その効果は、角膜表面の輪郭を再度描き、新しい前部の曲率半径を定義し、すなわちPRKと呼ばれる技術であり、それによって角膜の光学的能力(optical power)を改める。その手術は、合理的に安全で、効果的で、予測可能な技術であり、穏やかな近視に矯正するための技術である。PRKや他の全てのレーザ手術の最も頻繁に報告されている併発症は、眩輝(glare)や光輪(haloes)、夜視力(night vision)の困難さや、対比感覚(contrast sensitivity)の減少、眼内圧(intraocular pressure)の一時的な増加、軽い上皮下のもや、近視の逆行(myopic regression)を含む。
[Azar DT,Steinert RF,Stark WJ,eds. Excimer Laser Phototherapeutic Kerattectomy(エキシマレーザ光学療法の角膜切除術).Baltimore,MD:Williams&Wilkins;1997,157−173.中のChan TK,Ashraf MF,AzarDT. Photorefractive keratectomy(PRK) outcomes and complications(屈折矯正角膜切除術(PRK)の成果および併発症).
:Hadden OB,Ring CP,Morris AT,Elder MJ.Visual,refractive,and subjective outcomes after photorefractive kerattectomy for myopia of 6 to 10 diopters using the Nidek laser(ニデックレーザを使用する6〜10ジオプトリの近視に対する屈折矯正角膜切除術後の視覚的、屈折的および自覚的な結果).J Catatract Refract Sung 1998;25:936−942]
レーザ屈折手術は、近視や他の屈折誤差(refractive errors)を矯正するために、エキシマレーザを使って目の角膜上で行われる。PRKでは、角膜上皮全体が取り除かれ、エキシマレーザがボーマン層(Bowman layer)と前部の基質層(anterior stroma)に適用される。おおよそ10μmの切除深さが、1ジオプトリの近視を矯正する。角膜を造り直す結果は、その視力を改める。あるいは、LASIKでは、角膜中央の表面から薄いフラップ(flap)を作りだすための吸引リング(suction ring)と微小角膜切開刀(microkeratome)を使う。基質の下の層(underlying stromal bed)は、エキシマレーザで治療され、フラップ(flap)が再び位置決めされる。PRKおよびLASIKの大多数の場合、屈折の結果は意図した屈折の±0.5ジオプトリ以内である。普通は手術後2日〜3日以内で人間の角膜の再上皮化(re−epithelialization)が生じる。レーザ手術後の併発症は、傷を治す過程でのでこぼこのために、過度の近視の逆行と、角膜の透明度の妨害(もや、くもり、瘢痕)とを含む。LASIKではフラップ(flap)に関連する併発症も起こりうる。長期間における効力は、一般にはその2つの手段の間で同様である。レーザ屈折手術は、完全に健康な目に対して実施されるため、選択的であり、美容外科と似ている。健康な目における併発症は、病気の目にも増して受け入れられない。レーザ視力矯正手術の数は指数的に増加しつづけているため、処置の結果として幾らかの患者に現れる上皮下のもや、あるいはくもりなどの併発症を減らすさらに大きな必要性がある。
【0003】
レーザ矯正手術後の角膜上皮下のもや、あるいは曇りは、前部の基質層板(stromal lamellae)組織が分裂させられた結果として生じる。角膜のもやは、手術後数週間〜数箇月まで明瞭ではない。その継続期間は、数週間〜数箇月にもなりうるし、いくつかの出来事が1年以上も長く続いて起こることもある。その激しさも軽いものから強いものまで有りうる。もやの有病率(prevalence)に関する報告には広い変動性があるが、今までのところは、手術後の角膜のもやを治療し、低減させるかあるいは防止するための有効な治療法は見つけられていない。
【0004】
薬理学的に安全で、レーザ手術後および他の角膜障害の角膜のもやを防止あるいは低減することができる効果的な薬の大きな必要性がある。本発明は、そのような薬を開示し、そのような方法を提供するものである。
【0005】
[発明の要約]
本発明の目的は、治療に有効な量の1つかあるいはそれ以上のプラスミノゲンアクチベータを、レーザ手術後に影響された目の表面に適用することにより、レーザ手術後の角膜上皮下のもやの防止あるいは軽減するための方法を提供することである。本発明の方法は、特にPRK(photorefractive keratectomy、屈折矯正角膜切除術)およびLASIK(laser in situ keratomileusis)後のもやを防止するために考案された。しかしながら、この方法は、目の手術の間に角膜の光学的切除(photoablation)を含む、もやを引き起こすことが見込まれる全ての目の障害におけるもやを防止あるいは低減させる。本発明の方法に使用するためのプラスミノゲンアクチベータは、ウロキナーゼ(urokinase;uPA)、プロウロキナーゼ(prourokinase)、組織プラスミノゲンアクチベータ(tissue plasminogen activator)、ストレプトキナーゼ(Streptokinase)、およびそれらの変異体(mutants)である。最も好ましい具体例では、ウロキナーゼが単独で用いられる。
【0006】
最も好ましい具体例において、治療上有効な量のプラスミノゲンアクチベータが、レーザ手術、その他の目の手術、もやの形成に関する目の障害や病気の直後から12日間まで1日あたり数回、生理学的に目に対して受け入れることができる担体で、目の表面に適用される。1つの具体例として、治療上有効な量のプラスミノゲンアクチベータが、手術の当日あるいは傷害が始まった日に、手術または傷害後すぐに8回〜12回、そして、次の6日間〜12日間には1日につき4回〜8回、影響を受けた目の表面に局部的に適用される。最も好ましい具体例では、プラスミノゲンアクチベータ(最も好ましくはウロキナーゼ)が、手術あるいは傷害の直後から1日目がスタートし、1日につき約12回(例えば、不眠の間1時間毎に)適用される。そして、手術後2日目〜7日目は、1日につき5回(2時間毎に)適用される。
【0007】
本発明に用いるための、治療に有効なプラスミノゲンアクチベータの量は、約0.1IU/ml〜2,500IU/mlであり、最も好ましくは0.1IU/ml〜1IU/ml、他の具体例においては1IU/ml〜10IU/mlと10IU/ml〜100IU/mlとが含まれる。
【0008】
また、本発明は、レーザ手術後および他の眼科手術後の、あるいは目の傷害に起因する、角膜上皮下のもやを防止あるいは低減するために目に使われることに適し、生理学上適用できる担体を明確にされた、1つあるいはそれ以上の治療に有効な量のプラスミノゲンアクチベータの入っている局所的な眼病用の構成物を示す。本発明の構成物に使われるプラスミノゲンアクチベータは、好ましくはウロキナーゼであるが、プロウロキナーゼ、組織プラスミノゲンアクチベータ、ストレプトキナーゼ、およびそれらの変異体を含む。上記構成物における、治療に有効なプラスミノゲンアクチベータの量は、約0.1IU/ml〜2,500IU/mlであり、最も好ましくは0.1IU/ml〜1IU/ml、他の好ましい具体例においては1IU/ml〜10IU/mlと10IU/ml〜100IU/mlとが含まれる。
【0009】
[詳細な説明]
1.定義
癒着(adhesions)は、ここでは、漿膜の表面に投げ出された繊維性の帯(a fibrous band)、滲出液または組織が、その箇所であるいは傷の反対の表面で結合する、つながる、あるいは付着することを意味する。角膜の癒着は目におけるもやとは異なる。
【0010】
もや(haze)は、ここでは、角膜上皮下のもやを意味する。そしてそれは、角膜の透明度を妨害し、視覚をかすませ、あるいは曇らせる。もやは、活性化された角膜実質細胞および害された細胞外基質によって分泌された非組織的なコラーゲン繊維の存在によって引き起こされる。もやが出現する時には、手術後数週間から数ヶ月、ふつうは初めの1ヶ月、強度な場合には3ヶ月〜6ヶ月で現れ、解消するまでに1年は存続しうる。
【0011】
プラスミノゲンアクチベータは、ここでは、ウロキナーゼ、プロウロキナーゼ、組織プラスミノゲンアクチベータ、ストレプトキナーゼ、およびこれらの全ての酵素の変異体である。
ウロキナーゼは、元々は人間を含む哺乳類や他の脊椎動物の尿の中で見つけられた酵素を意味し、ここでは、人間の腎臓の実質細胞によって作られた、プラスミノゲンアクチベータとしての機能を有するものである。ウロキナーゼは、治療において血栓溶解剤(線溶薬)として用いられる。uPAの商業生産物は、尿の調剤品の中で有力な高分子量(分子量(MW)=50,000〜54,000)の形態と、長期期間の細胞培養から遊離させて形成された低分子量(MW=31,300〜33,000)の形態とを含む。uPAは、シーエーエス登録(CAS registry)#9039−53−6、およびメルクインデックス(Merck Index)10024、およびエイナックス(EINACS)#232−917−9と同一である。uPAは、免疫理論上、tPAとは区別される。
【0012】
ここで使われる組織プラスミノゲンアクチベータ(tPA)は、黒色腫細胞の中で独自に発見された、広い種類の組織からの血管の内皮細胞の産物であるプラスミノゲンアクチベータを意味する。
【0013】
ここで使われる国際単位(IU)は、色原体のペプチド基質D−valyl−L−leucyl−L−lysine−p−nitroanilide(S−2551)を用いたuPAの製剤に関する第1回国際評価(イギリス・ロンドンの国立生物学制御研究所、コード66/46)(the 1st International Reference Preparation for uPA(66/46,National Institute for Biological Control,London,UK)で標準化されたプラスミノゲンアクチベータ活動係数を意味する。
【0014】
2.説明
本発明は、手術直後から、手術後の初めの12日までの間、望ましくは点眼により、1つかあるいはそれ以上の治療上有効なプラスミノゲンアクチベータ(最も好ましくはウロキナーゼ)を角膜へ供給することによって、レーザ眼科手術(特に、PRKおよびLASIK)後の角膜上皮下のもやを低減あるいは防止するための方法を提供するものである。7日間の治療が好適である。治療上有効な量のプラスミノゲンアクチベータは、約0.1IU/ml〜2,500IU/mlである。最も好ましくは0.1IU/ml〜1IU/mlであり、別の好ましい具体例では1IU/ml〜10IU/mlと10IU/ml〜100IU/mlを含んでいる。本発明はまた、レーザ手術および他の目の手術、あるいは目の傷害に起因する角膜上皮下のもやを防止あるいは低減するための、0.1IU/ml〜2,500IU/mlの範囲の(最も好ましくは0.1IU/ml〜1IU/mlであり、他の好ましい具体例は1IU/ml〜10IU/mlと10IU/ml〜100IU/mlを含む)、治療上有効な量のプラスミノゲンアクチベータを含み、生理学上適用できる目に使うことに適した担体で構成された、局所的な眼病用の構成物を示す。本発明の方法と構成物で使うことができるプラスミノゲンアクチベータは、ウロキナーゼ、ウロキナーゼ変異体、プロウロキナーゼおよびプロウロキナーゼ変異体、組織プラスミノゲンアクチベータ、組織プラスミノゲンアクチベータ変異体、ストレプトキナーゼおよびストレプトキナーゼ変異体を含む。
【0015】
エキシマレーザ屈折矯正角膜切除術(PRK)は、近視、遠視、乱視の矯正に用いられる。エキシマレーザは、分子結合を壊すために十分な光子エネルギーを与えることによって、光学的な切除による分解によって組織を取り除く。前部の表面を横切る組織の選択的な切除の結果、前部の角膜の曲率が変化する。手術前の屈折の誤差によって多少の変動はあるが、大多数の場合、屈折の結果は意図した屈折の±0.5ジオプトリ以内である。外科手術の結果は、傷の治癒における個体差および薬学的な干渉によって影響される。
【0016】
PRK併発症は、過度の近視の逆行、もや、そして局所的または拡散的に密集した傷跡を含む。
[Lohmalm CP, Gartry DS, Muir MK, Timberlake GT, Fitzke FW, Marshall J.Corneal haze after excimer laser refractive surgery: objective measurements and functional implications(エキシマレーザ屈折手術後の角膜のもや:客観的な測定および機能の係り合い).Eur J Ophthalmol.1991;1:173−180、Lohmann CP, Marshall J.Plasmin− and plasminogen−activator inhibitors after excimer laser photorefractive keratectomy(エキシマレーザ屈折矯正角膜切除術後のプラスミンアクチベータ阻害剤およびプラスミノゲンアクチベータ阻害剤:手術後の近視の逆行およびもやの予防における新しい概念): new concept in prevention of postoperative myopic regression and haze. Refract Corneal Surg.1993;9:300−302.]
