JP2004509609A - 合成二本鎖オリゴヌクレオチドの配列忠実度を改善するための方法 - Google Patents
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Abstract
合成DNAのような合成オリゴヌクレオチドは、しばしば合成失敗物(例えば、副産物および/または短縮産物)に起因する配列エラーを含む。合成失敗物の分離可能な枯渇によって合成二本鎖オリゴヌクレオチドの配列忠実度を改善するための方法が、本明細書中に提供される。分離は、変性条件下での分取様式の方法論の利用によってもたらされる。この方法の好ましい使用は、遺伝子合成に関連する。この合成二本鎖オリゴヌクレオチドの配列忠実度を改善するための方法は、合成二本鎖オリゴヌクレオチドを2つの集団に分離するのに十分な変性条件下で合成二本鎖オリゴヌクレオチドを分取カラムクロマトグラフィーまたはゲルクロマトグラフィーに供する工程であって、一方の集団は合成失敗物が豊富であり、そして他方の集団は合成失敗物が枯渇している、工程、を包含する、方法である。
Description
【0001】
(技術分野)
本発明は、一般的に、合成二本鎖オリゴヌクレオチドの配列忠実度の改善に関する。より詳細には、オリグヌクレオチド(例えば、二本鎖DNA)の合成において作成された合成失敗物(failure)(副産物(side product)および短縮産物を含む)の除去に関する。
【0002】
(発明の背景)
製薬会社における発見探索の多くは、薬物開発のための標的としてか、またはそのタンパク質発現産物の形態での治療剤としての遺伝子に集中される。これらの会社は、主要なヒト遺伝子を入手できる。製薬会社は、潜在的な機会に当惑し、その競合会社が同じセットの可能性を探していることを明敏に(acutely)警戒し、そして現在、同定されている遺伝子の分画以上のものに取り組むことができない。この探索における進行を妨げる主要なものの1つは、詳細な分析のために遺伝子を調製するのに必要な時間および努力である。
【0003】
遺伝子合成(化学合成されたDNAからの部分的なまたは全体的なクローニング遺伝子の産生)は、この進行を妨げるもの(bottleneck)を克服する方法の1つである。原則として、遺伝子合成は、配列が公知である任意の遺伝子、および遺伝子の任意のバリエーションへの速やかなアクセスを提供し得る。信頼性のある、コスト効果的な自動遺伝子合成は、新しい遺伝子の操作および分析をスピードアップすることで生物医学的探索のプロセスに革命的な効果を有する。
【0004】
遺伝子合成の自動化を限定する1つの本質因子は、プロセスの低い配列忠実性である:化学的に合成されたDNAから作成された遺伝子クローンは、しばしば配列エラーを含む。これらのエラーは、以下の多くの段階のプロセスで導入され得る:成分オリゴヌクレオチドの化学合成の間、二本鎖オリゴヌクレオチドの酵素的な構築の間、そしてDNAの操作または単離の間またはクローニングプロセスの間に生じる化学損傷によって。
【0005】
以下の4つの型の塩基修飾は、オリゴヌクレオチドがフォスフォアミダイト(phosphoramidite)法を使用して合成される場合に、一般に生成される:(1)2,6−ジアミノプリン残基を形成するためのデオキシグアノシンのO6−酸素のアミノ基転移;(2)ウリジン残基を形成するためのデオキシシチジンのN4−アミンの脱アミノ(Eadie,J.S.およびDavidson,D.S.、Nucleic Acids Res.15:8333,1987);(3)アプリン酸部位を得るためのN6−ベンゾイルデオキシアデノシンの脱プリン(Shaller,H.およびKhorana,H.G.、J.Am.Chem.Soc.85:3828,1963;Matteucci,M.D.およびCaruthers,M.H.、J.Am.Chem.Soc.103:3185,1981);(4)デオキシグアノシン上のN2−イソブチルアミン保護基の不完全な除去。これらの副産物(副生成物(byproduct))の各々は、クローニングされた合成DNAにおける配列エラーに寄与し得る。
【0006】
オリゴヌクレオチド合成の別の合成失敗物は、所望のオリゴヌクレオチドの全長未満の短縮産物の形態である。オリゴヌクレオチド合成に対する固相アプローチは、その3’ヒドロキシル基を介して固体支持体へアンカーされ、そしてその5’ヒドロキシル基へ結合することによって伸長されるオリゴマー鎖の構築に関与する。所定の鎖延長サイクルにおける各結合工程の収率は、一般的に<100%である。「n」長のオリグヌクレオチドについて、n−1結合が存在し、そして所望の結合の最大収率は[結合効率]n−1である。25マーについて、98%の結合効率と仮定すると、全長産物の計算収率は、61%である。他の39%は、効率の悪いモノマー結合から生じる、可能性のあるより短い長さのオリグヌクレオチド(短縮産物)の全てからなる。所望のオリグヌクレオチドは、イオン交換クロマトグラフィーまたは逆相クロマトグラフィーを使用する精製工程によってこの混合物から部分的に精製され得る。これらの精製手順は、100%有効ではなく、そしてこれらの集団を完全には排除しない。従ってそれらの最終産物は、n−1の失敗配列ならびにある程度はn−2およびn−3の失敗配列を含む。オリゴヌクレオチド合成プロセスのこの型の所望されない産物はまた、合成遺伝子における配列エラーに寄与し得る。
【0007】
別のクラスの合成失敗物は、所望のオリゴヌクレオチドの全長よりも長い「n+」産物の形態である(User Bulletin 13,1987、Applied Biosystems)。これらの産物の主な供給源は、ホスホルアミダイトモノマーが塩基を介して反応している、成長中のオリゴヌクレオチドの分枝(特にアデノシンのN−6およびグアノシンのO−6)である。n+産物の別の供給源は、固体支持体上の所望されない反応性部位からのイニシエーション(initiation)および伝播(propagation)である。最後に、これらの産物はまた、5’トリチル保護基が結合工程の間に偶然に(inadvertently)脱保護される場合に形成される。この5’ヒドロキシルの早すぎる曝露によって、ホスホルアミダイトの二重付加が可能になる。オリゴヌクレオチド合成プロセスのこの型の合成失敗はまた、合成遺伝子における配列エラーに寄与し得る。
【0008】
合成遺伝子の調製に対する一般的な別のプロセスは、より大きな合成二本鎖オリゴヌクレオチドを形成するための合成二本鎖オリゴヌクレオチドの他の合成二本鎖オリゴヌクレオチドへのライゲーションである。インビトロ実験は、T4 DNAリガーゼが不十分な忠実度である、3’A/AまたはT/Tミスマッチおよび5’A/AまたはT/Tミスマッチ(Wu,D.Y.、およびWallace,R.B.、Gene 76:245−54,1989)、5’G/Tミスマッチ(Harada,K.およびOrgel.L.Nucleic Acid Res.21:2287−91,1993)あるいは3’C/A、C/T、T/G、T/T、T/C、A/C、G/GまたはG/Tミスマッチ(Landegren,U.、Kaiser,R.、Sanders,J.、およびHood,L.、Sience 241:1077−80,1988)を有するニックをシーリングすることを示すことを示している。これらの型のミスマッチは、二本鎖核酸のより大きな二本鎖核酸へのライゲーションの間に生じ得る。
【0009】
オリグヌクレオチド(例えば、遺伝子)の調製に対する最新のアプローチにおける困難性に起因して、合成オリグヌクレオチドの配列忠実度を改善する方法が当該分野において必要である。本発明は、この必要性を満たし、そしてさらに他の関連する利点を提供する。
【0010】
(発明の要旨)
簡略に述べると、本発明は、合成二本鎖オリゴヌクレオチドの配列忠実度を改善するための種々の方法を提供する。この方法は、合成二本鎖オリゴヌクレオチドを2つの集団へ分離するのに十分な変性条件下で合成二本鎖オリゴヌクレオチドを分取(preparative)カラムクロマトグラフィーまたは分取ゲルクロマトグラフィーに供する工程を包含し、ここで、一方の集団は合成失敗物が豊富であり、そして他方の集団は合成失敗物が枯渇している。1つの実施形態において、このカラムクロマトグラフィーは、HPLCである。好ましい実施形態は、DHPLCである。別の実施形態において、このゲルクロマトグラフィーは、勾配ゲルクロマトグラフィーである。任意の実施形態において、このオリゴヌクレオチドは、合成二本鎖DNAを含み得る。好ましい合成二本鎖DNAは、より大きなDNA分枝の1つ以上のフラグメントを含む。
【0011】
本発明のこれらおよび他の局面は、以下の詳細な記載を参照して明らかとなる。さらに、種々の参考は、本明細書中に示される。これらの参考のそれぞれは、各々が個々に援用のために言及されるかのように、本明細書中に参考としてその全体が援用される。
【0012】
(発明の詳細な説明)
本発明を示す前に、下に使用される特定の用語の定義を示すことは本発明の理解を助け得る。
【0013】
DNAの天然塩基−アデニン(A)、グアニン(G)、シトシン(C)およびチミン(T)。RNAにおいて、チミンは、ウラシル(U)で置換される。
【0014】
合成二本鎖オリグヌクレオチド−オリグヌクレオチドの一本鎖から構成される実質的な二本鎖DNA。このオリグヌクレオチドは、より大きな合成二本鎖オリゴヌクレオチドを形成するために化学合成によってまたは他の合成二本鎖オリゴヌクレオチドへの合成二本鎖オリゴヌクレオチドのライゲーションによって産生される。
【0015】
合成失敗物−オリゴヌクレオチド合成の所望されない産物;例えば、副産物、短縮産物または不適切なライゲーション由来の産物。
【0016】
副産物−オリゴヌクレオチド合成の化学的な副生成物。
【0017】
短縮産物−所望される長さより短い可能性のある全てのオリゴヌクレオチド;例えば、オリゴヌクレオチドの合成の間の効率の悪いモノマー結合から生じる。
【0018】
TE−8.0のpHで、10mM Trisおよび1mM EDTAの水溶液。
【0019】
ホモ二本鎖(homoduplex)オリゴヌクレオチド−塩基が完全に一致する二本鎖オリゴヌクレオチド;例えば、DNAについて、各AがTと対となり、そして各CがGと対となる。
【0020】
ヘテロ二本鎖(heteroduplex)オリゴヌクレオチド−塩基が誤対である二本鎖オリゴヌクレオチド、すなわち、1つ以上のミスマッチ塩基が存在する;例えば、DNAについて、AがC、GまたはAと対となるか、あるいはCがC、TまたはAと対となる、など。
【0021】
本発明は、合成オリゴヌクレオチドの混合物から配列エラー率が減少した二本鎖オリゴヌクレオチドを提供する方法に関する。この方法は、所望の長さの二本鎖オリゴヌクレオチド(完全にマッチした天然塩基を含む)から、合成失敗物(副産物および短縮産物を含む)を含む二本鎖オリゴヌクレオチドを分離するのに十分な条件下での分取様式の技術の使用に基づく。
【0022】
