JP2004502317A - 陰極/ケース電気接続部を備える扁平電解コンデンサを有する植え込み可能な医療装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】電解コンデンサとIMDの回路との接続を容易にする、電解コンデンサの陰極および陽極の層とコンデンサのコネクタアセンブリとの電気接続を提供する。
【解決手段】電極スタックアセンブリは積層される複数のコンデンサ層を備え、各コンデンサ層は、陰極タブを有する陰極層と、陽極タブを有する陽極層を備える陽極サブアセンブリと、セパレータ層とを備え、スタックのすべての隣接する陰極層と陽極層はセパレータ層で絶縁される。陽極端子手段は、コンデンサケース側壁を貫通して複数の陽極タブを接続して、ケースの外部に絶縁された陽極接続端子を設ける。陰極端子は、陰極端子通路を介してコンデンサケース側壁の封止領域を貫通するか、その封止領域まで延び、複数の陰極タブを接続して、ケースの外部に陰極接続端子を設ける。コネクタアセンブリは、陽極接続端子と陽極タブ、および陰極接続端子と陰極タブとの電気接続を行う。
【選択図】図1
【解決手段】電極スタックアセンブリは積層される複数のコンデンサ層を備え、各コンデンサ層は、陰極タブを有する陰極層と、陽極タブを有する陽極層を備える陽極サブアセンブリと、セパレータ層とを備え、スタックのすべての隣接する陰極層と陽極層はセパレータ層で絶縁される。陽極端子手段は、コンデンサケース側壁を貫通して複数の陽極タブを接続して、ケースの外部に絶縁された陽極接続端子を設ける。陰極端子は、陰極端子通路を介してコンデンサケース側壁の封止領域を貫通するか、その封止領域まで延び、複数の陰極タブを接続して、ケースの外部に陰極接続端子を設ける。コネクタアセンブリは、陽極接続端子と陽極タブ、および陰極接続端子と陰極タブとの電気接続を行う。
【選択図】図1
Description
【0001】
[発明の分野]
本発明は、植え込み可能な医療装置(IMD)を、リード線を介して回路に結合され、積層された陰極と陽極の層を有する上記装置用の扁平電解コンデンサなどの上記装置のさまざまな構成部品に関し、特に、コンデンサの陽極と陰極の層とコンデンサコネクタアセンブリのリード線との電気接続に関する。
【0002】
[発明の背景]
上記で参照されている米国親特許出願第103,876号と、その親特許が優先権を主張する仮出願に記述されているように、多様なIMDが当技術分野において知られている。特に関心を持たれているのは、悪性の頻発性不整脈たとえば、心房または心室細動が検知されたときに比較的高いエネルギーの電気的除細動(カーディオバージョン)および/または除細動(ディフィブリレーション)ショックを患者の心臓に送出する植え込み可能な電気的除細動器(カーディオバータ)−除細動器(ディフィブリレータ)(ICD)である。現在のICDは、特定の慢性または突発性心房および/または心室の除拍と頻拍に対応するために通常単室ペーシング機能または両室ペーシング機能を有し、以前はペースメーカー/カーディオバータ/ディフィブリレータ(PCD)と呼ばれていた。初期に開発された植え込み可能自動除細動器(AID)には、電気的除細動機能やペーシング機能はなかった。本発明の目的に関して、ICDは、少なくとも高電圧の電気的除細動機能および/または除細動機能を有する、そのようなIMDをすべて含むことが理解される。
【0003】
たとえば、本発明の譲受人に譲渡された米国特許第4,548,209号に示されるように、一般的に、ICDの植え込み可能パルス発生器(IPG)内のDC−DC変換器を使用して、電気エネルギーをIPG筐体内に収容された低電圧、低電流の電気化学セルつまり電池から1つまたは複数の高エネルギー貯蔵コンデンサに保存される高電圧のエネルギーレベルに変換することが必要である。変換は、頻脈性不整脈が検知された際に、電池に直列に接続された1次巻線と高エネルギーコンデンサ(複数可)に直列に接続された2次巻線を有するトランスと、1次コイルと電池に直列に接続された充電サイクル中に定期的に開閉される切断回路つまりスイッチを含むDC−DC「フライバック」変換器によって実施される。高エネルギーコンデンサの充電は、スイッチが閉じられたときにトランスの1次巻線において電圧を誘導して、2次巻線内に磁界を生成することで達成される。1次巻線の電流がスイッチを開くことで切断されるときに磁界は減衰し、磁界が減衰するときに2次巻線内に電流が発生し、その電流が高エネルギーコンデンサに印加され、コンデンサが充電される。供給電流を繰り返し切断することで、充電サイクルの充電時間を通して、高圧コンデンサが数百ボルトの所望のレベルに充電される。それから、頻発性不整脈が継続していることが確認された場合に、充電期間の最後に、エネルギーは高エネルギーコンデンサ(複数可)からIPGにICDリード線を介して結合され心腔や心血管の近傍や中に配置された電気的除細動/除細動電極を介して急速に放電される。そのようなコンデンサの放電により実現される電気的除細動/除細動ショックは、通常約25〜40ジュールの範囲である。こうして電気的除細動/除細動ショックを送出するプロセスは、初期に送出された電気的除細動/除細動ショックが頻発性不整脈を正常な心拍に変えることができない場合に、繰り返すことができる。
【0004】
エネルギー、体積、厚さ、質量は、ICDリード線に結合されるICDのパルス発生器の設計では重要な特徴である。電気的除細動/除細動ショックに必要なエネルギーを供給し蓄積するのに用いられる電池(複数可)と高電圧コンデンサ(複数可)は、従来から比較的かさばり高価であった。現在ICDのIPGは通常約40〜約60ccの体積、約13mm〜約16mmの厚さ、約100グラムの質量を有する。
【0005】
送出可能なエネルギーを減少させることなく、このようなコンデンサとICDのIPGの体積、厚さ、質量を減少させることが望ましい。そうすることは、患者の快適さにとって有益で、ICDのIPGの周囲の組織の糜爛が原因の合併症が最小になる。コンデンサの大きさを減少することで、その減少した大きさに合わせて電池の体積を増加してICDのIPGの寿命を延長したり、その減少した大きさに合わせた新規の構成部品を追加してICDのIPGに機能を追加することもできる。そのようなICDのIPGを、性能を最高レベルに維持しながら低コストで供給することも望ましい。同時に、コンデンサの信頼性も妥協することはできない。
【0006】
さまざまな種類の扁平で螺旋状に巻かれたコンデンサが当技術分野において知られていて、いくつかの例が以下で説明され、かつ/または上記で参照されている親特許出願第09/103,876号の表1に示した特許で見出すことができる。
【0007】
ICDで使用される従来技術の高電圧電解コンデンサは、2つ以上の陽極層と陰極層(または「電極」)を有し、室温または体温で動作する。通常、コンデンサは、エッチングされたアルミニウム箔陽極、アルミニウムの箔または膜の陰極、溶剤ベースの電解液を含浸した、陽極と陰極の間に介在するクラフト紙または繊維ガーゼのスペーサつまりセパレータを封入するコンデンサケースを使用して形成される。絶縁層として機能する酸化アルミニウムの層は、エッチングされたアルミニウム陽極上に形成され、電流が陽極を流れるときに形成されるのが好ましい。電解質は、イオンを発生する塩基を含み、溶媒中に溶解し、陰極と酸化アルミニウムの絶縁物との間でイオン導電性を実現する。コンデンサのエネルギーは、陽極の表面上の酸化アルミニウム層により分離された極性が逆の電荷により発生する静電界内に蓄えられ、アルミニウム陽極の表面積に比例する。したがって、コンデンサ全体の体積を最小化するには、コンデンサの全体(つまり外部)寸法を増加することなく単位体積あたりの陽極の表面積を最大にしなければならない。セパレータの材質、陽極層と陰極層の端子、内部パッケージ、電気的相互接続、整列フィーチャ、陰極の材質により、コンデンサの厚さと体積がさらに増加する。その結果、コンデンサ内のこれらの構成部品、その他の構成部品、所望の静電容量により、物理的な寸法を減少できる限界が決まる。
【0008】
ICDのIPGによっては、Troup著、「Implantable Cardioverters and Defibrilliators」(Current Problems in Cardiology、第XIV巻、12号、1989年12月、Year Book Medical Publishers、Chicago刊)に記載されたものと同様の市販の写真フラッシュ用のコンデンサや、米国特許第4,254,775号に記載されたような市販の写真フラッシュ用のコンデンサを使用している。電極つまり陽極や陰極は巻かれて、螺旋状のセパレータ層により分離された陽極層と陰極層となる。そのような写真フラッシュ用のコンデンサに使用される陽極層は、通常高純度(99.99%)で、多孔質で、高度にエッチングされ、陽極処理された1枚または2枚のアルミニウム箔のシートを備える。そのようなコンデンサの陰極層は、非多孔質で、高度にエッチングされた1枚のアルミニウム箔シートからなり、陽極層に対して、アルミニウムの含有量については、純度がいくらか低く(99.7%)てもよい。溶媒ベースの電解液を浸透含浸された、1枚以上のクラフト紙のシートつまり層からなるセパレータは、隣接する陽極と陰極の層の間に位置する。陽極箔の厚さと陰極箔の厚さは、それぞれ100マイクロメートルと20マイクロメートル程度である。ほとんどの市販の写真フラッシュ用のコンデンサにはセパレータ紙の芯が含まれていて、陽極、陰極、セパレータの層を巻いて巻構成にするときに、もろくて、高度にエッチングされた陽極箔が破れるのを防いでいる。市販の写真フラッシュ用のコンデンサの円筒形状と紙の芯により、体積上のパッケージ効率とそのコンデンサを使用するように作成されたICDのIPGの筐体の厚さが制限される。
【0009】
アルミニウム電解コンデンサのアルミニウムの陽極と陰極は、一般的にそれぞれが、それら周縁部を超えて延びる少なくとも1つのタブを有し、すべての(または一式の)陽極と陰極の層の電気的な並列接続を容易にすることで、1つまたは複数のコンデンサを形成し、コンデンサケース外部への電気的な接続を実現する。巻回電解コンデンサ用のタブ端子による接続部は、米国特許第4,663,824号に記載され、ケースを通して延びる貫通部の貫通ピン端子にレーザー溶接されている。巻回コンデンサは通常かしめやリベットにより1つに接合された2つ以上のタブを含む。
【0010】
扁平電解コンデンサも、ICDでの使用以外に一般用途向けの従来技術で開示されている。より最近開発されたICDのIPGは1つまたは複数の扁平高電圧コンデンサを使用して写真フラッシュ用の円筒型コンデンサのパッケージと体積のいくつかの欠点を克服している。たとえば、米国特許第5,131,388号では、複数の積層されたコンデンサ層を有する扁平コンデンサが開示されている。各コンデンサ層には、陽極タブを有する陽極層を形成する1つまたは複数の陽極シート、陰極タブを有する陰極シートつまり層、陽極層を陰極層から分離するセパレータが含まれている。米国特許第5,131,388号では、積層されたコンデンサ層の電極スタックアセンブリは、非導電性高分子容器に収容され、その容器は継ぎ目で密閉され、導電性金属のコンデンサケースまたはICDのIPG筐体の区画に嵌め込まれ、コンデンサの陽極(複数可)と陰極(複数可)への電気接続は、ケースや区画の壁を通して延長される貫通部により実現される。スタックのすべてのコンデンサ層の陽極層と陰極層のタブは、電気的に並列に接続され、単一のコンデンサを形成するか、グループに分けられて複数のコンデンサを形成する。アルミニウムの陽極層のタブは1つに集められ、ケースまたは区画の壁を通して延長される陽極貫通部の貫通ピンに電気的に接続される。アルミニウムの陰極層のタブは、1つに集められ、ケースまたは区画の壁を通して延長される陰極貫通部の貫通ピンに電気的に接続されるか、導電性のコンデンサケースの壁に接続される。
【0011】
たとえば、1996年5月11〜15日に開催されたCARTS 96: 16th Capacitor and Resistor Technology SymposiumにおいてP. LunsamannとD. MacFarlaneにより発表され、1996年10月7〜11日に開催されたCARTS−EUROPE 96: 10th European Passive Components Symposiumの35〜39ページで発表された「High Energy Density Capacitor for Implantable Defibrillators」に記載された改良など、ICDのIPGで使用される扁平アルミニウム電解コンデンサの構造における多くの改良が開示されている。ICDのIPGで使用される扁平電解コンデンサのその他の特徴は、すべてMacFarlaneらによって出願された米国特許第4,942,501号、第5,086,374号、第5,146,391号、第5,153,820号、第5,562,801号、第5,584,890号、第5,628,801号、第5,748,439号に開示されている。
【0012】
すべて同一の譲受人に譲受された米国特許第5,660,737号と米国特許第5,522,851号、第5,801,917号、第5,808,857号、第5,814,082号、第5,908,151号、第5,922,215号、第5,926,357号、第5,930,109号、第5,968,210号、第5,983,472号などの最近の多数の特許では、ICDで使用される関連した扁平電解コンデンサの構造が開示されている。これらの特許のいくつかでは、導電性のコンデンサケースからの陽極層と陰極層の相対的な端の間隔を調整する手段として内部整列要素が使用されている。それらの特許の多くでは、各陽極層と陰極層には、外へ延びるタブが備わり、陽極と陰極のタブは貫通ピンと導電性のコンデンサケースの段形状部分にそれぞれ共通に電気的に接続されている。陰極タブは、段形状部分に対して1つに集められ、超音波によって1つに溶接され、さらに段形状部分に溶接されている。米国特許第5,926,357号では、陽極タブは、アルミニウムリボンの一端にレーザー溶接され、アルミニウムリボンの他端は、端子ピンに超音波溶接されたアルミニウム層に超音波溶接されている。貫通端子ピンは、ケースから電気的に絶縁され、ケースの外側に延び、ケースから離れた位置で陽極接続ピンとされている。陰極接続ピンは、ケースに取り付けられ、ケースから外側に延長されている。陽極と陰極の接続ピンは、電気的にDC−DC変換器回路に接続されているが、取り付け機構については詳述しない。
【0013】
陽極タブと陽極貫通端子ピンとの間、および陰極タブとコンデンサケースまたは陰極貫通ピンとの間の信頼性の高い電気接続を行うのに必要な製造ステップの数と部品の数を減らして、コストを削減することが非常に望ましい。これらの部品と電気接続に必要なコンデンサ室内の空間を最小にすることで静電容量を最大にすることも望ましい。
【0014】
[発明の概要]
本発明は、特に電解コンデンサのIMDの回路との接続を容易にするために、コネクタアセンブリへの取り付けのための陰極接続端子を設けるケースが負の電解コンデンサのケースとのさまざまな陰極接続を提供する。
【0015】
一実施形態では、コンデンサは、密閉されたコンデンサケースの内部ケース室内に位置する電極スタックアセンブリと電解質を備える。電極スタックアセンブリは互いに位置合わせされて積層される複数のコンデンサ層を備え、各コンデンサ層は陰極タブを有する陰極層と、陽極タブを有する少なくとも1つの陽極層を備える陽極サブアセンブリと、隣接する陽極層と陰極層の間に位置するセパレータ層とを備え、それによりスタックのすべての隣接する陰極層と陽極層はセパレータ層によって互いに電気的に絶縁される。陽極端子手段は、コンデンサケース側壁を貫通して延びて、複数の陽極タブを互いに電気的に接続して、ケースの外部にケースから電気的に絶縁された陽極接続端子を設ける。陰極端子は、陰極端子通路を介してコンデンサケース側壁の封止領域を貫通して延びるか、その封止領域まで延び、複数の陰極タブを互いに電気的に接続して、ケースの外部に陰極接続端子を設ける。コネクタアセンブリは、陽極接続端子に電気的に取り付けられ、陽極タブとの電気接続を行い、陰極接続端子に電気的に取り付けられ、陰極タブとの電気接続を行う。
【0016】
特定の実施形態では、陰極端子通路は、ケース壁を貫通して延びる陰極開口を備え、陰極端子は、陰極開口を貫通して延びる陰極貫通ピンを備える。陰極貫通ピンの内部端部は、複数の陰極タブに接続され、陰極貫通ピンの外部端部はケースから離れるように延びて陰極接続端子を設ける。
【0017】
1つの変形例では、陰極開口はそれを貫通して延びる陰極貫通ピンに密閉溶接され、ケースから延びる陰極接続端子を設ける。コネクタアセンブリの陰極ワイヤの露出したワイヤ端部は、陰極貫通ワイヤの側部に陰極接続端子の位置でクロスワイヤ溶接される。
【0018】
別の変形例では、陰極貫通ピンの外部端部を調整つまり研磨して外部ケース壁に比較的面一にする前または後のいずれかに、陰極開口は、それを貫通して延びる陰極貫通ピンに密閉溶接される。本実施形態では、陰極接続端子は、ケース壁の外部の溶接領域に重ねられる。コネクタアセンブリの陰極ワイヤの露出したワイヤ端部は、陰極接続端子の位置でケース壁の外部に面一に溶接される。
【0019】
さらに別の実施形態では、陰極端子通路は、側壁上部開口端の位置つまり部分からなり、その部分は上部開口端とカバー端の一部から下降した幅と深さを持つ。第2の陰極端子端部は、上部開口端とカバーとの間に捕捉される。コネクタアセンブリの陰極ワイヤの露出したワイヤ端部は、画定された陰極接続端子の位置でケース壁の外部に面一に溶接される。
【0020】
第1の変形例では、陰極端子は、導電性の材料の陰極タブ延長箔を備え、複数の陰極タブに結合された第1の陰極端子端部と側壁上部端の開口を越えて延びる第2の陰極端子端部との間の箔の長さを持つ。陰極タブ延長箔の第2の陰極端子端部は、段部の幅以下の箔端部の幅と、段部の深さとほぼ同じ箔端部の厚さを持つ。第2の陰極端子端部は、側壁上部開口端を越えて延び、側壁上部開口端に当てて密閉されるカバーと第2の陰極端子端部の位置の箔表面とにより、そこに捕捉される。陰極タブ延長箔は、電極スタックアセンブリの陰極タブの延長物として一体に形成することもできる。
【0021】
さらなる変形例では、陰極端子は、長さが延長され、第2の陰極端子端部まで延びる複数またはすべての集められた陰極タブを備える。延長されるタブは、陰極層から、延長された陰極タブの第2の陰極端子端部が積層される側壁上部開口端を越えて延びる。陰極タブの積層部は、側壁上部端の開口の一部分と、側壁上部開口端と陰極タブ積層部とに当てて密閉されるカバーとの間で捕捉される。カバー端の嵌合部分には、積層および延長された陰極タブの厚さに対応して逃げが形成されていてもよい。
【0022】
コンデンサアセンブリを回転しながら、温度を上昇させた条件下で、一定時間かけて硬化させたエポキシにより、コネクタブロックがケース側壁の封止領域上に形成されるのが好ましい。エポキシは液体状で塗布され、回転と温度によりエポキシが陽極および陰極の端子手段とコネクタアセンブリとの電気接続部の隙間に流れ込み、それらを完全に覆い、気泡を露出した表面に追いやり、外部表面を一様で再現可能な構成に形成する。
【0023】
図面全体をとおして、同じ部分に同じ参照番号が割り当てられている、添付図面と併せて考慮される本発明の好ましい実施形態についての以下の詳細な説明を参照することで、本発明のそれらのおよび他の利点と特徴がさらに深く理解できるため、それらの利点と特徴を認識することができるであろう。
【0024】
[好適な実施形態の詳細な説明]
図1は、本発明のコンデンサが有利に組み込まれているICDのIPG10の一実施形態、それに関連するICD電気リード線14、16、18、それらと人の心臓12との関係を図示している。リード線は、図示された3本のリード線ごとに独立したコネクタポートを有するマルチポートコネクタブロック20によってICDのIPG10に連結されている。リード線14は、左胸の領域の皮下に取り付けられることを意図した皮下電極30に連結されている。リード線16は、心臓の冠状静脈洞と大静脈の領域に位置する細長いコイル電極を使用した冠状静脈洞リード線である。電極の位置は、32の波線形式で示され、冠状静脈洞の開口部内の点から左心耳の近傍の点まで心臓の周囲に延びている。
【0025】
リード線18は、心臓の右心室内に位置する細長い電極コイル28を備える。リード線18は、右心室の心筋組織内にねじ込まれる螺旋コイル形状をとる刺激電極34を備える。リード線18は、近傍および遠方電位図検知のための1つまたは複数の追加の電極を備えることもある。
【0026】
図示のシステムでは、心臓ペーシングパルスが螺旋電極34と細長い電極28との間で送出される。電極28と34は、心室収縮を示す電気信号の検知にも使用される。図示のように、順次および同時パルスによる複数電極除細動療法中、右心室電極28が共通電極としての役割を果たすことが予期される。たとえば、同時パルス除細動療法中は、パルスは、同時に電極28と電極30との間と、電極28と電極32との間とに送出される。順次パルス除細動療法中は、パルスは、皮下電極30と電極28との間と、冠状静脈洞電極32と右心室電極28との間に順次送出されることが想定される。単一パルス、2電極除細動ショック療法も通常、電極28と冠状静脈洞電極32との間で供給可能である。その代わりに、単一パルスを電極28と30との間に送出することも可能である。電極とICDとの特定の相互接続は、使用される可能性がより高いと考えられる特定の単一電極対除細動ショック方式によってある程度決まる。
【0027】
図2は、図1のICDのIPGのマイクロコンピュータベースのオペレーティングシステムの一例による高電圧出力回路40、高電圧充電回路64、コンデンサ265の相互接続を示すブロック図である。図示のように、ICDの動作は、ICD内の必要な計算機能をすべて実行するマイクロプロセッサ42内の内蔵プログラムにより制御される。マイクロプロセッサ42は、双方向データ/制御バス46により制御回路44に接続され、それにより出力回路40と高電圧充電回路64の動作を制御する。ペース/検知回路78は、マイクロプロセッサ42を起動して任意の必要な数学的計算を実行させ、頻拍と細動の検知手順を実行させ、ICD動作モードやパラメータ値の再プログラム時や心臓ペーシングパルスの送出を示す信号の発生時や心筋収縮の発生時にペース/検知回路78内のタイマーで制御される間隔を更新させる。
【0028】
図1および図2の例示的なICDの基本動作と特定の構造または構成要素は、当該技術分野において知られる任意のシステムに対応する場合もあり、本発明はそれらシステムの特定の構成に依存するものではない。本発明の扁平アルミニウム電解コンデンサは、前述の米国特許第4,548,209号に示されたさまざまなシステムとともに、あるいは上記で参照されている親特許出願第09/103,896号に一覧表示されたさまざまな米国特許に開示されたさまざまなシステムや構成要素とともに一般に使用することができる。
【0029】
制御回路44は、主要な3つの信号を出力回路40に供給する。これらの信号には、本明細書でENAB、ライン48およびENBA、ライン50としてラベル付けされている前述の第1および第2の制御信号が含まれる。同様に重要なのが、出力コンデンサの放電を開始するDUMP、ライン52と、出力コンデンサC1とC2に蓄積された電圧を示す信号を出力して回路44を制御するVCAP、ライン54である。前述の図1に示した除細動電極28、30、32は出力回路40に導電体22、24、26を介して結合されているのが示されている。理解しやすくするために、これらの導電体にも、「COMMON」、「HVA」、「HVB」というラベルが付けられている。しかし、その他の構成も可能である。たとえば、皮下電極30をHVB導電体26に接続して、電極28と30との間で単一パルス療法を送出できるようにしてもよい。ENAB、ライン48上に論理信号が存在する場合、電気的除細動/除細動ショックが電極30と電極28との間で送出される。ENBA、ライン50上に論理信号が存在する場合、電気的除細動/除細動ショックが電極32と電極28との間で送出される。
【0030】
出力回路には、除細動ショックを電極に送出するのに使用されるコンデンサC1とC2およびダイオード121と123を含むコンデンサバンクが含まれる。別の構成として、コンデンサバンクに、前述の米国特許第’758号に記述された一式のコンデンサがさらに含まれていてもよい。図2では、コンデンサ265は、ライン66のCHDRにより制御/タイミング回路44に制御される高電圧充電回路64に関連して図示されている。図示のように、コンデンサ265は、高周波、高電圧トランス65により充電される。ダイオード121と123により適切な充電極性が維持される。ライン54のVCAPは、コンデンサバンクの電圧を示した信号を供給し、かつ高電圧充電回路を制御し、計測された電圧がプログラムされた充電レベルと等しくなったときに充電機能を終了できるようにする。
【0031】
ペース/検知回路78には、R波検知増幅器と心臓ペーシングパルスを生成するパルス発生器が含まれ、パルス発生器は、任意の既知の心臓ペースメーカー出力回路に対応することが可能で、制御/データバス80を介してマイクロプロセッサ42の制御下で、心室ペーシング間隔、不応間隔、ブランキング間隔を定めるタイミング回路を含む。
【0032】
ペース/検知回路78による心臓ペーシングパルスの生成をトリガーする制御信号とペース/検知回路78からのR波の発生を示す信号は、双方向データバス81により制御回路44に伝達される。ペース/検知回路78は、導電体36により図1に示した螺旋電極34に結合される。前述のように、ペース/検知回路78は、導電体82により図1に示した心室電極28にも接続され、電極34と28との間でR波を両極検知することと、電極34と28との間で両極性のペーシングパルスを送出することを可能にする。
【0033】
図3Aないし図3Bは、本発明の一実施形態のコンデンサを含むICDのIPG10の様々な構成部品の斜視図を示し、それらの構成部品は、右側シールド240および左側シールド350で形成されたICDのIPG10の筐体内に連続して配置された状態である。
【0034】
図3Aでは、電子モジュール360がICDのIPG10の右側シールド340内に配置されている。図3Bは、電子モジュール360が右側シールド340内に着座した後のICDのIPG10を示している。
【0035】
図3Cは、右側シールド340内に配置される前の、前述のように形成された1対のコンデンサ265を示し、コンデンサ265は電子モジュール340内の相互接続により電気的に直列に接続されている。図3Dは、一旦一対のコンデンサ265が右側シールド340内に配置された後のICDのIPG10を示している。本発明の一態様にしたがって、右側シールド340の積層された買うコンビンサ265のエポキシ液滴コネクタブロック145およびワイヤハーネス155が占める空間は、有利に最小限に抑えられる。本発明の改良したコネクタブロック145およびワイヤハーネス155を用いたコンデンサ265の他の形状が本明細書で説明されるものと同一のまたは同様な方法でICDのIPGIOの筐体内に挿入され得ることは理解されよう。
【0036】
図3Eは、右側シールド340内のコンデンサ265の上に配置される前の絶縁カップ370を示している。図3Fは、シールド340内に内に配置される前の、絶縁部382が周囲に配置された電気化学セルすなわち電池380を示している。電池380は、コンデンサ265の充電と再充電に必要な電気エネルギーを供給し、電子モジュール360に電力も供給する。電池380は、従来技術で使用された任意の形態をとり、電気的除細動と除細動のエネルギーを供給することができ、その形態のいくつかは、親特許出願第09/103,876号で認められる。
【0037】
図3Gは、右側シールド340に接続された左側シールド350と、両方のシールド部分から上方に突き出す貫通部390を有するICDのIPG10を示している。活動センサ400と患者警報装置410は、左側シールド350の側面の下部に配置されて示されている。左側シールド350と右側シールド340は、その後、閉じられ密閉される(図示せず)。
【0038】
図4は、コンデンサ265のコンデンサ層、すなわち単一の陽極/陰極サブアセンブリ227の一実施形態の分解図を示す。ここで説明するコンデンサのデザインでは、以下で図6を参照してさらに説明するように、複数のコンデンサ層、つまり単一の陽極/陰極サブアセンブリ227の積層されたデザインを使用する。各陽極/陰極サブアセンブリ227は、交互に配置された実質的に矩形状の陽極層185と陰極層175を備え、それらの間にはほぼ矩形状のセパレータ層180が介在する。陽極層185、陰極層175、セパレータ層180の形状は、主にデザイン上の選択事項であり、これらの層が最終的に配置されるケース90の形状や構成に大きく影響される。陽極層185、陰極層175、セパレータ層180は、パッケージ効率を最適化するために任意の形状をとることができる。
【0039】
陽極サブアセンブリ170dは、複数の切り欠きのない陽極層185a、185b、185c、陽極タブ切り欠き200を含む切り欠きのある陽極層190、陽極層185aに結合される陽極タブ195dを備えるのがもっとも好ましい。図4に示した陽極サブアセンブリ170dは、陽極サブアセンブリ170の単なる可能な実施形態であることが理解されよう。陰極層175dは、単一のシートからなり、そのシートと一体に形成され、その周縁部から突き出した陰極タブ176を有するのがもっとも好ましい。
【0040】
図に示したサブアセンブリ227の1つの好ましい実施形態では、2つの個別のセパレータ層シート180aと180bが各陽極サブアセンブリ170と陰極層175との間に配置されたセパレータ層180を形成する。さらに、単一のセパレータ層シート180aと180bが陽極層185cと陰極層175dの外側の表面上にも配置される。サブアセンブリが積層されるとき、もっとも外側の単一のセパレータ層シート180aと180bは、隣接するコンデンサ層のもっとも外側の単独のセパレータ層シート180bと180aにそれぞれ接触し、2つのシートセパレータ層180は、電極スタックアセンブリ255のすべての隣接する陰極と陽極の層を分離する。
【0041】
当業者にとっては、電極スタックアセンブリ225に使用するために選択されるサブアセンブリ227の正確な数は、コンデンサ265に要求されるエネルギー密度、体積、電圧、電流、エネルギー出力、その他の要件によって決まることが理解されよう。同様に、当業者にとっては、所与の陽極/陰極サブアセンブリ227に使用するために選択される切り欠きのある陽極層と切り欠きのない陽極層185、陽極タブ195、陽極サブアセンブリ170、陰極層175、セパレータ層180の正確な数は、コンデンサ265に要求されるエネルギー密度、体積、電圧、電流、エネルギー出力、およびその他の要件によって決まることが理解されよう。ここで、陽極/陰極サブアセンブリ227の数、陽極サブアセンブリ170を形成する切り欠きのない陽極層と切り欠きのある陽極層185の数、陽極サブアセンブリ170、陽極タブ195、陰極層175、各陽極/陰極サブアセンブリ227内に配置されるセパレータ層180の実質的に無限の順列と組み合わせを、コンデンサ265の特定の要件にしたがって選択可能なことが明らかになるであろう。陽極層185、陰極層175、およびセパレータ層180は、高品質アルミニウム電解コンデンサに通常使用される材料からなるのがもっとも好ましい。
