JP2004501177A - ヒト又は動物の身体の一部又は全身の処置、特にメーキャップ、着色又は化粧ケアする方法及びそのための装置 - Google Patents

Abstract

【課題】ヒト又は動物の身体の一部又は全身の処置、特にメーキャップ、着色又は化粧ケアする方法及びそのための装置を提供すること。
【解決手段】ヒト又は動物の身体の少なくとも一部の処置、特にケア、メーキャップ又は着色する方法を、局限化した領域及び／又は予め定めたデザインの性質の機能に従って身体の局限化した領域の部分に少なくとも二つの処置製品を同時に適用して、局限化した領域において該処置製品の混合物を直接得ることにより実施し、ここで、少なくとも一つの処置製品が少なくとも一つの溶媒を少なくとも１０質量％の割合で含んでいる。
【選択図】 なし

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ヒト又は動物の身体の一部又は全身の処置、特にメーキャップ、着色又は化粧ケアに関する。
【０００２】
【従来の技術】
刺青の技術は古くから知られており、表皮の下に着色物質を消えずに挿入することから成っている。
刺青により非常に高品質の着色デザインを得ることが可能となるが、特に皮膚を切開することによる健康への危険に関して微妙な介入が必要である。その結果、刺青は消えずに残ること及び操作が外科的であることの理由から、多くの人々が刺青をすることをあきらめている。
一時的な被覆作用をもたらしかつ身体の一部の外観を実質的に変化させることができるメーキャップ製品も知られている。
メーキャップ製品を使用することは容易であるが、それらは数時間以上は留まることがなく、特に高温及び／又は多湿な気候では留まることがない。
さらに、メーキャップ製品は自然な皮膚の外観を模倣しようとしており、自由なデザインを全く提供しない。
移転印刷によって皮膚にデザインを適用する小さいスタンプブロック（ｓｔａｍｐｉｎｇ ｂｌｏｃｋ）が最近出現した。皮膚上のデザインの耐久性は数日間程度である。しかしながら、自由なデザインは全く提供されない。ユーザーはスタンプブロックに存在するデザインを単に再生するだけである。
ＵＳ−Ａ−５，２６８，１６６は、静電スプレーにより着色した化粧材料の混合物を直接皮膚に適用する適用システムを開示している。しかしながら、化粧材料は静電スプレーに適したものでなければならず、すなわちそれらは電気的に荷電可能でなくてはならずかつ処置の受容可能な速度が必要とする滴の大きさに基づく過度に粗大な精細度のためにデザインを創生することができない。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記の欠点の解決を提案する。
本発明は、皮膚を切開することがない処置方法、特にケア、メーキャップ又は一時的着色方法を提案し、デザインの完全な自由及び製品選択の自由を提供する方法を提案する。
【０００４】
【課題を解決するための手段】
本発明の一つの観点に従う処置、特にケア、メーキャップ又は着色方法は、ヒトの身体の少なくとも一部を向いている。本方法は、局限化した領域及び／又は予め定めたデザインの性質の機能に従ってヒトの身体の部分の局限化した領域に少なくとも二つの処置製品を同時に又は順次適用することを含み、これによって局限化した領域において該処置製品の混合物を直接得ることができ、ここで好ましくは少なくとも一つの処置製品が少なくとも一つの溶媒を少なくとも１０質量％の割合で含んでいる。
本明細書における“動物又はヒトの身体の部分”という表現は、皮膚、例えば顔、肢等、頭皮、粘膜、半粘膜、ケラチン繊維、例えばまつげ、眉毛、頭髪及び他の毛髪、及び爪を意味する。
本明細書における“局限化した領域の性質”という表現は、以下を意味する：− 皮膚については、色及び乾燥度、脂肪性又は組合せの性質；
− 毛髪については、色、濃さ、直径及び損傷、裂け又は割れの状態；
− 爪については、色及び固さ、柔らかさ、ひび割れ又はもろい状態。
【０００５】
有利には、いくつかの処置製品の適用をジェットで行う。
本発明の一つの態様では、処置製品の泡を形成することが可能な熱的手段によって少なくとも一つのジェットを生成する。
本発明の他の態様では、少なくとも一つのジェットを圧電手段によって生成する。
本発明の一つの態様では、少なくとも一つのジェットを方向転換する。
方法の精密な適用により大きさが小さい局限化した領域の処置が可能となり、例えば毛髪の周りに、ケア製品、すなわち抗脂肪性型の製品又は毛髪の成長を促進する例えばＭｉｎｏｘｉｄｉｌ（登録商標）を毛根に注入することが可能となる。ニキビの精密な処置も殺菌製品よって行うことができる。活性製品が作用しないか又は必要ない部位に活性製品を適用することがこのようにして回避でき、これはユーザーにとって経済的でありかつ快適なことである。
本発明の一つの態様によると、処置製品を適用する前に、選択した着色又はメーキャップデザインを観察する過程が生じる。
【０００６】
本発明は、上記の方法を実施するための装置も提案する。この装置は、ヒトの身体の該部分を位置決めする手段、及び予め定めたデザインの機能に従って該部分に処置製品を適用する手段を含む。
有利には、適用手段は複数の処置製品の貯蔵室及び複数のスプレーノズルを含み、各ノズルは貯蔵室から供給される。
有利には、適用手段は少なくとも２つ、特に３又は４、又は５の貯蔵室及び／又は少なくとも２つ、特に３又は４、又は５のノズルを含む。
