JP2004363789A - 逆fアンテナ - Google Patents
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Abstract
【課題】固有インピーダンスを容易に調整することができる小型の逆Fアンテナを提供することを目的とする。
【解決手段】逆Fアンテナが、平板アンテナ部21と誘電体アンテナ部1により構成される。平板アンテナ部21は、一端201が接地されるとともに他端202が電気的に開放され、これら両端点201,202の間に給電点203が設けられている。誘電体アンテナ部1は、誘電体10上に電極パターン11が形成され、この電極パターン11が平板アンテナ部21の給電点に接続され、誘電体アンテナ部1を介して平板アンテナ部21へ給電が行われる。
【選択図】 図1
【解決手段】逆Fアンテナが、平板アンテナ部21と誘電体アンテナ部1により構成される。平板アンテナ部21は、一端201が接地されるとともに他端202が電気的に開放され、これら両端点201,202の間に給電点203が設けられている。誘電体アンテナ部1は、誘電体10上に電極パターン11が形成され、この電極パターン11が平板アンテナ部21の給電点に接続され、誘電体アンテナ部1を介して平板アンテナ部21へ給電が行われる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、逆Fアンテナに係り、更に詳しくは、携帯電話機などの携帯通信端末装置に内蔵される小型の逆Fアンテナ装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、携帯電話機は各社から様々な型式のものが提供されているが、これらの携帯電話機はその基本的な機能に大きな差はない。このため、需要者による携帯電話機の選択基準は、そのデザインに重点が置かれるようになってきている。すなわち、携帯電話機の小型化、薄型化が求められ、また、アンテナ装置などの突出部等を有しない形状であることが求められている。
【0003】
このため、最近の携帯電話機は、内部の基板上に電子部品が高密度で配置され、当該基板には空きスペースが少なくなっている。このため、アンテナ装置は残された空きスペースに配置する必要があった。しかしながら、一般にアンテナ装置は波長λに応じた電気長(例えばλ/4)を必要とし、アンテナ装置を小型化することは容易ではなかった。
【0004】
従来から知られている小型のアンテナ装置としては、誘電体アンテナがある。誘電体アンテナは、誘電体の表面又は内部に電極パターンを形成したアンテナ装置であり、その誘電率に応じた波長短縮効果が得られる。また、電極パターンをメアンダパターン(蛇行パターン)とすることにより、実装面積に比べて長い電気長を確保することができる。このため、通常のアンテナに比べて小型化することができる。
【0005】
図7は、従来の誘電体アンテナの一例を示した図である。この誘電体アンテナ1は、誘電体10上にメアンダ形状の電極パターン11が形成されている。このような誘電体アンテナは小型化できる反面、放射効率が悪いことからアンテナ利得が小さいという問題があった。また、帯域幅が狭いという問題もあった。このような問題を改善することを目的としたアンテナ装置が、例えば特許文献1に開示されている。
【0006】
図8は、特許文献1に記載された従来のアンテナ装置の一例を示した図である。このアンテナ装置30は、誘電体アンテナ1及び板状補助エレメント20からなる複合アンテナであり、誘電体アンテナ1を用いることにより波長短縮効果を得る一方、導電性の板状補助エレメント20を用いることにより利得及び帯域幅を改善しようとするものである。
【0007】
このアンテナ装置30は、誘電体アンテナ1の電極パターン11を分岐させ、一方を給電回路に接続し、他方を接地している。つまり、分岐点を給電点とする逆Fアンテナである。一般に、逆Fアンテナの動作周波数は、開放端から接地端までの電気長によって決まる。このため、逆Fアンテナ30の動作周波数の調整は、誘電体アンテナ1の交換、あるいは、平板状補助エレメント20の形状を調整することによって行うことができる。
【0008】
【特許文献1】特開2001−339226号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
