JP2004508902A - エアーブレーキ - Google Patents
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Abstract
予め定められた薬用量の乾燥粉末を乾燥粉末吸入器(DPI)により吸入するときに、その粉末をユーザーの肺へ投与する継続時間を制御するための装置が開示される。本装置は、DPIにより1つずつユーザーへ投与されるべき複数の薬剤粉末用量を担持する移動式カセット(4)の速度を制御する。一般的に、その用量は、予め計量されていて、調製済み粉末の帯(31)または一連のスポットの形態でカセットに適用されている。エアーブレーキ・アレンジメント(22)を使用する本装置は、上述の予め計量された粉末用量が吸入空気へ解放される時間を長引かせる。エアーブレーキアレンジメント(22)の調節手段は、空気(36)の漏れの程度を定め、これにより、バネの負荷がかかったカセット(4)の移動速度を定める。カセットが移動している間に、この乾燥粉末吸入器から薬剤粉末を吸入するために使用されるマウスピースに接続されたノズル(1)によって、カセット(4)上の調製済み薬用量粉末帯から、その粉末薬用量が吸引される。
Description
【0001】
(技術分野)
本発明は、ユーザーの肺へ医療用乾燥粉末を投与するための乾燥粉末吸入器に関するものであり、より正確には、吸入時における用量送給時間を長引かせるためのエアーブレーキ装置に関するものである。
【0002】
(発明の背景)
今日、薬剤粉末の供給及び分配は、多くの異なる方法で行われている。また、保健医療の分野においては、特定の薬剤物質の、効果的で、迅速な、使い勝手のよい投与手段を得るため、吸入器によりユーザーの肺へ直接的に粉末を投与及び分配する技術の可能性に対する関心がますます高まっている。
【0003】
吸入器は、非常にシンプルなものから最新の比較的複雑な装置に至るまで、種々のタイプの装置が開発されている。最新の吸入器では、吸入されるべき薬用量を調製するのに幾つかの形態の投与プロセスが殆どすべてで使用されている。最も頻繁には、吸入されるべき量を用いる薬用量の形成は、前もって工業的に行われ、5−50回分のオーダーの薬用量を含有する投薬パッケージが作製される。その後、この投薬パッケージが各薬用量のソースとして吸入器に装填される。別のタイプの吸入器はマガジンを有しており、吸入した空気へ分配するための何らかの装置により、このマガジンから粉末が投与される。どちらのケースにおいても、一般的に、そのような粉末は強度に凝集を形成する傾向を有しており、それ故、それらの凝集を分散させなければならない。
【0004】
今日、そのような凝集の分散は、主に、吸気のエネルギーを利用する技術により行われている。通常の吸入は約2秒間で行われ、そして、穏やかな吸息は3から4秒かかる。上述の薬用量の粉末は、通常、僅か0.1から0.4秒間で与えられるため、デアグロメレーションに吸気のみが利用されるような設計では、その吸気エネルギーのうちのほんの一部が利用されるにすぎないであろう。従って、これは、実際問題としてその吸気中に存在している利用可能なエネルギーの利用効率が低いという結果をもたらす。そのエネルギー量のうち小さな割合しか利用されないため、それは、充分なデアグロメレーションを惹起するには低すぎるであろう。従って、呼吸できる合計の薬用量は、その時の状態や個々のユーザーに大いに依存するものとなり、それ故、その時々によって非常に変動する。この状況を改善するため、多くのタイプの吸入器は、そこへ必ずや粉末が衝突し、これにより、その粉末をデアグロメレートするためのエネルギーが伝達されるようなある種の装置を含んでいる。しかし、固定された対象物または機械的に移動する対象物とのそのような衝突は、比較的大量の粉末がその装置に付着するという問題を含んでおり、それらの付着した粉末は、恒久的に付着されるか、あるいは、それらのうち幾分かの量が次の薬用量と共に更に輸送される結果となる。どちらの場合にも、これは、高精度で高品質の吸入薬用量を得るという目標、例えば、高い割合で非常に小さな粒子を有する正確な量の粉末を得るという目標にとってマイナス要因を構成する。
【0005】
特許書類WO97/00704号には、ある吸入装置が開示されており、その吸入装置では、投与されるべき物質が静電的に帯電させられ、そして、薬用量の形成が、その帯電した物質粒子を引き付ける回転式の投薬ドラムの助けにより果たされる。その後、その物質は、付加的な電場と吸息によりもたらされる空気の流れとの組み合わせにより、その投薬ドラムから放たれる。所望の薬用量投与ステップに先立って、投与されるべき物質は、例えばその物質を含有する本装置の多数回の操作用に意図されたカートリッジを受け入れることにより装填されるリザーバー内に保持される。
