JP2004503301A - 透析においてカルシウムのプロファイルを作る方法および装置 - Google Patents
透析においてカルシウムのプロファイルを作る方法および装置 Download PDFInfo
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Abstract
本発明は、フィステル内でのリン酸カルシウム、その他の沈殿物の形成に因るフィステルの機能性損失を防ぐ方法に関する。この方法は、透析液または血液中のカルシウムの量を血漿中のリンの量に関連させてプロファイルを作ることを含む。本発明は、また、透析処理中にカルシウムのプロファイルを作る装置系も含む。
Description
【0001】
(発明の分野)
本発明は、一般に、透析処理法、特に流体中のカルシウム濃度のプロファイルを経時的に作る方法に関する。
【0002】
(発明の背景)
透析治療においては、患者の血液の一部分を体外循環回路を通して、即ち患者の体外に導くことが必要である。このためには、患者の血流に対するアクセスが必要とされる。慢性血液透析治療に最善でかつ最も広く用いられている血管アクセス法は、動静脈フィステル(以後、A−Vフィステルと承知されたい)の形成である。A−Vフィステルは、患者の静脈と動脈との間の直接接続部となすべく、典型的には手術で形成される連結具である。患者の血液はフィステルを通って動脈から静脈へと流れる。フィステルは血液アクセス部位となって、動脈または入口ラインが患者から透析装置へと通り、そして静脈または出口ラインが透析装置から患者に戻るように通っている血液ループを作る。入口ラインは、処理されるべき血液を、患者から、フィステルに挿入された第一カニューレを通して引き出し、一方出口ラインは、処理済み血液(即ち、透析後の血液)を、患者に、フィステルに挿入された、第一カニューレと静脈との間の第二カニューレを通して戻す。或いはまた、フィステルは、任意の動脈を任意の静脈に接続する合成または動物器官の移植体であることができる。本明細書で用いられる用語「フィステル」は、上記のフィステル類、および患者の静脈の1つと患者の動脈の1つとの間に手術で形成または移植される、但し創製されたものである他の連結具の両方を指す。さらに一般的に言うと、用語「シャント(shunt)」または「アクセス(access)」も、血液透析患者か、または他の領域のいずれかにおける任意の同様な連結を意味する。
【0003】
透析治療の1つの副作用は、患者のフィステルが血液を動脈から静脈に効率的に輸送するその能力を、しばしば、徐々に失うということである。脂肪、およびリン酸カルシウムのような他の沈着物が経時的にフィステル内に堆積し、その結果としてフィステル内の血液の流れが徐々に少なくなるのである。血液の流れは、最後に、フィステルを取り替えなければならないような程度まで低下する。しばしば、複数回の取り替えが必要とされるが、このような反復取り替えは透析治療の長期コストの半分以上を占める可能性がある。
【0004】
透析患者が十分な量の透析を受けるには、十分に機能する血管アクセスが必須である。従って、このアクセスを持続して実行できるようにする性質が、透析患者の管理における1つと重要な努力目標となっている。
【0005】
米国だけでにおいてであるが、血管アクセス関連の合併症が血液透析患者の罹病率の主要原因であって、その罹病率は全入院患者の20%超となっている。この罹病率は総末期腎疾患コストの25%もの高率となることが報告されており(Butterly,D.;Schwab,S.J.のReducing the Risk of Hemodialysis Access(血液透析アクセスの危険を下げること)、Am.J.Kidney Dis.、34:362−363(1999))、そして1996年にFeldmanとその共同研究者は米国におけるアクセス関連罹病率の年間コストは10億ドルにのぼると報告した(Feldman,H.I.;Kobrin,S.;Wasserstein,A.のHemodialysis Vascular Access Morbidity(血液透析の血管アクセス罹病率)、J.Am.Soc.Nephrol.、7:523−535(1996))。
【0006】
アクセス機能異常の1つの主要原因は血管狭窄の進行である。血管狭窄は血管の異常な狭隘化または絞窄のことである。狭窄は透析処理法の質を損なわせる原因であって、血液凝固の危険を増す。狭窄を見つけるために、静脈透析圧力の監視、内部アクセス圧力の監視およびアクセス再循環および/またはアクセス流れの測定のような幾つかの臨床戦略が一般に用いられる。経皮血管形成または外科修正手術を利用する狭窄血管の矯正は、血栓率を低下させてアクセスの存続期間を延ばす。しかし、患者の苦しみと関連社会コストの両方を考えると、予防戦略を考え出し、実行できるように、アクセス狭窄の根元的な病原性機構をつまびらかにする試みをなすことが等しく重要であると思われる。
【0007】
同様に、アクセス狭窄は、アクセス部位またはフィステルの異常な狭隘化または絞窄である。前記のように、アクセス狭窄は、アクセス部位またはフィステル中の沈着物によっても引き起こされ得る。アクセス狭窄をもたらす1つのそのような病原性機構は、細胞代謝中に血液の中に形成される破壊産生物が原因となっている可能性がある。このような破壊産生物は酸性であり、従ってそれは血液を酸性にする。正常な腎機能を持つ人では、低血液pHに応答して生理的緩衝剤である重炭酸塩が腎臓から放出されて、血液のpHをより中性なレベルまで上昇させる。透析を受けている患者では、しかし、この緩衝能は患者の腎臓から最早得られず、従ってそれは透析処理によって与えられなければならない。腎機能損失の1つの結果は、ホスフェートイオンが腎臓によって最早排出されず、従って血漿中に蓄積するということである。低い血液酸性度は、リンのような可溶性イオンを患者の血液から沈殿析出させる引き金となるだろう。このような沈殿析出は、患者の静脈中で、そしてアクセス部位またはフィステル中で結晶を形成させることがある。アクセス部位の石灰化も起こり得る。石灰化は、組織内でのカルシウム塩類、その他の無機物の沈着の結果として生ずる組織の硬化である。石灰化は、酸性環境中で血液から沈殿析出する、ブラッシュ石のようなリン酸カルシウムの結晶が沈着することより成る。ブラッシュ石は、Ca+HPO4→CaHPO4の反応で形成される可能性が最も高い。さらに、ブラッシュ石結晶の形状は、循環している血球、さらにまた血管壁の細胞の両者に対して活性化および損傷を引き起こす可能性がある。この仮説を支持するものとして、狭窄静脈中のブラッシュ石沈着物の周りに、凝集している血小板およびフィブリンが見いだされることが明らかにされた。
【0008】
上記のように、リン酸カルシウムの沈着とそれに続くブラッシュ石の沈着は、慢性腎不全の患者のA−Vフィステル中における狭窄病変部の発達に関わっている可能性あると考えらる。血液中と透析流体中の両者でカルシウムとホスフェートの合計濃度が高すぎるために、A−Vフィステル中にブラッシュ石が形成され得るのである。フィステル中でのブラッシュ石の沈着は、フィステルが、リンイオンを高濃度で含み、同時に低pHを有する透析されるべき血液が、透析された、イオンをより低い濃度で含み、しかも同時により高いpHを有する血液と接触する場所であるために起こり得る。
【0009】
透析処理法において、カルシウムとホスフェートの両イオンは透析器の血液側から透析液側に移送される。しかし、血中カルシウムレベルは、生命を脅かす生理的障害を防ぐためにある一定レベル(約1.0mM)以上に維持されなければならない。このような生命を脅かす生理的障害を防ぐためには、血液透析処理法は、従って、その透析処理を通じて失われる血中カルシウムを補う、透析液に対するカルシウムイオンの添加を伴わなければならない。本発明は、透析流体中におけるカルシウム調節のこの困難なバランス、およびA−Vフィステル中におけるブラッシュ石形成の防止に関する。
【0010】
(発明の概要)
