JP2004503483A - 低分子量ポリマー組成物 - Google Patents
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Abstract
医用インプラント、装置、移植可能な薬学的製剤を調製するための、分子量約100キロダルトン未満のカルボキシメチルセルロース組成物が提供される。有利なことに、本発明の医用インプラント、装置、移植可能な薬学的製剤、及び薬物送達装置は、移植後30日以内に被験者に生体吸収される。
Description
【0001】
発明の背景
本発明は、体内への移植の約30日以内に吸収され被験者の体内から実質的に除去される、低分子量カルボキシメチルセルロース組成物に関する。本発明の低分子量カルボキシメチルセルロース組成物は、医用インプラントや医薬送達媒体の持続的な放出などの幅広い医学の応用に安全に利用可能である。
【0002】
カルボキシメチルセルロース(「CMC」)、カルボキシメチルアミロース、ヒドロキシエチルセルロースなどのポリアニオン性多糖類は、薬物送達や手術上の癒着形成の防止など幅広い医学の応用に有用である。このような多糖類は、容易に水に溶解し粘稠性の液体を形成する。
【0003】
生体適合性ポリマーは、移植可能な医用装置の製造において通常に利用されてきた。このような装置において、ポリマー性組成物から製造されたインプラントが、現在のFDA規定下で短期インプラントとして指定されるためには、ポリマーの再吸収とそれに続く生体内からの除去が約30日以内に完了しなければならない。これらの規定は、服薬遵守の観点から、短期インプラント装置と長期インプラント装置との間に明確な区別をしており、長期インプラントには大規模な規制精査を必要とする。この精査は主に、長期間生体内に残るよう意図された装置の安全上の必要性に基づいている。
【0004】
ヒアルロン酸(「HA」)とCMCの化学修飾(誘導体または架橋結合)形は、術後期間中の生体組織の接着や癒着を阻止するための外科的な助けとして有用である。誘導体化されたHAゲルまたはフィルムが、相互の接着を阻害するため分離された組織間の部位へ注入または挿入される。化学修飾されたHAはまた、薬物送達の制御された放出に有用である。例えば、HAをカルオジイミドと反応させることにより調製されたHAの誘導体が開示されている米国特許第4,937,270号、米国特許第5,017,229号を参照のこと。これらポリマーの生体からの排除は、化学修飾および/または架橋結合されたポリマーの分子量に依存する。ポリマーは腎臓の糸球体濾過により血液から排除される。
【0005】
同時従属出願中の米国特許出願第08/914,320号には、CMCをEDCなどのカルボジイミドと反応させることにより水に不溶性のCMC組成物を製造する方法が記載されている。この組成物は、薬物を含みうる水に不溶性のゲルを形成することが可能である。これらの組成物を調製するために使用されるCMCの分子量は、9x104ダルトンから3x106ダルトンの範囲であると記載されている。
【0006】
Elkinsらは「ラットにおけるカルボキシメチルセルロースナトリウム溶液による癒着の阻止、生殖能と生殖不能性(Adhesion Prevention by Solutions of Sodium Carboxymethylcellulose in the Rat, Fertility and Sterility)」(1984)において、ラットの腹腔におけるカルボキシメチルセルロースナトリウム溶液及びブドウ糖の滞留時間について記載している。これらの物質は、術後の接着に対する有効性について評価された。カルボキシメチルセルロースナトリウム溶液は分子量が約350,000ダルトンにまで達する。
【0007】
セルロースとその誘導体は、加水分解性の脱重合に対して化学的に著しい抵抗性を有する。CMCは、高温の非常に塩基性の条件下で、アルカリセルロースとクロロ酢酸ナトリウムを反応させることにより調製される。カルボキシメチルセルロースの化学的な非修飾形は水溶性で、水中で容易に分散する。
【0008】
セルロースとその誘導体は、様々な非哺乳生物により酵素的に脱重合させることが可能である。様々な細菌がβ−グルカナーゼを利用してCMCを脱重合することが示されている。Sierks, M.R.ら、Appl. Environ. Microbiol. 50 (3)、634、(1985);Lamot, E.ら、Z. Allg. Mikrobiol. 19、(5), 345、(1976);およびC. G. van Ginkelら、Environ. Tox. Chem. 15、(3)、270、(1996)を参照のこと。真菌もまた、セルロースとCMCの脱重合に必要な酵素を有しており、特に木材腐朽の原因となる真菌がそうである。Almin, K. E.ら、Eur. J. Biochem. 51、(1)、207, (1975);およびKanda, T.ら、J. Biochem. (Tokyo)、84、(5)、1217、(1978)を参照のこと。
【0009】
哺乳類系では、哺乳類が数種の細菌や真菌にみられる分解酵素をもたないために、セルロースを分解することができない。したがって、セルロースとその誘導体が哺乳類へ移植または摂取された場合、容易には分解されないと思われる。セルロースとその誘導体を分解する異化経路が哺乳類では利用できないため、セルロースとその誘導体は水溶性と腎臓通過により除去されなければならない。
【0010】
哺乳類において外因性の薬物、溶質、またはポリマーの除去は、物質が循環系に入った後に起こる。外因性の物質が循環系に入ると、肝代謝、胆汁中排泄、または腎濾過のいずれかにより体内から排出される。肝臓による除去は、肝臓への血流、溶質と血清タンパク質との結合、および溶質が肝臓の酵素または結合部位に結合するか否かなどのいくつかの要因により制御される。「内科学のセシル教本(Cecil Textbook of Medicine)」; Wyngaarden, J.B.およびSmith, L.H., Jr.編: W.B. Saunders Company、フィラデルフィア、1982、pp.50を参照のこと。セルロースとその誘導体の分解酵素は細菌と真菌に特異的であることから、セルロースとその誘導体は哺乳類肝臓の酵素には結合せず、且つ肝臓を介しては排除されないと思われる。したがって、これらの多糖類の主な排出経路は腎濾過、より具体的には糸球体濾過である。
【0011】
