JP2004509928A - 流動接触分解法においてc3オレフィンを選択的に製造する方法。 - Google Patents
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Abstract
接触分解又は熱分解されたナフサ流れからプロピレンを製造する方法がここで開示される。ナフサ流れは、反応帯、ストリッピング帯、触媒再生帯、及び精留帯から構成されるプロセス装置に導入される。ナフサ供給物流れは、約500から650℃の範囲の温度、及び約10乃至40psiaの炭化水素分圧を含む反応条件下で、約0.7ナノメーター未満の平均細孔径を有する結晶質ゼオライトを約10乃至50重量%含む触媒と反応帯中で接触させられる。蒸気生成物がオーバーヘッドで集められ、触媒粒子は触媒再生帯への途中でストリッピング帯に通される。揮発分はストリッピング帯中で蒸気で取除かれ、触媒粒子は、触媒からのコークスが燃焼される触媒再生帯に送られ、それから反応帯に再循環される。反応帯からのオーバーヘッド生成物は、C3生成物の流れが回収される精留帯に通され、C4及び/又はC5オレフィン類に富む流れはストリッピング帯に再循環される。オレフィン類は、種々のポリマー物質を形成するため、更に加工及び重合することができる。
Description
【0001】
関連出願の参照
本出願は、1998年5月5日に出願された米国特許出願第09/073,085の一部継続出願である。
【0002】
発明の背景
本発明は、ナフサ流れからプロピレンを製造する方法に関わる。
【0003】
低放出燃料の必要性は、アルキル化、オリゴマー化、MTBE及びETBE合成に用いられる軽質オレフィン類の増大した需要を創出した。更に、軽質オレフィン類、特にプロピレンの低コスト供給は、ポリオレフィン、特にポリプロピレンの供給原料として役立つ需要が引き続きある。
【0004】
近年、軽質パラフィンの脱水素化の固定床法は、増加するオレフィン製造に対して再び新たな興味を引き寄せた。しかし、これらの型の方法は、一般的に、比較的大きな資本投下と高い運転コストを必要とする。従って、比較的小さな資本投下を必要とする方法を用いて、オレフィンの収率を増加させることは有利である。接触分解法で、オレフィンの収率を増加させ、そのオレフィン類がポリプロピレンのようなポリマーに更に加工され得ることは特に有利である。
【0005】
FCC装置を用いてオレフィン類の生成物を製造する固有の問題は、該方法が、650°F+(〜340℃+)供給成分の高転化率も達成しながら、軽質オレフィン類の製造を最大化する特定の触媒バランスに依存するということである。更に、全オレフィンの製造を最大化するために特定の触媒バランスが維持されたとしても、広範囲な分解、異性化、芳香族化、及び水素移動反応のような望ましくない副反応のため、オレフィンの選択性は一般に低い。望ましくない副反応から製造される軽質飽和ガスは、望ましい軽質オレフィン類を回収するためにコストの増大をもたらす。従って、C3及びC4オレフィン類に対する選択性を高度に制御できる方法においてオレフィンの製造を最大化することが望ましい。
【0006】
発明の要約
本発明の1つの態様は、ポリプロピレンを製造する方法であって、該方法が、(a)10から30重量%のパラフィン類、及び15と70重量%の間のオレフィン類を含むナフサ流れを、反応帯、ストリッピング帯、触媒再生帯、及び精留帯を含むプロセス装置に供給すること、及びC4オレフィン類を含む流れを該プロセス装置に同時供給すること、(b)ナフサ流れを反応帯中の触媒の流動床と接触させ分解生成物を形成させることであって、該触媒は約0.7nm未満の平均細孔径を有するゼオライトを含み、反応帯は、500℃から650℃の温度、10乃至40psia(70乃至280kPa)の炭化水素分圧、1乃至10秒の炭化水素滞留時間、及び触媒対供給物の重量比が4と10の間で運転され、それにより、わずか20重量%のパラフィン類がオレフィン類に転化され、及びプロピレンが全C3生成物の少なくとも90モル%を構成する、反応生成物を製造し、(c)該触媒をストリッピング帯に通すこと、(d)ストリッピング帯から取除かれた触媒を、触媒が酸素含有ガスの存在下で再生される触媒再生帯に通すこと、(e)再生された触媒を反応帯に再循環すること、(f)C3留分、オレフィン類に富むC4留分、及び所望によりオレフィン類に富むC5留分を製造するために分解生成物を精留すること、を含む方法である。
【0007】
本発明のもう1つの態様においては、触媒はZSM−5型の触媒である。
【0008】
本発明の態様において、オレフィン類に富むC5留分も再循環される。
【0009】
本発明のもう1つの態様において、供給原料は約10乃至30重量%のパラフィン類、及び約20から70重量%のオレフィン類を含む。
【0010】
本発明のもう1つの態様において、反応帯は約525℃から約600℃の温度で運転される。
【0011】
発明の詳細な記載
比較的高いC2、C3、及びC4オレフィン類の収量を産出するのに適した供給流れは、約5重量%から35重量%、好ましくは約10重量%から約30重量%、より好ましくは10重量%から25重量%のパラフィン類、及び約15重量%、好ましくは約20重量%から約70重量%のオレフィン類を含む、ナフサ範囲で沸騰する流れである。該供給物は、ナフテン類及び芳香族類も含み得る。ナフサ沸騰範囲の流れは、典型的に、約65゜Fから約430゜F(18−225℃)、好ましくは約65゜Fから約300゜F(18−150℃)の沸騰範囲を有する流れである。
