JP2004503494A - 医薬組成物 - Google Patents
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Abstract
本発明は、テルビナフィンを含む経口投与用徐放性医薬組成物に関する。
Description
【0001】
本発明は、テルビナフィン医薬組成物、およびそのような組成物の使用に関する。
【0002】
テルビナフィンは、経口で有効な抗真菌剤であり、ラミシールの登録商品名として入手可能である。それは広範囲の真菌感染に有効である。テルビナフィンは、皮膚糸状菌、皮膚の死亡組織または解質層、爪および毛髪のようなその付属物(appendage)を侵襲する接触伝染性真菌に対して特に有用である。このような爪真菌は、爪床に居住し、硬い爪の外側により保護される。したがって、一度感染が爪の下で確立されると、爪自体が真菌の増殖を可能にする保護環境を提供する。爪におけるこれらの真菌の作用は美観を損ね、フットケアを非常に複雑化し、患者の全体的な生活の質、幸福に有害な影響を有し、患者の仕事の能力を損なう。未処置のままの場合、真菌は足の爪を永久に変形させ、歩く時の痛みを導き得る。更に、細菌感染を促進させる、皮膚における裂傷を導き得る。これらの感染の結果としての重篤な合併症が、一次疾患関連合併症、例えば、最終的に生命を脅かす、または切断を必要とすることがある壊疽を含む、糖尿病性足症候群のような糖尿病に罹患している人に起こり得る。他の高い危険性の患者サブグループは、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)に感染している患者、後天性免疫不全症候群(AIDS)の患者、および他のタイプの免疫抑制の患者(例えば、移植片レシピエントおよび長期コルチコステロイド治療中の患者)を含む。初老期において爪真菌症の罹病率が増加する(60歳までで30%まで)。小胞子菌属、Trichophyton rubrumまたはTrichophyton mentagrophytesのような白癬菌属およびEpidermophyton floccosumのような表皮菌が、一般的に関連するものである。これらの感染は、簡便には関与する体の部位にしたがって記載する。診断は、顕微鏡試験または培養のいずれかによる、病変の削ったところにおける病原性真菌の証明により確認される。
【0003】
医学的専門領域をまたいで、爪真菌症は特に老齢者における診断および処置の両方で困難であることがよく認識されている。テルビナフィンは皮膚糸状菌のために足爪および指爪の爪真菌症(例えば、爪白癬)の処置に有用である。実際、テルビナフィンは白癬菌属(Tricloplyton)による爪白癬の処置に開発されている。例えば、1987年のMerck Manualは、足爪の処置は、先に使用されている標準であるグリセオブルビンは諦めるべきであると述べてある。なぜなら、1から2年の処置を必要とし、再発が通常であり、完全な処置は望めそうにないからである。
【0004】
爪真菌症使用のために、テルビナフィンは通常1日1回の250mgテルビナフィン含有即時放出錠剤として投与される。このような錠剤は、パドル法を使用して、例えば、pH3での標準インビトロ溶解試験で測定して、30分の時間にわたり、テルビナフィンを80%まで放出する、ラミシールの商品名で販売されている。これは、即時放出形の例である。12週間にわたるテルビナフィン処置が必要である。その臨床的効果の進行は、健康な爪の成長、残骸および死んだ真菌を含む罹患した醜い爪の押し出しおよび置換により見られる。約10ヶ月が、まったく新しい足爪の形成に必要である。
【0005】
テルビナフィンは任意の処方薬と同様に安全であると認識されているが、その使用に関連する不利な事象が報告されている。Physicians’ Desk Referenceに記載されているように、多くの不利な事象、例えば、頭痛、胃腸症状(下痢、消化不良、腹痛、悪心および鼓腸を含む)、肝臓試験値異常、例えば、酵素異常、掻痒症(pruritis)、蕁麻疹、吹き出物(rashes)および味覚異常、例えば、味覚の損失が記録されている。これらの不利な事象は一般に穏やかであり、一過性である。更なる不利な事象は、症候的特異的肝胆汁性異常(例えば、胆汁鬱滞性肝炎)、スティーブン−ジョンソン症候群のような重症皮膚症状、好中球減少症および血小板減少症を含む。更に不利な事象は、目のレンズおよび網膜における変化のような視覚異常ならびにアナフィラキシーを含むアレルギー反応、疲労、嘔吐、関節痛、筋肉痛および脱毛を含む。テルビナフィンはCYP2D6の強力な阻害剤であり、ノルトリプチリン、デシプレミン、ペルフェナジン、メトプロロール、エンカイニドおよびプロパフェノンのようなそのアイソ形の基質と共投与した場合、臨床的に有意な相互作用をもたらし得る。以後、任意のこれらの事象および全てを不利な事象として記載する。
【0006】