本発明は、血液を患者の体からフィステルの所で取り出し、透析器の血液側を通して循環させて、フィステルの所で患者の体に戻し、そしてある溶液を患者に投与する、透析治療を受けている患者におけるフィステルの機能性損失を少なくする方法であって、患者に上記溶液を第一カルシウム濃度において第一期間の間投与し;そしてその患者に、上記溶液を、第一カルシウム濃度よりも高い第二カルシウム濃度において、第一期間の後に続く第二期間の間投与する工程を含む上記の方法を含む。溶液はカルシウムを含むものであって、一般にカルシウム溶液として知られる。「投与する(administrating)」または「投与される(admini−strated)」は、患者に対して与えること(administrating)または送出すること(delivering)を意味する。また、カルシウムの濃度を経時的に変える方法も提供される。本発明は、さらに、血液を患者の体からフィステルの所で取り出し、透析器の血液側を通して循環させて、フィステルの所で患者の体に戻し、そしてカルシウムを患者に投与する、透析治療を受けている患者におけるフィステルの機能性損失を少なくする方法であって、カルシウムを第一速度で投与し;そして患者に投与されるカルシウムの速度を経時的に高める工程を含む上記の方法を包む。カルシウム溶液の流量を経時的に変える方法も提供される。本発明は、また、透析液としての溶液のための第一流れ回路、血液のための第二流れ回路、濾過装置を上記第一流れ回路に接続されている第一チャンバーと上記第二流れ回路に接続されている第二チャンバーとに仕切る半透膜を含んでいるそのような濾過装置を含む透析装置系であって、カルシウムコンセントレート流体の流れを与えるカルシウムコンセントレートの供給源(supply)、およびカルシウムコンセントレート流体の流れを制御するためのカルシウムコンセントレート流体の流れ調節装置を特徴とする上記の装置系も含む。送出および投与についての言及は、J.T.DaugirdasおよびT.S.Ingの「Handbook of Dialysis(透析ハンドブック)」、1988年、Little,Brown & Co.、ボストン市/トロント市に見いだされる。
【0011】
(詳細な説明)
上記で紹介したように、フィステルは、一般に、透析処理法において患者の血流にアクセスするために使用される。本明細書で用いられる一般的用語である透析は、数ある同様の治療手法の中でもとりわけ、血液透析、血液濾過、血液透析濾過および治療用血漿交換(TPE)を包含する。透析においては、一般に、血液は患者の体から取り出され、そしてその血液から諸物質を分離し、および/またはその血液に諸物質を加える処理装置に曝露され、次いで体に戻される。本発明で用いられる透析処理法は血液透析に関する例によって説明されるけれども、本発明は範囲が血液透析に限定されないと理解されるものである。
【0012】
図1は、例えば透析患者の腕18に形成された動静脈フィステル60を示す。動脈86と静脈9との間に手術で形成された接続部60は、患者の血液に対する血管アクセス場所として働く。透析されることを必要とする血液はこのフィステルから抜き出され、一方透析された浄化血液はそのフィステルを通って患者に戻される。フィステルは、通常、患者の腕の中に配置されるが、フィステルを置くことができる場所のどこにでも配置することができる。
【0013】
図2は、ヒトの狭窄フィステルの内壁に沈着していることが見いだされたイオン類のX−線スペクトル図のグラフを示す。このグラフに示されるように、リンイオン対カルシウムイオンの濃度は1:1比となっていることが分かる。これは、リン対カルシウムが1:1比であることを述べる文献におけるブラッシュ石形成の説明に符号する。(Elliot,J.C.のStructure and Chemistry of the Apatites and Other Calcium Orthophosphates(アパタイト類および他のオルトリン酸カルシウム類の構造と化学)、Stud.In Inorganic Chem.、18、23−30(1994))。ブラッシュ石の形成に際して、リンは一水素ホスフェートとして存在し、そしてブラッシュ石の沈着はその一水素ホスフェートイオンとカルシウムイオンとの直接反応により起こる。
【0014】
図2と比較して、図3は、非狭窄フィステルの内壁に沈着したイオン類のX−線スペクトル図のグラフを示す。図3のグラフに示されるように、非狭窄フィステル中のリンイオン対カルシウムイオンの濃度は1:1比となっていることは見いだされない。この知見は、非狭窄フィステル中に見いだされるブラッシュ石の結晶はないということに符合する。
【0015】
図2に示されるようなカルシウムイオン対リンイオンの1:1濃度に起因するフィステル中におけるブラッシュ石の形成を防ぐために、透析処理中に患者に投与されるカルシウムの濃度は経時的に変えることができる。図4に示されるように、透析液中に存在するカルシウムの量は透析処理の時間の経過に対して変えることができ、そしてまたそれは血漿中におけるリン濃度の任意の減少に従って変えることができる。或いはまた、カルシウムは段階式(図示されず)で経時的に変えることもできる。個々の患者の血漿中におけるリンの濃度を検出し、それに応じてカルシウム濃度を調整するセンサーを使用することもできる。もう1つ別の態様においてはカルシウムプロファイルを作ることが可能であるが、それは血漿中のリン濃度は患者に関係なく標準速度で減少すると推定し、従って標準プロファイルを利用するものである。
【0016】
カルシウムのプロファイルを作ること(calcium profiling)は、一水素ホスフェートの血中レベルは透析期間中に減少するという事実を前提とするものである。従って、透析処理の開始後のある期間において、一水素ホスフェートレベルが十分に低く、ブラッシュ石の形成が起こる見込みがないとき、血液または透析液流体に対するカルシウムの添加が始められる。
【0017】
さらにはっきり説明すると、フィステル中のカルシウムイオン濃度は、ある程度、透析液流体中に含まれるカルシウムの濃度に依存するが、これに対してリンイオン濃度は専ら血漿中ホスフェートに由来する。血漿中のホスフェート濃度がカルシウムを低濃度で有する透析液で減少されるならば、透析期間がある時間、例えば図4の典型的なプロファイル(profile)に示される15〜30分になると、血漿中カルシウム濃度は透析液流体に対するカルシウムの添加によって減少されるだろう。このようなカルシウムのプロファイルを作ることは、ブラッシュ石の形成可能性を低下させる助けになるだろう。この着想は、血液中のリンイオン濃度は透析処理の開始時点で最高で、続いてその処理が続くにつれて経時的に減少するということを仮定している。さらに、透析液のpHを高く保っておくことによって、カルシウムイオンおよびリンイオンはさらに容易に溶解状態に留まるようになり、従ってフィステル中で起こり得るブラッシュ石の形成は潜在的に回避することができる。
【0018】
図4は、本発明による透析処理中の、透析液中におけるカルシウムイオンの、透析患者の血液中におけるリンイオンに対する比の1つの提案されたプロファイルを示すものである。透析液中のカルシウムイオン濃度が、血漿中のリンイオン濃度に対して経時的に図示されている。図4に示されるように、透析処理の開始時点において、そして第一期間においては、血漿中のリン濃度は高い。従って、患者に対して、透析液流体の中にかまたは患者の血液中に直接にかのいずれかにおいて投与されるカルシウムの濃度は低く保たれる。透析処理が進行するにつれて、第二期間においては、血液中のリンの量は透析器による濾過に起因して減少する。従って、透析液溶液中のカルシウム濃度は増加せしめられる。血液中のリン濃度に応答してカルシウム濃度を本発明に従って変えることにより、フィステル中でのブラッシュ石結晶の形成を避けることができ、それによってフィステルの石灰化、およびブラッシュ石形成に因る後続狭窄の確率が低下せしめられる。
【0019】
もう1つの態様(図示されず)において、患者に対して、透析流体の中にかまたは患者の血液中に直接にかのいずれかにおいて投与されるカルシウムの量は、カルシウムを含んでいる溶液の流量を経時的に増すことによって増加させることができる。
【0020】
図4に示されるプロファイルは単に例示であって、限定することを意味するものではない。この技術分野の当業者であれば、本明細書で説明される原理を用いて他のプロファイルを創り出すことができると理解される。異なるプロファイルの使用は、以下においてさらに詳細に説明される。
【0021】
ここで、以下においては、透析患者のフィステル中におけるブラッシュ石の形成を回避する解決法であると現在のところ考えられる態様の説明が続く。
【0022】
図面において同様の参照番号は同様の部分を意味するが、これら図面を参照して説明すると、図5は、カルシウムのプロファイルの作成手順を本発明に従って遂行することができる体外血液処理装置系の1つの態様を模式的線図として示すものである。
【0023】
透析処理のための第一流れ回路40は主または第一導管1を含み、その導管1は液体貯槽または加熱容器2のような水の適当な供給源から始まっている。液体貯槽2は、その中に、純水を、例えば逆浸透圧装置(図示されず)から導入するための入口15を含むことができる。主導管1はスロットリング機構3、圧力ゲージ4、ポンプ5、および空気出口(図示されず)を設けてもよい脱気装置6を含むことができる。この主導管は、また、導電率計14および26をそれぞれ含んでいることもできる。
【0024】