【0012】
ナフサは、熱分解又は接触分解されたナフサであってよい。ナフサ流れは、軽油及び残渣の接触流動分解(FCC)から得ることができ、又は、残渣のディレード又は流動コーキングから得ることができる。好ましくは、本発明の実施で用いられるナフサ流れは軽油及び残渣の流動接触分解から得られる。FCCナフサは、一般にオレフィン類及び/又はジオレフィン類に富み、パラフィン類が比較的少ない。接触又は熱分解されたナフサではない他のオレフィン性の流れを、主要な供給物と該反応帯に供給又は同時供給することは本発明の範囲内である。このことは、プロピレンの収率を増大すると信じられている。
【0013】
本発明のもう1つの態様において、n−ブテン類を含むC4オレフィン流れがナフサ供給物と同時供給される。C4オレフィン流れは、分解装置に再循環され得るC4オレフィン流れを製造する、従来のFCC装置、コークス器装置(coker unit)、蒸気分解装置、及び他の装置のような適切な源に由来し得る。1つの態様において、C4オレフィン流れはメチル第3ブチルエーテル法からのラフィネートであり得る。MTBE装置は、一般にメタノールとC4オレフィン類の混合物を供給する。イソブチレンのみがメタノールと反応してMTBEを産出し、有意な量のC4オレフィン類を残し、MTBEラフィネートにn−ブテン類を含む。
【0014】
C4オレフィン流れは、好ましくは少なくとも約75重量%のn−ブテン類を、より好ましくは約90重量%より大きいn−ブテン類を含む。より少量のn−ブテン類を含む流れも許容され、ブタジエンのようなジオレフィンを有意な量含む流れが用いられる。C4オレフィン流れがナフサ流れと一緒に反応帯に注入されると、C4オレフィン類はナフサ供給物中の他のオレフィン類と速い不均化反応を受け、分解反応がそれに続く。これらの反応はプロピレンの収率を増す。
【0015】
本発明の方法は、反応帯、ストリッピング帯、触媒再生帯、及び精留帯を含むプロセス装置中で行われる。ナフサ供給物は、反応帯に供給され、そこで、高温で、再生された触媒の源と接触する。高温の触媒は、約500℃から650℃、好ましくは約525℃から600℃の温度で供給物を気化させ、分解する。分解反応は、触媒上にコークスを堆積させ、それにより触媒を不活性化する。分解生成物はコークスが堆積した触媒から分離され、精留塔に送られる。コークスが堆積した触媒は、蒸気のようなストリッピング媒体が触媒粒子から揮発分を取除く、ストリッピング帯を通過する。ストリッピングは、熱収支のため、吸着した炭化水素類の大きな留分を保持する低過酷の条件下で行うことができる。取除かれた触媒は、それから再生帯を通過し、そこで、酸素含有ガス、好ましくは空気の存在下で触媒上のコークスを燃焼させることにより再生される。コークス除去は触媒活性を回復させ、同時に触媒を約650℃から約750℃の温度まで加熱する。高温の再生された触媒は、それから反応帯に再循環され新鮮なナフサ供給物と反応する。再生塔でコークスを燃焼させることで形成された煙道ガスは、微粒子の除去及び一酸化炭素の転化用に処理され得る。反応帯からの分解生成物は、種々の生成物、特にC3留分、C4留分、及び所望によりC5留分が回収される精留帯に送られる。C4留分及びC5留分は、一般にオレフィン類に富む。これら留分の一方又は両方は反応塔に再循環され得る。それらは、反応塔の主要部分、又はライザー(riser)部分のいずれか、又はストリッピング部分に再循環され得る。それらは、ストリッピング部分の上の部分、又はストリッピング帯に再循環されることが好ましい。これらの留分の一方又は両方の再循環は、これらオレフィン類の少なくとも一部をプロピレンに転化する。
【0016】
C4オレフィン流れをストリッピング装置部分に注入することも望ましい。このようなC4オレフィン流れ(分解プロセスの分解生成物から再循環されるC4留分と混同されてはならない)は、従来のFCC装置、コークス器装置、蒸気分解装置、及び分解装置に再循環され得るC4オレフィン流れを製造する他のプロセス装置のような1以上の適切な源から得られる。1つの態様において、C4オレフィン流れは、前述のメチル第3ブチルエーテル(MTBE)プロセスからのラフィネートであり得る。もう1つの態様において、ストリッピング装置部分に注入されるC4オレフィン流れは、好ましくは少なくとも約75重量%のブテン類、より好ましくは約90重量%より大きいn−ブテン類も含む。より少量のブテン類を含む流れも許容され、ブタジエンのようなジオレフィンを含む流れが用いられる。
【0017】
