JP2004501579A - 安全なマルチメディア通信システム - Google Patents
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Abstract
安全に通信するマルチメディア情報のシステムと方法。システムは、ヘッドエンドシステム(11)、1つ以上の分配システム(12)、および複数の顧客インタフェース装置(14)を含む。ヘッドエンド(11)は、複数のエンドユーザに対応する1つ以上のコンテンツソースおよびユーザ許可情報からマルチメディア情報信号を受信して、そのマルチメディア情報信号を複合信号へ合成し、安全なヘッドエンド出力信号を生成する。信号分配システム(12)は、ヘッドエンド出力信号を複数のサービス信号に分割する信号分波器と、ユーザ許可情報により許可された場合、そのサービス信号を変調されたチャンネル信号に変換するいくつかの信号デコーダと、その変調されたチャンネル信号を複合ユーザ信号に合成するいくつかの出力インタフェースとを含む。各顧客インタフェース装置(14)は、対応する複合ユーザ信号を受信し、エンドユーザ用にその信号をエンドユーザ信号に分割、復調する。
Description
【0001】
(発明の背景)
本発明は、概して、通信信号の選択された形式を収集および分配するマルチメディア通信システムに関し、特に、エンドユーザサイトに対して、テレビ、電話、およびデータ信号の収集および分配を行なう新規なマルチメディア通信システムに関する。
【0002】
マルチメディア通信信号を光ファイバや同軸ケーブルを使用して直接テレビジョン受信機へ結合するか、またはテレビジョン受信機のインタフェースボックスを介して結合するといった機構は公知である。しかし、こうした信号は、非常に盗用されやすく、また契約ユーザ以外へ流出しやすい。信号を盗用したい者は、目当てのユーザのケーブル回線から盗聴したり、または許可されていない信号やチャンネルを受信し、解釈できるハードウェアおよび/またはソフトウェアを使用することもできる。
【0003】
公知のほぼ安全な通信(semi secure)システムでは、複合セットトップボックスと受信機インタフェースを使用している。このようなシステムは高価で、しばしばユーザが要求または必要としている以上の多くの機能を備えているので、その結果インタフェースのコストが高価になる。さらに、大部分のテレビジョン受信機でチャンネル数が制限されているように、多くの古い建造物やシステムでは、このような通信システムの帯域幅は、通常300MHzまでに制限されている。
【0004】
マルチメディア通信分配システムの代表的なヘッドエンド(Head End、電波中継局)は、アナログおよび/またはデジタル的に圧縮された信号を受信し、異なるキャリア周波数へその信号を変調し、その信号を合成し、光ファイバや同軸ケーブルでさまざまな電子的ノードに信号を送信する。各ノードは、通常約300以上程度の多数のユーザ数に対してサービスを提供するのが一般的である。そのノードで、信号は直接分配されてもよく、またはユーザサイトの機器と互換性を有する周波数に変換されてもよい。ヘッドエンドと分配ノード間では、パスは管理され、安全性が確保されているので、信号の不正変更は困難である。
【0005】
しかし、ノードと契約ユーザ間では、多くの重要な問題が発生する可能性がある。信号がケーブルへの許可されていない盗聴で盗用されたり、チャンネルが許可されていない暗号解読機器を使用して暗号解読されたり、ユーザサイトで予期しない外来信号の受信によって信号の受信品質が低下することもあり得る。最終的に、従来の大半の技術機器では、契約ユーザが従来の電話機器や手続きを使用する方法以外には信号プロバイダと通信できる逆方向のパスがない。このことは、リターンパス通信に対して電話会社に応じた電話サービスやコンピュータサービスのような付加価値サービスの提供を可能にする。
【0006】
したがって、マルチメディア通信の分野において、ハードウェアの追加や高価な第3者サービスに全く頼らないで、マルチメディアコンテンツプロバイダへユーザ発信信号を分配できると共に複数のエンドユーザにマルチメディア情報を安全に送信できる技術への要求が存在する。
【0007】
(発明の要約)
本発明の目的は、多数のエンドユーザにマルチメディアコンテンツを安全に送信するのに適合されたマルチメディア通信システムを提供することにある。
本発明のもう1つの目的は、多数のエンドユーザがマルチメディアコンテンツプロバイダと通信するのに適合されたマルチメディア通信システムを提供することにある。
【0008】
本発明のさらなる目的は、付加的なハードウェア費用やサービス費用を必要とすることなく、付加価値サービスを包含するのに適合されたマルチメディア通信システムを提供することにある。
【0009】
本発明のさらなる目的は、マルチメディアコンテンツを分配する既存のハードウェアおよび配線を利用するのに適合されたマルチメディア通信システムを提供することにある。
【0010】
さらに、本発明の別の目的は、解読のためにユーザ専用アドレスを必要とするマルチメディアコンテンツを安全に送信する技術を提供することにある。
なおさらに、本発明の目的は、規模に関係なく、複数の住居に安全なマルチメディアコンテンツを提供するのに使用可能なマルチメディア通信システムを提供することにある。
【0011】
さらに後述の開示を参照することにより明らかになるこれらおよび他の目的を満たすために、本発明は、1つ以上のマルチメディアコンテンツソースから複数のエンドユーザにマルチメディア情報を安全に通信するシステムと方法を提供する。1つの好ましい実施態様において、このシステムは、ヘッドエンドシステム、1つ以上の信号分配システム、および複数の顧客インタフェース装置を含む。
【0012】
本発明によれば、ヘッドエンドシステムは、1つ以上のコンテンツソースからのマルチメディア情報信号と複数のエンドユーザに対応するユーザ許可情報とを受信し、そのマルチメディア情報信号を複合信号に合成し、安全なヘッドエンド出力信号を生成する。特に好ましい構成において、ヘッドエンドシステムは、エンドユーザからのリターンパス信号だけでなく、また電話信号やコンピュータ信号をも受信する。
【0013】
各信号分配システムは、ヘッドエンドシステムに通信可能に結合されており、ヘッドエンドシステムから安全なヘッドエンド出力信号を受信する。1つの構成において、信号分配システムは、安全なヘッドエンド出力信号を複数のサービス信号に分割する信号分割器、ユーザ許可情報により許可された場合に、サービス信号を変調されたチャンネル信号に変換するための複数の信号デコーダ、および変調されたチャンネル信号を複合ユーザ信号に合成するいくつかの出力インタフェースを備える。
【0014】
各顧客インタフェース装置は、該当する複合ユーザ信号を受信し、エンドユーザ用にその信号をエンドユーザ信号に分割し、復調する。
ループスルー有線構造での別の有効な構成において、信号分配システムは、安全なヘッドエンド出力信号を複数のサービス信号に分割するための信号分割器、ユーザ許可情報により許可された場合、変調されたチャンネル信号にサービス信号を変換する複数の信号デコーダ、および変調されたチャンネル信号の全てを複数の複合ユーザ信号に合成する合成回路を含む。
【0015】
この構成において、ループスルー通信チャネルは、合成回路に結合されており、複数の複合ユーザ信号を受信する。ループスルー通信チャネルに結合する各顧客インタフェース装置iは、特定の顧客に対応するマルチメディア情報だけを送信可能にするフィルタを含むのが好都合である。
【0016】
システムアーキテクチャにおいて、柔軟性を向上させる必要がある場合に有効なさらに別の装置において、1つ以上のPOP(POP: point of presence、ポイント・オブ・プレゼンス、以下POPと呼ぶ)システムを含むマルチメディア通信システムについて説明する。POPシステムは、ヘッドエンドシステムと同様の方法で機能し、好ましくは無線通信リンクを通って、1つ以上の信号分配システムを介して1つ以上の顧客インタフェース装置へ安全にマルチメディア情報を分配するのに適合されている。
【0017】
信号分配システムは、1つ以上のノードを備え、おのおのがサービスモジュールに接続する1つ以上の通信回線を有していてもよい。サービスモジュールは、顧客通信装置からのサービス要求を制御し、許可するプロセッサを含むのが好ましい。
【0018】
本願明細書に組み込まれ、本発明の好適な実施形態を例示して本発明の原理を説明するのに役立ち、そして本開示の一部を構成している図と共に考慮すると、本発明のより完全な理解が、好適な実施形態と請求項の詳細な説明を参照しながら導き出されるであろうし、また同類の参照番号は、図の全体にわたって類似した部材を引用している。
【0019】
(特定の実施形態の説明)
本発明の典型的な実施形態を開示する図1について説明する。マルチメディア通信システム10は、信号収集および送信システム、すなわち回路11(または、「ヘッドエンドシステム」とも称する)と、信号分配システム、すなわち回路12により形成され、その両者は、好ましくは機密上安全な少なくとも1つのサイトに位置する。顧客インタフェースボックス14(ユーザ、または加入者サイト15に配置された)は、例えば、同軸ケーブル、光ファイバーケーブル、ツイストペアケーブル、または他の適切な広帯域伝送接続手段のような適切な接続ケーブル16で動作可能に信号分配システム12に接続されている。
【0020】
本発明の一実施形態によれば、ユーザサイトは、家庭、事務所、会社等であってもよい。このようなサイトは、一般的に安全が確保されたサイトではないので、マルチメディア通信システムヘッドエンドから受信する信号は盗用、または不正使用されやすい。機密上安全なサイトに位置する、本発明を具体化した固有の信号分配システムを利用することによって、ユーザサイトへの/からの信号は、ユーザが特に要求する信号に限定されるので、システムのセキュリティの本質的な改善が達成できる。さらにまた、以下に、より詳細に説明するように、付加的なセキュリティのために機密上安全なサイトからエンドユーザサイトへの信号チャネルをスクランブルしてもよい。
【0021】
信号収集またはヘッドエンドシステム11で、例えば、ケーブル信号、ブロードキャスト信号、ペイ・パー・ビュー(pay−per−view)信号、ビデオ・オン・デマンド(video on demand)信号、およびインターネット信号のような信号は、例えば、1つ以上の衛星ディッシュアンテナ18、1つ以上のオフ・ザ・エア・アンテナ(off the air antenna)19、および/または、信号をマスタヘッドエンドシステムから搬送する広帯域ケーブルソース20(図示せず)のような、さまざまなソースから受信されてもよい。さらに、信号収集またはヘッドエンド回路11は、電話網への1つ以上の接続21、およびインターネット接続等のようなコンピュータシステムサーバへの1つ以上の接続22を含むのが望ましい。
【0022】
当業者にとっては当然のことではあるが、ヘッドエンドシステム11を介したインターネット接続は、さまざまな方法で構築できる。例えば、ヘッドエンドシステム11は、標準電話回線、高速DSL(デジタル加入者線システム)回線、同軸ケーブル、光ファイバ接続、または他の適切な通信手段を介してISP(Internet service provider、インターネットサービスプロバイダ)に接続できる。しかし、ヘッドエンドシステム11とISP間で搬送されるデータ量によっては、ヘッドエンドシステム11とISP間の接続22は、例えば、同軸または光ファイバ接続のような広帯域接続となる。別の実施形態によれば、ヘッドエンドシステム11は、例えば、広帯域ケーブルソース20を介してヘッドエンドシステム11に接続しているサービスプロバイダのようなケーブル接続を介してISPに接続でき、または、ヘッドエンドシステム11いんたは、それ自身、ケーブル接続を介したインターネット接続サービスを提供するネットワークサーバ(図示せず)を含むことができる。
【0023】
本発明の実施形態によれば、信号収集またはヘッドエンドシステム11は、信号分配システムまたは回路12に通信接続24を介して出力信号を送信する。通信接続24は、いかなる適切な高速または広帯域接続であってもよいが、本発明の一実施形態によれば、通信接続24は、同軸ケーブル接続または光ファイバーケーブル接続からなる。信号分配システム12に接続24を介して送信される信号収集またはヘッドエンドシステム11からの出力信号は、信号収集またはヘッドエンドシステム11が生成するか、またそのさまざまなソースから受信する、電話、コンピュータデータ、およびシステム情報信号だけでなく、ビデオおよび/または複数のチャンネルのテレビジョン信号の組合せからなることが好ましい。信号収集またはヘッドエンドシステム11と信号分配システム12間で搬送される信号は、アナログ、デジタル、またはアナログとデジタルの組み合わせであってもよいが、好ましいのは、デジタル信号である。
【0024】
さらに、図1について説明すると、衛星ディッシュアンテナ18は、さまざまな衛星からのデジタル的に圧縮されたビデオ信号で変調されたアナログまたはキャリア信号を受信できる。本発明の一態様によれば、衛星アンテナ18が受信する信号は、アナログが好ましい。特に、アナログ信号は、約3.7〜約4.2GHz間の周波数範囲で衛星から受信される。アナログ信号は、それから、信号をLバンド周波数(約950〜約1450MHzまたはそれ以上)に変換する(図示せず)ローノイズ・ブロック・コンバータ(LNB: low noise block converter)に出力される。次に、信号は、Lバンド周波数に駐在している各チャンネルをベースバンド周波数に変換する1つ以上の統合受信機デコーダ(Integrated Receiver Decoder、IRD)25に出力される。このように、当業者にとっては当然であるが信号に駐在している各チャンネルあたり1個の統合受信機デコーダを有することが好ましい。変調器ビデオプロセッサ30は、統合受信機デコーダ25からの個々のベースバンドチャネルをケーブルシステムオペレータが選択するチャンネル(すなわちキャリア周波数)に変調する。さらに、料金を支払っている加入者だけが信号のスクランブルを解き、解読できるように信号を暗号化するか、さもなければ、信号をスクランブルするように変調器ビデオプロセッサを構成してもよい。
【0025】
衛星アンテナ18が受信する信号が、デジタル的に圧縮された信号で変調されたキャリア信号の場合には、信号は、2つの異なる方法で処理される、すなわち、1つの方法は、アナログ専用ケーブルシステムであり、他の方法は、デジタル、またはアナログ/デジタルケーブルシステムである。ケーブルシステムが純粋なアナログシステムの場合、またはケーブルオペレータがアナログチャネル配列上で特定のデジタルチャネルの分配を決定した場合、信号は、デジタル統合受信機デコーダ25をアナログ統合受信機デコーダの代わりに使用する場合は除いて、アナログ信号については上述の方法と同一に処理される。しかし、ケーブルシステムがデジタル機能を有し、ケーブルシステムオペレータがデジタル形式でデジタルチャネルを分配したい場合には、ケーブルトランスポートに適している統合受信機トランスコーダ(IRT: integrated receiver transcoder)を用いてデジタル変調およびQPSK変調からQAM変調へのエラー訂正プロトコルを変更してもよい。その後、変調器ビデオプロセッサ30は、所望のRFチャンネルポジションに、デジタル的に変調されたRF信号を変調する。
【0026】
一般的に、アンテナ19が受信するオフ・エア信号(off−air signal) 信号は、スクランブルされない。よって、本発明によれば、信号は、受信信号をベースバンドに復調し、その後ケーブルオペレータが選択したときに、適切な信号チャネルをケーブルシステムチャンネル周波数に再変調する復調器/変調器装置28に送信されるのが好ましい。さらに、当業者にとっては当然であるが、受信したオフ・エア信号チャネルがすでにユーザに送信する周波数である場合、復調器/変調器28は、復調も再変調もしないで単に信号を通過させるだけである。
【0027】
最終的に、広帯域接続20を介して受信した信号は、信号を衛星アンテナ18が受信したのと同一の方法で処理される。すなわち、信号は、復号されて、所望のチャンネル周波数に復調、再変調される。また広帯域接続20が広帯域インターネット接続性、例えば、DOCSIS(DOCSIS: Data−Over−Cable Service Interface Specification、ドクシス)や接続性に基づいた他の規格を使用したケーブルシステムインターネット接続性を提供している場合、ケーブルモデム伝送システムを変調器29とともに使用してもよい。すなわち、DOCSIS準拠システムのCMTS(CMTS: Cable Model Transmission System、ケーブルモデル伝送システム)またはケーブル接続性の他の適切なデータ伝送システムにならって変調器29を構成することもできる。
【0028】
変調器ビデオプロセッサ30と他のビデオ変調器/復調器28,29からの信号は、その後合成回路31で単一のビデオ信号に合成され、合計される。合成回路31は、アナログチャネルおよび/またはアナログチャネル上へ変調されデジタル的に圧縮したチャンネルを合成してもよい。単一のビデオ信号は、システムの顧客またはユーザが要求した、または受信可能なチャンネルの全てを備えるのが好ましい。例えば、合成回路31からの信号は、ローカル放送テレビチャンネル、ケーブルテレビチャンネル、ペイ・パー・ビュー方式チャンネル、およびビデオ・オン・デマンドチャンネルを備えてもよい。
【0029】
合成回路31からのビデオ出力信号は、その後アクセス制御システム32とデータパス変調器34に送信される。本発明の好適な実施形態によれば、アクセス制御システム32は、各チャンネルのユーザ許可を常時監視し続ける。例えば、ユーザがホームボックスオフィス(HBO: home box office)(登録商標)、ショータイム(Showtime)(登録商標)、ペイ・パー・ビュー方式チャンネル等のようなケーブルチャンネルを受信する権利を購入した場合、アクセス制御システム32は、これらのチャンネルを受信するユーザ許可を常時監視し続ける。各ユーザの許可情報は、アナログ信号として送信される場合、一般的に分離した周波数範囲の帯域外信号として、サービスモジュール40に送信される。各ユーザの許可情報が、デジタル信号として送信される場合、マルチメディアビットストリームに含まれる許可ビット形式で送信される。下記にさらに詳述のように、サービスモジュールは、その後許可情報を使用して、要求されたチャンネルを特定のユーザに送信するべきかどうか判定する。当業者にとっては当然であるが、アクセス制御システム32は、ユーザ許可情報を維持管理するための適切なコンピュータデータベースおよびシステムを備えてもよい。
【0030】
データパス変調器34は、システムメッセージ等のような他のデータと共に、ユーザ許可データを受信して特定のチャンネル周波数にそのデータを変調するように一般に構成されているハードウェアの市販品であるのが好ましい。当業者にとっては当然であるが、おそらく本発明の通信システムは、多数のユーザが利用するので、多量のユーザ許可データがサービスモジュール40に送信されることになる。したがって、実施形態において、個々のビデオ回線にチャンネル許可情報を追加するよりはむしろ、1つ以上の個々のチャネル搬送周波数上のシステムを介してその情報を送信する方が好ましい。
【0031】
データを適切な周波数に変調したあと、ビデオおよびデータ信号は、そうして信号セパレータ36に光ファイバまたは同軸ケーブル接続のような高速、広帯域接続35を介して送信される。電話接続21およびコンピュータ接続22を、同じように信号セパレータ36に供給してもよい。本発明の一実施形態によれば、信号セパレータ36は、ビデオ信号、システムデータ信号、電話信号、およびコンピュータ信号を含むフォワードパス信号を発生し、広帯域通信接続24を介してフォワードパス信号を分配システムまたは回路12に送信するのが好ましい。さらに、信号セパレータ36は、電話および/またはコンピュータ信号を通信接続24の逆方向またはリターンパス信号から抜き出し、電話接続21およびコンピュータ接続22上で電話音声信号および/またはコンピュータデータ信号を、それぞれ送信するのが好ましい。電話接続21は、適切であれば、地域加入者交換網のキャリア、または長距離交換網のキャリアに接続できる。また、コンピュータ接続22は、例えば、標準電話、高速電話(例えば、DSL、ISDN)、同軸ケーブル、光ファイバ等のような任意の適切な通信接続でもよい。
【0032】
図1に示すように、ヘッドエンドシステム11からの出力信号は、情報がアナログ形式、デジタル形式、または両者の組み合わせであれ、信号分配システム12に通信接続24を介して送信される。該信号分配システム12は、1つ以上のケーブルノード38および複数のサービスモジュール40を備えるのが好ましい。ノード38は、一般的に光ファイバ、同軸ケーブルシステム、またはそれらの組み合わせであって、システムの帯域要求条件を満たすように構成される。従来のケーブルシステムでは、このようなノードのそれぞれは、一般的に約50〜500人の顧客にサービスを提供するが、より好ましくは約100人の顧客にサービスを提供する。本発明によれば、各ノード38は、一般的に約10〜40個のサービスモジュールにサービスを提供し、各サービスモジュールは、約10〜40個のユーザサイトに順番にサービス提供する。
【0033】
ノード38で、光−電子(opto−electronic、O/E)変換器回路を使用して、信号を一般的に光ファイバから同軸形式(すなわち、光からRFに)に変換し、その後、サービスモジュール40に送信する。当業者にとっては当然であるが、信号をサービスモジュール40に出力できるように、その信号を、多くの信号分割器や結合器、および増幅器を介して送信してもよい。ノード38とサービスモジュール40間では、信号には、フォワードパスおよびリターンパスが含まれるので、分割器および増幅器は、デュアルパスを処理するように構成するのが好ましい。
【0034】
次の開示は、個々のノード38とサービスモジュール40を有する典型的な実施形態について言及しているが、当業者は、この特定のシステム構成を、ノード38とモジュール40の両方の機能性が組み合されたアーキテクチャを含む本発明の範囲内で変更できることを理解すべきである。実際は、ヘッドエンドとサービスモジュール間の物理的な距離が小さい場合には、システムにノードを含む必要はない。
【0035】
本発明の一実施形態によれば、サービスモジュール40とユーザサイト15の顧客インタフェースボックス14の間のフォワードパス通信(すなわちビデオ、およびフォワードパス電話とデータ)は、ベースバンド周波数、または接続16にわたるチャンネル2,3,4,5のような非常に低周波数のチャンネルのいずれかで発生するのが好ましい。
【0036】
また、当業者にとっては当然であるが、エンドユーザに送信されるデータは、個々のデータチャネル上で送信可能で、それは、ケーブルシステムやCMTSが判定するのが一般的である。接続16は、光ファイバ、同軸ケーブル、ツイストペア電話ケーブル、POTS(Plain Old Telephone Service、普通の電話サービス)電話ケーブル、または他の任意の適切な通信接続のような、任意の適当な接続で構成してもよい。さらに、複数の通信接続16は、サイト15とサービスモジュール40間にあってもよい。顧客インタフェースボックス14へのサービスモジュール40からの信号は、RFアナログ形式が好ましいが、しかし、その信号は、またデジタル形式ででも送信できる。例えば、デジタル信号は、顧客インタフェースボックス14に同軸接続を介して送信でき、またはデジタル情報を搬送するには、XDSL(XDSL: xDigital Subscriber Line)回線を使用できる。
【0037】
サービスモジュール40への顧客インタフェースボックス14からのリターンパスまたはリバースパス通信は、モデム66(図2参照)からの電話、コンピュータ、およびユーザ要求データから構成されるのが好ましく、また5〜50MHz間のキャリア周波数上へ変調するのが好ましい。代表的なDOCSIS準拠システムでは、CMTSは、戻り送信の周波数をコンピュータに接続しているケーブルモデムに通知する。以下により詳細に説明するように、顧客インタフェースボックス14は、内蔵型の知能をほとんど必要としないが、必要に応じてより高度なコンピュータ操作レベルにアップグレード可能である。
【0038】
顧客インタフェースボックス14の一実施形態のさらに詳細な図が示される図2について説明する。詳細には、顧客インタフェースボックス14は、インタフェースマルチプレクサ(MUX)58、モデム66、受信機68、プロセッサ70、およびディスプレイ装置71を備える。本発明の一実施形態によれば、サービスモジュール40からの信号は、接続16を介してインタフェース顧客インタフェースボックス14のマルチプレクサ58が受信する。顧客インタフェースボックス14、詳細にはインタフェースマルチプレクサ58は、次に接続59によって1つ以上のテレビジョン受信機60に順番に接続される。さらに、インタフェースマルチプレクサ58は、接続61,63によって、1つ以上の電話機62および1つ以上のコンピュータ64に、それぞれ、接続されている。
【0039】
インタフェースマルチプレクサ58は、フォワードパスからのビデオ信号(または複数の信号)にフィルタをかけ、接続59(複数の接続59)を介して1つ以上のテレビジョン受信機60に、それを送信するのが好ましい。同様に、インタフェースマルチプレクサ58は、フォワードパス電話、コンピュータデータ、およびシステムメッセージ信号にフィルタをかけて、それらをモデム66に送信する。最終的に、インタフェースマルチプレクサ58は、モデム66からのリターンパス情報を受信し、5〜50MHzのキャリアに変調して、キャリアをサービスモジュール40へリターンパスデータと共に返信する。また、信号を顧客インタフェースボックス14に送信する前に初めて暗号化、またはスクランブルした場合には、インタフェースマルチプレクサ58は、サービスモジュール40からの信号を解読し、スクランブルを解読する解読またはスクランブル解読回路を含むことができる。
【0040】
モデム66は、例えば、標準電話線モデム、XDSL互換モデム、DOCSIS準拠ケーブルモデム、または他のいかなる適切な通信モデムのような、任意の適当なモデムであってもよい。
【0041】
例示の実施形態によれば、電話機62、コンピュータ64、および受信機68からの情報は、モデム66を通過するのが好ましい。そのモデム66は、コンピュータデータ、電話音声情報、およびユーザ要求情報を適切な形式(すなわち、アナログまたはデジタル)に変換し、その情報をリターンパス周波数(例えば、5〜50MHZ)に変調する。例えば、サービスモジュール40と顧客インタフェースボックス14間で交信される信号がアナログ形式の場合、コンピュータ64からのデジタルコンピュータ信号は、好ましくは、通信接続16上でサービスモジュール40に送られる前に、モデム66によって、適切なリターンパス周波数に変調されるべきである。同様に、顧客インタフェースボックス14が受信するコンピュータ信号は、コンピュータ64またはプロセッサ70に送信される前に、デジタル形式に変換されるべきである。また、当業者にとっては当然であるが、サービスモジュール40と顧客インタフェースボックス14間の信号がたとえデジタル信号であっても、モデム66は、適切な周波数にリターンパス情報を変調するために依然として必要で、モデムは、例えば、XDSLまたは適切な他のデジタル通信手段が使用される場合に、リターンパス通信プロトコルを容易にするのにも必要である。
【0042】
図2に示すように、顧客インタフェースボックス14は、さらにユーザ要求信号を受信するための受信機68を備える。例えば、受信機68は、レーザダイオード、赤外線、またはRF遠隔制御装置のような遠隔制御装置からのユーザ要求およびメッセージ情報を受信するように構成されてもよいし、または受信機68は、信号源(図示せず)へのケーブル接続を有してもよい。このように、顧客インタフェースボックス14は、従来のハンドヘルド遠隔操作装置や他の類似の制御装置によって、アドレス指定が可能である。
【0043】
この特定の実施形態における顧客インタフェースボックス14の動作は、内部プロセッサ70が制御する。例えば、本発明の好適な実施形態によれば、プロセッサ70は、インタフェースマルチプレクサ58からテレビまたはディスプレイ60へのテレビまたはビデオ信号の転送を容易にする。さらに、プロセッサ70は、モデム66をインタフェースし、どのように音声およびコンピュータデータ情報を処理するかをモデムに指図することが好ましい。最終的に、プロセッサ70は、受信機68が受信したユーザ要求およびメッセージ情報をサービスモジュール40(モデム66を介した)に送信するのを調整して、ディスプレイ71上へのチャンネルおよびシステムメッセージ情報の表示を容易にするのが好ましい。この点に関しては、プロセッサ70は、LEDまたはLCDディスプレイドライバを組み込むのが好ましい。システムメッセージ情報は、サービスモジュール40を介したヘッドエンドまたはサービスプロバイダからの許可またはシステムメッセージだけでなく、課金情報を含むことができる。
【0044】
本発明の代わりの実施形態によれば、より低い知能を有するより安価な顧客インタフェースボックス14を使用できる。例えば、図3に図示したように、顧客インタフェースボックス14を遠隔制御装置からの信号を受信するインタフェースマルチプレクサ58および遠隔受信機68で構成できる。インタフェースマルチプレクサ58は、接続16を介したサービスモジュール40からの音声信号、データ信号、およびビデオ信号を受信して分割し、適切な位置にそれぞれの信号を転送するように構成できる。例えば、音声およびデータ信号は、通信モデム/マルチプレクサ66に送信し、ビデオ信号は、表示用にテレビジョン受信機に送信できる。図2に例示した顧客インタフェースボックス14について上記で説明したように、通信モデム66は、信号を適切なアナログまたはデジタル形式に変換後、音声信号を電話62に、データ信号をコンピュータ64に送信するのが好ましい。
【0045】
当業者にとっては当然であるが、図3は、テレビ60、電話62、およびコンピュータ64にそれぞれ送信される別々のビデオ、音声、およびデータ信号を示しているが、全ての信号をテレビ、コンピュータおよび/または電話として機能する単一のディスプレイ装置に送信することもできる。
【0046】
本発明の一実施形態によれば、ビデオ信号のビデオおよびオーディオ部分は、RFキャリア(例えば、チャンネル2、3、4、等)上に共に変調され、通信接続上でサービスモジュール40から顧客インタフェースボックス14に送信される。本発明の一態様において、信号のビデオ部分は、複合ビデオフォーマットで、信号の音声部分は、単一チャンネルの音声信号であって、それらを単一チャンネル上へ変調した2個のチャンネルのステレオ信号であってもよい。本発明のこの態様によれば、顧客インタフェースボックス14は、適切な通信接続(例えば、同軸ケーブルまたは他の適切な通信ケーブル)を介して、複合ビデオおよび音声信号をテレビ閲覧受信機、またはホームシアタやステレオシステムに送信できる。他の選択肢として、顧客インタフェースボックス14を、S−ビデオ(S−Video: Separated Video)(Y(輝度信号)/C(色差信号)ビデオとしても知られている)発生器および/またはステレオやサラウンドサウンド発生器で構成できる。本発明のこの態様によれば、適切なS−ビデオまたはY/Cビデオケーブル、および適切なステレオ接続ケーブル(図示せず)は、テレビまたはホームシアタシステム(図示せず)を顧客インタフェースボックス14に接続するために使用する。
【0047】
当業者にとっては当然であるが、S−ビデオまたはY/Cビデオジェネレータは、復号ビデオ信号からビデオ信号のY(輝度信号)およびC(色差信号)成分を切り離すのに適した適切な櫛形フィルタ機構を備えるのが好ましい。ステレオまたはサラウンドサウンド発生器は、単一の音声信号から2チャンネルまたは6チャンネルの信号を生成可能ないかなる適切なサウンドミキシングシステムをも備えることができる。サラウンドサウンド信号は、Dolby(商標) AC−3、ソニーダイナミックデジタルサウンド(Sony Dynamic Digital Sound)、デジタルシアタシステムズ(Digital Theater Systems)、または他のものでよい。
【0048】
本発明の別の実施形態によれば、S−ビデオおよび/またはステレオオーディオに信号を変換する顧客インタフェースボックス14の代わりに、サービスモジュール40が変換を実行できる。下記にこの特定の実施形態についてさらに詳細に説明する。
【0049】
分配システム12のさらに詳細な図、および特にサービスモジュール40を示す図4について説明する。上記のように、分配システム12は、複数のサービスモジュール40に接続する1つ以上のノード38を備えるのが好ましい。このようなノードは、フォワード信号およびリターン信号が、例えば、2個、4個または10個のサービスモジュールなどの複数のサービスモジュールに送信され得るように分割されるポイントである。
【0050】
本発明の好適な実施形態によれば、サービスモジュール40は、ヘッドエンドシステム11からの信号を受信し、それらの信号を顧客インタフェースボックス14を介して、ユーザサイト15にいる許可されたサービスを要求しているユーザに分配するように構成するのが好ましい。サービスモジュール40は、また、各ユーザの双方向電話およびコンピュータトラフィックを処理できる。各サービスモジュール40は、同時に、約5〜50のユーザ、好ましくは約20のユーザのような、多数のユーザにサービスを提供するように設計されている。
