JP2004505686A - 呼吸器マスク - Google Patents

Abstract

この発明のある実施例に従えば呼吸器マスクシールおよびシェルが提供される。呼吸器マスクシールおよびシェルは、顔面開口部と、空気の通過のためのスロットと、顔面開口部のまわりに間隔をあけられた少なくとも１つの装着部とを有するマスクシェルを含む。また、ホースコネクタと、マスクシェルに対して嵌合するよう適合される輪郭のついた開口部とを有する可動インターフェイスを含む。輪郭のついた開口部は、スロット上で摺動可能であり、マスクシェル上に位置決めすることができる。マスクシールは、遠位端および近位端を有する可撓性の側壁を有し、側壁の遠位端に位置する丸みのついた外側シール部と、遠位端と近位端との間に位置する丸みのついた内側シール部と、側壁に埋込まれる支持リングとを含む。内側シール部は、外側シール部よりも厚く連続していない。支持リングは、マスクシェルの少なくとも１つの装着部と係合するように適合される少なくとも１つの装着部を含む。マスクシールは、マスクシェルに取外し可能に取付けることができる。可動インターフェイスは、マスクシェル上に位置的に調節することができ、マスクシールは、ユーザの顔の領域と接触することにより内方に変形することができる。

Description

【０００１】
【発明の背景】
１．発明の分野
この発明は一般的には呼吸器マスクの分野に関する。
２．背景技術の説明
呼吸器マスクは、ガスを患者に送出するために用いられる装置である。その最も簡単な形においては、呼吸器マスクは、フェイス部品と装着手段とガス供給ホースとを含む。呼吸器マスクは、空気または酸素を含む任意の種類の気体、および種々の薬または治療薬を送出するために用いられてもよい。
【０００２】
フェイス部材は患者の顔の鼻および／または口の部分にかぶせられる。好ましくは、患者の皮膚に対するフェイス部材のフィット性は、実質的に気密性であり供給されたガスを逃がさない。ストラップまたは他の装着装置が、ガスを患者に送出するために患者の顔に対してフェイス部材を保持し、また、フェイス部材が患者の顔との封止を確実に形成するようにする。
【０００３】
関連技術の呼吸器マスクにおいては、フェイス部材は一般的に、その端縁に顔面用シールを有する硬質または半硬質のシェルから形成される。顔面用シールは、装着者の顔と接触し、適所でより厚い壁を有することにより幾分硬質となるようにされる。関連技術の呼吸器マスクにおいては、封止はシェルの輪郭と関連づけて顔面用シールによって達成される。シェルの輪郭は、最大多数の装着者に合うように設計された１つ以上の標準のサイズおよび形状で形成される。
【０００４】
欠点は、高価な誂えた呼吸器マスクを除いては、関連技術の呼吸器マスクは個々の使用者に完璧に順応しないことである。関連技術の呼吸器マスクの封止材は一般的に、限られた量しか圧縮することができず、関連技術の呼吸器マスクは、シェル輪郭と異なる顔にうまく適合しない。したがって、関連技術の呼吸器マスクは、ガスの封止が悪く、顔に対して痛いところがある。
【０００５】
関連技術の別の欠点は、マスクシェルへのマスクシールの装着の形である。図１は、関連技術の呼吸器マスクシェルおよびマスクシール装着を示す。関連技術の呼吸器マスクは、マスクシェル３およびマスクシール１を含む。関連技術のマスクシール１は、装着者の顔に順応するように、一般的に軟質で可撓性であり、呼吸器マスクが洗濯などのために分解できるように、マスクシェル３に装着できなければならない。図１において、一般的な関連技術の呼吸器マスクは、マスクシール１の溝またはスロットに嵌合する矢じり型部４をマスクシェル３上に含む。たとえば、米国特許第５，２４３，９７１号を参照されたい。
【０００６】
このシール装着構成での欠点は、シールを適切に整列させて装着するのが困難なことである。使用者、特に高齢者は、シールをマスクに整列させ装着するのに必要な手の器用さがないことがある。さらに、使用者は、マスクの周囲のまわりに連続するシールを押し込んで完成させるのに十分な手の力がないかもしれない。整列が完璧でなければ、シールは変形し得、シールとマスクとの界面およびシールと顔との界面の気密性とフィット性との両方に影響する。
【０００７】
図２Ａ〜図２Ｂは、第２の関連技術の呼吸器マスクシェルおよびマスクシール装着を示す。マスクシェル３は、少なくとも１つの硬質ループ６と、硬質ループ６の下に嵌まり硬質ループ６によって保持される少なくとも１つの関連づけられる突起付きタブ７とを含む。たとえば、米国特許第５，７２４，９６５号を参照されたい。
【０００８】
