JP2004506930A - 導波管システム及びデバイスにおける誘導ブリユアン散乱を低減する方法 - Google Patents
導波管システム及びデバイスにおける誘導ブリユアン散乱を低減する方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004506930A JP2004506930A JP2002519993A JP2002519993A JP2004506930A JP 2004506930 A JP2004506930 A JP 2004506930A JP 2002519993 A JP2002519993 A JP 2002519993A JP 2002519993 A JP2002519993 A JP 2002519993A JP 2004506930 A JP2004506930 A JP 2004506930A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- cladding
- core
- light
- sound wave
- refraction
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Classifications
-
- G—PHYSICS
- G02—OPTICS
- G02B—OPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
- G02B6/00—Light guides; Structural details of arrangements comprising light guides and other optical elements, e.g. couplings
- G02B6/02—Optical fibres with cladding with or without a coating
- G02B6/036—Optical fibres with cladding with or without a coating core or cladding comprising multiple layers
- G02B6/03694—Multiple layers differing in properties other than the refractive index, e.g. attenuation, diffusion, stress properties
-
- H—ELECTRICITY
- H04—ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
- H04B—TRANSMISSION
- H04B10/00—Transmission systems employing electromagnetic waves other than radio-waves, e.g. infrared, visible or ultraviolet light, or employing corpuscular radiation, e.g. quantum communication
- H04B10/25—Arrangements specific to fibre transmission
- H04B10/2507—Arrangements specific to fibre transmission for the reduction or elimination of distortion or dispersion
- H04B10/2537—Arrangements specific to fibre transmission for the reduction or elimination of distortion or dispersion due to scattering processes, e.g. Raman or Brillouin scattering
-
- G—PHYSICS
- G02—OPTICS
- G02B—OPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
- G02B6/00—Light guides; Structural details of arrangements comprising light guides and other optical elements, e.g. couplings
- G02B6/02—Optical fibres with cladding with or without a coating
- G02B6/02042—Multicore optical fibres
Abstract
本発明に係る方法は、光をガイドする導波管の部分から離れてガイドされる音波を制御する。即ち、音波は上記クラッド(12)内にガイドされる。そして、SBS効果の実質的な低減は、光をガイドするコア内で実現される。本発明に係る方法は、光ファイバ等の単一クラッド光導波管はもちろん、二重クラッド光ファイバ及びその他の導波管に適用できる。好適な二重クラッド(別名、二重コア)導波管構造は、ポンピング(増幅)すべき伝送される光をガイドするために用いられるコア内における低減されたSBS効果を有するポンプレーザシステムの実現を可能にする。第2のコア(12)は、伝送される光をガイドするために使用されるコア(10)の外側に音波をガイドし、かつ光伝送のためのコア内で伝送される光を増幅するポンプ光をガイドする。ポンピングは、第2の「ポンプ」コア(12)を、光をガイドせずに音波をガイドするクラッド(20)で被覆することによって補助される。
Description
【0001】
本発明は、導波管システム及びデバイスに関する。
【0002】
(発明の背景)
導波管は、光の伝搬を制御された様式に指示する。そのため導波管は、制御された光の使用に依存するシステム及びデバイスの重要な構成要素である。多くの現代のデバイスにおける導波管のスケールは、通信システムにおいて使用される髪の毛のサイズの光ファイバによって例示される。電話システム等の通信システムにおいては、電気信号を用いた通信から光信号を用いた通信へと変化しつつある。実際の理由は、光駆動システムへの焦点の移動がある。電気信号とは違って、光信号は、一般に、電源ラインや雷によって発生する電磁界による影響を受けない。これらの障害の源は、電気信号中にノイズを発生させるが、光信号は影響を受けない。
光信号の情報容量は、有線や無線の電気通信システムに用いられる低周波の電気信号よりもはるかに潜在力がある。一般に、高周波信号搬送波は、低周波信号搬送波よりも多くの情報容量を可能にする。これは、高周波信号の広い帯域によるものである。光信号によって通信することの別の重要な恩恵は、伝送媒体として用いられる光ファイバの上述した小さなサイズである。髪の毛のサイズの寸法を有する一般的なファイバは、それに比べて大きな径を有する銅線の束の代わりに適切である。現代において情報アクセスに対する要求が大きくなるにつれて、光伝送システムの使用は、地下、地上及び構内通信システムの設置スペースに対する要求を少なくした。
【0003】
導波管を介した光エネルギの別の重要な用途は、切断、武器、および光出力レーザ技術である。導波管を介して直進するレーザ光は、機械部品から難しい手術を受ける患者まで全てのものを切断するのに有用なレーザを形成する。武器技術は、レーザ光からのエネルギに基づく破壊を用いて、ミサイル等の発射物を追尾して破壊するシステムのための将来性のある基礎としてレーザ光に注目が集まっている。
【0004】
