JP2004506164A - 材料の加温装置、システム及び方法 - Google Patents
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Abstract
材料を加温するための装置、システム及び方法を提供する。一実施例においては、前記材料を加温するための熱が、過冷却塩溶液などの活性化可能な加熱物質によって供給される。一実施例においては、装置が、液体を予め選択された温度に長時間にわたって維持する。一実施例においては、装置を、無菌の外科処置環境での使用のために滅菌消毒可能である。一実施例においては、装置が再使用可能である。一実施例においては、装置が、内容物を容易に注出できるように構成されている。
Description
【0001】
発明の分野
本発明は、材料の加温装置、システム及び方法に関する。
【0002】
発明の背景
滅菌野を利用した外科処置の実施中には、通常、組織の洗浄及びその他の目的のために、液体が必要とされる。洗浄液を使用する場合、又は表面積の広い組織に洗浄液を塗布する場合には、体温よりも低温の液体を使用すると、前記組織又は患者の身体全体の臨床上重大な冷却につながり、低温症を引き起こすおそれがある。従って、一般には、体温以上の温度の洗浄液が利用できるように用意されている。しかし、加温した液体を利用するためには、看護職員がこれに注意している必要がある。現在のところ、手術室で使用する滅菌生理食塩水及びその他の液体は、加温されて、加温器内に保存されている。加温液体が更に必要となった時には、看護職員または医療技術者が、前記加温器から新たな液体を補充しなければならない。次に、前記液体は、前記滅菌野に載置された容器に無菌注入されなければならないが、この直後から、前記液体の温度は低下し始める。
【0003】
外科用の液体を入れることの可能な容器は、一般に、外気に開口した、断熱されていないボウル又は同様の容器である。液体を入れるための一般的な容器には、前記液体の温度を保つための手段は設けられていない。従って、液体は、最初は加温されていた場合でも、注入された後は急速に温度が低下する。液体を患者に塗布する時には、前記液体が体温よりもかなり低温となってしまう場合がある。そのような液体を患者に塗布すると、臨床上重大な低温症を引き起こすおそれがある。この低温症は、患者に対して、血液凝固の問題を含めた非常に有害な作用を及ぼしうる。小児患者集団にとっては、低温症は特に有害である。温度が低下した大量の液体の温度を上昇させるには、更なる加温した液体を前記容器内に追加する方法がある。しかし、この更なる液体は、外科処置上の目的からは不要であり、単に前記混合物の温度をより適切なレベルにまで上げるためにのみ使用されるものである。加えて、スタッフが、新たな加温液体をすぐに使用できるようにしておかなかった場合には、患者を低温の液体に接触させることになり、このために低温症を引き起こすおそれがある。臨床的観点からすると、前記更なる液体は不要であり、無駄となる場合が多い。所定量の液体を滅菌野内で加温しておくためには、液体を混ぜ合わせる以外の方法が望ましいであろう。
【0004】
滅菌野の無菌状態を維持することが必須ではない別の用途のための加温装置が幾つか考案されている。米国特許第4,996,405号及び米国特許3,766,360号は、そのような装置の例である。しかし、これらを外科処置環境で使用する場合、滅菌野内に置くように構成された加温装置は、それ自体が無菌でなければならず、また前記外科処置の間、終始無菌状態を保たねばならないという重大な問題がある。同様に、滅菌野内に置く加温装置用に設計されたエネルギー源は、この作業空間環境の無菌性を損なってはならない。従って、無菌の外科的環境で機能すべく特に構成された加温装置が必要である。そのような加温装置は、その外表面が無菌であるか、または滅菌消毒が可能であることが望ましいであろう。更に、そのような加温装置は、所定量の液体の温度を比較的一定に維持可能であることが望ましいであろう。例えば米国特許第4,153,833号、米国特許第4,900,161号及び米国特許第4,962,297号などの、別の非滅菌的用途に適した装置に関する別の複数の特許に、温度制御機構が開示されている。外科的環境用に構成された加温装置が、従来の液体容器と組み合わせて使用可能であると便利であろう。また、加温装置が比較的安価な材料から効率的に作製可能であり、使い捨て可能な部品と組み合わせて使用するようになっていることが望ましいであろう。
【0005】
滅菌野に置いた液体を十分に加温することの可能な、一般に入手可能な装置は、存在しない。
【0006】
例えば、米国特許第4,077,390号、米国特許第4,872,442号、米国特許第5,791,334号、米国特許6,116,231号及び米国特許第4,572,158号に開示された、化学的手段を用いて限局的加熱を行う手法が知られている。しかし、これらの手法では、前記外科処置環境での使用の各要件を満たすように特に構成された加温装置が必要である。
【0007】
発明の概要
一実施態様においては、発熱装置が、加温対象の材料を入れる硬質の容器と、前記容器の周囲に配置されたチャンバと、前記チャンバ内に配置された活性化可能な加熱物質であって、活性化されると放熱して前記容器内の前記材料を加温する加熱物質と、を備えている。
【0008】
一実施例においては、前記加熱物質は、過冷却した塩溶液である。一実施例においては、前記装置が、前記加熱物質を活性化させる開始装置を更に備えている。一実施例においては、前記開始装置が、前記チャンバ内に貫入して前記活性化可能な加熱物質に接触可能なプランジャを備えている。一実施例においては、前記チャンバが、穴と、前記穴を密閉するフォイルシールとを備え、前記プランジャが、前記フォイルシールと前記穴とを貫通して貫入可能である。
【0009】
一実施例においては、前記開始装置が、プランジャと、前記プランジャに結合した引金とを備え、前記プランジャが前記チャンバ内に通じる穴に隣接しており、前記穴が、前記引金が引かれていない時には隔壁によって密閉されている。一実施例においては、前記引金を引くと前記プランジャが前記隔壁を貫通し、前記活性化可能な加熱物質が周囲環境に接触する。一実施例においては、前記プランジャが中空であり、前記周囲環境が、前記プランジャ内の所定量の空気からなる。
【0010】
一実施例においては、前記活性化可能な加熱物質が塩化カルシウムからなり、前記開始装置が水からなる。一実施例においては、前記開始装置が、前記チャンバ内に貫入可能であると共に活性化装置に取外し可能に結合したプランジャを備えている。一実施例においては、前記開始装置が、前記チャンバの開口部内に柔軟に取付けられたばねを備えている。一実施例においては、前記開始装置が、前記チャンバの開口部内に柔軟に取付けられた円板を備えている。
【0011】
一実施例においては、前記開始装置が、絶縁されていない基部と、電気絶縁された先端部とを有するねじを備え、前記ねじが、前記基部が前記活性化可能な加熱物質に接触しないような具合に、ねじ穴を介して前記チャンバ内に螺入されている。一実施例においては、前記ねじが、前記ねじ穴を介して進入することによって、前記基部が前記活性化可能な加熱物質に接触して前記物質を活性化させる。
【0012】
一実施例においては、前記装置が、前記容器に取外し可能に結合した蓋を更に備えている。一実施例においては、前記蓋がヒンジを備え、前記蓋の一部分がヒンジ式に回転可能である。
【0013】
一実施例においては、前記装置が、前記チャンバの周囲に配置された断熱性のスリーブを更に備えている。一実施例においては、前記断熱性のスリーブが、ネオプレン、スタイロフォーム(登録商標)又はウレタンのうちの1つからなる。
【0014】
一実施例においては、前記活性化可能な加熱物質は、活性化すると、前記容器内の前記材料を予め選択された温度にまで加温するのに十分な熱を生成する。一実施例においては、前記活性化可能な加熱物質は、活性化すると、前記材料を、少なくとも約2時間の間、最も好適には少なくとも約4時間の間、室温よりも高い温度に維持するのに十分な熱を生成する。一実施例においては、前記活性化可能な加熱物質は、約17.68モル濃度の過冷却された酢酸ナトリウム溶液約1250ミリリットルからなり、前記物質は、活性化すると、華氏約68.5度の材料約800ミリリットルを、華氏95乃至120度にまで加温すると共に、これを少なくとも4時間の間、華氏95乃至120度に維持するのに十分な熱を生成する。一実施例においては、前記活性化可能な加熱物質が、約17.68モル濃度の過冷却酢酸ナトリウム溶液約400ミリリットルからなり、前記物質が、活性化すると、華氏約98.6度に予め加温された材料約500ミリリットルを、少なくとも約4時間の間、華氏95乃至120度に維持するのに十分な熱を生成する。
【0015】
一実施例においては、前記容器が、ポリプロピレン、ナイロン、ポリエチレン、ビニル、ステンレススチール及びチタンのうちの1つからなる。一実施例においては、前記容器が注ぎ口を有する。一実施例においては、前記装置が滅菌消毒可能である。一実施例においては、前記装置が、既存の外科用液体ボウルと組み合わせて使用されるべくデザインされている。
【0016】
一実施例においては、前記加熱物質が、活性化前の第1の状態と、活性化後の第2の状態と、を有する。一実施例においては、前記加熱物質を、活性化後に前記第1の状態に回復させ、再び活性化させることが可能である。
【0017】
一実施例においては、加温容器が外壁と内壁とを有し、前記内壁が、その中で加温される物品を入れる内部チャンバを規定し、前記外壁及び内壁が外部チャンバを規定し、前記外部チャンバが気密であり、前記内壁が、前記外部チャンバを前記内部チャンバから隔ててこれらのチャンバ間の連通を防止している。過冷却された塩水溶液が、前記外部チャンバ内に配置されて、前記外部チャンバを少なくとも部分的に満たしている。前記加温容器と一体に設けられた開始装置が、前記過冷却された塩水溶液を選択的に活性化させて、前記溶液に発熱性の結晶化を起こさせる。
【0018】
一実施例においては、加温容器が、ボウルと、前記ボウルの周囲に配置されたスリーブとを備え、前記ボウル及びスリーブが、その間にチャンバを規定し、前記チャンバ内に、活性化可能な加熱物質を入れた袋が配置されている。
【0019】
一実施例においては、外科用液体を加温するためのシステムが、電源と、前記電源のための無菌の箱と、前記電源によって給電され、前記電源に操作可能に接続される抵抗ヒータであって、前記電源への操作可能な接続の前に滅菌消毒可能であり、更に、前記電源への操作可能な接続後も無菌状態を維持することが可能な抵抗ヒータと、外科用ボウルを安定に支持可能な寸法に構成され、前記抵抗ヒータによって生成された熱を前記外科用ボウルに入れた外科用液体に伝達することの可能なボウルホルダと、を備えている。
【0020】