より詳細には、本発明の開示は、驚くことに、合成二本鎖オリゴヌクレオチドの集団が、変性条件下で分取様式で利用される場合の方法論によって2つの集団に分離され得ることを示す。一方の集団は、合成失敗物(例えば、副産物、不適切なライゲーション由来の産物および/または短縮産物)を含むオリゴヌクレオチドが豊富である。第二集団は、合成失敗物を含むオリゴヌクレオチドが枯渇し、そしてマッチした天然塩基のみを含む所望の長さの合成二本鎖オリゴヌクレオチドが豊富である。所望の二本鎖オリゴヌクレオチドからの合成失敗物の枯渇とは、一般に分離前の総集団と比較して少なくとも約2倍の枯渇をいう。代表的に、この枯渇は、本来の状態から約2倍〜3倍の変化である。この特定倍の枯渇は、単一分離の結果または多数の分離の累積結果であり得る。この第二集団は、例えば、オリゴヌクレオチドが遺伝子または遺伝子のフラグメントに対応する二本鎖DNAである場合、有用である。
【0023】
本明細書中に開示される場合、天然塩基を含む合成分子は、合成失敗物(例えば、非天然塩基または短縮配列)を含む分子から分離され得る。二本鎖オリゴヌクレオチドにおける非天然塩基(ヘテロ二本鎖オリグヌクレオチドのミスマッチ塩基のような)は、二本鎖オリゴヌクレオチドを不安定にする。非天然塩基を含むかまたは全長より短い二本鎖オリゴヌクレオチド(例えば、二本鎖DNA)は、ホモ二本鎖において天然塩基のみを含む全長配列よりより低い温度で融解する。温度を調整することによって、二本鎖合成オリグヌクレオチド失敗物は、融解するかまたは部分的に融解し、そして全長の合成ホモ二本鎖オリゴヌクレオチドよりもクロマトグラフィー上で異なって移動し得る。従って、種々の方法論(例えば、カラムクロマトグラフィーまたはゲルクロマトグラフィー)を、変性条件下で分取様式で使用して、所望の合成二本鎖オリグヌクレオチドから合成失敗物を分離し得る。
【0024】
オリゴヌクレオチド合成(例えば、化学合成)は、種々の副産物を産生し得る。例えば、副産物としては、無塩基の残基(例えば、アプリン酸残基またはアピリミジン残基)、ジアミノプリン、不完全な脱保護G、およびウリジンが挙げられる。本発明の目的のため、副産物の一般的特性は、これらの非天然塩基が二本鎖オリゴヌクレオチドを不安定にすることである。ここで、この非天然塩基が二本鎖オリゴヌクレオチドに取りこまれて、その結果、これらの合成失敗物は、天然塩基のみを含む合成二本鎖オリゴヌクレオチドより低い温度で融解する。
【0025】
変性条件は、分取(分析よりむしろ)目的のために使用されるかまたは適合される種々の方法論(クロマトグラフィーを含む)に適用され得る。カラムクロマトグラフィーおよびゲルクロマトグラフィーは、本発明における適切な方法論の例である。1つの実施形態において、カラムクロマトグラフィーは、高速液体クロマトグラフィー(「HPLC」)である。別の実施形態において、このカラムクロマトグラフィーは、Hatch、米国特許第6,238,565号に記載されるようなモノリシックマトリクスを使用する。別の実施形態において、このカラムクロマトグラフィーは、Taylor、WO01/27331 A2に記載されるような「変性陰イオン交換(Denaturing Anion−Exchange)HPLC」(DEAHPLC)である。別の実施形態において、このカラムクロマトグラフィーは、Gjerde、米国特許第6,024,878号に記載されるようなアイソクラチック(Isocratic)HPLCである。別の実施形態において、このカラムクロマトグラフィーは、「完全変性(Fully Denaturing)HPLC」(FDHPLC)である。好ましい実施形態は、「変性HPLC」(「DHPLC」)と呼ばれる技術の使用である。別の実施形態において、このカラムクロマトグラフィーは、勾配ゲルクロマトグラフィーである。本明細書中で使用される場合、変性条件とは、部分的な変性条件(オリゴヌクレオチドが部分的に変性される条件下)、および完全な変性条件(オリゴヌクレオチドが完全に変性される条件下)の両方をいう。部分的な変性とは、二本鎖オリゴヌクレオチドにおけるミスマッチ塩基対(しかし、この二本鎖オリゴヌクレオチドの残りの部分または残りの全体はインタクトである)の分離をいう。これは、二本鎖が、塩基対ミスマッチの部位で、この鎖の残りを変性するのに必要とされるより簡単に(例えば、より低い温度で)変性することに起因して生じる。
【0026】
本発明における使用に適切なオリグヌクレオチドは、任意の二本鎖配列である。好ましいオリゴヌクレオチドは、二本鎖DNAである。二本鎖DNAは、全長遺伝子および全長遺伝子のフラグメントを含む。例えば、このDNAフラグメントは、結合された場合、この遺伝子のより大きな部分または全体遺伝子を形成する遺伝子の部分であり得る。
【0027】
天然塩基のみを含む合成二本鎖DNAフラグメントのDHPLCによる、合成副産物からの分離は、本発明の例示的な例として記載される。DHPLCは、天然供給源から単離されたDNAに生じる変異を検出するために使用されている分析技術である。この技術は、PCR増幅後に、ゲノムDNAにおける多型性を検出する。この技術は、以下のように実行される。試験サンプルは、ゲノムDNAにおける目的の領域を増幅するPCRによって形成される。この試験サンプルは、多型性のないDNAから得られる増幅されたコントロールサンプルと混合される。この試験サンプルおよびコントロールサンプルの混合物は、変性され、そして復元されて、両方のサンプルから増幅された鎖より構成される二本鎖を形成する。次いで、この試験混合物は、DHPLCによって分析される。Oefnerおよび同僚は、DHPLCの2つのバリエーションを記載している:分離が特定の変性条件下でなされる第一バーション(Oefner,P.J.、Underhill,P.A.(1998)Detection of Nucleic Acid Heteroduplex Molecules by Denaturing High−Performance Liquid Chromatography and Methods for Comparative Sequencing,米国特許第5,795,976号、およびOefner,P.J.,Underhill,P.A.(1998)DNA mutation detection using denaturing high−performance liquid chromatography,Current Protocols in Human Genetics,Wiley & Sons,New York,補遺19,7.10.1−7.10.12)ならびにDNA分子が完全に変性される第二バージョン(Oefner,J.Chromatogr.B.Biomed.Sci.Appl.739(2):345−355,2000)。本発明において、DHPLCを分取技術として使用して、合成副産物を含まない分子に対する集団合成DNAフラグメントを豊富にし得ることが発見された。15塩基対〜10,000塩基対の範囲の二本鎖DNAフラグメントは、代表的に、大きなDNAフラグメントの化学合成の間に産生される。本発明において、これらの中間体は、合成DNAの高純度のフラグメントの集団を単離し、従って配列エラー率を減少するのに十分な条件下で分取DHPLC(Varian Inc.Walnut Creek,CA製 ProStar Helix HPLCシステム、のような自動化システムを使用する)に供される。
【0028】
各フラグメントを、ソフトウェア(例えば、DHPLC Melt Program,Stanford University Palo Alto,CA;WAVEMAKERTM Utility Software,Transgenomic,Inc.,Omaha,NE;Altshuler、米国特許第6,197,516号に記載されるコンピュータ方法)を使用して分析して、所望の二本鎖オリゴヌクレオチド集団由来の合成失敗物を枯渇または初期枯渇するのに十分な特定の運転条件(例えば、温度および勾配条件)を計算する。このフラグメントは、HPLCに注入され、そして特定の条件下で運転される。調整(例えば、温度の数℃の変化)がなされて、特定のフラグメントのための条件を最適化し得ることは当業者にとって明らかである。主なピークを収集し、そして溶媒を除去するために乾燥し、次いで遺伝子のアセンブリを続けるために使用する。合成副産物は、例えば、意図された相補的な天然塩基を有する塩基対を欠乏する。従って、副産物を含むDNA配列は、より低い融点を有し、そしてこれらの条件下で移動度の変化を示す。主要なピークにおけるDNA分子は全て、同じ融解プロフィールを有し、そして合成副産物を保持しないようである。
【0029】
DHPLCは、容易に自動化され得、そして化学的に合成されたDNAサンプル由来の合成副産物を物理的に減少するハイスループット方法を提供し得る。例えば、1000bp長未満の合成DNAフラグメントは、部分的に、DNA、収集された主要ピークおよび排出されたHPLCフロースルーの残渣を変性する条件下でカラムに注入される。このピークは、DNAフラグメントを含む;天然塩基の代わりに合成副産物を保有する本来の集団におけるほとんどの分子は、移動度の変化を示し、従って排出される。あるいは、100bp長未満の合成DNAフラグメントは、DNA鎖を完全に変性する条件下でカラムに注入される。2つの主要ピークは収集され、そしてHPLCフロースルーの残渣は排出される。この2つのピークのそれぞれは、一本鎖の合成DNAを含む;天然塩基の代わりに合成副産物を保有する本来の集団におけるほとんどの分子は、移動度の変化を示し、従って排出される。この2つのピークは組み合わせられ。そして一緒にハイブリダイズされて、合成副産物を保有しそうになく、従ってクローニングされる場合、所望の配列を生じる可能性がさらに高い遺伝子合成のための中間体フラグメントを形成する。
【0030】
上記のように、クロマトグラフィーは、所望の二本鎖DNAから合成失敗物を分離的に枯渇するのに適切な条件下で実行される。1つの実施形態において、温度および勾配条件は、DHPLCによる分離を可能にするように調整される。この温度および勾配条件は、Stanford University,Palo Alto,CAから入手可能なDHPLC Melt Program(http://insertion.stanford.edu/melt.html)を使用して計算され得る。各二本鎖DNAは、二本鎖構造の強度の関数である温度で変性する。完全に天然塩基対のDNA配列は、最も安定な二本鎖を形成し、そして最もストリンジェントな条件下で変性する。塩基改変を有するDNA配列は、ほとんど安定な二本差を形成せず、より低い温度で変性し、従って、所定の温度および勾配プロフィールでの移動度の増加を示す。
【0031】
ゲルベースの技術(例えば、二本鎖配座分析(DSCA))およびキャピラリーベースの配座感受性ゲル電気泳動(キャピラリーCSGE)をまた使用して、核酸配列の集団において多数の正確な配列を豊富にし得る。DHPLCの様に、これらのゲルベースの方法は、非マッチング塩基対に起因する二本鎖における配座に基づく変異を検出するために使用されている分析技術である。これらの技術は、ホモ二本鎖とは異なるヘテロ二本鎖の電気泳動移動度に依存する。スラブゲルに基づくいくつかの他の変異検出技術[例えば、一定勾配ゲル電気泳動(CGGE)、変性勾配ゲル電気泳動(DGGE)、および温度勾配ゲル電気泳動(TGGE)]は、塩基対組成に依存するDNAフラグメントの融点の微妙な差異におよびゲルにおける変異体フラグメントの移動度の結果として生じる差異に基づく。二本鎖核酸の分離された集団は、ゲルからバンドの切り出しによって単離され得る。
