JP2004506214A - 破滅的事象を受ける構造体を分析するためのシステムおよび方法。 - Google Patents
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Abstract
破滅的事象を受ける構造体を分析するためのコンピュータでインプリメントされるシステムおよび方法。該システムは、直線弾性入力データ(202)を用いて、非直線ヒステリシス挙動(204)を自動的に決定する。非直線モデルは、次いで、多数の非直線分析法(206)のいずれか一つにより、分析される。このシステムおよび方法は、コンピュータの処理ロードを低減している。
Description
【0001】
<発明の属する技術分野>
本発明は、構造体分析システムに、より詳しくは、地震、ハリケーン、竜巻、および人造の危険などの破滅的事象を受ける構造体を分析するためのシステムに関する。
【0002】
<従来の技術>
最近の地震―カリフォルニア州(1989年Loma Prieta、1994年Northbridge)、日本(1995年神戸)、トルコ(1999年)、および台湾(1999年)―は、構造体の地震に対する脆弱性およびこのような事象による驚くべき損失をはっきりと示した。Northbridgeの地震による損失は、地震だけでも150億ドルと推定されている。神戸地震の損失は、数千億ドルと推定されている。
【0003】
米国の西海岸と太平洋沿岸北西部の州は全て、地震を受けやすい。新マドリッド(New Madrid)欠陥の発見は、米国の中西部に大きな危険をもたらしている。
【0004】
フロリダからロードアイランドまでの米国の東海岸も、ハリケーンを受けやすい。ハリケーンシーズンは、一般に、毎年6月から11月まで続く。平均して、メキシコ湾には、毎年12〜14個のハリケーンが発生している。これらハリケーンによる損失も、数千億ドルと推定されている。損失は、ハリケーンAndrewだけでも、250億ドルと推定されている。
【0005】
これら地域に建てられた全ての構造体は、国家、地方および地域の建造物コードに従って設計されているが、これら事象においては、破滅的な破壊および破損が有る。その原因を理解するためには、建造物コードを分析する必要が有る。
【0006】
建造物の地震設計力は、通例、「一様建造物コード(Uniform Building Code )(UBC)」により得る。UBCは、適宜更新され、現在は、1997年版のUBCが、有効である。UBCは、「本書の地震条項の主目的は、損傷または機能の維持に限らず、主要な構造上の破損および生命の喪失に対して保護を与えることである。」と述べている。カリフォルニア州構造体技術者協会(Structural Engineers Association of California)(SEAOC)の1996年論評では、このUSBの文に加えて、「あるいは容易な修理を提供することである」と、述べている。
【0007】
該コードが推奨する基本的な設計手順は、構造体は、設計レベルの地震中、非弾性挙動を受け、損傷を維持することになる、すなわち、永久的に変形または破損する場合がある、と仮定している。これは、1997年版UBCのR係数(すなわち、横方向力抵抗システムの固有の超過強度および包括的延性能力を表す数値係数)を使用して、構造体に対する設計横方向力を減らすことを意味している。代表的な設計手順は、次の通りである。すなわち、1.設計レベルの地震強度の選定;2.コード推奨のR係数による、設計地震から計算された印加力(例えば、基礎剪断力)の低減;および3.これら低減された力レベルに対し、(直線弾性分析の現在の慣行を用いて)構造体を設計し、構造体が、その最初の形状を、荷重印加後も取るように、弾性レスポンスを保証する。
【0008】
コードでは、異なる構造体タイプに対して、最高のR係数を推奨している。しかしながら、問題の構造体に対して、最高許容コード値以下の適当な係数を選択することは、設計者の自由に任せられている。R係数の選択は、一般に、所有者が確立したいと望んでいる性能基準により決定される。したがって、構造体が設計レベルの地震力に対して損傷されないことを、所有者が、望む場合は、設計者は、1.0に等しいRの値を選定するであろう。この決定は、しかしながら、構造体のコストの相当な増大となり、また、ランダムな種類の地震発生を考えれば、この選択は、必ずしも費用効率がよい、とは言えない。
【0009】
約1.5より大きい低減係数の値は、システムが、非弾性力を受け、設計強度の大地運動が、現場で観察された場合、損傷されることを意味する。1.5の係数は、平均係数を表し、これは、設計の際、荷重係数設計における荷重をくくり出すか、あるいは、使用応力設計の際に、材料の降伏強さをくくり出すのに使用される。R係数は、包括的延性レスポンス基準を通して、損傷の受容レベルを参照するよう、意図されている。
【0010】
したがって、使用応力設計の場合は、10のR係数を設計で使用すると、構造体は、約10/1.5 = 6.7 以下の包括的延性を維持する、と考えられる。包括的延性は、損傷の基準である。一般に、地震運動を受ける建造物の場合は、包括的延性は、最高の建造物屋根変位と、それにおいて最初の相当な損傷が、建造物のどこかで生ずる屋根変位との比と定義される。設計で用いられるこのような仮定延性は、非直線分析(もしくは実験的試験)でのみ確認できる。
【0011】
コンピュータプログラムで使用される「非直線分析、非直線動力学もしくは破損動力学」と呼ばれる方法論が、破滅的事象による損傷を査定するための唯一の現実的な方法であることは、文献で広く知られている。過去25年以上にわたり、U. C. Berkeley、Stanfordなどの有名大学から出た多数のレポートは、これらの発見を明確に説いてきた。石油業界は、このような方法論の価値に気付き、API RP 2A Design Code(設計コード)に必要条件として組み入れた。米国で設計され、かつ、建造された全ての沖浜構造体は、このコードに準拠しなければならない。
【0012】
しかしながら、石油業界の設計コードと異なり、建造物コードは、仮定された包括的延性が、採用した設計で達成できることを確認するのに、このような巧妙な非直線分析を必要としない。建造物コードでは、このような必要条件を課していない主な理由は、三つ有る。その第一は、非直線分析は、複雑過ぎ、また、高すぎて、多種多様な用途に向けて開発し、検証することができない。これらアルゴリズムの計算強度は、歴史的に、Lawrence Livermore Laboratory などの場所を通して利用できるCyberメインフレームクラスのコンピュータを必要としたことに注目するのは、重要なことである。その第二は、ある特定の構造体に対して、入力モデルを確立するのに、専門化された訓練と理論的な背景を有する技術者の大規模な手動介入が必要なことである。その第三は、これら分析から生ずる代表的な出力が、厖大であるため、結果の解釈が、時間を喰い、かつ、専門化された技術的知識を必要とすることである。
【0013】
<発明の要約>
本発明の原理によれば、破滅的事象を受ける構造体を分析するためのコンピュータでインプリメントされるシステムおよび方法が、得られる。直線弾性入力データに基づき、システムは、大規模な手動介入なしに、非直線ヒステリシス挙動を自動的に決定する。非直線モデルは、次いで、多数の非直線分析法のいずれか一つにより、分析される。コンピュータの処理ロードは、普通のサーバまたはワークステーションコンピュータが、メインフレームまたはスーパーコンピュータの力を必要とすることなしに、分析を行うことを可能にする各種の数学的手法により、大幅に低減している。
【0014】
<発明の詳細な説明>
図1に示したように、構造体分析プログラム114は、WINDOWSベースあるいはUNIXベースのパソコン、サーバ、ワークステーションまたはメインフレームなどの代表的なコンピュータシステム100内に維持されている。システム100は、例えば、LAN、WANファイバオプチックまたはケーブルリンクなどのI/Oインタフェース102を通して、インターネットに接続されており、該I/Oインタフェースは、インターネットユーザから情報を受け取り、かつ、インターネットユーザへ情報を送り出す。システム100は、明快さのため、一個のコンピュータユニットとして示してあるが、この技術に普通に長けた人なら、このシステムは、荷重とデータベースの大きさにより、サーバのグループを含んでいてよいことが、理解できよう。
【0015】
システム100は、例えば、メモリー記憶装置104、プロセッサ(CPU)106、プログラム記憶装置108、およびデータ記憶装置110を含んでおり、これら全ては、一般に、バス112を通して、互いに他に接続されている。プログラム記憶装置108は、なかんずく、ルーチン150,200および300の全てまたは部分を含む構造体分析プログラム114を記憶している。データ記憶装置110は、構造体の各種部材の物理的特性、アルゴリズムの数学的表現、損傷関数のデータベースなどのデータを記憶している。プログラム記憶装置108内のプログラムモジュールのうちのいずれか一つおよびデータ記憶装置110から得たデータは、必要に応じて、メモリー104に転送され、プロセッサ106により実行される。
【0016】
本発明の構造体分析システム100は、業界における大規模プロジェクトで使用されるコンピュータプログラムへの簡単化された入力データを含んでいる。ゴールデンゲートブリッジの地震レトロフィットは、大規模プロジェクトの一例である。本発明は、入力データ構造体が、代表的な直線弾性分析データ構造体を模倣するという程度にまで入力データを簡単化している。
【0017】
一般に、構造体の直線弾性分析のために、構造体データ入力(直線弾性入力データ)は、構造体内の各要素または部材についての形状データを含んでいる。一例を挙げれば、鋼製建造物の場合、直線弾性入力データは、柱および梁の形状を、それらの断面の大きさ、すなわち、W12×24などの用語で定義するであろう。このデータは、部材の剛性および質量を計算するのに十分である。構造体の総剛性および質量は、建造物内の部材の空間的な分布が分かれば、計算できる。
【0018】
非直線動的時間履歴分析のためには、部材の複雑な非直線ヒステリシス挙動を指定することが必要である。部材の挙動は、たとえ形状断面が同じ場合でも異なる場合がある。例えば、断面がW12×24で、長さが3フィートの場合は、長さ15フィートの同様な部材に比べて、非直線ヒステリシス挙動が、著しく異なる。したがって、非直線分析のための入力データは、非常に複雑になり、構造体分析に専門的な知識を有する技術コンサルタントを必要とする場合が多い。
【0019】
