JP2004510733A - 癌細胞死および腫瘍後退を誘導する方法 - Google Patents

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Abstract

癌を処置する方法が提供される。この方法は、癌細胞死および腫瘍後退を誘導するために、(1)ファルネシルタンパク質トランスフェラーゼインヒビターと共に、(2)さらなるRasシグナル伝達経路インヒビターを投与する工程を包含する。本発明は、癌(腫瘍および転移性疾患を含む)に罹患した被験体を処置する新規の方法に関する。特に、本発明は、(1)ファルネシルプロテイントランスフェラーゼ(「FPT」)インヒビターおよび(2)さらなるRasシグナル伝達経路インヒビターを組み合わせて使用して、相乗作用的なレベルの癌細胞死(特に、アポトーシス性細胞死)を誘導する工程を包含する癌の処置方法を提供し、それによって低用量の処置レジメンを可能にする。

Description

【0001】
(発明の背景)
本発明は、癌(腫瘍および転移性疾患を含む)に罹患した被験体を処置する新規の方法に関する。特に、本発明は、(1)ファルネシルプロテイントランスフェラーゼ(「FPT」)インヒビターおよび(2)さらなるRasシグナル伝達経路インヒビターを組み合わせて使用して、相乗作用的なレベルの癌細胞死(特に、アポトーシス性細胞死)を誘導する工程を包含する癌の処置方法を提供し、それによって低用量の処置レジメンを可能にする。
【0002】
(発明の背景)
本明細書の図1は、細胞増殖を導くシグナル伝達経路の単純化された直線図を示す。この経路は、本明細書中で、「Rasシグナル伝達経路」と呼ばれる。なぜなら、Rasは、この経路における中央の中継点であり、上流のエレメント(例えば、増殖因子レセプター)からシグナルを受け取り、そしてそれらを下流のエレメントに伝達するからである。
【0003】
細胞増殖(いくつかの場合、悪性形質転換)を導く増殖因子レセプターにより開始するシグナル伝達経路が解明されている。多くの増殖因子レセプター(例えば、上皮増殖因子(EGF)および血小板由来増殖因子(PDGF)に対するレセプター)ならびにEGFセレプター関連分子(例えば、Her−2/Neu/ErbB2)は、リガンドにより誘導されるレセプターのダイマー化により活性化される固有のチロシンキナーゼ活性を有する(Heldin、1995)。これは、チロシン残基におけるレセプターの自己リン酸化およびSrc−ホモロジー2(SH2)ドメインを有するタンパク質の結合を引き起こす。2つのこのようなSH2タンパク質は、Grb2およびSHCであり、これらは、原形質膜に関連する小GTP結合タンパク質であるRasを間接的に活性化する。Ras活性化はまた、7回膜貫通ドメインGタンパク質結合レセプターへのリガンド結合に応答して生じる(例えば、Gutkind、1998)。Rasおよび他の増殖因子レセプターにより調節されるシグナル伝達経路の活性化は、最終的に、細胞増殖、分化、および形質転換に必要とされる細胞骨格および遺伝子発現の変化を導く(Campbellら、1998において総説されている)。
【0004】
3つのヒトras遺伝子(Ha−Ras、N−Ras、およびKi−Ras)は、4つのタンパク質をコードする(Ki−Ras mRNAの選択的スプライシングに起因する)。通常の環境において、Rasタンパク質は、活性化(GTP結合)状態と不活性化(GDP結合)状態との間でサイクルする。Ras活性化は、GTPと結合しているGDPとの交換により生じ、これは、グアニンヌクレオチド交換因子のファミリーにより促進される。Ras不活性化は、GDPへの結合しているGTPの加水分解により生じる。この反応は、GTPase活性化タンパク質(GAP)により促進される(TraheyおよびMcCormick、1987)。多くのヒト癌において、Rasタンパク質は、それらのGTPase活性を破壊する変異により腫瘍形成的に活性化され、それによってRasシグナル伝達を調節解除する(Campbellら、1998において総説されている)。
【0005】
シグナル伝達および腫瘍形成性形質転換においてRasの下流で作用し得るおよび多くの候補Rasエフェクターが存在し、これらとしては、小GTPase、ホスファチジルイノシトール−3キナーゼ(PI3K)、およびセリン/スレオニンプロテインキナーゼc−Raf−1のRhoファミリーのメンバーが挙げられる(Campbellら、1998において総説されている)。Rafにより媒介されるシグナル伝達は、最も特徴的なRasエフェクター経路である。活性化Rasは膜にRafを補充し、ここで、Rafの活性化が生じる。活性化Rafは、キナーゼカスケード、マイトジェン活性化プロテインキナーゼ(MAPK)カスケードの最初の成分である(LowyおよびWillumsen、1993;Campbellら、1998において総説されている)。Rafは、MEK1およびMEK2(MAPK/ERKキナーゼ)プロテインキナーゼをリン酸化および活性化し、次いで、細胞外シグナル伝達調節キナーゼERK1およびERK2(MAPK1およびMAPK2としても公知である)をリン酸化および活性化する。これらの下流の標的(ERK1、2)と異なり、MEK1、2タンパク質は、高度に特異的な酵素であり、それらの唯一の既知の基質はERK1、2タンパク質である。活性化の際に、ERK1およびERK2は、種々の標的タンパク質(核転写因子を含む)をリン酸化(および、従って調節)し、最終的な細胞応答を導く。Rasシグナル伝達の直線的経路は、図1に示される。
【0006】
癌細胞の異常な増殖におけるこれらのシグナル伝達経路の重要性は、増殖因子レセプターおよびRas経路の成分が、癌においてしばしば変異および/または過剰発現されるという知見により示される。例えば、Rasは、約30%のヒト癌(肺、結腸、および膵臓癌のような高い割合の主要な上皮癌を含む)において変異的に活性化される。さらに、増殖因子レセプターの過剰発現が、多くの癌において生じる(例えば、Her−2/Neuレセプターの過剰発現は、約30%のヒト乳癌において生じる)。これらの観察により、いずれかのシグナル伝達経路の個々の成分をブロックするよう設計された因子の追跡および開発が導かれる。このような因子は新規の癌治療剤としての可能性を有するが、シグナル伝達の多くのインヒビターは、細胞周期を通じた細胞の進行をブロックすることにより、細胞毒性の様式ではなく細胞増殖抑制性の様式で作用すると考えられる。このことは、少ない毒性であるが、劇的な抗腫瘍活性もまた少ない点で、これらと従来の癌の化学療法薬とを区別する。
【0007】
従って、癌を処置する新規の方法および改善された方法を提供するための取り組みがなお存在する。例えば、腫瘍形成性癌細胞を処置するために、正常な非形質転換細胞に対する毒性の副作用の可能性を最小限にとどめつつ、癌細胞死の劇的かつ選択的な誘導を達成する新規の方法を提供することが非常に望ましい。本発明は、まさに、このような処置方法を提供する。
【0008】
(発明の要旨)
本発明は、癌の処置を必要とする患者(例えば、哺乳動物(例えば、ヒト))における癌の処置方法を提供する。この方法は、有効量の(1)ファルネシルプロテイントランスフェラーゼ(FPT)インヒビターおよび(2)さらなるRasシグナル伝達経路インヒビターを投与する工程を包含する。本発明の方法は、癌細胞死(特に、アポトーシス性細胞死)の予期せぬ劇的な誘導を達成する。この効果は、相乗作用的であり、かつ形質転換細胞(特に、腫瘍形成性癌細胞)に対して高い選択性であり、それによって、低用量の使用を可能にし、正常な非形質転換細胞に対する毒性の副作用の可能性を最小限にとどめる。さらに、本発明の方法は、驚くべきことに、細胞シグナル伝達のブロックに対する長時間持続する効果を有するものの、繰り返しになるが、正常な非形質転換細胞に対する毒性の副作用の可能性を最小限にとどめることが見出された。これらの重要性はもちろんのこと、これらの効果は、本発明の前に想到され得なかったことである。さらに、本発明の驚くべき相乗作用的かつ持続的な長時間継続する効果を利用して、超低用量の方法は、癌細胞死が効果的に達成されつつ、同時に正常な非形質転換細胞に対する毒性の副作用の可能性の危険性の低さを維持するように提供される。本発明の方法は、種々の腫瘍形成癌(特に、上皮癌(例えば、膵臓癌、卵巣癌、前立腺癌、肺癌、乳癌、結腸直腸癌、および膀胱癌))および黒色腫の処置に対して特に有用である。
【0009】
(発明の詳細な説明)
本発明は、(1)ファルネシルプロテイントランスフェラーゼ(FPT)インヒビターおよび(2)さらなるRas経路シグナル伝達インヒビターを組み合わせることにより、癌を処置する新規の方法を提供する。
【0010】
(1)「ファルネシルプロテイントランスフェラーゼインヒビター」または「FPTインヒビター」または「FTI」は、本明細書中で、(i)FPTを強力に阻害する(しかし、好ましくは、インビトロでゲラニルゲラニルプロテイントランスフェラーゼIを阻害しない)化合物;(ii)ファルネシルアクセプターであるトランスフォーミングH−rasの形成により誘導される表現型変化をブロックする(しかし、好ましくは、ゲラニルゲラニルアクセプターであるように操作されたトランスフォーミングH−rasの形成による変化をブロックしない)化合物;(iii)rasの細胞内ファルネシル化をブロックする化合物;および(iv)異常な細胞増殖をブロックする化合物として規定される。
【0011】
(2)「Rasシグナル伝達経路インヒビター」は、本明細書中で、図1に示されるシグナル伝達経路において任意のタンパク質の活性をブロックする因子として規定される。特に好ましいRasシグナル伝達経路インヒビターは、「MEKインヒビター」である。MEKインヒビターは、本明細書中で、MEK(MAPK/ERKキナーゼ)タンパク質のインビトロでの酵素活性をブロックし(好ましくは、MEK1およびMEK2を阻害する)、それによって、MAPKタンパク質のリン酸化におけるブロックにより証明されるように、MAPKタンパク質の活性化をブロックする因子として規定される。これは、例えば、Dudleyら、Proc Natl Acad Sci.92:7686−7689(1995)およびFavataら、J Bio Chem.273:18623−32(1998)に記載されるような、リン酸化MAPKについてのウェスタンブロット分析により検出され得る。
【0012】
(1.FPTインヒビター)