本発明の一つの態様では、処置製品の適用を移動ヘッドで行い、該ヘッドはわずかに離れた距離を維持するか又は接触して部分の起伏に追随する。移動性の適用ヘッドは、通常化粧品で使用されるパウダーパフ、ロール、目の粗い又は細かいブラシを含むことができる。
移動性の適用ヘッドと該部分との間の距離を即時に監視できる。製品を適用した直後に得られた局所の性質を監視することを、移動性の適用ヘッドによって行うことができる。必要であればメーキャップの操作又は処置の即時補正を伴って、フィードバック又は自動制御により監視を行うことができる。
【０００７】
製品を適用する部位の座標の機能に従って各製品の流速を変えることができる。部分がどの器官に属するか、例えば腕、手、頭皮、顔及びその部分、例えば眼、瞼、頬、まつげ、眉毛、唇、額又は鼻に属するかを決定するために部分を認識する過程を行うことができる。
二次元又は三次元の、好ましくは三次元の表示を得るために、該部分の三次元再構成を行うことができる。三次元表示を、特に少なくとも２つの画像から生成する。
装置はヒトの身体の部分を位置決めする手段、例えば処置すべき部分（腕、頭等）を固定するためのキャスト又はあごひもの形態にある手段を含むことができる。
映像分析手段はソフトウェアであることができ、それによって原則として処置すべき部分（例えば唇）の位置又は形を知ることができ、特に局所的な拡大によって映像を処理する。
本発明の一つの態様において、移動性の適用ヘッドは、部分の起伏に追随できるように関節のある腕で支持されている。
映像を得る手段に光源を組み合わせることができる。
【０００８】
適用手段は関節のある腕で支持されていてもよく、ノズル、例えば圧電型のノズルを含んでいてもよい。
装置は、処置すべき領域の部分に対して適用ヘッドの位置を制御する手段を含むことができる。
装置は、特にフィードバックにより、所望の性質の機能に応じて各組成物及び各成分の全量及びそれぞれの量を自動的に制御する手段を含むことができる。
こうして、非侵襲的な刺青を容易に行うことが可能な効率的な適用装置が提供される。
従って、本発明は、従来の刺青が有するデザインが自由であるという利点、メーキャップ操作が容易で健康上安全であること及びユーザーの要望に応じて容易に制御可能な平均耐久性、すなわち数時間から約２０日間の耐久性を提供する。部分の局所的な性質が考慮されるという事実により、得られたデザインの視覚的な品質を増強し、特に光学的な又は全体として見た又は三次元的な効果に作用し、皮膚の欠陥を見えなくすることが可能となる。
“映像”という用語は本明細書では、分析される単位素子から成る対象の外観の二次元的な表現を意味し；分析領域を単一素子（例えば一つのピクセル）に制限することができる。
【０００９】
【発明の実施の形態】
実施例として挙げられる多数の態様の詳細な説明を研究することにより本発明はより明確に理解されることとなるが、これらの態様は制限するものではなく、かつ添附の図面で説明される。
図１に見られるように、着色又はメーキャップシステムは、対物レンズ２を取り付けた少なくとも一つのカメラ１、メモリー４を付した中央処理単位３、スクリーン５及びキーボード６、及び制御手段８を備えたアプリケーター７を含む。ビデオカメラ１はＣＣＤ型であってもよい。これらの種々の素子の間の通信はＲＳ２３２型の結合によって行ってもよい。メモリー４及びスクリーン５は中央処理単位に統合されていてもよく、又は個別のケースに配置されていてもよい。キーボード６の存在は任意であり、行うべき命令が実行可能なタッチ型のスクリーン５で置き換えられていてもよい。マウス又は同様の型の装置があってもよい。
アプリケーター７は床又は他の適切な支持体に固定されていてもよいケース９、ケース９の一方の末端に固定した関節のあるアセンブリー１０及び反対の末端で支持されている製品適用ヘッド１１を含む。
【００１０】
関節のあるアセンブリー１０は２つの腕１２と１３を含む。腕１２はケース９に関節１４の手段で旋回可能に取り付けられている。腕１３は関節１５の手段で腕１２に旋回可能に取り付けられ、ヘッド１１は関節１６の手段で腕１３に旋回可能に取り付けられている。関節１４、１５及び１６は、モーターにより又はアクチュエーターにより動かされて、ケース９に対していくつかの軸に沿って、好ましくは相互に直角にヘッド１１を動かす。任意に、腕１２と１３は伸縮自在であることができ、例えば電気式ジャッキの手段により伸縮自在であることができる。ヘッド１１がより複雑に運動することが望ましいときは、３以上の関節を用意してヘッド１１により大きな自由度を与える。
光源２０をカメラ１に取り付けて照明を改良し、得られた映像の品質を改良する。光源２０は少なくとも可視光において活性であり、エレクトロルミネッセンスダイオード、キセノンアーク、ハロゲン等の型のものであってもよい。
【００１１】
適用ヘッド１１は、一又は複数の貯蔵室からの処置製品を供給される一列のスプレーノズルを含み、示してはいないが例えばケース９に配置されており、適用ヘッド１１と処置製品を適用する表面との間の距離を測定することが可能な２つの距離センサー１８及び１９を含む。検出器１８及び１９は、それぞれ処置製品を受ける表面とヘッド１１の間の所望の距離で、一方のレーザーダイオードが放出するレーザー線が他方のレーザーダイオードが放出するレーザー線と交わるように調整されているレーザーダイオードを含むことができ、これにより該所望の距離に対する相違を直ちに検出できるようになっている。ノズル１７は圧電結晶を有するインクジェット型であってもよい。