本発明は、直線弾性モデルに対して、ユーザに部材入力を定義させることにより、この問題を解決している。すなわち、要素形状は、断面の大きさの指定により定義される。必要とされる追加の直線入力データは、材料のタイプ、およびオーバーストレス比を計算するための材料の降伏応力である。プログラムは、直線弾性入力データを用いて、複雑なヒステリシス挙動を内部的に自動計算する。
【0020】
工学コミュニティは、「直線弾性」入力データ構造体に精通している。おまけに、入力データの生成をさらに簡単化するトランスレータおよびフィルターが、利用可能である。さらに、本発明の原理によれば、新しい能率的な解法により、普通のデスクトップワークステーションで、非直線分析を行うことができる。
【0021】
例えば、非直線動的時間履歴分析は、積分の各段階で、大きな式のシステムの数値解を必要とする。地震の時間履歴分析の場合は、段階数は、1000から5000の範囲で変動し得る。波、風および他の自然力の場合は、段階数は、数百から数千の範囲で変動し得る。さらに、各時間段階内で、平衡を得るのにより多くの解が必要となる場合がある。すなわち、一つの時間段階内で、数回の反復が必要となる場合がある。反復は、要素の非直線挙動あるいは大きな変位効果あるいはその両方による場合がある。これとは対照的に、直線分析は、このような解を、動的分析でのみ、一回必要とする。したがって、伝統的な数値法を用いる場合は、それらは、厖大な計算力を必要とする。本発明は、数値体系および方法を開発して、式のシステムを解くのに必要とされる計算時間を大幅に減らすことによって、この問題を解決している。
【0022】
分析が、一たび済むと、結果は、表およびグラフィック形式で簡便に要約される。ユーザはまた、損傷した区域が、異なる損傷レベルと共に示されている構造体の色分け図を受け取る。リアルタイムな動的レスポンスを示す3次元写真・写実的な映画を生成してもよい。
【0023】
本発明の構造体分析プログラムは、インターネットなどのネットワークを通してアクセス可能であり、使用毎支払い方式でユーザに勘定書きが送られる。したがって、ユーザは、ハードウェア/ソフトウェアに対して、いかなる資本コストも掛からず、また、使用毎支払い方式は、プロジェクト経費のための便利な経済的オプションである。
【0024】
別の実施形態では、プログラム114は、破局的事象による有り得るリスクを識別する工学ベースの構造体格付けシステムであって、例えば、財務団体、工学コミュニティーおよび保険会社、法人および他の団体がそれらのリスクを査定し、管理するのに使用するためのシステムである。構造体は、いかなる材料およびタイプのもの(例えば、住宅用、非住宅用、輸送インフラストラクチャなど)であってもよい。
【0025】
図2は、構造体分析プログラム114の一部である非直線分析ルーチン200を示す。非直線分析の種類には、時間履歴分析、静的プッシュオーバー、モデル分析、および疲労分析などが有るが、種類は、これらに限定されるものではない。
【0026】
ステップ202では、システム100によって直線弾性入力データが受け取られる。一般に、分析用の直線弾性入力データは、(a)形状(ノーダル座標、境界条件、ノーダル質量など);(b)部材連結性/特性(断面特性、材料特性など);(c)荷重データ(地震、風、波、潮流など)を含んでいる。
【0027】
入力データは、ソフトウェアの入力仕様に準拠したASCIIデータファイルとして提供してよく、あるいは、本発明のグラフィカルユーザインタフェースを通して、対話的に生成することもできよう。また、走査構造体レイアウト(例えば、特性査定レポートから得たレイアウト)を提供することもできるであろうし、このレイアウトをグラフィカルユーザインタフェースと併用して、構造体要素の場所を識別し、ASCIIデータファイルを生成することもできよう。別法として、本発明のフィルターを用いて、業界で使用される既存のプログラムの一組から得たデータを変換して、本発明のソフトウェア入力仕様に準拠したASCIIデータファイルを生成することができる。
【0028】
ステップ202で受け取られるべき直線入力データには、材料特性の包括的な定義、剛性計算のための断面特性、「建造物コードおよび他のコード」(Building Codes and Other Code)チェックのための断面特性、波特性、雑データ、グループ特性、偏心率および局部固定終端力などがある。一般的なAISCおよび他の標準のロール断面へのアクセスは、包括的な断面ライブラリで達成される。
【0029】
直線弾性分析の場合は、これら項目は、分析を行うのに十分である。しかしながら、非直線分析の場合は、上記項目(b)には、複雑な非直線ヒステリシス部材挙動の用語による部材データのはるかにより大規模な定義が必要である。
【0030】
一般に、非直線ヒステリシス部材挙動(非直線入力データ)は、三つの構成要素、すなわち、(a)包絡線の挙動または曲線;(b)強さおよび剛性の周期的な降級/劣化(あるいは単に降級挙動);および(c)破損挙動の定義を含んでいる。これら構成要素は、実験観察から生成したデータベースおよび(または)ルックアップテーブル、分析公式、実験式、および(または)上記の任意の組合せから定義してよい。適当な場合は、補間法および(または)補外法を使用してよい。本発明では、適当なら、上記の方法の全てを使用する。
【0031】
任意の非直線分析手順でより難しいタスクの一つは、適当な要素タイプを選択して、構造体内の部材をモデル化することである。そして、一たびある要素タイプが選択されると、その部材の物理的挙動を十分に定義するため、対応する材料、断面および要素特性が必要となる。このような特性の選択は、冗長な場合があり、また、相当な費用が必要である。
【0032】
図2のステップ204では、複雑な部材ヒステリシス挙動が、自動的に生成される。より詳しくは、ステップ204では、管状部材、一般AISCおよび他の標準の圧延断面、組合せ断面、一般断面、およびユーザ定義断面をモデル化するのに使用された各種の要素タイプについて、非直線物理的特性が自動的に生成される。材料は、鋼、コンクリート、石造物、強化コンクリート、またはユーザ定義材料であってよい。要素タイプは、梁‐柱タイプ、トラスタイプ、基礎タイプ、および一般/特殊タイプとしてグループ化できる。
【0033】
したがって、トラスタイプポスト座屈タイプ要素を選択して、沖浜構造体の管状ブレースをモデル化する場合は、ユーザは、ステップ202において、直線弾性入力データを入力する作業の一部として、部材名、その連結性、その直径および厚さ、その降伏応力および有効長さ係数のみを指定するだけでよい。ルーチン200のステップ204では、部材の物理的挙動を定義するのに必要な非直線包絡線が生成され、図3で示した周期的荷重に対して、適当な剛性および強さの劣化アルゴリズムが、選択される。これら特性を生成するためのアルゴリズムは、大規模な実験データベースから導かれ、かつ、集大成される。
【0034】
同様に、分散可塑性を有する3次元非直線変位梁‐柱要素を用いて、建造物の柱を代表するW断面をモデル化した場合は、ユーザは、この断面を、包括的なライブラリ内で指定する。梁‐柱要素の非直線特性は、W断面特性、部材の連結性および、ユーザ定義降伏材料特性、図4に示した有効長さ係数を基に、自動的に計算される。一例を挙げれば、面内および面外曲げ包絡線4直線曲線が、下記の式により、生成される。すなわち、
EIy1 = E * Iy (1)
EIy2 = FAC1 * EIy1 (2)
EIy3 = FAC2 * EIy2 (3)
EIy4 = FAC3 * EIy3 (4)
ここで、
E = 弾性係数
Iy = 面内慣性モーメント
FAC1、FAC2、FAC3は、係数である。
【0035】
これら係数は、部材のkl/r比および緻密性、または実験データまたは他のソースを基に計算される。例えば、管状柱の場合は、FAC1は、0.428であってよく、FAC2 = 0.048、およびFAC3 = 0.001であってよい。
【0036】
My1 = FAC4 * Pm (5)
My2 = FAC5 * Pm (6)
My3 = FAC6 * Pm (7)
ここで、
My1、My2、My3は、降伏曲げモーメントである。
【0037】
Pm = 降伏応力および形状特性に基づく塑性モーメント、また、
FAC4、FAC5、FAC6は、係数である。
【0038】
これら係数は、部材のkl/r比および緻密性、または実験データまたは他のソースを基に計算される。例えば、管状柱の場合は、FAC4は、π/4であってよく、FAC5 = 0.92、およびFAC6 = 0.98であってよい。
【0039】
面外曲げについても同様の計算が行われるのに注目されたい。捻り挙動は、直線と仮定するが、軸方向挙動は、「荷重係数抵抗設計」(Load Factor Resistant Design)(「LRFD座屈」(LRFD Buckling)の式)またはいずれか他の適当な式または実験データを使用して計算してよい。
【0040】
二つの曲げ、一つの捻りおよび軸方向挙動の間の対話は、四次元降伏面により考察する。
【0041】
梁‐柱要素に対する破損挙動(第3のタイプの非直線入力データ)は、臨界累積回転延性および臨界累積軸方向延性の用語で定義してよい。図5に示した例では、面内および面外曲げによる臨界累積結果回転延性が、閾値を超えると、部材破損が、開始される。その後の破損挙動は、図5に示す式によって特徴付けられる。
【0042】
橋、特にカリフォルニア州、サンフランシスコのゴールデンゲートブリッジなどのより古い鋼製の橋は、組合せ断面を含んでいる。本発明は、ほとんどいかなる種類の鋼製橋の組合せ断面でも処理できる。外部および内部板、外部および内部アングル、およびレーシングを含む図6に示した代表的な断面の場合は、ユーザは、図に示した情報を指定できる。本発明では、上記の梁‐柱に似たコンセプトを基に、非直線ヒステリシス曲げおよび軸方向挙動が、自動的に計算される。
【0043】
石造物のインフィルウォールの場合は、ユーザは、パネルの形状(パネルの幅、高さ、厚さ)、降伏応力(オーバーストレス係数を計算するため)および弾性係数を、直線弾性データ入力の一部として指定することが必要である。パネルヒステリシス挙動は、二つの対角支柱として、自動的に定義される。支柱特性は、実験および分析データを基にしている。専断壁要素は、同様な手順で定義される。
【0044】
強化コンクリート要素の場合は、ユーザは、コンクリートの形状および鋼補強材の形状およびレイアウトを直線弾性データ入力の一部として指定する。鋼およびコンクリートの材料特性は、応力‐歪関係として入力される。梁‐柱要素タイプの曲げおよび軸方向非直線包絡線挙動は、古典的な塑性理論および他の反復数値手順を基に、自動的に計算される。強さおよび剛性の周期的な降級は、ユーザのみが、軽、中程度、重と定義しなければならない。これらは、実験および分析データから得られる適当な係数に自動的に翻訳される。
