JP2004500572A - 光ファイバ走査装置 - Google Patents
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Abstract
開示される走査構造には、該走査構造で測定される基板上の光励起可能領域に対する光伝達及び受光装置が含まれている。この光伝達及び受光装置には、基端及び先端を有する光ファイバが含まれていてもよい。この光ファイバは、ある波長の光又はいくつかの多様な波長の光を伝達して、基板のサンプルを励起する。また、この光ファイバは、基板上のサンプルに蛍光を発生させることにより放出された光を、同時に受光してもよい。さらに、走査構造には、測定又は検査対象となる基板上を可変の距離を持って横切ることが可能な光ファイバホルダーが含まれていてもよい。ホルダには、ガルバノスキャナや共振懸架ビームが含まれていてもよい。例えばレーザ等の光源が、光ファイバの基端に光学的に連結されてもよい。この光源は、ある波長のものであってもよいが、異なった波長の複数の光源が、波長マルチプレクサで光源を単一の光ファイバに結合するか、あるいは、異なる波長を伝達する個別の光ファイバを互いに近接させて配置することにより、同時に用いられてもよい。光は、光ファイバを通じて基板へと伝達され、光ファイバは、発せられた蛍光をも受光するのに充分に、この基板に近接している。
Description
【0001】
〔関連出願の参照〕
本発明は、2000年3月13日に出願された米国仮出願番号60/188,873による権利を主張し、参考としてここにその全てが盛り込まれている。
【0002】
〔技術分野〕
本発明は、DNAマイクロアレイ、タンパク質マイクロアレイ、及び化合物マイクロアレイのような、マイクロプレート(microplate)におけるマイクロアレイ(microarrays)又はマイクロウェル(microwells)を、走査するための装置及び方法に関する。
【0003】
〔背 景〕
マイクロアレイとは、基板上の所定の位置に固定された生物学又は化学サンプル(「プローブ」)のスポットの列である。各スポットには、単一の生物学的物質又は化学物質のいくつかの分子が含まれている。マイクロアレイは、1つ又はそれ以上の生物学的又は化学的サンプルを含んだ液体(「ターゲット」)に浸される。通例、ターゲットは、マイクロアレイ上で1つ又はそれ以上の相補的なプローブと互に影響し合う。特に、DNAマイクロアレイでは、プローブがオリゴヌクレオチド又はcDNA菌株(strains)であり、ターゲットが蛍光又は放射性ラベルがなされたDNAサンプルである。ターゲット中の分子鎖は、プローブのマイクロアレイ中の相補的な分子鎖とハイブリッドを形成する。
【0004】
ハイブリッド化されたマイクロアレイは、マイクロアレイ・リーダにより検査される。マイクロアレイ・リーダは、放射性ラベルの存在を検出するか、あるいは、レーザや他のエネルギー源を用いて蛍光ラベルを励起することにより、該蛍光ラベルを刺激し、光を放射させる。マイクロアレイ・リーダは、マイクロアレイにおけるラベルの放射の位置及び強度を検出する。プローブは、マイクロアレイにおける予め定められた既知の位置に配置されているので、液体中の一連のターゲットは、蛍光又は放射線が検出された位置及び蛍光又は放射線の強度により、識別される。
【0005】
従って、マイクロアレイ・リーダは、マイクロアレイ技術の装置における重要な部分の1つである。現在、2種類のマイクロアレイ・リーダが利用可能である。第1種のものは、その一例が米国特許第5,324,633号に記述されており、走査顕微鏡の原理に基づくものである。それによると、2以上の波長のレーザビームが組み合わされ、マイクロアレイ上の1つのスポットに集束されて、蛍光ラベルを励起する。組み合わされたレーザビームは、2軸の平行移動ステージ上でマイクロアレイを動かすか、あるいは、顕微鏡のレンズを一方の軸で動かし、マイクロアレイ基板を他方の軸で動かすことにより、マイクロアレイ全体を各点毎に高い空間解像度(〜10μm)で走査する。第2種のものは、その一例がWO00/12759号に示されており、CCD画像装置を用いて、マイクロアレイからの蛍光の放出を、小領域毎に一度に検出してゆく。アークランプのような広帯域の光源が、蛍光の励起に用いられている。
【0006】
走査顕微鏡技術では、コストに大きく影響するのは、その光学系である。これは、光学系が、波長の異なる複数のレーザビームを結合して正確に並べ、その後、別々の検出チャネルへと再び分割しなければならないためである。顕微鏡のレンズ及びスライドキャリアの双方とも、かさばって重く、高速に動かすことができない。このことにより、走査スピードが制限される。
【0007】
CCD方式のシステムでは、画像装置及びレンズの双方がコストに大きく影響する。ここでは、励起光は、エネルギー密度を大幅に減少させて、広範囲に拡がってしまう。この減少を補償するために、露光時間を数十分の1秒まで延ばさなければならない。露光時間が長いので、CCD画像装置は、妥当なSN比を維持するために、冷却されている必要がある。冷却されている大型のこのようなCCD画像装置は、現在のところ非常に高価である。さらに、このシステムの光学レンズは、色収差及び広い視野に亘る像の歪曲が補正されていなければならない。このことにより、走査顕微鏡の各点毎のシステムにおけるレンズに比べて、コストが非常に上昇する。そのうえ、スライドの全領域(25mm×75mm)に対応するのに充分な解像度と大きさを持ったCCD画像装置は、現在のところ存在しない。CCD方式のシステムでは、機械的な走査が、これまで通り必要とされる。これにより、マイクロアレイ・リーダが低速になる。現在、ほとんどの市販のマイクロアレイ・リーダは、25mm×70mmのスライドの走査を完了するのに、5分以上を要する。これは、多くの用途に対しておそすぎる。
【0008】
光ファイバは、近接場走査顕微鏡法に用いられてきている(D. W. Pohl, “Scanning near−field optical microscopy” in Advances in Optical and Electron Microscopy 12, C. J. R. Sheppard and T. Mulvey, Eds. (Academic Press, London, 1990); M. H. P. Moers, W. H. J. Kalle, A. G. T. Ruiter, J. C. A. G. Wiegant, A. K. Raap, J. Greve, B. G. De Grooth, N. F. van Hulst, J. Microscopy 182, p. 40, (1996))。ここでは、光エネルギーは、直径がサブマイクロメータにまで縮小されて、光ファイバ先端に導かれる。ファイバ先端は、被検面のナノメータの数十分の1以下のところに置かれる。そして、ファイバ先端は、小領域(通常10mm角)を走査し、被検面からの直接散乱光を受光する。(Chuck,開示されている発明で、ファイバのコアが集光を最大化するには大きすぎ、集光された光は、被検体からの蛍光のように、間接的に放出されたものである。)
一方、光ファイバ・リーダ・ヘッドは、ABIのTaqmanリーダ(US5589351)のようないくつかの機器で、マイクロタイタープレート(microtiter plate)から放出された蛍光を受光するのに用いられてきた。ここで、リーダの空間解像度は、数ミリメートルのオーダである。励起光と受光された光とは、バンドルにおける別々のファイバで伝達される。光学ヘッドは、被検体から比較的大きく隔てられている。
【0009】
〔概 要〕
以下に充分に記述するように、本発明により、プローブのマイクロアレイ又はサンプル(マイクロウェルに収納された乾式又は湿式)を走査するいくつかのシステム、装置、手段、及び方法が提供される。本開示内容のこの部分により、本発明の顕著な点についての要約が提供されるが、この部分は、本発明を、当該部分について考察された特徴及び実施形態のみに限定するように解釈されるためのものではない。むしろ、本発明には、特許請求の範囲とともに当該部分及びそれに続く部分で考察される全ての装置、システム、及び方法が含まれている。
【0010】
開示される走査構造には、該走査構造で測定される基板上の光励起可能領域に対する光伝達及び受光装置が含まれている。この光伝達及び受光装置は、基端及び先端を有する光ファイバを備えていてもよい。この光ファイバは、ある波長の光又はいくつかの多様な波長の光を伝達して、サンプルを照射する。これにより、発光が励起されたり1つかそれ以上の波長がサンプルに吸収されたりする。また、この光ファイバは、基板上のサンプルに蛍光を発生させることにより放出されるかあるいは他の方式で生じた、反射又は回折した光を、同時に受光してもよい。さらに、走査構造には、検査対象の基板上を可変の間隔で横切ることが可能な光ファイバホルダが含まれていてもよい。例えば、ホルダには、ガルバノスキャナや共振懸架ビームが含まれていてもよい。基板のサンプルを励起する光を発生させるために、例えばレーザ等の光源が、光ファイバの基端に光学的に結合されてもよい。異なった波長の複数の光源が、波長マルチプレクサで光源を単一の光ファイバに結合するか、あるいは、異なる波長を伝達する個別の光ファイバを互いに近接させて配置することにより、同時に用いられてもよい。光は、光ファイバを通じて基板へと伝達され、光ファイバは、発せられた蛍光をも受光できるように、この基板に充分に近接している。
【0011】
本発明のある実施形態は、蛍光を発するものとして記述されているが、本発明には、他の形式による光の発生も含まれている。他の形式として、化学ルミネセンス、及び、光が吸収されて吸収スペクトルが生じ、それが走査構造の導光部分(例えばファイバ又はロッド)により伝達されること等がある。このように、基板上の光励起可能領域は、湿式及び乾式のサンプルを含んだ基板の一部である。サンプルは、走査構造の導光部分により基板に伝達された複数の波長のうちのある波長が吸収された領域あるいは、基板(蛍光や化学ルミネセンスのような)により受光した光とは異なる波長の光を発生する。従って、基板上の光励起可能領域で「発生」した第2の波長は、光源により供給されていない波長であってもよく、光源から伝達されて、サンプルや基板により反射又は回折するものの光励起可能領域における基板やサンプルには吸収されていない波長であってもよい。このように、走査構造は、光を検出するか、あるいは、光においてある波長が欠落していることを検出するように、構成されうる。
【0012】
走査装置の空間解像度は、励起光のエネルギーを伝達するファイバのコアの径にほぼ等しいので、好適なコア径は、5μm,10μmの空間解像度の走査装置に対して、それぞれ5μm,10μmとなる。このようなコア径は、通信ファイバで容易に入手可能である。ファイバ先端でコアのサイズを小さくする必要はない。
【0013】
開示される本走査装置は、通常の正方形又は長方形状の基板上のマイクロアレイの他にも、CDのように回転する基板を読み取ること、及び1次元のマイクロアレイにも適用可能である。
【0014】
開示される本発明は、マイクロアレイに加え、高いスループットでスクリーニングすることの用途において、顕微鏡的リアクションウェルのアレイを読むことにさらに適用可能である。
【0015】
現在のところ、HTSからの出力信号は、蛍光、化学ルミネセンス、あるいは吸光度であってもよく、これらは、「マイクロプレート・リーダ」と称する装置を用いて検出される。本発明は、現在のDNAマイクロアレイと同等のサイズ及び密度(例えば、約500ウェル/cm2よりも高密度、好ましくは約1000ウェル/cm2よりも高密度、より好ましくは約2000ウェル/cm2よりも高密度、さらに好ましくは約5000ウェル/cm2よりも高密度)のマイクロウェルアレイ内の溶液からのこのような信号を読み取る走査装置に関する。マイクロウェルの内径は、約100マイクロメータから約1000マイクロメータであり、好ましくは約500マイクロメータ未満であり、より好ましくは200マイクロメータ未満である。ある特定の実施形態では、本発明の光ファイバ走査装置は、マイクロウェル内の溶液からの信号の読取装置に適用されている。例えば、光ファイバが基板となす角度は、垂直であってもよく、反射を防ぎながらも光が存在するかどうかを検出できるような垂直に近い角度であってもよい。ファイバ径は、マイクロウェルの径に基づいて選択されてもよい。走査前に読取装置が待機する時間は、サンプル及びプローブ(例えば、オリゴヌクレオチド、タンパク質、又は反応物)にサンプルと会合又は反応させるのに必要な反応又は会合時間に基づいて選択されてもよい。光ファイバによって読取装置が、スクリーニングシステムに統合可能となる柔軟性が提供される。
【0016】
〔発明の詳細な説明〕
本発明では、多くの基本的な光学部材が、励起光を伝達することに、あるいは蛍光の放出を受光することにも、用いられてもよい。このような光学部材として、導光ロッド及び光ファイバのような部材が、含まれていてもよい。光学部材として光ファイバを用いることが好ましく、以下に開示する実施形態では、このような光ファイバを例として用いることが考察される。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではない。
【0017】
図1(a)に、本発明の一実施形態としての走査構造10が、図示されている。この図において、レーザ14から射出された励起レーザ光20は、光ファイバ12の基端28に入る前に、フィルタ16により反射される。光ファイバ12は、励起光20を導いて、当該光ファイバ12の先端26から、マイクロアレイ・サンプル30上の例えばDNAプローブ等のサンプルを照射する。マイクロアレイ・サンプル30は、上述の如く、基板32及びプローブ34から構成されていてもよい。フィルタ16は、光の予め選択した波長又は帯域を反射しつつ、同時に、反射光における所望の波長又は帯域を通過できるように、選択的に設計されていてもよい。プローブ34から発せられた蛍光20´は、同ファイバ12により受光され、フィルタ16を通過した後、検出器18へ導かれる。本実施形態10における励起光20及び蛍光20´は、フィルタ16によって分離される。フィルタ16は、所定の波長の光を反射させる一方で、特定の波長を透過可能としている。図1(a)に示された特定の実施形態では、フィルタ16が、励起光20を反射するように設計されていてもよい。また、図1(a)におけるレーザ14と検出器18の位置を交換することにより、このシステムに、蛍光を反射するフィルタが用いられてもよい。