組織学的に、もやは、活性化された角膜実質細胞(keratocytes)および害された細胞外基質によって分泌された非組織的なコラーゲン線維の存在によって引き起こされる。もやが出現する時には、もやはPRK手術後数週間、ふつうは初めの1ヶ月、強度な場合には3ヶ月〜6ヶ月現れ、解消するまでに1年は存続しうる。ほとんどの場合、もやは6ヶ月後には結局なくなる。手術後、最も長い存続期間は、12ヶ月以上である。レーザ手術後の人間の角膜の完全な再上皮化(re−epithelialization)は、ふつうは手術後2日〜4日で完成される。しかしながら、正常な上皮の厚さは、手術後6ヶ月までは観察されない。(例えば、Lohmann et al.1991参照)もやの危険因子は、より高いレベルの近視の矯正、手術後のステロイド薬物治療の拒絶、ステロイドに引き起こされた眼内圧反応、コラーゲン血管病(collagen vascular disease)およびその他の自己免疫疾患を含むと示唆されている。[Azar DT,Steinert RF,Stark WJ,eds. Excimer Laser Phototherapeutic Kerattectomy(エキシマレーザ光学療法の角膜切除術).Baltimore,MD:Williams&Wilkins;1997,157−173.中のChan TK,Ashraf MF,AzarDT. Photorefractive keratectomy(PRK) outcomes and complications(屈折矯正角膜切除術(PRK)の成果および併発症).:Hadden OB,Ring CP,Morris AT,Elder MJ.Visual,refractive,and subjective outcomes after photorefractive kerattectomy for myopia of 6 to 10 diopters using the Nidek laser(ニデックレーザを使用する6〜10ジオプトリの近視に対する屈折矯正角膜切除術後の視覚的、屈折的および自覚的な結果).J Catatract Refract Sung 1998;25:936−942;Azar DT, ed.Refractive Surgery(屈折手術).Stamford,CT;Appleton & Lange; 1997:41−61.中の、Azar DT, Hahn TW, Khoury, JM.Corneal wound healing following laser surgery(レーザ手術後の角膜の傷の治療).:Carones F,Fiore T,Brancato R.Mechanical vs. alcohol epithelial removal during photorefractive keratectomy(屈折矯正角膜切除術の間のアルコールに対する機械的な上皮の除去).J Refract Surg 1999;15:556−562; and Siganos DS, Katsanevaki VJ, Pallikaris IG.Correlation of subepithelial haze and refractive regression 1 month after photorefractive keratectomy for myopia(近視に対する屈折矯正角膜切除術の1ヵ月後の上皮下のもやと屈折力の逆行との相関関係).J Refract Surg 1999;15:338−342.]
文献によれば、LASIKでは、約8.7%の人にさまざまな程度の手術後のもやが発生することが示されている。[Farah SG, Azar DT, Gurdal C, Wong J. Laser in situ keratomileusis:literature review of a developing technique(LASIK:発展する技術の文献調査).J Cataract Refract Surg 1998;24:989−1 006.]PRKについては、8%の発生頻度で観察されている。[Csutak A. Toezser J, Bekesi L, Hassan Z. Berta A. Silver DM. Plasminogen activator activity in tears after excimer laser photorefractive keratectomy(エキシマレーザ屈折矯正角膜切除術後の涙中のプラスミノゲンアクチベータ活動係数).Invest Ophthalmol Vis Sci 2000,41:3 743−3747.]もやの形成の頻度や激しさを低減することは、たとえそれが手術の事例の一部に過ぎないとしても、臨床上重要である。
【0017】
傷の治療は、2つの主なシステム、すなわち活性剤および阻害剤によって制御されるシステムによって調節される。第1のシステムは、プラスミノゲンアクチベータ−プラスミンシステムであり、害を受けた細胞外基質の障害の抑制および除去を必要とする。第1のシステムには、ウロキナーゼおよび組織プラスミノゲンアクチベータ(tPA)の両方が含まれる。[McDonnell PJ.Excimer laser corneal surgery: new strategies and old enemies(エキシマレーザ角膜手術:新しい戦術および古い大敵).Invest Ophthalnol Vis Sci. 1995;36:4−8:Gaster RN,Binder PS,Coalwell K,Berns M,McCord RC,Burstein NL.Corneal surface ablation by 193mm excimer laser and wound healing in rabbits(うさぎにおける193mmエキシマレーザによる角膜表面の除去および傷の治癒).Invest Ophthalmol Vis Sci. 1989;30:90−98.]第2のシステムは、活性化された角膜実質細胞のシステムであり、新しいコラーゲンとグリコサミノグリカンのコラーゲン組織とを合成することによる損傷したコラーゲンの置き換えを必要とする。この工程は、再上皮化に関して非常に重要である。しかし、角膜実質細胞の合成活動の活性化は傷跡に帰着しうる。もし、増大するあるいは長引く活動でプラスミノゲンアクチベータが放出されるならば、頑固な上皮の欠陥を伴う潰瘍のメカニズムが起こされる。
[Berman M,Lealy R,Gage J.Evidence for a role of the plasminogen activatolr−plasmin system in corneal ulceration(角膜の潰瘍化におけるプラスミノゲンアクチベータ−プラスミンシステムの役割を立証する証拠).Invest Ophthalmol Vis Sci. 1980;19:1204−1221:Berman M. Regulation of collagenase. Therapeutic consideration(コラーゲンのレギュレーション、病気治療の考察).Trans Ophthalmol Soc UK. 1978;98:397−405:Toezser J,Berta A,Punyiczki M.Plasminogen activator activity and plasminogen independent amidolytic activity in tear fluid from healthy persons and patients with anterior segment inflammation(前部層に炎症を持った患者および健康な人間の涙中におけるプラスミノゲンアクチベータ活動係数とプラスミノゲン独自のアミドリティック活動係数).Clin Chim Acta. 1989;183:323−331.]
ウロキナーゼ型のプラスミノゲンアクチベータ(uPA)は、涙液の通常の成分として見つけられるセリンプロテアーゼであり、その発生源は結膜および角膜の上皮細胞であり、その濃度は角膜の生物化学的変換によって影響される。[Barlati S,Marchina E,Quaranta CA,et al.Analysis of fibronectin, plasminogen activators and plasminogen in tear fluid as markers of corneal damage and repair(角膜の損傷および修復の目印としての涙中におけるフィブロネクチン、プラスミノゲンアクチベータおよびプラスミノゲンの分析).Exp Eye Res 1990;51:1−9.]組織プラスミノゲンアクチベータ(tPA)もまた、涙液の通常の成分であり、結膜細胞と、結膜の血管と、涙腺とで作られる。[Toezser J,Berta A,Punyiczki M.Plasminogen activator activity and plasininogen independent amidolytic activity in tear fluid from healthy persons and patients with anterior segment inflammation(前部層に炎症を持った患者および健康な人間の涙中におけるプラスミノゲンアクチベータ活動係数とプラスミノゲン独自のアミドリティック活動係数).Clin Chim Acta. 1989;183:323−331:Hayashi K,Sueishi K.Fibrinolytic activity, and species of plasminogen activator in human tears(繊維素溶解活動係数および人間の涙中におけるプラスミノゲンアクチベータの種類).Exp Eye Res 1988;46:131−137.]正常な角膜上皮細胞は、プラスミノゲンアクチベータを分泌しないが、角膜上皮に損傷があると、それが原因となって角膜実質細胞にuPAを分泌する。uPAは、すでに基質に存在するプラスミノゲンをプラスミンに変える。変化におけるプラスミンは、:
(a)繊維芽細胞(fibroblastb cells)にフィードバックし、それらにプラスミノゲンアクチベータをより多く分泌させ、
(b)潜在しているプロコラゲナーゼ(procollagenase)をコラゲナーゼ(collagenase)に活性化し、コラーゲン分子の低下を生じさせ、
(c)細胞変化および治癒を促進する細胞外基質中のラミニン(laminin)およびフィブロネクチン(fibronectin)を低下させる。
【0018】
プラスミンは補体系(complement system)から多形核(polymorphonuclear)の好中球(neutrophilis)に対する走化性因子(chemotactic factors)を生成し、血管作用性のキニン(kinins)の形成を引き起こし、その結果、角膜基質の中に抗プロテアーゼ血清(antiprotease serum)の増加された参入を生じるかもしれないということが推測されてきた。
【0019】
角膜に潰瘍ができている上皮、角膜実質細胞および多形核の好中球は、uPAを分泌する能力がある。潰瘍ができている角膜は、特に、目に対する穴型(puncture−type)やこすり型(scrare−type)などの傷によって引き起こされる。それらはまた、ひどい細菌への感染の結果としても起こる。したがって、角膜のもやは潰瘍のできた目と混同されるべきではない。
【0020】
ウロキナーゼは1950年代のはじめに人間の尿の中で発見され、ウロキナーゼあるいはウリナリープラスミノゲンアクチベータ(urnary Pg(plasminogen) activatou(uPA))などと名づけられた。分子量の大きい形態のuPAと低い形態のuPAとが、どちらも商業的に入手できる。ウロキナーゼは、アボットラボラトリーズ社(Abbott Laboratories, Inc.)およびスターリンウィンスロープ社(Sterling Winthrop, Inc.)を含む、多くの供給業者や製造業者から、アボキナーゼ(ABBOKINASETM (粉末、凍結乾燥された250,000IU/vialw/25mgのマンニトール(mannitol),250mgの人間の蛋白質,50mgの塩化ナトリウム,瓶内で不定量の防腐剤) )、ブレオキナーゼ(BREOKINASETM)、ウィンキナーゼ(WIN−KlNASETM)、ウィン22005(WlN−22005TM )、アクトソルブ(ACTOSOLVTM)、ペルソルブ(PERSOLVTM)、プロチン(PUROCHINTM)、ウキダン(UKIDANTM)、ウロナーゼ(URONASETM)の商標名のものとして商業的に入手できる。尿製剤(urinary preparation)中のuPAの有力な形態は分子量(MW)50,000であり、切り詰めた形態(分子量約33,000)は長期間培養された細胞から遊離させられる。肺と腎臓は、通常のuPAの最も豊富な源泉である。分子量の低いuPA(分子量33,000)は、肺塞栓症、鋭敏な心筋梗塞、その他の血栓症の治療の中で臨床的に使われる。proUK(プロウロキナーゼ)として知られるuPAのチモーゲン(zymogen)は、組み換えたんぱく質(recombinant protein)として利用することができ、血栓溶解の活性(thrombolytic activity)を持つことが示されている。
【0021】
免疫理論上、uPAは黒色腫細胞の中で独自に発見されたtPAとは区別され、それ(tPA)は64,000〜70,000の分子量を持っている。tPAは、広い種類の組織から得られる血管内皮細胞(vascular endothlial cell)の産物である。tPAの活動の様式は、凝血の表面と結合することである。tPAの親和力をプラスミノゲンに対して1000倍近くまで増進させるフィブロネクチンの存在により、プラスミノゲンはtPAと結合する。tPAによるプラスミンに対するプラスミノゲンの活性化は、凝血の形成および、さらに部分的な凝血の分解によって強められる。tPAは、抗血栓剤(antithrombolytic agent)として治療に用いられる。
【0022】
連鎖球菌フィブリノリシン(streptococcal fibrinolysin)とも名づけられているストレプトキナーゼ(SK;Streptokinase)は、別のプラスミノゲンアクチベータである。SKは特殊な種類、すなわち単量体のたんぱく質(monomeric protein)であり、分子量は47,000である。SKはそれ自身によって酵素の働きを持っていない。しかし、人間のプラスミノゲンと1:1で合成することにより、SKは2つのプラスミン分子の第2のPgの分子を活性化するための活性領域をPg部分に生み出す。SKに合成されるプロスミノゲンの触媒反応の間、SKは蛋白質分解の低下を受けて小さくなる(MW=36,000)が、まだ活性な断片である。