インクジェット印刷は非接触性の方法である。インクはノズルから放出される。異なる色の液状のインクが処理すべき表面に噴出して映像を形成する。適用ヘッド１１は表面を掃くように動いて並行のストリップを作る。印刷速度を上げるために、１列のノズル１７の手段により、適用ヘッド１１は１回の動きで１列のピクセルを同時に印刷する。インクジェット技術は一般に熱による、静電的な又は圧電によるものである。
【００１２】
本適用においては、好ましくは圧電による技術が使用され、この場合、圧電結晶を製品貯蔵室の底のノズルに近いところに配置する。圧電結晶に電流が流れると、それが変形し、それが製品の滴を放出するのに十分な力を生じる。製品を加熱する必要がなく、滴は非常に小さい粒径であることができる。着色したデザインを得るために、シアン、マゼンタ及び黄色の着色製品カートリッジを用意する。好ましくは、品質のよい黒を得るために黒のカートリッジも用意する。１個〜４個又はそれ以上のさらなるカートリッジも用意することができ、例えば白、明るいシアン（ｌｉｇｈｔ ｃｙａｎ）、明るいマゼンタ（ｌｉｇｈｔ ｍａｇｅｎｔａ）、及び金属色（金又は銀）を微細なデザインのために用意する。
いうまでもなく、色特性以外の製品の性質は、それらを付着させること意図するヒトの身体の部分：すなわち、皮膚、爪、毛髪等に適合させてある。さらに、ケア製品及び／又はメーキャップ製品のカートリッジも用意する。
【００１３】
システムは以下のように機能する。身体の一部、例えば顔、手、毛髪、等を処置しようとするヒトは、カメラ１の視野に入って一又は複数の画像を撮る。特に、好ましい変形であるヒトの身体の部分の三次元映像には、少なくとも２つの固定カメラ又は移動カメラを使用して異なる角度で少なくとも２つの画像を撮ることが必要である。これらの画像を撮ることによって得られた映像ファイルをカメラ１から中央処理単位３に転送し、該単位は一般に再構成として知られている処理を行って三次元映像が得られ、次いで該映像をメモリー４に転送する。三次元映像の品質を改良するために、中央処理単位によって任意の処理を行うことができ、例えば起伏の認識に伴う幾何学的な欠陥を補正することができる。取得しかつメモリー４に保存した三次元映像をスクリーン５に映し出すことができる。二次元映像の場合、中央処理単位３がこのような処理を行う必要はない。
【００１４】
メモリー４に保存されたデザインソフトウェアは、メモリー４中に保存された予め存在するデザイン、又は中央処理単位３に接続している適切なリーダー（示していない）で読むことができるデジタル媒体、例えばフロッピー（登録商標）ディスク又はＣＤ ＲＯＭによりユーザーが提供したデザインを利用して、種々の可能なメーキャップ又は着色をスクリーン５の上でユーザー又はオペレーターがシュミレートするのを援助することができる。修正（レタッチ）はキーボードで行うことができ、又はスクリーンがタッチスクリーンである場合は、ユーザーが望む作用がスクリーン５で得られる限り、スクリーン５で行うことができる。デザインをユーザー又はオペレーターによって完全に構成することもできる。デザインソフトウェア、例えばアドビー（Ａｄｏｂｅ）社のＰＨＯＴＯＳＨＯＰ（登録商標）又はマイクロソフト（Ｍｉｃｒｏｓｏｆｔ）社のＰＡＩＮＴＢＲＵＳＨ（登録商標）も使用することができる。
同時にこの選択をユーザーが行い、例えば、乾燥皮膚の場合又はしわのある皮膚の場合に、着色又はメーキャップ製品を適用する前に処置製品の適用が必要かどうかを決定するために、中央処理単位は二次元又は三次元映像からメーキャップし又は着色する表面の性質の分析を行い、該表面の性質、特に位相幾何学的な性質を決定する。二次元映像は、乾燥皮膚又は非画一的な着色（着色斑点又は傷跡）に適している。しわのある皮膚に対しては三次元映像が好ましい。
【００１５】
例えば区分−認識ソフトウェアにより、中央処理単位３はヒトの身体の異なる部分の見分けを可能にする処理も行い、特に皮膚から毛髪を区分し、手の指と爪を見分け、かつ顔の種々の部分を見分け、特に唇、眉毛、頬を見分け、より一般的には特定の処置、メーキャップ又は着色製品の適用が必要ないずれの部分も見分ける。
これらの過程の最後に、適用ヘッド１１をカメラ１の視野内に動かし、メーキャップし又は着色する表面に近づけて、センサー１８と１９でチェックしつつ一列のノズル１７を所望のスプレー距離に置く。いうまでもなく、処理されるユーザーの身体の部分を処置を通じて動かないようにすることが好ましいが、しかしながら、ヒトの身体の部分が動く場合はその部分に追随することを可能にする手段を付け加えることが可能である。ヘッド−表面の距離の動的な制御を、制御手段８で即時に行う。
【００１６】
本方法を促進するために、二又はそれ以上の製品を同時に沈積する。この目的のために、マトリックス上に配置した複数列のノズル１７を用意し、異なる製品を同時に同一の場所（局所化した領域）に適用する。傷跡が存在する場合、起伏の錯覚を与えることが可能な光学的な錯覚を起こす模様を有する着色剤を適用することによって、傷跡を偽装することができる。中央処理単位３は、カメラ１が捕らえた映像の比色分析を行って、処置する部分の局所色合いを決定することができる。
いくつかの製品を同時に適用してその場で混合物を形成する。これによって、ある個人又はある個人の局所化した領域に特異的で、かつ他では使用できない製品混合物を過剰量使用するのを避けることができる。混合物は特異的に即時にかつ適用されるその場で製造される。