図３Ａ〜図３Ｂは、第３の関連技術の呼吸器マスクシェルおよびマスクシール装着を示す。硬質シェル３はアパーチャ１０を含み、マスクシェル１は、アパーチャ１０を通って延在しアパーチャ１０と係合する突起付き突出部１１を含む。たとえば、米国特許第３，３３０，２７３号を参照されたい。
【０００９】
当該技術においては改良された呼吸器マスクが依然として必要である。
【００１０】
【発明の概要】
呼吸器マスクシールおよびシェルが、この発明のある実施例に従って提供される。呼吸器マスクシールおよびシェルは、顔面開口部と、空気の通過のためのスロットと、顔面開口部のまわりに間隔をあけられた少なくとも１つの装着部とを有するマスクシェルを含む。呼吸器マスクシールおよびシェルはまた、ホースコネクタと、マスクシェルに対して嵌合するように適合された輪郭のついた開口部とを有する可動インターフェイスを含む。可動インターフェイスの輪郭がつけられた開口部は、スロット上で摺動可能であり、予め定められた範囲にわたってマスクシェル上に位置決めすることができる。呼吸器マスクシールおよびシェルはさらに、遠位端および近位端を有する可撓性の側壁を含み、側壁の遠位端に位置する丸い外側シール部と、遠位端と近位端との間に位置する丸い内側シール部と、近位端に隣接した側壁に埋込まれた支持リングとを含むマスクシールを含む。内側シール部は、外側シール部よりも厚く、マスクシールの内面のまわりで連続していない。支持リングは、マスクシェルの少なくとも１つの装着部と係合するように適合された少なくとも１つの装着部を含む。マスクシールの近位端は、マスクシェルに取外し可能に取付けることができる。可動インターフェイスは、装着者に合わせてマスクシェル上で位置的に調節することができる。使用時には、マスクシールは、使用者の顔面領域と接触することにより内方に変形することができる。
【００１１】
呼吸器マスクのためのマスクシールアセンブリが、この発明の別の実施例に従って提供される。マスクシールアセンブリは、マスクシェルと、マスクシールと、個別の装着部位にマスクシェル上の複数個の装着装置とを含み、複数個の装着装置により、マスクシールはマスクシェルに取外し可能に装着可能となる。
【００１２】
呼吸器マスクのためのシールアセンブリが、この発明のさらに別の実施例に従って提供される。シールアセンブリは、マスクシェルと、支持リングと、支持リングの上にオーバーモールドされたマスクシールとを含む。支持リングは、マスクシールが予め定められた形状を保持することを支援し、かつマスクシールをマスクシェルに装着しやすくするように順応される。
【００１３】
呼吸器マスクのためのシールアセンブリを作成する方法が、この発明の別の実施例に従って提供される。この方法は、エラストマーのマスクシールを支持構造のまわりにオーバーモールドして、埋込まれた支持構造を有するマスクシールを製作するステップを含む。
【００１４】
呼吸器マスクが、この発明のさらなる実施例に従って提供される。呼吸器マスクは、凸状外面を有し中にスロットを有するマスクシェルと、凸状外面上で可動的に回動する可動インターフェイスとを含む。可動インターフェイスは、ガス供給ホースを受入れるように適合されるホースコネクタを含み、さらに、ホースコネクタからスロットにおよびマスクシェルの内部領域にガスを連通させる内部通路を含む。可動インターフェイスは、使用者の顔面角度に対するマスクシェルの角度調節を可能にする。
【００１５】
この発明の上記のおよび他の特徴および利点は、添付の図面と関連づけて、その好ましい実施例の以下の説明からさらに理解されるであろう。
【００１６】
【好ましい実施例の詳細な説明】
図４Ａ〜図４Ｂは、この発明のある実施例の装着装置を示す。この実施例において、マスクシール１２０が硬質シェル１００に装着される（完全なマスクの例図については図１０を参照されたい）。装着装置は、マスクシール１２０上の装着部とマスクシェル１００上の装着部とを含む。これらの装着部は、個別の装着部位を形成する。好ましくは、マスクシール１２０をマスクシェル１００上の予め定められた位置に保持するために、３つのこのような個別の装着部位が呼吸器マスク９９に形成される。しかしながら、いかなる数の個別装着部位が使用されてもよい。
【００１７】
図示の装着装置においては、マスクシール１２０は、突起４２４の形の装着部を含む硬質または半硬質の支持リング１２３（図１２参照）を含む。突起４２４は、保持棒４２７を含む開口部４２６の形の対応の装着部内に嵌合する。装着部は、約１ミリメートルから約２センチメートルの幅を有し得る。
【００１８】