【0042】
陽極層185と190は、もっとも好ましくは貫通エッチングされ、高い比静電容量(少なくとも約0.3、少なくとも約0.5、もっとも好ましくは少なくとも約0.8マイクロファラド/cm2)を有し、少なくとも425ボルトDCの耐電圧パラメータ、約50から約200マイクロメータの範囲の厚さ、より好ましくは約75から約150マイクロメータの範囲の厚さ、より好ましく約90から約125マイクロメータの範囲の厚さ、もっとも好ましくは約100マイクロメータの厚さの厚さ、投影面積の最大塩化物汚染に対して約1.0mg/m2の清浄度を有する陽極箔で形成される。陽極箔は、好ましくは390ボルトの定格サージ電圧、約99.99%のアルミニウムの初期純度、約104マイクロメータプラスまたはマイナス約5マイクロメータの最終厚さ、平方センチメートルあたり約0.8マイクロファラッドの比静電容量を有することが好ましい。適切な陽極箔は広く市販されている。
【0043】
個別の陽極層185は、通常ある程度剛性があり、単位面積あたり高い静電容量を達成するようにエッチング処理された高純度アルミニウムからなる。薄い陽極箔が好ましく、電極スタックアセンブリ225の厚さを減らしながら陽極箔の比静電容量を維持または増加する場合や、全体の静電容量を増やしながら電極スタックアセンブリ225の厚さを維持する場合に特に好ましい。たとえば、個々の陽極層185が約10マイクロメータ、約20マイクロメータ、約30マイクロメータ、約40マイクロメータ、約50マイクロメータ、約60マイクロメータ、約70マイクロメータ、約80マイクロメータ、約90マイクロメータ、約100マイクロメータ、約110マイクロメータ、約120マイクロメータ、約130マイクロメータ、約140マイクロメータ、約150マイクロメータの厚さを有することが考えられる。
【0044】
陰極層175は、高純度で比較的柔軟であることが好ましい。陰極層175は、広い表面積(たとえば高度にエッチングされた陰極箔)、高い比静電容量(好ましくは少なくとも200マイクロファラッド/cm2で、未使用時には少なくとも250マイクロファラッド/cm2)、約30マイクロメータの厚さ、投影面積の最大塩化物汚染に対して約1.0mg/m2の清浄度、陽極箔が作成される出発箔材料に対応するよりも低純度であることが可能な陰極箔からなるのがもっとも好ましい。陰極箔は、少なくとも99%のアルミニウムの初期純度、より好ましくは約99.4%のアルミニウムの初期純度、約30マイクロメータの最終厚さ、平方センチメートルあたり約250マイクロファラッドの初期比静電容量を有するのが好ましい。別の実施形態では、陰極箔は、約100から約500マイクロファラッド/cm2の範囲の比静電容量、約200から約400マイクロファラッド/cm2の範囲の比静電容量、または約250から約350マイクロファラッド/cm2の範囲の比静電容量、約10から約150マイクロメータの範囲の厚さ、約15から約100マイクロメータの範囲の厚さ、約20から約50マイクロメータの範囲の厚さ、または約25から約40マイクロメータの範囲の厚さを有する。
【0045】
陰極箔の比静電容量はできるだけ高く、陰極層175はできるだけ薄いことが一般的に好ましい。たとえば、個々の陰極層175は、約100マイクロファラッド/cm2、約200マイクロファラッド/cm2、約300マイクロファラッド/cm2、約400マイクロファラッド/cm2、約500マイクロファラッド/cm2、約600マイクロファラッド/cm2、約700マイクロファラッド/cm2、約800マイクロファラッド/cm2、約900マイクロファラッド/cm2、あるいは約1000マイクロファラッド/cm2の比静電容量を有することが考えられる。適当な陰極箔は広く市販されている。さらに別の実施形態では、陰極箔は、アルミニウム、アルミニウム合金、「純」アルミニウムとその他の材料や金属からなる。
【0046】
セパレータ層シート180aと180bと外側のセパレータ層165aと165bは、セパレータ材料のロールやシートからなるのがもっとも好ましい。セパレータ層180は、陽極サブアセンブリ170と陰極層175よりもわずかに大きく切断され、層の積層時のずれに対応し、ずれの結果発生する陽極層と陰極層との間の短絡を防止し、さらに、そうでない場合には、完成したコンデンサの陽極と陰極との間に物理的な隔壁が配置されることを保証するのが好ましい。
【0047】
セパレータ層シート180aと180bと外部セパレータ層165aと165b(図9に図示)は、(a)化学的に不活性で、(b)選択された電解質に対して化学的に適合し、(c)電解質が含浸されて隣接する陽極層と陰極層との間に低抵抗経路を生成し、(d)隣接する陽極層と陰極層を物理的に分離する材料で形成されるのが好ましい。好ましい一実施形態では、セパレータの材料は、純セルロースで、ハロゲン化物や塩化物の含有量が非常に少ないクラフト紙であり、約0.0005インチ(0.0013mm)の厚さ、約1.06グラム/cm3の密度、0.001インチ(0.025mm)の厚さあたり1,400ボルトACの絶縁耐力、低導電経路数(約0.4/ft2以下)を有する。セパレータ層シート180aと180bと外側セパレータ層165aと165bは、マニラ紙、多孔質重合体材料、または繊維ガーゼ材料など、クラフト紙以外の材料からなることも可能である。たとえば、コンデンサ層のいくつかの実施形態では、米国特許第3,555,369号と第3,883,784号に開示されているもののように多孔質重合体材料を陽極層と陰極層との間に配置してもよい。
【0048】
複数のコンデンサ層からなるそのようなコンデンサスタックでは、電解液がセパレータ層180に浸み込まされ、すなわちセパレータ層180を湿らせ、ケース90内に注入される。しかし、米国特許第5,628,801号、第5,584,890号、第4,942,501号、第5,146,391号、および第5,153,820号で開示されているもののように、さまざまな実施形態では、その範囲に固体または粘着性の電解質が含まれることが理解されよう。紙、ガーゼ、多孔質重合体材料の代わりに適切な電極間粘着剤/電解質層を使用してセパレータ層180を形成できることに留意しなければならない。
【0049】
引き続き図4を参照すると、扁平アルミニウム電解コンデンサの組み立てにおける好ましい第1の手順は、陽極層185と190、陽極タブ195、陰極層175、セパレータ層180の切断である。これらの構成部品は、壁間の隙間が狭い打ち型を使用して成形するように切断されるのがもっとも好ましく、実質的に垂直方向に向けられたパンチと打ち型との対応する壁の間の壁間間隔が、それぞれの側面で約600万分の1インチ程度であることがもっとも好ましい。約200万分の1、約400万分の1、約500万分の1、約700万分の1、約800万分の1、約1000万分の1、約1200万分の1インチの、より狭いまたは広い、ほぼ垂直方向に向けられたパンチと空洞の対応する壁の間の壁間間隔を使用することも可能であるが、好ましさは劣る。
【0050】
このように隙間が狭いことで、陽極層185と190、陽極タブ195、陰極層175、セパレータ層180の周縁部に沿って滑らかで、ばりがない端が形成される。打ち型の壁の端が滑らかでバリがないことがコンデンサの信頼性の高い性能には重要であることがわかっている。陽極層185と190、陽極タブ195、陰極層175、セパレータ層180の周縁部に沿ってばりがあると、コンデンサが短絡したり故障することがある。陽極箔、陰極箔、およびセパレータ材料を切断したり形成する方法は、形成されたり切断された部材の周縁部付近に発生するばりやその他の切りくずの有無に大きな影響を有することがある。隙間が狭い打ち型を使用することで、スチールルールダイなどその他の切断方法で作成された端にくらべて優れた端を作成できる。隙間の狭い打ち型の形状、柔軟性、および速度は、レーザーや刃による切断により達成される形状、柔軟性、速度よりも優れていることがわかっている。陽極層185と190、陽極タブ195、陰極層175、およびセパレータ層180の切断と形成のための別の方法にはスチールルールダイ切断、レーザー切断、ウォータージェット切断、刃切断があるが、それらには限定されない。
【0051】
打ち型装置の好ましい狭い隙間は、陰極箔のような薄い可塑性の材料の切断に特に重要である。信頼性の改善に加えて、ばりやくずの削減により、セパレータ層180の厚さを減少させることが可能で、それによりコンデンサのエネルギー密度を改善できる。切断ステップ中にパンチの面が打ち型の対向する床面に平行に保持されない角度切断は、陽極層185と190、陽極タブ195、陰極層175、およびセパレータ層180を切断し形成する別の好ましさが劣る方法である。
【0052】
セパレータ層180の外側周縁部がケース90の内部の対応する側壁にほとんど一致するようにセパレータ層180を切断または形成するのが好ましい。好ましい実施形態では、セパレータ層の周縁部がケース90の対応する側壁からプラスマイナス0.009インチ以内に配置される。セパレータ層180の周縁部とケース90の対応する内部側壁とがそのようにほとんど一致することは、セパレータ層180により電極スタックアセンブリ225がケース90内で移動しないようになる利点、つまりしっかり固定されるようになる利点があることがわかっている。この移動が防止される理由は、電解質が注入ポート107の内腔を通して、別個に組み立てられ密閉されたコンデンサ265に注入された後、セパレータ層180を形成するセパレータ紙が膨張するためである。
【0053】
好ましい方法では、箔つまりセパレータ材料は、ロール上で適切な隙間を有する打ち型のパンチ部と空洞部との間で引き延ばされる。それから、空圧または油圧で動作するプレスを使用して、打ち型のパンチ部か空洞部を作動させるのがもっとも好ましい。打ち型のパンチ部は、硬化工具鋼で形成するか、パンチ部の切削面上に配置されたその他の好適な耐摩耗性材料あるいは皮膜から形成するのがもっとも好ましい。打ち型の空洞が垂直方向に整列されると、切断サイクル中に打ち型のパンチ部は打ち型の空洞に向けて上または下に移動する。前者の場合、構成部品は切断され、以降の組み立て作業に使用される容器内に下に向けて落下する。後者の場合、構成部品は切断され、以降の処理のために真空式やその他の取り出し工具類を装備したロボットなどの自動組み立て装置に直接与えられ得る。ここで説明した種類の隙間の狭い打ち型は、ミネソタ州ミネアポリスのTop Tool, Inc.が供給可能である。
【0054】
陽極サブアセンブリ170は、陽極サブアセンブリ170内で陽極タブ195を適切に配置し位置決めするのを容易にする1つの切り欠きのある陽極層190を含むのがもっとも好ましい。切り欠きのある陽極層190を2つ以上陽極サブアセンブリ170に含めることもできる。陽極サブアセンブリ170の残りの陽極層は切り欠きのない陽極層185であるのが好ましい。陽極タブ195は、アルミニウムの帯状材料からなるのがもっとも好ましい。好ましい一実施形態では、アルミニウムの帯状材料は約99.99%の純度を持つアルミニウムで、陽極箔またはシートよりも陽極処理の程度が低い。以下でさらに説明するように、陽極タブ195が陽極処理がされていない材料からなるときは、陽極タブ195を切り欠きのない陽極層185に冷間溶接する際に力やゆがみの発生が少なくなり得る。陽極タブ195の厚さを切り欠きのある陽極層190とほぼ同じにするのが好ましい。切り欠きのある陽極層190が陽極サブアセンブリ170で複数使用される場合、より厚い陽極タブ195を使用することができる。
【0055】
図13は、本発明のさまざまな実施形態の扁平アルミニウム電解コンデンサ265を作成する一方法を最初から最後まで大まかに示す流れ図である。一方、図14から20は、図13に全体的に示した方法つまり工程の特定の部分を示している。図18は、陰極端子通路が、図9、図10、図11A、図11B、図21A、図21Bのように陰極貫通ピン135が挿入または貫通される陰極開口143や、図23A、図23B、図24A、図24Bのように陰極端子つまりピン125’が挿入または貫通される陰極開口143’である本発明の実施形態を特に対象にしている。それらの実施形態をまず説明し、陰極端子通路がケース側壁の上部端の一部または領域となるそれらの実施形態の具体的な作製方法をさらに以下で説明する。
【0056】
まず、すべての実施形態で使用可能な例示的な電極スタックアセンブリの作製に使用可能な陽極層の作製について説明する。図14は、切り欠きのない陽極層185、切り欠きのある陽極層190、陽極タブ195が冷間溶接装置202内に供給され組み立てられて陽極サブアセンブリ170が形成される陽極層170を作成するための一方法の流れ図を示す。図5Aないし図5Cを参照して、2つの切り欠きのない陽極層185aと185bが、冷間溶接装置202の冷間溶接用固定具底部層207上に載置される。冷間溶接装置202のさまざまな構造部材は、精密加工されたステンレス鋼または高強度アルミニウム合金で形成されるのがもっとも好ましい。次に、層185aと185bが、ばねが装備された整列ピン209a〜209eを使用して冷間溶接用固定具底部層207上で適切に整列および位置決めされる。ピン209a〜209eは、冷間溶接空洞220内に配置された層185aと185b上に下向きに押し付けられている上部層208に接触して後退する。冷間溶接装置202の断面図を示した図5Cも参照されたい。
【0057】
陽極層190は、切り欠きのある陽極層190の陽極タブの切り欠き200内に陽極タブ195を配置した後、同様に空洞220内に配置される。陽極タブ195は、陽極タブ195の周囲部に沿って配置されたばねを装備した整列ピン209fと209gをさらに使用して、切り欠きのある陽極層190の周辺に沿って位置決めされるのがもっとも好ましい。それから、切り欠きのない陽極層185cが陽極層190上に配置される。それから、積層された陽極サブアセンブリ170は、上部プレート208と底部プレート207の間に挟まれる。陽極層冷間溶接用ピン206aと陽極タブ冷間溶接用ピン211aは底部プレート207内に配置される。陽極層冷間溶接用ピン206bと陽極タブ冷間溶接用ピン211bは上部プレート208内に配置される。底部プレート207と上部プレート208は、冷間溶接用ピン206aと206bの軸が一致し、対応する冷間溶接用ピン211aと211bに対して整列するように、整列される。
【0058】
冷間溶接装置202の上部作動装置214は、冷間溶接用ピン206bと211bを下方に変位させる。下部作動装置215は、冷間溶接用ピン206aと211aを上方に変位させる。上部作動装置214と下部作動装置215の一実施形態では、空圧シリンダが使用され、ピン206a、206b、211a、211bを移動させる。装置214と装置215のその他の実施形態では、ピン206a、206b、211a、211bの軸に対して同時にかつ垂直に移動する一対の回転輪が使用される。さらに別の実施形態では、装置214と装置215には、油圧アクチュエータ、片持ち梁、おもり、ばね、サーボモータ電気機械ソレノイド等が使用され、ピン206a、206b、211a、211bを移動する。ピンを変位させる力の大きさとタイミングに関する作動装置214と215の制御は、一定の負荷、一定の変位、ソレノイドコントローラ、直接あるいは間接の手段を単独でまたは組み合わせて、任意に使用することで実現できる。
【0059】
上部プレート208で挟んだ後、冷間溶接用ピン206a、206b、211a、211bが作動する。陽極サブアセンブリ170内の冷間溶接部205と210は、冷間溶接用ピン206a、206b、211a、211bが陽極サブアセンブリ170に対して押し付けられるときに発生する圧力により形成される。図6Aを参照すると、冷間溶接部205と210が形成されるのに好ましい領域が示されている。冷間溶接部205と210は、冷間溶接部としてだけではなく鍛接部として説明することもできる。これは、陽極層185間の界面が溶接部205と210の領域で変形し、酸化層を破壊し、母材を互いに接触させ、金属結合が発生するためである。金属結合により溶接部の強度が増大する。
【0060】
その冷間溶接の方法の一実施形態では、複数の空圧シリンダが上部作動装置214と下部作動装置215で同時に動作して、ピン206a、206b、211a、211bを陽極サブアセンブリ170に向けて駆動する。陽極層の冷間溶接部205と陽極タブの冷間溶接部210は、空圧シリンダが所定の一定圧力まで加圧される直接一定負荷条件の下で形成されるのがもっとも好ましい。陽極層の冷間溶接部205と陽極タブの冷間溶接部210は、冷間溶接用ピン206a、206b、211a、211bにまたがって配置された変位センサが、それらのピンが陽極/陰極サブアセンブリ227から外れた状態を示す所定の値を有する信号を生成するまで空圧シリンダが加圧される間接一定変位条件の下で形成することもできる。
【0061】
その方法の別の実施形態では、片持ち梁機構が上部作動装置214と下部作動装置215に組み込まれる。陽極層の冷間溶接部205と陽極タブの冷間溶接部210は、片持ち梁が作動し、それ以上の移動が不可能な停止点に達するまで上部と下部の部材208と207を陽極/陰極サブアセンブリ227と係合させる直接一定変位条件の下で形成される。片持ち部またはその他の手段が、所定の負荷がセンサによって計測される時に片持ち梁の停止点を調整するための負荷計測センサを有する装置214および装置215において、間接負荷調整システムを使用することもできる。
【0062】
冷間溶接用ピン206a、206b、211a、211bの断面形状は、四角、円、楕円、その他の任意の適切な形状とすることができる。冷間溶接用ピン206a、206b、211a、211bの端部の形状は、それらのピンで生成される冷間溶接部の性質を選択的に調節するのに適した平坦形状、角を落とした形状、ドーム形状、その他の適切な形状にすることができる。同様に、使用する冷間溶接用ピンの数を4本よりも多くしたり少なくすることもできる。冷間溶接用ピン206a、206b、211a、211bの端部は、角を落とした形状かドーム形状で、断面が円形であるのがもっとも好ましい。冷間溶接用ピン206a、206b、211a、211bは、直径が約0.060インチ(0.174mm)で、さらに端部が面取りしてあるか、アールがつけられていることが好ましい。冷間溶接用ピン206a、206b、211a、211bは、ステンレス鋼、チタン、工具綱またはHSLA鋼など溶接時に加わる圧力の下で容易に変形しない高強度材料からなるのが好ましい。冷間溶接用ピン206a、206b、211a、211bの端部や側壁部に、塗膜や被覆を適用したり、あるいはそうでなければ変成させてピンの耐摩耗性、耐変形性、その他の好ましい摩擦学的な性質を増大させることもできる。
【0063】
冷間溶接部205と210の主要な機能は、溶接部205と210の領域の陽極サブアセンブリ170全体の厚さを最小にしながら、層185a、185b、185c、190と陽極タブ195との間の電気的な相互接続を提供することである。通常の従来技術の市販円筒型コンデンサでは、冷間溶接部の領域で陽極層の厚さの大幅な増加が示される。この厚さの増加は、通常タブの約2倍の厚さ、つまり約0.008インチ(0.020mm)程度である。一致しないタブの接続箇所が1つか2つしかない円筒型コンデンサの場合、陽極層の厚さへの全影響は最小になることもある。しかし相互接続と溶接箇所がより多くなる積層デザインの場合、溶接領域の厚さが増加すると、陽極層全体の厚さが大幅に増加し、電極スタックアセンブリ全体としての厚さも増加することがわかっている。
【0064】
冷間溶接の一方法と対応する装置においては、冷間溶接部の幾何学的形状と形成プロセスが適切に最適化されたときには、陽極サブアセンブリ170の厚さの実質的な増加はないかごくわずかである。いくつかの市販の円筒型コンデンサでは、冷間溶接が原因で厚さの増加が約200%になることがあるのに対して、陽極アセンブリ170のいくつかの実施形態では、冷間溶接が存在することによる層の厚さの増加は約20%に過ぎないことがわかっている。本明細書で説明したように、2個、3個、4個、5個、6個またはそれ以上の陽極層185と190を冷間溶接して陽極サブアセンブリ170を形成することもできる。
【0065】
図6Bは、好ましい冷間溶接方法によって形成された冷間溶接された陽極アセンブリの一実施形態の一部の断面図を示す。陽極層の厚さta、tN、tb、tcをそれぞれ有する陽極層185a、190、185b、185cは、下部プレート207と上部プレート208にそれぞれ取り付けられたピン206aと206bの圧縮動作により、溶接部205において1つに冷間溶接される。ピン206aと206bにより陽極サブアセンブリ170dにおいて中心凹部293と294がそれぞれ形成され、さらに縁部295と296がそれぞれ発生する。縁部295と296は、周囲の陽極サブアセンブリ170dの表面からそれぞれ下方と上方に突き出すため、陽極サブアセンブリ170dの全体の厚さTがΔTだけ増加する(Tは冷間溶接されない陽極サブアセンブリ170dの周囲の領域つまり部分について計測)。
【0066】
図6Cは、冷間溶接された陽極アセンブリの一実施形態の別の部分の断面図を示し、陽極層/タブの厚さta、tb、tc、およびttabをそれぞれ有する陽極層185a、185b、185cと陽極タブ195は、下部プレート207と上部プレート208にそれぞれ取り付けられたピン211aと211bの圧縮動作により、溶接部210において1つに冷間溶接される。ピン211aと211bにより陽極サブアセンブリ170dにおいて中心凹部297と298がそれぞれ形成され、さらに縁部299と301がそれぞれ発生する。縁部299と301は、周囲の陽極サブアセンブリ170dの表面からそれぞれ下方と上方に突き出すため、陽極サブアセンブリ170dの全体の厚さTがΔTだけ増加する(Tは冷間溶接されない陽極サブアセンブリ170dの周囲の領域つまり部分について計測)。
【0067】
したがって、陽極サブアセンブリ170dの全体の厚さTは以下の式で定義される。
【0068】
T=nt
そして、冷間溶接部205または210における領域の陽極サブアセンブリ170dの全体の最大厚さT+ΔTは、次の式で定義される。
【0069】
T+ΔT=nt+ΔT
ここでTasは冷間溶接されていない領域の陽極サブアセンブリ170dの全体の厚さで、nは陽極サブアセンブリ170dの陽極層185および/または190の数、tは個々の陽極層185および/または190または陽極タブ195の厚さであり、厚さtN、ta、tb、tc、ttabは同一と仮定する。
【0070】
比率ΔT/Tが0.05、0.1、0.15、0.20、0.25、0.30、0.35、0.40、0.45、または0.50以下になるように陽極サブアセンブリを形成することが非常に望ましい。比率ΔT/Tの値が小さいほど、コンデンサ265の体積効率が高くなる。さらに、比率ΔT/Tの値が小さくなるとコンデンサ265の全体の厚さを減少させることができる。
【0071】
ここで図6Aを参照すると、タブ195a〜195h(および対応する冷間溶接部210)のそれぞれの垂直位置を水平方向に交互に、つまりずらして並べることで、電極スタックアセンブリ225の全体の厚さをさらに減少させることができる。本実施形態では、たとえば、タブ195aと195bは互いに対して垂直方向には整列されていない。このようにタブ195を交互に、つまりずらして並べると、厚さΔTの増加分が累積しない、つまり構造的に足し合わされず、それにより電極スタックアセンブリ225の全体の厚さを減少させるように、各陽極サブアセンブリ170a〜170hに対応する厚さの増加分ΔTが電極スタックアセンブリ225の周縁部やその他の部分に水平方向に分散するようになる。冷間溶接部205も同様に、互いにまたは冷間溶接部210に対して、水平方向に交互につまりずらして並べて、電極スタックアセンブリ225の全体の厚さの減少を達成することができる。
【0072】
別の好ましい実施形態では、各コンデンサ層、つまり電極サブアセンブリの陽極サブアセンブリ170は、3つ、4つ、5つ、またはそれ以上の複数の陽極シート、つまり層185と190を備えることが可能で、各サブアセンブリは、陽極層に取り付けられたり陽極層の一部を形成する対応する陽極タブ195を備える少なくとも1つの陽極層を有することがもっとも好ましく、陽極層はともに冷間溶接され陽極サブアセンブリ170を形成する。たとえば、陽極サブアセンブリ170は、事前に別々に冷間溶接やその他の方法で1つに接合された2つの個別の3重の陽極層185を冷間溶接して作成された6つの陽極層185を備えることができる。または、陽極サブアセンブリ170の層は、事前に別々に冷間溶接やその他の方法で1つに接合された、1つの3重陽極層185と1つの4重陽極層185を1つに冷間溶接した7つの陽極層を備えることができる。別の好ましい実施形態では、複数の切り欠きのある陽極層190を陽極サブアセンブリ170で使用して、より厚い陽極タブ材料を使用できるようにすることができる。
【0073】
冷間溶接用ピン206a、206b、211a、211bの周囲の領域における底部プレート207と上部プレート208の形状は、冷間溶接部205と210の性質に影響することがわかっている。好ましい方法では、プレート207と208の嵌合面では、ピン穴の周囲にはアールが形成されない。それらの領域にアールや面取りが存在すると、それらの領域で冷間溶接部205と210に好ましくない変形が発生することがある。そのような変形は、陽極サブアセンブリ170の厚さを増大する原因となることがあり、そのような増大はコンデンサ265の厚さの増大に直接つながる可能性がある。さらに、最終的な厚さの増大は、電極スタックアセンブリ225内に存在する陽極サブアセンブリ170の数だけ倍増されたものであることに注意しなければならない。その代わりに、アールや面取りを、底部プレート207と上部プレート208のピン穴の領域で使用することもできるが、その場合、隣接する積層された冷間溶接部の位置を交互に配置するなど、適切なコンデンサのデザインにより対応を行うのがもっとも好ましい。
【0074】
図14に示されるように、冷間溶接用ピン206a、206b、211a、211bが陽極サブアセンブリ170に対して作動した後は、上部プレート208が取り除かれ、冷間溶接された陽極サブアセンブリ170は、以降の陽極/陰極サブアセンブリ227の積層のために提供される。図15は、電極スタックアセンブリ225を作成するための好ましい一方法に対応する流れ図を示す。コンデンサ265の電極スタックアセンブリ225の一実施形態の分解平面斜視図を示した図6Aも参照されたい。図4、図6A、図15に示したように、電極スタックアセンブリ225は、複数の冷間溶接された陽極サブアセンブリ170a〜170h、複数の陰極層175a〜175i、複数のセパレータ層180、外側セパレータ層165aと165b、外側覆い115、覆いテープ245を備えるのがもっとも好ましい。
【0075】
外側覆い115は、前述のセパレータ材料から打ち抜くのがもっとも好ましいが、重合体材料、アルミニウム、適切な熱収縮材料、適切なゴム引きした材料、および合成等化体、あるいはその誘導体等、さまざまなその他の適切な材料から形成することもできる。
【0076】
覆いテープ245は、ポリプロピレンで裏打ちしたアクリル系粘着テープから切断するのがもっとも好ましいが、ステープル、超音波紙接合つまり溶接、アクリル系粘着剤以外の適切な粘着剤、ポリプロピレンで裏打ちしたテープ以外の適切なテープ、鉤と対応する留め金などに置き換えることもできる。
【0077】
外側覆い115と覆いテープ245は、共に電極スタックアセンブリの覆いを構成し、その覆いは、以降の過程で電極スタックアセンブリ225が意図に反して移動したりずれるのを防止するのに役立つことがわかっている。ここで、以降の処理で電極スタックアセンブリ225を動かないように固定するためには、ここで明示的に開示した手段以外に、外側覆い115と覆いテープ245を備える電極スタックアセンブリの覆いと同じ機能を実質的に達成する多くの手段が存在することは、当業者には明らかであろう。前述の手段以外に、電極スタックアセンブリ225を動かないように固定するため代替手段が存在する。そのような代替手段には、かならずしも電極スタックアセンブリ225の一部を形成しないロボットやその他の機械的な挟み込みと固定手段、セパレータ層180を形成するための粘着性電解質などが含まれるが、それらに限定されない。
【0078】
電極スタックアセンブリ225が作成されるのにもっとも好ましい積層過程は、外側覆い115を積層固定具に配置してから、外側の紙、つまりセパレータ層165aを積層固定具に配置することから開始される。次に、陰極層175aがセパレータ層165aの上に配置されてから、セパレータ層180aと180bがその上に配置される。それから、冷間溶接された陽極サブアセンブリ170aがセパレータ層180bの上に配置された後、セパレータ層180aと180bがその上に配置され、これが繰り返される。積層固定具内でセパレータ層180aと180bを間に挟んで陰極層175と陽極サブアセンブリ170を交互に配置する処理は、最後の陰極層175hがそれらの上に配置されるまで繰り返される。
【0079】
図6Aに示した電極スタックアセンブリ225の実施形態では、8個の陽極サブアセンブリ(陽極サブアセンブリ170a〜170h)と9個の陰極層(陰極層175a〜175i)が示されている。電極スタックアセンブリ225内に配置された、組み合わされた各陽極サブアセンブリ/セパレータ層/陰極層アセンブリにわたり発生する電圧は、約360から約390ボルトDCの範囲であるのがもっとも好ましい。後述するように、電極スタックアセンブリ225のさまざまな陽極サブアセンブリは、電極スタックアセンブリ225のさまざまな陰極層と同じに、通常は電気的に並列に接続される。
【0080】
図4に関連した前述の説明と同様に、当業者にとって、図6Aに示した電極スタックアセンブリ225は単に説明を目的としたもので、陽極サブアセンブリ170、陰極層175、セパレータ層180、陽極タブ195、陰極タブ176などの数や組み合わせに関して、いかなる点についても、本発明の範囲を制限しないことはここで理解されよう。その代わりに、電極構成部品の数は、必要な全静電容量、各層の全面積、使用した箔の比静電容量、およびその他の因子に従って決定される。
【0081】
電極スタックアセンブリ225の別の実施形態では、各陽極サブアセンブリ170で使用される陽極層185の数がスタック内で異なる。そのような構造では、同一の層面積を有し、ほぼ連続的に変化するさまざまなそして選択可能な全静電容量を有するコンデンサの作製が可能で、そのためには、選択された陽極サブアセンブリ170に含まれる陽極層185/190の数をユーザーが増加させたり減少させることができる(陽極/陰極サブアセンブリ227全体を電極スタックアセンブリ225に対して追加したり除去して全静電容量を変更するのとは逆)。陰極層175iをスタック内に配置した後、外側紙層165bがその上に配置され、外側覆い115が電極スタックアセンブリ225の上に折り曲げて被せられる。それから覆いテープ245により外側覆い115が適所に保持され、電極スタックアセンブリ225のさまざまな構成部品を1つに固定する。
【0082】