水は液体貯槽2から主または第一導管1を経由して第一流れ回路40に入ってもよいし、或いはまた同回路に第一コンセントレート回路8を通って入ってもよい。コンセントレート回路8は粉末コンセントレートカラム10を含んでいることができ、そのカラムは重炭酸ナトリウム粉末を含んでいることができる。第一コンセントレート回路8は主導管1と混合地点7において連通している。主導管1には導電率計14または他の測定装置を設けることもできる。導電率計14または他の測定装置は、粉末コンセントレートカラム10の下流にあるコンセントレート導管8に設けられている流れ調節装置またはポンプ13を制御できるようになっている。以下でにおいて説明されるように、流れ調節装置13がスロットルであるならば、主ラインのスロットル装置3は図示される混合地点7の上流に配置されるのがよい。もう1つの態様によれば、流れ調節装置は、計量供与ポンプ(metering dosage pump)、可変排出ポンプ(variable displacement pump)または比例弁(proportional valve)(図示されず)であることができる。
【0025】
前記のように、流れ調節装置13は単純な調整自在スロットリング装置であることができる。これは、ライン1を通る主透析液の流れおよび流体用導管8中におけるコンセントレート流体の生成の両方のために貯槽2から水を抜き出すのに、1つだけのポンプ5が使用できる点で有利である。スロットリング装置3が水の供給源2と混合地点7との間の主ライン1の中に配置される場合、および脱気装置6がポンプ5の下流にある主ダクトの中に配置される場合は、同ポンプ5は主ライン1および調製済み透析液流体の両者を脱気するためにも利用することができる。透析液流体の調製には、ポンプ5は主ライン1の中で少なくとも500mL/分までの流量を取り扱うように作動できるのが好ましく、そして約1,000mL/分までの流量を取り扱うように作動できるのがさらに好ましい。流れ調節手段13は、他方では、好ましくは、主ライン1の中で約1,000mL/分の流量において、約40mL/分までの、または少なくとも30mL/分までの流量を取り扱うように作動できるべきである。
【0026】
導電率計14の下流に第二混合地点23が設けられている。混合地点23において、好ましくは塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、塩化カリウム、少量の酢酸およびグルコースを含んでいる第二コンセントレート流体を、主ライン1の中に、第二コンセントレート導管またはダクト24を経由して導入することができる。この第二コンセントレートは固体または液体形態をしていることができるが、好ましい態様ではこのコンセントレートは液体形態をしている。第二コンセントレート25はこの技術分野で知られている通常の“A”コンセントレートに実質的に相当する。1つの好ましい態様では、第二コンセントレートはカルシウムを含まない。第二コンセントレート流体の第二コンセントレートダクト24を通る流れは、主導管1の中の混合地点23の下流に配置されている導電率計26または他の測定装置を使って調節することができる。導電率計26は第二コンセントレートダクト24の中に配置されている流れ調節装置27を制御する。
【0027】
図5に示される態様において、導電率計26の下流には第三混合地点53が設けられている。混合地点53で、濃縮カルシウムを含んでいる流体を、第一導管1の中に、第三コンセントレート導管またはダクト54を経由して導入することができる。ダクト54は、この例ではカルシウムコンセントレートが入っている容器であるコンセントレートの供給源55と連通している。濃縮カルシウムは、本発明の精神と範囲から逸脱しない限り、固体形態またはカルシウム溶液のような液体形態をしていることができる。1つの態様によれば、透析液溶液中のカルシウム濃度は塩化カルシウムを含んでいる溶液であることができる。このカルシウム溶液は1〜1.75mMの間の可変カルシウム量を有することができる(Kracler,M.、Scharfetter,H.、Wimsberger,G.H.のClinical Nephrology、2000、54:35−44およびArgiles i Ciscart,A.のNephrol Dial.Transplant、1995、10:451−454)。
【0028】
第三コンセントレートダクト54を通って放出されるカルシウムコンセントレートの量は、主導管1の中に配置されている導電率計56または他の測定装置を使って調節することができる。導電率計56はコンセントレートダクト54の中に配置されている流れ調節装置57を制御することができる。流れ調節装置57は可変出力ポンプであってもよいし、或いは比例バルブであってもよい。
【0029】
かくして、図5に示されるように、3つのコンセントレート10、25および55が、それぞれ、主ダクト1に、3つの別々の混合地点7、23および53において導かれるべきならば、調製済み溶液の組成を正確に監視するための導電率計14、26および56または他の同様の測定装置を用いることが重要であることが了解されるだろう。この方式においては、透析液溶液の組成は、第二および第三混合地点23および53の下流のみならず上流の両方において正確に監視することができる。
【0030】
調製済み透析液溶液のpHの最終監視用に、任意のpH計28を、第三混合地点53の下流であるが、バイパス弁29および主弁30の上流における主導管1の中に配置することができる。本装置系はそれら弁29および30を通して透析器100に接続することができる。主導管1において、導電率計14、26または56および/またはpH計28の任意の1つまたは全部から得られる測定値が所望値と一致しないならば、主弁30を閉じ、そしてバイパス弁29を開けることができる。この目的のために、導電率計14、26およ6並びにpH計28は、全て、弁29および30を制御するための入力を与えると示される。主導管1を通して導かれる流体の性質を測定するための各種計量器が弁29および30を制御するのが好ましいけれども、それに代えて、各種導管に入り、それら導管を通って流れる流体の流れを止めるか、さもなければ変えるためにポンプ5、13、27および57の1つまたは2つ以上を制御することが可能であることも了解されるだろう。
【0031】
図5に示されるように、透析液中のカルシウム濃度を時間の関数として制御するための可変出力ポンプ57に制御装置110が接続されるのが好ましい。この目的のために、制御装置110は導電率計56から信号を受け取り、そして制御信号をポンプ57に送る。かくして、可変出力ポンプ57は閉ループフィードバックシステムによって制御される。制御装置100には、所望とされるカルシウム濃度対時間の多数のプロファイルを記憶することができる。このようなプロファイルの1例が前記の図4に示される。患者の低カルシウム濃度に対する反応は非常に異なるので、1つの態様は、制御装置110に記憶されている個々の患者の個人的カルシウム濃度プロファイルを含むことができるものである。もう1つの態様は、ある特定の患者タイプまたは患者グループの特定のプロファイルを記憶できるものである。制御装置110は、また、特定のカルシウムプロファイルの手動または自動調整および選択用のユーザーインターフェース115を含むこともできる。もう1つの態様によれば、制御装置110は、カルシウムプロファイルの自動的な選択および調整を行うために、データ交換用の、透析装置系の他の制御要素(図示されず)と通じている。
【0032】
図5の態様において、弁30の下流には流量計46が第一導管1の中に配置されていることができる。第一導管1は濾過または加工処理装置100まで延びている。透析では、濾過装置100は透析器であることができ、この透析器はフィルターと称することもできる。透析器または濾過装置100は、血液透析濾過装置、血液濾過装置、限外濾過装置、またはこの技術分野で知られている他のタイプの濾過装置であることができる。濾過装置100は、第一チャンバー101が第二チャンバー102から半透膜103で分離されているそのような第一および第二チャンバーに分割されているものとして模式的に示されている(詳細には示されず)。この体外装置系において、透析器100の第一チャンバー101は流体を透析液または第一流れ回路40から受け入れ、また第二チャンバー102は血液を血液または第二流れ回路12から受け入れる。導管68が流量計47からポンプ63まで延び、そのポンプが透析液を出口64まで輸送する。もう1つの導管69が弁29を導管68に接続している。
【0033】