腎臓を経由する溶質の経路は、糸球体を経由する経路に制御される。糸球体を介した輸送の速度と容易さは、次に、分子量、電荷、および溶質のストークス・アインシュタイン(Stokes−Einstein)半径により制御される。Oliver, J.D.ら、Bull. Math. Biol., 56, (3), 369 (1994)を参照のこと。糸球体の構造は、IV型コラーゲン原線維と負の電荷を有するヘパラン硫酸プロテオグリカンの網目構造により構成される。Langer, K.H., Klin. Wochen. 63, (18), 835, (1985)を参照のこと。糸球体膜の陰イオン性の荷電は、血清アルブミンなどの負の電荷を有する高分子を排除する。荷電していない高分子が糸球体濾過を通過出来ることが、文献に報告されている。デキストランやポリビニルピロリドンなどの40,000ダルトンから80,000ダルトンの無電荷高分子は、糸球体を容易に通過する。Alt, J.M.ら、Con. Nephrol. 19, 217, (1980)を参照のこと。いかなる大きさであっても、負の電荷を有する高分子は、糸球体壁を容易に通過できないことが示されている。Brenner, B.M.ら、Am. J. Physiol. 234、(6)、F455、(1978)を参照のこと。
【0012】
したがって、糸球体膜に負の電荷を有する種を排除する傾向があるため、カルボキシメチルセルロースなど負の電荷を有するセルロース誘導体が、腎臓を介して哺乳類から除去されることは、当業者により期待されていないと思われる。さらに、哺乳類におけるセルロース誘導体を分解する酵素の欠如により肝臓を介した排出が阻止される。
【0013】
発明の概要
本発明は、医用インプラント、装置、薬物送達媒体の調製に使用される低分子量のセルロース組成物を特徴とする。本発明のセルロース組成物は、非修飾または化学修飾が可能であり、移植後30日以内に被験者の体内に再吸収されることが可能である。典型的なセルロース組成物には、カルボキシメチルセルロースおよびヒドロキシエチルセルロースに基づくものが含まれる。本発明の誘導体化されたセルロース組成物の分子量は約100キロダルトン未満であり、好ましくは約85キロダルトン未満、さらに好ましくは約75キロダルトン未満である。好ましいセルロース組成物は、カルボキシメチルセルロースをカルボジイミドと反応させることにより調製したカルボキシメチルセルロースである。
【0014】
驚くべきことに、分子量が約100キロダルトン未満、好ましくは約85キロダルトン未満、さらに好ましくは約75キロダルトン未満のCMC組成物が、完全に再吸収され被験者の体内から排除され得ることが見出された。分子量が100キロダルトンを超えるCMC組成物は、一般に30日以内に生体に再吸収されることが出来ず、従って現在のFDAの短期インプラントの規定を満たさない。このCMCの分子量と生体がCMCを吸収する能力との間の相関は、当技術分野においてこれまでは知られていなかった。
【0015】
様々なインプラント装置が本発明のCMC組成物とともに調製可能であり、補綴装置、典型的な合成または生物補綴装置、ステント、グラフト、縫合糸、カテーテル、管類、ガイドワイヤなどが含まれるが、これに限定されることはない。これらの装置は日常的な外科手段により体内へ設置することができる。日常的な外科移植の例としては、針またはカニューレによる皮下、筋肉内、静脈内注入、および開腹術または内視鏡検査後の体内へのインプラントの設置が挙げられる。
【0016】
本発明のCMC組成物はまた、移植可能な薬物送達装置としても利用可能である。本態様では、薬物はCMCポリマーマトリクス内に分散される。その後、組成物は、体内において移植に望ましい形状でかたどられ押し出される。適切な薬物には、成長因子および酵素などのタンパク質、医薬品、抗体、バイオポリマー、ならびに生物学的に適合性のある合成ポリマーが含まれる。CMC組成物は、薬物送達の有効性を最大化させるため特定時間での放出特性をもたらすように製剤化され得る。
【0017】
別の態様において本発明は、約100キロダルトン未満の分子量を有するセルロース組成物を選択する段階、治療を必要とする特別な医学的状態に罹患する患者の治療に利用する治療薬を選択する段階、およびインプラント装置を調製するための薬物及びセルロース組成物を混合する段階により、インプラント装置を調製する方法を含む。セルロース組成物は好ましくは分子量が約85キロダルトン未満、より好ましくは約75キロダルトン未満である。好ましいセルロース物質は、カルボキシメチルセルロースの化学修飾体である。薬物とセルロース組成物を、インプラント装置を形成する成分と混合またはブレンドすることにより、物理的に組み合わせることが可能である。装置の薬物放出特性は、成分の相対比率、選択したポリマーの型および溶解度、ならびに粒子の大きさおよび装置内における薬物の分布に依存すると考えられる。
【0018】
本発明はまた、本明細書で使用された全ての技術用語および科学用語が、他に定義されない場合には、本発明の属する業者により一般に理解されるものと同じ意味を持つことが意図される。本明細書に記載の方法および物質に類似またはそれと等価の任意の方法および物質を、本発明の実施または検査に利用することができるが、好ましい方法および物質が本明細書において記載される。本明細書に記載の全ての刊行物は、開示された特許出願、および公布または許可された特許を含むがこれらに限定されることはなく、その全体が参照として本明細書に組み入れられる。特にその他に記述されなければ、本明細書で使用または意図された技術は、当業者によく知られた標準的な方法論である。物質、方法、および実施例は単に例示的なものであって、それらに限定されることはない。
【0019】
本発明のその他の特徴および利点は、これに続く好ましい態様の記載、および特許請求の範囲から明らかになると思われる。
【0020】
発明の詳細な説明
本発明のセルロース組成物は非修飾または化学修飾された形状のセルロースを含み得る。本発明の実施に有用な特定のセルロース化合物としては、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルアミロース、およびヒドロキシエチルセルロースが含まれる。セルロース組成物はまた、添加剤、その他のポリマー、修飾剤、およびいくつかの適用においては薬物を含むことができる。修飾剤は、誘導体化されたカルボキシメチルセルロースの形成に機能する賦活剤、または適切な架橋結合剤であってもよい。
【0021】
本発明のCMC組成物はまた、生体適合性を持たなければならない。本明細書で使用される「生体適合性」物質とは、被験者の生物学的機能に対し、医学的に容認出来ない毒性や有害な効果をもたないものである。
【0022】
カルボキシメチルセルロースは、エーテル結合によりセルロース鎖のグルコース単位で−CH2COOH基が置換された、少なくとも一つの負の電荷を有する基を含むポリアニオン性多糖である。一般にCMCは、例えばアルカリセルロースとクロロ酢酸ナトリウムとを反応させることにより調製することができる。カルボキシメチルセルロースの溶解度は、グルコース単位上のカルボキシメチル基の置換の程度に依存する。同様に、本発明のその他のセルロース化合物の溶解度も、それら化合物の置換の程度に依存する。同様に、本発明のその他のセルロース化合物の溶解度も、化合物の置換の程度に依存する。