【0051】
本発明は、サービスモジュール40と顧客インタフェースボックス14との間のビデオ通信の全ては、テレビジョン帯域の1つ以上のチャンネル上で、一般には自身の顧客インタフェースボックス14を有する各テレビジョン受信機セットに対して1つのチャンネルで、起こるという前提に基づいている。チャンネルは、ベースバンドオーディオおよびビデオ信号、または低周波数チャンネル(例えば、2、3、4または5)のいずれかとして通信される。1つのみ、または2、3個のチャンネルが各ユーザサイト15に送信される結果、一度に盗用できるのは、ほんの2、3のチャンネルだけになり、盗用信号は減少し、信号盗用者は、正当なユーザが選択するチャンネルを見ている者に限定される。さらに、正当なユーザが自分のテレビジョン受信機をオフにすると、信号は顧客インタフェースボックスに送信されないので、信号の盗用は、ありえない。当然、この前提は、ヘッドエンドシステム11とサービスモジュール40間の全てのケーブル接続およびハードウェア装置が信頼できると仮定している。このようなセキュリティは、スクランブルと暗号化の高度な妨害アルゴリズムおよび他の形式を使用すると共に、全てのヘッドエンド、ノード、およびサービスモジュール機器に対して信頼できる建物および構成が提供されることで達成できる。サービスモジュール40で受信、処理されるビデオ信号は、アナログ信号、デジタル圧縮信号、またはその組み合わせでもよいことは、当業者にとって当然であろう。したがって、信号(すなわち、アナログまたはデジタル)の種類により、使用するスクランブル、妨害および/または暗号化技術の種類が指図される。さらに、付加的なセキュリティが必要な場合、サービスモジュール40とユーザサイト15との間の信号を、スクランブル、妨害および/または暗号化してもよい。
【0052】
サービスモジュール40は、アドレス指定可能なまたはプログラム可能なモジュールであるのが好ましく、ヘッドエンド11からノード38を介して、変調された複数のチャンネルを有する暗号化、スクランブル、妨害、および/または、周波数シフトした信号を受信する。サービスモジュール40は、その後、信号中のその被変調周波数から、ユーザ要求ビデオチャンネルをベースバンドに、次いで好ましくは低周波数チャンネルに変換し、それを要求ユーザに送信する。このように、本発明の好適な実施形態によれば、図4に模式的に示すようにかなり多くの知能およびシステムの意思決定状況がサービスモジュール40内で送信される。特に、サービスモジュール40は、同軸ケーブル、ファイバーケーブル等のような広帯域通信回線39を介して、信号をケーブルノード38に対して送受信する信号電力分割器41を含むのが好ましい。さらに、信号電力分割器41は、分割器接続44を介して、サービスモジュール40の個々のユーザ回路42に信号を増幅して、分配するのが好ましい。
【0053】
サービスモジュール40の個々のユーザセグメント(または回路)42は、各ユーザの個々の顧客インタフェースボックス14と通信するのが好ましい。このような各ユーザ回路42は、サービスインタフェースマルチプレクサ(MUX)45、出力インタフェースマルチプレクサ(MUX)46、通信サービスモジュール49、受信機デコーダ54、および変調器59を備えるのが好ましい。さらに、サービスモジュール40から顧客インタフェースボックス14への信号がスクランブル、または暗号化されている場合、各ユーザ回路42はスクランブルまたは暗号化回路も含む。スクランブルまたは暗号化回路は、ユーザ回路42内の独立した回路(または装置)でもよいし、または、スクランブルまたは暗号化回路は、他のコンポーネント(例えば、受信機デコーダ54、変調器59、出力インタフェースマルチプレクサ42、プロセッサ58等)のうちの1つの一部として構成してもよい。
【0054】
サービスモジュール40のサービスインタフェースマルチプレクサ45は、分割器41と分割器接続44を介して、ノード38からの通信信号を受信するように構成するのが好ましい。サービスインタフェースマルチプレクサ45は、ユーザの電話およびコンピュータトラフィックを処理する通信サービスモジュール49、またはビデオ信号を処理する受信機デコーダ54のいずれか一方を介して、順番に信号を出力インタフェースマルチプレクサ46に送信する。
【0055】
本発明のこの態様によれば、信号が電話またはコンピュータ信号を含む場合、サービスインタフェースマルチプレクサ45は、接続48を介して、信号の電話および/またはコンピュータコンポーネントを通信サービスモジュール49に送信するのが好ましい。ユーザが電話および/またはコンピュータ信号を受信することが許可されている場合には、通信サービスモジュール49は、その後、接続50を介して、信号を出力インタフェースマルチプレクサ46に送信する。このように、ユーザがこのようなサービスを認可されている場合には、通信サービスモジュール49は、実質的に電話および/またはコンピュータ信号の交信を許可する通信スイッチとして作用する。そうでなくて、ユーザが許可されていない場合には、通信サービスモジュール49は、通信を停止する。
【0056】
上記のように、ヘッドエンドシステム11からの信号は、アナログ信号、アナログチャネル上に変調されたデジタル信号、またはその両方の組み合わせでもよい。その形式に関係なく、ユーザがサービスを受信することが許可された場合には、電話および/またはコンピュータデータは、アナログチャネル上へ変調され、通信サービスモジュール49は、顧客インタフェースボックス14にデジタル信号および/またはアナログ信号を送信するのが好ましい。
【0057】
アナログであっても、スクランブルされたアナログであっても、またはデジタル圧縮およびコード化されていてもよい信号のビデオ部分は、接続52を介して、受信機デコーダ54に送信するのが好ましい。ビデオ信号を受信するとすぐに、受信機デコーダ54は、スクランブルを解き、または信号を解読して、ユーザが要求する特定のビデオチャンネルをその変調されたまたは圧縮波形からベースバンド周波数に変換する。一旦、信号がベースバンドに変換されると、受信機デコーダ54は、ベースバンドで接続55を介して、出力インタフェースマルチプレクサ46に信号を送信し得るか、または、受信機デコーダ54は、信号を所定の低周波数チャンネル(例えば、チャンネル2、3、4、または5)に再変調して、その周波数で信号を外部に送信し得る。
【0058】
下記にさらに詳細に説明するように、受信機デコーダ54は、変調器59を利用して選択されたチャンネルをその被変調周波数からベースバンド周波数に変換し、そして次に、適切な場合には、低周波数チャンネル出力に変換するのが好ましい。また、スクランブルまたは暗号化が要求される場合には、それらのスクランブルまたは暗号化はこの時点で実行され得る。スクランブルは、スペクトル反転(局部発振器および/または変調器によって実行される)、信号を未承認の受信機では看視できなくする同期抑制、またはその両方の技術の組み合わせでもよい。さらに、サービスモジュール40から顧客インタフェースボックス14への信号がデジタル信号の場合には、デジタル暗号化技術に基づいたソフトウェアおよび/またはハードウェアを使用してもよい。
【0059】
一旦、出力インタフェースマルチプレクサ46がアナログまたはデジタルビデオ、受信機デコーダ54および通信サービスモジュール49からの音声および/またはコンピュータ信号を受信すると、出力インタフェースマルチプレクサ46は、通信接続16を介して、信号を加入者またはユーザ顧客インタフェースボックス14に順番に送信する。さらに、加入者構内またはユーザサイトが、独立して同調される(すなわち、それ自身の顧客インタフェースボックスを有する)複数のテレビを有する場合、サービスモジュール40は、テレビジョン受信機あたり1台の受信機デコーダ54を有するのが好ましい。各受信機デコーダ54は、要求された各番組を各テレビから異なるチャンネル、例えば、チャンネル2、チャンネル3、チャンネル4またはチャンネル5に変調する。それらのチャンネルは、その後、同一出力インタフェースマルチプレクサ46によって、共に合成される。
【0060】
共通プロセッサ58が各ユーザ回路42のサービスインタフェースマルチプレクサ45、出力インタフェースマルチプレクサ46、受信機デコーダ54、通信サービスモジュール49、および変調器59を制御するのが好ましい。当業者にとっては当然であるが、プロセッサ58は、任意の適当なコンピュータプロセッサからなっていてもよく、さらに必要に応じて、メモリバス、ストレージバスおよび通信バス、およびインタフェースと共に構成され得る。本発明の一実施形態によれば、プロセッサ58は、特定のサービスモジュール40の各ユーザのすべての機能を制御するのが好ましい。例えば、プロセッサ58を、全ての課金情報を維持管理し、信号が盗用されていないことを確認するために日常点検を実行し、ユーザ要求を処理し、システム管理データおよび加入者メッセージの割り当てを制御し、デジタル暗号化処理を実行し、テレビおよび有料チャンネル番組情報を顧客インタフェースボックス14にダウンロードするようにプログラムまたは構成できる。さらに、プロセッサ58は、各家庭に関するセキュリティ情報を受信し、顧客インタフェースボックス14のデータポートに接続しているか、または、顧客インタフェースボックスデータポートに接続されているコンピュータに接続しているメータ読み取り回路と通信して、メータ読み取りのような機能を実行するように構成され得る。
【0061】
プロセッサ58は、制御信号をサービスモジュール40のさまざまなコンポーネントに送信して、サービスモジュールおよびシステムの動作を制御するのが好ましい。例えば、ユーザが特定のビデオチャンネル要求を送信する場合、この要求は、このサービス要求を認識してモジュール制御プロセッサ58に送信する出力インタフェースマルチプレクサ46に着信するのが好ましい。要求メッセージまたはコードは、顧客ID番号、および秘密コードまたはパスワードのようなさまざまな顧客情報だけでなく、チャンネル要求を含むのが好ましい。さらに、必要ならプロセッサ58をユーザからの付加的な識別情報を請求するようにプログラムされ得る。
【0062】
プロセッサ58は、チャンネル要求および顧客情報を受信すると、次に、プロセッサ58は顧客またはユーザが正当な顧客であることを確認すると共に、顧客が要求チャンネルの受信を許可されていることを確認する。顧客が許可チェックをパスした場合、プロセッサ58は、適切な同調信号を変調器59に、適切なスクランブル解読または復号化コマンドを受信機デコーダ54に送信する。
【0063】
当業者にとっては当然であるが、サービスモジュール40が受信するヘッドエンドシステム11からのビデオまたはテレビ信号は、1つ以上のスクランブル技術に従って、スクランブルまたは暗号化され得る。例えば、暗号化、同期抑制、スペクトル反転、妨害、非標準周波数変調、またはそれらの組み合わせを使用できる。さらに、信号が変調されるいくつかのチャンネルは、アナログおよび他のデジタルでもよい。したがって、ユーザ回路42は、信号を復号または解読し、アナログおよびデジタルチャネルの両方を同時に処理するように構成されるのが好ましい。例えば、ユーザ回路42は、信号のアナログ部分を処理するアナログ受信機デコーダ54と、信号のデジタル部分を処理するデジタル受信機デコーダ(またはトランスコーダ)を有してもよい。プロセッサ58は、スクランブル解読または復号化知能を含み、適切な復号方式に従って、復号処理方法に関する指示を受信機デコーダ54(およびデジタルトランスコーダ)に発行するのが好ましい。また、サービスモジュール40から顧客インタフェースボックス14へのこの信号がスクランブルされることになっている場合、プロセッサ58は、スクランブル技術を指図して、スクランブル処理を管理する。
【0064】
デジタル圧縮ビデオ信号では、一般的に、6〜10チャンネルが約6MHzのRF信号に同時に圧縮される。したがって、ユーザ回路42のデジタル受信機デコーダ54が、デジタル圧縮信号を受信した場合には、デジタル受信機デコーダ54は要求チャンネルを搬送するデジタル圧縮信号のグループを選択する。その後、受信機デコーダ54は、好ましくは変調器59を使用して、チャンネルグループをその被変調周波数からベースバンドに復調して圧縮チャンネルを解凍するのが好ましい。次に、チャンネルがヘッドエンドで暗号化されている場合、受信機デコーダ54は、チャンネルを解読し、ユーザが要求した1つのチャンネルを選択するのが好ましい。受信機デコーダ54は、その後、クリーンチャンネルを出力インタフェースマルチプレクサ46にベースバンドで送信するか、または、受信機デコーダは、信号を好ましくは変調器59を使用して、目的の低周波数チャンネル(例えば、2、3、4、5)に再変調する。その後、出力インタフェースマルチプレクサ46は、信号を顧客インタフェースボックス14に送信する。当業者にとっては当然であるが、デジタル受信機デコーダは、DES(DES:data encryption standard、データ通信用暗号標準)のような非同期暗号化または同期暗号化を含む任意のデジタル暗号化技術の処理にも適していることが好ましい。
【0065】
アナログビデオ信号については、一般的に1つのチャンネルは、6MHz帯域のRF信号に変調される。このように、ユーザ回路42のアナログ受信機デコーダ54がアナログ信号を受信する場合には、アナログ受信機デコーダ54はアナログ信号をその被変調周波数からベースバンドに、好ましくは変調器59を使用して変換する。ヘッドエンドシステムでベースバンドスクランブルまたは妨害を使用する場合には、受信機デコーダ54は、チャンネルのスクランブルを解いて、ベースバンドで、クリーンチャンネルを出力インタフェースマルチプレクサ46に送信するのが好ましい。他の選択肢として、受信機デコーダ54は、好ましくは変調器59を使用して信号を目的の低周波数チャンネル(例えば、2、3、4、5)に再変調し、その後、低周波数チャンネルを出力インタフェースマルチプレクサ46に送信することもできる。出力インタフェースマルチプレクサ46は、その後、顧客インタフェースボックス14に信号を送信する。当業者にとっては当然であるが、アナログ受信機デコーダは、ヘッドエンドシステムで使用されるRF、または裾板スクランブルまたは妨害を含むスクランブル技術のいかなるタイプの処理にも適合されていることが好ましい。当業者にとっては当然であるが、RFスクランブルまたは妨害を使用する場合、受信機デコーダ54は、チャンネルをベースバンドまたは低周波数チャンネル(2、3、4、等)に変換する前に信号のスクランブルを解く。また、変調器59は、所望のチャンネルを低周波数チャンネルに変換する前に、同チャンネルをベースバンドに変換する代わりに、先ずチャンネルをベースバンドに変換せずに、チャンネルをその被変調周波数から低周波数チャンネルに直接変換するように構成され得る。
【0066】
許可処理中、その顧客が無効な顧客または権限がない顧客の場合、プロセッサ58は、システム管理データバスを介して、ヘッドエンドシステム11にアラームを送信し、無効な顧客がポートに存在することをヘッドエンドシステムに通知することが好ましい。またその後、プロセッサ58は、その特定のユーザポート42の変調器59をオフにして、ヘッドエンドシステムがその不法な要求の問題を解決するまで、実質的にポートを使用禁止にする。一旦、問題が修正されると、ヘッドエンドシステム11は、ヘッドエンドシステムからローカルまたは遠隔でポートを復帰させる。
【0067】
本発明のさらなる態様によれば、自分が受信を許可されていないチャンネルを顧客またはユーザが要求した場合、プロセッサ58は、ユーザが無効なチャネルまたは権限がないチャンネルを要求したことをユーザに通知するシステムメッセージを、そのユーザの顧客インタフェースボックス14に送信することが好ましい。そのメッセージは、顧客インタフェースボックス14のディスプレイ71(図2参照)またはテレビジョンスクリーン上に表示されることが好ましい。
【0068】
本発明のさらに別の態様によれば、ユーザがペイ・パー・ビュー(番組有料視聴制)またはビデオ・オン・デマンドの映画や機能を要求した場合、プロセッサ58は、ユーザがそのための充分な信用を有するかをチェックし、識別する。これは、いくつかの方法で実行できる。例えば、プロセッサ58は、プロセッサ58のローカルメモリに保持され、ヘッドエンド11が定期的に更新するユーザの信用調査書またはユーザの支払い履歴をチェックし得る。ユーザが充分な信用格付けまたは適切な支払い履歴を有する場合、プロセッサ58は、要求を許可してユーザに料金を請求するが、層でない場合には、プロセッサ58は、要求を拒絶してユーザにメッセージを送信して拒絶理由を通知する。さらに、ユーザが任意の有料チャンネルを要求する際に前払いをしなければならないように、システムを設定することもできる。したがって、ユーザは、該システム内に支払い信用口座を有することが好ましい。ユーザが利用できる十分な信用を有する場合、プロセッサ58は、有料チャンネルの要求を許可してユーザの信用口座の借り方に記入し、そうでない場合には、プロセッサ58は、要求を拒絶してユーザにメッセージを送信して理由を通知する。
【0069】
他のビデオチャンネルと同様に、有料チャンネル要求が許可された場合、プロセッサ58は、受信機デコーダ54にビデオ信号ストリームから有料チャンネルを選択するように指示し、変調器59は、有料チャンネルをその被変調周波数からベースバンドに変換後、ユーザの顧客インタフェースボックス14(例えば、ベースバンドまたはチャンネル2、3、4、5等)に送信するための適切な周波数に変換する。
【0070】
本発明のよりさらなる態様によれば、プロセッサ58もまた、親制御および他のフィルタ機能を含むことが望ましい。例えば、プロセッサ58は、ある選択されたビデオチャンネルを受信する子を除外するようにプログラムされ得る。したがって、除外されたチャンネルを受信する親については、親は、その親がチャンネルを受信可能となる秘密コードを入力することが好ましい。
【0071】
本発明のさらに別の態様によれば、顧客インタフェースボックス14またはユーザのテレビジョン受信機がオフに切り替わると、プロセッサ58は、接続16および出力インタフェースマルチプレクサ46を介してサインオフ信号を受信し、顧客インタフェースボックス14への信号を遮断することが好ましい。これは、正当な加入者が視聴していないときに、誰かがケーブルに不法侵入して、ビデオチャンネルを視聴することから効果的にシステムを防御する。
【0072】
ユーザまたは顧客が電話通話をしようとする場合、顧客インタフェースボックス14は、アクセスされる通話要求メッセージおよび電話番号を有する信号のリターンパスをフォーマットすることが好ましい。プロセッサ58は、その後、通話要求を受信して、ユーザが通話サービスの受信が許可されているかをチェックする。許可されている場合、プロセッサ58は、顧客の通話接続をヘッドエンドシステム11に接続するコマンドを、通信サービスモジュール49に、あるいは、光ファイバーケーブル、同軸ケーブル、ツイストペア電話回線、または衛星または移動電話接続のような適切な通信接続を経て、PBX(Public Branch Exchange)または長距離キャリアに直接送信する。上記のように、電話通話がヘッドエンドシステム11に接続される場合、電話通話は、ノード38への接続39のリターンパスを介して、およびヘッドエンドシステム(図1参照)への接続24を介してノード38からヘッドエンドシステムに通信されることが好ましい。
【0073】
同様の方法で、ユーザがデータまたはインターネットサービスアクセスを要求する場合、プロセッサ58は、通信接続16のリターンパスを介して顧客インタフェースボックス14からサービス要求およびユーザ情報を受信する。再度、プロセッサ58は、顧客がこのようなサービスが許可されているかを確認する。許可されている場合には、プロセッサ58は、例えば、接続22または広帯域接続20を介して、通信サービスモジュール49に対して通信装置14と接続するように、そして特にコンピュータ64に対してヘッドエンドシステムのコンピュータまたはインターネット接続へ戻るリターンパスに接続するように指示する。
【0074】
本発明の一実施形態によれば、サービスモジュール40の各ユーザ回路42のサービスインタフェースマルチプレクサ45を、ヘッドエンドシステム11に対する順方向の信号と逆方向の信号とを分離するように構成することが好ましい。ヘッドエンドシステム11からの信号は、一般的にアナログ形式、デジタル圧縮形式、または両方の組み合わせの形式でもよいさまざまな暗号化されたテレビ放送、ケーブル、および有料チャンネルからなる。ヘッドエンドシステム11からの信号は、また、さまざまなサービスモジュールまたは個々の加入者へのグローバルなおよび/または個々のメッセージまたは命令だけでなく、顧客のコンピュータおよび/または電話通信のフォワードパスデータを含むことができる。これらのフォワードパス信号は、50MHzより高い周波数に変調されるのが一般的である。DOCSIS準拠システムでは、順方向データチャネルは、システムが事前に指定する6MHzの周波数範囲である。
【0075】
サービスモジュールからヘッドエンドシステムへの逆方向またはリターンパス信号は、顧客サービス要求、ペイ・パー・ビュー番組要求およびシステム管理データ(例えば、修理、メンテナンス、およびユーザまたはサービスモジュールからのステータス情報メッセージ)だけでなく、ユーザからの電話およびコンピュータ通信からなるのが一般的である。本発明の好適な実施形態によれば、リターンパス信号は、40MHzより低い周波数、より詳細には約4MHz〜40MHzで通信されるのが一般的である。
【0076】
本発明のこの態様によれば、サービスインタフェースマルチプレクサ45は、フォワードパスにおける50MHzハイパスフィルタ、およびリターンパスの50MHzローパスフィルタを有し、その結果、信号のフォワードパスおよびリターンパスを分離することが好ましい。さらに、サービスインタフェースマルチプレクサ45は、出力電話および/またはコンピュータ通信信号、およびリターンパスデータブロックへのシステム管理データを合成して、リターンパス情報またはデータを適切なリターンパス周波数にフォーマットまたは変調し、リターンパス信号を生成またはフォーマットするように構成され得る。
【0077】
しかし、本発明に記載の一実施形態によれば、サービスインタフェースマルチプレクサ45は、ヘッドエンドシステム11へのリターンパスをフォーマットするように構成されるが、当業者であれば、他のモジュールまたはサービスモジュール40のコンポーネントが、リターンパスデータをフォーマットするように構成され得ることを理解するであろう。例えば、プロセッサ58および/または受信機デコーダ54を、リターンパスデータを合成してフォーマットするようにも使用できる。このように、本発明は記載の実施形態に限定されるものではない。
【0078】
出力インタフェースマルチプレクサ46は、本質的に、サービスインタフェースマルチプレクサ45と同様であり、類似したローパスフィルタおよびハイパスフィルタを備えることが好ましい。上記のように、顧客が特定のビデオまたはテレビチャンネルを要求すると、プロセッサ58は、受信機デコーダ54(および変調器59)に対して、ビデオチャンネルをその被変調周波数から信号のベースバンド周波数に変換し、信号を解読またはスクランブルを解き、次に、ベースバンドまたは低チャンネル周波数(好ましくはチャンネル2、3、4、5)で信号を送信するように指図する。したがって、サービスモジュール40からユーザサイトへのフォワードパス信号のビデオ部分は、各顧客インタフェースボックス14に対して1つのチャンネルのみを備えることが好ましい。さらに、顧客インタフェースボックス14へのフォワードパス信号の電話およびコンピュータ情報の部分は、1つ以上のフォワードパスチャンネルの垂直帰線消去期間(VBI: vertical blanking interval)において搬送されてもよいし、または、電話およびコンピュータ情報は1つ以上のフォワードパスチャンネルにフォーマットされてもよい。
【0079】
本発明の一実施形態によれば、サービスモジュール40から顧客インタフェースボックス14に送信される信号のビデオ部分は、複合ビデオ形式で、信号の音声部分は、単一の音声チャンネル信号であって、両方とも同一RF周波数帯に同時に変調される。しかし、本発明の他の実施形態によれば、サービスモジュール40、特にユーザ回路42は、顧客インタフェースボックス14にS−ビデオ(また、Y/Cビデオとも呼ばれている)信号および/または2チャンネルステレオまたは6チャンネルサラウンド音声信号を送信するのに適している。本発明のこの特定の態様によれば、サービスモジュール40は、S−ビデオ(Y/Cビデオ)信号に、複合ビデオ信号を変換する回路を含むことができる。
【0080】
例えば、複合ビデオ信号からYおよびCコンポーネントを抽出するのに適切な櫛形フィルタを使用できる。しかし、S−ビデオ信号が単一の複合信号の代わりに2つの独立したビデオ信号コンポーネントを備えているので、2つの信号(YおよびCコンポーネント)を、単一の被変調周波数に変調すべきはでない。このように、本発明の好適な実施形態によれば、YおよびCビデオ信号コンポーネントのそれぞれは、独立した変調周波数帯に変調され、独立したチャンネルとして顧客インタフェースボックス14に送信され得る。
【0081】
同様に、ステレオモード(2チャンネル)またはサラウンドサウンドモード(6チャンネル)のビデオ信号の音声部分を転送するために、サービスモジュール40は、ステレオのための2つの音声チャンネル、またはサラウンドサウンドのための6つの音声チャンネルを生成する回路を生成するステレオまたはサラウンドサウンドを含むことが好ましい。S−ビデオ信号と同様に、複数オーディオチャンネルを独立した変調された周波数帯で顧客インタフェースボックス14に送信することが好ましい。このように、同一変調帯域に独立したチャンネルを合成することで、ステレオまたはサラウンドサウンドオーディオの分離が消失することはない。
【0082】
本発明のこの特定の実施形態によれば、顧客インタフェースボックス14は、独立した周波数帯で送信されるビデオ信号の各ビデオおよび/またはオーディオコンポーネント用の復調器を含むことが好ましい。例えば、サービスモジュール40からのビデオ信号がS−ビデオ信号および2チャンネルステレオ音声信号として送信される場合、該ビデオ信号は、4つの独立した周波数帯、すなわち、1つはYビデオコンポーネント、1つはCビデオコンポーネント、1つは右ステレオ音声チャンネル、および1つは左ステレオ音声チャンネルに変調される。このように、顧客インタフェースボックス14は、各構成要素を復調するために少なくとも4つの復調器を含む。各構成要素をベースバンドに復調後、顧客インタフェースボックス14は、適切な接続を使用して、信号をテレビジョン受信機および/またはホームシアタシステムに送信する。例えば、S−ビデオ信号は、S−ビデオケーブルを使用してテレビジョン受信機に送信されるのが好ましく、ステレオチャンネルは、適切な音声接続(例えば、RCAコネクタを有するケーブル等)を使用してテレビジョン受信機またはステレオシステムに送信される。
【0083】
本発明の他の実施形態によれば、ユーザサイトが複数のテレビを有する場合、そのユーザサイトは、複数の、すなわち各テレビジョン受信機に対して1つの顧客インタフェースボックス14を有することができる。ユーザサイトは、一般的にサービスモジュール40へ1つの通信接続を有するだけなので、各テレビジョン受信機がユーザサイトの他のテレビジョン受信機と異なるビデオ信号を表示するためには、複数ビデオチャンネルをユーザサイトに送信しなければならない。各テレビジョン受信機およびそれに関連する顧客インタフェースボックス14の1つのチャンネルは、通信接続16を介してユーザサイトに送信されることが好ましい。したがって、このような構成を提供するには、各テレビジョン受信機に関連付けられるこのような各顧客インタフェースボックス14は、異なるチャンネル、例えば、2、3、4、5等、に同調されなければならず、ユーザサイトへのフォワードパス信号は、多重チャネル信号(各装置について1つのチャンネル)を含む。さらに、各顧客インタフェースボックスは、そのユーザが同調できるチャンネルを制限にするように構成され得る。
【0084】
サービスモジュール40からの信号がS−ビデオおよび/またはステレオ音声形式の場合、その家庭の各テレビジョン受信機は、複数の周波数帯、すわなち、そのテレビジョン受信機のビデオ信号の各コンポーネントに対して1つの周波数帯を受信することが好ましい。
【0085】
さらに、本発明の他の実施形態によれば、独立した顧客インタフェースボックス14を有するホームの各テレビジョン受信機の代わりに、単一の顧客インタフェースボックス14を、多重信号、好ましくはホームの各テレビジョン受信機に対して1つの信号を受信するように構成できる。この特定の実施形態によれば、顧客インタフェースボックス14のインタフェースマルチプレクサ58は、ホームの各テレビジョン受信機の全ての要求チャンネルを、サービスモジュール40から受信するように構成されるのが一般的なので、独立したテレビジョン受信機の独立したチャンネル要求を処理する以外に付加的な顧客インタフェースボックスの必要性はない。このように、顧客インタフェースボックス14は、複数の遠隔制御装置からのRFまたは他の送信を受信するように構成され得、家庭で付加的な顧客インタフェースボックスを必要とせずに、各個々のテレビに関連した遠隔制御装置は、リモートコントローラに関連するテレビのチャネル入力を制御できる。
【0086】
上記のように、顧客インタフェースボックス14は、サービス要求情報、およびコンピュータおよび電話情報を、適切な場合には、接続16のリターンパスを介してサービスモジュール40と通信することが好ましい。例えば、標準の同軸ケーブル通信接続の典型的なリターンパスは、約4MHz〜40MHzの周波数範囲である。しかし、本発明の別の実施形態によれば、リターンパスは、約50MHz〜500MHzのチャンネル周波数範囲の1つのような、より高い周波数範囲で構成され得る。サービスモジュール40と顧客インタフェースボックス14間の通信接続16がXDSL接続を備える場合には、ビデオおよび音声信号を、サービスモジュール40から顧客インタフェースボックス14にベースバンドで送信できる。本発明のこの特定の実施形態によれば、その後、顧客インタフェースボックス14からサービスモジュール40へのリターンパスは、ほぼDC〜約128KHzになる。
【0087】
本発明の他の実施形態によれば、通信接続16のリターンパスを介してサービスモジュール40と通信する顧客インタフェースボックス14の代わりに、顧客インタフェースボックス14は、独立した通信接続を介してサービスモジュール40と通信してもよい。例えば、サービスモジュール40への顧客インタフェースボックス14からのサービス要求、データ、および電話信号は、標準電話線またはPCSのような他の通信接続システム、セルラシステム、ローカルマルチポイント分配システム(LMDS:local multi−point distribution system)等を介して発生してもよい。また、サービスモジュール40は、類似した方法でヘッドエンドシステム11と通信できる。このように、本発明は、標準の同軸ケーブルまたは光ファイバ接続のリターンパスを使用することに限定されない。
【0088】
上記のように、顧客インタフェースボックス14からサービスモジュール40へのリターンパスは、ユーザのコンピュータ、出力電話信号、およびユーザサービス要求からデータを搬送するように構成することが好ましい。しかし、さらに、本発明の他の実施形態によれば、最終的に、顧客のコンピュータをベースバンドで情報を受信するように構成すると、サービスモジュール40からユーザサイトへの独立した接続は、サービスモジュール40からコンピュータへ独立したベースバンド出力を搬送できる。このような接続は、ユーザサイトとサービスモジュール間の他のデータおよびテレビジョン信号を妨害しないように独立したケーブルファイバまたは銅線接続であってもよい。コンピュータは顧客インタフェースボックスに接続されないで、モデム等を介して直接この接続に接続され得る。
【0089】
図4に示すように、通信サービスモジュール49の主な機能は、ユーザの要求に応じて全ての音声およびデータ通信を処理することである。上記のように、データが適切にフォーマットされてサービスモジュール40に送信されるように、ユーザの顧客インタフェースボックス14は、モデムを内蔵するかまたは接続する。したがって、プロセッサ58が電話および/またはコンピュータサービス要求を許可する場合、通信サービスモジュール49は、スイッチとして作用し、電話および/またはコンピュータ通信は、サービスインタフェースマルチプレクサ45に、最終的にはヘッドエンドシステムに転送される。
【0090】
上記のように、4〜40MHz帯域において、コンピュータおよび電話情報は、高周波専用チャネル(すなわち>50MHz)をサービスモジュール40から顧客インタフェースボックス14まで、フォワードパスで搬送され、またはそれらの情報は1つ以上のビデオチャンネルの垂直帰線消去期間(VBI)にコード化され得る。
【0091】