FCCプロセス装置自体での軽質オレフィン類の収量を増加させるための試みがなされてきたが、前述の通り、本発明はそれ自体別個のプロセス装置を用い、それは製油所で適切な源からナフサを受け取る。反応帯は、C5+オレフィン類の比較的高い転化率で、C2乃至C4オレフィン類(好ましくはプロピレン)の選択性を最大化するプロセス条件で運転される。本発明で用いるのに適した触媒は、約0.7ナノメーター(nm)未満の平均細孔径を有する結晶質ゼオライトを含む触媒であり、該結晶化ゼオライトは全流動化触媒組成物の約10重量%から50重量%を構成する。好ましくは、結晶質ゼオライトは、中細孔サイズ(<0.7nm)の結晶質アルミノ珪酸塩(その他の点ではゼオライトと呼ばれる)からなる群から選択される。いくつかの態様は、40:1より大きいシリカ対アルミナの比を取り込むが、特に関心があるのは、約75:1未満、好ましくは50:1未満、そしてより好ましくは約40:1未満のシリカ対アルミナの比である中細孔ゼオライトである。細孔径(有効細孔径とも言われるが)、標準的な吸着技術と既知の最小速度論的半径の炭化水素系化合物を用いて測定される。BreckのZeolite Molecular Sieves、1974年及びAnderson等のJ. Catalysis 58、114(1979年)を参照のこと(何れも本明細書書中に参照として取込まれている)。
【0018】
本発明の実施において用いることができる中細孔サイズのゼオライトは、“Atlas of Zeorite Structure Type”、W.H.MeierとD.H.Olson、Butterworth−Heineman、第3版、1992年(これは本明細書書中に参照として取込まれている)に記載されている。中細孔サイズのゼオライトは、一般に約0.5nmから約0.7nmの細孔サイズを有し、例えば、MFI、MFS、MEL、MTW、EUO、MTT、HEU、FER、及びTON構造型ゼオライト(IUPACゼオライト命名法委員)を含む。そのような中細孔サイズのゼオライトの非限定的例は、ZSM−5、ZSM−12、ZSM−22、ZSM−23、ZSM−34、ZSM−35、ZSM−38、ZSM−48、ZSM−50、珪酸塩、及び珪酸塩2を含む。最も好ましいのはZSM−5であり、これは米国特許第3,702,886号及び3,770,614号に記載されている。ZSM−11は米国特許第3,709,979号、ZSM−12は米国特許第3,832,449号、ZSM−21及びZSM−38は米国特許第3,948,758号、ZSM−23は米国特許第4,076,842号、ZSM−35は米国特許第4,016,245号に記載されている。上の全ての特許は本明細書中に引例として取込まれている。他の適した中細孔サイズのゼオライトは、米国特許第4,440,871号に記載されたSAPO−4及びSAPO−1のようなシリコアルミノリン酸塩(SAPO)、クロモ珪酸塩、ガリウム珪酸塩、鉄珪酸塩、米国特許第4,310,440号に記載されたALPO−11のようなアルミニウムリン酸塩(ALPO)、欧州特許−A第229,295号に記載されたTASO−45のようなチタンアルミノ珪酸塩(TASO)、米国特許第4,254,297号に記載された硼素珪酸塩、米国特許第4,500,651号に記載されたTAPO−11のようなチタンアルミノリン酸塩(TAPO)、及び鉄アルミノ珪酸塩を含む。
【0019】
中細孔サイズのゼオライトは、ゼオライトの合成の間、結晶又は結晶性の領域の内部で起こる欠陥の結果と考えられている「結晶性混合物」を含んでもよい。ZSM−5とZSM−11の結晶性混合物の例は米国特許第4,229,424号に記載され、本明細書中に引例として取込まれている。結晶性混合物はそれ自体中細孔サイズのゼオライトであり、異なるゼオライトの微結晶からなる別個の結晶が同じ触媒組成物又は熱水反応混合物中に物理的に存在する、ゼオライトの物理的混合物と混同されてはならない。
【0020】
本発明の触媒は、無機酸化物のマトリックス物質成分と一緒にされ得る。無機酸化物マトリックス成分は触媒成分を一緒に結合させ、その結果触媒生成物は粒子間及び反応壁の衝突に耐えるよう十分硬くなる。無機酸化物マトリックスは、触媒成分を一緒に「結合する」ため乾燥される無機酸化物ゾル又はゲルから作ることができる。好ましくは、無機酸化物マトリックスは触媒的に不活性で、珪素及びアルミニウムの酸化物から構成される。別のアルミナ相が無機酸化物マトリックスに取込まれることも好ましい。オキシ水酸化−g−アルミナアルミニウム(aluminum oxyhydroxides−g−alumina)、ボヘマイト、ダイアスポア、及びa−アルミナ、b−アルミナ、g−アルミナ、d−アルミナ、e−アルミナ、k−アルミナ、及びr−アルミナのような遷移アルミナの化学種を用いることができる。好ましくは、アルミナ種は、ギブサイト、バイエライト、ノルスタンダイト(norstrandite)、又はドイエライト(doyelite)のような三水酸化アルミニウムである。マトリックス物質は亜リン酸又はリン酸アルミニウムも含み得る。
【0021】
反応条件は、約500℃から約650℃、好ましくは約500℃から600℃の温度、約10乃至40psia(約70−約280kPa)、好ましくは約20乃至35psia(約140−約245kPa)の炭化水素分圧、及び約3から12、好ましくは4から10の触媒対ナフサの比(重量/重量)(触媒重量は触媒組成物の全重量)を含む。蒸気はナフサ流れと同時に反応帯に導入され、該蒸気は約50重量%までのナフサ流れを含む。好ましくは、反応帯中のナフサ滞留時間は約10秒未満、例えば約1から10秒である。反応条件は、ナフサ流れ中少なくとも約60重量%のC5+オレフィンがC4−生成物に転化され、約25重量%未満、好ましくは約20重量%未満のパラフィン類がC4−生成物に転化されるような条件であり、そしてプロピレン/全C2−生成物の重量比が約3.5より大きく、プロピレンが全反応生成物の少なくとも約90モル%、好ましくは約95モル%より大きいを構成するような条件である。