着色製品、例えばインクを、スクリーン５の上でユーザーが選択した映像を得るために適用することができる。次いで、ワニス及び／又は皮膚の剥離を制御することを目的とする製品を適用する過程及び、着色の保持力の延長を可能にする過程を含むことができる。いうまでもなく、インク及び、例えば適切なメーキャップリムーバーにより皮膚を傷つけることなく除去が可能な任意のワニス、例えば有機溶媒、水及び／又は界面活性剤を選択する。
【００１７】
禿頭又は毛髪が極端に短くカットされた頭を着色又はメーキャップする場合、ユーザーによってデザインされた模様、例えば筋、階調、細片等を皮膚に描くことを意図する製品が使用される。
スプレーノズル１７は圧電スプレー型であってもよく、広範囲の種々の処置製品の使用が可能となる。製品は強制的にノズルを通り、該ノズルは直径が狭くヘッド１１に置かれた圧電結晶によって高い周波数で振動させられる。次いで液体状の製品は微小な滴に分かれ、これらの滴がノズルで噴出される。出口では、滴の方向を公知のいかなる手段、例えば偏向電極によって変えることができ、多重偏光連続ジェット印刷が可能となる。
使用するノズルの型によって必要な距離を維持するためにセンサー１８及び１９の手段で距離を即時に測定するヘッド１１によって、メーキャップ又は着色すべき全表面を交差させ、これによって起伏の精密な監視及び高品質な適用が可能となる。
【００１８】
本発明の一つの態様では、カメラ１、アプリケーター７及びスクリーンを第１の場所に配置し、その周辺に取り付けられるデータ処理単位を第２の場所に配置し、例えばインターネット型の通信ネットワークでデータ処理単位をカメラ１及びアプリケーター７と結び付ける。モデムのようなインターフェイスを一方でカメラ１及びアプリケーター７に結びつけ、他方でデータ処理単位と結びつける。データ処理単位を、デザインの大きな選択が可能となるデータベースと組み合わせることもできる。さらに、データ処理単位は高い計算力を有していてもよい。データ処理単位は一又は複数の映像を第１の場所に送り、ユーザーは映像を選択して承認を表示する。次いで、第１の場所でローカルデータ処理手段により、又は第２の場所で該データ処理単位により、ユーザーの選択を示す信号を受け取って、制御信号の生成が行われる。
変形として、ユーザーは自分の映像を第３の場所、例えば家庭で、通信ネットワークに接続したパーソナルコンピュータ上で選択し、映像に対する承認を表示し、次いでこの承認が該データ処理単位に転送され、次いで該処理単位はアプリケーターを制御するための信号を生成し、それを送信する。アプリケーターは該信号を受け取ると直ちに映像を生成する。次いで、ユーザーは第３の場所から第２の場所、例えば美容サロン、マニキュアサロン、薬局等へ移動する。
【００１９】
そうでない場合は、ユーザーはアプリケーターを自宅に所有している。ユーザーはカメラも自宅に所有している。この場合、カメラで撮った映像を離れた場所にあるデータ処理単位に送り、該処理単位は必要な種々の操作を行い、少なくとも一つの映像を処理し、ユーザーの承認を受けるとアプリケーターを制御する信号を生成して送信する。
図２は移動ヘッド１１をさらに詳細に示している。ノズル１７のセットは４個のノズル２１、２２、２３及び２４、４個の取り外し可能なカートリッジ２５、２６、２７及び２８を含み、それぞれは適用する製品を含みかつ対応するノズル２１、２２、２３、２４に管２９、３０、３１、３２を介して結び付いている。例えばカートリッジ２５〜２８は以下を含むことができる：
− それぞれが基礎着色組成物；
− それぞれが混合物から誘導した着色組成物；
− 一つがファンデーション型の仕上げ製品、それ以外が異なる着色組成物、等。組成物の選択を広くするために４より大きい多数のカートリッジを用意する。
【００２０】
移動ヘッド１１はカートリッジ２５〜２８を特定する手段、例えば３３〜３６の４個のセンサーを含み、それぞれカートリッジ２５〜２８に専属でありカートリッジの内容を認識することができ、特に機械的、光学的、磁気的等のコードを読むことによって認識することができる。
製品のポンプ移送手段も、製品をカートリッジ２５、２６、２７、２８から対応するノズル２１、２２、２３、２４に移送するために提供される。移動性のヘッド１１は監視手段を含むことができ、該手段はそれぞれのカートリッジ２５、２６、２７、２８中に存在する製品の量を監視し、例えばカートリッジ２５、２６、２７、２８の質量を測定しかつ製品の量の評価を可能にする専用のセンサーの形態にあり、又はポンプ移送手段の流速の測定に専用のセンサー、又はポンプ移送手段で消費する電流の測定に専用のセンサー（カートリッジが空になる場合又はポンプ移送手段が製品を配送しない場合この電流は減少する）の形態にある。空のカートリッジを、スクリーン５上で“カートリッジが空です”というメッセージを表示すること及び／又は音声信号を発することによって表すことができる。そうでない場合は、スクリーン５は各カートリッジ中の製品の量を専用に示す領域を含んでもよい。
【００２１】
製品の性質、特にその粘度が一定温度を必要とする場合、移動ヘッド１１は温度維持手段、例えば２０〜２７℃、好ましくは２２〜２４℃に維持する手段を含むことができる。相対的に一定の温度を保つことにより、粘度が種々であることによるノズルからの流れのばらつきを回避できる。
従って、所望の視覚特性を選択した後、メモリー４に保存されかつ中央処理単位３で使用されるソフトウェアはヘッド１１に存在するカートリッジが所望の視覚特性に適しているかどうかをチェックする。適していない場合には、警告メッセージがスクリーン５上に表示される。
センサー３３〜３５が発し、例えばケース９を経由する接続電線を介して中央処理単位３が受け取った信号をチェックする。
