JP2004501373A - 担体物質、水およびガスを含む混合物に関する少なくとも1つのパラメータを決定する方法と装置 - Google Patents
担体物質、水およびガスを含む混合物に関する少なくとも1つのパラメータを決定する方法と装置 Download PDFInfo
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Abstract
担体物質、水およびガスを含む混合物に関する少なくとも1つのパラメータを決定するため、ネットワーク解析器1とセンサを用い、この混合物の誘電率を複数の異なった周波数で測定する。測定値を混合公式に入れて一連の式を得る。この一連の式から、この混合物に関する少なくとも1つのパラメータを決定することができる。この方法は、パラメータの位置依存性の測定、例えばコンクリート内の水分分布の測定にも適している。
Description
【0001】
[関連する出願の相互参照]
この出願は、2000年6月21日に出願されたドイツ国特許出願第100 30 602.0号の優先権を主張するものであり、その内容全体が、参考としてこの明細書に組み込まれている。
[背景]
本発明は、独立した請求項の前文による方法と装置に関し、担体物質、水およびガスを構成要素として含む混合物に関する少なくとも1つのパラメータを決定する方法と装置に関する。
【0002】
このタイプの方法は、特に、コンクリート部材の湿り具合を測定するのに用いることができる。コンクリート部材の湿り具合を知ることは、損傷を回避したり評価したりする際だけでなく、建築や修繕を行なう際にも不可欠であることがしばしばある。さらに、ロフト内で床(タイル、寄せ木張りなどの床)を敷くとき、コンクリートの表面をコーティングするとき、鉄筋の腐食を評価するときにも、湿り具合を知る必要がある。したがって、水分の測定は、コンクリート構造物でも非常に重要である。
【0003】
しかしこのタイプの方法は、他の分野(例えば、薬剤や食品のキャラクテリゼーション)にも適用可能であり、担体物質、水およびガスからなる混合物に関する1つのパラメータを決定する場合にはいつでも用いることができる。なお担体物質としては、固体または液体が可能である。
【0004】
必要な出費やコストを少なくするためには、非破壊法を用いる必要がある。
【0005】
空隙のある建築材料の水分含有量を測定する方法と装置は、ドイツ国特許DE 196 52 679 C1号として公知である。この特許では、混合物中の水分は、いくつかの周波数の電磁波をセンサに送り、このセンサ専用の較正データを用いてこの混合物の誘電率の周波数依存性を測定することにより決定する。ポルダー−ヴァン・サンテン/デ・ロールの混合公式に基づいた一連の式を周波数とは独立なパラメータについて解くことにより、液体としての水の容積分率を決定することができる。
【0006】
しかしこの方法だと精度に限界のあることがわかっている。
[発明の要約]
そのため、より精度の高い測定が可能な上記のタイプの方法および装置を提供することが、本発明の全般的な目的である。
【0007】
本発明の第1の特徴によれば、結合した水の誘電率は、周波数の関数として上記の混合公式に現われる。システムをより現実に近づけたモデルはこのステップによって実現され、測定精度が向上することがわかった。
【0008】
本発明の第2の特徴では、結合した水の影響を独立に考慮する必要はないと考える。この場合、以下のパラメータ(またはこれらパラメータから導出される値):
− ガスの容積分率v1、
− 結合していない水(free water)の容積分率v2、
− 結合していない水の減極因子N2jうちの少なくとも1つ、および
− 結合していない水の導電率、
の一連の式から同時に決定される。
【0009】
言い換えるならば、これらパラメータはすべて、例えば測定値を用いて計算を行なうことにより、測定値に合うように調節する。するとシステムのよりよいモデルが提供され、測定の精度が向上する。
【0010】
混合公式としては、混合物の誘電率が各構成要素の誘電率と容積分率の関数となっているどのような公式を用いてもよい。使用可能な混合公式としては、例えば、上記のポルダー−ヴァン・サンテン/デ・ロールの式が挙げられる。しかし好ましいのは、以下に示す混合公式を用いることである。
【0011】
本発明の第3の特徴は、混合公式に関係している。好ましいのは、以下の公式を用いることである。
【0012】
【数5】
【0013】
ただしこの式で、ε1はガスの誘電率、v1はガスの容積分率、ε2は結合していない水(free water)の誘電率、v2は結合していない水の容積分率、ε3は結合した水(bound water)の誘電率、v3は結合した水の容積分率(ε3とv3は、結合した水を考慮する必要がある場合のみ)、εbは担体物質の誘電率、N1j、N2j、N3jは、ガス、または結合していない水、または結合した水の楕円体形空洞部の減極因子であり、結合した水を考慮する場合にはn=3、結合した水を無視する場合にはn=2である。
【0014】
十分に多くの周波数で測定を行なって測定値をこの混合公式に入れると、十分な数の式、あるいは過剰な数の式が得られる。その結果、結合していない水の容積分率など、少なくとも1つの未知パラメータを決定することができる。
【0015】
本発明のさらに別の特徴においては、決定すべき別のパラメータである混合物中の水の分率が、深さ(すなわち混合物の表面までの距離)の関数として変化する可能性のあることを考慮する。このことを考慮するため、測定ステップをいくつか実行する。そのとき、センサを混合物から既知の距離だけ離し、間には、誘電率がわかっている誘電体を入れる。それぞれの測定ステップにおいて、センサを用い、値wkを測定する。この値wkは、測定範囲内にある混合物の全誘電率εkの関数になっている。次に評価を行ない、液体としての水の分率の深さ依存が、決定されるパラメータからの複数の値wkに依存して決定されて評価される、すなわち液体としての水の分率が深さとともにどう変化しているかを明らかにする。そのとき、値wkが、決定すべきこのパラメータ(水の分率)の変化に伴ってさまざまに変化することを利用する。
【0016】
本発明のさらに別の実施態様、利点、応用は、請求の範囲の従属項と、図面を参照した以下の説明から明らかになる。
[発明の詳細な説明]