【0045】
基礎は、基礎要素および土壌を含んでいる。軟質土壌における高層建造物の場合は、基礎要素は、土壌中、適当な深さに打ち込まれたパイルであってよい。それらは、鋼製、木製あるいはコンクリート製のパイルであってよい。土壌要素は、土壌のタイプによって特徴付けられる。ここで、土壌は、そのタイプ(例えば、粘土、砂、砂など)および文献あるいは特定の土壌ボーリング研究所試験から容易に得られるその他の基本的な特性によって指定してよい。土壌中のユーザ指定の深さでは、その深さにおける土壌層は、3直角トラスタイプ要素、すなわち、2側方要素および1軸方向要素でモデル化される。これらトラスタイプ要素のそれぞれの非直線ヒステリシス挙動は、自動的に生成される。その現在の形態では、結合された構造体‐基礎非直線分析を行うことができる。
【0046】
荷重は、静的および(または)動的であってよい。静荷重プッシュオーバー分析の場合、本発明は、ステップ204において、非直線ヒステリシス部材挙動に加えて、地震荷重および波/風/潮流荷重に対し、静荷重プッシュオーバー縦断図を自動的に生成する。
【0047】
地震荷重の場合、ユーザは、3直角方向対して、適当なスケール係数と共に、設計レスポンススペクトルを入力する。ステップ204では、次いで、固有の解法を実施し、質量の少なくとも90%までを補足するモードから得られたモーダル力を組合せ、そして、プッシュオーバー縦断図を修正して、階剪断力とオーバーターニングモーメントとをマッチさせることによって、静的プッシュオーバー縦断図が、自動的に生成される。
【0048】
波荷重の場合、波/潮流/風は、数学モデルを通され、時間履歴における最大の基礎剪断力を定義するスナップショット縦断図が、荷重縦断図として選択される。分析は、付帯構造体のレスポンスの計算なしに、荷重分析のみが行われる場合、自動的に行われる。これら荷重についての入力は、最小限度であり、標準的である。
【0049】
ステップ204で、全ての非直線データが、一たび決定されると、導かれた非直線入力データを基にした構造体の分析が、ステップ206で行われる。前述したように、非直線動的時間履歴分析の場合は、式のシステムは、いずれか一つの部材の状態が変化するステップ毎に、解く必要がある。分析に、大きな変位効果が含まれている場合は、式のシステムをより頻繁に解く必要があるかもしれない。式のシステムを解くことは、ここでは、包括的な剛性マトリクスの再編成および縮小を意味する。さらに、時間ステップ内では、反復手順を使って、平衡を成し遂げてから、次のステップに移らねばならない。計算時間を最小限に抑えるため、本発明は、(a)帯域幅の最小限化、プロフィル正面法などの最小限化手順を用いて剛性マトリクスの記憶装置を最小限化すること;(b)剛性マトリクスを1コピーしか必要としない数値解法を用いること;(c)部材の状態の変化および(または)大きな変位効果によって変化した剛性マトリクスの部分のみが、再編成され、かつ、縮小される記憶装置および解法体系を利用すること;(d)ステップの大きさの増大、したがって、分析に必要とされる合計ステップ数の低減を可能にするより高次の積分体系を用いること;および(e)ハードウェア固有の利用可能な加速度を用いることによって、解法を最適化している。これら新規な特徴は、構造体の非直線分析を行うのに必要な計算力の極端な低減を可能にする。
【0050】
静態分析の場合は、自己検知静態分析機能により、追加の分析自動化が行われる。したがって、ユーザは、究極の容量分析を、最低限の時間で、正確に行うことができる。自動(自己検知)荷重ステッピング手順は、使用の分析法に対する感度が、手動荷重ステッピング手順よりより低いことが、確証された。
【0051】
自己検知(自動)動的オプションの追加は、動的分析中、ステップの大きさを変えることを可能にする。このオプションは、計算および設計コストの相当な節約をもたらす。時間ステップ制御の基準は、いずれか一つの与えられた時間ステップにおける非直線レスポンスの厳正度に基づいている。非直線挙動の厳正度は、時間ステップの終端における不平衡な力ベクトルにより定義される。この不平衡な力ベクトルのユークリッドノルムが、ユーザ指定の許容差を超えると、ステップの大きさは、ユーザ指定の係数(一般に0.5)を掛けた大きさに減少し、そのステップが繰り返される。別法として、この不平衡な力ベクトルのユークリッドノルムが、指定の許容差以下の場合は、後続ステップの大きさは、ユーザ指定の値(一般に2)を掛けた大きさに増大する。
【0052】
分析が、一たび完了すると、結果は、ステップ208において、出力され、かつ、表示される。大きな構造体の静的プッシュオーバーまたは動的時間履歴究極容量分析の場合は、生成された厖大な結果を見、解釈し、かつ、消化するのは、時間が掛かる仕事である。この分析者の仕事を軽減するため、本発明では、三つのオプションを提供している。
【0053】
第一のオプションは、部材についての非弾性シーケンスの事象の要約を印字することであり、その代表的な要約を図7に示す。この要約には、事象シーケンス番号、静的増分番号および部材が非弾性になる時の増分内の荷重ステップ、合計荷重ステップまたは動的時間ステップ、非弾性挙動を経験する部材の名前、部材のタイプ、部材のグループ名、ノードIおよびJ、D/C比およびグループのタイトルを含んでいる。各非直線部材の最高の延性はまた、結果として生ずる曲げ、軸方向引張り、軸方向圧縮および軸方向総和の点でも利用できる。第一に、非弾性事象シーケンス順のリストが利用でき、次いで、最大の損傷から最小の損傷までを経験した部材の区分リストが利用できる。異なる部材タイプについての別の分類も利用できる。他の情報が利用できる場合もある。
【0054】
第二のオプションは、少なくとも二つの形態のグラフィカル出力、すなわち、(a)最大から最小までの損傷を受けた全ての部材を表現する構造体のカラーコード化画像(カラーコード化画像のグレイスケールバージョンを図8に示す);および(b)構造体レスポンスのカラーコード化アニメーション、のうちの一つまたはそれ以上を生成することである。図7には、ブレース内の損傷のカラーまたはグレイスケールコードが、要約されている。上側パネルブレースLX1およびLX2は、約15の最高の軸方向延性を有し、ダークシェード(実際の用途では赤)で示してある。下側パネルブレースLX3およびLX4は、それらの最高の延性が、約4.0なので、ライトシェード(実際の用途では青)で示してある。
【0055】
本発明は、局部的、領域的および包括的な損傷を定量化する機構を提供し、これらの量を、「建造物および他のコード条件(Building and Other Code Requirements)」に合わせて配置する。一例を挙げれば、地震時間履歴を受ける高層建造物の場合は、ユーザは、次の情報、すなわち、(a)建造物内の損傷を監視すべき階数;および(b)平均的な階運動および変位を計算するのに使用される各階におけるノードだけを指定すればよい。本発明は、この情報により、包括的な損傷基準、領域的な損傷基準および局部的な損傷基準を自動的に計算する。包括的な損傷基準は、包括的な変位延性の用語で定義される。領域的な損傷および局部的な損傷は、階間ドリフト、階間剪断、損傷部材数、それらの最高および累積延性、およびそれらの等価フル可塑性サイクル数の用語で定義される。他の基準も含んでいてよい。これらの量を計算するのに使用される方法は、広く知られており、公開文献、標準的な教科書に記載されている。
【0056】
リスク査定の場合は、多重荷重条件に対して、分析ステップ206を繰り返す。例えば、高層建造物の地震リスクの査定を行う場合は、異なる地震強度を表す一連の地震荷重について、その建造物を分析する。地震の選択と分析は、非常に時間が掛かり、厄介で複雑な場合がある。本発明は、このプロセスを簡単化している。ただ一つの入力データストリームを用い、ただ一組の大地運動を用いて、多重分析を行うことができる。各実行行程では、ただ一組の大地運動にユーザ定義の縮尺係数を掛ける。一般に、第一の縮尺係数は、構造体が、この縮尺大地運動を受けた時、構造体内で損傷が始まるよう、選択する。別法として、ユーザは、異なる目標スペクトル加速度を指定してよい。この場合も、第一の目標スペクトル加速度は、構造体が、この縮尺大地運動を受けた時、構造体内で損傷が始まるよう、選択する。大地運動の縮尺係数は、ユーザ指定の目標スペクトル加速度に適合するよう、自動的に計算される。
【0057】
最後に、全ての分析結果は、自動的に表になり、異なるオプションと共に、図表化して出力される。図9は、代表的な表/グラフを示す。Y軸は、地震スペクトル加速度を示し、X軸は、3種類の地震記録(記録1、記録2および記録3)から得た損傷部材の数である。他のパラメータを配置して、同様のグラフを生成することもできる。一例を挙げれば、スペクトル加速度は、確率地震危険分析から得た平均再帰期間に配置してよい。平均再帰期間は、確率に翻訳できる(すなわち、平均再帰期間の逆数が、発生の確率である)。したがって、Y軸を、発生の確率にしてよい。他の損傷基準についても、同様の手順を取ることができよう。
【0058】
本発明の別の実施形態では、システム100は、図10に示したように、個人、財務団体、保険会社、不動産仲買会社、および他の統一体用の構造体格付けルーチン150も提供する。財務団体は、この格付けシステムを用いて、それらの融資証券およびリスクを査定することができる。同様に、保険会社は、そのデータを用いて、リスクを査定し、適当な保険料を確定することができる。不動産仲買会社などの他の団体も、この格付けシステムを市場売買用のツールとして使用することができよう。エンドユーザは、本発明のデータベースにアクセスして、システムを格付けするであろう。このようなデータベースは、工学および科学的原理に基づいて、生成される。
【0059】
運用の際、エンドユーザは、インターネットを通じて、システム100にアクセスし、口座を開設し、あるいは、クレジットカードにより、あるいは、彼らの当座預金を通して、支払いを選択する。
【0060】
エンドユーザは、システム100を、プリプロセッサモードまたは実行モードのいずれかで使用することができる。プリプロセッサモードでは、ユーザは、チェックおよび検証用にデータを提出し、提案した分析に対して、適当なコストを得る。このプリプロセッサモードサービスは、無料である。ユーザが、一たびデータの正確さに満足し、コストを受け入れると、データが、実行用に提出される。図示の実施形態では、インハウスサーバマシン内で、全ての処理が行われる。
