JP2004503906A - Crtの製造方法 - Google Patents
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Abstract
本発明は、ネック部 (5)に接続されたファンネル状部 (1)を有する陰極線管であって、前記ファンネル状部が内面及び高電圧接続素子(30)を有する当該陰極線管の製造方法に関する。この製造方法は、ファンネル状部 (1)の内面を導電材料を含むキャリヤ液体で被覆する工程を含む。この被覆工程は、ファンネル状部の縁部(4)の近くに位置し、かつファンネル状部 (1)の内面に近接して位置するパイプ (3)を通してキャリヤ液体を供給することを含む。パイプ及びファンネル状部を相対的に動かし、内面上へのパイプの投影が、ファンネル状部の縁部 (4)に対しほぼ平行な軌跡(20)をファンネル状部の内面上に描くようにする。キャリヤ液体を下方に放出させ、これにより、導電材料の残留物により形成された被膜(26)を内面上に残す。本発明によれば、被覆工程中、パイプ (3)及びファンネル状部 (1)を、閉じていないループの軌跡(20)を得るように相対的に動かし、高電圧接続素子(30)が被膜(26)により完全には被覆されないようにする。
Description
【0001】
本発明は、ネック部に連結され、内面及び高電圧接続素子を有するファンネル状部を備える陰極線管の製造方法であって、この陰極線管の製造方法は、
陰極線管をそのネック部が下向きの位置となるように配置する工程と、
導電材料を含むキャリヤ液体でファンネル状部の内面を被覆する工程と
を有し、
この被覆工程は、
・ファンネル状部の縁部の近くに位置し、かつファンネル状部の内面に近接して位置するパイプを通ってキャリヤ液体を供給する工程と、
・前記パイプ及び前記ファンネル状部を相対的に動かし、これにより内面上へのこのパイプの投影がファンネル状部の縁部に対しほぼ平行である軌跡をファンネル状部の内面に描くようにする工程と、
・キャリヤ液体を下方に流し、これにより導電材料の残留物より成る被膜を前記内面上に残すようにする工程と
を含む当該陰極線管の製造方法に関する。本発明は、陰極線管を製造する装置にも関する。
【0002】
1979年 4月24日に刊行された米国特許第4,151,312 号明細書には、陰極線管(CRT )のファンネル状部の内面に導電性被膜を設けることにより陰極線管を製造する方法が開示されている。導電材料を含む懸濁液は、容器からパイプを通って流れ、ファンネル状部の内面に放出され、ファンネル状部の縁部のすぐ下で前記内面にあたる。パイプは、懸濁液の均一な厚さの層で前記内面の全ての部分を被覆するまで、ファンネル状部の縁部に沿って動かされる。その後湿潤している懸濁液を乾燥させる。
【0003】
被膜を設ける(コーティングする)この方法には、ファンネル状部に設けられた高電圧接続素子も完全に被膜で被覆されてしまうという欠点がある。コーティング工程の後、いわゆるゲッタスプリングが高電圧接続素子に取り付けられる。高電圧接続素子及びこれを囲む周辺の領域を完全に清浄としないと、この取り付け工程により不所望な遊離粒子を被膜から陰極線管内に入れてしまうおそれがある。従って、高電圧接続素子を、ゲッタスプリングを接続する前に清浄とする必要がある。このことは追加の工程を必要とする。このような清浄工程は、遊離粒子が陰極線管内に入れられるのを防止するために、極めて良好に行なう必要がある。
【0004】
本発明の目的は、コーティング工程の後に追加の清浄工程を必要としない、 CRTの製造方法及び製造装置を提供することにある。この目的のために、本発明は、被覆工程中、パイプ及びファンネル状部を、閉じていないループの軌跡を得るように相対的に動かし、高電圧接続素子が被膜により完全には被覆されないようにすることを特徴とする。
【0005】