【0023】
本明細書で使用される「セルロース」という用語は、非修飾および化学修飾された形状のカルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルアミロース、およびヒドロキシエチルセルロースを含むことが意図される。それは、本明細書で提供される非修飾および化学修飾された形状と同様に、様々な水溶性の程度を有するポリマーを示すことが意図される。
【0024】
化学修飾されたセルロース分子には、適切な架橋結合剤と共にCMCを反応させることにより調製した架橋結合形と同様に、カルボジイミドのような、活性物質と共にCMCを反応させることにより調製したCMCの活性化または誘導体化形を含む。架橋結合産物は、ジビニルスルフォンなどの適切な架橋結合剤を用い、隣接するCMC分子を連結することで3次元立体構造を形成する。
【0025】
ここで、予め選択された分子量未満の分子量を有する化合物の参照化合物が製造された場合、この参照化合物は、形成されたように特定したよりも大きな分子量を持ちうるが、被験者への移植後容易に望ましい範囲内の分子量を有する断片に分解されることが可能な組成物を含むことが意図される。例えばある架橋結合剤は、100キロダルトンを超える分子量を有する架橋結合されたCMC組成物を調製するために使用することができる。使用される特定の架橋結合剤は、比較的不安定で移植後約100キロダルトン未満のCMC断片を生産して分解し得る。
【0026】
本明細書で使用される「被験者」という用語は、ブタ、ウマ、ウシ、およびヤギなどの任意の哺乳類を含むことが意図されるが、好ましくはヒトを意味する。
【0027】
CMCの誘導体化の手順は、水溶性CMC混合物を形成する段階、および混合物を酸性pH、好ましくはpH4.0から5.0の間、より好ましくはpH4.3から4.75の間へ調整する段階を含む。低pH値では好ましい活性物質である1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(「EDC」)は不安定であり、高pH値では反応速度が減少する。一般に反応混合物内でのEDCの好ましい濃度は0.2Mから2.0Mの範囲である。CMCにおけるカルボキシル基のEDCに対する好ましいモル比は約1:1未満であり、より好ましくは約1:4未満、最も好ましくは約1:6未満である。
【0028】
CMC組成物は、組成物を加圧滅菌することにより最終的に無菌化することが可能であり、この方法はポリマーの構造にいかなる有害な影響も与えない。この最終滅菌は無菌処理(aseptic processing)と比べて汚染微生物数が低いため、移植可能な装置や薬物送達媒体を製造する対費用効果の高い方法であり、それゆえインプラントの存在による感染の危険性を減らす。典型的には、最終滅菌は水溶性の調製物の蒸気高圧滅菌を含む。
【0029】
本発明で使用されるCMC組成物は、水溶性または不溶性のいずれかでありうる。「水に不溶性」という用語は一般に、ポリマーが被験者の体内、すなわち一般的な水溶性の環境に移植された場合に、少なくとも約7日間無傷で残存し、30日以内に体内へ完全に吸収されることを意味する。より正確には、本発明の「水に不溶性」のCMC組成物は、CMCの1%水溶液を用いて固形化し、本発明に従って3cm x 3cm x 0.3mmに整形され、20℃で50mlの蒸留水の入ったビーカー中で攪拌せずに静置した場合、20分後に構造的に無傷のままであり、24時間後も物質の構造の境界と縁が存在している組成物である。したがって、本発明のCMC組成物は、生体適合性であるとともに、水溶性であって、且つ不溶性である。
【0030】
本発明のカルボキシメチルセルロース組成物はまた、他のポリアニオン性多糖類、特にヒアルロン酸などの、他の生体適合性ポリマーを含みうる。その他のポリマーは、インプラントまたは薬物送達装置としてCMCを利用するのに有害でなく、組成物中に恩典を有する特質を与える量、存在させることが可能である。このような特質は、改善された防汚性および抗血小板接着活性を含む。本明細書で使用される「血小板接着」という用語は、インプラント装置(すなわち血管壁や補綴装置)の表面と血小板の相互作用による、血小板の表面への蓄積と凝集を意味し、「抗血小板接着」特性を有する装置はこの蓄積を阻止する。
【0031】
本発明のCMC組成物は医用インプラント装置を調製するために使用することができる。組成物は任意の所望の形状にかたどられ、被験者の体内へ移植され得る。鋳型注入がこの目的に有用な技術である。適切な医用インプラント装置には、補綴装置、合成または生物補綴装置、ステント、グラフト、縫合糸、カテーテル、管類、およびガイドワイヤが含まれる。
【0032】
本発明のCMC組成物はまた、移植可能な薬物送達装置を調製するためにも使用することができる。そのような装置は主に被験者に様々な薬物を送達するのに有用であり、成長因子または酵素などのタンパク質、医薬品、抗体、バイオポリマー、及び生物学的に適合性のある合成ポリマーが含まれる。薬物送達装置は、薬物の放出時間にあわせて提供されるように製剤化され得る。ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、デキストラン、デキストラン硫酸、血清アルブミン、ソルビトール、マンニトールなどを含む、当技術分野において既知のその他の添加物および賦形剤もまた、CMC組成物のなかに含められ薬物送達装置の製剤に取り込まれ得る。
【0033】
上記より、当業者は、その精神や範疇から逸脱することなく、本発明の本質的な特徴を容易に認識することが可能であり、多様な用法や条件に適応して本発明を様々に変更、修飾することができる。
【0034】
当業者は認識すると思われるが、本発明の組成物は、本明細書で例示した方法とは特定の詳細が異なる方法を用いて製造することができる。
【0035】
本発明の下記の実施例は単に例示的なものとして提供され、添付の特許請求の範囲で述べられていることを除き、本発明を限定することはない。
【0036】
実施例 1
本実施例では放射性標識されたCMC組成物の調製について記載する。
【0037】
放射性標識された125キロダルトンから250キロダルトンのカルボキシメチルセルロース溶液は、C−1−[C14]−2−クロロ酢酸を加温塩基性条件下で、無水イソプロピルアルコール内でコットンリンターと反応させることにより調製した。生成固形物を過剰のイソプロピルアルコールと共に洗浄し、減圧下で乾燥することにより単離した。これにより高水溶性のオフホワイトの粉末を得た。反応生成物の分子量を分析し、SEC−MALLS分析により平均分子量250キロダルトンとなった。
【0038】
平均分子量125キロダルトンの放射性標識されたCMCを、高分子量CMCを約2年間2℃から8℃で熟成させることにより得た。平均分子量70キロダルトンの放射性標識されたCMCは、New England Nuclear Corp.、マサチューセッツ州、ビルリカより購入した。