【0022】
好ましくは、プロピレン:エチレンの重量比が約4より大きく、エチレンはC2生成物の少なくとも約90モル%を構成し、「全範囲」のC5+ナフサ生成物はナフサ供給物に比較して自動車用及び研究用両方のオクタンで増大した。プロピレンに対する選択性を更に改良するため、供給物を導入する前に触媒を予備コークすることは本発明の範囲内である。プロピレン対エチレンの選択性を改良するためにも、有効量の単環式芳香族類を反応帯に供給することも本発明の範囲内である。芳香族類は、改質プロセス装置のような外部源からのものであり得、又即席のプロセスからの重質ナフサ再循環生成物からなり得る。
【0023】
以下の例は目的を例示するためにのみ示され、決して本発明を限定するものと解してはならない。
【0024】
実施例1−12
以下の例は、工業的平衡をシミュレートするために16時間に亘って1500°F(815℃)で蒸気をあてられた、ZCAT−40(ZSM−5を含む触媒)で接触分解されたナフサの試料で、化学等級プロピレン純度を維持するプロセス運転条件の臨界を例示する。例1及び2の比較では、増大する触媒/オイル比でプロピレンの収率は改良されるが、プロピレン純度が犠牲になる。例3及び4の比較並びに例5及び6の比較では、プロピレン収率を損なうことなく、低下するオイル分圧でプロピレン純度が多いに改良される。例7及び8並びに例9及び10の比較では、増大する温度でプロピレン収率及び純度の双方が改良される。例11及び12の比較では、減少する触媒滞留時間でプロピレンの収率及び純度が改良される。例13は、高プロピレン収率及び純度が第2段階用に従来のFCC反応器/熱交換器設計を用いて達成され得る反応器温度及び触媒/オイル比において高プロピレン収率及び純度が得られることを例示する。
【0025】
【表1】
【0026】
上記例(1、2、7、8)は、適切な反応器条件を選択することによってC3 ―/ C2 =>4及び C3 =/ C2 ―>3.5が達成され得ることを示す。
【0027】
例14−17
ZSM−5のような小又は中間細孔ゼオライトで、ナフサ流れ(例えば、FCCナフサ、コークス器ナフサ)に含まれるオレフィン及びパラフィンの分解では、有意量のエチレン及びプロピレンを生産し得る。エチレン又はプロピレンに対する選択性及びプロパンに対するプロピレンの選択性は触媒及びプロセス運転条件の関数として変化する。プロピレン収率は、キャットナフサ(cat naphtha)と共に反応器に供給される蒸気によって増大され得ることが分かっている。触媒はZSM−5又は他の小又は中間細孔サイズのゼオライトでよい。以下の表2は、5重量%の蒸気が38.8重量%のオレフィンを含むFCCナフサと共に供給される時のプロピレン収率の増加を例示する。プロピレン収率は増加するが、プロピレン純度は減少される。従って、目標とされるプロピレン選択性を維持するためには運転条件を調節することが必要となる。
【0028】
【表2】
【0029】
例18−21
上記例で述べた通り、接触分解装置ナフサを分解するためZCAT−40が用いられた。コークス化された触媒は、次いで下表に示す温度及び空間速度の反応器内の6重量%n−ブタン、9重量%1−ブタン、47重量%の1−ブテン及び38重量%のi−ブテンから成るC4流れを分解するのに用いられた。下記表の結果から分かるように、有意部分の供給物流れがプロピレンに転化された。
【0030】
【表3】
【0031】
望ましいプロセスから結果的に得られる軽質オレフィンは、高分子を形成する、オリゴマー化、重合、共重合、3元共重合及び高分子を形成する諸関連プロセス(以下「重合」と言う)のようなプロセスの供給原料として用いられ得る。そのような軽質オレフィンは、本技術分野で公知の重合方法により単独又は他の化学種との組合せの双方で重合され得る。ある場合においては、重合に先立って軽質オレフィンを分離、濃縮、純化、品質を高め又はその他の方法で処理するのが望ましいであろう。プロピレン及びエチレンは望ましい重合の原料である。ポリプロピレン及びポリエチレンはそれらから作られる望ましい重合製品である。
関連出願の参照
本出願は、1998年5月5日に出願された米国特許出願第09/073,085の一部継続出願である。
【0002】
発明の背景
本発明は、ナフサ流れからプロピレンを製造する方法に関わる。
【0003】
低放出燃料の必要性は、アルキル化、オリゴマー化、MTBE及びETBE合成に用いられる軽質オレフィン類の増大した需要を創出した。更に、軽質オレフィン類、特にプロピレンの低コスト供給は、ポリオレフィン、特にポリプロピレンの供給原料として役立つ需要が引き続きある。
【0004】
近年、軽質パラフィンの脱水素化の固定床法は、増加するオレフィン製造に対して再び新たな興味を引き寄せた。しかし、これらの型の方法は、一般的に、比較的大きな資本投下と高い運転コストを必要とする。従って、比較的小さな資本投下を必要とする方法を用いて、オレフィンの収率を増加させることは有利である。接触分解法で、オレフィンの収率を増加させ、そのオレフィン類がポリプロピレンのようなポリマーに更に加工され得ることは特に有利である。