しかし、そのような光エネルギシステムの実際の実施には、共通する問題点がある。光ファイバ等の導波管は、損失を伴う。この損失は、送信機と受信機とを離すことのできる距離を制限する。該損失は、一般に、光信号減衰と呼ばれる。伝送媒体として機能する光ファイバによる信号光の吸収は、減衰を引き起こす一つの要因である。減衰を引き起こす別の要因は、一般に光ファイバの湾曲部で発生する、元の伝送及び放射損失よりも広範囲の波長にわたる信号光の散乱である。これらの個別の損失が合わさって、キロメートル当たりのデシベルで測定される特定の光伝送媒体に対する全体の信号減衰特性になる。
【0005】
誘導ブリユアン散乱(Stimulated Brillouin Scattering;SBS)と呼ばれる効果が、導波管の有効性を制限する散乱損の根本的な原因として認識されてきている。SBSは、光エネルギと音響エネルギとの相互作用である。光導波管、例えば、光ファイバのコアにガイドされた光エネルギは、音響エネルギを発生させる。既に知られているように、一定量の光パワーが、他の光源から導波管内に一旦入射すると、あるいは該導波管内で発生すると、SBS効果により光エネルギが該光源に後方散乱される。一般的な導波管、例えば光ファイバケーブルは、低信号出力において有効なSBS相互作用に対して十分長く(数十メートル)、SBSは、SBSプロセスのスペクトル幅よりも小さなスペクトル幅によって信号に影響を及ぼすことが知られている。この後方散乱は、全てではないが、ほとんどの用途において有害である。
【0006】
従って、SBS効果を克服又は低減することは、多くの導波管システム及びデバイスに大きな影響を与えるであろう。より多くのパワーを光通信ファイバに入射させる能力は、例えば、中継器の数を減らすという別の利点、あるいは、中継器間の距離が保たれる場合に、高情報容量を実現できるという別の利点を有する。切断レーザや武器等の高出力レーザを作用させる作業の分野において、SBS効果を克服することは、小さな半導体レーザを用いる可能性につながる。半導体レーザは、消費電力やその小型なことにおいて有利であるが、それらは未だに、レーザによって生じた全体的に限定されたパワーによりレーザを作用させる作業のように応用範囲が広がっていない。導波管の効率を向上させることは、発生した限定されたパワーのより効果的な用途を可能にし、また多重レーザからの個別のパワーの組合せを可能にするであろう。
【0007】
現在、最高輝度の持続波レーザ源は、光ファイバレーザ及び光ファイバ増幅レーザ源である。例えば、レーザー兵器、切断用高出力レーザ、高出力フリースペースレーザ通信、追尾システム用高出力レーザ、あるいは地球―衛星間のパワーデリバリーシステムを実現するには、所望の出力を得られるように、多数のファイバを組み合わせなければならない。しかし、各ファイバ内の信号は、広範なビーム伝搬距離にわたる、ファイバ束の出力のビームステアリング及び領域形成を可能にするのに十分コヒーレント(狭スペクトル幅)でなければならない。その結果、高出力ファイバ技術は、SBSによって不十分な出力に制限されるということになる。従って、光ファイバにおけるSBS問題を克服することは、次世代のレーザ及び重要な用途への門戸を開くことになるであろう。即ち、導波管におけるSBS効果を制限する改善された方法に対する要求がある。本発明の目的は、そのような改善された方法を提供することである。
【0008】
(発明の要約)
以上の及びその他の要望、及び本発明の目的は、導波管におけるSBSを低減する本発明の方法によってかなえられ、あるいは達成される。本発明に係る方法は、光をガイドする導波管の部分から離れてガイドされるように生成された音波を制御する。本発明に係る方法は、SBS効果が低減され、かつシステム効率が向上した新規のシステム及びデバイスを生み出す。
本発明の好適な単一クラッド光ファイバにおいては、該光ファイバの導波管のコアの周囲のクラッドは、コア内にガイドされる光によって発生した音波をガイドするように設定される。即ち、音波は上記クラッド内にガイドされる。そして、SBS効果の実質的な低減は、光をガイドするコア内で実現される。
【0009】
本発明に係る方法は、光ファイバ等の単一クラッド光導波管はもちろん、二重クラッド光ファイバ及びその他の導波管に適用できる。好適な二重クラッド(別名、二重コア)導波管構造は、伝送される光をガイドするために用いられるコア内における低減されたSBS効果を有するポンプレーザシステムの実現を可能にし、かつコア内の光をポンピング(増幅)できるようにする。第2のコアは、伝送される光をガイドするために使用されるコアの外側に音波をガイドし、かつ光伝送のためのコア内で伝送される光を増幅するポンプ光をガイドする。ポンピングは、第2の「ポンプ」コアを、光をガイドせずに音波をガイドするクラッドで被覆することによって補助される。
本発明の他の目的、特徴及び効果は、詳細な説明及び添付図面から明らかになるであろう。
【0010】
(発明を実施するための最良の形態)
本発明は、一般に、光導波管におけるSBS効果を低減する方法である。本発明の第一の主題は、コア内で該コアにガイドされた光信号によって発生した音波エネルギは、コアの周囲の物質内にガイドされるということである。即ち、例えば、単一クラッド光ファイバにおいては、上記方法は、コアの周囲のクラッドが音波をガイドするように設定する。該クラッドは音波をコアの外側にガイドし、SBS効果はコア内で低減される。本発明の方法は、コア、例えば、導光のための部分と、クラッド、例えば、光をコア内に閉じ込めるための部分と、そのような導波管を用いたシステム及びデバイスを有する様々な導波管構造に適用できる。本願明細書での議論は、主に、好適な単一及び二重クラッド光ファイバに向けられているが、当該技術者は、導波管を用いた他のデバイス及びシステムに対する本発明の広範な適用範囲を認識するであろう。
【0011】
導波管の基本的な音波ガイド特性は、導波管の音波の速度によって決定される。音波の速度は、
【0012】
【数1】
で示される。ただし、vは屈折速度であり、aは半径である。音波は、vwaveguide<vcladの場合にガイドされる。同じ原理が、導波管を包囲するクラッドにあてはまる。クラッドを包囲する物質が、クラッドよりも大きい屈折速度を有する場合、音波は該クラッドによりガイドされる。光ファイバの場合、該光ファイバの機械的特性を向上させるためにクラッドに被覆されているバッファ材は、通常、ガラスよりも柔らかく(即ち、密度が低い)、従って該クラッドは、該光ファイバ内に音波をガイドしない。
【0013】
このような光ファイバの光屈折率特性を図1aに示す。図1aの光ファイバは、電気通信業界で一般に使用されているシングルモードファイバである。コア10の屈折率は、クラッド12及びバッファ14の屈折率を上回り、バッファ14の屈折率は、クラッド12の屈折率を上回る。一般的な二重クラッド光ファイバを図1bに示すが、該光ファイバは、クラッド12(クラッド12は、第2のコアともいう)の屈折率よりも小さい屈折率を有する外側クラッド16を有する。本発明は、これら及びその他の導波管構造に適用できる。図1bのタイプの光ファイバは、本発明により光をガイドするように変更することができ、また、音出力の分布を制御することによってSBSを低減することもできる。
【0014】
一般的な電気通信用ファイバは、Geドープ・コア及び純粋なシリカ・クラッドを使用する。これらの材質の場合、ncore>nclad>、vcore>vcladであり、そのため該光ファイバのコアは、光波及び音波の両方をガイドする。nclad<nbuffer及びvclad>vbufferであるため、光波及び音波のどちらもクラッドによってはガイドされない。
