JP2004504628A - 高速スイッチング可逆電気化学ミラー - Google Patents

高速スイッチング可逆電気化学ミラー Download PDF

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Abstract

可逆電気化学的ミラー(REM)は、第1の電極と第2の電極とを含み、その一方は、電磁放射のスペクトルの少なくとも一部に対して透明である。ほぼ非水性の電解液が、第1及び第2の電極の間に配置されており、0.5M超のモル濃度を有する電着可能な金属のイオンを含む。電解液は、ハロゲン化物及び/又は擬似ハロゲン化物の陰イオンを含んでおり、この陰イオンと電着可能な金属陽イオンとの全体のモル濃度比率は2:1である。第1の電極に加えられた負の電位によって、被覆されている金属が第2の電極から電解液の中へ溶解し、電解液から第1の電極の上に電着されて、ミラー・デポジットを形成し、よって、電磁放射に対するREM装置の反射率に影響を与える。第1の電極に加えられた正の電位によって、被覆されている金属が第1の電極から電解液の中へ溶解し、電解液から第2の電極の上に電着され、REMミラーの反射率を低下させる。第1の電極に表面修正層を加えて、核形成が一様になり、それによって、高反射率を有するミラー・デポジットが得られるようにする。ハロゲン化物及び/又は擬似ハロゲン化物の陰イオンと電着可能な金属イオンとを少なくとも2:1の比率とすることにより、ほぼ非水性の溶媒の中にモル濃度が高いミラー金属陽イオンが得られ、それにより、実際の応用に必要な、高速スイッチングと、電解質の内在的な安定性と、よいデポジット消去と、長い耐久性とが得られる。装置の性能を更に最適化するためには、この2:1のモル比率を更に上昇させることも必要となりうる。

Description

【0001】
【関連出願への相互参照】
この出願は、1999年7月19日に出願された米国特許出願第09/356,730号(出願A)の一部継続出願である。出願Aは、1999年6月15日に出願された米国特許出願第09/333,385号(出願B)の一部継続出願である。出願Bは、1997年12月19日に出願された米国特許出願第08/994,412号(出願C)の一部継続出願である。なお、出願Cは、1999年7月13日に米国特許第5,923,456号とした特許された。
【0002】
【発明の属する技術分野】
本発明は、反射率が制御可能である鏡(ミラー)や窓などの装置に関する。
【0003】
【従来の技術】
建造物や輸送用車両の窓を透過した日光は、温室効果を通じて熱を発生することがあり、そのために、不快な環境が生じ、空調の必要性やそのための費用が生じる。様々な日光条件において用いられ透過が調整可能である「スマート・ウィンドウ」(賢い窓)を提供する現在のアプローチは、光吸収性の材料の使用に関するものである。しかし、このようなアプローチは、部分的にしか効果を有しておらず、その理由は、窓自体が加熱されること、また、電気化学的装置などの装置は比較的高価であり、耐久性や寿命が限られているからである。液晶ベースの窓システムの中には、透過状態と不透明/散乱状態との間で切り替わるものがあるが、そのようなシステムでは、透過状態を維持するのに相当な電圧が必要となる。従って、安価で耐久性に優れ低電圧の可変反射率を有する窓に対する大きな必要性が存在している。光を吸収するのでなく、反射するのは、内部加熱を回避する最も効率的な手段である。光の透過を効果的に制御する装置は、例えば、ディスプレイのためのエネルギ効率のよい調光器など、様々な他の応用例のためにも必要とされている。
【0004】
後続の車両のヘッドランプから発せられ自動車の後方及び測方用のミラーで反射する明るい光は運転者にとって迷惑であり、運転者の視覚を損なうことによって安全に対して有害となりうる。現在入手可能な自動減光ミラーは、これがなければ定位ミラーから反射されることになる光を吸収する電解質の核種(electrolyte species)を生じさせるエレクトロクロミック反応に依存している。そのような装置は、反射光の量について精密な制御を行うことができず、製造コストも高い。その理由は、一様な減光を提供するには非常に一定の電極間のスペーシングが要求されるからである。また、エレクトロクロミック・ミラーでは、イメージの先鋭性が低下する。というのは、反射光が電解質を2回通過しなければならないからである。従って、イメージの歪みが最小であり反射光の精密な制御を行うような安価で調整可能なミラー装置に対する大きな必要性が存在している。
【0005】
光変調のために金属の可逆的な電着を利用しようとする従来技術による試みでは、透明な基板上に得られるデポジットは、粗く、黒、灰色又は時には彩色の外観を呈し(細かく分割された金属に典型的)、特に厚い場合には、反射率が低く、光吸収率が高かった。そのようなデポジットは、背面からの反射率の関するディスプレイへの応用について研究がなされてきたが、コントラストを改善するために、白い顔料が加えられることが多かった。Warszawski(米国特許第5,056,899号)は、ディスプレイに関するものであるが、ディスプレイへの応用には可逆的金属電着が最も適切であることを教示している。その理由は、(例えば、カウンタ電極における金属堆積の可能性など)透過装置に関する著しい短所が与えられているからである。一般に、従来技術文献によると、カウンタ電極における金属電着を回避するには、補助的なカウンタ電極反応が、透過型装置には必要である。その理由は、金属の電気溶解が作業電極において生じ、それにより、透過の正味の変化が生じないからである。そのような従来技術文献によれば、スマート・ウィンドウへの可逆的金属被着(デポジション)の適用は、細かく分割され電着された金属による光吸収を含まなければならず、その結果として、装置自体とその内部空間との加熱が生じる。このタイプのデポジットの低反射率は、調整可能なミラーへの応用には不適当である。
【0006】
従来技術文献に記載されている電解質は、高い駆動電圧が用いられた金属の被着の間にカウンタ電極において酸化される(例えば、臭素、ヨウ素、塩素)補助的酸化還元核種(例えば、臭化物、ヨウ化物、塩化物)を含む。これによって、長時間にわたる操作の間には化学的な不安定がもたらされ、例えば、2Ag+Br―――>2AgBrなどの金属デポジットの化学的溶解を介する開回路によるデポジットの自己消去(self erasure)に至る。ほとんどの場合に、この補助酸化還元プロセスは、消去の間のカウンタ電極における金属の被着を妨げ、ディスプレイへの応用に望ましいスレショルド電圧を導入することになる。この補助酸化還元プロセスは、金属の電着/溶解がカウンタ電極において生じスレショルド電圧が観察されないときであっても、著しい副反応を表すことがある。これについては、Warszawskiのコラム3−4(カウンタ電極ペーストに銅又はニッケルが存在したとき)、Duchene et al., Electrolyte Display, IEEE Transaction on Electron Devices, Volume 8, Pages 1243−1245 (August 1979); フランス特許第2,504,290号(1982年10月22日)を参照のこと。少なくとも1Vの高速スイッチング電圧が、既存の特許文献や従来技術文献に見られるすべての電着装置では用いられている。
【0007】
Ziegler et al.による論文(Electrochem. Soc. Proc. Vol. 93−26, p.353, 1993)では、ハロゲン化物の陰イオンと三価のビスマス・イオンとのより大きなモル濃度比率を含む水溶液におけるビスマスの可逆電着のディスプレイへの応用が調べられている。ハロゲン化物の陰イオンは、1.5Vの書き込み電圧が用いられた際に、カウンタ電極での反応として機能した。得られたデポジットは、暗色であり、表面の反射率を低下させることが示された。これらの著者によるそれに続く報告(Electrochem. Soc. Proc. Vol. 94−31 (1994), p.23; Solar Energy Mater. Solae Cells 39 (1995), p.317)では、電解質に銅イオンを加えることが、デポジットの完全な消去を達成するには必要であることが示されている。これらの著者は、また、金属電着/溶解以外のカウンタ電極反応を用いており、ミラー・デポジットは決して得ることがなかった。従って、Ziegler et al.は、被着/溶解の比率やミラー電着の質に対する電解質の組成の効果に関しては、何らの教示も提供していない。
【0008】
Warszawskiによると、グリッド・カウンタ電極を用いると、透明な作業電極における被覆がカウンタ電極のグリッド線の近傍で非常に局所化されているため(非常に薄いゲル状の電解質が用いられることの結果)、一様性において劣るデポジットが得られる。また、Warszawskiによると、水性ゲル電解質を用いることにより、大気汚染に対する感度が最小化され、密封シールを有する必要がなくなる。しかし、そのような電解質は、沸点の高い溶媒を伴う有機質ベースの電解質と比較すると、温度及び電圧の動作範囲がはるかに限定されている。
【0009】