【0005】
FCC装置を用いてオレフィン類の生成物を製造する固有の問題は、該方法が、650°F+(〜340℃+)供給成分の高転化率も達成しながら、軽質オレフィン類の製造を最大化する特定の触媒バランスに依存するということである。更に、全オレフィンの製造を最大化するために特定の触媒バランスが維持されたとしても、広範囲な分解、異性化、芳香族化、及び水素移動反応のような望ましくない副反応のため、オレフィンの選択性は一般に低い。望ましくない副反応から製造される軽質飽和ガスは、望ましい軽質オレフィン類を回収するためにコストの増大をもたらす。従って、C3及びC4オレフィン類に対する選択性を高度に制御できる方法においてオレフィンの製造を最大化することが望ましい。
【0006】
発明の要約
本発明の1つの態様は、ポリプロピレンを製造する方法であって、該方法が、(a)10から30重量%のパラフィン類、及び15と70重量%の間のオレフィン類を含むナフサ流れを、反応帯、ストリッピング帯、触媒再生帯、及び精留帯を含むプロセス装置に供給すること、及びC4オレフィン類を含む流れを該プロセス装置に同時供給すること、(b)ナフサ流れを反応帯中の触媒の流動床と接触させ分解生成物を形成させることであって、該触媒は約0.7nm未満の平均細孔径を有するゼオライトを含み、反応帯は、500℃から650℃の温度、10乃至40psia(70乃至280kPa)の炭化水素分圧、1乃至10秒の炭化水素滞留時間、及び触媒対供給物の重量比が4と10の間で運転され、それにより、わずか20重量%のパラフィン類がオレフィン類に転化され、及びプロピレンが全C3生成物の少なくとも90モル%を構成する、反応生成物を製造し、(c)該触媒をストリッピング帯に通すこと、(d)ストリッピング帯から取除かれた触媒を、触媒が酸素含有ガスの存在下で再生される触媒再生帯に通すこと、(e)再生された触媒を反応帯に再循環すること、(f)C3留分、オレフィン類に富むC4留分、及び所望によりオレフィン類に富むC5留分を製造するために分解生成物を精留すること、を含む方法である。
【0007】
本発明のもう1つの態様においては、触媒はZSM−5型の触媒である。
【0008】
本発明の態様において、オレフィン類に富むC5留分も再循環される。
【0009】
本発明のもう1つの態様において、供給原料は約10乃至30重量%のパラフィン類、及び約20から70重量%のオレフィン類を含む。
【0010】
本発明のもう1つの態様において、反応帯は約525℃から約600℃の温度で運転される。
【0011】
発明の詳細な記載
比較的高いC2、C3、及びC4オレフィン類の収量を産出するのに適した供給流れは、約5重量%から35重量%、好ましくは約10重量%から約30重量%、より好ましくは10重量%から25重量%のパラフィン類、及び約15重量%、好ましくは約20重量%から約70重量%のオレフィン類を含む、ナフサ範囲で沸騰する流れである。該供給物は、ナフテン類及び芳香族類も含み得る。ナフサ沸騰範囲の流れは、典型的に、約65゜Fから約430゜F(18−225℃)、好ましくは約65゜Fから約300゜F(18−150℃)の沸騰範囲を有する流れである。
【0012】
ナフサは、熱分解又は接触分解されたナフサであってよい。ナフサ流れは、軽油及び残渣の接触流動分解(FCC)から得ることができ、又は、残渣のディレード又は流動コーキングから得ることができる。好ましくは、本発明の実施で用いられるナフサ流れは軽油及び残渣の流動接触分解から得られる。FCCナフサは、一般にオレフィン類及び/又はジオレフィン類に富み、パラフィン類が比較的少ない。接触又は熱分解されたナフサではない他のオレフィン性の流れを、主要な供給物と該反応帯に供給又は同時供給することは本発明の範囲内である。このことは、プロピレンの収率を増大すると信じられている。
【0013】
本発明のもう1つの態様において、n−ブテン類を含むC4オレフィン流れがナフサ供給物と同時供給される。C4オレフィン流れは、分解装置に再循環され得るC4オレフィン流れを製造する、従来のFCC装置、コークス器装置(coker unit)、蒸気分解装置、及び他の装置のような適切な源に由来し得る。1つの態様において、C4オレフィン流れはメチル第3ブチルエーテル法からのラフィネートであり得る。MTBE装置は、一般にメタノールとC4オレフィン類の混合物を供給する。イソブチレンのみがメタノールと反応してMTBEを産出し、有意な量のC4オレフィン類を残し、MTBEラフィネートにn−ブテン類を含む。
【0014】
C4オレフィン流れは、好ましくは少なくとも約75重量%のn−ブテン類を、より好ましくは約90重量%より大きいn−ブテン類を含む。より少量のn−ブテン類を含む流れも許容され、ブタジエンのようなジオレフィンを有意な量含む流れが用いられる。C4オレフィン流れがナフサ流れと一緒に反応帯に注入されると、C4オレフィン類はナフサ供給物中の他のオレフィン類と速い不均化反応を受け、分解反応がそれに続く。これらの反応はプロピレンの収率を増す。
【0015】