セパレータ層165と180の物理的な寸法は、陽極サブアセンブリ170と陰極層175の寸法よりも幾分大きく、バリ、混入物、粒状物質の存在やケース内での破片あるいは不完全部の発生が原因で電極がケースの壁に接触したり、極性が逆の電極層同士が短絡するのを防止するのがもっとも好ましい。陽極サブアセンブリ170の一部が導電性のケース壁に接触したり、陽極サブアセンブリ170や陰極層175の周縁部のバリが極性が逆の隣接する層に接触したり、あるいはセパレータ層180aや180bが隣接する極性が逆の電極層の間で十分な電気絶縁性を提供せず、導電性の粒状物質がそれらの間の間隙を接続してしまう場合、コンデンサ265の信頼性と機能性が低下することがある。
【0083】
電極スタックアセンブリ225の周縁部付近に配置されるのがもっとも好ましい追加のセパレータ材料を、ここではセパレータオーバーハングと呼ぶ。セパレータオーバーハングの量を減少させると、コンデンサ265のエネルギー密度が増加する。そのため、エネルギー密度の最適化の観点からは、セパレータオーバーハングの量や程度を減少させるのが有益である。必要なセパレータオーバーハングの量は、主に、使用する積層方法の積層公差の特性の関数であることがわかっている。
【0084】
市販の円筒形コンデンサでは、セパレータオーバーハングの量は、通常約0.050〜0.100インチ(0.127〜0.254mm)である。以前に参照されている米国特許第5,522,851は、コンデンサの筐体が少なくとも2つの内部整列部材を有する扁平アルミニウム電解コンデンサについて説明している。それらの整列要素により、使用可能な「活性」電極材料が減少する一方でコンデンサの体積が必ず増加するため、コンデンサのエネルギー密度が減少する。
【0085】
電極スタックアセンブリ225内でのセパレータ層165と180、陽極サブアセンブリ170、陰極層175が一貫した位置合わせを保証するための好ましい方法には、電極スタックアセンブリ225のさまざまな要素をロボットによる組み立て技法を使用して積層することがある。より具体的には、電極スタックアセンブリ225のさまざまな電極とセパレータ層は、4台のSeiko4軸SCARAモデル番号TT8000とTT8500や同等製品を備え、適切な積層固定具内でさまざまな電極とセパレータ要素を取り上げ配置するアセンブリ作業セルを使用して積層され整列される。電極とセパレータ層の積層と位置合わせのためのその他の適切な方法には、カム駆動ウォーキングビーム組み立て機械技法、回転テーブル機械技法、複数ステーション単一積層機械技法などがある。
【0086】
好ましい方法では、あらかじめ形成または切断されたセパレータ、電極層、またはサブアセンブリがロボットアームに供給され、それからロボットアームはアーム端の工具類で部品を取り上げる。ベンチュリ系により、アーム端の工具類で真空が発生する。そのシステムは真空を適切な時刻に生成して、部品をアーム端の工具類に吸い上げる。次に、部品が積層固定具に配置されると、真空が解かれる。ゴム吸盤などの直接真空システムやその他の接触または非接触の取り上げロボットまたは手動組み立て方法も使用することができる。部品の位置はロボットによって、0.005インチ(0.013mm)以上の精度で、取り上げ点から積層固定具に移される。部品を積層固定具に配置後、部品の整列は、SONY XC−75カメラや同等品と組み合わせて、SEIKO COGNEX 5400 VISION Systemや同等品で電子的に確認するのがもっとも好ましい。カメラは、ロボットアーム上に取り付けられ、部品の配置の精度を確認できる。このシステムは、電極スタックアセンブリ225内の各部品や要素の位置を0.01ミリメートル以内で正確に求めることができる。ロボットアームによりすべての層が積層固定具内に配置されると、スタックは覆いの工程に供給される。
【0087】
前述の方法では、コンデンサ265に追加される望ましくない不要な体積を最小にしながら、電極スタックアセンブリ225内でセパレータ層165と180、陽極サブアセンブリ170、および陰極層175を正確に整列させ積層することができる。
【0088】
電極スタックアセンブリ225内のセパレータ層165と180、陽極サブアセンブリ170、および陰極層175の位置合わせを確実に行う別の方法には、固定具位置合わせ点を使用する手動過程で使用される積層固定具内に配置された整列要素が含まれる。そのような方法では、積層固定具は、セパレータ層165と180の位置決めのために積層固定具の周縁部付近に配置されたポストや側壁などのいくつかの整列要素を有する。陰極層175と陽極サブアセンブリ170はセパレータの周囲まで延びていないため、これらの電極を正確に位置決めする代替手段が必要になる。
【0089】
交互に配置される陰極層175と陽極サブアセンブリ170を位置決めするのは、陰極タブ176と陽極タブ195の周縁部付近に配置されたポストや側壁などの整列要素を使用して達成するのがもっとも好ましい。層の配置と位置決めの精度は、主に電極タブの長さの関数であることがわかっている。タブの長さが長くなると、整列誤差が少なくなる。電極タブの長さは、通常、打ち抜き時に発生する電極材料の喪失分との釣り合いを取らなければならず、釣り合いが必要になるのは、陽極タブ195の長さに対して陰極タブ176が長くなることが主な原因である。タブ176と195は、整列要素に関して、位置合わせと位置決めを容易にする任意の適切な形状を有する整列機能を含んでもよい。電極層の位置合わせに使用されるタブの長さの延長分は、電極タブの相互接続の過程で電極スタックアセンブリ225から取り除くのがもっとも好ましい(それについては以下で詳述する)。
【0090】
電極スタックアセンブリ225内のセパレータ層165と180、陽極サブアセンブリ170、および陰極層175の位置合わせを確実に行う別の方法では、コンデンサ265内部の整列要素の使用は必要なく、陽極サブアセンブリ170と陰極層175をセパレータ材料で包むかまたは覆う。この方法では、セパレータ層180aと180bは単一の打ち抜き片の部品として組み合わされ、陽極サブアセンブリ170または陰極層175のいずれかのまわりに巻かれる。それから、セパレータの固定されていない端が、両面転写テープ、その他の粘着剤、ステッチ溶接または超音波紙溶接によって固定される。このように電極サブアセンブリを作成することで、陽極サブアセンブリ170と陰極層175が前述のように形成されたセパレータの外皮の周縁部に対して固定され位置合わせされる。次に、作成された陽極/陰極サブアセンブリすなわちコンデンサ層227は、電極スタックアセンブリ225内に積層工程に供給される。
【0091】
セパレータを陽極サブアセンブリ170に固定するさらに別の方法は、加圧接合技法を使用する。そのような方法では、セパレータ層165または180が、十分な力により局所的な領域で陽極サブアセンブリ170または陽極層185の表面に押し込まれ、セパレータ紙が陽極サブアセンブリ170にしっかりと貼り付くが、下層の陽極サブアセンブリ170の一部が破損するほど力は強くない。セパレータ層165または180のすべてまたは一部を陽極サブアセンブリ170または陽極層185に固定するその他の方法には、縫い付け技法、粘着接合技法、超音波紙溶接技法などがあるが、それらの方法には限定されない。
【0092】
図7は、電解コンデンサ265の電極スタックアセンブリ225の一実施形態の上面斜視図を示す。図8は、図7の電極スタックアセンブリ225の一部の拡大図を示す。電極スタックアセンブリ225を外側覆い115と覆いテープ245で覆った後、集められた陽極タブ232と集められた陰極タブ233がそれぞれの外部端子と相互接続されるのがもっとも好ましい。
【0093】
図9と図10は、図6、図7、図8の電極スタックアセンブリと陽極と陰極の貫通部120と125上のエポキシ液滴から形成されたコネクタブロック145を使用するコンデンサ265のケースが中性の実施形態の分解平面斜視図を示す。その他のケースが負の実施形態について、図22〜図24を参照して以下でさらに説明する。コネクタブロック145は、独立した部品として示されているが、コンデンサ265の組み立て後、図11と図12に示し、図20の流れ図を参照して以下でさらに説明するように、硬化したエポキシ液滴をその場で使用して形成することが理解されよう。
【0094】
図16は、ケース壁、特にケース側壁92の陽極端子通路および陰極端子通路を貫通して延びる陽極端子手段と陰極端子とを形成する一方法に対応する流れ図を示している。図13の特定のステップ(図11Aと図11Bにも掲載)のタブの相互接続と貫通端子の接続により、陽極と陰極の接続端子が設けられる。ケースが負のこの実施形態では、陽極貫通部120と陰極貫通部125を使用し、それらは、集められた陽極タブ232と集められた陰極タブ233をそれぞれ取り巻きそれに溶接される巻土台部121と126をそれぞれ有するのがもっとも好ましい。貫通ピン130と135は、コンデンサ265用の外部接続端子を設ける。
【0095】
その方法では、貫通ワイヤが貫通部120と125の作成のためにまず用意される。一実施形態では、好ましい貫通ワイヤは、純度が99.99%以上で直径が0.020インチ(0.510mm)のアルミニウムである。ワイヤは、陽極貫通部120や陰極貫通部125に使用するために所定の長さに調整される。調整されたワイヤの一端は、ワイヤの内径つまり寸法が、集められた陽極タブ232や集められた陰極タブ233に巻き付けるのに必要な直径つまり寸法よりもわずかに大きくなるように巻かれる。
【0096】
次に、集められた陽極タブは、かしめによって1つの束に集めるつまりまとめられ、陽極貫通ピン130が集められた陽極タブ232の底部から離れ、外部に延びるように、集められた陽極タブ232の上に陽極貫通巻アセンブリ120の内径部131が配置される。同様に、集められた陰極タブ233がまとめられ、陰極貫通ピン135が集められた陰極タブ233の底部から離れ、外部に延びるように、集められた陰極タブ233の上に陰極貫通巻アセンブリ125の内径部136が配置される。次に、陽極と陰極の貫通部120と125の巻回土台部121と126は、陽極と陰極のタブ232と233上にかしめられるのがもっとも好ましく、その後、それらの遠端部を調整する。タブ232と233の仮想軸234と235に対してそのように形成されたかしめ部が実質的に垂直になることがもっとも好ましい。タブ遠端部は、仮想軸234と235に対して垂直ではない角度に調整することもできるが、好ましさは劣る。
【0097】
かしめ力は、以降の好ましい溶接手順を通して貫通巻部121と126と集められたタブ232と233に作用している。一方法では、かしめられた陽極と陰極の貫通部は、遠端部の調整された縁の上部に沿って、陽極と陰極のタブ232と233にレーザーまたは超音波で溶接されるのが好ましい。貫通部120と125を集められた陽極タブ232と集められた陰極タブ233にそれぞれ溶接した後、ピン130と135はケース90の陽極および陰極の穴142と143に挿入するために曲げられる。
【0098】
貫通部120と125と貫通部を陽極タブ232と陰極タブ233に接続する手段については、図に具体的に示された実施形態以外にも多数のさまざまな実施形態が存在する。たとえば、貫通部には、貫通ピン130と135を集められた陽極と陰極のタブ232と233に接続するために、側部が開いた土台部、「U」または「T」の形状の断面を形成する土台部、ワイヤが1回巻かれた巻部を形成する土台部、ワイヤが3回以上巻かれた巻部を形成する土台部、平板にされたワイヤから形成された土台部、かしめスリーブや金属の層から形成された土台部などの実施形態も含まれる。
【0099】
図17は、タブの相互接続と貫通部の接続のためのその他の方法に対応した流れ図を示す。その方法では、陽極貫通部120と陰極貫通部125は巻部を有さない。集められた陽極タブ232と集められた陰極タブ233は集められ調整された後、陽極と陰極の貫通部120と125の土台部が、集められた陽極タブ232と陰極タブ233の近くにそれぞれ配置される。それから、貫通部120と125の土台部は集められた陽極タブ232と集められた陰極タブ233にそれぞれ接合されるが、超音波溶接手段によるのがもっとも好ましい。
【0100】
さらに別の方法では、貫通部120と125の土台部は、(たとえば図23Aおよび図24Aにも示されるように)集められた陽極タブ232と集められた陰極タブ233に溶接しやすいように平坦にされる。また、別の方法では、貫通ピン130と135の土台部は、巻くこと以外の手段で集められた陽極タブ232または集められた陰極タブ233の周囲に係合するように形成される。たとえば、貫通部120と125の土台部121と126を「旗の形」にして、それらの旗の部分をタブ232と233に巻き付けることができる。さらに別の取り付け方法では、貫通ピン130と135は、陽極タブ232と陰極タブ233に抵抗溶接、冷間溶接、ろう付け、摩擦溶接、またはタブ232と233を係合し接合してタブへの電気的、機械的接続を実現するかしめスリーブなどの追加の貫通部構成部品により取り付けられる。
【0101】
タブ232および233と貫通巻部アセンブリ120および125との電気接続部を形成する過程で、個々のタブ176と195に好ましくない応力が発生する可能性があることがわかっている。それらのタブに結果的に発生する歪みにより、陰極タブ176の底部で陰極層175に裂け目が発生したり、陽極サブアセンブリ170内の比較的強度の低い冷間溶接部205と210に破損が発生することもわかっている。貫通部120と125の巻部の利点の1つに、それらが貫通ピン130と135と集められたタブ232と233との間の歪みを除去することがある。したがって、貫通部120と125の歪み除去機能は、貫通部の接続部に発生する好ましくない応力を最小限にしたり取り除くのに役立つ。
【0102】
表2は、コンデンサ265のさまざまな構成部品が互いにレーザー溶接される場合の最適化された好ましい処理パラメータを示している。表2に示したパラメータは、ミネソタ州イーデンプレーリーのLumonics Laserdyne社製の固定光ビーム伝送方式を持つモデル番号JK702HパルスNd:YAGレーザー溶接システム用のパラメータに対応している。表3は、同型式のレーザー溶接システムが容認できる溶接特性を実現するパラメータの範囲を示している。
【0103】
最適化されたNd:YAGレーザー溶接システム用のパラメータ
【0104】
【表2】
一般的なNd:YAGレーザー溶接システム用のパラメータ
【0105】
【表3】
本明細書と特許請求の範囲で使用される場合、「レーザー溶接」という用語は、干渉性の光ビーム処理が使用される溶接方法を意味するが、この意味には限定されない。干渉性の光ビームには、パルスモード、連続モード、またはQスイッチモードによる固定ビーム送出方式や光ファイバビーム送出方式を使用する電子ビーム溶接法やレーザー溶接法(たとえばNd:YAG、CO2処理)などがある。マイクロミグ溶接処理やマイクロプラズマ溶接処理などのその他の溶接処理を干渉光ビーム溶接の代わりに使用することもできる。
【0106】
図10は、部分的に組み立てられた状態の図9のコンデンサ265の分解平面斜視図を示し、ここでも図示の便宜上コネクタブロック145は独立した部品として示されている。図18は、図19に示したステップに従ってカバー110が取り付けられたケースサブアセンブリ108を作成する一方法の流れ図を示している。好ましい実施形態では、ケース90とカバー110は、アルミニウムで形成され、陰極層に電気的に接続されていて、ケース90とカバー110は陰極層と同一の電位、すなわち負の電位にあるか、陽極または陰極の電位のどちらにも接続されていない。
【0107】
まず、電極スタックアセンブリ225、注入ポート107、側壁92を貫通する陽極開口142、陰極開口143、注入ポート開口139を有する陽極ケース90が設けられる。それから、図19の次の2つのステップでは、注入ポートフェルール105が注入ポート開口139の周囲にレーザー溶接される。電極スタックアセンブリ225は、陽極開口142を貫通して延びる陽極貫通ピンつまり端子ピン130と、陰極開口143を貫通して延びる陰極貫通ピンつまり端子ピン135と共に内部ケース室に挿入される。任意に、陰極端子ピン135と陰極開口143の端との間の隙間をレーザー溶接して、ケース90が陰極と同電位になることを保証してもよい、しかしこのステップは、ケース90の電位が問題にならず、エポキシを使用して隙間を密閉して電解質の漏れを防止するときには省略することもできる。
【0108】
陽極端子ピン130の外部端部は、陽極ワイヤガイド95の内腔を通して渡され、それからそのガイドは陽極開口142内に押し込まれる。ワイヤガイド95は、陽極貫通ピン130を電気的に絶縁し、陽極開口142の開口の内径開口内の中心に陽極貫通ピン130を配置して、陽極貫通ピン130がケース90の内部表面から間隔を持ち、電気的に絶縁されるようにする。ワイヤガイド95、貫通ピン130、陽極穴142の大きさの許容値は、ワイヤガイド95が穴142に嵌め込み可能で、貫通ピン130がワイヤガイド95の中心に配置された穴に貫通するように嵌め込み可能なように設定される。アセンブリは、ケース側壁92により密閉されないため、密閉して電解質の喪失を防ぐことが必要である。本発明の一態様によれば、図20の方法によりエポキシ液滴コネクタブロック145を形成することで密閉が実現される。エポキシは、ワイヤガイド95、貫通ピン130、陽極穴142の間の隙間に浸透する。
【0109】
ワイヤガイド95の中には、環状、傾斜状、またはパチンと嵌め込む(snap−in:スナップイン)の特徴が一体的に形成されて含まれるのが最も好ましい。この特徴により、取り扱い中にワイヤガイド95が陽極開口142から押し出されるのが回避されるが、ワイヤガイド95の陽極開口142への挿入が、挿入ステップ中にケース90を損傷させないように十分に弱い力を用いて行われ得るように形成されるのが最も好ましい。ワイヤガイド95は、電解コンデンサの環境下で安定している、さまざまな電気的に絶縁性を持つ材料から形成することができる。好ましい一実施形態では、ワイヤガイド95が作成される材料は、射出成形されたポリスルフォンで、ジョージア州アトランタのAmoco Performance Productsが供給するAMOCO UDELとして知られている。その他の実施形態では、ワイヤガイド95は、フッ素プラスチック(たとえばETFE、PTFE、ECTFE、PCTFE、FEP、PFA、PVDF)、フッ素エラストマー、ポリエステル、ポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアセタール、ポリエーテルケトン、ポリアリールケトン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニルスルフォン、ポリスルフォン、ポリアリールスルフォン、ポリエーテルイミド、ポリイミド、ポリ(アミド−イミド)、PVC、PVDC−PVC共重合体、CPVC、ポリフラン、ポリ(フェニレンスルフィド)、エポキシ樹脂、シリコンエラストマー、ニトリルゴム、クロロプレン重合体、クロロスルホン化ゴム、多硫化ゴム、エチレン−ポリプロピレンエラストマー、ブチルゴム、ポリアクリルゴム、繊維強化プラスチック、ガラス、セラミック、その他の適切な電気絶縁性の化学的に適合性のある材料など他の化学的に耐久性のある重合体から形成されてもよい。
【0110】
本明細書と本特許請求の範囲で使用される場合、前記の頭文字は以下の意味を持つ。頭文字「ETFE」はポリ(エチレン−コ−テトラフルオロエチレン)を意味し、頭文字「PTFE」はポリテトラフルオロエチレンを意味し、頭文字「CTFE」はポリ(エチレン−コ−クロロトリフルオロエチレン)を意味し、頭文字「PCTFE」はポリクロロトリフルオロエチレンを意味し、頭文字「FEP」はフッ化エチレン−プロピレン共重合体を意味し、頭文字「PFA」はペルフルオロアルコキシフッ素重合体を意味し、頭文字「PVDF」はポリフッ化ビニリデンを意味し、頭文字「PVC」はポリ塩化ビニルを意味し、頭文字「PVDC−PVC」はポリ塩化ビニリデン−ポリ塩化ビニル共重合体を意味し、頭文字「CPVC」は塩素化ポリ塩化ビニルを意味する。
【0111】
それから、以下で説明するように図19のステップに従って、カバー110を側壁上部端に取り付けるために、ケースアセンブリとカバー110が設けられる。最後に、図18で、必要に応じて陰極と陽極の端子ピン130と135の端部が調整される。
【0112】
図11Aおよび図11Bに示すように、電極スタックアセンブリ225は、ケース90の内部ケース室100内に着座する。図11Aおよび図11Bでは、電極スタックアセンブリ225の上部空間部分(以降、上部空間230と呼ぶ)が、ケース90とカバー110から絶縁されていることも示される。上部空間の絶縁を実現する手段には、成型、熱成型、打ち抜き、または機械的な成型による絶縁性材料と手段があり、材料と手段は、電解コンデンサの環境で安定している。上部空間絶縁部を形成するのに適した材料には、ワイヤガイド95の形成用の前述の各材料がすべて含まれる。上部空間絶縁を実現する別の手段では、覆いテープ245と同様な電気絶縁テープで上部空間230を覆い、陽極または陰極の端子がケース90やカバー110と接触したり、または互いに接触するのを防ぐ。
【0113】
図19は、以前に参照された原特許出願第09/103,876号に詳細に記述されているように、図13のカバー110をケース90に溶接してそれらの間を密閉する手順を拡張した流れ図を示している。ケースサブアセンブリ108には、内部ケース室100内に挿入された電極スタックアセンブリ225と前述のようにして完成された陽極と陰極のタブ/貫通接続部が設けられている。カバー110は、ケース90の側壁92上に形成された上部端94上に配置される。ケース側壁の上部端の一構成では、上部端の高くなった部分は、カバー110が上部端94上に配置されたときに、カバー110の上部表面112よりも約0.014インチ(0.355mm)上に延びた状態である。アセンブリは、かしめ機構または組み合わせ型(nest)内に配置され、クランプが作動してカバー110を上部端94に当てて固定される。かしめ機構が作動して、高くなった端部を、カバー110の上部表面112の上に、それに沿って、またはその上方にかしめる、つまり折り曲げる。
【0114】
別の好ましい方法では、上部端94の高くなった部分のかしめは、ケース90の形状に切断され、さらに高くなった部分に係合してその部分をカバー110の上部表面112上に内側に向けて押し付ける角度つまり傾斜のある側壁を有する型により達成される。かしめは、高くなった部分をカバー110の上部表面112上に連続してかしめながらケース90の周囲を移動する移動かしめ装置によって形成することもできる。カバー110の端を側壁92を越えて外側に下向きにかしめたり折り曲げるように前述の方法を適合させるのは容易である。
【0115】
高くなった部分をカバー110上にかしめたり、カバーの端を側壁の上部端94上にかしめるのは、いくつかの利点がある。まず、カバー110のケース90へのレーザー溶接は、比較的簡単な道具類を使用して達成でき、処理時間が短くなる。レーザー溶接は、一般的にケース90やカバー110のような構成部品を互いに正確に整列させなければならないときに、製造工程の流れの中でしばしばボトルネックになる。レーザー溶接工程中にこのような整列手順をなくすことは、製造工程のボトルネックをなくすのに役立つことがわかっている。高くなった端部や外側のカバーの端を曲げたりかしめることで、レーザービームがコンデンサ265内部に入射するのが防止される。レーザービームは内部に入射せず、必ずケース90とカバー110の材料に照射され、溶融を誘発する。接合部の少なくとも一部を形成するかしめがその接合部にない場合、レーザービームがコンデンサ265内の構成部品を損傷することがわかった。
【0116】
かしめられた接合部の別の利点は、かしめにより、溶接領域の金属部分が増加することである。アルミニウムは、熱膨張係数が高く、溶接工程の特性である高温から急激に冷却されると亀裂が生じやすい。かしめにより金属部分が増加することで、カバーとケースの上部端との間の接合部で亀裂が発生しにくくなる。
【0117】
それから、かしめられたケース90とカバー110は、かしめ固定具から外され、溶接固定具に配置される。カバーの端とケース上部端94との間に形成された接合部がレーザー溶接され、ケース90とカバー110が密閉される。表2は、かしめられたケース/カバーの接合がNd:YAGパルスレーザー溶接システムを使用して密閉される場合の最適化された一式のパラメータを示す。表3は、同型式のレーザー溶接システムが容認できる結果を実現する条件の一般範囲を示している。
【0118】
図18の最後のステップに戻り、陽極と陰極の端子ピンは、適切な長さに調整され、少なくとも2種類の陽極と陰極の端子が設けられる。図11Aと図11Bは、露出した陽極ワイヤ端部150aを陽極貫通ピン130の側部に沿って陽極接続端子に取り付け、露出した陰極ワイヤ端部150bを、陰極貫通ピン135の側部に沿って陽極接続端子に取り付けるか、陰極端子ピン135の調整または接地された端部の近傍のケース側壁92の外部表面に取り付ける好ましい取り付け方法を示している。図11Aと図11Bは、ケース壁92上にそのまま形成され、それらの接続部を封止する(仮想外形線で示した)エポキシ液滴コネクタブロック145も示している。露出したワイヤ端部150aと150bを貫通ピン130と135にそれぞれ取り付けるステップと、エポキシ液滴コネクタブロック145を形成するステップも、図20の流れ図に示す。
【0119】
好ましい実施形態では、超音波溶接、抵抗溶接、レーザー溶接などの技法を使用して、露出したワイヤ端部150aと150bは貫通ピン130と135にそれぞれ電気的に接続される。このような接合技法では、接合形状は、貫通ワイヤ130および135とハーネスリード線151と152の露出したワイヤ端部150aおよび150bとのそれぞれのクロスワイヤ溶接、つまり直角とするのが好ましい。しかし、以前に参照された特許出願第09/103,876号に詳細に説明されているかしめチューブと方法、特にそこに開示されているコネクタブロックと取り付け方法を使用して接続することもできる。表4は、より線の露出したワイヤ端部150aと150bを陽極と陰極の接続端子に抵抗溶接する場合のクロスワイヤ溶接の場合とそれに代わる表面溶接の場合の最適化された一式のパラメータを示す。
【0120】
一般的な抵抗溶接パラメータ(単一または二重パルス)
【0121】
【表4】
図20では、図21A〜図21Cにも示した方法で電気接続が完了した後、エポキシ液滴コネクタブロック145が形成される。一般的に、ワイヤハーネスとの電気接続後、封止領域の準備がされ、定量の比較的粘性の高い液体状エポキシが封止領域の電気接続部に液滴状で塗布され、コンデンサアセンブリをゆっくりと回転させながらエポキシが炉内で硬化される。管理された温度と低速の回転により、エポキシは貫通部の構成部品と電気接続部の周囲のすべての空洞部に流れ込み浸透し、泡を形成するおそれのある気体がすべて放出され、ふくらんだ、滑らかで、光沢があり、コンデンサ間で一貫したいくぶん半球状の外部表面が形成される。
【0122】
図21Aでは、電気接続は、前述のように、ワイヤハーネスワイヤ端部150aと150bを陽極と陰極の端子ピン130と135にクロスワイヤ溶接することにより行われる。図21Bでは、封止領域98と電気接続部の準備は清浄にすることにより行われ、マスキングテープ99が任意に側壁92に貼り付けられ、エポキシが平坦な側壁表面に沿って流れるのが制限され、封止領域98上に形成されるエポキシ液滴の端がきれいで一貫した形状になる。他の辺は曲線状のケースの端により区切られ、コンデンサアセンブリが回転するときに硬化する液体状のエポキシの表面張力によりエポキシがそれらの端を越えて流れることが防止されるため、封止領域98の4辺すべてを覆う必要はない。
【0123】
固定具の受け部内で封止領域の表面を水平に配置した状態で、コネクタブロック145を形成する定量のエポキシが図21Cに示したように封止領域98に塗布されるが、固定具は複数のコンデンサアセンブリを保持するために複数の受け部を有することもある。それから、1つまたは複数のコンデンサアセンブリを保持した固定具が、架台を所定の速度で回転するモーター式駆動部に結合された架台内に配置される。架台と固定具の回転により、各コンデンサアセンブリは、温度管理された炉内に置かれた状態で、図21Cの軸A−A(またはその他の好ましい軸)に関して回転する。上昇した温度により、エポキシの粘性が低下し、重力、エポキシとアルミニウム間の表面エネルギー(濡れ)、エポキシの表面張力により決まるエポキシの体積(と表面積)が最低になる。前述のように形成されたエポキシ液滴コネクタブロック145は、貫通ピン130と135およびハーネスワイヤの電気接続部の歪みを除去する。エポキシにより、ワイヤガイド140と141、ケース90、フェルール95と100の間にエポキシ密閉部が設けられることになる。
【0124】
架台が約2rpmで回転する場合、摂氏85°〜105°(たとえば90℃)で動作する炉の中では、エポキシは、30分以内に硬化する。さらに、エポキシが封止領域から離れる方向に流れるようにする位置で架台が問題なく回転できる場合、エポキシの流れを限定するのにマスキングテープ99は必要ないことがわかった。
【0125】
硬化の完了後、そのように形成されたコンデンサアセンブリは、架台の受け部から外され、マスキングテープ99が取り除かれ(以前に貼り付けられている場合)、エポキシ液滴コネクタブロック145が検査される。全体の形状、液滴の端、内部に封止された構成部品の被覆状態が所定の標準を満たさなければならない。
【0126】
エポキシ液滴コネクタブロック145が作成される方法により、貫通ピン130と135とワイヤ端部150aと150bが良好に電気絶縁される。その方法により、予測可能で、一様で、信頼性が高く、見栄えのするコネクタブロック145が提供され、高品質の密閉が実現される。
【0127】
エポキシ液滴コネクタブロック145の形成に使用されるエポキシは、コンデンサ265で使用される電解質に対して化学的に耐性があり、周囲の表面にうまく接着されることがもっとも好ましい。各重合体のワイヤガイド(または前述のアルミニウムケース用に重合体が代用された場合は重合体のケース側壁)の接着促進処理(化学析出、エッチング、コロナ、イオン銃、プラズマ処理などによる)を使用して、コンデンサ265の信頼性を最大にすることもできる。好ましい方法では、空隙や亀裂がないかほとんどなく、周囲のピン、フェルール壁、ワイヤガイドの構成部品に完全または実質的に完全に接着されるエポキシが使用される。フェルール穴を密閉用のエポキシで充填するには、いくつかの方法があり、選択されたエポキシの粘性と濡れ角度(表面エネルギー)に大きく依存する。エポキシでは濡れ角度と粘性の特性の釣り合いが望ましいことがわかっている。さらに具体的には、エポキシは、空隙が生じないように充填され表面に広がるのに十分に薄く、しかし、ワイヤガイドの周囲や中、または、封止領域98を限定するコンデンサケースの端とマスキングテープの境界の周囲に漏出しないように十分に濃いつまり粘性があることが望ましい。
【0128】
