JP2004500307A - 癌治療のためのモノテルペノイド誘導体 - Google Patents

癌治療のためのモノテルペノイド誘導体 Download PDF

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Abstract

腫瘍細胞の成長を抑制または予防する方法が開示されている。1つの実施態様において、本方法は、シトラセタール、シトラールジメチルアセタール、シトラールジエチルアセタール、安息香酸ゲラニル、チグリン酸ゲラニル、アントラニル酸ゲラニル、安息香酸ファルネシル、アントラニル酸ファルネシル、チグリン酸ファルネシル、酢酸ファルネシルおよびそれらの組合せから成る群から選択される化合物を、ヒト腫瘍患者に投与する段階を含み、その量は、腫瘍の成長を少なくとも50%だけ減少させまたは抑制するのに有効である。

Description

【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、1998年3月12日に出願された米国出願番号第60/077,734号に基づく優先権を主張するものであり、その出願は参照して本明細書の記載の一部とする。
【0002】
(連邦政府により援助された研究又は開発に関する陳述)
該当せず。
【0003】
発明の背景
細胞の増殖には、メバロン酸経路中間体が一群のタンパク質、とりわけ低分子Gタンパク質および核ラミンに転移することが必要である。この転移過程(フェルネシル化、ゲラニルゲラニル化)の阻害を目的とした試剤、たとえばフェルネシル擬似体やペリリルアルコールなどが、化学治療剤として潜在的な価値を有している。メバロン酸経路中間体の合成を遮断する試剤、たとえば3−ヒドロキシ−3−メチルグルタリル補酵素A(HMG−CoA)レダクターゼ(スタチン)およびメバロン酸キナーゼ(フェニル酢酸ナトリウム)などの阻害剤もまた、治療的可能性を有している。スタチンは、HMG−CoAレダクターゼ活性を競争的に阻害する。植物のメバロン酸代謝の多様な最終産物(純粋および混合イソプレノイド)は、HMG−CoAレダクターゼ活性を抑制する(エルソン、1995;エルソンおよびクレシ、1995;エルソンおよびユー、1994)。
【0004】
内在性イソプレノイド、モノテルペンおよびセスキテルペンアルコールゲラニオールおよびファルネソールもまた、レダクターゼ活性を抑制する。ゲラニオールは、HMG−CoAレダクターゼmRNA翻訳効率を減衰させて、レダクターゼmRNAを減少させる(エルソンら、1998)。ファルネソールは、レダクターゼmRNAの翻訳効率を減衰させ、HMG−CoAレダクターゼのタンパク質分解のシグナルを与える(コレルら、1994)。これらのイソプレノイドは、過剰のメバロネートが存在する場合にのみ、哺乳動物細胞内に蓄積される。これらのプレニルアルコールは、サイトゾルデヒドロゲナーゼおよびミクロソームモノオキシゲナーゼ活性によって迅速にα,ω−プレニルジカルボン酸に転換されるために、比較的短い生物学的半減期を有している。前記サイトゾルデヒドロゲナーゼおよびミクロソームモノオキシダーゼ活性は、プレニルアルデヒド、α−プレノイック酸(α−prenoic acids)、ω−およびω−3−ヒドロキシ−α−プレノイック酸、およびα,ω−プレニルジカルボン酸の形成を引き続き触媒する(クリストフェおよびポップジャック、1961;ゴンザレス−パカノブスカら、1988;オースティンら、1988;ケウン、1991;ヒローンら、1993)。
【0005】
ω−およびω−3ヒドロキシ−α−プレノイック酸の形成を触媒するミクロソームP450モノオキシゲナーゼ活性の誘導物質であるペントバルビタールは、HMG−CoAレダクターゼ活性のイソプレノイド媒介性抑制を完全に逆転させる(ユーら、1994)。これらの誘導性活性は、レダクターゼ活性をダウンレギュレートする内在イソプレノイド(ゲラニオールおよびファルネソール)の半減期を短縮する。
【0006】
内在性イソプレノイドの分解
プレニルジフォスフェート(ゲラニル−PP、ファルネシル−PP)
↓ ミクロソームジホスファターゼ