【0023】
いくつかの公表された研究は、プラスミノゲンアクチベータのレベルを、さまざまな形態の傷治療に関連付けてきた。[EP−A−0 227 400]は、手術後の主要な併発症である手術後の癒着形成を阻害する組織プラスミノゲンアクチベータを特徴的に扱っている。tPAを使うことは傷の治療自体とは関係しないことを明言している。癒着形成は体内(主として空洞内)で起こる過程であり、外傷自体の治療とは関係しない。[EP 0 943 332 A1;癒着の治療と防止(prevention and treatment of adhesions)]は、プラスミノゲンアクチベータの合成あるいは分泌を増加させることが、癒着を防止することを明らかにした。
【0024】
[EP−A−0 261 599]は、心臓病発作患者の治療に推薦される、tPAを含む薬剤の局所適用のための構成物のいくつかのグループを示している。
【0025】
ストレプトキナーゼ、ウロキナーゼ、プラスミノゲンアクチベータ(uPA)、組織プラスミノゲンアクチベータ(tPA)などの血栓溶解剤の血管内投与を用いる外傷の薬学的治療法が報告されている。[Chester J,Darmandy J.A.In: Leg ulcers diagnosis and treatuent(足の潰瘍の診断および治療).Westerhof W,ed.Amsterdam: Elsevier 1993,pp.313−324]傷の治療における組織プラスミノゲンアクチベータ(tPA)の局所的使用は、「傷治癒を改善するためのプラスミノゲンアクチベータを含む製剤の使用」と題された2000年3月7日のベルヘーゲン(Verheigen)の米国特許出願6,033,664および関連特許出願(米国)5,925,350の中で試験された。上記ベルヘーゲン(Verheigen)の特許の例は、もっぱら、tPAによる足の潰瘍(leg ulcers)の治療に限定されている。プラスミノゲンアクチベータの目に対する適用は、試験も言及もされておらず、組織プラスミノゲンアクチベータ(tPA)のみが用いられていた。ベルヘーゲンは、ウロキナーゼを含むプラスミノゲンアクチベータの局所適用は、”持続性の、あるいは治療に対する抵抗力のある足の潰瘍、床ずれ、やけど、そして、外傷、微生物の感染、がん、その他多くの外皮と組織の多くの形態による治癒しないかあるいは治癒が遅い傷”の治療に効果的であることを、1節の12行目〜15行目で明らかにしている。したがって、ベルヘーゲンの傷の研究は、レーザ手術後あるいは他の角膜の傷害後の多くの週に続く角膜のもやとは、大きく異なっており、容易に区別することができる。
【0026】
例えば、「潰瘍」は、ドルランドの医療辞書26版(Dorland’s Medical Dictionary,26THedition)で、「炎症性の壊死の組織がはがれることによって作られた、組織あるいは器官の表面の局所欠損、あるいは腔窩」と定義されている。ベルヘーゲンによって研究された足の潰瘍は、ひどい炎症を引き起こされており(また、非常に血管新生(vascularized)された)、壊死細胞のかさぶたが作られている。対照的に、健康な角膜は適正な視覚を得るために透明でなければならず、そのため健康な角膜は血管新生されず、角膜の(血管新生を増加された)炎症はレーザ手術後の普通の併発症ではない。ドルランド(Dorland)での定義に合う潰瘍は目において発生しうるが、そのような潰瘍は角膜のレーザ手術後に予想される結果ではない。そして、もしそれらが発生しても、診察者はそれらを決してもやとは混同しないだろう。PRKは直径5mm〜6mmの角膜の部分でレーザを用いて手術される、繊細な手術である。そして、角膜組織は手術前の厚さが約500μmで5mm〜6mmの角膜全体のはしからはしまで、10μm〜100μmの深さの組織が平坦にそして一様に取り除かれる。PRK後の角膜の傷害は角膜の潰瘍としては分類されない。なぜなら、例えば、不規則なくぼみや、組織の抉り出されたクレーターが全くないからである。したがって、非常に血管新生された足の潰瘍の治療を促進するためにtPAを使うというベルヘーゲンの教えは、レーザ手術後の何週間あるいは何ヶ月かにわたって角膜に発生しているもやを取り除くあるいは治療するためのプラスミゲン活性剤(tPAあるいはウロキナーゼ)の使い方を予言するものではない。
【0027】
1992年にファイルされたカナダのシュラー(Schuler)らによる申請2095207「炎症の治療へのプラスミノゲンアクチベータの阻害剤の使用(The use of inhibitors of plasminogen activators for the treatment of inflammations and wound)」は、「例えばレーザ治療後、そして通常の眼科手術後に、目の不透明さと目の炎症に対する」治療法として、プラスミノゲンアクチベータの阻害剤の使用を開示し、クレームしている。(シュラーらの前記申請の4ページの15行目〜32行目)Schulerらは、角膜に損傷を受けた後の、涙液でのプラスミン活動の増加を報告している(1ページ目の15行目〜18行目)。そして、Schulerらはプラスミンが一連のできごとを始めることで、コラーゲン分子が破壊されると推測している。特に、Schulerらは、プラスミノゲンアクチベータ阻害剤が新しい血管新生(neovascularization)を阻害し、それによって炎症後の角膜の透明度を回復させることを発見した。(8ページ4行目〜13行目) 他にも、プラスミンが内皮細胞の複製を装うので脈関形成(血管の増殖)を促進するかもしれないかもしれず、そのことは組織修繕に重要な要素を示しているかもしれないと推測されてきた。[Barlati S,Marchina E,Quaranta CA,Vigasio F,Semeraro F.Analysis of fibronectin,plasminogen activators and plasminogen in tear fluid as markers of corneal damage and repair(角膜の損傷および修復の目印としての涙中におけるフィブロネクチン、プラスミノゲンアクチベータおよびプラスミノゲンの分析). Exp Eye Res. 1990;51:1−9.]プラスミン阻害剤は、プラスミン活動を増加されたある病気の治療に使われてきた。しかし、それらは、有害な影響があるので不利であった。(シュラーらの文献の1ページ、23行目〜35行目)また、プラスミン阻害剤、プラスミノゲンアクチベータ阻害剤およびさまざまなコルチコステロイドによるこれらの結合の組み合わせは、レーザ屈折手術の治療中のプラスミン活動により低下および組織削除を最小限にする手段として示唆された。[Lohmann CP,Marshall J.Plasmin− and plasminogen−activator inhibitolls after excimer laser photorefractive keratectomy: new concept in prevention ofpostoperative myopic regression and haze(エキシマレーザ屈折矯正角膜切除術後のプラスミンアクチベータ阻害剤およびプラスミノゲンアクチベータ阻害剤:手術後の近視の逆行およびもやの予防における新しい概念).Refract Corneal Surg 1993;9:300−301.]
角膜に局所的に適用されるプラスミノゲンアクチベータは、非常に高いレベルでかなり長期間適用することが許容される。前述の研究では、うさぎの角膜が、5000IU/mlほどの高い濃度のウロキナーゼを含む溶液に試験管内で3時間さらされた。これらの実験は、5000IU/mlまでの濃度のウロキナーゼがうさぎの角膜内皮細胞にとって有毒ではなく、うさぎの角膜に意味のある腫大を引き起こさず、走査電子顕微鏡による詳しい調査では正常な内皮のモザイク模様を保つことを証明した。[Hull DS,Green K.Effect of urokinase on corneal endothelium(角膜内皮へのウロキナーゼの影響).Arch Ophthalmol 1980;98:1285−1286.]
今、レーザ手術(特にPRK)後の1日〜5日の間の涙液中に低いレベルのuPAが、人間とうさぎの両方で発見されたことは、手術後数週間あるいは数ヶ月後でもやが発達することと、矛盾なく関連する。このように、本発明は、治療上有効な1つあるいはそれ以上のプラスミノゲンアクチベータを、手術直後から手術後の初めの約12日間、角膜に加えることにより、レーザ手術後のもやを低減あるいは防止するための方法を提供する。本発明はまた、レーザ手術後のもやを低減あるいは防止するための、治療上有効で、目に使われることに適し、生理学上適用できる担体の中に組織された1つあるいはそれ以上のプラスミノゲンアクチベータを含んでいる構成物を示す。本発明の方法で使われることができる方法と構成物は、最も好適にはウロキナーゼ、そしてまた、ウロキナーゼ変異体、プロウロキナーゼ、プロウロキナーゼ変異体、組織プラスミノゲンアクチベータ、組織プラスミノゲンアクチベータ変異体を含む。本発明の方法と構成物はまた、他の眼科手術あるいは目の病気あるいは傷の併発症としての結果のもやを低減あるいは防止するために使われることも意図されている。
【0028】
以下で詳述する実施例1および実施例2は、人間およびうさぎのどちらにも、PRK後の涙の中にuPA生産のパターンがあることを示している。人間の研究において、正常に治された患者ともやが発達した患者とは、PRK後の涙中のuPAレベルに異なるパターンが見られることにより区別される。全ての患者に対して手術後すぐに急激に滴下された涙中の平均uPAレベルは、患者にもやが発達していてもあるいは正常に治癒していても、全部で77個の目に対してテストされた手術前の値と比較すると、正常に治癒した71個の目では平均90%の減少であり、もやが発達した6個の目では平均77%の減少であった(実施例1における図1および図2)。正常に治癒された患者の目は、手術前のレベルと比較すると、手術後3日目に平均uPAレベルが著しく高められており(41%の増加)、手術後5日目までに手術前のレベルに戻っている。手術後3ヶ月〜6ヶ月でもやが発生(グレード1〜2)した全てのケース(6ケース)[後述する、もやが併発したケース]で、正常な場合との顕著な相違は、手術後の3日間を通して平均の涙中のuPAレベルが(手術前の平均の76%に)抑えられたことである(図1および図2)。もやが併発された目のそれぞれについての平均uPAレベルは、正常な目において3日目までに41%増加することと比較して、手術後5日目までに手術前の平均のレベルより16%上昇している。2つのグループの平均uPAレベルは、手術後3日目に明瞭に分けられる。もやが発達している目のグループにおける平均uPAレベルは、正常なグループの平均よりも(統計的に十分に)低い(図2)。正常な目およびもやが併発された目の個々の平均uPAレベルの値は、実施例1における図1および表3に示されている。
【0029】
もやが併発された目は、PRK手術を受けた目の8%(6個/77個)を占めた。もやは、「Hanna KD,Pouliquen YM,Savoldelli M,et al.Corneal wound healing in monkeys 18 months after eximer laser photorefractive keratectomy(エキシマレーザ屈折矯正角膜切除術の18ヶ月後の猿における角膜の傷の治癒).refract corneal sung.1990;6:340−345」の中で述べられた基準を使用して決められた。正常なケースともやが発達したケースにおける平均uPAレベルは、異なる3つの測定機会、すなわち、手術前の日0と、1日目と、5日目とに部分的に一致する。PRKを受けていない対照用の目(control eyes)は、5日間では感知されるほどのuPAレベルの変化はなかった。この実験の結果は、継続する涙中のuPAの抑制を、手術後3日間を通して手術前の平均レベルの約25%のレベルにすることが将来のもやの発生と関連することを示している。
【0030】
遡及的にもやが確認された6ケース中6ケースが、正常な場合と比較して、手術後3日目に有意に低いuPAレベルを示した。そして、残りの目の71ケース中71ケースは、結果として起こるもやを示さなかった。uPAレベルをもやの予測の判定基準として用いることは、1.0の感度(もやの予測と実際にもやが発生したケースとの比)であり、1.0の特殊性(もやが発生しないことの予測と、実際にもやが起こらなかったケースの比)である。もし、手術後3日目の低いuPAレベル(0.1IU/ml以下)が将来的に異常な治癒の傷(もや)が発達する目を識別する(予言する)ために用いられていたならば、6ケース中6ケースが妥当な予測を与えた。
【0031】
PRK後のもやは、両側であることも可能であるが、両側である必要はない。3人の患者は、1つのもやが発生した目と1つの正常な目とを持っていた。1人の患者は、2つのもやが発生した目を持っていた。そして1人の患者(サンプリングのために1つの目だけを引き受けた)は、もやの発生した目を1つ持っていた。PRKを受けていない反対側の「対照用の」目は、研究の間中、涙液とuPAレベルは本質的に一定のままであったことが測定された。(図3)これは、PRKおよび涙のサンプリングが、反対側の処置されていない目における涙液あるいは繊維素溶解の働きに関して、付随的な影響がほとんどないことを暗示している。
【0032】
両方の目ともPRKを受け、1つの目だけにもやを併発した3つのケースでは、両方の目に対する手術前のuPAの値が、正常なグループの平均uPAレベルよりも有意に低いことが観察された(表3)。その上、1つが正常で1つがもやを併発した目を持っているグループの3人の患者それぞれに関して、手術前のuPAの値がもやが発生した目においていっそう低かった。しかしながら、正常な目ともやが併発した目に対するuPAレベルの範囲は、手術前の測定値と部分的に一致する(図1参照)。それゆえ、正常なケースともやが併発したケースとは、手術前のuPAレベルを基礎として区別することができない。
【0033】