適切なエポキシの1つとしては、CIBA Geigy Araldite 2014などの脂肪族エポキシがある。その他の適切な注封接着剤には、ポリアミド、ポリエステル、ポリウレタン、エポキシ、ポリエチレン−ビニルアセテートなどの化学的耐性のある熱可塑性の熱溶融材料、アクリル酸塩、メタクリル酸塩などの紫外線硬化樹脂、脂肪族エポキシまたは芳香族エポキシ、シリコン、ポリアミド、ポリエステル、ポリウレタンなどのその他の熱硬化性樹脂がある。多くの適切な注封接着剤は、温度硬化または紫外線硬化する。場合によっては収束赤外線手順を使用して硬化時間を最短化し熱を局所化することもできる。図21Cには透明エポキシ液滴コネクタブロック145が示されているが、エポキシ材料は不透明でもよい。
【0129】
さらに、エポキシ液滴コネクタブロック145’を使用して形成されたケースが負または中性のコンデンサの実施形態を図22A、図22Bから図24A、図24Bに示す。電気接続を行い、エポキシ液滴コネクタブロック145’を形成する方法は、前述の図20の手順に従う。ケースが負の実施形態では、コンデンサケース90’と90”および嵌合するカバーと内部に配置された電極スタックアセンブリは、前述のケースが中性の実施形態よりも幾分小さく、半球に近い。図22Aに示した実施形態の封止領域98’は、側壁92’の曲率に沿うが、図22Bに示した実施形態の封止領域98”は、側壁92”の平坦な部分にある。図23Aと図23Bおよび図24Aと図24Bは、図22Aの実施形態のケースが中性またはケースが負の電気接続を行う代替方法を示しているが、ケースが負の接続を実現するためのそれらの形態や同等の形態は、図22Bの実施形態に使用できることが理解されよう。さらに、ケースが負の接続を実現するためのそれらの形態と同等の形態は、前述のケースが中性のコンデンサをケースが負のコンデンサに変更するのに使用できる。
【0130】
図23Aと図24Aは、エポキシ液滴コネクタブロック145’内の集められた陽極タブ232とワイヤハーネス155との電気接続の一実施形態を示す。陽極貫通ピン120’は、陽極穴つまり開口142’で支持され、電気絶縁性の環状のガイド95’によりケース側壁92’から電気的に絶縁されている。それらの陽極貫通部構成部品は、前述の方法で形成し、ケース側壁92’に組み付けることもできるが、独立した貫通部として形成することも可能で、その場合、フェルールがケース側壁92’に一体で溶接され、それから集められた陽極タブ232と露出したワイヤ端部150aに接続される。陽極貫通ピン120’は、内端で集められた陽極タブ232に結合される。陽極貫通ピン120’の外部に配置された端部は、前述の方法などの任意の便利な方法でワイヤハーネス155のワイヤ152の露出したワイヤ端部150aとの接続用の陽極接続端子となる。好ましいクロスワイヤ溶接が図示されている。
【0131】
図23Aと図23Bは、エポキシ液滴コネクタブロック145’内で集められた陰極タブ233とワイヤハーネス155とを接続し、陰極接続端子を実現する一方法を示している。陰極ピン125’は、内端で集められた陰極タブ233と結合され、外端でワイヤハーネス155のワイヤ151の露出したワイヤ端部150bに前述の方法など便利な方法により結合される。好ましいクロスワイヤ溶接が図示されている。図23Aと図23Bに示したその実施形態では、陰極ピン125’は、単に陰極開口143’を通して延長され、陰極ピン125’と陰極開口143’の端との間の残ったすべての隙間は流動するエポキシで充填されるので、その隙間を溶接して閉鎖する必要はない。したがって、集められた陰極タブ233が、ケース90’に電気的に結合されるかどうかは、陰極ピン125’が陰極開口143’の端に偶然接触するかどうかによる。
【0132】
図24Aと図24Bは、ケースが負の場合に、エポキシ液滴コネクタブロック145’内で集められた陰極タブ233をワイヤハーネス155に接続し、陰極接続端子を実現する別の方法を示している。陰極ピン125’は、内端で集められた陰極タブ233と結合され、外端でワイヤハーネス155のワイヤ151の露出したワイヤ端部150bに前述の方法など便利な方法により結合される。陰極ピン125’は、小径の陰極穴143’を通して延長され、溶接エネルギーを加えることでケース側壁92’に電気的に接合されるが、その溶接エネルギーにより陰極孔143’も密閉される。本実施形態では、陰極ピン125’は、ケース側壁92’の表面に接地され、露出したワイヤ端部150bは、封止領域98’内の陰極接続端子の部分でその表面に溶接される。溶接によって、陰極ピン125’と陰極開口143’の端との間の隙間が閉じられることもある。このような表面やワイヤをケースに抵抗溶接する場合のパラメータは、前述の表4に示されている。
【0133】
図25〜図30に示されたさらなる実施形態とその変形例では、陰極端子通路は、側壁上部開口端94の内部棚部141の一部からなり、棚部141は、側壁上部開口端94と内部棚部141の一部に重なるカバー110のカバー端部111から下降した幅と深さを持つ。陽極端子手段は、前述のように形成することも可能だが、集められた陽極タブ232に電気的および機械的に接続された陽極ワイヤまたは第1の陽極端子端部130a’と第2の陽極端子端部130b’を有する陽極線または貫通ピン130’、陽極端子通路または陽極開口142内で陽極ワイヤまたは陽極貫通ピン130’を支持する絶縁スペーサ95’を備えるだけでもよい。スペーサ95’は、陽極開口142に挿入される独立した環状の絶縁部品として形成したり、陽極ワイヤまたは貫通ピン130’を囲んで、それをケース側壁92から絶縁するようにその場に形成して、それによって陽極接続端子をケース側壁90の外側の第2の陽極端子端部130b’の位置に設けることができる。それらの実施例の製造ステップは、図13〜図15、図17、図19、および図20ならびに図18に代わる図29または図30に示したステップに一般的に従う。
【0134】
それらの実施形態では、第1の陰極端子端部が集められた陽極タブ233に取り付けられ、カバー110が側壁上部開口端94と捕捉された第2の陰極端子端部に当てて密閉されるときに、第2の陰極端子端部が棚部141に当ててカバー110によって捕捉される。コネクタアセンブリの陰極ワイヤの露出したワイヤ端部150は、図28に示すように封止領域98内の画定された陰極接続端子113の位置でケース壁92に面一に溶接される。
【0135】
図26と図29に示したこの実施形態の第1の変形例では、陰極端子は、集められた陰極タブ233に結合された第1の陰極端子端部231aと棚部141を越えて延びる第2の陰極端子端部231bとの間に延びる箔の長さを持つ、たとえばアルミニウム陽極箔などの導電性材料の陰極タブ延長箔231を備える。第2の陰極端子端部231bは、棚部141と上部端94を越えて延び、以下でさらに説明するようにカバー端と側壁上部開口端94との間の接合部が形成され溶接されるときに、図28に示すようにカバー110により捕捉される。第2の端子端部231bは、接合部の形成時に接合部内で密閉され、外部に延びる任意の部分が接合部の溶接時の前後のいずれかに調整される。
【0136】
図27と図30に示した本実施形態のさらなる変形例では、陰極端子は、電極スタックアセンブリ255の陰極層から棚部141を越えて延びる複数またはすべての陰極タブ233の延長部233’を備える。延長された陰極タブ233の第2の陰極端子端部は、図25の逃げ111の深さにほぼ等しい陰極タブ積層部の厚さと、逃げ111の幅以下のタブ端部の幅を持つ。陰極タブ積層部は、棚部141と上部端94を越えて延び、側壁上部開口端94と陰極タブ積層部に当てて密閉されるカバー110により捕捉される。
【0137】
本発明は、図示のワイヤハーネス155あるいは同等のハーネスまたはコネクタアセンブリに使用できることに注意すべきである。それから、ワイヤハーネス155は、必要に応じて、たとえば、図3A〜図3Gに示したように装置レベルの組み立てステップにおいて、コンデンサの電気接続を引き回す手段としての役割を果たすこともできる。図9〜図12、図23B、図24Bに示した実施形態では、端子コネクタ153は、回路またはモジュールの嵌合コネクタへの接続するようになっている摺動接点のメス端部を形成している。別の実施形態では、端子コネクタ153は、摺動接点のオス端部であってもよい。さらに、ワイヤ151と152は、端子コネクタ153が機械的にエポキシ液滴コネクタブロック145、145’に接合されるように、短縮することもできる。または、端子コネクタ153を廃止して、ワイヤ151と152の端部を他の回路またはモジュールに抵抗スポット溶接、超音波ワイヤボンディング、はんだ付け、かしめ、その他の取り付け手段により接続することもできる
エポキシ液滴コネクタブロック145と145’の形成に続く残りのコンデンサの作製ステップを図13に示す。溶接ステップとコネクタブロック145と145’の形成の完了後、コンデンサケースの側壁92の穴に溶接された注入ポート107を通してコンデンサ265に電解質が注入され、それから注入ポートの内腔が閉じられる。以前に参照された原出願第09/103,876号に詳細に説明されている複数回の真空含浸サイクルにより注入が実行される。電解質は、高電圧電解コンデンサ用の任意の適切な電解液とすることができる。好ましい実施形態では、電解質はアジピン酸を溶質とするエチレングリコールベースの電解質である。高電圧コンデンサへの使用に適した他の電解質を使用することも可能であると考えられる。
【0138】
注入ポート107により、電解質の注入とヘリウム漏れ検証機能が実現され、これらの機能の実行が完了したときに容易に密閉することができる。コンデンサ265の密閉性は、ヘリウム漏れ試験を使用して計測するのが好ましい。ヘリウム漏れ試験の一種では、ヘリウム漏れ試験装置により、注入ポート107の周囲に密閉部が形成される。コンデンサ265の内部が注入ポートの内腔を通して約50トルまで真空引きされ、コンデンサ265の内部から吸引された気体が調整された質量分析計を通過するように設定されるため、Oリングが継ぎ手と注入ポート107との間に配置されるのが好ましい。それから、ヘリウムガスが、コンデンサ265、カバー110、ケース90、カバー110とケース90との接合部、コネクタブロック145、フェルール105、注入ポート107、フェルール105その他の構成部品の周囲に放出され、ヘリウムの耐漏洩性試験装置によりコンデンサ265の内部から排出される気体と分子にコンデンサ265の外部からその内部に漏れたヘリウムガスが存在するかどうかが試験される。コンデンサ265内部の材料や接合部を通して漏れるヘリウムの漏れ率は、質量分析計により決定される。この耐漏洩性つまり密閉性の計測値は、ケース開口に対するカバー、ケース側壁に対する貫通フェルール、ケース側壁に対する注入管の溶接された接合部の品質を保証する手段になる。
【0139】
別の種類のヘリウム漏れ試験では、「ボンビング」つまりコンデンサ265の内部室へのガスの注入が、注入ポート107の密閉の直前に実行される。それから、密閉されたコンデンサ265の外部は、調整された質量分析計を使用して真空状態で監視され、コンデンサ265の材料や接合部を通したヘリウムの漏れ率が決定される。
【0140】
調整された質量分析計は、ヘリウム耐漏洩試験装置に内蔵されているのがもっとも好ましい。分析計は、ヘリウム原子や分子の存在を感知する。そのような装置の例には、ニューヨーク州イーストシラキュースで製造されるLEYBOLD INFICONモデル番号UL−200ヘリウム漏れ試験器がある。注入管と耐漏洩性試験装置の継ぎ手と共に、耐漏洩性の定格が約1×10−9cm3/secのOリングを使用するのがもっとも好ましい。耐漏洩性試験装置をコンデンサ265と使用する場合、通常不合格とみなされる点は、約1×10−9cm3/secと規定される。
【0141】
密閉性試験が完了すると、注入管107を使用してコンデンサケースに電解液が注入される。それからコンデンサ265と電解質供給源は、電解質の供給源に取り付けられた一時注入管を任意に使用して注入ポート107の外部管端部106がその供給源に接続された状態で真空室に配置される。それから、以下でさらに説明する電解質の蒸気圧を超える圧力で、真空含浸サイクルを複数回実行するのが好ましい。好ましさのより低い方法では、コンデンサ265を電解質に浸漬するか、定量注入装置を使用してコンデンサ265に真空注入することで、コンデンサ265に電解質が注入される。
【0142】
コンデンサ265に電解質が注入されると、エージング処理を実施して絶縁性の酸化アルミニウム層を形成するのが好ましい。エージングは、電流をコンデンサの端子を通して流し、端子間の電圧をゼロからコンデンサの最大のエージング電圧(通常、360から390ボルトDCの間)まで徐々に上昇させることで一般的に達成される。エージング電圧が達成されると、コンデンサ265は、漏れ電流が許容可能な低い値で安定するまでその電圧に保持される。電流制限過程中に約370ボルトの電圧が達成されるまでコンデンサ265をエージングするのが好ましい。
【0143】
エージング処理は、漏れ電流を観察しながら、370ボルトに設定された電圧と(214マイクロファラッドの静電容量を持つコンデンサに対しては)約1.5mAに制限された電流で実行するのが好ましい。電圧が高いときにはエージングシステムの温度を上昇させるのが有益である。好ましい一方法では、電圧が230ボルトに達したときに、温度を約摂氏70°に上昇させる。370ボルトまで充電した後、漏れ電流が所定の値まで減少するか、370ボルトで所定の時間が経過するか、所定の漏れ電流の減少率が達成されるまで、370ボルトに保持された電圧でコンデンサのエージングを継続するのがもっとも好ましい。
【0144】
エージングに続いて、エージング後の真空処理、つまりコンデンサ265への注入処理により、以前に参照された原特許出願第09/103,876号に詳述されているように、静電容量と等価直列抵抗(ESR)が著しく改善される。
【0145】
エージングと真空再注入サイクルの後、注入ポート管107の遠端部が106密閉され、コンデンサ内で気圧が上昇したときでも電解質の喪失が防止される。最初に、注入ポートの内腔が注入管107の端で、ペンチまたは圧縮ローラーや溶接などの適切な手段で機械的にかしめられて閉鎖されるのが好ましい。次に、前述のように形成されてかしめられたり閉鎖された接合部をサイドカッターによる金属せん断や金型で調整し、密閉するのがもっとも好ましい。注入管197を密閉するための許容差が少なく高価な追加の単片部品や構成部品を必要とすることなく、コンデンサの注入ポートを最低限のコストで素早く閉鎖し密閉することができる。それから、注入ポート管107のかしめられた端部の隙間が密閉されるが、超音波溶接、冷間溶接、レーザー溶接などの接合技法を使用するのがもっとも好ましい。たとえば、表2と表3を参照されたい。
【0146】
しかし、接着剤塗布、エポキシ塗布、またはその他の任意の適切な手段など、その他の手順を実施して、注入ポート管107を密閉することもできる。たとえば、注入管107の内腔は、圧縮ばめ用の球形の玉を注入管107またはフェルール105の内腔内に設けられた対応する球形の凹部に挿入して密閉することもできる。玉は、コンデンサの電解質中で安定した金属、プラスチック、またはセラミックの材料から形成されるのがもっとも好ましい。玉の直径に対する注入ポート管やフェルールの内腔の内径の寸法管理は、実施される密閉の品質の管理に対して重要である。玉は、注入ポートのフェルールの溶接を損傷したり、ケース90を著しく変形させることなく、内径にできるだけ緊密にしまりばめされるのが理想的である。「玉」は球形である必要はなく、円筒、円錐、その他の形状の嵌め込み部品でもよい。
【0147】
注入ポートフェルール105を密閉するさらに別の方法では、電解質成分は注入ポート管107を通って漏出させないが、コンデンサ265の充電と放電により発生する水素ガスはコンデンサ265の内部から漏出させる水素透過性薄膜シールを注入ポートフェルール105の近傍または内部に組み込む。注入ポート管107を十分な化学的耐性を持つが水素ガスを選択的に透過させる障壁(ある種のシリコン、ポリフェニレンオキサイド、酢酸セルロース、トリアセテートおよびポリスルフォンなど)で密閉することで、電解質の喪失を防ぐこともできる。前述の化学的耐性と水素透過性を持ち、そのような使用方法に適した注封接着剤(エポキシやシリコン)もある。それらの接着剤で貫通部を密閉し、水素ガス以外に対して密閉されているコンデンサ265から水素ガスを漏出させるのがもっとも好ましい。代わりに、注入ポート管107の密閉は、市販のエチレングリコール冷却剤の缶に使用されるシールの種類と同等の、注入ポート管107の遠端部106上に配置された粘着性の帯により達成することもできる。
【0148】
注入ポート管の内腔が前述の手段や方法の1つで密閉されると、コンデンサ265、265’、265”が電気的に試験される。植え込み可能な緊急除細動器での適用には、2つのコンデンサ265、265’、265”が直列に接続されることが必要な場合もある。本実施形態では、絶縁部は、コンデンサ265、265’、265”間に配置された両面粘着剤によって実現され、コンデンサ265、265’、265”は、それらの間に配置された絶縁部/粘着帯部により対向する面に沿って接合される。それから一対のコンデンサ265、265’、265”は、図3Aから図3Gを参照して前述したように、ICDのIPG10内への組み付けのために供給される。
【0149】
本明細書で説明した本発明のケースが負の電解コンデンサの実施形態では、陰極層は陰極層端を有し、その端は内部ケース側壁に電気的に接触する場合もある。
【0150】
本発明が有利に実装されたコンデンサ265、265’、265’’を示した実施形態の2、3の例のみについて上記で詳述したが、当業者は、例示的な実施形態において、本発明の新規な教示と利点から材料的に逸脱することなく多くの変形が可能であることを容易に認めるであろう。したがって、そのようなすべての変形例は、特許請求の範囲で定義される本発明の範疇に含まれることが意図されている。
【0151】
前述の特定の実施形態は、本発明の好ましい実施形態によるコンデンサの構造とその組み立て方法、IMDへの組み込みを説明するものである。そのため、本発明や併記された特許請求の範囲から逸脱することなく、当業者に既知あるいはここで開示されたその他の手段、本願の出願日以前に存在した、または今後発生するその他の手段を使用することが当然可能である。特許請求の範囲において、手段プラス機能形式の特許請求の範囲は、説明した機能を実施するときにここで説明した構造を網羅することを意図し、構造的な同一物だけでなく同一の構造を網羅することを意図している。
【0152】
ここで開示されたすべての特許と公開物は、本明細書に参照内容としてその全体を援用するものとする。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明を有利に組み込み可能なICDのIPGとリード線システムの例示的な一実施形態の物理構成部品を示す。
【図2】図2は、本発明の高電圧コンデンサを備えた電圧変換回路と1種類のICDのIPGの主要機能構成部品との相互接続を示す簡略化された機能ブロック図である。
【図3】図3Aないし図3Gは、本発明の電解コンデンサを含む図1と図2の典型的なICDのIPGの様々な構成部品をICDのIPGのハウジング内に配置する態様を示す分解斜視図である。
【図4】図4は、本発明を組み込む電解コンデンサの単一の陽極/陰極層すなわち電極スタックサブアセンブリの一実施形態の分解図である。
【図5】図5Aは、図4の電極スタックサブアセンブリの陽極層が冷間溶接されている冷間溶接装置の一実施形態の分解斜視図であり、図5Bは、図5Aの冷間溶接装置の非分解図であり、図5Cは、図4の電極サブアセンブリの陽極層が冷間溶接されている図5Aと図5Bの冷間溶接装置の断面図である。
【図6】図6Aは、本発明を組み込む電解コンデンサの積層された電極スタックアセンブリへの陽極/陰極層サブアセンブリの積層の一実施形態の分解上部斜視図であり、図6Bは、電解コンデンサに使用される冷間溶接された陽極アセンブリの一実施形態の一部の断面図であり、図6Cは、電解コンデンサに使用される冷間溶接された陽極アセンブリの一実施形態の別の部分の断面図である。
【図7】図7は、本発明を組み込む電解コンデンサの電極スタックアセンブリの一実施形態の上部斜視図である。
【図8】図8は、図7に示した電極スタックアセンブリの一部拡大図である。
【図9】図9は、図6、図7、図8に示した電極スタックアセンブリを使用した本発明のケースが負のコンデンサの一実施形態の分解上部斜視図である。
【図10】図10は、部分的に組み立てられた図9のコンデンサの分解上部斜視図である。
【図11】図11Aは、カバーが上部に配置されていない、本発明の部分的に組み立てられたコンデンサの一実施形態の平面図であり、図11Bは、カバーが上部に配置されていない、本発明の部分的に組み立てられたコンデンサの一実施形態の平面図である。
【図12】図12は、カバーが上部に配置された図11のコンデンサの上部斜視図である。
【図13】図13は、本発明を組み込んだケースが中性またはケースが負のコンデンサを作成するための本発明の一方法の流れ図である。
【図14】図14は、本発明を組み込んだコンデンサの陽極層を作成するための一方法の流れ図である。
【図15】図15は、本発明を組み込んだコンデンサの電極スタックアセンブリを作成するための一方法の流れ図である。
【図16】図16は、本発明を組み込んだコンデンサのタブの相互接続と貫通端子接続を行うための一方法の流れ図である。
【図17】図17は、本発明を組み込んだコンデンサのタブの相互接続と貫通端子接続を行うための一方法の流れ図である。
【図18】図18は、本発明を組み込んだコンデンサのケースアセンブリを作成するための一方法の流れ図である。
【図19】図19は、本発明を組み込んだコンデンサのケースとカバーを密閉するための一方法の流れ図である。
【図20】図20は、本発明を組み込んだコンデンサの貫通部を密閉するための一方法の流れ図である。
【図21】図21Aないし図21Cは、ワイヤハーネスと陽極と陰極の貫通ピンとの接続箇所の周囲のエポキシ液滴コネクタブロックが組み立て中の状態にある、ケースが中性のコンデンサアセンブリの平面図である。
【図22】図22Aおよび図22Bは、エポキシ液滴コネクタブロックで形成された、小型化され、ケースが負または非接続のコンデンサの2つの実施形態の側部立面図である。
【図23】図23Aは、エポキシ液滴コネクタブロック内の集められた陽極タブおよび陰極タブとワイヤハーネスとの電気接続の一実施形態を示す部分的に露出した断面の側部立面図であり、図23Bは、エポキシ液滴コネクタブロック内の図23Aの貫通端子ピンとワイヤハーネスとの電気接続を示す端部斜視図である。
【図24】図24Aは、エポキシ液滴コネクタブロック内の集められた陽極および陰極タブとワイヤハーネスとの電気接続の他の実施形態を示す部分的に露出した断面の側部立面図であり、図24Bは、エポキシ液滴コネクタブロック内のワイヤハーネスと図24Aの貫通端子ピンおよびケースとの電気接続を示す端部斜視図である。
【図25】図25は、側壁上部開口端の一部とカバー端の逃げ部からなる陰極端子通路の詳細図である。
【図26】図26は、カバー端と側壁上部開口端との間に捕捉された陰極箔を使用する陽極端子と陰極端子のさらなる形状を示す側部立面・断面図である。
【図27】図27は、カバー端と側壁上部開口端との間に捕捉された陰極タブの積層部を示す陽極端子と陰極端子のさらなる形状を示す側部立面・断面図である。
【図28】図28は、図26と図27に示す陰極端子の組み立て状態を示す斜視分解図である。
【図29】図29は、図26に示した陰極端子の電気接続を形成する過程を示した流れ図である。
【図30】図30は、図26に示した陰極端子の電気接続を形成する過程を示した流れ図である。
[発明の分野]
本発明は、植え込み可能な医療装置(IMD)を、リード線を介して回路に結合され、積層された陰極と陽極の層を有する上記装置用の扁平電解コンデンサなどの上記装置のさまざまな構成部品に関し、特に、コンデンサの陽極と陰極の層とコンデンサコネクタアセンブリのリード線との電気接続に関する。
【0002】
[発明の背景]
上記で参照されている米国親特許出願第103,876号と、その親特許が優先権を主張する仮出願に記述されているように、多様なIMDが当技術分野において知られている。特に関心を持たれているのは、悪性の頻発性不整脈たとえば、心房または心室細動が検知されたときに比較的高いエネルギーの電気的除細動(カーディオバージョン)および/または除細動(ディフィブリレーション)ショックを患者の心臓に送出する植え込み可能な電気的除細動器(カーディオバータ)−除細動器(ディフィブリレータ)(ICD)である。現在のICDは、特定の慢性または突発性心房および/または心室の除拍と頻拍に対応するために通常単室ペーシング機能または両室ペーシング機能を有し、以前はペースメーカー/カーディオバータ/ディフィブリレータ(PCD)と呼ばれていた。初期に開発された植え込み可能自動除細動器(AID)には、電気的除細動機能やペーシング機能はなかった。本発明の目的に関して、ICDは、少なくとも高電圧の電気的除細動機能および/または除細動機能を有する、そのようなIMDをすべて含むことが理解される。
【0003】
たとえば、本発明の譲受人に譲渡された米国特許第4,548,209号に示されるように、一般的に、ICDの植え込み可能パルス発生器(IPG)内のDC−DC変換器を使用して、電気エネルギーをIPG筐体内に収容された低電圧、低電流の電気化学セルつまり電池から1つまたは複数の高エネルギー貯蔵コンデンサに保存される高電圧のエネルギーレベルに変換することが必要である。変換は、頻脈性不整脈が検知された際に、電池に直列に接続された1次巻線と高エネルギーコンデンサ(複数可)に直列に接続された2次巻線を有するトランスと、1次コイルと電池に直列に接続された充電サイクル中に定期的に開閉される切断回路つまりスイッチを含むDC−DC「フライバック」変換器によって実施される。高エネルギーコンデンサの充電は、スイッチが閉じられたときにトランスの1次巻線において電圧を誘導して、2次巻線内に磁界を生成することで達成される。1次巻線の電流がスイッチを開くことで切断されるときに磁界は減衰し、磁界が減衰するときに2次巻線内に電流が発生し、その電流が高エネルギーコンデンサに印加され、コンデンサが充電される。供給電流を繰り返し切断することで、充電サイクルの充電時間を通して、高圧コンデンサが数百ボルトの所望のレベルに充電される。それから、頻発性不整脈が継続していることが確認された場合に、充電期間の最後に、エネルギーは高エネルギーコンデンサ(複数可)からIPGにICDリード線を介して結合され心腔や心血管の近傍や中に配置された電気的除細動/除細動電極を介して急速に放電される。そのようなコンデンサの放電により実現される電気的除細動/除細動ショックは、通常約25〜40ジュールの範囲である。こうして電気的除細動/除細動ショックを送出するプロセスは、初期に送出された電気的除細動/除細動ショックが頻発性不整脈を正常な心拍に変えることができない場合に、繰り返すことができる。
【0004】
エネルギー、体積、厚さ、質量は、ICDリード線に結合されるICDのパルス発生器の設計では重要な特徴である。電気的除細動/除細動ショックに必要なエネルギーを供給し蓄積するのに用いられる電池(複数可)と高電圧コンデンサ(複数可)は、従来から比較的かさばり高価であった。現在ICDのIPGは通常約40〜約60ccの体積、約13mm〜約16mmの厚さ、約100グラムの質量を有する。
【0005】
送出可能なエネルギーを減少させることなく、このようなコンデンサとICDのIPGの体積、厚さ、質量を減少させることが望ましい。そうすることは、患者の快適さにとって有益で、ICDのIPGの周囲の組織の糜爛が原因の合併症が最小になる。コンデンサの大きさを減少することで、その減少した大きさに合わせて電池の体積を増加してICDのIPGの寿命を延長したり、その減少した大きさに合わせた新規の構成部品を追加してICDのIPGに機能を追加することもできる。そのようなICDのIPGを、性能を最高レベルに維持しながら低コストで供給することも望ましい。同時に、コンデンサの信頼性も妥協することはできない。
【0006】
さまざまな種類の扁平で螺旋状に巻かれたコンデンサが当技術分野において知られていて、いくつかの例が以下で説明され、かつ/または上記で参照されている親特許出願第09/103,876号の表1に示した特許で見出すことができる。
【0007】
ICDで使用される従来技術の高電圧電解コンデンサは、2つ以上の陽極層と陰極層(または「電極」)を有し、室温または体温で動作する。通常、コンデンサは、エッチングされたアルミニウム箔陽極、アルミニウムの箔または膜の陰極、溶剤ベースの電解液を含浸した、陽極と陰極の間に介在するクラフト紙または繊維ガーゼのスペーサつまりセパレータを封入するコンデンサケースを使用して形成される。絶縁層として機能する酸化アルミニウムの層は、エッチングされたアルミニウム陽極上に形成され、電流が陽極を流れるときに形成されるのが好ましい。電解質は、イオンを発生する塩基を含み、溶媒中に溶解し、陰極と酸化アルミニウムの絶縁物との間でイオン導電性を実現する。コンデンサのエネルギーは、陽極の表面上の酸化アルミニウム層により分離された極性が逆の電荷により発生する静電界内に蓄えられ、アルミニウム陽極の表面積に比例する。したがって、コンデンサ全体の体積を最小化するには、コンデンサの全体(つまり外部)寸法を増加することなく単位体積あたりの陽極の表面積を最大にしなければならない。セパレータの材質、陽極層と陰極層の端子、内部パッケージ、電気的相互接続、整列フィーチャ、陰極の材質により、コンデンサの厚さと体積がさらに増加する。その結果、コンデンサ内のこれらの構成部品、その他の構成部品、所望の静電容量により、物理的な寸法を減少できる限界が決まる。
【0008】
ICDのIPGによっては、Troup著、「Implantable Cardioverters and Defibrilliators」(Current Problems in Cardiology、第XIV巻、12号、1989年12月、Year Book Medical Publishers、Chicago刊)に記載されたものと同様の市販の写真フラッシュ用のコンデンサや、米国特許第4,254,775号に記載されたような市販の写真フラッシュ用のコンデンサを使用している。電極つまり陽極や陰極は巻かれて、螺旋状のセパレータ層により分離された陽極層と陰極層となる。そのような写真フラッシュ用のコンデンサに使用される陽極層は、通常高純度(99.99%)で、多孔質で、高度にエッチングされ、陽極処理された1枚または2枚のアルミニウム箔のシートを備える。そのようなコンデンサの陰極層は、非多孔質で、高度にエッチングされた1枚のアルミニウム箔シートからなり、陽極層に対して、アルミニウムの含有量については、純度がいくらか低く(99.7%)てもよい。溶媒ベースの電解液を浸透含浸された、1枚以上のクラフト紙のシートつまり層からなるセパレータは、隣接する陽極と陰極の層の間に位置する。陽極箔の厚さと陰極箔の厚さは、それぞれ100マイクロメートルと20マイクロメートル程度である。ほとんどの市販の写真フラッシュ用のコンデンサにはセパレータ紙の芯が含まれていて、陽極、陰極、セパレータの層を巻いて巻構成にするときに、もろくて、高度にエッチングされた陽極箔が破れるのを防いでいる。市販の写真フラッシュ用のコンデンサの円筒形状と紙の芯により、体積上のパッケージ効率とそのコンデンサを使用するように作成されたICDのIPGの筐体の厚さが制限される。
【0009】