【0018】
図1(b)には、同システム設計の代替的な実施形態22が図示されている。ここでは、かさばっていた光ビーム分割及び結合構造が、光ファイバカプラ24で置き換えられている。この記述の全体に亘り、別々の実施形態における構造で同一の番号が付されたものは、その機能が類似している。また、カプラ24は、特定の波長を他の分岐ファイバへと選択的に結合する波長多重(WDM:wavelength domain multiplexer)であってもよい。好ましくは、励起光を遮断するために、検出器18の前に、追加のフィルタ16が配置されてもよい。
【0019】
さらなる他の実施形態では、レーザの代わりに、励起光20の光源として発光ダイオード(LED)が用いられる。単一のLED、又は複数のLEDで各LEDが別々の波長の光を発するものを、基板32に直に近接して配置してもよい。このようにしても、光ファイバ12が蛍光20´を集光可能であり、光ファイバの基端28にあるレーザ14を置換可能である。
【0020】
図2に示すように、光ファイバの先端26から出射する光36は、ファイバの開口数(NA)で規定される固有の角度で発散する。光ビームがファイバで導かれるために、光ビームは、以下の両条件を満たさなければならない。1)光ビームは、ファイバの開口数で規定されるコアの領域に入射すること、そして、2)光ビームは、ファイバの軸に対して、NAよりも小さい角度をなしていること。例えば、矢で示された光ビーム38は、上記の両条件を満たしているので、コア領域42に導かれうる。しかし、光ビーム40は、上記条件の一方のみを満たしているだけなので、導かれることなく、コア領域42ではなくクラッド44に入射する。
【0021】
図1の(a)及び(b)に図示された実施形態において、ビームの発散及び導光条件により、ファイバのコアに非常に近い領域へ発せられた光が集光される。ファイバの集光能力は、2つの要素で規定される。すなわち、1)コアのサイズ、及び2)NAである。これら2つのパラメータが大きくなるほど、ファイバ12の集光能力が高くなる。しかしながら、コアのサイズが大きくなると、システムの空間解像度が低下するおそれがある。ファイバ先端12と基板32との間隔がdc/2NA以内であれば、空間解像度は、ファイバのコアのサイズにほぼ等しい。ここで、dcは、ファイバのコア42の直径とする。基板32がファイバ先端12からdc/2NAの間隔より大きく離れていれば、蛍光を受光する効率が著しく低下する。標準的な通信ファイバは、そのコア径が約9μmであり、NA=0.12である。従って、本発明の走査構造を構成するのに標準的な通信ファイバが用いられると、基板表面がファイバ端面27から38μm以内に保たれていれば、約10μmの空間解像度が達成可能となる。NAが0.66のファイバが報告されている。ファイバ端面27を基板の約7μm以内に保つことにより、集光能力を約27倍に引き上げる可能性が存在する。
【0022】
ファイバ12を基板32に近接させておくように、いくつかの方法を用いうる。
【0023】
本発明の走査構造の第1実施形態では、ファイバ先端12と基板32表面との間隔がリアルタイムで検出され、この間隔が能動的に制御される。間隔の大きさは、干渉計を用いた光学干渉のような通常の方法で検出され、干渉計から取得した信号に応答して動作する例えば圧電アクチュエータ(米国特許第6,142,444号記載のようなもの)に、光ファイバを取り付けることにより、制御される。
【0024】
本発明の第2の走査構造は、基板近傍でファイバ先端が高速動作することにより発生するエアクッション上に、マイクロアレイ基板32全体に亘ってファイバ12の先端を空気力学的に「浮ばせる」ことができるように、構成されている。これは、例えば、フロッピーディスクドライブ(TM)、ハードドライブ、及びCD−ROMドライブに使用されている技術である。フロッピーディスクドライブ(TM)の読取ヘッドは、厚さが2マイクロメートルのエアギャップで浮遊する。エアギャップは、回転するフロッピーディスク(TM)及び読取ヘッド間に発生したいわゆる「地面効果」により空気力学的に形成される。読取ヘッドとフロッピーディスク(TM)との相対動作により、真空が形成されて読取ヘッドがフロッピーディスク(TM)表面へ引き付けられる。しかし、読取ヘッドが表面に近接してゆくと、読取ヘッド及び表面間のギャップにおいて圧力が充分に増大し、読取ヘッドはディスク表面に接触しない。
【0025】
この「地面効果」が、本発明の走査装置に適用されてもよい。ファイバ先端が基板表面において充分に早く動作して、ファイバ及び基板間の相対動作により、ファイバ先端は、基板表面の数マイクロメータ以内に引き付けられる。図3に示すように、ファイバ先端は、読取ヘッド50内に収容されていてもよい。読取ヘッド50は、基板32とともにベンチュリを形成するような形状を有しており、それにより気流に地面効果を発生させる。以下に詳述するように、読取ヘッドは、1本の光ファイバが、該ファイバを基板表面全体に亘って移動するホルダに取り付けられたものであってもよく、あるいは、読取ヘッドは、光ファイバの束がホルダに取り付けられたものであってもよい。図3に示すように、読取ヘッドにおける基板に対向した表面は、側面から見てパラボラ状の形状を有していてもよい。あるいは、図1や図2に示すように、読取ヘッドは、平坦な表面を有していてもよい。読取ヘッドすなわちファイバ先端が、反対方向へ移動する際に、方向を変えるために減速してマイクロアレイを走査するので、速度が地面効果を得るのに必要な速度より小さければ、読取ヘッドやファイバ先端が、基板又は基板のホルダの一部に接触するおそれがある。
【0026】
磁気及び空気力学的浮揚を併用した走査構造46では、読取ヘッドやファイバ先端が走査中に方向を変えるために減速する時に、読取ヘッドやファイバ先端が基板や基板ホルダに接触するのを、防止することができる。図3に示すように、走査構造46のマイクロアレイ基板32は、極性の方向が同じの一対の磁石48で支持されている。光ファイバが組み込まれた読取ヘッド50は、永久磁石が組み込まれて形成されるか、あるいは、それ自体が磁化されて(磁性材料で形成される場合)、その極性が支持磁石48の対と同じになっており、読取ヘッド及び磁石48間で斥力が発生する。基板32の中央の位置1では、読取ヘッド50は、比較的速く動作し、空気力学的に浮揚する。読取ヘッド50は、基板32の端へと位置2から位置3へ移動するにつれて、おそくなってゆく。おそくなると、空気力学的な浮揚力が減少するが、読取ヘッド50は、磁気支持部48からの磁力により支持され、当該読取ヘッドがマイクロアレイ基板32や磁石48に接触しないように浮揚した状態が保たれる。
【0027】
本発明の走査構造の第3の実施形態は、特に、表面が粗い基板上のマイクロアレイのラベルを励起して検出するのに適している。但し、その用途は、表面の粗い基板上のマイクロアレイに限定されるものではない。図4に示す走査構造52では、読取ヘッド50を一定な状態で空気力学的に浮揚させておくために、光ファイバ56間に毛管54が組み込まれていてもよい。複数本のファイバが用いられる場合には、それらは、任意に束ねられるか、あるいは、高速又は冗長性を持たせてマイクロアレイを走査できるように、周知の空間配列で連続的に又は規則正しい配列に束ねられる。毛管ファイバ54を通じて、気体を下方へ吹きつけることにより、極めて薄い気体クッション58が、読取ヘッド50及び基板32間に形成される。空気や窒素のような不活性な気体であれば、何でも使用可能である。ファイバ方式の読取ヘッド50は極めて軽いため、読取ヘッド50を基板32上に浮揚させて、両者を数マイクロメータのオーダの小さな間隔に保つのには、小さな正の圧力で充分なはずである。正の圧力の大きさは、読取ヘッド50の個々の設計に依存する。
【0028】
信号対雑音比の向上、複数波長での励起及び受光、並びに走査機構といったいくつかの特徴について、以下、考察する。
【0029】
〔信号対雑音比の向上〕
ファイバ12の長さ方向の軸が、基板32の表面に対して実質的に垂直であると、元の励起光20のうちのある部分は、ファイバ12の端面27を出て基板32で反射され、そして、ファイバ12へと戻ってくる。これにより、信号中にバックグラウンドノイズが生じる。図1の(a)及び(b)に示すように、このバックグラウンドノイズは、システム中のフィルタ16により抑制しうる。フィルタ16は、それがなければ検出器18が検出してしまう望ましくない波長の光を反射することにより、バックグラウンドノイズを抑制するように作用する。しかしながら、発せられた蛍光が比較的小さいために、フィルタが抑制するにもかかわらず、かなりのレベルのノイズがなおも存在するおそれがある。より高い信号対雑音比(SN比)を有する走査構造では、基板32の表面に対して角度θで傾いたファイバ12が、含まれている。この角度は、図1及び図5に示すように、ファイバ12のNAよりもわずかに大きい。この構成により、反射された励起光は、光ファイバで検出器へと導かれるのではなく、ファイバの壁面を透過するようになる。
【0030】
SN比がより高い走査構造の代替的な実施形態には、基板32の表面と実質的に平行に端面27が研磨されたファイバ12が、含まれている。このように研磨すると、全ての光(励起光20を含む)が、直接、ファイバ端面27及びマイクロアレイ基板32で反射され、ファイバ12の軸とNAより大きい角度で交差するので、この光がファイバコア42を通じて検出器18へ導かれることがない。一方、蛍光20´は、あらゆる方向へ発せられ、端面が研磨されていないファイバに受光されるのと同じ割合の光20´が、その信号レベルを変化させずにファイバ12に受光される。その結果、システムのSN比は、著しく向上する。
【0031】
SN比が向上した他の走査構造には、ダブルコアファイバ60が用いられている。図5に示すように、ダブルコアファイバ60は、2つの同軸のコア62,64を有し、コア62の屈折率は、コア64の屈折率よりも大きくなっている。ダブルコアファイバ60の相対屈折率の縦断面図を、図5に示す。この図において、ピーク70は、インナーコア62の相対屈折率に相当し、ピーク72は、アウターコア64の相対屈折率に相当し、ピーク74は、ファイバ60のクラッドの相対屈折率に相当する。
【0032】
ダブルコアファイバ60を備えた走査構造は、レーザからの光をインナーコア62を通じて伝達する一方、基板からアウターコア64へ入射した光については、100%に近い結合比(coupling ratio)を有する。このように、ダブルコアファイバは、コアセレクティブカプラ(core−selective coupler)として機能する。
【0033】
アウターコア64は、インナーコア62よりも低い屈折率を有するので、インナーコア62に対してクラッドのように機能する。従って、ダブルコアファイバが図1の(b)のシステムに用いられると、例えばレーザから発せられた励起光20は、臨界角より小さな角度でインナーコア62に入射し、励起光は、実質的に、インナーコア62内に閉じ込められる。
【0034】
アウターコア64内の光は、このダブルコアファイバにより外側に結合されることになる。インナーコア62の臨界角より大きな角度でアウターコア64に入射した光は、インナーコア62へと内部反射することがないので、主にアウターコア内64で見い出され、インナーコア62には実質的にレーザからの光だけに任せた状態となる。
【0035】
さらに、インナーコア62は、該インナーコア62から出射した後の光ビーム68の発散が小さくなるように、小さなNAを有していてもよい。一方、発せられた蛍光66の大部分は、アウターコア64に入射して、ファイバ60を遡って検出器へと伝達する。このような方法で、集光効率が著しく向上し、そのために、SN比が向上することになる。さらに、アウターコア64は、インナーコア62よりもはるかに大径に形成可能であるため、集光された光の強度は、ファイバ12の端面27と基板32との間隔に決定的に依存するということがより少なくなる。このため、機器設計の許容度及び自由度がより高くなる。
【0036】
ダブルコアファイバ60を製造する一方法として、化学気相成長法(CVD)がある。これによると、例えばシラン及びO2をともなった気体のGe等のドーパントを、通常のファイバ形成チューブ(プリフォーム)の内面に第1の濃度で蒸着させ、層を形成する。次に、ドーパント(第1の濃度のドーパントと同じか又は同様の通常のドーパントからなる)を、第1の濃度よりも高い第2の濃度で、前記層上にドープしてもよい。その後、プリフォームを伸ばしてファイバ60を形成する。
【0037】
〔複数波長での励起及び受光〕
通常、本発明の走査構造は、少なくとも2つの別々の波長の光を伝達する。2つの波長の光とは、ある波長の励起光、及び、蛍光マーカから発せられた他の波長の蛍光である。現在知られている技術として、5つまでの別々の励起及び/又は受光波長を有する走査装置がある。現状のマイクロアレイ走査装置では、波長の異なる全ての光ビームが、顕微鏡の対物レンズに通じた単一の光路に集約される。通常の走査装置で用いられている複数の大きな光学コンポーネントには、これらの大きな光学コンポーネントの運搬及び移動させるために、高精度のアライメント及び複雑な構成が必要とされる。高精度で大きな光学コンポーネントにより、現行の走査装置はかさばって高価なものとなっている。さらに、集約された光路を有する現行の光学検出器では、ある波長を他のものから分離することが、困難であることが多い。2つ以上のレーザが同時に稼動しているときには、SN比が悪化する。現行の多くのマイクロアレイ走査装置では、走査速度を大幅に低下させてしまうという犠牲を払いながら、一度に一つのレーザに切り替えることにより、この問題の発生を防止している。
【0038】