涙液は、角膜の傷の治癒の研究のための容易に入手可能な媒体である。角膜の再上皮化が進行する間の涙液中のuPAレベルに関する研究が唯一報告されている。そして、それは前部の角膜切除後のうさぎについてなされている。[van Stetten GB,Salonen EM,Vaheri A,et al. Plasmin and plasminogen activator activities in tear flued during corneal wound healing after anterior keratectomy(前部の角膜切除後に角膜の傷が治癒する間の涙液中におけるプラスミンおよびプラスミノゲンアクチベータ活動係数). Curr Eye Res. 1989;8:1293−1298]ファン・ステーテン(van Stetten GB)らは、前部の角膜切除後1日目(0日目=手術の日)のウロキナーゼのレベルが、統計的に有意に低下することを観察した。2〜3日目までに、uPAレベルは正常に戻った。前部の角膜切除後のうさぎで観察された涙中のuPAレベルのパターンは、PRK後の人間の正常な目で観察されたパターンと質的に似ている。(角膜切除後のうさぎにもやが発生することが知られているが)ファン・ステーテンの研究における11羽全てのウザギの目はもやなしで治された。そして、それらは2.0(±0.6)IU/mlの手術前の平均uPAレベル(±平均標準誤差(±SEM))を持っており、手術後1日目には0.3(±0.1)IU/mlに下がり、2日後〜3日後には2.1(±0.3)IU/mlに上がった。角膜切除後の正常に治癒された人間とうさぎとの涙中のuPA値の類似したパターンが、涙中のuPAには、治癒と正常で健康的な角膜上皮の再形成とを結び付ける正常なパターンがあるという結論を強めている。
【0034】
ファン・ステーテンらのうさぎの研究はまた、uPAレベルに加えて涙液流出率(tear fluid flow rates)を計測した。涙液の流出は、前部の角膜切除後には、手術前と比較して2.3の比率で増加することが発見された。そのため、手術後のプラスミノゲンアクチベータのレベルの低下を、プラスミノゲンアクチベータの希釈として説明できるかもしれない。しかしながら、uPAのレベルは、2.3の希釈比で変化しておらず、手術後のプラスミノゲンアクチベータの降下は、手術前のレベルよりも6.7の比率以上である。したがって、希釈だけではプラスミノゲンアクチベータのレベルの降下を説明するために十分なメカニズムではない。本研究では、人間で測定された涙液の流出は、全てのサンプル時間を通して、全ての目において5μl/ml〜15μl/mlに留まった。このことは、以下の例において、PRK後にuPAのレベルが下げられることは、涙液の流出率とは関係しないことを示している。
【0035】
PRK後の角膜治癒の併発症の基礎となる正確なメカニズムは知られていないが、角膜の傷の治癒における個々の変化が、PRK後の屈折の逆行およびもやの形成に重要な役割を演じることが、一般的に疑われている。[Moller−Pederson T,Li HF,Petroll WM,Cavanagh HD,Jester JV.Confocal microscopic characterization of wound repair after photorefractive keratectomy(屈折矯正角膜切除術後の傷の修復の共焦点顕微鏡特性).Invest Ophthalmol Vis Sci.1998;39:487−501]実施例1で報告された研究は、人間においては、3日間以上に渡って涙中の低いuPAレベルが維持されると、結果としてもやの発生を引き起こすことを示している。
【0036】
実施例2は、PRK後7日間のうさぎの涙中のuPA阻害が、全てのケースで手術後のもやの形成を引き起こしたことを示している。PRK治療を受けた8羽のうさぎの両方の目において、;それぞれのうさぎの1つの目は、角膜の表面と涙中のuPAを不活性化させるために、手術後の1日〜7日間、セリンプロテアーゼ阻害剤(serine protease inhibitor;SPI)のアプロチニン(aprotinin)で処置されている。アプロチニンは、ウロキナーゼを阻害するために特に有効である。uPAの測定は、いつも、SPI処置される前の指示された日の朝に行われた。8つの対照用の目(SPI無し)は、手術前の値(p<0.001)よりも、1日目には有意に低いuPAレベルを示し、2日目および3日目には有意に高い値のuPAレベルを示す(図4および図5参照)。uPAレベルは、手術後4日目までに手術前に釣り合うレベルに戻る(図4および図5参照)。21日間の研究を通して、SPIを施されていないそれぞれの目において、角膜は透明を保っていた。
【0037】
SPIが施された反対側の8つの目は、最初は処置されていない目のようにふるまった。それらはまた、1日目に手術前の平衡なuPAレベル(p<0.001)よりも、有意に低い手術後のuPA値を示した。uPAのレベルは、PRK後の初めの7日間、SPIによって故意におさえられた。これらのSPIが施された8つの目全ては、非常に低いレベルのuPA(ゼロに接近する)を持っていた。そして、約2ヶ月後にすべて角膜のもやが発生した(図4および図6参照)。19日後の目の2つのグループ間の、uPAの釣り合いの相違は有意ではない(P=0.06)。これらの結果は、uPAが手術前の平衡レベル以下に落ち、手術後2日目〜3日目までにゼロに近づき、PRK後初めの1週間抑え続けられる時に、PRK後のうさぎの目で手術後の角膜のもやが発生することを示している。人間とうさぎの研究は共に、PRK後の少なくとも初めの3日間あるいは4日間、少なくとも手術前の平静な平均値あるいはそれ以上に涙中および角膜表面のuPAレベルの維持することが、もやを防止して発生させないために必要であることを示している。
【0038】
実施例3は、レーザ屈折手術後の、涙液中のuPAとプラスミンとの測定によって、角膜の傷害と傷の治療との間のプラスミノゲンアクチベータ活動係数の詳細な変化を構成された、図7に示すような化学活動モデルを述べている。化学反応メカニズムと速度論とは、生物化学的過程と角膜治療に伴う材料とに適用される。PRK後の人間とうさぎの涙中のuPA活動係数による比較がなされている。傷害の間、角膜上皮細胞は化学物質の高まり(surge of chemicals)を放出する。反応速度式が、プラスミノゲンアクチベータがプラスミノゲンとすばやく反応してプラスミンを形成し、プラスミンアクチベータ阻害剤とすばやく反応してプラスミノゲンアクチベータのレベルを低下させるという、数学上の解をもたらす。これらの過程は、測定に矛盾せずに、十分にすばやく(数秒以内で)プラスミンを高いレベルに高めて、手術後の数分以内でプラスミノゲンアクチベータを測定時以前の手術前のレベルよりも低いレベルまで使い果たす。プラスミノゲンアクチベータの生成とプラスミノゲンアクチベータ阻害剤のレベルとの釣り合いは、次の数日間を通してプラスミノゲンアクチベータ活動係数の進行を決定する。それから、その方程式は手術前の平衡なレベルに戻る道筋を示す。角膜が傷ついた場合の涙中のプラスミノゲンアクチベータ活動係数のレベルは、傷害後のuPA活動のパターンを説明するこの化学活動メカニズムと矛盾しない。
【0039】
角膜の傷害後の臨界期において、PA(プラスミノゲンアクチベータ)活動係数は、PAの生成速度とPAの阻害の速度との割合によって支配される。図1および図2に示す人間の実験では、PRK後の初めの3日間ずっとPA活動係数が低いことが見つけられた場合では2、3ヶ月後にもやが発達した。図4および図6に示すように、PRK後のうさぎの目にPA阻害剤(セリンプロテイナーゼ阻害剤(serine proteinase inhibitor))を受けさせることはまた、2、3ヶ月後にもやを引き起こした。PRK後の数日間〜1週間の自然な生理学上のPA活動係数をまねるために十分なほど高い濃度の、治療上有効な基礎としてのPAの投与は、図1、図2、図3、図5に示すように、もやのない正常で健康的な傷の治癒へと導くための、正常な化学活動の平衡を確立し、維持することを予想させる。
【0040】
本発明は、レーザ手術および他の目の手術、もやの形成に関連する傷害あるいは病気の後の、角膜上皮下のもやを防止あるいは低減する方法を提供する。1つかあるいはそれ以上のプラスミノゲンアクチベータ(好ましくはuPA)を含む局所的な目の調剤が、少なくとも手術、傷害あるいは病気を受けていない目の涙を示す正常な生物学的レベルのuPAをまねるレベルで、手術あるいは傷害あるいは病気などの後のおかされた目に適用される。本方法に使うために、治療上有効なレベルのuPAとして、約0.1IU/ml〜2,500IU/mlが好まれる。最も好まれるのは、0.1IU/ml〜1.0IU/mlであり、別の好まれる範囲は1.0IU/ml〜10IU/mlである。本発明の眼病用の構成物で使うことができるプラスミノゲンアクチベータの濃度は、同様に、約0.1IU/ml〜2,500IU/ml、最も好ましくは0.1IU/ml〜1.0IU/ml、別の好まれる範囲は1.0IU/ml〜10IU/mlである。異常な状況、例えば、患者が手術後に、意味のある量の局部的なプラスミノゲンアクチベータを洗い流すほど涙を流したら、例えば10IU/ml〜100IU/mlの、より高い濃度が必要とされるだろう。
【0041】
1つの具体例として、本発明で使うためのプラスミノゲンアクチベータは、手術あるいは傷害を受けた直後から始まる手術あるいは傷害の日に、約8回〜12回、そして、その後の6日間〜12日間は1日につき4回〜8回、目の表面に局所的に適用される。好ましい具体例は、局所的な眼病用の構成物として形成された約0.1IU/ml〜1.0IU/mlのプラスミノゲンアクチベータを持つ構成物が、目へのレーザ手術あるいは傷害の直後から始まる1日目には1日につき約12回(例えば、起きている間1時間ごとに)、そして、手術後2日目〜7日目まで1日につき5回(2時間ごとに)適用される。プラスミノゲンアクチベータの投与の頻度と濃度とは、患者の履歴(ptient’s history)によって変化させることができる。例えば、もしある患者が手術前の涙中で著しく低いプラスミノゲンアクチベータのレベルを有しているならば、その時の適用はより頻繁にする必要がある。別の例として、より高い場合には、例えば1.0IU/ml〜10IU/mlあるいは10IU/ml〜100IU/mlが手術あるいは傷害後にもっと少ない頻度、例えば、手術の日の起きている間に1日につき9回、そして手術後2日目〜7日目に1日につき4回で適用される。試験管内では2,500IU/mlと同じぐらい高くても無害であることが示されているが、そのような高さは通常の使用では予見されない。しかし、涙の速度が普段から速い患者、あるいは頻繁な適用が実行できない患者には要求されるかもしれない。[Lohmann CP,et al.Refractive & Corneal Surgery(屈折と角膜の手術).vol.9,July/August,1993,page300−302]薬学的な調剤におけるuPAの量は、患者が炎症、潰瘍、あるいはその他の有害反応を表すならば、減らされるかあるいは中断されるべきである。薬学的な構成物は、単独の薬剤としても適用できるし、他の有用な薬剤、例えば血管収縮薬や抗生物質などと組み合わせて適用することもできる。
【0042】
本発明に従って使用できるプラスミノゲンアクチベータは、(プロ)ウロキナーゼ、ウロキナーゼ、ストレプトキナーゼ、組織プラスミノゲンアクチベータ、例えば組み換えDNA技術、糖鎖形成変形、ウロキナーゼの部分から構成されるか、あるいはウロキナーゼの部分を含むハイブリッドプロテインなどによって構成される、それらの変形あるいは変異体を含む。uPAは最も好ましいプラスミノゲンアクチベータであり、1つ以上のプラスミノゲンアクチベータを同時に適用することができ、あるいは構成物に含むことができる。好適には、哺乳類の器官のプラスミノゲンアクチベータが使用される。組織タイプのプラスミノゲンアクチベータは、培養された人間の細胞あるいは、当業者に知られている真核生物あるいは原核生物の表現システムの中で組み換えDNA技術を使用してより望ましいように生産された人間の組織から分離することができる。適切なtPAタイプのプラスミノゲンアクチベータは、例えば、EPA−0 400 545、HP−A−0 289 508、EP−A−O 227 400、EP−A−0 440 709およびHPAO 231 624に記述されている。
【0043】
適切なuPAあるいはpro−uPAが、[Hussain et al.Arch Biochem(生物学大辞典).Biophys.220 (1983) 31−38:Stump et al.Purification and characterization of single chain urokinase type plasminogen activator from huntan cell cultures(人間の細胞培養組織からの一鎖ウロキナーゼ型プラスミノゲンアクチベータの精製および特性).J,Biol.Chem.261 (1986) 1274−1278:Winkler et al.Purification and characterization of recombinant urokinase from Escherichia coli(大腸菌からの組み換えウロキナーゼの精製および特性記述).Bio/Technology, 3 (1985) 992−1000:Wun et al.Isolation and characterizatxon of urokinase from human plasma(人間の血漿からのウロキナーゼの分離および特性).J.Biol.Chem.257 (1982):WP−81/01417 and HP−A−0 139 447().]などに記述されている。
【0044】
本発明の方法および構成物はまた、硝子体切除術、白内障手術、皮膜外の白内障抽出(extracapsular cataract extraction)、水晶体手術、水晶体置換、水晶体移植、角膜移植術(keratoplasty)および角膜移植手術(corneal transplantations)のような正常な目の手術を例として含む、他の目の手術、あるいは目の病気または傷害の併発症として生じるもやを減少あるいは防止するために使われることを意図されている。さらに、結膜炎、角結膜炎、乾性角結膜炎、虹彩炎、虹彩毛様体炎、角膜炎、脈管炎および葡萄膜炎に伴うもやが含まれている。
【0045】