一実施例においては、前記電源が、再充電可能な電池を備えている。一実施例においては、前記無菌の箱が使い捨て可能である。一実施例においては、前記抵抗ヒータが、前記外科用ボウルの一部分を包囲している。一実施例においては、前記システムが、前記抵抗ヒータによって生成された熱を制御するための温度制御装置を更に備えている。一実施例においては、前記システムが、前記外科用ボウル内の前記液体の温度を感知する温度センサと、前記液体を予め選択された温度とすべく、前記温度制御装置に信号を送信して前記抵抗ヒータによって生成される前記熱を制御する温度信号発生装置と、を有する温度フィードバックシステムを更に備えている。
【0021】
一実施例においては、材料加温方法に、硬質の容器と、前記容器の周囲に配置された活性化可能な加熱物質と、を備えた熱発生装置を設けることと、前記加温対象の材料を前記容器内に入れることと、前記加熱物質を活性化させることと、が含まれる。
【0022】
一実施例においては、材料加温方法に、硬質の容器を備えた熱発生装置を設けることと、前記容器の周囲に活性化可能な加熱物質を配置することと、前記加温対象の材料を前記容器内に入れることと、前記加熱物質を活性化させることと、が含まれる。
【0023】
一実施例においては、材料加温方法に、硬質の容器と、前記容器の周囲に配置された、活性化可能な加熱物質と、前記活性化可能な加熱物質を活性化させるための開始装置と、を備えた熱発生装置を設けることと、前記加温対象の材料を前記容器内に入れることと、前記開始装置を動作させることと、が含まれる。
【0024】
一実施例においては、前記加熱物質が、活性化前の第1の状態と、活性化後の第2の状態と、を有する。一実施例においては、前記方法に、前記加熱物質を前記第1の状態に回復させることが更に含まれる。
【0025】
発明の詳細な説明
1.総記
手術室、心臓カテーテル処置室、介入放射線処置室又はその他の、当業者に容易に明らかな無菌処置室内で使用することを意図されたいかなる装置も、これらの外科処置環境内で安全に使用可能であるような諸特徴を備えていなければならない。第1に、滅菌野内に保持される加温装置が、前記滅菌野の無菌性を損なってはならない。次に、加温装置が、可燃性の麻酔薬及びその他のガスの存在下で電気的に安全でなければならない。加えて、加温装置は、液体を過度に加熱または冷却せずに安全に患者に塗布できるように、液体を予め定められた温度範囲内に加温すべきである。更に、前記加温される液体の容器は、容易に使い捨て可能であるか、又は容易に滅菌消毒可能であることが望ましい。更に、外科処置に使用する器具及びその他の装置を置くためのテーブルは、準備作業の間及び、場合によっては前記外科処置の実施中に移動されるので、前記加温装置が自由に移動可能であり、移動の度に更なる設定や準備を要さないことが望ましい。幾つかの場合においては、前記加温装置を、現在既に病院施設で使用されている外科用液体のボウルと組み合わせて使用可能であるように構成することが望ましい。
【0026】
2.定義
ここで使用される「活性化可能な加熱物質」という用語には、開始装置又は熱生成による開始刺激に反応する任意の物質が含まれる。そのような物質の例には、過冷却された塩溶液及び、発熱性の化学的又は物理的変化を起こすことの可能な任意の化合物が含まれる。開始刺激には、化学的、機械的、熱、太陽光、電磁、イオン化放射線及びその他の、当業者に周知の任意の形のエネルギーの印加が含まれる。
【0027】
3.実施例
図1に図示された一実施例においては、液体加温システム10が、液体を滅菌野で加温すべく構成されている。図1には、液体を入れることの可能なボウル22が例示されており、前記ボウルは、加温機構上に配置されている。前記加温機構に、抵抗ヒータ14が含まれていてもよく、前記ヒータの上またはその中に、前記ボウル22が載置又は配置されていてもよい。抵抗ヒータ14が、前記ボウル22の寸法又は形状に一致するように構成されていてもよい。ここで使用される前記ボウル22は、外科用の液体を入れるように構成されたいかなる種類の容器であってもよい。例えば、手術室内で一般に使用可能な金属製の液体ボウルを使用してもよい。同様に、金属製の水差し形容器を、前記液体加温システム10内で液体を入れるボウル22として用いてもよい。専用のボウルを考案して、前記液体加温システム10の一部分として設けてもよい。標準的なプラスチック製の洗浄ボウルは、長時間にわたる高温に耐えられないために、不適当であろうが、本発明の範囲内で別の材料を用いてボウルを構成可能であることは、当業における技術者に明らかであろう。図示された前記実施例においては、前記抵抗ヒータプレート14に設けられた凹部が、前記ボウル22のボウルホルダ28を構成している。別の種類のボウルホルダ28を用いることも可能である。例えば、前記ボウル22の縁又は溝を挟むラッチを設けてもよい。又は、ばね式のボタンが前記ボウルのくぼみに嵌合するように形成されていてもよい。別の固定装置を構成することも可能である。前記抵抗ヒータ14が、図1に図示するように、前記ボウル22の底部に配置されていてもよい。又は、抵抗ヒータ14を、前記ボウル22全体またはその一部分を包囲するように構成してもよい。そのような実施例においては、前記ボウル22を支持する前記抵抗ヒータ14の形状は、本願中で使用する意味でのボウルホルダ28であるとして理解される。図示された前記実施例では、温度センサ24が、前記加温機構の一部分として示されている。前記温度センサ24は、前記抵抗ヒータ14の温度を適切なレベルに維持すべく機能する。前記温度センサ24に、温度を制御するための、フィードバック回路又はその他の当業者に周知の任意の装置が含まれていてもよい。図示された実施例においては、前記温度センサ24からの信号に応えて必要な温度調整を行う温度制御装置20が例示されている。図1には、前記液体加温システム10の内部要素を被覆すべく配置された箱12が図示されている。これらの内部要素には、電池18と、前記温度制御装置20とが含まれる。前記箱12は、前記複数の内部要素の集合をその中に配置可能な、無菌の又は滅菌消毒可能な箱状の構造物として設けられていてもよい。幾つかの実施例においては、前記箱12が使い捨て可能であり、1回限りの使用を意図されていてもよい。前記箱12は、手術室内のバックテーブル上で滅菌消毒され、かつ無菌状態を維持されるように構成されている。同様に、前記加温機構及び前記ボウル22は、滅菌消毒され、かつ無菌状態を維持されるべく構成されている。従って、前記液体加温システム10は、滅菌野の完全性を損なうおそれの全くない、完全に無菌の装置を実現するものとして構成されている。
【0028】
図2A、2B及び2Cは、それぞれ、本発明の一実施例の上面図、側面図及び正面図である。図2Aは、前記液体加温システムのボウルを除いた上面を図示したものである。ここに示す抵抗ヒータ14は、中央に温度センサ24が設けられた正方形のプレートである。先に述べたように、別の形状の抵抗ヒータ14を本発明で使用してもよい。同様に、別の仕方で配置された温度センサ24を本発明で使用してもよい。図2Bは、本装置の側面を、その内容が見えるように図示したものである。寸法の一例が図中に示されている。この図では、電池充電器30と、密封された鉛蓄電池18と、温度制御装置20とが図示されている。前記電池充電器30が、手術室に見受けられる標準的な交流電流によって動作し、手術中に、必要に応じて前記鉛蓄電池18を充電してもよい。本発明の別の複数の実施例では、前記装置中に電池充電器30が設けられていなくてもよい。これらの実施例では、前記液体加温装置が、再充電の不可能な電池のみによって給電されてもよい。さらに別の複数の実施例では、電池ではなく外部電源によって給電されるようになっていてもよい。図2Cは、前記加温装置の内容が見えるように図示したものであり、ここで前記電池18、前記温度制御装置20及び前記電池充電器30は、全て前記箱12内に収容されている。単一で又は組み合わせて前記抵抗ヒータ14を加熱するための電力を供給するこれらの要素を、電源と称してもよい。電池寿命、電池の充電状態又は外部電源の使用状況を示す表示装置が、前記箱12の表面上に設けられていてもよい。
【0029】
図3は、前記箱12の構成の一例を示したものである。図示された前記実施例では、前記箱は、前記装置の前記複数の内部要素を入れるために開閉可能な蓋40を有する。先に述べたように、前記箱12は、電池、電池充電器及び温度制御装置などの内部要素を入れるように構成されている。図3に示す前記蓋40は、ヒンジ式の接合部42で開き、前記ヒンジ式の接合部42の反対側の端部でラッチ44により閉じる。操作の容易な何らかのラッチ44が好適であろう。前記蓋40は、前記無菌の箱12の外表面を汚染することなく前記箱12内に前記複数の内部要素を入れることができる程度に十分に開く。図示された前記実施例は、前記装置の前記複数の内部要素と前記抵抗ヒータ14との双方にインターフェースする複数の取付けペグ48を備えている。図に示すように、前記複数の取付けペグ48は、対応する複数の取付けスロット50に嵌合するような寸法に構成されている。
【0030】
前記抵抗ヒータ14に給電するためのエネルギーが、前記複数の内部要素から、前記複数の取付けペグ48を介して流入することにより、前記無菌の箱12を自由に通過してもよい。ここに図示した実施例ではなく別の機構を用いて、前記箱12を開くようにしてもよい。例えば、ある特定の構成の電池と関連する装置とを、前記箱12に設けられたスロットに、先端部が前記スロットに嵌合すべく形成され、基部が前記手術室内の看護職員によって把持されるべく形成された器具を用いて挿入してもよい。別の一実施例においては、前記箱の側面に設けられたヒンジ式の扉を介して、電池を前記装置内に挿入可能であってもよい。手術室看護職員が前記扉を開閉出来るように、無菌の末端部が前記ヒンジ式の扉に開放可能に嵌合する器具を設けてもよい。前記器具の、前記看護職員が把持することの可能な前記基部によって、前記看護職員が前記扉を開閉することが可能であり、更に、前記器具を一度固定した後に前記ヒンジ式の扉から取り外すことができるような解放機構が設けられていてもよい。
【0031】
図4は、ボウル22を包囲している抵抗ヒータ14によって、前記ボウル内の液体が全ての面で加熱されるようになっている、本発明の別の一実施例を図示したものである。前記加熱した液体を加温するために任意に使用される蓋62も図示されている。前記抵抗ヒータ14は、前記加温システム10の前記複数の内部要素60と関連させて概略的に図示されている。当然のことながら、前記複数の内部要素60は、前記抵抗ヒータ14の下側に位置する代わりに、前記抵抗ヒータ14へのエネルギー供給が可能であり、かつ前記無菌の又は滅菌消毒可能な箱12内への挿入が可能であるような好適な位置に配置されていてもよい。
【0032】
幾つかの実施例においては、前記複数の内部要素を包囲する前記箱を被覆すべく構成された、使い捨て可能な無菌のドレープによって、無菌状態を保ってもよい。これらの実施例においては、前記無菌のドレープが、前記電源を入れるための無菌の箱を構成している。前記ヒータを前記加温プレート内に組み込む代わりに、前記ヒータのコイルを前記使い捨て可能なドレープ内に組み込んでもよい。また、前記加熱要素は様々な形状をとりうる。加熱コイル又は加熱部の模様の代表的な形状を図5に示すが、使用可能なその他の形状の種類は数多くあり、そのような形状は、当業者によって理解されよう。
【0033】