【0015】
上記コアは、シングルモード光領域を有する領域が重なっているため、優勢な最も低いオーダーのモードで音響モードをガイドする。特に、クラッドは音響モードをガイドしない。SBSプロセスの共振向上は、音響エネルギとコア内にガイドされた音波との結合によって生じる。従来の光ファイバの場合の屈折速度特性を図2a(シングルモード)、図2b(シングルモード)及び図2c(二重クラッド)に示す。本発明に係る方法は、音響モードをガイドするようにクラッド特性を設定し、図3a(シングルモード)、図3b(シングルモード)及び図3c(二重クラッド)にそれぞれ示す新規の屈折速度特性をもたらす。追加的な外側クラッド層20は、変更された屈折速度特性を形成するのを補助するために用いられる。外側クラッド層20は、クラッド12とは別の層とすることができ、あるいは、クラッド12の外側部にドープすることによって実現することができる。
【0016】
クラッドによるこの音響モードのガイドは、2つの方法でSBSを低減する。コアの外側の音響エネルギを、SBS相互作用時間よりも速いクラッドモード内に結合することは、コア内よりもクラッド内により多く伝わる著しく大量のパワーを生じ、それによりSBS閾値が増大する。第2の独立した効果は、音響モードの総数が増加するということである。そのため、総音出力は、より多くのモードにわたって配分される。それらのモードは、光ファイバ内に音響スペックルパターンを生成することを妨げる。このスペックルパターンの空間的な変形または差異は、何が光を後方散乱させるかということである。クラッドに音響エネルギをガイドさせることは、より多くの音響モードを伝搬させることを意味する。増加した多数のモードからのスペックルパターンは、クラッドのガイドがない場合よりも少ない変化を有する。差異を低減したこのことにより、光を後方散乱させる総音響領域の能力が低減され、それによりSBS閾値が増加する。
【0017】
多数のモードからなる音響スペックルパターンを発生させることによるSBSの低減は、2つの実験に基づく事実によって支持される。第1の事実は、光ファイバ内のSBS閾値がバルクよりも高いということである。このことは、光ファイバ内の光領域に重なる総音出力は、該ファイバのガイド特性によりバルク内よりも大きくなければならす、また、ファイバ内におけるSBSの共振向上がなければならないので、多少反直観的である。しかし、スペックルパターンの全体の差異が低減されるように、この追加的な音出力が多数のモード間に分布する場合、最終的には、高いSBS閾値となる。この高い閾値は、実験的に調べられる。第2の事実は、SBS閾値が、単一クラッドファイバと比較して二重クラッドファイバにおいては増加するということである。この増加も、二重クラッド構造が、単一クラッド構造よりもより多くの音響モードを支持することができるという事実によって説明することができる。
【0018】
本発明に係る方法は、コア及びクラッドの、音波及び光波の導波及び非導波の性質を決定するように物性を設定する。音波をガイドするクラッドを実現するには、vclad<voutside cladの条件を満たさなければならない。屈折速度を増加させると共に、光屈折特性を維持するのに要する屈折率を増加させるドーパントは、本発明による音波をガイドし、かつ光波をガイドしないクラッドを形成するのに用いることができる。アルミニウムは、図1a及び図1bに示す従来のタイプの光ファイバのための一つの具体例としてのドーパントである。該ドーパントは、屈折速度を増加させるために、クラッドの外側部分に組み込むことができ、それにより図3aに示す本発明によって生成される屈折速度特性が得られる。この光ファイバのクラッドの外縁部における指数の増加は、光ファイバの前工程時に行える簡単な追加的拡散工程である。別法として、該指数の増加は、アルミニウムをドープした層を追加することによってなされてもよい。
【0019】
図2bに示す屈折速度特性を示す従来のタイプの光ファイバは、コアが音波をガイドしない異なる構造を有する。図2bに示す従来の光ファイバの一般的な実施においては、コアは純粋なシリカであるが、クラッドはドープされたフッ素である。光学的特性は、図1aに示す従来のファイバ構造と比較して、同じvcore>vcladであるが、コアの音波ガイド特性は逆にncore>ncladである。vclad>vbufferであるため、クラッドは音響エネルギをガイドしない。
【0020】
SBS閾値は、導波が生じないので、バルクと同じでなければならない。最初の構造に対してこの構造のSBSを低減する能力は、SBS相互作用時間内の放射された音響出力の大きさによる。本発明に従ってSBS閾値を低減するには、導波管特性を、図3bに示すように、クラッドが音波をガイドするように変更しなければならない。この構造を図3aに示す構造よりもより有効にするためには、音出力が、光領域と反応する前に、コアから放射されなければならない。換言すれば、導波クラッド音響モードは、音及び光領域が生じる間のSBS相互作用の前に確立されなければならない。このことが生じた場合、図3bの構造は、コアが音響エネルギを閉じ込めないので、図3aの構造よりも良好に作用する。
【0021】
図3bの構造は、例えば、フッ素をドープしたクラッドと比較して増加している屈折率及び増加した屈折速度を有する、純粋なシリカの外側クラッドを用いることによって得ることができる。ほとんど全ての音響エネルギはクラッドモードに結合され、その結果生じる多数のスペックルパターンは、有効なSBSをコア内に生成しない。
【0022】
二重クラッドファイバは、ポンプ光をガイドする高出力ファイバ源に用いられる、追加的な光ガイド構造を有する。二重クラッドファイバは、二重コアファイバとも呼ばれる。二重クラッドファイバの場合の従来の速度特性を図2cに示し、本発明に係る方法によって変更された二重クラッドファイバの場合の対応する理想的な屈折速度特性を図3cに示す。
【0023】
図3cの変更例は、内側クラッド(第2のコアともいう)よりも大きな屈折速度(及び内側クラッドよりも小さな光屈折率)を有する外側クラッド材を用いる。クラッド内で励起された共振音響モードは、コア音響モードの外側に音響エネルギを引き出す。その結果生じるスペックルパターンは、光が後方散乱する際に有効ではない。この効果は二重ファイバ内で生じることの証拠であることに注意されたい。このことは、追加的なクラッド構造が、音響領域の全体的なスペックルパターンの差異を低減する単一クラッドファイバと比較して、より多くの音響モードを伝搬させることができ、それによりSBS閾値を増加させるという本願明細書の説明と一致する。本発明の場合の基礎である提案された機構は、この効果を説明でき、かつ著しく(10倍以上の)高出力ファイバ源を得られるこの低減機構を制御及び向上させることができる。
【0024】
これにより、図3cに示す二重クラッド(二重コア)構造がもたらされた。周囲のクラッド12は、音波をガイドし、かつコア10の光モードに対して光をガイドしないが、コアの光モードの光増幅に用いることができるポンプ光はガイドするものである。外側クラッド20は、音響モードはガイドするが、光はガイドしない。本発明に係る方法を適用したこの配置においては、SBSは、コア10内で低減される。より少ない低減がクラッド12(第2のコア)内で実現されるが、ポンプ光の帯域は狭い必要はなく、そのためクラッド/第2のコア12は、コア10内の信号を増幅する良好な構造を実現できる。従って、例えば、光ファイバへの実際の適用においては、光信号の伝送にコア10を用い、光のポンピングにクラッド/第2のコア12を用いる。