【0061】
実行が、一たび終了すると、ユーザは、分析結果および図式形態の関連情報のプリントアウトをダウンロードするよう、Eメールで知らされてよい。これらは、彼らの構造体モデルの画像、カラーコード化された損傷領域を表す彼らの構造体の画像、および彼らの構造体レスポンスのリアルタイムアニメーションであってよい。電話会社を通して請求されるコストにより、1〜900の番号を通して、いかなるサポートでも、与えられる。
【0062】
ステップ152では、ルーチン150は、ユーザから、格付けすべき構造体の場所と特性についての情報を受け取る。例えば、カリフォルニア州の家の場合、ユーザは、場所の住所、構造体のタイプ(例えば、1軒の2階木造フレーム)(建築されている場合)、何らかの改造についての情報などを供給することになろう。ステップ153では、この情報を用いて、構造体の基本周期が、「建造物コード(Building Code)」あるいは他の良く知られた方法を利用することによって、決定される。構造体の基本周期を得る理由については、後で詳細に論じる。
【0063】
ステップ154では、格付けすべき構造体の周囲の全ての有効な欠陥が、ルーチンで識別される。ステップ156では、識別された欠陥で生じ得る構造体への損傷のうち、最大の損傷が生じそうな欠陥が、地震のマグニチュードおよびそれらの確率と共に識別される。この情報は、地震危険分析もしくは一般に利用可能なデータベースから得られる。
【0064】
ステップ158では、ステップ156で識別された欠陥から、構造体に対するスペクトル加速度が得られる。地震危険分析および構造体の基本周期により、問題の構造体のスペクトル加速度についての情報が得られる。
【0065】
ここで、図11を参照して、損傷関数ルーチン300について論じよう。ステップ302で、ルーチン300は、建造物コードガイドライン、FEMAガイドラインあるいは何か他の合理的な手段で、予め決定された構造体のタイプにより、全ての構造体を分類する。ステップ304では、構造体の各分類されたタイプ内でのさらなる分類が、基本構造体周期を基に行われる。このやり方で、その基本構造体周期が、予め決められた範囲内に入る分類された構造体タイプ内の全ての構造体は、構造体分析の目的上、同様な構造体であると、見なされる。基本構造体周期を基にして、構造体タイプを細分類するというこの新規な特徴は、(a)より大きな母集団に適用可能なより少ない損傷関数の生成および(b)周期の間の損傷関数の補間法/補外法の合理的な基礎を可能にする。したがって、二つの石造建造物が有り、一方が高さ10フィート、他方が高さ20フィートであり、これら建造物のレイアウトは、それらの基本振動周期が、非常に小さな範囲内で、互いに他に対して同じか、あるいは、非常に近い場合は、損傷関数を生成するのに、一方の建造物のみを分析して、それを両方の建造物に適用すればよい。
【0066】
ステップ306では、次のやり方で、各細分類構造体の損傷関数を決定して、損傷関数のデータベースを生成する。損傷関数のデータベースは、代表的な建造物コードおよび代表的な建造物材料の下で造られた代表的な構造体の非直線分析を行って生成する。
【0067】
一例を挙げれば、異なる地震帯、異なる土壌条件、および異なる建造物コードの下で作られた家の非直線モデルは、非直線時間履歴分析を用いて分析する。家のモデルは、異なる強度の地震を受けさせて、どのような地震レベルで損傷が開始されるのか、また、どのような地震レベルで構造体の破損が生じるのかが、確定される。この目的のため、望ましくは、数組の地震大地運動記録を選択する。地震大地運動記録の各組は、適当に縮尺して、損傷の開始から破損までの条件をシミュレートする。加えて、損傷の場所と伝播を識別する。損傷は、三つのカテゴリー、すなわち、(a)包括的な損傷;(b)領域的な損傷;(c)局部的な損傷に定量化する。図12に、代表的な損傷関数を示す。
【0068】
図12において、分析された構造体タイプは、デッキ分離鋼製沖浜ジャケット構造体で、これを、三つの地震記録、すなわち、ジョシュア、サラトガおよびニューホールについて分析した。各記録は、三つの値により縮尺した。合計9の非直線動的時間履歴分析を行った。ここで監視された損傷基準は、デッキとジャケットトップとの間の相対的な変位であった。地震記録のそれぞれの損傷関数は、地震記録名によって識別して示してある。曲線11は、各記録から得た損傷関数に対して、回帰分析を行うことによって得られた平均構造体損傷曲線である。平均損傷曲線(1本から5本またはそれ以上)を計算するには、任意の数の大地運動を使用してよいが、平均損傷曲線を生成するには、3組の大地運動で十分である。なぜなら、大地運動に付きものの不確実性は、レスポンス計算における不確実性よりはるかに大きいからである。
【0069】
必要なら、キー入力パラメータ(例えば、降伏応力)を変え、かつ、各地震記録について、非直線分析を繰り返すことによって、レスポンスにおける不確実性を定量化することができる。このプロセスは、各地震記録についてのいくつかの損傷曲線となる。回帰分析を行えば、特定の各地震記録について、平均損傷曲線を得ることができる。最後に、前述のように、各記録についての平均損傷曲線に回帰分析を行えば、レスポンスにおける不確実さを考慮した平均損傷関数が得られる。
【0070】
構造体損傷関数には、非構造体損傷関数が配置される。一例を挙げれば、構造体損傷関数における階間ドリフトが、閾値を超えると、非構造体の損傷(すなわち、硝子の破損、水/ガス管の破裂など)が開始される。ステップ306では、同様の損傷関数(構造体および非構造体)が、各構造体タイプおよび材料タイプについて、生成される。
【0071】
再び図10を見ると、ステップ160では、損傷関数データベースから、その基本構造体周期および材料特性を基に格付けすべき構造体に最も近く対応している細分類された構造体の損傷関数の一つが検索される。
【0072】
特性に対する損傷は、構造体の損傷のこともあり、また、非構造体の損傷のこともある。構造体の損傷は、ステップ160で検索された損傷関数に対して、ステップ158で得られたスペクトル加速度を配置することにより、ステップ162で得られる。
【0073】
ステップ164では、ルーチンにより、1:10の縮尺から得られた特性についての全体的な格付けが決定される。格付けには、検討中の危険(例えば、地震)と共に、構造体の損傷(包括的、領域的、局部的)および非構造体の損傷情報が考慮される。財政および他の情報も考慮される場合がある。
【0074】
上記の構造体格付けルーチン150は、確率的に定量化できるいかなる危険にも適用でき、また、沖浜構造体に対するハリケーン荷重、波/風/潮流などにも適用できる。同様に、損傷関数ルーチン300は、他の危険(例えば、ハリケーン荷重、波、風など)に適用できる。
【0075】
以上のことから、ここでは、説明の目的上、本発明の特定の実施形態を説明したが、本発明の意図および範囲を逸脱することなしに、各種の変形が可能であることが理解されよう。例えば、開示の実施形態では、インターネット環境で本発明が説明されているが、この技術に普通に長けた人なら、システムは、インターネット、LAN、WANなどを含むいかなるコンピュータネットワーク環境でも、インプリメント可能であることが、理解できよう。したがって、本発明は、添付のクレームによる以外には、限定されない。
【図面の簡単な説明】
【図1】
本発明の代表的な実施形態により、構造体を分析するためのシステムの機能ブロック図である。
【図2】
非直線分析を行う方法のフロー図である。
【図3】
トラスタイプポスト座屈タイプ要素の強さおよび剛性における代表的な周期的降級/劣化のグラフである。
【図4】
梁‐柱要素の代表的な包絡線曲線のグラフである。
【図5】
梁‐柱要素の代表的な破損挙動のグラフである。
【図6】
代表的な組合せ断面の図である。
【図7】
構造体の要素に対する非弾性シーケンスの事象の代表的な要約である。
【図8】
構造体の異なる部材に対する異なるレベルの損傷を表す構造体の代表的な図式的画像である。
【図9】
3種類の代表的な地震記録から得たスペクトル加速度の関数としての損傷部材数のプロットである。
【図10】
リスク査定のための構造体の格付け法のフロー図である。
【図11】
損傷関数を決定する方法のフロー図である。
<発明の属する技術分野>
本発明は、構造体分析システムに、より詳しくは、地震、ハリケーン、竜巻、および人造の危険などの破滅的事象を受ける構造体を分析するためのシステムに関する。
【0002】
<従来の技術>
最近の地震―カリフォルニア州(1989年Loma Prieta、1994年Northbridge)、日本(1995年神戸)、トルコ(1999年)、および台湾(1999年)―は、構造体の地震に対する脆弱性およびこのような事象による驚くべき損失をはっきりと示した。Northbridgeの地震による損失は、地震だけでも150億ドルと推定されている。神戸地震の損失は、数千億ドルと推定されている。
【0003】
米国の西海岸と太平洋沿岸北西部の州は全て、地震を受けやすい。新マドリッド(New Madrid)欠陥の発見は、米国の中西部に大きな危険をもたらしている。
【0004】
フロリダからロードアイランドまでの米国の東海岸も、ハリケーンを受けやすい。ハリケーンシーズンは、一般に、毎年6月から11月まで続く。平均して、メキシコ湾には、毎年12〜14個のハリケーンが発生している。これらハリケーンによる損失も、数千億ドルと推定されている。損失は、ハリケーンAndrewだけでも、250億ドルと推定されている。
【0005】
これら地域に建てられた全ての構造体は、国家、地方および地域の建造物コードに従って設計されているが、これら事象においては、破滅的な破壊および破損が有る。その原因を理解するためには、建造物コードを分析する必要が有る。
【0006】
建造物の地震設計力は、通例、「一様建造物コード(Uniform Building Code )(UBC)」により得る。UBCは、適宜更新され、現在は、1997年版のUBCが、有効である。UBCは、「本書の地震条項の主目的は、損傷または機能の維持に限らず、主要な構造上の破損および生命の喪失に対して保護を与えることである。」と述べている。カリフォルニア州構造体技術者協会(Structural Engineers Association of California)(SEAOC)の1996年論評では、このUSBの文に加えて、「あるいは容易な修理を提供することである」と、述べている。
【0007】