図6は、本発明に基づく外科用液体加温システム10の一実施例を図示したものである。容器壁14を有する液体容器12を備えた前記加温システム10の断面図が図示されている。前記容器壁14は、活性化されると熱エネルギーを発生する化学溶液又は活性化可能な加熱物質を入れることの可能なチャンバ20と直接に接している。前記容器壁14は、前記液体容器12に入れた液体に熱を伝導し、かつ活性化された加熱物質が発生する熱に耐えうるいかなる材料から作製されてもよい。一実施例においては、ポリプロピレンを用いて前記液体容器12を作製してもよい。前記容器12は、例えばナイロン、ポリエチレン、ビニル、ステンレススチール及びチタンなどのその他の材料から作製されてもよく、また、これら以外の材料も、当業者に容易に想到されるであろう。図示した前記実施例では、ヒンジ式の蓋38を介して、液体を前記液体容器12に注入することが可能である。図6に図示したヒンジ40は、前記蓋38の中央部に配置されている。本発明の別の複数の実施例では、別のヒンジ式の装置及び別の蓋開閉機構が設けられていてもよい。
【0034】
図示した前記実施例では、前記加熱物質を入れるための前記チャンバ20が、前記容器壁14と外壁18との間に設けられている。前記加温システム10内の前記活性化した加熱物質が発生した熱を保つための断熱材又はスリーブ22が設けられていてもよい。一実施例においては、前記液体容器12が、環境条件及び容器のデザインによって異なるが、1リットルから2リットルの液体が入るように作製されており、また、およそ2時間から5時間の間、前記液体を体温に保つことが可能である。
【0035】
一実施例においては、本発明に基づく加温システムが、過冷却液体を利用して熱生成を行ってもよい。一実施例においては、酢酸ナトリウムなどの食品用の塩を、活性化可能な加熱物質として前記チャンバ20に入れてもよい。この塩は、華氏130度で凝固(結晶化)し、前記チャンバに入っている間に過冷却される。過冷却を、(例えば十分に高温の液体に浸すこと、オーブン、オートクレーブ又はマイクロ波エネルギー源などによって)全ての結晶を溶解させ、前記液体を冷却することで行ってもよい。前記過冷却液体を、結晶化用の金属製の結晶核を用いて結晶化させてもよい。前記過冷却液体が結晶化する際に、その温度が、凝固点である華氏130度にまで上昇する。この時に、この熱が前記容器壁14を介して伝わり、前記液体容器12に入っている前記液体を加熱する。
【0036】
その他の好適な過冷却された液体には、酢酸鉛、酢酸カルシウム四水和物、ピロリン酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム及びトリメチロールエタン水和物が含まれる。前記チャンバ20内部からの化学的加熱を、例えば水によって活性化可能な塩化カルシウムなどの別の薬剤を用いて行ってもよい。オートクレービングにより、又は前記容器を加熱して製活性化させることにより再利用の可能な加熱物質を用いると、非常に有利であろう。
【0037】
図7は、本発明での使用が可能な活性化装置24の一実施例を図示したものであり、前記液体加温システム10の壁の断面が示されている。図示されたチャンバ20には、活性化可能な状態の加熱物質が入ることが可能である。ここに示す活性化装置24は、前記チャンバ内に入っている前記過冷却液体を結晶化させるための結晶核として、プランジャチップ32を使用する。図示された前記実施例によれば、プランジャ板28に圧力をかけて、前記プランジャチップ32を、最初はシールされている開口部30内に押し込む。前記プランジャチップ32は、前記開口部30内に押し込まれるのに伴って、前記シールを破る。前記開口部30は、プランジャロッド34を気密に受容するような寸法に構成されている。前記プランジャロッド34が前記開口部30内に受容されることで、前記チャンバ20が有効に密閉されるので、前記加熱物質が漏れることがない。前記プランジャチップ32が前記加熱物質と接触すると、結晶化が起こり、前述のような熱生成が行われる。
【0038】
図示した前記実施例では、前記プランジャシステムを取り除いて、高温の酢酸ナトリウム又は同様の加熱物質を前記開口部30を介して前記チャンバ20内に入れた後に、前記開口部30を密閉するようになっていてもよい。その後、前記プランジャシステムを再配置し、指で押圧して前記密閉された開口部30を貫通させることによって、前記加熱物質と接触させて結晶化を開始させてもよい。同様のプランジャ式の機構を、本発明の範囲内でデザインしてもよい。前記密閉した開口部30の貫通を容易にすることの可能な、又は前記加熱液体をより有利に活性化させることの可能な、様々なプランジャ材料及び表面仕上げを考案可能である。
【0039】
前記プランジャ装置又は同様の活性化装置24を、前記液体加温システム10のいずれの表面上に配置してもよい。前記活性化装置24は、前記図面では前記システム10の上面上に設けられているが、側面又は底面に配置して容易に操作できるような構成となっていてもよい。これらの図面に図示されたシステム10では、加熱物質を直接に注入可能なチャンバ20が例示されているが、加熱物質を、熱生成のために前記活性化装置24によって貫通可能な袋、箱又はその他の何らかの容器に予め入れた状態で、前記加温システム内に組み込んでもよい。
【0040】
図8は、注出可能な水差し形容器42として構成された液体加温装置10の一実施例を示したものである。図示されたこの実施例では、液体だめ48内に液体を貯め、注ぎ口58から前記液体を注ぐ。前記液体だめを内壁50が包囲し、前記内壁に、酢酸ナトリウム結晶などの、前記容器壁内に組み込んだ活性化可能な加熱物質44が直接に接触する。前記加熱物質44を包囲する外壁52は、断熱機能も有する。この実施例には、前記液体だめ48内の液体を、必要に応じて前記注ぎ口58から容易に注げるようにする取っ手54も設けられている。ヒンジ式、プレスばめ式、ねじぶた式、ラッチ式又はその他の様々な蓋(図示せず)を、前記注ぎ口58の寸法に適合するように構成してもよい。図示された前記実施例においては、前記注出容器内部に加温機能を直接に組み込んだことで、液体を直接かつ容易に必要量だけ使用することが可能である。
【0041】
図8に図示した前記注出可能な水差し形容器42を、安価な射出成形材料で使い捨て可能に作製してもよいし、又は、より耐久性の高いプラスチック又は金属材料を用いて再使用可能に作製してもよい。材料に、ナイロン、ポリエチレン、ビニル及びその他の当業者に周知のプラスチック又はセラミックが含まれてもよいし、又は、ステンレススチール、チタンなどの金属が含まれてもよい。先に述べた実施例と同様に、様々な活性化機構を利用可能である。例えば、前記加熱物質44と金属製の板とを接触させることで活性化を行ってもよい。又は、例えば、プランジャ機構を用いてもよい。前記取っ手54に、押し下げると前記活性化要素を前記加熱物質中へと押し込む引金を設けてもよい。
【0042】
図9は、前記取っ手54に空気活性化機構60が取り付けられた注出可能な水差し形容器42として構成された、本発明に基づく液体加温装置10を図示したものである。過冷却した酢酸ナトリウム溶液及びその他の活性化可能な加熱物質は、空気に曝すと結晶化が開始することが実証されている。ここに図示する前記空気活性化機構60は、この観察結果を根拠としている。この図では、ゴム製の隔壁64が、前記外壁52の開口部を覆っている(図示せず)。引金アーム62を引くと、中空のプランジャ68が前方に押し出され、前記ゴム製の隔壁64を貫通する。このことによって、前記中空のプランジャ68の中空の内部の寸法によって異なる所定量の空気の流入が可能となる。この実施例では、前記ゴム製の隔壁64によって被覆可能な前記開口部を利用して、前記加熱物質を前記外壁52内に充填又は補充することも可能である。図示した前記実施例では、前記容器中で動いてしまうおそれのある金属製の板又はロッドを使用したり、物理的な変形を施したりすることなく、前記加熱物質の活性化を制御することが可能である。前記加熱物質への空気の曝露を制御するために、プランジャ機構に様々な引金を設けてもよい。酢酸アセテートを入れたPVC製の袋などのその他の容器を、例えば前記袋の中に空気を導入する手動の開閉弁又は逆止め弁(一方向弁)などのその他のシステムを利用して、活性化させてもよい。この実施例では、ヒンジ式の蓋70が例示されているが、様々な蓋及び栓を代わりに用いてもよいことが当業者に理解されよう。
【0043】
図10は、本発明で使用される活性化装置の別の一実施例を示したものであり、前記液体加温システム10の壁の断面が示されている。図示されたチャンバ20には、活性化可能な状態の加熱物質を入れることが可能である。開始装置100に、前記チャンバ20内に入っている前記活性化可能な加熱物質を結晶化させるための結晶核として、金属製のばね102が含まれている。前記ばね102は、前記チャンバ20の開口部にわたって延伸し、前記ばねの両端は適切に固定されている。前記チャンバ20の前記開口部にわたって貼付された柔軟な膜104が、前記チャンバ20が密封されるような具合に、前記ばね102を被覆している。図示された前記実施例によれば、前記柔軟な膜104を介して前記ばね102に圧力を加えることにより、前記ばね102を撓ませてもよい。前記ばね102をこのように撓ませることで、前記活性化可能な加熱物質の結晶化が開始する。
【0044】
図11は、本発明で使用される活性化装置の別の一実施例を示したものであり、前記液体加温システム10の壁の断面が図示されている。図示されたチャンバ20には、活性化可能な状態の加熱物質を入れることが可能である。開始装置100に、前記チャンバ20に入っている前記活性化可能な加熱物質を結晶化させるための結晶核として、金属製の円板108が含まれている。前記円板108は、前記チャンバ20の開口部にわたって延伸し、前記板の両端は適切に固定されている。前記チャンバ20の前記開口部にわたって貼付された柔軟な膜104が、前記チャンバ20が密封されるような具合に、前記チャンバ20の前記開口部にわたって貼付されている。図示された前記実施例によれば、前記柔軟な膜104を介して前記円板108に圧力を加えることにより、前記円板108を撓ませてもよい。前記円板108をこのように撓ませることで、前記活性化可能な加熱物質の結晶化が開始する。
【0045】
図11Aは、本発明で使用される活性化装置の別の一実施例を図示したものであり、前記液体加温システム10の壁の断面が図示されている。図示されたチャンバ20には、活性化可能な状態の加熱物質を入れることが可能である。ねじ110が、ねじ穴を介して前記チャンバ20内に貫入している。前記ねじは、絶縁されていない基部112と、電気絶縁された先端部114とを有する。前記基部112に、前記チャンバ20に入っている前記活性化可能な加熱物質を結晶化させるための結晶核となる、被覆が施されていない金属が設けられていてもよい。前記ねじ110は、前記チャンバ20の穴に部分的に螺入されている。前記チャンバ20の前記壁内にねじ山を成形してもよいし、或いは、前記チャンバ壁上に標準的なナットをスピン溶接するか又は別の方法で取り付けてもよい。
【0046】