可逆電着プロセスにおいて用いられる電解液のデポジットの質を向上させる努力が、Udaka et al.への米国特許第5,764,401号に記載されているが、そこでは、溶液に有機添加剤を加えることが必要とされている。運の悪いことに、そのような添加剤は、通常、電着プロセスの間に破壊され、寿命を大きく制限する。更に、このアプローチは、調整可能なミラーへの応用に要求される高反射率のミラー・ライクなデポジットを生じることがなく、スマート・ウィンドウに必要な優れた熱排除を提供することもない。
【0010】
Udakaへの米国特許第5,880,872号によると、その上に被覆される金属膜を溶解させるのに必要な高電圧によって、可逆電着構造の「作業」電極は、劣化し、従って、その寿命は短縮される。
【0011】
Nishikitaniへの欧州特許第0,618,477号に開示されている従来技術やZarombによる装置(S.Zaromb, J. Electrochem. Soc 109, p.903, 1962)も、も従来の問題点を解決しているとはいえない。
【0012】
しかし、比較的低い濃度の電着された金属イオンが、非水性溶媒を用いた可逆電着光変調装置において、用いられてきた。当業者であれば、そのようなイオン性塩は非水性溶媒において溶解度がはるかに劣り、この溶媒は、通常、水よりも誘電率が低いことを知っているのであるから、これは、驚くべきことではない。更に、非水性溶媒における高濃度のイオン性塩は、結果的に、著しいイオン・ペアリングを生じさせ、これによって、電解質の導電性が低下し、高品質のデポジットが電着される速度が低下する。米国特許第5,880,872号では、過剰なハロゲン化物をLi、Na又はKの塩として用いて(銀のハロゲン化物の濃度の0.5から5倍)、光学装置のための銀ハロゲン化物の溶解をサポートすることを提唱しているが、非水性のジメチルサルフォキサイド(DMSO)溶媒における僅かに0.5のAgBrの溶解を記載しているだけである。米国特許第5,764,401号及び5,864,420号でも、DMSO及びジメチルフォルムアミド(DMF)溶媒における僅かに0.5のAgI及びAgBrの使用について言及しているだけである。これらのUdakaによる米国特許の装置では、1Vの電位でさえ、約1mA/cmの電流を与えているだけである。Udakaによる電解質の構成では、どれも、ミラー・デポジット、陽イオン電解質の安定性及び装置の耐久性は得られない。
【0013】
【発明の概要】
本発明による可逆電気化学ミラー(REM)装置によると、可視光及びそれ以外の電磁気放射の反射/透過を効率的かつ正確に制御することが可能になる。このミラー装置は、ミラー・デポジットが可逆的に電着及び電気溶解されている第1の電極(作業電極)と、前記第1の電極で生じている金属の電着/溶解プロセスの逆が生じている第2の電極(カウンタ電極)とを含む。これらの電極(及びその基板)の少なくとも一方は、電磁放射のスペクトルの少なくとも一部に対して実質的に透明である。典型的には、透明な電極は、基板として機能する透明なガラス(又は、プラスティック)ペーン(pane)の上に被覆されたインジウム・スズ酸化物(indium tin oxide = ITO)又はフッ素がドープされたスズ酸化物(FTO)である。電解液が、第1及び第2の電極の間に配置され、これらの電極の上に電着することができる金属のイオンがこの電解液の中に溶解可能になっている。この電解液は、ほとんどの実際の応用例が必要としている固有の安定性と、高い被覆(デポジット)の質と、完全な被覆消去と、長い寿命と、高速スイッチングとを提供する。
【0014】
負の電位が第2の電極との関係で第1の電極に加えられると、この加えられた電位によって、被覆された金属が第2の電極から電解液の中に溶解され、電解液から第1の電極の上にミラー・デポジットとして電着され、よって、REM装置の反射率に影響を与える。第1の電極の上に被覆された電気化学的に安定的な表面修正層が通常は必要とされ、それによって、電着された金属の実質的に一様な核形成が容易になり、第1の電極の上にミラー・デポジットが形成される。ここで、第1の電極の上に存在する被覆された金属の量は、放射に対するミラーの反射率に影響する。このミラー・デポジットの反射率は、導電性フィルム上に被覆された金属の量に応じて、ほぼ0%からほぼ100%まで選択的に調整できる。逆に、極性が反転されて、正の電位が第2の電極との関係で第1の電極に加えられると、この加えられた電位によって、被覆された金属が第1の電極から電解液の中に溶解され、電解液から第2の電極の上に電着され、よって、ミラーの反射率を低下させる。
【0015】
様々な実施例において、電極及びその基板の少なくとも一方は、電磁放射のスペクトルの少なくとも一部に対して実質的に透明である。自動減光ミラーなどの反射率が調整可能な装置では、第1の電極及び基板が透明でありこの第1の電極/基板を通じて装置に入る光の反射率が調整可能であるか、又は、第2の電極及び基板が透明であり放射は電解液を通過して第1の基板上に形成されたミラーに至るか、のいずれかである。この特許出願と同じ被譲渡人に譲渡されている米国特許第5,903,382号に記載されている局所的に分散されている電極を用いて、第2の電極をほぼ透明にすることも可能である。スマート・ウィンドウなどの透過率が調整可能な装置では、両方の電極が放射に対してほぼ透明である。この点は、この特許出願と同じ被譲渡人に譲渡されている米国特許第5,923,456号に記載されている。
【0016】
第1の電極及び表面修正層を、第1の基板の上に一様に被覆する、又は、あるパターンで被覆することができる。この表面修正層は、電着された金属よりも、酸化との関係で電気化学的により安定である不活性金属の薄い層(すなわち、ほぼ透明であるほどに薄い)でありうる。第1の電極と表面修正層との間に下層を加えて、接着を向上させることも可能である。
【0017】
本発明による電解液は、高速のミラー・スイッチングを提供し、同時に、優れた電解質の安定性と、デポジットの質と、デポジットの消去と、電流・電圧特性と、優れた寿命とを備えている。この電解液は、ほぼ非水性の溶媒と、モル濃度が0.5超である電着可能なミラー金属の陽イオンと(例えば、Ag+イオン)、このモル濃度の約2倍以上であるハロゲン化物及び/又は疑似ハロゲン化物の陰イオンとを含む。ミラー金属のための高い溶解度は、このようにハロゲン化物/疑似ハロゲン化物の陰イオンが過剰に存在する場合にだけ得ることができる。ここで、ハロゲン化物/疑似ハロゲン化物の陰イオンは、例えば、Na+やLi+イオンなどの電気化学的に反応性でない陽イオンの塩として電解液に加えられる。ハロゲン化物/疑似ハロゲン化物とミラー金属陽イオンとの2:1をはるかに超える濃度比率を用いて、スイッチング速度、ミラー・デポジット特性及び寿命パフォーマンスを最適化することができる。ある場合には、装置の性能にそれほど影響することなく、例えば、電解液の凝固点を抑制するために、かなりの量の水を電解液に加えることもできる。電解液は、ほぼ非水性のゲル電解質を形成するゲル化剤や、光の吸収(例えば、黒色の背景を提供する)又は反射(例えば、白色の背景を提供する)を強化する、色を与える、及び/又は追加的な電解質の安定性を提供するために、溶解した又は懸濁した物質を含むことがある。
【0018】
本発明のこれ以外の特徴及び効果は、以下の詳細な説明を添付の図面と共に参照することによって、当業者には明らかになるはずである。
【0019】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明によって構築されたREMの代表的な設計を示す断面図である(本発明の構造及び機能をより効果的に図解するために、この図面では、いくつかの寸法、特に層の厚さは実際と異なっている)。この例のREM装置によると、電磁放射の反射を正確かつ可逆的に制御することができるのであるが、制御対象である電磁放射のスペクトルの一部に対して実質的に透明である第1の基板102と、第2の基板104とを含む。これも実質的に透明な導電性のフィルム106が、第1の基板の上に被覆されている。このフィルム106は、これにオプションで電気化学的に安定な表面修正層108を加えることもできるが、第1の電極として機能する。第2の電極110は、第2の基板104の上に被覆されている。第2の電極は、これとは異なり、第2の基板104が不要であるほどの堅牢性を備えた例えば、バルク状電極、金属板又はシートなどでもよい。第2の電極110は、電気化学的に安定であるか、又は、十分な厚さの活性金属層114によって覆われ第2の電極の表面が電解液に露出することが回避されるようになっている。電気化学的に安定な金属のコーティングによって電解液への露出から保護することもできる。第2の電極の材料又は保護層又は第2の電極の上のコーティングとして用いることができる比較的安定な金属には、Pt、Ir、Au、Os、Pd、Re、Rh、Ru、Cr、Ni、Ti及びステンレス鋼が含まれる。電極110の表面を粗くすることで、この電極からの放射の反射を減少させる、又は、電流密度(表面積を増加させることによって)を低下させてスイッチング速度を増加させることができる。
【0020】