本発明の方法は、反応帯、ストリッピング帯、触媒再生帯、及び精留帯を含むプロセス装置中で行われる。ナフサ供給物は、反応帯に供給され、そこで、高温で、再生された触媒の源と接触する。高温の触媒は、約500℃から650℃、好ましくは約525℃から600℃の温度で供給物を気化させ、分解する。分解反応は、触媒上にコークスを堆積させ、それにより触媒を不活性化する。分解生成物はコークスが堆積した触媒から分離され、精留塔に送られる。コークスが堆積した触媒は、蒸気のようなストリッピング媒体が触媒粒子から揮発分を取除く、ストリッピング帯を通過する。ストリッピングは、熱収支のため、吸着した炭化水素類の大きな留分を保持する低過酷の条件下で行うことができる。取除かれた触媒は、それから再生帯を通過し、そこで、酸素含有ガス、好ましくは空気の存在下で触媒上のコークスを燃焼させることにより再生される。コークス除去は触媒活性を回復させ、同時に触媒を約650℃から約750℃の温度まで加熱する。高温の再生された触媒は、それから反応帯に再循環され新鮮なナフサ供給物と反応する。再生塔でコークスを燃焼させることで形成された煙道ガスは、微粒子の除去及び一酸化炭素の転化用に処理され得る。反応帯からの分解生成物は、種々の生成物、特にC3留分、C4留分、及び所望によりC5留分が回収される精留帯に送られる。C4留分及びC5留分は、一般にオレフィン類に富む。これら留分の一方又は両方は反応塔に再循環され得る。それらは、反応塔の主要部分、又はライザー(riser)部分のいずれか、又はストリッピング部分に再循環され得る。それらは、ストリッピング部分の上の部分、又はストリッピング帯に再循環されることが好ましい。これらの留分の一方又は両方の再循環は、これらオレフィン類の少なくとも一部をプロピレンに転化する。
【0016】
C4オレフィン流れをストリッピング装置部分に注入することも望ましい。このようなC4オレフィン流れ(分解プロセスの分解生成物から再循環されるC4留分と混同されてはならない)は、従来のFCC装置、コークス器装置、蒸気分解装置、及び分解装置に再循環され得るC4オレフィン流れを製造する他のプロセス装置のような1以上の適切な源から得られる。1つの態様において、C4オレフィン流れは、前述のメチル第3ブチルエーテル(MTBE)プロセスからのラフィネートであり得る。もう1つの態様において、ストリッピング装置部分に注入されるC4オレフィン流れは、好ましくは少なくとも約75重量%のブテン類、より好ましくは約90重量%より大きいn−ブテン類も含む。より少量のブテン類を含む流れも許容され、ブタジエンのようなジオレフィンを含む流れが用いられる。
【0017】
FCCプロセス装置自体での軽質オレフィン類の収量を増加させるための試みがなされてきたが、前述の通り、本発明はそれ自体別個のプロセス装置を用い、それは製油所で適切な源からナフサを受け取る。反応帯は、C5+オレフィン類の比較的高い転化率で、C2乃至C4オレフィン類(好ましくはプロピレン)の選択性を最大化するプロセス条件で運転される。本発明で用いるのに適した触媒は、約0.7ナノメーター(nm)未満の平均細孔径を有する結晶質ゼオライトを含む触媒であり、該結晶化ゼオライトは全流動化触媒組成物の約10重量%から50重量%を構成する。好ましくは、結晶質ゼオライトは、中細孔サイズ(<0.7nm)の結晶質アルミノ珪酸塩(その他の点ではゼオライトと呼ばれる)からなる群から選択される。いくつかの態様は、40:1より大きいシリカ対アルミナの比を取り込むが、特に関心があるのは、約75:1未満、好ましくは50:1未満、そしてより好ましくは約40:1未満のシリカ対アルミナの比である中細孔ゼオライトである。細孔径(有効細孔径とも言われるが)、標準的な吸着技術と既知の最小速度論的半径の炭化水素系化合物を用いて測定される。BreckのZeolite Molecular Sieves、1974年及びAnderson等のJ. Catalysis 58、114(1979年)を参照のこと(何れも本明細書書中に参照として取込まれている)。
【0018】
本発明の実施において用いることができる中細孔サイズのゼオライトは、“Atlas of Zeorite Structure Type”、W.H.MeierとD.H.Olson、Butterworth−Heineman、第3版、1992年(これは本明細書書中に参照として取込まれている)に記載されている。中細孔サイズのゼオライトは、一般に約0.5nmから約0.7nmの細孔サイズを有し、例えば、MFI、MFS、MEL、MTW、EUO、MTT、HEU、FER、及びTON構造型ゼオライト(IUPACゼオライト命名法委員)を含む。そのような中細孔サイズのゼオライトの非限定的例は、ZSM−5、ZSM−12、ZSM−22、ZSM−23、ZSM−34、ZSM−35、ZSM−38、ZSM−48、ZSM−50、珪酸塩、及び珪酸塩2を含む。最も好ましいのはZSM−5であり、これは米国特許第3,702,886号及び3,770,614号に記載されている。ZSM−11は米国特許第3,709,979号、ZSM−12は米国特許第3,832,449号、ZSM−21及びZSM−38は米国特許第3,948,758号、ZSM−23は米国特許第4,076,842号、ZSM−35は米国特許第4,016,245号に記載されている。上の全ての特許は本明細書中に引例として取込まれている。他の適した中細孔サイズのゼオライトは、米国特許第4,440,871号に記載されたSAPO−4及びSAPO−1のようなシリコアルミノリン酸塩(SAPO)、クロモ珪酸塩、ガリウム珪酸塩、鉄珪酸塩、米国特許第4,310,440号に記載されたALPO−11のようなアルミニウムリン酸塩(ALPO)、欧州特許−A第229,295号に記載されたTASO−45のようなチタンアルミノ珪酸塩(TASO)、米国特許第4,254,297号に記載された硼素珪酸塩、米国特許第4,500,651号に記載されたTAPO−11のようなチタンアルミノリン酸塩(TAPO)、及び鉄アルミノ珪酸塩を含む。
