JP2004510031A - 環境に優しい氷結防止または除氷流体 - Google Patents
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Abstract
水酸基を含む化合物および/または有機酸塩を含有する除氷組成物。
Description
【0001】
(関連する出願の相互参照)
本出願は、それ自体が、1999年3月2日に発行された現在の米国特許第5,876,621号である、1997年9月30日出願の米国特許出願第08/940,936号の一部継続出願である、1999年11月9日に発行された現在の米国特許第5,980,774号である、1998年9月28日出願の米国特許出願第09/161,865号の一部継続出願である、現在特許査定済みの1999年11月9日出願の米国特許出願第09/436,811号の一部継続出願である。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、除氷流体組成物および表面を除氷する方法に関する。より詳細には、本発明は、比較的環境に優しい、水酸基含有有機化合物および/または特定の有機酸塩を含む除氷流体組成物に関する。
【0003】
(発明の背景)
凝固点を降下させる組成物は、様々な目的で広範に使用されており、とりわけ、氷が生成できないように水性の系の凝固点を降下させるため、または生成した氷を融解するために使用される。一般に凝固点降下組成物がどれだけ効果を持つかは、モル凝固点降下、利用できる生成されるイオン種数、およびその中で氷の生成が防止されかつ/またはその中で氷が融解される液相中に組成物がどれだけ分散できるかに依存する。
【0004】
除氷のために一般的に使用される製品で最も普及しているものは、食塩、塩化カルシウムおよび尿素であるが、食塩(塩化ナトリウム)は、最も廉価で最もよく使用されている。食塩は、道路表面上などの氷を融かすために広く使用されている。このようにして、塩は氷と接触している利用可能な液体と溶液を形成し、それによって、氷自体より低温の凝固点を有する溶液を形成して、氷は融ける。しかしながら、塩化物は、根系中で水の吸収を妨げることによる周囲の草木への有害な影響、動物の足など動物の皮膚、衣服、道路および自動車に対する腐食性の影響、および表面水および地下水への有害な影響など比較的深刻な欠点を抱えている。したがって、塩化物の量を減らすことができる新しい除氷方法または新しい除氷組成物があれば、当技術分野での長い間の切実な要求を解決するはずである。
【0005】
例えば、道路の除氷用途では、気温が低すぎて塩化ナトリウムが有効でない場合、液体の塩化カルシウム(32%)は、通常好ましい材料である。しかしながら、ある地域では、塩化物の使用が許可されないかまたは減らすことが必要とされることがしばしばある。というのは、塩化物は腐食性が高く、周囲の草木の破壊、道路および輸送機関に損害、および供給水の汚染を引き起こすからである。
【0006】
従来技術のある除氷流体のもう1つの欠点は、化学的および生物学的酸素要求量が高いことであり、そのため、この除氷流体は環境上不利になっている。グリコールはとりわけ、このタイプの環境上の欠点を有する除氷流体の例である。したがって、グリコールの量を減らすことができる新しい除氷方法または新しい組成物があれば、当技術分野での長い間の切実な要求を解決するはずである。
【0007】
上記のように除氷剤に関連した問題があるために、より多くの除氷剤を発見しようとする試みがなされてきた。例えば、Kaesの米国特許第4,448,702号は、アジピン酸、グルタミン酸、コハク酸やマロン酸のナトリウム、カリウム、アンモニウムや有機アミン塩など、炭素原子を少なくとも3個有する少なくとも1つのジカルボン酸の水溶性の塩の添加を必要とする、凝固点降下組成物および方法の使用を開示している。
【0008】
Peelの米国特許第4,746,449号は、酢酸塩を12〜75%、炭酸塩を痕跡量から36%、ギ酸塩を1〜24%、擬乳酸塩を1〜32%含む除氷剤の調製を教示しており、この除氷剤は、パルプ製造器の黒色リカーより、黒色リカーを低分子量のフラクションに分別し、集めた低分子量のフラクションを濃縮して除氷剤を生成することによって調製する。
【0009】
米国特許第4,960,531号は、少量、すなわち10%未満のメチルグルコシドを、少量の、すなわち約2.5%の炭酸カリウムと組み合わせて、従来の塩の除氷剤に対するトリガとして使用できることを教示している。この’531号特許は、米国再発行特許第RE32,477号の改良特許であり、この特許は、塩化ナトリウムおよび塩化カリウムの塩混合物とアミドの使用を教示している。他の無機塩、塩化マグネシウム、リン酸カリウム、リン酸ナトリウム、リン酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、アルカリ土類金属の硝酸塩、硝酸マグネシウム、硫酸アンモニウム、アルカリ金属の硫酸塩なども凝固点降下剤として有用であることが知られている。
【0010】
とりわけ有用な氷結防止および除氷組成物を開示しているSapienzaの米国特許第5,876,621号、Sapienzaの米国特許第5,980,774号についても特に言及しておく。
【0011】
低凝固点の除氷剤および氷結防止剤の溶液には、通常、ブライン、エチレングリコールおよびプロピレングリコールの溶液がある。除氷化合物中にブラインを使用すると、塩化物の影響を取り除くことはできないが、低下させることができる。ブラインは、通常の水の凝固点未満の温度で熱を移動させるために使用される。エチレングリコール溶液は、気温が通常の水の凝固点未満に下がる可能性のある地域で自動車などの冷却液として使用されることが周知である。エチレングリコールおよびプロピレングリコールは、荒天中で航空交通の流れを保つために、北方気候地域の主要な空港で比較的大量に使用される。この流体は、一般に飛行機の翼、胴体および尾翼ならびに滑走路で氷を取り除くために散布される。しかしながら、これらのグリコール化合物は、同様に、環境上の欠点を有しており、汚水処理プロセスで有害になる可能性がある。
【0012】
他の従来技術のアルコールなどの除氷流体は、低分子量の範囲で毒性の影響および高い揮発性を有し、不快な臭いや火の危険の原因になる可能性がある。さらに、モノおよびポリ水酸基アルコールは、大気の酸素の存在下で酸化して、酸を形成し、これは材料の腐食を増加させる可能性がある。
【0013】
新しい除氷流体が必要とされるさらにもう1つの理由は、空港の滑走路の除氷流体のための仕様SAE AMS 1435Aの凝固点の要件が最近変わったことから持ち上がった。新しい仕様AMS 1435Aでは、除氷流体が1:1の重量希釈度で−14.5℃未満の凝固点を有することが必要とされる。これらの仕様により、既存のグリコールをベースとする流体を含めて、現在商業的に使用されている多くのテクノロジーは、もはやASTM D 1177を含めて、新しい要件を満たさなくなる。
【0014】
したがって当技術分野では、新しい改良された除氷および/または氷結防止剤が求められている。好ましくは、これらは、所望の凝固点降下特性を依然として有しながら、無機塩を含まないか、実質的に含まず、環境に優しく、比較的廉価な原材料から調製される。同様に、無機塩やグリコールなどの先行技術の除氷剤と組み合わせて使用できて、無機塩またはグリコールの量を相当に減らし、それによって、付随する塩および/またはグリコールの環境上の影響を減らす、新しい除氷剤および/または氷結防止剤が当技術分野で求められている。驚くべきことに、本明細書で開示された組成物がこれらの要求を満たすことが見出された。
【0015】
新しい除氷剤および/または新しい氷結防止剤の全活性組成物は、約5〜約100重量%に変わることができる。改善された固体除氷剤は、前記に記載した環境的な長所を有し、しかも固体の塩化物と同じやり方で散布できるものである。
【0016】
(発明の概要)
したがって、本発明の好ましい一実施形態は、(a)グリセロールおよび(b)水を含む除氷および/または氷結防止組成物を提供する。
【0017】
もう1つの好ましい実施形態では、本発明は、グリセロールおよび水を含む、除氷剤および/または氷結防止剤を有効量、表面に付着することを含む表面を除氷または氷結防止する方法を提供する。
【0018】
本発明のさらに好ましい一実施形態では、(a)グリセロール、(b)カルボン酸塩、ヒドロキシカルボン酸塩、ジカルボン酸塩およびそれらの任意の混合物からなる群から選択される有機酸塩、および(c)水を含む除氷および氷結防止組成物が提供される。
【0019】
本発明のさらに好ましいもう1つの実施形態では、(a)グリセロール、(b)カルボン酸塩、ヒドロキシカルボン酸塩、ジカルボン酸塩およびそれらの任意の混合物からなる群から選択される有機酸塩、および(c)水を含む除氷剤および/または氷結防止剤を有効量、表面に付着することを含む、表面を除氷または氷結防止する方法が提供される。
【0020】
本発明のさらに好ましいもう1つの実施形態では、(a)スクロースなどの二糖および多糖を含むヒドロカルビルアルドシド、ソルビトールその他砂糖、単糖、マルトデキストリンおよびスクロースの水素添加生成物、マルチト−ル、グリコール、単糖、グリセロールおよび前記の任意の混合物からなる群から選択される水酸基含有の有機化合物、(b)炭酸塩、および(c)水を含む除氷および/または氷結防止組成物が提供される。