電解液112は、電極106及び110の間に配置され、これらの電極と電気的に接触している。溶液112は、ほぼ非水性の溶媒と、モル濃度が0.5超であり電着可能なミラー金属陽イオン116と、この濃度の約2倍であるハロゲン化物及び/又は疑似ハロゲン化物の陰イオンとを含む。これよりも濃度が高い陰イオンを用いて、ミラーの質、装置の電流・電圧特性及び寿命を最適化することができる。図1に示されている構成では、REMのセルは、金属層114と電極110の上に被覆することによって充電することができる。すなわち、層114は、REMセルの組み立ての前に電極110の上に被覆される。当業者であれば理解するように、そして、以下でREM装置の動作に関係して更に論じるように、金属層を電極110や電極106の上に最初に被覆することができるし(すなわち、層120として表面修正層108の上に)、又は、図1に示されているように、電極106の上の部分デポジットと電極110の上の部分デポジットとの間で分割することもできる。電極110がそれ自体ミラー金属で構成されていない場合には、これらの最初に被覆される層における金属の量は、後述するように、デポジットのために利用可能な金属の最大量を構成し、REM装置の反射率を制御する。金属イオン116は、層114及び120と同じ金属原子を含むが、電解液112の中に溶解しており、金属原子が、可逆的に、第1及び第2の電極の上に電着され第1及び第2の電極から電気溶解されうるようになっている。第1の電極106に加えられた表面修正層108によって、イオン116からの電着された金属で構成される電極の上への核形成が容易になり、電磁放射を高度に反射するミラー・デポジットが形成される。
【0021】
本発明によるREM装置は、電位源118と共に用いられることが想定されているが、この電位源118は、可逆的な極性を有して調整可能であるか、又は、予め設定された正負の電位値を有しており、第1及び第2の電極106及び110の間に接続されている。負の電位が第2の電極110に対して第1の電極106に与えられると、第2の電極110の上に被覆されている金属114が第2の電極110から電解液112の中に溶解し、他方で、電解液の中の金属イオン116は電解液から第1の電極106の上の表面修正層108の上に電着される。表面修正層108によって、金属が実質的に一様な層に被覆され、ミラー表面が形成される。
【0022】
与えられる電位の極性が反転され、正の電位が第2の電極110に対して第1の電極106に与えられると、第1の電極106の上に被覆されている金属114が電解液112の中に溶解し、溶解された金属が電解液から第2の電極110の上に電着される。
【0023】
第1の電極の上に残っている被覆された金属の量によって、ミラーが放射に対して示す反射率が決定される。このプロセスは可逆的であり、ミラーは、追加的な電流を必要とすることなく、第1の電極の上に実質的に完全な被覆が存在する状態と第1の電極から実質的に完全に消去された状態との間の任意の点に維持することができる。従って、REMミラーは、約0%の反射率の状態から約100%の反射率の状態まで、任意の反射率の値に調整することができる。REMの反射率の下限は、核形成層108と電極106と基板102との反射率に影響され、これらの反射率は、一般的に用いられるタイプの抗反射コーティングを用いることによって、又は、層の厚さを調整することによって、減少させることができる。同様に、REM装置の最大の反射率は、基板102と電極106と核形成層108とにおける光吸収率によって影響される。
【0024】
図2は、図1と類似の断面図であるが、第2の電極に対して十分に負の電位が第1の電極に十分な時間期間の間与えられ金属の相当な層が第1の電極の上に電着されるようにしたときの、REM装置のパフォーマンスが図解されている。この条件では、電着された金属によって生じた層120は、高度に反射性のミラーとして機能し、放射を反射する傾向を有する。この様子は、ミラーの上の衝突する光ビーム122によって図解されている。
【0025】
図3は、図1及び図2と類似の断面図であるが、第2の電極に対して十分に正の電位が第1の電極に十分な時間期間の間与えられ電気的に活性な金属の実質的にすべてが第1の電極から溶解され第2の電極の上に金属層114の一部として電着されるようにしたときの、REM装置の様子が図解されている。この条件では、REMミラーは、入来放射に最小の障害だけを課し、よって、少なくともある波長の入来放射の実質的にすべてが第1の電極106と表面修正層108とを透過し、電解液112によって、又は、第2の電極110の上に被覆されている金属114によって吸収又は散乱される。この様子は、光ビーム124によって図解されている。あるいは、透過した光は、ゲル状の電解質が用いられる場合には、ゲル・マトリクスによって吸収又は散乱される。吸収性の染料又は顔料を電解質に加えて、吸収を増加させることもできる。第2の電極110は、透明な基板の上の局所的に分散した電極であることも可能であり、その場合には、ほとんどの放射がこの装置を通過するようになる。図3に示されている構成では、反射される光の量は最小限である。
【0026】
別の構成では、透明でない基板の上に第1の電極を配置し、第2の電極が。ほぼ透明であって、ほぼ透明な基板の上に局所的に分散させることも可能である。この反射率が可変な装置では、第2の電極と電解質とを通過して入る光は、第1の電極の上のミラー形成の程度によって変動する角度だけ、反射されうる。この局所的に分散された電極は、この出願と被譲渡人が同一である米国特許第5,923,456号に記載されている。
【0027】
電解液112は、以下の成分を含む。
1)ほぼ非水性の溶媒。この溶媒は、好ましくは、ガンマ・ブチロラクトン(GBL)、エチレン・グリコール(EG)、ジメチルサルオキサイド(DMSO)、ジメチルフォルアミド(DMF)及びこれらの溶媒の混合物からなる群から選択される。電解液は、不純物として、又は、ミラー金属の溶解度の改善や本発明の寿命の向上とは直接には関係のない例えば電解液の凝固点などの性質を変化させるために相当な水を含むことがありうる。
【0028】
2)0.5超のモル濃度を有する少なくとも1つの電着可能なミラー金属の陽イオン。この電着可能な金属は、好ましくは、銀、ビスマス、銅、スズ、カドミウム、水銀、インジウム、鉛、アンチモニ、タリウム及び亜鉛で構成される群から選択される。
【0029】
3)電極可能なミラー金属陽イオンの組み合わせて少なくとも2倍のモル濃度を有するハロゲン化物又は疑似ハロゲン化物である。REM装置が動作される電圧レンジで電気的に活性でない陽イオンを有する化合物として、過剰なハロゲン化物/疑似ハロゲン化物の陰イオンが加えられる。好ましい非電気的活性な陽イオンには、Li+、Na+、H+及び有機アンモニウム(例えば、アルキルアンモニウム又はアリルアンモニウム)の陰イオンが含まれるが、マグネシウム、カルシウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、ストロンチウム又はバリウムの陽イオンを用いることもできる。好ましくは、過剰なハロゲン化物/疑似ハロゲン化物の陰イオン濃度は、予測された動作電圧(典型的には、ミラー金属の電着/溶解以外の電気化学的プロセスが生じない最大の負及び正の電圧)でのミラー金属の電着及び電気溶解のための最適な電流を提供するように調整される。ミラー金属は、複数の金属元素からなる合金でもよい。
【0030】
本発明のある実施例では、電解液112は、以下の追加的な成分を含む。
4)電解質の粘性を著しく高める及び/又は電解質の流率を阻害し、粘性液体、半固体又は固体の電解質を形成する1又は複数の硬化剤。例えば、シリカ又はアルミナなどの分散された無機材料は、電解質の導電性に最小限の効果だけを有し、典型的には、REM装置に対する関心対象である電圧レジで電気化学的に不活性であり、REMセルの中に容易に注入されるように機械的剪断によって液化される。これらのゲルは、また、温度に関して比較的安定的であり、REM電極材料に十分い接着される。他の可能性のあるREM電解質硬化剤は、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルアセテート(PVOAc)及びポリメチルメタアクリレート(PMMA)などの有機ゲル化剤を含み、これらは、液体の電解質において溶解して、プラスティック・ライクなゲルを室温で形成する。特定の有機ポリマ・ゲル化剤は、ゲルの安定性と、与えられている電解質及び金属ミラー形成/消去プロセスとの化学的及び電気化学的適合性とに基づいて選択される。オーマシルや多孔性ポリプロピレンなど、大量の電解質を吸収する多孔性固体ポリマを用いることもできる。場合によっては、固体ポリマ・マトリクスが、電解質の中で溶解しているモノマのインシトュでの重合によって形成されうる。
【0031】
5)電解質に所望の色を与える、又は、関心対象の波長領域の光を強力に吸収して、反射タイプの装置におけるカウンタ電極からの反射を防止する、1つ又は複数の彩色剤。少量の分散しているカーボン・ブラックを加えることによって、黒色が得られる。これは、通常は、重力の影響により沈殿を回避する電解質の硬化剤と共にもちいられる。1つ又は複数の無機又は有機材料、特に、染料化合物を加えることによって異なる色が与えられるが、これは、他の電解質の成分と適合的に、そして、REM電圧の動作レンジで電気化学的に非反応的であるように、選択されなければならない。