プレニルアルコール(ゲラニオール、ファルネソール)
↓ サイトゾルプレニルアルコールデヒドロゲナーゼ
プレニルアルデヒド(ゲラニアール、ファルネサル)
↓ サイトゾルプレニルアルデヒドデヒドロゲナーゼ
α−プレノイック酸(ゲラノイック酸、ファルネソニック酸)
↓ モノオキシゲナーゼ、シトクロムP450 IIB
↓ ω,ω−3−ヒドロキシル化、酸化
α,ω−プレニルジカルボン酸(ヒルデブラント酸)
【0007】
ゲラニオール(ショッフら、1991;ヒら、1997;バークら、1997)およびファルネソール(ミーケルら、1996;ヒーら、1997;バークら、1997)は、メバロン酸経路代謝生成物を補足することにより逆転される作用、細胞の増殖を抑制する(ショッフら、1991)。ペリリルアルコール(環状モノテルペン)は、HMG−CoAレダクターゼmRNAの翻訳効率を減衰させ(エルソンら、1998)、細胞増殖を抑制する(ヒーら、1997)。ファルネシルアミン(コサパリら、1993)およびペリリルアミン(バークら、1997)は、対応するアルコールよりもより強力に細胞増殖を抑制するが、これはおそらくそれらの分解性が小さいからである。
【0008】
発明の要約
本発明は腫瘍細胞の成長を阻害する方法である。1つの実施態様において、本発明は、シトラセタール、シトラールジメチルアセタール、シトラールジエチルアセタール、安息香酸ゲラニル、チグリン酸ゲラニル、アントラニル酸ゲラニルおよびそれらの組合せから成る群より選択される有効量の化合物を腫瘍患者に投与する段階を含む。その量は主要細胞の増殖または成長を抑制するのに有効である。好ましくは、対照増殖の少なくとも50%だけが抑制される。さらに好ましくは80%が抑制される。最も好ましくは100%が抑制される。
【0009】
本発明の別の実施態様において、前記の化合物中の炭素数15のセスキテルペノイド構造が炭素数10のモノテルペノイド構造に置換されている。したがって、ファルネシル誘導体、たとえばチグリン酸ファルネシルやアントラニル酸ファルネシルは、非常に有効な化合物であり、本発明に適している。
【0010】
別の実施態様において、本発明は腫瘍細胞の成長を抑制または予防するのに有効な薬学的組成物であって、該薬学的組成物は、シトラセタール、シトラールジメチルアセタール、シトラールジエチルアセタール、安息香酸ゲラニル、チグリン酸ゲラニル、アントラニル酸ゲラニルおよびそれらの組合せから成る群より選択される化合物と、薬学的に許容されうる担体から成る。本発明の好ましい実施態様において、上記化合物は、チグリン酸ゲラニル、アントラニル酸ゲラニルおよびその組合せから成る群より選択される。
【0011】
別の実施態様において、本発明は前記の薬学的組成物であって、炭素数15の化合物、好ましくはアントラニル酸ファルネシル、安息香酸ファルネシル、チグリン酸ファルネシル、または酢酸ファルネシルに置換されている薬学的組成物である。
【0012】
最も好ましい実施態様において、薬学的調製物は150ポンドのヒトの日用量が1〜2gとすることができる。好ましい実施態様において、150ポンドのヒトの日用量は1〜4gの間である。
【0013】
本発明の目的は、有効な化学治療剤を提供することにある。好ましくは、この化学治療剤はペリリルアルコールの少なくとも5倍、好ましくは6倍に相当する効力を有する。効力は、50%の細胞成長を示すのに必要とされる化合物の濃度であるIC50値によって示される。IC50が低いほど効力は高い。したがって、比率が大きいほど効力は大きい。
【0014】
本発明の利点は、腫瘍細胞の成長を抑制または予防するのに必要なペリリルアルコールの用量の約20%で有効であり、ペリリルアルコールと同様の挙動を示す化学治療剤を提供できることである。
【0015】
発明の詳細な説明
A.総論
本発明は腫瘍細胞の増殖を抑制または予防するための方法であって、腫瘍細胞を、腫瘍細胞の増殖を抑制または予防するのに有効な、シトラセタール、シトラールジメチルアセタール、シトラールジエチルアセタール、安息香酸ゲラニル、チグリン酸ゲラニル及びアントラニル酸ゲラニルおよびそれらの組合せから成る群より選択される一定量の化合物にさらす段階を含む方法である。好ましくは、その化合物はチグリン酸ゲラニルまたはアントラニル酸ゲラニルのいずれか、あるいはそれらの組合せである。