本発明の一実施形態によれば、フォワードパスデータは、ヘッドエンドからサービスモジュール49に、その後DOCSISシステムまたは他の適切なデータオーバケーブルシステムを使用して顧客インタフェースボックス14に送信される。本発明のこの態様によれば、ヘッドエンドは、特定の周波数にフォワードパスデータ(すなわち、ヘッドエンドからサービスモジュールを介してエンドユーザ顧客インタフェースボックスまで)を変調し、リターンパスデータ(すなわち、ユーザコンピュータから顧客インタフェースボックスを介してサービスモジュールまで)を復調する変復調装置を含むCMTSを有する。CMTSは、また、ローカル的に、または広域ネットワークを介した遠隔インターネットバックボーンPOPに着信するかのいずれかで、ケーブルシステムとインターネットバックボーン間のインタフェースを提供する。CMTSは、データを一般的に50MHzより高い周波数に変調した後、リターンパス(一般的に4〜40MHz)として使用すべき周波数をケーブルモデムに通信する。
【0092】
データがサービスモジュール40に着信すると、通信サービスモジュール49は、データ信号をサービスモジュール40に接続する各顧客インタフェースボックス14に送信する。顧客インタフェースボックス14内にあるか、または顧客インタフェースボックス14に接続されているDOCSIS準拠のケーブルモデムは、その後、その特定のユーザを目的としたデータ信号の一部を抽出する。当業者にとっては当然であるが、サービスモジュール40に接続される各顧客インタフェースボックスおよびケーブルモデムは、単にその特定のエンドユーザのデータだけでなく、全てのデータ信号(すなわち、サービスモジュールに接続される全てのユーザのデータ)を受信する。本発明のこの態様によれば、ケーブルモデムは、複合データ信号からその特定のエンドユーザのためのデータを抽出するように構成される。
【0093】
リターンパスとして、ケーブルモデムは、リターンデータをCMTSが決定する周波数(一般的に40MHzより低い周波数)に変調する。リターンパスデータは、顧客インタフェースボックス14からサービスモジュール40に送信される。サービスモジュール40で、通信サービスモジュール40は、ヘッドエンドのCMTSにリターンパスデータを送信する。
【0094】
ケーブル電話も、同様の方法で処理される。サービスモジュール40の通信サービスモジュール49は、ヘッドエンドと各顧客インタフェースボックス14間の電話通信を送信する。本発明のこの態様によれば、顧客インタフェースボックス14は、ケーブル電話機能を処理するためのケーブル電話網インタフェース装置(NID: Network Interface Device)を備えることができる。
【0095】
本発明の他の実施形態によれば、サービスモジュール40と顧客インタフェースボックス14のユーザモデム66間のデータおよび電話通信は、電話線等のような独立した専用の双方向通信回線でよい。この場合、通信モジュール49は、上述のように、同一方法でフォワードデータおよびリターンデータの両方を処理する。同様に、このシステムは、サービスモジュール40と顧客インタフェースボックス14間のフォワードパス通信が通信回線16を介し、かつ顧客インタフェースボックス14からサービスモジュール40へのリターンパス通信がツイストペア電話線(POTS、XDSL等)などのような独立した通信回線を介するように構成され得る。
【0096】
図5を参照して、サービスモジュール40の他の実施形態を例示する。本発明のこの特定の実施形態によれば、サービスモジュール40は、エンドユーザにビデオサービスを送信するようにのみ構成されることが好ましい。この方法では、サービスモジュール40は、サービスモジュール40に接続する各エンドユーザテレビ用の統合受信機デコーダ54を含む。この特定の実施形態のサービスモジュール40は、複数の商業的に入手可能な統合受信機デコーダで構成できる。しかし、多くの商業的に入手可能な統合受信機デコーダは、赤外線遠隔制御装置からのコマンドを受信する。したがって、プロセッサ58が、統合受信機デコーダ54と通信するためには、赤外線送信機86を使用することが好ましい。プロセッサ58は、通信接続88を介してコマンドを赤外線送信機86に送信し、送信機86は、赤外線伝送を使用して、統合受信機デコーダ54とコマンドを通信する。統合受信機デコーダ54がプロセッサ58からのコマンドを受信し、特定のビデオチャンネルを選択、送信する場合には、統合受信機デコーダ54は、要求チャンネルを選択し、その要求チャンネルを解読またはスクランブルを解き、その要求チャンネルをベースバンドまたは低周波数チャンネルに変換し、その後、関連する顧客インタフェースボックス14に送信するために、そのチャンネルを出力インタフェースマルチプレクサ80に送信する。図5に示すように、サービスモジュール40は、全ての統合受信機デコーダ54用の単一の出力インタフェースマルチプレクサ80を備えるか、または、各統合受信機デコーダ54は、その統合受信機デコーダに関連付けられた自身の出力インタフェースマルチプレクサ80を有してもよい。これにより、商業的に入手可能な統合受信機デコーダの使用が、既存の配線を使用するのと同一の目的を達成できる。
【0097】
本発明の他の実施形態が示される図6について説明する。この特定の実施形態によれば、マルチメディア通信システム100は、アパートメントハウス、タウンホーム、複数または単一家族の家の集落または群、オフィスビル、キャンパス、または単一アンテナまたは共通グループアンテナを利用するユーザの他の任意のグループのような、集合住宅ユニット(Multiple Dwelling Units)または共用アンテナ集合建築物(Shared Antenna Complexes)に属する顧客またはユーザにさまざまなサービスを分配するように構成され得る。
【0098】
当業者にとっては当然であるが、各ユニットに個々の衛星アンテナを付加することは困難または不可能なので、集合住宅ユニット集合建築物または共用アンテナ集合建築物に住む人の家庭に直接衛星通信を分配することは困難である。したがって、この問題を解決するために、ある共用アンテナ集合建築物では、共用アンテナ集合建築物の所有地の屋根または他の場所に単一アンテナまたはグループアンテナを配置して、個々の居住ホームに信号を送信する。アンテナは、18インチKuバンドアンテナ、30インチ中間出力アンテナ、またはさらに大きいC−バンドテレビ受信専用(TVRO:television receive only)アンテナが一般的である。
【0099】
これらのシステムは、各住居の装置に独立した高価な受信機デコーダが必要で、システムのコストが高くなり、したがって、従来のケーブルテレビシステムとの競合が困難という問題を抱えている。さらに、現在のシステムは、付加的な電話およびコンピュータアクセスサービスを提供する手段をもたない。したがって、合理的費用で共用アンテナ集合建築物の顧客に衛星テレビ、ローカルテレビ、電話、およびコンピュータサービスを提供できるシステムを有することが望ましい。
【0100】
図6に示すマルチメディア通信システム100は、このようなサービスを提供するように構成されている。特に、マルチメディア通信システム100は、1つ以上のマスタアンテナ102、ローノイズブロック(LNB: low noise block)コンバータ104、マルチプレクサ(MUX)106、出力分割器回路108、複数の信号増幅器110、および1つ以上のサービスモジュール112を備える。
【0101】
本発明の一実施形態によれば、マスタアンテナ102は、直接放送衛星(DBS:direct broadcast satellite)ビデオサービスプロバイダからの、さまざまな暗号化されたテレビ番組チャンネルを受信するように構成される。ビデオチャンネルは、ペイ・パー・ビューおよびビデオ・オン・デマンドサービスだけでなく、さまざまなケーブルチャンネルからなる。アンテナ102が受信するビデオ信号は、Ku周波数帯における500MHzのバンド幅または1000MHzのバンド幅信号であることが好ましい。LNBコンバータ104は、信号を受信して、その信号をLバンド周波数範囲、約950〜1450MHzおよび1450〜2050MHzに変換する。この500〜1000MHzバンド幅信号は、約20〜40のトランスポンダスロットに分割され、各トランスポンダスロットは、アナログビデオチャンネルまたは約1〜20個のデジタル圧縮ビデオチャンネルを搬送できる。各トランスポンダスロットは、約25〜50MHzからなるのが好ましく、約36MHzの周波数帯は、なお好ましい。
【0102】
LNBコンバータ104からは、アナログおよび/またはデジタル圧縮ビデオ信号がマルチプレクサ106に送信され、上記でより詳細に説明したように、マルチプレクサ106はリターンパス信号からの下り信号を分離する。マルチプレクサ106からは、出力分割器回路108を介して信号が送信され、出力分割器回路108は、信号を複数の信号、好ましくは、各フロアまたは2つのフロア、タウンハウスグループ、またはアパートのグループ(例えば、クラスタホーム、ガーデンアパート等)あたり1個の信号に分割して、増幅する。その後、別々に分割されたそれぞれの回線からの出力は、特定のフロアまたはグループの1つ以上のサービスモジュール112に送信される。当業者にとっては当然であるが、信号をさまざまなフロアまたはホームグループ上のさまざまなサービスモジュール112に送信するときには、信号を送信する度に、増幅することが望ましい。したがって、図6に示すように、信号は、1つ以上の信号増幅器110を通過してもよい。信号増幅器110の数および場所は、共用アンテナ集合建築物の固有の構成に依存する。
【0103】
本発明の他の実施形態によれば、アンテナ102およびLNB104からの信号を、電気−光学コンバータ(図示せず)を使用して光学信号に変換し、さまざまなフロア上のまたは他の比較的信頼できる場所のサービスモジュール112に、ファイバーケーブルで送信してもよい。その後、サービスモジュール112は、光学的信号を電気的信号に再変換し、適宜その信号を処理するように構成されることが好ましい。
【0104】
例示の実施形態によれば、サービスモジュール112は、図4に関して上記に説明したサービスモジュールと同様である。したがって、サービスモジュール112を、ビデオ信号をアナログ形式、デジタル圧縮形式、またはその両方の形式で受信するように構成してもよい。一般的に衛星からの信号であるデジタル圧縮信号を処理する場合、サービスモジュール112は、デジタル圧縮ビデオ信号を解凍する回路を含む。本発明のこの態様によれば、サービスモジュール112は、約10〜20個の統合受信機デコーダまたは統合受信機デコーダチップセット(本願明細書では統合受信機デコーダとして同義に引用する)(サービスモジュール112に接続する各ユーザテレビについて1つ)を備えることが好ましい。
【0105】
受信機/デコーダ54および発信器59(図4に図示)を含む商業的に入手可能なチップセットである統合受信機デコーダは、特定のユーザの要求チャンネルを含み、それを復調する圧縮ビデオ信号からのトランスポンダ周波数帯をベースバンド周波数へ抽出することが好ましい。その後、統合受信機デコーダは、周波数帯を、そのバンドへデジタル圧縮された10〜20の個々のチャンネルに解凍する。信号が暗号化されて送信される場合には、統合受信機デコーダまたはプロセッサは、その後で信号を解読する。最終的に、サービスモジュール112は、要求ビデオチャンネルを抽出して、ベースバンドでユーザにそれを送信するか、またはその信号をチャンネル周波数(例えば、チャンネル2、3、4、5)に再変調する。サービスモジュール112がアナログビデオ信号を受信する場合、それは図4のサービスモジュール40と同一方法でこれらの信号を処理することが好ましい。
【0106】
本発明の他の実施形態によれば、システム100は、さらにローカル放送テレビジョン信号を受信するためのアンテナ114および/またはケーブル会社からのチャンネルを受信するためのケーブル接続(図示せず)を備えてもよい。当業者にとっては当然であるが、ローカル放送チャネルは、アナログで、暗号解読されていて、50〜850のMHzバンド幅にあるのが一般的である。本発明のこの態様によれば、アンテナ114からの信号は、周波数変換器116に送信されるのが好ましく、周波数変換器は、受信したローカル放送信号を異なる周波数に変換しても、しなくてもよい。信号は、周波数変換器116から加算回路118に送信される。同様に、ケーブルシステムからのチャンネルを加算回路118に直接送信するか、または、加算回路118に送信する前に先ず異なる周波数に変換してもよい。
【0107】
加算回路118は、ローカル放送信号およびケーブル信号を衛星アンテナ102から受信した信号と合成して、その信号を電力分割器108に送信する。このように、システム100は、衛星チャネル、ローカル放送チャネル、およびケーブル会社からユーザへのチャンネルを提供して、大部分の衛星サービスプロバイダが現在一戸建てのホームにすら送信できない解決策を提供できる。また、当業者にとっては当然であるが、ローカル放送およびケーブル信号がアナログで、衛星信号があるアナログチャネル周波数に変調されたデジタル信号の場合、加算回路118は、それらの信号を加算して、加算された信号をサービスモジュール112に送信する。そうして、サービスモジュール112は、アナログおよびデジタル信号の両方を処理するように構成される。さらに、本発明の他の実施形態によれば、アナログとデジタル信号を合成しないで、アナログ信号を1つの通信接続上でサービスモジュール112に送信し、デジタル信号を個々の通信接続上でサービスモジュール112に送信してもよい。
【0108】
本発明の一実施形態によれば、ローカル放送チャネルは、サービスモジュール140で受信され、サービスモジュール112では処理されずにエンドユーザに送信される。例えば、ローカル放送信号は、直接通信経路122を介してノード38から出力インタフェースマルチプレクサ46に送信され(図4参照)、それから通信接続16を介してエンドユーザに出力される。このようにして、エンドユーザは、顧客インタフェースボックス14を持たずに、およびケーブルまたはDBSサービスに登録せずに接続16を介して、ローカル放送局を受信できる。
【0109】
また、システム100は、集合住宅ユニットおよび/または共用アンテナ集合建築物に居住している顧客に電話およびコンピュータサービスを送信するように構成できる。図1に例示され、上記で説明したシステムと同様に、顧客サービス要求は、電話およびコンピュータアクセスと同じくユーザサイトにある顧客インタフェースボックスから発信されることが好ましい。顧客インタフェースボックスからの、サービス要求、および電話およびコンピュータ信号は、サービスモジュール112に通信される。サービスモジュール112は、サービス要求を処理して、電話システムおよび/またはコンピュータ、またはインターネットアクセス機能に電話およびコンピュータ信号をそれぞれ転送する。本発明のこの態様によれば、サービスモジュール112からの電話およびコンピュータ信号は、順方向とリターンパス信号を分離するマルチプレクサ106を通して返信されることが好ましい。その後、リターンパス信号(すなわち、電話およびコンピュータ信号)は、適切な接続120(例えば、電話回線、ケーブル回線、移動電話接続、マイクロ波伝送等)を介して、マルチプレクサ106から適切な接続箇所に接続される。例えば、電話通話をローカルPBXに接続してもよいし、または、電話通話を直接長距離キャリアに接続してもよい。同様に、上記のように、コンピュータ信号を1つ以上のインターネットまたはコンピュータネットワークアクセスサービスに接続してもよい。
【0110】
本発明の他の実施形態を示す図7についてさらに説明する。本発明のこの特定の実施形態によれば、サービスモジュール152は、ループスルーシステムにおいて直列に配線されているユーザに、マルチメディア通信サービスを提供するように構成され得る。例えば、多くのより古いアパートメントの建物では、単一のケーブルが1つのアパートから次に、そしてまた次へと直列的に配設されている。ループ回線は、そのように構成される必要はないが、一般に同一フロアにあるアパートを接続している。こうしたループスルーシステムでは、各アパートは、そのアパートの1つ以上のテレビをループスルーシステムに接続できるように信号を分割する結合器を備えるのが一般的である。ループスルー配線を有する建造物は、従来、割り増し料金チャンネル、ペイ・パー・ビューチャンネル、または付加的なケーブルチャンネルですら提供できるように機能拡張するのは非常に困難であった。さらに、従来のループスルーシステムを有するケーブル上では、電話およびコンピュータサービスのような双方向通信を実現するのは極めてむずかしい。しかし、サービスモジュール152は、ループスルーシステムに接続するユーザにこのようなサービスを提供するのに適している。
【0111】
本発明のこの特定の実施形態によれば、サービスモジュール152は、分割器154、複数のユーザ制御回路156、加算回路158、マルチプレクサ(MUX)160、および制御プロセッサ162を備えることが好ましい。図4に例示するサービスモジュール40と同様に、分割器154をビデオ、電話および/またはコンピュータサービスを提供するヘッドエンドシステムから/への信号を受信し/送信するように構成できる。さらに、分割器154は、分割器接続155を介してサービスモジュール152の個々のユーザ制御回路156に、信号を増幅し、分配する。
【0112】
サービスモジュール40のユーザ制御回路42と同様に、ユーザ制御回路156は、ループスルー回路の個々のアパートと通信するように構成され、サービスインタフェースマルチプレクサ、統合受信機デコーダ、通信サービスモジュール、および変調器を備える。上記で説明したように、サービスインタフェースマルチプレクサ、統合受信機デコーダ、通信サービスモジュール、および変調器は、全て、サービスモジュール40における等価なコンポーネントと同じように動作するが、以下の点は除く。すなわち、ベースバンドまたは2、3、4、5のような低周波数チャンネルでビデオチャンネルを送信するユーザ制御回路156の各統合受信機デコーダの代わりに、ループスルーシステムでは、サービスモジュール152から最も遠く離れたアパートメントに送信されるビデオ信号は、好ましくはチャンネル2上に変調され、そして次に近いアパートメントへの信号は、好ましくはチャンネル3上に変調され、以下同様に、サービスモジュール152に最も近いアパートメントの信号は、最高位チャネル番号上に変調されることが好ましい。
【0113】
この特定の構成では、ループ回線上のアパートの総数が「N」個の場合、少なくとも「N」個のユーザ制御回路156がサービスモジュール152に備えられ、ユーザ制御回路「N」の統合受信機デコーダは、その要求ビデオ信号をチャンネルMに関連付けられる周波数に変調するのが好ましく、ここでM=N+1である。したがって、例えば、特定のアパートフロアのループスルーシステムが10個のアパートにサービスを提供する場合、サービスモジュールに最も近いアパートのビデオ信号は、チャンネル11上へ変調されることが好ましい。この特有の構成で最も遠いアパートへの損失を最小にできる。
【0114】
他の構成では、N個より少ないユーザ制御カード156がサービスモジュール152に含まれる。このような構成は、マルチメディア通信サービスを同じ数のユーザに提供するのにより少ないハードウェアしか必要としないという点でより経済的であり、全ユーザがシステムを同時に使用しないことが既知の状況では好ましい構成といえる。ホテルおよびアパートメントのような場所では、通常、いかなる任意の時点においても有料サービスを利用しているのは、居住者のわずか30〜40%だけである。サービスモジュールの利用数がさらに少ない場合(例えば、30%の利用率)、アパートメントまたはホテルの部屋あたりのハードウェアコストを、さもなければ必要となる30%にまで削除すると、それは非常な節約となる。
【0115】
ユーザ制御回路156の統合受信機デコーダが信号を特定のチャンネル周波数に変調すると、ユーザ制御回路156からの変調出力は、それから接続157を介して合成回路158に送信され、単一信号に合成される。その後、信号は、出力マルチプレクサ160を介してループ回線の全てのアパートメントに送信するケーブル164に送信される。ループスルーケーブル164は、各アパートメントに結合器168を介して出力し、それにより、各アパートメントをループ回線に結合する。すなわち、各アパートメントの少なくとも1つの顧客インタフェースボックス172は、結合器168を介してループ回線に接続される。
【0116】
各アパートメントの適切なチャンネルを抽出するために、顧客インタフェースボックス172の結合器168は、そのアパートメントのテレビジョン受信機に利用できるその特定のアパートメントのチャンネルだけを通過させるバンドパスフィルタを含むことが好ましい。例えば、アパートメント1において、結合器168または顧客インタフェースボックス172は、アパートメント1のユーザが見ることができるチャンネル2だけを許可しその他のチャンネルは許可しないバンドパスフィルタを含む。同様に、アパートメント「N」において、結合器168または顧客インタフェースボックス172は、アパートメント「N」のユーザが見ることができるチャンネル「M」を通過させるバンドパスフィルタ(図示せず)を含む。このようにして、サービスモジュール152は、割り増しおよびペイ・パー・ビューチャンネルサービスに代金を払うユーザに、割り増しおよびペイ・パー・ビューチャンネルを提供することが可能になる。
【0117】
当業者にとっては当然であるが、バンドパスフィルタを結合器168に配置する場合には、単一チャンネルだけが顧客インタフェースボックス172に送信される。しかし、バンドパスフィルタを顧客インタフェースボックス172に設置する場合には、全てのチャンネル2Mが各アパートメントの顧客インタフェースボックス172に送信されて、顧客インタフェースボックス172が特定のアパートメントの適切なチャンネルを抽出する。本発明の好適な実施形態によれば、アパートメントのユーザが他のアパートメントに送信される信号を盗用するのを防止するには、結合器168およびバンドパスフィルタを一緒に、かつ顧客インタフェースボックス172とは分離して配置(図8参照)することが好ましい。
【0118】
結合器ボックス166および顧客インタフェースボックス172のより詳細なダイアグラムを例示する図8について説明する。特に、結合器ボックス166は、分割器または結合器168、およびバンドパスフィルタ170を含む。顧客インタフェースボックス172は、インタフェースマルチプレクサ174、暗号解読器176、通信マルチプレクサ178、許可モジュール180、および遠隔受信機182を含む。
【0119】
図8に例示される本実施形態において、分割器または結合器168、およびバンドパスフィルタ170は、顧客インタフェースボックス172と分離するように配置される。
【0120】
しかし、本発明の別の実施形態によれば、分割器または結合器168、およびバンドパスフィルタ170は、顧客インタフェースボックス172の中に配置されてもよい。
【0121】
図8(b)に記載のバンドパスフィルタ170に関してさらに詳細に説明する。フィルタは、3個のフィルタ、すなわち、ビデオ信号をフィルタするためのバンドパスフィルタ190、音声およびリターンパス通信をフィルタするためのローパスフィルタ191、およびDOCSISまたは他のケーブルモデム(図示せず)に接続するコンピュータに対して送信/受信する通信信号をフィルタするためのバンドパスフィルタ192を含むことが好ましい。他の選択肢として、バンドパスフィルタ190をサービスモジュール制御チューナと取り替えてもよい。このようなチューナは、ユーザが変更することはできず、サービスモジュールが選択した周波数だけを同調するように設定される。
【0122】
各結合器168およびバンドパスフィルタ170の組み合わせで、特定のアパートメントに関連付けられるチャンネルのみが顧客インタフェースボックス172に送信される。信号は、結合器168からバンドパスフィルタ170に、次に、ビデオチャンネル、リバース(逆方向)パスデータおよびフォワード(順方向)パスデータ、音声情報、およびコンピュータ信号を分離するインタフェースマルチプレクサ174に送信される。ビデオチャンネルは、インタフェースマルチプレクサ174から暗号解読器176に送信される。アパートメントの1つ以上のテレビジョン受信機が割り増しまたは有料チャンネルを受信することが許可されている場合、暗号解読器は、割り増しまたは有料チャンネルのスクランブルを解き、それらをアパートメントのテレビジョン受信機が利用できるように機能する。当業者にとっては当然であるが、アパートメントに複数のテレビジョン受信機がある場合、そのアパートメントは、複数のビデオチャンネルを受信でき、各テレビジョン受信機あたり1ビデオチャンネルを受信することが好ましい。
【0123】
フォワードパスデータ、音声および許可情報は、インタフェースマルチプレクサ174で分割され、通信マルチプレクサ178に送信される。データ情報、音声情報、および許可指令情報は、ケーブルシステムが判定したおよび/またはサービスモジュールに割り当てられた専用チャネルの個々の顧客に送信される。これらの周波数は、データ、音声および付加的なアドレス情報を有する許可指令情報については、全ての加入者に共通であり、その結果、顧客インタフェースボックス172は、データ、音声およびそのアパートメント専用のその顧客インタフェースボックスに送信される許可情報を受信し、処理できる。
【0124】
通信マルチプレクサ178は、データ、音声および許可指令情報を受信すると、その情報を分離し、モデムにデータおよび音声情報を送信し、許可モジュール180に許可情報を送信する。モデムは、図2、図3に例示し、上記に説明したモデムと同様の方法で音声およびデータ情報を処理する。許可モジュール180は、許可情報を受信し、その許可情報を処理し、暗号解読器176に暗号解読コマンドを送信する。すなわち、特定のアパートメントのユーザが割り増しチャンネルまたはペイ・パー・ビューチャンネルを閲覧することが許可された場合、許可モジュール180は、許可情報を確認し、その後、暗号解読器176に暗号解読コマンドを送信する。暗号解読コマンドを受けるとすぐに、暗号解読器176は、スクランブル信号のスクランブルを解く。上記にて簡潔に説明したように、暗号解読器176は、コマンドを受信するとすぐに、画像を水平同期させる同期パルスを復元するダイオード回路を備えてもよい。さらに、暗号解読器176は、他にスクランブルを解くまたは暗号解読技術を包含してもよい。
【0125】
上記のように、アパートメントの顧客インタフェースボックス172のユーザは、彼/彼女が遠隔制御装置を使用して見たいチャンネルを選択できる。遠隔受信機182は、遠隔制御装置からの信号を受信して、通信マルチプレクサ178にそれを送信する。さらに、音声および/またはコンピュータデータのまた、モデムから、または、電話またはパーソナルコンピュータから直接、通信マルチプレクサ178に送信される。通信マルチプレクサ178は、この情報を1〜40MHzバンド幅スペクトルにフォーマットする。その後、通信マルチプレクサ178は、インタフェースマルチプレクサ174にリバースパス増幅器184を介してリバースパス情報を送信する。リバースパス増幅器184は、その信号を増幅して、戻り伝送路の分割器で生じた損失を補償する。その後、インタフェースマルチプレクサ174は、その情報を結合器168を介して返信し、それからサービスモジュール152へ返信する。当業者にとっては当然であるが、増幅器184を通信マルチプレクサ178およびインタフェースマルチプレクサ174間に配置する場合、増幅器は、通信マルチプレクサ178および/またはインタフェースマルチプレクサ174内を含む回路のどこにでも配置され得る。
【0126】
サービスモジュール152では、リターンパスデータは、上記にて説明したサービスモジュール40と同様の方法で処理される。すなわち、サービス要求、および電話およびコンピュータ情報を含むリターンパスデータは、ループスルーケーブル164のリターンパスを介してマルチプレクサ160に返信されることが好ましい。マルチプレクサ160は、サービス要求を制御プロセッサ162に送信し、かつ、各アパートメントのコンピュータおよび音声情報をそのアパートメントに関連付けられるユーザ制御回路156に接続159を介して送信する。サービス要求に関して、制御プロセッサ162は、顧客が要求チャンネルの受信が許可されていることを確認する。許可されている場合、制御プロセッサ162は、メッセージをそのユーザに関連付けられる統合受信機デコーダに送信し、そのチャンネルを復調してスクランブルを解き、それを要求ユーザに送信する。各顧客インタフェースボックス172は、マイクロプロセッサに対してそれ自身を識別しなければならないので、顧客インタフェースボックスがパラレルバス上ではなくシリアルバス上にあっても、プロトコルの変更はない。しかし、要求が複数のユーザからなされる場合には、待ち行列システムを使用することが好ましい。このように、制御プロセッサ162は、サービス要求を先着順で処理することが好ましい。
【0127】
ここでは詳細に説明していないが、サービスモジュール152、特に、ユーザ制御回路156は、上記に説明したように、サービスモジュール40と同様な方法で電話およびコンピュータサービスを処理する。また、ここでは本発明のこの実施形態をループスルー構成を有するアパートメントに関して説明しているが、本発明が他のループスルー構成で使用できることは当業者には当然であろう。例えば、個々の農家が結合器または分割器を有する信号ケーブルに接続される田園のケーブルシステムにおいても、本発明の利用は可能である。ここで使用しているように、ループスルー(loop−through)という用語は、複数ユーザにマルチメディア情報を分配するのに単一のケーブルまたは他の通信チャネルが使用される、全てのそのようなシステムを包含することを意味する。
【0128】
上記のように、本発明は、ユーザまたは加入者に所望のサービスを選択する単純で効率的な方法、および、顧客またはユーザがそのサービスを受けるのが正当かを判定し、正当な場合には、選択したサービスを送信するシステムを提供するものである。顧客またはユーザに電気通信サービスを提供する方法のフローチャート200を例示する図9、図10、図11について説明する。好ましい方法によれば、顧客またはユーザは、ビデオ、電話、またはコンピュータサービスのような電気通信サービスを選択することが好ましい。電話サービスのフロー処理を図10に示し、一方コンピュータサービスのフロー処理を図11に示す。
【0129】
次に、ビデオサービスを提供する方法を示す図9について説明する。特に、顧客が閲覧のためにビデオチャンネルを選択すると(ステップ202)、顧客通信装置またはセットトップボックスは、ビデオサービスが要求されたかを判定し(ステップ204)、選択されたチャンネルおよび他のユーザ情報をサービスモジュールと通信することが好ましい(ステップ206)。サービスモジュールが要求を受信し、その後サービスモジュールのプロセッサが顧客許可をチェックし(ステップ208)、顧客が正当なユーザであるか否かを判定する(ステップ210)。正当なユーザでない場合には、サービスモジュールは、無効な顧客であるというメッセージを顧客通信装置に送信し、サービスを拒否する(ステップ212)。顧客が正当な口座を有する場合、ケーブルまたは有料テレビチャンネルが選択されて、適宜処理される(ステップ214)。ケーブルチャンネルが選択されると、サービスモジュールは、顧客が選択したチャンネルの受信が許可されているか否かの判定をチェックする(ステップ216,218)。許可されていない場合には、無効チャンネルというメッセージが顧客に送信される(ステップ220)。顧客が選択したケーブルチャンネルの受信が許可されている場合、信号はデコードされ、適切な周波数に変換される(ステップ222)。一旦変換されると、信号は要求ユーザに送信される(ステップ224)。
【0130】
顧客がペイ・パー・ビュー選択を選択した場合、サービスモジュールは、顧客の信用をチェックし(ステップ226,228)、信用がある場合、顧客の口座に請求、または顧客に請求する(ステップ230)。その後、サービスモジュールは、選択チャンネルをデコードして(ステップ222)、そのチャンネルを適切な周波数で顧客通信装置に送信する(ステップ224)。信用が拒否された場合、顧客は、拒否された旨を警告される(ステップ232)。
【0131】
図10、図11に示すように、電話およびコンピュータを選択した場合も同様に処理される。顧客が電話サービスを選択した場合(図10)、顧客通信装置は、電話要求および要求された電話番号をサービスモジュールに送信する(ステップ234)。サービスモジュールは、顧客許可をチェックし(ステップ236)、要求者が許可された顧客であるか否かを判定する(ステップ238)。許可されていない場合には、サービスモジュールは、無効な顧客というメッセージを顧客通信装置に送信する(ステップ240)。顧客が正当な顧客である場合、サービスモジュールは、顧客の電話とヘッドエンドシステム、PBX、または長距離キャリア間の電話接続を確立する(ステップ246)。そうでない場合には、サービスモジュールは、無効なサービスというメッセージを要求した顧客通信装置に送信する(ステップ248)。
【0132】
同様に、顧客がコンピュータ通信を選択した場合(図11)、情報は、顧客インタフェースによって、サービスモジュールに送信され(ステップ250)、サービスモジュールは、顧客サービス許可を再度チェックし(ステップ252〜258)、許可されている場合には、顧客は、所望のコンピュータサービスを受信し、サービスモジュールは、ヘッドエンドシステム(例えば、CMTSを使用して)、またはインターネットサービスプロバイダとのコンピュータ接続を確立する(ステップ260)。そうでない場合には、例外メッセージがユーザに送信される(ステップ254,262)。
【0133】