図6に、本発明の走査構造76を示す。ここでは、複数の波長に対応した複数の光源14λ 1〜14λ nが、波長多重(WDM)781,78nを用いて、単一の光ファイバ12に集約されている。この走査構造は単純である。これは、特に、現行の走査装置で現在使用されている例えばレンズ及びミラーアセンブリのための複雑な支持構造を必要としない光ファイバ12の柔軟性によるものである。WDM781,78nは、例えば、プレーナ又は溶融型カプラの作製することにおいて電気通信業界で周知の技術を用いて、作製される。
【0039】
本発明の一実施形態では、複数波長の光ビームが、マイクロアレイ基板32全体に亘って同時に走査されるが、これら光ビームは、正確に同じ位置にある必要はない。図7に、代替的な実施形態80を示す。これによると、1つの波長が、他の波長からより容易に、速度の犠牲を払うことなく分離されている。図7に示すように、各波長の光14λ 1〜14λ nが、別々であっても比較的近接した位置を照射する一方、同期して走査することを可能にする応用例に応じていくつかの所望の構成に、光ファイバ12を配列してもよい。束になった光ファイバは、例えば、ファイバが挿入されてその順序を保つように束ねるガイドプレートを使用して、あるいは使用せずに、形成されてもよい。ここに言及された全ての論文、特許、及び特許出願は、その全体が一体に組み入れられる。光ファイバ12は、極めて軽量で、細く正確な直径なので、各波長毎に別々のファイバを用いて、同期したマルチスポット走査が実現する。ここで、個々のファイバ12がマイクロアレイ状に束ねられて、光ファイバ走査ヘッドを形成してもよい。このようなマイクロアレイは、規則的な配列又はランダムなバンドルとなるように、束ねられてもよい。バンドル中のファイバの本数は任意であるが、多くの例で、その本数は10よりも少ない。システムにおける各ファイバの先端の相対位置が既知となるため、どちらの変形例も実現可能である。ファイバ端が極めて近接しているにもかかわらず、全てのファイバ12が、同一のスポットを照射するように集束される必要はない。但し、そのようになされても、さしつかえない。逆に、各光ファイバ12は、別々のスポットを同時に照射し、必要に応じて各スポットから同時に蛍光を集光するように、配列されてもよい。
【0040】
〔走査機構〕
光ファイバ12は、極めて軽いので、上記の走査ヘッド50は、非常に高速に移動し、それにより、マイクロアレイを読み取る速度が増大する。図8に、走査装置82の実施形態を示す。ここでは、光ファイバ12の読取ヘッド50が、通常のガルバノスキャナ(Galvano scanner)84によりy方向に往復移動する。ガルバノスキャナ84は、光ファイバ12及び読取ヘッド50を保持した懸架ビーム(suspension beam)86を、所望の角度αに亘って、基板32の幾何学的構成に応じた所望の周波数で、移動させるように設定されている。走査装置は、Xステージ位置決め機構を備えていてもよい。Xステージ位置決め機構は、基板を読取ヘッドの下側を移動させるとともに、光ファイバ12がX軸上のどの位置を読み取っているのかを確定する情報を提供する。光ファイバ12のY軸上の位置は、ガルバノスキャナ84に組み込まれた角度エンコーダにより検出される。ガルバノスキャナ84が懸架ビーム86をY方向に移動させると、基板32は、通常の移動ステージ88によりX方向に段階的に移動する。
【0041】
図9に、走査装置90の代替的な実施形態を示す。この実施形態では、ガルバノスキャナ84及び懸架ビーム86が、共振アクティベータ92及び共振懸架ビーム94に置き換えられている。ここでは、光ファイバ読取ヘッド50は、共振懸架ビーム94がその共振周波数で共振アクティベータにより駆動されることにより、Y方向に往復するように振動する。共振懸架ビーム94近傍に配置された圧電素子のような任意個数の通常の共振アクティベータ92装置により、あるいは、共振懸架ビーム94の両側に配置された磁気素子により駆動されて、共振が発生する。どちらの実施形態であっても、読取ヘッド50は、基板32の端部又は外側で止まるように設定される。基板32の端部や外側には、プローブが存在していない。読取ヘッド50及び基板32間の接触(それにより汚染を防止)は、基板32上に読取ヘッド50を浮揚させるのに用いた空気力学的浮揚機構を実装すること等による通常の、あるいは、上述のいくつかの方法により、防止される。
【0042】
図8及び図9に示す個々の実施形態では、走査ヘッド50は、Y方向における湾曲した経路を通る。このことは、未処理のデータにおける画像の画素が、ほとんどの画像ファイルのような矩形の格子状になっていないことを意味する。しかしながら、各画素の正確な位置が登録されているかぎり、この走査装置で生成される画像ファイルは、通常のソフトウェアによって標準的な画像ファイルに変換可能である。どちらの実施形態においても、X位置は、移動ステージ88の通常の位置エンコーダにより記録されてもよい。図8に示す実施形態では、Y位置は、ガルバノスキャナ84が角度αに亘って掃引することにより生じる角変位から算出されてもよい。図9に示す実施形態では、Y位置は、いくつかの異なった方法のうちの任意のものにより、算出されてもよい。1つの方法として、共振懸架ビーム94の両側表面上の既知の位置における変形歪力を、通常の歪ゲージを用いることにより測定して記録する方法がある。2番目の方法では、新規の光学方式位置測定装置が用いられる。これについては後ほど詳述する。この方法は、このような測定の目的に適合したものである。第3の方法として、共振周期をリアルタイムで測定し、経時的な振動の両極値間の読取ヘッド50の位置を算出する方法がある。
【0043】
図10(a)乃至図10(c)には、CCDアレイ及び光ファイバビーコンが組み込まれた単純な位置検出装置96の代替的な実施形態が示されている。この実施形態は、スライドする大きさおよび移動速度が多様であったとしても、実施可能である。
【0044】
図10(a)乃至図10(c)に示すように、光ファイバ98,100が、移動ステージ106の移動部分に、ビーコンとして実装されている。固定ステージ104は、移動ステージ106とは異なり、静止している。その代わりに、ステージ104が動いて、ステージ106が固定されていてもよい。第1のビーコン98は最も明るく、第2のビーコンはより暗くというようになっている。また、リニアCCDアレイ102が、ステージの固定部分104又はステージの移動部分106に実装されていてもよい。近接した2つのビーコン98,100の間隔は、リニアCCDアレイ102よりもわずかに短い。移動開始時に、リニアCCDアレイ102は、そのピクセルアレイの一端において、単一の明るいスポットを検出する。図10の(a)に示すように、このスポットの位置は、移動ステージ106の相対位置を示している。図10の(b)、図10の(c)に順に示すように、ステージ106が移動してゆきながら第1のビーコン98がリニアCCD102の範囲を越える手前で、このスポットがリニアCCDの他端へ移動してゆくと、第2のビーコン100が移動してきて、位置監視が継続される。全範囲に亘る移動ステージ106の位置を絶対位置で監視可能とするのに必要であれば、ビーコンは、いくつ用いられてもよい。
【0045】
CCDの長さと比較したビーコンの分離間隔の一例として、ピクセルアレイに沿ったスポットの正確な位置は、中心軌跡アルゴリズム(centroid algorithm)を用いて、少なくともピクセルのピッチの約1/50まで算出されてもよい。例えば、通常の2048ピクセルでピッチが24μmの代表的で安価なCCDアレイ102を考慮すると、リニアCCDアレイ102の有効な長さは、約49mmである。2つのファイバビーコンを例えば約40mm間隔で実装すると、位置検出装置96は、移動ステージ106の位置を、約80mmの範囲に亘って0.48μmの解像度で監視可能となる。これは、マイクロアレイ走査装置のためには、充分過ぎるものである。
【0046】
図11に示すように、位置検出装置96は、1次元のマイクロアレイ108の実施形態に用いられてもよい。ここで、特許出願中の米国特許出願番号60/244,418(名称「Gene Thread」,発明者:Shiping Chen, Yuling Luo, and Anthony Chen,出願日:2000年10月30日)に記述されているように、1次元のマイクロアレイ108は、移動ステージ106上に位置していてもよい。この米国特許出願番号60/244,418は、その全てがここに一体に組み入れられる。1次元のマイクロアレイ108上には、ハイブリッド化のためのサンプルが含まれた標準的なプローブ110が配列されていてもよい。その代わりに、プローブは、所望の応用例に応じた様々な構成で配置されてもよい。いくつかの例として、プローブは、直線状112にあるいは斜め114に配置されてもよい。どのような場合であっても、プローブの位置は、上述の方法及び装置のいずれかを用いて、監視され読み取られる。
【0047】
その代わりに、本発明の走査装置の一実施形態では、1次元のマイクロアレイ108が当該読取ヘッド50の下側を移動する一方で、読取ヘッド50は、固定された状態で、走査可能となっていてもよい。これにより、1次元だけのプローブ110がステージ106上で一方向に移動しているため、読取ヘッドを振動させる必要がなくなる。
【0048】
また、位置検出装置96を調整するのに、ビーコン98,100をその相対的なピーク強度で識別するシステムが用いられてもよい。図10の(a)乃至図10の(c)に示すように、CCDアレイは、該アレイ上の位置の関数になった相対的な信号強度を出力する。所与の信号強度が、所与のビーコンに対応している。例えば、第1のビーコン98は、最も明るいビーコンであるため、最も明るい信号98´に対応し、第2のビーコン100は、第1のビーコン98よりも暗いビーコンであり、より暗い信号100´に対応し、以下同様である。従って、CCDアレイからの出力は、ビーコンをその相対強度で監視することにも用いられうる。その代わりに、スポットの大きさやビーコンにおけるファイバの本数により、個々のビーコンが識別されてもよい。例えば、第1のビーコン98が、一本のファイバを備えていて、CCD上に単一のスポットを形成し、第2のビーコン100が、近接配置された2つの光ファイバを備えていて、近接した2つのスポットを形成するというようにである。なお、第2のビーコン100の2つのファイバは、第1のビーコン98と第2のビーコン100との間隔に比べて、極めて小さな間隔で互いに離れていてもよい。例えば、隣接した第1及び第2のビーコン98,100が40mm離れていて、第2のビーコン100の2つのファイバが0.1mmといった小さな間隔で離れていてもよい。
【0049】
さらに、X方向における必要な走査範囲が約30mmよりも小さい場合に、単一のビーコンが、CCDアレイ又はアナログ位置検出装置とともに用いられてもよい。例えば、アナログ位置検出装置は、ストリップ上の光のスポット位置に比例した2端子における差動電圧出力が得られる連続フォトレジスタ・ストリップであってもよい。
【0050】
図12に、回転位置検出機構116を備えた走査装置の実施形態を示す。ここでは、マイクロアレイは、回転する基板122上に形成されている。基板122は、上記の特許出願中の米国特許出願番号60/244,418に記載されているように、CD−ROMディスクに類似した形状を有している。本実施形態では、マイクロアレイ基板122は、回転ステージ120により連続的に回転し、その一方で、1つの光学読取ヘッド118又は複数のヘッドが段階的に径方向へ移動して、マイクロアレイ基板122表面の全体を走査してもよい。この設計の利点は、成熟したCD−ROM設計及び製造能力による多くの利点が、システムコストを削減可能とすることにある。基板が連続的に高速で回転しうるので、通常の読取機構によるよりも高速の読取速度が達成可能である。走査装置の本実施形態には、上述のように、基板122における光学又は磁気マーカが組み込まれてもよい。これにより、読取ヘッドの位置が指示されるようになる。
【0051】
走査装置には、上述のような光ファイバを有する読取ヘッド118の他にも、コンパクトディスク(CD)リーダに見られるものに似た大きな光学レンズに基づく読取ヘッドが組み込まれてもよい。このように構成されることにより、現行のCD−ROMドライブの成熟した技術の利点が存分に活かされうる。
【0052】
マイクロアレイ走査装置が高いスループットの読取装置として用いられている場合、このシステムにおけるマイクロアレイ基板は、マイクロ反応ウェル(micro reaction well)に置き換えられてもよい。マイクロ反応ウェルは、流体で満たされている。全ての型のマイクロアレイ走査装置が、この用途に適合可能であろう。特に、開示されている発明がこの用途に用いられた場合、光ファイバは、励起光のエネルギーをウェルに導き、発せられた光を同時に集光する。ウェルアレイは、一方向に移動してもよい。この際、読取ヘッドは、他の方向へ移動する。走査を完全なものにするため、通常、当該他の方向は直交方向である。一方、アレイが固定されていて、読取ヘッドにより両方向への走査運動が得られてもよい。読取ヘッドは、開示されている発明では光ファイバ式であるため、光源から独立して移動可能である。このことにより、コンパクトで経済的な構造設計を実現するための自由度が追加される。
【0053】
本発明のどの実施形態においても、走査構造は、基板上の乾式領域又は湿式領域からの光を受光できるように構成されている。本発明のある好適な実施形態では、当該領域の直径は、約10マイクロメータ乃至約500マイクロメータである。他の好適な実施形態では、当該領域は、直径が約100乃至1000マイクロメータのマイクロウェルである。通常、当該領域は既知のスポット形成技術により形成され、また、ウェル内の液体は断面が円形であるため、当該領域は、直径を有するものとして記述されているが、円形の形状に限定されるものではない。
【0054】
走査構造は、特定のサイズのいくつかの方式の領域からの第2の波長の光を受光するように、構成されうる。例えば、ファイバ又はロッドは、この領域からの光を読み取るのに適した直径になっている。(すなわち、ファイバ又はロッドが所与の領域からの信号を読み取っている時にはいつでも2以上の領域からはみ出すほどには、この直径は大きくない。)検出器は、既知の技術によりタイミングが調節され、読み取られるべき領域を横切る走査構造の導光部分に対応した、所与の時刻及び/又は所与の位置で信号を読み取る。走査速度は、アレイ密度に対応させて変更されてもよい。また、これらの技術の任意のものが組み合わされて、用いられてもよい。