【0016】
本発明の別の実施態様において、前記の化合物中、炭素数15のセスキテルペノイド構造が炭素数10のモノテルペノイド構造に置換されている。したがって、アントラニル酸ファルネシル、安息香酸ファルネシル及びチグリン酸ファルネシルおよびそれらの組合せもまた最適である。我々は、所望により炭素数10の化合物と炭素数15の化合物とが組み合わせて用いられてもよいことを想定している。
【0017】
最も好ましくは、前記化合物は腫瘍患者に対して経口投与される。我々は、前記化合物は最も好ましくはカプセル封入するか、あるいは食品に組み合わされることを想定している。あるいは、前記組成物は錠剤または液剤であってもよい。第2の好ましい実施態様において、前記化合物は軟膏剤として投与される。
【0018】
投与される調剤は、典型的には薬学的に許容されうる担体と、シトラセタール、シトラールジメチルアセタール、シトラールジエチルアセタール、安息香酸ゲラニル、チグリン酸ゲラニル、アントラニル酸ゲラニルおよびそれらの組合せから成る群より選択される組成物とを含む。調剤の量は、腫瘍細胞の成長を少なくとも50%だけ、好ましくは80%だけ減少させ、または抑制するのに有効である。最も好ましくは、腫瘍細胞の成長が100%阻害される。
【0019】
本発明の化合物に対する好ましい用量は、体重150ポンドのヒト患者に対して1〜4gの日用量である。最も好ましくは、体重150ポンドのヒト患者に対して1〜2gの日用量である。
【0020】
本発明のすべてのゲラニル誘導体およびファルネソール化合物は、GRASまたはFEMAであるとともに、毒性を有すことから、化学療法量は十分な抗毒性を有するであろうことが示される。例えば、チグリン酸グラニルはラットにおいて測定した場合、5g/kgの経口LD50を示す。
【0021】
B.IC 50 値の比較
リモネン(450)、ペリリルアルコール(250)、ゲラニオール(150)およびファルネソール(50)による、メラノーマB16細胞の増殖抑制に対するIC50値(μmol/L)※1からは、非環式モノテルペン、ゲラニオールおよび非環式セスキテルペン、ファルネソールが、単環式モノテルペンよりも大きな効力を有することが示される。しかしながら、ゲラニオールおよびファルネソールは、腎臓を介する排出作用に先だってさらなる酸化を受ける。我々は、より長いin vivo半減期を有するであろう多数のゲラニオール誘導体の腫瘍抑制活性について調べた。その結果、シトラセタール、シトラールジメチルアセタール、シトラールジエチルアセタール、安息香酸ゲラニル、チグリン酸ゲラニルおよびアントラニル酸ゲラニルが、ペリリルアルコールよりも5倍も高いin vitro腫瘍抑制活性を有していたことを報告する。これらの誘導体は、ペリリルアルコールよりも低用量で有効であるとともに、ゲラニオール、ゲラニアールおよびファルネソールよりも長い半減期を有するという利点を持つと考えられる。
(脚注)※140時間細胞数の50%を抑制するイソプレノイドの濃度。
【0022】
前記物質は、転移性の高いマウスB16メラノーマのin vitroにおける成長を抑制する。この腫瘍細胞系は、イソプレノイド媒介性成長抑制に対してヒト腫瘍細胞系よりも高い耐性を有している。試験に関して、in vitro試験の結果は、in vivo応答と平行関係にある。これらの物質は、食品および/または化粧品用途にも認められている。
【0023】
FEMA  TSCA
シトラセタール                  X
シトラールジメチルアセタール    2305   X
シトラールジエチルアセタール    2304   X
安息香酸ゲラニル          2511   X
チグリン酸ゲラニル                X
アントラニル酸ゲラニル              X
TSCA:化粧品、食品、および食品添加物における使用に対する毒性物質規制法(Toxic Substances Control Act)下に登録されている。
【0024】
C.