前記ねじ110は、好適にはアルミニウム又はステンレススチールからなる金属製のねじであってもよい。前記先端部114に設けられた前記電気絶縁材料は、いかなる適切な電気絶縁材料であってもよいが、好適には、前記先端部114に施されたポリマー被覆である。前記ねじ110と雌ねじとは、気密なハーメチックシールをなすのに十分な締めしろを取った寸法に形成されている。運搬及び滅菌消毒の全過程を通して前記シールを完全に気密とするために、前記雌ねじに、任意の被覆又は別の材料からなる更なる部分を設けてもよい。又は、前記ねじが非金属であり、好適な活性化材料からなるインサート又は被覆が含まれていてもよい。そのような実施例の一例として、金属製のインサートを備えたプラスチック製のねじであって、前記インサートが液体と接触すると、前記加温装置を活性化させることが可能なねじが挙げられる。製造過程で、前記ねじ110は、前記電気絶縁された先端部のみが前記チャンバから突出して前記活性化可能な加熱物質と接触するような具合に、前記チャンバ壁内に部分的に螺入される。このねじの挿入を、前記活性化可能な加熱物質がその融解温度よりも十分に高温である間に行ってもよい。
【0047】
図11Bを参照すると、前記ねじ110を回転させて、前記ねじ110の前記基部112を前記チャンバ20内に入れることによって、前記液体加温装置を活性化させてもよい。前記基部112が前記チャンバ20内に入って前記活性化可能な加熱物質と接触すると、前記金属の表面エネルギーが、前記所望の発熱反応を開始させるために要する結晶化エネルギーとなる。
【0048】
図12は、外科用液体加温装置の更に別の一実施例を図示したものである。この実施例では、活性化可能な加熱物質を入れた袋118が設けられている。前記加温装置10の前記スリーブ22の内側にボウルが嵌合して、チャンバ20を規定している。活性化可能な加熱物質を入れた袋118が、前記チャンバ20内部を占めている。加熱が望ましい場合には、前記活性化可能な加熱物質が、ここに記載の、又は、例えばその内容が本願中に参考文献として編入された、米国特許第5,791,334号、第5,736,110号、第5,058,563号、第5,056,589号、第4,899,727号、第4,872,442号、第4,860,729号、第4,829,980号、第4,587,950号、第4,572,158号及び第4,077,390号に記載の任意の方法で、前記袋118内部で活性化される。前記ボウルは、前記袋118の上面に配置されている。外科用液体を、前記ボウル中に任意の時点で入れることが可能である。この実施例では、前記袋118を処置中に交換して、前記加温装置の加熱作用を長引かせてもよい。
【0049】
ここに記載の装置、システム及び方法は、滅菌野での使用を目的として構成されていてもよいが、非滅菌野での使用を目的として構成されていてもよい。また、以前には無菌であった非滅菌野で使用されてもよい。
【0050】
上記の実施例のいずれかを、前記液体加温装置の周囲に断熱性のスリーブ22を付加することで更に断熱化して、加温能力を長引かせてもよい。そのような断熱性のスリーブ22を、ネオプレン、スタイロフォーム(登録商標)又はウレタンが含まれるがこれらに限定されることはない任意の適切な断熱材料で作製してもよい。更に、前記液体加温装置本体を断熱化してもよいし、又は、断熱のための空間を設けてもよい。
【0051】
一実施例においては、過冷却された酢酸ナトリウムが、活性化可能な加熱物質として使用される。前記過冷却された酢酸ナトリウムは、活性化されると、発熱エネルギー源となる。一実施例においては、前記酢酸ナトリウム溶液の濃度は、約10乃至約20モル濃度であり、好適には約17乃至約18モル濃度であり、より好適には約17.68モル濃度である。前記溶液のモル濃度を調節して加熱プロフィールを変化させてもよいことは、当業者に理解されよう。
【0052】
例1
過冷却した17.68モル濃度の酢酸ナトリウム溶液400mlを入れた上述の外科用加温装置を構成した。華氏98.6度に予め加温した水500mlを前記容器に加えた後に、前記活性化可能な加熱物質を活性化させた。前記加温装置の外壁と蓋とを、4分の1インチの断熱性のネオプレン製のスリーブで断熱した。前記加温装置は、図13に示す加熱プロフィールを呈した。前記加温装置は、約4時間以上の間、前記溶液の温度を華氏100度以上に維持した。
【0053】
例2
過冷却した17.68モル濃度の酢酸ナトリウム溶液1250mlを入れた上述の外科用加温装置を構成した。華氏68.5度の水800mlを前記容器に加えた後に、前記活性化可能な加熱物質を活性化させた。前記加温装置の外壁と蓋とを、4分の1インチの断熱性のネオプレン製のスリーブで断熱した。前記加温装置は、図14に示す加熱プロフィールを呈した。前記加温装置は、1時間未満で前記溶液を華氏100度以上に加熱し、前記溶液の温度を、約4時間以上の間、100度以上に維持した。
【0054】
上述の本発明の実施例は、本発明の用途及び原理の幾つかを例示したものであるとして理解されよう。当業者は、本発明の精神と範囲とから逸脱することなく数多くの変更を実施可能である。更に、本発明を、医療処置環境で使用可能な実施例を参照しながら説明してきたが、前記液体加温システム及び活性化装置を、当業者に明らかであろう様々な医療以外の目的に応用可能である。例えば、上述の注出可能な水差し形の容器を、別の液体を加温すべく変更して用いてもよい。当業者は、ここに記載したシステムを改変して、例えば飲料を加温するための断熱性の容器を作製することが可能であろう。従って、本発明は、上記に例示された実施例に限定されるものではなく、法の下に可能な限り広く解釈されるべき以下の請求項に基づいて理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
以下の図面は、幾つかの実施例を図示したものであり、ここで同様の番号は同様の要素を言及する。これらの図示された実施例は、単に例示的なものであり、いかなる意味においても限定的なものではないと理解されるべきである。
【図1】外科用液体加温システムの一実施例の斜視図である。
【図2】図2Aは、液体加温システムの一実施例の上面図である。図2Bは、液体加温システムの一実施例の側面図である。図2Cは、液体加温システムの一実施例の正面図である。
【図3】液体加温システムの別の一実施例の側面図である。
【図4】液体加温システムの一実施例の部分断面図である。
【図5】加熱コイル又は加熱部の模様の代表的な形状を示す。
【図6】外科用液体加温システムの一実施例の断面図である。
【図7】活性化装置の一実施例の部分断面図である。
【図8】活性化装置の別の一実施例の断面図である。
【図9】液体加温システム及び空気活性化機構の一実施例の斜視図である。
【図10】液体加温システム及びばね活性化機構を示す。
【図11】図11は、液体加温システム及び円板活性化機構を示す。図11Aは、液体加温システム及びねじ活性化機構を示す。図11Bは、活性化状態の液体加温システム及びねじ活性化機構を示す。
【図12】活性化可能な加熱物質を入れた袋を有する液体加温装置を示す。
【図13】予め加温された液体を入れた加温装置の加熱プロフィールを示す。
【図14】室温の液体を入れた加温装置の加熱プロフィールを示す。
発明の分野
本発明は、材料の加温装置、システム及び方法に関する。
【0002】
発明の背景
滅菌野を利用した外科処置の実施中には、通常、組織の洗浄及びその他の目的のために、液体が必要とされる。洗浄液を使用する場合、又は表面積の広い組織に洗浄液を塗布する場合には、体温よりも低温の液体を使用すると、前記組織又は患者の身体全体の臨床上重大な冷却につながり、低温症を引き起こすおそれがある。従って、一般には、体温以上の温度の洗浄液が利用できるように用意されている。しかし、加温した液体を利用するためには、看護職員がこれに注意している必要がある。現在のところ、手術室で使用する滅菌生理食塩水及びその他の液体は、加温されて、加温器内に保存されている。加温液体が更に必要となった時には、看護職員または医療技術者が、前記加温器から新たな液体を補充しなければならない。次に、前記液体は、前記滅菌野に載置された容器に無菌注入されなければならないが、この直後から、前記液体の温度は低下し始める。
【0003】
外科用の液体を入れることの可能な容器は、一般に、外気に開口した、断熱されていないボウル又は同様の容器である。液体を入れるための一般的な容器には、前記液体の温度を保つための手段は設けられていない。従って、液体は、最初は加温されていた場合でも、注入された後は急速に温度が低下する。液体を患者に塗布する時には、前記液体が体温よりもかなり低温となってしまう場合がある。そのような液体を患者に塗布すると、臨床上重大な低温症を引き起こすおそれがある。この低温症は、患者に対して、血液凝固の問題を含めた非常に有害な作用を及ぼしうる。小児患者集団にとっては、低温症は特に有害である。温度が低下した大量の液体の温度を上昇させるには、更なる加温した液体を前記容器内に追加する方法がある。しかし、この更なる液体は、外科処置上の目的からは不要であり、単に前記混合物の温度をより適切なレベルにまで上げるためにのみ使用されるものである。加えて、スタッフが、新たな加温液体をすぐに使用できるようにしておかなかった場合には、患者を低温の液体に接触させることになり、このために低温症を引き起こすおそれがある。臨床的観点からすると、前記更なる液体は不要であり、無駄となる場合が多い。所定量の液体を滅菌野内で加温しておくためには、液体を混ぜ合わせる以外の方法が望ましいであろう。
【0004】
滅菌野の無菌状態を維持することが必須ではない別の用途のための加温装置が幾つか考案されている。米国特許第4,996,405号及び米国特許3,766,360号は、そのような装置の例である。しかし、これらを外科処置環境で使用する場合、滅菌野内に置くように構成された加温装置は、それ自体が無菌でなければならず、また前記外科処置の間、終始無菌状態を保たねばならないという重大な問題がある。同様に、滅菌野内に置く加温装置用に設計されたエネルギー源は、この作業空間環境の無菌性を損なってはならない。従って、無菌の外科的環境で機能すべく特に構成された加温装置が必要である。そのような加温装置は、その外表面が無菌であるか、または滅菌消毒が可能であることが望ましいであろう。更に、そのような加温装置は、所定量の液体の温度を比較的一定に維持可能であることが望ましいであろう。例えば米国特許第4,153,833号、米国特許第4,900,161号及び米国特許第4,962,297号などの、別の非滅菌的用途に適した装置に関する別の複数の特許に、温度制御機構が開示されている。外科的環境用に構成された加温装置が、従来の液体容器と組み合わせて使用可能であると便利であろう。また、加温装置が比較的安価な材料から効率的に作製可能であり、使い捨て可能な部品と組み合わせて使用するようになっていることが望ましいであろう。
【0005】
滅菌野に置いた液体を十分に加温することの可能な、一般に入手可能な装置は、存在しない。
【0006】
例えば、米国特許第4,077,390号、米国特許第4,872,442号、米国特許第5,791,334号、米国特許6,116,231号及び米国特許第4,572,158号に開示された、化学的手段を用いて限局的加熱を行う手法が知られている。しかし、これらの手法では、前記外科処置環境での使用の各要件を満たすように特に構成された加温装置が必要である。