【0025】
本発明の方法においては、その有用性を限定する2つの基本的に不明な点がある。
【0026】
1. 音波と光領域との間の重なりとSBSの大きさの量的な関係
2. SBS相互作用の時定数の大きさに対する、音響エネルギのガイドされる音響(〜a/vs2)モードへの結合のための時定数の大きさは?
これらの論点は低減の大きさに影響を及ぼすであろうが、本発明のSBS低減の基本的な適用に影響を及ぼさないであろう。本発明の範囲を逸脱することなく、それらの原理を鑑みて最適化が可能になる。
【0027】
本発明の様々な実施形態を図示及び説明してきたが、その他の変更例、置換及び代替例が可能であることが当業者には明らかであることを理解すべきである。そのような変更例、置換及び代替例は、本発明の主旨及び範囲を逸脱することなく実施でき、それらは添付クレームによって限定すべきである。
【0028】
本発明の様々な特徴は、添付クレームに記載する。
【図面の簡単な説明】
【図1a】図1aは従来の単一クラッド光ファイバの場合の光屈折率特性を示すグラフである。
【図1b】図1bは従来の二重クラッド光ファイバの場合の光屈折率特性を示すグラフである。
【図2a】図2aは従来よく使用される、Geドープコアシリカ単一クラッド光ファイバにおける音波モードに対する屈折速度特性のグラフである。
【図2b】図2bは従来のあまり一般的でない光ファイバにおける音波モードに対する屈折速度特性のグラフである。
【図2c】図2cは従来の二重クラッド(別名、二重コア)光ファイバの場合の屈折速度特性のグラフである。
【図3a】図3aは図2aの屈折速度特性を有するタイプの光ファイバに対応する、本発明の方法によって形成された光ファイバの場合の屈折速度特性を示すグラフである。
【図3b】図3bは図2bの屈折速度特性を有するタイプの光ファイバに対応する、本発明の方法によって形成された光ファイバの場合の屈折速度特性を示すグラフである。
【図3c】図3cは図2cの屈折速度特性に対応する、本発明の方法によって形成された光ファイバの屈折速度特性を示すグラフである。
本発明は、導波管システム及びデバイスに関する。
【0002】
(発明の背景)
導波管は、光の伝搬を制御された様式に指示する。そのため導波管は、制御された光の使用に依存するシステム及びデバイスの重要な構成要素である。多くの現代のデバイスにおける導波管のスケールは、通信システムにおいて使用される髪の毛のサイズの光ファイバによって例示される。電話システム等の通信システムにおいては、電気信号を用いた通信から光信号を用いた通信へと変化しつつある。実際の理由は、光駆動システムへの焦点の移動がある。電気信号とは違って、光信号は、一般に、電源ラインや雷によって発生する電磁界による影響を受けない。これらの障害の源は、電気信号中にノイズを発生させるが、光信号は影響を受けない。
光信号の情報容量は、有線や無線の電気通信システムに用いられる低周波の電気信号よりもはるかに潜在力がある。一般に、高周波信号搬送波は、低周波信号搬送波よりも多くの情報容量を可能にする。これは、高周波信号の広い帯域によるものである。光信号によって通信することの別の重要な恩恵は、伝送媒体として用いられる光ファイバの上述した小さなサイズである。髪の毛のサイズの寸法を有する一般的なファイバは、それに比べて大きな径を有する銅線の束の代わりに適切である。現代において情報アクセスに対する要求が大きくなるにつれて、光伝送システムの使用は、地下、地上及び構内通信システムの設置スペースに対する要求を少なくした。
【0003】
導波管を介した光エネルギの別の重要な用途は、切断、武器、および光出力レーザ技術である。導波管を介して直進するレーザ光は、機械部品から難しい手術を受ける患者まで全てのものを切断するのに有用なレーザを形成する。武器技術は、レーザ光からのエネルギに基づく破壊を用いて、ミサイル等の発射物を追尾して破壊するシステムのための将来性のある基礎としてレーザ光に注目が集まっている。
【0004】
しかし、そのような光エネルギシステムの実際の実施には、共通する問題点がある。光ファイバ等の導波管は、損失を伴う。この損失は、送信機と受信機とを離すことのできる距離を制限する。該損失は、一般に、光信号減衰と呼ばれる。伝送媒体として機能する光ファイバによる信号光の吸収は、減衰を引き起こす一つの要因である。減衰を引き起こす別の要因は、一般に光ファイバの湾曲部で発生する、元の伝送及び放射損失よりも広範囲の波長にわたる信号光の散乱である。これらの個別の損失が合わさって、キロメートル当たりのデシベルで測定される特定の光伝送媒体に対する全体の信号減衰特性になる。
【0005】
誘導ブリユアン散乱(Stimulated Brillouin Scattering;SBS)と呼ばれる効果が、導波管の有効性を制限する散乱損の根本的な原因として認識されてきている。SBSは、光エネルギと音響エネルギとの相互作用である。光導波管、例えば、光ファイバのコアにガイドされた光エネルギは、音響エネルギを発生させる。既に知られているように、一定量の光パワーが、他の光源から導波管内に一旦入射すると、あるいは該導波管内で発生すると、SBS効果により光エネルギが該光源に後方散乱される。一般的な導波管、例えば光ファイバケーブルは、低信号出力において有効なSBS相互作用に対して十分長く(数十メートル)、SBSは、SBSプロセスのスペクトル幅よりも小さなスペクトル幅によって信号に影響を及ぼすことが知られている。この後方散乱は、全てではないが、ほとんどの用途において有害である。
【0006】
従って、SBS効果を克服又は低減することは、多くの導波管システム及びデバイスに大きな影響を与えるであろう。より多くのパワーを光通信ファイバに入射させる能力は、例えば、中継器の数を減らすという別の利点、あるいは、中継器間の距離が保たれる場合に、高情報容量を実現できるという別の利点を有する。切断レーザや武器等の高出力レーザを作用させる作業の分野において、SBS効果を克服することは、小さな半導体レーザを用いる可能性につながる。半導体レーザは、消費電力やその小型なことにおいて有利であるが、それらは未だに、レーザによって生じた全体的に限定されたパワーによりレーザを作用させる作業のように応用範囲が広がっていない。導波管の効率を向上させることは、発生した限定されたパワーのより効果的な用途を可能にし、また多重レーザからの個別のパワーの組合せを可能にするであろう。
【0007】
現在、最高輝度の持続波レーザ源は、光ファイバレーザ及び光ファイバ増幅レーザ源である。例えば、レーザー兵器、切断用高出力レーザ、高出力フリースペースレーザ通信、追尾システム用高出力レーザ、あるいは地球―衛星間のパワーデリバリーシステムを実現するには、所望の出力を得られるように、多数のファイバを組み合わせなければならない。しかし、各ファイバ内の信号は、広範なビーム伝搬距離にわたる、ファイバ束の出力のビームステアリング及び領域形成を可能にするのに十分コヒーレント(狭スペクトル幅)でなければならない。その結果、高出力ファイバ技術は、SBSによって不十分な出力に制限されるということになる。従って、光ファイバにおけるSBS問題を克服することは、次世代のレーザ及び重要な用途への門戸を開くことになるであろう。即ち、導波管におけるSBS効果を制限する改善された方法に対する要求がある。本発明の目的は、そのような改善された方法を提供することである。
【0008】
(発明の要約)
以上の及びその他の要望、及び本発明の目的は、導波管におけるSBSを低減する本発明の方法によってかなえられ、あるいは達成される。本発明に係る方法は、光をガイドする導波管の部分から離れてガイドされるように生成された音波を制御する。本発明に係る方法は、SBS効果が低減され、かつシステム効率が向上した新規のシステム及びデバイスを生み出す。
本発明の好適な単一クラッド光ファイバにおいては、該光ファイバの導波管のコアの周囲のクラッドは、コア内にガイドされる光によって発生した音波をガイドするように設定される。即ち、音波は上記クラッド内にガイドされる。そして、SBS効果の実質的な低減は、光をガイドするコア内で実現される。
【0009】
本発明に係る方法は、光ファイバ等の単一クラッド光導波管はもちろん、二重クラッド光ファイバ及びその他の導波管に適用できる。好適な二重クラッド(別名、二重コア)導波管構造は、伝送される光をガイドするために用いられるコア内における低減されたSBS効果を有するポンプレーザシステムの実現を可能にし、かつコア内の光をポンピング(増幅)できるようにする。第2のコアは、伝送される光をガイドするために使用されるコアの外側に音波をガイドし、かつ光伝送のためのコア内で伝送される光を増幅するポンプ光をガイドする。ポンピングは、第2の「ポンプ」コアを、光をガイドせずに音波をガイドするクラッドで被覆することによって補助される。
本発明の他の目的、特徴及び効果は、詳細な説明及び添付図面から明らかになるであろう。
【0010】
(発明を実施するための最良の形態)