逆Fアンテナの固有インピーダンスは、一般に、給電点から接地点までの形状を調整することにより行うことができる。ところが、図8の従来の逆Fアンテナ30の場合、この形状が誘電体アンテナ1の電極パターンによって予め決められている。しかも、電極パターン11を変更した誘電体アンテナ1を新たに製作しようとすれば、多大な時間とコストがかかる。
【0010】
このため、図8の逆Fアンテナ30の固有インピーダンスを調整したい場合には、誘電体アンテナ1を交換するか、あるいは、給電点にインピーダンス整合回路を別途設ける必要があった。しかしながら、予め用意されている誘電体アンテナ1への交換によってインピーダンスを整合させることができるとは限らず、多種類の誘電体アンテナ1を予め用意しておくという方法は現実的ではない。また、インピーダンス整合回路を用いた場合には、インピーダンス整合回路を配置する基板上の空きスペースが必要となるとともに、コストアップにつながる。
【0011】
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、固有インピーダンスを容易に調整することができる小型の逆Fアンテナを提供することを目的とする。また、固有インピーダンスを容易に調整することができ、基板上の少ない空きスペースに実装可能な逆Fアンテナを提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明による逆Fアンテナは、一端が接地されるとともに他端が電気的に開放され、これら両端点の間に給電点が設けられた平板アンテナ部と、誘電体上に電極パターンが形成され、この電極パターンが平板アンテナ部の給電点に接続された誘電体アンテナ部とを備え、誘電体アンテナ部を介して平板アンテナ部へ給電が行われるように構成される。この様な構成により、平板アンテナ部及び誘電体アンテナ部からなる小型の逆Fアンテナにおいて、平板アンテナ部の形状を変更して、その動作周波数及び固有インピーダンスを調整することができる。
【0013】
また、本発明による逆Fアンテナは、平板アンテナ部の上記他端に接続され、開放端を形成する誘電体アンテナを更に備えて構成される。逆Fアンテナを2つの誘電体アンテナ部及び平板アンテナ部により構成することにより、各誘電体アンテナ部の高さを低くし、アンテナ全体の高さを抑制することができる。
【0014】
また、本発明による逆Fアンテナは、誘電体アンテナ部が2系統の独立した電極パターンを有し、一方の電極パターンが平板アンテナの給電点に接続され、他方の電極パターンが平板アンテナの上記他端に接続されるように構成される。この様な構成により、基板上における誘電体アンテナの実装スペースを節約することができる。
【0015】
また、本発明による逆Fアンテナは、一端が接地され、他端に給電点が設けられた第1の平板アンテナ部と、一端が開放され、他端に給電点が設けられた第2の平板アンテナ部と、誘電体上に電極パターンが形成され、この電極パターンが第1及び第2の平板アンテナ部の給電点に接続された誘電体アンテナ部とを備えて構成される。この様な構成により、第1及び第2の平板アンテナ部の形状を変更して、その動作周波数及び固有インピーダンスを調整することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1による逆Fアンテナの一構成例を示した斜視図である。図中の1は誘電体アンテナ、10は誘電体、11は電極パターン、12は給電端子、21は平板アンテナ、201は接地点、202は開放端、203は給電点である。この逆Fアンテナ31は、誘電体アンテナ1及び平板アンテナ21により構成される複合アンテナである。
【0017】
誘電体アンテナ1は、誘電体10の表面上に蛇行させた電極パターン11を形成して構成される。平板アンテナ21は、平板形状の導電性材料からなり、ここでは金属製平板から製作された板金アンテナであるものとする。この平板アンテナ21は、平面形状がL字型に形成され、その一端(接地点201)が基板側に折り曲げられ、基板上のグランドラインに接続されている。また、L字型に折り曲げられた平板アンテナ21の他端(開放端202)は電気的に開放されている。
【0018】