アルミニウム電解コンデンサのアルミニウムの陽極と陰極は、一般的にそれぞれが、それら周縁部を超えて延びる少なくとも1つのタブを有し、すべての(または一式の)陽極と陰極の層の電気的な並列接続を容易にすることで、1つまたは複数のコンデンサを形成し、コンデンサケース外部への電気的な接続を実現する。巻回電解コンデンサ用のタブ端子による接続部は、米国特許第4,663,824号に記載され、ケースを通して延びる貫通部の貫通ピン端子にレーザー溶接されている。巻回コンデンサは通常かしめやリベットにより1つに接合された2つ以上のタブを含む。
【0010】
扁平電解コンデンサも、ICDでの使用以外に一般用途向けの従来技術で開示されている。より最近開発されたICDのIPGは1つまたは複数の扁平高電圧コンデンサを使用して写真フラッシュ用の円筒型コンデンサのパッケージと体積のいくつかの欠点を克服している。たとえば、米国特許第5,131,388号では、複数の積層されたコンデンサ層を有する扁平コンデンサが開示されている。各コンデンサ層には、陽極タブを有する陽極層を形成する1つまたは複数の陽極シート、陰極タブを有する陰極シートつまり層、陽極層を陰極層から分離するセパレータが含まれている。米国特許第5,131,388号では、積層されたコンデンサ層の電極スタックアセンブリは、非導電性高分子容器に収容され、その容器は継ぎ目で密閉され、導電性金属のコンデンサケースまたはICDのIPG筐体の区画に嵌め込まれ、コンデンサの陽極(複数可)と陰極(複数可)への電気接続は、ケースや区画の壁を通して延長される貫通部により実現される。スタックのすべてのコンデンサ層の陽極層と陰極層のタブは、電気的に並列に接続され、単一のコンデンサを形成するか、グループに分けられて複数のコンデンサを形成する。アルミニウムの陽極層のタブは1つに集められ、ケースまたは区画の壁を通して延長される陽極貫通部の貫通ピンに電気的に接続される。アルミニウムの陰極層のタブは、1つに集められ、ケースまたは区画の壁を通して延長される陰極貫通部の貫通ピンに電気的に接続されるか、導電性のコンデンサケースの壁に接続される。
【0011】
たとえば、1996年5月11〜15日に開催されたCARTS 96: 16th Capacitor and Resistor Technology SymposiumにおいてP. LunsamannとD. MacFarlaneにより発表され、1996年10月7〜11日に開催されたCARTS−EUROPE 96: 10th European Passive Components Symposiumの35〜39ページで発表された「High Energy Density Capacitor for Implantable Defibrillators」に記載された改良など、ICDのIPGで使用される扁平アルミニウム電解コンデンサの構造における多くの改良が開示されている。ICDのIPGで使用される扁平電解コンデンサのその他の特徴は、すべてMacFarlaneらによって出願された米国特許第4,942,501号、第5,086,374号、第5,146,391号、第5,153,820号、第5,562,801号、第5,584,890号、第5,628,801号、第5,748,439号に開示されている。
【0012】
すべて同一の譲受人に譲受された米国特許第5,660,737号と米国特許第5,522,851号、第5,801,917号、第5,808,857号、第5,814,082号、第5,908,151号、第5,922,215号、第5,926,357号、第5,930,109号、第5,968,210号、第5,983,472号などの最近の多数の特許では、ICDで使用される関連した扁平電解コンデンサの構造が開示されている。これらの特許のいくつかでは、導電性のコンデンサケースからの陽極層と陰極層の相対的な端の間隔を調整する手段として内部整列要素が使用されている。それらの特許の多くでは、各陽極層と陰極層には、外へ延びるタブが備わり、陽極と陰極のタブは貫通ピンと導電性のコンデンサケースの段形状部分にそれぞれ共通に電気的に接続されている。陰極タブは、段形状部分に対して1つに集められ、超音波によって1つに溶接され、さらに段形状部分に溶接されている。米国特許第5,926,357号では、陽極タブは、アルミニウムリボンの一端にレーザー溶接され、アルミニウムリボンの他端は、端子ピンに超音波溶接されたアルミニウム層に超音波溶接されている。貫通端子ピンは、ケースから電気的に絶縁され、ケースの外側に延び、ケースから離れた位置で陽極接続ピンとされている。陰極接続ピンは、ケースに取り付けられ、ケースから外側に延長されている。陽極と陰極の接続ピンは、電気的にDC−DC変換器回路に接続されているが、取り付け機構については詳述しない。
【0013】
陽極タブと陽極貫通端子ピンとの間、および陰極タブとコンデンサケースまたは陰極貫通ピンとの間の信頼性の高い電気接続を行うのに必要な製造ステップの数と部品の数を減らして、コストを削減することが非常に望ましい。これらの部品と電気接続に必要なコンデンサ室内の空間を最小にすることで静電容量を最大にすることも望ましい。
【0014】
[発明の概要]
本発明は、特に電解コンデンサのIMDの回路との接続を容易にするために、コネクタアセンブリへの取り付けのための陰極接続端子を設けるケースが負の電解コンデンサのケースとのさまざまな陰極接続を提供する。
【0015】
一実施形態では、コンデンサは、密閉されたコンデンサケースの内部ケース室内に位置する電極スタックアセンブリと電解質を備える。電極スタックアセンブリは互いに位置合わせされて積層される複数のコンデンサ層を備え、各コンデンサ層は陰極タブを有する陰極層と、陽極タブを有する少なくとも1つの陽極層を備える陽極サブアセンブリと、隣接する陽極層と陰極層の間に位置するセパレータ層とを備え、それによりスタックのすべての隣接する陰極層と陽極層はセパレータ層によって互いに電気的に絶縁される。陽極端子手段は、コンデンサケース側壁を貫通して延びて、複数の陽極タブを互いに電気的に接続して、ケースの外部にケースから電気的に絶縁された陽極接続端子を設ける。陰極端子は、陰極端子通路を介してコンデンサケース側壁の封止領域を貫通して延びるか、その封止領域まで延び、複数の陰極タブを互いに電気的に接続して、ケースの外部に陰極接続端子を設ける。コネクタアセンブリは、陽極接続端子に電気的に取り付けられ、陽極タブとの電気接続を行い、陰極接続端子に電気的に取り付けられ、陰極タブとの電気接続を行う。
【0016】
特定の実施形態では、陰極端子通路は、ケース壁を貫通して延びる陰極開口を備え、陰極端子は、陰極開口を貫通して延びる陰極貫通ピンを備える。陰極貫通ピンの内部端部は、複数の陰極タブに接続され、陰極貫通ピンの外部端部はケースから離れるように延びて陰極接続端子を設ける。
【0017】
1つの変形例では、陰極開口はそれを貫通して延びる陰極貫通ピンに密閉溶接され、ケースから延びる陰極接続端子を設ける。コネクタアセンブリの陰極ワイヤの露出したワイヤ端部は、陰極貫通ワイヤの側部に陰極接続端子の位置でクロスワイヤ溶接される。
【0018】
別の変形例では、陰極貫通ピンの外部端部を調整つまり研磨して外部ケース壁に比較的面一にする前または後のいずれかに、陰極開口は、それを貫通して延びる陰極貫通ピンに密閉溶接される。本実施形態では、陰極接続端子は、ケース壁の外部の溶接領域に重ねられる。コネクタアセンブリの陰極ワイヤの露出したワイヤ端部は、陰極接続端子の位置でケース壁の外部に面一に溶接される。
【0019】
さらに別の実施形態では、陰極端子通路は、側壁上部開口端の位置つまり部分からなり、その部分は上部開口端とカバー端の一部から下降した幅と深さを持つ。第2の陰極端子端部は、上部開口端とカバーとの間に捕捉される。コネクタアセンブリの陰極ワイヤの露出したワイヤ端部は、画定された陰極接続端子の位置でケース壁の外部に面一に溶接される。
【0020】
第1の変形例では、陰極端子は、導電性の材料の陰極タブ延長箔を備え、複数の陰極タブに結合された第1の陰極端子端部と側壁上部端の開口を越えて延びる第2の陰極端子端部との間の箔の長さを持つ。陰極タブ延長箔の第2の陰極端子端部は、段部の幅以下の箔端部の幅と、段部の深さとほぼ同じ箔端部の厚さを持つ。第2の陰極端子端部は、側壁上部開口端を越えて延び、側壁上部開口端に当てて密閉されるカバーと第2の陰極端子端部の位置の箔表面とにより、そこに捕捉される。陰極タブ延長箔は、電極スタックアセンブリの陰極タブの延長物として一体に形成することもできる。
【0021】
さらなる変形例では、陰極端子は、長さが延長され、第2の陰極端子端部まで延びる複数またはすべての集められた陰極タブを備える。延長されるタブは、陰極層から、延長された陰極タブの第2の陰極端子端部が積層される側壁上部開口端を越えて延びる。陰極タブの積層部は、側壁上部端の開口の一部分と、側壁上部開口端と陰極タブ積層部とに当てて密閉されるカバーとの間で捕捉される。カバー端の嵌合部分には、積層および延長された陰極タブの厚さに対応して逃げが形成されていてもよい。
【0022】
コンデンサアセンブリを回転しながら、温度を上昇させた条件下で、一定時間かけて硬化させたエポキシにより、コネクタブロックがケース側壁の封止領域上に形成されるのが好ましい。エポキシは液体状で塗布され、回転と温度によりエポキシが陽極および陰極の端子手段とコネクタアセンブリとの電気接続部の隙間に流れ込み、それらを完全に覆い、気泡を露出した表面に追いやり、外部表面を一様で再現可能な構成に形成する。
【0023】
図面全体をとおして、同じ部分に同じ参照番号が割り当てられている、添付図面と併せて考慮される本発明の好ましい実施形態についての以下の詳細な説明を参照することで、本発明のそれらのおよび他の利点と特徴がさらに深く理解できるため、それらの利点と特徴を認識することができるであろう。
【0024】
[好適な実施形態の詳細な説明]
図1は、本発明のコンデンサが有利に組み込まれているICDのIPG10の一実施形態、それに関連するICD電気リード線14、16、18、それらと人の心臓12との関係を図示している。リード線は、図示された3本のリード線ごとに独立したコネクタポートを有するマルチポートコネクタブロック20によってICDのIPG10に連結されている。リード線14は、左胸の領域の皮下に取り付けられることを意図した皮下電極30に連結されている。リード線16は、心臓の冠状静脈洞と大静脈の領域に位置する細長いコイル電極を使用した冠状静脈洞リード線である。電極の位置は、32の波線形式で示され、冠状静脈洞の開口部内の点から左心耳の近傍の点まで心臓の周囲に延びている。
【0025】
リード線18は、心臓の右心室内に位置する細長い電極コイル28を備える。リード線18は、右心室の心筋組織内にねじ込まれる螺旋コイル形状をとる刺激電極34を備える。リード線18は、近傍および遠方電位図検知のための1つまたは複数の追加の電極を備えることもある。
【0026】
図示のシステムでは、心臓ペーシングパルスが螺旋電極34と細長い電極28との間で送出される。電極28と34は、心室収縮を示す電気信号の検知にも使用される。図示のように、順次および同時パルスによる複数電極除細動療法中、右心室電極28が共通電極としての役割を果たすことが予期される。たとえば、同時パルス除細動療法中は、パルスは、同時に電極28と電極30との間と、電極28と電極32との間とに送出される。順次パルス除細動療法中は、パルスは、皮下電極30と電極28との間と、冠状静脈洞電極32と右心室電極28との間に順次送出されることが想定される。単一パルス、2電極除細動ショック療法も通常、電極28と冠状静脈洞電極32との間で供給可能である。その代わりに、単一パルスを電極28と30との間に送出することも可能である。電極とICDとの特定の相互接続は、使用される可能性がより高いと考えられる特定の単一電極対除細動ショック方式によってある程度決まる。
【0027】
図2は、図1のICDのIPGのマイクロコンピュータベースのオペレーティングシステムの一例による高電圧出力回路40、高電圧充電回路64、コンデンサ265の相互接続を示すブロック図である。図示のように、ICDの動作は、ICD内の必要な計算機能をすべて実行するマイクロプロセッサ42内の内蔵プログラムにより制御される。マイクロプロセッサ42は、双方向データ/制御バス46により制御回路44に接続され、それにより出力回路40と高電圧充電回路64の動作を制御する。ペース/検知回路78は、マイクロプロセッサ42を起動して任意の必要な数学的計算を実行させ、頻拍と細動の検知手順を実行させ、ICD動作モードやパラメータ値の再プログラム時や心臓ペーシングパルスの送出を示す信号の発生時や心筋収縮の発生時にペース/検知回路78内のタイマーで制御される間隔を更新させる。
【0028】
図1および図2の例示的なICDの基本動作と特定の構造または構成要素は、当該技術分野において知られる任意のシステムに対応する場合もあり、本発明はそれらシステムの特定の構成に依存するものではない。本発明の扁平アルミニウム電解コンデンサは、前述の米国特許第4,548,209号に示されたさまざまなシステムとともに、あるいは上記で参照されている親特許出願第09/103,896号に一覧表示されたさまざまな米国特許に開示されたさまざまなシステムや構成要素とともに一般に使用することができる。
【0029】
制御回路44は、主要な3つの信号を出力回路40に供給する。これらの信号には、本明細書でENAB、ライン48およびENBA、ライン50としてラベル付けされている前述の第1および第2の制御信号が含まれる。同様に重要なのが、出力コンデンサの放電を開始するDUMP、ライン52と、出力コンデンサC1とC2に蓄積された電圧を示す信号を出力して回路44を制御するVCAP、ライン54である。前述の図1に示した除細動電極28、30、32は出力回路40に導電体22、24、26を介して結合されているのが示されている。理解しやすくするために、これらの導電体にも、「COMMON」、「HVA」、「HVB」というラベルが付けられている。しかし、その他の構成も可能である。たとえば、皮下電極30をHVB導電体26に接続して、電極28と30との間で単一パルス療法を送出できるようにしてもよい。ENAB、ライン48上に論理信号が存在する場合、電気的除細動/除細動ショックが電極30と電極28との間で送出される。ENBA、ライン50上に論理信号が存在する場合、電気的除細動/除細動ショックが電極32と電極28との間で送出される。
【0030】
出力回路には、除細動ショックを電極に送出するのに使用されるコンデンサC1とC2およびダイオード121と123を含むコンデンサバンクが含まれる。別の構成として、コンデンサバンクに、前述の米国特許第’758号に記述された一式のコンデンサがさらに含まれていてもよい。図2では、コンデンサ265は、ライン66のCHDRにより制御/タイミング回路44に制御される高電圧充電回路64に関連して図示されている。図示のように、コンデンサ265は、高周波、高電圧トランス65により充電される。ダイオード121と123により適切な充電極性が維持される。ライン54のVCAPは、コンデンサバンクの電圧を示した信号を供給し、かつ高電圧充電回路を制御し、計測された電圧がプログラムされた充電レベルと等しくなったときに充電機能を終了できるようにする。
【0031】
ペース/検知回路78には、R波検知増幅器と心臓ペーシングパルスを生成するパルス発生器が含まれ、パルス発生器は、任意の既知の心臓ペースメーカー出力回路に対応することが可能で、制御/データバス80を介してマイクロプロセッサ42の制御下で、心室ペーシング間隔、不応間隔、ブランキング間隔を定めるタイミング回路を含む。
【0032】
ペース/検知回路78による心臓ペーシングパルスの生成をトリガーする制御信号とペース/検知回路78からのR波の発生を示す信号は、双方向データバス81により制御回路44に伝達される。ペース/検知回路78は、導電体36により図1に示した螺旋電極34に結合される。前述のように、ペース/検知回路78は、導電体82により図1に示した心室電極28にも接続され、電極34と28との間でR波を両極検知することと、電極34と28との間で両極性のペーシングパルスを送出することを可能にする。
【0033】
図3Aないし図3Bは、本発明の一実施形態のコンデンサを含むICDのIPG10の様々な構成部品の斜視図を示し、それらの構成部品は、右側シールド240および左側シールド350で形成されたICDのIPG10の筐体内に連続して配置された状態である。
【0034】
図3Aでは、電子モジュール360がICDのIPG10の右側シールド340内に配置されている。図3Bは、電子モジュール360が右側シールド340内に着座した後のICDのIPG10を示している。
【0035】
図3Cは、右側シールド340内に配置される前の、前述のように形成された1対のコンデンサ265を示し、コンデンサ265は電子モジュール340内の相互接続により電気的に直列に接続されている。図3Dは、一旦一対のコンデンサ265が右側シールド340内に配置された後のICDのIPG10を示している。本発明の一態様にしたがって、右側シールド340の積層された買うコンビンサ265のエポキシ液滴コネクタブロック145およびワイヤハーネス155が占める空間は、有利に最小限に抑えられる。本発明の改良したコネクタブロック145およびワイヤハーネス155を用いたコンデンサ265の他の形状が本明細書で説明されるものと同一のまたは同様な方法でICDのIPGIOの筐体内に挿入され得ることは理解されよう。
【0036】
図3Eは、右側シールド340内のコンデンサ265の上に配置される前の絶縁カップ370を示している。図3Fは、シールド340内に内に配置される前の、絶縁部382が周囲に配置された電気化学セルすなわち電池380を示している。電池380は、コンデンサ265の充電と再充電に必要な電気エネルギーを供給し、電子モジュール360に電力も供給する。電池380は、従来技術で使用された任意の形態をとり、電気的除細動と除細動のエネルギーを供給することができ、その形態のいくつかは、親特許出願第09/103,876号で認められる。
【0037】
図3Gは、右側シールド340に接続された左側シールド350と、両方のシールド部分から上方に突き出す貫通部390を有するICDのIPG10を示している。活動センサ400と患者警報装置410は、左側シールド350の側面の下部に配置されて示されている。左側シールド350と右側シールド340は、その後、閉じられ密閉される(図示せず)。
【0038】
図4は、コンデンサ265のコンデンサ層、すなわち単一の陽極/陰極サブアセンブリ227の一実施形態の分解図を示す。ここで説明するコンデンサのデザインでは、以下で図6を参照してさらに説明するように、複数のコンデンサ層、つまり単一の陽極/陰極サブアセンブリ227の積層されたデザインを使用する。各陽極/陰極サブアセンブリ227は、交互に配置された実質的に矩形状の陽極層185と陰極層175を備え、それらの間にはほぼ矩形状のセパレータ層180が介在する。陽極層185、陰極層175、セパレータ層180の形状は、主にデザイン上の選択事項であり、これらの層が最終的に配置されるケース90の形状や構成に大きく影響される。陽極層185、陰極層175、セパレータ層180は、パッケージ効率を最適化するために任意の形状をとることができる。
【0039】
陽極サブアセンブリ170dは、複数の切り欠きのない陽極層185a、185b、185c、陽極タブ切り欠き200を含む切り欠きのある陽極層190、陽極層185aに結合される陽極タブ195dを備えるのがもっとも好ましい。図4に示した陽極サブアセンブリ170dは、陽極サブアセンブリ170の単なる可能な実施形態であることが理解されよう。陰極層175dは、単一のシートからなり、そのシートと一体に形成され、その周縁部から突き出した陰極タブ176を有するのがもっとも好ましい。
【0040】
図に示したサブアセンブリ227の1つの好ましい実施形態では、2つの個別のセパレータ層シート180aと180bが各陽極サブアセンブリ170と陰極層175との間に配置されたセパレータ層180を形成する。さらに、単一のセパレータ層シート180aと180bが陽極層185cと陰極層175dの外側の表面上にも配置される。サブアセンブリが積層されるとき、もっとも外側の単一のセパレータ層シート180aと180bは、隣接するコンデンサ層のもっとも外側の単独のセパレータ層シート180bと180aにそれぞれ接触し、2つのシートセパレータ層180は、電極スタックアセンブリ255のすべての隣接する陰極と陽極の層を分離する。
【0041】
当業者にとっては、電極スタックアセンブリ225に使用するために選択されるサブアセンブリ227の正確な数は、コンデンサ265に要求されるエネルギー密度、体積、電圧、電流、エネルギー出力、その他の要件によって決まることが理解されよう。同様に、当業者にとっては、所与の陽極/陰極サブアセンブリ227に使用するために選択される切り欠きのある陽極層と切り欠きのない陽極層185、陽極タブ195、陽極サブアセンブリ170、陰極層175、セパレータ層180の正確な数は、コンデンサ265に要求されるエネルギー密度、体積、電圧、電流、エネルギー出力、およびその他の要件によって決まることが理解されよう。ここで、陽極/陰極サブアセンブリ227の数、陽極サブアセンブリ170を形成する切り欠きのない陽極層と切り欠きのある陽極層185の数、陽極サブアセンブリ170、陽極タブ195、陰極層175、各陽極/陰極サブアセンブリ227内に配置されるセパレータ層180の実質的に無限の順列と組み合わせを、コンデンサ265の特定の要件にしたがって選択可能なことが明らかになるであろう。陽極層185、陰極層175、およびセパレータ層180は、高品質アルミニウム電解コンデンサに通常使用される材料からなるのがもっとも好ましい。
【0042】
陽極層185と190は、もっとも好ましくは貫通エッチングされ、高い比静電容量(少なくとも約0.3、少なくとも約0.5、もっとも好ましくは少なくとも約0.8マイクロファラド/cm2)を有し、少なくとも425ボルトDCの耐電圧パラメータ、約50から約200マイクロメータの範囲の厚さ、より好ましくは約75から約150マイクロメータの範囲の厚さ、より好ましく約90から約125マイクロメータの範囲の厚さ、もっとも好ましくは約100マイクロメータの厚さの厚さ、投影面積の最大塩化物汚染に対して約1.0mg/m2の清浄度を有する陽極箔で形成される。陽極箔は、好ましくは390ボルトの定格サージ電圧、約99.99%のアルミニウムの初期純度、約104マイクロメータプラスまたはマイナス約5マイクロメータの最終厚さ、平方センチメートルあたり約0.8マイクロファラッドの比静電容量を有することが好ましい。適切な陽極箔は広く市販されている。
【0043】
個別の陽極層185は、通常ある程度剛性があり、単位面積あたり高い静電容量を達成するようにエッチング処理された高純度アルミニウムからなる。薄い陽極箔が好ましく、電極スタックアセンブリ225の厚さを減らしながら陽極箔の比静電容量を維持または増加する場合や、全体の静電容量を増やしながら電極スタックアセンブリ225の厚さを維持する場合に特に好ましい。たとえば、個々の陽極層185が約10マイクロメータ、約20マイクロメータ、約30マイクロメータ、約40マイクロメータ、約50マイクロメータ、約60マイクロメータ、約70マイクロメータ、約80マイクロメータ、約90マイクロメータ、約100マイクロメータ、約110マイクロメータ、約120マイクロメータ、約130マイクロメータ、約140マイクロメータ、約150マイクロメータの厚さを有することが考えられる。
【0044】
陰極層175は、高純度で比較的柔軟であることが好ましい。陰極層175は、広い表面積(たとえば高度にエッチングされた陰極箔)、高い比静電容量(好ましくは少なくとも200マイクロファラッド/cm2で、未使用時には少なくとも250マイクロファラッド/cm2)、約30マイクロメータの厚さ、投影面積の最大塩化物汚染に対して約1.0mg/m2の清浄度、陽極箔が作成される出発箔材料に対応するよりも低純度であることが可能な陰極箔からなるのがもっとも好ましい。陰極箔は、少なくとも99%のアルミニウムの初期純度、より好ましくは約99.4%のアルミニウムの初期純度、約30マイクロメータの最終厚さ、平方センチメートルあたり約250マイクロファラッドの初期比静電容量を有するのが好ましい。別の実施形態では、陰極箔は、約100から約500マイクロファラッド/cm2の範囲の比静電容量、約200から約400マイクロファラッド/cm2の範囲の比静電容量、または約250から約350マイクロファラッド/cm2の範囲の比静電容量、約10から約150マイクロメータの範囲の厚さ、約15から約100マイクロメータの範囲の厚さ、約20から約50マイクロメータの範囲の厚さ、または約25から約40マイクロメータの範囲の厚さを有する。
【0045】
陰極箔の比静電容量はできるだけ高く、陰極層175はできるだけ薄いことが一般的に好ましい。たとえば、個々の陰極層175は、約100マイクロファラッド/cm2、約200マイクロファラッド/cm2、約300マイクロファラッド/cm2、約400マイクロファラッド/cm2、約500マイクロファラッド/cm2、約600マイクロファラッド/cm2、約700マイクロファラッド/cm2、約800マイクロファラッド/cm2、約900マイクロファラッド/cm2、あるいは約1000マイクロファラッド/cm2の比静電容量を有することが考えられる。適当な陰極箔は広く市販されている。さらに別の実施形態では、陰極箔は、アルミニウム、アルミニウム合金、「純」アルミニウムとその他の材料や金属からなる。
【0046】
セパレータ層シート180aと180bと外側のセパレータ層165aと165bは、セパレータ材料のロールやシートからなるのがもっとも好ましい。セパレータ層180は、陽極サブアセンブリ170と陰極層175よりもわずかに大きく切断され、層の積層時のずれに対応し、ずれの結果発生する陽極層と陰極層との間の短絡を防止し、さらに、そうでない場合には、完成したコンデンサの陽極と陰極との間に物理的な隔壁が配置されることを保証するのが好ましい。
【0047】
セパレータ層シート180aと180bと外部セパレータ層165aと165b(図9に図示)は、(a)化学的に不活性で、(b)選択された電解質に対して化学的に適合し、(c)電解質が含浸されて隣接する陽極層と陰極層との間に低抵抗経路を生成し、(d)隣接する陽極層と陰極層を物理的に分離する材料で形成されるのが好ましい。好ましい一実施形態では、セパレータの材料は、純セルロースで、ハロゲン化物や塩化物の含有量が非常に少ないクラフト紙であり、約0.0005インチ(0.0013mm)の厚さ、約1.06グラム/cm3の密度、0.001インチ(0.025mm)の厚さあたり1,400ボルトACの絶縁耐力、低導電経路数(約0.4/ft2以下)を有する。セパレータ層シート180aと180bと外側セパレータ層165aと165bは、マニラ紙、多孔質重合体材料、または繊維ガーゼ材料など、クラフト紙以外の材料からなることも可能である。たとえば、コンデンサ層のいくつかの実施形態では、米国特許第3,555,369号と第3,883,784号に開示されているもののように多孔質重合体材料を陽極層と陰極層との間に配置してもよい。
【0048】
複数のコンデンサ層からなるそのようなコンデンサスタックでは、電解液がセパレータ層180に浸み込まされ、すなわちセパレータ層180を湿らせ、ケース90内に注入される。しかし、米国特許第5,628,801号、第5,584,890号、第4,942,501号、第5,146,391号、および第5,153,820号で開示されているもののように、さまざまな実施形態では、その範囲に固体または粘着性の電解質が含まれることが理解されよう。紙、ガーゼ、多孔質重合体材料の代わりに適切な電極間粘着剤/電解質層を使用してセパレータ層180を形成できることに留意しなければならない。
【0049】
引き続き図4を参照すると、扁平アルミニウム電解コンデンサの組み立てにおける好ましい第1の手順は、陽極層185と190、陽極タブ195、陰極層175、セパレータ層180の切断である。これらの構成部品は、壁間の隙間が狭い打ち型を使用して成形するように切断されるのがもっとも好ましく、実質的に垂直方向に向けられたパンチと打ち型との対応する壁の間の壁間間隔が、それぞれの側面で約600万分の1インチ程度であることがもっとも好ましい。約200万分の1、約400万分の1、約500万分の1、約700万分の1、約800万分の1、約1000万分の1、約1200万分の1インチの、より狭いまたは広い、ほぼ垂直方向に向けられたパンチと空洞の対応する壁の間の壁間間隔を使用することも可能であるが、好ましさは劣る。
【0050】
このように隙間が狭いことで、陽極層185と190、陽極タブ195、陰極層175、セパレータ層180の周縁部に沿って滑らかで、ばりがない端が形成される。打ち型の壁の端が滑らかでバリがないことがコンデンサの信頼性の高い性能には重要であることがわかっている。陽極層185と190、陽極タブ195、陰極層175、セパレータ層180の周縁部に沿ってばりがあると、コンデンサが短絡したり故障することがある。陽極箔、陰極箔、およびセパレータ材料を切断したり形成する方法は、形成されたり切断された部材の周縁部付近に発生するばりやその他の切りくずの有無に大きな影響を有することがある。隙間が狭い打ち型を使用することで、スチールルールダイなどその他の切断方法で作成された端にくらべて優れた端を作成できる。隙間の狭い打ち型の形状、柔軟性、および速度は、レーザーや刃による切断により達成される形状、柔軟性、速度よりも優れていることがわかっている。陽極層185と190、陽極タブ195、陰極層175、およびセパレータ層180の切断と形成のための別の方法にはスチールルールダイ切断、レーザー切断、ウォータージェット切断、刃切断があるが、それらには限定されない。
【0051】
打ち型装置の好ましい狭い隙間は、陰極箔のような薄い可塑性の材料の切断に特に重要である。信頼性の改善に加えて、ばりやくずの削減により、セパレータ層180の厚さを減少させることが可能で、それによりコンデンサのエネルギー密度を改善できる。切断ステップ中にパンチの面が打ち型の対向する床面に平行に保持されない角度切断は、陽極層185と190、陽極タブ195、陰極層175、およびセパレータ層180を切断し形成する別の好ましさが劣る方法である。
【0052】
セパレータ層180の外側周縁部がケース90の内部の対応する側壁にほとんど一致するようにセパレータ層180を切断または形成するのが好ましい。好ましい実施形態では、セパレータ層の周縁部がケース90の対応する側壁からプラスマイナス0.009インチ以内に配置される。セパレータ層180の周縁部とケース90の対応する内部側壁とがそのようにほとんど一致することは、セパレータ層180により電極スタックアセンブリ225がケース90内で移動しないようになる利点、つまりしっかり固定されるようになる利点があることがわかっている。この移動が防止される理由は、電解質が注入ポート107の内腔を通して、別個に組み立てられ密閉されたコンデンサ265に注入された後、セパレータ層180を形成するセパレータ紙が膨張するためである。
【0053】