テルビナフィンのある薬物動力学および生物薬剤学的特性が知られている。したがって、テルビナフィンは十分吸収される。1.3マイクログラム/ミリリットル(例えば、0.9から1.6マイクログラム/ミリリットルの約20%の偏差を伴う)のピーク医薬血漿濃度(Cmax)が、一回250mgテルビナフィン投与量の投与1から2時間後に見られる。24時間にわたる曲線下面積(以後、AUC)は約4.76マイクログラム.時間/ミリリットルである。AUCの増加は、テルビナフィンを脂肪に富む食事と共に投与した場合、42%上昇する。腎不全(例えば、クレアチニンクリアランス>50ml/分)または肝硬変の患者において、テルビナフィンのクリアランスは約50%まで減少する。
【0007】
定常状態で、例えば、数日投与後のトラフおよびピークが一定であるとき、一回投与量と比較して、ピークテルビナフィン血中濃度(Cmax)は25%高く、AUCは2.5倍まで増加する。これは、約36時間のテルビナフィンの有効半減期と一致する。
【0008】
薬物動力学および吸収特性は、例えば、J. Faergemann et al. Acta Derm. Venereol. (Stockh.), 1997, 77, 74−76および先の文献に記載されている。定常状態処置の停止における定常状態薬物動力学および吸収はほとんど記載されていない。
【0009】
テルビナフィンの吸収部位は未知であり、上記のように薬物動力学的特性の効果と臨床的に確立された相関がなく、改善された治療効果を有するテルビナフィン含有医薬組成物を提供するための合理的な出発点はない。
【0010】
テルビナフィンがもたらす非常に大きな寄与にもかかわらず、報告されている望ましくない不利な事象の発症がそのより広い経口使用または投与を妨害している。テルビナフィンの経口投与に関して遭遇する特別な困難により、相対的にあまり重症でないまたは危険にさらさない疾患状態、例えば、足白癬の処置のためのテルビナフィン治療の使用における制限が必然的に導かれる。
【0011】
本発明により、現在まで当分野で遭遇しているテルビナフィン治療における困難さに直面するまたはそれを実質的に減少した、新規テルビナフィン組成物を提供する。特に、本発明の組成物は簡便な経口1日1回投与を可能にするのに十分高い濃度でテルビナフィンを含み、同時に少数の不利な事象の観点から安全性および耐容性の改善を達成することが判明した。
【0012】
我々は、驚くべきことに、テルビナフィンを先に考慮されていたよりも短い期間で有効に投与し得ることを発見した。したがって、本発明は、有効な治療を達成するのに必要なテルビナフィン処置時間を減少し、テルビナフィンへの暴露時間を減少し、全体的安全性プロフィールの改善を可能にする。加えて、それは、テルビナフィン治療を受けてる個々の被検体に必要な進行中の1日投与量ならびに同等な治療を受けている患者のグループに関する、より密接な標準化ならびに最適化を可能にする。
【0013】
個々の患者治療レジメの密接な標準化により、特定の患者グループにおける投与パラメーラー、ならびにモニタリングの必要性を減少させ得、したがって、治療の費用を実質的に軽減し得る。
【0014】
徹底的な試験の後、我々は、テルビナフィンの耐容性が、同じ投与量での即時放出製剤製剤と比較して、減少したCmaxおよび/またはCmax/AUC比を産生するために調節したテルビナフィンの組成物を投与することにより、効果の些細な減少を伴い、有意に改善し得ることを発見した。
【0015】
一つの態様において、本発明は、以後、“本発明の組成物”と呼ぶ、経口テルビナフィン徐放性医薬組成物を提供する。
【0016】
更に別の態様において、本発明は本発明の組成物の製造における、活性剤としてのテルビナフィンの使用を提供する。
【0017】
更に別の態様において、本発明は、1日1回、少なくとも1週間、好ましくは少なくとも3週間、および10週間未満で投薬するように計画した複数回分の本発明の組成物を含む、パックを提供する。簡便には、処置期間は爪真菌症において4から6週間である。この期間は、この慢性皮膚感染の処置のための今日まで利用可能な最短処置期間を示す。
【0018】
他の態様において、本発明は経口テルビナフィン徐放性医薬組成物を提供する。現在まで、とりわけ、テルビナフィンは、1日1回で有効に簡便に投与されていたため、このような徐放性組成物を臨床的に使用するいかなる示唆もない。
【0019】
本発明の組成物の形におけるテルビナフィンは、即時放出組成物と同様に有効であるが、予測されるより少ない不利な事象を示すことは驚きであった。
【0020】
例えば、組成物は、標準インビトロ試験において、例えば、パドル法を使用したpH3で測定して、120分の時間で50%の程度のテルビナフィンを放出する。
【0021】
例えば、組成物は、標準インビトロ試験において、例えば、パドル装置を使用したpH3で測定して、60分で30から40%、120分で40から50%、180分で40から60%、240分で45から65%、および360分で50から70%の程度のテルビナフィンを放出する。
【0022】