該コードが推奨する基本的な設計手順は、構造体は、設計レベルの地震中、非弾性挙動を受け、損傷を維持することになる、すなわち、永久的に変形または破損する場合がある、と仮定している。これは、1997年版UBCのR係数(すなわち、横方向力抵抗システムの固有の超過強度および包括的延性能力を表す数値係数)を使用して、構造体に対する設計横方向力を減らすことを意味している。代表的な設計手順は、次の通りである。すなわち、1.設計レベルの地震強度の選定;2.コード推奨のR係数による、設計地震から計算された印加力(例えば、基礎剪断力)の低減;および3.これら低減された力レベルに対し、(直線弾性分析の現在の慣行を用いて)構造体を設計し、構造体が、その最初の形状を、荷重印加後も取るように、弾性レスポンスを保証する。
【0008】
コードでは、異なる構造体タイプに対して、最高のR係数を推奨している。しかしながら、問題の構造体に対して、最高許容コード値以下の適当な係数を選択することは、設計者の自由に任せられている。R係数の選択は、一般に、所有者が確立したいと望んでいる性能基準により決定される。したがって、構造体が設計レベルの地震力に対して損傷されないことを、所有者が、望む場合は、設計者は、1.0に等しいRの値を選定するであろう。この決定は、しかしながら、構造体のコストの相当な増大となり、また、ランダムな種類の地震発生を考えれば、この選択は、必ずしも費用効率がよい、とは言えない。
【0009】
約1.5より大きい低減係数の値は、システムが、非弾性力を受け、設計強度の大地運動が、現場で観察された場合、損傷されることを意味する。1.5の係数は、平均係数を表し、これは、設計の際、荷重係数設計における荷重をくくり出すか、あるいは、使用応力設計の際に、材料の降伏強さをくくり出すのに使用される。R係数は、包括的延性レスポンス基準を通して、損傷の受容レベルを参照するよう、意図されている。
【0010】
したがって、使用応力設計の場合は、10のR係数を設計で使用すると、構造体は、約10/1.5 = 6.7 以下の包括的延性を維持する、と考えられる。包括的延性は、損傷の基準である。一般に、地震運動を受ける建造物の場合は、包括的延性は、最高の建造物屋根変位と、それにおいて最初の相当な損傷が、建造物のどこかで生ずる屋根変位との比と定義される。設計で用いられるこのような仮定延性は、非直線分析(もしくは実験的試験)でのみ確認できる。
【0011】
コンピュータプログラムで使用される「非直線分析、非直線動力学もしくは破損動力学」と呼ばれる方法論が、破滅的事象による損傷を査定するための唯一の現実的な方法であることは、文献で広く知られている。過去25年以上にわたり、U. C. Berkeley、Stanfordなどの有名大学から出た多数のレポートは、これらの発見を明確に説いてきた。石油業界は、このような方法論の価値に気付き、API RP 2A Design Code(設計コード)に必要条件として組み入れた。米国で設計され、かつ、建造された全ての沖浜構造体は、このコードに準拠しなければならない。
【0012】
しかしながら、石油業界の設計コードと異なり、建造物コードは、仮定された包括的延性が、採用した設計で達成できることを確認するのに、このような巧妙な非直線分析を必要としない。建造物コードでは、このような必要条件を課していない主な理由は、三つ有る。その第一は、非直線分析は、複雑過ぎ、また、高すぎて、多種多様な用途に向けて開発し、検証することができない。これらアルゴリズムの計算強度は、歴史的に、Lawrence Livermore Laboratory などの場所を通して利用できるCyberメインフレームクラスのコンピュータを必要としたことに注目するのは、重要なことである。その第二は、ある特定の構造体に対して、入力モデルを確立するのに、専門化された訓練と理論的な背景を有する技術者の大規模な手動介入が必要なことである。その第三は、これら分析から生ずる代表的な出力が、厖大であるため、結果の解釈が、時間を喰い、かつ、専門化された技術的知識を必要とすることである。
【0013】
<発明の要約>
本発明の原理によれば、破滅的事象を受ける構造体を分析するためのコンピュータでインプリメントされるシステムおよび方法が、得られる。直線弾性入力データに基づき、システムは、大規模な手動介入なしに、非直線ヒステリシス挙動を自動的に決定する。非直線モデルは、次いで、多数の非直線分析法のいずれか一つにより、分析される。コンピュータの処理ロードは、普通のサーバまたはワークステーションコンピュータが、メインフレームまたはスーパーコンピュータの力を必要とすることなしに、分析を行うことを可能にする各種の数学的手法により、大幅に低減している。
【0014】
<発明の詳細な説明>
図1に示したように、構造体分析プログラム114は、WINDOWSベースあるいはUNIXベースのパソコン、サーバ、ワークステーションまたはメインフレームなどの代表的なコンピュータシステム100内に維持されている。システム100は、例えば、LAN、WANファイバオプチックまたはケーブルリンクなどのI/Oインタフェース102を通して、インターネットに接続されており、該I/Oインタフェースは、インターネットユーザから情報を受け取り、かつ、インターネットユーザへ情報を送り出す。システム100は、明快さのため、一個のコンピュータユニットとして示してあるが、この技術に普通に長けた人なら、このシステムは、荷重とデータベースの大きさにより、サーバのグループを含んでいてよいことが、理解できよう。
【0015】
システム100は、例えば、メモリー記憶装置104、プロセッサ(CPU)106、プログラム記憶装置108、およびデータ記憶装置110を含んでおり、これら全ては、一般に、バス112を通して、互いに他に接続されている。プログラム記憶装置108は、なかんずく、ルーチン150,200および300の全てまたは部分を含む構造体分析プログラム114を記憶している。データ記憶装置110は、構造体の各種部材の物理的特性、アルゴリズムの数学的表現、損傷関数のデータベースなどのデータを記憶している。プログラム記憶装置108内のプログラムモジュールのうちのいずれか一つおよびデータ記憶装置110から得たデータは、必要に応じて、メモリー104に転送され、プロセッサ106により実行される。
【0016】
本発明の構造体分析システム100は、業界における大規模プロジェクトで使用されるコンピュータプログラムへの簡単化された入力データを含んでいる。ゴールデンゲートブリッジの地震レトロフィットは、大規模プロジェクトの一例である。本発明は、入力データ構造体が、代表的な直線弾性分析データ構造体を模倣するという程度にまで入力データを簡単化している。
【0017】
一般に、構造体の直線弾性分析のために、構造体データ入力(直線弾性入力データ)は、構造体内の各要素または部材についての形状データを含んでいる。一例を挙げれば、鋼製建造物の場合、直線弾性入力データは、柱および梁の形状を、それらの断面の大きさ、すなわち、W12×24などの用語で定義するであろう。このデータは、部材の剛性および質量を計算するのに十分である。構造体の総剛性および質量は、建造物内の部材の空間的な分布が分かれば、計算できる。
【0018】
非直線動的時間履歴分析のためには、部材の複雑な非直線ヒステリシス挙動を指定することが必要である。部材の挙動は、たとえ形状断面が同じ場合でも異なる場合がある。例えば、断面がW12×24で、長さが3フィートの場合は、長さ15フィートの同様な部材に比べて、非直線ヒステリシス挙動が、著しく異なる。したがって、非直線分析のための入力データは、非常に複雑になり、構造体分析に専門的な知識を有する技術コンサルタントを必要とする場合が多い。
【0019】
本発明は、直線弾性モデルに対して、ユーザに部材入力を定義させることにより、この問題を解決している。すなわち、要素形状は、断面の大きさの指定により定義される。必要とされる追加の直線入力データは、材料のタイプ、およびオーバーストレス比を計算するための材料の降伏応力である。プログラムは、直線弾性入力データを用いて、複雑なヒステリシス挙動を内部的に自動計算する。
【0020】
工学コミュニティは、「直線弾性」入力データ構造体に精通している。おまけに、入力データの生成をさらに簡単化するトランスレータおよびフィルターが、利用可能である。さらに、本発明の原理によれば、新しい能率的な解法により、普通のデスクトップワークステーションで、非直線分析を行うことができる。
【0021】
例えば、非直線動的時間履歴分析は、積分の各段階で、大きな式のシステムの数値解を必要とする。地震の時間履歴分析の場合は、段階数は、1000から5000の範囲で変動し得る。波、風および他の自然力の場合は、段階数は、数百から数千の範囲で変動し得る。さらに、各時間段階内で、平衡を得るのにより多くの解が必要となる場合がある。すなわち、一つの時間段階内で、数回の反復が必要となる場合がある。反復は、要素の非直線挙動あるいは大きな変位効果あるいはその両方による場合がある。これとは対照的に、直線分析は、このような解を、動的分析でのみ、一回必要とする。したがって、伝統的な数値法を用いる場合は、それらは、厖大な計算力を必要とする。本発明は、数値体系および方法を開発して、式のシステムを解くのに必要とされる計算時間を大幅に減らすことによって、この問題を解決している。
【0022】
分析が、一たび済むと、結果は、表およびグラフィック形式で簡便に要約される。ユーザはまた、損傷した区域が、異なる損傷レベルと共に示されている構造体の色分け図を受け取る。リアルタイムな動的レスポンスを示す3次元写真・写実的な映画を生成してもよい。
【0023】
本発明の構造体分析プログラムは、インターネットなどのネットワークを通してアクセス可能であり、使用毎支払い方式でユーザに勘定書きが送られる。したがって、ユーザは、ハードウェア/ソフトウェアに対して、いかなる資本コストも掛からず、また、使用毎支払い方式は、プロジェクト経費のための便利な経済的オプションである。
【0024】
別の実施形態では、プログラム114は、破局的事象による有り得るリスクを識別する工学ベースの構造体格付けシステムであって、例えば、財務団体、工学コミュニティーおよび保険会社、法人および他の団体がそれらのリスクを査定し、管理するのに使用するためのシステムである。構造体は、いかなる材料およびタイプのもの(例えば、住宅用、非住宅用、輸送インフラストラクチャなど)であってもよい。
【0025】
図2は、構造体分析プログラム114の一部である非直線分析ルーチン200を示す。非直線分析の種類には、時間履歴分析、静的プッシュオーバー、モデル分析、および疲労分析などが有るが、種類は、これらに限定されるものではない。
【0026】