上記で紹介したように、この装置系は、一般に、共に患者の血管系(図1の要素60を参照されたい)に接続される第一および第二導管71および72を有する、体外血液流れ回路である第二流れ回路12を含む。血液アクセスおよび血液戻り装置76および77が、それぞれ血液を患者から取りだし、そして患者に戻す。アクセスおよび戻り装置76および77は、この技術分野で理解されているとおり、カニューレ、カテーテル、翼付針等であることができる。導管71および72も濾過または加工処理装置100に接続されている。蠕動ポンプ80が第一導管71と連動して作動する関係で配置されている。図5において、体外血液流れ回路12は、混合地点74で血液の流れの中にヘパリンのような抗凝固薬を混入するための常用抗凝固薬ポンプ85を含んでいるのが好ましい。抗凝固薬ポンプ85はヘパリンコンセントレートが満たされているシリンジであることができ、そして制御装置(図示されず)により制御できるアクチュエーター87を含んでいることができる。この技術分野で理解されているように、血液を脱気するための気泡捕捉ドリップチャンバー66が第二導管72の中に示されている。気泡検出器67が気泡トラップ66上にまたは同トラップに隣接して含まれていることが多い。体外血液流れ回路12においては、本発明の精神と範囲から逸脱しない限り、数多くの他の構成部品装置が使用できる。体外血液流れ回路12には圧力センサー88、89および90、さらにまた管クランプ61および62が含まれていることができる。
【0034】
図6に示されるように、また図5で説明される態様を参照して上記で既に説明したように、透析溶液のための第一流れ回路は、中で色々なコンセントレートを混合することができる主または第一導管1を含む。以下でさらに詳細に説明されることを除けば、図6の態様は図5で説明される態様と同様であって、同様の番号は対応する同様の要素を表す。これら要素の反復説明をここではさらに繰り返すことはしない。図6には、主ライン1への接続用のカルシウムコンセントレート用サブシステム(図5の混合地点53、管54、容器55およびポンプ57を参照されたい)は含められていない。
【0035】
図6において、常用抗凝固薬ポンプ85と構造が類似するカルシウムポンプ95が、カルシウムを体外循環回路12の血液の流れ側に送出するために使用することができる。ポンプ95は、抗凝固薬混合地点74の下流の導管71の中に配置されているカルシウム混合地点75においてカルシウムを回路72に送出する。ポンプ95から血液回路12に加えられる一部のカルシウムはフィルター100の膜103の向こう側に移行して透析回路40に入ることがある。カルシウムが一旦透析回路40に入ると、一部のカルシウムは透析液出口65を経由して失われることがある。このため、カルシウムは患者に必要であるよりも高い濃度または量で装置系に加えられなければならないが、これはある程度の量のカルシウムが透析回路側40に失われるという理解による。
【0036】
カルシウムが膜103を横断して失われるのを防ぐもう1つの代替態様(図示されず)は、図6に示されるポンプ95と同様のカルシウムポンプを血液回路側12に管部分72の位置42の所で接続する態様である。このような接続は、カルシウムが透析回路に入るのを防ぐことができる。このカルシウムは血液戻り装置76を経由して患者の中に直接流入することになろう。
【0037】
カルシウムポンプ95は輸液としてのカルシウムコンセントレートを含むシリンジであることができ、そしてまたアクチュエーター機構97に接続されることができ、その機構97はまた制御装置110に接続されることができる。
【0038】
もう1つの態様(図示されず)によれば、カルシウムコンセントレートを送出するためのカルシウムポンプは、蠕動ポンプであることができる。患者の正確な投薬のために、カルシウムコンセントレートを、秤りからつり下げられているバッグから供給することもできる。その秤りからの信号を、そのポンプを駆動するために制御装置110によって用いることができる。体外循環回路中へのカルシウムの添入は、本発明の精神と範囲を逸脱しない限り、その回路内の他の場所で行ってもよい。カルシウムの添加は、限定されないがステッパー電動機を含めて他の周知の方法および手段で行うこともできる。
【0039】
さらに、血液のpHはフィステル中でのブラッシュ石結晶の形成においてある一定の役割を果たし得るという仮説が立てられている。7.3未満のpHにおいては、リン酸カルシウムはブラッシュ石の結晶を形成するそのような仕方で血液から沈殿析出することができる。7.5より高い血液pHでは、しかし、リン酸カルシウムは、フィステル中での狭窄形成には寄与しないヒドロキシアパタイト結晶として血液から沈殿析出することができる。ブラッシュ石の形成を避けるもう1つの方法は、前記のカルシウムのプロファイルを作るかまたは作らずに、血漿のpHをある種のやり方で十分に高く維持する方法である。これは、アセテートを含まないバイオ濾過(biofiltration)によって(図示されず)、または重炭酸塩を直接血流中に注入することによって(図示されず)達成できると思われる。
【0040】
以上説明された諸態様に対する色々な変更および修正は、この技術分野の当業者には明白であると理解されるべきである。これらの実施例は限定することを意味するものではなく、むしろ、本発明の精神と範囲から逸脱することなく、そしてそれに付随する利点を減ずることなく行うことができる諸修正の典型的な例である。
【図面の簡単な説明】
【図1】透析患者の腕に形成された動静脈フィステルを示す。
【図2】狭窄フィステルの内壁に沈着したイオン類のX−線スペクトル図のグラフである。
【図3】非狭窄フィステルの内壁に沈着したイオン類のX−線スペクトル図のグラフである。
【図4】透析処理中の透析液流体中におけるカルシウムイオン対リンイオンの代表的なプロファイルを描く。
【図5】透析処理中にカルシウムの量を変えるのに用いることができる透析回路の模式図である。
【図6】透析処理中にカルシウムの量を変えるのに用いることができる透析回路のもう1つの態様の模式図である。
(発明の分野)
本発明は、一般に、透析処理法、特に流体中のカルシウム濃度のプロファイルを経時的に作る方法に関する。
【0002】
(発明の背景)
透析治療においては、患者の血液の一部分を体外循環回路を通して、即ち患者の体外に導くことが必要である。このためには、患者の血流に対するアクセスが必要とされる。慢性血液透析治療に最善でかつ最も広く用いられている血管アクセス法は、動静脈フィステル(以後、A−Vフィステルと承知されたい)の形成である。A−Vフィステルは、患者の静脈と動脈との間の直接接続部となすべく、典型的には手術で形成される連結具である。患者の血液はフィステルを通って動脈から静脈へと流れる。フィステルは血液アクセス部位となって、動脈または入口ラインが患者から透析装置へと通り、そして静脈または出口ラインが透析装置から患者に戻るように通っている血液ループを作る。入口ラインは、処理されるべき血液を、患者から、フィステルに挿入された第一カニューレを通して引き出し、一方出口ラインは、処理済み血液(即ち、透析後の血液)を、患者に、フィステルに挿入された、第一カニューレと静脈との間の第二カニューレを通して戻す。或いはまた、フィステルは、任意の動脈を任意の静脈に接続する合成または動物器官の移植体であることができる。本明細書で用いられる用語「フィステル」は、上記のフィステル類、および患者の静脈の1つと患者の動脈の1つとの間に手術で形成または移植される、但し創製されたものである他の連結具の両方を指す。さらに一般的に言うと、用語「シャント(shunt)」または「アクセス(access)」も、血液透析患者か、または他の領域のいずれかにおける任意の同様な連結を意味する。
【0003】
透析治療の1つの副作用は、患者のフィステルが血液を動脈から静脈に効率的に輸送するその能力を、しばしば、徐々に失うということである。脂肪、およびリン酸カルシウムのような他の沈着物が経時的にフィステル内に堆積し、その結果としてフィステル内の血液の流れが徐々に少なくなるのである。血液の流れは、最後に、フィステルを取り替えなければならないような程度まで低下する。しばしば、複数回の取り替えが必要とされるが、このような反復取り替えは透析治療の長期コストの半分以上を占める可能性がある。
【0004】
透析患者が十分な量の透析を受けるには、十分に機能する血管アクセスが必須である。従って、このアクセスを持続して実行できるようにする性質が、透析患者の管理における1つと重要な努力目標となっている。
【0005】
米国だけでにおいてであるが、血管アクセス関連の合併症が血液透析患者の罹病率の主要原因であって、その罹病率は全入院患者の20%超となっている。この罹病率は総末期腎疾患コストの25%もの高率となることが報告されており(Butterly,D.;Schwab,S.J.のReducing the Risk of Hemodialysis Access(血液透析アクセスの危険を下げること)、Am.J.Kidney Dis.、34:362−363(1999))、そして1996年にFeldmanとその共同研究者は米国におけるアクセス関連罹病率の年間コストは10億ドルにのぼると報告した(Feldman,H.I.;Kobrin,S.;Wasserstein,A.のHemodialysis Vascular Access Morbidity(血液透析の血管アクセス罹病率)、J.Am.Soc.Nephrol.、7:523−535(1996))。