本発明は、一般に、光導波管におけるSBS効果を低減する方法である。本発明の第一の主題は、コア内で該コアにガイドされた光信号によって発生した音波エネルギは、コアの周囲の物質内にガイドされるということである。即ち、例えば、単一クラッド光ファイバにおいては、上記方法は、コアの周囲のクラッドが音波をガイドするように設定する。該クラッドは音波をコアの外側にガイドし、SBS効果はコア内で低減される。本発明の方法は、コア、例えば、導光のための部分と、クラッド、例えば、光をコア内に閉じ込めるための部分と、そのような導波管を用いたシステム及びデバイスを有する様々な導波管構造に適用できる。本願明細書での議論は、主に、好適な単一及び二重クラッド光ファイバに向けられているが、当該技術者は、導波管を用いた他のデバイス及びシステムに対する本発明の広範な適用範囲を認識するであろう。
【0011】
導波管の基本的な音波ガイド特性は、導波管の音波の速度によって決定される。音波の速度は、
【0012】
【数1】
で示される。ただし、vは屈折速度であり、aは半径である。音波は、vwaveguide<vcladの場合にガイドされる。同じ原理が、導波管を包囲するクラッドにあてはまる。クラッドを包囲する物質が、クラッドよりも大きい屈折速度を有する場合、音波は該クラッドによりガイドされる。光ファイバの場合、該光ファイバの機械的特性を向上させるためにクラッドに被覆されているバッファ材は、通常、ガラスよりも柔らかく(即ち、密度が低い)、従って該クラッドは、該光ファイバ内に音波をガイドしない。
【0013】
このような光ファイバの光屈折率特性を図1aに示す。図1aの光ファイバは、電気通信業界で一般に使用されているシングルモードファイバである。コア10の屈折率は、クラッド12及びバッファ14の屈折率を上回り、バッファ14の屈折率は、クラッド12の屈折率を上回る。一般的な二重クラッド光ファイバを図1bに示すが、該光ファイバは、クラッド12(クラッド12は、第2のコアともいう)の屈折率よりも小さい屈折率を有する外側クラッド16を有する。本発明は、これら及びその他の導波管構造に適用できる。図1bのタイプの光ファイバは、本発明により光をガイドするように変更することができ、また、音出力の分布を制御することによってSBSを低減することもできる。
【0014】
一般的な電気通信用ファイバは、Geドープ・コア及び純粋なシリカ・クラッドを使用する。これらの材質の場合、ncore>nclad>、vcore>vcladであり、そのため該光ファイバのコアは、光波及び音波の両方をガイドする。nclad<nbuffer及びvclad>vbufferであるため、光波及び音波のどちらもクラッドによってはガイドされない。
【0015】
上記コアは、シングルモード光領域を有する領域が重なっているため、優勢な最も低いオーダーのモードで音響モードをガイドする。特に、クラッドは音響モードをガイドしない。SBSプロセスの共振向上は、音響エネルギとコア内にガイドされた音波との結合によって生じる。従来の光ファイバの場合の屈折速度特性を図2a(シングルモード)、図2b(シングルモード)及び図2c(二重クラッド)に示す。本発明に係る方法は、音響モードをガイドするようにクラッド特性を設定し、図3a(シングルモード)、図3b(シングルモード)及び図3c(二重クラッド)にそれぞれ示す新規の屈折速度特性をもたらす。追加的な外側クラッド層20は、変更された屈折速度特性を形成するのを補助するために用いられる。外側クラッド層20は、クラッド12とは別の層とすることができ、あるいは、クラッド12の外側部にドープすることによって実現することができる。
【0016】
クラッドによるこの音響モードのガイドは、2つの方法でSBSを低減する。コアの外側の音響エネルギを、SBS相互作用時間よりも速いクラッドモード内に結合することは、コア内よりもクラッド内により多く伝わる著しく大量のパワーを生じ、それによりSBS閾値が増大する。第2の独立した効果は、音響モードの総数が増加するということである。そのため、総音出力は、より多くのモードにわたって配分される。それらのモードは、光ファイバ内に音響スペックルパターンを生成することを妨げる。このスペックルパターンの空間的な変形または差異は、何が光を後方散乱させるかということである。クラッドに音響エネルギをガイドさせることは、より多くの音響モードを伝搬させることを意味する。増加した多数のモードからのスペックルパターンは、クラッドのガイドがない場合よりも少ない変化を有する。差異を低減したこのことにより、光を後方散乱させる総音響領域の能力が低減され、それによりSBS閾値が増加する。
【0017】
多数のモードからなる音響スペックルパターンを発生させることによるSBSの低減は、2つの実験に基づく事実によって支持される。第1の事実は、光ファイバ内のSBS閾値がバルクよりも高いということである。このことは、光ファイバ内の光領域に重なる総音出力は、該ファイバのガイド特性によりバルク内よりも大きくなければならす、また、ファイバ内におけるSBSの共振向上がなければならないので、多少反直観的である。しかし、スペックルパターンの全体の差異が低減されるように、この追加的な音出力が多数のモード間に分布する場合、最終的には、高いSBS閾値となる。この高い閾値は、実験的に調べられる。第2の事実は、SBS閾値が、単一クラッドファイバと比較して二重クラッドファイバにおいては増加するということである。この増加も、二重クラッド構造が、単一クラッド構造よりもより多くの音響モードを支持することができるという事実によって説明することができる。
【0018】
本発明に係る方法は、コア及びクラッドの、音波及び光波の導波及び非導波の性質を決定するように物性を設定する。音波をガイドするクラッドを実現するには、vclad<voutside cladの条件を満たさなければならない。屈折速度を増加させると共に、光屈折特性を維持するのに要する屈折率を増加させるドーパントは、本発明による音波をガイドし、かつ光波をガイドしないクラッドを形成するのに用いることができる。アルミニウムは、図1a及び図1bに示す従来のタイプの光ファイバのための一つの具体例としてのドーパントである。該ドーパントは、屈折速度を増加させるために、クラッドの外側部分に組み込むことができ、それにより図3aに示す本発明によって生成される屈折速度特性が得られる。この光ファイバのクラッドの外縁部における指数の増加は、光ファイバの前工程時に行える簡単な追加的拡散工程である。別法として、該指数の増加は、アルミニウムをドープした層を追加することによってなされてもよい。
【0019】
図2bに示す屈折速度特性を示す従来のタイプの光ファイバは、コアが音波をガイドしない異なる構造を有する。図2bに示す従来の光ファイバの一般的な実施においては、コアは純粋なシリカであるが、クラッドはドープされたフッ素である。光学的特性は、図1aに示す従来のファイバ構造と比較して、同じvcore>vcladであるが、コアの音波ガイド特性は逆にncore>ncladである。vclad>vbufferであるため、クラッドは音響エネルギをガイドしない。
【0020】
SBS閾値は、導波が生じないので、バルクと同じでなければならない。最初の構造に対してこの構造のSBSを低減する能力は、SBS相互作用時間内の放射された音響出力の大きさによる。本発明に従ってSBS閾値を低減するには、導波管特性を、図3bに示すように、クラッドが音波をガイドするように変更しなければならない。この構造を図3aに示す構造よりもより有効にするためには、音出力が、光領域と反応する前に、コアから放射されなければならない。換言すれば、導波クラッド音響モードは、音及び光領域が生じる間のSBS相互作用の前に確立されなければならない。このことが生じた場合、図3bの構造は、コアが音響エネルギを閉じ込めないので、図3aの構造よりも良好に作用する。
【0021】
図3bの構造は、例えば、フッ素をドープしたクラッドと比較して増加している屈折率及び増加した屈折速度を有する、純粋なシリカの外側クラッドを用いることによって得ることができる。ほとんど全ての音響エネルギはクラッドモードに結合され、その結果生じる多数のスペックルパターンは、有効なSBSをコア内に生成しない。
【0022】
二重クラッドファイバは、ポンプ光をガイドする高出力ファイバ源に用いられる、追加的な光ガイド構造を有する。二重クラッドファイバは、二重コアファイバとも呼ばれる。二重クラッドファイバの場合の従来の速度特性を図2cに示し、本発明に係る方法によって変更された二重クラッドファイバの場合の対応する理想的な屈折速度特性を図3cに示す。
【0023】
図3cの変更例は、内側クラッド(第2のコアともいう)よりも大きな屈折速度(及び内側クラッドよりも小さな光屈折率)を有する外側クラッド材を用いる。クラッド内で励起された共振音響モードは、コア音響モードの外側に音響エネルギを引き出す。その結果生じるスペックルパターンは、光が後方散乱する際に有効ではない。この効果は二重ファイバ内で生じることの証拠であることに注意されたい。このことは、追加的なクラッド構造が、音響領域の全体的なスペックルパターンの差異を低減する単一クラッドファイバと比較して、より多くの音響モードを伝搬させることができ、それによりSBS閾値を増加させるという本願明細書の説明と一致する。本発明の場合の基礎である提案された機構は、この効果を説明でき、かつ著しく(10倍以上の)高出力ファイバ源を得られるこの低減機構を制御及び向上させることができる。
【0024】