図５Ａ〜図５Ｂは、この発明の装着装置の別の実施例を示す。この実施例においてマスクシール１２０は、マスクシール１２０の延長部５０４およびノブ５０７の形の装着部を含む。延長部５０４は、マスクシール１２０とマスクシェル１００との交差部を越えて延在する。ノブ５０７は、マスクシェル１００における止まり穴５０５の形の対応の装着部内に嵌合する。止まり穴５０５は実質的に半球であってよく、穴の室よりも小さい開口を備える。止まり穴５０５は、マスクシェル１００を貫通しない。止まり穴５０５は、マスクシェル１００内に引っ込んでいてもよい。ノブ５０７は、穴の開口よりも幅が広い。
【００１９】
図６Ａ〜図６Ｂは、装着装置のさらに別の実施例を示す。この実施例は、マスクシール１２０上に形成された突起６０８の形の装着部を含む。突起６０８は、マスクシェル１００に形成された空隙６０９およびリップ６０６の形の対応の装着部と係合する。
【００２０】
図７Ａ〜図７Ｂは、装着装置のさらに別の実施例を示す。この実施例において、マスクシール１２０は、マスクシール１２０の延長部７０４、および延長部７０４を貫通する穴７１２の形の装着部を含む。延長部７０４は、マスクシール１２０とマスクシェル１００との交差部を越えて延在する。マスクシェル１００は、穴７１２を押し通され得る一体となったノブ７０７の形の対応の装着部を含む。ノブ７０７は、穴７１２と係合してマスクシール１２０をマスクシェル１００に保持する。ノブ７０７は穴７１２よりも幅が広い。ノブ７０７は、マスクシェル１００内に引っ込んでいてもよい。
【００２１】
図８Ａ〜図８Ｂは、装着装置のさらに別の実施例を示す。この実施例は、埋込まれた支持リング１２３を含む。支持リング１２３は、マスクシール１２０の周囲から延在するヒンジフック８１０の形の装着部を含む。マスクシェル１００は、開口部８１５およびヒンジ軸８０５の形の対応の装着部を含む。ヒンジフック８１０は、ヒンジ開口部８１５内にあり、ヒンジ軸８０５と係合し、マスクシール１２０がマスクシェル１００に対して回転するのを可能にする。さらに、ヒンジにより、マスクシール１２０およびヒンジフック８１０はマスクシェル１００から取外すことができる。
【００２２】
図９Ａ〜図９Ｂは、装着装置のさらに別の実施例を示す。この実施例において、マスクシール１２０は、マスクシール１２０の延長部９０４およびノブ９０７の形の装着部を含む。延長部９０４は、マスクシール１２０とマスクシェル１００との交差部を越えて延在する。ノブ９０７は、マスクシェル１００内の穴９１２の形の対応の装着部に押し通され得る。ノブ９０７は、穴９１２と係合してマスクシール１２０をマスクシェル１００上に保持する。ノブ９０７は穴９１２よりも幅が広い。穴９１２は、マスクシェル１００内に引っ込んでいてもよい。この実施例において、ノブ９０７は、マスクシェル１００の内部に向かって配向されるが、これは、ノブ７０７がマスクシェル１００上に形成されマスクシェル１００の内部から離れるように配向される図７とは対照的である。
【００２３】
図１０は、この発明の呼吸器マスク９９を示す。呼吸器マスク９９は、マスクシェル１００と、マスクシール１２０と、可動インターフェイス１４０とを含む。マスクシェル１００は、凸状の外面を有し、硬質または半硬質の材料から形成され得る。可動インターフェイス１４０は、マスクシェル１００に対して嵌合するように適合される輪郭のついた開口部を含み（図１５および図１６参照）、さらに、ベント口１４３と、ヘッドピーススライド１４７とを含む。可動インターフェイス１４０は、ガス供給ホース１７０に接続され得、ガス供給ホース１７０は、酸素、麻酔ガスおよび／または１つ以上の薬剤を含み得るガスまたはガス混合物を呼吸器マスクに供給し得る。ベント口１４３により、吐き出されたガスが排出される。
【００２４】
図１１は、マスクシール１２０のさらなる詳細を示す呼吸器マスク９９の別の図を示す。マスクシール１２０は、マスクシェル１００に取外し可能に取付けられ得る。マスクシール１２０は、エラストマーであり、たとえばシリコンなどの柔軟で可撓性の材料から形成される。マスクシール１２０は、マスクシェル１００から延在する可撓性の側壁と、マスクシール領域とを含む。マスクシール１２０は、装着者の顔に対して封止を形成するために変形しやすくなっている。マスクシール１２０の可撓性は、材料の種類だけでなく、マスクシールが幾分変形して装着者の顔にフィットすることを可能にする、マスクシール１２０の構成にも依存する。これは以下により詳細に論じる。
【００２５】
マスクシール１２０およびマスクシェル１００は、形がほぼ三角形であり、上部角２０３が装着者の鼻梁にかぶさり、２つの底部角２０２が、装着者の口角に隣接して位置する。