ステップ202では、システム100によって直線弾性入力データが受け取られる。一般に、分析用の直線弾性入力データは、(a)形状(ノーダル座標、境界条件、ノーダル質量など);(b)部材連結性/特性(断面特性、材料特性など);(c)荷重データ(地震、風、波、潮流など)を含んでいる。
【0027】
入力データは、ソフトウェアの入力仕様に準拠したASCIIデータファイルとして提供してよく、あるいは、本発明のグラフィカルユーザインタフェースを通して、対話的に生成することもできよう。また、走査構造体レイアウト(例えば、特性査定レポートから得たレイアウト)を提供することもできるであろうし、このレイアウトをグラフィカルユーザインタフェースと併用して、構造体要素の場所を識別し、ASCIIデータファイルを生成することもできよう。別法として、本発明のフィルターを用いて、業界で使用される既存のプログラムの一組から得たデータを変換して、本発明のソフトウェア入力仕様に準拠したASCIIデータファイルを生成することができる。
【0028】
ステップ202で受け取られるべき直線入力データには、材料特性の包括的な定義、剛性計算のための断面特性、「建造物コードおよび他のコード」(Building Codes and Other Code)チェックのための断面特性、波特性、雑データ、グループ特性、偏心率および局部固定終端力などがある。一般的なAISCおよび他の標準のロール断面へのアクセスは、包括的な断面ライブラリで達成される。
【0029】
直線弾性分析の場合は、これら項目は、分析を行うのに十分である。しかしながら、非直線分析の場合は、上記項目(b)には、複雑な非直線ヒステリシス部材挙動の用語による部材データのはるかにより大規模な定義が必要である。
【0030】
一般に、非直線ヒステリシス部材挙動(非直線入力データ)は、三つの構成要素、すなわち、(a)包絡線の挙動または曲線;(b)強さおよび剛性の周期的な降級/劣化(あるいは単に降級挙動);および(c)破損挙動の定義を含んでいる。これら構成要素は、実験観察から生成したデータベースおよび(または)ルックアップテーブル、分析公式、実験式、および(または)上記の任意の組合せから定義してよい。適当な場合は、補間法および(または)補外法を使用してよい。本発明では、適当なら、上記の方法の全てを使用する。
【0031】
任意の非直線分析手順でより難しいタスクの一つは、適当な要素タイプを選択して、構造体内の部材をモデル化することである。そして、一たびある要素タイプが選択されると、その部材の物理的挙動を十分に定義するため、対応する材料、断面および要素特性が必要となる。このような特性の選択は、冗長な場合があり、また、相当な費用が必要である。
【0032】
図2のステップ204では、複雑な部材ヒステリシス挙動が、自動的に生成される。より詳しくは、ステップ204では、管状部材、一般AISCおよび他の標準の圧延断面、組合せ断面、一般断面、およびユーザ定義断面をモデル化するのに使用された各種の要素タイプについて、非直線物理的特性が自動的に生成される。材料は、鋼、コンクリート、石造物、強化コンクリート、またはユーザ定義材料であってよい。要素タイプは、梁‐柱タイプ、トラスタイプ、基礎タイプ、および一般/特殊タイプとしてグループ化できる。
【0033】
したがって、トラスタイプポスト座屈タイプ要素を選択して、沖浜構造体の管状ブレースをモデル化する場合は、ユーザは、ステップ202において、直線弾性入力データを入力する作業の一部として、部材名、その連結性、その直径および厚さ、その降伏応力および有効長さ係数のみを指定するだけでよい。ルーチン200のステップ204では、部材の物理的挙動を定義するのに必要な非直線包絡線が生成され、図3で示した周期的荷重に対して、適当な剛性および強さの劣化アルゴリズムが、選択される。これら特性を生成するためのアルゴリズムは、大規模な実験データベースから導かれ、かつ、集大成される。
【0034】
同様に、分散可塑性を有する3次元非直線変位梁‐柱要素を用いて、建造物の柱を代表するW断面をモデル化した場合は、ユーザは、この断面を、包括的なライブラリ内で指定する。梁‐柱要素の非直線特性は、W断面特性、部材の連結性および、ユーザ定義降伏材料特性、図4に示した有効長さ係数を基に、自動的に計算される。一例を挙げれば、面内および面外曲げ包絡線4直線曲線が、下記の式により、生成される。すなわち、
EIy1 = E * Iy (1)
EIy2 = FAC1 * EIy1 (2)
EIy3 = FAC2 * EIy2 (3)
EIy4 = FAC3 * EIy3 (4)
ここで、
E = 弾性係数
Iy = 面内慣性モーメント
FAC1、FAC2、FAC3は、係数である。
【0035】
これら係数は、部材のkl/r比および緻密性、または実験データまたは他のソースを基に計算される。例えば、管状柱の場合は、FAC1は、0.428であってよく、FAC2 = 0.048、およびFAC3 = 0.001であってよい。
【0036】
My1 = FAC4 * Pm (5)
My2 = FAC5 * Pm (6)
My3 = FAC6 * Pm (7)
ここで、
My1、My2、My3は、降伏曲げモーメントである。
【0037】
Pm = 降伏応力および形状特性に基づく塑性モーメント、また、
FAC4、FAC5、FAC6は、係数である。
【0038】
これら係数は、部材のkl/r比および緻密性、または実験データまたは他のソースを基に計算される。例えば、管状柱の場合は、FAC4は、π/4であってよく、FAC5 = 0.92、およびFAC6 = 0.98であってよい。
【0039】
面外曲げについても同様の計算が行われるのに注目されたい。捻り挙動は、直線と仮定するが、軸方向挙動は、「荷重係数抵抗設計」(Load Factor Resistant Design)(「LRFD座屈」(LRFD Buckling)の式)またはいずれか他の適当な式または実験データを使用して計算してよい。
【0040】
二つの曲げ、一つの捻りおよび軸方向挙動の間の対話は、四次元降伏面により考察する。
【0041】
梁‐柱要素に対する破損挙動(第3のタイプの非直線入力データ)は、臨界累積回転延性および臨界累積軸方向延性の用語で定義してよい。図5に示した例では、面内および面外曲げによる臨界累積結果回転延性が、閾値を超えると、部材破損が、開始される。その後の破損挙動は、図5に示す式によって特徴付けられる。
【0042】
橋、特にカリフォルニア州、サンフランシスコのゴールデンゲートブリッジなどのより古い鋼製の橋は、組合せ断面を含んでいる。本発明は、ほとんどいかなる種類の鋼製橋の組合せ断面でも処理できる。外部および内部板、外部および内部アングル、およびレーシングを含む図6に示した代表的な断面の場合は、ユーザは、図に示した情報を指定できる。本発明では、上記の梁‐柱に似たコンセプトを基に、非直線ヒステリシス曲げおよび軸方向挙動が、自動的に計算される。
【0043】
石造物のインフィルウォールの場合は、ユーザは、パネルの形状(パネルの幅、高さ、厚さ)、降伏応力(オーバーストレス係数を計算するため)および弾性係数を、直線弾性データ入力の一部として指定することが必要である。パネルヒステリシス挙動は、二つの対角支柱として、自動的に定義される。支柱特性は、実験および分析データを基にしている。専断壁要素は、同様な手順で定義される。
【0044】
強化コンクリート要素の場合は、ユーザは、コンクリートの形状および鋼補強材の形状およびレイアウトを直線弾性データ入力の一部として指定する。鋼およびコンクリートの材料特性は、応力‐歪関係として入力される。梁‐柱要素タイプの曲げおよび軸方向非直線包絡線挙動は、古典的な塑性理論および他の反復数値手順を基に、自動的に計算される。強さおよび剛性の周期的な降級は、ユーザのみが、軽、中程度、重と定義しなければならない。これらは、実験および分析データから得られる適当な係数に自動的に翻訳される。
【0045】
基礎は、基礎要素および土壌を含んでいる。軟質土壌における高層建造物の場合は、基礎要素は、土壌中、適当な深さに打ち込まれたパイルであってよい。それらは、鋼製、木製あるいはコンクリート製のパイルであってよい。土壌要素は、土壌のタイプによって特徴付けられる。ここで、土壌は、そのタイプ(例えば、粘土、砂、砂など)および文献あるいは特定の土壌ボーリング研究所試験から容易に得られるその他の基本的な特性によって指定してよい。土壌中のユーザ指定の深さでは、その深さにおける土壌層は、3直角トラスタイプ要素、すなわち、2側方要素および1軸方向要素でモデル化される。これらトラスタイプ要素のそれぞれの非直線ヒステリシス挙動は、自動的に生成される。その現在の形態では、結合された構造体‐基礎非直線分析を行うことができる。
【0046】
荷重は、静的および(または)動的であってよい。静荷重プッシュオーバー分析の場合、本発明は、ステップ204において、非直線ヒステリシス部材挙動に加えて、地震荷重および波/風/潮流荷重に対し、静荷重プッシュオーバー縦断図を自動的に生成する。
【0047】
地震荷重の場合、ユーザは、3直角方向対して、適当なスケール係数と共に、設計レスポンススペクトルを入力する。ステップ204では、次いで、固有の解法を実施し、質量の少なくとも90%までを補足するモードから得られたモーダル力を組合せ、そして、プッシュオーバー縦断図を修正して、階剪断力とオーバーターニングモーメントとをマッチさせることによって、静的プッシュオーバー縦断図が、自動的に生成される。
【0048】
波荷重の場合、波/潮流/風は、数学モデルを通され、時間履歴における最大の基礎剪断力を定義するスナップショット縦断図が、荷重縦断図として選択される。分析は、付帯構造体のレスポンスの計算なしに、荷重分析のみが行われる場合、自動的に行われる。これら荷重についての入力は、最小限度であり、標準的である。
【0049】
ステップ204で、全ての非直線データが、一たび決定されると、導かれた非直線入力データを基にした構造体の分析が、ステップ206で行われる。前述したように、非直線動的時間履歴分析の場合は、式のシステムは、いずれか一つの部材の状態が変化するステップ毎に、解く必要がある。分析に、大きな変位効果が含まれている場合は、式のシステムをより頻繁に解く必要があるかもしれない。式のシステムを解くことは、ここでは、包括的な剛性マトリクスの再編成および縮小を意味する。さらに、時間ステップ内では、反復手順を使って、平衡を成し遂げてから、次のステップに移らねばならない。計算時間を最小限に抑えるため、本発明は、(a)帯域幅の最小限化、プロフィル正面法などの最小限化手順を用いて剛性マトリクスの記憶装置を最小限化すること;(b)剛性マトリクスを1コピーしか必要としない数値解法を用いること;(c)部材の状態の変化および(または)大きな変位効果によって変化した剛性マトリクスの部分のみが、再編成され、かつ、縮小される記憶装置および解法体系を利用すること;(d)ステップの大きさの増大、したがって、分析に必要とされる合計ステップ数の低減を可能にするより高次の積分体系を用いること;および(e)ハードウェア固有の利用可能な加速度を用いることによって、解法を最適化している。これら新規な特徴は、構造体の非直線分析を行うのに必要な計算力の極端な低減を可能にする。
