JP2004509054A5 - - Google Patents

Description

【特許請求の範囲】
【請求項１】
金属基体と一体的に成形された多数の結合ダイヤモンド結晶、該ダイヤモンド結晶間の多数の間隙領域、およびコバルトまたは他のVIII族物質からなる触媒物質を含んでなる超硬質多結晶物質の本体を含んでなり、本体が少くとも９０容積％のダイヤモンド密度および切削面を有し、切削面に近い第一間隙領域が触媒物質を実質的に含まず、基体と接触する本体の部分における第二間隙領域が触媒物質を含有し、第一間隙領域が切削面の下に延び、第二間隙領域が０．１５ｍｍ以上の平均厚さを有しており、本体の第二間隙領域内における触媒物質の量が、第一容積部分からの距離と共に次第に減少する、プレフォーム切削エレメント。
【請求項２】
切削エレメントが、固定カッターロータリードリルビットの切削面に取り付けられている、請求項１に記載のプレフォーム切削エレメント。
【請求項３】
切削エレメントが、ローリングカッタードリルビットの本体に取り付けられている、請求項１に記載のプレフォーム切削エレメント。
【請求項４】
機械加工操作における切削インサート向けに適応された切削面を有する切削エレメントを構成している、請求項１に記載のプレフォーム切削エレメント。
【請求項５】
基体が、鉄族結合剤物質配合のタングステンカーバイドである、請求項１に記載のプレフォーム切削エレメント。
【請求項６】
第一間隙領域が、ダイヤモンド結晶の少くとも平均径の深さまで、切削面の下に延びている、請求項１に記載のプレフォーム切削エレメント。
【請求項７】
第一間隙領域が、少くとも０．１ｍｍの深さまで、切削面の下に延びている、請求項１に記載のプレフォーム切削エレメント。
【請求項８】
ダイヤモンド結晶が、３０〜６０ミクロン範囲の平均粒径を有している、請求項１に記載のプレフォーム切削エレメント。
【請求項９】
本体の第二間隙領域に残留する触媒物質の大部分が、ダイヤモンド結晶の表面へ付着している、請求項１に記載のプレフォーム切削エレメント。
【請求項１０】
第一間隙領域が、作業面から離れた本体の３０容積％以上を占めている、請求項１に記載のプレフォーム切削エレメント。

熱分解を減少させるために、いわゆる“熱安定性”多結晶ダイヤモンド部品が、開示全体について参考のためここに組み込まれるＵＳ特許４，２２４，３８０で開示されているように、切削および／または耐磨耗性エレメント用のプレフォームＰＣＤエレメントとして製造された。熱安定性ＰＣＤエレメントの一種では、従来の多結晶ダイヤモンド中におけるコバルトまたは他の結合剤触媒物質が、成形後に、連続間隙マトリックスから滲出してくる。結合剤触媒物質を滲出させる多くの方法が知られている。双方とも開示全体について参考のためここに組み込まれる、例えばＵＳ特許４，５７２，７２２および４，７９７，２４１で、一部の滲出方法が開示されている。

図７および９では、本発明のＰＣＤエレメント２の断面図が示されている。ＰＣＤエレメント２は前記された従来のＰＣＤエレメントと同様の手法で形成される。好ましい態様において、予備洗浄操作後または製造プロセスでその後のいずれかの時点で、ＰＣＤエレメント２の作業面４、７０、７２は、隣接本体から結合剤触媒物質の一部を除去するように処理される。その結果として、作業面に近いダイヤモンド結晶６０間の間隙６２は、数字６６で示される触媒物質６４を実質的に含まない。触媒物質６４を含まない作業面４、７０、７２の一部はＰＣＤの他部分で起きる熱分解に付されることはなく、改善された熱的特徴をもたらす。

しかしながら、この二重分解様式はいくつかの予想外の利点をもたらす。例えば、多くの用途において、作業面の磨耗率を巧みに工作することが望まれる。本発明において、これは、最大耐磨耗性を要する部分では、触媒物質が間隙６２およびダイヤモンド結晶６０の表面の双方から枯渇されるように、処理プロセスを変えることにより行える。高い耐磨耗性がそれほど望まれない部分、例えば自己研磨工具(self sharpening tool)では、主に間隙６２から触媒物質６４を枯渇させるが、ダイヤモンド結晶６０の全部でなければ一部を触媒物質と接触させたままにしておけるように、それらの部分が処理される。

本発明はそこに添付された図面と特に関連して記載されてきたが、ここで記載または示唆されたもの以外の他のおよび別な修正が本発明の範囲内で行えるものと理解される。