単一の因子として、または化学療法を組み合わせて(例えば、Liuら、1998を参照のこと)、FPTインヒビターは、Ras腫瘍性タンパク質の機能をブロックするための優れたアプローチを表わす。FPTは、Rasタンパク質のカルボキシ末端付近に存在するシステイン残基へのイソプレニル脂質部分の付加を触媒する。これは、Ras膜結合およびRas誘導性腫瘍形成性形質転換の両方に必須の翻訳後プロセシング経路の最初の工程である。種々のペプチド模倣物インヒビターならびに他の低分子インヒビターを含む、多くのFPTインヒビターが報告されており、SCH66336により例示される三環式FPTインヒビターが最も注目される。FPTインヒビターは、細胞中でのRasタンパク質の翻訳後プロセシングを妨害し、広範な種々のインビトロおよびインビボの癌モデルにおいて抗腫瘍活性を実証する(Bishopら、1995;Liuら、1998)。SCH66336の抗腫瘍活性は、インビトロでの種々のヒト腫瘍細胞株の足場依存性増殖の阻害および免疫無防備マウスにおける異種移植片としてのそれらの増殖を含む(Liuら、1998)。ヒト腫瘍細胞株は、FPTインヒビターの増殖効果に対するそれらの感受性において大きく異なる。感受性および耐性は、Ras変異状態と関連しない。
【0013】
いくつかのトランスジェニックマウス腫瘍モデル(例えば、MMTV−H−Ras、WAP−H−Ras、TGFα、およびTGFα/neu)において、有意な腫瘍の後退は、FPTインヒビターによる処置により誘導される。これらは、アポトーシスの増加と関連する(Liuら、1998;Barringtonら、1998;Norgaardら、1999)。FPTインヒビターはまた、培養物中で形質転換細胞のアポトーシスを誘導し得る。このインビトロでのアポトーシス効果は、低血清中での増殖または懸濁物中での増強された増殖に必要とされることが報告されている(HungおよびChaung、1998;Lebowitzら、1997;Suzukiら、1998)。
【0014】
FPTインヒビター処置は、Ha−Ras−形質転換Rat1細胞においてMAPK経路の活性を減少させることもまた示されている(例えば、Jamesら、1994)。MAPK活性におけるこの減少は、細胞増殖における減少と相関する。FPTインヒビターは、非形質転換Rat1細胞においてMAPK活性を減少させなかった。
【0015】
好ましいFPT阻害化合物(本明細書中で「SCH66336」と称される)は、以下の通りである。
【0016】
【化3】
Figure 2004510733
(2.MEKを標的化する因子)
MAPK経路はまた、抗癌治療の開発の標的として試験されており、そして腫瘍細胞株におけるこの経路の特定のインヒビターの効果が記載されている(Dudleyら、1995;Favataら、1998)。最も特徴付けられているMEKインヒビターは、PD098059である。PD098059は、いずれの基質(ATPまたはERKタンパク質)に対しても非競合的な様式での直接的な結合を介してMEK1およびMEK2の活性を阻害する低分子である。これは、減少したMEK1およびMEK2のリン酸化ならびにMEK基質(ERK1およびERK2)の減少した活性を生じる。PD098059処置は、Ras形質転換細胞の増殖因子媒介性増殖および足場依存性増殖をブロックする(Alessiら、1995、J Biol Chem.270−27489−27494)。
【0017】
近年、PD098059よりも高い親和性でMEKに結合する新規MEKインヒビターであるU0126が報告された(Favataら、1998)。MEKインヒビターに関するより詳細な情報およびMEKインヒビターを調製する方法については、例えば、国際特許公開WO99/01421(1999年1月14日出願)およびWO99/01426(1999年1月14日出願)に対して参照がなされ得る。
【0018】
(3.増殖因子レセプターを標的化する因子)
以下の2つの主要なアプローチが、増殖因子レセプターシグナル伝達経路をブロックするために採用される:(i)このレセプターに対するモノクローナル抗体;(ii)このレセプターのチロシンキナーゼ活性のインヒビター;および(iii)タンパク質発現をブロックするアンチセンス核酸。抗レセプターモノクローナル抗体として、erbB2レセプターを標的化する抗レセプターモノクローナル抗体(例えば、GenentechのHERCEPTIN(登録商標)/trastuzumab)およびEGFレセプターを標的化する抗レセプターモノクローナル抗体が挙げられる。最も特徴付けられている抗EGFレセプター抗体は、キメラ抗体C225である(Goldsteinら(1995)、Clin Cancer Res.1:1311−1318)。HERCEPTIN(登録商標)およびC225の両方は、それらの同族レセプターを発現する臨床前腫瘍モデルにおいて有効性が実証されている。
【0019】
チロシンキナーゼ活性の低分子インヒビターもまた、報告されており、これらの化合物のうちの以下の少なくとも2つは、すでにヒト臨床試験中である:SugenのPDGFレセプターインヒビターSU101(神経膠腫についてはフェーズIII臨床試験中であり、他の癌の徴候については初期段階試験中である)およびPfizerのEGFレセプターインヒビターCP−358,774(初期フェーズ臨床試験中である)(Moyerら(1997)、Cancer Res.57:4838−4848)。
【0020】
(4.非レセプターチロシンキナーゼを標的化する因子)
ファルネシルトランスフェラーゼインヒビターと合わされた場合、追加された利点を示す別のクラスのシグナル伝達インヒビターは、非レセプターチロシンキナーゼのインヒビターである。レセプターチロシンキナーゼと同様に、非レセプターチロシンキナーゼは、Rasシグナル伝達経路の上流に位置し、そしてRas活性化をもたらす。レセプターチロシンキナーゼとは異なり、非レセプターチロシンキナーゼは、細胞膜に局在せず、細胞質に局在する可溶性タンパク質である。これらの例としては、srcチロシンキナーゼおよびablチロシンキナーゼが挙げられる。慢性骨髄性白血病を有するほぼ全ての患者では、ablチロシンキナーゼは、悪性疾患細胞において、染色体転座によって調節解除されており(すなわち、構成的に活性化されており)、bcr−abl融合タンパク質の産生をもたらす。
【0021】
近年、bcr−abl融合タンパク質のキナーゼ活性を阻害する低分子が開発され、そして現在臨床試験されている。この一例は、STI571(CGP57148)(2−フェニルアミノピリミジン誘導体)である(Buchdungerら(1996)Cancer Research 56:100−104;Drukerら(1996)Nature Medicine 2:561−566;Weisberg & Griffin(2000)Blood 95:3498−3505を参照のこと)。STI 571は以下の構造を有する:
【0022】
【化4】
Figure 2004510733
驚くべきことに、近年の研究は、ファルネシルトランスフェラーゼインヒビターであるSCH 66336とSTI571との組合わせが、いずれの単一の薬剤単独を用いて見られるよりも大きな増強活性をbcr−ablトランスフォーメーション細胞にもたらすことを示す。
【0023】
(5.他のシグナル伝達アンタゴニスト)
上記のアプローチに加えて、Rasシグナル伝達経路および他のシグナル伝達経路の他のエレメントは、癌薬物発見の標的とされている。SH2タンパク質(SHCおよびGrb2)は、増殖因子レセプターをRas活性化に結びつけており、ホスホチロシン含有タンパク質配列へのSH2ドメインの結合をブロックするペプチド模倣因子によって標的とされている。
【0024】
プロテインキナーゼRafはまた、RasをMEK1,2の活性化へと結び付けており、低分子キナーゼインヒビターおよびアンチセンスアプローチの両方によって標的とされている。後者のアプローチ(ISIS−5132)は、第II相臨床試験されている(Moniaら,1996)。
【0025】
他の関連の細胞内シグナル伝達標的としては、リン脂質キナーゼPI3K(ホスファチジルイノシトール−3キナーゼ)およびプロテインキナーゼCが挙げられる。
【0026】
好ましい実施形態では、本発明の方法を用いて、癌性細胞(すなわち、細胞死に対して、単なる増殖休止を超えた、顕著な影響を有する)の場合、(例えば、アポトーシスによる)細胞死に顕著な影響を有することによって腫瘍形成性癌細胞を処置し得、一方、同時に、活性な因子は、比較的低い用量で(そして/またはより低い頻度で)投与されて、正常な、未トランスフォーメーション細胞に対する潜在的な毒性の副作用を最小にし得る。さらに、本発明は、細胞のシグナル伝達のブロックに対して、より長く、より持続した影響を提供しながら、同時に、正常細胞に対する潜在的な毒性副作用の危険性を最小にすることによって、癌を処置する新たな方法を提供する。
【0027】
従って、本発明はまた、以下を包含する、相乗作用レベルの癌細胞死(例えば、アポトーシス)を癌患者において誘導する方法を提供する:有効量(すなわち、例えば、Denglerら,(1995)Anticancer Drugs.6:522−32に記載されるヨウ化プロピジウム蛍光アッセイによって測定した場合に相乗作用レベルの癌の死を誘導するに充分な量)の(1)FPTインヒビターおよび(2)さらなるRasシグナル伝達経路インヒビターを同時または順次投与すること。同様に、有効量の(1)FPTインヒビターおよび(2)さらなるRasシグナル伝達経路インヒビターを投与することを含む、(Denglerら、1995のアッセイによって測定した場合)癌患者における癌細胞を殺傷するための方法が本明細書中に提供される。
【0028】
さらに、好ましい実施形態では、本発明の方法としては、(1)FPTインヒビターおよび(2)さらなるRasシグナル伝達経路インヒビターを、達成するに充分な量で同時または順次投与することによって腫瘍を処置し、そして(例えば、CATスキャンによって測定した場合)腫瘍の容積を、このような処置を必要とする患者(例えば、ヒトのような哺乳動物)において後退させるための方法が挙げられる。処置され得る腫瘍の例としては、以下が挙げられるがこれらに限定されない:上皮癌(例えば、前立腺癌)、肺癌(例えば、肺腺癌)、膵臓癌(例えば、膵臓癌腫(例えば、膵外分泌癌腫))、乳癌、結腸癌(例えば、結腸直腸癌腫(例えば、結腸腺癌および結腸腺腫))、卵巣癌、膀胱癌腫、および肝臓癌。処置され得る他の癌としては、黒色腫、骨髄性白血病(例えば、急性骨髄性白血病)、肉腫、甲状腺小胞癌および骨髄形成異常症候群が挙げられる。
【0029】
FPTインヒビターおよびさらなるRasシグナル伝達経路インヒビターを含む、癌の処置(癌細胞死および腫瘍後退の誘導を含む)の処置のための薬学的組成物、ならびにそのような組成物の調製もまた、本発明によって提供される。