【0006】
アクセス機能異常の1つの主要原因は血管狭窄の進行である。血管狭窄は血管の異常な狭隘化または絞窄のことである。狭窄は透析処理法の質を損なわせる原因であって、血液凝固の危険を増す。狭窄を見つけるために、静脈透析圧力の監視、内部アクセス圧力の監視およびアクセス再循環および/またはアクセス流れの測定のような幾つかの臨床戦略が一般に用いられる。経皮血管形成または外科修正手術を利用する狭窄血管の矯正は、血栓率を低下させてアクセスの存続期間を延ばす。しかし、患者の苦しみと関連社会コストの両方を考えると、予防戦略を考え出し、実行できるように、アクセス狭窄の根元的な病原性機構をつまびらかにする試みをなすことが等しく重要であると思われる。
【0007】
同様に、アクセス狭窄は、アクセス部位またはフィステルの異常な狭隘化または絞窄である。前記のように、アクセス狭窄は、アクセス部位またはフィステル中の沈着物によっても引き起こされ得る。アクセス狭窄をもたらす1つのそのような病原性機構は、細胞代謝中に血液の中に形成される破壊産生物が原因となっている可能性がある。このような破壊産生物は酸性であり、従ってそれは血液を酸性にする。正常な腎機能を持つ人では、低血液pHに応答して生理的緩衝剤である重炭酸塩が腎臓から放出されて、血液のpHをより中性なレベルまで上昇させる。透析を受けている患者では、しかし、この緩衝能は患者の腎臓から最早得られず、従ってそれは透析処理によって与えられなければならない。腎機能損失の1つの結果は、ホスフェートイオンが腎臓によって最早排出されず、従って血漿中に蓄積するということである。低い血液酸性度は、リンのような可溶性イオンを患者の血液から沈殿析出させる引き金となるだろう。このような沈殿析出は、患者の静脈中で、そしてアクセス部位またはフィステル中で結晶を形成させることがある。アクセス部位の石灰化も起こり得る。石灰化は、組織内でのカルシウム塩類、その他の無機物の沈着の結果として生ずる組織の硬化である。石灰化は、酸性環境中で血液から沈殿析出する、ブラッシュ石のようなリン酸カルシウムの結晶が沈着することより成る。ブラッシュ石は、Ca+HPO4→CaHPO4の反応で形成される可能性が最も高い。さらに、ブラッシュ石結晶の形状は、循環している血球、さらにまた血管壁の細胞の両者に対して活性化および損傷を引き起こす可能性がある。この仮説を支持するものとして、狭窄静脈中のブラッシュ石沈着物の周りに、凝集している血小板およびフィブリンが見いだされることが明らかにされた。
【0008】
上記のように、リン酸カルシウムの沈着とそれに続くブラッシュ石の沈着は、慢性腎不全の患者のA−Vフィステル中における狭窄病変部の発達に関わっている可能性あると考えらる。血液中と透析流体中の両者でカルシウムとホスフェートの合計濃度が高すぎるために、A−Vフィステル中にブラッシュ石が形成され得るのである。フィステル中でのブラッシュ石の沈着は、フィステルが、リンイオンを高濃度で含み、同時に低pHを有する透析されるべき血液が、透析された、イオンをより低い濃度で含み、しかも同時により高いpHを有する血液と接触する場所であるために起こり得る。
【0009】
透析処理法において、カルシウムとホスフェートの両イオンは透析器の血液側から透析液側に移送される。しかし、血中カルシウムレベルは、生命を脅かす生理的障害を防ぐためにある一定レベル(約1.0mM)以上に維持されなければならない。このような生命を脅かす生理的障害を防ぐためには、血液透析処理法は、従って、その透析処理を通じて失われる血中カルシウムを補う、透析液に対するカルシウムイオンの添加を伴わなければならない。本発明は、透析流体中におけるカルシウム調節のこの困難なバランス、およびA−Vフィステル中におけるブラッシュ石形成の防止に関する。
【0010】
(発明の概要)
本発明は、血液を患者の体からフィステルの所で取り出し、透析器の血液側を通して循環させて、フィステルの所で患者の体に戻し、そしてある溶液を患者に投与する、透析治療を受けている患者におけるフィステルの機能性損失を少なくする方法であって、患者に上記溶液を第一カルシウム濃度において第一期間の間投与し;そしてその患者に、上記溶液を、第一カルシウム濃度よりも高い第二カルシウム濃度において、第一期間の後に続く第二期間の間投与する工程を含む上記の方法を含む。溶液はカルシウムを含むものであって、一般にカルシウム溶液として知られる。「投与する(administrating)」または「投与される(admini−strated)」は、患者に対して与えること(administrating)または送出すること(delivering)を意味する。また、カルシウムの濃度を経時的に変える方法も提供される。本発明は、さらに、血液を患者の体からフィステルの所で取り出し、透析器の血液側を通して循環させて、フィステルの所で患者の体に戻し、そしてカルシウムを患者に投与する、透析治療を受けている患者におけるフィステルの機能性損失を少なくする方法であって、カルシウムを第一速度で投与し;そして患者に投与されるカルシウムの速度を経時的に高める工程を含む上記の方法を包む。カルシウム溶液の流量を経時的に変える方法も提供される。本発明は、また、透析液としての溶液のための第一流れ回路、血液のための第二流れ回路、濾過装置を上記第一流れ回路に接続されている第一チャンバーと上記第二流れ回路に接続されている第二チャンバーとに仕切る半透膜を含んでいるそのような濾過装置を含む透析装置系であって、カルシウムコンセントレート流体の流れを与えるカルシウムコンセントレートの供給源(supply)、およびカルシウムコンセントレート流体の流れを制御するためのカルシウムコンセントレート流体の流れ調節装置を特徴とする上記の装置系も含む。送出および投与についての言及は、J.T.DaugirdasおよびT.S.Ingの「Handbook of Dialysis(透析ハンドブック)」、1988年、Little,Brown & Co.、ボストン市/トロント市に見いだされる。
【0011】
(詳細な説明)
上記で紹介したように、フィステルは、一般に、透析処理法において患者の血流にアクセスするために使用される。本明細書で用いられる一般的用語である透析は、数ある同様の治療手法の中でもとりわけ、血液透析、血液濾過、血液透析濾過および治療用血漿交換(TPE)を包含する。透析においては、一般に、血液は患者の体から取り出され、そしてその血液から諸物質を分離し、および/またはその血液に諸物質を加える処理装置に曝露され、次いで体に戻される。本発明で用いられる透析処理法は血液透析に関する例によって説明されるけれども、本発明は範囲が血液透析に限定されないと理解されるものである。
【0012】
図1は、例えば透析患者の腕18に形成された動静脈フィステル60を示す。動脈86と静脈9との間に手術で形成された接続部60は、患者の血液に対する血管アクセス場所として働く。透析されることを必要とする血液はこのフィステルから抜き出され、一方透析された浄化血液はそのフィステルを通って患者に戻される。フィステルは、通常、患者の腕の中に配置されるが、フィステルを置くことができる場所のどこにでも配置することができる。
【0013】
図2は、ヒトの狭窄フィステルの内壁に沈着していることが見いだされたイオン類のX−線スペクトル図のグラフを示す。このグラフに示されるように、リンイオン対カルシウムイオンの濃度は1:1比となっていることが分かる。これは、リン対カルシウムが1:1比であることを述べる文献におけるブラッシュ石形成の説明に符号する。(Elliot,J.C.のStructure and Chemistry of the Apatites and Other Calcium Orthophosphates(アパタイト類および他のオルトリン酸カルシウム類の構造と化学)、Stud.In Inorganic Chem.、18、23−30(1994))。ブラッシュ石の形成に際して、リンは一水素ホスフェートとして存在し、そしてブラッシュ石の沈着はその一水素ホスフェートイオンとカルシウムイオンとの直接反応により起こる。
【0014】
図2と比較して、図3は、非狭窄フィステルの内壁に沈着したイオン類のX−線スペクトル図のグラフを示す。図3のグラフに示されるように、非狭窄フィステル中のリンイオン対カルシウムイオンの濃度は1:1比となっていることは見いだされない。この知見は、非狭窄フィステル中に見いだされるブラッシュ石の結晶はないということに符合する。
【0015】