必要な場合には、ヘッド１１中の適切なカートリッジをオペレーターが利用可能とした後で、対応するメッセージをスクリーン５上に表示することができる。
ソフトウエアは、基本領域の性質の機能に従って、処置すべき部分のそれぞれの基本領域に対するそれぞれの製品の量を瞬間的に計算する。換言すると、座標（ｘ，ｙ）又は（ｘ，ｙ，ｚ）の基本領域に対して、ソフトウェアは、各製品の型の機能、基本領域の性質及び色と明度の変数で規定することができる得られる効果に従ってカートリッジ２５、２６、２７及び２８から誘導する製品の部分的基本的量Ｑ_２５、Ｑ_２６、Ｑ_２７及びＱ_２８を計算する。
【００２２】
ソフトウェアは、同一の領域に順次に又は隣接する領域に並行して行われる製品の適用の順序も決定する。ある場合には、他のものがヘッド１１に残っていても、ただ一つの製品が適用されただ一つのカートリッジが使用される。
皮膚の目に見える性質と二次元又は三次元の数学的情報の間に直接相関性を持たせるために、ソフトウェアは、例えばグレイコード（Ｇｒａｙ ｃｏｄｅ）と相シフト（ｐｈａｓｅ ｓｈｉｆｔｉｎｇ）技術の組み合わせを使用する光学的測定方法を使用する。この方法によって、映像がカバーする領域における全ての対象点の絶対的な空間座標を極めて正確に決定することができる。
グレイコード法においては、直交する発光変調（ｒｅｃｔａｎｇｕｌａｒ ｌｕｍｉｎｏｓｉｔｙ ｍｏｄｕｌａｔｉｏｎ）及び異なる数の線を伴って縞が逐次投影される。線の数はそれぞれの投影方法において二重になり、その結果各映像の点に対して線の順序が明確に規定される。相シフト法では、シヌソイド発光変調（ｓｉｎｕｓｏｉｄａｌ ｌｕｍｉｎｏｓｉｔｙ ｍｏｄｕｌａｔｉｏｎ）及び異なる相関係（ｐｈａｓｅ ｒｅｌａｔｉｏｎｓｈｉｐ）を伴ってただ一つの縞が何回か投影される。このことにより、各映像の点がそれに隣り合う点と独立に規定されている表面を正確に三次元的に再構成することが可能となり、かつ測定品質を自動的に制御することが可能となる。
【００２３】
測定分野の典型的には０．２％の垂直Ｚ方向における解像度は、Ｚにおける４μｍの有効解像度になる。使用したＣＣＤカメラの型により、４５μｍの解像度が水平のＸ及びＹ方向において達成される。対応する座標の分析を伴う１回の映像分析を１秒以下（典型的には５００〜８００ｍｓ）で行うことができる。
カメラ１で観測した三次元領域の座標は、ヘッド１１を皮膚から適切な距離（典型的には１ｃｍ）で位置決めすることに役立つ。これを、中央処理単位３でＺ−並進移動台（Ｚ−ｔｒａｎｓｌａｔｉｏｎａｌ ｄｉｓｐｌａｃｅｍｅｎｔ ｔａｂｌｅ）を制御することによって行う。
観測した領域の三次元座標を計算するためにカメラ１で得られた映像により、皮膚の色を測定することも可能となる。これを行うために、映像の較正試験カードと較正ソフトウェア、例えばロゴ（ＬＯＧＯ）社のプロファイルメーカー（Ｐｒｏｆｉｌｅ Ｍａｋｅｒ）を使用してスキャナーに対して行うように測色学的にカメラ１を較正する。皮膚の明色現象（ｓｋｉｎ ｂｒｉｇｈｔｎｅｓｓ ｐｈｅｎｏｍｅｎａ）を克服するために、交差して配置した偏光装置を使用し、これをプロジェクター２０上及びカメラの対物レンズの前に置く。この較正手順によって、測色システムで得られた映像とカメラの独自の性質の対応を得ることができる。映像により、各ピクセルの色を得ることができ、結果として観測した領域の各点の色を得ることができる。
【００２４】
図３に示された位置決めシステム３７は、共に組み込まれ、制御単位を介して稼働するステッピングモーターを有する二つの並進移動台から成る。これらの台により、分配ヘッド３８をＺ方向（適用領域へ向けて）及びＸ方向（適用領域に沿った並進移動）に移動させることが可能となる。
分配ヘッド３８と処理すべき領域との間の距離は、２０μｍ〜１０ｃｍであることができ、好ましくは１００μｍ〜５ｃｍ、さらに好ましくは２５０μｍ〜１ｃｍである。
処置すべき身体の領域に適切な装置を取り付けることができる。例えば、腕を乗せるキャスト３９及び頭を支えるあごひも（示していない）を挙げることができる。
スクリーンを支援しかつ測色学的な較正を印刷するデザインソフト（アドビー（ＡＤＯＢＥ）社のフォトショップ（Ｐｈｏｔｏｓｈｏｐ）Ｖ５．０２の型のもの）により、映像データベースから領域に適用すべきメーキャップの型を選択し、かつ適用後の結果を可視化することが可能となる。較正したカメラから得られた映像により、領域の色の正確な復元が可能となる。
【００２５】
映像を修正するソフトウェアにより、処理すべき領域の欠陥（例：脱色した領域）を選択的に補正することができる。この領域をマウスで丸く囲み、周囲の皮膚と同一の色を使用して補正することができる。
シアン、マゼンタ、黄色及び黒の４色を一緒に混合することによって種々の色が得られる。ヘッドを測色学的に較正して（ＩＣＣプロフィル）、選択しかつスクリーン上に表示したメーキャップの色を完全に復元する。
本発明の好ましい態様に一つでは、分配ヘッド３８の皮膚に対する位置を、遠隔測定システムによって動的に制御することができる。例えば、三角法の原理で作動する非接触型距離センサーを使用する。このセンサーは１０μｍより小さい正確度でプラスマイナス１ｃｍの動的測定域及び６．５ｃｍの作動距離を有し、例えばＢＵＬＬＩＥＲ ＩＮＴＥＲＮＡＴＩＯＮＡＬ型、Ｒｅｆｅｒｅｎｃｅ Ｍ５Ｌ／２０である。センサーからの信号はデジタルであり、中央処理単位に接続している。分配ヘッド３８の位置を自動的に制御することにより、処置すべき領域の小さな動きを補償することができる。選択したデザインを印刷している間に、自動制御を中央処理単位で行う。