さらに、平板アンテナ21は両端201,202の間に給電点203が設けられ、この給電点203が誘電体アンテナ1の電極パターン11の一端に接続されている。電極パターン11の他端(給電端子12)は、基板上の給電回路(不図示)に接続され、誘電体アンテナ1を介して平板アンテナ21へ給電が行われる。
【0019】
この逆Fアンテナ31は、平板アンテナ21の形状を調整することによって、動作周波数及び固有インピーダンスを調整することができる。例えば、接地点201から開放端202までの長さを調整して波長を調整し、接地点201から給電点203までの長さを調整して固有インピーダンスを調整することができる。平板アンテナ21の形状変更は、誘電体アンテナ1の電極パターン11の変更に比べて容易であるため、この逆Fアンテナ31は、動作周波数及びインピーダンスを容易に最適化することができる。
【0020】
図2及び図3は、図1の逆Fアンテナ31を携帯電話機内に配置する場合の一例を示した図であり、図3には、図2のI−I断面が示されている。図中の3は基板、4は基板上に実装された電子部品、5はホイップアンテナである。
【0021】
携帯電話機の内蔵アンテナは、基板上に実装された電子部品の高周波ノイズによる利得低下を防止するために、基板端部に配置されることが望ましい。このため、逆Fアンテナ31は、例えば、図示したように基板3の上端部に配置される。なお、図示した平板アンテナ21はL字型に形成されているが、所定の電気長を確保することができる場合には直線形状であってもよい。
【0022】
平板アンテナ21は、接地点201及び誘電体アンテナ1により支持され、基板3から距離を隔てた空間に配置される。このため、基板3上に接地点201及び誘電体アンテナ1の実装スペースが確保できれば、平板アンテナ21を他の電子部品4とオーバーラップさせて、逆Fアンテナ31を実装することができる。
【0023】
図4は、本発明の実施の形態1による逆Fアンテナの他の構成例を示した斜視図である。この逆Fアンテナ32を図1の場合と比較すれば、平板アンテナ21が、誘電体アンテナ1を介して接続された2つの平板アンテナ22A及び22Bにより構成されている点で異なる。
【0024】
平板アンテナ22Aは、一端が接地され、他端が誘電体アンテナ1の電極パターン11に接続されている。また、平板アンテナ22Bは、一端が開放され、他端が誘電体アンテナ1の上記電極パターン11に接続されている。この場合にも、図1と同様の作用効果が得られる。すなわち、図1の平板アンテナ21は、2以上の平板アンテナにより構成することもできる。
【0025】
実施の形態2.
図5は、本発明の実施の形態2による逆Fアンテナの一構成例を示した斜視図である。この逆Fアンテナ33は、2つの誘電体アンテナ1A,1B及び平板アンテナ23により構成される複合アンテナである。
【0026】
平板アンテナ23の接地点201は、基板側に折り曲げられて基板上で接地されている。平板アンテナ23の開放端202には、誘電体アンテナ1Bの電極パターン11Bの一端が接続されている。この電極パターン11Bの他端は開放されており、平板アンテナ23及び電極パターン11Bの電気長によって動作周波数が決まる。すなわち、誘電体アンテナ1Bを用いることにより小型化する一方、平板アンテナ23を用いることにより利得を向上させている。また、平板アンテナ23の形状を変更することによって動作周波数を容易に調整することができる。
【0027】
平板アンテナ23の給電点203には、誘電体アンテナ1Aの電極パターン11Aの一端が接続され、電極パターン11Aの他端は給電回路に接続されている。このため、誘電体アンテナ1Aを介して平板アンテナ23へ給電が行われる。給電点203に誘電体アンテナ1Aを接続することによって、逆Fアンテナ33の固有インピーダンスを高めることができる。
【0028】
誘電体アンテナ1A及び1Bは、基板上に固着され、平板アンテナ23は、接地端201と誘電体アンテナ1A及び1Bにより支持される。この逆Fアンテナ33を図8に示した従来の逆Fアンテナ30と比較すれば、誘電体アンテナ1が、2つの誘電体アンテナ1A及び1Bに分割されている。このため、各誘電体アンテナ1A,1Bの高さは、誘電体アンテナ1の高さよりも低くすることができる。従って、逆Fアンテナが実装された基板の高さを低減することができ、携帯電話機を薄型化することが可能となる。
【0029】
実施の形態3.