図2に示されるようなカルシウムイオン対リンイオンの1:1濃度に起因するフィステル中におけるブラッシュ石の形成を防ぐために、透析処理中に患者に投与されるカルシウムの濃度は経時的に変えることができる。図4に示されるように、透析液中に存在するカルシウムの量は透析処理の時間の経過に対して変えることができ、そしてまたそれは血漿中におけるリン濃度の任意の減少に従って変えることができる。或いはまた、カルシウムは段階式(図示されず)で経時的に変えることもできる。個々の患者の血漿中におけるリンの濃度を検出し、それに応じてカルシウム濃度を調整するセンサーを使用することもできる。もう1つ別の態様においてはカルシウムプロファイルを作ることが可能であるが、それは血漿中のリン濃度は患者に関係なく標準速度で減少すると推定し、従って標準プロファイルを利用するものである。
【0016】
カルシウムのプロファイルを作ること(calcium profiling)は、一水素ホスフェートの血中レベルは透析期間中に減少するという事実を前提とするものである。従って、透析処理の開始後のある期間において、一水素ホスフェートレベルが十分に低く、ブラッシュ石の形成が起こる見込みがないとき、血液または透析液流体に対するカルシウムの添加が始められる。
【0017】
さらにはっきり説明すると、フィステル中のカルシウムイオン濃度は、ある程度、透析液流体中に含まれるカルシウムの濃度に依存するが、これに対してリンイオン濃度は専ら血漿中ホスフェートに由来する。血漿中のホスフェート濃度がカルシウムを低濃度で有する透析液で減少されるならば、透析期間がある時間、例えば図4の典型的なプロファイル(profile)に示される15〜30分になると、血漿中カルシウム濃度は透析液流体に対するカルシウムの添加によって減少されるだろう。このようなカルシウムのプロファイルを作ることは、ブラッシュ石の形成可能性を低下させる助けになるだろう。この着想は、血液中のリンイオン濃度は透析処理の開始時点で最高で、続いてその処理が続くにつれて経時的に減少するということを仮定している。さらに、透析液のpHを高く保っておくことによって、カルシウムイオンおよびリンイオンはさらに容易に溶解状態に留まるようになり、従ってフィステル中で起こり得るブラッシュ石の形成は潜在的に回避することができる。
【0018】
図4は、本発明による透析処理中の、透析液中におけるカルシウムイオンの、透析患者の血液中におけるリンイオンに対する比の1つの提案されたプロファイルを示すものである。透析液中のカルシウムイオン濃度が、血漿中のリンイオン濃度に対して経時的に図示されている。図4に示されるように、透析処理の開始時点において、そして第一期間においては、血漿中のリン濃度は高い。従って、患者に対して、透析液流体の中にかまたは患者の血液中に直接にかのいずれかにおいて投与されるカルシウムの濃度は低く保たれる。透析処理が進行するにつれて、第二期間においては、血液中のリンの量は透析器による濾過に起因して減少する。従って、透析液溶液中のカルシウム濃度は増加せしめられる。血液中のリン濃度に応答してカルシウム濃度を本発明に従って変えることにより、フィステル中でのブラッシュ石結晶の形成を避けることができ、それによってフィステルの石灰化、およびブラッシュ石形成に因る後続狭窄の確率が低下せしめられる。
【0019】
もう1つの態様(図示されず)において、患者に対して、透析流体の中にかまたは患者の血液中に直接にかのいずれかにおいて投与されるカルシウムの量は、カルシウムを含んでいる溶液の流量を経時的に増すことによって増加させることができる。
【0020】
図4に示されるプロファイルは単に例示であって、限定することを意味するものではない。この技術分野の当業者であれば、本明細書で説明される原理を用いて他のプロファイルを創り出すことができると理解される。異なるプロファイルの使用は、以下においてさらに詳細に説明される。
【0021】
ここで、以下においては、透析患者のフィステル中におけるブラッシュ石の形成を回避する解決法であると現在のところ考えられる態様の説明が続く。
【0022】
図面において同様の参照番号は同様の部分を意味するが、これら図面を参照して説明すると、図5は、カルシウムのプロファイルの作成手順を本発明に従って遂行することができる体外血液処理装置系の1つの態様を模式的線図として示すものである。
【0023】
透析処理のための第一流れ回路40は主または第一導管1を含み、その導管1は液体貯槽または加熱容器2のような水の適当な供給源から始まっている。液体貯槽2は、その中に、純水を、例えば逆浸透圧装置(図示されず)から導入するための入口15を含むことができる。主導管1はスロットリング機構3、圧力ゲージ4、ポンプ5、および空気出口(図示されず)を設けてもよい脱気装置6を含むことができる。この主導管は、また、導電率計14および26をそれぞれ含んでいることもできる。
【0024】
水は液体貯槽2から主または第一導管1を経由して第一流れ回路40に入ってもよいし、或いはまた同回路に第一コンセントレート回路8を通って入ってもよい。コンセントレート回路8は粉末コンセントレートカラム10を含んでいることができ、そのカラムは重炭酸ナトリウム粉末を含んでいることができる。第一コンセントレート回路8は主導管1と混合地点7において連通している。主導管1には導電率計14または他の測定装置を設けることもできる。導電率計14または他の測定装置は、粉末コンセントレートカラム10の下流にあるコンセントレート導管8に設けられている流れ調節装置またはポンプ13を制御できるようになっている。以下でにおいて説明されるように、流れ調節装置13がスロットルであるならば、主ラインのスロットル装置3は図示される混合地点7の上流に配置されるのがよい。もう1つの態様によれば、流れ調節装置は、計量供与ポンプ(metering dosage pump)、可変排出ポンプ(variable displacement pump)または比例弁(proportional valve)(図示されず)であることができる。
【0025】
前記のように、流れ調節装置13は単純な調整自在スロットリング装置であることができる。これは、ライン1を通る主透析液の流れおよび流体用導管8中におけるコンセントレート流体の生成の両方のために貯槽2から水を抜き出すのに、1つだけのポンプ5が使用できる点で有利である。スロットリング装置3が水の供給源2と混合地点7との間の主ライン1の中に配置される場合、および脱気装置6がポンプ5の下流にある主ダクトの中に配置される場合は、同ポンプ5は主ライン1および調製済み透析液流体の両者を脱気するためにも利用することができる。透析液流体の調製には、ポンプ5は主ライン1の中で少なくとも500mL/分までの流量を取り扱うように作動できるのが好ましく、そして約1,000mL/分までの流量を取り扱うように作動できるのがさらに好ましい。流れ調節手段13は、他方では、好ましくは、主ライン1の中で約1,000mL/分の流量において、約40mL/分までの、または少なくとも30mL/分までの流量を取り扱うように作動できるべきである。
【0026】
導電率計14の下流に第二混合地点23が設けられている。混合地点23において、好ましくは塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、塩化カリウム、少量の酢酸およびグルコースを含んでいる第二コンセントレート流体を、主ライン1の中に、第二コンセントレート導管またはダクト24を経由して導入することができる。この第二コンセントレートは固体または液体形態をしていることができるが、好ましい態様ではこのコンセントレートは液体形態をしている。第二コンセントレート25はこの技術分野で知られている通常の“A”コンセントレートに実質的に相当する。1つの好ましい態様では、第二コンセントレートはカルシウムを含まない。第二コンセントレート流体の第二コンセントレートダクト24を通る流れは、主導管1の中の混合地点23の下流に配置されている導電率計26または他の測定装置を使って調節することができる。導電率計26は第二コンセントレートダクト24の中に配置されている流れ調節装置27を制御する。
【0027】
図5に示される態様において、導電率計26の下流には第三混合地点53が設けられている。混合地点53で、濃縮カルシウムを含んでいる流体を、第一導管1の中に、第三コンセントレート導管またはダクト54を経由して導入することができる。ダクト54は、この例ではカルシウムコンセントレートが入っている容器であるコンセントレートの供給源55と連通している。濃縮カルシウムは、本発明の精神と範囲から逸脱しない限り、固体形態またはカルシウム溶液のような液体形態をしていることができる。1つの態様によれば、透析液溶液中のカルシウム濃度は塩化カルシウムを含んでいる溶液であることができる。このカルシウム溶液は1〜1.75mMの間の可変カルシウム量を有することができる(Kracler,M.、Scharfetter,H.、Wimsberger,G.H.のClinical Nephrology、2000、54:35−44およびArgiles i Ciscart,A.のNephrol Dial.Transplant、1995、10:451−454)。
【0028】