これにより、図3cに示す二重クラッド(二重コア)構造がもたらされた。周囲のクラッド12は、音波をガイドし、かつコア10の光モードに対して光をガイドしないが、コアの光モードの光増幅に用いることができるポンプ光はガイドするものである。外側クラッド20は、音響モードはガイドするが、光はガイドしない。本発明に係る方法を適用したこの配置においては、SBSは、コア10内で低減される。より少ない低減がクラッド12(第2のコア)内で実現されるが、ポンプ光の帯域は狭い必要はなく、そのためクラッド/第2のコア12は、コア10内の信号を増幅する良好な構造を実現できる。従って、例えば、光ファイバへの実際の適用においては、光信号の伝送にコア10を用い、光のポンピングにクラッド/第2のコア12を用いる。
【0025】
本発明の方法においては、その有用性を限定する2つの基本的に不明な点がある。
【0026】
1. 音波と光領域との間の重なりとSBSの大きさの量的な関係
2. SBS相互作用の時定数の大きさに対する、音響エネルギのガイドされる音響(〜a/vs2)モードへの結合のための時定数の大きさは?
これらの論点は低減の大きさに影響を及ぼすであろうが、本発明のSBS低減の基本的な適用に影響を及ぼさないであろう。本発明の範囲を逸脱することなく、それらの原理を鑑みて最適化が可能になる。
【0027】
本発明の様々な実施形態を図示及び説明してきたが、その他の変更例、置換及び代替例が可能であることが当業者には明らかであることを理解すべきである。そのような変更例、置換及び代替例は、本発明の主旨及び範囲を逸脱することなく実施でき、それらは添付クレームによって限定すべきである。
【0028】
本発明の様々な特徴は、添付クレームに記載する。
【図面の簡単な説明】
【図1a】図1aは従来の単一クラッド光ファイバの場合の光屈折率特性を示すグラフである。
【図1b】図1bは従来の二重クラッド光ファイバの場合の光屈折率特性を示すグラフである。
【図2a】図2aは従来よく使用される、Geドープコアシリカ単一クラッド光ファイバにおける音波モードに対する屈折速度特性のグラフである。
【図2b】図2bは従来のあまり一般的でない光ファイバにおける音波モードに対する屈折速度特性のグラフである。
【図2c】図2cは従来の二重クラッド(別名、二重コア)光ファイバの場合の屈折速度特性のグラフである。
【図3a】図3aは図2aの屈折速度特性を有するタイプの光ファイバに対応する、本発明の方法によって形成された光ファイバの場合の屈折速度特性を示すグラフである。
【図3b】図3bは図2bの屈折速度特性を有するタイプの光ファイバに対応する、本発明の方法によって形成された光ファイバの場合の屈折速度特性を示すグラフである。
【図3c】図3cは図2cの屈折速度特性に対応する、本発明の方法によって形成された光ファイバの屈折速度特性を示すグラフである。
Claims (8)
- クラッド及びコアを有する光導波管における誘導ブリユアン散乱を低減する方法であって、
光波をガイドするためのコア特性を設定するステップと、
前記コアにガイドされる光波を封じ込めるようにコア特性に対してクラッド特性を設定するステップと、
音波をガイドするように前記クラッド特性を設定するステップとを備える方法。 - 前記クラッド特性を設定するステップが、前記クラッドの物性を制御することからなることを特徴とする請求項1に記載の方法。
- 前記クラッドの物性が、ドーピングによって制御されることを特徴とする請求項2に記載の方法。
- 前記クラッド特性を設定するステップが、音波導波層を非音波導波層に加えることからなることを特徴とする請求項1に記載の方法。
- クラッドと、コアが周囲のクラッドの音波屈折速度よりも小さい音波屈折速度を有するコア構造とを有する光導波管における誘導ブリユアン散乱を低減する方法であって、
前記コアに隣接する前記クラッドの内部が、前記コアの音波屈折速度を超える音波屈折速度を有し、かつ前記クラッドの外部が、前記クラッドの内部の音波屈折速度を超える音波屈折速度を有する、屈折速度特性を作成することを含む方法。 - 二重クラッドと、コアが周囲の内方のクラッドの音波屈折速度よりも小さい音波屈折速度を有するコア構造とを有する光導波管における誘導ブリユアン散乱を低減する方法であって、
前記コアを包囲する前記内方のクラッドが、前記コアの音波屈折速度を超える音波屈折速度を有し、かつ前記内方のクラッドを包囲する外方のクラッドが、前記内方のクラッドの音波屈折速度を超える音波屈折速度を有する、屈折速度特性を作成することを含む方法。 - クラッドと、コアが周囲のクラッドの音波屈折速度よりも大きい音波屈折速度を有するコア構造とを有する光導波管における誘導ブリユアン散乱を低減する方法であって、
前記コアに隣接する前記クラッドの内部が、前記コアの音波屈折速度より小さい音波屈折速度を有し、かつ前記クラッドの外部が、前記クラッドの内部の音波屈折速度を超える音波屈折速度を有する、屈折速度特性を作成することを含む方法。 - 低減された誘導ブリユアン散乱効果を有する光システムであって、
光源と、
前記光源からの光出力をガイドし、前記光出力をガイドするコア(10)と、前記光出力を封じ込めるクラッド(12)とを有する導波管であって、前記クラッドが音波をガイドする導波管とを備える光システム。
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
US09/638,239 US6587623B1 (en) | 2000-08-14 | 2000-08-14 | Method for reducing stimulated brillouin scattering in waveguide systems and devices |
PCT/US2001/041682 WO2002014920A1 (en) | 2000-08-14 | 2001-08-13 | Method for reducing stimulated brillouin scattering in waveguide systems and devices |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004506930A true JP2004506930A (ja) | 2004-03-04 |
Family
ID=24559195
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002519993A Pending JP2004506930A (ja) | 2000-08-14 | 2001-08-13 | 導波管システム及びデバイスにおける誘導ブリユアン散乱を低減する方法 |
Country Status (7)
Country | Link |
---|---|
US (2) | US6587623B1 (ja) |
EP (1) | EP1325367A4 (ja) |
JP (1) | JP2004506930A (ja) |
KR (1) | KR20030051615A (ja) |
AU (1) | AU2001291258A1 (ja) |
CA (1) | CA2418250A1 (ja) |
WO (1) | WO2002014920A1 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2006049279A1 (ja) * | 2004-11-05 | 2006-05-11 | Fujikura Ltd. | 光ファイバ及び伝送システム並びに波長多重伝送システム |
Families Citing this family (35)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6587623B1 (en) * | 2000-08-14 | 2003-07-01 | The Board Of Trustees Of The University Of Illinois | Method for reducing stimulated brillouin scattering in waveguide systems and devices |
GB0221858D0 (en) * | 2002-09-20 | 2002-10-30 | Southampton Photonics Ltd | An optical fibre for high power lasers and amplifiers |
US7079749B2 (en) * | 2003-01-27 | 2006-07-18 | Peter Dragic | Waveguide configuration |
US7209626B2 (en) * | 2003-01-27 | 2007-04-24 | Peter Dragic | Waveguide configuration |
US6952519B2 (en) * | 2003-05-02 | 2005-10-04 | Corning Incorporated | Large effective area high SBS threshold optical fiber |
WO2005062092A1 (en) * | 2003-12-19 | 2005-07-07 | Corning Incorporated | High stimulated brillouin scattering threshold non zero dispersion shifted optical fiber |
US20050135735A1 (en) * | 2003-12-19 | 2005-06-23 | Bernhard Deutsch | Architectures for optical networks |