【0030】
本明細書中で使用される場合、以下の用語は、他に示さない限り、以下の意味を有する:
「増殖因子レセプターインヒビター」:増殖因子レセプターのシグナル伝達特性をブロックする因子。これらは、LevitzkiおよびGazit,1995(Science.267:1782−1788)に記載されるように、レセプターのチロシンキナーゼ活性の直接的インヒビターとして作用し得るか、またはレセプターキナーゼ活性のリガンド刺激活性化を阻害することによって作用し得る。
【0031】
「チロシンキナーゼインヒビター」:LevitzkiおよびGazit,1995に記載されるように、ATPと競合することまたは酵素とのアロステリックな相互作用を介してのいずれかによって、チロシンリン酸化活性をブロックする因子。
【0032】
「プロテインキナーゼインヒビター」:LevitzkiおよびGazit,1995に記載されるように、セリン残基、トレオニン残基またはチロシン残基に対するタンパク質リン酸化活性をブロックする因子。
【0033】
「p185 erbB2/HER2/neuレセプターインヒビター」または「erbB2レセプターインヒビター」:LevitzkiおよびGazit,1995に記載されるように、erbB2レセプターのチロシンキナーゼ活性を阻害することまたはこのレセプターのキナーゼ活性のリガンド刺激をブロックすることのいずれかによって、erbB2レセプターのシグナル伝達特性をブロックする因子。
【0034】
「PDGFレセプターチロシンキナーゼインヒビター」:Kovalenko,M.ら(1994)Cancer Res.54:6106−6114に記載されるように、血小板由来増殖因子(PDGF)レセプターのチロシンキナーゼ活性を阻害することまたはこのレセプターのキナーゼ活性のPDGF刺激をブロックすることのいずれかによって、血小板由来増殖因子(PDGF)レセプターのシグナル伝達特性をブロックする因子。
【0035】
「EGFレセプターチロシンキナーゼインヒビター」:Fryら(1994),Science 9:1093−1095に記載されるように、上皮増殖因子(EGF)レセプターのチロシンキナーゼ活性を阻害することまたはこのレセプターのキナーゼ活性のEGF刺激をブロックすることのいずれかによって、上皮増殖因子(EGF)レセプターのシグナル伝達特性をブロックする因子。
【0036】
「増殖因子レセプターの細胞外ドメインに対する抗体」:このような抗体は、Mendelsohn,J.(1992)J Nat’l Cancer Inst Monogr 13:125−131に記載されるように、レセプターチロシンキナーゼのリガンドの結合を阻害することおよび/またはリガンド刺激活性化を妨害することによって、増殖因子レセプターの生物学的活性をブロックする。
【0037】
「p185 erbB2/HER2/neuレセプターを標的とするモノクローナル抗体」または「erbB2レセプターを標的とするモノクローナル抗体」:このような抗体は、Pegramら,1998に記載されるように、増殖因子レセプターキナーゼのリガンドの結合を阻害することおよび/またはリガンド刺激活性化を妨害することによって示されるように、HER2レセプターの生物学的活性をブロックする;Carterら(1992),Proc.Nat’l Acad.Sci.89:4285−4289もまた参照のこと。
【0038】
「EGFレセプターを標的とするモノクローナル抗体」:Mendelsohn,J.(1992)J Nat’l Cancer Inst Monogr 13:125−131に記載されるように、EGF結合および/またはEGF刺激キナーゼ活性を阻害するモノクローナル抗体によって示される。
【0039】
「Rasシグナル経路における増殖因子レセプターまたは他の成分に対するアンチセンス分子」:Wangら,1998またはResnicoff,1998に記載されるように、その経路における任意のタンパク質成分のメッセンジャーRNA翻訳(そしてそれゆえ、タンパク質発現)を妨害する、改変されたオリゴヌクレオチド。アンチセンス技術の一般的考察については、例えば、Antisense DNA and RNA(Cold Spring Harbor Laboratory,D.Melton編,1988)を参照のこと。
【0040】
「同時に」:(1)時間的に同時、または(2)1つの共通の処置スケジュールのクール(course)の間の異なる時点;そして
「順次」:(1)その方法の1つの成分の投与((a)FPTインヒビター、または(b)さらなるRas経路インヒビター)、続いて他の成分の投与;1つの成分の投与後、第二の成分は、第一の成分の直後に引き続いて投与されてもよく、または第二の成分は、第一の成分の後に有効期間後に投与されてもよい;有効期間は、第一の成分の投与による最大の利点の実現のために与えられる時間量である。
【0041】
「下流」は、本明細書中で、タンパク質:タンパク質結合を介して直接的に、またはRas調節エフェクタータンパク質によって間接的にのいずれかで、Rasによって調節される(Rasシグナル伝達経路内の)タンパク質活性と定義される。従って、図1を参照して、「Rasの下流のエレメント」は、例えば、Mek1,2またはErk1,2であり得る。
【0042】
「上流」は、本明細書中で、タンパク質:タンパク質結合を介して直接的に、またはRasに直接結合してRasの活性を調節する別のタンパク質を調節することによって間接的にのいずれかでRasの活性を調節する(Rasシグナル伝達経路内の)タンパク質活性と定義される。従って、「Rasの上流のエレメント」は、例えば、erbB2、PDGFレセプター、IGFレセプターまたはEGFレセプターであり得る。
【0043】
「細胞死」は、本明細書中で記載される場合、Raff,M.(1998).Nature.396:119−122に概説されるような、生理学的条件下で、または急性傷害によってのいずれかによって誘導されて、細胞小器官およびタンパク質の分解ならびに代謝プロセスの中止をもたらす、細胞の死である。細胞死は、例えば、Denglerら,(1995)Anticancer Drugs.6:522−32に記載されるヨウ化プロピジウムフローサイトメトリーアッセイによって測定され得る。
【0044】
「アポトーシス」は、本明細書中で記載される場合、Raff,M.(1998).Nature.396:119−122に概説されるような、紋切り型の形態学的変化を示す細胞死の一形態(プログラムされた細胞死)である。アポトーシスは、例えば、Denglerら,(1995)Anticancer Drugs.6:522−32に記載されるヨウ化プロピジウムフローサイトメトリーアッセイによって、またはGorczyca,(1993)Cancer Res 53:1945−51に記載されるインサイチュターミナルデオキシヌクレオチジルトランスフェラーゼおよびニックトランスレーションアッセイ(TUNEL分析)によって、測定され得る。
【0045】
「相乗作用的」または「相乗作用レベル」は、本明細書中で、2つの成分の組合わせによって達成される、(これらの成分の量を一定にした)この2つの成分のいずれか単独の影響の合計よりも大きな影響と定義される。従って、例えば、語句「癌細胞死の相乗作用レベルを誘導するに有効な量」とは、これらの2つの成分いずれか単独の影響の合計よりも高いレベルの癌細胞死(例えば、Denglerら,(1995)Anticancer Drugs.6:522−32に記載されるヨウ化プロピジウムフローサイトメトリーアッセイによって、またはGorczyca,(1993)Cancer Res 53:1945−51に記載されるインサイチュターミナルデオキシヌクレオチジルトランスフェラーゼおよびニックトランスレーションアッセイ(TUNEL分析)によって測定した場合の、アポトーシスによる細胞死)を達成する、2つの成分の量をいう。
【0046】
「持続した影響」は、単一処置単独と比較して長期の/増強された、FPT IおよびMEK1,2インヒビターを用いた組合わせ処置に対するアポトーシス応答と本明細書中で定義される。「持続した影響」の結果は、先に記載したように、MAPK活性の測定または細胞死もしくはアポトーシスのいずれかによってモニタリングされ得る。個々の薬物によるMAPK経路の阻害に有効な時間経過は、用量依存性である。しかし、本明細書中の実験は、MEK1,2インヒビターが6時間の処置時または処置前にMAPK経路を最適に阻害し、一方、SCH 66336は、処置の12時間〜18時間後に最適のMAPK経路阻害を実証することを示す。SCH 66336のMAPK阻害効果は、処置後72時間もの長期にわたって持続することが示されている。従って、2つの薬物の組合わせは、MAPK経路の「持続した」阻害を長期にわたって(好ましくは、処置後6時間のときまたはその直前に始まり、そして好ましくは処置後36時間を超えて、より好ましくは72時間を超えて持続する)もたらし得る(例えば、図6を参照のこと)。
【0047】
語句「癌細胞を殺傷する」とは、トランスフォーメーションした腫瘍形成癌細胞の癌細胞死の誘導を意味する。
【0048】
(FPTインヒビターのより詳細な説明)
FPTインヒビターとして使用され得る化合物のクラスとしては、以下が挙げられる:縮合環の三環式ベンゾシクロヘプタピリジン、オリゴペプチド、ペプチド模倣化合物、ファルネシル化ペプチド模倣化合物、カルボニルピペラジニル化合物、カルボニルピペリジニル化合物、ファルネシル誘導体、ならびに天然の産物および誘導体。
【0049】
FPTインヒビターである化合物およびこれらの化合物に関する文書の例は、以下に与えられる。
【0050】