本発明の構成物の中で単独あるいは組み合わせで使用される、傷を治療する調整器(modulator)は、ステロイド、細胞増殖因子、基底膜構成要素(basement membrane components)、酸化防止剤、コラーゲン構造の調整剤(regulators of collagen structure)、アルドースレダクターゼ阻害剤( (ARIs)、非ステロイド性の抗炎症剤(NSAIs)、免疫調整剤(immunomodulators)、抗アレルギー性物質、脂肪酸派生物(fatty acid derivatives)および抗生物質を含んでいる。
【0046】
ステロイド、成長因子、基底膜構成要素、コラーゲン構造の調整剤、アルドースレダクターゼ阻害剤、NSAIs、酸化防止剤、免疫調整剤、および抗アレルギー性物質(それらは傷修理に起因する角膜のもやに対して特に有効である)によって多様な成功の度合いで角膜のもやを防止できることが報告されている。成長因子、免疫調整剤、抗アレルギー性物質および基底膜構成要素は、繊維芽細胞(fibroblasts)の基質(stroma)が不適当に活性化された場合、、特に有効である。成長因子、ステロイド、免疫調整剤、基底膜構成要素、および酸化防止剤は、コラーゲン原繊維が被害を受けたことによる角膜のもやの形成を緩和するのに特に有効である。アラキドン酸カスケード(arachidonic acid cascade)の成長因子および脂肪酸派生物は、被害を受けた繊維芽細胞あるいは死んでいる繊維芽細胞が存在する場合、特に有効である。また成長因子、ステロイド、NSAI、抗アレルギー性物質、酸化防止剤、アルドースレダクターゼ阻害剤、および抗生物質は、水腫に起因する角膜のもやを扱うのに特に有効である。[Canadian patent application(カナダの特許申請)2,095,207, issued to Schuler et al.]さらなる研究では、メタルオプロテイナーゼ(metalloproteinase)の合成阻害剤は、タイプIIIコラーゲンの合成の制御により角膜のもやを低減することが報告されている。[Chang JH,KookMC,Lee JH,Chung H,Wee WR.Effects of synthetic inhibitor of metalloproteinase and cyclosporin A on corneal haze after excimer laser photorefractive keratectomy in rabbits(うさぎにおけるエキシマレーザ屈折矯正角膜切除術後の角膜のもやに対するへのメタルオプロテイナーゼとシクロスポリン・エーとの合成阻害剤の影響).Exp Eye Res 1998;66:M9−396.]さらに、マイトマイシンC(mitomycin C;抗腫瘍性と抗生物質の働きを持つアルキル化剤(alkylating agent))が角膜実質細胞増殖を抑えることによりPRK後のもやを低減することが報告されている。[Xu H,Liu S,Xia X,Huang P,Wang P,Wu X.Mitomycin C reduces haze formation in rabbits after excimer laser photorefractive keratectomy(マイトマイシン・シーがうさぎにおけるエキシマレーザ屈折矯正角膜切除術後の角膜のもやの形成を減少させる).J Refract Surg 2001;17:342−349]これらの合成物がプラスミノゲンアクチベータに邪魔をしない程度まで、それらは本発明の構成物に含まれてもよい。
【0047】
本発明の構成物は、主要な活発な成分に加えて、さらに抗菌性防腐剤および張性剤のような様々な形の処方成分(formulatory ingredients)を含んでもよい。例えば、抗菌性防腐剤は、塩化ベンザルコニウム、チメロサール、クロロブタノール、メチルパラベン(methylparaben)、プロピルパラベン(propylparaben)、フェニルエチルアルコール、EDTA、ソルビン酸、POLYQUAD、および当業者に一様に有名な他の薬品を含んでいる。そのような防腐剤は、使用された場合、約0.0001重量%と約1.0重量%の間の量の中で典型的に使用される。張性を調節するために使用することができる適切な薬品あるいは構成物のオスモル濃度は、塩化ナトリウム、塩化カリウム、マンニトール、ブドウ糖グリセリンおよびプロピレングリコールを含んでいる:。もし使用されれば、そのような薬品は、約0.1重量%と約10.0重量%の間の量で使用される。しかしながら、本発明の好ましい構成物は、目(特に角膜)に悪影響を及ぼすか刺激すると知られている防腐剤あるいは張性薬品を含まない。
【0048】
眼内圧の上昇は角膜の光学的な切除の間あるいは後に生じてもよい。眼内圧のコントロールは、角膜のもやを含む併発症なしで角膜を治すことを可能にするため、角膜の健康に寄与する。本発明の構成物に含むことができる眼内圧をコントロールするための添加物は、例えばラタノプロスト(latanoprost)、アプラクロニダイン(apraclonidine)、眼球内血圧液圧減退剤(timolol)、ベタックスオロール(betaxolol)、レボブナロール(levobunalol)、グリセリン、イソソルビド(isosorbide)、マニトール(manitol)、尿素、プラミノクロニダイン(paraminoclonidines)、エピネフリンおよび炭酸脱水酵素阻害剤のような降圧薬を含んでいる。その構成物は、約0.1重量%から約2.0重量%の間の濃度で、好ましくは0.5重量%ぐらいで、光学的な切除後の目に局所的に適用することができる。さらに、眼内圧をコントロールするために、例えば、カルバコール、ピロカルピン、フィゾスチグミン、エコチオフェート(echothiophate)、イソフルオルフェート(isofluorphate)のような縮瞳薬を使用することができる。
【0049】
湿潤剤は、角膜の光学的な切除の前、最中、後に使用されてもよく、本発明の構成物に自由に含まれてもよい。これらの添加物は、潤滑を提供し自然な涙生理学を維持することにより角膜の治癒を促進する。湿潤剤は、典型的にはハイドロキシルセルロース(hydroxyethylcellulose)、ハイドロキシープロピルセルロース(hydroxypropylcellulose)、ハイドロキシープロピルメチルセルロース(hydroxypropylmethylcellulose)、メチルセルロース、ポリビニルアルコール、セルローズ・エステル、ポビドンあるいは他の適切な重合体組織を含む調剤を含むことができる。
【0050】
ここに使用されるような上皮細胞の健康促進剤は、角膜の上皮細胞の健康に寄与すると知られている構成物である。これらの構成物の存在は、角膜の光学的な切除の前、最中および/または後で、完全な上皮の迅速な回復の促進による角膜のもやの防止および基質の浮腫の防止に寄与することができる。本発明の構成物の添加剤として最適に使用することができる上皮細胞の健康推進剤は、アスコルビン酸;レチノイン酸、レチノール、レチナールおよびレチノイル・ベータ−グルノロニド(retinoyl.beta.−glucuronide)のようなレチノイド(retinoids);バルバドスアロエ(aloe vera);コラゲナーゼ阻害剤;そしてエラスターゼ阻害剤を含む。
【0051】
uPAは、点眼薬あるいは軟膏、軟膏クリーム、乳剤、懸濁液(suspension)あるいは眼科の使用にふさわしいリポソーム調製で、角膜に局所的に適用することができる。プラスミノゲンアクチベータの水溶液は目への局所的適用のために好まれる。反応性物質の局所的適用にふさわしい構成物の多くの例が、当技術で知られている。好ましくは、そのような製薬の構成物は殺菌しているかまた無菌であり、チューブ、ボトルあるいは容易な局所的適用にふさわしい他の容器でパッケージされる。
【0052】
前述の記述では、発明はその特定の実施例に関して記述された。しかしながら、発明のより広い精神および範囲から外れない、様々な変形および変更を本発明に行うことができることは明白である。以下に言及する非限定的な実施例中で、本発明の応用例をさらに詳細に記述する。
【0053】
3.実施例1 エキシマレーザPRK後において角膜上皮が再形成する間の人間の涙液中におけるuPAレベルの変化の定量化
材料と方法について:PRK手術を受けた年齢17歳〜51歳(平均27歳、標準偏差9歳)の42人の患者(女性26人、男性16人)が、ヘルシンキ宣言に忠実にインフォームドコンセント(informed consent)を得た後に、本研究のために選ばれた。与えられた患者に対しては、手術の間隔を1週間〜2週間として、一回に一つの目に対してPRKが行われた。片方の目のみのサンプリングを志願した7人の患者(女性3人、男性4人)を除いて、PRKを施した両方の目がサンプルされた。3分以内に15μlの涙を得られなかった患者は、議論から除外された。さらなるインフォームドコンセントが得られた20人の患者における外科手術では、反対側の目が対照用の目(control eye)としてサンプルされた。これにより、77個の目(右目41個、左目36個)と20個の対照用の目とがサンプルとして与えられた。手術前の平均屈折誤差(mean refractive error)は、−3.0ジオプトリ(標準偏差:3.0、範囲:5.0〜10.0ジオプトリ)であった。18個の目は手術前に乱視(平均−1.5、標準偏差0.6、範囲−1.0〜−2.75シリンダ)を持っていた。17人の患者は、以前にコンタクトレンズを使用していた(平均使用年数:4年、標準偏差:2年、範囲:1年〜9年)。
【0054】
スクウィンドケラトムII型(Schwind Keratom II)ArFエキシマレーザ(193nm)を使用したPRK手術が、同じ外科医によって、デブリセン医科大学眼科学部生体レーザLLC(Vital−Laser LLC, Department of Ophthalmology, University Medical School of Debrecen)で行われた。上皮除去は、鈍い角膜ブレードナイフ(blunt Keratome Blade knife)で、球面補正のための6.0mm〜6.5mmのホッファ冠状鋸(Hoffer trefine)と、瞳孔上の中心に乱視の矯正のための7.5mm〜8.0mmとによって上皮にマーキング後に行われる。上皮はボーマン層(Bowman’s layer)の表面を傷つけないように注意を払いながら、周辺部から中心へ穏やかに削り取られた。遺残上皮の残骸は、無菌のマイクロスポンジ(microsponge)で取り除かれた。上皮の麻酔は、0.4%のオキシブプロカイン塩酸塩(oxybuprocaine hydrochloride)点眼薬によってなされた。乱視でない患者の切除領域(ablation zone)の直径は6.1mm(標準偏差:0.2、範囲:6.0mm〜6.5mm)である。乱視の患者については、乱視切除マスク(astigmatic ablation mask)の直径は7.5mm(標準偏差:0.6、範囲:6.0mm〜8.1mm)であり、球面切除マスク(spherical ablation mask)は5.7mm(標準偏差:0.1、範囲:5.3mm〜6.0mm)であった。PRK手術の平均切除深さは、48μm(標準偏差:22、範囲:12μm〜120μm)であった。乱視のないサブグループの平均切除深さ(47μm)は、乱視のあるサブグループの平均切除深さ(50μm)と、統計的に有意なほどは異ならない(p>0.66)。手術後の処置は、抗生物質点眼薬であるシロザン(登録商標;CILOXANTM(Alcon))を、手術の日には1時間ごとに、次の5日間には1日につき5回、それぞれの患者に対して適用された。点眼は、涙のサンプルが希釈される可能性を避けるため、涙をサンプリングする少なくとも8時間前には行わなかった。
【0055】
上記の5日の期間が過ぎた後、フルコン(登録商標;FLUCONTM(Alcon))と、ティアーズ・ナチュラル(登録商標;TEARS NATURALETM(Alcon))とが、最初の1ヶ月間1日につき5回与えられ、2ヶ月目には1日につき4回に、3ヶ月目には1日につき3回に減じられた。この期間、他の処置は用いられない。全ての患者は、PRK手術の1ヶ月後、3ヶ月後、6ヶ月後にフォローアップ診断を受けた。
【0056】
uPA分析のための涙のサンプルは、PRK手術の直前および直後、手術後3日目および5日目に、PRKを行った目および反対側のそれが使われた目から得られた。サンプルは、細隙灯照明のもとで側方眼角(lateral canthus)の、より低い涙メニスカス(より低いマージンで角膜前の涙液膜を水平に厚くなっている部分)からガラス毛細管(glass capillaries)によって集められる涙から成る。[Toezser J,Berta A,Punyiczki M.Plasminogen activator activity and plasminogen independent amidolytic activity in tear fluid from healthy persons and patients with anterior segment inflammation(前部層に炎症を持った患者および健康な人間の涙中におけるプラスミノゲンアクチベータ活動係数とプラスミノゲン独自のアミドリティック活動係数).Clin Chim Acta. 1989;183:323−331:van Haertngen NJ,Glasius E.The origin of some enzymes in tear fluid, determined by comparative investigations with two collection methods(2つの収集方法による比較調査によって決定された涙液中のいくつかの酵素の起源).Exp Eye Res. 1976:22:267−272]
結膜に触れないように注意が払われた。同じ収集方法が、本研究を通して使われる。サンプリング時の所要時間が記録され、分泌速度が、得られた涙の量をサンプル収集の時間で割ったμl/minで計算された。本研究で使われたサンプルは、PRKを行った目および反対側の対照用の目の両方について、5μl/min〜15μl/minの分泌速度を持っていた。サンプルは、その収集後すぐに8分間〜10分間遠心分離(1800rpm)され、その上清が−80℃で急速冷凍され、そして、測定のために1度だけ溶かされた。
【0057】