被膜を設けるこの方法によれば、高電圧接続素子が被覆されない状態に保たれ、追加の清浄工程が不要となる。その結果、高電圧接続素子の周囲の被膜領域からの遊離粒子が発生し得ない。従って、陰極線管の製造歩留まりが向上し、製造費用が低減される。
【0006】
本発明の有利な例は従属請求項に規定してある。
【0007】
1991年 3月27日に公開された特開平3−71542 号公報には、ファンネル部の内側壁面上に設けられた陽極釦端子の内側部と、その近傍と、ニップル部とを除いて、導電性被膜をファンネルの内側壁面に塗布する陰極線管が開示されていることに注意すべきである。この場合、端子に印加された高電圧が、ニップル部から延在するゲッタ支持用金属板と被膜との接触により、被膜全体に供給される。この場合、ニップル部と金属板との接合点の接触及び振動により被膜がはがれるのが防止され、かつ陰極線管の耐振動性が高まり、安定した像が得られるようになる。しかし、この公開公報には、陽極釦端子の内側部を除くようにいかにして導電性被膜を塗布するのかについては記載されていない。
【0008】
本発明の、上述の及びその他の観点を以下に記載する実施例について説明する。同一の参照番号は一般に同一又は類似の素子を示す。
図1は、本発明による被膜を設ける方法を示す。陰極線管はネック部を下方に向けて置かれている。ファンネル状部の内面を導電材料を含むキャリヤ液体で被覆する。キャリヤ液体は、例えば、導電材料としての10から20重量 %のグラファイト粉末と、K2 O及び SiO2 が1: 3.5の比率の20 %溶液からなる約20重量 %の水ガラスと、例えばポリビニルピロリドンの約1重量 %の有機結合剤と、約60重量 %の水との懸濁液を有する。このようなキャリヤ液体で良好な結果が得られた。しかし、本発明は上述の組成を有するキャリヤ液体に限定されるものではない。本発明による方法は、上述したのとは異なる成分を有するキャリヤ液体に対しても満足する。
【0009】
膜を被着する工程では、キャリヤ液体を、ファンネル状部の縁部4の近くに位置し、かつファンネル状部の内面に近接して位置するパイプ3を通して供給する。キャリヤ液体は、容器2からパイプ3を通して流れ、このパイプ3がキャリヤ液体をファンネル状部1の内面10上に放出させ、ファンネル状部の縁部4の約1cm 下で内面に当てる。パイプ3には、ファンネル状部の内面と明確に規定された角度をなし、かつキャリヤ液体を案内するノズルを設けることができる。このパイプ3は、高電圧接続素子の周辺領域を除いて、内面が均一な厚みを有する懸濁液層で被覆されるまでファンネル状部1の縁部に沿って移動させる。あるいは又、パイプ3を移動させる代わりに、ファンネル状部1を、例えば移動ユニットにより長手方向軸線を中心として回転させ、このパイプの流出孔が常にファンネル状部の縁部4から一定の距離に常に保たれるようにすることもできる。パイプを移動させると、内面上へのパイプの下方投影が、ファンネル状部の縁部に対しほぼ平行である軌跡をファンネル状部の内面上に描く。キャリヤ液体は下方へ流れ、それにより導電材料の残留物により形成された被膜が内面上に残る。過剰な懸濁液はネック部5を通り貯蔵所6に流れ込み、ポンプ8により戻しダクト7を通って容器2へ戻される。さらに、容器2中の懸濁液の液面はダクト9を介して所望通りに維持される。ファンネル状部1は4つの支持部材11により支持され、そのうちの2つが図示されている。パイプ3を位置決め及び移動する際に必要とされる精度は、このパイプを例えば製造用ロボットのアームに連結することにより、非常に高い精度で容易に確立できる。ファンネル状部1に対するパイプ3の相対的な運動は、モータによりファンネル状部をその長手軸線を中心として回転させることによっても得ることができる。
【0010】
被着工程の後、湿潤している懸濁液13を、複数の赤外線ランプにより、又は温風を流すことにより乾燥させることができる。
【0011】