縮合環三環式ベンゾシクロヘプタピリジン::WO95/10514;WO95/10515;WO95/10516;WO96/30363;WO96/30018;WO96/30017;WO96/30362;WO96/31111;WO96/31478;WO96/31477;WO96/31505;WO97/23478;国際特許出願番号PCT/US97/17314(WO98/15556);国際特許出願番号PCT/US97/15899(WO98/11092);国際特許出願番号PCT/US97/15900(WO98/11096);国際特許出願番号PCT/US97/15801(WO98/11106);国際特許出願番号PCT/US97/15902(WO98/11097);国際特許出願番号PCT/US97/15903(WO98/11098);国際特許出願番号PCT/US97/15904;国際特許出願番号PCT/US97/15905(WO98/11099);国際特許出願番号PCT/US97/15906(WO98/11100);国際特許出願番号PCT/US97/15907(WO98/11093);国際特許出願番号PCT/US97/19976(WO98/11091);米国特許出願番号08/877049;米国特許出願番号08/877366;米国特許出願番号08/877399;米国特許出願番号08/877336;米国特許出願番号08/877269;米国特許出願番号08/877050;米国特許出願番号08/877052;米国特許出願番号08/877051;米国特許出願番号08/877498;米国特許出願番号08/877057;米国特許出願番号08/877739;米国特許出願番号08/877677;米国特許出願番号08/877741;米国特許出願番号08/877743;米国特許出願番号08/877457;米国特許出願番号08/877673;米国特許出願番号08/876507;および米国特許出願番号09/216,398。
【0051】
いくつかのFPTインヒビターは、式Cys−Xaa−Xaa−Xaaに基づくオリゴペプチド(特にテトラペプチド)またはその誘導体である。ここで、Xaaは、セリン残基、メチオニン残基またはグルタミン残基を示し、XaaおよびXaaは、広範な種々のアミノ酸残基を示し得るが、特に脂肪族の側鎖を有するものである。これらの誘導体は、3つのペプチド結合を有しても有さなくてもよい;よって、二級アミン基へのペプチド結合−CO−NH−の還元、または炭素原子を有するペプチド鎖中の窒素原子の置換(ただし、分子の一般的形状およびその末端の分離のような特定の因子が主に保存されている)でさえも、そのオリゴペプチドよりも頻繁に安定であり、そして活性であるならば、より長い活性を有する化合物を与えることが見出されている。このような化合物は、ペプチド模倣化合物と本明細書中でいわれる。
【0052】
式Cys−Xaa−Xaa−Xaaを含むオリゴペプチド(ほとんどがテトラペプチドであるが、ペンタペプチドもある):EPA461,489;EPA520,823;EPA528,486;およびWO95/11917。
【0053】
ペプチド模倣化合物(特に、Cys−Xaa−Xaa−Xaa模倣物):EPA535,730;EPA535,731;EPA618,221;WO94/09766;WO94/10138;WO94/07966;米国特許第5,326,773号;米国特許第5,340,828号;米国特許第5,420,245号;WO95/20396;米国特許第5,439,918号;およびWO95/20396。
【0054】
ファルネシル化ペプチド模倣化合物(特に、ファルネシル化Cys−Xaa−Xaa−Xaa模倣物):GB−A2,276,618。
【0055】
他のペプチド模倣化合物:米国特許第5,352,705号;WO94/00419;WO95/00497;WO95/09000;WO95/09001;WO95/12612;WO95/25086;EPA675,112;およびFR−A2,718,149。
【0056】
ファルネシル誘導体:EPA534,546;WO94/19357;WO95/08546;EPA537,007;およびWO95/13059。
【0057】
天然産物および誘導体:WO94/18157;米国特許第5,430,055号;GB−A2,261,373;GB−A2,261,374;GB−A2,261,375;米国特許第5,420,334号;米国特許第5,436,263号。
【0058】
他の化合物:WO94/26723;WO95/08542;米国特許第5,420,157号;WO95/21815;WO96/31501;WO97/16443;WO97/21701;米国特許第5,578,629号;米国特許第5,627,202号;WO96/39137;WO97/18813;WO97/27752;WO97/27852;WO97/27853;WO97/27854;WO97/36587;WO97/36901;WO97/36900;WO97/36898;WO97/36897;WO97/36896;WO97/36892;WO97/36891;WO97/36890;WO97/36889;WO97/36888;WO97/36886;WO97/36881;WO97/36879;WO97/36877;WO97/36876;WO97/36875;WO97/36605;WO97/36593;WO97/36592;WO97/36591;WO97/36585;WO97/36584;およびWO97/36583。
【0059】
FPTのα−単位およびβ−単位をコードするプラスミド、およびこれらに関するアッセイを記載する:WO94/10184。
【0060】
米国特許出願番号09/217,335および国際特許出願番号PCT/US98/26224もまた参考とされ、これらは、FPTインヒビターを、癌のような増殖性疾患の処置の際に化学療法剤および/または放射線療法と組合わせるための種々の方法を開示する。
【0061】
FPTインヒビターである化合物に関する前述の文書の全てが、本明細書中で参考として援用される。
【0062】
多くのこのような化合物に関する総説は、Graham(Exp.Opin.Ther.Patents(1995)5(12):1269−1285)によって与えられる。
【0063】
特許明細書中の化学式の外延が、上記表題の1つの下でその特許明細書中の化学式全ての分類を可能にしないかもしれないことは、理解される。例えば、ファルネシル誘導体中のモノテルペニル鎖は、例えば、多くのメチレン基または別のイソプレン残基によってさえも伸長され得る。
【0064】
式Cys−Xaa−Xaa−Xaaのテトラペプチドは、アミノ末端システイン残基を有する。この型のテトラペプチドは、rasのカルボキシル末端を形成する。このようなテトラペプチドは、FPTと結合し得、そしてrasと競合し得る。同様の構造を有するが、メチレン基のようなヒドロカルビル基によって置換されたテトラペプチドのカルボニル基を少なくとも1つ有し、そして上記でペプチド模倣化合物として分類される化合物もまた、FPTと結合し得、そしてrasと競合し得るが、一般に、インビボでの酵素分解に対してより耐性である。
【0065】
(FPTインヒビター−例示される化合物)
以下の文書は、本発明における使用のために好ましいFPTインヒビターを開示する。この文書はまた、この文書に開示される化合物を使用する、異常な細胞増殖(例えば、腫瘍)を阻害する方法を開示する。特定の文書に関して本明細書中で規定される基および式の名称は、その文書に記載される化合物にのみ適用される。
【0066】
1995年4月20日に公開されたWO95/10516および1996年10月3日に公開されたWO96/30363は、式1.0の化合物:
【0067】
【化5】
Figure 2004510733
またはその薬学的に受容可能な塩または溶媒を開示し、ここで:
a、b、cおよびdの1つは、NまたはNRを示し、ここで、Rは、O−、−CHまたは−(CHCOH(ここで、nは、1〜3である)であり、そして残りのa、b、cおよびd基は、CRまたはCRを示し;あるいは、
a、b、cおよびdの各々は独立して、CRおよびCRから選択され;
各Rおよび各Rは独立して、H、ハロ、−CF、−OR10、−COR10、−SR10、−S(O)ll(ここでtは0、1もしくは2)、−SCN、−N(R10、−NO、−OC(O)R10、−CO10、−OCO11、−CN、−NHC(O)R10、−NHSO10、−CONHR10、−CONHCHCHOH、−NRl0COOR11、−SR C(O)OR11
【0068】
【化6】
Figure 2004510733
−SR11N(R75(ここで各R75は独立して、Hおよび−C(O)OR11から選択される)、ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ、テトラベンゾール−5−イルチオ、置換テトラゾール−5−イルチオ、アルキニル、アルケニルおよびアルキル(このアルキル基もしくはアルケニル基は、必要に応じてハロで置換されている)、−OR10または−CO10から選択され;
およびRは同じであるか異なっており、そして各々独立して、HまたはRおよびRという置換基のいずれかを示し、あるいはRおよびRは一緒になって、ベンゼン環に縮合し、飽和もしくは不飽和のC−C環を示し;
、R、RおよびRの各々は独立して、H、−CF、−COR10、アルキルまたはアリール(このアルキルまたはアリールは必要に応じて、−OR10、−SR10、−S(O)11、−NR10COOR11、−N(R10、−NO、−COR10、−OCOR10、−OCO11、−CO10、またはOPOl0で置換されている)を示すが、あるいは、R、R、RおよびRの1つは、以下に記載されるようなR40と組合わさって−(CH−(ここで、rは、1〜4である)を示し得、これは、低級アルキル、低級アルコキシ、−CFもしくはアリールで置換され得るか、あるいはRは、Rと組合わさって=Oもしくは=Sを示し、そして/またはRは、Rと組合わさって=Oもしくは=Sを示し;
10は、H、アルキル、アリールまたはアラルキルを示し;
11は、アルキルまたはアリールを示し;
Xは、N、CHまたはCを示し(ここで、Cは、炭素原子11への、点線によって示される任意の二重結合を含み得る);
炭素原子5と6との間の点線は、任意の二重結合を示し、その結果、二重結合が存在する場合は、AおよびBは独立して−R10、ハロ、−OR11、−OCO11もしくは−OC(O)R10を示し、炭素原子5と6との間に二重結合が存在しない場合は、AおよびBの各々は独立して、H、−(OR11、(Hおよびハロ)、ジハロ、(アルキルおよびH)、(アルキル)、(Hおよび−OC(O)R10)、(Hおよび−OR10)、=O、(アリールおよびH)、=NOR10、または−O−(CH−O−(ここで、pは2、3もしくは4である)を示し;
Rは、以下に規定されるようなR40、R42、R44またはR54を示し;
40は、H、アリール、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニルまたは−Dを示し、ここで、−Dは
【0069】
【化7】
Figure 2004510733