第三コンセントレートダクト54を通って放出されるカルシウムコンセントレートの量は、主導管1の中に配置されている導電率計56または他の測定装置を使って調節することができる。導電率計56はコンセントレートダクト54の中に配置されている流れ調節装置57を制御することができる。流れ調節装置57は可変出力ポンプであってもよいし、或いは比例バルブであってもよい。
【0029】
かくして、図5に示されるように、3つのコンセントレート10、25および55が、それぞれ、主ダクト1に、3つの別々の混合地点7、23および53において導かれるべきならば、調製済み溶液の組成を正確に監視するための導電率計14、26および56または他の同様の測定装置を用いることが重要であることが了解されるだろう。この方式においては、透析液溶液の組成は、第二および第三混合地点23および53の下流のみならず上流の両方において正確に監視することができる。
【0030】
調製済み透析液溶液のpHの最終監視用に、任意のpH計28を、第三混合地点53の下流であるが、バイパス弁29および主弁30の上流における主導管1の中に配置することができる。本装置系はそれら弁29および30を通して透析器100に接続することができる。主導管1において、導電率計14、26または56および/またはpH計28の任意の1つまたは全部から得られる測定値が所望値と一致しないならば、主弁30を閉じ、そしてバイパス弁29を開けることができる。この目的のために、導電率計14、26およ6並びにpH計28は、全て、弁29および30を制御するための入力を与えると示される。主導管1を通して導かれる流体の性質を測定するための各種計量器が弁29および30を制御するのが好ましいけれども、それに代えて、各種導管に入り、それら導管を通って流れる流体の流れを止めるか、さもなければ変えるためにポンプ5、13、27および57の1つまたは2つ以上を制御することが可能であることも了解されるだろう。
【0031】
図5に示されるように、透析液中のカルシウム濃度を時間の関数として制御するための可変出力ポンプ57に制御装置110が接続されるのが好ましい。この目的のために、制御装置110は導電率計56から信号を受け取り、そして制御信号をポンプ57に送る。かくして、可変出力ポンプ57は閉ループフィードバックシステムによって制御される。制御装置100には、所望とされるカルシウム濃度対時間の多数のプロファイルを記憶することができる。このようなプロファイルの1例が前記の図4に示される。患者の低カルシウム濃度に対する反応は非常に異なるので、1つの態様は、制御装置110に記憶されている個々の患者の個人的カルシウム濃度プロファイルを含むことができるものである。もう1つの態様は、ある特定の患者タイプまたは患者グループの特定のプロファイルを記憶できるものである。制御装置110は、また、特定のカルシウムプロファイルの手動または自動調整および選択用のユーザーインターフェース115を含むこともできる。もう1つの態様によれば、制御装置110は、カルシウムプロファイルの自動的な選択および調整を行うために、データ交換用の、透析装置系の他の制御要素(図示されず)と通じている。
【0032】
図5の態様において、弁30の下流には流量計46が第一導管1の中に配置されていることができる。第一導管1は濾過または加工処理装置100まで延びている。透析では、濾過装置100は透析器であることができ、この透析器はフィルターと称することもできる。透析器または濾過装置100は、血液透析濾過装置、血液濾過装置、限外濾過装置、またはこの技術分野で知られている他のタイプの濾過装置であることができる。濾過装置100は、第一チャンバー101が第二チャンバー102から半透膜103で分離されているそのような第一および第二チャンバーに分割されているものとして模式的に示されている(詳細には示されず)。この体外装置系において、透析器100の第一チャンバー101は流体を透析液または第一流れ回路40から受け入れ、また第二チャンバー102は血液を血液または第二流れ回路12から受け入れる。導管68が流量計47からポンプ63まで延び、そのポンプが透析液を出口64まで輸送する。もう1つの導管69が弁29を導管68に接続している。
【0033】
上記で紹介したように、この装置系は、一般に、共に患者の血管系(図1の要素60を参照されたい)に接続される第一および第二導管71および72を有する、体外血液流れ回路である第二流れ回路12を含む。血液アクセスおよび血液戻り装置76および77が、それぞれ血液を患者から取りだし、そして患者に戻す。アクセスおよび戻り装置76および77は、この技術分野で理解されているとおり、カニューレ、カテーテル、翼付針等であることができる。導管71および72も濾過または加工処理装置100に接続されている。蠕動ポンプ80が第一導管71と連動して作動する関係で配置されている。図5において、体外血液流れ回路12は、混合地点74で血液の流れの中にヘパリンのような抗凝固薬を混入するための常用抗凝固薬ポンプ85を含んでいるのが好ましい。抗凝固薬ポンプ85はヘパリンコンセントレートが満たされているシリンジであることができ、そして制御装置(図示されず)により制御できるアクチュエーター87を含んでいることができる。この技術分野で理解されているように、血液を脱気するための気泡捕捉ドリップチャンバー66が第二導管72の中に示されている。気泡検出器67が気泡トラップ66上にまたは同トラップに隣接して含まれていることが多い。体外血液流れ回路12においては、本発明の精神と範囲から逸脱しない限り、数多くの他の構成部品装置が使用できる。体外血液流れ回路12には圧力センサー88、89および90、さらにまた管クランプ61および62が含まれていることができる。
【0034】
図6に示されるように、また図5で説明される態様を参照して上記で既に説明したように、透析溶液のための第一流れ回路は、中で色々なコンセントレートを混合することができる主または第一導管1を含む。以下でさらに詳細に説明されることを除けば、図6の態様は図5で説明される態様と同様であって、同様の番号は対応する同様の要素を表す。これら要素の反復説明をここではさらに繰り返すことはしない。図6には、主ライン1への接続用のカルシウムコンセントレート用サブシステム(図5の混合地点53、管54、容器55およびポンプ57を参照されたい)は含められていない。
【0035】
図6において、常用抗凝固薬ポンプ85と構造が類似するカルシウムポンプ95が、カルシウムを体外循環回路12の血液の流れ側に送出するために使用することができる。ポンプ95は、抗凝固薬混合地点74の下流の導管71の中に配置されているカルシウム混合地点75においてカルシウムを回路72に送出する。ポンプ95から血液回路12に加えられる一部のカルシウムはフィルター100の膜103の向こう側に移行して透析回路40に入ることがある。カルシウムが一旦透析回路40に入ると、一部のカルシウムは透析液出口65を経由して失われることがある。このため、カルシウムは患者に必要であるよりも高い濃度または量で装置系に加えられなければならないが、これはある程度の量のカルシウムが透析回路側40に失われるという理解による。
【0036】
カルシウムが膜103を横断して失われるのを防ぐもう1つの代替態様(図示されず)は、図6に示されるポンプ95と同様のカルシウムポンプを血液回路側12に管部分72の位置42の所で接続する態様である。このような接続は、カルシウムが透析回路に入るのを防ぐことができる。このカルシウムは血液戻り装置76を経由して患者の中に直接流入することになろう。
【0037】
カルシウムポンプ95は輸液としてのカルシウムコンセントレートを含むシリンジであることができ、そしてまたアクチュエーター機構97に接続されることができ、その機構97はまた制御装置110に接続されることができる。
【0038】
もう1つの態様(図示されず)によれば、カルシウムコンセントレートを送出するためのカルシウムポンプは、蠕動ポンプであることができる。患者の正確な投薬のために、カルシウムコンセントレートを、秤りからつり下げられているバッグから供給することもできる。その秤りからの信号を、そのポンプを駆動するために制御装置110によって用いることができる。体外循環回路中へのカルシウムの添入は、本発明の精神と範囲を逸脱しない限り、その回路内の他の場所で行ってもよい。カルシウムの添加は、限定されないがステッパー電動機を含めて他の周知の方法および手段で行うこともできる。
【0039】
さらに、血液のpHはフィステル中でのブラッシュ石結晶の形成においてある一定の役割を果たし得るという仮説が立てられている。7.3未満のpHにおいては、リン酸カルシウムはブラッシュ石の結晶を形成するそのような仕方で血液から沈殿析出することができる。7.5より高い血液pHでは、しかし、リン酸カルシウムは、フィステル中での狭窄形成には寄与しないヒドロキシアパタイト結晶として血液から沈殿析出することができる。ブラッシュ石の形成を避けるもう1つの方法は、前記のカルシウムのプロファイルを作るかまたは作らずに、血漿のpHをある種のやり方で十分に高く維持する方法である。これは、アセテートを含まないバイオ濾過(biofiltration)によって(図示されず)、または重炭酸塩を直接血流中に注入することによって(図示されず)達成できると思われる。