図6は、本発明の実施の形態3による逆Fアンテナの一構成例を示した斜視図である。この逆Fアンテナ34は、誘電体アンテナ1C及び平板アンテナ24により構成される複合アンテナである。
【0030】
誘電体アンテナ1Cは、誘電体10に2系統の独立した電極パターン11A及び11Bを形成した誘電体アンテナであり、平板アンテナ24の給電点203及び開放端202が接続されている。すなわち、誘電体アンテナ1Cは、図5(実施の形態2)における誘電体アンテナ1A及び1Bに相当する。
【0031】
平板アンテナ24の接地点201は、基板側に折り曲げられて基板上で接地されている。平板アンテナ24の給電点203には、誘電体アンテナ1Cの電極パターン11Aの一端が接続されている。この電極パターン11Aの他端は、基板上の給電回路に接続され、電極パターン11Aを介して平板アンテナ24へ給電が行われる。
【0032】
平板アンテナ24は、給電点203よりも開放端202側が環状に形成され、開放端202には、誘電体アンテナ1Cの電極パターン11Bの一端が接続されている。この電極パターン11Bの他端は開放されており、平板アンテナ24及び電極パターン11Bの電気長によって逆Fアンテナ34の動作周波数が決まる。
【0033】
この様にして、実施の形態2における誘電体アンテナ1A及び1Bに代えて、同一の誘電体10上に2つの電極パターン11A及び11Bを形成した誘電体アンテナ1Cを用いることにより、誘電体アンテナを実装するための基板上のスペースを節約することができる。
【0034】
【発明の効果】
本発明によれば、平板アンテナ部の給電点に誘電体アンテナを接続することにより逆Fアンテナを構成している。このため、誘電体アンテナ及び平板アンテナにより構成された小型化可能な逆Fアンテナにおいて、変更容易な平板アンテナの形状を調整することにより、その動作周波数及び固有インピーダンスを容易に調整することができる。
【0035】
また、本発明によれば、平板アンテナ部の給電点及び開放端のそれぞれに誘電体アンテナを接続している。このため、各誘電体アンテナの高さを低くし、アンテナ実装後の基板の高さを低くすることができる。
【0036】
また、本発明によれば、誘電体アンテナに2系統の独立した電極パターンを形成し、一方の電極パターンに平板アンテナの給電点を接続し、他方の電極パターンに平板アンテナの開放端を接続している。このため、基板上における誘電体アンテナの実装スペースを節約することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1による逆Fアンテナの一構成例を示した斜視図である。
【図2】図1の逆Fアンテナを携帯電話機内に配置した場合の一例を示した図である。
【図3】図2のI−I断面を示した図である。
【図4】本発明の実施の形態1による逆Fアンテナの他の構成例を示した斜視図である。
【図5】本発明の実施の形態2による逆Fアンテナの一構成例を示した斜視図である。
【図6】本発明の実施の形態3による逆Fアンテナの一構成例を示した斜視図である。
【図7】従来の誘電体アンテナを示した図である。
【図8】特許文献1に記載された従来のアンテナ装置の一例を示した図である。
【符号の説明】
1,1A〜1C 誘電体アンテナ部
10 誘電体
11,11A,11B 電極パターン
21,22A,22B,23,24 平板アンテナ
31〜34 逆Fアンテナ
201 接地点
202 開放端
203 給電点
【発明の属する技術分野】
本発明は、逆Fアンテナに係り、更に詳しくは、携帯電話機などの携帯通信端末装置に内蔵される小型の逆Fアンテナ装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、携帯電話機は各社から様々な型式のものが提供されているが、これらの携帯電話機はその基本的な機能に大きな差はない。このため、需要者による携帯電話機の選択基準は、そのデザインに重点が置かれるようになってきている。すなわち、携帯電話機の小型化、薄型化が求められ、また、アンテナ装置などの突出部等を有しない形状であることが求められている。
【0003】
このため、最近の携帯電話機は、内部の基板上に電子部品が高密度で配置され、当該基板には空きスペースが少なくなっている。このため、アンテナ装置は残された空きスペースに配置する必要があった。しかしながら、一般にアンテナ装置は波長λに応じた電気長(例えばλ/4)を必要とし、アンテナ装置を小型化することは容易ではなかった。
【0004】
従来から知られている小型のアンテナ装置としては、誘電体アンテナがある。誘電体アンテナは、誘電体の表面又は内部に電極パターンを形成したアンテナ装置であり、その誘電率に応じた波長短縮効果が得られる。また、電極パターンをメアンダパターン(蛇行パターン)とすることにより、実装面積に比べて長い電気長を確保することができる。このため、通常のアンテナに比べて小型化することができる。
【0005】