【００２６】
本発明により、ユーザーの望みに合わせたメーキャップ操作、着色又はケア処置を達成することができる。“メーキャップ操作”という表現は、本明細書では、皮膚の測色学的な及び位相的な性質を考慮に入れて製品を適用することを意味し、“着色”という用語は、皮膚のもとの色合いを全体的に偽装する被覆製品を適用することを意味する。本システムは毛髪の染色にも適用される。本自動処置機械によって、毛髪上に異なる色及び異なる形の模様を生成することができる。
図４は、映像を得る方法の種々の過程を示しており、特に二つの同一のカメラが二つの異なる光学的観点から一つの対象を見ている場合の過程を示している。二つのカメラを同期させて、左像及び右像と呼ばれる二つの映像を同時に得る。撮影を即時に行い、これによってユーザーが動くという問題を排除する。稼働容積はカメラの縦横の広がりの大きさで制限され、かつ対物レンズの焦点深度でも制限される。二つの画像は定量化可能な不一致を示し、これによって観測した表面の地形図に復帰することが可能となる。観測した対象の地形図を、過程４０において左像及び右像の取得することにより、過程４１において図１の中央処理単位３が行った映像の補間及び立ち上げをもって光学的外面形態を計算することにより、かつ過程４２において左像と右像の不一致を計算し、表面の地形図を計算することにより、計算する。
【００２７】
例として、過程４３において、過程よって異なり、測定する対象に依存して変わるが例えば数ミリメートルのパネルのいくつかについて一つのパネル当たり１００個の点に対して行った較正により、二つのカメラの稼働容積中を移動する試験カードを用いて較正データを得る。カメラにとって外因性のパラメーター、すなわち較正の参照点に対する位置及び方向、並びにカメラにとって内因性のパラメーター、すなわち付随歪曲及びピン絞りモデルに関連した光学特性がこれから抽出される。この較正は一度だけ行われ、二つのカメラの外面形態を規定する。カメラの間の不一致の計算は、二つの異なるスケールで行われる。次に、二つの画像の間の相関最小を、上記の二つのスケールで捜す。この最小の位置を放物線上に補間し、これは誤差が１ピクセルより小さく十分に正確である。選択した点の高さは最小の計算した位置に逆比例する。過程４３で計算した較正データを、光学的外面形態を計算する過程４１及びカメラの新しいパラメーターを計算する過程４４に提供し、これらのパラメーターを表面の地形図を計算する過程４２で中央処理単位に提供する。
【００２８】
本発明に関連して適用することができる処置製品は、化粧品として受容可能ないずれの性質を有するものであることができる。
製品は、ケア製品、メーキャップ製品又は着色製品であることができ、これらを身体の皮膚及び／又は頭皮を含む顔、頭髪、まつげ、眉毛、他の毛髪及び／又は爪に適用することができる。
本発明に従う処置製品は、特に、好ましい態様では、活性剤、特に化粧用又は治療用活性剤を含むことができ、好ましくは以下から選択する：
− 染毛剤、例えば直接染色、酸化染色、還元染色又は酵素染色用の天然又は合成染料；特にヘンナ染料及びその誘導体を挙げることができる；毛髪漂白剤、例えば酸化漂白剤；特に過酸化水素及び過塩を挙げることができる；
− 一時的な皮膚着色剤；特に自動日焼け剤、例えばＤＨＡ（ジヒドロキシアセトン）；
− 落屑剤；
− 皮膚脱色剤又は漂白剤；特にヒドロキノン誘導体、例えばヒドロキノン、アルブチン又はコウジ酸を挙げることができる；
【００２９】
− 皮膚緊張剤、特に緊張性ポリマー；
− フィルム形成性又はフィルム非形成性の、合成又は天然の、親水性、親油性又は両親媒性、イオン性又は非イオン性のポリマー；
− 抗微生物剤、特に抗菌又は抗真菌剤、例えばＯｃｔｏｐｉｒｏｘ（登録商標）又はＩｒｇａｓａｎ（登録商標）；
− ヘアケア活性剤、特に抗脂肪性活性剤；抗ふけ活性剤；
− 毛髪の成長又は損失を制御する剤、特にミノキシジル（Ｍｉｎｏｘｉｄｉｌ）；
− 湿潤剤、例えばポリオール、特にグリコール、特にグリセリン；
− スキンケア剤、例えば抗ニキビ剤、特に過酸化ベンゾイル；抗脂肪性剤又はつや消し剤；レチノイド；抗しわ剤；着色した跡又は脱色領域のケア製品；
− 皮膚、毛髪又は爪に栄養を与える剤、例えばビタミン、糖、アミノ酸、ペプチド、タンパク質及び陸生生物又は動物起源の植物抽出物；
− ビタミン、微量元素；
− 糖；
− アミノ酸、ペプチド、タンパク質；
− 陸生生物又は海生生物起源の植物抽出物；
− 染色材料、例えば水溶性又は脂溶性染料及び／又は顔料。
【００３０】
顔料は白色又は着色した、無機及び／又は有機の、マイクロメートルサイズ又はナノメートルサイズであることができる。
無機顔料及びナノ顔料のうち、酸化チタン、酸化ジルコニウム又は酸化セリウム、さらに酸化亜鉛、酸化鉄又は酸化クロム、フェリックブルー（ｆｅｒｒｉｃ ｂｌｕｅ）、水和クロム及びウルトラマリン（アルミノシリケートポリスルフィド）を挙げることができる。
真珠光沢顔料及び干渉顔料（ｉｎｔｅｒｆｅｒｅｎｃｅ ｐｉｇｍｅｎｔ）も挙げることができる。
有機顔料のうち、カーボンブラック及びレーキ、例えばカルシウム、バリウム、アルミニウム、ジルコニウム又はストロンチウム塩を挙げることができる。