【００２６】
図１２は、マスクシール１２０と、マスクシール１２０内に存在する支持リング１２３と、マスクシェル１００と、可動インターフェイス１４０と、インターフェイスガスケット１５２と、ベント口アパーチャ１４１と、ベント口１４３と、ヘッドピーススライド１４７と、ホースコネクタ１４５とを含む呼吸器マスク９９の構成要素の分解図を示す。
【００２７】
支持リング１２３は任意選択でありマスクシール１２０内に存在する。支持リング１２３は、マスクシール１２０内へまたはその内側に成形されてもよい。支持リング１２３は、支持リング１２３がマスクシェル１００に取外し可能に取付けられることを可能にするタブまたは突起付きのタブなどの少なくとも１つの装着装置３０３を含み、それによりマスクシール１２０をマスクシェル１００に連結する。さらに、支持リング１２３は、マスクシェル１００上のヒンジ軸８０５（図示せず）と回転可能に係合し得るヒンジフック３０６を含んでもよい。これに代えて、装着装置３０３は、他の前述の装着装置のいずれかであってもよい。少なくとも１つの装着装置３０３は、マスクシェル１００に位置する装着開口部４０５（図１４参照）によって受入れられる。
【００２８】
支持リング１２３は、たとえばポリカーボネート材から形成される支持リングなど、半硬質または硬質である。支持リング１２３は、マスクシール１２０が予め定められた形状を保持することを支援するように順応する。これは、マスクシール１２０が空気圧下で外方に膨らむことを防ぎ、予め定められた解剖学的に望ましい形状を維持することを含む。支持リング１２３は、マスクシール１２０によって与えられる圧縮力に加えて、皮膚の必要なところ、すなわち、たとえば鼻の側部に対してさらなる圧縮力を与えてもよい。
【００２９】
支持リング１２３はまた、マスクシール１２０をマスクシェル１００に装着しやすくする。支持リング１２３は、たとえば留め金または突起などの装着装置のための硬質の固定具または土台を与えることにより、局所的な装着を促進する。
【００３０】
さらに、支持リング１２３は、取外し、洗濯および再装備などの取扱いの際にマスクシール１２０の形状を維持する。
【００３１】
インターフェイスガスケット１５２は、可動インターフェイス１４０とマスクシェル１００との間に嵌合する。インターフェイスガスケット１５２は、可動インターフェイス１４０とマスクシェル１００との間のガスの漏れを防ぎながらも、マスクシェル１００上での可動インターフェイス１４０の移動を促進する。
【００３２】
ベント口１４３は好ましくは、可動インターフェイス１４０のベントアパーチャ１４１に嵌め込まれ、ＣＰＡＰ排出のためにベントアパーチャのサイズを制御するために用いられてもよい（ベント口１４３はいかなる好適なサイズで設けられてもよい）。
【００３３】
ホースコネクタ１４５は、ガス供給ホース１７０と接続するように適合される。ホースコネクタ１４５は、いかなる好適な直径であってもよい。
【００３４】
ヘッドピーススライド１４７により、呼吸器マスクを使用者の頭上の適所に保持するヘッドピース（図示せず）に呼吸器マスクを装着することが出来る。ヘッドピースは、上方へ使用者の頭の中心の上へ延在し頭蓋底の領域で終わる硬質または半硬質のバンドであってもよい。ガス供給ホース１７０は、上方へ使用者の頭の上に延び得、ヘッドピースに締結され得る。ヘッドピーススライド１４７は好ましくは、呼吸器マスク９９が使用者の顔に対して位置決めされることを可能にする湾曲した側面（図１６参照）を有するが、調節移動の結果として呼吸器マスク９９を使用者の顔に近づけたり離したりすることなしに、上下に動き得る。さらに、ヘッドピーススライド１４７は、呼吸器マスクをヘッドピース上に位置決めするための移動止め位置となる複数個のラチェット開口部１４８（図１５参照）を含んでもよい。
【００３５】
図１３は、可動インターフェイス１４０の調節移動を例示するこの発明に従う呼吸器マスクの断面図を示す。可動インターフェイス１４０は、ピボット中心について回動し、ゴニオメトリ回動装置を実現する。ゴニオメトリ回動装置とは、角度測定ピボットまたは機構のことである。ピボット中心は、マスクシェル１００または呼吸器マスク９９の内容積の実質的に中にあってもよい。したがって、可動インターフェイス１４０により、顔面角度に対するマスクシェル１００の角度調節が可能となる。
【００３６】