【0055】
基板の光に反応する領域は乾式であっても湿式であってもよい。遺伝子又はタンパク質のマイクロアレイは、マイクロウェルが反応や会合(association)の生成物を含むことがある(高いスループットの薬品のスクリーニングで発生するように)ので、走査装置を使って読み取られてもよい。このようなマイクロアレイとしては、WO99/55460、WO99/55461、EP0955084、WO00/53736、WO00/53739、2001年1月10日出願の米国特許出願番号09/758,873、2001年2月22日出願の米国特許出願番号09/791,998、2001年2月22日出願の米国特許出願番号09/791,410、及び2001年2月22日出願の米国特許出願番号09/791,411(これらのうち最後の4件は、本出願人による発明)に、記述されているものがある。これらの全てがここに一体に組み入れられる。
【0056】
本発明の走査構造は、上述したような高いスループットのために構成された基板と組み合わされて用いられてもよい。この走査構造は、光源及び検出器を備えている。基板は、光源からの光を受光し、検出器は、基板からの光を受光して、1つ又はそれ以上の波長の光が存在するかどうかを検出する。オリゴヌクレオチドを含んだマイクロアレイ上のハイブリッド化を検出するのに用いられる他の走査装置が、同様に使用されてもよい。このようなマイクロアレイは、上述の背景の部分で考察されている。例えば、これらのマイクロアレイには、液体サンプルの処理のために、1平方センチメートル当たり少なくとも100、400、又は1000のマイクロウェルが含まれている。
【0057】
本発明は、特定の実施形態を参照して記述されているが、この記述は、本発明の適用例に過ぎず、これにより何らの制限がなされるものではない。様々な改良及び開示された実施形態の特徴の組み合わせが、通常の技術を有する者に今や明らかとなり、これらは、本発明の範囲に属するものである。ここに考察又は言及された全ての参考文献は、その全体が一体に組み入れられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)及び(b)はプローブ・マイクロアレイを走査するために用いられる本発明の実施形態を示す図である。
【図2】光ファイバがその先端面のコアの部分に極めて近接した領域を励起し、照射された領域の一部からの光が同ファイバに受光されうることを示す図である。
【図3】読取ヘッド支持用に磁気的及び空気力学的浮揚を組み合わせた実施形態を示す図である。
【図4】読取ヘッド支持用に薄い気体クッションを発生させるための実施形態を示す図である。
【図5】一様でない屈折率のダブルコア光ファイバを示す図である。
【図6】複数の異なった波長を単一の光路にまとめた走査装置の実施形態を示す図である。
【図7】異なった波長の個々のファイバを束ねるか近接させて構成した走査装置の実施形態を示す図である。
【図8】ガルバノスキャナを利用した走査装置の実施形態の側面図及び平面図である。
【図9】共振懸架ビームを利用した走査装置の実施形態の側面図及び平面図である。
【図10】移動ステージの固定ステージに対する移動、及び強度の異なる複数のビーコンを用いてそれを測定することを示す図である。
【図11】図10(a)、図10(b)、及び図10(c)の移動ステージを利用した1次元のマイクロアレイ上に配置された様々な複数のプローブを示す図である。
【図12】回転する基板を備えた走査装置の実施形態を示す図である。
〔関連出願の参照〕
本発明は、2000年3月13日に出願された米国仮出願番号60/188,873による権利を主張し、参考としてここにその全てが盛り込まれている。
【0002】
〔技術分野〕
本発明は、DNAマイクロアレイ、タンパク質マイクロアレイ、及び化合物マイクロアレイのような、マイクロプレート(microplate)におけるマイクロアレイ(microarrays)又はマイクロウェル(microwells)を、走査するための装置及び方法に関する。
【0003】
〔背 景〕
マイクロアレイとは、基板上の所定の位置に固定された生物学又は化学サンプル(「プローブ」)のスポットの列である。各スポットには、単一の生物学的物質又は化学物質のいくつかの分子が含まれている。マイクロアレイは、1つ又はそれ以上の生物学的又は化学的サンプルを含んだ液体(「ターゲット」)に浸される。通例、ターゲットは、マイクロアレイ上で1つ又はそれ以上の相補的なプローブと互に影響し合う。特に、DNAマイクロアレイでは、プローブがオリゴヌクレオチド又はcDNA菌株(strains)であり、ターゲットが蛍光又は放射性ラベルがなされたDNAサンプルである。ターゲット中の分子鎖は、プローブのマイクロアレイ中の相補的な分子鎖とハイブリッドを形成する。
【0004】
ハイブリッド化されたマイクロアレイは、マイクロアレイ・リーダにより検査される。マイクロアレイ・リーダは、放射性ラベルの存在を検出するか、あるいは、レーザや他のエネルギー源を用いて蛍光ラベルを励起することにより、該蛍光ラベルを刺激し、光を放射させる。マイクロアレイ・リーダは、マイクロアレイにおけるラベルの放射の位置及び強度を検出する。プローブは、マイクロアレイにおける予め定められた既知の位置に配置されているので、液体中の一連のターゲットは、蛍光又は放射線が検出された位置及び蛍光又は放射線の強度により、識別される。
【0005】
従って、マイクロアレイ・リーダは、マイクロアレイ技術の装置における重要な部分の1つである。現在、2種類のマイクロアレイ・リーダが利用可能である。第1種のものは、その一例が米国特許第5,324,633号に記述されており、走査顕微鏡の原理に基づくものである。それによると、2以上の波長のレーザビームが組み合わされ、マイクロアレイ上の1つのスポットに集束されて、蛍光ラベルを励起する。組み合わされたレーザビームは、2軸の平行移動ステージ上でマイクロアレイを動かすか、あるいは、顕微鏡のレンズを一方の軸で動かし、マイクロアレイ基板を他方の軸で動かすことにより、マイクロアレイ全体を各点毎に高い空間解像度(〜10μm)で走査する。第2種のものは、その一例がWO00/12759号に示されており、CCD画像装置を用いて、マイクロアレイからの蛍光の放出を、小領域毎に一度に検出してゆく。アークランプのような広帯域の光源が、蛍光の励起に用いられている。
【0006】
走査顕微鏡技術では、コストに大きく影響するのは、その光学系である。これは、光学系が、波長の異なる複数のレーザビームを結合して正確に並べ、その後、別々の検出チャネルへと再び分割しなければならないためである。顕微鏡のレンズ及びスライドキャリアの双方とも、かさばって重く、高速に動かすことができない。このことにより、走査スピードが制限される。
【0007】
CCD方式のシステムでは、画像装置及びレンズの双方がコストに大きく影響する。ここでは、励起光は、エネルギー密度を大幅に減少させて、広範囲に拡がってしまう。この減少を補償するために、露光時間を数十分の1秒まで延ばさなければならない。露光時間が長いので、CCD画像装置は、妥当なSN比を維持するために、冷却されている必要がある。冷却されている大型のこのようなCCD画像装置は、現在のところ非常に高価である。さらに、このシステムの光学レンズは、色収差及び広い視野に亘る像の歪曲が補正されていなければならない。このことにより、走査顕微鏡の各点毎のシステムにおけるレンズに比べて、コストが非常に上昇する。そのうえ、スライドの全領域(25mm×75mm)に対応するのに充分な解像度と大きさを持ったCCD画像装置は、現在のところ存在しない。CCD方式のシステムでは、機械的な走査が、これまで通り必要とされる。これにより、マイクロアレイ・リーダが低速になる。現在、ほとんどの市販のマイクロアレイ・リーダは、25mm×70mmのスライドの走査を完了するのに、5分以上を要する。これは、多くの用途に対しておそすぎる。
【0008】
光ファイバは、近接場走査顕微鏡法に用いられてきている(D. W. Pohl, “Scanning near−field optical microscopy” in Advances in Optical and Electron Microscopy 12, C. J. R. Sheppard and T. Mulvey, Eds. (Academic Press, London, 1990); M. H. P. Moers, W. H. J. Kalle, A. G. T. Ruiter, J. C. A. G. Wiegant, A. K. Raap, J. Greve, B. G. De Grooth, N. F. van Hulst, J. Microscopy 182, p. 40, (1996))。ここでは、光エネルギーは、直径がサブマイクロメータにまで縮小されて、光ファイバ先端に導かれる。ファイバ先端は、被検面のナノメータの数十分の1以下のところに置かれる。そして、ファイバ先端は、小領域(通常10mm角)を走査し、被検面からの直接散乱光を受光する。(Chuck,開示されている発明で、ファイバのコアが集光を最大化するには大きすぎ、集光された光は、被検体からの蛍光のように、間接的に放出されたものである。)
一方、光ファイバ・リーダ・ヘッドは、ABIのTaqmanリーダ(US5589351)のようないくつかの機器で、マイクロタイタープレート(microtiter plate)から放出された蛍光を受光するのに用いられてきた。ここで、リーダの空間解像度は、数ミリメートルのオーダである。励起光と受光された光とは、バンドルにおける別々のファイバで伝達される。光学ヘッドは、被検体から比較的大きく隔てられている。
【0009】
〔概 要〕
以下に充分に記述するように、本発明により、プローブのマイクロアレイ又はサンプル(マイクロウェルに収納された乾式又は湿式)を走査するいくつかのシステム、装置、手段、及び方法が提供される。本開示内容のこの部分により、本発明の顕著な点についての要約が提供されるが、この部分は、本発明を、当該部分について考察された特徴及び実施形態のみに限定するように解釈されるためのものではない。むしろ、本発明には、特許請求の範囲とともに当該部分及びそれに続く部分で考察される全ての装置、システム、及び方法が含まれている。
【0010】
開示される走査構造には、該走査構造で測定される基板上の光励起可能領域に対する光伝達及び受光装置が含まれている。この光伝達及び受光装置は、基端及び先端を有する光ファイバを備えていてもよい。この光ファイバは、ある波長の光又はいくつかの多様な波長の光を伝達して、サンプルを照射する。これにより、発光が励起されたり1つかそれ以上の波長がサンプルに吸収されたりする。また、この光ファイバは、基板上のサンプルに蛍光を発生させることにより放出されるかあるいは他の方式で生じた、反射又は回折した光を、同時に受光してもよい。さらに、走査構造には、検査対象の基板上を可変の間隔で横切ることが可能な光ファイバホルダが含まれていてもよい。例えば、ホルダには、ガルバノスキャナや共振懸架ビームが含まれていてもよい。基板のサンプルを励起する光を発生させるために、例えばレーザ等の光源が、光ファイバの基端に光学的に結合されてもよい。異なった波長の複数の光源が、波長マルチプレクサで光源を単一の光ファイバに結合するか、あるいは、異なる波長を伝達する個別の光ファイバを互いに近接させて配置することにより、同時に用いられてもよい。光は、光ファイバを通じて基板へと伝達され、光ファイバは、発せられた蛍光をも受光できるように、この基板に充分に近接している。
【0011】
本発明のある実施形態は、蛍光を発するものとして記述されているが、本発明には、他の形式による光の発生も含まれている。他の形式として、化学ルミネセンス、及び、光が吸収されて吸収スペクトルが生じ、それが走査構造の導光部分(例えばファイバ又はロッド)により伝達されること等がある。このように、基板上の光励起可能領域は、湿式及び乾式のサンプルを含んだ基板の一部である。サンプルは、走査構造の導光部分により基板に伝達された複数の波長のうちのある波長が吸収された領域あるいは、基板(蛍光や化学ルミネセンスのような)により受光した光とは異なる波長の光を発生する。従って、基板上の光励起可能領域で「発生」した第2の波長は、光源により供給されていない波長であってもよく、光源から伝達されて、サンプルや基板により反射又は回折するものの光励起可能領域における基板やサンプルには吸収されていない波長であってもよい。このように、走査構造は、光を検出するか、あるいは、光においてある波長が欠落していることを検出するように、構成されうる。
【0012】
走査装置の空間解像度は、励起光のエネルギーを伝達するファイバのコアの径にほぼ等しいので、好適なコア径は、5μm,10μmの空間解像度の走査装置に対して、それぞれ5μm,10μmとなる。このようなコア径は、通信ファイバで容易に入手可能である。ファイバ先端でコアのサイズを小さくする必要はない。
【0013】
開示される本走査装置は、通常の正方形又は長方形状の基板上のマイクロアレイの他にも、CDのように回転する基板を読み取ること、及び1次元のマイクロアレイにも適用可能である。
【0014】
開示される本発明は、マイクロアレイに加え、高いスループットでスクリーニングすることの用途において、顕微鏡的リアクションウェルのアレイを読むことにさらに適用可能である。
【0015】
現在のところ、HTSからの出力信号は、蛍光、化学ルミネセンス、あるいは吸光度であってもよく、これらは、「マイクロプレート・リーダ」と称する装置を用いて検出される。本発明は、現在のDNAマイクロアレイと同等のサイズ及び密度(例えば、約500ウェル/cm2よりも高密度、好ましくは約1000ウェル/cm2よりも高密度、より好ましくは約2000ウェル/cm2よりも高密度、さらに好ましくは約5000ウェル/cm2よりも高密度)のマイクロウェルアレイ内の溶液からのこのような信号を読み取る走査装置に関する。マイクロウェルの内径は、約100マイクロメータから約1000マイクロメータであり、好ましくは約500マイクロメータ未満であり、より好ましくは200マイクロメータ未満である。ある特定の実施形態では、本発明の光ファイバ走査装置は、マイクロウェル内の溶液からの信号の読取装置に適用されている。例えば、光ファイバが基板となす角度は、垂直であってもよく、反射を防ぎながらも光が存在するかどうかを検出できるような垂直に近い角度であってもよい。ファイバ径は、マイクロウェルの径に基づいて選択されてもよい。走査前に読取装置が待機する時間は、サンプル及びプローブ(例えば、オリゴヌクレオチド、タンパク質、又は反応物)にサンプルと会合又は反応させるのに必要な反応又は会合時間に基づいて選択されてもよい。光ファイバによって読取装置が、スクリーニングシステムに統合可能となる柔軟性が提供される。