【0032】
キャピラリーCSGEは、キャピラリー電気泳動に基づく(Rozycka M,Collin N,Stratton MR,Wooster R.,Genomics 70(1):34−40,2000)。DSCAのように、この技術は、ヘテロ二本鎖核酸とホモ二本鎖核酸との間の配座差異に依存する。CSGEについて、サイズ分画されたまたは形状分画されたDNAフラグメントを含む画分は、移動親和性膜上またはサンプルチャンバへ収集され得る。収集工程の正確なタイミングは、キャピラリーの末端近くの2つの検出点間で測定される各個々のゾーンの速度を決定することによって達成される。
【0033】
本発明の好ましい使用は、天然塩基のみを含む二本鎖DNAフラグメントのための画分を豊富にすることによる化学的な遺伝子合成に対してである。このようなフラグメントは、結合(例えば、ライゲーション)されて、完全遺伝子を形成する。
【0034】
以下の実施例は、例示のために提供されるものであり、限定のために提供されるものではない。
【0035】
(実施例)
(実施例1)
(lacI遺伝子のオペレーター結合領域由来の205bp DNAフラグメントの合成)
βガラクトシダーゼは、X−galを無色の化合物からあでやかな青色(brilliant blue)の化合物へ変換し得る酵素である(Manniatis;Sambrookら、Molecular Cloning:A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratories,Cold Spring Harbor,N.Y.,1989)。このlacI遺伝子は、E.coliにおいてβガラクトシダーゼ合成のリプレッサーをコードする。機能的なlacリプレッサーを有する細胞において、βガラクトシダーゼの合成を抑制し、そしてX−galプレート上で増殖するコロニーは、白色である。lacリプレッサー遺伝子が不活性である場合、βガラクトシダーゼを生成し、そしてコロニーは、明るい青(bright blue)色である。lacリプレッサーの機能を簡単に測定し得るので、インビトロアッセイにおいて、広範囲な遺伝子解析の主体となっている(Markiewiczら、J.Mol.Biol.240:421−33,1994;Suckowら、J.Mol.Biol.261:421−33,1996)。この研究に基づいて、タンパク質を不活化せずに変更され得ない205塩基対フラグメント中の4つのG残基を選択した。従って、これらの残基の配列を、Lacリプレッサー機能についてアッセイすることで決定し得る。
【0036】
以下:
【0037】
【化1】
の配列を有するlacI遺伝子の205塩基対セグメントを、1セットの重複二本鎖オリゴヌクレオチドを使用して合成する。
【0038】
遺伝子を作成するために使用するオリゴヌクレオチドを、Beckman 30nM DNA Synthesis Columnを使用するOligo 1000M DNA Synthesizer(Beckman Coulter,Inc,Fullerton,CA)を用いて調製する。全ての標準的なホスホルアミダイトおよび補助合成試薬をGlen Research,Inc(Sterling,VA)から得る。オリゴヌクレオチドの化学的なリン酸化を、Chemical Phosphorylation II(Glen Research)をもちいて行う。濃縮アンモニアを、Fisher Scientific(Springfield,NJ)から得る。40% N−メチルアミンを、Fluka Chemical Corporation(Milwaukee,WI)から得る。固体支持体からの切断後、このオリゴヌクレオチドを、Glen Researchから提供された指示手引きに従ってPoly−Pak Cartridgeを使用してTrityl On精製する。Trityl On精製のための試薬は、Burdick & Jackson(Muskegon,MI)から得られるHPLCグレードのアセトニトリルおよび水である。酢酸トリエチルアンモニウム(TEAA)(pH7.0)および3%トリフルオロ酢酸を含有する水を、Glen Researchから入手する。精製後、合成されたオリゴヌクレオチドを、SpeedVac(Savant,Farmingdale,NY)中で乾燥するまでエバポレートしてHPLCグレード水に再懸濁する。オリゴヌクレオチドの濃度を、Pharmacia LKB Ultrospec III(Amersham Pharmacia,Upsala,Sweden)での260nm吸光度を読むことによって決定する。
【0039】
オリゴヌクレオチドを使用して、500pmoleの相補的オリゴヌクレオチドのそれぞれをspeedvacで乾燥して、そして10μl TE中に再懸濁することによって二本鎖フラグメントを形成する。この溶液(250pmole)の5μlのサンプルを、10μlの2×SSPE(Manniatisに従って調製する)と混合し、95℃まで加熱し、そして室温まで冷却する。
【0040】
二本鎖を、全長産物を作成するまで、首尾良く一緒にライゲーションして、より長いフラグメントを作成する。各ライゲーションは、500ピコモルの1対の二本鎖オリゴヌクレオチド、3μlの10×ライゲーション緩衝液(Fermentas Inc.,Hanover,Maryland)、10単位のT4 DNAリガーゼ(製品番号EL0016、Fermentas)および水からなり、30μlの総容積とする。全ての二本鎖を同じ条件かで一緒にライゲーションする。各ライゲーション混合物を、37℃で60分間インキュベートし、65℃まで10分間加熱し、そしてHPLCによってフラグメントを単離する。
【0041】
高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を、2つの高精度高圧ポンプ(ProStar 215 Solvent Delivery Modules)、カラムオーブン(ProStar 510 Air Oven)、UV検出器(ProStar 320 UV/Vis Detector)および画分収集器(Dynamax FC−1 Fraction Collector)(全ては、Star Chromatography Workstation Software(Version 5.31)によって制御される)からなるVarian Inc.(Walnut Creek,CA)製のProStar Helix HPLCシステムで実行する。使用するカラムは、インラインGuard Column(4.6mmID×12.5mm、3.5ミクロン)を備えるZorbax Eclipse dsDNA Analysis Column(4.6mmID×75mm、3.5ミクロン)(共にAgilent Technologies,Inc.(Palo Alto,CA)製)である。以下の予め作成された緩衝液を、Varian Inc.(Walnut Creek,CA)から得る;Helix BufferPak「A」(100mM 酢酸トリエチルアンモニウム、pH7.0、0.1mM EDTA)およびHelix BufferPak「B」(100mM 酢酸トリエチルアンモニウム、pH7.0、0.1mM EDTA含有25体積%アセトニトリル)。化学的に純粋な富化配列を単離するための温度および勾配条件を、Stanford University(Palo Alto,CA)から入手可能なDHPLC Melt Program(http://insertion.stanford.edu/melt.html)を使用して計算する。溶出プロフィールを、吸光度260nmを用いてUV検出器を使用してモニターする。
【0042】
ライゲーションしたフラグメントを、HPLC緩衝液から乾燥し、そしてTEに再懸濁する。これらのフラグメントを、次のセットのライゲーション反応に使用する。数回のライゲーションについで精製およびフラグメント単離を使用して、lacI遺伝子の205塩基対フラグメントを構築する。
【0043】
(実施例2)
(lacI遺伝子の205塩基対フラグメントの機能性試験)
実施例1で産生された合成フラグメントを、lacI遺伝子ヘクローニングして、その機能を試験する。3μgのプラスミドベクターpWB1000(Lehmingら、PNAS,85:7947−7951,1988)を制限酵素EcoR1およびHindIII、ならびに製造業者の指示に従ってStrata Prep DNA抽出キット(Stratagene 製品番号400766)を使用して精製したベクターフラグメントゲルで消化し、そして100μlのTE中に再懸濁する。1μgのlacIフラグメントを、T4ポリヌクレオチドキナーゼでで処理し、フェノールで一度およびクロロホルムで一度抽出し、エタノール沈殿し、そして20μlのTE中に再懸濁する。5μlの切断ベクターおよび1μlの合成lacIフラグメントを、製造業者の指示に従って、Fermentas T4 DNAリガーゼを使用して100μlの総容積でライゲーションする。このライゲーション混合物をStratacleanで一度抽出し、濃縮し、そして1/10の濃度のTEで二回洗浄し、そして1/10の濃度のTEに10μlの容量にする。1μlのこの混合物を、製造業者の指示に従ってBTX ECM399エレクトロポレーター(Genetronics,Inc.,San Diego,CA)を使用するエレクトロポレーションによってプラスミドpWB310(Lehmingら、EMBO,6:3145−3153,1987)を保有するE.coli株DC41−2へトランスフェクトする。コロニーを、10mg/Lのテトラサイクリン、200mg/Lのアンピシリン、60mg/LのX−galおよび300mg/LのIPTGの存在下でLBプレート上で一晩増殖させた。機能的lacI遺伝子を有するプラスミドを保有するコロニーは、白色である;機能的lacIを有さないものは青色である。
【0044】
(実施例3)
(塩基86、88、133、または178でジアミノプリンを含む205bp DNAフラグメントの調製)
オリゴヌクレオチド合成の1つの一般的な副反応は、DNA鎖におけるdG残基からのジアミノプリンの形成である。2,6−ジアミノプリンを含む改変オリゴヌクレオチドを、Trilink Biotechnologies(San Diego,CA)から得、そして205bp lacI遺伝子フラグメントへ組み込む。4つのサンプルを、各サンプルにおけるdG残基を置換した1つのジアミノプリン残基(下の標識D)を用いて実施例1に記載されるように調製した。
【0045】
【表1】
(実施例4)
(86位または133位でdUを含む205bp DNAフラグメントの調製)
オリグヌクレオチド合成の第二の一般的な副反応は、DNA鎖におけるウラシル(dU)を形成するためのデオキシシチジンのN4−アミンの脱アミノ化である。ウラシル(dU)を含む改変オリゴヌクレオチドを、Midland Certified Reagent Company(Midland,TX)から得、そして205bp lacI遺伝子フラグメントへ組み込む。2つのサンプルを、各サンプルにおけるdC残基を置換した1つのウラシル残基(下の標識dU)を用いて実施例1に記載されるように調製した。
【0046】
【表2】
(実施例5)
(134位または182位で無塩基部位を含む205bp DNAフラグメントの調製)