可動インターフェイス１４０は、可動インターフェイス１４０が使用者によって人間工学的に作動され得るという点で利点がある。さらに、可動インターフェイス１４０は、装着者の顔に対して低い側面を有し、一体となった空気の通り道はほとんど場所を必要としない。可動インターフェイス１４０はしたがって、支持機能と空気の通り道の導管とを１つの機構に組合わせるものである。さらに、可動インターフェイス１４０は、使いやすくし耐久性を与えるために複雑さが最小限である。
【００３７】
図１４は、マスクシール１２０をマスクシェル１００に装着するために使用される装着開口部４０５を示すマスクシェル１００の別の図である。さらに、マスクシェル１００の底部には、ヒンジ軸８０５が位置し得る。
【００３８】
図１５は、マスクシェル１００のスロット７０３（図１７参照）に係合することのできる２つの突起付きタブ５０７を示す、可動インターフェイス１４０の背面図を示す。したがって、突起付きタブ５０７は、可動インターフェイス１４０をマスクシェル１００上に保持する機能を果たしながら、可動インターフェイス１４０が窪み７０２内で摺動することを可能にする。２つのタブ５０７が図示されるが、異なった数のタブまたは他のサイズのタブが使用されてもよいことが理解される。
【００３９】
図１６は、突起のついたタブ５０７の形状をさらに示す可動インターフェイス１４０の側面図を示す。
【００４０】
図１７は、マスクシェル１００と可動インターフェイス１４０とインターフェイスガスケット１５２とを示す。図からわかるように、マスクシェル１００は、可動インターフェイス１４０が垂直方向に回動または摺動し得る窪み７０２を含む。マスクシェル１００はまた、可動インターフェイス１４０がかぶさるスロット７０３を含む。さらに、スロット７０３は、マスクシェル１００から延在するタブ５０７と相互作用する複数個の移動止め７０８を含む。移動止め７０８により、可動インターフェイス１４０は予め定められた位置に設定することができる。
【００４１】
この図からわかるように、マスクシェル１００の外面は、可動インターフェイス１４０の接触面と同じように（すなわち、可動インターフェイス１４０は輪郭のついた開口部を含む）、実質的に丸みがついているか凸状である。可動インターフェイス１４０は、したがって、マスクシェル１００に対して嵌合しスロット７０３上を摺動する。
【００４２】
図１８は、マスクシール１２０がいかにマスクシェル１００に接合するかを示す、呼吸器マスク９９の断面図を示す。この図はさらに、可動インターフェイス１４０がマスクシェル１００上にいかに嵌合するかを示す。この図からわかるように、いくつかの開口部４０５がマスクシェル１００上に存在し、マスクシール１２０をマスクシェル１００に取外し可能に取付けるために、装着装置３０３がこれに嵌合する。好ましい実施例では、２組の装着装置３０３および開口部４０５と、さらにマスクシール１２０上のフック３０６と、マスクシェル１００上の対応の軸４０８とがある（図１２および図１４も参照されたい）。
【００４３】
好ましい実施例のマスクシール１２０をマスクシェル１００に接合するために、マスクシール１２０はマスクシェル１００に対して角度がつけられ、ヒンジフック８１０がヒンジ軸８０５上に置かれる。次にマスクシール１２０を上方へ回転させマスクシェル１００と接触させ、装着装置３０３が対応の開口部４０５に嵌合するかまたは嵌め込まれる。
【００４４】
装着装置３０３および開口部４０５として参照される装置は、図４〜図９に示し論じた装着装置のいずれであってもよいことが理解される。
【００４５】
図１９は、マスクシール１２０およびマスクシェル１００の連結部の詳細を示し、さらにフランジ９０９を示す。フランジ９０９は、マスクシールの接合面９１２の内側周囲上に形成されるが、接合面９１２とは、呼吸器マスクが組立てられるときマスクシェルと接触する表面のことである。支持リング１２３は、表面９１２に対して内向きの圧縮力Ｆを与える。フランジ９０９は、マスクシェル１００の内側周辺のまわりに、実質的にガス密または気密性の封止の形成を支援する。
【００４６】
図２０は、マスクシール１２０と支持リング１２３の断面を示す。この図は、マスクシェル１２０の側壁が支持リング１２３より上方でいかに薄くなり、より厚い領域２０７およびより薄い領域２０６を有するかを示す。側壁は近位端２１５および遠位端２２０を有し、近位端２１５は支持リング１２３に隣接する。遠位端２２０には、丸みのついた好ましくはマスクシール１２０の中心に向かって内方に湾曲する外側シール領域２０４が形成される。外側シール領域２０４の材料は比較的薄い。マスクシール１２０はまた、外側シール領域２０４にわたって幾分丸みがつけられ外側シール領域２０４よりも厚い内側シール領域２０７を含む。
【００４７】