【0021】
本発明のさらに好ましいもう1つの実施形態では、(a)スクロースなどの二糖および多糖を含むヒドロカルビルアルドシド、ソルビトールその他砂糖、単糖、マルトデキストリンおよびスクロースの水素添加生成物、マルチト−ル、グリコール、単糖、グリセロールおよび前記の任意の混合物からなる群から選択される水酸基含有の有機化合物、(b)炭酸塩、および(c)水を含む除氷剤および/または氷結防止剤を有効量、表面に付着することを含む、表面を除氷または氷結防止する方法が提供される。
【0022】
さらに、有用な除氷剤および/または氷結防止剤が、ソルビトールおよびグリセロールと水および炭酸塩や酢酸塩などの他の材料との組合せから調製できることが、企図されている。これらは、飛行機および空港の滑走路での除氷および/氷結防止用途に特に有用である。
【0023】
本発明者はさらに、回収された空港および/または飛行機の流去水を改良することにより、優れた除氷組成物が得られることを見出している。例えば、回収された流去水は通常、少なくとも約5重量%、好ましくは約10重量%、またはそれ以上のグリコールを含んでいるが、有効量の(a)ヒドロカルビルアルドシド、ソルビトールその他砂糖、単糖、マルトデキストリンおよびスクロースの水素添加生成物、マルチト−ル、グリコール、単糖、グリセロールおよびそれらの混合物からなる群から選択される水酸基含有の有機化合物、および/または(b)炭酸塩、カルボン酸塩、ヒドロキシカルボン酸塩、ジカルボン酸塩およびこれらの混合物からなる群から選択される有機酸塩を加えることによって改良できる。これらの改良された流去水は、直接に、橋、滑走路や幹線道路などの表面の除氷剤および/または氷結防止剤として使用できるものである。
【0024】
本発明のもう1つの利点は、酢酸カリウムなどの塩に炭水化物が添加された場合、氷結防止化合物の粘度および濡れ性の能力が増加することに見られる。これには、容易に表面から流れ去らない化合物が提供され、さらに表面が後で乾燥した後に乾燥粉末を残さない持続性の高いフィルムが提供される、二重の効果がある。
【0025】
さらに、ある幹線道路上の用途など無機塩がいくらか許容できる実施形態では、本発明はさらに、塩化ナトリウム、塩化マグネシウムや/または塩化カルシウムなどの無機塩を有効量添加することにより、回収された空港の流去水の改良をもたらす。かかる組成物では、同等以上の除氷および/または氷結防止特性を得るために使用する無機塩の量を減らせるので、環境に対する影響を改善してきた。
【0026】
本発明はさらに、無機塩にグルコシド、フラノシド、マルトシド、マルトトリオシド、グルコピラノシド、ソルビトールその他砂糖、単糖、マルトデキストリンおよびスクロースの水素添加された生成物、グリセロールおよびそれらの任意の混合物からなる群から選択される有効量の除氷剤を添加することを含む、効果的な除氷および/または氷結防止を実現するために必要な無機塩の量を減らす方法を提供する。
【0027】
本発明の組成物および方法は、飛行機の金属表面および非金属表面の両方を含めて広く様々な表面に適用でき、氷結を防止し、表面から氷を取り除き、氷の再形成を妨げる。本発明は、飛行機、滑走路、橋、道路などに使用できる除氷組成物を提供する。さらに、この組成物は熱移動の用途、および凍っていない状態で液体を保持することが不可欠な用途、例えば、消火器として使用できる。さらに、本発明は、氷結が起きるのを防ぐために、氷結条件の開始前に、橋などの表面に散布できる氷結防止組成物を提供する。さらに、本発明の組成物は、収穫前の果物および野菜の農作物の除氷剤および/または氷結防止剤として使用できるものである。
【0028】
(本発明の詳細な説明)
本発明は、除氷剤および/または氷結防止剤として有用な新規な組成物を提供する。本発明の除氷剤は、ある種の水酸基含有の有機化合物、ある種の有機酸塩を単独でまたは混合物として含む。
【0029】
本発明のこの組成物は、液体または固体の形式で使用するように調製できることも考えられている。例えば、この化合物は、液体として調製でき、表面上にスプレイまたは散布できる。別法では、固体の形態で調製でき、粉末として使用できる。任意選択で、この固体はさらに、例えば、ペレット化、プリル化、フレーク化、または液浸軟化などのこの技術分野で周知の方法を用いて処理して、最終的に使用可能な粉末または顆粒の形の配合物を提供することができる。当分野の技術者には周知の任意の結合剤を、任意選択で含んでいてもよく、不活性でも、凝固点降下を積極的に促す成分を含んでいてもよく、例えば、炭殻、おがくず、砂、砂利、糖、マルトデキストリンおよびこれらの混合物を使用することができる。
【0030】
本発明の組成全体に含まれる、本発明の除氷剤または氷結防止剤の量は約5〜100重量%の間で変わることができる。この除氷剤および/または氷結防止剤の量は、約5または10〜約90重量%であることが好ましく、約15〜約80重量%の量であることがより好ましく、約30〜約70重量%の量であることが最も好ましい。多くの好ましい実施形態では、除氷剤および/または氷結防止剤は、水とほぼ同じ割合で使用され、すなわち、作用剤:水の比が1:1である。固体の配合物では、除氷剤および/または氷結防止剤が最終配合物の100%でもよい。
【0031】
本発明のある実施形態に有用な水酸基含有の有機化合物は、一般にヒドロカルビルアルドシド、ソルビトールその他砂糖、単糖、マルトデキストリン、およびスクロースの水素添加生成物、マルチトール、グリコール、単糖、グリセロールおよびこれらの混合物の群から選択される。
【0032】
本発明を実施する際に有用である、二糖および多糖などのヒドロカルビルアルドシドは当分野の技術者に周知である。本発明を実施するに有用なヒドロカルビルアルドシドの例は、グルコピラノシドスクロース(砂糖)である。好ましくは、ヒドロカルビルアルドシドは、アルキルアルドシドを含む。アルキルアルドシドは、例えば、参照により本明細書に組み込まれている米国特許第4,223,129号および第4,329,449号に記載されているように調製することができる。
【0033】
本発明を実施するのに有用な代表的なアルキルアルドシドは、アルキルグルコシド、アルキルフラノシド、アルキルマルトシド、アルキルマルトトリオシド、アルキルグルコピラノシド、およびこれらの混合物などである。
【0034】
本発明を実施するのに有用な他の水酸基含有の有機化合物は、ソルビトールおよびマルチトール、キシリトールやマンニトールなど砂糖、単糖、マルトデキストリン、およびスクロースの水素添加生成物、ならびにエチレングリコールやプロピレングリコールなどのグリコール、グリセロ−ルおよび単糖である。これらの材料は、市販されており、当分野の技術者には周知である。
【0035】
本発明を実施するのに有用な有機塩成分には、カルボン酸塩、ヒドロキシカルボン酸塩、ジカルボン酸塩が含まれる。
【0036】
本発明を実施するのに有用なカルボン酸塩も、同様に市販されており、当分野の技術者には周知である。本発明を実施する際に使用するのに好ましいカルボン酸塩には、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、ブチル酸、およびこれらの混合物のナトリウムまたはカリウム塩が含まれる。酢酸カリウムおよび/またはギ酸カリウムも好ましい。
【0037】
本発明による有用なヒドロキシカルボン酸塩は、市販されており、当分野の技術者には周知である。好ましいヒドロキシカルボン酸塩には、乳酸ナトリウムや乳酸カリウムなど乳酸塩が含まれる。しかしながら、グルコン酸ナトリウムなどヒドロキシカルボン酸のセシウム、ナトリウム、カリウム、カルシウムおよび/またはマグネシウムの任意の塩を使用することもできる。
【0038】
本発明による有用なジカルボン酸塩は、市販されており、当分野の技術者には周知である。好ましいジカルボン酸塩には、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタール酸、アジピン酸、マレイン酸、フマル酸、およびそれらの任意の混合物のナトリウムおよびカリウム塩が含まれる。
【0039】
高い溶解性の炭酸塩も、本発明の組成物の一部分中の除氷成分として有用である。本発明の実施に使用するのに好ましい炭酸塩は、炭酸カリウム、重炭酸カリウム、炭酸ナトリウムおよび炭酸セシウムである。炭酸カリウムが特に好ましい。多くの応用例で、炭酸カリウムなどの炭酸塩の添加により、相乗的で予想外の凝固点降下がもたらされることが見出されている。例えば、酢酸カリウムと水の50:50の混合物は、表1の実施例9に見られるように、−60℃の凝固点を有する。この溶液を表1の実施例1のソルビトール/水=50/50の混合液(凝固点−11℃)に混合した場合、実施例23に報告されているように、得られる溶液は、−32℃の凝固点を有し、これは2つの基剤ストックの算術平均より6℃低いだけである。しかしながら、実施例7の炭酸カリウム溶液(水中に炭酸カリウム47%、凝固点は20℃)を1:1で実施例1のソルビトール/水=50/50の混合物(凝固点−11℃)と合わせた場合、得られる化合物は、実施例11に報告されるように、27℃という驚くべき低い凝固点を有することが発見された。これは算術平均より15.5℃低い。
【0040】