【0039】
実施例 2
本実施例ではカルボジイミドEDCとともに反応させることで修飾されたCMC組成物の製剤化について記載する。
【0040】
乾燥損失による湿気の補正をして52.74グラムのカルボキシメチルセルロースナトリウムを6.88キログラムの水に溶解した。溶液を10℃に冷却し、0.1M HClでpH5.5に調整した。EDC溶液(153.78グラムのEDCを250グラムの水へ溶かしたもの)を、一分あたり16グラムの添加速度で添加し、激しく混合した。0.1N HClの添加により60分間、pH5.5に維持した。食塩水(584.4グラムのNaClを2リットルの水に溶かした250グラムの溶液)を一度に添加し、エタノール(4キログラム、190 proof)を一分間に67グラムの速度で継続的に添加し、反応溶液1キログラムに大して激しく混合し、反応生成物を沈殿させた。混合を停止し、沈殿物を沈殿させた。上清をデカントし、追加のエタノール(残りの沈殿物の二倍量)を加え激しく混合した。混合を再び停止し、粉末を沈殿させ、上清をデカントした。この洗浄手順をもう一度繰り返した。沈殿固形物を金属のスクリーン上に集め、さらにエタノールで洗浄し、減圧下において重量で10%未満の含水量まで乾燥させた。
【0041】
実施例 3
本実施例では放射性標識されたCMCの分子量分析について記載する。
【0042】
分子量分析は直列のSECカラム(TSK G6000PWとG4000PW)を有するHPLCを用いて行った。移動相は0.05 M Na2SO4水溶性で、0.6m ml/分の流速で、pH9、注入量は100μLであった。分子量を、マルチアングルの錯乱レーザー光検出器(Wyatt Technologies)と屈折率検出器(Hewlett−Packard)を組み合わせて用いて測定した。
【0043】
放射活性純度の測定のため、HPLCからの分画(10ml〜20ml(>40 kDa)、および20ml〜31ml (<40kDa))を回収し、液体シンチレーション分光光度計(Model TRI−CARB 1500, Packard)により放射活性を分析した。分画10−20(試料)から1ml、分画20−31(溶剤)から1mlが収集され、10mlのシンチレーション液(Biodegradable Counting Sensalator Lot A3426, Amersham)と混合した。移動相は対照として使用した。
【0044】
実施例4に記載の除去試験(clearance study)で使用されたC14で標識されたCMCの分子量分析の結果を以下の表1に示す。
【0045】
【表1】
【0046】
実施例 4
本実施例ではラットにおけるCMC除去試験について記載する。
【0047】
上記のように調製したC14標識されたCMCは、pH4.0、濃度0.5% w/v、10〜15μCi/mLの比活性で、コハク酸塩で緩衝された食塩水中に溶解した。各動物は、IP注入により25〜40μCi/mLの放射活性CMCを受容した。尿中、糞便中、ケージ中の残余物、器官、および注入後30日までの動物の死骸中の放射活性が分析された。図1はCMCの最初の分子量の関数として体内から排除される放射活性量を示す。図1に示したように、30日後ラット内のC14で標識されたCMCの分布は、ポリマーの分子量の関数になっており、ポリマーのより低分子量の範囲において最大の排除を示す。
【図面の簡単な説明】
【図1】放射性標識されたCMCの量を図示したもので、これは、最初のポリマーの分子量の関数として体内から排除される。
発明の背景
本発明は、体内への移植の約30日以内に吸収され被験者の体内から実質的に除去される、低分子量カルボキシメチルセルロース組成物に関する。本発明の低分子量カルボキシメチルセルロース組成物は、医用インプラントや医薬送達媒体の持続的な放出などの幅広い医学の応用に安全に利用可能である。
【0002】
カルボキシメチルセルロース(「CMC」)、カルボキシメチルアミロース、ヒドロキシエチルセルロースなどのポリアニオン性多糖類は、薬物送達や手術上の癒着形成の防止など幅広い医学の応用に有用である。このような多糖類は、容易に水に溶解し粘稠性の液体を形成する。
【0003】
生体適合性ポリマーは、移植可能な医用装置の製造において通常に利用されてきた。このような装置において、ポリマー性組成物から製造されたインプラントが、現在のFDA規定下で短期インプラントとして指定されるためには、ポリマーの再吸収とそれに続く生体内からの除去が約30日以内に完了しなければならない。これらの規定は、服薬遵守の観点から、短期インプラント装置と長期インプラント装置との間に明確な区別をしており、長期インプラントには大規模な規制精査を必要とする。この精査は主に、長期間生体内に残るよう意図された装置の安全上の必要性に基づいている。
【0004】
ヒアルロン酸(「HA」)とCMCの化学修飾(誘導体または架橋結合)形は、術後期間中の生体組織の接着や癒着を阻止するための外科的な助けとして有用である。誘導体化されたHAゲルまたはフィルムが、相互の接着を阻害するため分離された組織間の部位へ注入または挿入される。化学修飾されたHAはまた、薬物送達の制御された放出に有用である。例えば、HAをカルオジイミドと反応させることにより調製されたHAの誘導体が開示されている米国特許第4,937,270号、米国特許第5,017,229号を参照のこと。これらポリマーの生体からの排除は、化学修飾および/または架橋結合されたポリマーの分子量に依存する。ポリマーは腎臓の糸球体濾過により血液から排除される。
【0005】
同時従属出願中の米国特許出願第08/914,320号には、CMCをEDCなどのカルボジイミドと反応させることにより水に不溶性のCMC組成物を製造する方法が記載されている。この組成物は、薬物を含みうる水に不溶性のゲルを形成することが可能である。これらの組成物を調製するために使用されるCMCの分子量は、9x104ダルトンから3x106ダルトンの範囲であると記載されている。
【0006】
Elkinsらは「ラットにおけるカルボキシメチルセルロースナトリウム溶液による癒着の阻止、生殖能と生殖不能性(Adhesion Prevention by Solutions of Sodium Carboxymethylcellulose in the Rat, Fertility and Sterility)」(1984)において、ラットの腹腔におけるカルボキシメチルセルロースナトリウム溶液及びブドウ糖の滞留時間について記載している。これらの物質は、術後の接着に対する有効性について評価された。カルボキシメチルセルロースナトリウム溶液は分子量が約350,000ダルトンにまで達する。
【0007】
セルロースとその誘導体は、加水分解性の脱重合に対して化学的に著しい抵抗性を有する。CMCは、高温の非常に塩基性の条件下で、アルカリセルロースとクロロ酢酸ナトリウムを反応させることにより調製される。カルボキシメチルセルロースの化学的な非修飾形は水溶性で、水中で容易に分散する。