を示し、ここで、RおよびRは、前記に規定されるとおりであり、そしてWは、O、SもしくはNR10(ここで、R10は、上記で規定されるとおりである)であり;このR40のシクロアルキル基、アルケニル基およびアルキニル基)は必要に応じて、ハロ、−CON(R10、アリール、−CO10、−OR12、−SR12、−N(R10、−N(R10)CO11、−COR12、−NOもしくはDから選択される1〜3個の基で置換されており、ここで、−D、R10およびR11は、上記で規定されるとおりであり、そしてR12は、R10、−(CHOR10もしくは−(CHCO10を示し、ここで、R10は、上記で規定されたとおりであり、mは1〜4であり、そしてqは0〜4であり;このアルケニルおよびアルキニルであるR40基は、それぞれ二重結合もしくは三重結合を含む炭素に−OHも、−SHも、−N(R10も含まない;あるいは
40は、−SONH、−NHSOCH、−SONHCH、−SOCH、−SOCH、−SCHおよび−NHSOCFから選択される基で置換されたフェニルを示し(これらの基は、好ましくはこのフェニル環のパラ位に位置する);あるいは
40は、
【0070】
【化8】
Figure 2004510733
Figure 2004510733
からなる群より選択される基を示し;
42は、
【0071】
【化9】
Figure 2004510733
を示し、ここで、R20、R21およびR46は各々独立して、以下:
(1)H;
(2)−(CHSC(O)CH(ここで、qは、1〜3である);
(3)−(CHOSOCH(ここで、qは、1〜3である);
(4)−OH;
(5)−CS−(CH−(置換フェニル)(ここで、wは、1〜3であり、この置換フェニル基上の置換基は、置換フェニルについて以下の(12)の下で記載される置換基と同一である);
(6)−NH
(7)−NHCBZ;
(8)−NHC(O)OR22(ここで、R22は、1〜5個の炭素原子を有するアルキル基であるか、もしくはR22は、1〜3個のアルキル基で置換されたフェニルを示す);
(9)アルキル;
(10)−(CH−フェニル(ここで、kは、1〜6である);
(11)フェニル;
(12)置換フェニル(ここで、この置換基は、以下からなる群より選択される:ハロ、NO、−OH、−OCH、−NH、−NHR22、−N(R22、アルキル、−O(CH−フェニル(ここで、tは、1〜3である)および−O(CH−置換フェニル(ここで、tは、1〜3である);
(13)ナフチル;
(14)置換ナフチル(ここで、この置換基は上記(12)の下で置換フェニルについて規定されたものである);
(15)5〜10個の炭素原子を有する、架橋した多環式炭化水素;
(16)5〜7個の炭素原子を有するシクロアルキル;
(17)ヘテロアリール;
(18)ヒドロキシアルキル;
(19)置換ピリミジルまたは置換ピリジルN−オキシド(ここで、この置換基は、メチルピリジル、モルホリニル、イミダゾリル、1−ピペリジニル、1−(4−メチルピペラジニル)、−S(O)11、および置換フェニルについて上記(12)の下で与えられた置換基のいずれかより選択され、そしてこの置換基は、この炭素に結合した水素の置換により環炭素に結合される);
(20)
【0072】
【化10a】
Figure 2004510733
(21)
【0073】
【化10b】
Figure 2004510733
(22)
【0074】
【化10c】
Figure 2004510733
(23)−NHC(O)−(CH−フェニルもしくは−NH(O)−(CH−(置換フェニル)(ここで、kは、上記(10)の下で規定されるとおりである);
(24)ピペリジン環V:
【0075】
【化11】
Figure 2004510733
(ここで、R50は、H、アルキル、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、ハロアルキルもしくは−C(O)NH(R10)(ここで、R10は、Hもしくはアルキルである)を示す);
(25)−NHC(O)CHもしくは−NHC(O)CH(置換C);
(26)−NHC(O)OC
(27)
【0076】
【化12a】
Figure 2004510733
(28)
【0077】
【化12b】
Figure 2004510733
(29)
【0078】
【化12c】
Figure 2004510733
(30)−OC(O)−ヘテロアリール(例えば、ピリジン−4−カルボニルオキシ);
(31)−O−アルキル(例えば、−OCH);
(32)−CF
(33)−CN;
(34)以下の式のヘテロシクロアルキル基:
【0079】
【化13】
Figure 2004510733
(35)以下の式のピペリジニル基:
【0080】
【化14】
Figure 2004510733
(ここで、R85は、H、アルキル、または−OHもしくは−SCHで置換されたアルキル)
からなる群より選択され;あるいは
20およびR21は一緒になって、=O基を形成し、そして残りのR46は上記で規定されるとおりであり;あるいは
20、R21およびR46のうち2つは一緒になって、ピペリジン環V
【0081】
【化15】
Figure 2004510733
を形成し、ここで、R50は、上記(24)下で規定されるとおりであり、
ただし、R46、R20およびR21は、これらに結合する炭素原子が1つより多いヘテロ原子に結合されないように選択され;
44は、−NR2548を示し、ここでR25は、ヘテロアリール、N−メチルピペリジニルもしくはアリールを示し、そしてR48は、Hもしくはアルキルを示し;
54は、以下の式(i)、(ii)、(iii)または(iv)のN−オキシド複素環式基:
【0082】
【化16】
Figure 2004510733
を示し、ここで、R56、R58およびR60は、同じであるか異なっており、そして各々は独立して、H、ハロ、−CF、−OR10、−C(O)R10、−SR10、−S(O)11(ここで、eは1または2である)、−N(R10、−NO、−CO10、−OCO11、−OCOR10、アルキル、アリール、アルケニルおよびアルキニルから選択され、このアルキルは、−OR10、−SR10もしくは−N(R10で置換されてもよく、このアルケニルは、OR11もしくはSR11で置換されてもよく;あるいは
54は、以下の式(ia)、(iia)、(iiia)もしくは(iva)のN−オキシド複素環式基
【0083】
【化17】
Figure 2004510733
を示し、ここで、Yは、N−Oを示し、Eは、Nを示し;あるいは
54は、このN−オキシド複素環式基(i)、(ii)、(iii)、(iv)、(ia)、(iia)、(iiia)または(iva)の1つで置換されたアルキル基を示し;そして
ZはOもしくはSを示し、その結果、Rは、上記で規定されるようなR、R、RもしくはRと組合わされ得るか、またはRは、R40、R42、R44もしくはR54を示す。
【0084】
1997年7月3日付けで公開され、そして明確に本明細書中において参考として援用される、WO97/23478は、以下の化合物またはその薬学的に受容可能な塩を開示する。
【0085】
【化18】
Figure 2004510733
Figure 2004510733
Figure 2004510733
Figure 2004510733
Figure 2004510733
Figure 2004510733
Figure 2004510733
Figure 2004510733
Figure 2004510733
Figure 2004510733
Figure 2004510733
【0086】
【化19】
Figure 2004510733
本発明の方法においてFPTインヒビターとして使用するために好ましい化合物は、以下の式を有する:
【0087】
【化20】
Figure 2004510733
すなわち、化合物4−[2−[4−[(8−クロロ−3,10−ジブロモ−6,11−ジヒドロ−5H−ベンゾ[5,6]シクロヘプタ[1,2−b]ピリジン−11−イル)−1−ピペリジニル]−2−オキソエチル]−1−ピペリジンカルボキサミド、好ましくは、以下の構造を有するその(+)−異性体
【0088】
【化21】
Figure 2004510733
米国特許第5,719,148号(1998年2月17日付発行)および同第5,874,442号(1999年2月23日付発行)もまた参照のこと。これらの各々は、明確に本明細書中において参考として援用される。
【0089】
明確に本明細書中において参考として援用される、米国特許出願番号USSN09/216,398は、以下の式によって表される、FPTの阻害のために有用な化合物またはその薬学的に受容可能な塩もしくは溶媒和物を開示する:
【0090】
【化22】
Figure 2004510733
ここで:
a、b、cおよびdのうちの1つは、NもしくはNを表し、そして残りのa、b、cおよびdの基は、CRもしくはCRを表すか;または
a、b、cおよびdの各々は、独立して、CRもしくはCRから選択され;
Xは、必要に応じて存在する結合(点線によって表される)が存在しない場合にはNまたはCHを表し、そして必要に応じて存在する結合が存在する場合にはCを表し;
炭素原子5と炭素原子6との間の点線は、二重結合が存在する場合には、AおよびBが独立して、−R15、ハロ、−OR16、−OCO16または−OC(O)R15を表し、そして炭素原子5と炭素原子6との間に二重結合が存在しない場合には、AおよびBが各々独立して、H、−(OR16、Hおよびハロ、ジハロ、アルキルおよびH、(アルキル)、−Hおよび−OC(O)R5、Hおよび−OR15、=O、アリールおよびH、=NOR15または−O−(CH−O−(ここで、pは2、3または4である)というような、必要に応じて存在する結合を表し;
各Rおよび各Rは、独立して、H、ハロ、−CF、−OR15(例えば、−OCH)、−COR15、−SR15(例えば、−SCHおよび−SCH)、−S(O)16(ここで、tは0、1または2である(例えば、−SOCHおよび−SOCH))、−N(R15、−NO、−OC(O)R15、−CO15、−OCO16、−CN、−NR15COOR16、−SR16C(O)OR16(例えば、−SCHCOCH)、−SR16N(Rl7から選択され、ここでR16が、−CH−(例えば、−S(CHNHC(O)O−t−ブチルおよび−S(CHNH)、ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ、テトラゾール−5−イルチオ、または置換テトラゾール−5−イルチオ(例えば、アルキル置換テトラゾール−5−イルチオ(例えば、1−メチル−テトラゾール−5−イルチオ))、アルキニル、アルケニルまたはアルキル(このアルキル基またはアルケニル基は、必要に応じて、ハロ、−OR15または−COl5で置換されている)ではないという条件下において、各R17は、独立して、Hおよび−C(O)OR16から選択され;