【0032】
ここで特定されるようにほぼ非水性の溶媒に中にハロゲン化物/擬似ハロゲン化物の陰イオンを伴うようにミラー金属の陽イオンを高濃度で用いることにより、電極におけるミラー金属陽イオンの過剰な枯渇なしに維持されうる最大の金属電着電流を増加させることによって、REM装置のスイッチング速度が上昇する。過剰な枯渇があると、装置のミラー電極と耐久性とが劣化するのである。ミラー金属デポジットの電気溶解のための大電流は、ミラー金属陽イオンの濃度が溶解度の限度よりも十分に低い場合には、保持することができる。従来技術からは予測できないことであったが、我々は、非常に高濃度の銀陽イオン(2超)を、この銀陽イオンのモル濃度の2倍のハロゲン化物及び/又は擬似ハロゲン化物陰イオンが存在する場合には、非水性の溶媒の中に溶解させることができることを発見したのである。更に、少なくともある種のシステムでは、ハロゲン化物陰イオンとミラー金属陽イオンとの最適な比率が存在し、これによって、大きな保持可能な電流が提供され、ミラー金属の電着及び電気溶解のためのより一貫した電流・電圧特性が得られるのである。
【0033】
図4は、GBL溶媒の中の1.0AgI溶液に対する+0.25Vでの電着及び電気溶解電流は、共に、電解質の中の1.3のLiBrについて、約3.3及び5.5mA/cmの50mV/sでの潜在的な走査の間に最大値を通過することを示している。可逆電着システムに対するこのような低電圧でのこのような多くの電流は、これまで例がない。しかし、多くの電流が得られる点だけが、REM電解質に関して考慮すべき点ではない。特に、ミラー・デポジットの電着/溶解に必要な時間の間に電流が著しく減少せず、印加された電圧と共に単調に変化するという点が非常に意味がある。これによって、装置による反射率の正確な制御が著しく単純化されるからである。更に、最大の電流を提供する電解質の構成が最良であるとはかぎらないし、優れたミラー・デポジット及び/又は装置の耐久性を与えるとも限らない。
【0034】
図5は、1.3というほぼ同じLiBr/AgIの比率でのAgI(1.0と比較して1.5)のより高い濃度は、はるかに優れた電流・電圧特性を与えることを示している。ある電圧での電流は、より低いAgI濃度に対するよりも高いのであるが、陽極及び陰極の掃引に対する曲線の形状及びヒステリシスの全体によって示されているように、電圧及び時間の両方と共に複雑な態様で変化する。他方で、より高いAgI濃度に対しては、銀の電着及び電気溶解電流は、共に高く(+−0.5Vにおいて4mA/cm)、維持され(非常に小さなヒステリシス)、印加された電圧に一定の勾配で従属している。(0.1と0.0Vとの間のほとんどゼロである電流の小さな領域は、0.1Vでの陰極掃引で始まり電極上に銀が存在しない、アーティファクトであることに注意すべきである。)このように線形の電流・電圧特性により、装置による反射率の電子的な制御は非常に簡略化され、ミラーの質と一様性と寿命とに役立つべき電着/電気溶解プロセスに対して内在的な運動論的限界を示唆している。これよりも高い電圧は、電流に対する全体的な抵抗を増加させることによって、そして、そのようなピークに存在するより高い電場に関連する暴走的な樹状のデポジット成長を結果的に生じさせる基板におけるマイクロピークにおける被覆を禁止することによって、デポジットの一様性とミラーの質とを改善させる傾向を有する。
【0035】
ここで説明されているREM装置は、ミラー金属陽イオンの濃度が0.5M超であり、ハロゲン化物/擬似ハロゲン化物と活性金属イオンとのモル濃度比率が少なくとも2:1であるような電解質を用いており、より低い濃度のミラー金属の陽イオンや有機添加剤など他の材料を電解質の内容として用いている装置と比較すると、固有の優れた電解質の安定性を示し、ミラー・デポジットの質も改善されており、よりよい消去と、長い寿命とを示す。本発明による構成(1.5のAgI+2.0のLIBr)によるGBL電解質を組み入れたREM装置は、優れたミラーの質と、一様性及び消去特性と、高速スイッチングと、長い寿命とを示す。2.0以上の濃度で銀ハロゲン化物を溶解することが、ガンマ・ブチロラクトン(GBL)、エチレン・グリコール(EG)、ジメチルサルフォキサイド(DMSO)及びジメチルフォルムアミド(DMF)の溶媒に対して、本発明に従って、2:1のモル比率のハロゲン化物を用いることによって達成されている。
【0036】
より濃度が低いミラー金属陽イオンを用い、又は、有機添加剤を含む複雑な電解質の構成を用いる従来技術における努力により、ミラー・ライクなデポジットを生じさせることができず、それ以外にも性能上の問題点を有する装置が得られた。ここで説明している新規のアプローチは、他のアプローチに内在するこれらの複雑な問題点を回避して、実際的で信頼でき耐久性の高いREM装置を製造することを可能にしている。
好適な実施例の作成
好適な第1の電極は、第1の電極/電流コレクタとして機能する光学的に透明で抵抗が低く(約10オーム/平方)のITO又はFTOフィルムの片側に一様にコーティングされたガラス又はプラスティック基板を用いる。Ptなど、光学的に薄い接着性の不活性金属を、好ましくはスパッタリングによりITO又はFTO表面に気相成長させ、金属被覆のための核形成の一様性を向上させて、ミラー・デポジットを提供する。しかし、例えば、金、パラジウム、ロジウム、イリジウム、ルテニウム、レニウムなど、これ以外の電気化学的に不活性な金属を用いることもできる。場合によっては、例えば、Ti/Au又はCr/Auなど二重の金属フィルムを用いるのも効果的である。この場合には、非常に薄い下層の金属(例えば、Ti又はCr)が、貴金属の核形成層の電極への接着を改善するように機能する。核形成層は、REMシステムによっては、不要である。例えば、水性の銀シアン化電解質の場合である。電気的なバス接続がITO又はFTOコーティングの周囲に形成される。
【0037】
透過率が調整可能なREM装置の場合には、好適な第2の電極は、前述の米国特許第5,903,382号に記載されているように、局所的に分散されている。この場合には、第2の電極は、領域の全体にわたって電気化学的に不活性の金属グリッド又は比較的小さな核形成層マトリクス・パターンで構成され、第2の電極の上にメッキされた金属が、放射の僅かな部分だけをブロックする。
【0038】
反射率が調整可能なREM装置の場合には、好適な第2の電極は、ITO/ガラス又はプラスティック基板の上の50オングストロームのPt層など、電気化学的に安定な導電性基板の上のミラー金属の相当に厚い(例えば、1マイクロメートル)層で構成され、これは、第2の電極からの放射の反射を減らす光吸収性の電解質と共に用いられる。第2の電極が動作条件において電気化学的に安定でないときには、過剰な量のミラー金属を用いて、第2の電極が常にミラー金属によって覆われ溶液に露出されないようにしなければならない。あるいは、プラチナなど、電気化学的に不活性の金属の保護層を、反応性基板とミラー金属との間に用いる。セル組み立ての前に、第2の電極は、ミラー金属でない場合には、第1の電極の上に被覆されたときに所望の量の反射率を提供し第2の電極の基板金属の電解質への露出を回避するのに十分な量のミラー金属を用いてメッキを行う。あるいは、第1の電極は、この当初の金属の充電を用いてメッキすることができる。
【0039】
好適な電解質は、ミラー金属の電着/溶解に関する以外は、化学的及び電気化学的両方の意味で安定である。好ましくは、ミラー金属は、REMの動作条件で電気的に活性でない陽イオン(例えば、リチウム又はナトリウム)を有する化合物から少なくとも部分的に得られるハロゲン化物/疑似ハロゲン化物の陰イオンを加えることによって、安定であり電解質において高度に溶解可能にされた銀ハロゲン化物(又は、疑似ハロゲン化物)として、電解質に加えられた銀である。最大の溶解度は、ハロゲン化物/疑似ハロゲン化物の陰イオンと銀の陽イオンとの2:1のモル濃度比率によって、得られる。比較的低毒性であり電気化学的特性がよい他のミラー金属には、銅、スズ、ビスマスがある。ハロゲン化物/疑似ハロゲン化物(塩化物、ヨウ化物、臭化物、シアン化物、チオシアネート)の混合物を用いることもできる。溶媒は、実質的に非水性であり、電解質の安定性及びミラーのよい寿命特性と共に、所望の温度動作レンジを提供する凝固点及び沸点との関係で選択される。好適な溶媒には、GBL、EG、DMSO、DMF及びこれらの混合物がある。相当な量の水を加えて、エチレングリコールなどの溶媒の凝固点を抑制することもできる。溶解度に関する考慮によって、ミラー金属塩とハロゲン化物/疑似ハロゲン化物化合物の許容可能な組合せが制限される場合がある。電着によるデポジットを均一化し明るくするのに通常用いられる有機化合物など、電気的に活性である、又は、ミラー金属の電着/溶解の間に分解するような添加剤は、装置の寿命を制限する可能性があるので、使用を避けるべきである。
【0040】