図2は、本発明により被膜21を設けたファンネル状部を示す。高電圧接続素子30を囲む内面の領域26には被膜を設けない。この被覆されていない領域26は次のようにして得る。パイプ3の運動中、内面上へのパイプの投影が、ファンネル状部の縁部4に対しほぼ平行な軌跡20をファンネル状部1の内面上に描く。図2中で破線23及び25で示すように、高電圧接続素子30を軌跡20上に投影したものは第一交点22及び第二交点24を有する。動作中、高電圧接続素子30には外部から高電圧が印加され、この高電圧が、高電圧接続素子30及びいわゆるゲッタスプリングを介して被膜に与えられる。
【0012】
コーティング処理を開始する際、パイプ3の開始位置を、パイプが方向Aに移動する時、キャリヤ液体が第一交点22を被覆しないように、第一突起部22の一方の側に位置させる。軌跡のかなりの部分が終了された後、パイプの移動を、第二交点24がキャリヤ液体により被覆されないこの第二交点の一方の側で停止させる。従って、軌跡は閉じていないループを形成し、高電圧接続素子30を囲む周辺領域26は被膜により被覆されない状態を保つ。
【0013】
従来では、コーティング処理により、高電圧接続素子30及びこれを囲む領域26は被膜で完全に被覆されるようになる。特に、この部分の被膜は、被膜がさらに他の製造工程において損傷を受けた状態となると、遊離粒子を容易に発生する。このような他の製造工程とは、例えば、ゲッタスプリングを高電圧接続素子30に接続する工程である。ゲッタスプリングは、高電位を導電層に与える。高電圧接続素子の周囲の被膜は、ゲッタスプリングを高電圧接続素子に接続する際に簡単に砕け散る。このような砕け散った粒子は管内に残り、高電圧問題を引き起こすおそれがある。さらに、これらの粒子は、電子ビームを発生するために使用される電子銃の一部を汚染するおそれがある。電子銃の部分が互いに異なる電圧となると、不所望な高電圧現象が生じるおそれがある。陰極線管の被覆しない部分とすべきところに残る導電性粒子は、陰極線管の動作中に導電性被膜に数十キロボルトの電位が印加される場合に欠点となる。その理由は、電気的フラッシオーバー等の不所望な現象が起こるおそれがあるためである。
【0014】
従って、従来の陰極線管を製造する際には、高電圧接続素子30及びこの素子の周辺領域を清浄するための追加の清浄工程が必要となる。しかし、このような追加の清浄工程は、不所望な遊離粒子を発生させるおそれもある。本発明による製造工程は、領域26を被覆しないという観点から、このような遊離粒子をなくすものである。
【0015】
本発明の他の実施例を図3に示す。高電圧接続素子30と導電性被膜との間の電気接続は、この被膜自体により得ることができる。このことは、被膜が高電圧接続素子と一部重なるような軌跡の開始点及び終了点を選択することにより達成される。現在の精密ロボットは、パイプを非常に正確に配置することができる。この実施例には、電気接続を確立するための、追加の製造工程又はあらゆる追加の接続素子も必要でないという利点がある。このことにより、陰極線管の製造費をさらに減少させる。
【0016】
さらなる実施例を図4に示す。この図4中では、電気接続をパイプによる追加の被覆工程により達成し、これにより、高電圧接続素子から被膜まで延在する追加の被膜細状32を形成する。図4は、この追加の被膜細条32が被膜21と高電圧接続素子30とを電気接触させていることを示している。追加の被膜細条32は、パイプ3を高電圧接続素子まで移動させてキャリヤ液体の追加の層の流れを生ぜしめる。この追加の処理工程は、被膜層21を被着する前又は後のいずれでも適用できる。パイプ3の位置決め及び移動の必要精度は、このパイプを例えば製造ロボットのアームに連結することにより、非常に高い精度で容易に得ることができる。
【0017】