およびRは、同じかもしくは異なり、そして各々独立して、H、RおよびRの任意の置換基を表すか、またはRおよびRは一緒になって、ベンゼン環に対して縮合した飽和または不飽和のC〜Cの環(環III)を表し;
、RおよびRは各々独立して、H、−CF、−COR15、アルキルまたはアリールを表し、このアルキルまたはアリールは、必要に応じて、−OR15、−SR15、−S(O)16、−NR15COOR16、−N(R15、−NO、−COR15、−OCOR15、−OCO16、−CO15、OPO15で置換されているか、またはRは、Rと合わさって=Oもしくは=Sを表し;
は、H、C〜Cアルキル(好ましくは、分枝鎖アルキル、そして最も好ましくは、C〜C分枝鎖アルキル)、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、置換アルキル、置換アリール、置換アリールアルキル、置換ヘテロアリール、置換ヘテロアリールアルキル、置換シクロアルキル、置換シクロアルキルアルキルから選択され;
置換基についての置換基は、アルキル、アリール、アリールアルキル、シクロアルキル、−N(R18、−OR18、シクロアルキルアルキル(cycloalkyalkyl)、ハロ、CN、−C(O)N(R18、−SON(R18または−CO18から選択され;ただし、−OR18置換基および−N(R18置換基は、−C(O)NR−部分のNに結合している炭素には結合せず;
各R18は、独立して、H、アルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリールまたはシクロアルキルから選択され;
およびR10は、独立して、H、アルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキルまたは−CON(R18から選択され(ここで、R18は、上記で規定した通りである);そして置換可能なR基およびR10基は、必要に応じて、アルキル(例えば、メチル、エチル、イソプロピルなど)、シクロアルキル、アリールアルキル、またはヘテロアリールアルキル(すなわち、R基および/またはRl0基は、非置換であり得るか、またはRおよび/またはRl0がHである場合を除いて、上記の1〜3個の置換基で置換され得る)から選択される1個以上(例えば、1〜3個)の置換基で置換されるか;あるいは
およびR10は、それらが結合する炭素原子と一緒になって、C〜Cシクロアルキル環を形成し;
11およびR12は、独立して、H、アルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキル、−CON(R18−OR18または−N(R18から選択され;ここでR18は、上記で規定された通りであり;ただし、−OR18基および−N(R18基は、窒素原子に隣接している炭素原子には結合せず;そしてここで、この置換可能なR11基およびR12基は、必要に応じて、アルキル(例えば、メチル、エチル、イソプロピルなど)、シクロアルキル、アリールアルキル、またはヘテロアリールアルキルから選択される1個以上(例えば、1〜3個)の置換基で置換されるか;あるいは
11およびR12は、それらが結合する炭素原子と一緒になって、C〜Cシクロアルキル環を形成し;
13は、以下から選択されるイミダゾリル環であり:
【0091】
【化23】
Figure 2004510733
ここでR19は、(1)H、(2)アルキル、(3)アルキル、(4)アリール、(5)アリールアルキル、(6)置換アリールアルキル(ここで、置換基は、ハロ(例えば、FおよびCl)またはCNから選択される)、(7)−C(アリール)(例えば、−C(フェニル)、すなわち、トリチル)または(8)シクロアルキルから選択され;
このイミダゾリル環2.0または2.1は、必要に応じて、1個または2個の置換基で置換され、そしてこのイミダゾール環4.0は、必要に応じて、1〜3個の置換基で置換され、そしてこのイミダゾール環4.1は、必要に応じて、1個の置換基で置換され、ここでこの環2.0、2.1、4.0および4.1について必要に応じて存在する置換基は、このイミダゾール環の炭素原子に結合し、そして独立して、−NHC(O)R18、−C(R34OR35、−OR18、−SR18、F、Cl、Br、アルキル、アリール、アリールアルキル、シクロアルキル、または−N(R18から選択され;R18は、上記で規定した通りであり;各R34は、独立して、Hまたはアルキル(好ましくは、−CH)から選択され、好ましくはHであり;R35は、H、−C(O)OR20、または−C(O)NHR20から選択され、そしてR20は、以下で規定されるとおりであり(好ましくは、R20は、アルキルまたはシクロアルキル、最も好ましくは、シクロペンチルまたはシクロヘキシル);Qは、アリール環(例えば、フェニル)、シクロアルキル環(例えば、シクロペンチルまたはシクロヘキシル)またはヘテロアリール環(例えば、フラニル、ピロリル、チエニル、オキサゾリルまたはチアゾリル)を表し;(−C(R34OR35基の例としては、−CHOH、−CHOC(O)OR20およびCHOC(O)NHR20が挙げられる);
14は、以下から選択され:
【0092】
【化24】
Figure 2004510733
15は、H、アルキル、アリールまたはアリールアルキルから選択され;
16は、アルキルまたはアリールから選択され;
20は、H、アルキル、アルコキシ、アリール、アリールアルキル、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルまたはヘテロシクロアルキルから選択され、ただしR14が、基5.0または8.0である場合にはR20はHではなく;
20がH以外である場合、このR20基は、必要に応じて、ハロ、アルキル、アリール、−OR18または−N(R18から選択される1個以上(例えば、1〜3個)の置換基で置換され、ここで各R18基は同じかまたは異なり、そしてここでR18は、上記で規定された通りであり、ただし、この必要に応じて存在する置換基は、酸素原子または窒素原子に隣接している炭素原子には結合せず;
21は、H、アルキル、アリール、アリールアルキル、シクロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルまたはヘテロシクロアルキルから選択され;
21がH以外である場合、このR21基は、必要に応じて、ハロ、アルキル、アリール、−OR18または−N(R18から選択される1個以上(例えば、1〜3個)の置換基で置換され、ここで各R18基は同じかまたは異なり、そしてここでR18は、上記で規定された通りであり、ただし、この必要に応じて存在する置換基は、酸素原子または窒素原子に隣接している炭素原子には結合せず;
nは0〜5であり;
各nについての各R32およびR33(すなわち、−C(R32)(R33)−基の各々について)は、独立して、H、アルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、シクロアルキル、−CON(R18、−OR18または−N(R18から選択され;ここでR18は、上記で規定された通りであり;そしてここで、この置換可能なR32基およびR33基は、必要に応じて、アルキル(例えば、メチル、エチル、イソプロピルなど)、シクロアルキル、アリールアルキル、またはヘテロアリールアルキル(heterarylalkyl)から選択される1個以上(例えば、1〜3個)の置換基で置換されるか;あるいは
32およびR33は、それらが結合する炭素原子と一緒になって、C〜Cシクロアルキル環を形成し;そして
36は、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、またはアリール(例えば、フェニル)から選択され;
ただし、
(1)R14が、基6.0、7.0、7.1または8.0から選択され、かつXがNである場合、Rは、C〜C10アルキル、置換C〜C10アルキル、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、置換ヘテロアリールアルキル、シクロアルキルアルキル、または置換シクロアルキルアルキルから選択され;
(2)R14が、基6.0、7.0、7.1または8.0から選択され、かつXがNであり、かつRがHである場合、R13(すなわち、イミダゾール環2.0、4.0または4.1)とアミド部分(すなわち、−C(O)NR18基)との間のアルキル鎖は、置換され(すなわち、(a)R、R10、R11、R12、R32、またはR33のうちの少なくとも1つはH以外であり、ならびに/あるいは、(b)RとR10および/またはR11とR12は一緒になってシクロアルキル環を形成し);
(3)R14が基5.0であり、かつXがNであり、かつRがHである場合、R13(すなわち、イミダゾール環2.0、4.0または4.1)とアミド部分(すなわち、−C(O)NR18基)との間のアルキル鎖は、置換される(すなわち、(a)R、R10、R11、R12、R32、またはR33のうちの少なくとも1つはH以外であり、ならびに/あるいは、(b)RとR10および/またはR11とR12は一緒になってシクロアルキル(cyloalkyl)環を形成する)。
【0093】
好ましいFPTインヒビターとしては、ペプチドおよびペプチド模倣化合物、ならびに上記の文書(これらはすでに、それらを参照して本明細書中において援用されている)の縮合環三環式化合物が挙げられる。より好ましいのは、縮合環三環式化合物であり、そして最も好ましいのは、WO97/23478の化合物である。
【0094】
本発明においてFPTインヒビターとして使用される化合物のFPT阻害活性および抗腫瘍活性は、当該分野で公知の方法により決定され得る−−例えば、1995年4月20日付で公開されたWO95/10516におけるインビトロ酵素アッセイ(in vitro Enzyme Assay)、細胞ベースのアッセイ(Cell−Based Assay)、細胞マットアッセイ(Cell Mat Assay)、およびインビボ抗腫瘍研究(in vivo Anti−Tumor Study)、ならびに1997年7月3日付けで公開されたWO97/23478における軟寒天アッセイ(soft agar assay)を参照のこと。
【0095】
(本発明の処置における付加的因子としての、化学療法および/または放射線療法の使用)