顧客への電話の着信呼がある場合、サービスモジュールは、好ましくは、これが電話サービスを有する正当な顧客であるかを確認して、マルチプレクサを顧客のセットトップインタフェースに接続し、その呼を顧客に送信して、顧客の電話が鳴る。電話プロバイダが提供する電話サービスを、通常の用途用に通常の方法で顧客に送信できる。
【0134】
次に図12について説明すると、集中サーバから音声、ビデオおよびデータをホテル、人が住む集合住宅ユニットおよび複数階建造物の小規模および中規模オフィスの多数の顧客に、より効率的に分配する本発明のさらに他の実施形態を開示する。これらの目的を達成するために、システムは、集中データサーバ、分配サービスモジュール、および好ましくは無線通信を利用する。無線通信の実施形態における他の通信形式を利用してもよいが、法的な機関の周波数割り当てに基づいて、広汎な周波数範囲を使用してもよい。米国では、例えば、そのシステムは、普通のローカルマルチポイント分配システム(LMDS:local multi−point distribution system)またはマルチチャネル、FCCが割り当てるマルチポイント分配システム周波数を使用してもよい。さらに、900MHz、2.4GHz、および無免許の国家情報インフラ(UNII:unlicensed national information infrastructure)(5.8GHzのバンド)の周波数範囲のような、さまざまな無免許の周波数が使用可能である。
【0135】
図12に示すように、システム1200は、CPOP(CPOP:Centralized Point of Presence、集中ポイント・オブ・プレゼンス)1202に接続されるLPOP(LPOP: Local Point of Presence、ローカルPOP)1204を含む。LPOP1204とCPOP1202間の接続は、ファイバ回線、LMDSまたは他の無線接続、Cバンド、Kuバンド、またはKaバンドのビデオおよびデータ分配サービスの1つを使用した衛星を介しても、ゲートウェイを介しても、またはローカル端末またはゲートウェイとして機能するLPOPを有していてもよい。
【0136】
さらに、LPOP1204は、1つ以上のレイド(RAID: redundant arrays of independent discs)、または他の記憶装置および再生装置を含むことが好ましい。このような装置は、いかなるホテルが自分の個々のシステムに保存できる番組よりもさらに多くの、多数の映画および番組を、ペイ・パー・ビューに基づいて再生するために採用される。CPOPは、また、ウェブからの材料を格納する多くのキャッシュおよび再生装置1205を有することができる。当業者にとっては当然であるが、LPOP1204は、また、相当高性能なビデオ、ウェブ、および多数ユーザに対処する機能を有するデータサーバ(ビデオ、インターネット、およびデータサーバ)として機能できる。
【0137】
図12に示すように、LPOP1204は、CPOP1202からビデオ、電話、およびデータを受信できるが、またLPOP1204をアンテナ、インターネット接続、ケーブル接続等を有するように構成して、その結果CPOP1202を不要にすることも可能である。本発明のこの態様においては、LPOP1204は、LPOP1204の他の機能だけでなく、CPOP1202の機能をも実行する。LPOP1204の他の詳細については、図13に関して後述する。
【0138】
図12に示すように、LPOP1204は、サイト1206,1208,1210,1212のような、複数のユーザサイトまたはセンターに接続してもよい。これらのセンターは、陸線1214、LMDS無線回線1216、T1回線1218、または5.8GHzのUNII無線接続1220のような、いかなる適切な通信接続を介してもLPOP1204と通信できる。さらに、他の適切な通信接続を使用してもよい。
【0139】
ユーザサイトまたはセンターは、いかなるタイプの使用サイト(例えば、ビジネス、ホテル、アパートメント、他の集合住宅ユニット等)であってもよい。図12に示す例においては、ユーザサイト1206は、集合住宅ユニット(例えば、ホテルの超高層マンション)である。集合住宅ユニットには、一般的に、複数の居住者が集合住宅ユニット(またはガーデンアパートメント複合施設の異なる建造物)の異なるフロアに住んでいる。他のユーザサイトとしては、例えば、複数階建造物の数百もの部屋を有する大きな超高級ホテル、極めて少数の部屋の小さいホテルまたはいわゆる高級な小中規模ホテル、または小中規模のオフィスおよび小売り施設を有する複数階オフィスビルであってもよい。
【0140】
これらの各建造物の異なるフロアには、ユーザサイト1206に示すように、サーバモジュール(SM: service module)、例えば、サービスモジュール1222,1224,1226,1228の少なくとも1つが配置されている。サービスモジュールは、通信接続(例えば、接続1214〜1220)を介してLPOP1204と通信する。ユーザサイト1206においては、通信接続1216は、建造物の屋根に載置されたアンテナを含むK−バンドLMDSトランシーバ装置1230を利用しているLMDS通信接続である。ユーザサイトは、また、図1のヘッドエンドシステム11に従って構成されるローカルヘッドエンドシステムを含んでもよい。当業者にとっては当然であるが、LPOP1204は、また、トランシーバおよびアンテナ装置を含むべきである。
【0141】
図12に示すように、サービスモジュールは、部屋、アパートメント、事務所等に接続される。例えば、部屋301,302には3階のサービスモジュール1222がサービスを提供し、他もそれに準じる。各サービスモジュールは、20〜40室を接続することが好ましい。図14に関してさらに詳細に下記に説明しているサービスモジュールは、さまざまな部屋の顧客のために多くのローカル機能を実行する。サービスモジュールは、すでに説明したサービスモジュールと同様な方法で機能する。
【0142】
部屋の顧客がサービスを要求する場合、サービスモジュールは、この情報をデータストリームを介してベースバンドまたはあるRF周波数に変調されたいずれかで受信する。サービスモジュールは、このサービスを顧客に提供してよいかを判定し、適用する課金を算出し、サービスをどのように提供するか(すなわち、ホテルまたは建造物のヘッドエンド自身からか、または、LPOP1204からのいずれかから)を判断する。サービスモジュールは、可能な範囲内のそれ自身に駐在するデータに基いて、必要に応じてLPOP1204と通信して、上記判断を行なう。
【0143】
現在のホテルの音声、ビデオおよびデータ配布システムは、さまざまな社会基盤や利用条件を有する。多くの事例では、ホテルは、ペイ・パー・ビュー映画だけでなく、ホテル居住者に限られた数のローカルなおよび/またはケーブルテレビチャンネルを提供する。ローカルなおよび/またはケーブルテレビチャンネルは、アンテナを使用して、または、例えば、衛星を介したDBSを使用して、市内ケーブル会社に接続して送信される。ペイ・パー・ビュー映画は、一般的にホテルに常設の集中システムに保存されていて、それから、指示があれば部屋に送信される。あるホテルは、ビデオゲーム、ホテル情報、および課金サービスのような、他のサービスをも提供し、場合によっては、例えば、ラップトップパーソナルコンピュータを接続できるホテルネットワーク経由、テレビへのウエッブテレビジョンタイプ接続経由、または、その両方を経由てインターネット接続性サービスを提供する。
【0144】
これらのサービスをホテルに提供するのに必要なリソースが重要となる。インターネットデータ接続性を導入するためには、T1回線のような高速接続性手段が必要である。ペイ・パー・ビュー映画および番組を利用できるようにするのには、ハイメモリRAIDタイプビデオサーバ、またはスイッチに接続したDVDディスクまたはVHSテープバンクが必要である。ゲームを利用するのには、ゲームプレーヤのために同じような複合システムが各部屋で必要である。ゲストが欲しい番組およびデータサービスを選択する際に、ゲストと対話型セッションを管理するのに多くのコンピュータが各ホテルで必要となる。取引監視および課金システムは、分配される全てのサービスが有料で適切に請求されることを保証する必要がある。そして、各ホテルにおいて、ミニヘッドエンドが、これらのサービスを部屋に適切に分配するために必要である。
【0145】
これらのサービスの全てを処理するシステムの経済的側面から判断すると、75室足らずの部屋を有するホテルには、このようなシステムをもつ余裕はない。さらに、これらのシステムのユーティライゼーションは低く、3〜5時間の期間に集中している。典型的なデータによれば、接続性のユーティライゼーションは、3〜5%、すなわち、データ接続は、ホテルの部屋・日当たり3〜5%である。ペイ・パー・ビュー購入が発生するのは、その時間の10%未満である。そして、利用時間は、大半ゲストが自分の部屋で眠らない午後5時〜午後10時に集中している。このようなユーティライゼーションでは、部屋当たりのシステムコストが上昇し、ホテルが加入者に真に多種多様なサービスを提供するのは困難である。例えば、高品位テレビジョン、より広範なビデオ選択、層状番組、付加価値データサービス、および高帯域接続性のような、多種多様なサービスは、全て技術的に可能であるが、その費用がかかるという理由で配備されていないのが実情である。
【0146】
この状況は、集合住宅ユニット、特にアパートメントにおいても同様である。これらの建造物の大部分では、居住者回転率は、毎年33%で、居住者がアパートメントを引き払うときに、これらの貸借人の33%はセットトップボックスを持っていくので、結果として資産を損失することになる。データサービスは、提供可能ではあるが、あまり高い接続率を有さない。小さくて古い集合住宅ユニットでは、完全に新規な配線を必要とし、既存のRG−59同軸ケーブルを交換する費用がかかるので、事業者は、新しいより大きい集合住宅ユニットよりも軽視するのが一般的である。集合住宅ユニットにおいて、住宅世帯の大多数では、これらのサービスのユーティライゼーションは、概して夕刻ごろに集中する。
【0147】
マルチメディア信号を、そうした大量のトラフィック期間中にホテルや集合住宅ユニットに、そしてずっと経済的でさらにフレキシブルな方法で昼間の時間帯にビジネスに分配するシステムを構築してこの領域の問題を解決するこの実施形態を図12に従って開示する。
【0148】
ビジネスは、全ての営業日期間に、またホテルや集合住宅ユニットでは、夕刻時間帯にこのシステムを利用することで費用低減が可能になる。それはまた、ホテル、集合住宅ユニット、およびビジネスにサービスを提供する能力を有しながら、サイズに寛容であって、また要求されたデータおよびビデオ番組だけを送信する他のシステムサイズよりもさらに効率的なバンド幅である。
【0149】
さらに、LPOPが中央に配置されるので、システムは、完全に拡大縮小可能で、既存のサービスに影響を及ぼさないで、増大するトラフィックに対処するように装備でき、1つ以上の付加的なLPOPにサービスを提供するCPOPに変換することすら可能である。LPOPは、継ぎ目なく専門の顧客に専門のサービスを提供でき、ファイバ、無線、Kaバンド衛星、またはこれらの組み合わせを使用して外部と通信できる。最終的に、分散アーキテクチャサービスモジュールを使用することで、建造物内の費用、サービスの提供と変更の両方、および基幹施設を最小限に抑えることができる。特に、こうした集合住宅ユニットおよびホテルには、より効率的なサービスを提供でき、そしてサービスは、さらに柔軟に対応できる。
【0150】
典型的なPOP1300を示す図13について説明する。LPOP1300は、ビデオ、インターネット、およびデータサーバ1310を含み、それは図1のシステム11に従ってヘッドエンドシステムとして構成されることが好ましい。ある顕著な例外はあるが、ビデオ、インターネット、およびデータサーバ1310は、今日の市場で現在利用可能なビデオおよびデータサーバに多くの点で作用する。一例として、ビデオ、インターネットおよびデータサーバ1310は、要求された番組だけ、または、例えば、ホテルの管理者がいかなる関係者にも送信する番組だけを送信するようなシステムとして設計される。したがって、例示の実施形態において、参照番号1302は、ビデオストリームサーバ、参照番号1304は、異なるレベルのアクセス供給を有するインターネットへのアクセスを制御するIP(IP: Internet Protocol)ネットワークマネージャ、参照番号1306は、ローカルソースからの番組、および参照番号1308は、大規模なビデオサーバである。また、付加的なソースが含まれてもよい。
【0151】
図12に開示するシステムは、フレキシブルなアーキテクチャを提供するので、LPOPは、いかなる便利な場所でもよく、サービスモジュール1222〜1228に極めて近接していなくてはならないという制限はない。図12は、CPOP1202を示すが、このシステムは、稼動にCPOPは不要で、1つ以上のLPOPだけを含むように容易に変更できる。実際に、このような配列では、建造物の場所および建造物の居住者に提供されるサービスのタイプ(すなわち、インターネットやビデオ)に従って、いかなるローカルヘッドエンド(例えば、サイト1206の)やLPOPをも配置可能である。
【0152】
特別な例において、顧客が参照番号1318で示される部屋902から、ビデオ、例えば、ペイ・パー・ビュー映画を要求した場合、この要求は、参照番号1300として図13に示すLPOPまたはCPOPと通信するサービスモジュール1316により許可される。映画の送信が許可された場合、その後、ビデオサーバ1038は、映画を送信するように指示される。映画は、MPEG−2または他の受信可能な符号化ビットストリームでビデオサーバ1308から分配されることが好ましい。上述した部屋902が存在するセグメントから、このような多数の有料および無料いずれもの映画要求がある。これら全ては、ビデオサーバ1308またはその他のこのような装置からのビデオストリームを生成する。
【0153】
ビデオ、インターネット、およびデータサーバ1310は、いくつかの出力を合成し、それらを圧縮してケーブルチャンネル周波数上にそれらを変調し、必要に応じて圧縮出力を暗号化し、各サービスモジュール装置が適切なビットストリームをデコードして特定の加入者にそれを送信するように、仮想チャネル割り当てだけでなく、チャンネル割り当てをそれぞれのさまざまなサービスモジュール装置へ送信する。このように、サーバ1310は、チャンネルコンバイナーおよび各セグメント専用の圧縮器を含む。図12に示すように、セグメントは、多くのオフィスビル、ホテル、および集合住宅ユニットから成ってもよい。例えば、セグメントは、60〜90度の弧の範囲内、LPOPからの5マイルの距離の範囲内であってもよい。首都圏または居住者が多い郊外の場合、これは、大多数の可能な加入者をカバーできる。
【0154】
同一番組(例えば、有料テレビ番組または無料放送番組)をLPOP1300の異なるセグメントにいる多数の人が要求している場合、必要なのは1つのビットストリームの生成だけである。ビデオ、インターネットおよびデータサーバ1310は、このビットストリームを認識し、適切にそのビットストリームを分配する。この形態では、サーバ1310は、LPOP1300があらゆる無料の放送のチャンネルよりむしろ要求されたそれらのチャンネル、あらゆるペイ・パー・ビューチャンネル、および大部分のシステムが搬送してそのほとんどが多くのセグメントでは決して見られないあらゆる準ビデオ・オン・デマンドチャンネルを送信することを保証する。
【0155】
例えば、部屋904の顧客(図示せず)がインターネットへの接続を要求した場合、サービスモジュール1316は、顧客が有料のクライアントまたは顧客がサービス提供を受けられるように口座設定をしているかを確認する。それから、その要求は、IPスプーフィング、適切なポータルサービスを実行しているIPネットワークマネージャ1304に送信されて、インターネットへのパスを顧客に提供する。上り方向にあるこのビデオストリームは、ケーブルチャンネル上に変調され、適切にコード化され、他の類似したデータチャネルと合成され、サービスモジュール1316に送信される。所与のアドレスおよびエンコーディングに基づいて、サービスモジュール1316は適切なデータストリームを選択し、LANプロトコルを使用して顧客にそれを送信する。顧客は、接続するのにコンピュータのLANカードだけが必要で、それはMbpsの通信速度でもよい。さらに、顧客は、サービスモジュール1316が自分の住居にも自分の制御下にもないので、正当な要求をする以外に、他の顧客に送信されるいかなるデータをも受信できない。こうして、システムデータセキュリティが強化される。
【0156】
顧客がビデオストリーム要求をすると、IPマネージャ1304は、ビデオストリームサーバ1302にストリームを提供するように指示し、ビデオ、インターネット、およびデータサーバ1310は、適切なRFチャンネル上にそれを変調し、特定のセグメントアンテナまたはフィードケーブルにそれを送信する。再度、多くの類似の要求が変調されてコード化される。
【0157】
サービスモジュール1316とビデオ間の全てのパス、インターネット、およびデータサーバ1310は、双方向チャンネルという点に留意する必要がある。ケーブルリターンパスまたは上りチャンネルに非常に類似している戻りチャンネルのバンド幅は、下りチャンネルより低い。それらは、顧客要求、LSMビデオ、インターネットおよびデータサーバ通信、およびリターンパスまたは上りデータを処理する。
【0158】
図13に関して記載した構成では、各信号パスは、コード化され圧縮された要求番組を含むだけである。制御不能の受信機(rogue receiver)は、番組のキーが顧客の制御下にないので、キーを任意に切り替えできる番組をデコードしなければならないだけでなく、制御不能の受信機がその番組をデコードした後でさえ、それらは、他のだれかが命令したことをその時理解するだけなので、無駄なバンド幅がなく、ケーブルモデム準拠のDOCSISよりもデータ転送が安全である。
【0159】
該システムは、規模に関係なく、複数ホテルにサービスを提供するように使用される。さらに、異なる料金とサービスレベルで、いかなるホテルでも、いかなるサービスでも受信できる。例えば、高品位テレビジョンを、選択したホテルで部屋を選択するのに提供でき、同時に、NVOD(NVOD:near video on demand、(ケーブルテレビでの)準ビデオ・オン・デマンド)はある部屋に、SVOD(SVOD:subscription video on demand、加入者ビデオ・オン・デマンド)は他の部屋に、ペイ・パー・ビューは、その他の部屋に、等々、または全ての上記のいかなる組み合わせも提供できる。利用できるバンド幅は、各セグメントにおいて繰り返し可能なことは、また、注意すべきである。これは、n個のセグメントを有する1つのシステムのバンド幅は、仮想的にn倍利用できることを意味する。
【0160】
ここで、図12および図13に関して開示される構成において、有効な、好ましいサービスモジュールを示す図14ついて次に説明する。サービスモジュールは、ビデオ、インターネット、およびデータサーバと顧客間の双方向通信である。図14に示すように、サービスモジュール1400は、ボックス内に多くのカードを有してもよく、そして、そのそれぞれは、テレビ、またはデータ端末またはラップトップの適切なデコーダである。サービスモジュール1400は、また、これらの各カード用に中央処理装置および電源を有してもよい。
【0161】
図14において、入力信号は、LPOPのビデオ、インターネット、およびデータサーバからアンテナ1406と増幅器1408を介してサービスモジュール1400に入信する。サービスモジュール1400内で、信号は、多数の受信機に分割される(各部屋当たり1つ)。例えば、部屋901が高品位テレビジョンを備える場合、その受信カードは、高品位テレビジョン受信カードである。さらに、部屋902が2台のテレビを備える場合、その受信機は、2つの異なるチャンネルを受信し、プリセットテレビチャンネル上にそれらを変調し、2つを合成し、それらを部屋に送信できる。また、部屋に電源(PS:Power Supply)接続ポートがある場合、その部屋のサービスモジュールカードは、部屋に10ビットのTイーサネット(Ethernet)接続を提供する適切な機能を有する。
【0162】
全ての部屋がループスルーである場合、個々のチャンネルは、異なって変調され、同軸ケーブルで送信される。全ての部屋が局線受け入れ(home run)である場合、個々のチャンネルは、個々に変調され、各部屋に送信される。
【0163】
ビデオサービスの部屋との通信は、赤外線または他の遠隔操作装置を介して実行されてもよい。赤外線(IR: infrared)遠隔操作装置1412は、ボタンを押し下げられると、目立たないように壁に取り付けられた赤外線受信機1414と通信する。受信機1414は、信号をデジタルに変換し、それをサービスモジュール1400に送信する。ビデオ、インターネットおよびデータサーバ1404が指示したら、コンピュータ1416は、要求が許可されたことを確認し、適切なチャンネルに同調してデコードするよう受信機に命令する。サービスモジュール1400内で、復号化信号は、変調器で適切に変調され、コンバイナで合成され、部屋に送信される。
【0164】
PCまたはデータ要求が送信されると、赤外線は、ダイプレクサ1420を有する受信機1418を介して流れ、要求を、コンピュータ1416がその要求を確認してサーバに接続を命令する、サービスモジュール1400に送信する。さらに、電話サービスがシステムに付加される場合、それは、図2に関して説明したのと同様の方法で処理できる。
【0165】
サービスモジュール1400は、構内に立ち入ることなく、切り替え可能にいかなる部屋またはアパートメント、またはビジネスにもサービスを許可し、アパートメントのいかなる種類のいかなるケーブルセットトップをも不要にする利点を有する。さらに、サービスモジュール1402を使用することで、その構成は、セキュリティを大きく強化するが、建造物の配線を取り替える必要性はない。
【0166】
結論として、本発明は安全で、安価な方法で複数の顧客に、複数の電気通信サービスを提供する新規なデータ通信システムを提供する。本発明の好ましい本実施形態を上記に詳細に説明したが、さまざまな代替、修正および等価物が可能なことは、当業者にとっては明らかであろう。例えば、本発明のサービスモジュールの異なる複合物または回路を、ある特定の機能を実行するとして本願明細書に記載しているが、発明の趣旨から逸脱することなく、サービスモジュールの他のコンポーネントまたは回路がサービスモジュール機能のいくつかまたは全てを実行してもよいことは当業者にとって当然であろう。したがって、添付の請求の範囲によって、定められる本発明の有効範囲を制限するものとして上記の記述は受け取られるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】マルチメディア通信システムの概略図。
【図2】マルチメディア通信システムの一部を形成するユーザまたは顧客インタフェースボックスの概略図。
【図3】マルチメディア通信システムの一部を形成するユーザまたは顧客インタフェースボックスの代わりの実施形態の概略図。
【図4】マルチメディア通信の電気通信システムの一部を形成しているサービスモジュールの概略図。
【図5】プロセッサが赤外線トランシーバを有する統合受信機デコーダと通信するサービスモジュールの概略図。
【図6】アパートメントまたは集合住宅ユニット用に設計された信号分配システムの概略図。
【図7】ループスルーケーブルシステム用に設計された信号分配システムの概略図。
【図8A】図7の信号分配システムで使用できる顧客インタフェースボックスの概略図。
【図8b】図8aの顧客インタフェースボックスで使用できるフィルタの概略図。
【図9】マルチメディア通信回線またはシステムを使用した方法を例示するフローチャート。
【図10】マルチメディア通信システムを有する顧客電話通信の方法を例示しているフローチャート。
【図11】マルチメディア通信システムを有する顧客データまたはコンピュータ通信の方法を例示しているフローチャート。
【図12】LPOP(LPOP: local point of presence)システムの使用を含む複数のユーザサイトへ/から、マルチメディア信号を分配するためのマルチメディア分配システムの実施形態の概略図。
【図13】ビデオおよびデータサーバおよび送信機、およびサービスモジュールを含むLPOPシステムを例示している概略図。
【図14】ビデオおよびデータサーバ、サービスモジュールとエンドユーザ間の双方向通信を例示している概略図。
(発明の背景)
本発明は、概して、通信信号の選択された形式を収集および分配するマルチメディア通信システムに関し、特に、エンドユーザサイトに対して、テレビ、電話、およびデータ信号の収集および分配を行なう新規なマルチメディア通信システムに関する。
【0002】
マルチメディア通信信号を光ファイバや同軸ケーブルを使用して直接テレビジョン受信機へ結合するか、またはテレビジョン受信機のインタフェースボックスを介して結合するといった機構は公知である。しかし、こうした信号は、非常に盗用されやすく、また契約ユーザ以外へ流出しやすい。信号を盗用したい者は、目当てのユーザのケーブル回線から盗聴したり、または許可されていない信号やチャンネルを受信し、解釈できるハードウェアおよび/またはソフトウェアを使用することもできる。
【0003】
公知のほぼ安全な通信(semi secure)システムでは、複合セットトップボックスと受信機インタフェースを使用している。このようなシステムは高価で、しばしばユーザが要求または必要としている以上の多くの機能を備えているので、その結果インタフェースのコストが高価になる。さらに、大部分のテレビジョン受信機でチャンネル数が制限されているように、多くの古い建造物やシステムでは、このような通信システムの帯域幅は、通常300MHzまでに制限されている。
【0004】
マルチメディア通信分配システムの代表的なヘッドエンド(Head End、電波中継局)は、アナログおよび/またはデジタル的に圧縮された信号を受信し、異なるキャリア周波数へその信号を変調し、その信号を合成し、光ファイバや同軸ケーブルでさまざまな電子的ノードに信号を送信する。各ノードは、通常約300以上程度の多数のユーザ数に対してサービスを提供するのが一般的である。そのノードで、信号は直接分配されてもよく、またはユーザサイトの機器と互換性を有する周波数に変換されてもよい。ヘッドエンドと分配ノード間では、パスは管理され、安全性が確保されているので、信号の不正変更は困難である。
【0005】
しかし、ノードと契約ユーザ間では、多くの重要な問題が発生する可能性がある。信号がケーブルへの許可されていない盗聴で盗用されたり、チャンネルが許可されていない暗号解読機器を使用して暗号解読されたり、ユーザサイトで予期しない外来信号の受信によって信号の受信品質が低下することもあり得る。最終的に、従来の大半の技術機器では、契約ユーザが従来の電話機器や手続きを使用する方法以外には信号プロバイダと通信できる逆方向のパスがない。このことは、リターンパス通信に対して電話会社に応じた電話サービスやコンピュータサービスのような付加価値サービスの提供を可能にする。
【0006】
したがって、マルチメディア通信の分野において、ハードウェアの追加や高価な第3者サービスに全く頼らないで、マルチメディアコンテンツプロバイダへユーザ発信信号を分配できると共に複数のエンドユーザにマルチメディア情報を安全に送信できる技術への要求が存在する。
【0007】
(発明の要約)
本発明の目的は、多数のエンドユーザにマルチメディアコンテンツを安全に送信するのに適合されたマルチメディア通信システムを提供することにある。
本発明のもう1つの目的は、多数のエンドユーザがマルチメディアコンテンツプロバイダと通信するのに適合されたマルチメディア通信システムを提供することにある。
【0008】
本発明のさらなる目的は、付加的なハードウェア費用やサービス費用を必要とすることなく、付加価値サービスを包含するのに適合されたマルチメディア通信システムを提供することにある。
【0009】
本発明のさらなる目的は、マルチメディアコンテンツを分配する既存のハードウェアおよび配線を利用するのに適合されたマルチメディア通信システムを提供することにある。
【0010】
さらに、本発明の別の目的は、解読のためにユーザ専用アドレスを必要とするマルチメディアコンテンツを安全に送信する技術を提供することにある。
なおさらに、本発明の目的は、規模に関係なく、複数の住居に安全なマルチメディアコンテンツを提供するのに使用可能なマルチメディア通信システムを提供することにある。
【0011】
さらに後述の開示を参照することにより明らかになるこれらおよび他の目的を満たすために、本発明は、1つ以上のマルチメディアコンテンツソースから複数のエンドユーザにマルチメディア情報を安全に通信するシステムと方法を提供する。1つの好ましい実施態様において、このシステムは、ヘッドエンドシステム、1つ以上の信号分配システム、および複数の顧客インタフェース装置を含む。
【0012】
本発明によれば、ヘッドエンドシステムは、1つ以上のコンテンツソースからのマルチメディア情報信号と複数のエンドユーザに対応するユーザ許可情報とを受信し、そのマルチメディア情報信号を複合信号に合成し、安全なヘッドエンド出力信号を生成する。特に好ましい構成において、ヘッドエンドシステムは、エンドユーザからのリターンパス信号だけでなく、また電話信号やコンピュータ信号をも受信する。
【0013】
各信号分配システムは、ヘッドエンドシステムに通信可能に結合されており、ヘッドエンドシステムから安全なヘッドエンド出力信号を受信する。1つの構成において、信号分配システムは、安全なヘッドエンド出力信号を複数のサービス信号に分割する信号分割器、ユーザ許可情報により許可された場合に、サービス信号を変調されたチャンネル信号に変換するための複数の信号デコーダ、および変調されたチャンネル信号を複合ユーザ信号に合成するいくつかの出力インタフェースを備える。
【0014】
各顧客インタフェース装置は、該当する複合ユーザ信号を受信し、エンドユーザ用にその信号をエンドユーザ信号に分割し、復調する。
ループスルー有線構造での別の有効な構成において、信号分配システムは、安全なヘッドエンド出力信号を複数のサービス信号に分割するための信号分割器、ユーザ許可情報により許可された場合、変調されたチャンネル信号にサービス信号を変換する複数の信号デコーダ、および変調されたチャンネル信号の全てを複数の複合ユーザ信号に合成する合成回路を含む。
【0015】
この構成において、ループスルー通信チャネルは、合成回路に結合されており、複数の複合ユーザ信号を受信する。ループスルー通信チャネルに結合する各顧客インタフェース装置iは、特定の顧客に対応するマルチメディア情報だけを送信可能にするフィルタを含むのが好都合である。
【0016】
システムアーキテクチャにおいて、柔軟性を向上させる必要がある場合に有効なさらに別の装置において、1つ以上のPOP(POP: point of presence、ポイント・オブ・プレゼンス、以下POPと呼ぶ)システムを含むマルチメディア通信システムについて説明する。POPシステムは、ヘッドエンドシステムと同様の方法で機能し、好ましくは無線通信リンクを通って、1つ以上の信号分配システムを介して1つ以上の顧客インタフェース装置へ安全にマルチメディア情報を分配するのに適合されている。
【0017】
信号分配システムは、1つ以上のノードを備え、おのおのがサービスモジュールに接続する1つ以上の通信回線を有していてもよい。サービスモジュールは、顧客通信装置からのサービス要求を制御し、許可するプロセッサを含むのが好ましい。
【0018】
本願明細書に組み込まれ、本発明の好適な実施形態を例示して本発明の原理を説明するのに役立ち、そして本開示の一部を構成している図と共に考慮すると、本発明のより完全な理解が、好適な実施形態と請求項の詳細な説明を参照しながら導き出されるであろうし、また同類の参照番号は、図の全体にわたって類似した部材を引用している。
【0019】
(特定の実施形態の説明)
本発明の典型的な実施形態を開示する図1について説明する。マルチメディア通信システム10は、信号収集および送信システム、すなわち回路11(または、「ヘッドエンドシステム」とも称する)と、信号分配システム、すなわち回路12により形成され、その両者は、好ましくは機密上安全な少なくとも1つのサイトに位置する。顧客インタフェースボックス14(ユーザ、または加入者サイト15に配置された)は、例えば、同軸ケーブル、光ファイバーケーブル、ツイストペアケーブル、または他の適切な広帯域伝送接続手段のような適切な接続ケーブル16で動作可能に信号分配システム12に接続されている。
【0020】
本発明の一実施形態によれば、ユーザサイトは、家庭、事務所、会社等であってもよい。このようなサイトは、一般的に安全が確保されたサイトではないので、マルチメディア通信システムヘッドエンドから受信する信号は盗用、または不正使用されやすい。機密上安全なサイトに位置する、本発明を具体化した固有の信号分配システムを利用することによって、ユーザサイトへの/からの信号は、ユーザが特に要求する信号に限定されるので、システムのセキュリティの本質的な改善が達成できる。さらにまた、以下に、より詳細に説明するように、付加的なセキュリティのために機密上安全なサイトからエンドユーザサイトへの信号チャネルをスクランブルしてもよい。
【0021】