1.背景
HMG−CoAレダクターゼ活性がトコトリエノールによっては抑制されるが、トコフェロールによっては抑制されないということを我々は発見しており(クレシら、1986)、このことに導引されて我々はゲラニオールのレダクターゼ抑制効力を評価するに至った(フィッチら、1989)。ゲラニオールはトコトリエノールの側鎖の構造的アナログと見ることもできる。これに続いて我々は、レモングラス油(ゲラニオールとシトラールとから本質的に成るGRAS物質)を22人の高キロミクロン血症患者に投与すると(140mg/日)、血清コレステロールが有意水準近くまで低下することを報告した(P<0.06)。さらなる分析において、我々は第1の患者集合(n=14)が治療に対して反応を示さなかったのに対し、第2の患者集合(n=8)では血清コレステロールが11%(P<0.025)減少することを見いだした。これらの応答を示した患者に対するコレステロール値は、実験の終了後に実験前のレベルに回復した(エルソンら、1989)。
【0025】
メバロン酸(コレステロール合成)経路から転流した中間体が細胞分裂(ショッフら(1991)に概説されている)における必須の役割を果たしているという得られた証拠をさらに追跡するために、我々はレダクターゼ競争阻害剤であるゲラニオールとメビノリンが、マウスP388白血病細胞およびB16メラノーマ細胞の増殖に与える影響について調べた。in vitroでの応答と同様に、ショッフら(1991)は、0.1%のゲラニオールを含有する食餌(10g;65mmol/kg食餌)をP388白血病細胞の腹腔内移植の前と後に14日間に亘って給餌した。半数生存時間は、50%長くなり(24日から36日)、50日間の間、20%のマウスに対しては腫瘍が認められなかった。
【0026】
ユーら(1995)は、モリス7777ヘパトーマの移植の前と後に14日間に亘ってバッファロー・ラットに対してゲラニオール(3.5g;23mmol/kg食餌)を給餌した。27日目における実験用ラット内のヘパトーマの平均値は対照の16%(P<0.001)であった。続いて、ユーらはメラノーマB16腫瘍細胞の移植の前と後に14日間に亘ってマウスに対してゲラニオール(1g;6.5mmol/kg食餌および10g;65mmol/kg食餌)を給餌した。移植後21日目において、ゲラニオールを受容したマウスから切除された腫瘍の重量は、それぞれ対照の70%P<0.02)および56%(P<0.02)であった。これらの研究において、ゲラニオールは体重増加にいかなる負の影響も有しなかった。
【0027】
バークら(1997)は、ペリリルアルコール(40g;263mmol/kg食餌)、ゲラニオール(20g;130mmol/kg食餌)およびファルネソール(20g;90mmol/kg食餌)が、移植された膵腫瘍の成長に及ぼす影響を比較した。ハムスターは、腫瘍移植前の1週間に亘って前記食餌に順応させた。移植後25日目における腫瘍の平均径は、ペリリルアルコール、ゲラニオール、およびファルネソールを受容したハムスターの群において、それぞれ対照に対して、55%(NS)、15%(P<0.025)、および23%(P<0.05)であった。次にバークらは、膵腫瘍を検出した後にハムスターに対してゲラニオールとファルネソールを給餌した。20日目において、実験用食餌を受容したハムスターにおける腫瘍の平均径は、対照に対して記録されたものの25%(P<0.05)であった。これらの研究において、ゲラニオールは体重増加に対していかなる負の影響も有しなかった。
【0028】
2.化合物の選択
我々は、分解耐性を有すと考えられるゲラニオールの構造的アナログに対する化学物質(Aldrich)、ならびに香味料および香料(Bedoukian Research, Aldrich)をカタログで調べ、ゲラニオール(およびシトラール)の多数の誘導体について試験した。そのうちの幾つかは、メラノーマ細胞の増殖に対して殆ど影響を及ぼさなかった(表1)。