外側シール領域２０４は、マスクシール１２０の開口部のまわりに連続している。対照的に、内側シール領域２０７は、角２０２および２０３（図１１参照）で連続していない。これにより、外側シール領域２０４は、さらなる変形が必要とされやすい鼻梁および口角の領域においてより変形することができる。
【００４８】
内側シール領域２０７は、外側シール領域にわたって外側シール領域よりも丸みが少なくより厚いので、容易に変形しにくい。外側シール領域２０４が内側シール領域と接触するとき、内側シール領域２０７が装着者の顔に対してより大きな圧縮力を与えるという点で、内側シール領域２０７は重要な役割を果たす。内側シール領域２０７は、したがって、剛性がより大きく、外側シール領域２０４にわたって丸みをつける助けをする。
【００４９】
図２１は、内側シールが存在しない、角２０２または２０３のうちの１つの領域におけるマスクシール１２０の拡大断面図である。
【００５０】
図２２は、対照的に、角２０２または２０３から離れたマスクシール１２０の一部などの内側シール領域２０７を含むマスクシール１２０の拡大断面図である。
【００５１】
この発明は以上に詳細に記載したが、この発明は、上述の特定の実施例に限られるものでない。当業者は、この発明の概念から逸脱することなしにここに記載される特定の実施例の多くの使用および変形ならびに逸脱をなし得ることが明らかである。
【図面の簡単な説明】
【図１】関連技術の呼吸器マスクシェルおよびマスクシール装着の図である。
【図２Ａ】第２の関連技術の呼吸器マスクシェルおよびマスクシール装着の図である。
【図２Ｂ】第２の関連技術の呼吸器マスクシェルおよびマスクシール装着の図である。
【図３Ａ】第３の関連技術の呼吸器マスクシェルおよびマスクシール装着の図である。
【図３Ｂ】第３の関連技術の呼吸器マスクシェルおよびマスクシール装着の図である。
【図４Ａ】この発明のある実施例の装着装置の図である。
【図４Ｂ】この発明のある実施例の装着装置の図である。
【図５Ａ】この発明の装着装置の別の実施例の図である。
【図５Ｂ】この発明の装着装置の別の実施例の図である。
【図６Ａ】装着装置のさらに別の実施例の図である。
【図６Ｂ】装着装置のさらに別の実施例の図である。
【図７Ａ】装着装置のさらに別の実施例の図である。
【図７Ｂ】装着装置のさらに別の実施例の図である。
【図８Ａ】装着装置のさらに別の実施例の図である。
【図８Ｂ】装着装置のさらに別の実施例の図である。
【図９Ａ】装着装置のさらに別の実施例の図である。
【図９Ｂ】装着装置のさらに別の実施例の図である。
【図１０】この発明の呼吸器マスクの図である。
【図１１】マスクシールのさらなる詳細を示す呼吸器マスクの別の図である。
【図１２】呼吸器マスクの構成要素の分解図である。
【図１３】可動インターフェイスの調節移動を示すこの発明に従う呼吸器マスクの断面図である。
【図１４】マスクシールをマスクシェルに装着するために使用される装着開口部を示すマスクシェルの別の図である。
【図１５】マスクシェルのスロットと係合することのできる２つの突起付きタブを示す可動インターフェイスの背面図である。
【図１６】突起付きタブの形状をさらに示す可動インターフェイスの側面図である。
【図１７】マスクシェル、可動インターフェイスおよびインターフェイスガスケットの図である。
【図１８】マスクシールをマスクシェルにいかに接合するかを示す呼吸器マスクの断面図である。
【図１９】フランジをさらに示す、マスクシールとマスクシェルとの連結部の詳細図である。
【図２０】マスクシールおよび支持リングの断面図である。
【図２１】内側シールの存在しない、角のうち１つの領域におけるマスクシールの拡大断面図である。
【図２２】内側シール領域を含むマスクシールの拡大断面図である。

Claims (34)

1. 顔面開口部と、空気の通過のためのスロットと、前記顔面開口部のまわりに間隔をあけられた少なくとも１つの装着部とを有するマスクシェルと、
   ホースコネクタと、前記マスクシェルに対して嵌合するよう適合される輪郭のついた開口部とを有する可動インターフェイスとを含み、前記可動インターフェイスの前記輪郭のついた開口部は、前記スロットの上で摺動可能であり、予め定められた範囲にわたって前記マスクシェル上に位置決めすることができ、さらに、
   遠位端および近位端を有する可撓性の側壁を含み、前記側壁の前記遠位端に位置する丸みのついた外側シール部と、前記遠位端と近位端との間に位置する丸みのついた内側シール部とを含み、前記内側シール部は、前記外側シール部よりも厚く、前記マスクシールの内面のまわりで連続しておらず、前記近位端に隣接して前記側壁に埋込まれた支持リングをさらに含むマスクシールを含み、前記支持リングは、前記マスクシェルの前記少なくとも１つの装着部と係合するように適合される少なくとも１つの装着部を含み、前記マスクシールの前記近位端は前記マスクシェルに取外し可能に取付可能であり、