オリゴヌクレオチド合成の第3の一般的副反応は、鎖延長の間の保護アデノシン残基の脱プリン化による無塩基部位の形成である。ウラシル(dU)を含む改変オリゴヌクレオチドを、Midland Certified Reagent Company(Midland,TX)から得、そして205bp lacI遺伝子フラグメントへ組み込む。2つのサンプルを、各サンプルにおけるdA残基を置換した1つのウラシル残基(下の標識dU)を用いて実施例1に記載されるように調製した。
【0047】
【表3】
205塩基対フラグメントの合成およびHPLC精製の後、DNAを、製造業者の指示に従ってウラシル−N−グリコシラーゼ(Epicentre Technologies Corp.,Madison,WI)で処理して、ウラシル塩基を除去し、ネイティブ205塩基対フラグメントにおいて対応するA残基の代わりにアプリン部位を残す。
【0048】
(実施例6)
(lacI配列に対する温度条件および勾配HPLC条件の計算)
化学的に純粋な富化された配列を単離するための温度条件および勾配条件を、、Stanford University(Palo Alto,CA)から入手可能であり、かつ事件番号S95−024と呼ばれるStanford University Office of Technology Licensingからの許可のために利用可能なDHPLC Melt Program(http://insertion.stanford.edu/melt.html)を用いて計算する。205塩基対フラグメントの両末端のいずれかでの4塩基一本鎖領域を除去して、以下の197塩基対配列を得る。
【0049】
【化2】
勾配を、時間1、2および3での緩衝液Bパーセント(B1、B2、B3)として、下に特定する。勾配を、0.5分でB1〜B2で実施し、次いで3.0分でB2〜B3で実施する。
【0050】
【表4】
緩衝液Aおよび緩衝液Bは、実施例1に記載されるのと同様である。
【0051】
(実施例7)
(ネイティブlacIフラグメントおよび8つの改変lacIフラグメントの温度依存クロマトグラフィープロフィールの決定)
ネイティブlacI DNAおよび8つの改変lacI DNAのクロマトグラフの動きを、勾配条件および温度条件の範囲に応じて測定する。lacI DNAは、以下である:
【0052】
【表5】
。
【0053】
25pmoleの各サンプルを、5μlのHPLCグレードの水に懸濁し、そしてインラインPre−Column(4.6mmID×12.5mm、3.5ミクロン)を備えるZorbax Eclipse ds DNA Analysis Column(4.6mmID×75mm、3.5ミクロン)上で、100mM 酢酸トリエチルアンモニウム(pH7.0)、0.1mM EDTAからなる緩衝液Aおよび100mM 酢酸トリエチルアンモニウム(pH7.0)、0.1mM EDTAを含有する25体積%アセトニトリルからなる緩衝液Bを用いて直接クロマトグラフィーする。各勾配条件および温度条件の詳細は、実施例6に記載するのと同様である。
【0054】
各フラグメントは、二本鎖構造の強度の関数である温度で変性される。完全に塩基対であるネイティブlacI配列は、最も安定な二本鎖を形成し、そして最もストリンジェントな条件下で変性する。塩基改変を有するフラグメントは、より不安定な二本鎖を形成し、より低い温度で変性し、従って所定の温度および勾配プロフィールでより早い溶出を示す。
【0055】
(実施例8)
(改変塩基を保有するlacI遺伝子の205塩基対フラグメントの機能性試験)
実施例3、実施例4および実施例5において産生した合成フラグメント(フラグメントD−T86、D−T88、D−T133、D−T178、U−B86、U−B133、A−B134、A−T182)を、lacI遺伝子へクローニングして、その生物学的機能を試験する。10μgのプラスミドベクターpWB1000(Lehmingら、PNAS 85:7947−7951,1988)を、制限酵素EcoR1およびHindIII、ならびに製造業者の指示に従ってStrata Prep DNA抽出キット(Stratagene 製品番号400766)を使用して精製したベクターフラグメントゲルで消化し、そして100μlのTE中に再懸濁する。1μgの各lacIフラグメントを、T4ポリヌクレオチドキナーゼで処理し、フェノールで一度およびクロロホルムで一度抽出し、エタノール沈殿し、そして20μlのTE中に再懸濁する。5μlの切断ベクターおよび1μlの合成lacIフラグメントを、製造業者の指示に従って、New England Biolabs T4 DNAリガーゼを使用して100μlの総容積でライゲーションする。このライゲーション混合物をStratacleanで一度抽出し、濃縮し、そして1/10の濃度のTEで二回洗浄し、そして1/10の濃度のTEで10μlの容量にする。1μlのこの混合物を、製造業者の指示に従ってBTX ECM399エレクトロポレーターを使用するエレクトロポレーションによってプラスミドpWB310(Lehmingら、EMBO,6:3145−3153,1987)を保有するE.coli株DC41−2へトランスフェクトする。コロニーを、10mg/Lのテトラサイクリン、200mg/Lのアンピシリン、60mg/LのX−galおよび300mg/LのIPTGの存在下でLBプレート上で一晩増殖させる。機能的lacI遺伝子を有するプラスミドを保有するコロニーは、白色である;機能的lacIを有さないものは青色である。各改変フラグメントを、実施例2に記載するようなネイティブ合成lacIフラグメントのクローン由来の青色コロニーの頻度と比較した青色コロニーの頻度によって特徴付けする。
【0056】
(実施例9)
(分取HPLCによるネイティブlacIフラグメントおよび改変lacIフラグメントの混合物からのネイティブlacIフラグメントの富化)
HPLC技術が副産物を含む合成DNAの存在下で「正確な」合成DNAを富化する能力を、8つの改変lacI DNAのそれぞれを用いてネイティブlacI DNAをスパイクする(spiking)ことによって、そしてHPLCを使用して混合物からネイティブDNAを富化することによって示す。8つの間編DNAフラグメント(フラグメントD−T86、D−T88、D−T133、D−T178、U−B86、U−B133、A−B134、A−T182)のそれぞれについて、ネイティブおよび改変フラグメントの等モルの混合物を、20pmoleの改変フラグメントと20pmoleのネイティブフラグメントを混合することによって調製する。各混合物の画分を、下記の機能性試験のために保持する。これらのサンプルのそれぞれの残渣を、ネイティブフラグメントと比較して改変フラグメントの移動度を変更する温度条件および勾配条件(実施例7と同一)を使用してクロマトグラフィーする。各サンプルについて、ピークを、実施例1に記載するように、実施例7で決定した溶出時間で画分収集器を用いて収集する。2つの画分(改変DNAフラグメントの移動度特性を有する画分、そしてネイティブDNAフラグメントのより低い移動度特性を有する画分)を収集する。これらの画分を乾燥し、そして実施例8に記載するようにクローニングする。同時に、8つの未分画混合物のそれぞれの一部をクローニングし、そして同じ方法で試験する。「ネイティブ画分」フラグメントは、青色コロニーの頻度によって示すように、本来の混合物または初期溶出画分より少ない数の配列エラーを示す。
【0057】
(実施例10)
(n−1、n+、T/GおよびG/G合成エラーを含む48bp 二本鎖フラグメントの調製)
ライゲーションに起因するミスマッチのような合成エラーまたは化学オリゴヌクレオチド合成の間に形成されるn−1およびn+副産物を含むDNAからHPLCによって「正確な」合成DNAを分離する能力を、4つの改変48マーのそれぞれを用いて正確な配列48bp 二本鎖コントロールをスパイクすることによって、示す。48bp二本鎖核酸のそれぞれを、1セットの重複二本鎖オリゴヌクレオチドを使用して合成する。
【0058】
コントロールおよび合成副産物を含む4つの配列を、以下に示す:
【0059】
【化3】
。
【0060】
(実施例11)
(48マー配列についての温度条件および勾配HPLC条件の計算)
化学的に純粋な富化された配列を単離するための温度条件および勾配条件を、DHPLC Melt Programを用いて計算する。実施例10のコントロール配列を、計算に対する入力として使用した。
【0061】
勾配を、緩衝溶液Bパーセントとして下に特定する。勾配を0.5分でB1〜B2で、次いで3.0分でB2〜B3で実施する。
【0062】
【表6】
緩衝液Aおよび緩衝液Bは、実施例1に記載するのと同様である。
【0063】
(実施例12)
(n−1、n+、T/GおよびG/G合成エラーを含む48bp二本鎖フラグメントからの正確な48bp二本鎖コントロールフラグメントの分取HPLCによる分離)
コントロールフラグメントおよびこのコントロールフラグメントと合成エラーを含む各フラグメントの1:1混合物をHPLCに供する。12.5pmolサンプルをコントロールとして使用し、そして25pmoleの各混合サンプル(12.5pmolのコントロール+12.5pmolのエラー含有フラグメント)を、5μlのHPLCグレード水に懸濁し、そしてインラインPre−Column(4.6mmID×12.5mm、3.5ミクロン)と共に備えるZorbax Eclipse ds DNA Analysis Column(4.6mmID×75mm、3.5ミクロン)上で、100mM 酢酸トリエチルアンモニウム(pH7.0)、0.1mM EDTAからなる緩衝液Aおよび100mM 酢酸トリエチルアンモニウム(pH7.0)、0.1mM EDTAを含有する25体積%アセトニトリルからなる緩衝液Bを用いて直接クロマトグラフィーする。勾配条件および温度条件の詳細は、実施例11に記載するのと同様である。
【0064】
使用するHPLC条件下で、制御フラグメントは単一ピークとして溶出する。合成エラーを含むフラグメントとコントロールフラグメントの混合物の4つの分離物のそれぞれについて、コントロールピークの曲線下で少なくとも同様の面積を有するピークは、コントロールピークに対応する保持時間で溶出する。コントロールピークより早い時間で溶出する新しいピークは、混合物のクロマトグラムのそれぞれに存在する。
【0065】
上由来のピークのそれぞれを、実施例1に記載される画分収集器によって収集する。これらの画分を、エバポレートし、そして100μlの水へ再懸濁する。5μlのこれらのサンプルを、上記と同じ条件を使用してHPLCに再注入する。各ピークに対する保持時間は、同じままである。
【0066】
使用するHPLC条件によって、混合物をコントロールに対応する保持時間を有する集団およびコントロールとは異なる集団へ分離する。
【0067】
前述から、本発明の特定の実施形態が、例示目的のために本明細書中に記載されているが、種々の改変は、本発明の趣旨および範囲から逸脱することなくなされ得ることが、明らかである。
(技術分野)
本発明は、一般的に、合成二本鎖オリゴヌクレオチドの配列忠実度の改善に関する。より詳細には、オリグヌクレオチド(例えば、二本鎖DNA)の合成において作成された合成失敗物(failure)(副産物(side product)および短縮産物を含む)の除去に関する。