図1に示した装置は、混合物の複素誘電率がどのような周波数依存性を有するかを調べるための誘電率測定装置1を備えている。図1の装置はさらに、滑らかで平坦な表面に当てて固体混合物を測定するための表面センサ2と、内部に液体混合物を充填してその液体混合物を測定するための環状中空導波センサ3を備えている。表面センサ2と中空導波センサ3は切り換え式であり、同軸ケーブル14によって誘電率測定装置1に電気的に接続されている。誘電率測定装置1は、使用するセンサの反射因子の実部と虚部を測定するベクトル・ネットワーク解析器を備えている。この反射因子は、センサ専用の較正データによって混合物の複素誘電率εmに変換される。そのための方法は、当業者には公知である。
【0017】
測定値を評価するため、データ処理システム4(例えば一般的なPC)が誘電率測定装置1に接続されていて、測定プロセスと計算プロセスの全体を以下に説明するようなやり方で制御している。温度センサ5は、調べる混合物の温度を測定するのに用いる。
【0018】
図2は、表面センサ2の断面図である。このセンサは回転対称形であり、内側導体6と外側導体7が同軸(軸を共通にする)絶縁層8(テフロンが好ましい)によって隔てられた構造になっている。測定する側の端部には、温度センサ5設けられている。
【0019】
表面センサ2は、測定する混合物10の滑らかで平坦な面9の上に置くことができる。その結果、測定範囲11が混合物の中まで広がる。以下にさらに詳しく説明することだが、表面センサ2は、測定する混合物10から離して配置し、測定範囲11が混合物の中にほんのわずかしか入らないようにすることもできる。
【0020】
表面センサ2の同軸ケーブル14側は、先細の推移部12となっている。そのため、インピーダンスが整合した状態で表面センサ2を同軸ケーブル14に接続することが保証される。推移部は、頂点を共有する2つの円錐によって構成されている。このような幾何学的形状になっているため、インピーダンスとコーン(円錐)傾斜角は、以下の関係式で結ばれる。
【0021】
【数6】
【0022】
この式で、Z0は推移部のインピーダンス(同軸ケーブルのインピーダンスと等しく、例えば50オームになっていなくてはならない)、ZF0は真空のインピーダンス(ZF0=(μ0/ε0)1/2=377オーム)、εcは絶縁層8の誘電率、θ1は内側導体6の内側円錐のコーン傾斜角、θ2は外側導体7の外側円錐のコーン傾斜角である。
【0023】
図3は、中空導波センサ3の断面図である。このセンサも回転対称形であり、内側導体6と外側導体7が同軸(軸を共通にする)絶縁層8(テフロンが好ましい)によって隔てられた構造になっている。外側導体7は絶縁層および内側導体を超えて延びており、測定する混合物10を入れるキャビティを規定している。ここでも、インピーダンスが整合した状態で同軸ケーブル14に接続するための推移部12が設けられている。
【0024】
図2と図3のセンサを用いると、電磁波の反射を通じて誘電率を決定することができる。しかし誘電率は、透過状態を測定することによっても決定できる。この場合には、例えば、電磁波が混合物の中を通過するときの減衰と位相のずれを測定する。この場合には、センサは、送信装置と受信装置からなる。そのための技術は、当業者には公知である。
【0025】
測定する混合物は、すでに述べたように、固体または液体の状態(液体または固体のコンクリートが好ましい)である。この混合物は、体積の多くの部分を占める担体物質のほか、水とガスを含んでいる。水とガスは、例えば担体物質の小孔または空洞の中に位置する。
【0026】
この混合物に関する少なくとも1つのパラメータを決定するには、以下のようにする。
【0027】
第1のステップでは、混合物10がセンサ2または3の測定範囲に入るようにする。次に、この混合物10の温度Tを温度センサ5を用いて測定する。
【0028】
この段階で、誘電率測定装置1を用い、測定範囲11の内側にある混合物の複素誘電率εmを測定する。すなわち、いくつかの測定周波数fiで測定する。好ましい周波数の範囲は10kHz〜10GHzであり、さらに好ましいのは10MHz〜1GHzである。
【0029】
これらの測定値を、混合物のモデルに基づいた理論式と比較する。この理論式は、以下のものが好ましい。
【0030】
【数7】
【0031】
この式で、ε1はガスの誘電率、v1はガスの容積分率、ε2は結合していない水の誘電率、v2は結合していない水の容積分率、ε3は結合した水の誘電率、v3は結合した水の容積分率(ε3とv3は、結合した水を考慮する必要がある場合のみ)、εbは担体物質の誘電率、N1j、N2j、N3jは、ガス、または結合していない水、または結合した水の楕円体形空洞部の減極因子である。結合した水の影響を考慮する場合にはn=3であり、その影響を無視する場合にはn=2である。
【0032】
測定値εm (fi)を式(2)に入れることにより、一連の式が得られる。十分な数の測定値が利用できる場合には、これら一連の式を評価することで混合物のさまざまなパラメータを以下のようにして決定することができる。測定値の数は、過剰な数の式が得られてパラメータが観測値の計算から高い精度で決められるように選択する。
【0033】
式(2)以外の方法や近似を用いて混合物の誘電率εmを評価できることにも注意されたい。別の式の一例はポルダー−ヴァン・サンテン/デ・ロールの混合公式であり、ドイツ国特許DE 196 52 679号に記載されている。さらに、減極因子に対してさまざまな近似を用いることができる。例えば、結合していない水の減極因子が回転対称性を有すると仮定するならば、以下の近似を用いることができる。
【0034】
N21 = N22 = Nfw
N23 = 1 − 2・Nfw (3)
すなわち、空洞における結合していない水の減極効果は、単一のパラメータNfwで表わすことができる。
【0035】
ガスの減極因子としては、以下のように仮定するのが合理的であることがわかった。
【0036】
N11 = N12 = N13 = 1/3 (4)
結合した水の減極因子に対しては、以下の近似を用いることができる。
【0037】
N31 = N32 = 0 と N33 = 1 (5)
一般に、混合公式は、結合した水の影響を考慮する場合には、以下の形になる。
【0038】
εm = εm(ε1, ε2, ε3, εb, v1, v2, v3) (6)