【0007】
発明の概要
一実施態様においては、発熱装置が、加温対象の材料を入れる硬質の容器と、前記容器の周囲に配置されたチャンバと、前記チャンバ内に配置された活性化可能な加熱物質であって、活性化されると放熱して前記容器内の前記材料を加温する加熱物質と、を備えている。
【0008】
一実施例においては、前記加熱物質は、過冷却した塩溶液である。一実施例においては、前記装置が、前記加熱物質を活性化させる開始装置を更に備えている。一実施例においては、前記開始装置が、前記チャンバ内に貫入して前記活性化可能な加熱物質に接触可能なプランジャを備えている。一実施例においては、前記チャンバが、穴と、前記穴を密閉するフォイルシールとを備え、前記プランジャが、前記フォイルシールと前記穴とを貫通して貫入可能である。
【0009】
一実施例においては、前記開始装置が、プランジャと、前記プランジャに結合した引金とを備え、前記プランジャが前記チャンバ内に通じる穴に隣接しており、前記穴が、前記引金が引かれていない時には隔壁によって密閉されている。一実施例においては、前記引金を引くと前記プランジャが前記隔壁を貫通し、前記活性化可能な加熱物質が周囲環境に接触する。一実施例においては、前記プランジャが中空であり、前記周囲環境が、前記プランジャ内の所定量の空気からなる。
【0010】
一実施例においては、前記活性化可能な加熱物質が塩化カルシウムからなり、前記開始装置が水からなる。一実施例においては、前記開始装置が、前記チャンバ内に貫入可能であると共に活性化装置に取外し可能に結合したプランジャを備えている。一実施例においては、前記開始装置が、前記チャンバの開口部内に柔軟に取付けられたばねを備えている。一実施例においては、前記開始装置が、前記チャンバの開口部内に柔軟に取付けられた円板を備えている。
【0011】
一実施例においては、前記開始装置が、絶縁されていない基部と、電気絶縁された先端部とを有するねじを備え、前記ねじが、前記基部が前記活性化可能な加熱物質に接触しないような具合に、ねじ穴を介して前記チャンバ内に螺入されている。一実施例においては、前記ねじが、前記ねじ穴を介して進入することによって、前記基部が前記活性化可能な加熱物質に接触して前記物質を活性化させる。
【0012】
一実施例においては、前記装置が、前記容器に取外し可能に結合した蓋を更に備えている。一実施例においては、前記蓋がヒンジを備え、前記蓋の一部分がヒンジ式に回転可能である。
【0013】
一実施例においては、前記装置が、前記チャンバの周囲に配置された断熱性のスリーブを更に備えている。一実施例においては、前記断熱性のスリーブが、ネオプレン、スタイロフォーム(登録商標)又はウレタンのうちの1つからなる。
【0014】
一実施例においては、前記活性化可能な加熱物質は、活性化すると、前記容器内の前記材料を予め選択された温度にまで加温するのに十分な熱を生成する。一実施例においては、前記活性化可能な加熱物質は、活性化すると、前記材料を、少なくとも約2時間の間、最も好適には少なくとも約4時間の間、室温よりも高い温度に維持するのに十分な熱を生成する。一実施例においては、前記活性化可能な加熱物質は、約17.68モル濃度の過冷却された酢酸ナトリウム溶液約1250ミリリットルからなり、前記物質は、活性化すると、華氏約68.5度の材料約800ミリリットルを、華氏95乃至120度にまで加温すると共に、これを少なくとも4時間の間、華氏95乃至120度に維持するのに十分な熱を生成する。一実施例においては、前記活性化可能な加熱物質が、約17.68モル濃度の過冷却酢酸ナトリウム溶液約400ミリリットルからなり、前記物質が、活性化すると、華氏約98.6度に予め加温された材料約500ミリリットルを、少なくとも約4時間の間、華氏95乃至120度に維持するのに十分な熱を生成する。
【0015】
一実施例においては、前記容器が、ポリプロピレン、ナイロン、ポリエチレン、ビニル、ステンレススチール及びチタンのうちの1つからなる。一実施例においては、前記容器が注ぎ口を有する。一実施例においては、前記装置が滅菌消毒可能である。一実施例においては、前記装置が、既存の外科用液体ボウルと組み合わせて使用されるべくデザインされている。
【0016】
一実施例においては、前記加熱物質が、活性化前の第1の状態と、活性化後の第2の状態と、を有する。一実施例においては、前記加熱物質を、活性化後に前記第1の状態に回復させ、再び活性化させることが可能である。
【0017】
一実施例においては、加温容器が外壁と内壁とを有し、前記内壁が、その中で加温される物品を入れる内部チャンバを規定し、前記外壁及び内壁が外部チャンバを規定し、前記外部チャンバが気密であり、前記内壁が、前記外部チャンバを前記内部チャンバから隔ててこれらのチャンバ間の連通を防止している。過冷却された塩水溶液が、前記外部チャンバ内に配置されて、前記外部チャンバを少なくとも部分的に満たしている。前記加温容器と一体に設けられた開始装置が、前記過冷却された塩水溶液を選択的に活性化させて、前記溶液に発熱性の結晶化を起こさせる。
【0018】
一実施例においては、加温容器が、ボウルと、前記ボウルの周囲に配置されたスリーブとを備え、前記ボウル及びスリーブが、その間にチャンバを規定し、前記チャンバ内に、活性化可能な加熱物質を入れた袋が配置されている。
【0019】
一実施例においては、外科用液体を加温するためのシステムが、電源と、前記電源のための無菌の箱と、前記電源によって給電され、前記電源に操作可能に接続される抵抗ヒータであって、前記電源への操作可能な接続の前に滅菌消毒可能であり、更に、前記電源への操作可能な接続後も無菌状態を維持することが可能な抵抗ヒータと、外科用ボウルを安定に支持可能な寸法に構成され、前記抵抗ヒータによって生成された熱を前記外科用ボウルに入れた外科用液体に伝達することの可能なボウルホルダと、を備えている。
【0020】
一実施例においては、前記電源が、再充電可能な電池を備えている。一実施例においては、前記無菌の箱が使い捨て可能である。一実施例においては、前記抵抗ヒータが、前記外科用ボウルの一部分を包囲している。一実施例においては、前記システムが、前記抵抗ヒータによって生成された熱を制御するための温度制御装置を更に備えている。一実施例においては、前記システムが、前記外科用ボウル内の前記液体の温度を感知する温度センサと、前記液体を予め選択された温度とすべく、前記温度制御装置に信号を送信して前記抵抗ヒータによって生成される前記熱を制御する温度信号発生装置と、を有する温度フィードバックシステムを更に備えている。
【0021】
一実施例においては、材料加温方法に、硬質の容器と、前記容器の周囲に配置された活性化可能な加熱物質と、を備えた熱発生装置を設けることと、前記加温対象の材料を前記容器内に入れることと、前記加熱物質を活性化させることと、が含まれる。
【0022】
一実施例においては、材料加温方法に、硬質の容器を備えた熱発生装置を設けることと、前記容器の周囲に活性化可能な加熱物質を配置することと、前記加温対象の材料を前記容器内に入れることと、前記加熱物質を活性化させることと、が含まれる。
【0023】
一実施例においては、材料加温方法に、硬質の容器と、前記容器の周囲に配置された、活性化可能な加熱物質と、前記活性化可能な加熱物質を活性化させるための開始装置と、を備えた熱発生装置を設けることと、前記加温対象の材料を前記容器内に入れることと、前記開始装置を動作させることと、が含まれる。
【0024】
一実施例においては、前記加熱物質が、活性化前の第1の状態と、活性化後の第2の状態と、を有する。一実施例においては、前記方法に、前記加熱物質を前記第1の状態に回復させることが更に含まれる。
【0025】
発明の詳細な説明
1.総記
手術室、心臓カテーテル処置室、介入放射線処置室又はその他の、当業者に容易に明らかな無菌処置室内で使用することを意図されたいかなる装置も、これらの外科処置環境内で安全に使用可能であるような諸特徴を備えていなければならない。第1に、滅菌野内に保持される加温装置が、前記滅菌野の無菌性を損なってはならない。次に、加温装置が、可燃性の麻酔薬及びその他のガスの存在下で電気的に安全でなければならない。加えて、加温装置は、液体を過度に加熱または冷却せずに安全に患者に塗布できるように、液体を予め定められた温度範囲内に加温すべきである。更に、前記加温される液体の容器は、容易に使い捨て可能であるか、又は容易に滅菌消毒可能であることが望ましい。更に、外科処置に使用する器具及びその他の装置を置くためのテーブルは、準備作業の間及び、場合によっては前記外科処置の実施中に移動されるので、前記加温装置が自由に移動可能であり、移動の度に更なる設定や準備を要さないことが望ましい。幾つかの場合においては、前記加温装置を、現在既に病院施設で使用されている外科用液体のボウルと組み合わせて使用可能であるように構成することが望ましい。
【0026】
2.定義
ここで使用される「活性化可能な加熱物質」という用語には、開始装置又は熱生成による開始刺激に反応する任意の物質が含まれる。そのような物質の例には、過冷却された塩溶液及び、発熱性の化学的又は物理的変化を起こすことの可能な任意の化合物が含まれる。開始刺激には、化学的、機械的、熱、太陽光、電磁、イオン化放射線及びその他の、当業者に周知の任意の形のエネルギーの印加が含まれる。
【0027】
3.実施例
図1に図示された一実施例においては、液体加温システム10が、液体を滅菌野で加温すべく構成されている。図1には、液体を入れることの可能なボウル22が例示されており、前記ボウルは、加温機構上に配置されている。前記加温機構に、抵抗ヒータ14が含まれていてもよく、前記ヒータの上またはその中に、前記ボウル22が載置又は配置されていてもよい。抵抗ヒータ14が、前記ボウル22の寸法又は形状に一致するように構成されていてもよい。ここで使用される前記ボウル22は、外科用の液体を入れるように構成されたいかなる種類の容器であってもよい。例えば、手術室内で一般に使用可能な金属製の液体ボウルを使用してもよい。同様に、金属製の水差し形容器を、前記液体加温システム10内で液体を入れるボウル22として用いてもよい。専用のボウルを考案して、前記液体加温システム10の一部分として設けてもよい。標準的なプラスチック製の洗浄ボウルは、長時間にわたる高温に耐えられないために、不適当であろうが、本発明の範囲内で別の材料を用いてボウルを構成可能であることは、当業における技術者に明らかであろう。図示された前記実施例においては、前記抵抗ヒータプレート14に設けられた凹部が、前記ボウル22のボウルホルダ28を構成している。別の種類のボウルホルダ28を用いることも可能である。例えば、前記ボウル22の縁又は溝を挟むラッチを設けてもよい。又は、ばね式のボタンが前記ボウルのくぼみに嵌合するように形成されていてもよい。別の固定装置を構成することも可能である。前記抵抗ヒータ14が、図1に図示するように、前記ボウル22の底部に配置されていてもよい。又は、抵抗ヒータ14を、前記ボウル22全体またはその一部分を包囲するように構成してもよい。そのような実施例においては、前記ボウル22を支持する前記抵抗ヒータ14の形状は、本願中で使用する意味でのボウルホルダ28であるとして理解される。図示された前記実施例では、温度センサ24が、前記加温機構の一部分として示されている。前記温度センサ24は、前記抵抗ヒータ14の温度を適切なレベルに維持すべく機能する。前記温度センサ24に、温度を制御するための、フィードバック回路又はその他の当業者に周知の任意の装置が含まれていてもよい。図示された実施例においては、前記温度センサ24からの信号に応えて必要な温度調整を行う温度制御装置20が例示されている。図1には、前記液体加温システム10の内部要素を被覆すべく配置された箱12が図示されている。これらの内部要素には、電池18と、前記温度制御装置20とが含まれる。前記箱12は、前記複数の内部要素の集合をその中に配置可能な、無菌の又は滅菌消毒可能な箱状の構造物として設けられていてもよい。幾つかの実施例においては、前記箱12が使い捨て可能であり、1回限りの使用を意図されていてもよい。前記箱12は、手術室内のバックテーブル上で滅菌消毒され、かつ無菌状態を維持されるように構成されている。同様に、前記加温機構及び前記ボウル22は、滅菌消毒され、かつ無菌状態を維持されるべく構成されている。従って、前記液体加温システム10は、滅菌野の完全性を損なうおそれの全くない、完全に無菌の装置を実現するものとして構成されている。