染料のうち、以下を挙げることができる：考慮している分野で一般的な染料、例えばアゾ染料、アントラキノン染料又はヘテロ環染料；以下を挙げることができる：ポンソー染料の二ナトリウム塩、アリザリングリーン、キノリンエローの二ナトリウム塩、アマランスの三ナトリウム塩、タートラジンの二ナトリウム塩、ローダミンの一ナトリウム塩、フクシンの二ナトリウム塩、キサントフィル及びこれらの混合物。
【００３１】
以下のものも提供することができる：
− 抗酸化剤、例えばビタミンＥ、ビタミンＣ、グルタチオン又はグルタチオンエステル；
− 毛髪用のパーマネントウエーブ剤、例えばチオグリコール酸及びその塩、特にグリセリルチオグリコレート；
− スリミング剤；
− 抗酸化剤又はフリーラジカル除去剤、例えば［ラクナ（ｌａｃｕｎａ）］
− 無機又は有機、親油性又は親水性日焼け防止剤；
− セラミド；
− 金属錯化剤、例えばＥＤＴＡ又はその塩。
処置製品は、活性剤を溶解又は分散可能な少なくとも一つの溶媒を含むこともできる。この溶媒は極性又は非極性、親油性又は親水性、及び水に混和性又は非混和性であることができる。活性剤が改質層と良好に接着するように又はケラチン繊維に良好に浸透するように十分揮発性であることが好ましい。溶媒は１５〜３５℃で液状である媒体の形態にあり、かつ活性剤を溶解又は分散可能であることが好ましい。溶媒は、２０℃で測定して４０〜４５ｈＰａ（４０〜４５ミリバール）の蒸気圧及び／又は３０℃〜１２０℃の沸点を有することができる。
【００３２】
単独で又は混合物として特に使用することができる溶媒は以下を含む：水；アルコール、特にＣ_１〜Ｃ_６アルコール、例えばエタノール又はイソプロパノール；グリコール、例えばエチレングリコール又はプロピレングリコール；プロピレングリコールエーテル；ケトン；エステル；エーテル；炭化水素、特にイソパラフィン；環状芳香族化合物（トルエン、ベンゼン及びキシレン）；アルデヒド；ハロゲン化した、特にフッ素化した炭化水素をベースとする化合物；シリコーン化合物；生理学的に受容可能な油、特に揮発性油。
揮発性又は非揮発性油のうち以下を挙げることができる：
− 動物起源の炭化水素をベースとする油、例えばペルヒドロスクアレン；
− 炭化水素をベースとする植物油、例えば炭素原子が４〜１０の脂肪酸の液状トリグリセリド、例えばヘプタン酸又はオクタン酸トリグリセリド；ヒマワリ油、トウモロコシ油、大豆油、インゲン豆油、ブドウ種子油、グラウンドナット油、ヘントウ油、ビューティ−リーフ油（ｂｅａｕｔｙ−ｌｅａｆ ｏｉｌ）、パーム油、ゴマ油、ヘーゼルナッツ油、アプリコット油、マカダミア油、ひまし油、アボカド油；カプリル酸／カプリン酸トリグリセリド；ホホバ油、シアバター；
【００３３】
− 液状パラフィン及びその誘導体、ワセリン、ポリデセン及び水素添加したポリイソブテン（パーレム（ｐａｒｌｅａｍ））；
− 合成エステル及びエーテル、特に脂肪酸のエステル及びエーテル、例えば式Ｒ_３ＣＯＯＲ_４（式中Ｒ_３は７〜２９の炭素原子を含む高級脂肪酸残基を表し、Ｒ_４は３〜３０の炭素原子を含む炭化水素をベースとする鎖を表す）の油、例えばパーセリン油、イソプロピルミリステート、２−エチルヘキシルパルミテート、２−オクチルドデシルステアレート、２−オクチルドデシルエルケート又はイソステアリルイソステアレート；ヒドロキシル化エステル、例えばイソステアリルラクテート、オクチルヒドロキシステアレート、オクチルドデシルヒドロキシステアレート、ジイソステアリルマレート、トリイソセチルシトレート及び脂肪アルキルヘプタノエート、オクタノエート又はデカノエート；ポリオールエステル、例えばプロピレングリコールジオクタノエート、ネオペンチルグリコールジヘプタノエート又はジエチレングリコールジイソノナノエート；及びペンタエリスリトールエステル；
【００３４】
− １２〜２６の炭素原子を含む脂肪アルコール、例えばオクチルドデカノール、２−ブチルオクタノール、２−ヘキシルデカノール、２−ウンデシルペンタデカノール及びオレイルアルコール；
− 部分的に炭化水素をベースとする及び／又はシリコーンをベースとするフルオロ油；
− シリコーン油、例えば揮発性又は非揮発性、直鎖又は環状ポリジメチルシロキサン（ＰＤＭＳ）；アルキルジメチコーン；脂肪族及び／又は芳香族基で変性したシリコーン、これらは任意にフッ素化され、又は官能基、例えばヒドロキシル、チオール及び／又はアミン基を有している；フェニルシリコーン油、例えばポリフェニルメチルシロキサン又はフェニルトリメチコーン；
− 揮発性油（２５℃１気圧で測定した蒸気圧が、例えば０Ｐａ、特に０．１３Ｐａ〜４０，０００Ｐａ（１０^−３〜３００ｍｍＨｇ）の範囲にある油）；揮発性シリコーン油、例えば環状又は直鎖の揮発性シリコーン、及びシクロコポリマーを挙げることができる。揮発性の炭化水素をベースとする油、例えばイソパラフィン、及び揮発性フルオロ油も挙げることができる。
【００３５】
好ましくは、処置製品は０．００１質量％〜２５質量％の活性剤を含み、特に０．０１質量％〜１５質量％、さらには１質量％〜１０質量％の活性剤を含む。
さらに、好ましくは、製品の少なくとも一つ、さらには製品の全てが少なくとも１０質量％、特に少なくとも１５〜８０質量％、好ましくは２０〜６０質量％の溶媒を含む。
従って、一つの好ましい態様では、少なくとも二つの処置製品を皮膚に適用し、そのうちの一方はα−ヒドロキシ酸を他方はコウジ酸を含み；こうして皮膚脱色製品が得られる。
カメラ１が着色跡又は脱色領域（例えば白斑）を検出しかつ中央処理単位３が位置を特定した場合、処置製品は被覆製品であるか又は被覆製品を含むことによって皮膚の他の部分と同じ外観与えることができ、例えば製品はグリセリンと顔料、特に酸化鉄を含むことができる。