すなわち、混合物の誘電率は、各構成要素の誘電率と容積分率の関数として与えられる。場合によっては、他のパラメータも式(6)の未知数として考えることができる。そうしたパラメータとして、例えば、混合物の構成要素に関する少なくとも1つの減極因子、さらに特定するならば、結合していない水の減極因子(例えば式(3)の減極因子Nfw)が挙げられる。
【0039】
結合した水の影響を考慮しないか無視し(あるいは担体物質の誘電率εbに一定の寄与をするという近似で考慮し)、減極因子に対して式(3)、(4)、(5)のタイプの近似を用いる場合には、
εm = εm(ε1, ε2, εb, v1, v2, Nfw) (7)
が得られる。
【0040】
式(2)、(6)、(7)におけるいくつかのパラメータは十分な精度で評価できるが、他のパラメータは、測定によってしか決定できない。
【0041】
使用した周波数におけるガスの誘電率ε1は、好ましい近似で1 + 0・iにすることができる。
【0042】
結合していない水の誘電率ε2には、以下のコール−コール近似を用いることができる。
【0043】
【数8】
【0044】
この式で、εstat(fw)、ε∞(fw)、τfw、α、σfwは、パラメータであり、ε0 = 8.8642×10−12F/m、ω=2πfである。εstat(fw)は結合していない水の静誘電率、ε∞(fw)は結合していない水の光学周波数における誘電率、τfwは結合していない水の緩和時間、α=0.02、σfwは結合していない水の導電率である。対応するパラメータが数値、温度、塩にどのように依存するかは、エイ、ニシャドハムら(A. Nishadham et al.)による「開放端センサと基準液体による較正を利用した誘電率の測定−不確定解析」、マイクロ波の理論と技術に関するIEEE報告書、第40(2)巻、305ページ以降、1992年に公開されている。
【0045】
結合した水の誘電率ε3にもコール−コール近似を用いることができる。
【0046】
【数9】
【0047】
この式で、εstat(bw)、ε∞(bw)、τbw、α、σbwはパラメータであり、ε0 = 8.8642×10−12F/m、ω=2πfである。以下の値を用いることが好ましい。
【0048】
εstat(bw)≒ 80
ε∞(bw)≒ 4.5
τbw≒ −7.721×10−14T3 + 1.017×10−11T2 − 5.516×10−10T + 1.645×10−8秒(温度Tの単位は℃)
α≒ 0
σbw≒ 0
担体物質の誘電率εbは、一般に、較正における測定値から知ることができる。
【0049】
容積分率v1、v23、v3を合計すると、担体物質の空隙率になる。結合した水の影響を考慮しない場合には、v3をゼロにすることができる。多くの用途において、容積分率v3は一定値である。というのも、担体物質の中には結合した水が常に存在しており、その水を除去することは難しいからである。コンクリートの場合には、v3の値は約0.016である。
【0050】
異なる周波数における少なくとも4つの測定値を評価し、既知のパラメータに関する上記の値を用いると、(v3=0とし、式(3)と(5)の近似を用いると)式(7)(または式(2))から一連の式が得られる。この一連の式により、以下の未知パラメータを同時に決定することができる。
【0051】
− ガスの容積分率v1、
− 結合していない水の容積分率v2、
− 結合していない水に関する減極因子N2jのうちの少なくとも1つ(式(4)の近似を用いる場合には、特にNfw)、および
− 結合していない水の導電率。
【0052】
これらパラメータの代わりに、これらパラメータに依存した他の値を決定することもできる。中でも、結合していない水に含まれる塩の濃度を、エイ・ニシャドハムらの上記文献に記載されている実験式を用い、結合していない水の導電率から決定することができる。対応する変換公式は、当業者には公知である。
【0053】
結合した水の影響を無視せずに明らかな形で考慮する場合には、未知パラメータの数が増える。しかしうまく評価した誘電率ε3の値を用いると、正確な測定ができることがわかった。そのためには、この誘電率ε3の値が、使用する測定周波数で周波数依存性を有すること、すなわち、一般にε3=ε3(f)であることを考慮することが重要である。例えば、式(9)を具体的な式として用いることができる。周波数の範囲をどこにするかによって異なるが、式(9)の実際の値は、一定値である例えば4.5にすることができる。すでに述べたように、特に結合した水の導電率σbwに関しては、測定周波数においてよい近似でゼロにすることができる。
【0054】
したがって、結合していない水の影響を考慮する場合には、少なくとも1つのパラメータ、さらに特定するならば、結合していない水の容積分率v2は、式(2)または式(5)に測定値を入れた一連の式から決定することができる。
【0055】
上記の方法により、担体物質の空隙率を、容積分率の和v1+v2(または、結合した水の影響を考慮する場合にはv1+v2+v3)とすることもできる。
【0056】
さらに、水の分量は、この方法を用いて数値v2または和v2+v3から決定することができる。担体物質だけが存在しているときの密度がわかっていて、既知の空隙率または決定した空隙率を考慮に入れる場合には、含まれる水の重量分率は、以下のようにして決定することができる。
【0057】
ρroh = ρrein・(1 − θ)
(ただし、
ρrohは、全体の密度(例えばg/cm3)
ρreinは、物質のみの密度(例えばg/cm3)
θは空隙率(単位なし))
wgew. = wvol./ρroh
(ただし、
wgew.は、含まれる水の重量分率(重量%)
wvol.は、含まれる水の容積分率(容積%))
物質のみの密度は、標準的な方法を用いて実験室で簡単に決定することができる。
【0058】
上記の説明では、混合物の誘電率εmが位置に無関係であると仮定した。この仮定があてはまらない場合には、測定値εmは、センサの測定範囲11内にある混合物の誘電率の平均値(すなわち積分値)になる。
【0059】
しかし特に固体混合物の場合には、誘電率は、例えば深さ(すなわち表面からの距離)をパラメータとした以下のような関数fになることがしばしばある。
【0060】
f(x)= a1 + a2・(1 − exp(−x/a3)) (9)
この式で、a1、a2、a3は未知のパラメータである。
【0061】