US7006752B2 (en) * | 2004-03-23 | 2006-02-28 | Peter Dragic | Codoped Al-Yb waveguide and method of manufacturing same |
US7082243B2 (en) * | 2004-04-05 | 2006-07-25 | Corning Incorporated | Large effective area high SBS threshold optical fiber |
US7113659B2 (en) * | 2004-06-04 | 2006-09-26 | Weatherford/Lamb, Inc. | Efficient distributed sensor fiber |
US7167621B2 (en) * | 2004-11-03 | 2007-01-23 | Nufern | Optical fiber with suppressed stimulated Brillouin scattering and method for making such a fiber |
JP4400454B2 (ja) * | 2004-12-27 | 2010-01-20 | 住友電気工業株式会社 | 光ファイバ |
JP5410750B2 (ja) * | 2005-06-15 | 2014-02-05 | コーニング インコーポレイテッド | アルミニウムドーパントを含む高sbs閾値光ファイバ |
US7130514B1 (en) | 2005-06-15 | 2006-10-31 | Corning Incorporated | High SBS threshold optical fiber |
US7228039B2 (en) * | 2005-06-15 | 2007-06-05 | Corning Incorporated | High SBS threshold optical fiber with fluorine dopant |
US7486852B2 (en) * | 2005-07-20 | 2009-02-03 | Northrop Grumman Corporation | Apparatus and method for suppression of stimulated brillouin scattering in an optical fiber |
EP1764633A1 (en) | 2005-09-09 | 2007-03-21 | Draka Comteq B.V. | Optical fiber with reduced stimulated brillouin scattering |
FR2893149B1 (fr) * | 2005-11-10 | 2008-01-11 | Draka Comteq France | Fibre optique monomode. |
FR2899693B1 (fr) * | 2006-04-10 | 2008-08-22 | Draka Comteq France | Fibre optique monomode. |
US7835609B2 (en) * | 2006-09-14 | 2010-11-16 | Fujikura Ltd. | Optical fiber and optical fiber preform |
US8965162B2 (en) * | 2006-09-27 | 2015-02-24 | Peter Dragic | Anti-guiding waveguides |
US7840110B1 (en) * | 2006-09-27 | 2010-11-23 | Peter Danny Dragic | Optical waveguide |
DK1930753T3 (en) * | 2006-12-04 | 2015-03-30 | Draka Comteq Bv | Optical fiber having a high Brillouin threshold strength and low bending |
US7577178B2 (en) * | 2007-01-23 | 2009-08-18 | Peter Dragic | Narrow linewidth injection seeded Q-switched fiber ring laser based on a low-SBS fiber |
US7782911B2 (en) * | 2007-02-21 | 2010-08-24 | Deep Photonics Corporation | Method and apparatus for increasing fiber laser output power |
BRPI0819166B1 (pt) | 2007-11-09 | 2019-03-06 | Draka Comteq, B.V. | Fibra óptica, e caixa óptica |
FR2930997B1 (fr) * | 2008-05-06 | 2010-08-13 | Draka Comteq France Sa | Fibre optique monomode |
US7822314B1 (en) | 2008-07-02 | 2010-10-26 | The United States Of America As Represented By The Secretary Of The Air Force | Segmented acoustic core photonic crystal fiber laser |
US7974319B2 (en) * | 2008-11-21 | 2011-07-05 | Institut National D'optique | Spectrally tailored pulsed fiber laser oscillator |
EP2389604B1 (en) * | 2009-01-23 | 2021-10-27 | Nufern | Optical fiber with suppressed stimulated brillouin scattering |
US8824519B1 (en) * | 2013-03-01 | 2014-09-02 | Princeton Optronics Inc. | VCSEL pumped fiber optic gain systems |
US20180081112A1 (en) * | 2016-09-20 | 2018-03-22 | Honeywell International Inc. | Acoustic ridge or rib waveguides in low-loss integrated optical platforms |
US10281646B2 (en) | 2016-09-20 | 2019-05-07 | Honeywell International Inc. | Etchless acoustic waveguiding in integrated acousto-optic waveguides |
US10254481B2 (en) | 2016-09-20 | 2019-04-09 | Honeywell International Inc. | Integrated waveguide with reduced brillouin gain and a corresponding reduction in the magnitude of an induced stokes wave |
US10312658B2 (en) | 2017-06-22 | 2019-06-04 | Honeywell International Inc. | Brillouin gain spectral position control of claddings for tuning acousto-optic waveguides |
Family Cites Families (12)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US4435040A (en) * | 1981-09-03 | 1984-03-06 | Bell Telephone Laboratories, Incorporated | Double-clad optical fiberguide |
JPS60257408A (ja) * | 1984-06-04 | 1985-12-19 | Shin Etsu Chem Co Ltd | 光フアイバおよびその製造方法 |
US4820018A (en) * | 1987-10-30 | 1989-04-11 | Gte Laboratories Incorporated | Optical fiber for light amplification |
US5058976A (en) * | 1990-08-03 | 1991-10-22 | At&T Bell Laboratories | System comprising Er-doped optical fiber |