【0006】
しかし、尚も、ユーザーの肺へ投与される予め計量済みの薬剤粉末用量の充分な効力を得るべく、吸入中の薬用量の送給を制御するためのシンプルな手段に対する要望がある。
【0007】
(発明の要約)
本発明は、予め定められた薬用量の乾燥粉末を乾燥粉末吸入器(DPI)により1つずつ吸入するときに、その粉末をユーザーの肺へ投与する継続時間を制御するための装置について開示する。本装置は、DPIによりユーザーへ投与されるべき複数の薬剤粉末用量を担持する移動式カセットの速度及び時間特性を制御する。一般的に、その用量は、予め計量されていて、調製済み粉末の帯または一連のスポットの形態でカセットに適用されている。エアーブレーキ装置が、上述の予め計量された粉末用量が吸入空気へ解放される時間を制御する。このエアーブレーキ装置の調節手段は、バネの負荷がかかったカセットの移動速度を定め、その移動の間に、上述の粉末薬用量が、マウスピースに接続されたノズルによって、カセット上の調製済み薬用量粉末帯から吸引される。
【0008】
吸入装置の投薬速度及びタイミングを制御するための装置が独立クレーム1で説明され、そして、更なる実施形態が従属クレーム2から7で説明される。
【0009】
次に、本発明が、添付図面により、一つの好適且つ例証的な実施形態の形態で説明される。それらの添付図面における同様な参照番号は、同様なエレメントまたは対応するエレメントを指示している。
【0010】
(発明の詳細な説明)
ユーザーが本DPIのマウスピースを通じて吸入し始めると、カセットがカセットの開始位置から解放され、駆動バネによる推進運動を始める。この好ましい実施形態では圧縮バネが使用されているが、拡張様式で作動するバネも同等に使用することができ、実際、その力は、別なソース、例えば液圧式または空気圧式のソースからもたらされるものであってもよい。カセットは、好ましくは粉末の帯の形態を為す、予め計量された複数の薬用量を担持している。好ましくは、その粉末は、充分に定義された静電特性を有し、且つ、粒径が好ましくは0.5μmから5μmまでの間の粒子で主要な微細粒子フラクションを形成している電気的粉末を構成する。
【0011】
図4を参照すると、本発明による装置22は、調製済みの薬用量31を担持するカセット4に結合されている。本装置22は、投与プロセスにおいて、移動式カセット4の速度及びタイミングを制御するエアーブレーキとして作用する。カセットから投与されるべく選定された薬用量は、その移動式のカセットから、吸引チューブ33のノズル1により吸引された空気を介して輸送される。この吸引チューブ33は、ノズル1の他に、ディフューザー2及び多孔チューブ3を含んでおり、それらのすべてがマウスピース(図示せず)に取り付けられている。吸入された空気の流れが、ノズルに入る前に、薬用量31を通って流れるときに、その薬用量の粉末が吸い上げられ、そして、移動するカセット上のその薬用量がノズル1を通過するのに要する時間にわたり、この空気中に分散される。従って、エアーブレーキは、薬用量の送給を制御する。その送給は、短時間における高濃度の送給から長時間における低濃度の送給まで設定することができ、更には、それらの間のあらゆる中間的な送給も設定することができる。従って、薬用量の連続的な投与が可能になる。典型的には、この薬用量を送給するタイムスパンは、0.5から5秒のオーダーである。
【0012】
乾燥粉末吸入器の重要なパーツとしてエアーブレーキを設計し、且つ、それを包含させる目的は、粒子の流量、及び、薬用量がユーザーに送給される時間を制御することである。これらは、ユーザーへの連続的な薬用量送給の全体的な目標を達成する上で、あるいは、局所的な送給または全身性の送給を可能にする上で、もしくは、それらの組み合わせを果たす上で重要な要素である。カセットの速度及びタイミングの調節、延いては、薬用量を送給するのに要する時間の調節は、エアーブレーキの1つもしくはそれ以上の特性を変更することによってエアーブレーキ装置のブレーキ作用を高めるか低めることにより、容易に行うことができる。
【0013】