サンプルの涙中のuPAレベルが、人間のプラスミノゲンおよび特殊プラスミン(plasmin−specific)の色原体のペプチド基質(D−valyl−L−leucyl−L−lysine−p−nitroanilide(S−2551))を用いた吸光光度法によって測定された。[shimada H,Mori T,Tanaka A,et al.Use of chromogenic substrate S−2551 for determination of plasminogen activator in rat ovaries(ねずみの卵巣中におけるプラスミノゲンアクチベータの量定のための色原体基質S−2551の使用).Thrombos Haemostas(Stuttgart).1981;46:507−510]この分析は、主としてウロキナーゼのようなプラスミノゲンアクチベータに敏感である。[Toezser J,Berta A,Punyaiczki M,Plasminogen activator activity and plasminogen independent amidolytic activity in tear fluid from healthy persons and patients with anterior segment inflammation(前部層に炎症を持った患者および健康な人間の涙中におけるプラスミノゲンアクチベータ活動係数とプラスミノゲン独自のアミドリティック活動係数).Clin Chim Acta.1989;183:323−331.]プラスミノゲンとS−2251とは、スウェーデン・モルダルンのクロモジェニクス社(Chromogenix、Molndal,Sweden)から購入された。標準のウロキナーゼは、フランス・パリのコアイ社(Choay、Paris, France)から購入された。この分析は、プラスミン活動係数を測定することに適しているが、プラスミノゲンを加えることにより、uPAレベルを決定するための試薬として用いられることも可能である。uPAレベルは、島田らによって述べられたものにトエザー(Toezser)および共同研究者らによる改良を加えることにより測定された。[Toezser J, Berta A, Punyiczki rW. Plasminogen activator activity and plasminogen independent amidolytic activity in tear fiuid from healthy persons and patients with anterior segment inflammation(前部層に炎症を持った患者および健康な人間の涙中におけるプラスミノゲンアクチベータ活動係数とプラスミノゲン独自のアミドリティック活動係数).Clin Chim Acta. 1989;183:323−331:Toezser J,Berta A.Urokinase−type plasminogen activator in rabbit tears.Comparison with human tears(うさぎの涙中のウロキナーゼ型プラスミノゲンアクチベータ、人間の涙との比較).Exp Eye Res.1990;51:33−373]5μlの涙、あるいは標準のウロキナーゼ、あるいはプラスミンが、0.5mmol/lの色原体基質S−2251および1μmol/lの人間のプラスミノゲンが存在するマイクロチタープレートのウェルズ(wells of microtiter plates)の中で、pH7.4、温度37℃の、0.05のトリス緩衝液(tris buffer)100μlの中で培養される。4時間の培養後、8mol/lの酢酸500μlを加えることにより反応は終結する。その吸収(absorption)は、ラブシステムマルチスキャンMS分光光度計(Labsystem Multiscan MS spectrophotometer)によって405nmとる測定された。プラスミノゲン単独のアミドリティック活動係数(amidolytic activity)は同様に計測されたが、プラスミノゲンは培養の混合物から除かれた。
【0058】
プラスミノゲン有りと無しとで得られる値の間の吸収差は涙中のuPAレベルによるものと見なされ、同時に、プラスミノゲン無しで得られる吸収率値がプラスミノゲン独自のアミドリティック活動係数とみなされた。異なる濃度のウロキナーゼ標準溶液による同じシステムで得られた吸収値に基づいて、校正曲線が生成された。測定されたサンプルのuPAレベルは、この校正曲線によって計算され、IU/mlウロキナーゼ等価値で表された。プラスミノゲン単独の活動係数は、涙サンプルのすべてにおいて無視できることが分かった。
【0059】
もやの決定は、全ての患者に対してuPAレベルの情報なしでなされた。したがって、もやの決定あるいはuPAレベルともやの相関についての先入観は全くなかった。ハンナのもやの等級付けシステムが適用された。[Hanna KD,pouliquen YM,savoldelli M,et al.Corneal wound healing in monkeys 18 months after excimer laser photorefractive keratectomy(エキシマレーザ屈折矯正角膜切除術の18ヶ月後の猿における角膜の傷の治癒).Refract Cotmeal surg. 1990;6:340−34f]
標準統計的処理が、異なるグループ(ペアを関連付ける手段としてのt−テスト)の間で患者の特性を比較するために使われた。uPAレベルが、等しい変化の平均値に対するt−テストを使って異なるグループの間で比較された。対照用の目による比較が対になるt−テストを使って行われた。0.05未満の確率水準pを持つ相違は、有意であると考えられる。そして、p<0.001は、非常に有意であると考えられる。
【0060】
結果について:それぞれの目に対する涙のサンプリングをする5日間、どの目にも目立った臨床の特徴はなかった。しかしながら、PRKを受けた6個の目(5人の患者:女性4人、男性1人)には、3ヶ月〜6ヶ月の間で角膜上皮下のもや(グレード1〜2で)の形跡が、視力のわずかな減少を伴って軽く発生した。これら6つの目は、過去にさかのぼって「併発症」のケースと名称をつけた。そして、それは8%の発生頻度(77ケース中6ケース)で現れた。残りのケースは視覚的な併発症を示さず、過去にさかのぼって「正常」なケースと明示された。患者のうち3人は1つの併発症を発症した目と、1つの正常な目を持っていた。;患者のうち1人は2つの併発症を発症した目を持っていた。;そして、併発症を発症した目をもつ患者のうち1人は、一つの目だけをサンプリングに提供していた。
【0061】
正常なグループと、もやを併発したグループの、それぞれの目に対するuPAの個々の値が図1に示されており、平均値が図2に示されている。2つのグループのプラスミノゲンアクチベータの活動係数は、手術後3日目に明確に分かれ、他の3回の計測時には部分的に一致する。図3は、PRKを受けなかった反対側の目すべてに対するプラスミノゲンアクチベータの活動係数の個々の値を示す。患者の特性は表1に提供される。
【0062】
【表1】
Figure 2004510825
【0063】
【表2】
Figure 2004510825
【0064】
2つのグループの年齢、コンタクトレンズの着用期間、以前の屈折矯正、あるいは乱視の程度には統計的に意味のある相違はない。正常なケースともやを併発したケースとの平均uPA値が表3で比較されている。uPAの測定に関して、正常な場合は、(1)uPAの平均値がPRK手術直後に手術前の平均レベルの約11%まで低下する、(2)手術後3日目までに手術前のレベルより41%高く増加する、(3)手術後5日目までに手術前のレベルの4%以内に戻る、というパターンを確立した。正常な患者の手術前の平均uPAレベルと、手術後5日目の値との間には、有意な差はなかった(p=0.15)。しかしながら、手術直後と手術後3日目の平均uPA値は、手術前と手術後5日目の平均uPA値よりも、それぞれ有意に低く(p<0.001)そして大きかった。もやを併発したケースには、全く異なったパターンが見受けられる。
【0065】
表3について:正常なケースにおいて手術後3日目に手術前のレベルよりも急激な増加(41%)が観測されるかわりに、もやが併発された6つのケースの手術後の期間においては、PRK直後の平均uPA値は手術前の平均値の僅か23%に減少した。PRK直後と手術後3日目の平均uPA値とは、互いに有意な相違はなかった(p=0.81)。そして、それぞれは手術前の平均uPAレベルよりも有意に低かった(p<0.001)。もやが併発されたケースでは、5日目までに、平均uPAレベルが手術前の値よりも16%高く増加した。さらに、平均uPA値は、手術前の平均値と比較すると、手術後5日目に有意に増加した(p=0.02)。これは、1日目〜3日目のuPAの低レベルを補おうとしたことのリバウンド現象を表しているのかもしれない。これらの結果は、手術直後と少なくとも3日間を通してuPAレベルが抑えられることと、もやが発生することとの、100%の肯定的な相関を示している。
【0066】
【表3】
Figure 2004510825
【0067】
手術前の平均値は、もやが併発されたケースの方が、正常なuPA平均値に相当する値よりも有意に低い(p=0.04)。しかしながら、手術前の平均は部分的に重なるために、手術前のuPAレベルをもやが発生する患者を予見するために用いることはできない。手術後3日目の、もやが併発されたケースのuPA平均値対正常なケースは、非常に重要である(p<0.001)。
【0068】
反対の目に対するuPA平均値が表3に示されている。平均uPAレベル(正常なグループ:0.299±0.087IU/ml;もやが併発されたグループ:0.192±0.026IU/ml)は、5日間の測定期間を通して安定したままだった(図3)。正常なグループの5日間を通しての平均変化は0.019±0.023IU/mlであり、もやが併発されたグループは0.011±0.007IU/mlであった。もやが併発されたケースの反対側の目の平均uPAレベルは、正常なケースの反対側の目のそれに相当する平均レベルよりも有意に低い(p<0.001)。両方の反対側の目のグループにおけるuPAレベルは、手術直後および3日後のPRKが行われた目よりも、有意に異なる。
【0069】
これらの研究の結果は、PRK後の最初の3日間〜5日間に涙液中のuPAレベルが(0.1IU/ml以下に、約0.1〜0.45IU/mlの手術前のレベル以下に)抑えられた患者全てに、手術後の6ヶ月間のある期間()にもやが発生したことを示している。
【0070】
4.実施例2 PRK後のうさぎの涙におけるもやの形成をもたらすuPAの抑制
8羽のうさぎそれぞれについて、両方の目にPRK手術が行われた。それぞれのうさぎの1つの目は、初めの7日間を通して、角膜の表面および涙中のuPAを不活性にするためにセリンプロテアーゼ阻害剤(SPI)が処置された。涙サンプル中のuPAは、人間のプラスミノゲンおよび色原体のペプチド基板S−2251を使用して、分光測光法によって測定された。
【0071】
材料と方法について:
8羽の正常で健康なニュージーランドうさぎ(3.0kg〜3.5kg)の16個の目は、スクウィンドケラトムII型ArF(Schwind Keratom II型ArF)エキシマレーザ(193nm)を使い、同じ外科医により、デブリセン医科大学眼科学部生体レーザLLC(Vital−Laser LLC, Department of Ophthalmology, University Medical School of Debrecen)で、球面矯正のためにPRK手術を受けた。動物は、眼科と視覚研究における動物の使用に関するエーアールブイオー声明(ARVO Statement)を遵守して取り扱われ、処置された。上皮除去は、6.0mm〜6.5mmのホッファ冠状鋸(Hoffer trefine)のマーキング後に、鈍い角膜ブレードナイフ(blunt Keratome Blade knife)で行われた。上皮は周辺部から中心へ穏やかに削り取られた。遺残上皮の残骸は、無菌のマイクロスポンジ(microsponge)で取り除かれた。
【0072】
局部麻酔点眼薬(0.4%のオキシブプロカイン塩化塩(oxybuprocaine hydrochloride))が手術前に2回投与された。全身麻酔は、ケタミン−キシラジン(ketamine−xylazine)(比率2.2:1、10mg/kg)の静脈注射によって行われた。PRK手術は1日目の朝に行われた。手術後の治療は、抗生物質を含んだ点眼薬であるシロザン(登録商標;CILOXANTM(Alcon))を、1日目には12回(1時間ごとに)そしてその後5日間(手術後の2日目〜5日目および7日目)は1日につき5回(2時間ごとに)適用した。フルコン(登録商標;FLUCONTM(Alcon))とティアーズナチュラル(登録商標;TEARS NATURALETM(Alcon))とを、手術後の1ヶ月間は1日に5回(2時間ごと)与え、2ヶ月目には1日につき4回(3時間ごと)に減らし、3ヶ月目には1日につき3回(4時間ごと)に減らした。全てのうさぎは、PRK手術の1ヶ月後、3ヶ月後、6ヶ月後にフォローアップ診断を受けた。
【0073】
さらに、それぞれのうさぎの左目は、1滴の10000KIE/mlのセリンプロテアーゼ阻害剤(SPI)、アプロチニン(Gordox,Richter Gideon Rt. Budapest,)が1日目には12回(1時間ごと)、さらにその後5日間(手術後2日目〜5日目および7日目)は5回(2時間ごとに)受けた。これは「SPI有り」のグループと明示された。右側の目はSPIの治療を受けなかった。そして、「SPI無し」のグループとして明示された。7日目以降、両方の目に全く同じ処置がされた。それ以外の処置は6ヶ月間全く行わなかった。SPIは、ウロキナーゼ型のプラスミノゲンアクチベータとしてよく知られている親和性のアプロチニンと同様に、プラスミノゲンアクチベータ活動係数の有効な阻害剤である。[Lottenberg R,Sjak−Shie N,Fazleabas AT,Roberts RM.Aprotinin inhibits urokinase but not tissue−type plasminogen activator(アプロチニンは組織タイプ−プラスミノゲンアクチベータではなくウロキナーゼを阻害する). Thromb Res 1988;49:549−556:Fritz H, Wunderer G. Biochemistry and applications of aprotinin, the kallikrein inhibitor from bovine organs(牛の臓器からのカリクレイン阻害剤である、アプロチニンの生化学的組成および適用法).Arzneim Forsch 1983;33:479494.]