【0029】
【表1】
Figure 2004500307
【0030】
しかしながら、我々は、自らのスクリーニング分析においてゲラニオール(図5、表1)よりも数倍大きな効力(図2〜4)を有するか、あるいはファルネソールの効力と同等の効力を有する6つの炭素数10の誘導体を同定した。我々はまた、炭素数15のセスキテルペノイド構造が炭素数10のモノテルペノイド構造に置換された活性化合物についても同定した(図6、表1)。
【0031】
3.材料と方法
IC 50 の測定:高い転移潜在性を有する腫瘍細胞系であるマウスB16(F10)メラノーマ細胞(塚本ら、1991)を、10%新生子ウシ血清(GIBCOBRL, Grand Island, NY)と80mg/Lゲンタマイシン(Sigma, St. Louis, MO)とを添加した3mLのRMPI1640培地(Sigma)中、単層培養(35×10mmフラスコ)によって成長させた。1〜1.5×10個の細胞を接種した培養を、5%COの給湿雰囲気中、37℃で24時間インキュベートした。24時間後に、無水エタノール中に溶解させたイソプレノイドを加え(0タイム)、すべての培養が5mLエタノール/L(85mmol/L)を含有するようにした。培養をさらに48時間インキュベートした。培地を除去し、単層をハンクス液(Sigma)で2回洗浄した後、トリプシン−EDTA溶液(Sigma)とともに37℃で2分間インキュベートした。トリプシンは10%ウサギ胎児血清(Sigma)を含む培地中に細胞を懸濁することにより、不活性化した。細胞を250×gでペレット状にし、ハンクス平衡塩溶液に再懸濁した。0.4%トリパンブルー(GIBCOBRL)を排除した細胞である生存細胞を血球計数計で計数した。そして24時間細胞の数を最終細胞数から差し引き、正味の増加細胞数を概算した。48時間細胞数の正味増加量を50%(IC50)阻害するのに必要とされるイソプレノイドの濃度をデータのプロットから計算した(モーら、1998)。
【0032】
図1は選択された誘導体である種々のイソプレノイドの構造、ペリリルアルコール(250μmol/L)と比較しての各イソプレノイドの効力およびIC50値、および起源を示したものである。IC50値は、B16メラノーマ細胞集団における正味増加量を50%抑制するのに必要とされるイソプレノイドの濃度である。図2〜6は、それぞれチグリン酸ゲラニル(図2)、シトラセタール(図3)、アントラニル酸ゲラニル、安息香酸ゲラニル、シトラールジエチルアセタール、およびシトラールジメチルアセタール(図4)、ゲラニオール(図5)ならびにチグリン酸ファルネシル(図6)に応答したマウスB16(F10)メラノーマ細胞の成長をプロットしたものである。
【0033】
図2は、チグリン酸ゲラニルを介するマウスB16メラノーマ細胞およびヒトHL−60白血病細胞の成長抑制を示したプロットである。図6は、チグリン酸ファルネシルおよびシトロネロールによって媒介されるマウスメラノーマB16細胞の48時間成長(正味増加細胞数)の抑制、ならびにIC50の概算値のプロットである。
【0034】
ヒト細胞に対する実験は、細胞の成長を懸濁培養中でモニターしたことを除いては、マウスB16細胞の場合と同様に行った。
【0035】
ヒトHL−60急性前骨髄球白血病細胞(CCL−240,ATCC)は、20%FBSおよび2%ペニシリン/ストレプトマイシンとともに、8mLのRPMI1640培地中で、懸濁培養(25cmフラスコ)中にて成長させた。1.25×10個/Lの細胞を接種した培養を、試験試薬とともに5%COの給湿雰囲気中において、37℃で24時間インキュベートした。HL−60細胞は250×gでペレット状にし、HBSS中に再懸濁した。0.4%トリパンブルーを排除した細胞である生存細胞を血球計数計で計数した。そして0−タイム(接種)の細胞数を最終細胞数から差し引き、正味の増加細胞数を概算した。