好ましくは、エアーブレーキ装置は、DPI本体8と移動式カセット4とに結合された、可変体積の限られた範囲の空気の形態を為している。好ましくは、エアーブレーキは、カセット4がDPI本体に関して移動するときに、そのエアーブレーキが拡張または収縮すべく強いられるように配列される。この好ましい実施形態では、その拘束を、ベローズ、または、ピストンを伴ったシリンダーの形態に為すことができるが、他の実施形態も可能である。カセット4の速度を制御する連続的なブレーキ作用は、制御下における漏れを通じて、例えば、上述の可変体積を周囲の雰囲気と結び付ける1つもしくはそれ以上の通気穴を通じて、このエアーブレーキ装置に空気を流入または流出させることにより達成される。ピストンを伴うシリンダーの場合には、ピストンとシリンダーとの間の小さなギャップが別の実現性をもたらすであろう。
【0014】
図1及び2には、本発明に従って規制体積の空気36を取り囲むエアーブレーキ装置22の2つの例証的な実施形態が提示されている。
【0015】
本エアーブレーキ装置の動作様式を分かり易くするため、図3、4、及び5による例証的な実施形態では、吸入器の不可欠な内部パーツのみが描かれている。このエアーブレーキは、ベローズ22として描かれているが、例えば図1に描かれているようなピストン21とシリンダー20のアレンジメント等、他の実施形態のエアーブレーキも同等に可能であり、そして、この実施形態や、他のすべての代替的実施形態は、本発明の許容変形例として包含される。当業者であれば、恐らく、DPIに本エアーブレーキを適用する幾つかの可能な方法を知っていようが、すべてのケースに共通することは、本エアーブレーキの一方の端部は、DPIの本体8に直接的または間接的に固定され、そして、もう一方の端部は、カセット4とも呼ばれる移動式投薬担体に直接的または間接的に固定されることである。図3には、ユーザーによる吸入が始まる前の、負荷された状態における、DPIの不可欠な内部パーツの相対的な位置が示されている。簡明化のため、図3、4、及び5の例図は、カセットメンバーを、カセットの軸に平行な長軸を有する矩形の床における円筒状表面上に配列された薬用量31を担持するシリンダーの形態で示している。その薬用量を送給している間のカセットの運動は、通常、その長手方向軸に沿った直線運動であるが、代替的に、カセットメンバー上における薬用量分布の幾何学的形状に応じて、その軸の回りの回転運動や、回転運動と直線運動との組み合わせも可能であろう。
【0016】
図4は、吸入し始めた直後のカセットを示しており、そこでは、その吸入が、解放機構(本発明の構成部分ではなく、添付図面には描かれていない)により、カセットを負荷済み始動準備完了状態から解放する。カセット4は、駆動バネ9の力とエアーブレーキ22のブレーキ作用によって決まる速度で、駆動バネ9により前方へ推進される。その後、エアーブレーキ22は、カセットが前方へ移動するに連れて拡張すべく強いられる。
【0017】
周囲の雰囲気とエアーブレーキ装置の内部体積との間の圧力差がゼロであると仮定し、そして、周囲の雰囲気とエアーブレーキ装置の内部体積との間に空気の漏れがないとすれば、そのブレーキ力は、カセットの走行距離と共に増大する。その理由は、カセットが前方へ移動するに連れて、エアーブレーキの内部体積は増大すべく強いられ、これにより、その時、拡大はするが、取り囲まれた体積のままのエアーブレーキ装置における誘導真空度が増加することによるものである。内部の真空度と外部の大気圧との間のこの増加性の圧力差は、増加性の力(ブレーキ力)をもたらし、そのブレーキ力は、エアーブレーキを元のサイズに押し戻そうとする。特定の走行距離になると、駆動バネ9とエアーブレーキ22の互いに対抗する力が相互に正確に釣合い、そして、カセットは、それ以上移動できなくなる。
【0018】
周囲の空気からエアーブレーキの内部空気36体積へ少量の制御された漏れを導入することにより、その真空度、延いては、そのブレーキ力は、時間と共に低減し、これにより、そのカセットは、ある制御された速度で、カセットの運動軌道に沿って前方へ移動することができるようになるであろう。
【0019】
更に、例えば何らかの機械的な不備または摩損により生じるカセット運動の妨害の影響についても斟酌しなければならない。これらの場合、そのような妨害が移動しているカセットを減速しようとするときには、エアーブレーキによるブレーキ作用も同時に低減され、これにより、その妨害に打ち勝とうとするバネの駆動力が増大するため、本エアーブレーキは、その速度を一定に保つのに自動的に役立つであろう。
【0020】