【0050】
静態分析の場合は、自己検知静態分析機能により、追加の分析自動化が行われる。したがって、ユーザは、究極の容量分析を、最低限の時間で、正確に行うことができる。自動(自己検知)荷重ステッピング手順は、使用の分析法に対する感度が、手動荷重ステッピング手順よりより低いことが、確証された。
【0051】
自己検知(自動)動的オプションの追加は、動的分析中、ステップの大きさを変えることを可能にする。このオプションは、計算および設計コストの相当な節約をもたらす。時間ステップ制御の基準は、いずれか一つの与えられた時間ステップにおける非直線レスポンスの厳正度に基づいている。非直線挙動の厳正度は、時間ステップの終端における不平衡な力ベクトルにより定義される。この不平衡な力ベクトルのユークリッドノルムが、ユーザ指定の許容差を超えると、ステップの大きさは、ユーザ指定の係数(一般に0.5)を掛けた大きさに減少し、そのステップが繰り返される。別法として、この不平衡な力ベクトルのユークリッドノルムが、指定の許容差以下の場合は、後続ステップの大きさは、ユーザ指定の値(一般に2)を掛けた大きさに増大する。
【0052】
分析が、一たび完了すると、結果は、ステップ208において、出力され、かつ、表示される。大きな構造体の静的プッシュオーバーまたは動的時間履歴究極容量分析の場合は、生成された厖大な結果を見、解釈し、かつ、消化するのは、時間が掛かる仕事である。この分析者の仕事を軽減するため、本発明では、三つのオプションを提供している。
【0053】
第一のオプションは、部材についての非弾性シーケンスの事象の要約を印字することであり、その代表的な要約を図7に示す。この要約には、事象シーケンス番号、静的増分番号および部材が非弾性になる時の増分内の荷重ステップ、合計荷重ステップまたは動的時間ステップ、非弾性挙動を経験する部材の名前、部材のタイプ、部材のグループ名、ノードIおよびJ、D/C比およびグループのタイトルを含んでいる。各非直線部材の最高の延性はまた、結果として生ずる曲げ、軸方向引張り、軸方向圧縮および軸方向総和の点でも利用できる。第一に、非弾性事象シーケンス順のリストが利用でき、次いで、最大の損傷から最小の損傷までを経験した部材の区分リストが利用できる。異なる部材タイプについての別の分類も利用できる。他の情報が利用できる場合もある。
【0054】
第二のオプションは、少なくとも二つの形態のグラフィカル出力、すなわち、(a)最大から最小までの損傷を受けた全ての部材を表現する構造体のカラーコード化画像(カラーコード化画像のグレイスケールバージョンを図8に示す);および(b)構造体レスポンスのカラーコード化アニメーション、のうちの一つまたはそれ以上を生成することである。図7には、ブレース内の損傷のカラーまたはグレイスケールコードが、要約されている。上側パネルブレースLX1およびLX2は、約15の最高の軸方向延性を有し、ダークシェード(実際の用途では赤)で示してある。下側パネルブレースLX3およびLX4は、それらの最高の延性が、約4.0なので、ライトシェード(実際の用途では青)で示してある。
【0055】
本発明は、局部的、領域的および包括的な損傷を定量化する機構を提供し、これらの量を、「建造物および他のコード条件(Building and Other Code Requirements)」に合わせて配置する。一例を挙げれば、地震時間履歴を受ける高層建造物の場合は、ユーザは、次の情報、すなわち、(a)建造物内の損傷を監視すべき階数;および(b)平均的な階運動および変位を計算するのに使用される各階におけるノードだけを指定すればよい。本発明は、この情報により、包括的な損傷基準、領域的な損傷基準および局部的な損傷基準を自動的に計算する。包括的な損傷基準は、包括的な変位延性の用語で定義される。領域的な損傷および局部的な損傷は、階間ドリフト、階間剪断、損傷部材数、それらの最高および累積延性、およびそれらの等価フル可塑性サイクル数の用語で定義される。他の基準も含んでいてよい。これらの量を計算するのに使用される方法は、広く知られており、公開文献、標準的な教科書に記載されている。
【0056】
リスク査定の場合は、多重荷重条件に対して、分析ステップ206を繰り返す。例えば、高層建造物の地震リスクの査定を行う場合は、異なる地震強度を表す一連の地震荷重について、その建造物を分析する。地震の選択と分析は、非常に時間が掛かり、厄介で複雑な場合がある。本発明は、このプロセスを簡単化している。ただ一つの入力データストリームを用い、ただ一組の大地運動を用いて、多重分析を行うことができる。各実行行程では、ただ一組の大地運動にユーザ定義の縮尺係数を掛ける。一般に、第一の縮尺係数は、構造体が、この縮尺大地運動を受けた時、構造体内で損傷が始まるよう、選択する。別法として、ユーザは、異なる目標スペクトル加速度を指定してよい。この場合も、第一の目標スペクトル加速度は、構造体が、この縮尺大地運動を受けた時、構造体内で損傷が始まるよう、選択する。大地運動の縮尺係数は、ユーザ指定の目標スペクトル加速度に適合するよう、自動的に計算される。
【0057】
最後に、全ての分析結果は、自動的に表になり、異なるオプションと共に、図表化して出力される。図9は、代表的な表/グラフを示す。Y軸は、地震スペクトル加速度を示し、X軸は、3種類の地震記録(記録1、記録2および記録3)から得た損傷部材の数である。他のパラメータを配置して、同様のグラフを生成することもできる。一例を挙げれば、スペクトル加速度は、確率地震危険分析から得た平均再帰期間に配置してよい。平均再帰期間は、確率に翻訳できる(すなわち、平均再帰期間の逆数が、発生の確率である)。したがって、Y軸を、発生の確率にしてよい。他の損傷基準についても、同様の手順を取ることができよう。
【0058】
本発明の別の実施形態では、システム100は、図10に示したように、個人、財務団体、保険会社、不動産仲買会社、および他の統一体用の構造体格付けルーチン150も提供する。財務団体は、この格付けシステムを用いて、それらの融資証券およびリスクを査定することができる。同様に、保険会社は、そのデータを用いて、リスクを査定し、適当な保険料を確定することができる。不動産仲買会社などの他の団体も、この格付けシステムを市場売買用のツールとして使用することができよう。エンドユーザは、本発明のデータベースにアクセスして、システムを格付けするであろう。このようなデータベースは、工学および科学的原理に基づいて、生成される。
【0059】
運用の際、エンドユーザは、インターネットを通じて、システム100にアクセスし、口座を開設し、あるいは、クレジットカードにより、あるいは、彼らの当座預金を通して、支払いを選択する。
【0060】
エンドユーザは、システム100を、プリプロセッサモードまたは実行モードのいずれかで使用することができる。プリプロセッサモードでは、ユーザは、チェックおよび検証用にデータを提出し、提案した分析に対して、適当なコストを得る。このプリプロセッサモードサービスは、無料である。ユーザが、一たびデータの正確さに満足し、コストを受け入れると、データが、実行用に提出される。図示の実施形態では、インハウスサーバマシン内で、全ての処理が行われる。
【0061】
実行が、一たび終了すると、ユーザは、分析結果および図式形態の関連情報のプリントアウトをダウンロードするよう、Eメールで知らされてよい。これらは、彼らの構造体モデルの画像、カラーコード化された損傷領域を表す彼らの構造体の画像、および彼らの構造体レスポンスのリアルタイムアニメーションであってよい。電話会社を通して請求されるコストにより、1〜900の番号を通して、いかなるサポートでも、与えられる。
【0062】
ステップ152では、ルーチン150は、ユーザから、格付けすべき構造体の場所と特性についての情報を受け取る。例えば、カリフォルニア州の家の場合、ユーザは、場所の住所、構造体のタイプ(例えば、1軒の2階木造フレーム)(建築されている場合)、何らかの改造についての情報などを供給することになろう。ステップ153では、この情報を用いて、構造体の基本周期が、「建造物コード(Building Code)」あるいは他の良く知られた方法を利用することによって、決定される。構造体の基本周期を得る理由については、後で詳細に論じる。
【0063】
ステップ154では、格付けすべき構造体の周囲の全ての有効な欠陥が、ルーチンで識別される。ステップ156では、識別された欠陥で生じ得る構造体への損傷のうち、最大の損傷が生じそうな欠陥が、地震のマグニチュードおよびそれらの確率と共に識別される。この情報は、地震危険分析もしくは一般に利用可能なデータベースから得られる。
【0064】
ステップ158では、ステップ156で識別された欠陥から、構造体に対するスペクトル加速度が得られる。地震危険分析および構造体の基本周期により、問題の構造体のスペクトル加速度についての情報が得られる。
【0065】
ここで、図11を参照して、損傷関数ルーチン300について論じよう。ステップ302で、ルーチン300は、建造物コードガイドライン、FEMAガイドラインあるいは何か他の合理的な手段で、予め決定された構造体のタイプにより、全ての構造体を分類する。ステップ304では、構造体の各分類されたタイプ内でのさらなる分類が、基本構造体周期を基に行われる。このやり方で、その基本構造体周期が、予め決められた範囲内に入る分類された構造体タイプ内の全ての構造体は、構造体分析の目的上、同様な構造体であると、見なされる。基本構造体周期を基にして、構造体タイプを細分類するというこの新規な特徴は、(a)より大きな母集団に適用可能なより少ない損傷関数の生成および(b)周期の間の損傷関数の補間法/補外法の合理的な基礎を可能にする。したがって、二つの石造建造物が有り、一方が高さ10フィート、他方が高さ20フィートであり、これら建造物のレイアウトは、それらの基本振動周期が、非常に小さな範囲内で、互いに他に対して同じか、あるいは、非常に近い場合は、損傷関数を生成するのに、一方の建造物のみを分析して、それを両方の建造物に適用すればよい。
【0066】