本発明によるREM装置は、液体電解質を用いて作成することができるが、多くの応用例では、有害な大気汚染物(例えば、酸素)の移動を最小化し、ミラーの性能に影響し化学的な安全の障害となりうる電解質の損失を回避するために、また、身体的な損傷の原因となりうる偶発的な破壊の際に形成されるガラスの破片を接着提供に保持するために、電解質硬化剤の使用が好ましい。好適な電解質硬化剤は、分散されたシリカ(HDS)やアルミナなどの無機材料であり、それにより、REMセルの中への容易な注入のために機械的な剪断によって液化しうるチオクソトロピック(thioxotropic)ゲルを形成するが、通常は、電解質の導電性とREMの性能とに最小限の影響しか与えない。このようなゲルは、場合によっては、REMミラーの質及び/又は寿命に有益であり、温度に関して比較的安定的であり、REM電極材料への接着性もよい。
【0041】
調整可能なミラーへの応用については、REM電解質に彩色剤を加えて、非ミラー状態の場合の光の反射を最小化することができる。この場合の好適な彩色剤は、分散されたカーボン・ブラックであり、これは、少量で、広いスペクトル・レンジにわたって(すべての可視光波長を含む)高い光吸収を提供し、電解質を紫外光による劣化から保護する傾向を有する。カーボン・ブラックは、好ましくは、超音波励起によって懸濁され、電解質硬化剤を事後に加えることによってそれ以後も懸濁状態に保持される。
【0042】
本発明による可逆電気化学セルは、スペーサ及びポリマ密封剤(シーラント)を用いて、又は、適切なスペーシングと密封との両者を与えるガスケットとOリングとを用いて、作成することができる。スペーサ及び密封材料は、電解質と化学的に適合的でなければならない。好適な電極の分離幅は約0.05−3.0mmである。金属バスへの電気的接点はそれぞれの電極に設けられ、スイッチングのために電圧源に接続される。

1.約2.5x3.5cmの視野領域を有する反射率が調整可能なREMセルが、ガラス基板(5cm平方)上の10オーム/平方ITOフィルムの上に15Åのスパッタリングされたプラチナ核形成層から構成されたミラー作業電極を用いて構築された。カウンタ電極は、ガラス基板(5cm平方)上の10オーム/平方の上にスパッタリングされたPtであり、これは、商用(Technisilver 2E, Technic Co.)のシアン化物バスからの1マイクロメートルの銀を用いて電気メッキされ、セル組み立ての前に、不活性雰囲気の中で30分間200℃でアニーリングされている(接着を向上させるため)。裸のPt/ITOの境界が、メッキされた銀の周囲に残されており(メッキ装置のテープを用いたマスキングによる)、アクリル性の接着テープを用いた適切な密封の形成が可能になっており(VHS#4910、3M社)、これもまた、メッキされた銀を覆って、そのエッジを保護している。このアクリル性のテープ(幅が約5mm)は、セル・スペーサ(1mm)と一時的なシール剤との両方として機能し、ガラス版の周囲の僅かに内側に配置され、導電性接着剤(C665、Furon Co.)を用いてPt/ITO層に接着された3mm幅の銅バス・バーのための空間を生じさせている。これら2つのガラス版(ペーン)は、約1cmずれており、バス・バーへの電気的接触のためのよりよいアクセスを与えている。電解質の準備とセルの組み立てとは、窒素雰囲気のグラブ・ボックスの中で行われ、酸素による汚染を回避している。これは、酸素が、電気化学的に反応して、ミラー金属の化学的溶解を通じてミラーの自己消去を生じさせうるからである。電解質は、1対の皮下注射用針(インレット及びアウトレット)とシリンジとを用いてアクリル性テープを通じて注入される。エポキシ樹脂が、第2のシールを提供し、バス・バーを所定の位置に保持するために用いられる。電解質は、1.5のAgI+2.0のLiBr+63mg/mLの高度に分散したシリカ(M−5 Cab−O−Sil, Cabot Co.)+1.5mg/mLのカーボン・ブラック(Vulcan, Cabot Co.)を純度の高いGBL溶媒の中に含む(<20ppmの水)。高度に分散したシリカを加えることによって、かくはんによって液化するが放置すると固化するチオキシオトロピック・ゲルが生じる。このREM装置は、優れたミラーの質(700nmの波長で6.0%の最小の反射率、400Åの銀デポジットで79.8%)と、高速なスイッチング(反射率が、−0.30Vで10から60%に7.0秒で変化し、+0.3Vで60から10%まで6.3秒で変化する)とを生じる。最小及び最大の反射率の限度の間で+−0.30V「で10万回の循環的動作を行ったが、ミラーの質又はスイッチング速度に劣化は生じなかった。+−0.3Vという約3mA/cmのこのセルのためのスイッチング電流密度は、従来技術におけるはるかに高いセル電圧(1.0V)に対して報告されている1mA/cmよりも3倍高い。
【0043】
2.例1で説明したのと類似した態様で、反射率を調整可能なREMセルが構築される。ただし、例1とは異なり、ミラー及びカウンタ電極に対しては、30Å及び25ÅのPt層がそれぞれ用いられ、電解質は分散が高いシリカを含みカーボン・ブラックを含まない液体である。カウンタ電極から反射された光による干渉のため、このセルでは、反射率の正確な測定はなされない。しかし、このREM装置は、視覚的に優れたミラーの質と、高速なスイッチング(例1のゲル状の電解質の場合と比較して)とを示し、−0.5Vのメッキと、ミラー消去の後で10秒間の裸のPt/ITOミラー電極表面への+0.4Vの正電位の連続的な印加とを含む3万回に及ぶ過酷な使用サイクルの後でも、ミラーの質に劣化は生じなかった。他のREMセルにおける経験からすると、そのような過酷な循環的な使用は、ある回数の加速加齢テストに相当し、30万回の通常の循環的使用(裸のPt/ITOへの継続的な電圧印加のない最大反射率と最小反射率との間)によってもこのセルの性能に劣化がなかったことを示している。
【0044】
3.ほぼ非水性の溶媒においてハロゲン化物/擬似ハロゲン化物の陰イオンとREMミラー金属陽イオンとの2:1という比率の一般的な適用可能性も、GBL、EG、DMSO、DMFにおける2超の銀ハロゲン化物を溶解することによって、示された。一般に、Li+、Na+及びテトラアルキルアンモニウム(TAA)塩(例えば、TBAI、テトラブチルアンモニウム・ヨウ化物)が過剰なハロゲン化物イオンの供給源として最も効果的であることがわかった。エチレン・グリコールについては、ヨウ化物の陰イオンだけが、高い銀イオンの溶解度を与えた。次の塩のペアそれぞれの2.0以上の安定的な電解質が準備された。すなわち、GBLの中のAg/LiBr;EGの中のAgI/NaI;DMSOの中のAgI/LiCl、AgI/NaI、AgBr/LiBr及びAgBr/TBAI;DMFの中のAgBr/TBABrである。
本発明の特徴
ミラー・ライクな反射率に必要な一様な金属被覆を得るためには、第1の電極の透明な導電性フィルムを処理して核形成を改善することが通常必要である。これには、例えば、この装置の動作電圧レンジにわたって電気化学的に不活性の金属(プラチナや金)の非常に薄く光学的に透明な(15ないし100Å)「シード」ソフトウェアを気相成長/スパッタリングを用いる。この核形成層が、核形成の一様性を向上させることにより、ミラー・デポジットが得られる。(不活性金属層の電着などの)これ以外の表面処理を用いて、金属核形成を改善し、ミラー・デポジットを提供することも可能である。効率的にミラー・デポジットを生じさせるには、核形成層は顕微鏡レベルで連続的でなければならず、これは、透明な導電性基板上のメタライゼーション処理によっては、そうではない場合がある。例えば、銅メッキ(吸収されたスズ・イオンのパラジウムによる置換を含む)の前にプリント配線板のメタライゼーションに一般的に用いられる2段階プロセスでは、適切な接着性を有する十分に連続的なフィルムは得られない。装飾的なミラーのデザインなど、特別な効果を得るためには、透明な導電性(ITO、FTOなど)及び/又は金属核形成層を、希望するように、パターニングすることができる。
【0045】
本発明の電解質は、ハロゲン化物及び/又は擬似ハロゲン化物の陰イオンとミラー金属の陽イオンとを少なくとも2:1のモル比とすることによって可能となる0.5超のミラー金属陽イオン濃度を有するほぼ非水性の溶媒を用いる。ハロゲン化物/擬似ハロゲン化物の過剰は、REM動作電圧レンジで電気的に活性でない陽イオンを備えた塩を加えることによって達成される。ミラー金属の陽イオンがそのように高濃度であることにより、ミラー金属被覆に対する散乱が制限された電流を増加させることによって、REM装置のより高速なスイッチングが可能となる。そして、動作電流が散乱が制限された電流に近づくにつれて、デポジットの質が低下し、寿命も短縮される。本発明の一部として、ハロゲン化物/擬似ハロゲン化物とミラー金属陽イオンとの比率を更に調整して、ミラーの質及び消去と、装置の寿命と、電流・電圧特性とを最適化することが可能である。このアプローチによると、装置の長期的な動作からすると安定的ではなり得ないような複雑な物質や添加剤を用いる必要がなくなる。しかし、場合によっては、金属被覆プロセスを禁止する電気化学的に安定的な添加剤を用い、ミラー金属イオンを複雑化し電極表面への吸収を促進することにより、デポジットの質を向上させることも可能な場合がある。しかし、デポジットの明るくし平均化するためにメッキ産業において用いられている有機添加剤は、ほとんどが、金属被覆プロセスの間に電気化学的に消費されてしまい、従って、不適切である。