このようにして本エアーブレーキ・アレンジメントに漏れ入る空気は、好ましくには、DPI本体内部の濾過空気から取り入れられ、これにより、本エアーブレーキ・アレンジメント内へ空気を漏れ入れる1つもしくは複数のアパーチャーに汚れた空気が付着する危険性を排除することができる。カセットの速度は、1つの薬用量から次の薬用量へ繰り返すことができるように制御されているので、予め計量された薬用量帯の幾何学的形状がすべての薬用量で同一の場合には、薬用量を送給するのに要する時間は一定になるであろう。
【0021】
本発明の別の実施形態では、移動するカセットにより上述の内部体積が拡張するのではなく、寧ろ収縮すべく強いられ、これにより、真空の代わりに過圧力が創出されるが、それ以外の点は先に説明された動作原理と全く同様なエアーブレーキ装置を配列することができる。
【0022】
カバーを閉鎖位置へ押し込む(この動作は、駆動バネを締め付け、エアーブレーキを元のサイズに戻すべく力を及ぼす)ときに、ユーザーが本吸入器を閉じるのに必要なパワーを最小化するため、本エアーブレーキは、上述の可変体積に空気を流入させるか、もしくは、その可変体積から空気を流出させる、チェック弁または同様なアレンジメントを伴う付加的なエアーインレットを有しており、これにより、そのケースがどちらの場合であっても、ユーザーによる負荷操作は、可能な限り容易に為されている。
【0023】
また、図4にはホイルカッター11も描かれており、このホイルカッターは、ある選定された薬用量を吸入時の空気流にアクセスできるようにするため、薬用量床上に横たわる薬用量31を保護すべくカセット表面の凹部7を密封しているアルミニウムホイル(図示せず)を切り開く。カッターは、カセットがカッターを過ぎって押し込まれるときに、そのカッターがホイルを切り通し、そして、ノズル1、ディフューザー2、及び多孔チューブ3からなる吸引チューブの一部であるノズル1の直前でそのホイルを開放するような固定位置に設けられている。その後、薬用量床上のその薬用量は、ノズルが配置されているポイントに到達し、そして、カセットがそのノズルを過ぎって押し込まれる際に、上述の吸入された空気が、その薬用量の粉末を吸い上げ、この吸い上げた粉末をその空気の流れの中に分散させ、そして、その薬用量を、予め設定された長さの時間にわたり、ユーザーに送給する。
【0024】
図5では、カセットはカセットの走行終点に達していて、その投薬は完了しており、その全薬用量がユーザーに送給され終えている。
【0025】
特に、本発明は、今日の市場で見られる従来技術による吸入器(そのような吸入器では、非常に短い時間の間に薬用量が送給され、その時間は、通常0.2秒から0.3秒のオーダーであることが多い)に比べて数多くの利点を提供する新規な連続式吸入器の設計において大いに興味が持たれよう。
【0026】
本発明の動作を開示するための一つの例証的な実施形態により本発明を説明してきたが、当業者であれば、添付の特許請求項により定義される本発明の対象及び範囲から逸脱することなく、本発明に数多くの修飾及び変更を為し得ることは明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【図1】
図1は、シリンダーの形態におけるエアーブレーキの原理的なスケッチを描いており;
【図2】
図2は、ベローズの形態におけるエアーブレーキの別の原理的なスケッチを描いており;
【図3】
図3は、ベローズの形態で描かれたエアーブレーキを伴う吸入器の内部装置の原理的なスケッチを示していて、関連するパーツが、ユーザーよる吸入が始まる前のそれらの個々の位置にある様子が描かれており;
【図4】
図4は、ベローズの形態で描かれたエアーブレーキを伴う吸入器の内部装置の原理的なスケッチを示していて、関連するパーツが、ユーザーよる吸入が始まった直後のそれらの個々の位置にある様子が描かれており;そして、
【図5】
図5は、ベローズの形態で描かれたエアーブレーキを伴う吸入器の内部装置の原理的なスケッチを示していて、関連するパーツが、ユーザーよる吸入が終わったときのそれらの個々の位置にある様子が描かれている。
(技術分野)
本発明は、ユーザーの肺へ医療用乾燥粉末を投与するための乾燥粉末吸入器に関するものであり、より正確には、吸入時における用量送給時間を長引かせるためのエアーブレーキ装置に関するものである。
【0002】
(発明の背景)
今日、薬剤粉末の供給及び分配は、多くの異なる方法で行われている。また、保健医療の分野においては、特定の薬剤物質の、効果的で、迅速な、使い勝手のよい投与手段を得るため、吸入器によりユーザーの肺へ直接的に粉末を投与及び分配する技術の可能性に対する関心がますます高まっている。
【0003】