信号収集またはヘッドエンドシステム11で、例えば、ケーブル信号、ブロードキャスト信号、ペイ・パー・ビュー(pay−per−view)信号、ビデオ・オン・デマンド(video on demand)信号、およびインターネット信号のような信号は、例えば、1つ以上の衛星ディッシュアンテナ18、1つ以上のオフ・ザ・エア・アンテナ(off the air antenna)19、および/または、信号をマスタヘッドエンドシステムから搬送する広帯域ケーブルソース20(図示せず)のような、さまざまなソースから受信されてもよい。さらに、信号収集またはヘッドエンド回路11は、電話網への1つ以上の接続21、およびインターネット接続等のようなコンピュータシステムサーバへの1つ以上の接続22を含むのが望ましい。
【0022】
当業者にとっては当然のことではあるが、ヘッドエンドシステム11を介したインターネット接続は、さまざまな方法で構築できる。例えば、ヘッドエンドシステム11は、標準電話回線、高速DSL(デジタル加入者線システム)回線、同軸ケーブル、光ファイバ接続、または他の適切な通信手段を介してISP(Internet service provider、インターネットサービスプロバイダ)に接続できる。しかし、ヘッドエンドシステム11とISP間で搬送されるデータ量によっては、ヘッドエンドシステム11とISP間の接続22は、例えば、同軸または光ファイバ接続のような広帯域接続となる。別の実施形態によれば、ヘッドエンドシステム11は、例えば、広帯域ケーブルソース20を介してヘッドエンドシステム11に接続しているサービスプロバイダのようなケーブル接続を介してISPに接続でき、または、ヘッドエンドシステム11いんたは、それ自身、ケーブル接続を介したインターネット接続サービスを提供するネットワークサーバ(図示せず)を含むことができる。
【0023】
本発明の実施形態によれば、信号収集またはヘッドエンドシステム11は、信号分配システムまたは回路12に通信接続24を介して出力信号を送信する。通信接続24は、いかなる適切な高速または広帯域接続であってもよいが、本発明の一実施形態によれば、通信接続24は、同軸ケーブル接続または光ファイバーケーブル接続からなる。信号分配システム12に接続24を介して送信される信号収集またはヘッドエンドシステム11からの出力信号は、信号収集またはヘッドエンドシステム11が生成するか、またそのさまざまなソースから受信する、電話、コンピュータデータ、およびシステム情報信号だけでなく、ビデオおよび/または複数のチャンネルのテレビジョン信号の組合せからなることが好ましい。信号収集またはヘッドエンドシステム11と信号分配システム12間で搬送される信号は、アナログ、デジタル、またはアナログとデジタルの組み合わせであってもよいが、好ましいのは、デジタル信号である。
【0024】
さらに、図1について説明すると、衛星ディッシュアンテナ18は、さまざまな衛星からのデジタル的に圧縮されたビデオ信号で変調されたアナログまたはキャリア信号を受信できる。本発明の一態様によれば、衛星アンテナ18が受信する信号は、アナログが好ましい。特に、アナログ信号は、約3.7〜約4.2GHz間の周波数範囲で衛星から受信される。アナログ信号は、それから、信号をLバンド周波数(約950〜約1450MHzまたはそれ以上)に変換する(図示せず)ローノイズ・ブロック・コンバータ(LNB: low noise block converter)に出力される。次に、信号は、Lバンド周波数に駐在している各チャンネルをベースバンド周波数に変換する1つ以上の統合受信機デコーダ(Integrated Receiver Decoder、IRD)25に出力される。このように、当業者にとっては当然であるが信号に駐在している各チャンネルあたり1個の統合受信機デコーダを有することが好ましい。変調器ビデオプロセッサ30は、統合受信機デコーダ25からの個々のベースバンドチャネルをケーブルシステムオペレータが選択するチャンネル(すなわちキャリア周波数)に変調する。さらに、料金を支払っている加入者だけが信号のスクランブルを解き、解読できるように信号を暗号化するか、さもなければ、信号をスクランブルするように変調器ビデオプロセッサを構成してもよい。
【0025】
衛星アンテナ18が受信する信号が、デジタル的に圧縮された信号で変調されたキャリア信号の場合には、信号は、2つの異なる方法で処理される、すなわち、1つの方法は、アナログ専用ケーブルシステムであり、他の方法は、デジタル、またはアナログ/デジタルケーブルシステムである。ケーブルシステムが純粋なアナログシステムの場合、またはケーブルオペレータがアナログチャネル配列上で特定のデジタルチャネルの分配を決定した場合、信号は、デジタル統合受信機デコーダ25をアナログ統合受信機デコーダの代わりに使用する場合は除いて、アナログ信号については上述の方法と同一に処理される。しかし、ケーブルシステムがデジタル機能を有し、ケーブルシステムオペレータがデジタル形式でデジタルチャネルを分配したい場合には、ケーブルトランスポートに適している統合受信機トランスコーダ(IRT: integrated receiver transcoder)を用いてデジタル変調およびQPSK変調からQAM変調へのエラー訂正プロトコルを変更してもよい。その後、変調器ビデオプロセッサ30は、所望のRFチャンネルポジションに、デジタル的に変調されたRF信号を変調する。
【0026】
一般的に、アンテナ19が受信するオフ・エア信号(off−air signal) 信号は、スクランブルされない。よって、本発明によれば、信号は、受信信号をベースバンドに復調し、その後ケーブルオペレータが選択したときに、適切な信号チャネルをケーブルシステムチャンネル周波数に再変調する復調器/変調器装置28に送信されるのが好ましい。さらに、当業者にとっては当然であるが、受信したオフ・エア信号チャネルがすでにユーザに送信する周波数である場合、復調器/変調器28は、復調も再変調もしないで単に信号を通過させるだけである。
【0027】
最終的に、広帯域接続20を介して受信した信号は、信号を衛星アンテナ18が受信したのと同一の方法で処理される。すなわち、信号は、復号されて、所望のチャンネル周波数に復調、再変調される。また広帯域接続20が広帯域インターネット接続性、例えば、DOCSIS(DOCSIS: Data−Over−Cable Service Interface Specification、ドクシス)や接続性に基づいた他の規格を使用したケーブルシステムインターネット接続性を提供している場合、ケーブルモデム伝送システムを変調器29とともに使用してもよい。すなわち、DOCSIS準拠システムのCMTS(CMTS: Cable Model Transmission System、ケーブルモデル伝送システム)またはケーブル接続性の他の適切なデータ伝送システムにならって変調器29を構成することもできる。
【0028】
変調器ビデオプロセッサ30と他のビデオ変調器/復調器28,29からの信号は、その後合成回路31で単一のビデオ信号に合成され、合計される。合成回路31は、アナログチャネルおよび/またはアナログチャネル上へ変調されデジタル的に圧縮したチャンネルを合成してもよい。単一のビデオ信号は、システムの顧客またはユーザが要求した、または受信可能なチャンネルの全てを備えるのが好ましい。例えば、合成回路31からの信号は、ローカル放送テレビチャンネル、ケーブルテレビチャンネル、ペイ・パー・ビュー方式チャンネル、およびビデオ・オン・デマンドチャンネルを備えてもよい。
【0029】
合成回路31からのビデオ出力信号は、その後アクセス制御システム32とデータパス変調器34に送信される。本発明の好適な実施形態によれば、アクセス制御システム32は、各チャンネルのユーザ許可を常時監視し続ける。例えば、ユーザがホームボックスオフィス(HBO: home box office)(登録商標)、ショータイム(Showtime)(登録商標)、ペイ・パー・ビュー方式チャンネル等のようなケーブルチャンネルを受信する権利を購入した場合、アクセス制御システム32は、これらのチャンネルを受信するユーザ許可を常時監視し続ける。各ユーザの許可情報は、アナログ信号として送信される場合、一般的に分離した周波数範囲の帯域外信号として、サービスモジュール40に送信される。各ユーザの許可情報が、デジタル信号として送信される場合、マルチメディアビットストリームに含まれる許可ビット形式で送信される。下記にさらに詳述のように、サービスモジュールは、その後許可情報を使用して、要求されたチャンネルを特定のユーザに送信するべきかどうか判定する。当業者にとっては当然であるが、アクセス制御システム32は、ユーザ許可情報を維持管理するための適切なコンピュータデータベースおよびシステムを備えてもよい。
【0030】
データパス変調器34は、システムメッセージ等のような他のデータと共に、ユーザ許可データを受信して特定のチャンネル周波数にそのデータを変調するように一般に構成されているハードウェアの市販品であるのが好ましい。当業者にとっては当然であるが、おそらく本発明の通信システムは、多数のユーザが利用するので、多量のユーザ許可データがサービスモジュール40に送信されることになる。したがって、実施形態において、個々のビデオ回線にチャンネル許可情報を追加するよりはむしろ、1つ以上の個々のチャネル搬送周波数上のシステムを介してその情報を送信する方が好ましい。
【0031】
データを適切な周波数に変調したあと、ビデオおよびデータ信号は、そうして信号セパレータ36に光ファイバまたは同軸ケーブル接続のような高速、広帯域接続35を介して送信される。電話接続21およびコンピュータ接続22を、同じように信号セパレータ36に供給してもよい。本発明の一実施形態によれば、信号セパレータ36は、ビデオ信号、システムデータ信号、電話信号、およびコンピュータ信号を含むフォワードパス信号を発生し、広帯域通信接続24を介してフォワードパス信号を分配システムまたは回路12に送信するのが好ましい。さらに、信号セパレータ36は、電話および/またはコンピュータ信号を通信接続24の逆方向またはリターンパス信号から抜き出し、電話接続21およびコンピュータ接続22上で電話音声信号および/またはコンピュータデータ信号を、それぞれ送信するのが好ましい。電話接続21は、適切であれば、地域加入者交換網のキャリア、または長距離交換網のキャリアに接続できる。また、コンピュータ接続22は、例えば、標準電話、高速電話(例えば、DSL、ISDN)、同軸ケーブル、光ファイバ等のような任意の適切な通信接続でもよい。
【0032】
図1に示すように、ヘッドエンドシステム11からの出力信号は、情報がアナログ形式、デジタル形式、または両者の組み合わせであれ、信号分配システム12に通信接続24を介して送信される。該信号分配システム12は、1つ以上のケーブルノード38および複数のサービスモジュール40を備えるのが好ましい。ノード38は、一般的に光ファイバ、同軸ケーブルシステム、またはそれらの組み合わせであって、システムの帯域要求条件を満たすように構成される。従来のケーブルシステムでは、このようなノードのそれぞれは、一般的に約50〜500人の顧客にサービスを提供するが、より好ましくは約100人の顧客にサービスを提供する。本発明によれば、各ノード38は、一般的に約10〜40個のサービスモジュールにサービスを提供し、各サービスモジュールは、約10〜40個のユーザサイトに順番にサービス提供する。
【0033】
ノード38で、光−電子(opto−electronic、O/E)変換器回路を使用して、信号を一般的に光ファイバから同軸形式(すなわち、光からRFに)に変換し、その後、サービスモジュール40に送信する。当業者にとっては当然であるが、信号をサービスモジュール40に出力できるように、その信号を、多くの信号分割器や結合器、および増幅器を介して送信してもよい。ノード38とサービスモジュール40間では、信号には、フォワードパスおよびリターンパスが含まれるので、分割器および増幅器は、デュアルパスを処理するように構成するのが好ましい。
【0034】
次の開示は、個々のノード38とサービスモジュール40を有する典型的な実施形態について言及しているが、当業者は、この特定のシステム構成を、ノード38とモジュール40の両方の機能性が組み合されたアーキテクチャを含む本発明の範囲内で変更できることを理解すべきである。実際は、ヘッドエンドとサービスモジュール間の物理的な距離が小さい場合には、システムにノードを含む必要はない。
【0035】
本発明の一実施形態によれば、サービスモジュール40とユーザサイト15の顧客インタフェースボックス14の間のフォワードパス通信(すなわちビデオ、およびフォワードパス電話とデータ)は、ベースバンド周波数、または接続16にわたるチャンネル2,3,4,5のような非常に低周波数のチャンネルのいずれかで発生するのが好ましい。
【0036】
また、当業者にとっては当然であるが、エンドユーザに送信されるデータは、個々のデータチャネル上で送信可能で、それは、ケーブルシステムやCMTSが判定するのが一般的である。接続16は、光ファイバ、同軸ケーブル、ツイストペア電話ケーブル、POTS(Plain Old Telephone Service、普通の電話サービス)電話ケーブル、または他の任意の適切な通信接続のような、任意の適当な接続で構成してもよい。さらに、複数の通信接続16は、サイト15とサービスモジュール40間にあってもよい。顧客インタフェースボックス14へのサービスモジュール40からの信号は、RFアナログ形式が好ましいが、しかし、その信号は、またデジタル形式ででも送信できる。例えば、デジタル信号は、顧客インタフェースボックス14に同軸接続を介して送信でき、またはデジタル情報を搬送するには、XDSL(XDSL: xDigital Subscriber Line)回線を使用できる。
【0037】
サービスモジュール40への顧客インタフェースボックス14からのリターンパスまたはリバースパス通信は、モデム66(図2参照)からの電話、コンピュータ、およびユーザ要求データから構成されるのが好ましく、また5〜50MHz間のキャリア周波数上へ変調するのが好ましい。代表的なDOCSIS準拠システムでは、CMTSは、戻り送信の周波数をコンピュータに接続しているケーブルモデムに通知する。以下により詳細に説明するように、顧客インタフェースボックス14は、内蔵型の知能をほとんど必要としないが、必要に応じてより高度なコンピュータ操作レベルにアップグレード可能である。
【0038】
顧客インタフェースボックス14の一実施形態のさらに詳細な図が示される図2について説明する。詳細には、顧客インタフェースボックス14は、インタフェースマルチプレクサ(MUX)58、モデム66、受信機68、プロセッサ70、およびディスプレイ装置71を備える。本発明の一実施形態によれば、サービスモジュール40からの信号は、接続16を介してインタフェース顧客インタフェースボックス14のマルチプレクサ58が受信する。顧客インタフェースボックス14、詳細にはインタフェースマルチプレクサ58は、次に接続59によって1つ以上のテレビジョン受信機60に順番に接続される。さらに、インタフェースマルチプレクサ58は、接続61,63によって、1つ以上の電話機62および1つ以上のコンピュータ64に、それぞれ、接続されている。
【0039】
インタフェースマルチプレクサ58は、フォワードパスからのビデオ信号(または複数の信号)にフィルタをかけ、接続59(複数の接続59)を介して1つ以上のテレビジョン受信機60に、それを送信するのが好ましい。同様に、インタフェースマルチプレクサ58は、フォワードパス電話、コンピュータデータ、およびシステムメッセージ信号にフィルタをかけて、それらをモデム66に送信する。最終的に、インタフェースマルチプレクサ58は、モデム66からのリターンパス情報を受信し、5〜50MHzのキャリアに変調して、キャリアをサービスモジュール40へリターンパスデータと共に返信する。また、信号を顧客インタフェースボックス14に送信する前に初めて暗号化、またはスクランブルした場合には、インタフェースマルチプレクサ58は、サービスモジュール40からの信号を解読し、スクランブルを解読する解読またはスクランブル解読回路を含むことができる。
【0040】
モデム66は、例えば、標準電話線モデム、XDSL互換モデム、DOCSIS準拠ケーブルモデム、または他のいかなる適切な通信モデムのような、任意の適当なモデムであってもよい。
【0041】
例示の実施形態によれば、電話機62、コンピュータ64、および受信機68からの情報は、モデム66を通過するのが好ましい。そのモデム66は、コンピュータデータ、電話音声情報、およびユーザ要求情報を適切な形式(すなわち、アナログまたはデジタル)に変換し、その情報をリターンパス周波数(例えば、5〜50MHZ)に変調する。例えば、サービスモジュール40と顧客インタフェースボックス14間で交信される信号がアナログ形式の場合、コンピュータ64からのデジタルコンピュータ信号は、好ましくは、通信接続16上でサービスモジュール40に送られる前に、モデム66によって、適切なリターンパス周波数に変調されるべきである。同様に、顧客インタフェースボックス14が受信するコンピュータ信号は、コンピュータ64またはプロセッサ70に送信される前に、デジタル形式に変換されるべきである。また、当業者にとっては当然であるが、サービスモジュール40と顧客インタフェースボックス14間の信号がたとえデジタル信号であっても、モデム66は、適切な周波数にリターンパス情報を変調するために依然として必要で、モデムは、例えば、XDSLまたは適切な他のデジタル通信手段が使用される場合に、リターンパス通信プロトコルを容易にするのにも必要である。
【0042】
図2に示すように、顧客インタフェースボックス14は、さらにユーザ要求信号を受信するための受信機68を備える。例えば、受信機68は、レーザダイオード、赤外線、またはRF遠隔制御装置のような遠隔制御装置からのユーザ要求およびメッセージ情報を受信するように構成されてもよいし、または受信機68は、信号源(図示せず)へのケーブル接続を有してもよい。このように、顧客インタフェースボックス14は、従来のハンドヘルド遠隔操作装置や他の類似の制御装置によって、アドレス指定が可能である。
【0043】
この特定の実施形態における顧客インタフェースボックス14の動作は、内部プロセッサ70が制御する。例えば、本発明の好適な実施形態によれば、プロセッサ70は、インタフェースマルチプレクサ58からテレビまたはディスプレイ60へのテレビまたはビデオ信号の転送を容易にする。さらに、プロセッサ70は、モデム66をインタフェースし、どのように音声およびコンピュータデータ情報を処理するかをモデムに指図することが好ましい。最終的に、プロセッサ70は、受信機68が受信したユーザ要求およびメッセージ情報をサービスモジュール40(モデム66を介した)に送信するのを調整して、ディスプレイ71上へのチャンネルおよびシステムメッセージ情報の表示を容易にするのが好ましい。この点に関しては、プロセッサ70は、LEDまたはLCDディスプレイドライバを組み込むのが好ましい。システムメッセージ情報は、サービスモジュール40を介したヘッドエンドまたはサービスプロバイダからの許可またはシステムメッセージだけでなく、課金情報を含むことができる。
【0044】
本発明の代わりの実施形態によれば、より低い知能を有するより安価な顧客インタフェースボックス14を使用できる。例えば、図3に図示したように、顧客インタフェースボックス14を遠隔制御装置からの信号を受信するインタフェースマルチプレクサ58および遠隔受信機68で構成できる。インタフェースマルチプレクサ58は、接続16を介したサービスモジュール40からの音声信号、データ信号、およびビデオ信号を受信して分割し、適切な位置にそれぞれの信号を転送するように構成できる。例えば、音声およびデータ信号は、通信モデム/マルチプレクサ66に送信し、ビデオ信号は、表示用にテレビジョン受信機に送信できる。図2に例示した顧客インタフェースボックス14について上記で説明したように、通信モデム66は、信号を適切なアナログまたはデジタル形式に変換後、音声信号を電話62に、データ信号をコンピュータ64に送信するのが好ましい。
【0045】
当業者にとっては当然であるが、図3は、テレビ60、電話62、およびコンピュータ64にそれぞれ送信される別々のビデオ、音声、およびデータ信号を示しているが、全ての信号をテレビ、コンピュータおよび/または電話として機能する単一のディスプレイ装置に送信することもできる。
【0046】
本発明の一実施形態によれば、ビデオ信号のビデオおよびオーディオ部分は、RFキャリア(例えば、チャンネル2、3、4、等)上に共に変調され、通信接続上でサービスモジュール40から顧客インタフェースボックス14に送信される。本発明の一態様において、信号のビデオ部分は、複合ビデオフォーマットで、信号の音声部分は、単一チャンネルの音声信号であって、それらを単一チャンネル上へ変調した2個のチャンネルのステレオ信号であってもよい。本発明のこの態様によれば、顧客インタフェースボックス14は、適切な通信接続(例えば、同軸ケーブルまたは他の適切な通信ケーブル)を介して、複合ビデオおよび音声信号をテレビ閲覧受信機、またはホームシアタやステレオシステムに送信できる。他の選択肢として、顧客インタフェースボックス14を、S−ビデオ(S−Video: Separated Video)(Y(輝度信号)/C(色差信号)ビデオとしても知られている)発生器および/またはステレオやサラウンドサウンド発生器で構成できる。本発明のこの態様によれば、適切なS−ビデオまたはY/Cビデオケーブル、および適切なステレオ接続ケーブル(図示せず)は、テレビまたはホームシアタシステム(図示せず)を顧客インタフェースボックス14に接続するために使用する。
【0047】
当業者にとっては当然であるが、S−ビデオまたはY/Cビデオジェネレータは、復号ビデオ信号からビデオ信号のY(輝度信号)およびC(色差信号)成分を切り離すのに適した適切な櫛形フィルタ機構を備えるのが好ましい。ステレオまたはサラウンドサウンド発生器は、単一の音声信号から2チャンネルまたは6チャンネルの信号を生成可能ないかなる適切なサウンドミキシングシステムをも備えることができる。サラウンドサウンド信号は、Dolby(商標) AC−3、ソニーダイナミックデジタルサウンド(Sony Dynamic Digital Sound)、デジタルシアタシステムズ(Digital Theater Systems)、または他のものでよい。
【0048】
本発明の別の実施形態によれば、S−ビデオおよび/またはステレオオーディオに信号を変換する顧客インタフェースボックス14の代わりに、サービスモジュール40が変換を実行できる。下記にこの特定の実施形態についてさらに詳細に説明する。
【0049】
分配システム12のさらに詳細な図、および特にサービスモジュール40を示す図4について説明する。上記のように、分配システム12は、複数のサービスモジュール40に接続する1つ以上のノード38を備えるのが好ましい。このようなノードは、フォワード信号およびリターン信号が、例えば、2個、4個または10個のサービスモジュールなどの複数のサービスモジュールに送信され得るように分割されるポイントである。
【0050】
本発明の好適な実施形態によれば、サービスモジュール40は、ヘッドエンドシステム11からの信号を受信し、それらの信号を顧客インタフェースボックス14を介して、ユーザサイト15にいる許可されたサービスを要求しているユーザに分配するように構成するのが好ましい。サービスモジュール40は、また、各ユーザの双方向電話およびコンピュータトラフィックを処理できる。各サービスモジュール40は、同時に、約5〜50のユーザ、好ましくは約20のユーザのような、多数のユーザにサービスを提供するように設計されている。
【0051】
本発明は、サービスモジュール40と顧客インタフェースボックス14との間のビデオ通信の全ては、テレビジョン帯域の1つ以上のチャンネル上で、一般には自身の顧客インタフェースボックス14を有する各テレビジョン受信機セットに対して1つのチャンネルで、起こるという前提に基づいている。チャンネルは、ベースバンドオーディオおよびビデオ信号、または低周波数チャンネル(例えば、2、3、4または5)のいずれかとして通信される。1つのみ、または2、3個のチャンネルが各ユーザサイト15に送信される結果、一度に盗用できるのは、ほんの2、3のチャンネルだけになり、盗用信号は減少し、信号盗用者は、正当なユーザが選択するチャンネルを見ている者に限定される。さらに、正当なユーザが自分のテレビジョン受信機をオフにすると、信号は顧客インタフェースボックスに送信されないので、信号の盗用は、ありえない。当然、この前提は、ヘッドエンドシステム11とサービスモジュール40間の全てのケーブル接続およびハードウェア装置が信頼できると仮定している。このようなセキュリティは、スクランブルと暗号化の高度な妨害アルゴリズムおよび他の形式を使用すると共に、全てのヘッドエンド、ノード、およびサービスモジュール機器に対して信頼できる建物および構成が提供されることで達成できる。サービスモジュール40で受信、処理されるビデオ信号は、アナログ信号、デジタル圧縮信号、またはその組み合わせでもよいことは、当業者にとって当然であろう。したがって、信号(すなわち、アナログまたはデジタル)の種類により、使用するスクランブル、妨害および/または暗号化技術の種類が指図される。さらに、付加的なセキュリティが必要な場合、サービスモジュール40とユーザサイト15との間の信号を、スクランブル、妨害および/または暗号化してもよい。
【0052】
サービスモジュール40は、アドレス指定可能なまたはプログラム可能なモジュールであるのが好ましく、ヘッドエンド11からノード38を介して、変調された複数のチャンネルを有する暗号化、スクランブル、妨害、および/または、周波数シフトした信号を受信する。サービスモジュール40は、その後、信号中のその被変調周波数から、ユーザ要求ビデオチャンネルをベースバンドに、次いで好ましくは低周波数チャンネルに変換し、それを要求ユーザに送信する。このように、本発明の好適な実施形態によれば、図4に模式的に示すようにかなり多くの知能およびシステムの意思決定状況がサービスモジュール40内で送信される。特に、サービスモジュール40は、同軸ケーブル、ファイバーケーブル等のような広帯域通信回線39を介して、信号をケーブルノード38に対して送受信する信号電力分割器41を含むのが好ましい。さらに、信号電力分割器41は、分割器接続44を介して、サービスモジュール40の個々のユーザ回路42に信号を増幅して、分配するのが好ましい。
【0053】
サービスモジュール40の個々のユーザセグメント(または回路)42は、各ユーザの個々の顧客インタフェースボックス14と通信するのが好ましい。このような各ユーザ回路42は、サービスインタフェースマルチプレクサ(MUX)45、出力インタフェースマルチプレクサ(MUX)46、通信サービスモジュール49、受信機デコーダ54、および変調器59を備えるのが好ましい。さらに、サービスモジュール40から顧客インタフェースボックス14への信号がスクランブル、または暗号化されている場合、各ユーザ回路42はスクランブルまたは暗号化回路も含む。スクランブルまたは暗号化回路は、ユーザ回路42内の独立した回路(または装置)でもよいし、または、スクランブルまたは暗号化回路は、他のコンポーネント(例えば、受信機デコーダ54、変調器59、出力インタフェースマルチプレクサ42、プロセッサ58等)のうちの1つの一部として構成してもよい。
【0054】
サービスモジュール40のサービスインタフェースマルチプレクサ45は、分割器41と分割器接続44を介して、ノード38からの通信信号を受信するように構成するのが好ましい。サービスインタフェースマルチプレクサ45は、ユーザの電話およびコンピュータトラフィックを処理する通信サービスモジュール49、またはビデオ信号を処理する受信機デコーダ54のいずれか一方を介して、順番に信号を出力インタフェースマルチプレクサ46に送信する。
【0055】
本発明のこの態様によれば、信号が電話またはコンピュータ信号を含む場合、サービスインタフェースマルチプレクサ45は、接続48を介して、信号の電話および/またはコンピュータコンポーネントを通信サービスモジュール49に送信するのが好ましい。ユーザが電話および/またはコンピュータ信号を受信することが許可されている場合には、通信サービスモジュール49は、その後、接続50を介して、信号を出力インタフェースマルチプレクサ46に送信する。このように、ユーザがこのようなサービスを認可されている場合には、通信サービスモジュール49は、実質的に電話および/またはコンピュータ信号の交信を許可する通信スイッチとして作用する。そうでなくて、ユーザが許可されていない場合には、通信サービスモジュール49は、通信を停止する。
【0056】
上記のように、ヘッドエンドシステム11からの信号は、アナログ信号、アナログチャネル上に変調されたデジタル信号、またはその両方の組み合わせでもよい。その形式に関係なく、ユーザがサービスを受信することが許可された場合には、電話および/またはコンピュータデータは、アナログチャネル上へ変調され、通信サービスモジュール49は、顧客インタフェースボックス14にデジタル信号および/またはアナログ信号を送信するのが好ましい。
【0057】
アナログであっても、スクランブルされたアナログであっても、またはデジタル圧縮およびコード化されていてもよい信号のビデオ部分は、接続52を介して、受信機デコーダ54に送信するのが好ましい。ビデオ信号を受信するとすぐに、受信機デコーダ54は、スクランブルを解き、または信号を解読して、ユーザが要求する特定のビデオチャンネルをその変調されたまたは圧縮波形からベースバンド周波数に変換する。一旦、信号がベースバンドに変換されると、受信機デコーダ54は、ベースバンドで接続55を介して、出力インタフェースマルチプレクサ46に信号を送信し得るか、または、受信機デコーダ54は、信号を所定の低周波数チャンネル(例えば、チャンネル2、3、4、または5)に再変調して、その周波数で信号を外部に送信し得る。
【0058】
下記にさらに詳細に説明するように、受信機デコーダ54は、変調器59を利用して選択されたチャンネルをその被変調周波数からベースバンド周波数に変換し、そして次に、適切な場合には、低周波数チャンネル出力に変換するのが好ましい。また、スクランブルまたは暗号化が要求される場合には、それらのスクランブルまたは暗号化はこの時点で実行され得る。スクランブルは、スペクトル反転(局部発振器および/または変調器によって実行される)、信号を未承認の受信機では看視できなくする同期抑制、またはその両方の技術の組み合わせでもよい。さらに、サービスモジュール40から顧客インタフェースボックス14への信号がデジタル信号の場合には、デジタル暗号化技術に基づいたソフトウェアおよび/またはハードウェアを使用してもよい。
【0059】
一旦、出力インタフェースマルチプレクサ46がアナログまたはデジタルビデオ、受信機デコーダ54および通信サービスモジュール49からの音声および/またはコンピュータ信号を受信すると、出力インタフェースマルチプレクサ46は、通信接続16を介して、信号を加入者またはユーザ顧客インタフェースボックス14に順番に送信する。さらに、加入者構内またはユーザサイトが、独立して同調される(すなわち、それ自身の顧客インタフェースボックスを有する)複数のテレビを有する場合、サービスモジュール40は、テレビジョン受信機あたり1台の受信機デコーダ54を有するのが好ましい。各受信機デコーダ54は、要求された各番組を各テレビから異なるチャンネル、例えば、チャンネル2、チャンネル3、チャンネル4またはチャンネル5に変調する。それらのチャンネルは、その後、同一出力インタフェースマルチプレクサ46によって、共に合成される。
【0060】
共通プロセッサ58が各ユーザ回路42のサービスインタフェースマルチプレクサ45、出力インタフェースマルチプレクサ46、受信機デコーダ54、通信サービスモジュール49、および変調器59を制御するのが好ましい。当業者にとっては当然であるが、プロセッサ58は、任意の適当なコンピュータプロセッサからなっていてもよく、さらに必要に応じて、メモリバス、ストレージバスおよび通信バス、およびインタフェースと共に構成され得る。本発明の一実施形態によれば、プロセッサ58は、特定のサービスモジュール40の各ユーザのすべての機能を制御するのが好ましい。例えば、プロセッサ58を、全ての課金情報を維持管理し、信号が盗用されていないことを確認するために日常点検を実行し、ユーザ要求を処理し、システム管理データおよび加入者メッセージの割り当てを制御し、デジタル暗号化処理を実行し、テレビおよび有料チャンネル番組情報を顧客インタフェースボックス14にダウンロードするようにプログラムまたは構成できる。さらに、プロセッサ58は、各家庭に関するセキュリティ情報を受信し、顧客インタフェースボックス14のデータポートに接続しているか、または、顧客インタフェースボックスデータポートに接続されているコンピュータに接続しているメータ読み取り回路と通信して、メータ読み取りのような機能を実行するように構成され得る。
【0061】
プロセッサ58は、制御信号をサービスモジュール40のさまざまなコンポーネントに送信して、サービスモジュールおよびシステムの動作を制御するのが好ましい。例えば、ユーザが特定のビデオチャンネル要求を送信する場合、この要求は、このサービス要求を認識してモジュール制御プロセッサ58に送信する出力インタフェースマルチプレクサ46に着信するのが好ましい。要求メッセージまたはコードは、顧客ID番号、および秘密コードまたはパスワードのようなさまざまな顧客情報だけでなく、チャンネル要求を含むのが好ましい。さらに、必要ならプロセッサ58をユーザからの付加的な識別情報を請求するようにプログラムされ得る。
【0062】