プラスミノゲンアクチベータ活動係数の分析のための涙のサンプルは、PRK手術の前に(0日目)に獲得される。涙サンプルはPRK後(1日目)に数分以内で、点眼薬による治療より前に収集された。涙は、手術後2日目〜5日目、7日目は毎日、手術後3ヶ月間(91日間)は4日おきに、SPI治療がuPAレベルを変化させないように、点眼薬による治療の前の午前中にサンプルされた。
【0074】
涙のサンプルは、刺激のためのピロカルピン塩酸塩(5mg/kg)の注入後、ガラス毛細管を用いて採集された。涙はより低い涙メニスクスから得られ、結膜に触れないために注意した。同じ収集方法が研究の全体にわたって使用された。サンプリングの所要時間が記録され、分泌速度は得られた涙の体積をサンプル収集の時間で割ることにより、μl/minで計算された。本研究の中で使用されるサンプルは、15μl/min〜50μl/minの分泌速度を持っていた。サンプルは、サンプル収集後すぐに8分間〜10分間遠心分離(1800rpm)され、その上清が−80℃で急速冷凍され、測定のために1度だけ溶かされた。
【0075】
プラスミノゲンアクチベータ活動係数は、人間のプラスミノゲンおよびプラスミンに特有の色原体のペプチド基板(D−valyl−L−leucyl−L−lysine−p−nitroanilide(S−2551))を用いた分光側光方によって、涙サンプル中で測定された。この分析は、主としてウロキナーゼ型のプラスミノゲンアクチベータに敏感である。プラスミノゲンおよびS−2251はクロゲニクス社(Chromogenix、Milan,Italy)から購入された。標準ウロキナーゼは、コアイ社(Choay、Paris, France)から購入された。この分析はプラスミン活動係数を測定するのに適切であるが、試薬にプラスミノゲンを加えることによりプラスミノゲンアクチベータ活動係数を決定するために使用することができる。プラスミノゲンアクチベータ活動係数は、実施例1と同じように、島田および共同研究者によって記述された方法にトエザーおよび共同研究者の改良を加えた方法によって測定された。もやの決定は、どのウサギに対しても、プラスミノゲンアクチベータレベルについての情報なしでなされた。ハンナのもやの等級付けシステムが適用された。
【0076】
標準統計的処理が、不等の変化を持つ平均値に対するt−テストおよび反対側の目に関する結果を比較するための対になったt−テストを使用して、異なるグループ内および異なるグループ間でプラスミノゲンアクチベータ活動係数を比較するために使用された。0.05未満の確率水準pを持つ相違は、有意であると考えられる。そして、p<0.001は、非常に有意であると考えられる。
【0077】
結果について:図4および図5は、SPI無しのうさぎの目に対する、PRK後の初めの21日間を通したuPAレベルの時間経過を示している。表4は、初期の測定時期の間のプラスミノゲンアクチベータ活動係数の平均値、および19日目〜91日目の平均のuPA活動係数を示している。表4および図中では、「0日目」はPRK手術の前の日を表わし、「1日目」は手術の日であり、それ以降の日が続く。手術の前の日(0日目)の平均のプラスミノゲンアクチベータ活動係数値は、19日目〜91日目の平衡なプラスミノゲンアクチベータ活動係数値に対し有意には異ならない(p=0.16)。平均uPAレベルは1日目には有意に(p<0.001)低く(約69%)、2日目および3日目には平衡な平均プラスミノゲンアクチベータ活動係数レベルより高かった(それぞれ、約74%および28%)。4日目のプラスミノゲンアクチベータ活動係数は、平衡レベルよりも有意に(p=0.02)高かった(10%)。しかし、5日目以降は平衡値と有意な相違はなかった。これらの目における角膜はその後の6ヶ月間を通じて透明なままだった。
【0078】
【表4】
Figure 2004510825
【0079】
図4および図6は最初の21日間のSPI有りの反対側の目に関するプラスミノゲンアクチベータ活動係数を示している。さまざまな測定日に対する個々の平均プラスミノゲンアクチベータ活動係数レベルが、表4に示されている。SPIは、1日目〜7日目を通してのuPA活動係数の平均値を、0.13(0.15)IU/mlに抑えた。手術前(0日目)の平均プラスミノゲンアクチベータ活動係数は、平衡プラスミノゲンアクチベータ活動係数レベル、すなわち19日目〜91日目を通しての平均値、2.88(0.22)IU/mlよりも、有意には異ならない(p=0.18)。1日目〜7日目(SPI抑制の期間に相当する)にSPIが施された目の平均uPA活動係数は、有意に(p<0.001)平衡プラスミノゲンアクチベータ活動係数レベル(95%)よりも低かった。平均uPAレベルは、7日目〜11日目まで低いままであり、15日目までに単に手術前のレベルに戻った。これらのSPI処置された8個の目はすべて、2ヵ月後に角膜のもやが発生した。
【0080】
手術前(0日目)の2つのグループ間の平均プラスミノゲンアクチベータ活動係数の差は有意ではなく(p=0.46)、2つのグループに対する平衡な(19日目〜91日目の)平均プラスミノゲンアクチベータ活動係数は有意に異なっていた(p=0.06)。
【0081】
要約すれば、正常なうさぎの目(SPI無し)に関しては、手術後(1日目)においてuPAの低下があり、2日目には最初のプラスミノゲンアクチベータ活動係数を超えた高いレベルになり、それが数日間持続する。最終的に、最初のプラスミノゲンアクチベータ活動係数レベルに戻って19日目〜91日目まで持続される。図4および図5に見られる、SPI無しのグループに対するこのプラスミノゲンアクチベータ活動係数レベルのパターンは、もやの発生なしで正常な傷の治療を経験した人間に見られたパターンに似ている。人間では、PRK後のプラスミノゲンアクチベータ活動係数はゼロに近いレベルまで落ち、その後、3日目にそれから最初のレベルを上回り、手術後5日目までに最初のレベルに戻った。図4および図5のプラスミノゲンアクチベータ活動係数パターンはまた、前部の角膜切除後に正常に治癒したうさぎに関するファン・ステーテンによって報告されたそれと一致している。
【0082】
対照的に、図4および図6に示されるSPI有りのグループのプラスミノゲンアクチベータ活動係数のパターンは、異常な傷の治癒を示し、もやが発生した人間に見られるパターンと類似するように、PRK後に故意に低くされていた。人間の異常な治癒のケースでは、プラスミノゲンアクチベータ活動係数はPRK後にゼロ近くに落ちた。そして、手術後3日間を通して低いままであった。5日目までに、そのプラスミノゲンアクチベータ活動係数は最初のレベルを超えるか、元に戻った。ここで、図4および図6に示すように、プラスミノゲンアクチベータ活動係数レベルは、SPI有りのグループのうさぎの目に7日間ずっとSPIを使うことにより意識的に抑えられた。uPAレベルは15日目までに手術前の正常なレベルに戻った。
【0083】
これらの結果は、角膜のもやが最終的に発生することを防止するためには、うさぎにおいてはPRK後の初めの3日間〜4日間に、uPAが少なくとも自然な生理学のレベルに維持されるか、手術前のレベル以上に有意に上げられなければならないことを示している。19日目〜91日目に手術前の正常なuPAレベルに戻ることは、手術後のもやを防止するために十分ではない。このように、もやを防止するためにuPAレベルが上げなければならないとき、角膜の手術あるいは傷害に続く、かなり簡単で決定的な手段(window)が存在する。
【0084】
5.実施例3 プラスミノゲンアクチベータおよび角膜切除手術後の傷治療過程の化学反応モデル
生物化学的メカニズムについて:プラスミノゲンアクチベータ−プラスミン反応システムの化学反応システムの概要が、図7に示されている。いくつかの反応は終始活動的であると考えられるが(実線と矢印によって示されている)、他の反応は角膜が傷つけられたときにだけ起こる(破線によって示されている)。図7はまた、略した用語の定義のリストを含んでいる。相互依存の反応速度式(interdependent rate equations)およびそれらの知られている特性の概要は以下の通りである。
【0085】
プラスミノゲンアクチベータの潜在している形式であるプロプラスミノゲンアクチベータ(pro−plasminogen activator;pro−PA)は、うさぎの角膜上皮細胞あるいは正常な角膜の培養組織の中にある。pro−PAは、ここではプラスミノゲンアクチベータコンバータ(PAC)として示されるコンバータ酵素によって活性型のプラスミノゲン(PA)に変換される。転換反応がに記述される。
【0086】
【数1】
Figure 2004510825
【0087】
全体的な順方向速度係数(forward rate constant)kを示し、中間の酵素基質錯体(intermediate enzyme−substrate complex)は無視する。多くの異なる酵素は、pro−PAをトリプシン、プラスミン、カリクレイン、エラスターゼおよびカテプシンBを含む、その活性化された形式に変換することができる。
【0088】
血小板活性化因子(PAF)は、リン酸化の道を示すことにより、角膜の上皮中に現れるウロキナーゼ型プラスミノゲンアクチベータmRNAを生じる。pro−PAの生産工程は、数式(2)で示されるpro−PAの源泉として蓄積する細胞内のpro−PAを生産するために、R(t)の速度で進むと仮定されている。
【0089】
【数2】
Figure 2004510825
【0090】
さらに、角膜上皮細胞が、R(t)と呼ばれる速度で、正常な環境の下のpro−PAを放出すると仮定されている。R(t)とR(t)とは、どちらも時間tの関数で書かれる。すなわち、速度は時間および環境により変化することができる。細胞に損傷がある場合、蓄積されたpro−PAを放出することと、細胞外の領域にpro−PAのインパルスを与えることとは同等であり、R(t)は非常に大きくなる。
【0091】
プラスミノゲン(Pgn)は血液中を循環しており、角膜中にある。それは浸透性であり、そのためにその源泉と平衡になると仮定される。放出平衡は数式(3)におけるKの記号で明示される。
【0092】
【数3】
Figure 2004510825
【0093】
ここで興味深い主要な反応は、数式(4)に示されるように、PAとPgnとの間で、順方向速度kでの酵素過程によりプラスミン(Pmn)をに形成する点にある。
【0094】
【数4】
Figure 2004510825
【0095】
PAは、外傷後に結膜および角膜の上皮細胞から放たれるタイプ1あるいはタイプ2の阻害剤によって抑制されることができる。プラスミノゲンアクチベータ阻害剤(PAI)は、数式(5)に与えられたkPAの速度で、PAと反応する。
【0096】
【数5】
Figure 2004510825
【0097】
Pmnは、コラーゲン、フィブロネクチンおよびラミニンの分解、およびフィードバック相互作用などより多くのプラスミノゲンアクチベータを生成するための様々なプロセスに参加することができる。、また、Pmnは、α2−抗プラスミンのようなプラスミン阻害剤(PmnI)で抑制されることができる。このような分解およびフィードバック、抑制の過程は、ここでは相当速度定数kによってXとして表される。ここで、Xは数式(6)に象徴的に示される任意の1つの過程である。
【0098】
【数6】
Figure 2004510825
【0099】
実験のプラスミノゲンアクチベータおよびプラスミンのレベルについて:PRKに関する人間およびうさぎのuPAレベルは、手術の前、手術の後、およびそれ以降の治癒過程で測定された。測定された値は、図1、図2、図4および図5に示されている。uPAレベルの大きさは人間とウサギの間で同一ではない。しかし、uPAに関する時間課程は、図で見られるように、両方の種に対して質的に同じ傾向の結果になる。
【0100】
手術前の平衡反応速度式について:角膜手術あるいは負傷の前には、pro−PA、PA、PgnおよびPmnの分子に関係する平衡状況がある。細胞損傷がない状態で、数式(1)〜(6)の反応が生じて、反応速度式(7)〜(9)を生じさせる。
【0101】
【数7】
Figure 2004510825
【0102】
【数8】
Figure 2004510825
【0103】
【数9】
Figure 2004510825
【0104】
ここで、これらおよび以降の数式中の括弧は濃度を示す。主要な分子は、反応速度式の結果である数式(10)〜数式(15)に示されているような平衡な濃度値を取る。これらの数式は、異なる成分間の平衡について記述する。数式(11)〜(15)の中の各分子の平衡濃度は、pro−PA生成速度、R2(eq)および他の速度定数の比と示されるような濃度に依存する。
【0105】
【数10】
Figure 2004510825
【0106】
【数11】
Figure 2004510825
【0107】
【数12】
Figure 2004510825
【0108】
【数13】
Figure 2004510825
【0109】
【数14】
Figure 2004510825
【0110】
【数15】
Figure 2004510825
【0111】
角膜の損傷期間について:損傷が持続する間、角膜上皮細胞はpro−PA、PAC、PAIおよびPgnを他のいくつかの酵素と同じように放出する。図7において、その損傷時の状況は、通常のpro−PA、PAC、PAIおよびPgnの放出速度を迂回する破線で象徴的に示されている。これは、細胞外の周囲に、突然これらの化学薬品が流入するのに等しい。pro−PA、PAC、PAIおよびPgnの濃度は、それぞれ、[pro−PA]eq、[PAC]eq、[PAI]eqおよび[Pgn]から、[pro−PA]、[PAC]、[PAI]および[Pgn]に、すぐに変えられる。その後、数式(16)に示すように、pro−PAは、時間tを通じた1桁の指数関数の濃度の減少に従う。
【0112】
【数16】
Figure 2004510825
【0113】
これは、pro−PAをPAに変換する。PAの濃度は、pro−PAが減少するにつれて増加する傾向にある。この傾向は、角膜の細胞損傷に付随するPAの増加についての直感的な概念に従う。しかしながら、同時にPA濃度を減少させるさらに反応がある。すなわち、数式(17)の中で示されるPAIによる阻害剤反応である。
【0114】
【数17】
Figure 2004510825
【0115】
この数式の右辺の最初の項は、pro−PAを費やして引き出されたPAの増加を表わす。また、第2の項は阻害剤反応である。後の反応は1桁のPA濃度であり、高いPA濃度で加速される。PAは、数式(17)の中で表わされた、反対の傾向との平衡を保たなければならない。Pmn濃度は、数式(18)の右辺の最初の項の影響のために当初増加することにより、PAとPgnの濃度の最初の変化に応答する。
【0116】
【数18】
Figure 2004510825
【0117】
数式18の第2の項によって表されるいくつかの過程は、数式18内および数式17内の他の反応と比較すると遅いようである。特に、数式17中の阻害反応と比較すると遅い。
【0118】
数式(16)に示された指数関数的な減衰の時間構成を通して、pro−PAレベルは濃度[pro−PA]から新しいレベル[pro−PA]Afterまで落ちる。ここで、数式(7)の支配的な項は、細胞内のpro−PAの生成に寄与する右辺の最初の項になる。pro−PAの見かけの平衡値は、数式(19)に示されるように、今再び、変更箇所を除いて数式(13)の同様の式によって支配されるだろう。数式(19)では、生成速度係数が、それ以前と異なり(R(eq)≠R(after))、細胞内の蓄積が使い尽くされたためにとても低くなっている。
【0119】
【数19】
Figure 2004510825
【0120】
PAC濃度が高いレベルにある場合、R(after)と[PAC]afterの両方は、pro−PAレベル、[Pro−PA]afterを、前の平衡値[pro−PA]eq以下に低下させる傾向がある。PAの濃度は、数式(20)の阻害剤反応を含む新しい平衡値に調節される。
【0121】
【数20】
Figure 2004510825
【0122】
PA濃度は、数式(14)内のそれらの値とは異なるR(after)および[PAI]afterの量によって変更される。PAI濃度が高いレベルにある場合、R(after)および[PAI]afterの両方は、PAレベル([PA]after)を以前の平衡値[PA]eq以下に低下させる傾向がある。低レベルの[PA]afterは、手術直後の人間およびうさぎの両方の測定結果と一致している。Pmn濃度は、数式(16)の指数関数的な減衰の時間間隔による数式(18)の積分によって決定され、それによってPgnの量は[pro−PA]レベルから生産されたPAの量と同等のPmnに変換される。手術後の測定がその手術直後(数分以内)に行なわれてから、[PA]afterおよび[Pmn]afterへの変換がその短い時間間隔(数分)以内で生じるため、数式(16)内の指数関数的な減衰の速度はかなり速くなければならない(恐らく秒単位)。秒の時間単位でのpro−PAのPAへの転換(数式16)は、清浄なシステムにおけるこの過程としての、以前の試験管内での反応速度測定結果と一致している。[Camiolo SM,Thorsen S,Astrup T.Fibrinogenolysis and fibrinolysis with tissue plasminogen activator, urolinase, streptokinase−activated human globulin, and plasmin(組織プラスミノゲンアクチベータ、ウロリナーゼ、人間のグロブリンによって活性化されたストレプトキナーゼ、およびプラスミンによる繊維素溶解およびフィブリノゲノリシス).Proc Soc Exper Biol Med 1971;138:2 77−280:Christensen U.Kinetic studies of the urokinase−catalysed conversion of NH2−terminal glutamic acid plasminogen to plasmin(NHターミナルグルタミン酸プラスミノゲンのプラスミンへの転換の触媒作用を及ぼされたウロキナーゼの活動研究).Biochim Biophys Acta 1977;481:638−647:プラスミンへのNH2末端のグルタミン酸プラスミノゲンのウロキナーゼに触媒作用を及ぼされた転換に関する活動的な研究。Wohl RC,Summaria L,Arzadon L,Robbins KC.Steady state kinetics of activation of human and bovine plasminogens by streptokinase and its equimolar complexes with various activated forms of human plasminogen(ストレプトキナーゼ、およびそれと人間のプラスミノゲンの様々な活性化された形態との等モルの錯体による、人間および牛のプラスミノゲンの活性化の定常状態速度).J Biol Chem 1978;253:1402−1407:Collen D.On the regulation and control of fibrinolysis(繊維素溶解の規則および制御について).Thrombos Haemostas (Stuttgart)1980;43:77−89.]