好ましい方法では、箔つまりセパレータ材料は、ロール上で適切な隙間を有する打ち型のパンチ部と空洞部との間で引き延ばされる。それから、空圧または油圧で動作するプレスを使用して、打ち型のパンチ部か空洞部を作動させるのがもっとも好ましい。打ち型のパンチ部は、硬化工具鋼で形成するか、パンチ部の切削面上に配置されたその他の好適な耐摩耗性材料あるいは皮膜から形成するのがもっとも好ましい。打ち型の空洞が垂直方向に整列されると、切断サイクル中に打ち型のパンチ部は打ち型の空洞に向けて上または下に移動する。前者の場合、構成部品は切断され、以降の組み立て作業に使用される容器内に下に向けて落下する。後者の場合、構成部品は切断され、以降の処理のために真空式やその他の取り出し工具類を装備したロボットなどの自動組み立て装置に直接与えられ得る。ここで説明した種類の隙間の狭い打ち型は、ミネソタ州ミネアポリスのTop Tool, Inc.が供給可能である。
【0054】
陽極サブアセンブリ170は、陽極サブアセンブリ170内で陽極タブ195を適切に配置し位置決めするのを容易にする1つの切り欠きのある陽極層190を含むのがもっとも好ましい。切り欠きのある陽極層190を2つ以上陽極サブアセンブリ170に含めることもできる。陽極サブアセンブリ170の残りの陽極層は切り欠きのない陽極層185であるのが好ましい。陽極タブ195は、アルミニウムの帯状材料からなるのがもっとも好ましい。好ましい一実施形態では、アルミニウムの帯状材料は約99.99%の純度を持つアルミニウムで、陽極箔またはシートよりも陽極処理の程度が低い。以下でさらに説明するように、陽極タブ195が陽極処理がされていない材料からなるときは、陽極タブ195を切り欠きのない陽極層185に冷間溶接する際に力やゆがみの発生が少なくなり得る。陽極タブ195の厚さを切り欠きのある陽極層190とほぼ同じにするのが好ましい。切り欠きのある陽極層190が陽極サブアセンブリ170で複数使用される場合、より厚い陽極タブ195を使用することができる。
【0055】
図13は、本発明のさまざまな実施形態の扁平アルミニウム電解コンデンサ265を作成する一方法を最初から最後まで大まかに示す流れ図である。一方、図14から20は、図13に全体的に示した方法つまり工程の特定の部分を示している。図18は、陰極端子通路が、図9、図10、図11A、図11B、図21A、図21Bのように陰極貫通ピン135が挿入または貫通される陰極開口143や、図23A、図23B、図24A、図24Bのように陰極端子つまりピン125’が挿入または貫通される陰極開口143’である本発明の実施形態を特に対象にしている。それらの実施形態をまず説明し、陰極端子通路がケース側壁の上部端の一部または領域となるそれらの実施形態の具体的な作製方法をさらに以下で説明する。
【0056】
まず、すべての実施形態で使用可能な例示的な電極スタックアセンブリの作製に使用可能な陽極層の作製について説明する。図14は、切り欠きのない陽極層185、切り欠きのある陽極層190、陽極タブ195が冷間溶接装置202内に供給され組み立てられて陽極サブアセンブリ170が形成される陽極層170を作成するための一方法の流れ図を示す。図5Aないし図5Cを参照して、2つの切り欠きのない陽極層185aと185bが、冷間溶接装置202の冷間溶接用固定具底部層207上に載置される。冷間溶接装置202のさまざまな構造部材は、精密加工されたステンレス鋼または高強度アルミニウム合金で形成されるのがもっとも好ましい。次に、層185aと185bが、ばねが装備された整列ピン209a〜209eを使用して冷間溶接用固定具底部層207上で適切に整列および位置決めされる。ピン209a〜209eは、冷間溶接空洞220内に配置された層185aと185b上に下向きに押し付けられている上部層208に接触して後退する。冷間溶接装置202の断面図を示した図5Cも参照されたい。
【0057】
陽極層190は、切り欠きのある陽極層190の陽極タブの切り欠き200内に陽極タブ195を配置した後、同様に空洞220内に配置される。陽極タブ195は、陽極タブ195の周囲部に沿って配置されたばねを装備した整列ピン209fと209gをさらに使用して、切り欠きのある陽極層190の周辺に沿って位置決めされるのがもっとも好ましい。それから、切り欠きのない陽極層185cが陽極層190上に配置される。それから、積層された陽極サブアセンブリ170は、上部プレート208と底部プレート207の間に挟まれる。陽極層冷間溶接用ピン206aと陽極タブ冷間溶接用ピン211aは底部プレート207内に配置される。陽極層冷間溶接用ピン206bと陽極タブ冷間溶接用ピン211bは上部プレート208内に配置される。底部プレート207と上部プレート208は、冷間溶接用ピン206aと206bの軸が一致し、対応する冷間溶接用ピン211aと211bに対して整列するように、整列される。
【0058】
冷間溶接装置202の上部作動装置214は、冷間溶接用ピン206bと211bを下方に変位させる。下部作動装置215は、冷間溶接用ピン206aと211aを上方に変位させる。上部作動装置214と下部作動装置215の一実施形態では、空圧シリンダが使用され、ピン206a、206b、211a、211bを移動させる。装置214と装置215のその他の実施形態では、ピン206a、206b、211a、211bの軸に対して同時にかつ垂直に移動する一対の回転輪が使用される。さらに別の実施形態では、装置214と装置215には、油圧アクチュエータ、片持ち梁、おもり、ばね、サーボモータ電気機械ソレノイド等が使用され、ピン206a、206b、211a、211bを移動する。ピンを変位させる力の大きさとタイミングに関する作動装置214と215の制御は、一定の負荷、一定の変位、ソレノイドコントローラ、直接あるいは間接の手段を単独でまたは組み合わせて、任意に使用することで実現できる。
【0059】
上部プレート208で挟んだ後、冷間溶接用ピン206a、206b、211a、211bが作動する。陽極サブアセンブリ170内の冷間溶接部205と210は、冷間溶接用ピン206a、206b、211a、211bが陽極サブアセンブリ170に対して押し付けられるときに発生する圧力により形成される。図6Aを参照すると、冷間溶接部205と210が形成されるのに好ましい領域が示されている。冷間溶接部205と210は、冷間溶接部としてだけではなく鍛接部として説明することもできる。これは、陽極層185間の界面が溶接部205と210の領域で変形し、酸化層を破壊し、母材を互いに接触させ、金属結合が発生するためである。金属結合により溶接部の強度が増大する。
【0060】
その冷間溶接の方法の一実施形態では、複数の空圧シリンダが上部作動装置214と下部作動装置215で同時に動作して、ピン206a、206b、211a、211bを陽極サブアセンブリ170に向けて駆動する。陽極層の冷間溶接部205と陽極タブの冷間溶接部210は、空圧シリンダが所定の一定圧力まで加圧される直接一定負荷条件の下で形成されるのがもっとも好ましい。陽極層の冷間溶接部205と陽極タブの冷間溶接部210は、冷間溶接用ピン206a、206b、211a、211bにまたがって配置された変位センサが、それらのピンが陽極/陰極サブアセンブリ227から外れた状態を示す所定の値を有する信号を生成するまで空圧シリンダが加圧される間接一定変位条件の下で形成することもできる。
【0061】
その方法の別の実施形態では、片持ち梁機構が上部作動装置214と下部作動装置215に組み込まれる。陽極層の冷間溶接部205と陽極タブの冷間溶接部210は、片持ち梁が作動し、それ以上の移動が不可能な停止点に達するまで上部と下部の部材208と207を陽極/陰極サブアセンブリ227と係合させる直接一定変位条件の下で形成される。片持ち部またはその他の手段が、所定の負荷がセンサによって計測される時に片持ち梁の停止点を調整するための負荷計測センサを有する装置214および装置215において、間接負荷調整システムを使用することもできる。
【0062】
冷間溶接用ピン206a、206b、211a、211bの断面形状は、四角、円、楕円、その他の任意の適切な形状とすることができる。冷間溶接用ピン206a、206b、211a、211bの端部の形状は、それらのピンで生成される冷間溶接部の性質を選択的に調節するのに適した平坦形状、角を落とした形状、ドーム形状、その他の適切な形状にすることができる。同様に、使用する冷間溶接用ピンの数を4本よりも多くしたり少なくすることもできる。冷間溶接用ピン206a、206b、211a、211bの端部は、角を落とした形状かドーム形状で、断面が円形であるのがもっとも好ましい。冷間溶接用ピン206a、206b、211a、211bは、直径が約0.060インチ(0.174mm)で、さらに端部が面取りしてあるか、アールがつけられていることが好ましい。冷間溶接用ピン206a、206b、211a、211bは、ステンレス鋼、チタン、工具綱またはHSLA鋼など溶接時に加わる圧力の下で容易に変形しない高強度材料からなるのが好ましい。冷間溶接用ピン206a、206b、211a、211bの端部や側壁部に、塗膜や被覆を適用したり、あるいはそうでなければ変成させてピンの耐摩耗性、耐変形性、その他の好ましい摩擦学的な性質を増大させることもできる。
【0063】
冷間溶接部205と210の主要な機能は、溶接部205と210の領域の陽極サブアセンブリ170全体の厚さを最小にしながら、層185a、185b、185c、190と陽極タブ195との間の電気的な相互接続を提供することである。通常の従来技術の市販円筒型コンデンサでは、冷間溶接部の領域で陽極層の厚さの大幅な増加が示される。この厚さの増加は、通常タブの約2倍の厚さ、つまり約0.008インチ(0.020mm)程度である。一致しないタブの接続箇所が1つか2つしかない円筒型コンデンサの場合、陽極層の厚さへの全影響は最小になることもある。しかし相互接続と溶接箇所がより多くなる積層デザインの場合、溶接領域の厚さが増加すると、陽極層全体の厚さが大幅に増加し、電極スタックアセンブリ全体としての厚さも増加することがわかっている。
【0064】
冷間溶接の一方法と対応する装置においては、冷間溶接部の幾何学的形状と形成プロセスが適切に最適化されたときには、陽極サブアセンブリ170の厚さの実質的な増加はないかごくわずかである。いくつかの市販の円筒型コンデンサでは、冷間溶接が原因で厚さの増加が約200%になることがあるのに対して、陽極アセンブリ170のいくつかの実施形態では、冷間溶接が存在することによる層の厚さの増加は約20%に過ぎないことがわかっている。本明細書で説明したように、2個、3個、4個、5個、6個またはそれ以上の陽極層185と190を冷間溶接して陽極サブアセンブリ170を形成することもできる。
【0065】
図6Bは、好ましい冷間溶接方法によって形成された冷間溶接された陽極アセンブリの一実施形態の一部の断面図を示す。陽極層の厚さta、tN、tb、tcをそれぞれ有する陽極層185a、190、185b、185cは、下部プレート207と上部プレート208にそれぞれ取り付けられたピン206aと206bの圧縮動作により、溶接部205において1つに冷間溶接される。ピン206aと206bにより陽極サブアセンブリ170dにおいて中心凹部293と294がそれぞれ形成され、さらに縁部295と296がそれぞれ発生する。縁部295と296は、周囲の陽極サブアセンブリ170dの表面からそれぞれ下方と上方に突き出すため、陽極サブアセンブリ170dの全体の厚さTがΔTだけ増加する(Tは冷間溶接されない陽極サブアセンブリ170dの周囲の領域つまり部分について計測)。
【0066】
図6Cは、冷間溶接された陽極アセンブリの一実施形態の別の部分の断面図を示し、陽極層/タブの厚さta、tb、tc、およびttabをそれぞれ有する陽極層185a、185b、185cと陽極タブ195は、下部プレート207と上部プレート208にそれぞれ取り付けられたピン211aと211bの圧縮動作により、溶接部210において1つに冷間溶接される。ピン211aと211bにより陽極サブアセンブリ170dにおいて中心凹部297と298がそれぞれ形成され、さらに縁部299と301がそれぞれ発生する。縁部299と301は、周囲の陽極サブアセンブリ170dの表面からそれぞれ下方と上方に突き出すため、陽極サブアセンブリ170dの全体の厚さTがΔTだけ増加する(Tは冷間溶接されない陽極サブアセンブリ170dの周囲の領域つまり部分について計測)。
【0067】
したがって、陽極サブアセンブリ170dの全体の厚さTは以下の式で定義される。
【0068】
T=nt
そして、冷間溶接部205または210における領域の陽極サブアセンブリ170dの全体の最大厚さT+ΔTは、次の式で定義される。
【0069】
T+ΔT=nt+ΔT
ここでTasは冷間溶接されていない領域の陽極サブアセンブリ170dの全体の厚さで、nは陽極サブアセンブリ170dの陽極層185および/または190の数、tは個々の陽極層185および/または190または陽極タブ195の厚さであり、厚さtN、ta、tb、tc、ttabは同一と仮定する。
【0070】
比率ΔT/Tが0.05、0.1、0.15、0.20、0.25、0.30、0.35、0.40、0.45、または0.50以下になるように陽極サブアセンブリを形成することが非常に望ましい。比率ΔT/Tの値が小さいほど、コンデンサ265の体積効率が高くなる。さらに、比率ΔT/Tの値が小さくなるとコンデンサ265の全体の厚さを減少させることができる。
【0071】
ここで図6Aを参照すると、タブ195a〜195h(および対応する冷間溶接部210)のそれぞれの垂直位置を水平方向に交互に、つまりずらして並べることで、電極スタックアセンブリ225の全体の厚さをさらに減少させることができる。本実施形態では、たとえば、タブ195aと195bは互いに対して垂直方向には整列されていない。このようにタブ195を交互に、つまりずらして並べると、厚さΔTの増加分が累積しない、つまり構造的に足し合わされず、それにより電極スタックアセンブリ225の全体の厚さを減少させるように、各陽極サブアセンブリ170a〜170hに対応する厚さの増加分ΔTが電極スタックアセンブリ225の周縁部やその他の部分に水平方向に分散するようになる。冷間溶接部205も同様に、互いにまたは冷間溶接部210に対して、水平方向に交互につまりずらして並べて、電極スタックアセンブリ225の全体の厚さの減少を達成することができる。
【0072】
別の好ましい実施形態では、各コンデンサ層、つまり電極サブアセンブリの陽極サブアセンブリ170は、3つ、4つ、5つ、またはそれ以上の複数の陽極シート、つまり層185と190を備えることが可能で、各サブアセンブリは、陽極層に取り付けられたり陽極層の一部を形成する対応する陽極タブ195を備える少なくとも1つの陽極層を有することがもっとも好ましく、陽極層はともに冷間溶接され陽極サブアセンブリ170を形成する。たとえば、陽極サブアセンブリ170は、事前に別々に冷間溶接やその他の方法で1つに接合された2つの個別の3重の陽極層185を冷間溶接して作成された6つの陽極層185を備えることができる。または、陽極サブアセンブリ170の層は、事前に別々に冷間溶接やその他の方法で1つに接合された、1つの3重陽極層185と1つの4重陽極層185を1つに冷間溶接した7つの陽極層を備えることができる。別の好ましい実施形態では、複数の切り欠きのある陽極層190を陽極サブアセンブリ170で使用して、より厚い陽極タブ材料を使用できるようにすることができる。
【0073】
冷間溶接用ピン206a、206b、211a、211bの周囲の領域における底部プレート207と上部プレート208の形状は、冷間溶接部205と210の性質に影響することがわかっている。好ましい方法では、プレート207と208の嵌合面では、ピン穴の周囲にはアールが形成されない。それらの領域にアールや面取りが存在すると、それらの領域で冷間溶接部205と210に好ましくない変形が発生することがある。そのような変形は、陽極サブアセンブリ170の厚さを増大する原因となることがあり、そのような増大はコンデンサ265の厚さの増大に直接つながる可能性がある。さらに、最終的な厚さの増大は、電極スタックアセンブリ225内に存在する陽極サブアセンブリ170の数だけ倍増されたものであることに注意しなければならない。その代わりに、アールや面取りを、底部プレート207と上部プレート208のピン穴の領域で使用することもできるが、その場合、隣接する積層された冷間溶接部の位置を交互に配置するなど、適切なコンデンサのデザインにより対応を行うのがもっとも好ましい。
【0074】
図14に示されるように、冷間溶接用ピン206a、206b、211a、211bが陽極サブアセンブリ170に対して作動した後は、上部プレート208が取り除かれ、冷間溶接された陽極サブアセンブリ170は、以降の陽極/陰極サブアセンブリ227の積層のために提供される。図15は、電極スタックアセンブリ225を作成するための好ましい一方法に対応する流れ図を示す。コンデンサ265の電極スタックアセンブリ225の一実施形態の分解平面斜視図を示した図6Aも参照されたい。図4、図6A、図15に示したように、電極スタックアセンブリ225は、複数の冷間溶接された陽極サブアセンブリ170a〜170h、複数の陰極層175a〜175i、複数のセパレータ層180、外側セパレータ層165aと165b、外側覆い115、覆いテープ245を備えるのがもっとも好ましい。
【0075】
外側覆い115は、前述のセパレータ材料から打ち抜くのがもっとも好ましいが、重合体材料、アルミニウム、適切な熱収縮材料、適切なゴム引きした材料、および合成等化体、あるいはその誘導体等、さまざまなその他の適切な材料から形成することもできる。
【0076】
覆いテープ245は、ポリプロピレンで裏打ちしたアクリル系粘着テープから切断するのがもっとも好ましいが、ステープル、超音波紙接合つまり溶接、アクリル系粘着剤以外の適切な粘着剤、ポリプロピレンで裏打ちしたテープ以外の適切なテープ、鉤と対応する留め金などに置き換えることもできる。
【0077】
外側覆い115と覆いテープ245は、共に電極スタックアセンブリの覆いを構成し、その覆いは、以降の過程で電極スタックアセンブリ225が意図に反して移動したりずれるのを防止するのに役立つことがわかっている。ここで、以降の処理で電極スタックアセンブリ225を動かないように固定するためには、ここで明示的に開示した手段以外に、外側覆い115と覆いテープ245を備える電極スタックアセンブリの覆いと同じ機能を実質的に達成する多くの手段が存在することは、当業者には明らかであろう。前述の手段以外に、電極スタックアセンブリ225を動かないように固定するため代替手段が存在する。そのような代替手段には、かならずしも電極スタックアセンブリ225の一部を形成しないロボットやその他の機械的な挟み込みと固定手段、セパレータ層180を形成するための粘着性電解質などが含まれるが、それらに限定されない。
【0078】
電極スタックアセンブリ225が作成されるのにもっとも好ましい積層過程は、外側覆い115を積層固定具に配置してから、外側の紙、つまりセパレータ層165aを積層固定具に配置することから開始される。次に、陰極層175aがセパレータ層165aの上に配置されてから、セパレータ層180aと180bがその上に配置される。それから、冷間溶接された陽極サブアセンブリ170aがセパレータ層180bの上に配置された後、セパレータ層180aと180bがその上に配置され、これが繰り返される。積層固定具内でセパレータ層180aと180bを間に挟んで陰極層175と陽極サブアセンブリ170を交互に配置する処理は、最後の陰極層175hがそれらの上に配置されるまで繰り返される。
【0079】
図6Aに示した電極スタックアセンブリ225の実施形態では、8個の陽極サブアセンブリ(陽極サブアセンブリ170a〜170h)と9個の陰極層(陰極層175a〜175i)が示されている。電極スタックアセンブリ225内に配置された、組み合わされた各陽極サブアセンブリ/セパレータ層/陰極層アセンブリにわたり発生する電圧は、約360から約390ボルトDCの範囲であるのがもっとも好ましい。後述するように、電極スタックアセンブリ225のさまざまな陽極サブアセンブリは、電極スタックアセンブリ225のさまざまな陰極層と同じに、通常は電気的に並列に接続される。
【0080】
図4に関連した前述の説明と同様に、当業者にとって、図6Aに示した電極スタックアセンブリ225は単に説明を目的としたもので、陽極サブアセンブリ170、陰極層175、セパレータ層180、陽極タブ195、陰極タブ176などの数や組み合わせに関して、いかなる点についても、本発明の範囲を制限しないことはここで理解されよう。その代わりに、電極構成部品の数は、必要な全静電容量、各層の全面積、使用した箔の比静電容量、およびその他の因子に従って決定される。
【0081】
電極スタックアセンブリ225の別の実施形態では、各陽極サブアセンブリ170で使用される陽極層185の数がスタック内で異なる。そのような構造では、同一の層面積を有し、ほぼ連続的に変化するさまざまなそして選択可能な全静電容量を有するコンデンサの作製が可能で、そのためには、選択された陽極サブアセンブリ170に含まれる陽極層185/190の数をユーザーが増加させたり減少させることができる(陽極/陰極サブアセンブリ227全体を電極スタックアセンブリ225に対して追加したり除去して全静電容量を変更するのとは逆)。陰極層175iをスタック内に配置した後、外側紙層165bがその上に配置され、外側覆い115が電極スタックアセンブリ225の上に折り曲げて被せられる。それから覆いテープ245により外側覆い115が適所に保持され、電極スタックアセンブリ225のさまざまな構成部品を1つに固定する。
【0082】
セパレータ層165と180の物理的な寸法は、陽極サブアセンブリ170と陰極層175の寸法よりも幾分大きく、バリ、混入物、粒状物質の存在やケース内での破片あるいは不完全部の発生が原因で電極がケースの壁に接触したり、極性が逆の電極層同士が短絡するのを防止するのがもっとも好ましい。陽極サブアセンブリ170の一部が導電性のケース壁に接触したり、陽極サブアセンブリ170や陰極層175の周縁部のバリが極性が逆の隣接する層に接触したり、あるいはセパレータ層180aや180bが隣接する極性が逆の電極層の間で十分な電気絶縁性を提供せず、導電性の粒状物質がそれらの間の間隙を接続してしまう場合、コンデンサ265の信頼性と機能性が低下することがある。
【0083】
電極スタックアセンブリ225の周縁部付近に配置されるのがもっとも好ましい追加のセパレータ材料を、ここではセパレータオーバーハングと呼ぶ。セパレータオーバーハングの量を減少させると、コンデンサ265のエネルギー密度が増加する。そのため、エネルギー密度の最適化の観点からは、セパレータオーバーハングの量や程度を減少させるのが有益である。必要なセパレータオーバーハングの量は、主に、使用する積層方法の積層公差の特性の関数であることがわかっている。
【0084】
市販の円筒形コンデンサでは、セパレータオーバーハングの量は、通常約0.050〜0.100インチ(0.127〜0.254mm)である。以前に参照されている米国特許第5,522,851は、コンデンサの筐体が少なくとも2つの内部整列部材を有する扁平アルミニウム電解コンデンサについて説明している。それらの整列要素により、使用可能な「活性」電極材料が減少する一方でコンデンサの体積が必ず増加するため、コンデンサのエネルギー密度が減少する。
【0085】
電極スタックアセンブリ225内でのセパレータ層165と180、陽極サブアセンブリ170、陰極層175が一貫した位置合わせを保証するための好ましい方法には、電極スタックアセンブリ225のさまざまな要素をロボットによる組み立て技法を使用して積層することがある。より具体的には、電極スタックアセンブリ225のさまざまな電極とセパレータ層は、4台のSeiko4軸SCARAモデル番号TT8000とTT8500や同等製品を備え、適切な積層固定具内でさまざまな電極とセパレータ要素を取り上げ配置するアセンブリ作業セルを使用して積層され整列される。電極とセパレータ層の積層と位置合わせのためのその他の適切な方法には、カム駆動ウォーキングビーム組み立て機械技法、回転テーブル機械技法、複数ステーション単一積層機械技法などがある。
【0086】
好ましい方法では、あらかじめ形成または切断されたセパレータ、電極層、またはサブアセンブリがロボットアームに供給され、それからロボットアームはアーム端の工具類で部品を取り上げる。ベンチュリ系により、アーム端の工具類で真空が発生する。そのシステムは真空を適切な時刻に生成して、部品をアーム端の工具類に吸い上げる。次に、部品が積層固定具に配置されると、真空が解かれる。ゴム吸盤などの直接真空システムやその他の接触または非接触の取り上げロボットまたは手動組み立て方法も使用することができる。部品の位置はロボットによって、0.005インチ(0.013mm)以上の精度で、取り上げ点から積層固定具に移される。部品を積層固定具に配置後、部品の整列は、SONY XC−75カメラや同等品と組み合わせて、SEIKO COGNEX 5400 VISION Systemや同等品で電子的に確認するのがもっとも好ましい。カメラは、ロボットアーム上に取り付けられ、部品の配置の精度を確認できる。このシステムは、電極スタックアセンブリ225内の各部品や要素の位置を0.01ミリメートル以内で正確に求めることができる。ロボットアームによりすべての層が積層固定具内に配置されると、スタックは覆いの工程に供給される。
【0087】
前述の方法では、コンデンサ265に追加される望ましくない不要な体積を最小にしながら、電極スタックアセンブリ225内でセパレータ層165と180、陽極サブアセンブリ170、および陰極層175を正確に整列させ積層することができる。
【0088】
電極スタックアセンブリ225内のセパレータ層165と180、陽極サブアセンブリ170、および陰極層175の位置合わせを確実に行う別の方法には、固定具位置合わせ点を使用する手動過程で使用される積層固定具内に配置された整列要素が含まれる。そのような方法では、積層固定具は、セパレータ層165と180の位置決めのために積層固定具の周縁部付近に配置されたポストや側壁などのいくつかの整列要素を有する。陰極層175と陽極サブアセンブリ170はセパレータの周囲まで延びていないため、これらの電極を正確に位置決めする代替手段が必要になる。
【0089】
交互に配置される陰極層175と陽極サブアセンブリ170を位置決めするのは、陰極タブ176と陽極タブ195の周縁部付近に配置されたポストや側壁などの整列要素を使用して達成するのがもっとも好ましい。層の配置と位置決めの精度は、主に電極タブの長さの関数であることがわかっている。タブの長さが長くなると、整列誤差が少なくなる。電極タブの長さは、通常、打ち抜き時に発生する電極材料の喪失分との釣り合いを取らなければならず、釣り合いが必要になるのは、陽極タブ195の長さに対して陰極タブ176が長くなることが主な原因である。タブ176と195は、整列要素に関して、位置合わせと位置決めを容易にする任意の適切な形状を有する整列機能を含んでもよい。電極層の位置合わせに使用されるタブの長さの延長分は、電極タブの相互接続の過程で電極スタックアセンブリ225から取り除くのがもっとも好ましい(それについては以下で詳述する)。
【0090】
電極スタックアセンブリ225内のセパレータ層165と180、陽極サブアセンブリ170、および陰極層175の位置合わせを確実に行う別の方法では、コンデンサ265内部の整列要素の使用は必要なく、陽極サブアセンブリ170と陰極層175をセパレータ材料で包むかまたは覆う。この方法では、セパレータ層180aと180bは単一の打ち抜き片の部品として組み合わされ、陽極サブアセンブリ170または陰極層175のいずれかのまわりに巻かれる。それから、セパレータの固定されていない端が、両面転写テープ、その他の粘着剤、ステッチ溶接または超音波紙溶接によって固定される。このように電極サブアセンブリを作成することで、陽極サブアセンブリ170と陰極層175が前述のように形成されたセパレータの外皮の周縁部に対して固定され位置合わせされる。次に、作成された陽極/陰極サブアセンブリすなわちコンデンサ層227は、電極スタックアセンブリ225内に積層工程に供給される。
【0091】
セパレータを陽極サブアセンブリ170に固定するさらに別の方法は、加圧接合技法を使用する。そのような方法では、セパレータ層165または180が、十分な力により局所的な領域で陽極サブアセンブリ170または陽極層185の表面に押し込まれ、セパレータ紙が陽極サブアセンブリ170にしっかりと貼り付くが、下層の陽極サブアセンブリ170の一部が破損するほど力は強くない。セパレータ層165または180のすべてまたは一部を陽極サブアセンブリ170または陽極層185に固定するその他の方法には、縫い付け技法、粘着接合技法、超音波紙溶接技法などがあるが、それらの方法には限定されない。
【0092】
図7は、電解コンデンサ265の電極スタックアセンブリ225の一実施形態の上面斜視図を示す。図8は、図7の電極スタックアセンブリ225の一部の拡大図を示す。電極スタックアセンブリ225を外側覆い115と覆いテープ245で覆った後、集められた陽極タブ232と集められた陰極タブ233がそれぞれの外部端子と相互接続されるのがもっとも好ましい。
【0093】
図9と図10は、図6、図7、図8の電極スタックアセンブリと陽極と陰極の貫通部120と125上のエポキシ液滴から形成されたコネクタブロック145を使用するコンデンサ265のケースが中性の実施形態の分解平面斜視図を示す。その他のケースが負の実施形態について、図22〜図24を参照して以下でさらに説明する。コネクタブロック145は、独立した部品として示されているが、コンデンサ265の組み立て後、図11と図12に示し、図20の流れ図を参照して以下でさらに説明するように、硬化したエポキシ液滴をその場で使用して形成することが理解されよう。
【0094】
図16は、ケース壁、特にケース側壁92の陽極端子通路および陰極端子通路を貫通して延びる陽極端子手段と陰極端子とを形成する一方法に対応する流れ図を示している。図13の特定のステップ(図11Aと図11Bにも掲載)のタブの相互接続と貫通端子の接続により、陽極と陰極の接続端子が設けられる。ケースが負のこの実施形態では、陽極貫通部120と陰極貫通部125を使用し、それらは、集められた陽極タブ232と集められた陰極タブ233をそれぞれ取り巻きそれに溶接される巻土台部121と126をそれぞれ有するのがもっとも好ましい。貫通ピン130と135は、コンデンサ265用の外部接続端子を設ける。
【0095】
その方法では、貫通ワイヤが貫通部120と125の作成のためにまず用意される。一実施形態では、好ましい貫通ワイヤは、純度が99.99%以上で直径が0.020インチ(0.510mm)のアルミニウムである。ワイヤは、陽極貫通部120や陰極貫通部125に使用するために所定の長さに調整される。調整されたワイヤの一端は、ワイヤの内径つまり寸法が、集められた陽極タブ232や集められた陰極タブ233に巻き付けるのに必要な直径つまり寸法よりもわずかに大きくなるように巻かれる。
【0096】
次に、集められた陽極タブは、かしめによって1つの束に集めるつまりまとめられ、陽極貫通ピン130が集められた陽極タブ232の底部から離れ、外部に延びるように、集められた陽極タブ232の上に陽極貫通巻アセンブリ120の内径部131が配置される。同様に、集められた陰極タブ233がまとめられ、陰極貫通ピン135が集められた陰極タブ233の底部から離れ、外部に延びるように、集められた陰極タブ233の上に陰極貫通巻アセンブリ125の内径部136が配置される。次に、陽極と陰極の貫通部120と125の巻回土台部121と126は、陽極と陰極のタブ232と233上にかしめられるのがもっとも好ましく、その後、それらの遠端部を調整する。タブ232と233の仮想軸234と235に対してそのように形成されたかしめ部が実質的に垂直になることがもっとも好ましい。タブ遠端部は、仮想軸234と235に対して垂直ではない角度に調整することもできるが、好ましさは劣る。