【0040】
以上説明された諸態様に対する色々な変更および修正は、この技術分野の当業者には明白であると理解されるべきである。これらの実施例は限定することを意味するものではなく、むしろ、本発明の精神と範囲から逸脱することなく、そしてそれに付随する利点を減ずることなく行うことができる諸修正の典型的な例である。
【図面の簡単な説明】
【図1】透析患者の腕に形成された動静脈フィステルを示す。
【図2】狭窄フィステルの内壁に沈着したイオン類のX−線スペクトル図のグラフである。
【図3】非狭窄フィステルの内壁に沈着したイオン類のX−線スペクトル図のグラフである。
【図4】透析処理中の透析液流体中におけるカルシウムイオン対リンイオンの代表的なプロファイルを描く。
【図5】透析処理中にカルシウムの量を変えるのに用いることができる透析回路の模式図である。
【図6】透析処理中にカルシウムの量を変えるのに用いることができる透析回路のもう1つの態様の模式図である。
Claims (42)
- 血液を患者の体からフィステルの所で取り出し、透析器の血液側を通して循環させて、フィステルの所で患者の体に戻し、そしてカルシウム溶液を患者に投与する、透析治療を受けている患者におけるフィステルの機能性損失を少なくする方法であって、
患者にカルシウム溶液を第一カルシウム濃度で投与し;そして
患者に投与されるカルシウム溶液のカルシウム濃度を経時的に高める
工程を含む上記の方法。 - カルシウム溶液を投与する工程がカルシウムを患者の血液に投与することを含む、請求項1記載の方法。
- 第一カルシウム濃度が、第一期間中は患者の血液中における血漿ホスフェート濃度が高いそのような第一期間に対応するように選ばれる、請求項1記載の方法。
- 高まったカルシウム濃度が、期間中は患者の血液中における血漿ホスフェート濃度が第一期間中よりも相対的に低いそのような期間に対応するように選ばれる、請求項1記載の方法。
- 患者の血液の血漿pHを第一および第二期間の全期間を通じてpH7.3辺りに維持する工程をさらに含む、請求項1記載の方法。
- 溶液が透析液であり、そしてその透析液が透析器の透析液側を通して循環させることによって患者に投与される、請求項1記載の方法。
- 溶液が輸液であることができ、そしてその輸液がフィステルから取り出されるか、またはフィステルに戻される血液に投与される、請求項1記載の方法。
- フィステル中におけるブラッシュ石の形成を低下させる工程を含む、請求項1記載のフィステルにおける機能性損失を少なくする方法。
- フィステルの石灰化を防ぐ工程を含む、請求項1記載のフィステルにおける機能性損失を少なくする方法。
- 血液を患者の体からフィステルの所で取り出し、透析器の血液側を通して循環させて、フィステルの所で患者の体に戻し、そしてカルシウム溶液を患者に投与する、透析治療を受けている患者を治療するのに用いられる透析液中におけるカルシウム濃度のプロファイルを作る方法であって、
患者にカルシウム溶液を第一カルシウム濃度で投与し;そして
上記カルシウム濃度を経時的に高める
工程を含む上記の方法。 - カルシウム溶液を投与する工程がカルシウムを患者の血液に投与することを含む、請求項10記載の方法。
- 第一カルシウム濃度が、第一期間中は患者の血液中における血漿ホスフェート濃度が相対的に高いそのような第一期間に対応するように選ばれる、請求項10記載の方法。
- 高まったカルシウム濃度が、期間中は患者の血液中における血漿ホスフェート濃度が第一期間中よりも相対的に低いそのような期間に対応するように選ばれる、請求項10記載の方法。
- 患者の血液の血漿pHを第一および第二期間の全期間を通じてpH7.3辺りに維持する工程をさらに含む、請求項10記載の方法。
- 溶液が透析液であり、そしてその透析液が透析器の透析液側を通して循環させることによって患者に投与される、請求項10記載の方法。
- 溶液が輸液であることができ、そしてその輸液がフィステルから取り出されるか、またはフィステルに戻される血液中への注入によって投与される、請求項10記載の方法。
- 血液透析、血液透析濾過または血液濾過のための装置系であって、
透析液溶液のための第一流れ回路、
血液のための第二流れ回路、
濾過装置を上記第一流れ回路に接続されている第一チャンバーと上記第二流れ回路に接続されている第二チャンバーとに仕切る半透膜を含んでいるそのような濾過装置、
カルシウムコンセントレート流体の流れを与えるカルシウムコンセントレートの供給源、および
カルシウムコンセントレート流体の流れを制御するためのカルシウムコンセントレート流体の流れ調節装置
を含む上記の装置系。 - 流体の流れ調節装置がカルシウムコンセントレート流体の量を経時的に変える、請求項17記載の装置系。
- 流体の流れ調節装置がカルシウムコンセントレート流体のの流れの量を段階式で変える、請求項17記載の装置系。
- カルシウムコンセントレート流体の流れが透析液流体と混合するための混合地点において第一流れ回路へと向けられる、請求項17記載の装置系。
- 混合地点の下流の第一流れ回路中に配置されている、カルシウムコンセントレートを透析液溶液と混合することによって得られる調製済み溶液の組成を測定するための計量器を含む、請求項17記載の装置系。
- 流れ調節装置が計量器に対して応答性である、請求項17記載の装置系。
- 流れ調節装置に接続されている、透析液流体中の所望カルシウム濃度のプロファイルを作ることができる制御装置を含む、請求項17記載の装置系。
- 制御装置が、特定の患者のプロファイル、または特定タイプの患者のプロファイルを記憶する、請求項23記載の装置系。
- 制御装置が所望カルシウム濃度のプロファイルを自動または手動調整するための選択手段を含む、請求項23記載の装置系。
- 流れ調節装置がカルシウムコンセントレート流体の流れを調節するためのポンプを含む、請求項17記載の流体の流れ調節装置。
- 流れ調節装置がカルシウムコンセントレート流体の流れを調節するための可変スロットリング手段を含む、請求項17記載の流体の流れ調節装置。
- カルシウムコンセントレート流体を含む容器をさらに含む、請求項17記載の装置系。
- 透析液が1〜1.75mMの間のカルシウム濃度を有する、請求項20記載の装置系。
- 計量器が導電率計を含む、請求項21記載の装置系。
- 少なくとも1つの追加のコンセントレート源、およびその追加コンセントレートを第一流れ回路に導入して透析溶液と混合するための手段をさらに含む、請求項17記載の装置系。
- 第一流れ回路中に、追加コンセントレートを透析溶液と混合するためのもう1つ別の混合地点をさらに含む、請求項31記載の装置系。
- 追加コンセントレートが、酸、カリウム、マグネシウムまたはグルコースより成る群から選ばれる物質を含んでいる、請求項31記載の装置系。
- 追加コンセントレートが重炭酸塩を含んでいる、請求項31記載の装置系。
- 第一流れ回路が、その第一流れ回路を通る流体の流れを調節するための、混合地点の下流の第一流れ回路を通して少なくとも500mL/分の流量を与えるように作動できる主流れ調節手段を含む、請求項17記載の装置系。
- カルシウムコンセントレート流体の流れが血液と混合するための混合地点で第二流れ回路へと向けられる、請求項17記載の装置系。
- カルシウムコンセントレート供給源および流れ調節装置がカルシウムコンセントレートを含んでいるシリンジを含む、請求項17記載の装置系。
- カルシウムコンセントレート供給源および流れ調節装置がシリンジのプランジャーに作用するアクチュエーターを含む、請求項37記載の装置系。
- アクチュエーターがステッパー電動機を含む、請求項38記載の装置系。
- 血液を患者の体からフィステルの所で取り出し、透析器の血液側を通して循環させて、フィステルの所で患者の体に戻し、そしてカルシウム溶液を患者に投与する、透析治療を受けている患者におけるフィステルの機能性損失を少なくする方法であって、
カルシウム溶液を第一速度で投与し;そして
患者に投与されるカルシウムの速度を経時的に高める
工程を含む上記の方法。 - カルシウムが患者にカルシウム溶液によって投与され、そして患者に送出されるカルシウムの速度を増す工程が該カルシウム溶液の流量を高めることを含む、請求項40記載の方法。
- カルシウムが患者にカルシウム溶液によって投与され、そして患者に送出されるカルシウムの速度を増す工程が該カルシウム溶液のカルシウム濃度を高めることを含む、請求項40記載の方法。
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