プロセッサ58は、チャンネル要求および顧客情報を受信すると、次に、プロセッサ58は顧客またはユーザが正当な顧客であることを確認すると共に、顧客が要求チャンネルの受信を許可されていることを確認する。顧客が許可チェックをパスした場合、プロセッサ58は、適切な同調信号を変調器59に、適切なスクランブル解読または復号化コマンドを受信機デコーダ54に送信する。
【0063】
当業者にとっては当然であるが、サービスモジュール40が受信するヘッドエンドシステム11からのビデオまたはテレビ信号は、1つ以上のスクランブル技術に従って、スクランブルまたは暗号化され得る。例えば、暗号化、同期抑制、スペクトル反転、妨害、非標準周波数変調、またはそれらの組み合わせを使用できる。さらに、信号が変調されるいくつかのチャンネルは、アナログおよび他のデジタルでもよい。したがって、ユーザ回路42は、信号を復号または解読し、アナログおよびデジタルチャネルの両方を同時に処理するように構成されるのが好ましい。例えば、ユーザ回路42は、信号のアナログ部分を処理するアナログ受信機デコーダ54と、信号のデジタル部分を処理するデジタル受信機デコーダ(またはトランスコーダ)を有してもよい。プロセッサ58は、スクランブル解読または復号化知能を含み、適切な復号方式に従って、復号処理方法に関する指示を受信機デコーダ54(およびデジタルトランスコーダ)に発行するのが好ましい。また、サービスモジュール40から顧客インタフェースボックス14へのこの信号がスクランブルされることになっている場合、プロセッサ58は、スクランブル技術を指図して、スクランブル処理を管理する。
【0064】
デジタル圧縮ビデオ信号では、一般的に、6〜10チャンネルが約6MHzのRF信号に同時に圧縮される。したがって、ユーザ回路42のデジタル受信機デコーダ54が、デジタル圧縮信号を受信した場合には、デジタル受信機デコーダ54は要求チャンネルを搬送するデジタル圧縮信号のグループを選択する。その後、受信機デコーダ54は、好ましくは変調器59を使用して、チャンネルグループをその被変調周波数からベースバンドに復調して圧縮チャンネルを解凍するのが好ましい。次に、チャンネルがヘッドエンドで暗号化されている場合、受信機デコーダ54は、チャンネルを解読し、ユーザが要求した1つのチャンネルを選択するのが好ましい。受信機デコーダ54は、その後、クリーンチャンネルを出力インタフェースマルチプレクサ46にベースバンドで送信するか、または、受信機デコーダは、信号を好ましくは変調器59を使用して、目的の低周波数チャンネル(例えば、2、3、4、5)に再変調する。その後、出力インタフェースマルチプレクサ46は、信号を顧客インタフェースボックス14に送信する。当業者にとっては当然であるが、デジタル受信機デコーダは、DES(DES:data encryption standard、データ通信用暗号標準)のような非同期暗号化または同期暗号化を含む任意のデジタル暗号化技術の処理にも適していることが好ましい。
【0065】
アナログビデオ信号については、一般的に1つのチャンネルは、6MHz帯域のRF信号に変調される。このように、ユーザ回路42のアナログ受信機デコーダ54がアナログ信号を受信する場合には、アナログ受信機デコーダ54はアナログ信号をその被変調周波数からベースバンドに、好ましくは変調器59を使用して変換する。ヘッドエンドシステムでベースバンドスクランブルまたは妨害を使用する場合には、受信機デコーダ54は、チャンネルのスクランブルを解いて、ベースバンドで、クリーンチャンネルを出力インタフェースマルチプレクサ46に送信するのが好ましい。他の選択肢として、受信機デコーダ54は、好ましくは変調器59を使用して信号を目的の低周波数チャンネル(例えば、2、3、4、5)に再変調し、その後、低周波数チャンネルを出力インタフェースマルチプレクサ46に送信することもできる。出力インタフェースマルチプレクサ46は、その後、顧客インタフェースボックス14に信号を送信する。当業者にとっては当然であるが、アナログ受信機デコーダは、ヘッドエンドシステムで使用されるRF、または裾板スクランブルまたは妨害を含むスクランブル技術のいかなるタイプの処理にも適合されていることが好ましい。当業者にとっては当然であるが、RFスクランブルまたは妨害を使用する場合、受信機デコーダ54は、チャンネルをベースバンドまたは低周波数チャンネル(2、3、4、等)に変換する前に信号のスクランブルを解く。また、変調器59は、所望のチャンネルを低周波数チャンネルに変換する前に、同チャンネルをベースバンドに変換する代わりに、先ずチャンネルをベースバンドに変換せずに、チャンネルをその被変調周波数から低周波数チャンネルに直接変換するように構成され得る。
【0066】
許可処理中、その顧客が無効な顧客または権限がない顧客の場合、プロセッサ58は、システム管理データバスを介して、ヘッドエンドシステム11にアラームを送信し、無効な顧客がポートに存在することをヘッドエンドシステムに通知することが好ましい。またその後、プロセッサ58は、その特定のユーザポート42の変調器59をオフにして、ヘッドエンドシステムがその不法な要求の問題を解決するまで、実質的にポートを使用禁止にする。一旦、問題が修正されると、ヘッドエンドシステム11は、ヘッドエンドシステムからローカルまたは遠隔でポートを復帰させる。
【0067】
本発明のさらなる態様によれば、自分が受信を許可されていないチャンネルを顧客またはユーザが要求した場合、プロセッサ58は、ユーザが無効なチャネルまたは権限がないチャンネルを要求したことをユーザに通知するシステムメッセージを、そのユーザの顧客インタフェースボックス14に送信することが好ましい。そのメッセージは、顧客インタフェースボックス14のディスプレイ71(図2参照)またはテレビジョンスクリーン上に表示されることが好ましい。
【0068】
本発明のさらに別の態様によれば、ユーザがペイ・パー・ビュー(番組有料視聴制)またはビデオ・オン・デマンドの映画や機能を要求した場合、プロセッサ58は、ユーザがそのための充分な信用を有するかをチェックし、識別する。これは、いくつかの方法で実行できる。例えば、プロセッサ58は、プロセッサ58のローカルメモリに保持され、ヘッドエンド11が定期的に更新するユーザの信用調査書またはユーザの支払い履歴をチェックし得る。ユーザが充分な信用格付けまたは適切な支払い履歴を有する場合、プロセッサ58は、要求を許可してユーザに料金を請求するが、層でない場合には、プロセッサ58は、要求を拒絶してユーザにメッセージを送信して拒絶理由を通知する。さらに、ユーザが任意の有料チャンネルを要求する際に前払いをしなければならないように、システムを設定することもできる。したがって、ユーザは、該システム内に支払い信用口座を有することが好ましい。ユーザが利用できる十分な信用を有する場合、プロセッサ58は、有料チャンネルの要求を許可してユーザの信用口座の借り方に記入し、そうでない場合には、プロセッサ58は、要求を拒絶してユーザにメッセージを送信して理由を通知する。
【0069】
他のビデオチャンネルと同様に、有料チャンネル要求が許可された場合、プロセッサ58は、受信機デコーダ54にビデオ信号ストリームから有料チャンネルを選択するように指示し、変調器59は、有料チャンネルをその被変調周波数からベースバンドに変換後、ユーザの顧客インタフェースボックス14(例えば、ベースバンドまたはチャンネル2、3、4、5等)に送信するための適切な周波数に変換する。
【0070】
本発明のよりさらなる態様によれば、プロセッサ58もまた、親制御および他のフィルタ機能を含むことが望ましい。例えば、プロセッサ58は、ある選択されたビデオチャンネルを受信する子を除外するようにプログラムされ得る。したがって、除外されたチャンネルを受信する親については、親は、その親がチャンネルを受信可能となる秘密コードを入力することが好ましい。
【0071】
本発明のさらに別の態様によれば、顧客インタフェースボックス14またはユーザのテレビジョン受信機がオフに切り替わると、プロセッサ58は、接続16および出力インタフェースマルチプレクサ46を介してサインオフ信号を受信し、顧客インタフェースボックス14への信号を遮断することが好ましい。これは、正当な加入者が視聴していないときに、誰かがケーブルに不法侵入して、ビデオチャンネルを視聴することから効果的にシステムを防御する。
【0072】
ユーザまたは顧客が電話通話をしようとする場合、顧客インタフェースボックス14は、アクセスされる通話要求メッセージおよび電話番号を有する信号のリターンパスをフォーマットすることが好ましい。プロセッサ58は、その後、通話要求を受信して、ユーザが通話サービスの受信が許可されているかをチェックする。許可されている場合、プロセッサ58は、顧客の通話接続をヘッドエンドシステム11に接続するコマンドを、通信サービスモジュール49に、あるいは、光ファイバーケーブル、同軸ケーブル、ツイストペア電話回線、または衛星または移動電話接続のような適切な通信接続を経て、PBX(Public Branch Exchange)または長距離キャリアに直接送信する。上記のように、電話通話がヘッドエンドシステム11に接続される場合、電話通話は、ノード38への接続39のリターンパスを介して、およびヘッドエンドシステム(図1参照)への接続24を介してノード38からヘッドエンドシステムに通信されることが好ましい。
【0073】
同様の方法で、ユーザがデータまたはインターネットサービスアクセスを要求する場合、プロセッサ58は、通信接続16のリターンパスを介して顧客インタフェースボックス14からサービス要求およびユーザ情報を受信する。再度、プロセッサ58は、顧客がこのようなサービスが許可されているかを確認する。許可されている場合には、プロセッサ58は、例えば、接続22または広帯域接続20を介して、通信サービスモジュール49に対して通信装置14と接続するように、そして特にコンピュータ64に対してヘッドエンドシステムのコンピュータまたはインターネット接続へ戻るリターンパスに接続するように指示する。
【0074】
本発明の一実施形態によれば、サービスモジュール40の各ユーザ回路42のサービスインタフェースマルチプレクサ45を、ヘッドエンドシステム11に対する順方向の信号と逆方向の信号とを分離するように構成することが好ましい。ヘッドエンドシステム11からの信号は、一般的にアナログ形式、デジタル圧縮形式、または両方の組み合わせの形式でもよいさまざまな暗号化されたテレビ放送、ケーブル、および有料チャンネルからなる。ヘッドエンドシステム11からの信号は、また、さまざまなサービスモジュールまたは個々の加入者へのグローバルなおよび/または個々のメッセージまたは命令だけでなく、顧客のコンピュータおよび/または電話通信のフォワードパスデータを含むことができる。これらのフォワードパス信号は、50MHzより高い周波数に変調されるのが一般的である。DOCSIS準拠システムでは、順方向データチャネルは、システムが事前に指定する6MHzの周波数範囲である。
【0075】
サービスモジュールからヘッドエンドシステムへの逆方向またはリターンパス信号は、顧客サービス要求、ペイ・パー・ビュー番組要求およびシステム管理データ(例えば、修理、メンテナンス、およびユーザまたはサービスモジュールからのステータス情報メッセージ)だけでなく、ユーザからの電話およびコンピュータ通信からなるのが一般的である。本発明の好適な実施形態によれば、リターンパス信号は、40MHzより低い周波数、より詳細には約4MHz〜40MHzで通信されるのが一般的である。
【0076】
本発明のこの態様によれば、サービスインタフェースマルチプレクサ45は、フォワードパスにおける50MHzハイパスフィルタ、およびリターンパスの50MHzローパスフィルタを有し、その結果、信号のフォワードパスおよびリターンパスを分離することが好ましい。さらに、サービスインタフェースマルチプレクサ45は、出力電話および/またはコンピュータ通信信号、およびリターンパスデータブロックへのシステム管理データを合成して、リターンパス情報またはデータを適切なリターンパス周波数にフォーマットまたは変調し、リターンパス信号を生成またはフォーマットするように構成され得る。
【0077】
しかし、本発明に記載の一実施形態によれば、サービスインタフェースマルチプレクサ45は、ヘッドエンドシステム11へのリターンパスをフォーマットするように構成されるが、当業者であれば、他のモジュールまたはサービスモジュール40のコンポーネントが、リターンパスデータをフォーマットするように構成され得ることを理解するであろう。例えば、プロセッサ58および/または受信機デコーダ54を、リターンパスデータを合成してフォーマットするようにも使用できる。このように、本発明は記載の実施形態に限定されるものではない。
【0078】
出力インタフェースマルチプレクサ46は、本質的に、サービスインタフェースマルチプレクサ45と同様であり、類似したローパスフィルタおよびハイパスフィルタを備えることが好ましい。上記のように、顧客が特定のビデオまたはテレビチャンネルを要求すると、プロセッサ58は、受信機デコーダ54(および変調器59)に対して、ビデオチャンネルをその被変調周波数から信号のベースバンド周波数に変換し、信号を解読またはスクランブルを解き、次に、ベースバンドまたは低チャンネル周波数(好ましくはチャンネル2、3、4、5)で信号を送信するように指図する。したがって、サービスモジュール40からユーザサイトへのフォワードパス信号のビデオ部分は、各顧客インタフェースボックス14に対して1つのチャンネルのみを備えることが好ましい。さらに、顧客インタフェースボックス14へのフォワードパス信号の電話およびコンピュータ情報の部分は、1つ以上のフォワードパスチャンネルの垂直帰線消去期間(VBI: vertical blanking interval)において搬送されてもよいし、または、電話およびコンピュータ情報は1つ以上のフォワードパスチャンネルにフォーマットされてもよい。
【0079】
本発明の一実施形態によれば、サービスモジュール40から顧客インタフェースボックス14に送信される信号のビデオ部分は、複合ビデオ形式で、信号の音声部分は、単一の音声チャンネル信号であって、両方とも同一RF周波数帯に同時に変調される。しかし、本発明の他の実施形態によれば、サービスモジュール40、特にユーザ回路42は、顧客インタフェースボックス14にS−ビデオ(また、Y/Cビデオとも呼ばれている)信号および/または2チャンネルステレオまたは6チャンネルサラウンド音声信号を送信するのに適している。本発明のこの特定の態様によれば、サービスモジュール40は、S−ビデオ(Y/Cビデオ)信号に、複合ビデオ信号を変換する回路を含むことができる。
【0080】
例えば、複合ビデオ信号からYおよびCコンポーネントを抽出するのに適切な櫛形フィルタを使用できる。しかし、S−ビデオ信号が単一の複合信号の代わりに2つの独立したビデオ信号コンポーネントを備えているので、2つの信号(YおよびCコンポーネント)を、単一の被変調周波数に変調すべきはでない。このように、本発明の好適な実施形態によれば、YおよびCビデオ信号コンポーネントのそれぞれは、独立した変調周波数帯に変調され、独立したチャンネルとして顧客インタフェースボックス14に送信され得る。
【0081】
同様に、ステレオモード(2チャンネル)またはサラウンドサウンドモード(6チャンネル)のビデオ信号の音声部分を転送するために、サービスモジュール40は、ステレオのための2つの音声チャンネル、またはサラウンドサウンドのための6つの音声チャンネルを生成する回路を生成するステレオまたはサラウンドサウンドを含むことが好ましい。S−ビデオ信号と同様に、複数オーディオチャンネルを独立した変調された周波数帯で顧客インタフェースボックス14に送信することが好ましい。このように、同一変調帯域に独立したチャンネルを合成することで、ステレオまたはサラウンドサウンドオーディオの分離が消失することはない。
【0082】
本発明のこの特定の実施形態によれば、顧客インタフェースボックス14は、独立した周波数帯で送信されるビデオ信号の各ビデオおよび/またはオーディオコンポーネント用の復調器を含むことが好ましい。例えば、サービスモジュール40からのビデオ信号がS−ビデオ信号および2チャンネルステレオ音声信号として送信される場合、該ビデオ信号は、4つの独立した周波数帯、すなわち、1つはYビデオコンポーネント、1つはCビデオコンポーネント、1つは右ステレオ音声チャンネル、および1つは左ステレオ音声チャンネルに変調される。このように、顧客インタフェースボックス14は、各構成要素を復調するために少なくとも4つの復調器を含む。各構成要素をベースバンドに復調後、顧客インタフェースボックス14は、適切な接続を使用して、信号をテレビジョン受信機および/またはホームシアタシステムに送信する。例えば、S−ビデオ信号は、S−ビデオケーブルを使用してテレビジョン受信機に送信されるのが好ましく、ステレオチャンネルは、適切な音声接続(例えば、RCAコネクタを有するケーブル等)を使用してテレビジョン受信機またはステレオシステムに送信される。
【0083】
本発明の他の実施形態によれば、ユーザサイトが複数のテレビを有する場合、そのユーザサイトは、複数の、すなわち各テレビジョン受信機に対して1つの顧客インタフェースボックス14を有することができる。ユーザサイトは、一般的にサービスモジュール40へ1つの通信接続を有するだけなので、各テレビジョン受信機がユーザサイトの他のテレビジョン受信機と異なるビデオ信号を表示するためには、複数ビデオチャンネルをユーザサイトに送信しなければならない。各テレビジョン受信機およびそれに関連する顧客インタフェースボックス14の1つのチャンネルは、通信接続16を介してユーザサイトに送信されることが好ましい。したがって、このような構成を提供するには、各テレビジョン受信機に関連付けられるこのような各顧客インタフェースボックス14は、異なるチャンネル、例えば、2、3、4、5等、に同調されなければならず、ユーザサイトへのフォワードパス信号は、多重チャネル信号(各装置について1つのチャンネル)を含む。さらに、各顧客インタフェースボックスは、そのユーザが同調できるチャンネルを制限にするように構成され得る。
【0084】
サービスモジュール40からの信号がS−ビデオおよび/またはステレオ音声形式の場合、その家庭の各テレビジョン受信機は、複数の周波数帯、すわなち、そのテレビジョン受信機のビデオ信号の各コンポーネントに対して1つの周波数帯を受信することが好ましい。
【0085】
さらに、本発明の他の実施形態によれば、独立した顧客インタフェースボックス14を有するホームの各テレビジョン受信機の代わりに、単一の顧客インタフェースボックス14を、多重信号、好ましくはホームの各テレビジョン受信機に対して1つの信号を受信するように構成できる。この特定の実施形態によれば、顧客インタフェースボックス14のインタフェースマルチプレクサ58は、ホームの各テレビジョン受信機の全ての要求チャンネルを、サービスモジュール40から受信するように構成されるのが一般的なので、独立したテレビジョン受信機の独立したチャンネル要求を処理する以外に付加的な顧客インタフェースボックスの必要性はない。このように、顧客インタフェースボックス14は、複数の遠隔制御装置からのRFまたは他の送信を受信するように構成され得、家庭で付加的な顧客インタフェースボックスを必要とせずに、各個々のテレビに関連した遠隔制御装置は、リモートコントローラに関連するテレビのチャネル入力を制御できる。
【0086】
上記のように、顧客インタフェースボックス14は、サービス要求情報、およびコンピュータおよび電話情報を、適切な場合には、接続16のリターンパスを介してサービスモジュール40と通信することが好ましい。例えば、標準の同軸ケーブル通信接続の典型的なリターンパスは、約4MHz〜40MHzの周波数範囲である。しかし、本発明の別の実施形態によれば、リターンパスは、約50MHz〜500MHzのチャンネル周波数範囲の1つのような、より高い周波数範囲で構成され得る。サービスモジュール40と顧客インタフェースボックス14間の通信接続16がXDSL接続を備える場合には、ビデオおよび音声信号を、サービスモジュール40から顧客インタフェースボックス14にベースバンドで送信できる。本発明のこの特定の実施形態によれば、その後、顧客インタフェースボックス14からサービスモジュール40へのリターンパスは、ほぼDC〜約128KHzになる。
【0087】
本発明の他の実施形態によれば、通信接続16のリターンパスを介してサービスモジュール40と通信する顧客インタフェースボックス14の代わりに、顧客インタフェースボックス14は、独立した通信接続を介してサービスモジュール40と通信してもよい。例えば、サービスモジュール40への顧客インタフェースボックス14からのサービス要求、データ、および電話信号は、標準電話線またはPCSのような他の通信接続システム、セルラシステム、ローカルマルチポイント分配システム(LMDS:local multi−point distribution system)等を介して発生してもよい。また、サービスモジュール40は、類似した方法でヘッドエンドシステム11と通信できる。このように、本発明は、標準の同軸ケーブルまたは光ファイバ接続のリターンパスを使用することに限定されない。
【0088】
上記のように、顧客インタフェースボックス14からサービスモジュール40へのリターンパスは、ユーザのコンピュータ、出力電話信号、およびユーザサービス要求からデータを搬送するように構成することが好ましい。しかし、さらに、本発明の他の実施形態によれば、最終的に、顧客のコンピュータをベースバンドで情報を受信するように構成すると、サービスモジュール40からユーザサイトへの独立した接続は、サービスモジュール40からコンピュータへ独立したベースバンド出力を搬送できる。このような接続は、ユーザサイトとサービスモジュール間の他のデータおよびテレビジョン信号を妨害しないように独立したケーブルファイバまたは銅線接続であってもよい。コンピュータは顧客インタフェースボックスに接続されないで、モデム等を介して直接この接続に接続され得る。
【0089】
図4に示すように、通信サービスモジュール49の主な機能は、ユーザの要求に応じて全ての音声およびデータ通信を処理することである。上記のように、データが適切にフォーマットされてサービスモジュール40に送信されるように、ユーザの顧客インタフェースボックス14は、モデムを内蔵するかまたは接続する。したがって、プロセッサ58が電話および/またはコンピュータサービス要求を許可する場合、通信サービスモジュール49は、スイッチとして作用し、電話および/またはコンピュータ通信は、サービスインタフェースマルチプレクサ45に、最終的にはヘッドエンドシステムに転送される。
【0090】
上記のように、4〜40MHz帯域において、コンピュータおよび電話情報は、高周波専用チャネル(すなわち>50MHz)をサービスモジュール40から顧客インタフェースボックス14まで、フォワードパスで搬送され、またはそれらの情報は1つ以上のビデオチャンネルの垂直帰線消去期間(VBI)にコード化され得る。
【0091】
本発明の一実施形態によれば、フォワードパスデータは、ヘッドエンドからサービスモジュール49に、その後DOCSISシステムまたは他の適切なデータオーバケーブルシステムを使用して顧客インタフェースボックス14に送信される。本発明のこの態様によれば、ヘッドエンドは、特定の周波数にフォワードパスデータ(すなわち、ヘッドエンドからサービスモジュールを介してエンドユーザ顧客インタフェースボックスまで)を変調し、リターンパスデータ(すなわち、ユーザコンピュータから顧客インタフェースボックスを介してサービスモジュールまで)を復調する変復調装置を含むCMTSを有する。CMTSは、また、ローカル的に、または広域ネットワークを介した遠隔インターネットバックボーンPOPに着信するかのいずれかで、ケーブルシステムとインターネットバックボーン間のインタフェースを提供する。CMTSは、データを一般的に50MHzより高い周波数に変調した後、リターンパス(一般的に4〜40MHz)として使用すべき周波数をケーブルモデムに通信する。
【0092】
データがサービスモジュール40に着信すると、通信サービスモジュール49は、データ信号をサービスモジュール40に接続する各顧客インタフェースボックス14に送信する。顧客インタフェースボックス14内にあるか、または顧客インタフェースボックス14に接続されているDOCSIS準拠のケーブルモデムは、その後、その特定のユーザを目的としたデータ信号の一部を抽出する。当業者にとっては当然であるが、サービスモジュール40に接続される各顧客インタフェースボックスおよびケーブルモデムは、単にその特定のエンドユーザのデータだけでなく、全てのデータ信号(すなわち、サービスモジュールに接続される全てのユーザのデータ)を受信する。本発明のこの態様によれば、ケーブルモデムは、複合データ信号からその特定のエンドユーザのためのデータを抽出するように構成される。
【0093】
リターンパスとして、ケーブルモデムは、リターンデータをCMTSが決定する周波数(一般的に40MHzより低い周波数)に変調する。リターンパスデータは、顧客インタフェースボックス14からサービスモジュール40に送信される。サービスモジュール40で、通信サービスモジュール40は、ヘッドエンドのCMTSにリターンパスデータを送信する。
【0094】
ケーブル電話も、同様の方法で処理される。サービスモジュール40の通信サービスモジュール49は、ヘッドエンドと各顧客インタフェースボックス14間の電話通信を送信する。本発明のこの態様によれば、顧客インタフェースボックス14は、ケーブル電話機能を処理するためのケーブル電話網インタフェース装置(NID: Network Interface Device)を備えることができる。
【0095】
本発明の他の実施形態によれば、サービスモジュール40と顧客インタフェースボックス14のユーザモデム66間のデータおよび電話通信は、電話線等のような独立した専用の双方向通信回線でよい。この場合、通信モジュール49は、上述のように、同一方法でフォワードデータおよびリターンデータの両方を処理する。同様に、このシステムは、サービスモジュール40と顧客インタフェースボックス14間のフォワードパス通信が通信回線16を介し、かつ顧客インタフェースボックス14からサービスモジュール40へのリターンパス通信がツイストペア電話線(POTS、XDSL等)などのような独立した通信回線を介するように構成され得る。
【0096】
図5を参照して、サービスモジュール40の他の実施形態を例示する。本発明のこの特定の実施形態によれば、サービスモジュール40は、エンドユーザにビデオサービスを送信するようにのみ構成されることが好ましい。この方法では、サービスモジュール40は、サービスモジュール40に接続する各エンドユーザテレビ用の統合受信機デコーダ54を含む。この特定の実施形態のサービスモジュール40は、複数の商業的に入手可能な統合受信機デコーダで構成できる。しかし、多くの商業的に入手可能な統合受信機デコーダは、赤外線遠隔制御装置からのコマンドを受信する。したがって、プロセッサ58が、統合受信機デコーダ54と通信するためには、赤外線送信機86を使用することが好ましい。プロセッサ58は、通信接続88を介してコマンドを赤外線送信機86に送信し、送信機86は、赤外線伝送を使用して、統合受信機デコーダ54とコマンドを通信する。統合受信機デコーダ54がプロセッサ58からのコマンドを受信し、特定のビデオチャンネルを選択、送信する場合には、統合受信機デコーダ54は、要求チャンネルを選択し、その要求チャンネルを解読またはスクランブルを解き、その要求チャンネルをベースバンドまたは低周波数チャンネルに変換し、その後、関連する顧客インタフェースボックス14に送信するために、そのチャンネルを出力インタフェースマルチプレクサ80に送信する。図5に示すように、サービスモジュール40は、全ての統合受信機デコーダ54用の単一の出力インタフェースマルチプレクサ80を備えるか、または、各統合受信機デコーダ54は、その統合受信機デコーダに関連付けられた自身の出力インタフェースマルチプレクサ80を有してもよい。これにより、商業的に入手可能な統合受信機デコーダの使用が、既存の配線を使用するのと同一の目的を達成できる。
【0097】
本発明の他の実施形態が示される図6について説明する。この特定の実施形態によれば、マルチメディア通信システム100は、アパートメントハウス、タウンホーム、複数または単一家族の家の集落または群、オフィスビル、キャンパス、または単一アンテナまたは共通グループアンテナを利用するユーザの他の任意のグループのような、集合住宅ユニット(Multiple Dwelling Units)または共用アンテナ集合建築物(Shared Antenna Complexes)に属する顧客またはユーザにさまざまなサービスを分配するように構成され得る。
【0098】
当業者にとっては当然であるが、各ユニットに個々の衛星アンテナを付加することは困難または不可能なので、集合住宅ユニット集合建築物または共用アンテナ集合建築物に住む人の家庭に直接衛星通信を分配することは困難である。したがって、この問題を解決するために、ある共用アンテナ集合建築物では、共用アンテナ集合建築物の所有地の屋根または他の場所に単一アンテナまたはグループアンテナを配置して、個々の居住ホームに信号を送信する。アンテナは、18インチKuバンドアンテナ、30インチ中間出力アンテナ、またはさらに大きいC−バンドテレビ受信専用(TVRO:television receive only)アンテナが一般的である。
【0099】
これらのシステムは、各住居の装置に独立した高価な受信機デコーダが必要で、システムのコストが高くなり、したがって、従来のケーブルテレビシステムとの競合が困難という問題を抱えている。さらに、現在のシステムは、付加的な電話およびコンピュータアクセスサービスを提供する手段をもたない。したがって、合理的費用で共用アンテナ集合建築物の顧客に衛星テレビ、ローカルテレビ、電話、およびコンピュータサービスを提供できるシステムを有することが望ましい。
【0100】
図6に示すマルチメディア通信システム100は、このようなサービスを提供するように構成されている。特に、マルチメディア通信システム100は、1つ以上のマスタアンテナ102、ローノイズブロック(LNB: low noise block)コンバータ104、マルチプレクサ(MUX)106、出力分割器回路108、複数の信号増幅器110、および1つ以上のサービスモジュール112を備える。
【0101】
本発明の一実施形態によれば、マスタアンテナ102は、直接放送衛星(DBS:direct broadcast satellite)ビデオサービスプロバイダからの、さまざまな暗号化されたテレビ番組チャンネルを受信するように構成される。ビデオチャンネルは、ペイ・パー・ビューおよびビデオ・オン・デマンドサービスだけでなく、さまざまなケーブルチャンネルからなる。アンテナ102が受信するビデオ信号は、Ku周波数帯における500MHzのバンド幅または1000MHzのバンド幅信号であることが好ましい。LNBコンバータ104は、信号を受信して、その信号をLバンド周波数範囲、約950〜1450MHzおよび1450〜2050MHzに変換する。この500〜1000MHzバンド幅信号は、約20〜40のトランスポンダスロットに分割され、各トランスポンダスロットは、アナログビデオチャンネルまたは約1〜20個のデジタル圧縮ビデオチャンネルを搬送できる。各トランスポンダスロットは、約25〜50MHzからなるのが好ましく、約36MHzの周波数帯は、なお好ましい。
【0102】
LNBコンバータ104からは、アナログおよび/またはデジタル圧縮ビデオ信号がマルチプレクサ106に送信され、上記でより詳細に説明したように、マルチプレクサ106はリターンパス信号からの下り信号を分離する。マルチプレクサ106からは、出力分割器回路108を介して信号が送信され、出力分割器回路108は、信号を複数の信号、好ましくは、各フロアまたは2つのフロア、タウンハウスグループ、またはアパートのグループ(例えば、クラスタホーム、ガーデンアパート等)あたり1個の信号に分割して、増幅する。その後、別々に分割されたそれぞれの回線からの出力は、特定のフロアまたはグループの1つ以上のサービスモジュール112に送信される。当業者にとっては当然であるが、信号をさまざまなフロアまたはホームグループ上のさまざまなサービスモジュール112に送信するときには、信号を送信する度に、増幅することが望ましい。したがって、図6に示すように、信号は、1つ以上の信号増幅器110を通過してもよい。信号増幅器110の数および場所は、共用アンテナ集合建築物の固有の構成に依存する。
【0103】
本発明の他の実施形態によれば、アンテナ102およびLNB104からの信号を、電気−光学コンバータ(図示せず)を使用して光学信号に変換し、さまざまなフロア上のまたは他の比較的信頼できる場所のサービスモジュール112に、ファイバーケーブルで送信してもよい。その後、サービスモジュール112は、光学的信号を電気的信号に再変換し、適宜その信号を処理するように構成されることが好ましい。
【0104】
例示の実施形態によれば、サービスモジュール112は、図4に関して上記に説明したサービスモジュールと同様である。したがって、サービスモジュール112を、ビデオ信号をアナログ形式、デジタル圧縮形式、またはその両方の形式で受信するように構成してもよい。一般的に衛星からの信号であるデジタル圧縮信号を処理する場合、サービスモジュール112は、デジタル圧縮ビデオ信号を解凍する回路を含む。本発明のこの態様によれば、サービスモジュール112は、約10〜20個の統合受信機デコーダまたは統合受信機デコーダチップセット(本願明細書では統合受信機デコーダとして同義に引用する)(サービスモジュール112に接続する各ユーザテレビについて1つ)を備えることが好ましい。
【0105】