【0097】
かしめ力は、以降の好ましい溶接手順を通して貫通巻部121と126と集められたタブ232と233に作用している。一方法では、かしめられた陽極と陰極の貫通部は、遠端部の調整された縁の上部に沿って、陽極と陰極のタブ232と233にレーザーまたは超音波で溶接されるのが好ましい。貫通部120と125を集められた陽極タブ232と集められた陰極タブ233にそれぞれ溶接した後、ピン130と135はケース90の陽極および陰極の穴142と143に挿入するために曲げられる。
【0098】
貫通部120と125と貫通部を陽極タブ232と陰極タブ233に接続する手段については、図に具体的に示された実施形態以外にも多数のさまざまな実施形態が存在する。たとえば、貫通部には、貫通ピン130と135を集められた陽極と陰極のタブ232と233に接続するために、側部が開いた土台部、「U」または「T」の形状の断面を形成する土台部、ワイヤが1回巻かれた巻部を形成する土台部、ワイヤが3回以上巻かれた巻部を形成する土台部、平板にされたワイヤから形成された土台部、かしめスリーブや金属の層から形成された土台部などの実施形態も含まれる。
【0099】
図17は、タブの相互接続と貫通部の接続のためのその他の方法に対応した流れ図を示す。その方法では、陽極貫通部120と陰極貫通部125は巻部を有さない。集められた陽極タブ232と集められた陰極タブ233は集められ調整された後、陽極と陰極の貫通部120と125の土台部が、集められた陽極タブ232と陰極タブ233の近くにそれぞれ配置される。それから、貫通部120と125の土台部は集められた陽極タブ232と集められた陰極タブ233にそれぞれ接合されるが、超音波溶接手段によるのがもっとも好ましい。
【0100】
さらに別の方法では、貫通部120と125の土台部は、(たとえば図23Aおよび図24Aにも示されるように)集められた陽極タブ232と集められた陰極タブ233に溶接しやすいように平坦にされる。また、別の方法では、貫通ピン130と135の土台部は、巻くこと以外の手段で集められた陽極タブ232または集められた陰極タブ233の周囲に係合するように形成される。たとえば、貫通部120と125の土台部121と126を「旗の形」にして、それらの旗の部分をタブ232と233に巻き付けることができる。さらに別の取り付け方法では、貫通ピン130と135は、陽極タブ232と陰極タブ233に抵抗溶接、冷間溶接、ろう付け、摩擦溶接、またはタブ232と233を係合し接合してタブへの電気的、機械的接続を実現するかしめスリーブなどの追加の貫通部構成部品により取り付けられる。
【0101】
タブ232および233と貫通巻部アセンブリ120および125との電気接続部を形成する過程で、個々のタブ176と195に好ましくない応力が発生する可能性があることがわかっている。それらのタブに結果的に発生する歪みにより、陰極タブ176の底部で陰極層175に裂け目が発生したり、陽極サブアセンブリ170内の比較的強度の低い冷間溶接部205と210に破損が発生することもわかっている。貫通部120と125の巻部の利点の1つに、それらが貫通ピン130と135と集められたタブ232と233との間の歪みを除去することがある。したがって、貫通部120と125の歪み除去機能は、貫通部の接続部に発生する好ましくない応力を最小限にしたり取り除くのに役立つ。
【0102】
表2は、コンデンサ265のさまざまな構成部品が互いにレーザー溶接される場合の最適化された好ましい処理パラメータを示している。表2に示したパラメータは、ミネソタ州イーデンプレーリーのLumonics Laserdyne社製の固定光ビーム伝送方式を持つモデル番号JK702HパルスNd:YAGレーザー溶接システム用のパラメータに対応している。表3は、同型式のレーザー溶接システムが容認できる溶接特性を実現するパラメータの範囲を示している。
【0103】
最適化されたNd:YAGレーザー溶接システム用のパラメータ
【0104】
【表2】
一般的なNd:YAGレーザー溶接システム用のパラメータ
【0105】
【表3】
本明細書と特許請求の範囲で使用される場合、「レーザー溶接」という用語は、干渉性の光ビーム処理が使用される溶接方法を意味するが、この意味には限定されない。干渉性の光ビームには、パルスモード、連続モード、またはQスイッチモードによる固定ビーム送出方式や光ファイバビーム送出方式を使用する電子ビーム溶接法やレーザー溶接法(たとえばNd:YAG、CO2処理)などがある。マイクロミグ溶接処理やマイクロプラズマ溶接処理などのその他の溶接処理を干渉光ビーム溶接の代わりに使用することもできる。
【0106】
図10は、部分的に組み立てられた状態の図9のコンデンサ265の分解平面斜視図を示し、ここでも図示の便宜上コネクタブロック145は独立した部品として示されている。図18は、図19に示したステップに従ってカバー110が取り付けられたケースサブアセンブリ108を作成する一方法の流れ図を示している。好ましい実施形態では、ケース90とカバー110は、アルミニウムで形成され、陰極層に電気的に接続されていて、ケース90とカバー110は陰極層と同一の電位、すなわち負の電位にあるか、陽極または陰極の電位のどちらにも接続されていない。
【0107】
まず、電極スタックアセンブリ225、注入ポート107、側壁92を貫通する陽極開口142、陰極開口143、注入ポート開口139を有する陽極ケース90が設けられる。それから、図19の次の2つのステップでは、注入ポートフェルール105が注入ポート開口139の周囲にレーザー溶接される。電極スタックアセンブリ225は、陽極開口142を貫通して延びる陽極貫通ピンつまり端子ピン130と、陰極開口143を貫通して延びる陰極貫通ピンつまり端子ピン135と共に内部ケース室に挿入される。任意に、陰極端子ピン135と陰極開口143の端との間の隙間をレーザー溶接して、ケース90が陰極と同電位になることを保証してもよい、しかしこのステップは、ケース90の電位が問題にならず、エポキシを使用して隙間を密閉して電解質の漏れを防止するときには省略することもできる。
【0108】
陽極端子ピン130の外部端部は、陽極ワイヤガイド95の内腔を通して渡され、それからそのガイドは陽極開口142内に押し込まれる。ワイヤガイド95は、陽極貫通ピン130を電気的に絶縁し、陽極開口142の開口の内径開口内の中心に陽極貫通ピン130を配置して、陽極貫通ピン130がケース90の内部表面から間隔を持ち、電気的に絶縁されるようにする。ワイヤガイド95、貫通ピン130、陽極穴142の大きさの許容値は、ワイヤガイド95が穴142に嵌め込み可能で、貫通ピン130がワイヤガイド95の中心に配置された穴に貫通するように嵌め込み可能なように設定される。アセンブリは、ケース側壁92により密閉されないため、密閉して電解質の喪失を防ぐことが必要である。本発明の一態様によれば、図20の方法によりエポキシ液滴コネクタブロック145を形成することで密閉が実現される。エポキシは、ワイヤガイド95、貫通ピン130、陽極穴142の間の隙間に浸透する。
【0109】
ワイヤガイド95の中には、環状、傾斜状、またはパチンと嵌め込む(snap−in:スナップイン)の特徴が一体的に形成されて含まれるのが最も好ましい。この特徴により、取り扱い中にワイヤガイド95が陽極開口142から押し出されるのが回避されるが、ワイヤガイド95の陽極開口142への挿入が、挿入ステップ中にケース90を損傷させないように十分に弱い力を用いて行われ得るように形成されるのが最も好ましい。ワイヤガイド95は、電解コンデンサの環境下で安定している、さまざまな電気的に絶縁性を持つ材料から形成することができる。好ましい一実施形態では、ワイヤガイド95が作成される材料は、射出成形されたポリスルフォンで、ジョージア州アトランタのAmoco Performance Productsが供給するAMOCO UDELとして知られている。その他の実施形態では、ワイヤガイド95は、フッ素プラスチック(たとえばETFE、PTFE、ECTFE、PCTFE、FEP、PFA、PVDF)、フッ素エラストマー、ポリエステル、ポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアセタール、ポリエーテルケトン、ポリアリールケトン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニルスルフォン、ポリスルフォン、ポリアリールスルフォン、ポリエーテルイミド、ポリイミド、ポリ(アミド−イミド)、PVC、PVDC−PVC共重合体、CPVC、ポリフラン、ポリ(フェニレンスルフィド)、エポキシ樹脂、シリコンエラストマー、ニトリルゴム、クロロプレン重合体、クロロスルホン化ゴム、多硫化ゴム、エチレン−ポリプロピレンエラストマー、ブチルゴム、ポリアクリルゴム、繊維強化プラスチック、ガラス、セラミック、その他の適切な電気絶縁性の化学的に適合性のある材料など他の化学的に耐久性のある重合体から形成されてもよい。
【0110】
本明細書と本特許請求の範囲で使用される場合、前記の頭文字は以下の意味を持つ。頭文字「ETFE」はポリ(エチレン−コ−テトラフルオロエチレン)を意味し、頭文字「PTFE」はポリテトラフルオロエチレンを意味し、頭文字「CTFE」はポリ(エチレン−コ−クロロトリフルオロエチレン)を意味し、頭文字「PCTFE」はポリクロロトリフルオロエチレンを意味し、頭文字「FEP」はフッ化エチレン−プロピレン共重合体を意味し、頭文字「PFA」はペルフルオロアルコキシフッ素重合体を意味し、頭文字「PVDF」はポリフッ化ビニリデンを意味し、頭文字「PVC」はポリ塩化ビニルを意味し、頭文字「PVDC−PVC」はポリ塩化ビニリデン−ポリ塩化ビニル共重合体を意味し、頭文字「CPVC」は塩素化ポリ塩化ビニルを意味する。
【0111】
それから、以下で説明するように図19のステップに従って、カバー110を側壁上部端に取り付けるために、ケースアセンブリとカバー110が設けられる。最後に、図18で、必要に応じて陰極と陽極の端子ピン130と135の端部が調整される。
【0112】
図11Aおよび図11Bに示すように、電極スタックアセンブリ225は、ケース90の内部ケース室100内に着座する。図11Aおよび図11Bでは、電極スタックアセンブリ225の上部空間部分(以降、上部空間230と呼ぶ)が、ケース90とカバー110から絶縁されていることも示される。上部空間の絶縁を実現する手段には、成型、熱成型、打ち抜き、または機械的な成型による絶縁性材料と手段があり、材料と手段は、電解コンデンサの環境で安定している。上部空間絶縁部を形成するのに適した材料には、ワイヤガイド95の形成用の前述の各材料がすべて含まれる。上部空間絶縁を実現する別の手段では、覆いテープ245と同様な電気絶縁テープで上部空間230を覆い、陽極または陰極の端子がケース90やカバー110と接触したり、または互いに接触するのを防ぐ。
【0113】
図19は、以前に参照された原特許出願第09/103,876号に詳細に記述されているように、図13のカバー110をケース90に溶接してそれらの間を密閉する手順を拡張した流れ図を示している。ケースサブアセンブリ108には、内部ケース室100内に挿入された電極スタックアセンブリ225と前述のようにして完成された陽極と陰極のタブ/貫通接続部が設けられている。カバー110は、ケース90の側壁92上に形成された上部端94上に配置される。ケース側壁の上部端の一構成では、上部端の高くなった部分は、カバー110が上部端94上に配置されたときに、カバー110の上部表面112よりも約0.014インチ(0.355mm)上に延びた状態である。アセンブリは、かしめ機構または組み合わせ型(nest)内に配置され、クランプが作動してカバー110を上部端94に当てて固定される。かしめ機構が作動して、高くなった端部を、カバー110の上部表面112の上に、それに沿って、またはその上方にかしめる、つまり折り曲げる。
【0114】
別の好ましい方法では、上部端94の高くなった部分のかしめは、ケース90の形状に切断され、さらに高くなった部分に係合してその部分をカバー110の上部表面112上に内側に向けて押し付ける角度つまり傾斜のある側壁を有する型により達成される。かしめは、高くなった部分をカバー110の上部表面112上に連続してかしめながらケース90の周囲を移動する移動かしめ装置によって形成することもできる。カバー110の端を側壁92を越えて外側に下向きにかしめたり折り曲げるように前述の方法を適合させるのは容易である。
【0115】
高くなった部分をカバー110上にかしめたり、カバーの端を側壁の上部端94上にかしめるのは、いくつかの利点がある。まず、カバー110のケース90へのレーザー溶接は、比較的簡単な道具類を使用して達成でき、処理時間が短くなる。レーザー溶接は、一般的にケース90やカバー110のような構成部品を互いに正確に整列させなければならないときに、製造工程の流れの中でしばしばボトルネックになる。レーザー溶接工程中にこのような整列手順をなくすことは、製造工程のボトルネックをなくすのに役立つことがわかっている。高くなった端部や外側のカバーの端を曲げたりかしめることで、レーザービームがコンデンサ265内部に入射するのが防止される。レーザービームは内部に入射せず、必ずケース90とカバー110の材料に照射され、溶融を誘発する。接合部の少なくとも一部を形成するかしめがその接合部にない場合、レーザービームがコンデンサ265内の構成部品を損傷することがわかった。
【0116】
かしめられた接合部の別の利点は、かしめにより、溶接領域の金属部分が増加することである。アルミニウムは、熱膨張係数が高く、溶接工程の特性である高温から急激に冷却されると亀裂が生じやすい。かしめにより金属部分が増加することで、カバーとケースの上部端との間の接合部で亀裂が発生しにくくなる。
【0117】
それから、かしめられたケース90とカバー110は、かしめ固定具から外され、溶接固定具に配置される。カバーの端とケース上部端94との間に形成された接合部がレーザー溶接され、ケース90とカバー110が密閉される。表2は、かしめられたケース/カバーの接合がNd:YAGパルスレーザー溶接システムを使用して密閉される場合の最適化された一式のパラメータを示す。表3は、同型式のレーザー溶接システムが容認できる結果を実現する条件の一般範囲を示している。
【0118】
図18の最後のステップに戻り、陽極と陰極の端子ピンは、適切な長さに調整され、少なくとも2種類の陽極と陰極の端子が設けられる。図11Aと図11Bは、露出した陽極ワイヤ端部150aを陽極貫通ピン130の側部に沿って陽極接続端子に取り付け、露出した陰極ワイヤ端部150bを、陰極貫通ピン135の側部に沿って陽極接続端子に取り付けるか、陰極端子ピン135の調整または接地された端部の近傍のケース側壁92の外部表面に取り付ける好ましい取り付け方法を示している。図11Aと図11Bは、ケース壁92上にそのまま形成され、それらの接続部を封止する(仮想外形線で示した)エポキシ液滴コネクタブロック145も示している。露出したワイヤ端部150aと150bを貫通ピン130と135にそれぞれ取り付けるステップと、エポキシ液滴コネクタブロック145を形成するステップも、図20の流れ図に示す。
【0119】
好ましい実施形態では、超音波溶接、抵抗溶接、レーザー溶接などの技法を使用して、露出したワイヤ端部150aと150bは貫通ピン130と135にそれぞれ電気的に接続される。このような接合技法では、接合形状は、貫通ワイヤ130および135とハーネスリード線151と152の露出したワイヤ端部150aおよび150bとのそれぞれのクロスワイヤ溶接、つまり直角とするのが好ましい。しかし、以前に参照された特許出願第09/103,876号に詳細に説明されているかしめチューブと方法、特にそこに開示されているコネクタブロックと取り付け方法を使用して接続することもできる。表4は、より線の露出したワイヤ端部150aと150bを陽極と陰極の接続端子に抵抗溶接する場合のクロスワイヤ溶接の場合とそれに代わる表面溶接の場合の最適化された一式のパラメータを示す。
【0120】
一般的な抵抗溶接パラメータ(単一または二重パルス)
【0121】
【表4】
図20では、図21A〜図21Cにも示した方法で電気接続が完了した後、エポキシ液滴コネクタブロック145が形成される。一般的に、ワイヤハーネスとの電気接続後、封止領域の準備がされ、定量の比較的粘性の高い液体状エポキシが封止領域の電気接続部に液滴状で塗布され、コンデンサアセンブリをゆっくりと回転させながらエポキシが炉内で硬化される。管理された温度と低速の回転により、エポキシは貫通部の構成部品と電気接続部の周囲のすべての空洞部に流れ込み浸透し、泡を形成するおそれのある気体がすべて放出され、ふくらんだ、滑らかで、光沢があり、コンデンサ間で一貫したいくぶん半球状の外部表面が形成される。
【0122】
図21Aでは、電気接続は、前述のように、ワイヤハーネスワイヤ端部150aと150bを陽極と陰極の端子ピン130と135にクロスワイヤ溶接することにより行われる。図21Bでは、封止領域98と電気接続部の準備は清浄にすることにより行われ、マスキングテープ99が任意に側壁92に貼り付けられ、エポキシが平坦な側壁表面に沿って流れるのが制限され、封止領域98上に形成されるエポキシ液滴の端がきれいで一貫した形状になる。他の辺は曲線状のケースの端により区切られ、コンデンサアセンブリが回転するときに硬化する液体状のエポキシの表面張力によりエポキシがそれらの端を越えて流れることが防止されるため、封止領域98の4辺すべてを覆う必要はない。
【0123】
固定具の受け部内で封止領域の表面を水平に配置した状態で、コネクタブロック145を形成する定量のエポキシが図21Cに示したように封止領域98に塗布されるが、固定具は複数のコンデンサアセンブリを保持するために複数の受け部を有することもある。それから、1つまたは複数のコンデンサアセンブリを保持した固定具が、架台を所定の速度で回転するモーター式駆動部に結合された架台内に配置される。架台と固定具の回転により、各コンデンサアセンブリは、温度管理された炉内に置かれた状態で、図21Cの軸A−A(またはその他の好ましい軸)に関して回転する。上昇した温度により、エポキシの粘性が低下し、重力、エポキシとアルミニウム間の表面エネルギー(濡れ)、エポキシの表面張力により決まるエポキシの体積(と表面積)が最低になる。前述のように形成されたエポキシ液滴コネクタブロック145は、貫通ピン130と135およびハーネスワイヤの電気接続部の歪みを除去する。エポキシにより、ワイヤガイド140と141、ケース90、フェルール95と100の間にエポキシ密閉部が設けられることになる。
【0124】
架台が約2rpmで回転する場合、摂氏85°〜105°(たとえば90℃)で動作する炉の中では、エポキシは、30分以内に硬化する。さらに、エポキシが封止領域から離れる方向に流れるようにする位置で架台が問題なく回転できる場合、エポキシの流れを限定するのにマスキングテープ99は必要ないことがわかった。
【0125】
硬化の完了後、そのように形成されたコンデンサアセンブリは、架台の受け部から外され、マスキングテープ99が取り除かれ(以前に貼り付けられている場合)、エポキシ液滴コネクタブロック145が検査される。全体の形状、液滴の端、内部に封止された構成部品の被覆状態が所定の標準を満たさなければならない。
【0126】
エポキシ液滴コネクタブロック145が作成される方法により、貫通ピン130と135とワイヤ端部150aと150bが良好に電気絶縁される。その方法により、予測可能で、一様で、信頼性が高く、見栄えのするコネクタブロック145が提供され、高品質の密閉が実現される。
【0127】
エポキシ液滴コネクタブロック145の形成に使用されるエポキシは、コンデンサ265で使用される電解質に対して化学的に耐性があり、周囲の表面にうまく接着されることがもっとも好ましい。各重合体のワイヤガイド(または前述のアルミニウムケース用に重合体が代用された場合は重合体のケース側壁)の接着促進処理(化学析出、エッチング、コロナ、イオン銃、プラズマ処理などによる)を使用して、コンデンサ265の信頼性を最大にすることもできる。好ましい方法では、空隙や亀裂がないかほとんどなく、周囲のピン、フェルール壁、ワイヤガイドの構成部品に完全または実質的に完全に接着されるエポキシが使用される。フェルール穴を密閉用のエポキシで充填するには、いくつかの方法があり、選択されたエポキシの粘性と濡れ角度(表面エネルギー)に大きく依存する。エポキシでは濡れ角度と粘性の特性の釣り合いが望ましいことがわかっている。さらに具体的には、エポキシは、空隙が生じないように充填され表面に広がるのに十分に薄く、しかし、ワイヤガイドの周囲や中、または、封止領域98を限定するコンデンサケースの端とマスキングテープの境界の周囲に漏出しないように十分に濃いつまり粘性があることが望ましい。
【0128】
適切なエポキシの1つとしては、CIBA Geigy Araldite 2014などの脂肪族エポキシがある。その他の適切な注封接着剤には、ポリアミド、ポリエステル、ポリウレタン、エポキシ、ポリエチレン−ビニルアセテートなどの化学的耐性のある熱可塑性の熱溶融材料、アクリル酸塩、メタクリル酸塩などの紫外線硬化樹脂、脂肪族エポキシまたは芳香族エポキシ、シリコン、ポリアミド、ポリエステル、ポリウレタンなどのその他の熱硬化性樹脂がある。多くの適切な注封接着剤は、温度硬化または紫外線硬化する。場合によっては収束赤外線手順を使用して硬化時間を最短化し熱を局所化することもできる。図21Cには透明エポキシ液滴コネクタブロック145が示されているが、エポキシ材料は不透明でもよい。
【0129】
さらに、エポキシ液滴コネクタブロック145’を使用して形成されたケースが負または中性のコンデンサの実施形態を図22A、図22Bから図24A、図24Bに示す。電気接続を行い、エポキシ液滴コネクタブロック145’を形成する方法は、前述の図20の手順に従う。ケースが負の実施形態では、コンデンサケース90’と90”および嵌合するカバーと内部に配置された電極スタックアセンブリは、前述のケースが中性の実施形態よりも幾分小さく、半球に近い。図22Aに示した実施形態の封止領域98’は、側壁92’の曲率に沿うが、図22Bに示した実施形態の封止領域98”は、側壁92”の平坦な部分にある。図23Aと図23Bおよび図24Aと図24Bは、図22Aの実施形態のケースが中性またはケースが負の電気接続を行う代替方法を示しているが、ケースが負の接続を実現するためのそれらの形態や同等の形態は、図22Bの実施形態に使用できることが理解されよう。さらに、ケースが負の接続を実現するためのそれらの形態と同等の形態は、前述のケースが中性のコンデンサをケースが負のコンデンサに変更するのに使用できる。
【0130】
図23Aと図24Aは、エポキシ液滴コネクタブロック145’内の集められた陽極タブ232とワイヤハーネス155との電気接続の一実施形態を示す。陽極貫通ピン120’は、陽極穴つまり開口142’で支持され、電気絶縁性の環状のガイド95’によりケース側壁92’から電気的に絶縁されている。それらの陽極貫通部構成部品は、前述の方法で形成し、ケース側壁92’に組み付けることもできるが、独立した貫通部として形成することも可能で、その場合、フェルールがケース側壁92’に一体で溶接され、それから集められた陽極タブ232と露出したワイヤ端部150aに接続される。陽極貫通ピン120’は、内端で集められた陽極タブ232に結合される。陽極貫通ピン120’の外部に配置された端部は、前述の方法などの任意の便利な方法でワイヤハーネス155のワイヤ152の露出したワイヤ端部150aとの接続用の陽極接続端子となる。好ましいクロスワイヤ溶接が図示されている。
【0131】
図23Aと図23Bは、エポキシ液滴コネクタブロック145’内で集められた陰極タブ233とワイヤハーネス155とを接続し、陰極接続端子を実現する一方法を示している。陰極ピン125’は、内端で集められた陰極タブ233と結合され、外端でワイヤハーネス155のワイヤ151の露出したワイヤ端部150bに前述の方法など便利な方法により結合される。好ましいクロスワイヤ溶接が図示されている。図23Aと図23Bに示したその実施形態では、陰極ピン125’は、単に陰極開口143’を通して延長され、陰極ピン125’と陰極開口143’の端との間の残ったすべての隙間は流動するエポキシで充填されるので、その隙間を溶接して閉鎖する必要はない。したがって、集められた陰極タブ233が、ケース90’に電気的に結合されるかどうかは、陰極ピン125’が陰極開口143’の端に偶然接触するかどうかによる。
【0132】
図24Aと図24Bは、ケースが負の場合に、エポキシ液滴コネクタブロック145’内で集められた陰極タブ233をワイヤハーネス155に接続し、陰極接続端子を実現する別の方法を示している。陰極ピン125’は、内端で集められた陰極タブ233と結合され、外端でワイヤハーネス155のワイヤ151の露出したワイヤ端部150bに前述の方法など便利な方法により結合される。陰極ピン125’は、小径の陰極穴143’を通して延長され、溶接エネルギーを加えることでケース側壁92’に電気的に接合されるが、その溶接エネルギーにより陰極孔143’も密閉される。本実施形態では、陰極ピン125’は、ケース側壁92’の表面に接地され、露出したワイヤ端部150bは、封止領域98’内の陰極接続端子の部分でその表面に溶接される。溶接によって、陰極ピン125’と陰極開口143’の端との間の隙間が閉じられることもある。このような表面やワイヤをケースに抵抗溶接する場合のパラメータは、前述の表4に示されている。
【0133】
図25〜図30に示されたさらなる実施形態とその変形例では、陰極端子通路は、側壁上部開口端94の内部棚部141の一部からなり、棚部141は、側壁上部開口端94と内部棚部141の一部に重なるカバー110のカバー端部111から下降した幅と深さを持つ。陽極端子手段は、前述のように形成することも可能だが、集められた陽極タブ232に電気的および機械的に接続された陽極ワイヤまたは第1の陽極端子端部130a’と第2の陽極端子端部130b’を有する陽極線または貫通ピン130’、陽極端子通路または陽極開口142内で陽極ワイヤまたは陽極貫通ピン130’を支持する絶縁スペーサ95’を備えるだけでもよい。スペーサ95’は、陽極開口142に挿入される独立した環状の絶縁部品として形成したり、陽極ワイヤまたは貫通ピン130’を囲んで、それをケース側壁92から絶縁するようにその場に形成して、それによって陽極接続端子をケース側壁90の外側の第2の陽極端子端部130b’の位置に設けることができる。それらの実施例の製造ステップは、図13〜図15、図17、図19、および図20ならびに図18に代わる図29または図30に示したステップに一般的に従う。
【0134】
それらの実施形態では、第1の陰極端子端部が集められた陽極タブ233に取り付けられ、カバー110が側壁上部開口端94と捕捉された第2の陰極端子端部に当てて密閉されるときに、第2の陰極端子端部が棚部141に当ててカバー110によって捕捉される。コネクタアセンブリの陰極ワイヤの露出したワイヤ端部150は、図28に示すように封止領域98内の画定された陰極接続端子113の位置でケース壁92に面一に溶接される。
【0135】
図26と図29に示したこの実施形態の第1の変形例では、陰極端子は、集められた陰極タブ233に結合された第1の陰極端子端部231aと棚部141を越えて延びる第2の陰極端子端部231bとの間に延びる箔の長さを持つ、たとえばアルミニウム陽極箔などの導電性材料の陰極タブ延長箔231を備える。第2の陰極端子端部231bは、棚部141と上部端94を越えて延び、以下でさらに説明するようにカバー端と側壁上部開口端94との間の接合部が形成され溶接されるときに、図28に示すようにカバー110により捕捉される。第2の端子端部231bは、接合部の形成時に接合部内で密閉され、外部に延びる任意の部分が接合部の溶接時の前後のいずれかに調整される。
【0136】
図27と図30に示した本実施形態のさらなる変形例では、陰極端子は、電極スタックアセンブリ255の陰極層から棚部141を越えて延びる複数またはすべての陰極タブ233の延長部233’を備える。延長された陰極タブ233の第2の陰極端子端部は、図25の逃げ111の深さにほぼ等しい陰極タブ積層部の厚さと、逃げ111の幅以下のタブ端部の幅を持つ。陰極タブ積層部は、棚部141と上部端94を越えて延び、側壁上部開口端94と陰極タブ積層部に当てて密閉されるカバー110により捕捉される。
【0137】
本発明は、図示のワイヤハーネス155あるいは同等のハーネスまたはコネクタアセンブリに使用できることに注意すべきである。それから、ワイヤハーネス155は、必要に応じて、たとえば、図3A〜図3Gに示したように装置レベルの組み立てステップにおいて、コンデンサの電気接続を引き回す手段としての役割を果たすこともできる。図9〜図12、図23B、図24Bに示した実施形態では、端子コネクタ153は、回路またはモジュールの嵌合コネクタへの接続するようになっている摺動接点のメス端部を形成している。別の実施形態では、端子コネクタ153は、摺動接点のオス端部であってもよい。さらに、ワイヤ151と152は、端子コネクタ153が機械的にエポキシ液滴コネクタブロック145、145’に接合されるように、短縮することもできる。または、端子コネクタ153を廃止して、ワイヤ151と152の端部を他の回路またはモジュールに抵抗スポット溶接、超音波ワイヤボンディング、はんだ付け、かしめ、その他の取り付け手段により接続することもできる
エポキシ液滴コネクタブロック145と145’の形成に続く残りのコンデンサの作製ステップを図13に示す。溶接ステップとコネクタブロック145と145’の形成の完了後、コンデンサケースの側壁92の穴に溶接された注入ポート107を通してコンデンサ265に電解質が注入され、それから注入ポートの内腔が閉じられる。以前に参照された原出願第09/103,876号に詳細に説明されている複数回の真空含浸サイクルにより注入が実行される。電解質は、高電圧電解コンデンサ用の任意の適切な電解液とすることができる。好ましい実施形態では、電解質はアジピン酸を溶質とするエチレングリコールベースの電解質である。高電圧コンデンサへの使用に適した他の電解質を使用することも可能であると考えられる。
【0138】
注入ポート107により、電解質の注入とヘリウム漏れ検証機能が実現され、これらの機能の実行が完了したときに容易に密閉することができる。コンデンサ265の密閉性は、ヘリウム漏れ試験を使用して計測するのが好ましい。ヘリウム漏れ試験の一種では、ヘリウム漏れ試験装置により、注入ポート107の周囲に密閉部が形成される。コンデンサ265の内部が注入ポートの内腔を通して約50トルまで真空引きされ、コンデンサ265の内部から吸引された気体が調整された質量分析計を通過するように設定されるため、Oリングが継ぎ手と注入ポート107との間に配置されるのが好ましい。それから、ヘリウムガスが、コンデンサ265、カバー110、ケース90、カバー110とケース90との接合部、コネクタブロック145、フェルール105、注入ポート107、フェルール105その他の構成部品の周囲に放出され、ヘリウムの耐漏洩性試験装置によりコンデンサ265の内部から排出される気体と分子にコンデンサ265の外部からその内部に漏れたヘリウムガスが存在するかどうかが試験される。コンデンサ265内部の材料や接合部を通して漏れるヘリウムの漏れ率は、質量分析計により決定される。この耐漏洩性つまり密閉性の計測値は、ケース開口に対するカバー、ケース側壁に対する貫通フェルール、ケース側壁に対する注入管の溶接された接合部の品質を保証する手段になる。