適当な徐放性形はPharmazeutische Technologie, Thieme Verlag, Stuttgart/New York 2nd Edition 1991, Ed. H. Sucker, P. Fuschs, P. Spieser, 例えば、370−390頁に記載されている。更なるシステムが、例えば、Pharmaceutical Dosage Forms, Ed Herbert a. Lieberman, Leon Lachman, Joseph B. Schwartz, 2nd edition Vol. 3, Marcel Dekker; およびRemington: The Science and Practice of Pharmacy Ed Alfonso Gennaro, 19th edition, 1995に記載されている。
【0023】
広範囲の徐放性システムを使用し得る。適当な徐放性製剤は、溶解、拡散、および好ましくは浸透圧機構によりテルビナフィンの放出を制御することにより機能し得る。
【0024】
本発明の組成物に有湯女賦形剤の詳細は、Fiedler, H. P. ”Lexikon der Hilfsstoffe fuer Pharmazie, Kosmetik und angrenzende Gebiete”, Editio Cantor Verlag Aulendorf, 4th revised and expanded edition (1996): ”Handbook of Pharmaceutical Excipients”, 2nd Edition, Editors A. Wade and P. J. Weller (1994), Joint publication of American Pharmaceutical Association, Washington, USA and The Pharmaceutical Press, London, Englandに記載されている; または関連する製造者からのパンフレットにより得られ得、これらの内容は、出典明示により本明細書に包含させる。
【0025】
テルビナフィンは、遊離塩基、または例えば、薬学的に許容される形で使用し得る。好ましくは、塩酸塩形を使用する。
【0026】
本発明の組成物におけるテルビナフィンの量は、たとえば、他の成分がどの程度存在するかに依存して変化する。
【0027】
一般に、しかし、テルビナフィンは組成物の全重量に基づいて0.1から約35重量%の範囲の量で存在する。
【0028】
組成物は、好ましくは、例えば、カプセル殻、例えば、軟または硬カプセル殻への充填により、または、錠剤成形または他の鋳造工程により単位投与形に混合する。
【0029】
したがって、1日1回または2回(例えば、治療の特定の目的、治療の相等に依存して)の投与に適した、本発明の単位投与組成物は、適当には意図される1日量の半分または全部を含む。本発明の組成物は、1週間に2回または3回投与し得る。好ましくは、本発明の組成物は1日1回投与する。
【0030】
本発明の組成物の薬物動力学的特性は、標準動物およびヒト薬理学(バイオアベイラビリティー)試験において測定し得る。
【0031】
例えば、一つの標準薬理試験を、理想体重の20%以内の体重を有する、18歳から45歳の健康な弾性または女性非喫煙ボランティアで行ない得る。
試験は、一回投与クロスオーバー方式によった。被験者を24時間定住させる。
【0032】
血液サンプルを、本発明の組成物の投与1、2、4、8、16、32および72時間後に採血し、テルビナフィンに関して試験する。テルビナフィン血漿濃度を、慣用法で、例えば、HPLCまたはGLC分析技術により測定し得る。安全性を、1週間後の不利な事象の症候に基づいた標準チェックリストに従い判断する。
【0033】
好ましくは、テルビナフィンの投与量は1日あたり400から600または700mgである。このような投与量での短期間の処置にわたるテルビナフィンの安全性は驚きである。本発明の組成物は、好ましくは、例えば、1回投与および/または定常状態、例えば、7日間1日1回で投与された、250mg即時放出ラミシール錠剤で見られるよりも、Cmax100−250%、例えば、100−150%を示す。
【0034】
好ましくは、C16時間(投与16時間後の血中医薬濃度)は、250mg即時放出ラミシール錠ザいで観察されるC16時間よりも大きい。
【0035】
好ましくは、本発明の組成物は、Tmaxが投与3から4時間後に出現するように製剤する。
【0036】
薬物動力学的医薬皮膚および爪濃度試験は、上記に明示の標準薬理試験と同じ原則に従い、行ない得る。例えば、臨床試験は、本発明の組成物の3週間処置期間にわたる毎日の投与で行ない得る。
【0037】
本発明の組成物は、即時放出ラミシール錠と同じ適応症に有用である。本発明の組成物の有用性は、標準臨床試験または標準動物モデルにおいて観察され得る。例えば、既知のテルビナフィン経口投与形、例えば、錠剤、例えば、100000mPasの見かけの粘性(水中2%)の、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)に基づいた、例えば、マトリックス錠剤の投与において治療的効果を提供するAUC血中レベルと同等のテルビナフィンのAUC血中レベルを提供する、本発明の組成物の投与量を確定できる。