本発明の方法により、液体としての水の分率が深さによりどう変化するかを決定できることがわかった。あるいは、同様にして、深さに依存した別のパラメータ(例えば塩の濃度)を決めることもできる。
【0062】
そのためには、いくつかの測定ステップkを実施する。それぞれの測定ステップでは、センサを混合物から既知の距離だけ離し、間には、誘電率がわかっている誘電体を入れる。誘電体を特定するならば、空気にすることができる。また、測定ステップのうちの1回は距離を0にすることが好ましい。測定ステップごとに、センサと混合物の距離を変えるか、あるいはセンサと混合物の間に別の誘電体を挿入する。したがって、たいていの測定ステップでは、センサの測定範囲が混合物の中にほんの少しだけ入り、しかもその程度が異なることになる。
【0063】
それぞれの測定ステップでは、全誘電率εmkに依存した値wkを測定する。例えば水の分率または塩の濃度が測定される。この場合、誘電率εmが測定範囲全体にわたって一定であるために上記の評価を使用できると仮定することができる。測定するパラメータ(例えば水の分率)の変化に伴って値wkが測定範囲内で変化することから、値a1、a2、a3を決定し、したがって関数fを決定することができる。
【0064】
以下の積分:
【0065】
【数10】
【0066】
をそれぞれの測定ステップについて計算することが好ましい。この式でEk(x)は、測定ステップkでの条件(センサと混合物の距離、誘電体の誘電率)下で、センサの感度を混合物の深さxを変数として表わした規格化された関数である。
【0067】
依存性関数Ek(x)は、例えば、測定ステップにおける測定条件下で以前に述べた較正測定を行なって決定すること、あるいは、例えば有限な要素の計算によって数値的に決定することができる。
【0068】
依存性関数Ek(x)は、例えば、混合物の上に置いたセンサの感度S(x)に基づいて決定することができる。測定ステップkにおけるセンサと混合物の間の距離がdkであり、センサと混合物の間にある誘電体の誘電率が混合物の平均誘電率とほとんど等しい場合には、近似的に以下の式が得られる。
【0069】
Ek(x)= S(x + dk) (11)
測定値wkを式(10)に入れることにより、パラメータa1、a2、a3...に関する一連の式を再び得ることができる。この一連の式は、測定値を用いた計算により解くことができる。
【0070】
この明細書では、本発明の好ましい実施態様について説明したが、本発明がそれだけに限られることはなく、添付の請求項の範囲内で別の方法によって本発明を実現しうることもはっきりと理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【図1】
本発明の好ましい実施態様における装置の概略構成図である。
【図2】
表面センサの断面図である。
【図3】
中空導波センサの断面図である。
[関連する出願の相互参照]
この出願は、2000年6月21日に出願されたドイツ国特許出願第100 30 602.0号の優先権を主張するものであり、その内容全体が、参考としてこの明細書に組み込まれている。
[背景]
本発明は、独立した請求項の前文による方法と装置に関し、担体物質、水およびガスを構成要素として含む混合物に関する少なくとも1つのパラメータを決定する方法と装置に関する。
【0002】
このタイプの方法は、特に、コンクリート部材の湿り具合を測定するのに用いることができる。コンクリート部材の湿り具合を知ることは、損傷を回避したり評価したりする際だけでなく、建築や修繕を行なう際にも不可欠であることがしばしばある。さらに、ロフト内で床(タイル、寄せ木張りなどの床)を敷くとき、コンクリートの表面をコーティングするとき、鉄筋の腐食を評価するときにも、湿り具合を知る必要がある。したがって、水分の測定は、コンクリート構造物でも非常に重要である。
【0003】
しかしこのタイプの方法は、他の分野(例えば、薬剤や食品のキャラクテリゼーション)にも適用可能であり、担体物質、水およびガスからなる混合物に関する1つのパラメータを決定する場合にはいつでも用いることができる。なお担体物質としては、固体または液体が可能である。
【0004】
必要な出費やコストを少なくするためには、非破壊法を用いる必要がある。
【0005】
空隙のある建築材料の水分含有量を測定する方法と装置は、ドイツ国特許DE 196 52 679 C1号として公知である。この特許では、混合物中の水分は、いくつかの周波数の電磁波をセンサに送り、このセンサ専用の較正データを用いてこの混合物の誘電率の周波数依存性を測定することにより決定する。ポルダー−ヴァン・サンテン/デ・ロールの混合公式に基づいた一連の式を周波数とは独立なパラメータについて解くことにより、液体としての水の容積分率を決定することができる。
【0006】
しかしこの方法だと精度に限界のあることがわかっている。
[発明の要約]
そのため、より精度の高い測定が可能な上記のタイプの方法および装置を提供することが、本発明の全般的な目的である。
【0007】
本発明の第1の特徴によれば、結合した水の誘電率は、周波数の関数として上記の混合公式に現われる。システムをより現実に近づけたモデルはこのステップによって実現され、測定精度が向上することがわかった。
【0008】
本発明の第2の特徴では、結合した水の影響を独立に考慮する必要はないと考える。この場合、以下のパラメータ(またはこれらパラメータから導出される値):
− ガスの容積分率v1、
− 結合していない水(free water)の容積分率v2、
− 結合していない水の減極因子N2jうちの少なくとも1つ、および
− 結合していない水の導電率、
の一連の式から同時に決定される。
【0009】
言い換えるならば、これらパラメータはすべて、例えば測定値を用いて計算を行なうことにより、測定値に合うように調節する。するとシステムのよりよいモデルが提供され、測定の精度が向上する。
【0010】
混合公式としては、混合物の誘電率が各構成要素の誘電率と容積分率の関数となっているどのような公式を用いてもよい。使用可能な混合公式としては、例えば、上記のポルダー−ヴァン・サンテン/デ・ロールの式が挙げられる。しかし好ましいのは、以下に示す混合公式を用いることである。
【0011】
本発明の第3の特徴は、混合公式に関係している。好ましいのは、以下の公式を用いることである。
【0012】
【数5】
【0013】