【0008】
セルロースとその誘導体は、様々な非哺乳生物により酵素的に脱重合させることが可能である。様々な細菌がβ−グルカナーゼを利用してCMCを脱重合することが示されている。Sierks, M.R.ら、Appl. Environ. Microbiol. 50 (3)、634、(1985);Lamot, E.ら、Z. Allg. Mikrobiol. 19、(5), 345、(1976);およびC. G. van Ginkelら、Environ. Tox. Chem. 15、(3)、270、(1996)を参照のこと。真菌もまた、セルロースとCMCの脱重合に必要な酵素を有しており、特に木材腐朽の原因となる真菌がそうである。Almin, K. E.ら、Eur. J. Biochem. 51、(1)、207, (1975);およびKanda, T.ら、J. Biochem. (Tokyo)、84、(5)、1217、(1978)を参照のこと。
【0009】
哺乳類系では、哺乳類が数種の細菌や真菌にみられる分解酵素をもたないために、セルロースを分解することができない。したがって、セルロースとその誘導体が哺乳類へ移植または摂取された場合、容易には分解されないと思われる。セルロースとその誘導体を分解する異化経路が哺乳類では利用できないため、セルロースとその誘導体は水溶性と腎臓通過により除去されなければならない。
【0010】
哺乳類において外因性の薬物、溶質、またはポリマーの除去は、物質が循環系に入った後に起こる。外因性の物質が循環系に入ると、肝代謝、胆汁中排泄、または腎濾過のいずれかにより体内から排出される。肝臓による除去は、肝臓への血流、溶質と血清タンパク質との結合、および溶質が肝臓の酵素または結合部位に結合するか否かなどのいくつかの要因により制御される。「内科学のセシル教本(Cecil Textbook of Medicine)」; Wyngaarden, J.B.およびSmith, L.H., Jr.編: W.B. Saunders Company、フィラデルフィア、1982、pp.50を参照のこと。セルロースとその誘導体の分解酵素は細菌と真菌に特異的であることから、セルロースとその誘導体は哺乳類肝臓の酵素には結合せず、且つ肝臓を介しては排除されないと思われる。したがって、これらの多糖類の主な排出経路は腎濾過、より具体的には糸球体濾過である。
【0011】
腎臓を経由する溶質の経路は、糸球体を経由する経路に制御される。糸球体を介した輸送の速度と容易さは、次に、分子量、電荷、および溶質のストークス・アインシュタイン(Stokes−Einstein)半径により制御される。Oliver, J.D.ら、Bull. Math. Biol., 56, (3), 369 (1994)を参照のこと。糸球体の構造は、IV型コラーゲン原線維と負の電荷を有するヘパラン硫酸プロテオグリカンの網目構造により構成される。Langer, K.H., Klin. Wochen. 63, (18), 835, (1985)を参照のこと。糸球体膜の陰イオン性の荷電は、血清アルブミンなどの負の電荷を有する高分子を排除する。荷電していない高分子が糸球体濾過を通過出来ることが、文献に報告されている。デキストランやポリビニルピロリドンなどの40,000ダルトンから80,000ダルトンの無電荷高分子は、糸球体を容易に通過する。Alt, J.M.ら、Con. Nephrol. 19, 217, (1980)を参照のこと。いかなる大きさであっても、負の電荷を有する高分子は、糸球体壁を容易に通過できないことが示されている。Brenner, B.M.ら、Am. J. Physiol. 234、(6)、F455、(1978)を参照のこと。
【0012】
したがって、糸球体膜に負の電荷を有する種を排除する傾向があるため、カルボキシメチルセルロースなど負の電荷を有するセルロース誘導体が、腎臓を介して哺乳類から除去されることは、当業者により期待されていないと思われる。さらに、哺乳類におけるセルロース誘導体を分解する酵素の欠如により肝臓を介した排出が阻止される。
【0013】
発明の概要
本発明は、医用インプラント、装置、薬物送達媒体の調製に使用される低分子量のセルロース組成物を特徴とする。本発明のセルロース組成物は、非修飾または化学修飾が可能であり、移植後30日以内に被験者の体内に再吸収されることが可能である。典型的なセルロース組成物には、カルボキシメチルセルロースおよびヒドロキシエチルセルロースに基づくものが含まれる。本発明の誘導体化されたセルロース組成物の分子量は約100キロダルトン未満であり、好ましくは約85キロダルトン未満、さらに好ましくは約75キロダルトン未満である。好ましいセルロース組成物は、カルボキシメチルセルロースをカルボジイミドと反応させることにより調製したカルボキシメチルセルロースである。
【0014】
驚くべきことに、分子量が約100キロダルトン未満、好ましくは約85キロダルトン未満、さらに好ましくは約75キロダルトン未満のCMC組成物が、完全に再吸収され被験者の体内から排除され得ることが見出された。分子量が100キロダルトンを超えるCMC組成物は、一般に30日以内に生体に再吸収されることが出来ず、従って現在のFDAの短期インプラントの規定を満たさない。このCMCの分子量と生体がCMCを吸収する能力との間の相関は、当技術分野においてこれまでは知られていなかった。
【0015】
様々なインプラント装置が本発明のCMC組成物とともに調製可能であり、補綴装置、典型的な合成または生物補綴装置、ステント、グラフト、縫合糸、カテーテル、管類、ガイドワイヤなどが含まれるが、これに限定されることはない。これらの装置は日常的な外科手段により体内へ設置することができる。日常的な外科移植の例としては、針またはカニューレによる皮下、筋肉内、静脈内注入、および開腹術または内視鏡検査後の体内へのインプラントの設置が挙げられる。
【0016】
本発明のCMC組成物はまた、移植可能な薬物送達装置としても利用可能である。本態様では、薬物はCMCポリマーマトリクス内に分散される。その後、組成物は、体内において移植に望ましい形状でかたどられ押し出される。適切な薬物には、成長因子および酵素などのタンパク質、医薬品、抗体、バイオポリマー、ならびに生物学的に適合性のある合成ポリマーが含まれる。CMC組成物は、薬物送達の有効性を最大化させるため特定時間での放出特性をもたらすように製剤化され得る。
【0017】