【0038】
本発明の組成物は、上記の不利な事象に関して、特にそして驚くべきことに耐容性であり、250mg即時放出ラミシール錠の単純な複数回投与で予期されるよりも少ない不利な事象を惹き起こす。本発明の組成物は、ノルトリプチリン、デシプレミン、ペルフェナジン、メトプロロール、エンカイニドおよびプロパフェノンのようなCYP2D6基質の共投与したときより少ない不利な事象を惹き起こす。
【0039】
本発明の組成物は、特に、例えば、爪真菌症に対して有効である。
【0040】
本発明の組成物が、特に、老齢、例えば、70歳以上の患者、腎不全(例えば、クレアチニンクリアランス>50ml/分)または肝硬変の患者において同等に有効であり、与えた投与量で予期されるよりも驚くほど少ない不利な事象を惹き起こす傾向がある。更に、満腹および空腹状態の間のAUCの変化が予測より少ない。好ましくは、食事の影響がない。
【0041】
治療的診療試験は、上記の標準薬理試験の原則に基づき得る。
【0042】
無作為2重盲陽性コントロールおよびプラセボコントロール試験を、顕微鏡および培養により確認された足爪の爪真菌症に罹患している被検体で行ない得る。処置は12週間にわたり行なう。臨床試験を、不利な事象がないことを確実にするために、数百名の患者において行ない得る。しかし、治療効果は、12歳以上の25名の患者で示され得る。
【0043】
安全性は、臨床面の不利な事象の報告および生命徴候により評価する。効果は、顕微鏡、培養工程および徴候および症状の視覚的調査により測定する。効果は、上記の真菌、特に、Trichophyton rubrum, Trichophyton mentagrophytesおよびEpidermophyton floccosumの患者で見られる。患者は、減少した血液循環、末梢ニューロパシー、糖尿病、反復した小さな外傷による損傷、および限定された免疫不全ならびにAIDSのような前処置要素の患者を含む。患者は、(i)下爪皮から始まり、爪床およびマトリックスに近位的に拡散する遠位側面爪下常真菌症、(ii)および真菌が表皮および上爪皮に感染し、爪甲物質に封入されるようになるマトリックスに到達する、近位爪下爪真菌症、(iii)全ジストロフィー爪真菌症(total dysprophic onychomycosis)、(iv)浅い白色爪真菌症に罹患している。
【0044】
テルビナフィンの血漿濃度が慣用法でまたは本明細書に記載のように評価し得るのが望ましい。爪におけるテルビナフィンの濃度は、光音響分光法および爪切りに続く分析の両方により評価し得、爪床におけるテルビナフィンの存在を示唆する。
【0045】
臨床試験は、例えば、腎臓または肝臓機能不全の被検体の特定のサブセットにおいて行ない得る。
【0046】
本発明の組成物の特定の安全性は、カプセルのような即時放出形のテルビナフィンを、通常よりも高い濃度で投与した、標準耐容性試験において示される。例えば、ビーグル犬における耐容性試験は、24週間、60から300mg/kg、例えば120mg/kg動物体重の1日投与量での経口(p.o.)により行ない得る。薬物動力学的評価(トキシコキネティクス)、例えば、Cmax、AUCおよびTmaxを測定する。以下のパラメーターをモニターする:アラニンアミノトランスフェラーゼ、アルブミン、アルカリホスファターゼ、アスパルテートアミノトランスフェラーゼ、カルシウム、塩化物、総コレステロール、コリンエステラーゼ、クレアチンキナーゼ、キレアチニン、グルコース、無機リン、マグネシウム、カリウム、タンパク質電気泳動、ナトリウム、総ビリルビン、総タンパク質、トリグリセリド、および尿素、ならびにグルタメートデヒドロゲナーゼ(GLDH)、ラクテートデヒドロゲナーゼ(LHD)およびLDHイソエンザイム、およびガンマグルタミルトランスフェラーゼ(GGT)。
【0047】
肝不全に関して測定した標準臨床化学パラメーターの変化は、増加した投与量に関して予期したものより低い。我々はまたこのような不全が一過性であり、機能的であることを、驚くべきことに発見した。これは、即時放出形よりも、例えば、低いCmax/AUCの本発明の組成物の優れた耐容性を示す。
【0048】
以下は、本発明の組成物の例示のみの目的で記載する。
【0049】
実施例
【表1】
【0050】
製剤は慣用法で製造する。テルビナフィン塩酸塩を例えば33.6mgのヒドロキシプロピルメチルセルロースと予め粒状にし得る。
【0051】
パドル法装置を使用したクエン酸緩衝液(pH3)での標準インビトロ溶解試験において、実施例の製剤は表1に記載の放出プロフィールを示す。
【表2】
本発明は、テルビナフィン医薬組成物、およびそのような組成物の使用に関する。
【0002】