【0019】
中細孔サイズのゼオライトは、ゼオライトの合成の間、結晶又は結晶性の領域の内部で起こる欠陥の結果と考えられている「結晶性混合物」を含んでもよい。ZSM−5とZSM−11の結晶性混合物の例は米国特許第4,229,424号に記載され、本明細書中に引例として取込まれている。結晶性混合物はそれ自体中細孔サイズのゼオライトであり、異なるゼオライトの微結晶からなる別個の結晶が同じ触媒組成物又は熱水反応混合物中に物理的に存在する、ゼオライトの物理的混合物と混同されてはならない。
【0020】
本発明の触媒は、無機酸化物のマトリックス物質成分と一緒にされ得る。無機酸化物マトリックス成分は触媒成分を一緒に結合させ、その結果触媒生成物は粒子間及び反応壁の衝突に耐えるよう十分硬くなる。無機酸化物マトリックスは、触媒成分を一緒に「結合する」ため乾燥される無機酸化物ゾル又はゲルから作ることができる。好ましくは、無機酸化物マトリックスは触媒的に不活性で、珪素及びアルミニウムの酸化物から構成される。別のアルミナ相が無機酸化物マトリックスに取込まれることも好ましい。オキシ水酸化−g−アルミナアルミニウム(aluminum oxyhydroxides−g−alumina)、ボヘマイト、ダイアスポア、及びa−アルミナ、b−アルミナ、g−アルミナ、d−アルミナ、e−アルミナ、k−アルミナ、及びr−アルミナのような遷移アルミナの化学種を用いることができる。好ましくは、アルミナ種は、ギブサイト、バイエライト、ノルスタンダイト(norstrandite)、又はドイエライト(doyelite)のような三水酸化アルミニウムである。マトリックス物質は亜リン酸又はリン酸アルミニウムも含み得る。
【0021】
反応条件は、約500℃から約650℃、好ましくは約500℃から600℃の温度、約10乃至40psia(約70−約280kPa)、好ましくは約20乃至35psia(約140−約245kPa)の炭化水素分圧、及び約3から12、好ましくは4から10の触媒対ナフサの比(重量/重量)(触媒重量は触媒組成物の全重量)を含む。蒸気はナフサ流れと同時に反応帯に導入され、該蒸気は約50重量%までのナフサ流れを含む。好ましくは、反応帯中のナフサ滞留時間は約10秒未満、例えば約1から10秒である。反応条件は、ナフサ流れ中少なくとも約60重量%のC5+オレフィンがC4−生成物に転化され、約25重量%未満、好ましくは約20重量%未満のパラフィン類がC4−生成物に転化されるような条件であり、そしてプロピレン/全C2−生成物の重量比が約3.5より大きく、プロピレンが全反応生成物の少なくとも約90モル%、好ましくは約95モル%より大きいを構成するような条件である。
【0022】
好ましくは、プロピレン:エチレンの重量比が約4より大きく、エチレンはC2生成物の少なくとも約90モル%を構成し、「全範囲」のC5+ナフサ生成物はナフサ供給物に比較して自動車用及び研究用両方のオクタンで増大した。プロピレンに対する選択性を更に改良するため、供給物を導入する前に触媒を予備コークすることは本発明の範囲内である。プロピレン対エチレンの選択性を改良するためにも、有効量の単環式芳香族類を反応帯に供給することも本発明の範囲内である。芳香族類は、改質プロセス装置のような外部源からのものであり得、又即席のプロセスからの重質ナフサ再循環生成物からなり得る。
【0023】
以下の例は目的を例示するためにのみ示され、決して本発明を限定するものと解してはならない。
【0024】
実施例1−12
以下の例は、工業的平衡をシミュレートするために16時間に亘って1500°F(815℃)で蒸気をあてられた、ZCAT−40(ZSM−5を含む触媒)で接触分解されたナフサの試料で、化学等級プロピレン純度を維持するプロセス運転条件の臨界を例示する。例1及び2の比較では、増大する触媒/オイル比でプロピレンの収率は改良されるが、プロピレン純度が犠牲になる。例3及び4の比較並びに例5及び6の比較では、プロピレン収率を損なうことなく、低下するオイル分圧でプロピレン純度が多いに改良される。例7及び8並びに例9及び10の比較では、増大する温度でプロピレン収率及び純度の双方が改良される。例11及び12の比較では、減少する触媒滞留時間でプロピレンの収率及び純度が改良される。例13は、高プロピレン収率及び純度が第2段階用に従来のFCC反応器/熱交換器設計を用いて達成され得る反応器温度及び触媒/オイル比において高プロピレン収率及び純度が得られることを例示する。
【0025】
【表1】
【0026】
上記例(1、2、7、8)は、適切な反応器条件を選択することによってC3 ―/ C2 =>4及び C3 =/ C2 ―>3.5が達成され得ることを示す。