以上要するに、本発明は、ネック部5に連結されるファンネル状部1を備える陰極線管であって、このファンネル状部が内面及び高電圧接続素子を有している当該陰極線管の製造方法に関する。この製造方法は、ファンネル状部1の内面を、導電材料を含むキャリヤ液体で被覆する工程を有する。この被覆工程は、ファンネル状部の縁部4の近くに位置し、かつファンネル状部1の内面に近接して位置するパイプ3を通してキャリヤ液体を供給する工程を含む。このパイプ及びファンネル状部を相対的に動かし、これにより、内面上へのパイプの投影がファンネル状部の縁部4に対しほぼ平行な軌跡20をファンネル状部の内面に描く。キャリヤ液体は下方に流れ、これにより、導電材料の残留物より成る被膜26を内面上に残す。被覆工程中は、パイプ3及びファンネル状部1を、閉じていないループである軌跡20を得るように相対的に動かし、高電圧接続素子30が被膜26により完全には被覆されないようにする。
【0018】
上述した実施例は本発明をこれらに限定するものではなく、当業者は本発明の範囲内で種々に変更を加えうることに注意すべきである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によりファンネル状部の内側に被膜を設ける方法を示す。
【図2】本発明により被膜を設けたファンネル状部を示す。
【図3】本発明の第一の実施例に基づく、高電圧接続素子と被膜との間の接続を示す。
【図4】本発明の第二の実施例に基づく、高電圧接続素子と被膜との間の接続を示す。
本発明は、ネック部に連結され、内面及び高電圧接続素子を有するファンネル状部を備える陰極線管の製造方法であって、この陰極線管の製造方法は、
陰極線管をそのネック部が下向きの位置となるように配置する工程と、
導電材料を含むキャリヤ液体でファンネル状部の内面を被覆する工程と
を有し、
この被覆工程は、
・ファンネル状部の縁部の近くに位置し、かつファンネル状部の内面に近接して位置するパイプを通ってキャリヤ液体を供給する工程と、
・前記パイプ及び前記ファンネル状部を相対的に動かし、これにより内面上へのこのパイプの投影がファンネル状部の縁部に対しほぼ平行である軌跡をファンネル状部の内面に描くようにする工程と、
・キャリヤ液体を下方に流し、これにより導電材料の残留物より成る被膜を前記内面上に残すようにする工程と
を含む当該陰極線管の製造方法に関する。本発明は、陰極線管を製造する装置にも関する。
【0002】
1979年 4月24日に刊行された米国特許第4,151,312 号明細書には、陰極線管(CRT )のファンネル状部の内面に導電性被膜を設けることにより陰極線管を製造する方法が開示されている。導電材料を含む懸濁液は、容器からパイプを通って流れ、ファンネル状部の内面に放出され、ファンネル状部の縁部のすぐ下で前記内面にあたる。パイプは、懸濁液の均一な厚さの層で前記内面の全ての部分を被覆するまで、ファンネル状部の縁部に沿って動かされる。その後湿潤している懸濁液を乾燥させる。
【0003】
被膜を設ける(コーティングする)この方法には、ファンネル状部に設けられた高電圧接続素子も完全に被膜で被覆されてしまうという欠点がある。コーティング工程の後、いわゆるゲッタスプリングが高電圧接続素子に取り付けられる。高電圧接続素子及びこれを囲む周辺の領域を完全に清浄としないと、この取り付け工程により不所望な遊離粒子を被膜から陰極線管内に入れてしまうおそれがある。従って、高電圧接続素子を、ゲッタスプリングを接続する前に清浄とする必要がある。このことは追加の工程を必要とする。このような清浄工程は、遊離粒子が陰極線管内に入れられるのを防止するために、極めて良好に行なう必要がある。
【0004】
本発明の目的は、コーティング工程の後に追加の清浄工程を必要としない、 CRTの製造方法及び製造装置を提供することにある。この目的のために、本発明は、被覆工程中、パイプ及びファンネル状部を、閉じていないループの軌跡を得るように相対的に動かし、高電圧接続素子が被膜により完全には被覆されないようにすることを特徴とする。
【0005】
被膜を設けるこの方法によれば、高電圧接続素子が被覆されない状態に保たれ、追加の清浄工程が不要となる。その結果、高電圧接続素子の周囲の被膜領域からの遊離粒子が発生し得ない。従って、陰極線管の製造歩留まりが向上し、製造費用が低減される。