テルビナフィンは、経口で有効な抗真菌剤であり、ラミシールの登録商品名として入手可能である。それは広範囲の真菌感染に有効である。テルビナフィンは、皮膚糸状菌、皮膚の死亡組織または解質層、爪および毛髪のようなその付属物(appendage)を侵襲する接触伝染性真菌に対して特に有用である。このような爪真菌は、爪床に居住し、硬い爪の外側により保護される。したがって、一度感染が爪の下で確立されると、爪自体が真菌の増殖を可能にする保護環境を提供する。爪におけるこれらの真菌の作用は美観を損ね、フットケアを非常に複雑化し、患者の全体的な生活の質、幸福に有害な影響を有し、患者の仕事の能力を損なう。未処置のままの場合、真菌は足の爪を永久に変形させ、歩く時の痛みを導き得る。更に、細菌感染を促進させる、皮膚における裂傷を導き得る。これらの感染の結果としての重篤な合併症が、一次疾患関連合併症、例えば、最終的に生命を脅かす、または切断を必要とすることがある壊疽を含む、糖尿病性足症候群のような糖尿病に罹患している人に起こり得る。他の高い危険性の患者サブグループは、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)に感染している患者、後天性免疫不全症候群(AIDS)の患者、および他のタイプの免疫抑制の患者(例えば、移植片レシピエントおよび長期コルチコステロイド治療中の患者)を含む。初老期において爪真菌症の罹病率が増加する(60歳までで30%まで)。小胞子菌属、Trichophyton rubrumまたはTrichophyton mentagrophytesのような白癬菌属およびEpidermophyton floccosumのような表皮菌が、一般的に関連するものである。これらの感染は、簡便には関与する体の部位にしたがって記載する。診断は、顕微鏡試験または培養のいずれかによる、病変の削ったところにおける病原性真菌の証明により確認される。
【0003】
医学的専門領域をまたいで、爪真菌症は特に老齢者における診断および処置の両方で困難であることがよく認識されている。テルビナフィンは皮膚糸状菌のために足爪および指爪の爪真菌症(例えば、爪白癬)の処置に有用である。実際、テルビナフィンは白癬菌属(Tricloplyton)による爪白癬の処置に開発されている。例えば、1987年のMerck Manualは、足爪の処置は、先に使用されている標準であるグリセオブルビンは諦めるべきであると述べてある。なぜなら、1から2年の処置を必要とし、再発が通常であり、完全な処置は望めそうにないからである。
【0004】
爪真菌症使用のために、テルビナフィンは通常1日1回の250mgテルビナフィン含有即時放出錠剤として投与される。このような錠剤は、パドル法を使用して、例えば、pH3での標準インビトロ溶解試験で測定して、30分の時間にわたり、テルビナフィンを80%まで放出する、ラミシールの商品名で販売されている。これは、即時放出形の例である。12週間にわたるテルビナフィン処置が必要である。その臨床的効果の進行は、健康な爪の成長、残骸および死んだ真菌を含む罹患した醜い爪の押し出しおよび置換により見られる。約10ヶ月が、まったく新しい足爪の形成に必要である。
【0005】
テルビナフィンは任意の処方薬と同様に安全であると認識されているが、その使用に関連する不利な事象が報告されている。Physicians’ Desk Referenceに記載されているように、多くの不利な事象、例えば、頭痛、胃腸症状(下痢、消化不良、腹痛、悪心および鼓腸を含む)、肝臓試験値異常、例えば、酵素異常、掻痒症(pruritis)、蕁麻疹、吹き出物(rashes)および味覚異常、例えば、味覚の損失が記録されている。これらの不利な事象は一般に穏やかであり、一過性である。更なる不利な事象は、症候的特異的肝胆汁性異常(例えば、胆汁鬱滞性肝炎)、スティーブン−ジョンソン症候群のような重症皮膚症状、好中球減少症および血小板減少症を含む。更に不利な事象は、目のレンズおよび網膜における変化のような視覚異常ならびにアナフィラキシーを含むアレルギー反応、疲労、嘔吐、関節痛、筋肉痛および脱毛を含む。テルビナフィンはCYP2D6の強力な阻害剤であり、ノルトリプチリン、デシプレミン、ペルフェナジン、メトプロロール、エンカイニドおよびプロパフェノンのようなそのアイソ形の基質と共投与した場合、臨床的に有意な相互作用をもたらし得る。以後、任意のこれらの事象および全てを不利な事象として記載する。
【0006】
テルビナフィンのある薬物動力学および生物薬剤学的特性が知られている。したがって、テルビナフィンは十分吸収される。1.3マイクログラム/ミリリットル(例えば、0.9から1.6マイクログラム/ミリリットルの約20%の偏差を伴う)のピーク医薬血漿濃度(Cmax)が、一回250mgテルビナフィン投与量の投与1から2時間後に見られる。24時間にわたる曲線下面積(以後、AUC)は約4.76マイクログラム.時間/ミリリットルである。AUCの増加は、テルビナフィンを脂肪に富む食事と共に投与した場合、42%上昇する。腎不全(例えば、クレアチニンクリアランス>50ml/分)または肝硬変の患者において、テルビナフィンのクリアランスは約50%まで減少する。