ただしこの式で、ε1はガスの誘電率、v1はガスの容積分率、ε2は結合していない水(free water)の誘電率、v2は結合していない水の容積分率、ε3は結合した水(bound water)の誘電率、v3は結合した水の容積分率(ε3とv3は、結合した水を考慮する必要がある場合のみ)、εbは担体物質の誘電率、N1j、N2j、N3jは、ガス、または結合していない水、または結合した水の楕円体形空洞部の減極因子であり、結合した水を考慮する場合にはn=3、結合した水を無視する場合にはn=2である。
【0014】
十分に多くの周波数で測定を行なって測定値をこの混合公式に入れると、十分な数の式、あるいは過剰な数の式が得られる。その結果、結合していない水の容積分率など、少なくとも1つの未知パラメータを決定することができる。
【0015】
本発明のさらに別の特徴においては、決定すべき別のパラメータである混合物中の水の分率が、深さ(すなわち混合物の表面までの距離)の関数として変化する可能性のあることを考慮する。このことを考慮するため、測定ステップをいくつか実行する。そのとき、センサを混合物から既知の距離だけ離し、間には、誘電率がわかっている誘電体を入れる。それぞれの測定ステップにおいて、センサを用い、値wkを測定する。この値wkは、測定範囲内にある混合物の全誘電率εkの関数になっている。次に評価を行ない、液体としての水の分率の深さ依存が、決定されるパラメータからの複数の値wkに依存して決定されて評価される、すなわち液体としての水の分率が深さとともにどう変化しているかを明らかにする。そのとき、値wkが、決定すべきこのパラメータ(水の分率)の変化に伴ってさまざまに変化することを利用する。
【0016】
本発明のさらに別の実施態様、利点、応用は、請求の範囲の従属項と、図面を参照した以下の説明から明らかになる。
[発明の詳細な説明]
図1に示した装置は、混合物の複素誘電率がどのような周波数依存性を有するかを調べるための誘電率測定装置1を備えている。図1の装置はさらに、滑らかで平坦な表面に当てて固体混合物を測定するための表面センサ2と、内部に液体混合物を充填してその液体混合物を測定するための環状中空導波センサ3を備えている。表面センサ2と中空導波センサ3は切り換え式であり、同軸ケーブル14によって誘電率測定装置1に電気的に接続されている。誘電率測定装置1は、使用するセンサの反射因子の実部と虚部を測定するベクトル・ネットワーク解析器を備えている。この反射因子は、センサ専用の較正データによって混合物の複素誘電率εmに変換される。そのための方法は、当業者には公知である。
【0017】
測定値を評価するため、データ処理システム4(例えば一般的なPC)が誘電率測定装置1に接続されていて、測定プロセスと計算プロセスの全体を以下に説明するようなやり方で制御している。温度センサ5は、調べる混合物の温度を測定するのに用いる。
【0018】
図2は、表面センサ2の断面図である。このセンサは回転対称形であり、内側導体6と外側導体7が同軸(軸を共通にする)絶縁層8(テフロンが好ましい)によって隔てられた構造になっている。測定する側の端部には、温度センサ5設けられている。
【0019】
表面センサ2は、測定する混合物10の滑らかで平坦な面9の上に置くことができる。その結果、測定範囲11が混合物の中まで広がる。以下にさらに詳しく説明することだが、表面センサ2は、測定する混合物10から離して配置し、測定範囲11が混合物の中にほんのわずかしか入らないようにすることもできる。
【0020】
表面センサ2の同軸ケーブル14側は、先細の推移部12となっている。そのため、インピーダンスが整合した状態で表面センサ2を同軸ケーブル14に接続することが保証される。推移部は、頂点を共有する2つの円錐によって構成されている。このような幾何学的形状になっているため、インピーダンスとコーン(円錐)傾斜角は、以下の関係式で結ばれる。
【0021】
【数6】
【0022】
この式で、Z0は推移部のインピーダンス(同軸ケーブルのインピーダンスと等しく、例えば50オームになっていなくてはならない)、ZF0は真空のインピーダンス(ZF0=(μ0/ε0)1/2=377オーム)、εcは絶縁層8の誘電率、θ1は内側導体6の内側円錐のコーン傾斜角、θ2は外側導体7の外側円錐のコーン傾斜角である。
【0023】
図3は、中空導波センサ3の断面図である。このセンサも回転対称形であり、内側導体6と外側導体7が同軸(軸を共通にする)絶縁層8(テフロンが好ましい)によって隔てられた構造になっている。外側導体7は絶縁層および内側導体を超えて延びており、測定する混合物10を入れるキャビティを規定している。ここでも、インピーダンスが整合した状態で同軸ケーブル14に接続するための推移部12が設けられている。
【0024】
図2と図3のセンサを用いると、電磁波の反射を通じて誘電率を決定することができる。しかし誘電率は、透過状態を測定することによっても決定できる。この場合には、例えば、電磁波が混合物の中を通過するときの減衰と位相のずれを測定する。この場合には、センサは、送信装置と受信装置からなる。そのための技術は、当業者には公知である。
【0025】
測定する混合物は、すでに述べたように、固体または液体の状態(液体または固体のコンクリートが好ましい)である。この混合物は、体積の多くの部分を占める担体物質のほか、水とガスを含んでいる。水とガスは、例えば担体物質の小孔または空洞の中に位置する。
【0026】
この混合物に関する少なくとも1つのパラメータを決定するには、以下のようにする。
【0027】
第1のステップでは、混合物10がセンサ2または3の測定範囲に入るようにする。次に、この混合物10の温度Tを温度センサ5を用いて測定する。
【0028】
この段階で、誘電率測定装置1を用い、測定範囲11の内側にある混合物の複素誘電率εmを測定する。すなわち、いくつかの測定周波数fiで測定する。好ましい周波数の範囲は10kHz〜10GHzであり、さらに好ましいのは10MHz〜1GHzである。
【0029】
これらの測定値を、混合物のモデルに基づいた理論式と比較する。この理論式は、以下のものが好ましい。
【0030】
【数7】
【0031】
この式で、ε1はガスの誘電率、v1はガスの容積分率、ε2は結合していない水の誘電率、v2は結合していない水の容積分率、ε3は結合した水の誘電率、v3は結合した水の容積分率(ε3とv3は、結合した水を考慮する必要がある場合のみ)、εbは担体物質の誘電率、N1j、N2j、N3jは、ガス、または結合していない水、または結合した水の楕円体形空洞部の減極因子である。結合した水の影響を考慮する場合にはn=3であり、その影響を無視する場合にはn=2である。