【0016】
〔発明の詳細な説明〕
本発明では、多くの基本的な光学部材が、励起光を伝達することに、あるいは蛍光の放出を受光することにも、用いられてもよい。このような光学部材として、導光ロッド及び光ファイバのような部材が、含まれていてもよい。光学部材として光ファイバを用いることが好ましく、以下に開示する実施形態では、このような光ファイバを例として用いることが考察される。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではない。
【0017】
図1(a)に、本発明の一実施形態としての走査構造10が、図示されている。この図において、レーザ14から射出された励起レーザ光20は、光ファイバ12の基端28に入る前に、フィルタ16により反射される。光ファイバ12は、励起光20を導いて、当該光ファイバ12の先端26から、マイクロアレイ・サンプル30上の例えばDNAプローブ等のサンプルを照射する。マイクロアレイ・サンプル30は、上述の如く、基板32及びプローブ34から構成されていてもよい。フィルタ16は、光の予め選択した波長又は帯域を反射しつつ、同時に、反射光における所望の波長又は帯域を通過できるように、選択的に設計されていてもよい。プローブ34から発せられた蛍光20´は、同ファイバ12により受光され、フィルタ16を通過した後、検出器18へ導かれる。本実施形態10における励起光20及び蛍光20´は、フィルタ16によって分離される。フィルタ16は、所定の波長の光を反射させる一方で、特定の波長を透過可能としている。図1(a)に示された特定の実施形態では、フィルタ16が、励起光20を反射するように設計されていてもよい。また、図1(a)におけるレーザ14と検出器18の位置を交換することにより、このシステムに、蛍光を反射するフィルタが用いられてもよい。
【0018】
図1(b)には、同システム設計の代替的な実施形態22が図示されている。ここでは、かさばっていた光ビーム分割及び結合構造が、光ファイバカプラ24で置き換えられている。この記述の全体に亘り、別々の実施形態における構造で同一の番号が付されたものは、その機能が類似している。また、カプラ24は、特定の波長を他の分岐ファイバへと選択的に結合する波長多重(WDM:wavelength domain multiplexer)であってもよい。好ましくは、励起光を遮断するために、検出器18の前に、追加のフィルタ16が配置されてもよい。
【0019】
さらなる他の実施形態では、レーザの代わりに、励起光20の光源として発光ダイオード(LED)が用いられる。単一のLED、又は複数のLEDで各LEDが別々の波長の光を発するものを、基板32に直に近接して配置してもよい。このようにしても、光ファイバ12が蛍光20´を集光可能であり、光ファイバの基端28にあるレーザ14を置換可能である。
【0020】
図2に示すように、光ファイバの先端26から出射する光36は、ファイバの開口数(NA)で規定される固有の角度で発散する。光ビームがファイバで導かれるために、光ビームは、以下の両条件を満たさなければならない。1)光ビームは、ファイバの開口数で規定されるコアの領域に入射すること、そして、2)光ビームは、ファイバの軸に対して、NAよりも小さい角度をなしていること。例えば、矢で示された光ビーム38は、上記の両条件を満たしているので、コア領域42に導かれうる。しかし、光ビーム40は、上記条件の一方のみを満たしているだけなので、導かれることなく、コア領域42ではなくクラッド44に入射する。
【0021】
図1の(a)及び(b)に図示された実施形態において、ビームの発散及び導光条件により、ファイバのコアに非常に近い領域へ発せられた光が集光される。ファイバの集光能力は、2つの要素で規定される。すなわち、1)コアのサイズ、及び2)NAである。これら2つのパラメータが大きくなるほど、ファイバ12の集光能力が高くなる。しかしながら、コアのサイズが大きくなると、システムの空間解像度が低下するおそれがある。ファイバ先端12と基板32との間隔がdc/2NA以内であれば、空間解像度は、ファイバのコアのサイズにほぼ等しい。ここで、dcは、ファイバのコア42の直径とする。基板32がファイバ先端12からdc/2NAの間隔より大きく離れていれば、蛍光を受光する効率が著しく低下する。標準的な通信ファイバは、そのコア径が約9μmであり、NA=0.12である。従って、本発明の走査構造を構成するのに標準的な通信ファイバが用いられると、基板表面がファイバ端面27から38μm以内に保たれていれば、約10μmの空間解像度が達成可能となる。NAが0.66のファイバが報告されている。ファイバ端面27を基板の約7μm以内に保つことにより、集光能力を約27倍に引き上げる可能性が存在する。
【0022】
ファイバ12を基板32に近接させておくように、いくつかの方法を用いうる。
【0023】
本発明の走査構造の第1実施形態では、ファイバ先端12と基板32表面との間隔がリアルタイムで検出され、この間隔が能動的に制御される。間隔の大きさは、干渉計を用いた光学干渉のような通常の方法で検出され、干渉計から取得した信号に応答して動作する例えば圧電アクチュエータ(米国特許第6,142,444号記載のようなもの)に、光ファイバを取り付けることにより、制御される。
【0024】
本発明の第2の走査構造は、基板近傍でファイバ先端が高速動作することにより発生するエアクッション上に、マイクロアレイ基板32全体に亘ってファイバ12の先端を空気力学的に「浮ばせる」ことができるように、構成されている。これは、例えば、フロッピーディスクドライブ(TM)、ハードドライブ、及びCD−ROMドライブに使用されている技術である。フロッピーディスクドライブ(TM)の読取ヘッドは、厚さが2マイクロメートルのエアギャップで浮遊する。エアギャップは、回転するフロッピーディスク(TM)及び読取ヘッド間に発生したいわゆる「地面効果」により空気力学的に形成される。読取ヘッドとフロッピーディスク(TM)との相対動作により、真空が形成されて読取ヘッドがフロッピーディスク(TM)表面へ引き付けられる。しかし、読取ヘッドが表面に近接してゆくと、読取ヘッド及び表面間のギャップにおいて圧力が充分に増大し、読取ヘッドはディスク表面に接触しない。
【0025】
この「地面効果」が、本発明の走査装置に適用されてもよい。ファイバ先端が基板表面において充分に早く動作して、ファイバ及び基板間の相対動作により、ファイバ先端は、基板表面の数マイクロメータ以内に引き付けられる。図3に示すように、ファイバ先端は、読取ヘッド50内に収容されていてもよい。読取ヘッド50は、基板32とともにベンチュリを形成するような形状を有しており、それにより気流に地面効果を発生させる。以下に詳述するように、読取ヘッドは、1本の光ファイバが、該ファイバを基板表面全体に亘って移動するホルダに取り付けられたものであってもよく、あるいは、読取ヘッドは、光ファイバの束がホルダに取り付けられたものであってもよい。図3に示すように、読取ヘッドにおける基板に対向した表面は、側面から見てパラボラ状の形状を有していてもよい。あるいは、図1や図2に示すように、読取ヘッドは、平坦な表面を有していてもよい。読取ヘッドすなわちファイバ先端が、反対方向へ移動する際に、方向を変えるために減速してマイクロアレイを走査するので、速度が地面効果を得るのに必要な速度より小さければ、読取ヘッドやファイバ先端が、基板又は基板のホルダの一部に接触するおそれがある。
【0026】
磁気及び空気力学的浮揚を併用した走査構造46では、読取ヘッドやファイバ先端が走査中に方向を変えるために減速する時に、読取ヘッドやファイバ先端が基板や基板ホルダに接触するのを、防止することができる。図3に示すように、走査構造46のマイクロアレイ基板32は、極性の方向が同じの一対の磁石48で支持されている。光ファイバが組み込まれた読取ヘッド50は、永久磁石が組み込まれて形成されるか、あるいは、それ自体が磁化されて(磁性材料で形成される場合)、その極性が支持磁石48の対と同じになっており、読取ヘッド及び磁石48間で斥力が発生する。基板32の中央の位置1では、読取ヘッド50は、比較的速く動作し、空気力学的に浮揚する。読取ヘッド50は、基板32の端へと位置2から位置3へ移動するにつれて、おそくなってゆく。おそくなると、空気力学的な浮揚力が減少するが、読取ヘッド50は、磁気支持部48からの磁力により支持され、当該読取ヘッドがマイクロアレイ基板32や磁石48に接触しないように浮揚した状態が保たれる。
【0027】
本発明の走査構造の第3の実施形態は、特に、表面が粗い基板上のマイクロアレイのラベルを励起して検出するのに適している。但し、その用途は、表面の粗い基板上のマイクロアレイに限定されるものではない。図4に示す走査構造52では、読取ヘッド50を一定な状態で空気力学的に浮揚させておくために、光ファイバ56間に毛管54が組み込まれていてもよい。複数本のファイバが用いられる場合には、それらは、任意に束ねられるか、あるいは、高速又は冗長性を持たせてマイクロアレイを走査できるように、周知の空間配列で連続的に又は規則正しい配列に束ねられる。毛管ファイバ54を通じて、気体を下方へ吹きつけることにより、極めて薄い気体クッション58が、読取ヘッド50及び基板32間に形成される。空気や窒素のような不活性な気体であれば、何でも使用可能である。ファイバ方式の読取ヘッド50は極めて軽いため、読取ヘッド50を基板32上に浮揚させて、両者を数マイクロメータのオーダの小さな間隔に保つのには、小さな正の圧力で充分なはずである。正の圧力の大きさは、読取ヘッド50の個々の設計に依存する。
【0028】
信号対雑音比の向上、複数波長での励起及び受光、並びに走査機構といったいくつかの特徴について、以下、考察する。
【0029】
〔信号対雑音比の向上〕
ファイバ12の長さ方向の軸が、基板32の表面に対して実質的に垂直であると、元の励起光20のうちのある部分は、ファイバ12の端面27を出て基板32で反射され、そして、ファイバ12へと戻ってくる。これにより、信号中にバックグラウンドノイズが生じる。図1の(a)及び(b)に示すように、このバックグラウンドノイズは、システム中のフィルタ16により抑制しうる。フィルタ16は、それがなければ検出器18が検出してしまう望ましくない波長の光を反射することにより、バックグラウンドノイズを抑制するように作用する。しかしながら、発せられた蛍光が比較的小さいために、フィルタが抑制するにもかかわらず、かなりのレベルのノイズがなおも存在するおそれがある。より高い信号対雑音比(SN比)を有する走査構造では、基板32の表面に対して角度θで傾いたファイバ12が、含まれている。この角度は、図1及び図5に示すように、ファイバ12のNAよりもわずかに大きい。この構成により、反射された励起光は、光ファイバで検出器へと導かれるのではなく、ファイバの壁面を透過するようになる。
【0030】
SN比がより高い走査構造の代替的な実施形態には、基板32の表面と実質的に平行に端面27が研磨されたファイバ12が、含まれている。このように研磨すると、全ての光(励起光20を含む)が、直接、ファイバ端面27及びマイクロアレイ基板32で反射され、ファイバ12の軸とNAより大きい角度で交差するので、この光がファイバコア42を通じて検出器18へ導かれることがない。一方、蛍光20´は、あらゆる方向へ発せられ、端面が研磨されていないファイバに受光されるのと同じ割合の光20´が、その信号レベルを変化させずにファイバ12に受光される。その結果、システムのSN比は、著しく向上する。
【0031】
SN比が向上した他の走査構造には、ダブルコアファイバ60が用いられている。図5に示すように、ダブルコアファイバ60は、2つの同軸のコア62,64を有し、コア62の屈折率は、コア64の屈折率よりも大きくなっている。ダブルコアファイバ60の相対屈折率の縦断面図を、図5に示す。この図において、ピーク70は、インナーコア62の相対屈折率に相当し、ピーク72は、アウターコア64の相対屈折率に相当し、ピーク74は、ファイバ60のクラッドの相対屈折率に相当する。
【0032】
ダブルコアファイバ60を備えた走査構造は、レーザからの光をインナーコア62を通じて伝達する一方、基板からアウターコア64へ入射した光については、100%に近い結合比(coupling ratio)を有する。このように、ダブルコアファイバは、コアセレクティブカプラ(core−selective coupler)として機能する。
【0033】
アウターコア64は、インナーコア62よりも低い屈折率を有するので、インナーコア62に対してクラッドのように機能する。従って、ダブルコアファイバが図1の(b)のシステムに用いられると、例えばレーザから発せられた励起光20は、臨界角より小さな角度でインナーコア62に入射し、励起光は、実質的に、インナーコア62内に閉じ込められる。
【0034】
アウターコア64内の光は、このダブルコアファイバにより外側に結合されることになる。インナーコア62の臨界角より大きな角度でアウターコア64に入射した光は、インナーコア62へと内部反射することがないので、主にアウターコア内64で見い出され、インナーコア62には実質的にレーザからの光だけに任せた状態となる。
【0035】
さらに、インナーコア62は、該インナーコア62から出射した後の光ビーム68の発散が小さくなるように、小さなNAを有していてもよい。一方、発せられた蛍光66の大部分は、アウターコア64に入射して、ファイバ60を遡って検出器へと伝達する。このような方法で、集光効率が著しく向上し、そのために、SN比が向上することになる。さらに、アウターコア64は、インナーコア62よりもはるかに大径に形成可能であるため、集光された光の強度は、ファイバ12の端面27と基板32との間隔に決定的に依存するということがより少なくなる。このため、機器設計の許容度及び自由度がより高くなる。