【0007】
定常状態で、例えば、数日投与後のトラフおよびピークが一定であるとき、一回投与量と比較して、ピークテルビナフィン血中濃度(Cmax)は25%高く、AUCは2.5倍まで増加する。これは、約36時間のテルビナフィンの有効半減期と一致する。
【0008】
薬物動力学および吸収特性は、例えば、J. Faergemann et al. Acta Derm. Venereol. (Stockh.), 1997, 77, 74−76および先の文献に記載されている。定常状態処置の停止における定常状態薬物動力学および吸収はほとんど記載されていない。
【0009】
テルビナフィンの吸収部位は未知であり、上記のように薬物動力学的特性の効果と臨床的に確立された相関がなく、改善された治療効果を有するテルビナフィン含有医薬組成物を提供するための合理的な出発点はない。
【0010】
テルビナフィンがもたらす非常に大きな寄与にもかかわらず、報告されている望ましくない不利な事象の発症がそのより広い経口使用または投与を妨害している。テルビナフィンの経口投与に関して遭遇する特別な困難により、相対的にあまり重症でないまたは危険にさらさない疾患状態、例えば、足白癬の処置のためのテルビナフィン治療の使用における制限が必然的に導かれる。
【0011】
本発明により、現在まで当分野で遭遇しているテルビナフィン治療における困難さに直面するまたはそれを実質的に減少した、新規テルビナフィン組成物を提供する。特に、本発明の組成物は簡便な経口1日1回投与を可能にするのに十分高い濃度でテルビナフィンを含み、同時に少数の不利な事象の観点から安全性および耐容性の改善を達成することが判明した。
【0012】
我々は、驚くべきことに、テルビナフィンを先に考慮されていたよりも短い期間で有効に投与し得ることを発見した。したがって、本発明は、有効な治療を達成するのに必要なテルビナフィン処置時間を減少し、テルビナフィンへの暴露時間を減少し、全体的安全性プロフィールの改善を可能にする。加えて、それは、テルビナフィン治療を受けてる個々の被検体に必要な進行中の1日投与量ならびに同等な治療を受けている患者のグループに関する、より密接な標準化ならびに最適化を可能にする。
【0013】
個々の患者治療レジメの密接な標準化により、特定の患者グループにおける投与パラメーラー、ならびにモニタリングの必要性を減少させ得、したがって、治療の費用を実質的に軽減し得る。
【0014】
徹底的な試験の後、我々は、テルビナフィンの耐容性が、同じ投与量での即時放出製剤製剤と比較して、減少したCmaxおよび/またはCmax/AUC比を産生するために調節したテルビナフィンの組成物を投与することにより、効果の些細な減少を伴い、有意に改善し得ることを発見した。
【0015】
一つの態様において、本発明は、以後、“本発明の組成物”と呼ぶ、経口テルビナフィン徐放性医薬組成物を提供する。
【0016】
更に別の態様において、本発明は本発明の組成物の製造における、活性剤としてのテルビナフィンの使用を提供する。
【0017】
更に別の態様において、本発明は、1日1回、少なくとも1週間、好ましくは少なくとも3週間、および10週間未満で投薬するように計画した複数回分の本発明の組成物を含む、パックを提供する。簡便には、処置期間は爪真菌症において4から6週間である。この期間は、この慢性皮膚感染の処置のための今日まで利用可能な最短処置期間を示す。
【0018】
他の態様において、本発明は経口テルビナフィン徐放性医薬組成物を提供する。現在まで、とりわけ、テルビナフィンは、1日1回で有効に簡便に投与されていたため、このような徐放性組成物を臨床的に使用するいかなる示唆もない。
【0019】
本発明の組成物の形におけるテルビナフィンは、即時放出組成物と同様に有効であるが、予測されるより少ない不利な事象を示すことは驚きであった。
【0020】
例えば、組成物は、標準インビトロ試験において、例えば、パドル法を使用したpH3で測定して、120分の時間で50%の程度のテルビナフィンを放出する。
【0021】
例えば、組成物は、標準インビトロ試験において、例えば、パドル装置を使用したpH3で測定して、60分で30から40%、120分で40から50%、180分で40から60%、240分で45から65%、および360分で50から70%の程度のテルビナフィンを放出する。
【0022】
適当な徐放性形はPharmazeutische Technologie, Thieme Verlag, Stuttgart/New York 2nd Edition 1991, Ed. H. Sucker, P. Fuschs, P. Spieser, 例えば、370−390頁に記載されている。更なるシステムが、例えば、Pharmaceutical Dosage Forms, Ed Herbert a. Lieberman, Leon Lachman, Joseph B. Schwartz, 2nd edition Vol. 3, Marcel Dekker; およびRemington: The Science and Practice of Pharmacy Ed Alfonso Gennaro, 19th edition, 1995に記載されている。