吸入器は、非常にシンプルなものから最新の比較的複雑な装置に至るまで、種々のタイプの装置が開発されている。最新の吸入器では、吸入されるべき薬用量を調製するのに幾つかの形態の投与プロセスが殆どすべてで使用されている。最も頻繁には、吸入されるべき量を用いる薬用量の形成は、前もって工業的に行われ、5−50回分のオーダーの薬用量を含有する投薬パッケージが作製される。その後、この投薬パッケージが各薬用量のソースとして吸入器に装填される。別のタイプの吸入器はマガジンを有しており、吸入した空気へ分配するための何らかの装置により、このマガジンから粉末が投与される。どちらのケースにおいても、一般的に、そのような粉末は強度に凝集を形成する傾向を有しており、それ故、それらの凝集を分散させなければならない。
【0004】
今日、そのような凝集の分散は、主に、吸気のエネルギーを利用する技術により行われている。通常の吸入は約2秒間で行われ、そして、穏やかな吸息は3から4秒かかる。上述の薬用量の粉末は、通常、僅か0.1から0.4秒間で与えられるため、デアグロメレーションに吸気のみが利用されるような設計では、その吸気エネルギーのうちのほんの一部が利用されるにすぎないであろう。従って、これは、実際問題としてその吸気中に存在している利用可能なエネルギーの利用効率が低いという結果をもたらす。そのエネルギー量のうち小さな割合しか利用されないため、それは、充分なデアグロメレーションを惹起するには低すぎるであろう。従って、呼吸できる合計の薬用量は、その時の状態や個々のユーザーに大いに依存するものとなり、それ故、その時々によって非常に変動する。この状況を改善するため、多くのタイプの吸入器は、そこへ必ずや粉末が衝突し、これにより、その粉末をデアグロメレートするためのエネルギーが伝達されるようなある種の装置を含んでいる。しかし、固定された対象物または機械的に移動する対象物とのそのような衝突は、比較的大量の粉末がその装置に付着するという問題を含んでおり、それらの付着した粉末は、恒久的に付着されるか、あるいは、それらのうち幾分かの量が次の薬用量と共に更に輸送される結果となる。どちらの場合にも、これは、高精度で高品質の吸入薬用量を得るという目標、例えば、高い割合で非常に小さな粒子を有する正確な量の粉末を得るという目標にとってマイナス要因を構成する。
【0005】
特許書類WO97/00704号には、ある吸入装置が開示されており、その吸入装置では、投与されるべき物質が静電的に帯電させられ、そして、薬用量の形成が、その帯電した物質粒子を引き付ける回転式の投薬ドラムの助けにより果たされる。その後、その物質は、付加的な電場と吸息によりもたらされる空気の流れとの組み合わせにより、その投薬ドラムから放たれる。所望の薬用量投与ステップに先立って、投与されるべき物質は、例えばその物質を含有する本装置の多数回の操作用に意図されたカートリッジを受け入れることにより装填されるリザーバー内に保持される。
【0006】
しかし、尚も、ユーザーの肺へ投与される予め計量済みの薬剤粉末用量の充分な効力を得るべく、吸入中の薬用量の送給を制御するためのシンプルな手段に対する要望がある。
【0007】
(発明の要約)
本発明は、予め定められた薬用量の乾燥粉末を乾燥粉末吸入器(DPI)により1つずつ吸入するときに、その粉末をユーザーの肺へ投与する継続時間を制御するための装置について開示する。本装置は、DPIによりユーザーへ投与されるべき複数の薬剤粉末用量を担持する移動式カセットの速度及び時間特性を制御する。一般的に、その用量は、予め計量されていて、調製済み粉末の帯または一連のスポットの形態でカセットに適用されている。エアーブレーキ装置が、上述の予め計量された粉末用量が吸入空気へ解放される時間を制御する。このエアーブレーキ装置の調節手段は、バネの負荷がかかったカセットの移動速度を定め、その移動の間に、上述の粉末薬用量が、マウスピースに接続されたノズルによって、カセット上の調製済み薬用量粉末帯から吸引される。
【0008】
吸入装置の投薬速度及びタイミングを制御するための装置が独立クレーム1で説明され、そして、更なる実施形態が従属クレーム2から7で説明される。
【0009】
次に、本発明が、添付図面により、一つの好適且つ例証的な実施形態の形態で説明される。それらの添付図面における同様な参照番号は、同様なエレメントまたは対応するエレメントを指示している。
【0010】
(発明の詳細な説明)