別の態様において本発明は、約100キロダルトン未満の分子量を有するセルロース組成物を選択する段階、治療を必要とする特別な医学的状態に罹患する患者の治療に利用する治療薬を選択する段階、およびインプラント装置を調製するための薬物及びセルロース組成物を混合する段階により、インプラント装置を調製する方法を含む。セルロース組成物は好ましくは分子量が約85キロダルトン未満、より好ましくは約75キロダルトン未満である。好ましいセルロース物質は、カルボキシメチルセルロースの化学修飾体である。薬物とセルロース組成物を、インプラント装置を形成する成分と混合またはブレンドすることにより、物理的に組み合わせることが可能である。装置の薬物放出特性は、成分の相対比率、選択したポリマーの型および溶解度、ならびに粒子の大きさおよび装置内における薬物の分布に依存すると考えられる。
【0018】
本発明はまた、本明細書で使用された全ての技術用語および科学用語が、他に定義されない場合には、本発明の属する業者により一般に理解されるものと同じ意味を持つことが意図される。本明細書に記載の方法および物質に類似またはそれと等価の任意の方法および物質を、本発明の実施または検査に利用することができるが、好ましい方法および物質が本明細書において記載される。本明細書に記載の全ての刊行物は、開示された特許出願、および公布または許可された特許を含むがこれらに限定されることはなく、その全体が参照として本明細書に組み入れられる。特にその他に記述されなければ、本明細書で使用または意図された技術は、当業者によく知られた標準的な方法論である。物質、方法、および実施例は単に例示的なものであって、それらに限定されることはない。
【0019】
本発明のその他の特徴および利点は、これに続く好ましい態様の記載、および特許請求の範囲から明らかになると思われる。
【0020】
発明の詳細な説明
本発明のセルロース組成物は非修飾または化学修飾された形状のセルロースを含み得る。本発明の実施に有用な特定のセルロース化合物としては、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルアミロース、およびヒドロキシエチルセルロースが含まれる。セルロース組成物はまた、添加剤、その他のポリマー、修飾剤、およびいくつかの適用においては薬物を含むことができる。修飾剤は、誘導体化されたカルボキシメチルセルロースの形成に機能する賦活剤、または適切な架橋結合剤であってもよい。
【0021】
本発明のCMC組成物はまた、生体適合性を持たなければならない。本明細書で使用される「生体適合性」物質とは、被験者の生物学的機能に対し、医学的に容認出来ない毒性や有害な効果をもたないものである。
【0022】
カルボキシメチルセルロースは、エーテル結合によりセルロース鎖のグルコース単位で−CH2COOH基が置換された、少なくとも一つの負の電荷を有する基を含むポリアニオン性多糖である。一般にCMCは、例えばアルカリセルロースとクロロ酢酸ナトリウムとを反応させることにより調製することができる。カルボキシメチルセルロースの溶解度は、グルコース単位上のカルボキシメチル基の置換の程度に依存する。同様に、本発明のその他のセルロース化合物の溶解度も、それら化合物の置換の程度に依存する。同様に、本発明のその他のセルロース化合物の溶解度も、化合物の置換の程度に依存する。
【0023】
本明細書で使用される「セルロース」という用語は、非修飾および化学修飾された形状のカルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルアミロース、およびヒドロキシエチルセルロースを含むことが意図される。それは、本明細書で提供される非修飾および化学修飾された形状と同様に、様々な水溶性の程度を有するポリマーを示すことが意図される。
【0024】
化学修飾されたセルロース分子には、適切な架橋結合剤と共にCMCを反応させることにより調製した架橋結合形と同様に、カルボジイミドのような、活性物質と共にCMCを反応させることにより調製したCMCの活性化または誘導体化形を含む。架橋結合産物は、ジビニルスルフォンなどの適切な架橋結合剤を用い、隣接するCMC分子を連結することで3次元立体構造を形成する。
【0025】
ここで、予め選択された分子量未満の分子量を有する化合物の参照化合物が製造された場合、この参照化合物は、形成されたように特定したよりも大きな分子量を持ちうるが、被験者への移植後容易に望ましい範囲内の分子量を有する断片に分解されることが可能な組成物を含むことが意図される。例えばある架橋結合剤は、100キロダルトンを超える分子量を有する架橋結合されたCMC組成物を調製するために使用することができる。使用される特定の架橋結合剤は、比較的不安定で移植後約100キロダルトン未満のCMC断片を生産して分解し得る。
【0026】
本明細書で使用される「被験者」という用語は、ブタ、ウマ、ウシ、およびヤギなどの任意の哺乳類を含むことが意図されるが、好ましくはヒトを意味する。
【0027】
CMCの誘導体化の手順は、水溶性CMC混合物を形成する段階、および混合物を酸性pH、好ましくはpH4.0から5.0の間、より好ましくはpH4.3から4.75の間へ調整する段階を含む。低pH値では好ましい活性物質である1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(「EDC」)は不安定であり、高pH値では反応速度が減少する。一般に反応混合物内でのEDCの好ましい濃度は0.2Mから2.0Mの範囲である。CMCにおけるカルボキシル基のEDCに対する好ましいモル比は約1:1未満であり、より好ましくは約1:4未満、最も好ましくは約1:6未満である。
【0028】
CMC組成物は、組成物を加圧滅菌することにより最終的に無菌化することが可能であり、この方法はポリマーの構造にいかなる有害な影響も与えない。この最終滅菌は無菌処理(aseptic processing)と比べて汚染微生物数が低いため、移植可能な装置や薬物送達媒体を製造する対費用効果の高い方法であり、それゆえインプラントの存在による感染の危険性を減らす。典型的には、最終滅菌は水溶性の調製物の蒸気高圧滅菌を含む。
【0029】
本発明で使用されるCMC組成物は、水溶性または不溶性のいずれかでありうる。「水に不溶性」という用語は一般に、ポリマーが被験者の体内、すなわち一般的な水溶性の環境に移植された場合に、少なくとも約7日間無傷で残存し、30日以内に体内へ完全に吸収されることを意味する。より正確には、本発明の「水に不溶性」のCMC組成物は、CMCの1%水溶液を用いて固形化し、本発明に従って3cm x 3cm x 0.3mmに整形され、20℃で50mlの蒸留水の入ったビーカー中で攪拌せずに静置した場合、20分後に構造的に無傷のままであり、24時間後も物質の構造の境界と縁が存在している組成物である。したがって、本発明のCMC組成物は、生体適合性であるとともに、水溶性であって、且つ不溶性である。
【0030】