化学療法剤および/または照射は、必要に応じて、本発明の処置レジメンに加えられ得る((1)ファルネシルタンパク質トランスフェラーゼ(FPT)インヒビター、および(2)付加的Ras経路シグナル伝達インヒビターの組み合わせに加えて)。FPTインヒビターのみと組合わせた化学療法および/または放射線療法の使用に関して、Liu,M.ら、Cancer Res.58:4947−4956(1998)および米国特許出願USSN 09/217,335(これらは、本明細書中に参考として明確に援用される)を参照し得る。
【0096】
化学療法剤として使用され得る化合物の型としては、アルキル化剤、代謝拮抗物質、天然の生成物およびそれらの誘導体、ホルモンおよびステロイド(合成アナログを含む)、ならびに合成物が挙げられる。これらの型の中の化合物の例を、以下に提供する。
【0097】
アルキル化剤(ナイトロジェンマスタード、エチレンイミン誘導体、アルキルスルホネート、ニトロソ尿素、およびトリアゼンを含む):ウラシルマスタード、クロルメチン、シクロホスファミド(Cytoxan(登録商標))、イホスファミド、メルファラン、クロラムブシル、ピポブロマン、トリエチレン−メラミン、トリエチレンチオホスホルアミン(triethylenethiophosphoramine)、ブスルファン、カルムスチン、ロムスチン、ストレプトゾシン、ダカルバジン、およびテモゾロミド。
【0098】
代謝拮抗物質(葉酸拮抗薬、ピリミジンアナログ、プリンアナログ、およびアデノシンデアミナーゼインヒビターを含む):メトトレキサート、5−フルオロウラシル、フロクスウリジン、シタラビン、6−メルカプトプリン、6−チオグアニン、リン酸フルダラビン、ペントスタチン、およびゲムシタビン。
【0099】
天然の生成物およびそれらの誘導体(ビンカアルカロイド、抗腫瘍抗生物質、酵素、リンホカイン、およびエピポドフィロトキシン(epipodophyllotoxin)を含む):ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、ブレオマイシン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、ドキソルビシン、エピルビシン、イダルビシン、パクリタキセル(パクリタキセルは、Taxol(登録商標)として市販されている)、ミトラマイシン、デオキシコ−ホルマイシン、マイトマイシン−C、L−アスパラギナーゼ、インターフェロン(特に、IFN−α)、エトポシド、およびテニポシド。
【0100】
ホルモンおよびステロイド(合成アナログを含む):17α−エチニルエストラジオール、ジエチルスチルベストロール、テストステロン、プレドニゾン、フルオキシメステロン、プロピオン酸ドロモスタノロン、テストラクトン、酢酸メゲストロール、タモキシフェン、メチルプレドニゾロン、メチルテストステロン、プレドニゾロン、トリアムシノロン、クロロトリアニセン、ヒドロキシプロゲステロン、アミノグルテチミド、エストラムスチン、酢酸メドロキシプロゲステロン、ロイプロリド、フルタミド、トレミフェン、ゾラデックス(zoladex)。
【0101】
合成物(白金配位錯体のような無機錯体を含む):シスプラチン、カルボプラチン、ヒドロキシ尿素、アムサクリン、プロカルバジン、ミトーテン、ミトザントロン、レバミゾール、およびヘキサメチルメラミン。
【0102】
これらの化学療法剤のほとんどの安全かつ効果的な投与のための方法は、当業者に公知である。さらに、これらの投与は、標準的な文献に記載されている。例えば、多くの化学療法剤の投与は、例えば、「Physicians’ Desk Reference」(PDR)(1996年版)(Medical Economics Company,Montvale,NJ 07645−1742,USA)(この文献の開示は、本明細書中に参考として援用される)に記載される。
【0103】
(薬学的組成物)
本明細書中に記載されるFPTインヒビターおよびRasシグナル伝達経路インヒビターの薬学的組成物を調製するために使用される、不活性な薬学的に受容可能なキャリアは、固体であっても液体であってもよい。固体調製物としては、散剤、錠剤、分散可能な顆粒、カプセル、カシェ剤および坐剤が挙げられる。散剤および錠剤は、約5〜約70%の活性成分を含み得る。適切な固体キャリア(例えば、炭酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、滑石、糖、および/またはラクトース)が、当該分野で公知である。錠剤、散剤、カシェ剤およびカプセルは、経口投与に適した固体投薬量形態として使用され得る。
【0104】
坐剤を調製するために、低融点ワックス(例えば、脂肪酸グリセリドまたはカカオ脂の混合物)が、最初に融解され、そして活性成分が、攪拌などによってその中で均一に分散される。次いで、この融解した均一混合物は、好都合な大きさの鋳型に注ぎ込まれ、冷却され、それによって凝固する。
【0105】
液体調製物としては、溶液、懸濁液および乳濁液が挙げられる。例としては、非経口注射のための水または水−プロピレングリコール溶液を挙げることができる。液体調製物としてはまた、鼻腔内投与のための溶液が挙げられ得る。
【0106】
吸入に適したエアロゾル調製物としては、溶液および散剤形態の固体が挙げられ得、これらは、不活性圧縮ガスのような薬学的に受容可能なキャリアと組み合わされ得る。
【0107】
経口投与または非経口投与のいずれかのために、使用の直前の液体調製物への変換が意図される固体調製物もまた、含まれる。このような液体形態としては、溶液、懸濁液および乳濁液が挙げられる。
【0108】
本明細書中に記載される、FPTインヒビターおよび付加的Ras経路インヒビターはまた、経皮的に送達可能であり得る。この経皮組成物は、クリーム、ローション、エアロゾルおよび/または乳濁液の形態をとり得、そしてこの目的に関して当該分野で慣用的であるような、マトリックス型またはレザバー型の経皮パッチに含まれ得る。
【0109】
好ましくは、この化合物は、経口投与される。
【0110】
好ましくは、薬学的調製物は、単位投薬量形態である。このような形態において、調製物は、活性成分の適切な量(例えば、所望も目的を達成するのに有効な量)を含む単位用量に細分される。
【0111】
調製物の単位用量中の活性化合物の量は、特定の適用に従って、約0.5mg〜1000mg、好ましくは約1mg〜300mg、より好ましくは5mg〜200mgの間で変化するかまたはこの間で調整され得る。
【0112】
使用される実際の投薬量は、患者の要求および処置される状態の重篤度に依存して変化し得る。特定の状況のための適切な投薬量の決定は、当該分野における技術の範囲内である。一般的に、処置は、その化合物の最適用量よりも少ない、低用量で開始される。その後、この投薬量は、その状況下で最適な効果が達成されるまで、少量ずつ増加される。便宜上、1日の全投薬量は、所望される場合、1日の間に、数部に分けられ、そして投与され得る。
【0113】
FPTインヒビターおよび付加的Ras経路インヒビターの投与量および投与頻度は、患者の年齢、状態および大きさ、ならびに処置される疾患の重篤度などのいくつかの因子を考慮して、主治医(医師)の判断に従って調節される。一般的に、FPTインヒビターの投薬量(単一の薬剤として使用される場合)は、おそらく、2000mg/日よりも上の範囲、好ましくは50〜400mg/日の範囲を有し得る(FPTインヒビターが、縮合環三環式ベンゾシクロヘプタピリジンである場合)。しかし、本発明の組み合わせ治療において、FPTインヒビターの好ましい低投薬量レジメンは、例えば、好ましくは1日2回(B.I.D.)の投薬スケジュールでの、1.4〜400mg/日、より好ましくは1.4〜350mg/日、なおより好ましくは3.5〜70mg/日の範囲の量の経口投与である。特に低い投薬量範囲は、1.4〜70mg/日であり得る。
【0114】
付加的Ras経路インヒビターは、当該分野で周知の治療プロトコルに従って投与され得る。例えば、Pegram,M.D.ら(1998)J Clin Oncol.16:2659−2671を参照のこと。付加的Ras経路インヒビターの投与が、処置される疾患およびその疾患に対する付加的Ras経路インヒビターの既知の効果に依存して、変化し得ることは、当業者に明らかである。また、当該分野の臨床医の知識に従って、治療プロトコル(例えば、投薬量および投与回数)は、患者に対して観察される投与される治療剤(すなわち、付加的Ras経路インヒビター)の影響を考慮して、そして投与される治療剤に対して観察されるその疾患の応答を考慮して、変化し得る。一般的に、さらなるRasシグナル伝達経路インヒビターの投薬量は(単一の薬剤として使用される場合)、例えば、5〜2000mg/日の範囲であり得る。しかし、本発明の組み合わせ治療において、さらなるRasシグナル伝達経路インヒビター(例えば、MEKインヒビター)の好ましい低投薬量レジメンは、好ましくは1日2回(B.I.D.)の投薬スケジュールでの、1〜350mg/日、より好ましくは3.5〜70mg/日の範囲の量の投与である。特に低い投薬量範囲は、1〜70mg/日であり得る。
【0115】
従って、癌(例えば、膵臓癌、肺癌、または膀胱癌)の処置における組合わせ治療の好ましい例において、FPTインヒビターは、前に示したように、連続した投薬レジメンにおいて2回に分けた用量で70mg/日の量で経口投与される、SCH66336であり得;そして、さらなるRasシグナル伝達経路インヒビターは、連続した投与レジメンにおいて2回に分けた用量で350mg/日の量で投与される、PD098059(またはそのアナログ)であり得る。
【0116】
癌(例えば、膵臓癌、肺癌、または膀胱癌)の処置における組合わせ治療の別の好ましい例において、FPTインヒビターは、前に示したように、連続した投薬レジメンにおいて2回に分けた用量で70mg/日の量で経口投与される、SCH66336であり;そして、さらなるRasシグナル伝達経路インヒビターは、連続した投与レジメンにおいて2回に分けた用量で350mg/日の量で投与される、U0126(またはそのアナログ)である。
【0117】
本発明の方法において、FPTインヒビターは、付加的Ras経路インヒビターと同時(concurrently)または連続的に投与される。従って、例えば、付加的Ras経路インヒビターおよびFPTインヒビターが、同時(simultaneously)に投与されるべき必要も、本質的に同時に投与されるべき必要もない。同時の投与または本質的に同時の投与の利点は、当該分野の臨床医の決定の十分範囲内である。
【0118】