受信機/デコーダ54および発信器59(図4に図示)を含む商業的に入手可能なチップセットである統合受信機デコーダは、特定のユーザの要求チャンネルを含み、それを復調する圧縮ビデオ信号からのトランスポンダ周波数帯をベースバンド周波数へ抽出することが好ましい。その後、統合受信機デコーダは、周波数帯を、そのバンドへデジタル圧縮された10〜20の個々のチャンネルに解凍する。信号が暗号化されて送信される場合には、統合受信機デコーダまたはプロセッサは、その後で信号を解読する。最終的に、サービスモジュール112は、要求ビデオチャンネルを抽出して、ベースバンドでユーザにそれを送信するか、またはその信号をチャンネル周波数(例えば、チャンネル2、3、4、5)に再変調する。サービスモジュール112がアナログビデオ信号を受信する場合、それは図4のサービスモジュール40と同一方法でこれらの信号を処理することが好ましい。
【0106】
本発明の他の実施形態によれば、システム100は、さらにローカル放送テレビジョン信号を受信するためのアンテナ114および/またはケーブル会社からのチャンネルを受信するためのケーブル接続(図示せず)を備えてもよい。当業者にとっては当然であるが、ローカル放送チャネルは、アナログで、暗号解読されていて、50〜850のMHzバンド幅にあるのが一般的である。本発明のこの態様によれば、アンテナ114からの信号は、周波数変換器116に送信されるのが好ましく、周波数変換器は、受信したローカル放送信号を異なる周波数に変換しても、しなくてもよい。信号は、周波数変換器116から加算回路118に送信される。同様に、ケーブルシステムからのチャンネルを加算回路118に直接送信するか、または、加算回路118に送信する前に先ず異なる周波数に変換してもよい。
【0107】
加算回路118は、ローカル放送信号およびケーブル信号を衛星アンテナ102から受信した信号と合成して、その信号を電力分割器108に送信する。このように、システム100は、衛星チャネル、ローカル放送チャネル、およびケーブル会社からユーザへのチャンネルを提供して、大部分の衛星サービスプロバイダが現在一戸建てのホームにすら送信できない解決策を提供できる。また、当業者にとっては当然であるが、ローカル放送およびケーブル信号がアナログで、衛星信号があるアナログチャネル周波数に変調されたデジタル信号の場合、加算回路118は、それらの信号を加算して、加算された信号をサービスモジュール112に送信する。そうして、サービスモジュール112は、アナログおよびデジタル信号の両方を処理するように構成される。さらに、本発明の他の実施形態によれば、アナログとデジタル信号を合成しないで、アナログ信号を1つの通信接続上でサービスモジュール112に送信し、デジタル信号を個々の通信接続上でサービスモジュール112に送信してもよい。
【0108】
本発明の一実施形態によれば、ローカル放送チャネルは、サービスモジュール140で受信され、サービスモジュール112では処理されずにエンドユーザに送信される。例えば、ローカル放送信号は、直接通信経路122を介してノード38から出力インタフェースマルチプレクサ46に送信され(図4参照)、それから通信接続16を介してエンドユーザに出力される。このようにして、エンドユーザは、顧客インタフェースボックス14を持たずに、およびケーブルまたはDBSサービスに登録せずに接続16を介して、ローカル放送局を受信できる。
【0109】
また、システム100は、集合住宅ユニットおよび/または共用アンテナ集合建築物に居住している顧客に電話およびコンピュータサービスを送信するように構成できる。図1に例示され、上記で説明したシステムと同様に、顧客サービス要求は、電話およびコンピュータアクセスと同じくユーザサイトにある顧客インタフェースボックスから発信されることが好ましい。顧客インタフェースボックスからの、サービス要求、および電話およびコンピュータ信号は、サービスモジュール112に通信される。サービスモジュール112は、サービス要求を処理して、電話システムおよび/またはコンピュータ、またはインターネットアクセス機能に電話およびコンピュータ信号をそれぞれ転送する。本発明のこの態様によれば、サービスモジュール112からの電話およびコンピュータ信号は、順方向とリターンパス信号を分離するマルチプレクサ106を通して返信されることが好ましい。その後、リターンパス信号(すなわち、電話およびコンピュータ信号)は、適切な接続120(例えば、電話回線、ケーブル回線、移動電話接続、マイクロ波伝送等)を介して、マルチプレクサ106から適切な接続箇所に接続される。例えば、電話通話をローカルPBXに接続してもよいし、または、電話通話を直接長距離キャリアに接続してもよい。同様に、上記のように、コンピュータ信号を1つ以上のインターネットまたはコンピュータネットワークアクセスサービスに接続してもよい。
【0110】
本発明の他の実施形態を示す図7についてさらに説明する。本発明のこの特定の実施形態によれば、サービスモジュール152は、ループスルーシステムにおいて直列に配線されているユーザに、マルチメディア通信サービスを提供するように構成され得る。例えば、多くのより古いアパートメントの建物では、単一のケーブルが1つのアパートから次に、そしてまた次へと直列的に配設されている。ループ回線は、そのように構成される必要はないが、一般に同一フロアにあるアパートを接続している。こうしたループスルーシステムでは、各アパートは、そのアパートの1つ以上のテレビをループスルーシステムに接続できるように信号を分割する結合器を備えるのが一般的である。ループスルー配線を有する建造物は、従来、割り増し料金チャンネル、ペイ・パー・ビューチャンネル、または付加的なケーブルチャンネルですら提供できるように機能拡張するのは非常に困難であった。さらに、従来のループスルーシステムを有するケーブル上では、電話およびコンピュータサービスのような双方向通信を実現するのは極めてむずかしい。しかし、サービスモジュール152は、ループスルーシステムに接続するユーザにこのようなサービスを提供するのに適している。
【0111】
本発明のこの特定の実施形態によれば、サービスモジュール152は、分割器154、複数のユーザ制御回路156、加算回路158、マルチプレクサ(MUX)160、および制御プロセッサ162を備えることが好ましい。図4に例示するサービスモジュール40と同様に、分割器154をビデオ、電話および/またはコンピュータサービスを提供するヘッドエンドシステムから/への信号を受信し/送信するように構成できる。さらに、分割器154は、分割器接続155を介してサービスモジュール152の個々のユーザ制御回路156に、信号を増幅し、分配する。
【0112】
サービスモジュール40のユーザ制御回路42と同様に、ユーザ制御回路156は、ループスルー回路の個々のアパートと通信するように構成され、サービスインタフェースマルチプレクサ、統合受信機デコーダ、通信サービスモジュール、および変調器を備える。上記で説明したように、サービスインタフェースマルチプレクサ、統合受信機デコーダ、通信サービスモジュール、および変調器は、全て、サービスモジュール40における等価なコンポーネントと同じように動作するが、以下の点は除く。すなわち、ベースバンドまたは2、3、4、5のような低周波数チャンネルでビデオチャンネルを送信するユーザ制御回路156の各統合受信機デコーダの代わりに、ループスルーシステムでは、サービスモジュール152から最も遠く離れたアパートメントに送信されるビデオ信号は、好ましくはチャンネル2上に変調され、そして次に近いアパートメントへの信号は、好ましくはチャンネル3上に変調され、以下同様に、サービスモジュール152に最も近いアパートメントの信号は、最高位チャネル番号上に変調されることが好ましい。
【0113】
この特定の構成では、ループ回線上のアパートの総数が「N」個の場合、少なくとも「N」個のユーザ制御回路156がサービスモジュール152に備えられ、ユーザ制御回路「N」の統合受信機デコーダは、その要求ビデオ信号をチャンネルMに関連付けられる周波数に変調するのが好ましく、ここでM=N+1である。したがって、例えば、特定のアパートフロアのループスルーシステムが10個のアパートにサービスを提供する場合、サービスモジュールに最も近いアパートのビデオ信号は、チャンネル11上へ変調されることが好ましい。この特有の構成で最も遠いアパートへの損失を最小にできる。
【0114】
他の構成では、N個より少ないユーザ制御カード156がサービスモジュール152に含まれる。このような構成は、マルチメディア通信サービスを同じ数のユーザに提供するのにより少ないハードウェアしか必要としないという点でより経済的であり、全ユーザがシステムを同時に使用しないことが既知の状況では好ましい構成といえる。ホテルおよびアパートメントのような場所では、通常、いかなる任意の時点においても有料サービスを利用しているのは、居住者のわずか30〜40%だけである。サービスモジュールの利用数がさらに少ない場合(例えば、30%の利用率)、アパートメントまたはホテルの部屋あたりのハードウェアコストを、さもなければ必要となる30%にまで削除すると、それは非常な節約となる。
【0115】
ユーザ制御回路156の統合受信機デコーダが信号を特定のチャンネル周波数に変調すると、ユーザ制御回路156からの変調出力は、それから接続157を介して合成回路158に送信され、単一信号に合成される。その後、信号は、出力マルチプレクサ160を介してループ回線の全てのアパートメントに送信するケーブル164に送信される。ループスルーケーブル164は、各アパートメントに結合器168を介して出力し、それにより、各アパートメントをループ回線に結合する。すなわち、各アパートメントの少なくとも1つの顧客インタフェースボックス172は、結合器168を介してループ回線に接続される。
【0116】
各アパートメントの適切なチャンネルを抽出するために、顧客インタフェースボックス172の結合器168は、そのアパートメントのテレビジョン受信機に利用できるその特定のアパートメントのチャンネルだけを通過させるバンドパスフィルタを含むことが好ましい。例えば、アパートメント1において、結合器168または顧客インタフェースボックス172は、アパートメント1のユーザが見ることができるチャンネル2だけを許可しその他のチャンネルは許可しないバンドパスフィルタを含む。同様に、アパートメント「N」において、結合器168または顧客インタフェースボックス172は、アパートメント「N」のユーザが見ることができるチャンネル「M」を通過させるバンドパスフィルタ(図示せず)を含む。このようにして、サービスモジュール152は、割り増しおよびペイ・パー・ビューチャンネルサービスに代金を払うユーザに、割り増しおよびペイ・パー・ビューチャンネルを提供することが可能になる。
【0117】
当業者にとっては当然であるが、バンドパスフィルタを結合器168に配置する場合には、単一チャンネルだけが顧客インタフェースボックス172に送信される。しかし、バンドパスフィルタを顧客インタフェースボックス172に設置する場合には、全てのチャンネル2Mが各アパートメントの顧客インタフェースボックス172に送信されて、顧客インタフェースボックス172が特定のアパートメントの適切なチャンネルを抽出する。本発明の好適な実施形態によれば、アパートメントのユーザが他のアパートメントに送信される信号を盗用するのを防止するには、結合器168およびバンドパスフィルタを一緒に、かつ顧客インタフェースボックス172とは分離して配置(図8参照)することが好ましい。
【0118】
結合器ボックス166および顧客インタフェースボックス172のより詳細なダイアグラムを例示する図8について説明する。特に、結合器ボックス166は、分割器または結合器168、およびバンドパスフィルタ170を含む。顧客インタフェースボックス172は、インタフェースマルチプレクサ174、暗号解読器176、通信マルチプレクサ178、許可モジュール180、および遠隔受信機182を含む。
【0119】
図8に例示される本実施形態において、分割器または結合器168、およびバンドパスフィルタ170は、顧客インタフェースボックス172と分離するように配置される。
【0120】
しかし、本発明の別の実施形態によれば、分割器または結合器168、およびバンドパスフィルタ170は、顧客インタフェースボックス172の中に配置されてもよい。
【0121】
図8(b)に記載のバンドパスフィルタ170に関してさらに詳細に説明する。フィルタは、3個のフィルタ、すなわち、ビデオ信号をフィルタするためのバンドパスフィルタ190、音声およびリターンパス通信をフィルタするためのローパスフィルタ191、およびDOCSISまたは他のケーブルモデム(図示せず)に接続するコンピュータに対して送信/受信する通信信号をフィルタするためのバンドパスフィルタ192を含むことが好ましい。他の選択肢として、バンドパスフィルタ190をサービスモジュール制御チューナと取り替えてもよい。このようなチューナは、ユーザが変更することはできず、サービスモジュールが選択した周波数だけを同調するように設定される。
【0122】
各結合器168およびバンドパスフィルタ170の組み合わせで、特定のアパートメントに関連付けられるチャンネルのみが顧客インタフェースボックス172に送信される。信号は、結合器168からバンドパスフィルタ170に、次に、ビデオチャンネル、リバース(逆方向)パスデータおよびフォワード(順方向)パスデータ、音声情報、およびコンピュータ信号を分離するインタフェースマルチプレクサ174に送信される。ビデオチャンネルは、インタフェースマルチプレクサ174から暗号解読器176に送信される。アパートメントの1つ以上のテレビジョン受信機が割り増しまたは有料チャンネルを受信することが許可されている場合、暗号解読器は、割り増しまたは有料チャンネルのスクランブルを解き、それらをアパートメントのテレビジョン受信機が利用できるように機能する。当業者にとっては当然であるが、アパートメントに複数のテレビジョン受信機がある場合、そのアパートメントは、複数のビデオチャンネルを受信でき、各テレビジョン受信機あたり1ビデオチャンネルを受信することが好ましい。
【0123】
フォワードパスデータ、音声および許可情報は、インタフェースマルチプレクサ174で分割され、通信マルチプレクサ178に送信される。データ情報、音声情報、および許可指令情報は、ケーブルシステムが判定したおよび/またはサービスモジュールに割り当てられた専用チャネルの個々の顧客に送信される。これらの周波数は、データ、音声および付加的なアドレス情報を有する許可指令情報については、全ての加入者に共通であり、その結果、顧客インタフェースボックス172は、データ、音声およびそのアパートメント専用のその顧客インタフェースボックスに送信される許可情報を受信し、処理できる。
【0124】
通信マルチプレクサ178は、データ、音声および許可指令情報を受信すると、その情報を分離し、モデムにデータおよび音声情報を送信し、許可モジュール180に許可情報を送信する。モデムは、図2、図3に例示し、上記に説明したモデムと同様の方法で音声およびデータ情報を処理する。許可モジュール180は、許可情報を受信し、その許可情報を処理し、暗号解読器176に暗号解読コマンドを送信する。すなわち、特定のアパートメントのユーザが割り増しチャンネルまたはペイ・パー・ビューチャンネルを閲覧することが許可された場合、許可モジュール180は、許可情報を確認し、その後、暗号解読器176に暗号解読コマンドを送信する。暗号解読コマンドを受けるとすぐに、暗号解読器176は、スクランブル信号のスクランブルを解く。上記にて簡潔に説明したように、暗号解読器176は、コマンドを受信するとすぐに、画像を水平同期させる同期パルスを復元するダイオード回路を備えてもよい。さらに、暗号解読器176は、他にスクランブルを解くまたは暗号解読技術を包含してもよい。
【0125】
上記のように、アパートメントの顧客インタフェースボックス172のユーザは、彼/彼女が遠隔制御装置を使用して見たいチャンネルを選択できる。遠隔受信機182は、遠隔制御装置からの信号を受信して、通信マルチプレクサ178にそれを送信する。さらに、音声および/またはコンピュータデータのまた、モデムから、または、電話またはパーソナルコンピュータから直接、通信マルチプレクサ178に送信される。通信マルチプレクサ178は、この情報を1〜40MHzバンド幅スペクトルにフォーマットする。その後、通信マルチプレクサ178は、インタフェースマルチプレクサ174にリバースパス増幅器184を介してリバースパス情報を送信する。リバースパス増幅器184は、その信号を増幅して、戻り伝送路の分割器で生じた損失を補償する。その後、インタフェースマルチプレクサ174は、その情報を結合器168を介して返信し、それからサービスモジュール152へ返信する。当業者にとっては当然であるが、増幅器184を通信マルチプレクサ178およびインタフェースマルチプレクサ174間に配置する場合、増幅器は、通信マルチプレクサ178および/またはインタフェースマルチプレクサ174内を含む回路のどこにでも配置され得る。
【0126】
サービスモジュール152では、リターンパスデータは、上記にて説明したサービスモジュール40と同様の方法で処理される。すなわち、サービス要求、および電話およびコンピュータ情報を含むリターンパスデータは、ループスルーケーブル164のリターンパスを介してマルチプレクサ160に返信されることが好ましい。マルチプレクサ160は、サービス要求を制御プロセッサ162に送信し、かつ、各アパートメントのコンピュータおよび音声情報をそのアパートメントに関連付けられるユーザ制御回路156に接続159を介して送信する。サービス要求に関して、制御プロセッサ162は、顧客が要求チャンネルの受信が許可されていることを確認する。許可されている場合、制御プロセッサ162は、メッセージをそのユーザに関連付けられる統合受信機デコーダに送信し、そのチャンネルを復調してスクランブルを解き、それを要求ユーザに送信する。各顧客インタフェースボックス172は、マイクロプロセッサに対してそれ自身を識別しなければならないので、顧客インタフェースボックスがパラレルバス上ではなくシリアルバス上にあっても、プロトコルの変更はない。しかし、要求が複数のユーザからなされる場合には、待ち行列システムを使用することが好ましい。このように、制御プロセッサ162は、サービス要求を先着順で処理することが好ましい。
【0127】
ここでは詳細に説明していないが、サービスモジュール152、特に、ユーザ制御回路156は、上記に説明したように、サービスモジュール40と同様な方法で電話およびコンピュータサービスを処理する。また、ここでは本発明のこの実施形態をループスルー構成を有するアパートメントに関して説明しているが、本発明が他のループスルー構成で使用できることは当業者には当然であろう。例えば、個々の農家が結合器または分割器を有する信号ケーブルに接続される田園のケーブルシステムにおいても、本発明の利用は可能である。ここで使用しているように、ループスルー(loop−through)という用語は、複数ユーザにマルチメディア情報を分配するのに単一のケーブルまたは他の通信チャネルが使用される、全てのそのようなシステムを包含することを意味する。
【0128】
上記のように、本発明は、ユーザまたは加入者に所望のサービスを選択する単純で効率的な方法、および、顧客またはユーザがそのサービスを受けるのが正当かを判定し、正当な場合には、選択したサービスを送信するシステムを提供するものである。顧客またはユーザに電気通信サービスを提供する方法のフローチャート200を例示する図9、図10、図11について説明する。好ましい方法によれば、顧客またはユーザは、ビデオ、電話、またはコンピュータサービスのような電気通信サービスを選択することが好ましい。電話サービスのフロー処理を図10に示し、一方コンピュータサービスのフロー処理を図11に示す。
【0129】
次に、ビデオサービスを提供する方法を示す図9について説明する。特に、顧客が閲覧のためにビデオチャンネルを選択すると(ステップ202)、顧客通信装置またはセットトップボックスは、ビデオサービスが要求されたかを判定し(ステップ204)、選択されたチャンネルおよび他のユーザ情報をサービスモジュールと通信することが好ましい(ステップ206)。サービスモジュールが要求を受信し、その後サービスモジュールのプロセッサが顧客許可をチェックし(ステップ208)、顧客が正当なユーザであるか否かを判定する(ステップ210)。正当なユーザでない場合には、サービスモジュールは、無効な顧客であるというメッセージを顧客通信装置に送信し、サービスを拒否する(ステップ212)。顧客が正当な口座を有する場合、ケーブルまたは有料テレビチャンネルが選択されて、適宜処理される(ステップ214)。ケーブルチャンネルが選択されると、サービスモジュールは、顧客が選択したチャンネルの受信が許可されているか否かの判定をチェックする(ステップ216,218)。許可されていない場合には、無効チャンネルというメッセージが顧客に送信される(ステップ220)。顧客が選択したケーブルチャンネルの受信が許可されている場合、信号はデコードされ、適切な周波数に変換される(ステップ222)。一旦変換されると、信号は要求ユーザに送信される(ステップ224)。
【0130】
顧客がペイ・パー・ビュー選択を選択した場合、サービスモジュールは、顧客の信用をチェックし(ステップ226,228)、信用がある場合、顧客の口座に請求、または顧客に請求する(ステップ230)。その後、サービスモジュールは、選択チャンネルをデコードして(ステップ222)、そのチャンネルを適切な周波数で顧客通信装置に送信する(ステップ224)。信用が拒否された場合、顧客は、拒否された旨を警告される(ステップ232)。
【0131】
図10、図11に示すように、電話およびコンピュータを選択した場合も同様に処理される。顧客が電話サービスを選択した場合(図10)、顧客通信装置は、電話要求および要求された電話番号をサービスモジュールに送信する(ステップ234)。サービスモジュールは、顧客許可をチェックし(ステップ236)、要求者が許可された顧客であるか否かを判定する(ステップ238)。許可されていない場合には、サービスモジュールは、無効な顧客というメッセージを顧客通信装置に送信する(ステップ240)。顧客が正当な顧客である場合、サービスモジュールは、顧客の電話とヘッドエンドシステム、PBX、または長距離キャリア間の電話接続を確立する(ステップ246)。そうでない場合には、サービスモジュールは、無効なサービスというメッセージを要求した顧客通信装置に送信する(ステップ248)。
【0132】
同様に、顧客がコンピュータ通信を選択した場合(図11)、情報は、顧客インタフェースによって、サービスモジュールに送信され(ステップ250)、サービスモジュールは、顧客サービス許可を再度チェックし(ステップ252〜258)、許可されている場合には、顧客は、所望のコンピュータサービスを受信し、サービスモジュールは、ヘッドエンドシステム(例えば、CMTSを使用して)、またはインターネットサービスプロバイダとのコンピュータ接続を確立する(ステップ260)。そうでない場合には、例外メッセージがユーザに送信される(ステップ254,262)。
【0133】
顧客への電話の着信呼がある場合、サービスモジュールは、好ましくは、これが電話サービスを有する正当な顧客であるかを確認して、マルチプレクサを顧客のセットトップインタフェースに接続し、その呼を顧客に送信して、顧客の電話が鳴る。電話プロバイダが提供する電話サービスを、通常の用途用に通常の方法で顧客に送信できる。
【0134】
次に図12について説明すると、集中サーバから音声、ビデオおよびデータをホテル、人が住む集合住宅ユニットおよび複数階建造物の小規模および中規模オフィスの多数の顧客に、より効率的に分配する本発明のさらに他の実施形態を開示する。これらの目的を達成するために、システムは、集中データサーバ、分配サービスモジュール、および好ましくは無線通信を利用する。無線通信の実施形態における他の通信形式を利用してもよいが、法的な機関の周波数割り当てに基づいて、広汎な周波数範囲を使用してもよい。米国では、例えば、そのシステムは、普通のローカルマルチポイント分配システム(LMDS:local multi−point distribution system)またはマルチチャネル、FCCが割り当てるマルチポイント分配システム周波数を使用してもよい。さらに、900MHz、2.4GHz、および無免許の国家情報インフラ(UNII:unlicensed national information infrastructure)(5.8GHzのバンド)の周波数範囲のような、さまざまな無免許の周波数が使用可能である。
【0135】
図12に示すように、システム1200は、CPOP(CPOP:Centralized Point of Presence、集中ポイント・オブ・プレゼンス)1202に接続されるLPOP(LPOP: Local Point of Presence、ローカルPOP)1204を含む。LPOP1204とCPOP1202間の接続は、ファイバ回線、LMDSまたは他の無線接続、Cバンド、Kuバンド、またはKaバンドのビデオおよびデータ分配サービスの1つを使用した衛星を介しても、ゲートウェイを介しても、またはローカル端末またはゲートウェイとして機能するLPOPを有していてもよい。
【0136】
さらに、LPOP1204は、1つ以上のレイド(RAID: redundant arrays of independent discs)、または他の記憶装置および再生装置を含むことが好ましい。このような装置は、いかなるホテルが自分の個々のシステムに保存できる番組よりもさらに多くの、多数の映画および番組を、ペイ・パー・ビューに基づいて再生するために採用される。CPOPは、また、ウェブからの材料を格納する多くのキャッシュおよび再生装置1205を有することができる。当業者にとっては当然であるが、LPOP1204は、また、相当高性能なビデオ、ウェブ、および多数ユーザに対処する機能を有するデータサーバ(ビデオ、インターネット、およびデータサーバ)として機能できる。
【0137】
図12に示すように、LPOP1204は、CPOP1202からビデオ、電話、およびデータを受信できるが、またLPOP1204をアンテナ、インターネット接続、ケーブル接続等を有するように構成して、その結果CPOP1202を不要にすることも可能である。本発明のこの態様においては、LPOP1204は、LPOP1204の他の機能だけでなく、CPOP1202の機能をも実行する。LPOP1204の他の詳細については、図13に関して後述する。
【0138】
図12に示すように、LPOP1204は、サイト1206,1208,1210,1212のような、複数のユーザサイトまたはセンターに接続してもよい。これらのセンターは、陸線1214、LMDS無線回線1216、T1回線1218、または5.8GHzのUNII無線接続1220のような、いかなる適切な通信接続を介してもLPOP1204と通信できる。さらに、他の適切な通信接続を使用してもよい。
【0139】
ユーザサイトまたはセンターは、いかなるタイプの使用サイト(例えば、ビジネス、ホテル、アパートメント、他の集合住宅ユニット等)であってもよい。図12に示す例においては、ユーザサイト1206は、集合住宅ユニット(例えば、ホテルの超高層マンション)である。集合住宅ユニットには、一般的に、複数の居住者が集合住宅ユニット(またはガーデンアパートメント複合施設の異なる建造物)の異なるフロアに住んでいる。他のユーザサイトとしては、例えば、複数階建造物の数百もの部屋を有する大きな超高級ホテル、極めて少数の部屋の小さいホテルまたはいわゆる高級な小中規模ホテル、または小中規模のオフィスおよび小売り施設を有する複数階オフィスビルであってもよい。
【0140】
これらの各建造物の異なるフロアには、ユーザサイト1206に示すように、サーバモジュール(SM: service module)、例えば、サービスモジュール1222,1224,1226,1228の少なくとも1つが配置されている。サービスモジュールは、通信接続(例えば、接続1214〜1220)を介してLPOP1204と通信する。ユーザサイト1206においては、通信接続1216は、建造物の屋根に載置されたアンテナを含むK−バンドLMDSトランシーバ装置1230を利用しているLMDS通信接続である。ユーザサイトは、また、図1のヘッドエンドシステム11に従って構成されるローカルヘッドエンドシステムを含んでもよい。当業者にとっては当然であるが、LPOP1204は、また、トランシーバおよびアンテナ装置を含むべきである。
【0141】
図12に示すように、サービスモジュールは、部屋、アパートメント、事務所等に接続される。例えば、部屋301,302には3階のサービスモジュール1222がサービスを提供し、他もそれに準じる。各サービスモジュールは、20〜40室を接続することが好ましい。図14に関してさらに詳細に下記に説明しているサービスモジュールは、さまざまな部屋の顧客のために多くのローカル機能を実行する。サービスモジュールは、すでに説明したサービスモジュールと同様な方法で機能する。
【0142】
部屋の顧客がサービスを要求する場合、サービスモジュールは、この情報をデータストリームを介してベースバンドまたはあるRF周波数に変調されたいずれかで受信する。サービスモジュールは、このサービスを顧客に提供してよいかを判定し、適用する課金を算出し、サービスをどのように提供するか(すなわち、ホテルまたは建造物のヘッドエンド自身からか、または、LPOP1204からのいずれかから)を判断する。サービスモジュールは、可能な範囲内のそれ自身に駐在するデータに基いて、必要に応じてLPOP1204と通信して、上記判断を行なう。
【0143】
現在のホテルの音声、ビデオおよびデータ配布システムは、さまざまな社会基盤や利用条件を有する。多くの事例では、ホテルは、ペイ・パー・ビュー映画だけでなく、ホテル居住者に限られた数のローカルなおよび/またはケーブルテレビチャンネルを提供する。ローカルなおよび/またはケーブルテレビチャンネルは、アンテナを使用して、または、例えば、衛星を介したDBSを使用して、市内ケーブル会社に接続して送信される。ペイ・パー・ビュー映画は、一般的にホテルに常設の集中システムに保存されていて、それから、指示があれば部屋に送信される。あるホテルは、ビデオゲーム、ホテル情報、および課金サービスのような、他のサービスをも提供し、場合によっては、例えば、ラップトップパーソナルコンピュータを接続できるホテルネットワーク経由、テレビへのウエッブテレビジョンタイプ接続経由、または、その両方を経由てインターネット接続性サービスを提供する。
【0144】
これらのサービスをホテルに提供するのに必要なリソースが重要となる。インターネットデータ接続性を導入するためには、T1回線のような高速接続性手段が必要である。ペイ・パー・ビュー映画および番組を利用できるようにするのには、ハイメモリRAIDタイプビデオサーバ、またはスイッチに接続したDVDディスクまたはVHSテープバンクが必要である。ゲームを利用するのには、ゲームプレーヤのために同じような複合システムが各部屋で必要である。ゲストが欲しい番組およびデータサービスを選択する際に、ゲストと対話型セッションを管理するのに多くのコンピュータが各ホテルで必要となる。取引監視および課金システムは、分配される全てのサービスが有料で適切に請求されることを保証する必要がある。そして、各ホテルにおいて、ミニヘッドエンドが、これらのサービスを部屋に適切に分配するために必要である。
【0145】
これらのサービスの全てを処理するシステムの経済的側面から判断すると、75室足らずの部屋を有するホテルには、このようなシステムをもつ余裕はない。さらに、これらのシステムのユーティライゼーションは低く、3〜5時間の期間に集中している。典型的なデータによれば、接続性のユーティライゼーションは、3〜5%、すなわち、データ接続は、ホテルの部屋・日当たり3〜5%である。ペイ・パー・ビュー購入が発生するのは、その時間の10%未満である。そして、利用時間は、大半ゲストが自分の部屋で眠らない午後5時〜午後10時に集中している。このようなユーティライゼーションでは、部屋当たりのシステムコストが上昇し、ホテルが加入者に真に多種多様なサービスを提供するのは困難である。例えば、高品位テレビジョン、より広範なビデオ選択、層状番組、付加価値データサービス、および高帯域接続性のような、多種多様なサービスは、全て技術的に可能であるが、その費用がかかるという理由で配備されていないのが実情である。
【0146】
この状況は、集合住宅ユニット、特にアパートメントにおいても同様である。これらの建造物の大部分では、居住者回転率は、毎年33%で、居住者がアパートメントを引き払うときに、これらの貸借人の33%はセットトップボックスを持っていくので、結果として資産を損失することになる。データサービスは、提供可能ではあるが、あまり高い接続率を有さない。小さくて古い集合住宅ユニットでは、完全に新規な配線を必要とし、既存のRG−59同軸ケーブルを交換する費用がかかるので、事業者は、新しいより大きい集合住宅ユニットよりも軽視するのが一般的である。集合住宅ユニットにおいて、住宅世帯の大多数では、これらのサービスのユーティライゼーションは、概して夕刻ごろに集中する。
【0147】
マルチメディア信号を、そうした大量のトラフィック期間中にホテルや集合住宅ユニットに、そしてずっと経済的でさらにフレキシブルな方法で昼間の時間帯にビジネスに分配するシステムを構築してこの領域の問題を解決するこの実施形態を図12に従って開示する。
【0148】