【0139】
別の種類のヘリウム漏れ試験では、「ボンビング」つまりコンデンサ265の内部室へのガスの注入が、注入ポート107の密閉の直前に実行される。それから、密閉されたコンデンサ265の外部は、調整された質量分析計を使用して真空状態で監視され、コンデンサ265の材料や接合部を通したヘリウムの漏れ率が決定される。
【0140】
調整された質量分析計は、ヘリウム耐漏洩試験装置に内蔵されているのがもっとも好ましい。分析計は、ヘリウム原子や分子の存在を感知する。そのような装置の例には、ニューヨーク州イーストシラキュースで製造されるLEYBOLD INFICONモデル番号UL−200ヘリウム漏れ試験器がある。注入管と耐漏洩性試験装置の継ぎ手と共に、耐漏洩性の定格が約1×10−9cm3/secのOリングを使用するのがもっとも好ましい。耐漏洩性試験装置をコンデンサ265と使用する場合、通常不合格とみなされる点は、約1×10−9cm3/secと規定される。
【0141】
密閉性試験が完了すると、注入管107を使用してコンデンサケースに電解液が注入される。それからコンデンサ265と電解質供給源は、電解質の供給源に取り付けられた一時注入管を任意に使用して注入ポート107の外部管端部106がその供給源に接続された状態で真空室に配置される。それから、以下でさらに説明する電解質の蒸気圧を超える圧力で、真空含浸サイクルを複数回実行するのが好ましい。好ましさのより低い方法では、コンデンサ265を電解質に浸漬するか、定量注入装置を使用してコンデンサ265に真空注入することで、コンデンサ265に電解質が注入される。
【0142】
コンデンサ265に電解質が注入されると、エージング処理を実施して絶縁性の酸化アルミニウム層を形成するのが好ましい。エージングは、電流をコンデンサの端子を通して流し、端子間の電圧をゼロからコンデンサの最大のエージング電圧(通常、360から390ボルトDCの間)まで徐々に上昇させることで一般的に達成される。エージング電圧が達成されると、コンデンサ265は、漏れ電流が許容可能な低い値で安定するまでその電圧に保持される。電流制限過程中に約370ボルトの電圧が達成されるまでコンデンサ265をエージングするのが好ましい。
【0143】
エージング処理は、漏れ電流を観察しながら、370ボルトに設定された電圧と(214マイクロファラッドの静電容量を持つコンデンサに対しては)約1.5mAに制限された電流で実行するのが好ましい。電圧が高いときにはエージングシステムの温度を上昇させるのが有益である。好ましい一方法では、電圧が230ボルトに達したときに、温度を約摂氏70°に上昇させる。370ボルトまで充電した後、漏れ電流が所定の値まで減少するか、370ボルトで所定の時間が経過するか、所定の漏れ電流の減少率が達成されるまで、370ボルトに保持された電圧でコンデンサのエージングを継続するのがもっとも好ましい。
【0144】
エージングに続いて、エージング後の真空処理、つまりコンデンサ265への注入処理により、以前に参照された原特許出願第09/103,876号に詳述されているように、静電容量と等価直列抵抗(ESR)が著しく改善される。
【0145】
エージングと真空再注入サイクルの後、注入ポート管107の遠端部が106密閉され、コンデンサ内で気圧が上昇したときでも電解質の喪失が防止される。最初に、注入ポートの内腔が注入管107の端で、ペンチまたは圧縮ローラーや溶接などの適切な手段で機械的にかしめられて閉鎖されるのが好ましい。次に、前述のように形成されてかしめられたり閉鎖された接合部をサイドカッターによる金属せん断や金型で調整し、密閉するのがもっとも好ましい。注入管197を密閉するための許容差が少なく高価な追加の単片部品や構成部品を必要とすることなく、コンデンサの注入ポートを最低限のコストで素早く閉鎖し密閉することができる。それから、注入ポート管107のかしめられた端部の隙間が密閉されるが、超音波溶接、冷間溶接、レーザー溶接などの接合技法を使用するのがもっとも好ましい。たとえば、表2と表3を参照されたい。
【0146】
しかし、接着剤塗布、エポキシ塗布、またはその他の任意の適切な手段など、その他の手順を実施して、注入ポート管107を密閉することもできる。たとえば、注入管107の内腔は、圧縮ばめ用の球形の玉を注入管107またはフェルール105の内腔内に設けられた対応する球形の凹部に挿入して密閉することもできる。玉は、コンデンサの電解質中で安定した金属、プラスチック、またはセラミックの材料から形成されるのがもっとも好ましい。玉の直径に対する注入ポート管やフェルールの内腔の内径の寸法管理は、実施される密閉の品質の管理に対して重要である。玉は、注入ポートのフェルールの溶接を損傷したり、ケース90を著しく変形させることなく、内径にできるだけ緊密にしまりばめされるのが理想的である。「玉」は球形である必要はなく、円筒、円錐、その他の形状の嵌め込み部品でもよい。
【0147】
注入ポートフェルール105を密閉するさらに別の方法では、電解質成分は注入ポート管107を通って漏出させないが、コンデンサ265の充電と放電により発生する水素ガスはコンデンサ265の内部から漏出させる水素透過性薄膜シールを注入ポートフェルール105の近傍または内部に組み込む。注入ポート管107を十分な化学的耐性を持つが水素ガスを選択的に透過させる障壁(ある種のシリコン、ポリフェニレンオキサイド、酢酸セルロース、トリアセテートおよびポリスルフォンなど)で密閉することで、電解質の喪失を防ぐこともできる。前述の化学的耐性と水素透過性を持ち、そのような使用方法に適した注封接着剤(エポキシやシリコン)もある。それらの接着剤で貫通部を密閉し、水素ガス以外に対して密閉されているコンデンサ265から水素ガスを漏出させるのがもっとも好ましい。代わりに、注入ポート管107の密閉は、市販のエチレングリコール冷却剤の缶に使用されるシールの種類と同等の、注入ポート管107の遠端部106上に配置された粘着性の帯により達成することもできる。
【0148】
注入ポート管の内腔が前述の手段や方法の1つで密閉されると、コンデンサ265、265’、265”が電気的に試験される。植え込み可能な緊急除細動器での適用には、2つのコンデンサ265、265’、265”が直列に接続されることが必要な場合もある。本実施形態では、絶縁部は、コンデンサ265、265’、265”間に配置された両面粘着剤によって実現され、コンデンサ265、265’、265”は、それらの間に配置された絶縁部/粘着帯部により対向する面に沿って接合される。それから一対のコンデンサ265、265’、265”は、図3Aから図3Gを参照して前述したように、ICDのIPG10内への組み付けのために供給される。
【0149】
本明細書で説明した本発明のケースが負の電解コンデンサの実施形態では、陰極層は陰極層端を有し、その端は内部ケース側壁に電気的に接触する場合もある。
【0150】
本発明が有利に実装されたコンデンサ265、265’、265’’を示した実施形態の2、3の例のみについて上記で詳述したが、当業者は、例示的な実施形態において、本発明の新規な教示と利点から材料的に逸脱することなく多くの変形が可能であることを容易に認めるであろう。したがって、そのようなすべての変形例は、特許請求の範囲で定義される本発明の範疇に含まれることが意図されている。
【0151】
前述の特定の実施形態は、本発明の好ましい実施形態によるコンデンサの構造とその組み立て方法、IMDへの組み込みを説明するものである。そのため、本発明や併記された特許請求の範囲から逸脱することなく、当業者に既知あるいはここで開示されたその他の手段、本願の出願日以前に存在した、または今後発生するその他の手段を使用することが当然可能である。特許請求の範囲において、手段プラス機能形式の特許請求の範囲は、説明した機能を実施するときにここで説明した構造を網羅することを意図し、構造的な同一物だけでなく同一の構造を網羅することを意図している。
【0152】
ここで開示されたすべての特許と公開物は、本明細書に参照内容としてその全体を援用するものとする。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明を有利に組み込み可能なICDのIPGとリード線システムの例示的な一実施形態の物理構成部品を示す。
【図2】図2は、本発明の高電圧コンデンサを備えた電圧変換回路と1種類のICDのIPGの主要機能構成部品との相互接続を示す簡略化された機能ブロック図である。
【図3】図3Aないし図3Gは、本発明の電解コンデンサを含む図1と図2の典型的なICDのIPGの様々な構成部品をICDのIPGのハウジング内に配置する態様を示す分解斜視図である。
【図4】図4は、本発明を組み込む電解コンデンサの単一の陽極/陰極層すなわち電極スタックサブアセンブリの一実施形態の分解図である。
【図5】図5Aは、図4の電極スタックサブアセンブリの陽極層が冷間溶接されている冷間溶接装置の一実施形態の分解斜視図であり、図5Bは、図5Aの冷間溶接装置の非分解図であり、図5Cは、図4の電極サブアセンブリの陽極層が冷間溶接されている図5Aと図5Bの冷間溶接装置の断面図である。
【図6】図6Aは、本発明を組み込む電解コンデンサの積層された電極スタックアセンブリへの陽極/陰極層サブアセンブリの積層の一実施形態の分解上部斜視図であり、図6Bは、電解コンデンサに使用される冷間溶接された陽極アセンブリの一実施形態の一部の断面図であり、図6Cは、電解コンデンサに使用される冷間溶接された陽極アセンブリの一実施形態の別の部分の断面図である。
【図7】図7は、本発明を組み込む電解コンデンサの電極スタックアセンブリの一実施形態の上部斜視図である。
【図8】図8は、図7に示した電極スタックアセンブリの一部拡大図である。
【図9】図9は、図6、図7、図8に示した電極スタックアセンブリを使用した本発明のケースが負のコンデンサの一実施形態の分解上部斜視図である。
【図10】図10は、部分的に組み立てられた図9のコンデンサの分解上部斜視図である。
【図11】図11Aは、カバーが上部に配置されていない、本発明の部分的に組み立てられたコンデンサの一実施形態の平面図であり、図11Bは、カバーが上部に配置されていない、本発明の部分的に組み立てられたコンデンサの一実施形態の平面図である。
【図12】図12は、カバーが上部に配置された図11のコンデンサの上部斜視図である。
【図13】図13は、本発明を組み込んだケースが中性またはケースが負のコンデンサを作成するための本発明の一方法の流れ図である。
【図14】図14は、本発明を組み込んだコンデンサの陽極層を作成するための一方法の流れ図である。
【図15】図15は、本発明を組み込んだコンデンサの電極スタックアセンブリを作成するための一方法の流れ図である。
【図16】図16は、本発明を組み込んだコンデンサのタブの相互接続と貫通端子接続を行うための一方法の流れ図である。
【図17】図17は、本発明を組み込んだコンデンサのタブの相互接続と貫通端子接続を行うための一方法の流れ図である。
【図18】図18は、本発明を組み込んだコンデンサのケースアセンブリを作成するための一方法の流れ図である。
【図19】図19は、本発明を組み込んだコンデンサのケースとカバーを密閉するための一方法の流れ図である。
【図20】図20は、本発明を組み込んだコンデンサの貫通部を密閉するための一方法の流れ図である。
【図21】図21Aないし図21Cは、ワイヤハーネスと陽極と陰極の貫通ピンとの接続箇所の周囲のエポキシ液滴コネクタブロックが組み立て中の状態にある、ケースが中性のコンデンサアセンブリの平面図である。
【図22】図22Aおよび図22Bは、エポキシ液滴コネクタブロックで形成された、小型化され、ケースが負または非接続のコンデンサの2つの実施形態の側部立面図である。
【図23】図23Aは、エポキシ液滴コネクタブロック内の集められた陽極タブおよび陰極タブとワイヤハーネスとの電気接続の一実施形態を示す部分的に露出した断面の側部立面図であり、図23Bは、エポキシ液滴コネクタブロック内の図23Aの貫通端子ピンとワイヤハーネスとの電気接続を示す端部斜視図である。
【図24】図24Aは、エポキシ液滴コネクタブロック内の集められた陽極および陰極タブとワイヤハーネスとの電気接続の他の実施形態を示す部分的に露出した断面の側部立面図であり、図24Bは、エポキシ液滴コネクタブロック内のワイヤハーネスと図24Aの貫通端子ピンおよびケースとの電気接続を示す端部斜視図である。
【図25】図25は、側壁上部開口端の一部とカバー端の逃げ部からなる陰極端子通路の詳細図である。
【図26】図26は、カバー端と側壁上部開口端との間に捕捉された陰極箔を使用する陽極端子と陰極端子のさらなる形状を示す側部立面・断面図である。
【図27】図27は、カバー端と側壁上部開口端との間に捕捉された陰極タブの積層部を示す陽極端子と陰極端子のさらなる形状を示す側部立面・断面図である。
【図28】図28は、図26と図27に示す陰極端子の組み立て状態を示す斜視分解図である。
【図29】図29は、図26に示した陰極端子の電気接続を形成する過程を示した流れ図である。
【図30】図30は、図26に示した陰極端子の電気接続を形成する過程を示した流れ図である。
Claims (31)
- 電解コンデンサであって、
ケース壁で境界付けされた内部ケース室を画定する密閉コンデンサケースであって、そこから側壁上部開口端まで延びるケース側壁を有するケース底部と、その端の位置で前記側壁上部開口端に当てて密閉され、前記内部ケース室を包むカバーとをさらに備える、密閉コンデンサケースと、
前記内部ケース室内に位置する電極スタックアセンブリと電解質であって、該電極スタックアセンブリは、互いに位置合わせされて積層される複数のコンデンサ層をさらに備え、各コンデンサ層は陰極タブを有する陰極層と、陽極タブを有する少なくとも1つの陽極層を備える陽極サブアセンブリと、隣接する陽極層と陰極層の間に位置するセパレータ層とを備え、それにより前記スタックのすべての隣接する陰極層と陽極層はセパレータ層によって互いに電気的に絶縁される、電極スタックアセンブリと電解質と、
前記ケース壁を貫通する陽極端子通路と、
電気的および機械的に複数の前記陽極タブに接続された第1の陽極端子端部と第2の陽極端子端部とを有する陽極端子と、該陽極端子を支持する手段であって、前記陽極端子を前記ケース壁から電気的に絶縁しながら前記陽極端子通路を貫通して延び、それによって、陽極接続端子を前記ケース壁の外部の前記第2の陽極端子端部の位置に配置させる、支持する手段とを備える陽極端子手段と、
前記ケース壁を貫通する陰極端子通路と、
電気的および機械的に複数の前記陰極タブに結合された第1の陰極端子端部と第2の陰極端子端部とを有する陰極端子と、
該陰極端子を前記陰極端子通路内に電気的および機械的に密閉して、該陰極端子通路を密閉し、それによって、前記陰極タブを前記ケース壁に電気的に接続し、陰極接続端子を前記ケース壁の外部表面に配置するかまたは結合する手段と、
前記陽極接続端子に電気的に取り付けられて、前記陽極タブとの電気接続を行い、前記陰極接続端子に電気的に取り付けられて、前記陰極タブとの電気接続を行うコネクタアセンブリと、
を備える電解コンデンサ。 - 前記陽極端子通路は、前記ケース壁を貫通して延びる陽極開口を備え、
前記陽極端子手段は、前記陽極開口に嵌め込まれた貫通アセンブリを備え、内部ピン端部で前記複数の陽極タブに結合された貫通ピンと、該貫通ピンを支持し、かつ前記コンデンサケースから電気的に絶縁し、外部ピン端部を前記ケースから離れるように配置して前記陽極接続端子を設ける、電気的に絶縁するガイドとをさらに備える請求項1に記載のコンデンサ。 - 前記陰極端子通路は、前記ケース壁を貫通して延びる陰極開口を備え、
前記陰極端子は、前記陰極開口を貫通して延び、前記複数の陰極タブに接続された内部ピン端部と、前記ケースから離れるように延びて前記陰極接続端子を設ける外部ピン端部とを有する陰極貫通ピンであって、前記ケースに電気的に接続されている、陰極貫通ピンを備える請求項2に記載のコンデンサ。 - 前記コネクタアセンブリは、
1つの陽極ワイヤ端部がコネクタに結合され、露出した陽極ワイヤ端部が前記陽極接続端子に結合された陽極リード線と、1つの陰極ワイヤ端部が前記コネクタに結合され、露出した陰極ワイヤ端部が前記陰極接続端子に結合された陰極リード線とを有するワイヤハーネスと、
前記陽極接続端子と陰極接続端子に結合された前記露出した陽極ワイヤ端部と陰極ワイヤ端部を覆い電気的に絶縁するコネクタブロックと、
を備える請求項3に記載のコンデンサ。 - 前記コネクタアセンブリは、
1つの陽極ワイヤ端部がコネクタに結合され、露出した陽極ワイヤ端部が前記陽極接続端子にクロスワイヤ溶接により結合された陽極リード線と、1つの陰極ワイヤ端部が前記コネクタに結合され、露出した陰極ワイヤ端部が前記陰極接続端子にクロスワイヤ溶接により結合された陰極リード線とを有するワイヤハーネスと、
前記陽極接続端子と陰極接続端子に結合された前記露出した陽極ワイヤ端部と陰極ワイヤ端部を覆い電気的に絶縁するコネクタブロックと、
を備える請求項3に記載のコンデンサ。 - 前記陰極端子通路は、前記ケース壁を貫通して延びる陰極開口を備え、
前記陰極端子は、前記陰極開口を貫通して延び、前記複数の陰極タブに接続された内部ピン端部と、前記ケースに面一に延びて該ケースに溶接され、前記陰極接続端子を前記ケース壁の外部表面上に設ける外部ピン端部とを有する陰極貫通ピンであって、前記ケースに電気的に接続されている陰極貫通ピンを備える請求項2に記載のコンデンサ。 - 前記コネクタアセンブリは、
1つの陽極ワイヤ端部がコネクタに結合され、露出した陽極ワイヤ端部が前記陽極接続端子に結合された陽極リード線と、1つの陰極ワイヤ端部が前記コネクタに結合され、露出した陰極ワイヤ端部が前記陰極接続端子に結合された陰極リード線とを有するワイヤハーネスと、
前記陽極接続端子と陰極接続端子に結合された前記露出した陽極ワイヤ端部と陰極ワイヤ端部を覆い電気的に絶縁するコネクタブロックとを備える請求項6に記載のコンデンサ。 - 前記コネクタアセンブリは、
1つの陽極ワイヤ端部がコネクタに結合され、露出した陽極ワイヤ端部が前記陽極接続端子にクロスワイヤ溶接により結合された陽極リード線と、1つの陰極ワイヤ端部が前記コネクタに結合され、露出した陰極ワイヤ端部が前記陰極接続端子の位置で前記ケース壁に表面溶接により結合された陰極リード線とを有するワイヤハーネスと、
前記陽極接続端子と陰極接続端子に結合された前記露出した陽極ワイヤ端部と陰極ワイヤ端部を覆い電気的に絶縁するコネクタブロックとを備える請求項6に記載のコンデンサ。 - 前記ケース壁を貫通する前記陰極端子通路は、前記側壁上部開口端と該上部開口端上に重なる前記カバーのカバー端部との間の接合部を越えて延長され、
前記陰極端子は、前記複数の陰極タブに結合された前記第1の陰極端子端部と前記第2の陰極端子端部との間に延びる箔の長さを持ち、前記側壁上部開口端内部に延び、該壁上部開口端と前記カバー端との間に捕捉され、それらに当てて密閉される、導電性の材料で作成された陰極タブ延長箔を備え、該陰極タブ延長箔の前記第2の陰極端子端部は通路の幅を画定する箔端部の幅を持つ請求項2に記載のコンデンサ。 - 前記通路幅に対応する前記カバー端の一部には逃げが形成され、前記側壁上部開口端を越えて延びて、前記カバー端の前記逃げの部分によりそこに捕捉される前記第2の陰極端子端部を受け入れる請求項9に記載のコンデンサ。
- 前記コネクタアセンブリは、
1つの陽極ワイヤ端部がコネクタに結合され、露出した陽極ワイヤ端部が前記陽極接続端子に結合された陽極リード線と、1つの陰極ワイヤ端部がそのコネクタに結合され、露出した陰極ワイヤ端部が前記陰極接続端子に結合された陰極リード線とを有するワイヤハーネスと、
前記陽極接続端子と陰極接続端子に結合された前記露出した陽極ワイヤ端部と陰極ワイヤ端部を覆い電気的に絶縁するコネクタブロックと、
を備える請求項9に記載のコンデンサ。 - 前記コネクタアセンブリは、
1つの陽極ワイヤ端部がコネクタに結合され、露出した陽極ワイヤ端部が前記陽極接続端子にクロスワイヤ溶接により結合された陽極リード線と、1つの陰極ワイヤ端部が前記コネクタに結合され、露出した陰極ワイヤ端部が前記陰極接続端子の位置で前記ケース壁に表面溶接により結合された陰極リード線とを有するワイヤハーネスと、
前記陽極接続端子と陰極接続端子に結合された前記露出した陽極ワイヤ端部と陰極ワイヤ端部を覆い電気的に絶縁するコネクタブロックと、
を備える請求項11に記載のコンデンサ。 - 前記陰極タブ延長箔は、所定の長さ延びて、前記側壁上部端と前記カバー端を越えて延びる少なくとも1つの前記陰極タブを備える請求項9に記載のコンデンサ。
- 前記ケース壁を貫通する前記陰極端子通路は、前記側壁上部開口端と該上部開口端上に重なる前記カバーのカバー端部との間の接合部を越えて延び、
陰極端子は、前記複数の陰極タブに結合された前記第1の陰極端子端部と前記第2の陰極端子端部との間の箔の長さを持つ導電性材料で形成された陰極タブ延長箔を備え、
前記陰極端子は、互いに積層され、前記陰極層から前記側壁上部開口端内に延びる前記複数の陰極タブを備え、該積層された陰極タブは、前記壁上部開口端と前記カバー端との間に捕捉され、それらに当てて密閉され、前記陰極タブ延長箔の前記第2の陰極端子端部は通路の幅を画定する箔端部の幅を持つ請求項2に記載のコンデンサ。 - 前記通路幅に対応する前記カバー端の一部には逃げが形成され、前記側壁上部開口端を越えて延びて、前記カバー端の前記逃げの部分によりそこに捕捉される前記第2の陰極端子端部を受け入れる請求項14に記載のコンデンサ。
- 前記コネクタアセンブリは、
1つの陽極ワイヤ端部がコネクタに結合され、露出した陽極ワイヤ端部が前記陽極接続端子に結合された陽極リード線と、1つの陰極ワイヤ端部が前記コネクタに結合され、露出した陰極ワイヤ端部が前記陰極接続端子に結合された陰極リード線とを有するワイヤハーネスと、
前記陽極接続端子と陰極接続端子に結合された前記露出した陽極ワイヤ端部と陰極ワイヤ端部を覆い電気的に絶縁するコネクタブロックと、
を備える請求項14に記載のコンデンサ。 - 前記コネクタアセンブリは、
1つの陽極ワイヤ端部がコネクタに結合され、露出した陽極ワイヤ端部が前記陽極接続端子にクロスワイヤ溶接により結合された陽極リード線と、1つの陰極ワイヤ端部が前記コネクタに結合され、露出した陰極ワイヤ端部が前記陰極接続端子の位置で前記ケース壁に表面溶接により結合された陰極リード線とを有するワイヤハーネスと、
前記陽極接続端子と陰極接続端子に結合された前記露出した陽極ワイヤ端部と陰極ワイヤ端部を覆い電気的に絶縁するコネクタブロックと、
を備える請求項16に記載のコンデンサ。 - 電解コンデンサの製造方法であって、
ケース壁で境界付けされた内部ケース室を画定するコンデンサケースであって、そこから側壁上部開口端まで延びるケース側壁を有するケース底部と、その端で前記側壁上部開口端に当てて密閉され、前記内部ケース室を包むようになっているカバーとをさらに備えたケースを設けること、
前記ケース壁を貫通する陽極端子通路を形成すること、
前記ケース壁を貫通する陰極端子通路を形成すること、
前記内部ケース室内に位置するようになっている電極スタックアセンブリを形成することであって、該電極スタックアセンブリは互いに位置合わせされて積層される複数のコンデンサ層をさらに備え、各コンデンサ層は陰極タブを有する陰極層と、陽極タブを有する少なくとも1つの陽極層を備える陽極サブアセンブリと、隣接する陽極層と陰極層の間に位置するセパレータ層とを備え、それにより前記スタックのすべての隣接する陰極層と陽極層はセパレータ層によって互いに電気的に絶縁される、電極スタックアセンブリを形成すること、
陽極端子を設けること、
陽極端子の第1の陽極端子端部を複数の前記陽極タブに電気的および機械的に結合すること、
前記陽極端子の第2の陽極端子端部を前記陽極端子通路を貫通して延ばすこと、
前記陽極端子を前記ケース壁から電気的に絶縁しながら、前記陽極端子通路を貫通して延びる前記陽極端子を支持することであって、それによって、陽極接続端子を前記ケース壁の外部の前記第2の陽極端子端部の位置に設置する、支持すること、
陰極端子を設けること、
陰極端子の第1の陰極端子端部を複数の前記陰極タブに電気的および機械的に結合すること、
前記陰極端子の第2の陰極端子端部を前記陰極端子通路を貫通して延ばすこと、
前記陰極端子を前記陰極端子通路内に電気的および機械的に密閉し、それによって陰極端子通路を密閉することであって、それによって、前記陰極タブを前記ケース壁に電気的に接続し、陰極接続端子を前記ケース壁の外部表面に設けるかまたは結合する、陰極端子通路を密閉すること、および
コネクタアセンブリを、前記陽極接続端子に電気的に取り付けることであって、それによって、前記陽極タブとの電気接続を行い、前記陰極タブに電気的に取り付け、前記陰極タブとの電気接続を行う、取り付けること、
を含む電解コンデンサの製造方法。 - 前記コンデンサケースに当ててコネクタブロックを形成するステップであって、それによって、前記露出した陽極接続端子と陰極接続端子とそれらに結合された前記コネクタアセンブリとを覆い、電気的に絶縁する、形成するステップをさらに含む請求項18に記載の方法。
- コネクタアセンブリを前記陽極接続端子と陰極接続端子に電気的に結合する前記ステップは、
前記ワイヤハーネスの陽極リード線の露出した陽極ワイヤ端部を前記陽極接続端子に前記第2の陽極端子端部の位置でクロスワイヤ溶接すること、および
前記ワイヤハーネスの陰極リード線の露出した陰極ワイヤ端部を前記陰極接続端子に前記第2の陰極端子端部の位置でクロスワイヤ溶接すること、
をさらに含む請求項19に記載の方法。 - コネクタアセンブリを前記陽極接続端子と陰極接続端子に電気的に結合する前記ステップは、
前記ワイヤハーネスの陽極リード線の露出した陽極ワイヤ端部を前記陽極接続端子に前記第2の陽極端子端部の位置でクロスワイヤ溶接すること、
前記第2の陰極端子端部を研磨することであって、それによって、前記陰極接続端子の位置で前記ケース壁と面一にする、研磨すること、および
前記ワイヤハーネスの陰極リード線の露出した陰極ワイヤ端部を前記外部ケース壁上で前記陰極接続端子に表面溶接すること、
をさらに含む請求項19に記載の方法。 - コネクタアセンブリを前記陽極接続端子と陰極接続端子に電気的に結合する前記ステップは、
前記ワイヤハーネスの陽極リード線の露出した陽極ワイヤの端部を前記陽極接続端子に前記第2の陽極端子端部の位置でクロスワイヤ溶接すること、
前記第2の陰極端子端部を研磨することであって、それによって、前記陰極接続端子の位置で前記ケース壁と面一にする、研磨すること、および
前記ワイヤハーネスの陰極リード線の露出した陰極ワイヤ端部を前記外部ケース壁上で前記陰極接続端子に表面溶接すること、
をさらに含む請求項18に記載の方法。 - コネクタアセンブリを前記陽極接続端子と陰極接続端子に電気的に結合する前記ステップは、
前記ワイヤハーネスの陽極リード線の露出した陽極ワイヤ端部を前記陽極接続端子に前記第2の陽極端子端部の位置でクロスワイヤ溶接すること、および
前記ワイヤハーネスの陰極リード線の露出した陰極ワイヤ端部を前記陰極接続端子に前記第2の陰極端子端部でクロスワイヤ溶接すること、
をさらに含む請求項18に記載の方法。 - 前記ケース壁を貫通する陰極端子通路を形成する前記ステップは、前記カバー端の一部と前記側壁上部開口端との間で陰極端子通路を画定することを含み、
陰極端子を設ける前記ステップは、箔の長さと箔の幅、第1の陰極端子端部、第2の陰極端子端部を有する導電性材料で形成された陰極タブ延長箔を設けることを含み、
前記陰極端子を前記陰極端子通路内に電気的および機械的に密閉し、それによって陰極端子通路を密閉するステップであって、それによって、前記陰極タブを前記ケース壁に電気的に接続し、陰極接続端子を前記ケース壁の外部表面に設けるかまたは結合する、陽極端子通路を密閉するステップは、前記カバー端の一部と前記側壁上部開口端との間で前記陰極タブ延長箔の前記第2の陰極端子端部を密閉することを含む請求項18に記載の方法。 - コンデンサケースを設ける前記ステップは、前記ケースカバー端に逃げを形成することであって、それによって、前記側壁上部開口端を越えて延び、前記カバー端の逃げの部分により捕捉される前記第2の陰極端子端部を受け入れる、逃げを形成することをさらに含む請求項24に記載の方法。
- コネクタアセンブリを前記陽極接続端子と陰極接続端子に電気的に結合する前記ステップは、
前記ワイヤハーネスの陽極リード線の露出した陽極ワイヤ端部を前記陽極接続端子に前記第2の陽極端子端部の位置でクロスワイヤ溶接すること、および
前記ワイヤハーネスの陰極リード線の露出した陰極ワイヤ端部を前記外部ケース壁上で前記陰極接続端子に表面溶接すること、
をさらに含む請求項24に記載の方法。 - 前記コンデンサケースに当ててコネクタブロックを形成するステップであって、それによって、前記露出した陽極接続端子と陰極接続端子とそれらに結合された前記コネクタアセンブリとを覆い、電気的に絶縁する、形成するステップをさらに含む請求項24に記載の方法。
- 前記ケース壁を貫通する陰極端子通路を形成する前記ステップは、前記カバー端の一部と前記側壁上部開口端との間で陰極端子通路を画定することを含み、
陰極端子を設ける前記ステップは、タブの長さとタブの幅、第1の陰極端子端部、第2の陰極端子端部を有する前記陰極タブの陰極タブ延長部を設けることを含み、
前記陰極端子を前記陰極端子通路内に電気的および機械的に密閉し、それによって陰極端子通路を密閉するステップであって、それにより、前記陰極タブを前記ケース壁に電気的に接続し、陰極接続端子を前記ケース壁の外部表面に設けるかまたは結合する、陰極端子通路を密閉するステップは、前記カバー端の一部と前記側壁贈部開口端との間の前記陰極タブの少なくとも1つの前記第2の陰極端子端部を密閉することを含む請求項18に記載の方法。 - コンデンサケースを設ける前記ステップは、前記ケースカバー端に逃げを形成することであって、それによって前記側壁上部開口端を越えて延び、そのカバー端の逃げの部分により捕捉される前記第2の陰極端子端部を受け入れる、逃げを形成することをさらに含む請求項28に記載の方法。
- コネクタアセンブリを前記陽極接続端子と陰極接続端子に電気的に結合する前記ステップは、
前記ワイヤハーネスの陽極リード線の露出した陽極ワイヤの端部を前記陽極接続端子に前記第2の陽極端子端部の位置でクロスワイヤ溶接すること、および
前記ワイヤハーネスの陰極リード線の露出した陰極ワイヤ端部を前記外部ケース壁上で前記陰極接続端子に表面溶接すること、
をさらに含む請求項28に記載の方法。 - 前記コンデンサケースに当ててコネクタブロックを形成するステップであって、それによって、前記露出した陽極接続端子と陰極接続端子とそれらに結合された前記コネクタアセンブリとを覆い、電気的に絶縁する、形成するステップをさらに含む請求項28に記載の方法。
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