同様に、一般的に、FPTインヒビターおよび付加的Ras経路インヒビターは、同じ薬学的組成物中で投薬される必要はなく、そして、異なる物理特徴および異なる化学特徴に起因して、異なる経路で投与される必要があり得る。例えば、FPTインヒビターが、経口投与されて、その良好な血中レベルを生成および維持し得、一方、付加的Ras経路インヒビターは、静脈内投与され得る。同じ薬学的組成物での投与様式および投与の適否の決定は(可能である場合)、当該分野の臨床医の知識の十分範囲内である。最初の投与は、当該分野で公知の確立されたプロトコルに従ってなされ得、ついで、観察された効果に依存して、投薬量、投与の様式および投与回数は、当該分野の臨床医によって改変され得る。
【0119】
FPTインヒビターおよび付加的Ras経路インヒビターの特定の選択は、担当医の診断ならびに患者の状態および適切な処置プロトコルの担当医の判断に依存する。
【0120】
FPTインヒビターおよび付加的Ras経路インヒビターは、増殖性疾患の性質、患者の状態、およびFPTインヒビターと組合わせて投与される付加的Ras経路インヒビターの実際の選択(すなわち、単一処置プロトコル内)に依存して、同時に(例えば、同時に、本質的に同時に、または同じ処置プロトコル内で)投与され得るか、または連続的に投与され得る。
【0121】
FPTインヒビターおよび付加的Ras経路インヒビターが、同時にも本質的に同時にも投与されない場合、FPTインヒビターおよび付加的Ras経路インヒビターの最初の投与順序は、重要であり得ない。従って、FPTインヒビターが、最初に投与され、続いて、付加的Ras経路インヒビターが投与され得るか;または付加的Ras経路インヒビターが、最初に投与され、続いて、FPTインヒビターが投与され得る。この代替的な投与は、単一処置プロトコルの間に繰り返され得る。投与順序の決定、および処置プロトコルの間の各治療剤の投与の反復(repetition)回数は、処置される疾患および患者の状態の評価の後、当該分野の医師の知識の十分に範囲内である。例えば、付加的Ras経路インヒビターが最初に投与され得、次いで、処置プロトコルが完了するまで、FPTインヒビターの投与による続きの処置に、付加的Ras経路インヒビターの投与(有利であると決定された場合)などが続く。
【0122】
従って、経験および知識に従って、開業医は、処置が進行するにつれて、個々の患者の要求に従う処置の成分(治療剤−−すなわち、FPTインヒビター、付加的Ras経路インヒビター)の投与について、各プロトコルを改変し得る。
【0123】
主治医は、処置がその投与される投薬量で有効であるか否かを判断する際に、患者の全体的な健康状態ならびにより限定された徴候(例えば、疾患に関連する症状の軽減、腫瘍増殖の阻害、腫瘍の実際の減少、または転移の阻害など)を考慮する。腫瘍の大きさは、放射線医学的研究(例えば、CATまたはMRIスキャン)のような標準的な方法によって測定され得、そして継続した測定を使用して、腫瘍の増殖が遅延されたか否か、またはさらには逆転されたか否かを判断し得る。疾患に関連する症状(例えば、疼痛)の軽減および全体の状態における改善もまた使用して、処置の有効性の判断を補助し得る。(当然、前に示したように、本発明の方法を用いた有効な処置は、好ましくは、相乗作用的なレベルの、癌細胞死および/または腫瘍後退をもたらす)。
【0124】
以下は、FPT阻害化合物のためのカプセル処方物の例(実施例1〜4)である。
【0125】
【化25】
Figure 2004510733
【0126】
【表1】
Figure 2004510733
【0127】
【表2】
Figure 2004510733
結晶性FPT阻害化合物およびポビドンを、塩化メチレンに溶解した。この溶液を適切な溶媒噴霧ドライヤーを用いて乾燥した。次いで残渣を、研削によって微粒子まで小さくした。次いでこの粉末を、30メッシュスクリーンに通した。粉末はX線分析によって非晶質であることが見いだされた。
【0128】
固溶体、二酸化ケイ素(1)およびステアリン酸マグネシウム(2)を、適切なミキサーで10分間混合した。混合物を適切なローラーコンパクターを用いて形成し、そして30メッシュスクリーンに合う適切なミルを用いて製粉した。クロスカルメロース(Croscarmellose)ナトリウム、プルロニック(Pluronic)F68および二酸化ケイ素(3)を、製粉した混合物に添加し、そして10分間さらに混合した。プレミックスを、ステアリン酸マグネシウム(4)および等量部の混合物から生成した。このプレミックスを残りの混合物に添加し、そして5分間混合した。この混合物を、殻の固いゼラチンカプセル殻に封入した。
【0129】
【表3】
Figure 2004510733
結晶性FPT阻害化合物およびポビドンを、塩化メチレンおよびメタノールの混合物に溶解した。この溶液を適切な溶媒噴霧ドライヤーを用いて乾燥させた。次いで残渣を、研削によって微粒子まで小さくした。次いでこの粉末を、30メッシュスクリーンに通した。粉末はX線分析によって非晶質であることが見いだされた。
【0130】
固溶体、二酸化ケイ素(1)およびステアリン酸マグネシウム(2)を、適切なミキサーで10分間混合した。混合物を適切なローラーコンパクターを用いて形成し、そして30メッシュスクリーンに合う適切なミルを用いて製粉した。クロスカルメロースナトリウム、プルロニックF68および二酸化ケイ素(3)を、製粉した混合物に添加し、そして10分間さらに混合した。プレミックスを、ステアリン酸マグネシウム(4)および等量部の混合物から生成した。このプレミックスを残りの混合物に添加し、そして5分間攪拌した。この混合物を、殻の固いゼラチンカプセル殻に封入した。
【0131】
処方物に関する情報について、米国特許出願番号08/997168および60/068387(1997年12月22日出願)(これは、特に参考として本明細書中に援用される)もまた、参照し得る。
【0132】
本発明の薬学的組成物の局面において、本発明の範囲は提供された実施例によって制限されるべきではない。
【0133】
本明細書中に援用される全ての文献(例えば、刊行物および特許出願)は、各別個の文献が、詳細にかつ別個に参考として援用されるために記載されたかのように、それと同じ範囲まで参考として援用される。
【0134】
本発明は、上記の特定の実施形態とともに記載されているが、その多くの代替物、改変およびバリエーションは当業者に明らかである。全てのこのような代替物、改変およびバリエーションは、本発明の精神および範囲の範囲内であることが意図される。
【0135】
【表4】
Figure 2004510733
Figure 2004510733

【図面の簡単な説明】
【図1】
図1(Rasシグナル伝達)は、RAS/MAPKシグナル伝達経路の成分の概略図を示す。増殖因子レセプターからERK活性化へのこの直線的な経路は、最初に解明されたRas媒介経路であった。種々のインヒビター(FPTインヒビターSCH66336、MEKインヒビターPDO98059およびU0126、ならびに非レセプターチロシンキナーゼインヒビターSTI−571)により標的化される工程もまた示される。

Claims (13)

  1. 癌の処置を必要とする患者において癌を処置する方法であって、該方法が、(1)FPTインヒビターおよび(2)チロシンキナーゼインヒビターを投与する工程を包含する、方法。
  2. 前記FPTインヒビターが、縮合環三環式ベンゾシクロヘプタピリジンである、請求項1に記載の方法。
  3. 前記チロシンキナーゼインヒビターが2−フェニルアミノピリミジン誘導体である、請求項1に記載の方法。
  4. 前記FPTインヒビターが1.4mg/日〜400mg/日の量で投与される、請求項1に記載の方法。
  5. 前記FPTインヒビターが3.5mg/日〜70mg/日の量で投与される、請求項4に記載の方法。
  6. 前記チロシンキナーゼインヒビターが3.5mg/日〜70mg/日の量で投与される、請求項5に記載の方法。
  7. 前記FPTインヒビターおよび前記チロシンキナーゼインヒビターが同時投与される、請求項6に記載の方法。
  8. 前記FPTインヒビターおよび前記チロシンキナーゼインヒビターが連続投与される、請求項7に記載の方法。
  9. 請求項1に記載の方法であって、前記癌が、以下:肺癌、膵臓癌、結腸癌、卵巣癌、肝臓癌、骨髄性白血病、黒色腫、甲状腺小胞癌、膀胱癌腫、神経膠腫、脊髄形成異常症候群、乳癌または前立腺癌である、方法。
  10. 化学療法剤を投与する工程をさらに包含する、請求項1に記載の方法。
  11. 請求項10に記載の方法であって、前記化学療法剤が、以下:ウラシルマスタード、クロルメチン、シクロホスファミド、イホスファミド、メルファラン、クロラムブシル、ピポブロマン、トリエチレンメラミン、トリエチレンチオホスホルアミン、ブスルファン、カルムスチン、ロムスチン、5−フルオロウラシル、フロクスウリジン、シタラビン、6−メルカプトプリン、6−チオグアニン、リン酸フルダラビン、ペントスタチン、ゲムシタビン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、ブレオマイシン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、ドキソルビシン、エピルビジン、イダルビシン、パクリタキセル、ミトラマイシン、デオキシコホルマイシン、マイトマイシン−C、L−アスパラギナーゼ、インターフェロン、エトポシド、テニポシド、17α−エチニルエストラジオール、ジエチルスチルベストロール、テストステロン、プレドニゾン、フルオキシメステロン、プロピオン酸ドロモスタノロン、テストラクトン、酢酸メゲストロール、タモキシフェン、メチルプレドニゾロン、メチルテストステロン、プレドニゾロン、トリアムシノロン、クロロトリアニセン、ヒドロキシプロゲステロン、アミノグルテチミド、エストラムスチン、酢酸メドロキシプロゲステロン、ロイプロリド、フルタミド、トレミフェン、ゴセレリン、シスプラチン、カルボプラチン、ヒドロキシ尿素、アムサクリン、プロカルバジン、ミトーテン、ミトザントロン、レバミゾールナベルベン、CPT−11、アナストロゾール、レトラゾール、カペシタビン、レオクサフィン、ドロキシフィン、テモゾロミド、またはヘキサメチルメラミンより選択される、方法。
  12. 放射線を施す工程をさらに含む、請求項1に記載の方法。
  13. 癌の処置を必要とする患者において癌を処置する方法であって、該処置が、(1)FPTインヒビター
    Figure 2004510733
    および(2)チロシンキナーゼインヒビター
    Figure 2004510733
    の有効量を、同時または連続的に投与する工程を包含する、方法。
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