傷の治癒期間について: その後、傷の治癒過程では、pro−PA生成レベルは、高められた放出速度R(later)で高められたレベルR(later)に増加すると仮定される。高められたpro−PAの生成速度は、PAの濃度を、数式(20)に示された値から高められたレベル[PA]laterに変換する。これは、人間とうさぎとの実験で観察されたuPAの高いレベルと一致している。PACおよびPAIのレベルの変化とともに、これらのuPAの変化は、この後期段階中のPmn濃度に影響を持つ。数式(18)の要素の平衡は、この後期段階でPmn濃度の低下をもたらす。
【0123】
手術後の平衡期間について:最終的に(さらにその後)、pro−PA生成レベルは、結局、標準レベルR(eq)および正常な放出速度R(eq)に戻る。PACおよびPAIのレベルもまた正常に戻る。したがって、[pro−PA]eq、[PA]eqおよび[Pmn]eqと明示された手術前のレベルへの復帰が再び実現される。これは人間で観察されたPAレベルと一致している。
【0124】
議論:プラスミノゲンアクチベータ−プラスミンのカスケード(cascade)に含まれる分子の源は、角膜中の様々な細胞および組織である。サンプリング位置が涙液中であるけれども、化学の相互作用の位置もまた角膜内である。角膜から涙液までの大量輸送(mass transport)による分子の移動が速く、分子の濃度がその2つの間で平衡にある、と仮定されている。
【0125】
本研究に記述されたメカニズムは、角膜の傷害後のプラスミノゲンアクチベータ−プラスミンのカスケードの構成要素の既知の反応を含んでいる。その分析は、この複雑な生化学のシステムの理解への以下の定性的な方法を提供する。正常な環境の下では、平衡は、システムに関与する分子の集合の間で確立させられる。角膜の損傷(手術)が生じている場合、pro−PA、PAC、PAIおよびPgnは傷ついた角膜の上皮細胞から即座に放出される。これは、pro−PAの活性なPAへの転換にはじまり、その後、Pmnを形成するためにPAがPgnと反応することで、速い(秒単位の)カスケードを導く。さらに、PAはPAIの高いレベルにさらされる。手術後に(数分以内で)測定がなされる時間までに、PAはPAIによって低いレベルに減らされ、Pmnは高められる。PAレベルは縮小されるが、PAの生成あるいは放出は、使い尽くされたPAレベルを回復し、Pmnの継続的な需要を用立てるために高められるようになる。PAの生成およびPAIレベルの間の平衡は、次の数日間を通してPA活動係数の課程を決定する。その後、細胞損傷が取り除かれる時(数日後に)、高められた生成のためにPAが高いレベルへの行過ぎがある。その後、5日目までに、平衡は回復される。
【0126】
正常に治癒された角膜で角膜に障害があるケースの涙中で測定されたPA活動係数レベルは、図7に示された化学反応メカニズムと一致している。これは、傷害を受けた角膜上皮細胞から化学物質を迅速な排出と、迅速なカスケード反応とが、Pmnを形成すると仮定する。手術の数分後になされた測定は、角膜の傷害後のPAの予期された増加を観察するためには遅すぎる。PAの速い減衰は、手術後数分以内にPAレベルを低くし、低いPAについての観察を生じさせる。したがって、化学反応メカニズムは、傷害後の正常なパターンのPA活動係数に対する説明を提供する。
【0127】
先の詳述では、発明は特定の具体例に関して記述された。しかしながら、発明のより広い精神および理解から外れずに、様々な変更および変化が可能であることは明白である。したがって、上記記載と図面は制限的な意義ではなく、1つの実施例とみなされるべきである。
【図面の簡単な説明】
【図1】
正常に治癒された目に対する個々の値の集団(71/77)と、もやが併発された場合に対する個々の値の集団(6/71)との比較を示す、人間の目におけるPRK前および後の個々のuPA活動係数レベル。
【図2】
PRK後の人間の涙中で観察された平均uPA活動係数。:71個の目は正常なuPAパターンを有しており、全くもやがない。;6個の目は、PRK後の3日間を通じて低いuPA活動係数レベルを有しており、全てもやが発達している。
【図3】
調査の間に手術を行われていない反対側の目(正常に治癒した目の反対側の目およびもやが発達した目の反対側の目において、PRKが行われる前および後)のそれぞれに対して人間の涙中の個々のuPA活動係数レベルが与えられている。
【図4】
処置されていない目(SPI無し)と、処置された目(SPI有り)に対する、PRK後のうさぎの涙中で観察された平均uPa。8個のSPI無しの目は正常なuPA活動係数のパターンを有しており、もやはどれにも発達しなかった。8個のSPI有りの目は、PRK後の7日間にSPI処置されることにより、uPA活動係数レベルが抑えられている。そして、全て手術後のもやが発達した。
【図5】
PRK後にセリンプロテアーゼ阻害剤で処置がされていない(SPI無し)目に関する、うさぎの涙中の個々のuPA活動係数レベル。
【図6】
PRK後の7日間、セリンプロテアーゼ阻害剤で処置された(SPI有りの)目に関する、うさぎの涙中の個々のuPA活動係数レベル。
【図7】
主反応を濃い線で、通常の補助反応を薄い線で、そして、損傷のメカニズムを破線で示した、プラスミン反応システムへのプロスミノゲンアクチベータの概要図。

Claims (27)

  1. 角膜上皮下のもやを防止あるいは低減するために治療上有効な量のプラスミノゲンアクチベータを害された目の表面へ局所的に適用することからなり、前記プラスミノゲンアクチベータの適用が、手術の日に開始され、少なくとも手術後の初めの5日間は毎日適用されることを特徴とする、レーザ手術後の角膜上皮下のもやを防止あるいは低減する方法。
  2. 前記レーザ手術が屈折矯正角膜切除術(PRK; photorefractive keratectomy)であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. 前記レーザ手術がLASIK(laser in situ keratomileusis)であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  4. 角膜上皮下のもやを防止あるいは低減するための治療上有効な量のプラスミノゲンアクチベータを害された目の表面へ局所的に適用することからなり、前記プラスミノゲンアクチベータの適用が、手術あるいは障害を受けた日に開始され、少なくとも手術あるいは傷害後の初めの5日間は毎日適用されることを特徴とする、目の手術、角膜の傷害、あるいは手術後のもやの発達に関連する目の病気の後の角膜上皮下のもやを防止あるいは低減する方法。
  5. 前記プラスミノゲンアクチベータは、ウロキナーゼ、ウロキナーゼ変異体、プロウロキナーゼ、プロウロキナーゼ変異体、ストレプトキナーゼ、ストレプトキナーゼ変異体、組織プラスミノゲンアクチベータ、組織プラスミノゲンアクチベータ変異体からなるグループから選択されることを特徴とする、請求項1または4のいずれかに記載の方法。
  6. 前記プラスミノゲンアクチベータは、ウロキナーゼであることを特徴とする、請求項1または4のいずれかに記載の方法。
  7. 前記プラスミノゲンアクチベータは、プロウロキナーゼであることを特徴とする、請求項1または4のいずれかに記載の方法。
  8. 前記プラスミノゲンアクチベータは、組織プラスミノゲンアクチベータであることを特徴とする、請求項1または4のいずれかに記載の方法。
  9. 前記プラスミノゲンアクチベータは、ストレプトキナーゼであることを特徴とする、請求項1または4のいずれかに記載の方法。
  10. 治療上有効な量の前記プラスミノゲンアクチベータは、0.1IU/ml〜10IU/mlであることを特徴とする、請求項1または4のいずれかに記載の方法。
  11. 治療上有効な量の前記プラスミノゲンアクチベータは、1IU/ml〜10IU/mlであることを特徴とする、請求項1または4のいずれかに記載の方法。
  12. 治療上有効な量の前記プラスミノゲンアクチベータが、手術の日あるいは手術または傷害後の傷害が始まった直後に8回〜12回、その後の6日〜12日は1日につき4回〜8回、目の表面に局所的に適用されることを特徴とする、請求項1または4のいずれかに記載の方法。
  13. 治療上有効な量の前記プラスミノゲンアクチベータが、手術の日あるいは手術または傷害後の初めの12時間について1時間〜2時間ごとに、そしてその後6日間〜10日間は2時間〜4時間ごと(1日あたり4回〜8回の適用)に、目の表面に局所的に適用されることを特徴とする、請求項1または4のいずれかに記載の方法。
  14. 生理学上適用できる担体の中に構成された治療上有効な量のプラスミノゲンアクチベータからなる、角膜上皮下のもやを防止あるいは低減するための局所的な眼病用の構成物。
  15. 前記プラスミノゲンアクチベータは、ウロキナーゼ、ウロキナーゼ変異体、プロウロキナーゼ、プロウロキナーゼ変異体、ストレプトキナーゼ、ストレプトキナーゼ変異体、組織プラスミノゲンアクチベータ、組織プラスミノゲンアクチベータ変異体からなるグループから選択されることを特徴とする、請求項14に記載の構成物。
  16. 治療上有効な量の前記プラスミノゲンアクチベータは、0.1IU/ml〜1.0IU/mlであることを特徴とする、請求項14に記載の局所的な眼病用の構成物。
  17. 治療上有効な量の前記プラスミノゲンアクチベータは、1.0IU/ml〜10IU/mlであることを特徴とする、請求項14に記載の局所的な眼病用の構成物。
  18. 前記プラスミノゲンアクチベータは、ウロキナーゼであることを特徴とする、請求項14に記載の構成物。
  19. 前記プラスミノゲンアクチベータは、プロウロキナーゼであることを特徴とする、請求項14に記載の構成物。
  20. 前記プラスミノゲンアクチベータは、組織プラスミノゲンアクチベータであることを特徴とする、請求項14に記載の構成物。
  21. 前記プラスミノゲンアクチベータは、ストレプトキナーゼであることを特徴とする、請求項14に記載の構成物。
  22. 前記角膜上皮下のもやは、レーザ手術、目の手術あるいは角膜の傷害の結果であることを特徴とする、請求項14に記載の局所的な眼病用の構成物。
  23. 治療上有効な量の前記プラスミノゲンアクチベータは、10IU/ml〜100IU/mlであることを特徴とする、請求項14に記載の局所的な眼病用の構成物。
  24. 治療上有効な量の前記プラスミノゲンアクチベータは、10IU/ml〜100IU/mlであることを特徴とする、請求項1または4のいずれかに記載の方法。
  25. 前記目の手術が、白内障の手術であることを特徴とする、請求項4に記載の方法。
  26. 前記目の手術が、手術であることを特徴とする、請求項4に記載の方法。
  27. 1つあるいはそれ以上のプラスミノゲンアクチベータが点眼薬の中に構成されていることを特徴とする、請求項14に記載の構成物。
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