場合によっては、炭酸またはその塩のpHが高すぎて、法規上のまたは業界の仕様に合わない場合、本明細書では、pHを許容できるレベルまでに下げるために緩衝剤を用いることを企図している。適切な緩衝剤は、任意の既知の緩衝剤から選択できる。特に好ましいものは、ホウ酸である。例えば、幹線道路の応用例では、炭酸カリウムおよび/または重炭酸カリウムを本発明の水酸基含有成分、またはそれを含む産業プロセス流と組み合わせた組成物では、ある配合物のpHは12を超える可能性があるが、大半の米国の州の幹線道路部門では、pHが12未満の除氷剤が望まれている。仕様を満たす目的で、除氷剤組成物のpHを12未満に、すなわち約11.5〜約11.8、またはそれ未満に減らすために、有効量のホウ酸または他の緩衝剤が添加することができる。別法では、炭酸塩の調製中、重炭酸を生成する連続反応により、またはその別途の添加により、そのpHを調節することができるものである。
【0041】
したがって、本発明は、従来技術に対して、同様に効果的であるが、かなり廉価である製品を提供する。というのは、本発明の炭酸カリウムが、一般に従来技術で通常使用される酢酸カリウムより約30%低コストだからである。炭酸塩は、市販されており、当分野の技術者には周知の方法で調製することができる。
【0042】
一般に本発明を実施するのに有用なこの有機凝固点降下剤は、固体の形態で用いても、水に純粋な成分として混合してもよい。しかしながら、場合によってはこれらは産業プロセス流からなど、異物が混合した形態で得られることも企図されている。例えば、本発明はカルボン酸塩、ヒドロキシカルボン酸塩および/またはジカルボン酸塩の水溶液を含む多数の産業プロセス流を使用することができることが企画されている。水に対する溶解性が同様なために、これらの材料を精製することは困難であるが、希釈した産業プロセス流は、本発明の実施に直接使用することができる。本発明は、非限定的な例をあげると、穀物残余マッシュ(stillage)(穀物を浸して生成する液)、材木残余マッシュ、農業またはミルク発酵プロセス、砂糖大根糖蜜の脱糖(desugar)および/またはサトウキビ糖蜜の脱糖などの砂糖抽出プロセス、砂糖、単糖、マルトデキストリン、およびスクロースの水素添加生成物、およびそれらの任意の混合物からなる群から選択される産業プロセス流の使用を企図している。
【0043】
一般に本発明の成分は、産業プロセス流中に含まれ、または産業プロセス流のアルコーリシスによって容易に誘導することができる。
【0044】
これらの産業プロセス流の一部は、例えば、ソルビトール、スクロース、マルトースやグルコースなど低分子量の糖などの成分を含んでもよい。望むなら、カチオン交換材料または他の酸の存在下で、アルキルアルコールと反応するなどの条件下で、これらの廃流を(アルキルアルコールとともに)アルコーリシスにかけることにより、またはアルキルアルコールを加熱した発酵リカーに加えることにより、少なくとも一部の糖は、グルコシドに変換される。例えば、グルコースを含む通常の農産物の発酵プロセス流をエタノール処理することにより、少なくとも部分的にエチルグルコシドに変換されるはずである。
【0045】
(a)ある種の水酸基含有の有機化合物および(b)ある種の有機酸塩に加えて、他の有機成分を本発明の除氷および/または氷結防止組成物に含めてもよいことを本発明では企図している。かかる材料の例は、クエン酸ナトリウムなどのクエン酸塩、リジングルタミン酸、ピロリドンカルボン酸ナトリウムやグルコヘプトン酸ナトリウムなどアミノ酸およびその塩、リグニンスルホン酸などのリグニン成分、およびホウ酸およびその塩、グルコン酸ナトリウムおよび他のグルコン酸塩、およびそれらの任意の混合物である。
【0046】
本発明の方法では、本発明の除氷および/または氷結防止組成物を液体の形でスプレイすることにより、または固体の形で散布することにより、処理したい表面に付着させる。除氷の場合は、表面上には氷が既に形成されており、本発明の除氷組成物は既に形成した氷を融解し、さらに氷が追加して形成するのを妨げるのに効果的である。氷結防止の場合は、危険な氷結条件の可能性を予報する天気予報を知るとすぐに、処理済の表面上に氷の形成を防ぐために、道路、橋、空港、滑走路、成育中の農作物または他の表面を本発明の氷結防止組成物により、同様な方法で前処理することができる。
【0047】
具体的な応用例では、特定の法規上のまたは業界の指導基準のために、本発明の特定の実施形態が特に好ましい。例をあげれば、飛行機の除氷および/または氷結防止には、メチルグルコシド、ソルビトールとグリセロールの混合物、またはメチルグルコシド、ソルビトールおよび/またはグリセロールの混合物からなる除氷剤および/または氷結防止剤を乳酸ナトリウムおよび/または乳酸カリウムとともに使用することが好ましい。
【0048】
滑走路の除氷および/または氷結防止には、乳酸ナトリウム、乳酸カリウム、乳酸ナトリウムおよび乳酸カリウムの混合物、水酸基含有の有機化合物と乳酸ナトリウム、乳酸カリウムおよび/または酢酸カリウムの組合せ、乳酸ナトリウムおよび/または乳酸カリウムとともに酢酸カリウムの混合物、または炭酸カリウムの除氷剤および/または氷結防止剤を使用することが好ましい。
【0049】
果樹やブドウの木など収穫前の果物および野菜の除氷および/または氷結防止には、水酸基含有の有機化合物と有機酸塩、とりわけ乳酸塩の組合せからなる除氷剤および/または氷結防止剤を使用することが好ましい。
【0050】
本発明はまた、橋、滑走路および幹線道路の除氷および/または氷結防止のための空港回収システムから回収されたグリコールの再利用を提供する。現在、純グリコールが飛行機の除氷および/または氷結防止に使用されている。専用の排水システムまたは真空回収トラックを用いて、飛行機から流れ去ったグリコール溶液の回収を実施することが増えている。しかしながら、滑走路の材料は効率的には回収できず、回収された材料も非常に薄まっている。本発明者は、これらのグリコールを改良し、次にこの改良されたグリコールを再付着することにより、使用済のグリコールを除氷剤および/または氷結防止剤として再生し、再利用できることを見出した。これらグリコールの改良は、回収されたグリコールにポリヒドロキシルおよび/または有機酸塩を添加することを含んでいる。さらに、許容できるなら、回収されたグリコールは、塩化ナトリウムなどの無機塩の添加により改良することができる。ソルビトール/グリセロールまたはメチルグルコシドなどの本発明の配合物も、同じ方法で再生することができるものである。
【0051】
一般に滑走路に散布後、グリコールは10〜20重量%の濃度で回収される。本発明によれば、組成物の総重量に対して、本発明の水酸基含有の有機化合物、本発明の有機酸塩、またはこれらの組合せを約5〜約50重量%、好ましくは約30〜40重量%添加することにより、橋の除氷および/または氷結防止、空港または飛行機の除氷、および幹線道路に再利用できる有効な改良された回収グリコール流去水が提供される。無機塩が許容できる場合、同様な量の無機塩単独、または無機塩と水酸基含有の有機化合物および/または有機酸塩の組合せを添加することもできる。
【0052】
ある種の無機塩が許容できる他の状況では、本発明は、加えられる塩の量を減らして等価なまたはより優れた除氷および/または氷結防止効果を実現し、それによって環境への損害を低減する改良された方法を提供する。これらの実施形態では、本発明は、無機塩の部分を本発明の水酸基含有の有機化合物、本発明の有機酸塩、またはこれらの組合せで置き換えることを提供する。
【0053】
(好ましい実施形態の説明)
下記の実施例中に報告する試験結果は、下記の手順を用いて得られたものである。凝固点は、ASTM D1177方法によって決定した。流体サンプルを冷却浴中に置いて、サンプルの温度をモニタし、温度を時間の関数としてプロットしながら、一定の速度で冷却した。氷晶がサンプル中に形成し始めたとき、サンプル全体が凍りつくまで温度は一定のままであり、ついで冷却カーブ上に流体の凝固点を示す変曲点が生じる。この試験は、除氷流体の使用可能な温度範囲を決定するのに有用であり、氷の融解能力および流体の希釈能力についての指標を与える。
【0054】
この流体の動粘性率は、ASTM D445法によって決定した。流体の動粘性率は、流体の流れに対する抵抗として定義される。粘度は、どのような流体でも重要な特性であり、除氷流体の場合は、流体の塗布および接着の面で重要である。粘度が非常に高い流体は、どろどろしすぎて、塗布装置によってスプレイできず、一方、粘度が非常に低い流体は、さらさらしすぎて処理される表面に接着できず、流れ去る。最適粘度にすると、流体を従来のスプレイ装置で容易に塗布することが可能になり、長期の間表面に付着して、氷が表面上に形成され、表面に結合することを防止する。
【0055】
導電率は、電流を伝導する流体の能力または傾向の尺度である。この特性は、流体を電気配線の付近で使用することが許容できるかどうかを判断する重要なファクタである。さらに、導電率が高いと金属の腐食を招くおそれもある。というのは、腐食は電気化学反応だからである。
【0056】
流体のpHは、それが接触するかもしれない(とりわけ金属)様々な建築材料との両立性に影響を与える可能性がある。金属の腐食を最小限に抑えるために、建築に一般に使用される金属の不動態化範囲内に流体を保持するために、ほとんどの除氷流体は、pHが中性か、少し塩基性になるよう配合されている。
【0057】