【００３６】
メーキャップ製品又は着色製品に先立って使用するケア製品を、染料とケア製品を低い用量で、例えばヒドロキノン、コウジ酸又はアルブチンをその場で混合して使用することもできる。着色製品又はメーキャップ製品、自動日焼け剤、例えばジヒドロキシアセトン、又は皮膚、毛髪又は爪で適用時にその場で反応する酵素と基質の組み合わせを、使用場所に別々に又は同時に添加することも可能であり、この場合、基質はポリフェノール類、特にフラボノイド又はヒドロキシスチルベンであることができる。
他の好ましい態様では、少なくとも二つの処置製品を毛髪に適用することができ、そのうちの一方は抗真菌剤（例えばオクトピロクス（Ｏｃｔｏｐｉｒｏｘ））を含み、他方は毛髪の損失を防止する剤（例えばアミネキシル（Ａｍｉｎｅｘｙｌ））を含み；こうしてヘアケア製品が得られる。
塩基、カプラー及び酸化剤の組み合わせは、通常染毛の分野で使用され、この組み合わせも適用することができる。さらに、酸化剤を酵素と基質で置換することも可能である。ヘンナ染料を適用することにより、天然直接染色を行うことも可能である。
【００３７】
他の好ましい態様では、少なくとも二つの処理製品を爪に適用することができ、そのうちの一方は染料を含み、他方はフィルム形成性化合物を含み；強調作用を有するマニキュア液が得られる。
他の好ましい態様では、酵素を含む一つの製品と基質を含む第２の製品を皮膚に適用することができ；こうして動態を制御した、特定の場所における製品の配合物が得られる。
処置製品は、考慮している分野で一般的な添加物も含むことができ、例えばワックス、増粘剤、界面活性剤、芳香剤、保存剤、ｐＨ制御化合物、充填剤及び真珠光沢剤も含むことができる。
有利には、各処置製品は、室温で１〜７×１０^−３Ｐａ・ｓの粘度を有する。
各処置製品は、０．０２５Ｎ／ｍより大きい表面張力及び１，５００Ω／ｃｍより大きい抵抗を有することができる。
【００３８】
従って、本発明により、ヒトの身体の全部又は一部を処置又はメーキャップすることができる。従って、処置製品は身体衛生組成物の形態にあることができ又は該組成物として使用することができ；毛髪組成物、例えばヘアスタイリング組成物又はヘアメーキャップ組成物として；顔、身体又は唇の皮膚をメーキャップする組成物、例えば口紅、ファンデーション、フェースパウダー、アイシャドウ、標準的な口紅の上に適用する固定ベース、隠蔽スティック、リップグロス、アイライナー、マスカラ、又は一時的な刺青製品として；頭皮、唇、毛髪又は爪を含む身体の皮膚又は顔の皮膚用のケア組成物として、例えばリップケア組成物、日常のケアクリーム又はつや消し組成物として；日焼け止め又は自動日焼け組成物として使用することができる。
例として、脂肪性の皮膚に対して質量で約２０％、かつ２５％までのエタノールが含まれる。製品の通過がより容易である乾燥皮膚に対して、質量で１０％の割合のエタノールが十分である。
毛根の処置に対して、溶媒は、水、エタノール及びプロピレングリコールをそれぞれ２０〜６０％、４０〜６０％及び０〜３０％の割合で含むことができ、例えば２２．１％、５５．１％及び２２．８％含むことができる。Ｍｉｎｏｘｉｄｉｌ（登録商標）のようなケア化合物又は糖、ビタミンＢ６又はＥ、シスチン等の栄養成分を溶媒に加えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の一つの態様に従う装置を模式的に示している。
【図２】図１の詳細な図である。
【図３】本発明の他の態様に従う模式図である。
【図４】本発明に従う装置において映像を取得する工程を示す模式図である。

Claims (11)

1. 局限化した領域及び／又は予め定めたデザインの性質の機能に従ってヒトの身体の局限化した領域の部分に少なくとも二つの処置製品を同時に適用して、局限化した領域において該処置製品の混合物を直接得ることにより、ヒトの身体の少なくとも一部を処置、特にケア、メーキャップ又は着色する方法であって、少なくとも一つの処置製品が少なくとも一つの溶媒を少なくとも１０質量％の割合で含んでいる、方法。
2. いくつかの処置製品の適用をジェットで行う、請求項１に記載の方法。
3. 処置製品の泡を形成することが可能な熱的手段で少なくとも一つのジェットを生成する、請求項２に記載の方法。
4. 圧電手段により少なくとも一つのジェットを生成する、請求項１又は２に記載の方法。
5. 少なくとも一つのジェットを偏向させる、請求項２ないし４のいずれか１項に記載の方法。
6. 選択した色又はメーキャップデザインを見る過程が処置製品を適用する前に生じる、先の請求項１ないし５のいずれか１項に記載の方法。
7. ヒトの身体の部分を位置決めする手段、及び予め定めたデザインの機能に従って該部分に処置製品を適用する手段を装置が含むことを特徴とする、先の請求項１ないし６のいずれか１項の方法を実施するための装置。
8. 適用手段が複数の処置製品の貯蔵室及び複数のスプレーノズルを含み、各ノズルが貯蔵室から供給されることを特徴とする、請求項７に記載の装置。
9. 適用手段が少なくとも二つの貯蔵室及び／又は少なくとも二つのノズルを含むことを特徴とする、請求項７又は８に記載の装置。
10. 処置すべき領域の部分に対する適用手段の位置を制御する手段を装置が含むことを特徴とする、請求項７ないし９のいずれか１項に記載の装置。
11. 所望の視覚特性の機能に応じて各製品の全量及び部分的な量を自動的に制御する手段を装置が含むことを特徴とする、請求項７ないし９のいずれか１項に記載の装置。