【0002】
(発明の背景)
製薬会社における発見探索の多くは、薬物開発のための標的としてか、またはそのタンパク質発現産物の形態での治療剤としての遺伝子に集中される。これらの会社は、主要なヒト遺伝子を入手できる。製薬会社は、潜在的な機会に当惑し、その競合会社が同じセットの可能性を探していることを明敏に(acutely)警戒し、そして現在、同定されている遺伝子の分画以上のものに取り組むことができない。この探索における進行を妨げる主要なものの1つは、詳細な分析のために遺伝子を調製するのに必要な時間および努力である。
【0003】
遺伝子合成(化学合成されたDNAからの部分的なまたは全体的なクローニング遺伝子の産生)は、この進行を妨げるもの(bottleneck)を克服する方法の1つである。原則として、遺伝子合成は、配列が公知である任意の遺伝子、および遺伝子の任意のバリエーションへの速やかなアクセスを提供し得る。信頼性のある、コスト効果的な自動遺伝子合成は、新しい遺伝子の操作および分析をスピードアップすることで生物医学的探索のプロセスに革命的な効果を有する。
【0004】
遺伝子合成の自動化を限定する1つの本質因子は、プロセスの低い配列忠実性である:化学的に合成されたDNAから作成された遺伝子クローンは、しばしば配列エラーを含む。これらのエラーは、以下の多くの段階のプロセスで導入され得る:成分オリゴヌクレオチドの化学合成の間、二本鎖オリゴヌクレオチドの酵素的な構築の間、そしてDNAの操作または単離の間またはクローニングプロセスの間に生じる化学損傷によって。
【0005】
以下の4つの型の塩基修飾は、オリゴヌクレオチドがフォスフォアミダイト(phosphoramidite)法を使用して合成される場合に、一般に生成される:(1)2,6−ジアミノプリン残基を形成するためのデオキシグアノシンのO6−酸素のアミノ基転移;(2)ウリジン残基を形成するためのデオキシシチジンのN4−アミンの脱アミノ(Eadie,J.S.およびDavidson,D.S.、Nucleic Acids Res.15:8333,1987);(3)アプリン酸部位を得るためのN6−ベンゾイルデオキシアデノシンの脱プリン(Shaller,H.およびKhorana,H.G.、J.Am.Chem.Soc.85:3828,1963;Matteucci,M.D.およびCaruthers,M.H.、J.Am.Chem.Soc.103:3185,1981);(4)デオキシグアノシン上のN2−イソブチルアミン保護基の不完全な除去。これらの副産物(副生成物(byproduct))の各々は、クローニングされた合成DNAにおける配列エラーに寄与し得る。
【0006】
オリゴヌクレオチド合成の別の合成失敗物は、所望のオリゴヌクレオチドの全長未満の短縮産物の形態である。オリゴヌクレオチド合成に対する固相アプローチは、その3’ヒドロキシル基を介して固体支持体へアンカーされ、そしてその5’ヒドロキシル基へ結合することによって伸長されるオリゴマー鎖の構築に関与する。所定の鎖延長サイクルにおける各結合工程の収率は、一般的に<100%である。「n」長のオリグヌクレオチドについて、n−1結合が存在し、そして所望の結合の最大収率は[結合効率]n−1である。25マーについて、98%の結合効率と仮定すると、全長産物の計算収率は、61%である。他の39%は、効率の悪いモノマー結合から生じる、可能性のあるより短い長さのオリグヌクレオチド(短縮産物)の全てからなる。所望のオリグヌクレオチドは、イオン交換クロマトグラフィーまたは逆相クロマトグラフィーを使用する精製工程によってこの混合物から部分的に精製され得る。これらの精製手順は、100%有効ではなく、そしてこれらの集団を完全には排除しない。従ってそれらの最終産物は、n−1の失敗配列ならびにある程度はn−2およびn−3の失敗配列を含む。オリゴヌクレオチド合成プロセスのこの型の所望されない産物はまた、合成遺伝子における配列エラーに寄与し得る。
【0007】
別のクラスの合成失敗物は、所望のオリゴヌクレオチドの全長よりも長い「n+」産物の形態である(User Bulletin 13,1987、Applied Biosystems)。これらの産物の主な供給源は、ホスホルアミダイトモノマーが塩基を介して反応している、成長中のオリゴヌクレオチドの分枝(特にアデノシンのN−6およびグアノシンのO−6)である。n+産物の別の供給源は、固体支持体上の所望されない反応性部位からのイニシエーション(initiation)および伝播(propagation)である。最後に、これらの産物はまた、5’トリチル保護基が結合工程の間に偶然に(inadvertently)脱保護される場合に形成される。この5’ヒドロキシルの早すぎる曝露によって、ホスホルアミダイトの二重付加が可能になる。オリゴヌクレオチド合成プロセスのこの型の合成失敗はまた、合成遺伝子における配列エラーに寄与し得る。
【0008】
合成遺伝子の調製に対する一般的な別のプロセスは、より大きな合成二本鎖オリゴヌクレオチドを形成するための合成二本鎖オリゴヌクレオチドの他の合成二本鎖オリゴヌクレオチドへのライゲーションである。インビトロ実験は、T4 DNAリガーゼが不十分な忠実度である、3’A/AまたはT/Tミスマッチおよび5’A/AまたはT/Tミスマッチ(Wu,D.Y.、およびWallace,R.B.、Gene 76:245−54,1989)、5’G/Tミスマッチ(Harada,K.およびOrgel.L.Nucleic Acid Res.21:2287−91,1993)あるいは3’C/A、C/T、T/G、T/T、T/C、A/C、G/GまたはG/Tミスマッチ(Landegren,U.、Kaiser,R.、Sanders,J.、およびHood,L.、Sience 241:1077−80,1988)を有するニックをシーリングすることを示すことを示している。これらの型のミスマッチは、二本鎖核酸のより大きな二本鎖核酸へのライゲーションの間に生じ得る。
【0009】
オリグヌクレオチド(例えば、遺伝子)の調製に対する最新のアプローチにおける困難性に起因して、合成オリグヌクレオチドの配列忠実度を改善する方法が当該分野において必要である。本発明は、この必要性を満たし、そしてさらに他の関連する利点を提供する。
【0010】
(発明の要旨)
簡略に述べると、本発明は、合成二本鎖オリゴヌクレオチドの配列忠実度を改善するための種々の方法を提供する。この方法は、合成二本鎖オリゴヌクレオチドを2つの集団へ分離するのに十分な変性条件下で合成二本鎖オリゴヌクレオチドを分取(preparative)カラムクロマトグラフィーまたは分取ゲルクロマトグラフィーに供する工程を包含し、ここで、一方の集団は合成失敗物が豊富であり、そして他方の集団は合成失敗物が枯渇している。1つの実施形態において、このカラムクロマトグラフィーは、HPLCである。好ましい実施形態は、DHPLCである。別の実施形態において、このゲルクロマトグラフィーは、勾配ゲルクロマトグラフィーである。任意の実施形態において、このオリゴヌクレオチドは、合成二本鎖DNAを含み得る。好ましい合成二本鎖DNAは、より大きなDNA分枝の1つ以上のフラグメントを含む。
【0011】
本発明のこれらおよび他の局面は、以下の詳細な記載を参照して明らかとなる。さらに、種々の参考は、本明細書中に示される。これらの参考のそれぞれは、各々が個々に援用のために言及されるかのように、本明細書中に参考としてその全体が援用される。
【0012】
(発明の詳細な説明)
本発明を示す前に、下に使用される特定の用語の定義を示すことは本発明の理解を助け得る。
【0013】
DNAの天然塩基−アデニン(A)、グアニン(G)、シトシン(C)およびチミン(T)。RNAにおいて、チミンは、ウラシル(U)で置換される。
【0014】
合成二本鎖オリグヌクレオチド−オリグヌクレオチドの一本鎖から構成される実質的な二本鎖DNA。このオリグヌクレオチドは、より大きな合成二本鎖オリゴヌクレオチドを形成するために化学合成によってまたは他の合成二本鎖オリゴヌクレオチドへの合成二本鎖オリゴヌクレオチドのライゲーションによって産生される。
【0015】
合成失敗物−オリゴヌクレオチド合成の所望されない産物;例えば、副産物、短縮産物または不適切なライゲーション由来の産物。
【0016】
副産物−オリゴヌクレオチド合成の化学的な副生成物。
【0017】
短縮産物−所望される長さより短い可能性のある全てのオリゴヌクレオチド;例えば、オリゴヌクレオチドの合成の間の効率の悪いモノマー結合から生じる。
【0018】
TE−8.0のpHで、10mM Trisおよび1mM EDTAの水溶液。
【0019】
ホモ二本鎖(homoduplex)オリゴヌクレオチド−塩基が完全に一致する二本鎖オリゴヌクレオチド;例えば、DNAについて、各AがTと対となり、そして各CがGと対となる。
【0020】
ヘテロ二本鎖(heteroduplex)オリゴヌクレオチド−塩基が誤対である二本鎖オリゴヌクレオチド、すなわち、1つ以上のミスマッチ塩基が存在する;例えば、DNAについて、AがC、GまたはAと対となるか、あるいはCがC、TまたはAと対となる、など。
【0021】
本発明は、合成オリゴヌクレオチドの混合物から配列エラー率が減少した二本鎖オリゴヌクレオチドを提供する方法に関する。この方法は、所望の長さの二本鎖オリゴヌクレオチド(完全にマッチした天然塩基を含む)から、合成失敗物(副産物および短縮産物を含む)を含む二本鎖オリゴヌクレオチドを分離するのに十分な条件下での分取様式の技術の使用に基づく。
【0022】
より詳細には、本発明の開示は、驚くことに、合成二本鎖オリゴヌクレオチドの集団が、変性条件下で分取様式で利用される場合の方法論によって2つの集団に分離され得ることを示す。一方の集団は、合成失敗物(例えば、副産物、不適切なライゲーション由来の産物および/または短縮産物)を含むオリゴヌクレオチドが豊富である。第二集団は、合成失敗物を含むオリゴヌクレオチドが枯渇し、そしてマッチした天然塩基のみを含む所望の長さの合成二本鎖オリゴヌクレオチドが豊富である。所望の二本鎖オリゴヌクレオチドからの合成失敗物の枯渇とは、一般に分離前の総集団と比較して少なくとも約2倍の枯渇をいう。代表的に、この枯渇は、本来の状態から約2倍〜3倍の変化である。この特定倍の枯渇は、単一分離の結果または多数の分離の累積結果であり得る。この第二集団は、例えば、オリゴヌクレオチドが遺伝子または遺伝子のフラグメントに対応する二本鎖DNAである場合、有用である。
【0023】
本明細書中に開示される場合、天然塩基を含む合成分子は、合成失敗物(例えば、非天然塩基または短縮配列)を含む分子から分離され得る。二本鎖オリゴヌクレオチドにおける非天然塩基(ヘテロ二本鎖オリグヌクレオチドのミスマッチ塩基のような)は、二本鎖オリゴヌクレオチドを不安定にする。非天然塩基を含むかまたは全長より短い二本鎖オリゴヌクレオチド(例えば、二本鎖DNA)は、ホモ二本鎖において天然塩基のみを含む全長配列よりより低い温度で融解する。温度を調整することによって、二本鎖合成オリグヌクレオチド失敗物は、融解するかまたは部分的に融解し、そして全長の合成ホモ二本鎖オリゴヌクレオチドよりもクロマトグラフィー上で異なって移動し得る。従って、種々の方法論(例えば、カラムクロマトグラフィーまたはゲルクロマトグラフィー)を、変性条件下で分取様式で使用して、所望の合成二本鎖オリグヌクレオチドから合成失敗物を分離し得る。