【0046】
同じ金属電着/溶解反応が両方の電極において生じるため、化学的に活性の核種は生じない。その結果、酸化作用を有する汚染物(例えば、酸素)がセルから除去される場合には、特定の切り換えられた状態が、開回路において不定期的に維持される。
【0047】
本発明によるREM装置は、従来技術において教示されている装置に典型的であるエレクトロクロミック装置(印加された電圧によって光の吸収が変化する)というよりは、電気反射的(エレクトロリフレクティブ)な装置(電圧の印加によって光の反射率が変化する)である。REM装置は、光の反射率及び/又は透過率を変調するように設計することができる。
【0048】
REM装置は、電解質及び電極/核形成層の安定領域内で動作するのが通常であるから、過剰な金属メッキやメッキ解除など有害な効果は生じない。実際、REM装置は、電圧安定領域の中でバイアスされているならばミラー電極の消去に関しては自己制限的であるのが常である。というのは、被覆された金属が電極から除かれるときには電流が実質的に停止するからである。セル組み立ての前に第2の電極に被覆されるミラー金属の量を制限することによって、電圧の印加時間が長くなり第1の電極の過剰なメッキが生じるような事態は回避されている。
【0049】
固体生成物を含むような同じ酸化還元結合反応(金属の電着/溶解)が両方の電極において生じ、従って、副反応が回避されるので、セル・セパレータは不要である。他方で、多孔性のポリプロピレンなど、多孔性のセル・セパレータを用いて、液体電解質を含むマトリクスを提供し、セルが極端に撓んだ際に2つの電極の短絡が生じることが回避される。
【0050】
ガンマ・ブチロラクチン、エチレン・グリコール、ジメチルサルフォキサイドなど、沸点が高い有機溶媒に基づく電解質を用いることによって、広い温度動作範囲が得られる。これらの溶媒の混合及び/又は水の追加により、より低い動作温度にまで温度範囲を拡張することができる。
【0051】
無機又は有機いずれかの電気化学的に不活性な硬化剤を組み入れることによって、得られる堅固な電解質を用いることにより、ミラーの作成が容易になり、化学的又は物理的な身体損害の可能性を最小化でき、対流移動を回避することによるセルの漏れ及び大気汚染に対する感度を低下させることができる。
【0052】
電解質の中の光吸収性の懸濁粒子又は溶解した染料を用いることにより、カウンタ電極からの反射を最小化でき、それにより、ゴーストを抑制し、調整可能なミラー装置のための最小の反射率を低下させることができる。このような電解質の彩色は、美的な目的を有する任意のタイプのREM装置と共に用いることができる。
【0053】
本発明の好適実施例を以上で図解し説明した。しかし、当業者にとっては、修正やそれ以外の実施例は、もちろん、明らかであろう。更に、ここで図解され説明された内容を均等物をもって代替することが可能であり、部分又は接続を反転させたり、相互に交換しても、本発明のいくつかの特徴は、他の特徴とは独立に達成される。結果的に、これら例示的な実施例は、限定的ではなく、説明目的のものであると考えるべきであり、冒頭の特許請求の範囲が本発明の完全な範囲を示している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によって構築されたREMの代表的な設計を示す断面図である。
【図2】図1と類似の断面図であるが、第2の電極に対して十分に負である電位が第1の電極に与えられ、相当な量の金属が第1の電極の上に被覆されるように構成された場合のREM装置の構成を図解している。
【図3】図1及び図2に類似の断面図であり、第2の電極に対して十分に正である電位が第1の電極に与えられ、ほぼすべての金属が第2の電極の上に被覆される場合のREM装置の状態を図解している。
【図4】+−0.25Vの銀の電着及び電気溶解のプロットを示している。これは、Ptの電極の上に50mV/sのボルタモグラム(voltammogram)から取られたものであり、この電極は、1.0のAgIと様々な濃度のLiBrとを含むガンマ・ブチロラクトン(GBL)の電解質の中に存在している。
【図5】1.0のAgI+1.25のLiBrと1.5のAgI+2.0のLiBrとを含む2つのGBL電解液におけるPt電極に対する50mV/sのボルタモグラムを比較している。

Claims (52)

  1. 電磁放射の伝搬を制御する可逆電気化学ミラー装置であって、
    第1の電極と、
    第2の電極であって、前記第1及び第2の電極の少なくとも一方は、電磁放射のスペクトルの少なくとも一部に対して実質的に透明である、第2の電極と、
    前記第1及び第2の電極の間に配置され前記第1及び第2の電極と電気的に接触している電解液であって、
    ほぼ非水性の溶媒と、
    モル濃度が0.5よりも大きな電着可能なミラー金属の陽イオンと、
    この装置が動作される電圧範囲において電気的に活性でない陽イオンを有するハロゲン又は疑似ハロゲン化合物であって、ハロゲン化物又は疑似ハロゲン化物の陰イオンの合計モル濃度(この合計は、前記ハロゲン又は疑似ハロゲン化合物から生じる陰イオンと前記電着可能ミラー金属の陽イオンの化合物から生じる陰イオンとの総計である)と前記電着可能ミラー金属の陽イオンの合計モル濃度との比率が2:1であり、前記電着可能ミラー金属の複数の原子が前記第1及び第2の電極の少なくとも一方に配置されている、ハロゲン又はハロゲン化合物と、
    を含む電解液と、
    を含んでおり、前記第2の電極に対して前記第1の電極に負の電位を印加することによって、被覆された金属が前記第2の電極から前記電解液の中へ溶解し、前記電解液から前記第1の電極の上にミラー・デポジットとして電着され、
    前記第2の電極に対して前記第1の電極に正の電位を印加することによって、被覆された金属が前記第1の電極から前記電解液の中へ溶解し、前記電解液から前記第2の電極の上に電着され、
    前記第1の電極の上に存在する被覆された金属の量が、この装置による電磁放射の反射に影響することを特徴とする可逆電気化学ミラー装置。
  2. 請求項1記載の装置において、前記第1の電極は、電磁放射のスペクトルの少なくとも一部に対して実質的に透明であることを特徴とする装置。
  3. 請求項2記載の装置において、電磁放射のスペクトルの少なくとも一部に対して実質的に透明である第1の基板を更に備えており、前記第1の電極は前記第1の基板の上に配置されていることを特徴とする装置。
  4. 請求項3記載の装置において、前記第1の電極は前記第1の基板の上に配置された導電性酸化物コーティングであることを特徴とする装置。
  5. 請求項4記載の装置において、前記導電性酸化物コーティングは、アルミニウム亜鉛酸化物、アンチモニ・スズ酸化物、フッ素スズ酸化物、インジウム酸化物、インジウム・スズ酸化物、フッ素インジウム酸化物、アルミニウム・スズ酸化物、リン・スズ酸化物及びインジウム亜鉛酸化物から構成される群から選択されることを特徴とする装置。
  6. 請求項3記載の装置において、前記第1の基板はガラスであることを特徴とする装置。
  7. 請求項3記載の装置において、前記第1の基板はプラスティックであることを特徴とする装置。
  8. 請求項7記載の装置において、前記プラスティックは、アクリル、ウレタン、ポリスチレン、ポリカーボネート、スチレン・アクリロニトリル・コポリマ、スチレン・ブタジエン・コポリマ、セルローシクス、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン、ポリビニルクロライド、サーモプラスティック・ポリエステル、ポリプロピレン、ナイロン、ポリエステル・カーボネート、イオノマ、ポリエチレンテレフタレート及び環式オレフィン・コポリマから構成される群から選択されることを特徴とする装置。
  9. 請求項1記載の装置において、前記第1の電極の上に配置された表面修正層を更に備えていることを特徴とする装置。
  10. 請求項9記載の装置において、前記表面修正層は、この装置の動作電圧範囲において電気化学的に安定である金属の薄い層であることを特徴とする装置。
  11. 請求項10記載の装置において、前記電気化学的に安定な金属層は、Pt、Ir、Au、Os、Pd、Re、Rh及びRuから構成される群から選択される少なくとも1つの金属を含むことを特徴とする装置。
  12. 請求項10記載の装置において、前記第1の電極と前記表面修正層との間にあり前記第1の電極と前記表面修正層との間の接着を改善する下層を更に備えていることを特徴とする装置。
  13. 請求項12記載の装置において、前記下層は、アルミニウム、クロミウム、ハフニウム、モリブデン、ニッケル、チタニウム、タングステン及びジルコニウムから構成される群から選択された少なくとも1つの金属を含むことを特徴とする装置。
  14. 請求項1記載の装置において、前記第2の電極は、電磁放射のスペクトルの少なくとも一部に対して実質的に透明であることを特徴とする装置。
  15. 請求項14記載の装置において、電磁放射のスペクトルの少なくとも一部に対して実質的に透明である第2の基板を更に備えており、前記第2の電極は前記第2の基板の上に配置されていることを特徴とする装置。