図7は、従来の誘電体アンテナの一例を示した図である。この誘電体アンテナ1は、誘電体10上にメアンダ形状の電極パターン11が形成されている。このような誘電体アンテナは小型化できる反面、放射効率が悪いことからアンテナ利得が小さいという問題があった。また、帯域幅が狭いという問題もあった。このような問題を改善することを目的としたアンテナ装置が、例えば特許文献1に開示されている。
【0006】
図8は、特許文献1に記載された従来のアンテナ装置の一例を示した図である。このアンテナ装置30は、誘電体アンテナ1及び板状補助エレメント20からなる複合アンテナであり、誘電体アンテナ1を用いることにより波長短縮効果を得る一方、導電性の板状補助エレメント20を用いることにより利得及び帯域幅を改善しようとするものである。
【0007】
このアンテナ装置30は、誘電体アンテナ1の電極パターン11を分岐させ、一方を給電回路に接続し、他方を接地している。つまり、分岐点を給電点とする逆Fアンテナである。一般に、逆Fアンテナの動作周波数は、開放端から接地端までの電気長によって決まる。このため、逆Fアンテナ30の動作周波数の調整は、誘電体アンテナ1の交換、あるいは、平板状補助エレメント20の形状を調整することによって行うことができる。
【0008】
【特許文献1】特開2001−339226号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
逆Fアンテナの固有インピーダンスは、一般に、給電点から接地点までの形状を調整することにより行うことができる。ところが、図8の従来の逆Fアンテナ30の場合、この形状が誘電体アンテナ1の電極パターンによって予め決められている。しかも、電極パターン11を変更した誘電体アンテナ1を新たに製作しようとすれば、多大な時間とコストがかかる。
【0010】
このため、図8の逆Fアンテナ30の固有インピーダンスを調整したい場合には、誘電体アンテナ1を交換するか、あるいは、給電点にインピーダンス整合回路を別途設ける必要があった。しかしながら、予め用意されている誘電体アンテナ1への交換によってインピーダンスを整合させることができるとは限らず、多種類の誘電体アンテナ1を予め用意しておくという方法は現実的ではない。また、インピーダンス整合回路を用いた場合には、インピーダンス整合回路を配置する基板上の空きスペースが必要となるとともに、コストアップにつながる。
【0011】
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、固有インピーダンスを容易に調整することができる小型の逆Fアンテナを提供することを目的とする。また、固有インピーダンスを容易に調整することができ、基板上の少ない空きスペースに実装可能な逆Fアンテナを提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明による逆Fアンテナは、一端が接地されるとともに他端が電気的に開放され、これら両端点の間に給電点が設けられた平板アンテナ部と、誘電体上に電極パターンが形成され、この電極パターンが平板アンテナ部の給電点に接続された誘電体アンテナ部とを備え、誘電体アンテナ部を介して平板アンテナ部へ給電が行われるように構成される。この様な構成により、平板アンテナ部及び誘電体アンテナ部からなる小型の逆Fアンテナにおいて、平板アンテナ部の形状を変更して、その動作周波数及び固有インピーダンスを調整することができる。
【0013】
また、本発明による逆Fアンテナは、平板アンテナ部の上記他端に接続され、開放端を形成する誘電体アンテナを更に備えて構成される。逆Fアンテナを2つの誘電体アンテナ部及び平板アンテナ部により構成することにより、各誘電体アンテナ部の高さを低くし、アンテナ全体の高さを抑制することができる。
【0014】
また、本発明による逆Fアンテナは、誘電体アンテナ部が2系統の独立した電極パターンを有し、一方の電極パターンが平板アンテナの給電点に接続され、他方の電極パターンが平板アンテナの上記他端に接続されるように構成される。この様な構成により、基板上における誘電体アンテナの実装スペースを節約することができる。
【0015】
また、本発明による逆Fアンテナは、一端が接地され、他端に給電点が設けられた第1の平板アンテナ部と、一端が開放され、他端に給電点が設けられた第2の平板アンテナ部と、誘電体上に電極パターンが形成され、この電極パターンが第1及び第2の平板アンテナ部の給電点に接続された誘電体アンテナ部とを備えて構成される。この様な構成により、第1及び第2の平板アンテナ部の形状を変更して、その動作周波数及び固有インピーダンスを調整することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1による逆Fアンテナの一構成例を示した斜視図である。図中の1は誘電体アンテナ、10は誘電体、11は電極パターン、12は給電端子、21は平板アンテナ、201は接地点、202は開放端、203は給電点である。この逆Fアンテナ31は、誘電体アンテナ1及び平板アンテナ21により構成される複合アンテナである。