【0006】
本発明の有利な例は従属請求項に規定してある。
【0007】
1991年 3月27日に公開された特開平3−71542 号公報には、ファンネル部の内側壁面上に設けられた陽極釦端子の内側部と、その近傍と、ニップル部とを除いて、導電性被膜をファンネルの内側壁面に塗布する陰極線管が開示されていることに注意すべきである。この場合、端子に印加された高電圧が、ニップル部から延在するゲッタ支持用金属板と被膜との接触により、被膜全体に供給される。この場合、ニップル部と金属板との接合点の接触及び振動により被膜がはがれるのが防止され、かつ陰極線管の耐振動性が高まり、安定した像が得られるようになる。しかし、この公開公報には、陽極釦端子の内側部を除くようにいかにして導電性被膜を塗布するのかについては記載されていない。
【0008】
本発明の、上述の及びその他の観点を以下に記載する実施例について説明する。同一の参照番号は一般に同一又は類似の素子を示す。
図1は、本発明による被膜を設ける方法を示す。陰極線管はネック部を下方に向けて置かれている。ファンネル状部の内面を導電材料を含むキャリヤ液体で被覆する。キャリヤ液体は、例えば、導電材料としての10から20重量 %のグラファイト粉末と、K2 O及び SiO2 が1: 3.5の比率の20 %溶液からなる約20重量 %の水ガラスと、例えばポリビニルピロリドンの約1重量 %の有機結合剤と、約60重量 %の水との懸濁液を有する。このようなキャリヤ液体で良好な結果が得られた。しかし、本発明は上述の組成を有するキャリヤ液体に限定されるものではない。本発明による方法は、上述したのとは異なる成分を有するキャリヤ液体に対しても満足する。
【0009】
膜を被着する工程では、キャリヤ液体を、ファンネル状部の縁部4の近くに位置し、かつファンネル状部の内面に近接して位置するパイプ3を通して供給する。キャリヤ液体は、容器2からパイプ3を通して流れ、このパイプ3がキャリヤ液体をファンネル状部1の内面10上に放出させ、ファンネル状部の縁部4の約1cm 下で内面に当てる。パイプ3には、ファンネル状部の内面と明確に規定された角度をなし、かつキャリヤ液体を案内するノズルを設けることができる。このパイプ3は、高電圧接続素子の周辺領域を除いて、内面が均一な厚みを有する懸濁液層で被覆されるまでファンネル状部1の縁部に沿って移動させる。あるいは又、パイプ3を移動させる代わりに、ファンネル状部1を、例えば移動ユニットにより長手方向軸線を中心として回転させ、このパイプの流出孔が常にファンネル状部の縁部4から一定の距離に常に保たれるようにすることもできる。パイプを移動させると、内面上へのパイプの下方投影が、ファンネル状部の縁部に対しほぼ平行である軌跡をファンネル状部の内面上に描く。キャリヤ液体は下方へ流れ、それにより導電材料の残留物により形成された被膜が内面上に残る。過剰な懸濁液はネック部5を通り貯蔵所6に流れ込み、ポンプ8により戻しダクト7を通って容器2へ戻される。さらに、容器2中の懸濁液の液面はダクト9を介して所望通りに維持される。ファンネル状部1は4つの支持部材11により支持され、そのうちの2つが図示されている。パイプ3を位置決め及び移動する際に必要とされる精度は、このパイプを例えば製造用ロボットのアームに連結することにより、非常に高い精度で容易に確立できる。ファンネル状部1に対するパイプ3の相対的な運動は、モータによりファンネル状部をその長手軸線を中心として回転させることによっても得ることができる。
【0010】
被着工程の後、湿潤している懸濁液13を、複数の赤外線ランプにより、又は温風を流すことにより乾燥させることができる。
【0011】
図2は、本発明により被膜21を設けたファンネル状部を示す。高電圧接続素子30を囲む内面の領域26には被膜を設けない。この被覆されていない領域26は次のようにして得る。パイプ3の運動中、内面上へのパイプの投影が、ファンネル状部の縁部4に対しほぼ平行な軌跡20をファンネル状部1の内面上に描く。図2中で破線23及び25で示すように、高電圧接続素子30を軌跡20上に投影したものは第一交点22及び第二交点24を有する。動作中、高電圧接続素子30には外部から高電圧が印加され、この高電圧が、高電圧接続素子30及びいわゆるゲッタスプリングを介して被膜に与えられる。