ユーザーが本DPIのマウスピースを通じて吸入し始めると、カセットがカセットの開始位置から解放され、駆動バネによる推進運動を始める。この好ましい実施形態では圧縮バネが使用されているが、拡張様式で作動するバネも同等に使用することができ、実際、その力は、別なソース、例えば液圧式または空気圧式のソースからもたらされるものであってもよい。カセットは、好ましくは粉末の帯の形態を為す、予め計量された複数の薬用量を担持している。好ましくは、その粉末は、充分に定義された静電特性を有し、且つ、粒径が好ましくは0.5μmから5μmまでの間の粒子で主要な微細粒子フラクションを形成している電気的粉末を構成する。
【0011】
図4を参照すると、本発明による装置22は、調製済みの薬用量31を担持するカセット4に結合されている。本装置22は、投与プロセスにおいて、移動式カセット4の速度及びタイミングを制御するエアーブレーキとして作用する。カセットから投与されるべく選定された薬用量は、その移動式のカセットから、吸引チューブ33のノズル1により吸引された空気を介して輸送される。この吸引チューブ33は、ノズル1の他に、ディフューザー2及び多孔チューブ3を含んでおり、それらのすべてがマウスピース(図示せず)に取り付けられている。吸入された空気の流れが、ノズルに入る前に、薬用量31を通って流れるときに、その薬用量の粉末が吸い上げられ、そして、移動するカセット上のその薬用量がノズル1を通過するのに要する時間にわたり、この空気中に分散される。従って、エアーブレーキは、薬用量の送給を制御する。その送給は、短時間における高濃度の送給から長時間における低濃度の送給まで設定することができ、更には、それらの間のあらゆる中間的な送給も設定することができる。従って、薬用量の連続的な投与が可能になる。典型的には、この薬用量を送給するタイムスパンは、0.5から5秒のオーダーである。
【0012】
乾燥粉末吸入器の重要なパーツとしてエアーブレーキを設計し、且つ、それを包含させる目的は、粒子の流量、及び、薬用量がユーザーに送給される時間を制御することである。これらは、ユーザーへの連続的な薬用量送給の全体的な目標を達成する上で、あるいは、局所的な送給または全身性の送給を可能にする上で、もしくは、それらの組み合わせを果たす上で重要な要素である。カセットの速度及びタイミングの調節、延いては、薬用量を送給するのに要する時間の調節は、エアーブレーキの1つもしくはそれ以上の特性を変更することによってエアーブレーキ装置のブレーキ作用を高めるか低めることにより、容易に行うことができる。
【0013】
好ましくは、エアーブレーキ装置は、DPI本体8と移動式カセット4とに結合された、可変体積の限られた範囲の空気の形態を為している。好ましくは、エアーブレーキは、カセット4がDPI本体に関して移動するときに、そのエアーブレーキが拡張または収縮すべく強いられるように配列される。この好ましい実施形態では、その拘束を、ベローズ、または、ピストンを伴ったシリンダーの形態に為すことができるが、他の実施形態も可能である。カセット4の速度を制御する連続的なブレーキ作用は、制御下における漏れを通じて、例えば、上述の可変体積を周囲の雰囲気と結び付ける1つもしくはそれ以上の通気穴を通じて、このエアーブレーキ装置に空気を流入または流出させることにより達成される。ピストンを伴うシリンダーの場合には、ピストンとシリンダーとの間の小さなギャップが別の実現性をもたらすであろう。
【0014】
図1及び2には、本発明に従って規制体積の空気36を取り囲むエアーブレーキ装置22の2つの例証的な実施形態が提示されている。
【0015】
本エアーブレーキ装置の動作様式を分かり易くするため、図3、4、及び5による例証的な実施形態では、吸入器の不可欠な内部パーツのみが描かれている。このエアーブレーキは、ベローズ22として描かれているが、例えば図1に描かれているようなピストン21とシリンダー20のアレンジメント等、他の実施形態のエアーブレーキも同等に可能であり、そして、この実施形態や、他のすべての代替的実施形態は、本発明の許容変形例として包含される。当業者であれば、恐らく、DPIに本エアーブレーキを適用する幾つかの可能な方法を知っていようが、すべてのケースに共通することは、本エアーブレーキの一方の端部は、DPIの本体8に直接的または間接的に固定され、そして、もう一方の端部は、カセット4とも呼ばれる移動式投薬担体に直接的または間接的に固定されることである。図3には、ユーザーによる吸入が始まる前の、負荷された状態における、DPIの不可欠な内部パーツの相対的な位置が示されている。簡明化のため、図3、4、及び5の例図は、カセットメンバーを、カセットの軸に平行な長軸を有する矩形の床における円筒状表面上に配列された薬用量31を担持するシリンダーの形態で示している。その薬用量を送給している間のカセットの運動は、通常、その長手方向軸に沿った直線運動であるが、代替的に、カセットメンバー上における薬用量分布の幾何学的形状に応じて、その軸の回りの回転運動や、回転運動と直線運動との組み合わせも可能であろう。