【0017】
誘電体アンテナ1は、誘電体10の表面上に蛇行させた電極パターン11を形成して構成される。平板アンテナ21は、平板形状の導電性材料からなり、ここでは金属製平板から製作された板金アンテナであるものとする。この平板アンテナ21は、平面形状がL字型に形成され、その一端(接地点201)が基板側に折り曲げられ、基板上のグランドラインに接続されている。また、L字型に折り曲げられた平板アンテナ21の他端(開放端202)は電気的に開放されている。
【0018】
さらに、平板アンテナ21は両端201,202の間に給電点203が設けられ、この給電点203が誘電体アンテナ1の電極パターン11の一端に接続されている。電極パターン11の他端(給電端子12)は、基板上の給電回路(不図示)に接続され、誘電体アンテナ1を介して平板アンテナ21へ給電が行われる。
【0019】
この逆Fアンテナ31は、平板アンテナ21の形状を調整することによって、動作周波数及び固有インピーダンスを調整することができる。例えば、接地点201から開放端202までの長さを調整して波長を調整し、接地点201から給電点203までの長さを調整して固有インピーダンスを調整することができる。平板アンテナ21の形状変更は、誘電体アンテナ1の電極パターン11の変更に比べて容易であるため、この逆Fアンテナ31は、動作周波数及びインピーダンスを容易に最適化することができる。
【0020】
図2及び図3は、図1の逆Fアンテナ31を携帯電話機内に配置する場合の一例を示した図であり、図3には、図2のI−I断面が示されている。図中の3は基板、4は基板上に実装された電子部品、5はホイップアンテナである。
【0021】
携帯電話機の内蔵アンテナは、基板上に実装された電子部品の高周波ノイズによる利得低下を防止するために、基板端部に配置されることが望ましい。このため、逆Fアンテナ31は、例えば、図示したように基板3の上端部に配置される。なお、図示した平板アンテナ21はL字型に形成されているが、所定の電気長を確保することができる場合には直線形状であってもよい。
【0022】
平板アンテナ21は、接地点201及び誘電体アンテナ1により支持され、基板3から距離を隔てた空間に配置される。このため、基板3上に接地点201及び誘電体アンテナ1の実装スペースが確保できれば、平板アンテナ21を他の電子部品4とオーバーラップさせて、逆Fアンテナ31を実装することができる。
【0023】
図4は、本発明の実施の形態1による逆Fアンテナの他の構成例を示した斜視図である。この逆Fアンテナ32を図1の場合と比較すれば、平板アンテナ21が、誘電体アンテナ1を介して接続された2つの平板アンテナ22A及び22Bにより構成されている点で異なる。
【0024】
平板アンテナ22Aは、一端が接地され、他端が誘電体アンテナ1の電極パターン11に接続されている。また、平板アンテナ22Bは、一端が開放され、他端が誘電体アンテナ1の上記電極パターン11に接続されている。この場合にも、図1と同様の作用効果が得られる。すなわち、図1の平板アンテナ21は、2以上の平板アンテナにより構成することもできる。
【0025】
実施の形態2.
図5は、本発明の実施の形態2による逆Fアンテナの一構成例を示した斜視図である。この逆Fアンテナ33は、2つの誘電体アンテナ1A,1B及び平板アンテナ23により構成される複合アンテナである。
【0026】
平板アンテナ23の接地点201は、基板側に折り曲げられて基板上で接地されている。平板アンテナ23の開放端202には、誘電体アンテナ1Bの電極パターン11Bの一端が接続されている。この電極パターン11Bの他端は開放されており、平板アンテナ23及び電極パターン11Bの電気長によって動作周波数が決まる。すなわち、誘電体アンテナ1Bを用いることにより小型化する一方、平板アンテナ23を用いることにより利得を向上させている。また、平板アンテナ23の形状を変更することによって動作周波数を容易に調整することができる。
【0027】
平板アンテナ23の給電点203には、誘電体アンテナ1Aの電極パターン11Aの一端が接続され、電極パターン11Aの他端は給電回路に接続されている。このため、誘電体アンテナ1Aを介して平板アンテナ23へ給電が行われる。給電点203に誘電体アンテナ1Aを接続することによって、逆Fアンテナ33の固有インピーダンスを高めることができる。
【0028】
誘電体アンテナ1A及び1Bは、基板上に固着され、平板アンテナ23は、接地端201と誘電体アンテナ1A及び1Bにより支持される。この逆Fアンテナ33を図8に示した従来の逆Fアンテナ30と比較すれば、誘電体アンテナ1が、2つの誘電体アンテナ1A及び1Bに分割されている。このため、各誘電体アンテナ1A,1Bの高さは、誘電体アンテナ1の高さよりも低くすることができる。従って、逆Fアンテナが実装された基板の高さを低減することができ、携帯電話機を薄型化することが可能となる。
【0029】
実施の形態3.