【0028】
図2A、2B及び2Cは、それぞれ、本発明の一実施例の上面図、側面図及び正面図である。図2Aは、前記液体加温システムのボウルを除いた上面を図示したものである。ここに示す抵抗ヒータ14は、中央に温度センサ24が設けられた正方形のプレートである。先に述べたように、別の形状の抵抗ヒータ14を本発明で使用してもよい。同様に、別の仕方で配置された温度センサ24を本発明で使用してもよい。図2Bは、本装置の側面を、その内容が見えるように図示したものである。寸法の一例が図中に示されている。この図では、電池充電器30と、密封された鉛蓄電池18と、温度制御装置20とが図示されている。前記電池充電器30が、手術室に見受けられる標準的な交流電流によって動作し、手術中に、必要に応じて前記鉛蓄電池18を充電してもよい。本発明の別の複数の実施例では、前記装置中に電池充電器30が設けられていなくてもよい。これらの実施例では、前記液体加温装置が、再充電の不可能な電池のみによって給電されてもよい。さらに別の複数の実施例では、電池ではなく外部電源によって給電されるようになっていてもよい。図2Cは、前記加温装置の内容が見えるように図示したものであり、ここで前記電池18、前記温度制御装置20及び前記電池充電器30は、全て前記箱12内に収容されている。単一で又は組み合わせて前記抵抗ヒータ14を加熱するための電力を供給するこれらの要素を、電源と称してもよい。電池寿命、電池の充電状態又は外部電源の使用状況を示す表示装置が、前記箱12の表面上に設けられていてもよい。
【0029】
図3は、前記箱12の構成の一例を示したものである。図示された前記実施例では、前記箱は、前記装置の前記複数の内部要素を入れるために開閉可能な蓋40を有する。先に述べたように、前記箱12は、電池、電池充電器及び温度制御装置などの内部要素を入れるように構成されている。図3に示す前記蓋40は、ヒンジ式の接合部42で開き、前記ヒンジ式の接合部42の反対側の端部でラッチ44により閉じる。操作の容易な何らかのラッチ44が好適であろう。前記蓋40は、前記無菌の箱12の外表面を汚染することなく前記箱12内に前記複数の内部要素を入れることができる程度に十分に開く。図示された前記実施例は、前記装置の前記複数の内部要素と前記抵抗ヒータ14との双方にインターフェースする複数の取付けペグ48を備えている。図に示すように、前記複数の取付けペグ48は、対応する複数の取付けスロット50に嵌合するような寸法に構成されている。
【0030】
前記抵抗ヒータ14に給電するためのエネルギーが、前記複数の内部要素から、前記複数の取付けペグ48を介して流入することにより、前記無菌の箱12を自由に通過してもよい。ここに図示した実施例ではなく別の機構を用いて、前記箱12を開くようにしてもよい。例えば、ある特定の構成の電池と関連する装置とを、前記箱12に設けられたスロットに、先端部が前記スロットに嵌合すべく形成され、基部が前記手術室内の看護職員によって把持されるべく形成された器具を用いて挿入してもよい。別の一実施例においては、前記箱の側面に設けられたヒンジ式の扉を介して、電池を前記装置内に挿入可能であってもよい。手術室看護職員が前記扉を開閉出来るように、無菌の末端部が前記ヒンジ式の扉に開放可能に嵌合する器具を設けてもよい。前記器具の、前記看護職員が把持することの可能な前記基部によって、前記看護職員が前記扉を開閉することが可能であり、更に、前記器具を一度固定した後に前記ヒンジ式の扉から取り外すことができるような解放機構が設けられていてもよい。
【0031】
図4は、ボウル22を包囲している抵抗ヒータ14によって、前記ボウル内の液体が全ての面で加熱されるようになっている、本発明の別の一実施例を図示したものである。前記加熱した液体を加温するために任意に使用される蓋62も図示されている。前記抵抗ヒータ14は、前記加温システム10の前記複数の内部要素60と関連させて概略的に図示されている。当然のことながら、前記複数の内部要素60は、前記抵抗ヒータ14の下側に位置する代わりに、前記抵抗ヒータ14へのエネルギー供給が可能であり、かつ前記無菌の又は滅菌消毒可能な箱12内への挿入が可能であるような好適な位置に配置されていてもよい。
【0032】
幾つかの実施例においては、前記複数の内部要素を包囲する前記箱を被覆すべく構成された、使い捨て可能な無菌のドレープによって、無菌状態を保ってもよい。これらの実施例においては、前記無菌のドレープが、前記電源を入れるための無菌の箱を構成している。前記ヒータを前記加温プレート内に組み込む代わりに、前記ヒータのコイルを前記使い捨て可能なドレープ内に組み込んでもよい。また、前記加熱要素は様々な形状をとりうる。加熱コイル又は加熱部の模様の代表的な形状を図5に示すが、使用可能なその他の形状の種類は数多くあり、そのような形状は、当業者によって理解されよう。
【0033】
図6は、本発明に基づく外科用液体加温システム10の一実施例を図示したものである。容器壁14を有する液体容器12を備えた前記加温システム10の断面図が図示されている。前記容器壁14は、活性化されると熱エネルギーを発生する化学溶液又は活性化可能な加熱物質を入れることの可能なチャンバ20と直接に接している。前記容器壁14は、前記液体容器12に入れた液体に熱を伝導し、かつ活性化された加熱物質が発生する熱に耐えうるいかなる材料から作製されてもよい。一実施例においては、ポリプロピレンを用いて前記液体容器12を作製してもよい。前記容器12は、例えばナイロン、ポリエチレン、ビニル、ステンレススチール及びチタンなどのその他の材料から作製されてもよく、また、これら以外の材料も、当業者に容易に想到されるであろう。図示した前記実施例では、ヒンジ式の蓋38を介して、液体を前記液体容器12に注入することが可能である。図6に図示したヒンジ40は、前記蓋38の中央部に配置されている。本発明の別の複数の実施例では、別のヒンジ式の装置及び別の蓋開閉機構が設けられていてもよい。
【0034】
図示した前記実施例では、前記加熱物質を入れるための前記チャンバ20が、前記容器壁14と外壁18との間に設けられている。前記加温システム10内の前記活性化した加熱物質が発生した熱を保つための断熱材又はスリーブ22が設けられていてもよい。一実施例においては、前記液体容器12が、環境条件及び容器のデザインによって異なるが、1リットルから2リットルの液体が入るように作製されており、また、およそ2時間から5時間の間、前記液体を体温に保つことが可能である。
【0035】
一実施例においては、本発明に基づく加温システムが、過冷却液体を利用して熱生成を行ってもよい。一実施例においては、酢酸ナトリウムなどの食品用の塩を、活性化可能な加熱物質として前記チャンバ20に入れてもよい。この塩は、華氏130度で凝固(結晶化)し、前記チャンバに入っている間に過冷却される。過冷却を、(例えば十分に高温の液体に浸すこと、オーブン、オートクレーブ又はマイクロ波エネルギー源などによって)全ての結晶を溶解させ、前記液体を冷却することで行ってもよい。前記過冷却液体を、結晶化用の金属製の結晶核を用いて結晶化させてもよい。前記過冷却液体が結晶化する際に、その温度が、凝固点である華氏130度にまで上昇する。この時に、この熱が前記容器壁14を介して伝わり、前記液体容器12に入っている前記液体を加熱する。
【0036】
その他の好適な過冷却された液体には、酢酸鉛、酢酸カルシウム四水和物、ピロリン酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム及びトリメチロールエタン水和物が含まれる。前記チャンバ20内部からの化学的加熱を、例えば水によって活性化可能な塩化カルシウムなどの別の薬剤を用いて行ってもよい。オートクレービングにより、又は前記容器を加熱して製活性化させることにより再利用の可能な加熱物質を用いると、非常に有利であろう。
【0037】
図7は、本発明での使用が可能な活性化装置24の一実施例を図示したものであり、前記液体加温システム10の壁の断面が示されている。図示されたチャンバ20には、活性化可能な状態の加熱物質が入ることが可能である。ここに示す活性化装置24は、前記チャンバ内に入っている前記過冷却液体を結晶化させるための結晶核として、プランジャチップ32を使用する。図示された前記実施例によれば、プランジャ板28に圧力をかけて、前記プランジャチップ32を、最初はシールされている開口部30内に押し込む。前記プランジャチップ32は、前記開口部30内に押し込まれるのに伴って、前記シールを破る。前記開口部30は、プランジャロッド34を気密に受容するような寸法に構成されている。前記プランジャロッド34が前記開口部30内に受容されることで、前記チャンバ20が有効に密閉されるので、前記加熱物質が漏れることがない。前記プランジャチップ32が前記加熱物質と接触すると、結晶化が起こり、前述のような熱生成が行われる。
【0038】
図示した前記実施例では、前記プランジャシステムを取り除いて、高温の酢酸ナトリウム又は同様の加熱物質を前記開口部30を介して前記チャンバ20内に入れた後に、前記開口部30を密閉するようになっていてもよい。その後、前記プランジャシステムを再配置し、指で押圧して前記密閉された開口部30を貫通させることによって、前記加熱物質と接触させて結晶化を開始させてもよい。同様のプランジャ式の機構を、本発明の範囲内でデザインしてもよい。前記密閉した開口部30の貫通を容易にすることの可能な、又は前記加熱液体をより有利に活性化させることの可能な、様々なプランジャ材料及び表面仕上げを考案可能である。
【0039】