CODおよびBODは、標準のEPA方法で測定した。CODは、有機化合物を化学的に完全に二酸化炭素および水に酸化するのに必要とされる酸素の量として定義される。これは、化合物のグラム数に対する酸素のグラム数として表される。BODは、微生物の作用により、有機化合物の生物分解を通して消費される酸素の量として定義される。BOD/COD比は、有機化合物の生分解性および生物分解の速度に関する有用な情報をしばしば提供する。プロピレングリコールなど高いBODまたは高いBOD/COD比を示す化合物は、水中に溶存する酸素の急速な消耗をもたらし、そのために河川中の魚の死を招く可能性がある。これは、除氷流体が雨水の排水管および小川に流れ去るために、潜在的に危険である。理想的には、除氷流体は、完全に、しかしプロピレングリコールの場合より遅く穏やかな速度で生分解すべきである。
【0058】
使用したDOT腐食試験方法は、パシフィックノースウェストスノウファイターズコンソーシアム(Pacific Northwest Snowfighters consortium)により改訂された、NACE標準 TM−01−69(1976年改定)に従う。この試験は、塗布装置、自動車、橋などに使用される炭素鋼の構造材料に接触する可能性のある道路の除氷化学薬品に適用することができる。この試験は、湿潤−乾燥の繰り返し条件で鋼基板を希釈濃度の除氷化学薬品に繰り返し長い間さらす、加速された条件をシミュレーションするためのものである。除氷化学薬品を標準の炭素鋼基板の腐食速度について評価し、蒸留水と3%塩化ナトリウム溶液で得られた速度を対照として比較した。
【0059】
下記の実施例は、例示のために提供するものであり、特許請求の範囲をいかなる形でも制限すると解釈されるものではない。
【0060】
実施例1〜34
除氷流体および/または氷結防止流体を本発明に従って、純粋な化合物から調製した。次にそれらの凝固点、粘度、導電率、pH、COD、BODおよび腐食について試験した。MBSは、ミシガンビートシュガー(Michigan Beet Sugar)から脱糖された砂糖大根糖蜜を指す。結果を下記の表1に報告する。
【表1】
【0061】
実施例35〜38
産業プロセス流を少なくとも除氷および/または氷結防止組成物の一部として使用する、本発明に従って調製された除氷および/または氷結防止組成物の凝固点を試験した。結果を表2に示す。
【0062】
CSBは、アイダホビート糖からの濃縮された分離器底の糖蜜(Molasses Concentrated Separator Bottoms from Idaho Beet Sugar)(混合された糖)を指し、およそ下記の組成を有する。
【0063】
CMSは、ミシガンビートシュガー(Michigan Beet Sugar)(モニタシュガー)からの濃縮された糖蜜固体を指し、およそ下記の組成を有する(DS=乾燥固体)。
【0064】
実施例39
水25重量%、乳酸エチル65重量%、および乳酸ナトリウム10重量%からなる混合物を調製した。−50℃で結晶の生成は認められなかった。
【0065】
実施例40
水50重量%および乳酸エチル50重量%の混合物を調製した。この混合物は、−18℃の融点を有する。
【0066】
実施例41
水70重量%、乳酸エチル24重量%、および乳酸ナトリウム6重量%の混合物を調製した。この混合物は、−25℃の融点を有することがDSCで決定され、pHは6.0であった。比較のために示すと、水70重量%、エチレングリコール30%の溶液は、−18℃の融点を有する。
【0067】
実施例42
水中50%の乳酸エチルの混合物を、50重量%、濃縮し濾過したコーンを浸したリカー(水50%およびほとんどが乳酸と糖である固体50%含む)に添加すると、凝固点が−11℃から−16℃に低下した。乳酸ナトリウム2重量%を添加すると、さらに凝固点が−20℃に低下した。
【0068】
実施例43
水60重量%、乳酸ナトリウム20重量%、プロリン(アミノ酸の1種)2重量%、ソルビトール8重量%、およびピロリドンカルボン酸ナトリウム(ナトリウムPCA)10重量%の混合物を調製した。−35℃で結晶が生成しないことが認められた。そのpHは、6.57であった。比較のために示すと、プロピレングリコールを50重量%の溶液は、−36℃の凝固点を有する。
【0069】
実施例44
乳酸メチル12重量%、メチルグルコシド44重量%、および水44重量%の混合物を調製した。−18℃の融点が認められた。この混合物のpHは、5であった。
【0070】
実施例45
乳酸メチル35重量%、メチルグルコシド35重量%、および水30重量%含む混合物は、DSCで決定したところ、−21℃の融点を有する。
【0071】
実施例46
コーン残余マッシュおよびコーンを浸した液の50%混合物を濾過し濃縮した液体残留物は水50重量%を含み、凝固点が−12℃であり、90℃に加熱し、5%エタノールで8時間処理した。得られた混合物は、凝固点が−17℃である。乳酸ナトリウム2%加えると凝固点がさらに−21℃に低下する。
【0072】
実施例47〜53
炭酸カリウムを含む、追加の除氷流体および氷結防止流体を、本発明に従って調製した。結果を表3に示す。
【0073】
実施例54〜61
炭酸カリウムを含む、追加の除氷流体および氷結防止流体を、本発明に従って調製し、BOD値およびCOD値を測定した。結果を表4に示す。比較の目的のために、グリコール/水=50/50の混合物のCODおよびBODも提供する。さらに、参考のために示すと、個々の成分のCODおよびBODはそれぞれ下記の通りである。メチルグルコシド(1.24,0.71)、乳酸ナトリウム(0.86,0.51)、乳酸カリウム(0.75,0.45)、ソルビトール(1.14,0.70)、プロピレングリコール(1.68,1.14)、炭酸カリウム(0.00,0.00)、水(0.00,0.00)。
【0074】
上記のデータから、本発明に従って、優れた除氷材料および/または氷結材料を得ることができることが理解される。
【0075】
上記の詳細な説明を考慮すると、本発明の多くの変形形態が、当分野の技術者には思い浮かぶであろう。例をあげれば、カルボン酸塩、ヒドロキシカルボン酸塩および/またはジカルボン酸塩を含む任意の産業プロセス流を本発明の組成物を調製するために使用することができる。さらに、広く様々なグルコシド、炭酸塩、ヒドロカルビルアルドシド、および本発明の成分の様々な組合せを、本発明の組成物に使用することができる。かかる明らかな全ての変更態様は、添付の所期の特許請求の全範囲に含まれる。
【0076】
上記に参照された特許、試験方法、刊行物は、本明細書に参照により組み込まれる。
(関連する出願の相互参照)
本出願は、それ自体が、1999年3月2日に発行された現在の米国特許第5,876,621号である、1997年9月30日出願の米国特許出願第08/940,936号の一部継続出願である、1999年11月9日に発行された現在の米国特許第5,980,774号である、1998年9月28日出願の米国特許出願第09/161,865号の一部継続出願である、現在特許査定済みの1999年11月9日出願の米国特許出願第09/436,811号の一部継続出願である。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、除氷流体組成物および表面を除氷する方法に関する。より詳細には、本発明は、比較的環境に優しい、水酸基含有有機化合物および/または特定の有機酸塩を含む除氷流体組成物に関する。
【0003】
(発明の背景)
凝固点を降下させる組成物は、様々な目的で広範に使用されており、とりわけ、氷が生成できないように水性の系の凝固点を降下させるため、または生成した氷を融解するために使用される。一般に凝固点降下組成物がどれだけ効果を持つかは、モル凝固点降下、利用できる生成されるイオン種数、およびその中で氷の生成が防止されかつ/またはその中で氷が融解される液相中に組成物がどれだけ分散できるかに依存する。
【0004】
除氷のために一般的に使用される製品で最も普及しているものは、食塩、塩化カルシウムおよび尿素であるが、食塩(塩化ナトリウム)は、最も廉価で最もよく使用されている。食塩は、道路表面上などの氷を融かすために広く使用されている。このようにして、塩は氷と接触している利用可能な液体と溶液を形成し、それによって、氷自体より低温の凝固点を有する溶液を形成して、氷は融ける。しかしながら、塩化物は、根系中で水の吸収を妨げることによる周囲の草木への有害な影響、動物の足など動物の皮膚、衣服、道路および自動車に対する腐食性の影響、および表面水および地下水への有害な影響など比較的深刻な欠点を抱えている。したがって、塩化物の量を減らすことができる新しい除氷方法または新しい除氷組成物があれば、当技術分野での長い間の切実な要求を解決するはずである。
【0005】
例えば、道路の除氷用途では、気温が低すぎて塩化ナトリウムが有効でない場合、液体の塩化カルシウム(32%)は、通常好ましい材料である。しかしながら、ある地域では、塩化物の使用が許可されないかまたは減らすことが必要とされることがしばしばある。というのは、塩化物は腐食性が高く、周囲の草木の破壊、道路および輸送機関に損害、および供給水の汚染を引き起こすからである。
【0006】