   前記可動インターフェイスは、装着者に適合可能であるように前記マスクシェル上に位置的に調節することができ、使用時に前記マスクシールは、前記装着者の顔の領域と接することにより内方に変形することができる、呼吸器マスクシールおよびシェル。
2. 前記マスクシェルはさらに窪みを含み、前記可動インターフェイスが前記窪み内に垂直方向に摺動することができる、請求項１に記載の呼吸器マスクシールおよびシェル。
3. 前記可動インターフェイスは、前記可動インターフェイスから延在するヘッドピーススライドを含む、請求項１に記載の呼吸器マスクシールおよびシェル。
4. 前記可動インターフェイスはさらにベントアパーチャを含む、請求項１に記載の呼吸器マスクシールおよびシェル。
5. 前記可動インターフェイスはさらにベントアパーチャを含み、前記ベントアパーチャは、予め定められたベント穴寸法を有するベント口を保持することができる、請求項１に記載の呼吸器マスクシールおよびシェル。
6. 前記可動インターフェイスと前記マスクシェルとの間にインターフェイスガスケットをさらに含む、請求項１に記載の呼吸器マスクシールおよびシェル。
7. 前記可動インターフェイスはさらに、前記可動インターフェイスの前記輪郭のついた開口部に位置する複数個の突起付きタブを含み、前記複数個の突起付きタブは、前記マスクシェル内の前記スロットに嵌り込み、前記スロット内で摺動し、前記可動インターフェイスが前記マスクシェル上で動くことを可能にするように適合される、請求項１に記載の呼吸器マスクシールおよびシェル。
8. 前記ホースコネクタは前記マスクに対して実質的に垂直方向に配向される、請求項１に記載の呼吸器マスクシールおよびシェル。
9. 前記マスクシールの前記近位端は、前記マスクシールの接合面の内側周囲上に形成されるフランジを含み、前記フランジは、前記マスクシェルの内側に嵌合しガス封止を形成する、請求項１に記載の呼吸器マスクシールおよびシェル。
10. 前記マスクシールはエラストマー材料を含む、請求項１に記載の呼吸器マスクシールおよびシェル。
11. 前記マスクシールはシリコンを含む、請求項１に記載の呼吸器マスクシールおよびシェル。
12. 前記丸みのついた外側シールは、前記マスクの内部に向かって内方に湾曲する、請求項１に記載の呼吸器マスクシールおよびシェル。
13. 前記丸みのついた内側シールは、前記マスクの内部に向かって内方に湾曲する、請求項１に記載の呼吸器マスクシールおよびシェル。
14. 前記内側シール領域は、装着者の顔に対して前記外側シール領域を圧縮するように適合される、請求項１に記載の呼吸器マスクシールおよびシェル。
15. 前記支持リングは半硬質の材料を含む、請求項１に記載の呼吸器マスクシールおよびシェル。
16. 前記支持リングは硬質の材料を含む、請求項１に記載の呼吸器マスクシールおよびシェル。
17. 前記支持リングは、前記マスクシールの前記側壁の内側に成形される、請求項１に記載の呼吸器マスクシールおよびシェル。
18. 前記支持リングは、マスクシール周囲を越えて延在し前記マスクシェル上の対応の空隙と係合する少なくとも１つの細長い延長部材を含む、請求項１に記載の呼吸器マスクシールおよびシェル。
19. 前記マスクシールの前記支持リングはさらにヒンジフックを含み、前記マスクシェルはさらにヒンジ軸を含み、前記マスクシールが前記マスクシェルに対してある位置に置かれるとき前記ヒンジフックが回転して前記ヒンジ軸に係合する、請求項１に記載の呼吸器マスクシールおよびシェル。
20. 前記マスクシールの前記少なくとも１つの装着部は突起付きのタブを含む、請求項１に記載の呼吸器マスクシールおよびシェル。
21. マスクシェルと、
    マスクシールと、
    前記マスクシールが取外し可能に前記マスクシェルに装着されることを可能にする個別の装着部位に前記マスクシェル上の複数個の装着装置とを含み、前記複数個の装着装置のうちある装着装置は、以下のグループ：
    前記マスクシール内に埋込まれる実質的に硬質の支持リングであって、支持リング周囲およびマスクシール周囲から出て前記マスクシェルの対応の開口部および保持棒と係合する突起を含む支持リング、
    前記マスクシールと前記マスクシェルとの交差部を越えて延在する前記マスクシールの延長部であって、前記マスクシェルにおける対応の止まり穴と接合するノブを含む延長部、