前記プランジャ装置又は同様の活性化装置24を、前記液体加温システム10のいずれの表面上に配置してもよい。前記活性化装置24は、前記図面では前記システム10の上面上に設けられているが、側面又は底面に配置して容易に操作できるような構成となっていてもよい。これらの図面に図示されたシステム10では、加熱物質を直接に注入可能なチャンバ20が例示されているが、加熱物質を、熱生成のために前記活性化装置24によって貫通可能な袋、箱又はその他の何らかの容器に予め入れた状態で、前記加温システム内に組み込んでもよい。
【0040】
図8は、注出可能な水差し形容器42として構成された液体加温装置10の一実施例を示したものである。図示されたこの実施例では、液体だめ48内に液体を貯め、注ぎ口58から前記液体を注ぐ。前記液体だめを内壁50が包囲し、前記内壁に、酢酸ナトリウム結晶などの、前記容器壁内に組み込んだ活性化可能な加熱物質44が直接に接触する。前記加熱物質44を包囲する外壁52は、断熱機能も有する。この実施例には、前記液体だめ48内の液体を、必要に応じて前記注ぎ口58から容易に注げるようにする取っ手54も設けられている。ヒンジ式、プレスばめ式、ねじぶた式、ラッチ式又はその他の様々な蓋(図示せず)を、前記注ぎ口58の寸法に適合するように構成してもよい。図示された前記実施例においては、前記注出容器内部に加温機能を直接に組み込んだことで、液体を直接かつ容易に必要量だけ使用することが可能である。
【0041】
図8に図示した前記注出可能な水差し形容器42を、安価な射出成形材料で使い捨て可能に作製してもよいし、又は、より耐久性の高いプラスチック又は金属材料を用いて再使用可能に作製してもよい。材料に、ナイロン、ポリエチレン、ビニル及びその他の当業者に周知のプラスチック又はセラミックが含まれてもよいし、又は、ステンレススチール、チタンなどの金属が含まれてもよい。先に述べた実施例と同様に、様々な活性化機構を利用可能である。例えば、前記加熱物質44と金属製の板とを接触させることで活性化を行ってもよい。又は、例えば、プランジャ機構を用いてもよい。前記取っ手54に、押し下げると前記活性化要素を前記加熱物質中へと押し込む引金を設けてもよい。
【0042】
図9は、前記取っ手54に空気活性化機構60が取り付けられた注出可能な水差し形容器42として構成された、本発明に基づく液体加温装置10を図示したものである。過冷却した酢酸ナトリウム溶液及びその他の活性化可能な加熱物質は、空気に曝すと結晶化が開始することが実証されている。ここに図示する前記空気活性化機構60は、この観察結果を根拠としている。この図では、ゴム製の隔壁64が、前記外壁52の開口部を覆っている(図示せず)。引金アーム62を引くと、中空のプランジャ68が前方に押し出され、前記ゴム製の隔壁64を貫通する。このことによって、前記中空のプランジャ68の中空の内部の寸法によって異なる所定量の空気の流入が可能となる。この実施例では、前記ゴム製の隔壁64によって被覆可能な前記開口部を利用して、前記加熱物質を前記外壁52内に充填又は補充することも可能である。図示した前記実施例では、前記容器中で動いてしまうおそれのある金属製の板又はロッドを使用したり、物理的な変形を施したりすることなく、前記加熱物質の活性化を制御することが可能である。前記加熱物質への空気の曝露を制御するために、プランジャ機構に様々な引金を設けてもよい。酢酸アセテートを入れたPVC製の袋などのその他の容器を、例えば前記袋の中に空気を導入する手動の開閉弁又は逆止め弁(一方向弁)などのその他のシステムを利用して、活性化させてもよい。この実施例では、ヒンジ式の蓋70が例示されているが、様々な蓋及び栓を代わりに用いてもよいことが当業者に理解されよう。
【0043】
図10は、本発明で使用される活性化装置の別の一実施例を示したものであり、前記液体加温システム10の壁の断面が示されている。図示されたチャンバ20には、活性化可能な状態の加熱物質を入れることが可能である。開始装置100に、前記チャンバ20内に入っている前記活性化可能な加熱物質を結晶化させるための結晶核として、金属製のばね102が含まれている。前記ばね102は、前記チャンバ20の開口部にわたって延伸し、前記ばねの両端は適切に固定されている。前記チャンバ20の前記開口部にわたって貼付された柔軟な膜104が、前記チャンバ20が密封されるような具合に、前記ばね102を被覆している。図示された前記実施例によれば、前記柔軟な膜104を介して前記ばね102に圧力を加えることにより、前記ばね102を撓ませてもよい。前記ばね102をこのように撓ませることで、前記活性化可能な加熱物質の結晶化が開始する。
【0044】
図11は、本発明で使用される活性化装置の別の一実施例を示したものであり、前記液体加温システム10の壁の断面が図示されている。図示されたチャンバ20には、活性化可能な状態の加熱物質を入れることが可能である。開始装置100に、前記チャンバ20に入っている前記活性化可能な加熱物質を結晶化させるための結晶核として、金属製の円板108が含まれている。前記円板108は、前記チャンバ20の開口部にわたって延伸し、前記板の両端は適切に固定されている。前記チャンバ20の前記開口部にわたって貼付された柔軟な膜104が、前記チャンバ20が密封されるような具合に、前記チャンバ20の前記開口部にわたって貼付されている。図示された前記実施例によれば、前記柔軟な膜104を介して前記円板108に圧力を加えることにより、前記円板108を撓ませてもよい。前記円板108をこのように撓ませることで、前記活性化可能な加熱物質の結晶化が開始する。
【0045】
図11Aは、本発明で使用される活性化装置の別の一実施例を図示したものであり、前記液体加温システム10の壁の断面が図示されている。図示されたチャンバ20には、活性化可能な状態の加熱物質を入れることが可能である。ねじ110が、ねじ穴を介して前記チャンバ20内に貫入している。前記ねじは、絶縁されていない基部112と、電気絶縁された先端部114とを有する。前記基部112に、前記チャンバ20に入っている前記活性化可能な加熱物質を結晶化させるための結晶核となる、被覆が施されていない金属が設けられていてもよい。前記ねじ110は、前記チャンバ20の穴に部分的に螺入されている。前記チャンバ20の前記壁内にねじ山を成形してもよいし、或いは、前記チャンバ壁上に標準的なナットをスピン溶接するか又は別の方法で取り付けてもよい。
【0046】
前記ねじ110は、好適にはアルミニウム又はステンレススチールからなる金属製のねじであってもよい。前記先端部114に設けられた前記電気絶縁材料は、いかなる適切な電気絶縁材料であってもよいが、好適には、前記先端部114に施されたポリマー被覆である。前記ねじ110と雌ねじとは、気密なハーメチックシールをなすのに十分な締めしろを取った寸法に形成されている。運搬及び滅菌消毒の全過程を通して前記シールを完全に気密とするために、前記雌ねじに、任意の被覆又は別の材料からなる更なる部分を設けてもよい。又は、前記ねじが非金属であり、好適な活性化材料からなるインサート又は被覆が含まれていてもよい。そのような実施例の一例として、金属製のインサートを備えたプラスチック製のねじであって、前記インサートが液体と接触すると、前記加温装置を活性化させることが可能なねじが挙げられる。製造過程で、前記ねじ110は、前記電気絶縁された先端部のみが前記チャンバから突出して前記活性化可能な加熱物質と接触するような具合に、前記チャンバ壁内に部分的に螺入される。このねじの挿入を、前記活性化可能な加熱物質がその融解温度よりも十分に高温である間に行ってもよい。
【0047】
図11Bを参照すると、前記ねじ110を回転させて、前記ねじ110の前記基部112を前記チャンバ20内に入れることによって、前記液体加温装置を活性化させてもよい。前記基部112が前記チャンバ20内に入って前記活性化可能な加熱物質と接触すると、前記金属の表面エネルギーが、前記所望の発熱反応を開始させるために要する結晶化エネルギーとなる。
【0048】
図12は、外科用液体加温装置の更に別の一実施例を図示したものである。この実施例では、活性化可能な加熱物質を入れた袋118が設けられている。前記加温装置10の前記スリーブ22の内側にボウルが嵌合して、チャンバ20を規定している。活性化可能な加熱物質を入れた袋118が、前記チャンバ20内部を占めている。加熱が望ましい場合には、前記活性化可能な加熱物質が、ここに記載の、又は、例えばその内容が本願中に参考文献として編入された、米国特許第5,791,334号、第5,736,110号、第5,058,563号、第5,056,589号、第4,899,727号、第4,872,442号、第4,860,729号、第4,829,980号、第4,587,950号、第4,572,158号及び第4,077,390号に記載の任意の方法で、前記袋118内部で活性化される。前記ボウルは、前記袋118の上面に配置されている。外科用液体を、前記ボウル中に任意の時点で入れることが可能である。この実施例では、前記袋118を処置中に交換して、前記加温装置の加熱作用を長引かせてもよい。
【0049】
ここに記載の装置、システム及び方法は、滅菌野での使用を目的として構成されていてもよいが、非滅菌野での使用を目的として構成されていてもよい。また、以前には無菌であった非滅菌野で使用されてもよい。
【0050】
上記の実施例のいずれかを、前記液体加温装置の周囲に断熱性のスリーブ22を付加することで更に断熱化して、加温能力を長引かせてもよい。そのような断熱性のスリーブ22を、ネオプレン、スタイロフォーム(登録商標)又はウレタンが含まれるがこれらに限定されることはない任意の適切な断熱材料で作製してもよい。更に、前記液体加温装置本体を断熱化してもよいし、又は、断熱のための空間を設けてもよい。
【0051】
一実施例においては、過冷却された酢酸ナトリウムが、活性化可能な加熱物質として使用される。前記過冷却された酢酸ナトリウムは、活性化されると、発熱エネルギー源となる。一実施例においては、前記酢酸ナトリウム溶液の濃度は、約10乃至約20モル濃度であり、好適には約17乃至約18モル濃度であり、より好適には約17.68モル濃度である。前記溶液のモル濃度を調節して加熱プロフィールを変化させてもよいことは、当業者に理解されよう。
【0052】
例1
過冷却した17.68モル濃度の酢酸ナトリウム溶液400mlを入れた上述の外科用加温装置を構成した。華氏98.6度に予め加温した水500mlを前記容器に加えた後に、前記活性化可能な加熱物質を活性化させた。前記加温装置の外壁と蓋とを、4分の1インチの断熱性のネオプレン製のスリーブで断熱した。前記加温装置は、図13に示す加熱プロフィールを呈した。前記加温装置は、約4時間以上の間、前記溶液の温度を華氏100度以上に維持した。
【0053】
例2
過冷却した17.68モル濃度の酢酸ナトリウム溶液1250mlを入れた上述の外科用加温装置を構成した。華氏68.5度の水800mlを前記容器に加えた後に、前記活性化可能な加熱物質を活性化させた。前記加温装置の外壁と蓋とを、4分の1インチの断熱性のネオプレン製のスリーブで断熱した。前記加温装置は、図14に示す加熱プロフィールを呈した。前記加温装置は、1時間未満で前記溶液を華氏100度以上に加熱し、前記溶液の温度を、約4時間以上の間、100度以上に維持した。
【0054】