【0032】
測定値εm (fi)を式(2)に入れることにより、一連の式が得られる。十分な数の測定値が利用できる場合には、これら一連の式を評価することで混合物のさまざまなパラメータを以下のようにして決定することができる。測定値の数は、過剰な数の式が得られてパラメータが観測値の計算から高い精度で決められるように選択する。
【0033】
式(2)以外の方法や近似を用いて混合物の誘電率εmを評価できることにも注意されたい。別の式の一例はポルダー−ヴァン・サンテン/デ・ロールの混合公式であり、ドイツ国特許DE 196 52 679号に記載されている。さらに、減極因子に対してさまざまな近似を用いることができる。例えば、結合していない水の減極因子が回転対称性を有すると仮定するならば、以下の近似を用いることができる。
【0034】
N21 = N22 = Nfw
N23 = 1 − 2・Nfw (3)
すなわち、空洞における結合していない水の減極効果は、単一のパラメータNfwで表わすことができる。
【0035】
ガスの減極因子としては、以下のように仮定するのが合理的であることがわかった。
【0036】
N11 = N12 = N13 = 1/3 (4)
結合した水の減極因子に対しては、以下の近似を用いることができる。
【0037】
N31 = N32 = 0 と N33 = 1 (5)
一般に、混合公式は、結合した水の影響を考慮する場合には、以下の形になる。
【0038】
εm = εm(ε1, ε2, ε3, εb, v1, v2, v3) (6)
すなわち、混合物の誘電率は、各構成要素の誘電率と容積分率の関数として与えられる。場合によっては、他のパラメータも式(6)の未知数として考えることができる。そうしたパラメータとして、例えば、混合物の構成要素に関する少なくとも1つの減極因子、さらに特定するならば、結合していない水の減極因子(例えば式(3)の減極因子Nfw)が挙げられる。
【0039】
結合した水の影響を考慮しないか無視し(あるいは担体物質の誘電率εbに一定の寄与をするという近似で考慮し)、減極因子に対して式(3)、(4)、(5)のタイプの近似を用いる場合には、
εm = εm(ε1, ε2, εb, v1, v2, Nfw) (7)
が得られる。
【0040】
式(2)、(6)、(7)におけるいくつかのパラメータは十分な精度で評価できるが、他のパラメータは、測定によってしか決定できない。
【0041】
使用した周波数におけるガスの誘電率ε1は、好ましい近似で1 + 0・iにすることができる。
【0042】
結合していない水の誘電率ε2には、以下のコール−コール近似を用いることができる。
【0043】
【数8】
【0044】
この式で、εstat(fw)、ε∞(fw)、τfw、α、σfwは、パラメータであり、ε0 = 8.8642×10−12F/m、ω=2πfである。εstat(fw)は結合していない水の静誘電率、ε∞(fw)は結合していない水の光学周波数における誘電率、τfwは結合していない水の緩和時間、α=0.02、σfwは結合していない水の導電率である。対応するパラメータが数値、温度、塩にどのように依存するかは、エイ、ニシャドハムら(A. Nishadham et al.)による「開放端センサと基準液体による較正を利用した誘電率の測定−不確定解析」、マイクロ波の理論と技術に関するIEEE報告書、第40(2)巻、305ページ以降、1992年に公開されている。
【0045】
結合した水の誘電率ε3にもコール−コール近似を用いることができる。
【0046】
【数9】
【0047】
この式で、εstat(bw)、ε∞(bw)、τbw、α、σbwはパラメータであり、ε0 = 8.8642×10−12F/m、ω=2πfである。以下の値を用いることが好ましい。
【0048】
εstat(bw)≒ 80
ε∞(bw)≒ 4.5
τbw≒ −7.721×10−14T3 + 1.017×10−11T2 − 5.516×10−10T + 1.645×10−8秒(温度Tの単位は℃)
α≒ 0
σbw≒ 0
担体物質の誘電率εbは、一般に、較正における測定値から知ることができる。
【0049】
容積分率v1、v23、v3を合計すると、担体物質の空隙率になる。結合した水の影響を考慮しない場合には、v3をゼロにすることができる。多くの用途において、容積分率v3は一定値である。というのも、担体物質の中には結合した水が常に存在しており、その水を除去することは難しいからである。コンクリートの場合には、v3の値は約0.016である。
【0050】
異なる周波数における少なくとも4つの測定値を評価し、既知のパラメータに関する上記の値を用いると、(v3=0とし、式(3)と(5)の近似を用いると)式(7)(または式(2))から一連の式が得られる。この一連の式により、以下の未知パラメータを同時に決定することができる。
【0051】
− ガスの容積分率v1、
− 結合していない水の容積分率v2、
− 結合していない水に関する減極因子N2jのうちの少なくとも1つ(式(4)の近似を用いる場合には、特にNfw)、および
− 結合していない水の導電率。
【0052】
これらパラメータの代わりに、これらパラメータに依存した他の値を決定することもできる。中でも、結合していない水に含まれる塩の濃度を、エイ・ニシャドハムらの上記文献に記載されている実験式を用い、結合していない水の導電率から決定することができる。対応する変換公式は、当業者には公知である。
【0053】
結合した水の影響を無視せずに明らかな形で考慮する場合には、未知パラメータの数が増える。しかしうまく評価した誘電率ε3の値を用いると、正確な測定ができることがわかった。そのためには、この誘電率ε3の値が、使用する測定周波数で周波数依存性を有すること、すなわち、一般にε3=ε3(f)であることを考慮することが重要である。例えば、式(9)を具体的な式として用いることができる。周波数の範囲をどこにするかによって異なるが、式(9)の実際の値は、一定値である例えば4.5にすることができる。すでに述べたように、特に結合した水の導電率σbwに関しては、測定周波数においてよい近似でゼロにすることができる。
【0054】