CA2053212A1 (en) * | 1991-10-11 | 1993-04-11 | Cheng-Kuei Jen | Optical fibers with preset stimulated backward brillouin scattering thresholds |
CA2060424C (en) * | 1992-01-31 | 1999-12-07 | Ming-Jun Li | Optical coupling element |
US5337387A (en) * | 1993-05-27 | 1994-08-09 | The United States Of America As Represented By The United States Department Of Energy | Method for the continuous processing of hermetic fiber optic components and the resultant fiber optic-to-metal components |
JP3773575B2 (ja) * | 1996-01-12 | 2006-05-10 | 富士通株式会社 | ドープファイバ、そのスプライシング方法及び光増幅器 |
TW342460B (en) * | 1996-01-16 | 1998-10-11 | Sumitomo Electric Industries | A dispersion shift fiber |
US6542683B1 (en) * | 1997-07-15 | 2003-04-01 | Corning Incorporated | Suppression of stimulated Brillouin scattering in optical fiber |
US6587623B1 (en) * | 2000-08-14 | 2003-07-01 | The Board Of Trustees Of The University Of Illinois | Method for reducing stimulated brillouin scattering in waveguide systems and devices |
US6687440B2 (en) * | 2001-02-28 | 2004-02-03 | The Boeing Company | Optical fiber having an elevated threshold for stimulated brillouin scattering |
-
2000
- 2000-08-14 US US09/638,239 patent/US6587623B1/en not_active Expired - Fee Related
-
2001
- 2001-08-13 AU AU2001291258A patent/AU2001291258A1/en not_active Abandoned
- 2001-08-13 WO PCT/US2001/041682 patent/WO2002014920A1/en not_active Application Discontinuation
- 2001-08-13 KR KR10-2003-7001976A patent/KR20030051615A/ko not_active Application Discontinuation
- 2001-08-13 EP EP01971363A patent/EP1325367A4/en not_active Withdrawn
- 2001-08-13 CA CA002418250A patent/CA2418250A1/en not_active Abandoned
- 2001-08-13 JP JP2002519993A patent/JP2004506930A/ja active Pending
-
2003
- 2003-06-16 US US10/463,862 patent/US20040096170A1/en not_active Abandoned
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2006049279A1 (ja) * | 2004-11-05 | 2006-05-11 | Fujikura Ltd. | 光ファイバ及び伝送システム並びに波長多重伝送システム |
JPWO2006049279A1 (ja) * | 2004-11-05 | 2008-05-29 | 株式会社フジクラ | 光ファイバ及び伝送システム並びに波長多重伝送システム |
US7526168B2 (en) | 2004-11-05 | 2009-04-28 | Fujikura Ltd. | Optical fiber, transmission system, and wavelength division multiplexing system |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
US6587623B1 (en) | 2003-07-01 |
CA2418250A1 (en) | 2002-02-21 |
AU2001291258A1 (en) | 2002-02-25 |
EP1325367A4 (en) | 2006-09-20 |
US20040096170A1 (en) | 2004-05-20 |
WO2002014920A1 (en) | 2002-02-21 |
KR20030051615A (ko) | 2003-06-25 |
EP1325367A1 (en) | 2003-07-09 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2004506930A (ja) | 導波管システム及びデバイスにおける誘導ブリユアン散乱を低減する方法 | |
US7649914B2 (en) | Optical fibre laser | |
JP5265211B2 (ja) | 迷光を放散させるための光ファイバの構成 | |
KR920006591B1 (ko) | 광섬유 증폭기 | |
JP6683775B2 (ja) | 非一様に構成されたファイバ−ファイバロッドマルチモード増幅器を備える超ハイパワー単一モードファイバレーザシステム | |
US20110134512A1 (en) | Double clad fiber laser device | |
JP6445938B2 (ja) | マルチコア光ファイバ及び光増幅器 | |
JP2008511862A (ja) | 半導体に基づくラマンレーザ及び増幅器用半導体導波路における二光子吸収による生成キャリアのライフタイム短縮 | |
EP2965135B1 (en) | Ultra high power single mode fiber laser system with non-uniformly configured fiber-to-fiber rod multimode amplifier | |
EP2795746A1 (en) | High power fiber laser system with distributive mode absorber | |
JP5688565B2 (ja) | ファイバレーザ装置と光増幅方法 | |
CA2499089C (en) | Polarisation-dependent optical fibre amplifier | |
JP4812175B2 (ja) | 導波路構造を含む装置 | |
US6600597B2 (en) | Photonic crystal amplifier for optical telecommunications system | |
US6970631B2 (en) | Suppression of cladding mode loss in fiber amplifiers with distributed suppression of amplified spontaneous emission (ASE) | |
CN210779471U (zh) | 光纤激光器及其冷却装置 | |
RU2309500C2 (ru) | Оптический усилитель с накачкой на множественных длинах волн | |
JP2019175886A (ja) | ファイバレーザ装置 | |
US20030117699A1 (en) | Use of photonic band gap structures in optical amplifiers | |
JP4873645B2 (ja) | 光ファイバラマンレーザ装置 | |
JP2006503420A (ja) | 多数の波長のポンピングを行う光増幅器 | |
JP2021519946A (ja) | 誘導ブリルアン散乱(sbs)の抑制 | |
JP2006505117A (ja) | 光増幅器 | |
CN110797736A (zh) | 光纤激光器及其冷却装置 | |
US20020154388A1 (en) | A multimode optical amplifying fiber with a transversely coupled optical pumping beam |