  16. 請求項15記載の装置において、前記第2の電極は前記第2の基板の上に配置された導電性酸化物コーティングであることを特徴とする装置。
  17. 請求項16記載の装置において、前記導電性酸化物コーティングは、アルミニウム亜鉛酸化物、アンチモニ・スズ酸化物、フッ素スズ酸化物、インジウム酸化物、インジウム・スズ酸化物、フッ素インジウム酸化物、アルミニウム・スズ酸化物、リン・スズ酸化物及びインジウム亜鉛酸化物から構成される群から選択されることを特徴とする装置。
  18. 請求項15記載の装置において、前記第2の基板はガラスであることを特徴とする装置。
  19. 請求項15記載の装置において、前記第2の基板はプラスティックであることを特徴とする装置。
  20. 請求項19記載の装置において、前記プラスティックは、アクリル、ウレタン、ポリスチレン、ポリカーボネート、スチレン・アクリロニトリル・コポリマ、スチレン・ブタジエン・コポリマ、セルローシクス、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン、ポリビニルクロライド、サーモプラスティック・ポリエステル、ポリプロピレン、ナイロン、ポリエステル・カーボネート、イオノマ、ポリエチレンテレフタレート及び環式オレフィン・コポリマから構成される群から選択されることを特徴とする装置。
  21. 請求項14記載の装置において、前記第2の電極は局所的に分散された電極であることを特徴とする装置。
  22. 請求項1記載の装置において、前記表面修正層は、この装置の動作電圧範囲において電気化学的に安定であり前記第2の電極の上に配置されている金属の保護層を更に備えていることを特徴とする装置。
  23. 請求項22記載の装置において、前記第2の電極の上の前記保護層は、Pt、Ir、Au、Os、Pd、Re、Rh、Ru、Cr、Ni及びTiから構成される群から選択される少なくとも1つの金属を含むことを特徴とする装置。
  24. 請求項22記載の装置において、前記保護層と前記第2の電極との間にあり前記保護層と前記第2の電極との間の接着を改善する下層を更に備えていることを特徴とする装置。
  25. 請求項24記載の装置において、前記下層は、アルミニウム、クロミウム、ハフニウム、モリブデン、ニッケル、チタニウム、タングステン及びジルコニウムから構成される群から選択された少なくとも1つの金属を含むことを特徴とする装置。
  26. 請求項1記載の装置において、前記第2の電極は固体金属であることを特徴とする装置。
  27. 請求項1記載の装置において、前記第2の電極はこの装置の動作電圧範囲において電気化学的に安定である金属であることを特徴とする装置。
  28. 請求項27記載の装置において、前記第2の金属電極の電気的に安定的な金属は、Pt、Ir、Au、Os、Pd、Re、Rh、Ru、Cr、Ni及びTiから構成される群から選択される少なくとも1つの金属を含むことを特徴とする装置。
  29. 請求項1記載の装置において、前記第2の電極は、前記電着されたミラー金属のシートであることを特徴とする装置。
  30. 請求項1記載の装置において、前記第2の電極は、前記第2の電極から反射される放射を減少させる粗くされた表面を含むことを特徴とする装置。
  31. 請求項1記載の装置において、前記第2の電極は、ガンマ・ブチロラクトン、エチレン・グリコール、ジメチルサルオキサイド及びジメチルフォルアミドから構成される群から選択された少なくとも1つの溶媒を含むことを特徴とする装置。
  32. 請求項1記載の装置において、前記電着可能なミラー金属は、銀、銅、ビスマス、スズ、カドミウム、水銀、インジウム、鉛、アンチモニ、タリウム及び亜鉛から構成される群から選択されることを特徴とする装置。
  33. 請求項1記載の装置において、前記ハロゲン化合物は、塩化物、臭化物、ヨウ化物の化合物から構成される群から選択されることを特徴とする装置。
  34. 請求項1記載の装置において、前記擬似ハロゲン化合物は、シアン化物及びチオシアネート化合物から構成される群から選択されることを特徴とする装置。
  35. 請求項1記載の装置において、前記ハロゲン化物又は擬似ハロゲン化物の化合物は、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、オルガノアンオモニウム及び水素のイオンから構成される群から選択された少なくとも1つの陽イオンを含むことを特徴とする装置。
  36. 請求項1記載の装置において、前記電解液は、粘性液体、半固体又は固体電解質を提供する硬化剤を更に備えていることを特徴とする装置。
  37. 請求項36記載の装置において、前記硬化剤は微細に分散された金属酸化物であることを特徴とする装置。
  38. 請求項37記載の装置において、前記金属酸化物は、シリカ、アルミナ及びチタニアから構成される群から選択されることを特徴とする装置。
  39. 請求項請求項36記載の装置において、前記硬化剤は溶解可能なポリマ・ゲル化剤であることを特徴とする装置。
  40. 請求項39記載の装置において、前記溶解可能なポリマ・ゲル化剤は、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸、ポリアクリロニトリル、ポリカーボネート樹脂、ポリメチルメタアクリレート、ポリプロピレンカーボネート、ポリビニルアルコール、ポリスチレン、ポリビニルクロライド、ポリビニリデンフルオライド及びポリビニルピロリドンから構成される群から選択されることを特徴とする装置。
  41. 請求項36記載の装置において、前記硬化剤は電解液を含む固体マトリクスであることを特徴とする装置。
  42. 請求項41記載の装置において、前記固体マトリクスは、微細に分割された電気的絶縁粉末、多孔性ポリマ、絶縁性スポンジ、絶縁性フェルト及びオーマシルから構成される群から選択されることを特徴とする装置。
  43. 請求項1記載の装置において、前記電解液は彩色剤を更に含むことを特徴とする装置。
  44. 請求項43記載の装置において、前記彩色剤は分散されたカーボン又はそれ以外の粒子状の材料であることを特徴とする装置。
  45. 請求項43記載の装置において、前記彩色剤は溶解された有機又は無機材料であることを特徴とする装置。
  46. 請求項1記載の装置において、前記溶媒はエチレン・グリコールであり、前記電解液は前記電解質の凝固点温度を抑制するために追加された水を更に含むことを特徴とする装置。
  47. 電磁放射の伝搬を制御する可逆電気化学ミラー装置であって、
    電磁放射のスペクトルの少なくとも一部に対して実質的に透明な第1の基板と、
    前記第1の基板の上に配置されており、電磁放射のスペクトルの少なくとも前記一部に対して実質的に透明な第1の電極と、
    前記第1の電極の上に配置された表面修正層と、
    第2の基板と、
    第2の基板の上に配置された第2の電極と、
    前記第1及び第2の電極の間に配置され前記第1及び第2の電極と電気的に接触している電解液であって、
    ほぼ非水性の溶媒と、
    モル濃度が0.5よりも大きな電着可能なミラー金属の陽イオンと、
    この装置が動作される電圧範囲において電気的に活性でない陽イオンを有するハロゲン又は疑似ハロゲン化合物であって、ハロゲン化物又は疑似ハロゲン化物の陰イオンの合計モル濃度(この合計は、前記ハロゲン又は疑似ハロゲン化合物から生じる陰イオンと前記電着可能ミラー金属の陽イオンの化合物から生じる陰イオンとの総計である)と前記電着可能ミラー金属の陽イオンの合計モル濃度との比率が2:1であり、前記電着可能ミラー金属の複数の原子が前記第1及び第2の電極の少なくとも一方に配置されている、ハロゲン又はハロゲン化合物と、
    を含む電解液と、
    を含んでおり、前記第2の電極に対して前記第1の電極に負の電位を印加することによって、被覆された金属が前記第2の電極から前記電解液の中へ溶解し、前記電解液から前記第1の電極の上にミラー・デポジットとして電着され、
    前記第2の電極に対して前記第1の電極に正の電位を印加することによって、被覆された金属が前記第1の電極から前記電解液の中へ溶解し、前記電解液から前記第2の電極の上に電着され、
    前記第1の電極の上に存在する被覆された金属の量が、この装置による電磁放射の反射に影響することを特徴とする可逆電気化学ミラー装置。
  48. 電磁放射の伝搬を制御する可逆電気化学ミラー装置であって、
    電磁放射のスペクトルの少なくとも一部に対して実質的に透明な第1の基板と、
    前記第1の基板の上に配置されており、電磁放射のスペクトルの少なくとも前記一部に対して実質的に透明な第1の電極と、
    前記第1の電極の上に配置された表面修正層と、
    第2の基板と、
    第2の基板の上に配置された第2の電極と、
    前記第1及び第2の電極の間に配置され前記第1及び第2の電極と電気的に接触している電解液であって、
    ほぼ非水性の溶媒と、
    モル濃度が0.5よりも大きな電着可能なミラー金属の陽イオンと、