本発明のカルボキシメチルセルロース組成物はまた、他のポリアニオン性多糖類、特にヒアルロン酸などの、他の生体適合性ポリマーを含みうる。その他のポリマーは、インプラントまたは薬物送達装置としてCMCを利用するのに有害でなく、組成物中に恩典を有する特質を与える量、存在させることが可能である。このような特質は、改善された防汚性および抗血小板接着活性を含む。本明細書で使用される「血小板接着」という用語は、インプラント装置(すなわち血管壁や補綴装置)の表面と血小板の相互作用による、血小板の表面への蓄積と凝集を意味し、「抗血小板接着」特性を有する装置はこの蓄積を阻止する。
【0031】
本発明のCMC組成物は医用インプラント装置を調製するために使用することができる。組成物は任意の所望の形状にかたどられ、被験者の体内へ移植され得る。鋳型注入がこの目的に有用な技術である。適切な医用インプラント装置には、補綴装置、合成または生物補綴装置、ステント、グラフト、縫合糸、カテーテル、管類、およびガイドワイヤが含まれる。
【0032】
本発明のCMC組成物はまた、移植可能な薬物送達装置を調製するためにも使用することができる。そのような装置は主に被験者に様々な薬物を送達するのに有用であり、成長因子または酵素などのタンパク質、医薬品、抗体、バイオポリマー、及び生物学的に適合性のある合成ポリマーが含まれる。薬物送達装置は、薬物の放出時間にあわせて提供されるように製剤化され得る。ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、デキストラン、デキストラン硫酸、血清アルブミン、ソルビトール、マンニトールなどを含む、当技術分野において既知のその他の添加物および賦形剤もまた、CMC組成物のなかに含められ薬物送達装置の製剤に取り込まれ得る。
【0033】
上記より、当業者は、その精神や範疇から逸脱することなく、本発明の本質的な特徴を容易に認識することが可能であり、多様な用法や条件に適応して本発明を様々に変更、修飾することができる。
【0034】
当業者は認識すると思われるが、本発明の組成物は、本明細書で例示した方法とは特定の詳細が異なる方法を用いて製造することができる。
【0035】
本発明の下記の実施例は単に例示的なものとして提供され、添付の特許請求の範囲で述べられていることを除き、本発明を限定することはない。
【0036】
実施例 1
本実施例では放射性標識されたCMC組成物の調製について記載する。
【0037】
放射性標識された125キロダルトンから250キロダルトンのカルボキシメチルセルロース溶液は、C−1−[C14]−2−クロロ酢酸を加温塩基性条件下で、無水イソプロピルアルコール内でコットンリンターと反応させることにより調製した。生成固形物を過剰のイソプロピルアルコールと共に洗浄し、減圧下で乾燥することにより単離した。これにより高水溶性のオフホワイトの粉末を得た。反応生成物の分子量を分析し、SEC−MALLS分析により平均分子量250キロダルトンとなった。
【0038】
平均分子量125キロダルトンの放射性標識されたCMCを、高分子量CMCを約2年間2℃から8℃で熟成させることにより得た。平均分子量70キロダルトンの放射性標識されたCMCは、New England Nuclear Corp.、マサチューセッツ州、ビルリカより購入した。
【0039】
実施例 2
本実施例ではカルボジイミドEDCとともに反応させることで修飾されたCMC組成物の製剤化について記載する。
【0040】
乾燥損失による湿気の補正をして52.74グラムのカルボキシメチルセルロースナトリウムを6.88キログラムの水に溶解した。溶液を10℃に冷却し、0.1M HClでpH5.5に調整した。EDC溶液(153.78グラムのEDCを250グラムの水へ溶かしたもの)を、一分あたり16グラムの添加速度で添加し、激しく混合した。0.1N HClの添加により60分間、pH5.5に維持した。食塩水(584.4グラムのNaClを2リットルの水に溶かした250グラムの溶液)を一度に添加し、エタノール(4キログラム、190 proof)を一分間に67グラムの速度で継続的に添加し、反応溶液1キログラムに大して激しく混合し、反応生成物を沈殿させた。混合を停止し、沈殿物を沈殿させた。上清をデカントし、追加のエタノール(残りの沈殿物の二倍量)を加え激しく混合した。混合を再び停止し、粉末を沈殿させ、上清をデカントした。この洗浄手順をもう一度繰り返した。沈殿固形物を金属のスクリーン上に集め、さらにエタノールで洗浄し、減圧下において重量で10%未満の含水量まで乾燥させた。
【0041】
実施例 3
本実施例では放射性標識されたCMCの分子量分析について記載する。
【0042】
分子量分析は直列のSECカラム(TSK G6000PWとG4000PW)を有するHPLCを用いて行った。移動相は0.05 M Na2SO4水溶性で、0.6m ml/分の流速で、pH9、注入量は100μLであった。分子量を、マルチアングルの錯乱レーザー光検出器(Wyatt Technologies)と屈折率検出器(Hewlett−Packard)を組み合わせて用いて測定した。
【0043】
放射活性純度の測定のため、HPLCからの分画(10ml〜20ml(>40 kDa)、および20ml〜31ml (<40kDa))を回収し、液体シンチレーション分光光度計(Model TRI−CARB 1500, Packard)により放射活性を分析した。分画10−20(試料)から1ml、分画20−31(溶剤)から1mlが収集され、10mlのシンチレーション液(Biodegradable Counting Sensalator Lot A3426, Amersham)と混合した。移動相は対照として使用した。
【0044】
実施例4に記載の除去試験(clearance study)で使用されたC14で標識されたCMCの分子量分析の結果を以下の表1に示す。
【0045】
【表1】
【0046】
実施例 4
本実施例ではラットにおけるCMC除去試験について記載する。
【0047】
上記のように調製したC14標識されたCMCは、pH4.0、濃度0.5% w/v、10〜15μCi/mLの比活性で、コハク酸塩で緩衝された食塩水中に溶解した。各動物は、IP注入により25〜40μCi/mLの放射活性CMCを受容した。尿中、糞便中、ケージ中の残余物、器官、および注入後30日までの動物の死骸中の放射活性が分析された。図1はCMCの最初の分子量の関数として体内から排除される放射活性量を示す。図1に示したように、30日後ラット内のC14で標識されたCMCの分布は、ポリマーの分子量の関数になっており、ポリマーのより低分子量の範囲において最大の排除を示す。
【図面の簡単な説明】
【図1】放射性標識されたCMCの量を図示したもので、これは、最初のポリマーの分子量の関数として体内から排除される。
Claims (49)
- 約100キロダルトン未満の分子量を有する、非修飾または化学的に修飾されたセルロース組成物を含む、医用インプラント、装置、または移植可能な薬学的製剤。
- 約85キロダルトン未満の分子量を有する、請求項1に記載の医用インプラント、装置、または移植可能な薬学的製剤。