【0012】
コーティング処理を開始する際、パイプ3の開始位置を、パイプが方向Aに移動する時、キャリヤ液体が第一交点22を被覆しないように、第一突起部22の一方の側に位置させる。軌跡のかなりの部分が終了された後、パイプの移動を、第二交点24がキャリヤ液体により被覆されないこの第二交点の一方の側で停止させる。従って、軌跡は閉じていないループを形成し、高電圧接続素子30を囲む周辺領域26は被膜により被覆されない状態を保つ。
【0013】
従来では、コーティング処理により、高電圧接続素子30及びこれを囲む領域26は被膜で完全に被覆されるようになる。特に、この部分の被膜は、被膜がさらに他の製造工程において損傷を受けた状態となると、遊離粒子を容易に発生する。このような他の製造工程とは、例えば、ゲッタスプリングを高電圧接続素子30に接続する工程である。ゲッタスプリングは、高電位を導電層に与える。高電圧接続素子の周囲の被膜は、ゲッタスプリングを高電圧接続素子に接続する際に簡単に砕け散る。このような砕け散った粒子は管内に残り、高電圧問題を引き起こすおそれがある。さらに、これらの粒子は、電子ビームを発生するために使用される電子銃の一部を汚染するおそれがある。電子銃の部分が互いに異なる電圧となると、不所望な高電圧現象が生じるおそれがある。陰極線管の被覆しない部分とすべきところに残る導電性粒子は、陰極線管の動作中に導電性被膜に数十キロボルトの電位が印加される場合に欠点となる。その理由は、電気的フラッシオーバー等の不所望な現象が起こるおそれがあるためである。
【0014】
従って、従来の陰極線管を製造する際には、高電圧接続素子30及びこの素子の周辺領域を清浄するための追加の清浄工程が必要となる。しかし、このような追加の清浄工程は、不所望な遊離粒子を発生させるおそれもある。本発明による製造工程は、領域26を被覆しないという観点から、このような遊離粒子をなくすものである。
【0015】
本発明の他の実施例を図3に示す。高電圧接続素子30と導電性被膜との間の電気接続は、この被膜自体により得ることができる。このことは、被膜が高電圧接続素子と一部重なるような軌跡の開始点及び終了点を選択することにより達成される。現在の精密ロボットは、パイプを非常に正確に配置することができる。この実施例には、電気接続を確立するための、追加の製造工程又はあらゆる追加の接続素子も必要でないという利点がある。このことにより、陰極線管の製造費をさらに減少させる。
【0016】
さらなる実施例を図4に示す。この図4中では、電気接続をパイプによる追加の被覆工程により達成し、これにより、高電圧接続素子から被膜まで延在する追加の被膜細状32を形成する。図4は、この追加の被膜細条32が被膜21と高電圧接続素子30とを電気接触させていることを示している。追加の被膜細条32は、パイプ3を高電圧接続素子まで移動させてキャリヤ液体の追加の層の流れを生ぜしめる。この追加の処理工程は、被膜層21を被着する前又は後のいずれでも適用できる。パイプ3の位置決め及び移動の必要精度は、このパイプを例えば製造ロボットのアームに連結することにより、非常に高い精度で容易に得ることができる。
【0017】
以上要するに、本発明は、ネック部5に連結されるファンネル状部1を備える陰極線管であって、このファンネル状部が内面及び高電圧接続素子を有している当該陰極線管の製造方法に関する。この製造方法は、ファンネル状部1の内面を、導電材料を含むキャリヤ液体で被覆する工程を有する。この被覆工程は、ファンネル状部の縁部4の近くに位置し、かつファンネル状部1の内面に近接して位置するパイプ3を通してキャリヤ液体を供給する工程を含む。このパイプ及びファンネル状部を相対的に動かし、これにより、内面上へのパイプの投影がファンネル状部の縁部4に対しほぼ平行な軌跡20をファンネル状部の内面に描く。キャリヤ液体は下方に流れ、これにより、導電材料の残留物より成る被膜26を内面上に残す。被覆工程中は、パイプ3及びファンネル状部1を、閉じていないループである軌跡20を得るように相対的に動かし、高電圧接続素子30が被膜26により完全には被覆されないようにする。