【0024】
オリゴヌクレオチド合成(例えば、化学合成)は、種々の副産物を産生し得る。例えば、副産物としては、無塩基の残基(例えば、アプリン酸残基またはアピリミジン残基)、ジアミノプリン、不完全な脱保護G、およびウリジンが挙げられる。本発明の目的のため、副産物の一般的特性は、これらの非天然塩基が二本鎖オリゴヌクレオチドを不安定にすることである。ここで、この非天然塩基が二本鎖オリゴヌクレオチドに取りこまれて、その結果、これらの合成失敗物は、天然塩基のみを含む合成二本鎖オリゴヌクレオチドより低い温度で融解する。
【0025】
変性条件は、分取(分析よりむしろ)目的のために使用されるかまたは適合される種々の方法論(クロマトグラフィーを含む)に適用され得る。カラムクロマトグラフィーおよびゲルクロマトグラフィーは、本発明における適切な方法論の例である。1つの実施形態において、カラムクロマトグラフィーは、高速液体クロマトグラフィー(「HPLC」)である。別の実施形態において、このカラムクロマトグラフィーは、Hatch、米国特許第6,238,565号に記載されるようなモノリシックマトリクスを使用する。別の実施形態において、このカラムクロマトグラフィーは、Taylor、WO01/27331 A2に記載されるような「変性陰イオン交換(Denaturing Anion−Exchange)HPLC」(DEAHPLC)である。別の実施形態において、このカラムクロマトグラフィーは、Gjerde、米国特許第6,024,878号に記載されるようなアイソクラチック(Isocratic)HPLCである。別の実施形態において、このカラムクロマトグラフィーは、「完全変性(Fully Denaturing)HPLC」(FDHPLC)である。好ましい実施形態は、「変性HPLC」(「DHPLC」)と呼ばれる技術の使用である。別の実施形態において、このカラムクロマトグラフィーは、勾配ゲルクロマトグラフィーである。本明細書中で使用される場合、変性条件とは、部分的な変性条件(オリゴヌクレオチドが部分的に変性される条件下)、および完全な変性条件(オリゴヌクレオチドが完全に変性される条件下)の両方をいう。部分的な変性とは、二本鎖オリゴヌクレオチドにおけるミスマッチ塩基対(しかし、この二本鎖オリゴヌクレオチドの残りの部分または残りの全体はインタクトである)の分離をいう。これは、二本鎖が、塩基対ミスマッチの部位で、この鎖の残りを変性するのに必要とされるより簡単に(例えば、より低い温度で)変性することに起因して生じる。
【0026】
本発明における使用に適切なオリグヌクレオチドは、任意の二本鎖配列である。好ましいオリゴヌクレオチドは、二本鎖DNAである。二本鎖DNAは、全長遺伝子および全長遺伝子のフラグメントを含む。例えば、このDNAフラグメントは、結合された場合、この遺伝子のより大きな部分または全体遺伝子を形成する遺伝子の部分であり得る。
【0027】
天然塩基のみを含む合成二本鎖DNAフラグメントのDHPLCによる、合成副産物からの分離は、本発明の例示的な例として記載される。DHPLCは、天然供給源から単離されたDNAに生じる変異を検出するために使用されている分析技術である。この技術は、PCR増幅後に、ゲノムDNAにおける多型性を検出する。この技術は、以下のように実行される。試験サンプルは、ゲノムDNAにおける目的の領域を増幅するPCRによって形成される。この試験サンプルは、多型性のないDNAから得られる増幅されたコントロールサンプルと混合される。この試験サンプルおよびコントロールサンプルの混合物は、変性され、そして復元されて、両方のサンプルから増幅された鎖より構成される二本鎖を形成する。次いで、この試験混合物は、DHPLCによって分析される。Oefnerおよび同僚は、DHPLCの2つのバリエーションを記載している:分離が特定の変性条件下でなされる第一バーション(Oefner,P.J.、Underhill,P.A.(1998)Detection of Nucleic Acid Heteroduplex Molecules by Denaturing High−Performance Liquid Chromatography and Methods for Comparative Sequencing,米国特許第5,795,976号、およびOefner,P.J.,Underhill,P.A.(1998)DNA mutation detection using denaturing high−performance liquid chromatography,Current Protocols in Human Genetics,Wiley & Sons,New York,補遺19,7.10.1−7.10.12)ならびにDNA分子が完全に変性される第二バージョン(Oefner,J.Chromatogr.B.Biomed.Sci.Appl.739(2):345−355,2000)。本発明において、DHPLCを分取技術として使用して、合成副産物を含まない分子に対する集団合成DNAフラグメントを豊富にし得ることが発見された。15塩基対〜10,000塩基対の範囲の二本鎖DNAフラグメントは、代表的に、大きなDNAフラグメントの化学合成の間に産生される。本発明において、これらの中間体は、合成DNAの高純度のフラグメントの集団を単離し、従って配列エラー率を減少するのに十分な条件下で分取DHPLC(Varian Inc.Walnut Creek,CA製 ProStar Helix HPLCシステム、のような自動化システムを使用する)に供される。
【0028】
各フラグメントを、ソフトウェア(例えば、DHPLC Melt Program,Stanford University Palo Alto,CA;WAVEMAKERTM Utility Software,Transgenomic,Inc.,Omaha,NE;Altshuler、米国特許第6,197,516号に記載されるコンピュータ方法)を使用して分析して、所望の二本鎖オリゴヌクレオチド集団由来の合成失敗物を枯渇または初期枯渇するのに十分な特定の運転条件(例えば、温度および勾配条件)を計算する。このフラグメントは、HPLCに注入され、そして特定の条件下で運転される。調整(例えば、温度の数℃の変化)がなされて、特定のフラグメントのための条件を最適化し得ることは当業者にとって明らかである。主なピークを収集し、そして溶媒を除去するために乾燥し、次いで遺伝子のアセンブリを続けるために使用する。合成副産物は、例えば、意図された相補的な天然塩基を有する塩基対を欠乏する。従って、副産物を含むDNA配列は、より低い融点を有し、そしてこれらの条件下で移動度の変化を示す。主要なピークにおけるDNA分子は全て、同じ融解プロフィールを有し、そして合成副産物を保持しないようである。
【0029】
DHPLCは、容易に自動化され得、そして化学的に合成されたDNAサンプル由来の合成副産物を物理的に減少するハイスループット方法を提供し得る。例えば、1000bp長未満の合成DNAフラグメントは、部分的に、DNA、収集された主要ピークおよび排出されたHPLCフロースルーの残渣を変性する条件下でカラムに注入される。このピークは、DNAフラグメントを含む;天然塩基の代わりに合成副産物を保有する本来の集団におけるほとんどの分子は、移動度の変化を示し、従って排出される。あるいは、100bp長未満の合成DNAフラグメントは、DNA鎖を完全に変性する条件下でカラムに注入される。2つの主要ピークは収集され、そしてHPLCフロースルーの残渣は排出される。この2つのピークのそれぞれは、一本鎖の合成DNAを含む;天然塩基の代わりに合成副産物を保有する本来の集団におけるほとんどの分子は、移動度の変化を示し、従って排出される。この2つのピークは組み合わせられ。そして一緒にハイブリダイズされて、合成副産物を保有しそうになく、従ってクローニングされる場合、所望の配列を生じる可能性がさらに高い遺伝子合成のための中間体フラグメントを形成する。
【0030】
上記のように、クロマトグラフィーは、所望の二本鎖DNAから合成失敗物を分離的に枯渇するのに適切な条件下で実行される。1つの実施形態において、温度および勾配条件は、DHPLCによる分離を可能にするように調整される。この温度および勾配条件は、Stanford University,Palo Alto,CAから入手可能なDHPLC Melt Program(http://insertion.stanford.edu/melt.html)を使用して計算され得る。各二本鎖DNAは、二本鎖構造の強度の関数である温度で変性する。完全に天然塩基対のDNA配列は、最も安定な二本鎖を形成し、そして最もストリンジェントな条件下で変性する。塩基改変を有するDNA配列は、ほとんど安定な二本差を形成せず、より低い温度で変性し、従って、所定の温度および勾配プロフィールでの移動度の増加を示す。
【0031】
ゲルベースの技術(例えば、二本鎖配座分析(DSCA))およびキャピラリーベースの配座感受性ゲル電気泳動(キャピラリーCSGE)をまた使用して、核酸配列の集団において多数の正確な配列を豊富にし得る。DHPLCの様に、これらのゲルベースの方法は、非マッチング塩基対に起因する二本鎖における配座に基づく変異を検出するために使用されている分析技術である。これらの技術は、ホモ二本鎖とは異なるヘテロ二本鎖の電気泳動移動度に依存する。スラブゲルに基づくいくつかの他の変異検出技術[例えば、一定勾配ゲル電気泳動(CGGE)、変性勾配ゲル電気泳動(DGGE)、および温度勾配ゲル電気泳動(TGGE)]は、塩基対組成に依存するDNAフラグメントの融点の微妙な差異におよびゲルにおける変異体フラグメントの移動度の結果として生じる差異に基づく。二本鎖核酸の分離された集団は、ゲルからバンドの切り出しによって単離され得る。
【0032】
キャピラリーCSGEは、キャピラリー電気泳動に基づく(Rozycka M,Collin N,Stratton MR,Wooster R.,Genomics 70(1):34−40,2000)。DSCAのように、この技術は、ヘテロ二本鎖核酸とホモ二本鎖核酸との間の配座差異に依存する。CSGEについて、サイズ分画されたまたは形状分画されたDNAフラグメントを含む画分は、移動親和性膜上またはサンプルチャンバへ収集され得る。収集工程の正確なタイミングは、キャピラリーの末端近くの2つの検出点間で測定される各個々のゾーンの速度を決定することによって達成される。
【0033】
本発明の好ましい使用は、天然塩基のみを含む二本鎖DNAフラグメントのための画分を豊富にすることによる化学的な遺伝子合成に対してである。このようなフラグメントは、結合(例えば、ライゲーション)されて、完全遺伝子を形成する。
【0034】
以下の実施例は、例示のために提供されるものであり、限定のために提供されるものではない。
【0035】
(実施例)
(実施例1)
(lacI遺伝子のオペレーター結合領域由来の205bp DNAフラグメントの合成)