従来技術のある除氷流体のもう1つの欠点は、化学的および生物学的酸素要求量が高いことであり、そのため、この除氷流体は環境上不利になっている。グリコールはとりわけ、このタイプの環境上の欠点を有する除氷流体の例である。したがって、グリコールの量を減らすことができる新しい除氷方法または新しい組成物があれば、当技術分野での長い間の切実な要求を解決するはずである。
【0007】
上記のように除氷剤に関連した問題があるために、より多くの除氷剤を発見しようとする試みがなされてきた。例えば、Kaesの米国特許第4,448,702号は、アジピン酸、グルタミン酸、コハク酸やマロン酸のナトリウム、カリウム、アンモニウムや有機アミン塩など、炭素原子を少なくとも3個有する少なくとも1つのジカルボン酸の水溶性の塩の添加を必要とする、凝固点降下組成物および方法の使用を開示している。
【0008】
Peelの米国特許第4,746,449号は、酢酸塩を12〜75%、炭酸塩を痕跡量から36%、ギ酸塩を1〜24%、擬乳酸塩を1〜32%含む除氷剤の調製を教示しており、この除氷剤は、パルプ製造器の黒色リカーより、黒色リカーを低分子量のフラクションに分別し、集めた低分子量のフラクションを濃縮して除氷剤を生成することによって調製する。
【0009】
米国特許第4,960,531号は、少量、すなわち10%未満のメチルグルコシドを、少量の、すなわち約2.5%の炭酸カリウムと組み合わせて、従来の塩の除氷剤に対するトリガとして使用できることを教示している。この’531号特許は、米国再発行特許第RE32,477号の改良特許であり、この特許は、塩化ナトリウムおよび塩化カリウムの塩混合物とアミドの使用を教示している。他の無機塩、塩化マグネシウム、リン酸カリウム、リン酸ナトリウム、リン酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、アルカリ土類金属の硝酸塩、硝酸マグネシウム、硫酸アンモニウム、アルカリ金属の硫酸塩なども凝固点降下剤として有用であることが知られている。
【0010】
とりわけ有用な氷結防止および除氷組成物を開示しているSapienzaの米国特許第5,876,621号、Sapienzaの米国特許第5,980,774号についても特に言及しておく。
【0011】
低凝固点の除氷剤および氷結防止剤の溶液には、通常、ブライン、エチレングリコールおよびプロピレングリコールの溶液がある。除氷化合物中にブラインを使用すると、塩化物の影響を取り除くことはできないが、低下させることができる。ブラインは、通常の水の凝固点未満の温度で熱を移動させるために使用される。エチレングリコール溶液は、気温が通常の水の凝固点未満に下がる可能性のある地域で自動車などの冷却液として使用されることが周知である。エチレングリコールおよびプロピレングリコールは、荒天中で航空交通の流れを保つために、北方気候地域の主要な空港で比較的大量に使用される。この流体は、一般に飛行機の翼、胴体および尾翼ならびに滑走路で氷を取り除くために散布される。しかしながら、これらのグリコール化合物は、同様に、環境上の欠点を有しており、汚水処理プロセスで有害になる可能性がある。
【0012】
他の従来技術のアルコールなどの除氷流体は、低分子量の範囲で毒性の影響および高い揮発性を有し、不快な臭いや火の危険の原因になる可能性がある。さらに、モノおよびポリ水酸基アルコールは、大気の酸素の存在下で酸化して、酸を形成し、これは材料の腐食を増加させる可能性がある。
【0013】
新しい除氷流体が必要とされるさらにもう1つの理由は、空港の滑走路の除氷流体のための仕様SAE AMS 1435Aの凝固点の要件が最近変わったことから持ち上がった。新しい仕様AMS 1435Aでは、除氷流体が1:1の重量希釈度で−14.5℃未満の凝固点を有することが必要とされる。これらの仕様により、既存のグリコールをベースとする流体を含めて、現在商業的に使用されている多くのテクノロジーは、もはやASTM D 1177を含めて、新しい要件を満たさなくなる。
【0014】
したがって当技術分野では、新しい改良された除氷および/または氷結防止剤が求められている。好ましくは、これらは、所望の凝固点降下特性を依然として有しながら、無機塩を含まないか、実質的に含まず、環境に優しく、比較的廉価な原材料から調製される。同様に、無機塩やグリコールなどの先行技術の除氷剤と組み合わせて使用できて、無機塩またはグリコールの量を相当に減らし、それによって、付随する塩および/またはグリコールの環境上の影響を減らす、新しい除氷剤および/または氷結防止剤が当技術分野で求められている。驚くべきことに、本明細書で開示された組成物がこれらの要求を満たすことが見出された。
【0015】
新しい除氷剤および/または新しい氷結防止剤の全活性組成物は、約5〜約100重量%に変わることができる。改善された固体除氷剤は、前記に記載した環境的な長所を有し、しかも固体の塩化物と同じやり方で散布できるものである。
【0016】
(発明の概要)
したがって、本発明の好ましい一実施形態は、(a)グリセロールおよび(b)水を含む除氷および/または氷結防止組成物を提供する。
【0017】
もう1つの好ましい実施形態では、本発明は、グリセロールおよび水を含む、除氷剤および/または氷結防止剤を有効量、表面に付着することを含む表面を除氷または氷結防止する方法を提供する。
【0018】
本発明のさらに好ましい一実施形態では、(a)グリセロール、(b)カルボン酸塩、ヒドロキシカルボン酸塩、ジカルボン酸塩およびそれらの任意の混合物からなる群から選択される有機酸塩、および(c)水を含む除氷および氷結防止組成物が提供される。
【0019】
本発明のさらに好ましいもう1つの実施形態では、(a)グリセロール、(b)カルボン酸塩、ヒドロキシカルボン酸塩、ジカルボン酸塩およびそれらの任意の混合物からなる群から選択される有機酸塩、および(c)水を含む除氷剤および/または氷結防止剤を有効量、表面に付着することを含む、表面を除氷または氷結防止する方法が提供される。
【0020】
本発明のさらに好ましいもう1つの実施形態では、(a)スクロースなどの二糖および多糖を含むヒドロカルビルアルドシド、ソルビトールその他砂糖、単糖、マルトデキストリンおよびスクロースの水素添加生成物、マルチト−ル、グリコール、単糖、グリセロールおよび前記の任意の混合物からなる群から選択される水酸基含有の有機化合物、(b)炭酸塩、および(c)水を含む除氷および/または氷結防止組成物が提供される。
【0021】
本発明のさらに好ましいもう1つの実施形態では、(a)スクロースなどの二糖および多糖を含むヒドロカルビルアルドシド、ソルビトールその他砂糖、単糖、マルトデキストリンおよびスクロースの水素添加生成物、マルチト−ル、グリコール、単糖、グリセロールおよび前記の任意の混合物からなる群から選択される水酸基含有の有機化合物、(b)炭酸塩、および(c)水を含む除氷剤および/または氷結防止剤を有効量、表面に付着することを含む、表面を除氷または氷結防止する方法が提供される。
【0022】
さらに、有用な除氷剤および/または氷結防止剤が、ソルビトールおよびグリセロールと水および炭酸塩や酢酸塩などの他の材料との組合せから調製できることが、企図されている。これらは、飛行機および空港の滑走路での除氷および/氷結防止用途に特に有用である。
【0023】
本発明者はさらに、回収された空港および/または飛行機の流去水を改良することにより、優れた除氷組成物が得られることを見出している。例えば、回収された流去水は通常、少なくとも約5重量%、好ましくは約10重量%、またはそれ以上のグリコールを含んでいるが、有効量の(a)ヒドロカルビルアルドシド、ソルビトールその他砂糖、単糖、マルトデキストリンおよびスクロースの水素添加生成物、マルチト−ル、グリコール、単糖、グリセロールおよびそれらの混合物からなる群から選択される水酸基含有の有機化合物、および/または(b)炭酸塩、カルボン酸塩、ヒドロキシカルボン酸塩、ジカルボン酸塩およびこれらの混合物からなる群から選択される有機酸塩を加えることによって改良できる。これらの改良された流去水は、直接に、橋、滑走路や幹線道路などの表面の除氷剤および/または氷結防止剤として使用できるものである。
【0024】
本発明のもう1つの利点は、酢酸カリウムなどの塩に炭水化物が添加された場合、氷結防止化合物の粘度および濡れ性の能力が増加することに見られる。これには、容易に表面から流れ去らない化合物が提供され、さらに表面が後で乾燥した後に乾燥粉末を残さない持続性の高いフィルムが提供される、二重の効果がある。
【0025】
さらに、ある幹線道路上の用途など無機塩がいくらか許容できる実施形態では、本発明はさらに、塩化ナトリウム、塩化マグネシウムや/または塩化カルシウムなどの無機塩を有効量添加することにより、回収された空港の流去水の改良をもたらす。かかる組成物では、同等以上の除氷および/または氷結防止特性を得るために使用する無機塩の量を減らせるので、環境に対する影響を改善してきた。
【0026】
本発明はさらに、無機塩にグルコシド、フラノシド、マルトシド、マルトトリオシド、グルコピラノシド、ソルビトールその他砂糖、単糖、マルトデキストリンおよびスクロースの水素添加された生成物、グリセロールおよびそれらの任意の混合物からなる群から選択される有効量の除氷剤を添加することを含む、効果的な除氷および/または氷結防止を実現するために必要な無機塩の量を減らす方法を提供する。
【0027】