【0036】
ダブルコアファイバ60を製造する一方法として、化学気相成長法(CVD)がある。これによると、例えばシラン及びO2をともなった気体のGe等のドーパントを、通常のファイバ形成チューブ(プリフォーム)の内面に第1の濃度で蒸着させ、層を形成する。次に、ドーパント(第1の濃度のドーパントと同じか又は同様の通常のドーパントからなる)を、第1の濃度よりも高い第2の濃度で、前記層上にドープしてもよい。その後、プリフォームを伸ばしてファイバ60を形成する。
【0037】
〔複数波長での励起及び受光〕
通常、本発明の走査構造は、少なくとも2つの別々の波長の光を伝達する。2つの波長の光とは、ある波長の励起光、及び、蛍光マーカから発せられた他の波長の蛍光である。現在知られている技術として、5つまでの別々の励起及び/又は受光波長を有する走査装置がある。現状のマイクロアレイ走査装置では、波長の異なる全ての光ビームが、顕微鏡の対物レンズに通じた単一の光路に集約される。通常の走査装置で用いられている複数の大きな光学コンポーネントには、これらの大きな光学コンポーネントの運搬及び移動させるために、高精度のアライメント及び複雑な構成が必要とされる。高精度で大きな光学コンポーネントにより、現行の走査装置はかさばって高価なものとなっている。さらに、集約された光路を有する現行の光学検出器では、ある波長を他のものから分離することが、困難であることが多い。2つ以上のレーザが同時に稼動しているときには、SN比が悪化する。現行の多くのマイクロアレイ走査装置では、走査速度を大幅に低下させてしまうという犠牲を払いながら、一度に一つのレーザに切り替えることにより、この問題の発生を防止している。
【0038】
図6に、本発明の走査構造76を示す。ここでは、複数の波長に対応した複数の光源14λ 1〜14λ nが、波長多重(WDM)781,78nを用いて、単一の光ファイバ12に集約されている。この走査構造は単純である。これは、特に、現行の走査装置で現在使用されている例えばレンズ及びミラーアセンブリのための複雑な支持構造を必要としない光ファイバ12の柔軟性によるものである。WDM781,78nは、例えば、プレーナ又は溶融型カプラの作製することにおいて電気通信業界で周知の技術を用いて、作製される。
【0039】
本発明の一実施形態では、複数波長の光ビームが、マイクロアレイ基板32全体に亘って同時に走査されるが、これら光ビームは、正確に同じ位置にある必要はない。図7に、代替的な実施形態80を示す。これによると、1つの波長が、他の波長からより容易に、速度の犠牲を払うことなく分離されている。図7に示すように、各波長の光14λ 1〜14λ nが、別々であっても比較的近接した位置を照射する一方、同期して走査することを可能にする応用例に応じていくつかの所望の構成に、光ファイバ12を配列してもよい。束になった光ファイバは、例えば、ファイバが挿入されてその順序を保つように束ねるガイドプレートを使用して、あるいは使用せずに、形成されてもよい。ここに言及された全ての論文、特許、及び特許出願は、その全体が一体に組み入れられる。光ファイバ12は、極めて軽量で、細く正確な直径なので、各波長毎に別々のファイバを用いて、同期したマルチスポット走査が実現する。ここで、個々のファイバ12がマイクロアレイ状に束ねられて、光ファイバ走査ヘッドを形成してもよい。このようなマイクロアレイは、規則的な配列又はランダムなバンドルとなるように、束ねられてもよい。バンドル中のファイバの本数は任意であるが、多くの例で、その本数は10よりも少ない。システムにおける各ファイバの先端の相対位置が既知となるため、どちらの変形例も実現可能である。ファイバ端が極めて近接しているにもかかわらず、全てのファイバ12が、同一のスポットを照射するように集束される必要はない。但し、そのようになされても、さしつかえない。逆に、各光ファイバ12は、別々のスポットを同時に照射し、必要に応じて各スポットから同時に蛍光を集光するように、配列されてもよい。
【0040】
〔走査機構〕
光ファイバ12は、極めて軽いので、上記の走査ヘッド50は、非常に高速に移動し、それにより、マイクロアレイを読み取る速度が増大する。図8に、走査装置82の実施形態を示す。ここでは、光ファイバ12の読取ヘッド50が、通常のガルバノスキャナ(Galvano scanner)84によりy方向に往復移動する。ガルバノスキャナ84は、光ファイバ12及び読取ヘッド50を保持した懸架ビーム(suspension beam)86を、所望の角度αに亘って、基板32の幾何学的構成に応じた所望の周波数で、移動させるように設定されている。走査装置は、Xステージ位置決め機構を備えていてもよい。Xステージ位置決め機構は、基板を読取ヘッドの下側を移動させるとともに、光ファイバ12がX軸上のどの位置を読み取っているのかを確定する情報を提供する。光ファイバ12のY軸上の位置は、ガルバノスキャナ84に組み込まれた角度エンコーダにより検出される。ガルバノスキャナ84が懸架ビーム86をY方向に移動させると、基板32は、通常の移動ステージ88によりX方向に段階的に移動する。
【0041】
図9に、走査装置90の代替的な実施形態を示す。この実施形態では、ガルバノスキャナ84及び懸架ビーム86が、共振アクティベータ92及び共振懸架ビーム94に置き換えられている。ここでは、光ファイバ読取ヘッド50は、共振懸架ビーム94がその共振周波数で共振アクティベータにより駆動されることにより、Y方向に往復するように振動する。共振懸架ビーム94近傍に配置された圧電素子のような任意個数の通常の共振アクティベータ92装置により、あるいは、共振懸架ビーム94の両側に配置された磁気素子により駆動されて、共振が発生する。どちらの実施形態であっても、読取ヘッド50は、基板32の端部又は外側で止まるように設定される。基板32の端部や外側には、プローブが存在していない。読取ヘッド50及び基板32間の接触(それにより汚染を防止)は、基板32上に読取ヘッド50を浮揚させるのに用いた空気力学的浮揚機構を実装すること等による通常の、あるいは、上述のいくつかの方法により、防止される。
【0042】
図8及び図9に示す個々の実施形態では、走査ヘッド50は、Y方向における湾曲した経路を通る。このことは、未処理のデータにおける画像の画素が、ほとんどの画像ファイルのような矩形の格子状になっていないことを意味する。しかしながら、各画素の正確な位置が登録されているかぎり、この走査装置で生成される画像ファイルは、通常のソフトウェアによって標準的な画像ファイルに変換可能である。どちらの実施形態においても、X位置は、移動ステージ88の通常の位置エンコーダにより記録されてもよい。図8に示す実施形態では、Y位置は、ガルバノスキャナ84が角度αに亘って掃引することにより生じる角変位から算出されてもよい。図9に示す実施形態では、Y位置は、いくつかの異なった方法のうちの任意のものにより、算出されてもよい。1つの方法として、共振懸架ビーム94の両側表面上の既知の位置における変形歪力を、通常の歪ゲージを用いることにより測定して記録する方法がある。2番目の方法では、新規の光学方式位置測定装置が用いられる。これについては後ほど詳述する。この方法は、このような測定の目的に適合したものである。第3の方法として、共振周期をリアルタイムで測定し、経時的な振動の両極値間の読取ヘッド50の位置を算出する方法がある。
【0043】
図10(a)乃至図10(c)には、CCDアレイ及び光ファイバビーコンが組み込まれた単純な位置検出装置96の代替的な実施形態が示されている。この実施形態は、スライドする大きさおよび移動速度が多様であったとしても、実施可能である。
【0044】
図10(a)乃至図10(c)に示すように、光ファイバ98,100が、移動ステージ106の移動部分に、ビーコンとして実装されている。固定ステージ104は、移動ステージ106とは異なり、静止している。その代わりに、ステージ104が動いて、ステージ106が固定されていてもよい。第1のビーコン98は最も明るく、第2のビーコンはより暗くというようになっている。また、リニアCCDアレイ102が、ステージの固定部分104又はステージの移動部分106に実装されていてもよい。近接した2つのビーコン98,100の間隔は、リニアCCDアレイ102よりもわずかに短い。移動開始時に、リニアCCDアレイ102は、そのピクセルアレイの一端において、単一の明るいスポットを検出する。図10の(a)に示すように、このスポットの位置は、移動ステージ106の相対位置を示している。図10の(b)、図10の(c)に順に示すように、ステージ106が移動してゆきながら第1のビーコン98がリニアCCD102の範囲を越える手前で、このスポットがリニアCCDの他端へ移動してゆくと、第2のビーコン100が移動してきて、位置監視が継続される。全範囲に亘る移動ステージ106の位置を絶対位置で監視可能とするのに必要であれば、ビーコンは、いくつ用いられてもよい。
【0045】
CCDの長さと比較したビーコンの分離間隔の一例として、ピクセルアレイに沿ったスポットの正確な位置は、中心軌跡アルゴリズム(centroid algorithm)を用いて、少なくともピクセルのピッチの約1/50まで算出されてもよい。例えば、通常の2048ピクセルでピッチが24μmの代表的で安価なCCDアレイ102を考慮すると、リニアCCDアレイ102の有効な長さは、約49mmである。2つのファイバビーコンを例えば約40mm間隔で実装すると、位置検出装置96は、移動ステージ106の位置を、約80mmの範囲に亘って0.48μmの解像度で監視可能となる。これは、マイクロアレイ走査装置のためには、充分過ぎるものである。
【0046】
図11に示すように、位置検出装置96は、1次元のマイクロアレイ108の実施形態に用いられてもよい。ここで、特許出願中の米国特許出願番号60/244,418(名称「Gene Thread」,発明者:Shiping Chen, Yuling Luo, and Anthony Chen,出願日:2000年10月30日)に記述されているように、1次元のマイクロアレイ108は、移動ステージ106上に位置していてもよい。この米国特許出願番号60/244,418は、その全てがここに一体に組み入れられる。1次元のマイクロアレイ108上には、ハイブリッド化のためのサンプルが含まれた標準的なプローブ110が配列されていてもよい。その代わりに、プローブは、所望の応用例に応じた様々な構成で配置されてもよい。いくつかの例として、プローブは、直線状112にあるいは斜め114に配置されてもよい。どのような場合であっても、プローブの位置は、上述の方法及び装置のいずれかを用いて、監視され読み取られる。
【0047】
その代わりに、本発明の走査装置の一実施形態では、1次元のマイクロアレイ108が当該読取ヘッド50の下側を移動する一方で、読取ヘッド50は、固定された状態で、走査可能となっていてもよい。これにより、1次元だけのプローブ110がステージ106上で一方向に移動しているため、読取ヘッドを振動させる必要がなくなる。
【0048】
また、位置検出装置96を調整するのに、ビーコン98,100をその相対的なピーク強度で識別するシステムが用いられてもよい。図10の(a)乃至図10の(c)に示すように、CCDアレイは、該アレイ上の位置の関数になった相対的な信号強度を出力する。所与の信号強度が、所与のビーコンに対応している。例えば、第1のビーコン98は、最も明るいビーコンであるため、最も明るい信号98´に対応し、第2のビーコン100は、第1のビーコン98よりも暗いビーコンであり、より暗い信号100´に対応し、以下同様である。従って、CCDアレイからの出力は、ビーコンをその相対強度で監視することにも用いられうる。その代わりに、スポットの大きさやビーコンにおけるファイバの本数により、個々のビーコンが識別されてもよい。例えば、第1のビーコン98が、一本のファイバを備えていて、CCD上に単一のスポットを形成し、第2のビーコン100が、近接配置された2つの光ファイバを備えていて、近接した2つのスポットを形成するというようにである。なお、第2のビーコン100の2つのファイバは、第1のビーコン98と第2のビーコン100との間隔に比べて、極めて小さな間隔で互いに離れていてもよい。例えば、隣接した第1及び第2のビーコン98,100が40mm離れていて、第2のビーコン100の2つのファイバが0.1mmといった小さな間隔で離れていてもよい。
【0049】
さらに、X方向における必要な走査範囲が約30mmよりも小さい場合に、単一のビーコンが、CCDアレイ又はアナログ位置検出装置とともに用いられてもよい。例えば、アナログ位置検出装置は、ストリップ上の光のスポット位置に比例した2端子における差動電圧出力が得られる連続フォトレジスタ・ストリップであってもよい。
【0050】
図12に、回転位置検出機構116を備えた走査装置の実施形態を示す。ここでは、マイクロアレイは、回転する基板122上に形成されている。基板122は、上記の特許出願中の米国特許出願番号60/244,418に記載されているように、CD−ROMディスクに類似した形状を有している。本実施形態では、マイクロアレイ基板122は、回転ステージ120により連続的に回転し、その一方で、1つの光学読取ヘッド118又は複数のヘッドが段階的に径方向へ移動して、マイクロアレイ基板122表面の全体を走査してもよい。この設計の利点は、成熟したCD−ROM設計及び製造能力による多くの利点が、システムコストを削減可能とすることにある。基板が連続的に高速で回転しうるので、通常の読取機構によるよりも高速の読取速度が達成可能である。走査装置の本実施形態には、上述のように、基板122における光学又は磁気マーカが組み込まれてもよい。これにより、読取ヘッドの位置が指示されるようになる。
【0051】
走査装置には、上述のような光ファイバを有する読取ヘッド118の他にも、コンパクトディスク(CD)リーダに見られるものに似た大きな光学レンズに基づく読取ヘッドが組み込まれてもよい。このように構成されることにより、現行のCD−ROMドライブの成熟した技術の利点が存分に活かされうる。
【0052】