ステップ306では、次のやり方で、各細分類構造体の損傷関数を決定して、損傷関数のデータベースを生成する。損傷関数のデータベースは、代表的な建造物コードおよび代表的な建造物材料の下で造られた代表的な構造体の非直線分析を行って生成する。
【0067】
一例を挙げれば、異なる地震帯、異なる土壌条件、および異なる建造物コードの下で作られた家の非直線モデルは、非直線時間履歴分析を用いて分析する。家のモデルは、異なる強度の地震を受けさせて、どのような地震レベルで損傷が開始されるのか、また、どのような地震レベルで構造体の破損が生じるのかが、確定される。この目的のため、望ましくは、数組の地震大地運動記録を選択する。地震大地運動記録の各組は、適当に縮尺して、損傷の開始から破損までの条件をシミュレートする。加えて、損傷の場所と伝播を識別する。損傷は、三つのカテゴリー、すなわち、(a)包括的な損傷;(b)領域的な損傷;(c)局部的な損傷に定量化する。図12に、代表的な損傷関数を示す。
【0068】
図12において、分析された構造体タイプは、デッキ分離鋼製沖浜ジャケット構造体で、これを、三つの地震記録、すなわち、ジョシュア、サラトガおよびニューホールについて分析した。各記録は、三つの値により縮尺した。合計9の非直線動的時間履歴分析を行った。ここで監視された損傷基準は、デッキとジャケットトップとの間の相対的な変位であった。地震記録のそれぞれの損傷関数は、地震記録名によって識別して示してある。曲線11は、各記録から得た損傷関数に対して、回帰分析を行うことによって得られた平均構造体損傷曲線である。平均損傷曲線(1本から5本またはそれ以上)を計算するには、任意の数の大地運動を使用してよいが、平均損傷曲線を生成するには、3組の大地運動で十分である。なぜなら、大地運動に付きものの不確実性は、レスポンス計算における不確実性よりはるかに大きいからである。
【0069】
必要なら、キー入力パラメータ(例えば、降伏応力)を変え、かつ、各地震記録について、非直線分析を繰り返すことによって、レスポンスにおける不確実性を定量化することができる。このプロセスは、各地震記録についてのいくつかの損傷曲線となる。回帰分析を行えば、特定の各地震記録について、平均損傷曲線を得ることができる。最後に、前述のように、各記録についての平均損傷曲線に回帰分析を行えば、レスポンスにおける不確実さを考慮した平均損傷関数が得られる。
【0070】
構造体損傷関数には、非構造体損傷関数が配置される。一例を挙げれば、構造体損傷関数における階間ドリフトが、閾値を超えると、非構造体の損傷(すなわち、硝子の破損、水/ガス管の破裂など)が開始される。ステップ306では、同様の損傷関数(構造体および非構造体)が、各構造体タイプおよび材料タイプについて、生成される。
【0071】
再び図10を見ると、ステップ160では、損傷関数データベースから、その基本構造体周期および材料特性を基に格付けすべき構造体に最も近く対応している細分類された構造体の損傷関数の一つが検索される。
【0072】
特性に対する損傷は、構造体の損傷のこともあり、また、非構造体の損傷のこともある。構造体の損傷は、ステップ160で検索された損傷関数に対して、ステップ158で得られたスペクトル加速度を配置することにより、ステップ162で得られる。
【0073】
ステップ164では、ルーチンにより、1:10の縮尺から得られた特性についての全体的な格付けが決定される。格付けには、検討中の危険(例えば、地震)と共に、構造体の損傷(包括的、領域的、局部的)および非構造体の損傷情報が考慮される。財政および他の情報も考慮される場合がある。
【0074】
上記の構造体格付けルーチン150は、確率的に定量化できるいかなる危険にも適用でき、また、沖浜構造体に対するハリケーン荷重、波/風/潮流などにも適用できる。同様に、損傷関数ルーチン300は、他の危険(例えば、ハリケーン荷重、波、風など)に適用できる。
【0075】
以上のことから、ここでは、説明の目的上、本発明の特定の実施形態を説明したが、本発明の意図および範囲を逸脱することなしに、各種の変形が可能であることが理解されよう。例えば、開示の実施形態では、インターネット環境で本発明が説明されているが、この技術に普通に長けた人なら、システムは、インターネット、LAN、WANなどを含むいかなるコンピュータネットワーク環境でも、インプリメント可能であることが、理解できよう。したがって、本発明は、添付のクレームによる以外には、限定されない。
【図面の簡単な説明】
【図1】
本発明の代表的な実施形態により、構造体を分析するためのシステムの機能ブロック図である。
【図2】
非直線分析を行う方法のフロー図である。
【図3】
トラスタイプポスト座屈タイプ要素の強さおよび剛性における代表的な周期的降級/劣化のグラフである。
【図4】
梁‐柱要素の代表的な包絡線曲線のグラフである。
【図5】
梁‐柱要素の代表的な破損挙動のグラフである。
【図6】
代表的な組合せ断面の図である。
【図7】
構造体の要素に対する非弾性シーケンスの事象の代表的な要約である。
【図8】
構造体の異なる部材に対する異なるレベルの損傷を表す構造体の代表的な図式的画像である。
【図9】
3種類の代表的な地震記録から得たスペクトル加速度の関数としての損傷部材数のプロットである。
【図10】
リスク査定のための構造体の格付け法のフロー図である。
【図11】
損傷関数を決定する方法のフロー図である。
Claims (22)
- 構造体を分析するためのコンピュータでインプリメントされる方法において、
構造体の直線弾性入力データを受け取る工程と、
該受け取られた直線弾性入力データを基に非直線入力データを自動的に決定する工程と、
非直線分析法を通して、該決定された非直線入力データを分析する工程と、
分析の結果を出力する工程と、
を含むことを特徴とする方法。 - 静荷重プッシュオーバー分析で使用のための静荷重プッシュオーバー縦断図を決定する工程をさらに含むこととする請求項1に記載の方法。
- 非直線入力データを自動的に決定する工程は、部材の予め決定されたモデルおよび受け取られた直線弾性入力データに基づく構造体の部材の包絡線挙動、降級挙動、および破損挙動を自動的に決定する工程を含むこととする請求項1に記載の方法。
- 予め決定されたモデルに対するデータの少なくとも一部は、実験または経験によるデータを基にしており、かつ、各モデルは、複数のデータ点、数学的表現、またはその両方として記憶されていることとする請求項3に記載の方法。
- 分析の工程は、最小限化法を用いて、包括的な剛性マトリクスおよび局部的な剛性マトリクスの記憶条件を最小限化する工程を含むこととする請求項1に記載の方法。
- 分析の工程は、包括的剛性マトリクスを1コピーしか必要としない数値解法を用いる工程を含むこととする請求項1に記載の方法。
- 分析の工程は、部材の状態の変化または大きな変位効果によって変化する包括的剛性マトリクスの部分のみを再編成し、かつ、縮小する工程を含むこととする請求項1に記載の方法。
- 分析の工程は、十分により高次の積分法を用いてステップの大きさを増大させ、それにより、分析に必要とされる合計ステップ数を低減する工程を含むこととする請求項1に記載の方法。
- 分析の工程は、
最小限化法を用いて、包括的な剛性マトリクスおよび局部的な剛性マトリクスの記憶条件を最小限化する工程と、
包括的剛性マトリクスを1コピーしか必要としない数値解法を用いる工程と、
部材の状態の変化によって変化する包括的剛性マトリクスの部分のみを再編成し、かつ、縮小する工程と、
十分により高次の積分法を用いてステップの大きさを増大させ、それにより、分析に必要とされる合計ステップ数を低減する工程と、
を含むこととする請求項1に記載の方法。 - 構造体の損傷された部材についての非弾性シーケンスの事象の要約を表示する工程をさらに含むこととする請求項1に記載の方法。
- 要約は、包括的、領域的、および局部的基準を含むこととする請求項10に記載の方法。
- 包括的損傷基準は、包括的変位延性および損傷した部材数を含み、
領域的損傷基準は、一つまたはそれ以上の階間ドリフト、階間剪断、領域内の損傷した部材数、および損傷した部材の識別を含み、かつ、
局部的損傷基準は、最高の部材延性、累積部材延性およびサイクル逆転数を含む、
こととする請求項11に記載の方法。 - 出力の工程は、構造体の部材に対する異なるレベルの損傷を示す該構造体のカラーコード化画像を出力する工程を含むこととする請求項1に記載の方法。
- 予め選択された破滅荷重の複数の強度または確率のそれぞれに対して、分析工程を繰り返す工程と、
損傷基準の数を、予め選択された破滅荷重の強度または確率の関数として表示する工程と、
をさらに含むこととする請求項1に記載の方法。 - 損傷基準を用いて、金銭上の損失を査定するか、あるいは、財政上の決定または緩和決定を行う工程をさらに含むこととする請求項14に記載の方法。
- 構造体を分析するためのコンピュータでインプリメントされる方法において、
複数の構造体を、予め決定された構造体タイプにより分類する工程と、
各分類された構造体タイプ内の構造体を、基本構造体周期により、細分類する工程と、
該細分類された構造体に対して損傷関数を決定する工程と、
該決定された損傷関数を記憶する工程と、
を含むことを特徴とする方法。 - 構造損傷関数に対応する非構造損傷関数を決定する工程をさらに含むこととする請求項16に記載の方法。
- 分類の工程は、複数の構造体を、FEMAガイドラインまたは建造物コードガイドラインにより分類する工程を含むこととする請求項16に記載の方法。
- 細分類の工程は、その基本構造体周期が、予め決定された範囲内に入る分類された構造体タイプ内の全ての構造体を、同様の構造体として細分類する工程を含むこととする請求項16に記載の方法。
- 第一の構造体の場所および他のデータを受け取る工程と、
複数の分類された構造体中で、該第一の構造体に対応する一つの分類された構造体を識別する工程と、
該第一の構造体の分析のため、該識別された構造体に対応する細分類された構造体の記憶された損傷関数を検索する工程と、
をさらに含むこととする請求項16に記載の方法。 - 第一の構造体に対して損傷を引き起こしそうな欠陥を判定する工程と、
該構造体に対する判定された欠陥線の少なくとも一つのスペクトル加速度を判定する工程と、
該判定されたスペクトル加速度に対する損傷基準を、該受け取られた損傷関数から決定する工程と、
をさらに含むこととする請求項16に記載の方法。 - 損傷関数を決定する工程は、
複数の以前の災禍の損傷関数を決定する工程と、
該決定された損傷関数から、回帰により、平均損傷関数を算定する工程と、
を含むこととする請求項16に記載の方法。
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