【0023】
広範囲の徐放性システムを使用し得る。適当な徐放性製剤は、溶解、拡散、および好ましくは浸透圧機構によりテルビナフィンの放出を制御することにより機能し得る。
【0024】
本発明の組成物に有湯女賦形剤の詳細は、Fiedler, H. P. ”Lexikon der Hilfsstoffe fuer Pharmazie, Kosmetik und angrenzende Gebiete”, Editio Cantor Verlag Aulendorf, 4th revised and expanded edition (1996): ”Handbook of Pharmaceutical Excipients”, 2nd Edition, Editors A. Wade and P. J. Weller (1994), Joint publication of American Pharmaceutical Association, Washington, USA and The Pharmaceutical Press, London, Englandに記載されている; または関連する製造者からのパンフレットにより得られ得、これらの内容は、出典明示により本明細書に包含させる。
【0025】
テルビナフィンは、遊離塩基、または例えば、薬学的に許容される形で使用し得る。好ましくは、塩酸塩形を使用する。
【0026】
本発明の組成物におけるテルビナフィンの量は、たとえば、他の成分がどの程度存在するかに依存して変化する。
【0027】
一般に、しかし、テルビナフィンは組成物の全重量に基づいて0.1から約35重量%の範囲の量で存在する。
【0028】
組成物は、好ましくは、例えば、カプセル殻、例えば、軟または硬カプセル殻への充填により、または、錠剤成形または他の鋳造工程により単位投与形に混合する。
【0029】
したがって、1日1回または2回(例えば、治療の特定の目的、治療の相等に依存して)の投与に適した、本発明の単位投与組成物は、適当には意図される1日量の半分または全部を含む。本発明の組成物は、1週間に2回または3回投与し得る。好ましくは、本発明の組成物は1日1回投与する。
【0030】
本発明の組成物の薬物動力学的特性は、標準動物およびヒト薬理学(バイオアベイラビリティー)試験において測定し得る。
【0031】
例えば、一つの標準薬理試験を、理想体重の20%以内の体重を有する、18歳から45歳の健康な弾性または女性非喫煙ボランティアで行ない得る。
試験は、一回投与クロスオーバー方式によった。被験者を24時間定住させる。
【0032】
血液サンプルを、本発明の組成物の投与1、2、4、8、16、32および72時間後に採血し、テルビナフィンに関して試験する。テルビナフィン血漿濃度を、慣用法で、例えば、HPLCまたはGLC分析技術により測定し得る。安全性を、1週間後の不利な事象の症候に基づいた標準チェックリストに従い判断する。
【0033】
好ましくは、テルビナフィンの投与量は1日あたり400から600または700mgである。このような投与量での短期間の処置にわたるテルビナフィンの安全性は驚きである。本発明の組成物は、好ましくは、例えば、1回投与および/または定常状態、例えば、7日間1日1回で投与された、250mg即時放出ラミシール錠剤で見られるよりも、Cmax100−250%、例えば、100−150%を示す。
【0034】
好ましくは、C16時間(投与16時間後の血中医薬濃度)は、250mg即時放出ラミシール錠ザいで観察されるC16時間よりも大きい。
【0035】
好ましくは、本発明の組成物は、Tmaxが投与3から4時間後に出現するように製剤する。
【0036】
薬物動力学的医薬皮膚および爪濃度試験は、上記に明示の標準薬理試験と同じ原則に従い、行ない得る。例えば、臨床試験は、本発明の組成物の3週間処置期間にわたる毎日の投与で行ない得る。
【0037】
本発明の組成物は、即時放出ラミシール錠と同じ適応症に有用である。本発明の組成物の有用性は、標準臨床試験または標準動物モデルにおいて観察され得る。例えば、既知のテルビナフィン経口投与形、例えば、錠剤、例えば、100000mPasの見かけの粘性(水中2%)の、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)に基づいた、例えば、マトリックス錠剤の投与において治療的効果を提供するAUC血中レベルと同等のテルビナフィンのAUC血中レベルを提供する、本発明の組成物の投与量を確定できる。
【0038】
本発明の組成物は、上記の不利な事象に関して、特にそして驚くべきことに耐容性であり、250mg即時放出ラミシール錠の単純な複数回投与で予期されるよりも少ない不利な事象を惹き起こす。本発明の組成物は、ノルトリプチリン、デシプレミン、ペルフェナジン、メトプロロール、エンカイニドおよびプロパフェノンのようなCYP2D6基質の共投与したときより少ない不利な事象を惹き起こす。