- 約75キロダルトン未満の分子量を有する、請求項1に記載の医用インプラント、装置、または移植可能な薬学的製剤。
- 化学修飾されたセルロース組成物がヒドロキシエチルセルロースである、請求項1に記載の医用インプラント、装置、または移植可能な薬学的製剤。
- 化学修飾されたセルロース組成物がカルボキシメチルセルロースである、請求項1に記載の医用インプラント、装置、または移植可能な薬学的製剤。
- カルボキシメチルセルロースが活性物質と共に反応することで化学修飾される、請求項5に記載の医用インプラント、装置、または移植可能な薬学的製剤。
- 活性物質がカルボジイミドである、請求項6に記載の医用インプラント、装置、または移植可能な薬学的製剤。
- カルボジイミドが、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミドまたは1−エチル−3−(ジメチルアミノプロピル)カルボジイミドメチオジドである、請求項7に記載の医用インプラント、装置、または移植可能な薬学的製剤。
- カルボキシメチルセルロースにおけるカルボキシル基のカルボジイミドに対するモル比が約1:1未満である、請求項7または8に記載の医用インプラント、装置、または移植可能な薬学的製剤。
- カルボキシメチルセルロースにおけるカルボキシル基のカルボジイミドに対するモル比が約1:4未満である、請求項7または8に記載の医用インプラント、装置、または移植可能な薬学的製剤。
- カルボキシメチルセルロースにおけるカルボキシル基のカルボジイミドに対するモル比が約1:6未満である、請求項7または8に記載の医用インプラント、装置、または移植可能な薬学的製剤。
- カルボキシメチルセルロースが架橋結合剤と共に反応することで化学修飾される、請求項5に記載の医用インプラント、装置、または移植可能な薬学的製剤。
- 移植から30日以内に被験者の体内から排除されることが可能な、請求項1に記載の医用インプラント、装置、または移植可能な薬学的製剤。
- 補綴装置である、請求項1に記載の医用インプラント、装置、または移植可能な薬学的製剤。
- 合成または生物補綴装置である、請求項1に記載の医用インプラント、装置、または移植可能な薬学的製剤。
- 縫合糸である、請求項1に記載の医用インプラント、装置、または移植可能な薬学的製剤。
- 管類である、請求項1に記載の医用インプラント、装置、または移植可能な薬学的製剤。
- 組成物が少なくとも一つの他のポリマーを含む、請求項1に記載の医用インプラント、装置、または移植可能な薬学的製剤。
- 少なくとも一つの他のポリマーがヒアルロン酸である、請求項18に記載の医用インプラント、装置、または移植可能な薬学的製剤。
- 約100キロダルトン未満の分子量を有する、非修飾または化学的に修飾されたセルロース組成物を含む、薬物送達装置。
- 約85キロダルトン未満の分子量を有する、請求項20に記載の装置。
- 約75キロダルトン未満の分子量を有する、請求項20に記載の装置。
- セルロース組成物がカルボキシメチルセルロースを含む、請求項20に記載の装置。
- カルボキシメチルセルロースが活性物質と共に反応することで化学修飾される、請求項23に記載の装置。
- 活性物質がカルボジイミドである、請求項24に記載の装置。
- カルボジイミドが、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミドまたは1−エチル−3−(ジメチルアミノプロピル)カルボジイミドメチオジドである、請求項25に記載の装置。
- カルボキシメチルセルロースにおけるカルボキシル基のカルボジイミドに対するモル比が約1:1未満である、請求項25または26に記載の装置。
- カルボキシメチルセルロースにおけるカルボキシル基のカルボジイミドに対するモル比が約1:4未満である、請求項25または26に記載の装置。
- カルボキシメチルセルロースにおけるカルボキシル基のカルボジイミドに対するモル比が約1:6未満である、請求項25または26に記載の装置。
- カルボキシメチルセルロースが架橋結合剤と共に反応することで化学修飾される、請求項20に記載の装置。
- 移植から30日以内に被験者の体内から排除されることが可能な、請求項20に記載の装置。
- 組成物が少なくとも一つの他のポリマーを含む、請求項20に記載の装置。
- 少なくとも一つの他のポリマーがヒアルロン酸である、請求項32に記載の装置。
- 装置が、タンパク質、医薬品、抗体、バイオポリマー、及び生物学的に適合性のある合成ポリマーからなる群より選択される薬物送達に使用される、請求項20に記載の装置。
- タンパク質が成長因子または酵素である、請求項34に記載の装置。
- 以下の段階を含む、インプラント装置を調製する方法:
特定の医学的状態に罹患する患者の治療に使用するための薬物を選択する段階;
分子量約100キロダルトン未満のセルロース組成物を選択する段階であって、インプラント装置の成分として被験者に移植する場合に、あらかじめ定められた放出特性に従って患者内で薬物を放出させることが可能である段階;および
薬物とセルロース組成物を組み合わせることによってインプラント装置を調製する段階。 - セルロース組成物が約85キロダルトン未満の分子量を有する、請求項36に記載の方法。
- セルロース組成物が約75キロダルトン未満の分子量を有する、請求項36に記載の方法。
- セルロース組成物がヒドロキシエチルセルロースである、請求項36に記載の方法。
- セルロース組成物がカルボキシメチルセルロースである、請求項36に記載の方法。
- カルボキシメチルセルロースが活性物質と共に反応することで化学修飾される、請求項40に記載の方法。
- 活性物質がカルボジイミドである、請求項41に記載の方法。
- カルボジイミドが、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミドまたは1−エチル−3−(ジメチルアミノプロピル)カルボジイミドメチオジドである、請求項42に記載の方法。
- カルボキシメチルセルロースにおけるカルボキシル基のカルボジイミドに対するモル比が約1:1未満である、請求項43に記載の方法。
- カルボキシメチルセルロースにおけるカルボキシル基のカルボジイミドに対するモル比が約1:4未満である、請求項43に記載の方法。
- カルボキシメチルセルロースにおけるカルボキシル基のカルボジイミドに対するモル比が約1:6未満である、請求項43に記載の方法。
- カルボキシメチルセルロースが架橋結合剤と共に反応することで化学修飾される、請求項40に記載の方法。
- インプラント装置が移植から30日以内に被験者の体内から排除されることが可能な、請求項36に記載の方法。
- インプラント装置が医学的状態に罹患する患者へ設置された請求項36に記載の方法。
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