したがって、結合していない水の影響を考慮する場合には、少なくとも1つのパラメータ、さらに特定するならば、結合していない水の容積分率v2は、式(2)または式(5)に測定値を入れた一連の式から決定することができる。
【0055】
上記の方法により、担体物質の空隙率を、容積分率の和v1+v2(または、結合した水の影響を考慮する場合にはv1+v2+v3)とすることもできる。
【0056】
さらに、水の分量は、この方法を用いて数値v2または和v2+v3から決定することができる。担体物質だけが存在しているときの密度がわかっていて、既知の空隙率または決定した空隙率を考慮に入れる場合には、含まれる水の重量分率は、以下のようにして決定することができる。
【0057】
ρroh = ρrein・(1 − θ)
(ただし、
ρrohは、全体の密度(例えばg/cm3)
ρreinは、物質のみの密度(例えばg/cm3)
θは空隙率(単位なし))
wgew. = wvol./ρroh
(ただし、
wgew.は、含まれる水の重量分率(重量%)
wvol.は、含まれる水の容積分率(容積%))
物質のみの密度は、標準的な方法を用いて実験室で簡単に決定することができる。
【0058】
上記の説明では、混合物の誘電率εmが位置に無関係であると仮定した。この仮定があてはまらない場合には、測定値εmは、センサの測定範囲11内にある混合物の誘電率の平均値(すなわち積分値)になる。
【0059】
しかし特に固体混合物の場合には、誘電率は、例えば深さ(すなわち表面からの距離)をパラメータとした以下のような関数fになることがしばしばある。
【0060】
f(x)= a1 + a2・(1 − exp(−x/a3)) (9)
この式で、a1、a2、a3は未知のパラメータである。
【0061】
本発明の方法により、液体としての水の分率が深さによりどう変化するかを決定できることがわかった。あるいは、同様にして、深さに依存した別のパラメータ(例えば塩の濃度)を決めることもできる。
【0062】
そのためには、いくつかの測定ステップkを実施する。それぞれの測定ステップでは、センサを混合物から既知の距離だけ離し、間には、誘電率がわかっている誘電体を入れる。誘電体を特定するならば、空気にすることができる。また、測定ステップのうちの1回は距離を0にすることが好ましい。測定ステップごとに、センサと混合物の距離を変えるか、あるいはセンサと混合物の間に別の誘電体を挿入する。したがって、たいていの測定ステップでは、センサの測定範囲が混合物の中にほんの少しだけ入り、しかもその程度が異なることになる。
【0063】
それぞれの測定ステップでは、全誘電率εmkに依存した値wkを測定する。例えば水の分率または塩の濃度が測定される。この場合、誘電率εmが測定範囲全体にわたって一定であるために上記の評価を使用できると仮定することができる。測定するパラメータ(例えば水の分率)の変化に伴って値wkが測定範囲内で変化することから、値a1、a2、a3を決定し、したがって関数fを決定することができる。
【0064】
以下の積分:
【0065】
【数10】
【0066】
をそれぞれの測定ステップについて計算することが好ましい。この式でEk(x)は、測定ステップkでの条件(センサと混合物の距離、誘電体の誘電率)下で、センサの感度を混合物の深さxを変数として表わした規格化された関数である。
【0067】
依存性関数Ek(x)は、例えば、測定ステップにおける測定条件下で以前に述べた較正測定を行なって決定すること、あるいは、例えば有限な要素の計算によって数値的に決定することができる。
【0068】
依存性関数Ek(x)は、例えば、混合物の上に置いたセンサの感度S(x)に基づいて決定することができる。測定ステップkにおけるセンサと混合物の間の距離がdkであり、センサと混合物の間にある誘電体の誘電率が混合物の平均誘電率とほとんど等しい場合には、近似的に以下の式が得られる。
【0069】
Ek(x)= S(x + dk) (11)
測定値wkを式(10)に入れることにより、パラメータa1、a2、a3...に関する一連の式を再び得ることができる。この一連の式は、測定値を用いた計算により解くことができる。
【0070】
この明細書では、本発明の好ましい実施態様について説明したが、本発明がそれだけに限られることはなく、添付の請求項の範囲内で別の方法によって本発明を実現しうることもはっきりと理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【図1】
本発明の好ましい実施態様における装置の概略構成図である。
【図2】
表面センサの断面図である。
【図3】
中空導波センサの断面図である。
Claims (29)
- 担体物質、水およびガスという構成要素からなる混合物に関する少なくとも1つのパラメータを決定する方法であって、
この混合物をセンサの測定範囲内に置き、
電磁波をセンサに送るとともに、このセンサの較正データを利用することにより、この混合物の複素誘電率εm(fi)をいくつかの測定周波数fiで測定し、
この複素誘電率εm(fi)を以下の混合公式:
εm = εm(ε1, ε2, ε3, εb, v1, v2, v3)
に入れることにより一連の式を獲得し、
この混合物の誘電率εm(f)を、少なくとも、ガスの誘電率ε1と容積分率v1、結合していない水の誘電率ε2と容積分率v2、および結合した水の誘電率ε3と容積分率v3の関数として、かつ担体物質の誘電率εbの関数として戻し、
この一連の式を評価することにより、この混合公式に関する少なくとも1つの未知パラメータ、またはその未知パラメータから導かれるパラメータを決定する方法において、
結合した水の誘電率ε3を、周波数に依存した関数ε3(f)として混合公式に入れる、各ステップを備えたことを特徴とする方法。 - 混合公式が、少なくとも1つの減極因子、さらに特定するならば、結合していない水の減極因子に依存している、請求項1に記載の方法。
- 担体物質、水およびガスという構成要素からなる混合物に関する少なくとも1つのパラメータを決定する方法であって、
この混合物をセンサの測定範囲内に置き、
電磁波をセンサに送るとともに、このセンサの較正データを利用することにより、この混合物の複素誘電率εm(fi)をいくつかの測定周波数fiで測定し、
この複素誘電率εm(fi)を以下の混合公式:
εm = εm(ε1, ε2, εb, v1, v2, Nfw)