【0039】
本発明の組成物は、特に、例えば、爪真菌症に対して有効である。
【0040】
本発明の組成物が、特に、老齢、例えば、70歳以上の患者、腎不全(例えば、クレアチニンクリアランス>50ml/分)または肝硬変の患者において同等に有効であり、与えた投与量で予期されるよりも驚くほど少ない不利な事象を惹き起こす傾向がある。更に、満腹および空腹状態の間のAUCの変化が予測より少ない。好ましくは、食事の影響がない。
【0041】
治療的診療試験は、上記の標準薬理試験の原則に基づき得る。
【0042】
無作為2重盲陽性コントロールおよびプラセボコントロール試験を、顕微鏡および培養により確認された足爪の爪真菌症に罹患している被検体で行ない得る。処置は12週間にわたり行なう。臨床試験を、不利な事象がないことを確実にするために、数百名の患者において行ない得る。しかし、治療効果は、12歳以上の25名の患者で示され得る。
【0043】
安全性は、臨床面の不利な事象の報告および生命徴候により評価する。効果は、顕微鏡、培養工程および徴候および症状の視覚的調査により測定する。効果は、上記の真菌、特に、Trichophyton rubrum, Trichophyton mentagrophytesおよびEpidermophyton floccosumの患者で見られる。患者は、減少した血液循環、末梢ニューロパシー、糖尿病、反復した小さな外傷による損傷、および限定された免疫不全ならびにAIDSのような前処置要素の患者を含む。患者は、(i)下爪皮から始まり、爪床およびマトリックスに近位的に拡散する遠位側面爪下常真菌症、(ii)および真菌が表皮および上爪皮に感染し、爪甲物質に封入されるようになるマトリックスに到達する、近位爪下爪真菌症、(iii)全ジストロフィー爪真菌症(total dysprophic onychomycosis)、(iv)浅い白色爪真菌症に罹患している。
【0044】
テルビナフィンの血漿濃度が慣用法でまたは本明細書に記載のように評価し得るのが望ましい。爪におけるテルビナフィンの濃度は、光音響分光法および爪切りに続く分析の両方により評価し得、爪床におけるテルビナフィンの存在を示唆する。
【0045】
臨床試験は、例えば、腎臓または肝臓機能不全の被検体の特定のサブセットにおいて行ない得る。
【0046】
本発明の組成物の特定の安全性は、カプセルのような即時放出形のテルビナフィンを、通常よりも高い濃度で投与した、標準耐容性試験において示される。例えば、ビーグル犬における耐容性試験は、24週間、60から300mg/kg、例えば120mg/kg動物体重の1日投与量での経口(p.o.)により行ない得る。薬物動力学的評価(トキシコキネティクス)、例えば、Cmax、AUCおよびTmaxを測定する。以下のパラメーターをモニターする:アラニンアミノトランスフェラーゼ、アルブミン、アルカリホスファターゼ、アスパルテートアミノトランスフェラーゼ、カルシウム、塩化物、総コレステロール、コリンエステラーゼ、クレアチンキナーゼ、キレアチニン、グルコース、無機リン、マグネシウム、カリウム、タンパク質電気泳動、ナトリウム、総ビリルビン、総タンパク質、トリグリセリド、および尿素、ならびにグルタメートデヒドロゲナーゼ(GLDH)、ラクテートデヒドロゲナーゼ(LHD)およびLDHイソエンザイム、およびガンマグルタミルトランスフェラーゼ(GGT)。
【0047】
肝不全に関して測定した標準臨床化学パラメーターの変化は、増加した投与量に関して予期したものより低い。我々はまたこのような不全が一過性であり、機能的であることを、驚くべきことに発見した。これは、即時放出形よりも、例えば、低いCmax/AUCの本発明の組成物の優れた耐容性を示す。
【0048】
以下は、本発明の組成物の例示のみの目的で記載する。
【0049】
実施例
【表1】
【0050】
製剤は慣用法で製造する。テルビナフィン塩酸塩を例えば33.6mgのヒドロキシプロピルメチルセルロースと予め粒状にし得る。
【0051】
パドル法装置を使用したクエン酸緩衝液(pH3)での標準インビトロ溶解試験において、実施例の製剤は表1に記載の放出プロフィールを示す。
【表2】
Claims (8)
- 経口投与用テルビナフィン徐放性医薬組成物。
- 請求項1に記載の組成物を被検体に投与することを含む、テルビナフィン処置を必要とする被検体にテルビナフィンを投与する方法。
- 組成物を1日1回投与する、請求項2に記載の方法。
- 組成物を6週間投与する、請求項3に記載の方法。
- 被検体が爪真菌症に罹患している、請求項4に記載の方法。
- 請求項1に記載の組成物の製造における、活性剤としてのテルビナフィンの使用。
- 請求項2、3、4または5のいずれかに記載の方法における、請求項6に記載の使用。
- 1日1回、6週間分配するように計画された、請求項1に記載の組成物の複数回分を含む、パック。
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