ビジネスは、全ての営業日期間に、またホテルや集合住宅ユニットでは、夕刻時間帯にこのシステムを利用することで費用低減が可能になる。それはまた、ホテル、集合住宅ユニット、およびビジネスにサービスを提供する能力を有しながら、サイズに寛容であって、また要求されたデータおよびビデオ番組だけを送信する他のシステムサイズよりもさらに効率的なバンド幅である。
【0149】
さらに、LPOPが中央に配置されるので、システムは、完全に拡大縮小可能で、既存のサービスに影響を及ぼさないで、増大するトラフィックに対処するように装備でき、1つ以上の付加的なLPOPにサービスを提供するCPOPに変換することすら可能である。LPOPは、継ぎ目なく専門の顧客に専門のサービスを提供でき、ファイバ、無線、Kaバンド衛星、またはこれらの組み合わせを使用して外部と通信できる。最終的に、分散アーキテクチャサービスモジュールを使用することで、建造物内の費用、サービスの提供と変更の両方、および基幹施設を最小限に抑えることができる。特に、こうした集合住宅ユニットおよびホテルには、より効率的なサービスを提供でき、そしてサービスは、さらに柔軟に対応できる。
【0150】
典型的なPOP1300を示す図13について説明する。LPOP1300は、ビデオ、インターネット、およびデータサーバ1310を含み、それは図1のシステム11に従ってヘッドエンドシステムとして構成されることが好ましい。ある顕著な例外はあるが、ビデオ、インターネット、およびデータサーバ1310は、今日の市場で現在利用可能なビデオおよびデータサーバに多くの点で作用する。一例として、ビデオ、インターネットおよびデータサーバ1310は、要求された番組だけ、または、例えば、ホテルの管理者がいかなる関係者にも送信する番組だけを送信するようなシステムとして設計される。したがって、例示の実施形態において、参照番号1302は、ビデオストリームサーバ、参照番号1304は、異なるレベルのアクセス供給を有するインターネットへのアクセスを制御するIP(IP: Internet Protocol)ネットワークマネージャ、参照番号1306は、ローカルソースからの番組、および参照番号1308は、大規模なビデオサーバである。また、付加的なソースが含まれてもよい。
【0151】
図12に開示するシステムは、フレキシブルなアーキテクチャを提供するので、LPOPは、いかなる便利な場所でもよく、サービスモジュール1222〜1228に極めて近接していなくてはならないという制限はない。図12は、CPOP1202を示すが、このシステムは、稼動にCPOPは不要で、1つ以上のLPOPだけを含むように容易に変更できる。実際に、このような配列では、建造物の場所および建造物の居住者に提供されるサービスのタイプ(すなわち、インターネットやビデオ)に従って、いかなるローカルヘッドエンド(例えば、サイト1206の)やLPOPをも配置可能である。
【0152】
特別な例において、顧客が参照番号1318で示される部屋902から、ビデオ、例えば、ペイ・パー・ビュー映画を要求した場合、この要求は、参照番号1300として図13に示すLPOPまたはCPOPと通信するサービスモジュール1316により許可される。映画の送信が許可された場合、その後、ビデオサーバ1038は、映画を送信するように指示される。映画は、MPEG−2または他の受信可能な符号化ビットストリームでビデオサーバ1308から分配されることが好ましい。上述した部屋902が存在するセグメントから、このような多数の有料および無料いずれもの映画要求がある。これら全ては、ビデオサーバ1308またはその他のこのような装置からのビデオストリームを生成する。
【0153】
ビデオ、インターネット、およびデータサーバ1310は、いくつかの出力を合成し、それらを圧縮してケーブルチャンネル周波数上にそれらを変調し、必要に応じて圧縮出力を暗号化し、各サービスモジュール装置が適切なビットストリームをデコードして特定の加入者にそれを送信するように、仮想チャネル割り当てだけでなく、チャンネル割り当てをそれぞれのさまざまなサービスモジュール装置へ送信する。このように、サーバ1310は、チャンネルコンバイナーおよび各セグメント専用の圧縮器を含む。図12に示すように、セグメントは、多くのオフィスビル、ホテル、および集合住宅ユニットから成ってもよい。例えば、セグメントは、60〜90度の弧の範囲内、LPOPからの5マイルの距離の範囲内であってもよい。首都圏または居住者が多い郊外の場合、これは、大多数の可能な加入者をカバーできる。
【0154】
同一番組(例えば、有料テレビ番組または無料放送番組)をLPOP1300の異なるセグメントにいる多数の人が要求している場合、必要なのは1つのビットストリームの生成だけである。ビデオ、インターネットおよびデータサーバ1310は、このビットストリームを認識し、適切にそのビットストリームを分配する。この形態では、サーバ1310は、LPOP1300があらゆる無料の放送のチャンネルよりむしろ要求されたそれらのチャンネル、あらゆるペイ・パー・ビューチャンネル、および大部分のシステムが搬送してそのほとんどが多くのセグメントでは決して見られないあらゆる準ビデオ・オン・デマンドチャンネルを送信することを保証する。
【0155】
例えば、部屋904の顧客(図示せず)がインターネットへの接続を要求した場合、サービスモジュール1316は、顧客が有料のクライアントまたは顧客がサービス提供を受けられるように口座設定をしているかを確認する。それから、その要求は、IPスプーフィング、適切なポータルサービスを実行しているIPネットワークマネージャ1304に送信されて、インターネットへのパスを顧客に提供する。上り方向にあるこのビデオストリームは、ケーブルチャンネル上に変調され、適切にコード化され、他の類似したデータチャネルと合成され、サービスモジュール1316に送信される。所与のアドレスおよびエンコーディングに基づいて、サービスモジュール1316は適切なデータストリームを選択し、LANプロトコルを使用して顧客にそれを送信する。顧客は、接続するのにコンピュータのLANカードだけが必要で、それはMbpsの通信速度でもよい。さらに、顧客は、サービスモジュール1316が自分の住居にも自分の制御下にもないので、正当な要求をする以外に、他の顧客に送信されるいかなるデータをも受信できない。こうして、システムデータセキュリティが強化される。
【0156】
顧客がビデオストリーム要求をすると、IPマネージャ1304は、ビデオストリームサーバ1302にストリームを提供するように指示し、ビデオ、インターネット、およびデータサーバ1310は、適切なRFチャンネル上にそれを変調し、特定のセグメントアンテナまたはフィードケーブルにそれを送信する。再度、多くの類似の要求が変調されてコード化される。
【0157】
サービスモジュール1316とビデオ間の全てのパス、インターネット、およびデータサーバ1310は、双方向チャンネルという点に留意する必要がある。ケーブルリターンパスまたは上りチャンネルに非常に類似している戻りチャンネルのバンド幅は、下りチャンネルより低い。それらは、顧客要求、LSMビデオ、インターネットおよびデータサーバ通信、およびリターンパスまたは上りデータを処理する。
【0158】
図13に関して記載した構成では、各信号パスは、コード化され圧縮された要求番組を含むだけである。制御不能の受信機(rogue receiver)は、番組のキーが顧客の制御下にないので、キーを任意に切り替えできる番組をデコードしなければならないだけでなく、制御不能の受信機がその番組をデコードした後でさえ、それらは、他のだれかが命令したことをその時理解するだけなので、無駄なバンド幅がなく、ケーブルモデム準拠のDOCSISよりもデータ転送が安全である。
【0159】
該システムは、規模に関係なく、複数ホテルにサービスを提供するように使用される。さらに、異なる料金とサービスレベルで、いかなるホテルでも、いかなるサービスでも受信できる。例えば、高品位テレビジョンを、選択したホテルで部屋を選択するのに提供でき、同時に、NVOD(NVOD:near video on demand、(ケーブルテレビでの)準ビデオ・オン・デマンド)はある部屋に、SVOD(SVOD:subscription video on demand、加入者ビデオ・オン・デマンド)は他の部屋に、ペイ・パー・ビューは、その他の部屋に、等々、または全ての上記のいかなる組み合わせも提供できる。利用できるバンド幅は、各セグメントにおいて繰り返し可能なことは、また、注意すべきである。これは、n個のセグメントを有する1つのシステムのバンド幅は、仮想的にn倍利用できることを意味する。
【0160】
ここで、図12および図13に関して開示される構成において、有効な、好ましいサービスモジュールを示す図14ついて次に説明する。サービスモジュールは、ビデオ、インターネット、およびデータサーバと顧客間の双方向通信である。図14に示すように、サービスモジュール1400は、ボックス内に多くのカードを有してもよく、そして、そのそれぞれは、テレビ、またはデータ端末またはラップトップの適切なデコーダである。サービスモジュール1400は、また、これらの各カード用に中央処理装置および電源を有してもよい。
【0161】
図14において、入力信号は、LPOPのビデオ、インターネット、およびデータサーバからアンテナ1406と増幅器1408を介してサービスモジュール1400に入信する。サービスモジュール1400内で、信号は、多数の受信機に分割される(各部屋当たり1つ)。例えば、部屋901が高品位テレビジョンを備える場合、その受信カードは、高品位テレビジョン受信カードである。さらに、部屋902が2台のテレビを備える場合、その受信機は、2つの異なるチャンネルを受信し、プリセットテレビチャンネル上にそれらを変調し、2つを合成し、それらを部屋に送信できる。また、部屋に電源(PS:Power Supply)接続ポートがある場合、その部屋のサービスモジュールカードは、部屋に10ビットのTイーサネット(Ethernet)接続を提供する適切な機能を有する。
【0162】
全ての部屋がループスルーである場合、個々のチャンネルは、異なって変調され、同軸ケーブルで送信される。全ての部屋が局線受け入れ(home run)である場合、個々のチャンネルは、個々に変調され、各部屋に送信される。
【0163】
ビデオサービスの部屋との通信は、赤外線または他の遠隔操作装置を介して実行されてもよい。赤外線(IR: infrared)遠隔操作装置1412は、ボタンを押し下げられると、目立たないように壁に取り付けられた赤外線受信機1414と通信する。受信機1414は、信号をデジタルに変換し、それをサービスモジュール1400に送信する。ビデオ、インターネットおよびデータサーバ1404が指示したら、コンピュータ1416は、要求が許可されたことを確認し、適切なチャンネルに同調してデコードするよう受信機に命令する。サービスモジュール1400内で、復号化信号は、変調器で適切に変調され、コンバイナで合成され、部屋に送信される。
【0164】
PCまたはデータ要求が送信されると、赤外線は、ダイプレクサ1420を有する受信機1418を介して流れ、要求を、コンピュータ1416がその要求を確認してサーバに接続を命令する、サービスモジュール1400に送信する。さらに、電話サービスがシステムに付加される場合、それは、図2に関して説明したのと同様の方法で処理できる。
【0165】
サービスモジュール1400は、構内に立ち入ることなく、切り替え可能にいかなる部屋またはアパートメント、またはビジネスにもサービスを許可し、アパートメントのいかなる種類のいかなるケーブルセットトップをも不要にする利点を有する。さらに、サービスモジュール1402を使用することで、その構成は、セキュリティを大きく強化するが、建造物の配線を取り替える必要性はない。
【0166】
結論として、本発明は安全で、安価な方法で複数の顧客に、複数の電気通信サービスを提供する新規なデータ通信システムを提供する。本発明の好ましい本実施形態を上記に詳細に説明したが、さまざまな代替、修正および等価物が可能なことは、当業者にとっては明らかであろう。例えば、本発明のサービスモジュールの異なる複合物または回路を、ある特定の機能を実行するとして本願明細書に記載しているが、発明の趣旨から逸脱することなく、サービスモジュールの他のコンポーネントまたは回路がサービスモジュール機能のいくつかまたは全てを実行してもよいことは当業者にとって当然であろう。したがって、添付の請求の範囲によって、定められる本発明の有効範囲を制限するものとして上記の記述は受け取られるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】マルチメディア通信システムの概略図。
【図2】マルチメディア通信システムの一部を形成するユーザまたは顧客インタフェースボックスの概略図。
【図3】マルチメディア通信システムの一部を形成するユーザまたは顧客インタフェースボックスの代わりの実施形態の概略図。
【図4】マルチメディア通信の電気通信システムの一部を形成しているサービスモジュールの概略図。
【図5】プロセッサが赤外線トランシーバを有する統合受信機デコーダと通信するサービスモジュールの概略図。
【図6】アパートメントまたは集合住宅ユニット用に設計された信号分配システムの概略図。
【図7】ループスルーケーブルシステム用に設計された信号分配システムの概略図。
【図8A】図7の信号分配システムで使用できる顧客インタフェースボックスの概略図。
【図8b】図8aの顧客インタフェースボックスで使用できるフィルタの概略図。
【図9】マルチメディア通信回線またはシステムを使用した方法を例示するフローチャート。
【図10】マルチメディア通信システムを有する顧客電話通信の方法を例示しているフローチャート。
【図11】マルチメディア通信システムを有する顧客データまたはコンピュータ通信の方法を例示しているフローチャート。
【図12】LPOP(LPOP: local point of presence)システムの使用を含む複数のユーザサイトへ/から、マルチメディア信号を分配するためのマルチメディア分配システムの実施形態の概略図。
【図13】ビデオおよびデータサーバおよび送信機、およびサービスモジュールを含むLPOPシステムを例示している概略図。
【図14】ビデオおよびデータサーバ、サービスモジュールとエンドユーザ間の双方向通信を例示している概略図。
Claims (35)
- 複数のエンドユーザに1つ以上のマルチメディアコンテンツソースからマルチメディア情報を安全に通信するシステムであって、前記システムが、
(a)前記1つ以上のコンテンツソースからの1つ以上のマルチメディア情報信号と、前記複数のエンドユーザの1人以上に対応するユーザ許可情報を受信し、前記1つ以上のマルチメディア情報信号をヘッドエンド複合信号に合成し、前記ユーザ許可情報および前記ヘッドエンド複合信号を使用して安全なヘッドエンド出力信号を生成するヘッドエンドシステムと、
(b)前記ヘッドエンドシステムに通信可能に結合されており、そのヘッドエンドシステムから前記安全なヘッドエンド出力信号を受信する信号分配システムであって、
(i)それぞれが前記安全なヘッドエンド出力信号の少なくとも一部を受信し、前記信号の一部が、前記ユーザ許可情報により許可された場合には、前記信号の一部を1つ以上の変調されたチャンネル信号に変換する、1つ以上の信号デコーダと、
(ii)それぞれが前記信号デコーダの1つに結合し、その信号デコーダの1つから1つ以上の変調されたチャンネル信号を受信し、前記1つ以上の変調されたチャンネル信号を複合ユーザ信号に合成する、1つ以上の出力インタフェースとを備える前記信号分配システムと、
(c)それぞれが前記出力インタフェースの1つに通信可能に結合されており、その出力インタフェースの1つから該当する複合ユーザ信号を受信して、必要に応じて。それぞれが前記複合ユーザ信号を分割して1つ以上のエンドユーザ信号に復調する、1つ以上の顧客インタフェース装置とを備えるマルチメディア情報を安全に通信するシステム。 - 前記マルチメディア情報信号は、ビデオ信号、地上テレビジョン信号、衛星信号、ケーブルテレビ信号、電話信号、インターネット信号、およびデータ信号のうちから選択される、請求項1記載のシステム。
- 前記ヘッドエンドシステムは、前記1つ以上のコンテンツソースから、前記1つ以上のマルチメディア情報信号を受信するために、POTS(Plain Old Telephone Service、普通の電話サービス)電話回線、DSL(digital subscriber line、デジタル加入者線)回線、同軸ケーブル、光ファイバーケーブル、衛星ディッシュアンテナ、およびオフ・ザ・エア・アンテナ(off the air antenna)のうちから選択される1つ以上のマルチメディア信号受信接続をさらに備える、請求項1記載のシステム。
- 前記ヘッドエンドシステムは、さらに、
(a)それぞれが前記1つ以上のコンテンツソースのうちの1つから、1つ以上のマルチメディア情報信号を受信して、前記マルチメディア情報信号を1つ以上のベースバンド周波数信号に変換する、1つ以上の受信機デコーダと、
(b)それぞれの前記受信機デコーダに結合されており、前記ベースバンド周波数信号を受信し、前記ベースバンド周波数信号を1つ以上のチャンネルに変調する、ビデオプロセッサと、
(c)前記ビデオプロセッサに結合されており、前記1つ以上の変調されたチャンネル信号を受信し、前記チャンネル信号を前記ヘッドエンド複合信号に合成する、合成回路とを備える、請求項1記載のシステム。 - 前記ヘッドエンドシステムは、さらに、前記合成回路に結合されており、前記合成回路から前記ヘッドエンド複合信号を受信して、1人以上のユーザが、前記ヘッドエンド複合信号に含まれる任意の前記チャンネルを受信することが許可されているかを判定するアクセス制御システムを備える、請求項4記載のシステム。
- 前記ヘッドエンドシステムはデータパス変調器をさらに備え、該ータパス変調器は、アクセス制御システムに結合されており、かつ前記アクセス制御システムから前記許可ヘッドエンド複合信号を受信して、前記ヘッドエンド許可複合信号および許可情報を前記ヘッダー付き出力信号として送信する、請求項5記載のシステム。
- 前記マルチメディア情報が電話信号、インターネット信号、データ信号、および地上テレビジョン信号のうちから選択される信号を含む情報であり、前記ヘッドエンドシステムの前記合成回路は、前記チャンネル信号および前記電話信号、インターネット信号、データ信号、および前記地上テレビジョン信号のうちの少なくとも1つをヘッドエンド複合信号に合成することに適合されている回路であり、前記分配システムは、さらに、
(a)前記信号デコーダのそれぞれに結合されており、前記安全なヘッドエンド出力信号を受信して、前記安全なヘッドエンド出力信号をビデオ信号および1つ以上の電話、インターネット、データ、および地上テレビジョン信号のうちの少なくとも1つに分割する、サービスインタフェースと、
(b)前記サービスインタフェースに結合されており、前記電話、インターネット、データ、および地上テレビジョン信号のうちの少なくとも1つを受信して分配する、通信サービスモジュールと、
を備える、請求項1記載のシステム。 - 前記信号分配システムは、さらにプロセッサを備え、該プロセッサは、前記サービスインタフェース、前記信号デコーダおよび前記出力インタフェースに結合されており、前記サービスインタフェースを通して前記ヘッドエンドシステムから前記許可情報を受信し、前記許可情報に従って複数の前記顧客インタフェース装置に送信されるチャンネル選択を制御する、請求項7記載のシステム。
- 前記顧客インタフェース装置は、さらに少なくとも1つの顧客入力装置を備え、その顧客入力装置は、動作可能に前記信号分配システムプロセッサに結合されており、顧客要求を受信して前記信号分配システムプロセッサにこの種の要求を送信する、請求項8記載のシステム。
- 前記顧客インタフェース装置は、さらに、
(a)前記出力インタフェースのうちの1つから複合ユーザ信号を受信して、前記信号をビデオおよび電話、インターネット、データ、および地上テレビジョン信号のうちの少なくとも1つに分割する、インタフェース装置と、
(b)前記インタフェース装置に結合されており、前記電話、インターネット、データ、および地上テレビジョン信号のうちの少なくとも1つを受信し、前記電話、インターネット、データ、および地上テレビジョン信号のうちの少なくとも1つを1つ以上の前記エンドユーザ信号に復調する、通信モデムと、
(c)前記インタフェース装置および前記通信モデムに結合されており、前記1つ以上のエンドユーザ信号への前記複合ユーザ信号の前記分割および復調を制御する、プロセッサとを備える、請求項1記載のシステム。 - 1つ以上のマルチメディアコンテンツソースから通信チャネルを通して共通ループを共有する複数のエンドユーザにマルチメディア情報を安全に通信するシステムであって、前記システムが、
(a)前記1つ以上のコンテンツソースから1つ以上のマルチメディア情報信号および複数の前記エンドユーザの1人以上に対応するユーザ許可情報を受信し、前記1つ以上のマルチメディア情報信号をヘッドエンド複合信号に合成し、前記ユーザ許可情報および前記ヘッドエンド複合信号を使用して安全な出力信号を生成する、マルチメディア受信システムと、
(b)マルチメディア受信システムに通信可能に結合されており、そのマルチメディア受信システムから前記安全な出力信号を受信する、信号分配システムであって、
(i)前記安全な出力信号を複数のサービス信号に分割する信号分割器と、
(ii)それぞれが前記信号分割器に結合されており、前記複数のサービス信号のうちの1つの少なくとも一部を受信し、前記ユーザ許可情報に準じて許可された場合、前記信号の一部を1つの所望のユーザに対応する1つ以上の変調されたチャンネル信号に変換する、複数の信号デコーダと、
(iii)前記複数の信号デコーダのそれぞれに結合されており、前記複数の信号デコーダから前記変調されたチャンネル信号を受信し、前記変調されたチャンネル信号を複数の複合ユーザ信号に合成する、合成回路とを備える前記信号分配システムと、
(c)前記信号分配システムの前記合成回路に結合されており、その合成回路から前記複数の複合ユーザ信号を受信する、ループスルー通信チャネル(loop through communication channel)と、
(d)前記ループスルー通信チャネルにそれぞれ結合されており、前記ループスルー通信チャネルから前記複数の複合ユーザ信号を受信し、自身を介することによって所定の顧客に対応するマルチメディア情報のみの送信を可能にするフィルタをそれぞれ備える、複数の顧客装置と、
を備えるシステム。 - 前記ヘッドエンドシステムは、さらに、
(a)それぞれが前記1つ以上のコンテンツソースのうちの1つから、1つ以上のマルチメディア情報信号を受信し、1つ以上のベースバンド周波数信号に前記マルチメディア情報信号を変換する、1つ以上の受信機デコーダと、
(b)1つ以上の前記受信機デコーダに結合されており、前記ベースバンド周波数信号を受信して前記ベースバンド周波数信号を1つ以上のチャンネルに変調する、ビデオプロセッサと、
(c)前記ビデオプロセッサに結合されており、前記1つ以上の変調されたチャンネル信号を受信し、前記チャンネル信号を前記ヘッドエンド複合信号に合成する、合成回路とを備える、請求項11記載のシステム。 - 前記ヘッドエンドシステムはアクセス制御システムをさらに備え、該アクセス制御システムは、前記合成回路に結合されており、かつ前記合成回路から前記ヘッドエンド複合信号を受信して、1人以上のユーザが前記ヘッドエンド複合信号に含まれる任意の前記チャンネルを受信できることが許可されているかを判定する、請求項12記載のシステム。
- 前記ヘッドエンドシステムはデータパス変調器をさらに備え、該データパス変調器は、前記アクセス制御システムに結合されており、かつ前記アクセス制御システムから前記許可ヘッドエンド複合信号を受信して、前記ヘッダー付き出力信号として前記ヘッドエンド許可複合信号および許可情報を送信する、請求項13記載のシステム。
- 前記複数の信号の復号は、M個の信号デコーダを備え、前記複数の顧客インタフェース装置は、N個の顧客インタフェース装置を備え、ここでM<Nである、請求項11記載のシステム。
- 前記信号分配システムは、プロセッサをさらに備え、該プロセッサは、前記分割器、前記信号デコーダ、および前記出力インタフェースに結合されており、かつ前記分割器を通して前記ヘッドエンドシステムから前記許可情報を受信して、前記許可情報に従って前記複数の顧客インタフェース装置に送信されるチャンネル選択を制御する、請求項11記載のシステム。
- 前記複数の顧客装置は、
(a)それぞれが前記複数の顧客装置の異なる1つに対応し、かつ前記フィルタの1つを備える、複数の結合器と、
(b)それぞれが前記複数の結合器の異なる1つに結合されており、その結合器からフィルタされた信号を受信する複数の顧客インタフェース装置とを備える、請求項11記載のシステム。 - 前記顧客インタフェース装置は、少なくとも1つの顧客入力装置をさらに備え、その顧客入力装置は、前記信号分配システムプロセッサに動作可能に結合されており、かつ顧客要求を受信して前記プロセッサにこの種の要求を送信する、請求項17記載のシステム。
- 前記マルチメディア情報が、電話信号、インターネット信号、データ信号、および地上テレビジョン信号のうちから選択される信号を含み、前記ヘッドエンドシステムの前記合成回路は、前記チャンネル信号および前記電話信号、インターネット信号、データ信号、および前記地上テレビジョン信号のうちの少なくとも1つを複合信号に合成し、前記分配システムは、さらに、
(a)前記分割器および前記複数の信号デコーダのそれぞれに結合されており、前記分割器から前記分波信号を受信して前記分波ヘッドエンド出力信号をビデオおよび電話、インターネット、データ、および地上テレビジョン信号のうちの少なくとも1つに分割する、サービスインタフェースと、
(b)前記分割器に結合されており、前記電話、インターネット、データ、および地上テレビジョン信号のうちの少なくとも1つを受信して前記複数の結合器に分配する、通信サービスモジュールとを備え、
前記フィルタのそれぞれは、前記複合多重画像信号のビデオ部分にフィルタをかける第1のフィルタと、前記電話信号、インターネット信号、およびデータ信号のうちの少なくとも1つにフィルタをかける第2のフィルタとを有する、請求項17記載のシステム。 - 前記第1のフィルタは、前記信号分配システムによってのみ動作可能なチューナを備える、請求項19記載のシステム。
- 複数のエンドユーザに1つ以上のマルチメディアコンテンツソースからマルチメディア情報を安全に通信するシステムであって、前記システムが、
(a)前記1つ以上のコンテンツソースから1つ以上のマルチメディア情報信号および前記複数のエンドユーザの1人以上に対応するユーザ許可情報を受信し、前記1つ以上のマルチメディア情報信号を複合信号に合成し、前記ユーザ許可情報および前記複合信号を使用して安全な出力信号を生成する、1つ以上のポイント・オブ・プレゼンス(POP: point of presence、以下POPと呼ぶ)システムと、
(b)前記POPシステムのうちの1つに通信可能に結合されており、そのPOPシステムから安全な出力信号を受信する、信号分配手段であって、
(i)それぞれが少なくとも前記安全な出力信号の一部を受信して、前記ユーザ許可情報により許可された場合に、前記信号の一部を1つ以上の変調されたチャンネル信号に変換する、1つ以上の信号復号手段と、
(ii)それぞれが信号復号手段の1つに結合されており、その信号復号手段から1つ以上の変調されたチャンネル信号を受信し、前記1つ以上の変調されたチャンネル信号を複合ユーザ信号に合成する、1つ以上の出力インタフェース手段とを備える信号分配手段と、
(c)それぞれが前記出力インタフェース手段の1つに通信可能に結合されており、その出力インタフェース手段から対応する複合ユーザ信号を受信し、かつ必要に応じて分割するための手段をそれぞれ備えて、1つ以上のエンドユーザ信号に前記複合ユーザ信号を復調する、1つ以上の顧客インタフェース手段とを備えるシステム。 - 前記マルチメディア情報信号は、ビデオ信号、地上テレビジョン信号、衛星信号、ケーブルテレビ信号、電話信号、インターネット信号、およびデータ信号のうちから選択される、請求項21記載のシステム。
- 前記POPシステムは、さらに、POTS電話回線、DSL回線、同軸ケーブル、光ファイバーケーブル、衛星ディッシュアンテナ、およびオフ・ザ・エア・アンテナのうちから選択される1つ以上の種類のマルチメディア信号を受信する手段を備える、請求項21記載のシステム。
- 前記POPシステムは、さらに、
(a)それぞれが前記1つ以上のコンテンツソースのうちの1つから、1つ以上のマルチメディア情報信号を受信して、前記マルチメディア情報信号を1つ以上のベースバンド周波数信号に変換する、1つ以上の受信機復号手段と、
(b)前記受信機復号手段に結合されており、前記ベースバンド周波数信号を受信して、前記ベースバンド周波数信号を1つ以上のチャンネルに変調する、ビデオプロセッサ手段と、
(c)前記ビデオプロセッサ手段に結合されており、前記1つ以上の変調されたチャンネル信号を受信し、前記チャンネル信号を前記複合信号に合成する、合成手段とを備える、請求項21記載のシステム。 - 前記POPシステムは、さらにアクセス制御手段を備え、該アクセス制御手段は、前記合成手段に結合されており、かつ前記合成手段から前記複合信号を受信し、1人以上のユーザが、前記複合信号に含まれる任意の前記チャンネルを受信できることが許可されているかを判定する、請求項24記載のシステム。
- 前記POPシステムは、さらにデータパス変調手段を備え、該データパス変調手段は、前記アクセス制御手段に結合されており、かつ前記アクセス制御手段から前記許可複合信号を受信して、前記許可複合信号および許可情報を前記出力信号として送信する、請求項25記載のシステム。
- 前記マルチメディア情報が電話信号、インターネット信号、データ信号、および地上テレビジョン信号のうちから選択される信号を含み、前期結合されたPOPシステムは、前記チャンネル信号と前記電話信号、インターネット信号、データ信号、および前記地上テレビジョン信号のうちの少なくとも1つを前記複合信号に合成することに適合されており、前記信号分配手段が、さらに、
(a)前記信号復号手段のそれぞれに結合されており、前記安全な出力信号を受信し、前記出力信号をビデオおよび電話、インターネット、データ、および地上テレビジョン信号のうちの少なくとも1つに分割する、インタフェース手段と、
(b)前記インタフェース手段に結合されて、前記電話、インターネット、データ、および地上テレビジョン信号のうちの少なくとも1つを受信して分配する、通信サービス手段とを備える、請求項21記載のシステム。 - 前記信号分配手段は、さらに処理手段を備え、該処理手段は、前記インタフェース手段、前記信号復号手段、および前記出力インタフェース手段に結合されており、かつ前記サービスインタフェースを通して前記POPシステムから前記許可情報を受信して、前記複数の顧客インタフェース手段に送信されるチャンネル選択を制御する、請求項27記載のシステム。
- 前記1つ以上のPOPシステムは、1つ以上の無線通信チャネルによって動作可能に結合された2つ以上のPOPシステムを備える、請求項21記載のシステム。
- 前記1つ以上のPOPシステムのうちの少なくとも1つは、1つ以上の無線通信チャネルによって前記信号分配手段に結合される、請求項21記載のシステム。
- 複数のエンドユーザに1つ以上のマルチメディアコンテンツソースからマルチメディア情報を安全に通信する方法であって、
(a)前記1つ以上のコンテンツソースから1つ以上のマルチメディア情報信号および複数の前記エンドユーザの1人以上に対応するユーザ許可情報を受信するステップと、
(b)前記1つ以上のマルチメディア情報信号をヘッドエンド複合信号に合成するステップと、
(c)前記ユーザ許可情報および前記ヘッドエンド複合信号を使用して安全なヘッドエンド出力信号を生成するステップと、
(d)1つ以上の信号分配位置に前記安全なヘッドエンド出力信号を送信するステップと、
(e)前記ユーザ許可情報により許可された場合、前記安全なヘッドエンド出力の少なくとも一部を前記1つ以上の信号分配位置で1つ以上の変調されたチャンネル信号に変換するステップと、
(f)前記1つ以上の変調されたチャンネル信号を複合ユーザ信号に合成するステップと、
(g)前記複合ユーザ信号を1つ以上の顧客位置に送信するステップと、
(h)前記1つ以上の顧客位置で前記複合ユーザ信号の少なくとも一部を受信するステップと、
(i)前記受信信号を必要に応じて分割して、1つ以上のエンドユーザ信号に復調するステップとを備えるマルチメディア情報を安全に通信するステップとからなる方法。 - 前記マルチメディア情報信号は、ビデオ信号、地上テレビジョン信号、衛星信号、ケーブルテレビ信号、電話信号、インターネット信号、およびデータ信号のうちから選択される、請求項31記載の方法。
- 前記ステップ(b)は、さらに、
(a)1つ以上のベースバンド周波数信号に前記マルチメディア情報信号を変換するステップと、
(b)前記ベースバンド周波数信号を1つ以上のチャンネルに変調するステップと、
(c)前記チャンネル信号を前記ヘッドエンド複合信号に結合するステップとを備え、
前記ステップ(c)は、1人以上のユーザが、前記ヘッドエンド複合信号に含まれる任意の前記チャンネルを受信できることが許可されているかを判定するステップを備える、請求項31記載の方法。 - ステップ(g)は、さらに、前記許可情報に従って送信されるチャンネル選択を制御するステップを備える、請求項33記載の方法。
- 顧客要求情報を少なくとも1つの顧客位置から少なくとも1つの信号分配位置に送信するステップをさらに備える、請求項31記載の方法。
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