    前記マスクシールと前記マスクシェルとの交差部を越えて延在する前記マスクシェルの一部であって、前記マスクシェルにおける対応の空隙およびリップと接合する突起を形成する一部、
    前記マスクシールと前記マスクシェルとの交差部を越えて延在する前記マスクシールの延長部であって、前記マスクシェルと一体となった対応のノブが押し通される穴を有する延長部、
    前記マスクシール内に埋込まれる実質的に硬質の支持リングであって、前記支持リングの周囲から出て前記マスクシェルにおける対応の開口部およびヒンジ軸と係合するフックを含み、前記フックは、前記マスクシェルに装着されるとヒンジのように作用し、前記マスクシールが前記マスクシェルと接触する位置に回転されることを可能にする、支持リング、および、
    前記マスクシールと前記マスクシェルとの交差部を越えて延在する軟質のシールの延長部であって、前記マスクシェルにおける対応の穴を貫通するノブを含む延長部、からなるグループから選択される、呼吸器マスクのためのマスクシールアセンブリ。
22. マスクシェルと、
    支持リングと、
    前記支持リングの上にオーバーモールドされるマスクシールとを含み、
    前記支持リングは前記マスクシールが予め定められた形状を保持する支援をし、かつ前記マスクシェルへの前記マスクシールの装着を促進するように順応する、呼吸器マスクのためのシールアセンブリ。
23. 前記支持リングは、前記マスクシールの接合面の内側周囲に対して圧縮力を与え、前記接合面は、前記呼吸器マスクが組立てられるとき前記マスクシェルと接触する表面である、請求項２２に記載のシールアセンブリ。
24. 前記支持リングは、前記マスクシール上におよび顔の軟組織に対して圧縮力を与えて前記マスクシールのまわりからの空気の漏れを低減する、請求項２２に記載のシールアセンブリ。
25. 前記複数個の装着装置のうちのある装着装置は、前記支持リング上に形成される少なくとも１つの突起を含み、前記少なくとも１つの突起は、前記マスクシェル上の対応の空隙および対応の保持棒と係合する、請求項２２に記載のシールアセンブリ。
26. 前記装着装置は少なくとも１つの分離可能なヒンジを含み、前記少なくとも１つの分離可能なヒンジは、前記マスクシェル上に形成されるヒンジ軸と、前記マスクシールに埋込まれる前記支持リング上に形成される少なくとも１つの対応のヒンジフックとを含み、前記少なくとも１つの分離可能なヒンジにより、前記マスクシールは前記マスクシェルから離れるように回動できかつ前記マスクシールは前記マスクシェルから取外すことができる、請求項２２に記載のシールアセンブリ。
27. 支持構造のまわりにエラストマーのマスクシールをオーバーモールドして埋込まれた支持構造を有するマスクシールを製作するステップを含む、呼吸器マスクのためのシールアセンブリを作成する方法。
28. 前記支持構造は前記マスクシールに埋込まれた支持リングである、請求項２７に記載の方法。
29. 前記支持構造はポリカーボネートを含む、請求項２７に記載の方法。
30. 前記マスクシールはシリコンを含む、請求項２７に記載の方法。
31. 凸状の外面と中にスロットとを有するマスクシェルと、
    前記凸状外面上で可動的に回動する可動インターフェイスとを含み、前記可動インターフェイスは、ガス供給ホースを受入れるよう適合されるホースコネクタを含み、前記ホースコネクタから前記スロットへおよび前記マスクシェルの内部領域へガスを連通させる内部通路をさらに含み、
    前記可動インターフェイスは、使用者の顔面の角度に対して前記マスクシェルの角度調節を可能にする、呼吸器マスク。
32. 前記可動インターフェイスはさらに、前記可動インターフェイスと前記マスクシェルとの間にインターフェイスガスケットを含み、前記インターフェイスガスケットは、前記マスクシェル上での前記可動インターフェイスの移動を促進し、かつ前記可動インターフェイスと前記マスクシェルとの間のガスの漏れを防ぐ、請求項３１に記載の呼吸器マスク。
33. 前記可動インターフェイスは、前記マスクシェルの容積の実質的に中にピボット中心を有する、請求項３１に記載の呼吸器マスク。
34. 前記可動インターフェイスはさらに、前記マスクシェルの前記スロットの端縁と係合し前記マスクシェルに対して前記可動インターフェイスを可動的に保持する複数個の突起付きタブを含む、請求項３１に記載の呼吸器マスク。

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