【0018】
上述した実施例は本発明をこれらに限定するものではなく、当業者は本発明の範囲内で種々に変更を加えうることに注意すべきである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によりファンネル状部の内側に被膜を設ける方法を示す。
【図2】本発明により被膜を設けたファンネル状部を示す。
【図3】本発明の第一の実施例に基づく、高電圧接続素子と被膜との間の接続を示す。
【図4】本発明の第二の実施例に基づく、高電圧接続素子と被膜との間の接続を示す。
Claims (5)
- ネック部に連結され、内面及び高電圧接続素子を有するファンネル状部を備える陰極線管の製造方法であって、この陰極線管の製造方法は、
陰極線管をそのネック部が下向きの位置となるように配置する工程と、
導電材料を含むキャリヤ液体でファンネル状部の内面を被覆する工程と
を有し、
この被覆工程は、
・ファンネル状部の縁部の近くに位置し、かつファンネル状部の内面に近接して位置するパイプを通ってキャリヤ液体を供給する工程と、
・前記パイプ及び前記ファンネル状部を相対的に動かし、これにより内面上へのこのパイプの投影がファンネル状部の縁部に対しほぼ平行である軌跡をファンネル状部の内面に描くようにする工程と、
・キャリヤ液体を下方に流し、これにより導電材料の残留物より成る被膜を前記内面上に残すようにする工程と
を含む当該陰極線管の製造方法において、
前記被覆工程中、前記パイプ及び前記ファンネル状部を、閉じていないループの軌跡を得るように相対的に動かし、前記高電圧接続素子が前記被膜により完全には被覆されないようにすることを特徴とする陰極線管の製造方法。 - 請求項1に記載の陰極線管の製造方法において、前記高電圧接続素子と被膜との間を電気接続する陰極線管の製造方法。
- 請求項2に記載の陰極線管の製造方法において、前記電気接続を前記被膜自体により行い、軌跡の開始点及び終了点を前記被膜が高電圧接続素子と一部重なるように選択する陰極線管の製造方法。
- 請求項2に記載の陰極線管の製造方法において、前記パイプにより行なう追加の被覆工程により前記高電圧素子から前記被膜まで延在する追加の被膜を形成することにより前記電気接続を達成する陰極線管の製造方法。
- ネック部に接続され、内面及び高電圧接続素子を有するファンネル状部を備える陰極線管を製造する陰極線管の製造装置であって、この陰極線管の製造装置は、
前記陰極線管をそのネック部が下向きの位置となるように配置する手段と、
導電材料を含むキャリヤ液体で前記ファンネル状部の内面を被覆する手段と
を有し、
この被覆手段は、
・前記ファンネル状部の縁部の近くに位置し、かつこのファンネル状部の内面に近接して位置し、キャリヤ液体を供給するためのパイプと、
・前記内面上への前記パイプの投影が前記ファンネル状部の前記縁部に対しほぼ平行である軌跡をこのファンネル状部の内面に描くように、前記パイプ及び前記ファンネル状部を相対的に動かす移動手段と
を有し、この手段により、キャリヤ液体を下方に流し、これにより導電材料の残留物より成る被膜を内面上に残すようにする陰極線管の製造装置において、前記移動手段は、被覆工程中、閉じていないループの軌跡が得られるように前記パイプ及びファンネル状部を相対的に動かして、前記高電圧接続素子が前記被膜によって完全には被覆されないように構成配置されていることを特徴とする陰極線管の製造装置。
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