βガラクトシダーゼは、X−galを無色の化合物からあでやかな青色(brilliant blue)の化合物へ変換し得る酵素である(Manniatis;Sambrookら、Molecular Cloning:A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratories,Cold Spring Harbor,N.Y.,1989)。このlacI遺伝子は、E.coliにおいてβガラクトシダーゼ合成のリプレッサーをコードする。機能的なlacリプレッサーを有する細胞において、βガラクトシダーゼの合成を抑制し、そしてX−galプレート上で増殖するコロニーは、白色である。lacリプレッサー遺伝子が不活性である場合、βガラクトシダーゼを生成し、そしてコロニーは、明るい青(bright blue)色である。lacリプレッサーの機能を簡単に測定し得るので、インビトロアッセイにおいて、広範囲な遺伝子解析の主体となっている(Markiewiczら、J.Mol.Biol.240:421−33,1994;Suckowら、J.Mol.Biol.261:421−33,1996)。この研究に基づいて、タンパク質を不活化せずに変更され得ない205塩基対フラグメント中の4つのG残基を選択した。従って、これらの残基の配列を、Lacリプレッサー機能についてアッセイすることで決定し得る。
【0036】
以下:
【0037】
【化1】
の配列を有するlacI遺伝子の205塩基対セグメントを、1セットの重複二本鎖オリゴヌクレオチドを使用して合成する。
【0038】
遺伝子を作成するために使用するオリゴヌクレオチドを、Beckman 30nM DNA Synthesis Columnを使用するOligo 1000M DNA Synthesizer(Beckman Coulter,Inc,Fullerton,CA)を用いて調製する。全ての標準的なホスホルアミダイトおよび補助合成試薬をGlen Research,Inc(Sterling,VA)から得る。オリゴヌクレオチドの化学的なリン酸化を、Chemical Phosphorylation II(Glen Research)をもちいて行う。濃縮アンモニアを、Fisher Scientific(Springfield,NJ)から得る。40% N−メチルアミンを、Fluka Chemical Corporation(Milwaukee,WI)から得る。固体支持体からの切断後、このオリゴヌクレオチドを、Glen Researchから提供された指示手引きに従ってPoly−Pak Cartridgeを使用してTrityl On精製する。Trityl On精製のための試薬は、Burdick & Jackson(Muskegon,MI)から得られるHPLCグレードのアセトニトリルおよび水である。酢酸トリエチルアンモニウム(TEAA)(pH7.0)および3%トリフルオロ酢酸を含有する水を、Glen Researchから入手する。精製後、合成されたオリゴヌクレオチドを、SpeedVac(Savant,Farmingdale,NY)中で乾燥するまでエバポレートしてHPLCグレード水に再懸濁する。オリゴヌクレオチドの濃度を、Pharmacia LKB Ultrospec III(Amersham Pharmacia,Upsala,Sweden)での260nm吸光度を読むことによって決定する。
【0039】
オリゴヌクレオチドを使用して、500pmoleの相補的オリゴヌクレオチドのそれぞれをspeedvacで乾燥して、そして10μl TE中に再懸濁することによって二本鎖フラグメントを形成する。この溶液(250pmole)の5μlのサンプルを、10μlの2×SSPE(Manniatisに従って調製する)と混合し、95℃まで加熱し、そして室温まで冷却する。
【0040】
二本鎖を、全長産物を作成するまで、首尾良く一緒にライゲーションして、より長いフラグメントを作成する。各ライゲーションは、500ピコモルの1対の二本鎖オリゴヌクレオチド、3μlの10×ライゲーション緩衝液(Fermentas Inc.,Hanover,Maryland)、10単位のT4 DNAリガーゼ(製品番号EL0016、Fermentas)および水からなり、30μlの総容積とする。全ての二本鎖を同じ条件かで一緒にライゲーションする。各ライゲーション混合物を、37℃で60分間インキュベートし、65℃まで10分間加熱し、そしてHPLCによってフラグメントを単離する。
【0041】
高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を、2つの高精度高圧ポンプ(ProStar 215 Solvent Delivery Modules)、カラムオーブン(ProStar 510 Air Oven)、UV検出器(ProStar 320 UV/Vis Detector)および画分収集器(Dynamax FC−1 Fraction Collector)(全ては、Star Chromatography Workstation Software(Version 5.31)によって制御される)からなるVarian Inc.(Walnut Creek,CA)製のProStar Helix HPLCシステムで実行する。使用するカラムは、インラインGuard Column(4.6mmID×12.5mm、3.5ミクロン)を備えるZorbax Eclipse dsDNA Analysis Column(4.6mmID×75mm、3.5ミクロン)(共にAgilent Technologies,Inc.(Palo Alto,CA)製)である。以下の予め作成された緩衝液を、Varian Inc.(Walnut Creek,CA)から得る;Helix BufferPak「A」(100mM 酢酸トリエチルアンモニウム、pH7.0、0.1mM EDTA)およびHelix BufferPak「B」(100mM 酢酸トリエチルアンモニウム、pH7.0、0.1mM EDTA含有25体積%アセトニトリル)。化学的に純粋な富化配列を単離するための温度および勾配条件を、Stanford University(Palo Alto,CA)から入手可能なDHPLC Melt Program(http://insertion.stanford.edu/melt.html)を使用して計算する。溶出プロフィールを、吸光度260nmを用いてUV検出器を使用してモニターする。
【0042】
ライゲーションしたフラグメントを、HPLC緩衝液から乾燥し、そしてTEに再懸濁する。これらのフラグメントを、次のセットのライゲーション反応に使用する。数回のライゲーションについで精製およびフラグメント単離を使用して、lacI遺伝子の205塩基対フラグメントを構築する。
【0043】
(実施例2)
(lacI遺伝子の205塩基対フラグメントの機能性試験)
実施例1で産生された合成フラグメントを、lacI遺伝子ヘクローニングして、その機能を試験する。3μgのプラスミドベクターpWB1000(Lehmingら、PNAS,85:7947−7951,1988)を制限酵素EcoR1およびHindIII、ならびに製造業者の指示に従ってStrata Prep DNA抽出キット(Stratagene 製品番号400766)を使用して精製したベクターフラグメントゲルで消化し、そして100μlのTE中に再懸濁する。1μgのlacIフラグメントを、T4ポリヌクレオチドキナーゼでで処理し、フェノールで一度およびクロロホルムで一度抽出し、エタノール沈殿し、そして20μlのTE中に再懸濁する。5μlの切断ベクターおよび1μlの合成lacIフラグメントを、製造業者の指示に従って、Fermentas T4 DNAリガーゼを使用して100μlの総容積でライゲーションする。このライゲーション混合物をStratacleanで一度抽出し、濃縮し、そして1/10の濃度のTEで二回洗浄し、そして1/10の濃度のTEに10μlの容量にする。1μlのこの混合物を、製造業者の指示に従ってBTX ECM399エレクトロポレーター(Genetronics,Inc.,San Diego,CA)を使用するエレクトロポレーションによってプラスミドpWB310(Lehmingら、EMBO,6:3145−3153,1987)を保有するE.coli株DC41−2へトランスフェクトする。コロニーを、10mg/Lのテトラサイクリン、200mg/Lのアンピシリン、60mg/LのX−galおよび300mg/LのIPTGの存在下でLBプレート上で一晩増殖させた。機能的lacI遺伝子を有するプラスミドを保有するコロニーは、白色である;機能的lacIを有さないものは青色である。
【0044】
(実施例3)
(塩基86、88、133、または178でジアミノプリンを含む205bp DNAフラグメントの調製)
オリゴヌクレオチド合成の1つの一般的な副反応は、DNA鎖におけるdG残基からのジアミノプリンの形成である。2,6−ジアミノプリンを含む改変オリゴヌクレオチドを、Trilink Biotechnologies(San Diego,CA)から得、そして205bp lacI遺伝子フラグメントへ組み込む。4つのサンプルを、各サンプルにおけるdG残基を置換した1つのジアミノプリン残基(下の標識D)を用いて実施例1に記載されるように調製した。
【0045】
【表1】
(実施例4)
(86位または133位でdUを含む205bp DNAフラグメントの調製)
オリグヌクレオチド合成の第二の一般的な副反応は、DNA鎖におけるウラシル(dU)を形成するためのデオキシシチジンのN4−アミンの脱アミノ化である。ウラシル(dU)を含む改変オリゴヌクレオチドを、Midland Certified Reagent Company(Midland,TX)から得、そして205bp lacI遺伝子フラグメントへ組み込む。2つのサンプルを、各サンプルにおけるdC残基を置換した1つのウラシル残基(下の標識dU)を用いて実施例1に記載されるように調製した。
【0046】
【表2】
(実施例5)
(134位または182位で無塩基部位を含む205bp DNAフラグメントの調製)
オリゴヌクレオチド合成の第3の一般的副反応は、鎖延長の間の保護アデノシン残基の脱プリン化による無塩基部位の形成である。ウラシル(dU)を含む改変オリゴヌクレオチドを、Midland Certified Reagent Company(Midland,TX)から得、そして205bp lacI遺伝子フラグメントへ組み込む。2つのサンプルを、各サンプルにおけるdA残基を置換した1つのウラシル残基(下の標識dU)を用いて実施例1に記載されるように調製した。
【0047】
【表3】
205塩基対フラグメントの合成およびHPLC精製の後、DNAを、製造業者の指示に従ってウラシル−N−グリコシラーゼ(Epicentre Technologies Corp.,Madison,WI)で処理して、ウラシル塩基を除去し、ネイティブ205塩基対フラグメントにおいて対応するA残基の代わりにアプリン部位を残す。
【0048】
(実施例6)
(lacI配列に対する温度条件および勾配HPLC条件の計算)
化学的に純粋な富化された配列を単離するための温度条件および勾配条件を、、Stanford University(Palo Alto,CA)から入手可能であり、かつ事件番号S95−024と呼ばれるStanford University Office of Technology Licensingからの許可のために利用可能なDHPLC Melt Program(http://insertion.stanford.edu/melt.html)を用いて計算する。205塩基対フラグメントの両末端のいずれかでの4塩基一本鎖領域を除去して、以下の197塩基対配列を得る。