マイクロアレイ走査装置が高いスループットの読取装置として用いられている場合、このシステムにおけるマイクロアレイ基板は、マイクロ反応ウェル(micro reaction well)に置き換えられてもよい。マイクロ反応ウェルは、流体で満たされている。全ての型のマイクロアレイ走査装置が、この用途に適合可能であろう。特に、開示されている発明がこの用途に用いられた場合、光ファイバは、励起光のエネルギーをウェルに導き、発せられた光を同時に集光する。ウェルアレイは、一方向に移動してもよい。この際、読取ヘッドは、他の方向へ移動する。走査を完全なものにするため、通常、当該他の方向は直交方向である。一方、アレイが固定されていて、読取ヘッドにより両方向への走査運動が得られてもよい。読取ヘッドは、開示されている発明では光ファイバ式であるため、光源から独立して移動可能である。このことにより、コンパクトで経済的な構造設計を実現するための自由度が追加される。
【0053】
本発明のどの実施形態においても、走査構造は、基板上の乾式領域又は湿式領域からの光を受光できるように構成されている。本発明のある好適な実施形態では、当該領域の直径は、約10マイクロメータ乃至約500マイクロメータである。他の好適な実施形態では、当該領域は、直径が約100乃至1000マイクロメータのマイクロウェルである。通常、当該領域は既知のスポット形成技術により形成され、また、ウェル内の液体は断面が円形であるため、当該領域は、直径を有するものとして記述されているが、円形の形状に限定されるものではない。
【0054】
走査構造は、特定のサイズのいくつかの方式の領域からの第2の波長の光を受光するように、構成されうる。例えば、ファイバ又はロッドは、この領域からの光を読み取るのに適した直径になっている。(すなわち、ファイバ又はロッドが所与の領域からの信号を読み取っている時にはいつでも2以上の領域からはみ出すほどには、この直径は大きくない。)検出器は、既知の技術によりタイミングが調節され、読み取られるべき領域を横切る走査構造の導光部分に対応した、所与の時刻及び/又は所与の位置で信号を読み取る。走査速度は、アレイ密度に対応させて変更されてもよい。また、これらの技術の任意のものが組み合わされて、用いられてもよい。
【0055】
基板の光に反応する領域は乾式であっても湿式であってもよい。遺伝子又はタンパク質のマイクロアレイは、マイクロウェルが反応や会合(association)の生成物を含むことがある(高いスループットの薬品のスクリーニングで発生するように)ので、走査装置を使って読み取られてもよい。このようなマイクロアレイとしては、WO99/55460、WO99/55461、EP0955084、WO00/53736、WO00/53739、2001年1月10日出願の米国特許出願番号09/758,873、2001年2月22日出願の米国特許出願番号09/791,998、2001年2月22日出願の米国特許出願番号09/791,410、及び2001年2月22日出願の米国特許出願番号09/791,411(これらのうち最後の4件は、本出願人による発明)に、記述されているものがある。これらの全てがここに一体に組み入れられる。
【0056】
本発明の走査構造は、上述したような高いスループットのために構成された基板と組み合わされて用いられてもよい。この走査構造は、光源及び検出器を備えている。基板は、光源からの光を受光し、検出器は、基板からの光を受光して、1つ又はそれ以上の波長の光が存在するかどうかを検出する。オリゴヌクレオチドを含んだマイクロアレイ上のハイブリッド化を検出するのに用いられる他の走査装置が、同様に使用されてもよい。このようなマイクロアレイは、上述の背景の部分で考察されている。例えば、これらのマイクロアレイには、液体サンプルの処理のために、1平方センチメートル当たり少なくとも100、400、又は1000のマイクロウェルが含まれている。
【0057】
本発明は、特定の実施形態を参照して記述されているが、この記述は、本発明の適用例に過ぎず、これにより何らの制限がなされるものではない。様々な改良及び開示された実施形態の特徴の組み合わせが、通常の技術を有する者に今や明らかとなり、これらは、本発明の範囲に属するものである。ここに考察又は言及された全ての参考文献は、その全体が一体に組み入れられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)及び(b)はプローブ・マイクロアレイを走査するために用いられる本発明の実施形態を示す図である。
【図2】光ファイバがその先端面のコアの部分に極めて近接した領域を励起し、照射された領域の一部からの光が同ファイバに受光されうることを示す図である。
【図3】読取ヘッド支持用に磁気的及び空気力学的浮揚を組み合わせた実施形態を示す図である。
【図4】読取ヘッド支持用に薄い気体クッションを発生させるための実施形態を示す図である。
【図5】一様でない屈折率のダブルコア光ファイバを示す図である。
【図6】複数の異なった波長を単一の光路にまとめた走査装置の実施形態を示す図である。
【図7】異なった波長の個々のファイバを束ねるか近接させて構成した走査装置の実施形態を示す図である。
【図8】ガルバノスキャナを利用した走査装置の実施形態の側面図及び平面図である。
【図9】共振懸架ビームを利用した走査装置の実施形態の側面図及び平面図である。
【図10】移動ステージの固定ステージに対する移動、及び強度の異なる複数のビーコンを用いてそれを測定することを示す図である。
【図11】図10(a)、図10(b)、及び図10(c)の移動ステージを利用した1次元のマイクロアレイ上に配置された様々な複数のプローブを示す図である。
【図12】回転する基板を備えた走査装置の実施形態を示す図である。
Claims (74)
- 基板上の光励起可能領域へ光を導くとともに該光励起可能領域から発せられた光を受光する走査構造であって、該走査構造は、第1の波長の光及び第2の波長の光を伝達し、基端及び先端を有する光ファイバを備え、該光ファイバは、前記光励起可能領域が前記第1の波長の光を受光したときに発生する前記第2の波長の光の少なくとも一部を受光するように構成された走査構造。
- 前記第1の波長の光及び前記第2の波長の光を伝達する追加的な複数本の光ファイバをさらに備え、前記の追加的な各光ファイバは、基端及び先端を有するとともに、前記基板の前記光励起可能領域に充分近接した状態で移動して、該光ファイバが、前記光励起可能領域が前記第1の波長の光を受光したときに発生する前記第2の波長の光の少なくとも一部を捉えるように構成された請求項1に記載の走査構造。
- 前記光ファイバの先端と前記追加的な光ファイバの先端とが、固定された関係で保持されている請求項2に記載の走査構造。
- 前記光ファイバの前記基端に光学的に連結されて、前記第2の波長の光を受光する検出器をさらに備えた請求項1〜3のいずれか一項に記載の走査構造。
- 前記光ファイバが前記基板を走査するように該基板を移動させるべく構成された基板ホルダをさらに備えた請求項1〜4のいずれか一項に記載の走査構造。
- 前記光ファイバが前記基板の前記光励起可能領域を移動するのに充分である第1の位置及び第2の位置間の距離を移動する光ファイバホルダをさらに備えた請求項1〜5のいずれか一項に記載の走査構造。
- 前記光励起可能領域を励起するために前記第1の波長の光を発する光源をさらに備え、該光源は、前記第1の波長の光が前記光ファイバの先端から出射するように、該光ファイバの基端に光学的に連結されている請求項1〜6のいずれか一項に記載の走査構造。
- 基板上の光励起可能領域へ光を導くとともに該光励起可能領域から発せられた光を受光する走査構造であって、該走査構造は、
a)基端及び先端を有し、第1の波長の光及び第2の波長の光を伝達する光ファイバと、
b)前記光励起可能領域が前記第1の波長の光を受光したときに、前記光励起可能領域から前記第2の波長の光が発せられる前記基板の前記光励起可能領域を移動するのに充分である第1の位置及び第2の位置間の距離を移動する光ファイバホルダと、
c)前記光励起可能領域を励起するために前記第1の波長の光を発する光源であって、前記第1の波長の光が前記光ファイバの先端から出射するように、該光ファイバの基端に光学的に連結された光源とを備え、
d)前記光ファイバは、マイクロアレイに充分近接して、該光ファイバが、前記光励起可能領域により生じた前記第2の波長の光を、該光ファイバの先端で受光し、該第2の波長の光を該光ファイバの基端へ伝達するように、前記ホルダに取り付けられ、
e)前記ホルダは、前記光源が前記第1の波長の光を発しているときに、前記第1の位置及び前記第2の位置間を移動するように構成されている
走査構造。 - 前記走査構造は、先端部分及び基端部分を有するビームをさらに備え、前記先端部分は、前記ホルダを備え、前記ビームは、該ビームの基端で、マウントに取り付けられるとともに、該ビームの先端部分が前記第1の位置及び前記第2の位置間を移動するように構成された請求項1〜8のいずれか一項に記載の走査構造。
- 前記ビームは、ガルバノメータの可動ビームである請求項9に記載の走査構造。
- 前記ビームは、前記第1の位置及び前記第2の位置間を、該ビームの共振周波数で移動する請求項9に記載の走査構造。
- 前記ビームの共振周波数が圧電的に駆動される請求項11に記載の走査構造。
- 前記ビームの共振周波数が磁気的に駆動される請求項11に記載の走査構造。
- 前記ビームの基端は、該ビームの基端が動かないように、前記マウントに取り付けられた請求項9に記載の走査構造。
- 前記ホルダは、前記第1の位置及び前記第2の位置間を水平移動するように構成され、前記走査構造は、前記ホルダが前記第1の位置及び第2の位置の少なくとも一方に達したときに、該ホルダを垂直方向に反発させる磁石をさらに備えた請求項8〜14のいずれか一項に記載の走査構造。
- 前記光源は、前記第1の波長の光を発するレーザを備えた請求項7〜15のいずれか一項に記載の走査構造。
- 前記走査構造は、第1の分岐チャネル及び第2の分岐チャネルを有する光学フィルタをさらに備え、該光学フィルタは、該第1の分岐チャネルで、前記レーザからの前記第1の波長の光を受光するように構成されるとともに、該第2の分岐チャネルを通じて、前記受光可能領域からの前記第2の波長の光を伝達するように構成された請求項1〜16のいずれか一項に記載の走査構造。
- 前記走査構造は、前記第1の位置及び前記第2の位置で規定される線に対して概ね垂直な方向に向って、基板を移動させる基板平行移動ステージをさらに備えた請求項8〜17のいずれか一項に記載の走査構造。
- 前記ホルダは、前記光ファイバが基板に対して垂直以外の角度になるようにしておく請求項8〜18のいずれか一項に記載の走査構造。
- 前記光ファイバの先端を規定する表面は、前記基板と実質的に平行である請求項8〜19のいずれか一項に記載の走査構造。
- 前記光ファイバは、毛管ファイバをさらに備えた請求項1〜20のいずれか一項に記載の走査構造。
- 前記光ファイバは、第1の屈折率の内側コア及び該内側コアの外側にあり第2の屈折率の外側コアを備えたダブルコアファイバであり、前記第1の屈折率は、前記第2の屈折率よりも大きい請求項1〜20のいずれか一項に記載の走査構造。
- 基板上の光励起可能領域へ光を導くとともに該光励起可能領域から発せられた光を受光する走査構造であって、該走査構造は、
a)複数本の光ファイバであって、各光ファイバは、対応する基端及び対応する先端を有して、予め選択された複数の異なる波長の光を伝達し、各波長は各光ファイバに対応している複数本の光ファイバを備え、
b)前記複数本の光ファイバは、第1の波長の光及び第2の波長の光を伝達する第1の光ファイバを少なくとも具備し、
c)前記複数本の光ファイバが、前記光励起可能領域が少なくとも前記第1の波長の光を受光したときに、該光励起可能領域から少なくとも前記第2の波長の光が発せられる前記基板の前記光励起可能領域に沿って移動するのに充分な距離を有する第1の位置及び第2の位置間を移動する前記複数本の光ファイバ用のホルダと、
d)前記各光ファイバに対応した複数の光源であって、前記光励起可能領域を励起するために前記第1の波長の光を少なくとも発し、少なくとも前記第1の波長の光が少なくとも前記第1の光ファイバの先端から出射するように、前記複数本の光ファイバの対応する基端に光学的に連結された複数の光源とを、前記走査構造が備え、
e)前記複数本の光ファイバは、マイクロアレイに充分近接して、各光ファイバが、前記光励起可能領域により生じた少なくとも前記第2の波長の光を、各光ファイバの先端で受光し、この少なくとも第2の波長の光を少なくとも前記第1の光ファイバの基端へ伝達するように、前記ホルダに取り付けられ、
f)前記ホルダは、前記複数の光源が少なくとも前記第1の波長の光を発しているときに、前記第1の位置及び前記第2の位置間を移動するように構成されている
走査構造。 - 先端部分及び基端部分を有するビームをさらに備え、前記先端部分は、前記ホルダを備え、前記ビームは、そのビームの基端で、マウントに取り付けられるとともに、そのビームの先端部分が前記第1の位置及び前記第2の位置間で移動するように構成された請求項23に記載の走査構造。
- 前記ビームは、ガルバノメータの可動ビームである請求項24に記載の走査構造。
- 前記ビームは、前記第1の位置及び前記第2の位置間を、そのビームの共振周波数で移動する請求項24に記載の走査構造。
- 前記ビームの共振周波数が圧電駆動される請求項26に記載の走査構造。
- 前記ビームの共振周波数が磁気駆動される請求項26に記載の走査構造。
- 前記ビームの基端は、該ビームの基端が動かないように、前記マウントに取り付けられた請求項24に記載の走査構造。
- 前記ホルダは、前記第1の位置及び前記第2の位置間を水平移動するように構成され、前記走査構造は、前記ホルダが前記第1の位置及び第2の位置の少なくとも一方に達したときに、該ホルダを垂直に反発させる磁石をさらに備えた請求項23〜29のいずれか一項に記載の走査構造。
- 前記複数の光源は、少なくとも前記第1の波長の光を発する複数のレーザを備えた請求項23〜30のいずれか一項に記載の走査構造。