【0016】
図4は、吸入し始めた直後のカセットを示しており、そこでは、その吸入が、解放機構(本発明の構成部分ではなく、添付図面には描かれていない)により、カセットを負荷済み始動準備完了状態から解放する。カセット4は、駆動バネ9の力とエアーブレーキ22のブレーキ作用によって決まる速度で、駆動バネ9により前方へ推進される。その後、エアーブレーキ22は、カセットが前方へ移動するに連れて拡張すべく強いられる。
【0017】
周囲の雰囲気とエアーブレーキ装置の内部体積との間の圧力差がゼロであると仮定し、そして、周囲の雰囲気とエアーブレーキ装置の内部体積との間に空気の漏れがないとすれば、そのブレーキ力は、カセットの走行距離と共に増大する。その理由は、カセットが前方へ移動するに連れて、エアーブレーキの内部体積は増大すべく強いられ、これにより、その時、拡大はするが、取り囲まれた体積のままのエアーブレーキ装置における誘導真空度が増加することによるものである。内部の真空度と外部の大気圧との間のこの増加性の圧力差は、増加性の力(ブレーキ力)をもたらし、そのブレーキ力は、エアーブレーキを元のサイズに押し戻そうとする。特定の走行距離になると、駆動バネ9とエアーブレーキ22の互いに対抗する力が相互に正確に釣合い、そして、カセットは、それ以上移動できなくなる。
【0018】
周囲の空気からエアーブレーキの内部空気36体積へ少量の制御された漏れを導入することにより、その真空度、延いては、そのブレーキ力は、時間と共に低減し、これにより、そのカセットは、ある制御された速度で、カセットの運動軌道に沿って前方へ移動することができるようになるであろう。
【0019】
更に、例えば何らかの機械的な不備または摩損により生じるカセット運動の妨害の影響についても斟酌しなければならない。これらの場合、そのような妨害が移動しているカセットを減速しようとするときには、エアーブレーキによるブレーキ作用も同時に低減され、これにより、その妨害に打ち勝とうとするバネの駆動力が増大するため、本エアーブレーキは、その速度を一定に保つのに自動的に役立つであろう。
【0020】
このようにして本エアーブレーキ・アレンジメントに漏れ入る空気は、好ましくには、DPI本体内部の濾過空気から取り入れられ、これにより、本エアーブレーキ・アレンジメント内へ空気を漏れ入れる1つもしくは複数のアパーチャーに汚れた空気が付着する危険性を排除することができる。カセットの速度は、1つの薬用量から次の薬用量へ繰り返すことができるように制御されているので、予め計量された薬用量帯の幾何学的形状がすべての薬用量で同一の場合には、薬用量を送給するのに要する時間は一定になるであろう。
【0021】
本発明の別の実施形態では、移動するカセットにより上述の内部体積が拡張するのではなく、寧ろ収縮すべく強いられ、これにより、真空の代わりに過圧力が創出されるが、それ以外の点は先に説明された動作原理と全く同様なエアーブレーキ装置を配列することができる。
【0022】
カバーを閉鎖位置へ押し込む(この動作は、駆動バネを締め付け、エアーブレーキを元のサイズに戻すべく力を及ぼす)ときに、ユーザーが本吸入器を閉じるのに必要なパワーを最小化するため、本エアーブレーキは、上述の可変体積に空気を流入させるか、もしくは、その可変体積から空気を流出させる、チェック弁または同様なアレンジメントを伴う付加的なエアーインレットを有しており、これにより、そのケースがどちらの場合であっても、ユーザーによる負荷操作は、可能な限り容易に為されている。
【0023】
また、図4にはホイルカッター11も描かれており、このホイルカッターは、ある選定された薬用量を吸入時の空気流にアクセスできるようにするため、薬用量床上に横たわる薬用量31を保護すべくカセット表面の凹部7を密封しているアルミニウムホイル(図示せず)を切り開く。カッターは、カセットがカッターを過ぎって押し込まれるときに、そのカッターがホイルを切り通し、そして、ノズル1、ディフューザー2、及び多孔チューブ3からなる吸引チューブの一部であるノズル1の直前でそのホイルを開放するような固定位置に設けられている。その後、薬用量床上のその薬用量は、ノズルが配置されているポイントに到達し、そして、カセットがそのノズルを過ぎって押し込まれる際に、上述の吸入された空気が、その薬用量の粉末を吸い上げ、この吸い上げた粉末をその空気の流れの中に分散させ、そして、その薬用量を、予め設定された長さの時間にわたり、ユーザーに送給する。