本発明の組成物および方法は、飛行機の金属表面および非金属表面の両方を含めて広く様々な表面に適用でき、氷結を防止し、表面から氷を取り除き、氷の再形成を妨げる。本発明は、飛行機、滑走路、橋、道路などに使用できる除氷組成物を提供する。さらに、この組成物は熱移動の用途、および凍っていない状態で液体を保持することが不可欠な用途、例えば、消火器として使用できる。さらに、本発明は、氷結が起きるのを防ぐために、氷結条件の開始前に、橋などの表面に散布できる氷結防止組成物を提供する。さらに、本発明の組成物は、収穫前の果物および野菜の農作物の除氷剤および/または氷結防止剤として使用できるものである。
【0028】
(本発明の詳細な説明)
本発明は、除氷剤および/または氷結防止剤として有用な新規な組成物を提供する。本発明の除氷剤は、ある種の水酸基含有の有機化合物、ある種の有機酸塩を単独でまたは混合物として含む。
【0029】
本発明のこの組成物は、液体または固体の形式で使用するように調製できることも考えられている。例えば、この化合物は、液体として調製でき、表面上にスプレイまたは散布できる。別法では、固体の形態で調製でき、粉末として使用できる。任意選択で、この固体はさらに、例えば、ペレット化、プリル化、フレーク化、または液浸軟化などのこの技術分野で周知の方法を用いて処理して、最終的に使用可能な粉末または顆粒の形の配合物を提供することができる。当分野の技術者には周知の任意の結合剤を、任意選択で含んでいてもよく、不活性でも、凝固点降下を積極的に促す成分を含んでいてもよく、例えば、炭殻、おがくず、砂、砂利、糖、マルトデキストリンおよびこれらの混合物を使用することができる。
【0030】
本発明の組成全体に含まれる、本発明の除氷剤または氷結防止剤の量は約5〜100重量%の間で変わることができる。この除氷剤および/または氷結防止剤の量は、約5または10〜約90重量%であることが好ましく、約15〜約80重量%の量であることがより好ましく、約30〜約70重量%の量であることが最も好ましい。多くの好ましい実施形態では、除氷剤および/または氷結防止剤は、水とほぼ同じ割合で使用され、すなわち、作用剤:水の比が1:1である。固体の配合物では、除氷剤および/または氷結防止剤が最終配合物の100%でもよい。
【0031】
本発明のある実施形態に有用な水酸基含有の有機化合物は、一般にヒドロカルビルアルドシド、ソルビトールその他砂糖、単糖、マルトデキストリン、およびスクロースの水素添加生成物、マルチトール、グリコール、単糖、グリセロールおよびこれらの混合物の群から選択される。
【0032】
本発明を実施する際に有用である、二糖および多糖などのヒドロカルビルアルドシドは当分野の技術者に周知である。本発明を実施するに有用なヒドロカルビルアルドシドの例は、グルコピラノシドスクロース(砂糖)である。好ましくは、ヒドロカルビルアルドシドは、アルキルアルドシドを含む。アルキルアルドシドは、例えば、参照により本明細書に組み込まれている米国特許第4,223,129号および第4,329,449号に記載されているように調製することができる。
【0033】
本発明を実施するのに有用な代表的なアルキルアルドシドは、アルキルグルコシド、アルキルフラノシド、アルキルマルトシド、アルキルマルトトリオシド、アルキルグルコピラノシド、およびこれらの混合物などである。
【0034】
本発明を実施するのに有用な他の水酸基含有の有機化合物は、ソルビトールおよびマルチトール、キシリトールやマンニトールなど砂糖、単糖、マルトデキストリン、およびスクロースの水素添加生成物、ならびにエチレングリコールやプロピレングリコールなどのグリコール、グリセロ−ルおよび単糖である。これらの材料は、市販されており、当分野の技術者には周知である。
【0035】
本発明を実施するのに有用な有機塩成分には、カルボン酸塩、ヒドロキシカルボン酸塩、ジカルボン酸塩が含まれる。
【0036】
本発明を実施するのに有用なカルボン酸塩も、同様に市販されており、当分野の技術者には周知である。本発明を実施する際に使用するのに好ましいカルボン酸塩には、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、ブチル酸、およびこれらの混合物のナトリウムまたはカリウム塩が含まれる。酢酸カリウムおよび/またはギ酸カリウムも好ましい。
【0037】
本発明による有用なヒドロキシカルボン酸塩は、市販されており、当分野の技術者には周知である。好ましいヒドロキシカルボン酸塩には、乳酸ナトリウムや乳酸カリウムなど乳酸塩が含まれる。しかしながら、グルコン酸ナトリウムなどヒドロキシカルボン酸のセシウム、ナトリウム、カリウム、カルシウムおよび/またはマグネシウムの任意の塩を使用することもできる。
【0038】
本発明による有用なジカルボン酸塩は、市販されており、当分野の技術者には周知である。好ましいジカルボン酸塩には、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタール酸、アジピン酸、マレイン酸、フマル酸、およびそれらの任意の混合物のナトリウムおよびカリウム塩が含まれる。
【0039】
高い溶解性の炭酸塩も、本発明の組成物の一部分中の除氷成分として有用である。本発明の実施に使用するのに好ましい炭酸塩は、炭酸カリウム、重炭酸カリウム、炭酸ナトリウムおよび炭酸セシウムである。炭酸カリウムが特に好ましい。多くの応用例で、炭酸カリウムなどの炭酸塩の添加により、相乗的で予想外の凝固点降下がもたらされることが見出されている。例えば、酢酸カリウムと水の50:50の混合物は、表1の実施例9に見られるように、−60℃の凝固点を有する。この溶液を表1の実施例1のソルビトール/水=50/50の混合液(凝固点−11℃)に混合した場合、実施例23に報告されているように、得られる溶液は、−32℃の凝固点を有し、これは2つの基剤ストックの算術平均より6℃低いだけである。しかしながら、実施例7の炭酸カリウム溶液(水中に炭酸カリウム47%、凝固点は20℃)を1:1で実施例1のソルビトール/水=50/50の混合物(凝固点−11℃)と合わせた場合、得られる化合物は、実施例11に報告されるように、27℃という驚くべき低い凝固点を有することが発見された。これは算術平均より15.5℃低い。
【0040】
場合によっては、炭酸またはその塩のpHが高すぎて、法規上のまたは業界の仕様に合わない場合、本明細書では、pHを許容できるレベルまでに下げるために緩衝剤を用いることを企図している。適切な緩衝剤は、任意の既知の緩衝剤から選択できる。特に好ましいものは、ホウ酸である。例えば、幹線道路の応用例では、炭酸カリウムおよび/または重炭酸カリウムを本発明の水酸基含有成分、またはそれを含む産業プロセス流と組み合わせた組成物では、ある配合物のpHは12を超える可能性があるが、大半の米国の州の幹線道路部門では、pHが12未満の除氷剤が望まれている。仕様を満たす目的で、除氷剤組成物のpHを12未満に、すなわち約11.5〜約11.8、またはそれ未満に減らすために、有効量のホウ酸または他の緩衝剤が添加することができる。別法では、炭酸塩の調製中、重炭酸を生成する連続反応により、またはその別途の添加により、そのpHを調節することができるものである。
【0041】
したがって、本発明は、従来技術に対して、同様に効果的であるが、かなり廉価である製品を提供する。というのは、本発明の炭酸カリウムが、一般に従来技術で通常使用される酢酸カリウムより約30%低コストだからである。炭酸塩は、市販されており、当分野の技術者には周知の方法で調製することができる。
【0042】
一般に本発明を実施するのに有用なこの有機凝固点降下剤は、固体の形態で用いても、水に純粋な成分として混合してもよい。しかしながら、場合によってはこれらは産業プロセス流からなど、異物が混合した形態で得られることも企図されている。例えば、本発明はカルボン酸塩、ヒドロキシカルボン酸塩および/またはジカルボン酸塩の水溶液を含む多数の産業プロセス流を使用することができることが企画されている。水に対する溶解性が同様なために、これらの材料を精製することは困難であるが、希釈した産業プロセス流は、本発明の実施に直接使用することができる。本発明は、非限定的な例をあげると、穀物残余マッシュ(stillage)(穀物を浸して生成する液)、材木残余マッシュ、農業またはミルク発酵プロセス、砂糖大根糖蜜の脱糖(desugar)および/またはサトウキビ糖蜜の脱糖などの砂糖抽出プロセス、砂糖、単糖、マルトデキストリン、およびスクロースの水素添加生成物、およびそれらの任意の混合物からなる群から選択される産業プロセス流の使用を企図している。
【0043】
一般に本発明の成分は、産業プロセス流中に含まれ、または産業プロセス流のアルコーリシスによって容易に誘導することができる。
【0044】
これらの産業プロセス流の一部は、例えば、ソルビトール、スクロース、マルトースやグルコースなど低分子量の糖などの成分を含んでもよい。望むなら、カチオン交換材料または他の酸の存在下で、アルキルアルコールと反応するなどの条件下で、これらの廃流を(アルキルアルコールとともに)アルコーリシスにかけることにより、またはアルキルアルコールを加熱した発酵リカーに加えることにより、少なくとも一部の糖は、グルコシドに変換される。例えば、グルコースを含む通常の農産物の発酵プロセス流をエタノール処理することにより、少なくとも部分的にエチルグルコシドに変換されるはずである。
【0045】