に入れることにより一連の式を獲得し、
結合した水の影響は無視して、この混合物の誘電率εm(f)を、ガスの誘電率ε1と容積分率v1、および結合していない水の誘電率ε2と容積分率v2の関数として、かつ担体物質の誘電率εb、結合していない水の減極係数Nfwの関数として戻し、
以下のパラメータ:
− ガスの容積分率v1、
− 結合していない水の容積分率v2、
− 結合していない水の減極因子Nfw、および
− 結合していない水の導電率、
または、これらパラメータに依存した値を、上記一連の式から決定する、各ステップを備えたことを特徴とする方法。 - 担体物質、水およびガスという構成要素からなる混合物に関する少なくとも1つのパラメータを決定する方法であって、
この混合物をセンサの測定範囲内に置き、
電磁波をセンサに送るとともに、このセンサの較正データを利用することにより、この混合物の複素誘電率εm(fi)をいくつかの測定周波数fiで測定し、
この複素誘電率εm(fi)を以下の混合公式:
この一連の式を評価することにより、この混合公式に関する少なくとも1つの未知パラメータ、またはこの未知パラメータから導かれる値を決定する、各ステップを備えた請求項1乃至3のいずれか1項に記載の方法。 - 結合していない水の減極因子N2jのうちの1つを上記一連の式から決定し、さらに特定するならば、N21 = N22 = Nfw = N23 = 1 − 2・Nfwを利用してこの一連の式からNfwの値を決定する、請求項4に記載の方法。
- 結合した水に対してN21 = N32 = 0、およびN33 = 1を用いる、請求項4または5に記載の方法。
- ガスに対してN11 = N12 = N13 = 1/3を用いる、請求項4乃至6のいずれか1項に記載の方法。
- 結合した水の誘電率として、周波数に依存した以下の関数ε3(f):
εstat(bw)≒ 80、および/または
ε∞(bw)≒ 4.5、および/または
τbwは、測定した温度T(単位は℃)に依存しており、ほぼ
−7.721×10−14T3 + 1.017×10−11T2 − 5.516×10−10T + 1.645×10−8秒に等しく、および/または
αは 0にし、および/または
σbwは 0にする)を上記混合公式に入れる、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の方法。 - 結合した水の容積分率v3を一定量として上記一連の式に入れること、さらに特定するならば、コンクリートに対してはv3を約0.016にする、請求項1乃至8のいずれか1項に記載の方法。
- 結合していない水の導電率σfwを決定する、請求項10に記載の方法。
- 上記一連の式を用い、結合していない水に含まれる塩の濃度を、結合していない水の誘電率の虚部が、結合していない水の導電率σfwにどのように依存しているかに基づいて決定する、請求項1乃至11のいずれか1項に記載の方法。
- 上記担体物質が複数の小孔を有する固体であり、ガスと水がその小孔の中に存在する、請求項1乃至12のいずれか1項に記載の方法。
- 上記担体物質がコンクリートである、請求項13に記載の方法。
- 上記混合物の温度を測定する、請求項1乃至14のいずれか1項に記載の方法。
- 上記センサを表面センサとして担体物質の滑らかで平坦な表面の上に置くか、あるいは液体状態の担体物質をセンサの中に充填する、請求項1乃至15のいずれか1項に記載の方法。
- 測定を少なくとも3つの異なる周波数で行なう、請求項1乃至16のいずれか1項に記載の方法。
- 上記担体物質の空隙率を容積分率の合計から決定する、請求項1乃至17のいずれか1項に記載の方法。
- 上記測定周波数を10kHz〜10GHzの範囲、さらに特定するならば10MHz〜1GHzの範囲にする、請求項1乃至18のいずれか1項に記載の方法。
- 結合していない水の容積分率v2を上記一連の式から決定する、請求項1乃至19のいずれか1項に記載の方法。
- 担体物質、水およびガスという構成要素からなる混合物に関し、深さに依存するパラメータを決定する方法、さらに特定するならば、この混合物中の水の量を決定する方法であって、
いくつかの測定ステップkを実行し、その少なくとも一部の測定ステップにおいては、センサを混合物から既知の距離だけ離し、これらのセンサと混合物との間には、誘電率がわかっている誘電体を入れて分離するが、そのときセンサの測定範囲が、異なる測定ステップにおいて異なる深さに達するようにして、各測定ステップにおいて、測定範囲内の混合物の全誘電率εmkに依存する値wkをセンサを用いて測定し、
液体としての水の分率の深さ依存が、決定されるパラメータからの複数の値wkに依存して決定されて評価される、請求項1乃至20のいずれか1項に記載の方法。 - 上記評価において、上記パラメータをパラメータとする関数を値wkに合うように調節する、請求項21に記載の方法。
- 上記測定ステップの間に、上記センサと上記混合物の距離を変化させる、および/または異なる誘電体をこれらセンサと混合物の間に設ける、請求項21または22に記載の方法。
- 測定するパラメータが測定範囲全体で一定であると仮定して実効誘電率を決定する、請求項21乃至23のいずれか1項に記載の方法。
- 請求項1乃至25のいずれか1項に記載の方法を実施するための装置であって、センサ(2、3)と、このセンサを用いて周波数依存性を測定するための測定装置(1)と、データ処理装置(4)とを備え、該データ処理装置(4)が、請求項1乃至25のいずれか1項に記載の方法に従って決定されるパラメータを決定するように設けられている、ことを特徴とする装置。
- 上記センサ(2)が、表面センサ(2)または導波センサ(3)である、請求項26に記載の装置。
- 同軸伝送ライン(14)が、上記センサ(2、3)と上記測定装置(1)との間に配置され、上記センサ(2、3)は、この同軸伝送ライン(14)とインピーダンスが整合した接続をするために先細の推移部(12)を有する、請求項26または27に記載の装置。
- 上記測定装置(1)が、ベクトル・ネットワーク解析器を備え、このネットワーク解析器によって決定された反射因子および/または透過因子を、センサ専用の較正データによって混合物の誘電率に変換できる、請求項26乃至28のいずれか1項に記載の装置。
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