【0027】
例14−17
ZSM−5のような小又は中間細孔ゼオライトで、ナフサ流れ(例えば、FCCナフサ、コークス器ナフサ)に含まれるオレフィン及びパラフィンの分解では、有意量のエチレン及びプロピレンを生産し得る。エチレン又はプロピレンに対する選択性及びプロパンに対するプロピレンの選択性は触媒及びプロセス運転条件の関数として変化する。プロピレン収率は、キャットナフサ(cat naphtha)と共に反応器に供給される蒸気によって増大され得ることが分かっている。触媒はZSM−5又は他の小又は中間細孔サイズのゼオライトでよい。以下の表2は、5重量%の蒸気が38.8重量%のオレフィンを含むFCCナフサと共に供給される時のプロピレン収率の増加を例示する。プロピレン収率は増加するが、プロピレン純度は減少される。従って、目標とされるプロピレン選択性を維持するためには運転条件を調節することが必要となる。
【0028】
【表2】
【0029】
例18−21
上記例で述べた通り、接触分解装置ナフサを分解するためZCAT−40が用いられた。コークス化された触媒は、次いで下表に示す温度及び空間速度の反応器内の6重量%n−ブタン、9重量%1−ブタン、47重量%の1−ブテン及び38重量%のi−ブテンから成るC4流れを分解するのに用いられた。下記表の結果から分かるように、有意部分の供給物流れがプロピレンに転化された。
【0030】
【表3】
【0031】
望ましいプロセスから結果的に得られる軽質オレフィンは、高分子を形成する、オリゴマー化、重合、共重合、3元共重合及び高分子を形成する諸関連プロセス(以下「重合」と言う)のようなプロセスの供給原料として用いられ得る。そのような軽質オレフィンは、本技術分野で公知の重合方法により単独又は他の化学種との組合せの双方で重合され得る。ある場合においては、重合に先立って軽質オレフィンを分離、濃縮、純化、品質を高め又はその他の方法で処理するのが望ましいであろう。プロピレン及びエチレンは望ましい重合の原料である。ポリプロピレン及びポリエチレンはそれらから作られる望ましい重合製品である。
Claims (16)
- プロピレンを製造する方法であって、該方法が、
(a)10から30重量%のパラフィン類、及び15と70重量%の間のオレフィン類を含むナフサ流れを、反応帯、ストリッピング帯、触媒再生帯、及び精留帯を含むプロセス装置に供給すること、
(b)C4オレフィン類を該プロセス装置に供給すること、
(c)ナフサ流れを反応帯中の触媒の流動床と接触させて分解生成物を形成することであって、該触媒は約0.7nm未満の平均細孔径を有するゼオライトを含み、反応帯は、500℃から650℃の温度、10乃至40psia(70乃至280kPa)の炭化水素分圧、1乃至10秒の炭化水素滞留時間、及び触媒対供給物の重量比が4と10の間で運転され、それにより、わずか20重量%のパラフィン類がオレフィン類に転化され、及びプロピレンが全C3生成物の少なくとも90モル%を構成する、反応生成物を製造し、
(d)該触媒をストリッピング帯に通すこと、
(e)ストリッピング帯から取除かれた触媒を、触媒が酸素含有ガスの存在下で再生される触媒再生帯に通すこと、
(f)再生された触媒を反応帯に再循環すること、
(g)C3留分、オレフィン類に富むC4留分、及び所望によりオレフィン類に富むC5留分を製造するために分解生成物を精留すること、
(h)オレフィン類に富むC4留分を反応帯、ストリッピング帯、又は両方に再循環させること、
を含む方法。 - C4オレフィン流れが反応帯に供給される、請求項1に記載の方法。
- C4オレフィン流れがストリッピング帯にも供給される、請求項2に記載の方法。
- C4オレフィン流れがストリッピング帯に供給される、請求項1に記載の方法。
- C4オレフィン流れがMTBE装置、FCC装置、流れ分解装置、又はコークス器装置から得られる、請求項1に記載の方法。
- C4オレフィン流れがMTBEラフィネート流れである、請求項1に記載の方法。
- C4オレフィン流れが、蒸気分解装置からプロセス装置に通される、請求項1に記載の方法。
- C4オレフィン流れが少なくとも75重量%のn−ブテン類を含む、請求項1に記載の方法。
- 結晶質ゼオライトがZSM系から選択される、請求項1に記載の方法。
- 結晶質ゼオライトがZSM−5である、請求項9に記載の方法。
- 反応温度が500℃から600℃である、請求項10に記載の方法。
- 供給物流れの少なくとも60重量%のC5 +オレフィン類がC4−生成物に転化され、少なくとも25重量%のパラフィン類がC4−生成物に転化される、請求項10に記載の方法。
- プロピレンが全C3生成物の少なくとも95モル%を構成する、請求項12に記載の方法。
- プロピレン対全C2−生成物の重量比が3.5より大きい、請求項13に記載の方法。
- 前記C5留分を製造し、該C5留分を反応帯、ストリッピング帯、又は両方に再循環する工程を更に含む、請求項1に記載の方法。
- C3留分からプロピレンを分離し、該プロピレンを重合しポリプロピレンを形成する工程を更に含む、請求項1に記載の方法。
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