(a)ある種の水酸基含有の有機化合物および(b)ある種の有機酸塩に加えて、他の有機成分を本発明の除氷および/または氷結防止組成物に含めてもよいことを本発明では企図している。かかる材料の例は、クエン酸ナトリウムなどのクエン酸塩、リジングルタミン酸、ピロリドンカルボン酸ナトリウムやグルコヘプトン酸ナトリウムなどアミノ酸およびその塩、リグニンスルホン酸などのリグニン成分、およびホウ酸およびその塩、グルコン酸ナトリウムおよび他のグルコン酸塩、およびそれらの任意の混合物である。
【0046】
本発明の方法では、本発明の除氷および/または氷結防止組成物を液体の形でスプレイすることにより、または固体の形で散布することにより、処理したい表面に付着させる。除氷の場合は、表面上には氷が既に形成されており、本発明の除氷組成物は既に形成した氷を融解し、さらに氷が追加して形成するのを妨げるのに効果的である。氷結防止の場合は、危険な氷結条件の可能性を予報する天気予報を知るとすぐに、処理済の表面上に氷の形成を防ぐために、道路、橋、空港、滑走路、成育中の農作物または他の表面を本発明の氷結防止組成物により、同様な方法で前処理することができる。
【0047】
具体的な応用例では、特定の法規上のまたは業界の指導基準のために、本発明の特定の実施形態が特に好ましい。例をあげれば、飛行機の除氷および/または氷結防止には、メチルグルコシド、ソルビトールとグリセロールの混合物、またはメチルグルコシド、ソルビトールおよび/またはグリセロールの混合物からなる除氷剤および/または氷結防止剤を乳酸ナトリウムおよび/または乳酸カリウムとともに使用することが好ましい。
【0048】
滑走路の除氷および/または氷結防止には、乳酸ナトリウム、乳酸カリウム、乳酸ナトリウムおよび乳酸カリウムの混合物、水酸基含有の有機化合物と乳酸ナトリウム、乳酸カリウムおよび/または酢酸カリウムの組合せ、乳酸ナトリウムおよび/または乳酸カリウムとともに酢酸カリウムの混合物、または炭酸カリウムの除氷剤および/または氷結防止剤を使用することが好ましい。
【0049】
果樹やブドウの木など収穫前の果物および野菜の除氷および/または氷結防止には、水酸基含有の有機化合物と有機酸塩、とりわけ乳酸塩の組合せからなる除氷剤および/または氷結防止剤を使用することが好ましい。
【0050】
本発明はまた、橋、滑走路および幹線道路の除氷および/または氷結防止のための空港回収システムから回収されたグリコールの再利用を提供する。現在、純グリコールが飛行機の除氷および/または氷結防止に使用されている。専用の排水システムまたは真空回収トラックを用いて、飛行機から流れ去ったグリコール溶液の回収を実施することが増えている。しかしながら、滑走路の材料は効率的には回収できず、回収された材料も非常に薄まっている。本発明者は、これらのグリコールを改良し、次にこの改良されたグリコールを再付着することにより、使用済のグリコールを除氷剤および/または氷結防止剤として再生し、再利用できることを見出した。これらグリコールの改良は、回収されたグリコールにポリヒドロキシルおよび/または有機酸塩を添加することを含んでいる。さらに、許容できるなら、回収されたグリコールは、塩化ナトリウムなどの無機塩の添加により改良することができる。ソルビトール/グリセロールまたはメチルグルコシドなどの本発明の配合物も、同じ方法で再生することができるものである。
【0051】
一般に滑走路に散布後、グリコールは10〜20重量%の濃度で回収される。本発明によれば、組成物の総重量に対して、本発明の水酸基含有の有機化合物、本発明の有機酸塩、またはこれらの組合せを約5〜約50重量%、好ましくは約30〜40重量%添加することにより、橋の除氷および/または氷結防止、空港または飛行機の除氷、および幹線道路に再利用できる有効な改良された回収グリコール流去水が提供される。無機塩が許容できる場合、同様な量の無機塩単独、または無機塩と水酸基含有の有機化合物および/または有機酸塩の組合せを添加することもできる。
【0052】
ある種の無機塩が許容できる他の状況では、本発明は、加えられる塩の量を減らして等価なまたはより優れた除氷および/または氷結防止効果を実現し、それによって環境への損害を低減する改良された方法を提供する。これらの実施形態では、本発明は、無機塩の部分を本発明の水酸基含有の有機化合物、本発明の有機酸塩、またはこれらの組合せで置き換えることを提供する。
【0053】
(好ましい実施形態の説明)
下記の実施例中に報告する試験結果は、下記の手順を用いて得られたものである。凝固点は、ASTM D1177方法によって決定した。流体サンプルを冷却浴中に置いて、サンプルの温度をモニタし、温度を時間の関数としてプロットしながら、一定の速度で冷却した。氷晶がサンプル中に形成し始めたとき、サンプル全体が凍りつくまで温度は一定のままであり、ついで冷却カーブ上に流体の凝固点を示す変曲点が生じる。この試験は、除氷流体の使用可能な温度範囲を決定するのに有用であり、氷の融解能力および流体の希釈能力についての指標を与える。
【0054】
この流体の動粘性率は、ASTM D445法によって決定した。流体の動粘性率は、流体の流れに対する抵抗として定義される。粘度は、どのような流体でも重要な特性であり、除氷流体の場合は、流体の塗布および接着の面で重要である。粘度が非常に高い流体は、どろどろしすぎて、塗布装置によってスプレイできず、一方、粘度が非常に低い流体は、さらさらしすぎて処理される表面に接着できず、流れ去る。最適粘度にすると、流体を従来のスプレイ装置で容易に塗布することが可能になり、長期の間表面に付着して、氷が表面上に形成され、表面に結合することを防止する。
【0055】
導電率は、電流を伝導する流体の能力または傾向の尺度である。この特性は、流体を電気配線の付近で使用することが許容できるかどうかを判断する重要なファクタである。さらに、導電率が高いと金属の腐食を招くおそれもある。というのは、腐食は電気化学反応だからである。
【0056】
流体のpHは、それが接触するかもしれない(とりわけ金属)様々な建築材料との両立性に影響を与える可能性がある。金属の腐食を最小限に抑えるために、建築に一般に使用される金属の不動態化範囲内に流体を保持するために、ほとんどの除氷流体は、pHが中性か、少し塩基性になるよう配合されている。
【0057】
CODおよびBODは、標準のEPA方法で測定した。CODは、有機化合物を化学的に完全に二酸化炭素および水に酸化するのに必要とされる酸素の量として定義される。これは、化合物のグラム数に対する酸素のグラム数として表される。BODは、微生物の作用により、有機化合物の生物分解を通して消費される酸素の量として定義される。BOD/COD比は、有機化合物の生分解性および生物分解の速度に関する有用な情報をしばしば提供する。プロピレングリコールなど高いBODまたは高いBOD/COD比を示す化合物は、水中に溶存する酸素の急速な消耗をもたらし、そのために河川中の魚の死を招く可能性がある。これは、除氷流体が雨水の排水管および小川に流れ去るために、潜在的に危険である。理想的には、除氷流体は、完全に、しかしプロピレングリコールの場合より遅く穏やかな速度で生分解すべきである。
【0058】
使用したDOT腐食試験方法は、パシフィックノースウェストスノウファイターズコンソーシアム(Pacific Northwest Snowfighters consortium)により改訂された、NACE標準 TM−01−69(1976年改定)に従う。この試験は、塗布装置、自動車、橋などに使用される炭素鋼の構造材料に接触する可能性のある道路の除氷化学薬品に適用することができる。この試験は、湿潤−乾燥の繰り返し条件で鋼基板を希釈濃度の除氷化学薬品に繰り返し長い間さらす、加速された条件をシミュレーションするためのものである。除氷化学薬品を標準の炭素鋼基板の腐食速度について評価し、蒸留水と3%塩化ナトリウム溶液で得られた速度を対照として比較した。
【0059】
下記の実施例は、例示のために提供するものであり、特許請求の範囲をいかなる形でも制限すると解釈されるものではない。
【0060】
実施例1〜34
除氷流体および/または氷結防止流体を本発明に従って、純粋な化合物から調製した。次にそれらの凝固点、粘度、導電率、pH、COD、BODおよび腐食について試験した。MBSは、ミシガンビートシュガー(Michigan Beet Sugar)から脱糖された砂糖大根糖蜜を指す。結果を下記の表1に報告する。
【表1】
【0061】
実施例35〜38
産業プロセス流を少なくとも除氷および/または氷結防止組成物の一部として使用する、本発明に従って調製された除氷および/または氷結防止組成物の凝固点を試験した。結果を表2に示す。
【0062】
CSBは、アイダホビート糖からの濃縮された分離器底の糖蜜(Molasses Concentrated Separator Bottoms from Idaho Beet Sugar)(混合された糖)を指し、およそ下記の組成を有する。
【0063】
CMSは、ミシガンビートシュガー(Michigan Beet Sugar)(モニタシュガー)からの濃縮された糖蜜固体を指し、およそ下記の組成を有する(DS=乾燥固体)。
【0064】
実施例39
水25重量%、乳酸エチル65重量%、および乳酸ナトリウム10重量%からなる混合物を調製した。−50℃で結晶の生成は認められなかった。
【0065】
実施例40
水50重量%および乳酸エチル50重量%の混合物を調製した。この混合物は、−18℃の融点を有する。