【0036】
イソプレノイド:シトラセタール、シトラールジエチルアセタール、シトラールジメチルアセタール、アントラニル酸ゲラニル、安息香酸ゲラニル、チグリン酸ゲラニルは、Bedoukian Research, Inc., Danbury, CTから贈呈されたものであり、以下により詳細に記載する。シトラール(ゲラニアール)、ファルネソール、ゲラニオール、d−リモネン、ペリリルアルコール、およびペリルアルデヒドは、Aldrich Chemical, Milwaukee, WIより購入した。これらの分析の間にゲラニオール(〜150μmol/L)およびペリリルアルコール(〜250μmol/L)に対して決定されたIC50値は、報告値(ヒーら、1997)の10%以内に収まっている。
【0037】
非環式モノテルペノイドアルコール
ゲラニオール:3,7−ジメチル−2,6−オクタジエン−1−オール
CAS名:2,6−オクタジエン−1−オール,3,7−ジメチル−,(E)−
CAS番号:106−24−1
FEMA:2507
香水に用いられる超高品質バラの芳香、およびフルーツ香味料
分子量:154.26
分子式:C1018
ネロール:3,7−ジメチル−2,6−オクタジエン−1−オール
CAS名:2,6−オクタジエン−1−オール,3,7−ジメチル−,Z)−
CAS番号:106−25−2
FEMA:2770
様々な花の香水に用いられるシトラスレモン香味料、ベリー香味料
分子量:154.25
分子式:C1018
シトロネロール:3,7−ジメチル−6−オクテン−1−オール
リナロール:3,7−ジメチル−1−6−オクタジエン−3−オール
【0038】
非環式モノテルペノイドアルデヒド
ゲラニアール:3,7−ジメチル−2,6−オクタジエン−1−アール
ネラール:3,7−ジメチル−2,6−オクタジエン−1−アール
シトラール:幾何異性体の混合物
【0039】
誘導体
シトラセタール
CAS名:1,3−ジオキソラン,2−(2,6−ジメチル−1,5−ヘプタジエニル)−
CAS番号:66408−78−4
FEMA:
清潔な、レモンの香りのする、花の芳香
分子量:196.28
分子式:C1220
シトラールジエチルアセタール
CAS名:2,6−オクタジエン,1,1−ジエトキシ−3,7−ジメチル−
CAS番号:7492−66−2
FEMA:2395
香水中で用いられる良好、新鮮、シトラスの芳香およびシトラス香味料
分子量: 226.36
分子式:C1426
シトラールジメチルアセタール
CAS名: 2,6−オクタジエン,1,1−ジメトキシ−3,7−ジメチル−
CAS番号: 7549−37−3
FEMA:2304
香水中で用いられる非常に好ましい、フローラルレモンの香りおよびシトラス香味料
分子量:198.31
分子式:C1222
アントラニル酸ゲラニル
CAS名: 2,6−オクタジエン−1−オール,3,7−ジメチル−,2−アミノ安息香酸,(E)−
CAS番号:67874−69−5
FEMA:
香水中で用いられる強いスイカズラの芳香(スイカズラ、クチナシ)
分子量:273.38
分子式:C1723NO
安息香酸ゲラニル
CAS名:2,6−オクタジエン−1−オール,3,7−ジメチル−,ベンゾエート,(E)−
CAS番号:94−48−4
FEMA:2511
香水中で用いられる長時間持続性のバラ、琥珀の芳香およびフルーツ香味料
分子量:258.36
分子式:C1722
チグリン酸ゲラニル
CAS名:2−ブテン酸,2−メチル−3,7−ジメチル−2,6−オクタジエニルエステル,(E,E)−
CAS番号: 7785−33−3
FEMA:
ゼラニウム、バラおよびラベンダーの香水中で用いられる多少のフルーツ、ゼラニウム様の芳香
分子量:236.36
分子式:C1524
【0040】
非環式セスキテルペノイドアルコール
アントラニル酸ファルネシル
2,6,10−ドデカトリエン−1−オール,3,7,11トリメチル−2−アミノ安息香酸(E,E)
安息香酸ファルネシル
2,6,10−ドデカトリエン−1−オール,3,7,11トリメチル−安息香酸(E,E)
チグリン酸ファルネシル
2,6,10−ドデカトリエン−1−オール,3,7,11トリメチル−オクタジエニルエステル(E,E)
酢酸ファルネシル
2,6,10−ドデカトリエン−1−オール,3,7,11トリメチル−オクタジエニルエステル(E,E)
【0041】
参考文献
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【図面の簡単な説明】
【図1A】
ゲラニオールおよびファルネシル誘導体の構造、IC50、およびペリリルアルコールに対する相対効力を示す図。
【図1B】
ゲラニオールおよびファルネシル誘導体の構造、IC50、およびペリリルアルコールに対する相対効力を示す図。
【図1C】
ゲラニオールおよびファルネシル誘導体の構造、IC50、およびペリリルアルコールに対する相対効力を示す図。
【図1D】
ゲラニオールおよびファルネシル誘導体の構造、IC50、およびペリリルアルコールに対する相対効力を示す図。
【図2】
図2から6はチグリン酸ゲラニルに応答したマウスB16(F10)メラノーマ細胞の成長曲線(図2)、シトラセタールに応答したマウスB16(F10)メラノーマ細胞の成長曲線(図3)、アントラニル酸ゲラニル、安息香酸ゲラニル、シトラールジエチルアセタール、およびシトラールジメチルアセタールに応答したマウスB16(F10)メラノーマ細胞の成長曲線(図4)、ゲラニオールに応答したマウスB16(F10)メラノーマ細胞の成長曲線(図5)、チグリン酸ファルネシルに応答したマウスB16(F10)メラノーマ細胞の成長曲線(図6)である。
【図3】
図2から6はチグリン酸ゲラニルに応答したマウスB16(F10)メラノーマ細胞の成長曲線(図2)、シトラセタールに応答したマウスB16(F10)メラノーマ細胞の成長曲線(図3)、アントラニル酸ゲラニル、安息香酸ゲラニル、シトラールジエチルアセタール、およびシトラールジメチルアセタールに応答したマウスB16(F10)メラノーマ細胞の成長曲線(図4)、ゲラニオールに応答したマウスB16(F10)メラノーマ細胞の成長曲線(図5)、チグリン酸ファルネシルに応答したマウスB16(F10)メラノーマ細胞の成長曲線(図6)である。
【図4】
図2から6はチグリン酸ゲラニルに応答したマウスB16(F10)メラノーマ細胞の成長曲線(図2)、シトラセタールに応答したマウスB16(F10)メラノーマ細胞の成長曲線(図3)、アントラニル酸ゲラニル、安息香酸ゲラニル、シトラールジエチルアセタール、およびシトラールジメチルアセタールに応答したマウスB16(F10)メラノーマ細胞の成長曲線(図4)、ゲラニオールに応答したマウスB16(F10)メラノーマ細胞の成長曲線(図5)、チグリン酸ファルネシルに応答したマウスB16(F10)メラノーマ細胞の成長曲線(図6)である。
【図5】
図2から6はチグリン酸ゲラニルに応答したマウスB16(F10)メラノーマ細胞の成長曲線(図2)、シトラセタールに応答したマウスB16(F10)メラノーマ細胞の成長曲線(図3)、アントラニル酸ゲラニル、安息香酸ゲラニル、シトラールジエチルアセタール、およびシトラールジメチルアセタールに応答したマウスB16(F10)メラノーマ細胞の成長曲線(図4)、ゲラニオールに応答したマウスB16(F10)メラノーマ細胞の成長曲線(図5)、チグリン酸ファルネシルに応答したマウスB16(F10)メラノーマ細胞の成長曲線(図6)である。