【0049】
【化2】
勾配を、時間1、2および3での緩衝液Bパーセント(B1、B2、B3)として、下に特定する。勾配を、0.5分でB1〜B2で実施し、次いで3.0分でB2〜B3で実施する。
【0050】
【表4】
緩衝液Aおよび緩衝液Bは、実施例1に記載されるのと同様である。
【0051】
(実施例7)
(ネイティブlacIフラグメントおよび8つの改変lacIフラグメントの温度依存クロマトグラフィープロフィールの決定)
ネイティブlacI DNAおよび8つの改変lacI DNAのクロマトグラフの動きを、勾配条件および温度条件の範囲に応じて測定する。lacI DNAは、以下である:
【0052】
【表5】
。
【0053】
25pmoleの各サンプルを、5μlのHPLCグレードの水に懸濁し、そしてインラインPre−Column(4.6mmID×12.5mm、3.5ミクロン)を備えるZorbax Eclipse ds DNA Analysis Column(4.6mmID×75mm、3.5ミクロン)上で、100mM 酢酸トリエチルアンモニウム(pH7.0)、0.1mM EDTAからなる緩衝液Aおよび100mM 酢酸トリエチルアンモニウム(pH7.0)、0.1mM EDTAを含有する25体積%アセトニトリルからなる緩衝液Bを用いて直接クロマトグラフィーする。各勾配条件および温度条件の詳細は、実施例6に記載するのと同様である。
【0054】
各フラグメントは、二本鎖構造の強度の関数である温度で変性される。完全に塩基対であるネイティブlacI配列は、最も安定な二本鎖を形成し、そして最もストリンジェントな条件下で変性する。塩基改変を有するフラグメントは、より不安定な二本鎖を形成し、より低い温度で変性し、従って所定の温度および勾配プロフィールでより早い溶出を示す。
【0055】
(実施例8)
(改変塩基を保有するlacI遺伝子の205塩基対フラグメントの機能性試験)
実施例3、実施例4および実施例5において産生した合成フラグメント(フラグメントD−T86、D−T88、D−T133、D−T178、U−B86、U−B133、A−B134、A−T182)を、lacI遺伝子へクローニングして、その生物学的機能を試験する。10μgのプラスミドベクターpWB1000(Lehmingら、PNAS 85:7947−7951,1988)を、制限酵素EcoR1およびHindIII、ならびに製造業者の指示に従ってStrata Prep DNA抽出キット(Stratagene 製品番号400766)を使用して精製したベクターフラグメントゲルで消化し、そして100μlのTE中に再懸濁する。1μgの各lacIフラグメントを、T4ポリヌクレオチドキナーゼで処理し、フェノールで一度およびクロロホルムで一度抽出し、エタノール沈殿し、そして20μlのTE中に再懸濁する。5μlの切断ベクターおよび1μlの合成lacIフラグメントを、製造業者の指示に従って、New England Biolabs T4 DNAリガーゼを使用して100μlの総容積でライゲーションする。このライゲーション混合物をStratacleanで一度抽出し、濃縮し、そして1/10の濃度のTEで二回洗浄し、そして1/10の濃度のTEで10μlの容量にする。1μlのこの混合物を、製造業者の指示に従ってBTX ECM399エレクトロポレーターを使用するエレクトロポレーションによってプラスミドpWB310(Lehmingら、EMBO,6:3145−3153,1987)を保有するE.coli株DC41−2へトランスフェクトする。コロニーを、10mg/Lのテトラサイクリン、200mg/Lのアンピシリン、60mg/LのX−galおよび300mg/LのIPTGの存在下でLBプレート上で一晩増殖させる。機能的lacI遺伝子を有するプラスミドを保有するコロニーは、白色である;機能的lacIを有さないものは青色である。各改変フラグメントを、実施例2に記載するようなネイティブ合成lacIフラグメントのクローン由来の青色コロニーの頻度と比較した青色コロニーの頻度によって特徴付けする。
【0056】
(実施例9)
(分取HPLCによるネイティブlacIフラグメントおよび改変lacIフラグメントの混合物からのネイティブlacIフラグメントの富化)
HPLC技術が副産物を含む合成DNAの存在下で「正確な」合成DNAを富化する能力を、8つの改変lacI DNAのそれぞれを用いてネイティブlacI DNAをスパイクする(spiking)ことによって、そしてHPLCを使用して混合物からネイティブDNAを富化することによって示す。8つの間編DNAフラグメント(フラグメントD−T86、D−T88、D−T133、D−T178、U−B86、U−B133、A−B134、A−T182)のそれぞれについて、ネイティブおよび改変フラグメントの等モルの混合物を、20pmoleの改変フラグメントと20pmoleのネイティブフラグメントを混合することによって調製する。各混合物の画分を、下記の機能性試験のために保持する。これらのサンプルのそれぞれの残渣を、ネイティブフラグメントと比較して改変フラグメントの移動度を変更する温度条件および勾配条件(実施例7と同一)を使用してクロマトグラフィーする。各サンプルについて、ピークを、実施例1に記載するように、実施例7で決定した溶出時間で画分収集器を用いて収集する。2つの画分(改変DNAフラグメントの移動度特性を有する画分、そしてネイティブDNAフラグメントのより低い移動度特性を有する画分)を収集する。これらの画分を乾燥し、そして実施例8に記載するようにクローニングする。同時に、8つの未分画混合物のそれぞれの一部をクローニングし、そして同じ方法で試験する。「ネイティブ画分」フラグメントは、青色コロニーの頻度によって示すように、本来の混合物または初期溶出画分より少ない数の配列エラーを示す。
【0057】
(実施例10)
(n−1、n+、T/GおよびG/G合成エラーを含む48bp 二本鎖フラグメントの調製)
ライゲーションに起因するミスマッチのような合成エラーまたは化学オリゴヌクレオチド合成の間に形成されるn−1およびn+副産物を含むDNAからHPLCによって「正確な」合成DNAを分離する能力を、4つの改変48マーのそれぞれを用いて正確な配列48bp 二本鎖コントロールをスパイクすることによって、示す。48bp二本鎖核酸のそれぞれを、1セットの重複二本鎖オリゴヌクレオチドを使用して合成する。
【0058】
コントロールおよび合成副産物を含む4つの配列を、以下に示す:
【0059】
【化3】
。
【0060】
(実施例11)
(48マー配列についての温度条件および勾配HPLC条件の計算)
化学的に純粋な富化された配列を単離するための温度条件および勾配条件を、DHPLC Melt Programを用いて計算する。実施例10のコントロール配列を、計算に対する入力として使用した。
【0061】
勾配を、緩衝溶液Bパーセントとして下に特定する。勾配を0.5分でB1〜B2で、次いで3.0分でB2〜B3で実施する。
【0062】
【表6】
緩衝液Aおよび緩衝液Bは、実施例1に記載するのと同様である。
【0063】
(実施例12)
(n−1、n+、T/GおよびG/G合成エラーを含む48bp二本鎖フラグメントからの正確な48bp二本鎖コントロールフラグメントの分取HPLCによる分離)
コントロールフラグメントおよびこのコントロールフラグメントと合成エラーを含む各フラグメントの1:1混合物をHPLCに供する。12.5pmolサンプルをコントロールとして使用し、そして25pmoleの各混合サンプル(12.5pmolのコントロール+12.5pmolのエラー含有フラグメント)を、5μlのHPLCグレード水に懸濁し、そしてインラインPre−Column(4.6mmID×12.5mm、3.5ミクロン)と共に備えるZorbax Eclipse ds DNA Analysis Column(4.6mmID×75mm、3.5ミクロン)上で、100mM 酢酸トリエチルアンモニウム(pH7.0)、0.1mM EDTAからなる緩衝液Aおよび100mM 酢酸トリエチルアンモニウム(pH7.0)、0.1mM EDTAを含有する25体積%アセトニトリルからなる緩衝液Bを用いて直接クロマトグラフィーする。勾配条件および温度条件の詳細は、実施例11に記載するのと同様である。
【0064】
使用するHPLC条件下で、制御フラグメントは単一ピークとして溶出する。合成エラーを含むフラグメントとコントロールフラグメントの混合物の4つの分離物のそれぞれについて、コントロールピークの曲線下で少なくとも同様の面積を有するピークは、コントロールピークに対応する保持時間で溶出する。コントロールピークより早い時間で溶出する新しいピークは、混合物のクロマトグラムのそれぞれに存在する。
【0065】
上由来のピークのそれぞれを、実施例1に記載される画分収集器によって収集する。これらの画分を、エバポレートし、そして100μlの水へ再懸濁する。5μlのこれらのサンプルを、上記と同じ条件を使用してHPLCに再注入する。各ピークに対する保持時間は、同じままである。
【0066】
使用するHPLC条件によって、混合物をコントロールに対応する保持時間を有する集団およびコントロールとは異なる集団へ分離する。
【0067】
前述から、本発明の特定の実施形態が、例示目的のために本明細書中に記載されているが、種々の改変は、本発明の趣旨および範囲から逸脱することなくなされ得ることが、明らかである。
Claims (10)
- 合成二本鎖オリゴヌクレオチドの配列忠実度を改善するための方法であって、
該方法は、合成二本鎖オリゴヌクレオチドを2つの集団に分離するのに十分な変性条件下で合成二本鎖オリゴヌクレオチドを分取カラムクロマトグラフィーまたはゲルクロマトグラフィーに供する工程であって、一方の集団は合成失敗物が豊富であり、そして他方の集団は合成失敗物が枯渇している、工程、
を包含する、方法。 - 前記カラムクロマトグラフィーがHPLCである、請求項1に記載の方法。
- 前記カラムクロマトグラフィーがDHPLCである、請求項1に記載の方法。
- 前記ゲルクロマトグラフィーが勾配ゲルクロマトグラフィーである、請求項1に記載の方法。
- 前記オリゴヌクレオチドが合成二本鎖DNAを含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
- 前記DNAがより大きなDNA分子の1つ以上のフラグメントを含む、請求項5に記載の方法。
- 分離された副産物が、ウリジン残基、アプリン残基、アピリミジン残基またはジアミノプリン残基を含む分子である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
- 前記二本鎖オリゴヌクレオチドが化学的に合成される、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
- 前記オリグヌクレオチドが二本鎖DNAを含む、請求項8に記載の方法。
- 前記DNAがより大きなDNA分子の1つ以上のフラグメントを含む、請求項9に記載の方法。
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