【0066】
実施例41
水70重量%、乳酸エチル24重量%、および乳酸ナトリウム6重量%の混合物を調製した。この混合物は、−25℃の融点を有することがDSCで決定され、pHは6.0であった。比較のために示すと、水70重量%、エチレングリコール30%の溶液は、−18℃の融点を有する。
【0067】
実施例42
水中50%の乳酸エチルの混合物を、50重量%、濃縮し濾過したコーンを浸したリカー(水50%およびほとんどが乳酸と糖である固体50%含む)に添加すると、凝固点が−11℃から−16℃に低下した。乳酸ナトリウム2重量%を添加すると、さらに凝固点が−20℃に低下した。
【0068】
実施例43
水60重量%、乳酸ナトリウム20重量%、プロリン(アミノ酸の1種)2重量%、ソルビトール8重量%、およびピロリドンカルボン酸ナトリウム(ナトリウムPCA)10重量%の混合物を調製した。−35℃で結晶が生成しないことが認められた。そのpHは、6.57であった。比較のために示すと、プロピレングリコールを50重量%の溶液は、−36℃の凝固点を有する。
【0069】
実施例44
乳酸メチル12重量%、メチルグルコシド44重量%、および水44重量%の混合物を調製した。−18℃の融点が認められた。この混合物のpHは、5であった。
【0070】
実施例45
乳酸メチル35重量%、メチルグルコシド35重量%、および水30重量%含む混合物は、DSCで決定したところ、−21℃の融点を有する。
【0071】
実施例46
コーン残余マッシュおよびコーンを浸した液の50%混合物を濾過し濃縮した液体残留物は水50重量%を含み、凝固点が−12℃であり、90℃に加熱し、5%エタノールで8時間処理した。得られた混合物は、凝固点が−17℃である。乳酸ナトリウム2%加えると凝固点がさらに−21℃に低下する。
【0072】
実施例47〜53
炭酸カリウムを含む、追加の除氷流体および氷結防止流体を、本発明に従って調製した。結果を表3に示す。
【0073】
実施例54〜61
炭酸カリウムを含む、追加の除氷流体および氷結防止流体を、本発明に従って調製し、BOD値およびCOD値を測定した。結果を表4に示す。比較の目的のために、グリコール/水=50/50の混合物のCODおよびBODも提供する。さらに、参考のために示すと、個々の成分のCODおよびBODはそれぞれ下記の通りである。メチルグルコシド(1.24,0.71)、乳酸ナトリウム(0.86,0.51)、乳酸カリウム(0.75,0.45)、ソルビトール(1.14,0.70)、プロピレングリコール(1.68,1.14)、炭酸カリウム(0.00,0.00)、水(0.00,0.00)。
【0074】
上記のデータから、本発明に従って、優れた除氷材料および/または氷結材料を得ることができることが理解される。
【0075】
上記の詳細な説明を考慮すると、本発明の多くの変形形態が、当分野の技術者には思い浮かぶであろう。例をあげれば、カルボン酸塩、ヒドロキシカルボン酸塩および/またはジカルボン酸塩を含む任意の産業プロセス流を本発明の組成物を調製するために使用することができる。さらに、広く様々なグルコシド、炭酸塩、ヒドロカルビルアルドシド、および本発明の成分の様々な組合せを、本発明の組成物に使用することができる。かかる明らかな全ての変更態様は、添付の所期の特許請求の全範囲に含まれる。
【0076】
上記に参照された特許、試験方法、刊行物は、本明細書に参照により組み込まれる。
Claims (35)
- (a)グリセロールおよび任意選択で(b)水を含む除氷および/または氷結防止組成物。
- (a)グリセロールおよび任意選択で(b)水を含む除氷剤または氷結防止剤を表面に添加することを含む、表面の除氷または氷結防止方法。
- (a)グリコール、単糖、グリセロールおよびそれらの任意の混合物からなる群から選択される水酸基含有化合物、(b)カルボン酸塩、ヒドロキシカルボン酸塩、ジカルボン酸塩、炭酸塩、およびそれらの任意の混合物からなる群から選択される有機酸塩、および任意選択で(c)水を含む除氷および/または氷結防止組成物。
- 前記水酸基含有化合物がグリコールを含む請求項3に記載の組成物。
- 前記水酸基含有化合物が単糖を含む請求項3に記載の組成物。
- 前記水酸基含有化合物がグリセロールを含む請求項3に記載の組成物。
- 前記有機酸塩が炭酸塩を含む請求項3に記載の組成物。
- 前記炭酸塩が炭酸カリウムを含む請求項7に記載の組成物。
- (a)グリコール、単糖、グリセロールおよびそれらの任意の混合物からなる群から選択される水酸基含有化合物、(b)カルボン酸塩、ヒドロキシカルボン酸塩、ジカルボン酸塩、炭酸塩、およびそれらの任意の混合物からなる群から選択される有機酸塩、および任意選択で(c)水を含む、除氷剤または氷結防止剤を表面に添加することを含む、表面の除氷または氷結防止方法。
- 前記水酸基含有の有機化合物が単糖を含む請求項9に記載の方法。
- 前記水酸基含有の有機化合物がグリセロールを含む請求項9に記載の方法。
- 前記水酸基含有の有機化合物がグリコールを含む請求項9に記載の方法。
- 前記有機酸塩が炭酸塩を含む請求項9に記載の方法。
- 前記炭酸塩が炭酸カリウムを含む請求項13に記載の方法。
- 前記グリコールまたは他の水酸基含有化合物が空港または飛行機の流去水から得られる請求項3に記載の組成物。
- 前記グリコールまたは他の水酸基含有化合物が空港または飛行機の流去水から得られる請求項9に記載の方法。
- (a)スクロースなどの二糖および多糖を含むヒドロカルビルアルドシド、ソルビトールその他砂糖、単糖、マルトデキストリンおよびスクロースの水素添加生成物、マルチト−ル、グリコール、単糖、グリセロールおよび前記の任意の混合物からなる群から選択される水酸基含有の有機化合物、(b)炭酸塩、および任意選択で(c)水を含む除氷および/または氷結防止組成物。
- 前記炭酸塩が炭酸カリウムを含む請求項17に記載の組成物。
- (a)スクロースなどの二糖および多糖を含むヒドロカルビルアルドシド、ソルビトールその他砂糖、単糖、マルトデキストリンおよびスクロースの水素添加生成物、マルチト−ル、グリコール、単糖、グリセロールおよび前記の任意の混合物からなる群から選択される水酸基含有の有機化合物、(b)炭酸塩、および任意選択で(c)水を含む除氷剤または氷結防止剤を表面に添加することを含む、表面の除氷または氷結防止方法。
- 前記炭酸塩が炭酸カリウムを含む請求項19に記載の方法。
- (a)炭酸塩および任意選択で(b)水を含む除氷および/または氷結防止組成物。
- 前記炭酸塩が炭酸カリウムを含む請求項21に記載の組成物。
- (a)炭酸塩および任意選択で(b)水を含む除氷剤または氷結防止剤を表面に添加することを含む、表面の除氷または氷結防止方法。
- 前記表面が空港の滑走路であり、前記有機酸塩が炭酸カリウムを含む請求項23に記載の方法。
- (a)グルコシド、フラノシド、マルトシド、マルトリオシド、グルコピラノシド、グリセロール、グリコール、単糖、ソルビトールその他砂糖、単糖、マルトデキストリンおよびスクロースの水素添加生成物、マルチトール、およびそれらの任意の混合物からなる群から選択される水酸基含有の有機化合物、または(b)カルボン酸塩、ヒドロキシカルボン酸塩、ジカルボン酸塩、およびそれらの任意の混合物からなる群から選択される有機酸塩、または(c)(a)および(b)の混合物で置き換えることにより無機塩の量を少なくとも5重量%減らすことを改良点とする、無機塩を含む改良型の除氷剤および/または氷結防止剤。
- 前記水酸基含有化合物が、空港または飛行機の回収された流去水からのグリコールを含む請求項25に記載の改良型の組成物。
- 前記水酸基含有化合物が、ソルビトールを含む請求項25に記載の改良型の組成物。
- 前記水酸基含有化合物が、グリセロールを含む請求項25に記載の改良型の組成物。
- 水酸基含有の有機化合物含有の産業プロセス流で置き換えることにより無機塩の量を少なくとも5重量%減らすことを改良点とする、無機塩を含む改良型の除氷剤および/または氷結防止剤。
- 前記産業プロセス流が脱糖された糖蜜を含む請求項29に記載の改良型の組成物。
- (a)グルコシド、フラノシド、マルトシド、マルトリオシド、グルコピラノシド、グリセロール、グリコール、単糖、ソルビトールその他砂糖、単糖、マルトデキストリンおよびスクロースの水素添加生成物、マルチトール、およびそれらの任意の混合物からなる群から選択される水酸基含有の有機化合物、または(b)カルボン酸塩、ヒドロキシカルボン酸塩、ジカルボン酸塩、およびそれらの任意の混合物からなる群から選択される有機酸塩、または(c)(a)および(b)の混合物を前記農産物にスプレイすることを含む、収穫前の果物および野菜の農産物の除氷または氷結防止方法。
- 前記有機酸塩が乳酸塩を含む請求項31に記載の方法。
- (a)炭酸塩と(b)ヒドロキシカルボン酸塩およびヒドロカルビルアルドシドを含む産業プロセス流を含む、除氷および/または氷結防止組成物。
- 前記ヒドロキシカルボン酸塩が乳酸塩を含み、前記ヒドロカルビルアルドシドがグルコピラノシドを含む、請求項33に記載の除氷および/または氷結防止組成物。
- 前記産業プロセス流が脱糖された砂糖大根糖蜜を含む請求項33に記載の除氷および/または氷結防止組成物。
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