    この装置が動作される電圧範囲において電気的に活性でない陽イオンを有するハロゲン又は疑似ハロゲン化合物であって、ハロゲン化物又は疑似ハロゲン化物の陰イオンの合計モル濃度(この合計は、前記ハロゲン又は疑似ハロゲン化合物から生じる陰イオンと前記電着可能ミラー金属の陽イオンの化合物から生じる陰イオンとの総計である)と前記電着可能ミラー金属の陽イオンの合計モル濃度との比率が2:1であり、前記電着可能ミラー金属の複数の原子が前記第1及び第2の電極の少なくとも一方に配置されている、ハロゲン又はハロゲン化合物と、
    を含む電解液と、
    を含んでおり、前記第2の電極に対して前記第1の電極に負の電位を印加することによって、被覆された金属が前記第2の電極から前記電解液の中へ溶解し、前記電解液から前記第1の電極の上にミラー・デポジットとして電着され、
    前記第2の電極に対して前記第1の電極に正の電位を印加することによって、被覆された金属が前記第1の電極から前記電解液の中へ溶解し、前記電解液から前記第2の電極の上に電着され、
    前記第1の電極の上に存在する被覆された金属の量が、この装置による電磁放射の反射に影響することを特徴とする可逆電気化学ミラー装置。
  49. 電磁放射の伝搬を制御する可逆電気化学ミラー装置であって、
    電磁放射のスペクトルの少なくとも一部に対して実質的に透明な第1の基板と、
    前記第1の基板の上に配置されており、電磁放射のスペクトルの少なくとも前記一部に対して実質的に透明な第1の電極と、
    前記第1の電極の上に配置された表面修正層と、
    第2の基板と、
    第2の基板の上に配置された第2の電極と、
    前記第1及び第2の電極の間に配置され前記第1及び第2の電極と電気的に接触している電解液であって、
    ほぼ非水性の溶媒と、
    モル濃度が0.5よりも大きな電着可能なミラー金属の陽イオンと、
    この装置が動作される電圧範囲において電気的に活性でない陽イオンを有するハロゲン又は疑似ハロゲン化合物であって、ハロゲン化物又は疑似ハロゲン化物の陰イオンの合計モル濃度(この合計は、前記ハロゲン又は疑似ハロゲン化合物から生じる陰イオンと前記電着可能ミラー金属の陽イオンの化合物から生じる陰イオンとの総計である)と前記電着可能ミラー金属の陽イオンの合計モル濃度との比率が2:1であり、前記電着可能ミラー金属の複数の原子が前記第1及び第2の電極の少なくとも一方に配置されている、ハロゲン又はハロゲン化合物と、
    電解質硬化剤と、
    を含む電解液と、
    を含んでおり、前記第2の電極に対して前記第1の電極に負の電位を印加することによって、被覆された金属が前記第2の電極から前記電解液の中へ溶解し、前記電解液から前記第1の電極の上にミラー・デポジットとして電着され、
    前記第2の電極に対して前記第1の電極に正の電位を印加することによって、被覆された金属が前記第1の電極から前記電解液の中へ溶解し、前記電解液から前記第2の電極の上に電着され、
    前記第1の電極の上に存在する被覆された金属の量が、この装置による電磁放射の反射に影響することを特徴とする可逆電気化学ミラー装置。
  50. 電磁放射の伝搬を制御する可逆電気化学ミラー装置であって、
    電磁放射のスペクトルの少なくとも一部に対して実質的に透明な第1の基板と、
    前記第1の基板の上に配置されており、電磁放射のスペクトルの少なくとも前記一部に対して実質的に透明な第1の電極と、
    前記第1の電極の上に配置された表面修正層と、
    第2の基板と、
    第2の基板の上に配置された第2の電極と、
    前記第1及び第2の電極の間に配置され前記第1及び第2の電極と電気的に接触している電解液であって、
    ほぼ非水性の溶媒と、
    モル濃度が0.5よりも大きな電着可能なミラー金属の陽イオンと、
    この装置が動作される電圧範囲において電気的に活性でない陽イオンを有するハロゲン又は疑似ハロゲン化合物であって、ハロゲン化物又は疑似ハロゲン化物の陰イオンの合計モル濃度(この合計は、前記ハロゲン又は疑似ハロゲン化合物から生じる陰イオンと前記電着可能ミラー金属の陽イオンの化合物から生じる陰イオンとの総計である)と前記電着可能ミラー金属の陽イオンの合計モル濃度との比率が2:1であり、前記電着可能ミラー金属の複数の原子が前記第1及び第2の電極の少なくとも一方に配置されている、ハロゲン又はハロゲン化合物と、
    電解質硬化剤と、
    電解質彩色剤と、
    を含む電解液と、
    を含んでおり、前記第2の電極に対して前記第1の電極に負の電位を印加することによって、被覆された金属が前記第2の電極から前記電解液の中へ溶解し、前記電解液から前記第1の電極の上にミラー・デポジットとして電着され、
    前記第2の電極に対して前記第1の電極に正の電位を印加することによって、被覆された金属が前記第1の電極から前記電解液の中へ溶解し、前記電解液から前記第2の電極の上に電着され、
    前記第1の電極の上に存在する被覆された金属の量が、この装置による電磁放射の反射に影響することを特徴とする可逆電気化学ミラー装置。
  51. 電磁放射の伝搬を制御する可逆電気化学ミラー装置であって、
    電磁放射のスペクトルの少なくとも一部に対して実質的に透明な第1の基板と、
    前記第1の基板の上に配置されており、電磁放射のスペクトルの少なくとも前記一部に対して実質的に透明な第1の電極と、
    前記第1の電極の上に配置された表面修正層と、
    前記第1の電極の上に配置された表面修正層と、
    第2の電極と、
    前記第1及び第2の電極の間に配置され前記第1及び第2の電極と電気的に接触している電解液であって、
    ほぼ非水性の溶媒と、
    モル濃度が0.5よりも大きな電着可能なミラー金属の陽イオンと、
    この装置が動作される電圧範囲において電気的に活性でない陽イオンを有するハロゲン又は疑似ハロゲン化合物であって、ハロゲン化物又は疑似ハロゲン化物の陰イオンの合計モル濃度(この合計は、前記ハロゲン又は疑似ハロゲン化合物から生じる陰イオンと前記電着可能ミラー金属の陽イオンの化合物から生じる陰イオンとの総計である)と前記電着可能ミラー金属の陽イオンの合計モル濃度との比率が2:1であり、前記電着可能ミラー金属の複数の原子が前記第1及び第2の電極の少なくとも一方に配置されている、ハロゲン又はハロゲン化合物と、
    を含む電解液と、
    を含んでおり、前記第2の電極に対して前記第1の電極に負の電位を印加することによって、被覆された金属が前記第2の電極から前記電解液の中へ溶解し、前記電解液から前記第1の電極の上にミラー・デポジットとして電着され、
    前記第2の電極に対して前記第1の電極に正の電位を印加することによって、被覆された金属が前記第1の電極から前記電解液の中へ溶解し、前記電解液から前記第2の電極の上に電着され、
    前記第1の電極の上に存在する被覆された金属の量が、この装置による電磁放射の反射に影響することを特徴とする可逆電気化学ミラー装置。
  52. 電磁放射の伝搬を制御する可逆電気化学ミラー装置であって、
    電磁放射のスペクトルの少なくとも一部に対して実質的に透明な第1の基板と、
    前記第1の基板の上に配置されており、電磁放射のスペクトルの少なくとも前記一部に対して実質的に透明な第1の電極と、
    前記第1の電極の上に配置された表面修正層と、
    電磁放射のスペクトルの前記少なくとも一部に対して実質的に透明である第2の基板と、
    第2の基板の上の局所化された領域に分散されている第2の電極と、
    前記第1及び第2の電極の間に配置され前記第1及び第2の電極と電気的に接触している電解液であって、
    ほぼ非水性の溶媒と、
    モル濃度が0.5よりも大きな電着可能なミラー金属の陽イオンと、
    この装置が動作される電圧範囲において電気的に活性でない陽イオンを有するハロゲン又は疑似ハロゲン化合物であって、ハロゲン化物又は疑似ハロゲン化物の陰イオンの合計モル濃度(この合計は、前記ハロゲン又は疑似ハロゲン化合物から生じる陰イオンと前記電着可能ミラー金属の陽イオンの化合物から生じる陰イオンとの総計である)と前記電着可能ミラー金属の陽イオンの合計モル濃度との比率が2:1であり、前記電着可能ミラー金属の複数の原子が前記第1及び第2の電極の少なくとも一方に配置されている、ハロゲン又はハロゲン化合物と、
    を含む電解液と、
    を含んでおり、前記第2の電極に対して前記第1の電極に負の電位を印加することによって、被覆された金属が前記第2の電極から前記電解液の中へ溶解し、前記電解液から前記第1の電極の上にミラー・デポジットとして電着され、
    前記第2の電極に対して前記第1の電極に正の電位を印加することによって、被覆された金属が前記第1の電極から前記電解液の中へ溶解し、前記電解液から前記第2の電極の上に電着され、
    前記第1の電極の上に存在する被覆された金属の量が、この装置による電磁放射の反射に影響することを特徴とする可逆電気化学ミラー装置。
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