【図6】
図2から6はチグリン酸ゲラニルに応答したマウスB16(F10)メラノーマ細胞の成長曲線(図2)、シトラセタールに応答したマウスB16(F10)メラノーマ細胞の成長曲線(図3)、アントラニル酸ゲラニル、安息香酸ゲラニル、シトラールジエチルアセタール、およびシトラールジメチルアセタールに応答したマウスB16(F10)メラノーマ細胞の成長曲線(図4)、ゲラニオールに応答したマウスB16(F10)メラノーマ細胞の成長曲線(図5)、チグリン酸ファルネシルに応答したマウスB16(F10)メラノーマ細胞の成長曲線(図6)である。

Claims (20)

  1. 腫瘍細胞の成長を抑制または予防する方法であって、腫瘍細胞を、シトラセタール、シトラールジメチルアセタール、シトラールジエチルアセタール、安息香酸ゲラニル、チグリン酸ゲラニル及びアントラニル酸ゲラニル、安息香酸ファルネシル、アントラニル酸ファルネシル、チグリン酸ファルネシル、酢酸ファルネシルおよびそれらの組合せから成る群から選択される化合物にさらす段階を含み、その量は、腫瘍細胞の成長を抑制または予防するのに有効である方法。
  2. 前記化合物が、チグリン酸ゲラニル、アントラニル酸ゲラニルまたはそれらの組合せである請求項1に記載の方法。
  3. 前記化合物が、アントラニル酸ゲラニルである請求項2に記載の方法。
  4. 前記化合物が、チグリン酸ゲラニルである請求項2に記載の方法。
  5. 腫瘍細胞の成長を抑制または予防する方法であって、シトラセタール、シトラールジメチルアセタール、シトラールジエチルアセタール、安息香酸ゲラニル、チグリン酸ゲラニル及びアントラニル酸ゲラニル、安息香酸ファルネシル、アントラニル酸ファルネシル、チグリン酸ファルネシル、酢酸ファルネシルおよびそれらの組合せから成る群から選択される化合物を、ヒト腫瘍患者に投与する段階を含み、その量は、腫瘍の成長を少なくとも50%だけ減少させまたは抑制するのに有効である方法。
  6. 前記化合物が、チグリン酸ゲラニル、アントラニル酸ゲラニルまたはそれらの組合せである請求項5に記載の方法。
  7. 前記化合物が、アントラニル酸ゲラニルである請求項6に記載の方法。
  8. 前記化合物が、チグリン酸ゲラニルである請求項6に記載の方法。
  9. 前記化合物が、シトラセタールである請求項5に記載の方法。
  10. 前記化合物が、シトラールジメチルアセタールである請求項5に記載の方法。
  11. 前記化合物が、シトラールジエチルアセタールである請求項5に記載の方法。
  12. 前記化合物が、安息香酸ゲラニルである請求項5に記載の方法。
  13. 前記化合物が、安息香酸ファルネシルである請求項5に記載の方法。
  14. 前記化合物が、アントラニル酸ファルネシルである請求項5に記載の方法。
  15. 前記化合物が、酢酸ファルネシルである請求項5に記載の方法。
  16. 前記化合物が、チグリン酸ファルネシルである請求項5に記載の方法。
  17. 抑制が、対照成長の少なくとも50%である請求項5に記載の方法。
  18. 抑制が、少なくとも80%である請求項17に記載の方法。
  19. 抑制が、100%である請求項18に記載の方法。
  20. 薬学的に許容されうる担体中に、シトラセタール、シトラールジメチルアセタール、シトラールジエチルアセタール、安息香酸ゲラニル、チグリン酸ゲラニル、アントラニル酸ゲラニル、安息香酸ファルネシル、アントラニル酸ファルネシル、チグリン酸ファルネシル、酢酸ファルネシルおよびそれらの組合せから成る群から選択される化合物を含んでなる薬学的組成物。
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