- 前記走査構造は、少なくとも第1の分岐チャネル及び第2の分岐チャネルを有する複数の光学フィルタをさらに備え、該光学フィルタは、その第1の分岐チャネルで、前記複数のレーザからの少なくとも前記第1の波長の光を受光するように構成されるとともに、その第2の分岐チャネルを通じて、前記光励起可能領域からの少なくとも前記第2の波長の光を伝達するように構成された請求項23〜31のいずれか一項に記載の走査構造。
- 前記複数本の光ファイバのうちの少なくとも1本は、複数の毛管ファイバをさらに備えた請求項23〜32のいずれか一項に記載の走査構造。
- 前記複数本の光ファイバのうちの少なくとも1本は、第1の屈折率を有する内側コア及び該内側コアの外側にある第2の屈折率を有する外側コアを備えたダブルコアファイバであり、前記第1の屈折率は、前記第2の屈折率よりも大きい請求項23〜33のいずれか一項に記載の走査構造。
- 前記複数本の光ファイバの先端は、複数のファイバ読取ヘッドを備え、各先端は、予め選択されたバンドル構成を有している請求項23〜34のいずれか一項に記載の走査構造。
- 前記複数本の光ファイバの先端は、複数のファイバ読取ヘッドを備え、各先端は、線状に隣接している請求項23〜34のいずれか一項に記載の走査構造。
- 基板上の光励起可能領域へ光を導くとともに該光励起可能領域から発せられた光を受光する走査構造であって、該走査構造は、
a)複数本の光ファイバであって、各光ファイバは、対応する基端及び対応する先端を有して、予め選択された異なる複数の波長の光を伝達し、各波長は各光ファイバに対応している複数本の光ファイバを備え、
b)前記複数本の光ファイバは、少なくとも第1の波長の光及び少なくとも第2の波長の光を伝達し、
c)前記複数本の光ファイバの対応する先端のそれぞれを、主基端及び主先端を有する少なくとも1本の主光ファイバに、光学的に結合する複数のマルチプレクサと、
d)前記主光ファイバが、前記光励起可能領域が少なくとも前記第1の波長の光を受光したときに、該光励起可能領域から少なくとも前記第2の波長の光が発せられる前記基板の前記光励起可能領域に沿って移動するのに充分な距離を有する第1の位置及び第2の位置間を移動する前記主光ファイバ用のホルダと、
e)前記複数の各光ファイバに対応した複数の光源であって、前記光励起可能領域を励起するために前記第1の波長の光を少なくとも発し、少なくとも前記第1の波長の光が少なくとも1つの前記マルチプレクサを通じて前記主光ファイバの先端から出射するように、前記複数本の光ファイバの対応する基端に光学的に結合された複数の光源とを備え、
f)前記主光ファイバは、マイクロアレイに充分近接して、前記光励起可能領域により生じた少なくとも前記第2の波長の光を、前記主光ファイバの先端で受光し、前記少なくとも第2の波長の光を、前記複数のマルチプレクサを通じて、前記複数本の光ファイバの基端へ伝達するように、前記ホルダに取り付けられ、 g)前記ホルダは、前記複数の光源が少なくとも前記第1の波長の光を発しているときに、前記第1の位置及び前記第2の位置間を移動するように構成されている
走査構造。 - 先端部分及び基端部分を有するビームをさらに備え、前記先端部分は、前記ホルダを備え、前記ビームは、該ビームの基端で、マウントに取り付けられるとともに、該ビームの先端部分が前記第1の位置及び前記第2の位置間で移動するように構成された請求項37に記載の走査構造。
- 前記ホルダは、前記第1の位置及び前記第2の位置間を水平移動するように構成され、前記走査構造は、前記ホルダが前記第1の位置及び第2の位置の少なくとも一方に達したときに、当該ホルダを垂直に反発させる磁石をさらに備えた請求項37〜38のいずれか一項に記載の走査構造。
- 前記複数の光源は、少なくとも前記第1の波長の光を発する複数のレーザを備えた請求項37〜39のいずれか一項に記載の走査構造。
- 前記走査構造は、少なくとも第1の分岐チャネル及び第2の分岐チャネルを有する複数の光学フィルタをさらに備え、該光学フィルタは、その第1の分岐チャネルで、前記複数のレーザからの少なくとも前記第1の波長の光を受光するように構成されるとともに、その第2の分岐チャネルを通じて、前記光励起可能領域からの少なくとも前記第2の波長の光を伝達するように構成された請求項37〜40のいずれか一項に記載の走査構造。
- 前記主光ファイバは、毛管ファイバをさらに備えた請求項37〜41のいずれか一項に記載の走査構造。
- 前記主光ファイバは、第1の屈折率を有する内側コア及び該内側コアの外側にある第2の屈折率を有する外側コアを備えたダブルコアファイバからなり、前記第1の屈折率は、前記第2の屈折率よりも大きい請求項37〜41のいずれか一項に記載の走査構造。
- 前記光ファイバは、該光ファイバの先端における径が、該光ファイバの全長に亘っての径と同じである請求項1〜43のいずれか一項に記載の走査構造。
- 被検体の表面へ光を導くとともに該表面からの光を受光する走査構造であって、前記被検体は、前記表面が第1の波長の光を受光すると第2の波長の光を発するものであり、前記表面は、(i)第1の方向に配列されたプローブの1次元のマイクロアレイであって、前記プローブが第2の方向に幅を有しているマイクロアレイ、又は(ii)基板の第1の方向及び第2の方向に沿って配列されたプローブの2次元のマイクロアレイを有し、前記走査構造は、
a)前記表面の少なくとも一部に、前記第1の波長の光を照射する光源と、
b)先端が前記表面に充分に近接して、前記表面で発せられた前記第2の波長の光を捉えるように配置された導光ロッドと、
c)前記導光ロッドを、前記表面上で第1の位置から第2の位置まで前記第2の方向に沿って移動させるように構成されたキャリアであって、前記第1の位置と前記第2の位置との距離は、(i)前記1次元のマイクロアレイについては、少なくともプローブの幅、又は(ii)前記2次元のマイクロアレイについては、前記第2の方向に最も離れたプローブ間の距離となっているキャリアとを、備えた走査構造。 - 前記導光ロッドの基端が、前記光源により発生した前記第1の波長の光の少なくとも一部を受光し、その光を該導光ロッドの先端へ伝達するように、前記導光ロッドが構成されている請求項45に記載の走査構造。
- 前記導光ロッドは、光ファイバを備えた請求項45又は46に記載の走査構造。
- 前記走査構造は、第2の導光ロッドをさらに備え、該第2の導光ロッドが、前記光源からの前記第1の波長の光を該第2の導光ロッドの基端にて受光するように構成されるとともに、前記光が、前記基板の表面の近傍にある該第2の導光ロッドの先端から出射するように構成された請求項45〜47のいずれか一項に記載の走査構造。
- 前記第2の導光ロッドは、光ファイバを備えた請求項48に記載の走査構造。
- 前記基板は、実質的に円形であり、該基板の光励起可能領域に対して垂直な回転軸を規定している請求項1〜49のいずれか一項に記載の走査構造。
- 被検体の表面へ光を導くとともに該表面からの光を受光する走査構造であって、前記被検体は、前記表面が第1の波長の光を受光すると第2の波長の光を発するものであり、前記表面は、第1の方向に配列されたプローブの1次元のマイクロアレイであって、前記プローブが第2の方向に幅を有しているマイクロアレイを有し、前記走査構造は、
a)前記表面の少なくとも一部に、前記第1の波長の光を照射する光源と、
b)先端が前記表面に充分に近接して、前記表面で発せられた前記第2の波長の光を捉えるように固定的に配置された導光ロッドと、
c)前記導光ロッドを、前記表面上で第1の位置から第2の位置まで前記第1の方向に沿って移動させるように構成されたステージであって、前記第1の位置及び前記第2の位置間の距離は、少なくとも前記第1の方向に沿って配列されたプローブ間の距離になっているステージとを、
備えた走査構造。 - 前記導光ロッドの基端が、前記光源により発生した前記第1の波長の光の少なくとも一部を受光し、該光を該導光ロッドの先端へ伝達するように前記導光ロッドが構成された請求項51に記載の走査構造。
- 前記導光ロッドは、光ファイバを備えた請求項51又は52に記載の走査構造。
- 前記走査構造は、前記基板上の前記光励起可能領域からの前記第2の波長の光を受光するように構成され、前記光励起可能領域には、約10マイクロメータ乃至約500マイクロメータの径を有する該領域内に乾式サンプルが含まれている請求項1〜53のいずれか一項に記載の走査構造。
- 前記走査構造は、前記基板上の前記光励起可能領域からの前記第2の波長の光を受光するように構成され、前記光励起可能領域には、約10マイクロメータ乃至約500マイクロメータの径を有する該領域内に湿式サンプルが含まれている請求項1〜53のいずれか一項に記載の走査構造。
- 前記走査構造は、前記基板上の前記光励起可能領域からの前記第2の波長の光を受光するように構成され、前記光励起可能領域には、約100マイクロメータ乃至約1000マイクロメータの径を有する該領域内に湿式サンプルが含まれている請求項1〜53のいずれか一項に記載の走査構造。
- 前記光ファイバ又は前記導光ロッドは、第1の光励起可能領域からの前記第2の波長の光を受光するために充分に小さい径であるものの隣接した第2の光励起可能領域からは受光しない請求項54〜56のいずれか一項に記載の走査構造。
- 第1のターゲット分子と第1のプローブとの会合及び第2のターゲット分子と第2のプローブとの会合の存在を検出する方法であって、前記第1のプローブは、基板表面の第1の部分上にあって前記第1のターゲット分子と相補的な第1の分子を複数含み、前記第2のプローブは、基板表面の第2の部分上にあって前記第2のターゲット分子と相補的な第2の分子を複数含み、前記プローブは、前記基板上の複数のプローブのうちの1つであり、これらプローブは、(i)前記基板に沿って配列されたプローブの1次元のマイクロアレイであって、前記基板の第2の方向に沿って配列された複数のプローブを有し、前記複数の各プローブは、前記基板上の第1の方向に幅を有する1次元のマイクロアレイ、又は(ii)前記基板の第1の方向及び第2の方向に沿って配列されたプローブの2次元のマイクロアレイであって、前記第1の方向に沿って配列された複数のプローブ及び前記第2の方向に沿って配列された複数のプローブを有する2次元のマイクロアレイのいずれかとなっており、前記ターゲット分子は、第1の波長の光が照射されたときに第2の波長の光を発する成分を有し、前記方法は、
a)前記基板表面の前記第1の部分に、前記第1の波長の光を照射し、
b)光検出器と前記表面の前記第1の部分との前記第1の方向に沿った相対移動により、前記第2の波長の光の存在を検出して、前記第1のターゲット分子が前記第1のプローブと会合しているかどうか判別し、
c)前記基板を前記第2の方向へ進め、
d)前記基板表面の前記第2の部分に前記第1の波長の光を照射し、前記光検出器を前記表面の前記第2の部分に亘って前記第1の方向へ移動させることにより、前記第2の波長の光の存在を再び検出して、前記第2のターゲット分子が前記第2のプローブと会合しているかどうか判別する
行為を含む方法。 - 前記光検出器は、第1の光ファイバを備えた請求項58に記載の方法。
- 前記照射の行為は、前記第1の光ファイバの基端に前記第1の波長の光を照射して、前記第1の波長の光を前記第1の光ファイバの先端から射出し、前記基板の前記第1の部分及び前記第2の部分を照射することを含む請求項59に記載の方法。
- 前記照射の行為は、第2の光ファイバの基端に前記第1の波長の光を照射して、前記第1の波長の光を前記第2の光ファイバの先端から射出し、前記基板の前記第1の部分及び前記第2の部分を照射することを含む請求項59に記載の方法。
- 走査装置により蛍光部分の存在を検出する方法であって、前記方法は、前記光ファイバの先端から出射する第1の波長の光で前記蛍光部分を励起して、第2の波長の光を放出させるように、前記走査装置のホルダの光ファイバの先端を位置ずけて、前記光ファイバの前記先端を前記蛍光部分に充分に近接させて、前記光ファイバの前記先端が前記第2の波長の光を受光して、前記第2の波長の光を前記光ファイバの前記基端へ伝達させる方法。
- 前記方法は、前記光ファイバの前記先端を、該先端が前記蛍光部分の存在する表面に対して垂直とならないように配置する請求項62に記載の方法。
- 走査装置で用いられるリニアステージの位置を検出する方法であって、
a)対応する第1の信号を有する第1のビーコンを、前記ステージ上の第1の位置に配置し、
b)前記第1の信号よりも弱い第2の信号が対応している第2のビーコンを、前記ステージ上の第2の位置に少なくとも配置し、該第2の位置は、前記第1のビーコンから所定の距離にあるとともに前記第1のビーコンから前記第2のビーコンへの線が第1の方向を規定するようになっており、
c)前記ステージを前記第1の方向へ移動させ、
d)前記ステージを移動させている間に、検出器により前記第1の信号、そして前記第2の信号を検出し、
e)検出した前記第1の信号及びより弱い前記第2の信号を、前記ステージの対応する位置に関連づける
行為を含む方法。 - 前記検出器は、リニアCCDである請求項64に記載の方法。
- 前記第1のビーコン及び第2のビーコンは、光ファイバを備えた請求項64又は65に記載の方法。
- 前記所定の距離は、前記リニアCCDよりも短い請求項65又は54に記載の方法。
- 走査構造を、高いスループットのスクリーニング用に構成された基板に用いる方法であって、前記走査構造は、光源及び検出器を有し、前記方法は、前記光源からの光を前記基板に照射し、該基板から受光した光を前記検出器で検出する方法。
- 前記基板には、1平方センチメートル当たり少なくとも400個のマイクロウェルが含まれる請求項68に記載の方法。
- 前記基板には、1平方センチメートル当たり少なくとも1000個のマイクロウェルが含まれる請求項68に記載の方法。
- 前記基板には、液体内のプローブが含まれる請求項68〜70のいずれか一項に記載の方法。
- 前記基板から受光される前記光は、サンプルの蛍光により発生される請求項68〜71のいずれか一項に記載の方法。
- 前記基板から受光される前記光は、化学ルミネセンスにより発生される請求項68〜71のいずれか一項に記載の方法。
- 前記基板から受光される前記光には、前記光源により供給された光における少なくとも1つの波長が欠けている請求項68〜71のいずれか一項に記載の方法。
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