上述の本発明の実施例は、本発明の用途及び原理の幾つかを例示したものであるとして理解されよう。当業者は、本発明の精神と範囲とから逸脱することなく数多くの変更を実施可能である。更に、本発明を、医療処置環境で使用可能な実施例を参照しながら説明してきたが、前記液体加温システム及び活性化装置を、当業者に明らかであろう様々な医療以外の目的に応用可能である。例えば、上述の注出可能な水差し形の容器を、別の液体を加温すべく変更して用いてもよい。当業者は、ここに記載したシステムを改変して、例えば飲料を加温するための断熱性の容器を作製することが可能であろう。従って、本発明は、上記に例示された実施例に限定されるものではなく、法の下に可能な限り広く解釈されるべき以下の請求項に基づいて理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
以下の図面は、幾つかの実施例を図示したものであり、ここで同様の番号は同様の要素を言及する。これらの図示された実施例は、単に例示的なものであり、いかなる意味においても限定的なものではないと理解されるべきである。
【図1】外科用液体加温システムの一実施例の斜視図である。
【図2】図2Aは、液体加温システムの一実施例の上面図である。図2Bは、液体加温システムの一実施例の側面図である。図2Cは、液体加温システムの一実施例の正面図である。
【図3】液体加温システムの別の一実施例の側面図である。
【図4】液体加温システムの一実施例の部分断面図である。
【図5】加熱コイル又は加熱部の模様の代表的な形状を示す。
【図6】外科用液体加温システムの一実施例の断面図である。
【図7】活性化装置の一実施例の部分断面図である。
【図8】活性化装置の別の一実施例の断面図である。
【図9】液体加温システム及び空気活性化機構の一実施例の斜視図である。
【図10】液体加温システム及びばね活性化機構を示す。
【図11】図11は、液体加温システム及び円板活性化機構を示す。図11Aは、液体加温システム及びねじ活性化機構を示す。図11Bは、活性化状態の液体加温システム及びねじ活性化機構を示す。
【図12】活性化可能な加熱物質を入れた袋を有する液体加温装置を示す。
【図13】予め加温された液体を入れた加温装置の加熱プロフィールを示す。
【図14】室温の液体を入れた加温装置の加熱プロフィールを示す。
Claims (41)
- 加温対象の材料を入れる硬質の容器と;
前記容器の周囲に配置されたチャンバと;
前記チャンバ内に配置された活性化可能な加熱物質であって、活性化すると放熱して前記容器内の前記材料を加温する、活性化可能な加熱物質と;
を備えた、発熱装置。 - 前記活性化可能な加熱物質が、過冷却した酢酸ナトリウム、酢酸鉛、酢酸カルシウム四水和物、ピロリン酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム及びトリメチロールエタン水和物のうちの1つからなることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
- 前記活性化可能な加熱物質を活性化させる開始装置を更に備えたことを特徴とする、請求項1に記載の装置。
- 前記開始装置が、前記チャンバ内に貫入して前記活性化可能な加熱物質に接触可能なプランジャを備えたことを特徴とする、請求項3に記載の装置。
- 前記チャンバが、穴と、前記穴を密閉するフォイルシールとを備えたことと、前記プランジャが前記フォイルシールと前記穴とを貫通して貫入可能であることと、を特徴とする、請求項4に記載の装置。
- 前記開始装置が、プランジャと、前記プランジャに結合した引金とを備え、前記プランジャが前記チャンバ内に通じる穴に隣接しており、前記穴が、前記引金が引かれていない時には隔壁によって密閉されていることを特徴とする、請求項3に記載の装置。
- 前記引金を引くと、前記プランジャが前記隔壁を貫通し、前記活性化可能な加熱物質が周囲環境に接触することを特徴とする、請求項6に記載の装置。
- 前記プランジャが中空であり、前記周囲環境が、前記プランジャの内側の所定量の空気からなることを特徴とする、請求項7に記載の装置。
- 前記活性化可能な加熱物質が塩化カルシウムからなり、前記開始装置が水からなることを特徴とする、請求項3に記載の装置。
- 前記開始装置が、前記チャンバ内に貫入可能であると共に活性化装置に取外し可能に結合したプランジャを備えたことを特徴とする、請求項3に記載の装置。
- 前記開始装置が、前記チャンバの開口部内に柔軟に取付けられたばねを備えたことを特徴とする、請求項3に記載の装置。
- 前記開始装置が、前記チャンバの開口部内に柔軟に取付けられた円板を備えたことを特徴とする、請求項3に記載の装置。
- 前記開始装置が、絶縁されていない基部と、電気絶縁された先端部とを有するねじを備え、前記ねじが、前記基部が前記活性化可能な加熱物質に接触しないような具合に、ねじ穴を介して前記チャンバ内に螺入されていることを特徴とする、請求項3に記載の装置。
- 前記ねじが、前記ねじ穴を介して進入することによって、前記基部が前記活性化可能な加熱物質に接触して前記物質を活性化させることを特徴とする、請求項13に記載の装置。
- 前記容器に取外し可能に結合した蓋を更に備えた、請求項1に記載の装置。
- 前記蓋がヒンジを備えたことと、前記蓋の一部分がヒンジ式に回転可能であることと、を特徴とする、請求項15に記載の装置。
- 前記チャンバの周囲に配置された断熱性のスリーブを更に備えた、請求項1に記載の装置。
- 前記断熱性のスリーブが、ネオプレン、スタイロフォーム(登録商標)又はウレタンのうちの1つからなることを特徴とする、請求項17に記載の装置。
- 前記活性化可能な加熱物質が、活性化すると、前記容器内の前記材料を予め選択された温度範囲にまで加温するのに十分な熱を生成することを特徴とする、請求項1に記載の装置。
- 前記活性化可能な加熱物質が、活性化すると、前記容器内の前記材料の温度を、少なくとも約2時間の間室温よりも高く維持するのに十分な熱を生成することを特徴とする、請求項1に記載の装置。
- 前記活性化可能な加熱物質が、活性化すると、前記容器内の前記材料の温度を、少なくとも約4時間の間室温よりも高く維持するのに十分な熱を生成することを特徴とする、請求項1に記載の装置。
- 前記活性化可能な加熱物質が、約17.68モル濃度の過冷却された酢酸ナトリウム溶液約1250ミリリットルからなり、前記物質が、活性化すると、華氏約68.5度の材料約800ミリリットルを、華氏95乃至120度にまで加温すると共に、これを少なくとも約2時間の間、華氏95乃至120度に維持するのに十分な熱を生成することを特徴とする、請求項1に記載の装置。
- 前記活性化可能な加熱物質が、約17.68モル濃度の過冷却された酢酸ナトリウム溶液約400ミリリットルからなり、前記物質が、活性化すると、華氏約98.6度に予め加温された材料約500ミリリットルを、少なくとも約2時間の間、華氏95乃至120度に維持するのに十分な熱を生成することを特徴とする、請求項1に記載の装置。
- 前記容器が、ポリプロピレン、ナイロン、ポリエチレン、ビニル、ステンレススチール及びチタンのうちの1つからなることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
- 前記容器が注ぎ口を備えたことを特徴とする、請求項1に記載の装置。
- 前記装置が滅菌消毒可能であることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
- 前記加熱物質が、活性化前の第1の状態と、活性化後の第2の状態と、を有することを特徴とする、請求項1に記載の装置。
- 前記加熱物質が、活性化後に前記第1の状態に回復され、再び活性化可能であることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
- 内壁及び外壁であって、前記内壁が、その中で加温される物品を入れる内部チャンバを規定し、前記外壁及び内壁が外部チャンバを規定し、前記外部チャンバが気密であり、前記内壁が、前記外部チャンバを前記内部チャンバから隔てて、これらのチャンバ間の連通を防止している、内壁及び外壁と;
前記外部チャンバ内に配置され、前記外部チャンバを少なくとも部分的に満たしている、過冷却された塩水溶液と;
加温容器と一体に設けられ、前記過冷却された塩水溶液を選択的に活性化させて、前記溶液に発熱性の結晶化を起こさせるための、開始装置と;
を備えた、加温容器。 - ボウルと;
前記ボウルの周囲に配置されたスリーブであって、前記ボウルとスリーブとの間にチャンバが規定される、スリーブと;
活性化可能な加熱物質を収容して前記チャンバ内に配置された袋と;
を備えた、加温容器。 - 電源と;
前記電源用の無菌の箱と;
前記電源によって給電され、前記電源に操作可能に接続される抵抗ヒータであって、前記電源への操作可能な接続の前に滅菌消毒可能であり、更に、前記電源への操作可能な接続後も無菌状態を維持することの可能な、抵抗ヒータと;
外科用ボウルを安定に支持可能な寸法に構成され、前記抵抗ヒータによって生成された熱を、前記外科用ボウルに入れた外科用液体に伝達することの可能な、ボウルホルダと;
を備えた、外科用液体の加温システム。 - 前記電源が再充電可能な電池を備えたことを特徴とする、請求項31に記載のシステム。
- 前記無菌の箱が使い捨て可能であることを特徴とする、請求項31に記載のシステム。
- 前記抵抗ヒータが前記外科用ボウルの一部分を包囲していることを特徴とする、請求項31に記載のシステム。
- 前記抵抗ヒータによって生成された熱を制御するための温度制御装置を更に備えたことを特徴とする、請求項31に記載のシステム。
- 前記外科用ボウル内の前記液体の温度を感知する温度センサと、前記液体を予め選択された温度とすべく、前記温度制御装置に信号を送信して前記抵抗ヒータによって生成される前記熱を制御する温度信号発生装置と、を有する温度フィードバックシステムを更に備えたことを特徴とする、請求項35に記載のシステム。
- 材料を加温するための方法であって、
硬質の容器と、
前記容器の周囲に配置された活性化可能な加熱物質と、
を備えた熱発生装置を設けることと;
前記加温対象の材料を前記容器内に入れることと;
前記加熱物質を活性化させることと;
が含まれる、方法。 - 材料を加温するための方法であって、
硬質の容器を備えた熱発生装置を設けることと;
活性化可能な加熱物質を前記容器の周囲に配置することと;
前記加温対象の材料を前記容器内に入れることと;
前記加熱物質を活性化させることと;
が含まれる、方法。 - 材料を加温するための方法であって、
硬質の容器と、
前記容器の周囲に配置された、活性化可能な加熱物質と、
前記活性化可能な加熱物質を活性化させるための開始装置と、
を備えた熱発生装置を設けることと;
前記加温対象の材料を前記容器内に入れることと;
前記開始装置を動作させることと;
が含まれる、方法。 - 前記加熱物質が、活性化前の第1の状態と、活性化後の第2の状態と、を有することを特徴とする、請求項39に記載の方法。
- 前記加熱物質を前記第1の状態に回復させることが更に含まれる、請求項40に記載の方法。
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