【0024】
図5では、カセットはカセットの走行終点に達していて、その投薬は完了しており、その全薬用量がユーザーに送給され終えている。
【0025】
特に、本発明は、今日の市場で見られる従来技術による吸入器(そのような吸入器では、非常に短い時間の間に薬用量が送給され、その時間は、通常0.2秒から0.3秒のオーダーであることが多い)に比べて数多くの利点を提供する新規な連続式吸入器の設計において大いに興味が持たれよう。
【0026】
本発明の動作を開示するための一つの例証的な実施形態により本発明を説明してきたが、当業者であれば、添付の特許請求項により定義される本発明の対象及び範囲から逸脱することなく、本発明に数多くの修飾及び変更を為し得ることは明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【図1】
図1は、シリンダーの形態におけるエアーブレーキの原理的なスケッチを描いており;
【図2】
図2は、ベローズの形態におけるエアーブレーキの別の原理的なスケッチを描いており;
【図3】
図3は、ベローズの形態で描かれたエアーブレーキを伴う吸入器の内部装置の原理的なスケッチを示していて、関連するパーツが、ユーザーよる吸入が始まる前のそれらの個々の位置にある様子が描かれており;
【図4】
図4は、ベローズの形態で描かれたエアーブレーキを伴う吸入器の内部装置の原理的なスケッチを示していて、関連するパーツが、ユーザーよる吸入が始まった直後のそれらの個々の位置にある様子が描かれており;そして、
【図5】
図5は、ベローズの形態で描かれたエアーブレーキを伴う吸入器の内部装置の原理的なスケッチを示していて、関連するパーツが、ユーザーよる吸入が終わったときのそれらの個々の位置にある様子が描かれている。
Claims (8)
- 乾燥粉末吸入器により投与するための予め計量された複数の薬用量の粉末を含有するカセットメンバー(4)の運動を制御するための乾燥粉末吸入器用の装置であって、当該装置が:
ある体積の空気(36)を取り囲む装置メンバー(20、22)であって、その体積は、及ぼされる第一の力によって推進されている該カセットメンバー(4)の運動作用により圧縮または拡張され、これにより、該装置メンバー(20、22)の内部に過圧力または真空が創出され、また、これにより、該第一の力に対抗する第二の力が形成される装置メンバー(20、22);
該カセットメンバーの運動速度及びタイミングを制御するために活動相の間に変わり得るある選定された流量で、該装置メンバー(20、22)から空気を流出させるか、あるいは、該装置メンバー(20、22)に空気を流入させるためのアレンジメント;
を含むことを特徴とする、乾燥粉末吸入器用の装置。 - エアーブレーキを形成する該装置メンバーが、ピストン(21)を伴うシリンダー(20)であって、内部の空気(36)の体積と周囲の雰囲気との間の一定または変動性の空気の漏れを制御するためのアレンジメントを備えていることを特徴とする、請求項1記載の装置。
- エアーブレーキを形成する該装置メンバーが、内部の空気体積と周囲の雰囲気との間の一定または変動性の空気(36)の漏れを制御するためのアレンジメントを備えたベローズ(22)であることを特徴とする、請求項1記載の装置。
- 前記第一の力が、該カセットメンバー(4)の一方の端面に適用された負荷状態のバネ(9)または対応する力のソースにより及ぼされることを特徴とする、請求項2または3記載の装置。
- 上記負荷状態のバネ(9)が、該吸入装置の本体(8)と該カセットメンバー(4)の前記端面との間の圧縮バネであることを特徴とする、請求項4記載の装置。
- 前記装置メンバーが、吸入操作を行うべく該乾燥粉末吸入器を開いたときに負荷される上記圧縮バネと同じカセットメンバーの端面に取り付けられていることを特徴とする、請求項4記載の装置。
- 内部の空気体積と周囲の雰囲気との間の空気(36)の漏れを制御するための前記アレンジメントが、推進される該カセットメンバー(4)の適切な移動速度及びタイミングを決定すべく調節可能であることを特徴とする、請求項4記載の装置。
- ユーザーが該乾燥粉末吸入器を閉じるときに、チェック弁等により該装置メンバー(20、22)の空気を流入または流出させるための前記アレンジメントが、該ユーザーがこの操作を行う際に必要となるエネルギーを低減することを特徴とする、請求項2または3記載の装置。
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