図6は、本発明の実施の形態3による逆Fアンテナの一構成例を示した斜視図である。この逆Fアンテナ34は、誘電体アンテナ1C及び平板アンテナ24により構成される複合アンテナである。
【0030】
誘電体アンテナ1Cは、誘電体10に2系統の独立した電極パターン11A及び11Bを形成した誘電体アンテナであり、平板アンテナ24の給電点203及び開放端202が接続されている。すなわち、誘電体アンテナ1Cは、図5(実施の形態2)における誘電体アンテナ1A及び1Bに相当する。
【0031】
平板アンテナ24の接地点201は、基板側に折り曲げられて基板上で接地されている。平板アンテナ24の給電点203には、誘電体アンテナ1Cの電極パターン11Aの一端が接続されている。この電極パターン11Aの他端は、基板上の給電回路に接続され、電極パターン11Aを介して平板アンテナ24へ給電が行われる。
【0032】
平板アンテナ24は、給電点203よりも開放端202側が環状に形成され、開放端202には、誘電体アンテナ1Cの電極パターン11Bの一端が接続されている。この電極パターン11Bの他端は開放されており、平板アンテナ24及び電極パターン11Bの電気長によって逆Fアンテナ34の動作周波数が決まる。
【0033】
この様にして、実施の形態2における誘電体アンテナ1A及び1Bに代えて、同一の誘電体10上に2つの電極パターン11A及び11Bを形成した誘電体アンテナ1Cを用いることにより、誘電体アンテナを実装するための基板上のスペースを節約することができる。
【0034】
【発明の効果】
本発明によれば、平板アンテナ部の給電点に誘電体アンテナを接続することにより逆Fアンテナを構成している。このため、誘電体アンテナ及び平板アンテナにより構成された小型化可能な逆Fアンテナにおいて、変更容易な平板アンテナの形状を調整することにより、その動作周波数及び固有インピーダンスを容易に調整することができる。
【0035】
また、本発明によれば、平板アンテナ部の給電点及び開放端のそれぞれに誘電体アンテナを接続している。このため、各誘電体アンテナの高さを低くし、アンテナ実装後の基板の高さを低くすることができる。
【0036】
また、本発明によれば、誘電体アンテナに2系統の独立した電極パターンを形成し、一方の電極パターンに平板アンテナの給電点を接続し、他方の電極パターンに平板アンテナの開放端を接続している。このため、基板上における誘電体アンテナの実装スペースを節約することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1による逆Fアンテナの一構成例を示した斜視図である。
【図2】図1の逆Fアンテナを携帯電話機内に配置した場合の一例を示した図である。
【図3】図2のI−I断面を示した図である。
【図4】本発明の実施の形態1による逆Fアンテナの他の構成例を示した斜視図である。
【図5】本発明の実施の形態2による逆Fアンテナの一構成例を示した斜視図である。
【図6】本発明の実施の形態3による逆Fアンテナの一構成例を示した斜視図である。
【図7】従来の誘電体アンテナを示した図である。
【図8】特許文献1に記載された従来のアンテナ装置の一例を示した図である。
【符号の説明】
1,1A〜1C 誘電体アンテナ部
10 誘電体
11,11A,11B 電極パターン
21,22A,22B,23,24 平板アンテナ
31〜34 逆Fアンテナ
201 接地点
202 開放端
203 給電点
Claims (5)
- 一端が接地されるとともに他端が電気的に開放され、これら両端点の間に給電点が設けられた平板アンテナ部と、誘電体上に電極パターンが形成され、この電極パターンが平板アンテナ部の給電点に接続された誘電体アンテナ部とを備え、誘電体アンテナ部を介して平板アンテナ部へ給電が行われることを特徴とする逆Fアンテナ。
- 平板アンテナ部の上記他端に接続され、開放端を形成する誘電体アンテナを更に備えたことを特徴とする請求項1に記載の逆Fアンテナ。
- 上記誘電体アンテナ部が基板上に固定され、上記平板アンテナが誘電体アンテナにより支持され、基板から距離を隔てて配置されることを特徴とする請求項2に記載の逆Fアンテナ。
- 上記誘電体アンテナは2系統の独立した電極パターンを有し、一方の電極パターンが平板アンテナの給電点に接続され、他方の電極パターンが平板アンテナの上記他端に接続されることを特徴とする請求項1に記載の逆Fアンテナ。
- 一端が接地され、他端に給電点が設けられた第1の平板アンテナ部と、一端が電気的に開放され、他端に給電点が設けられた第2の平板アンテナ部と、誘電体上に電極パターンが形成され、この電極パターンが第1及び第2の平板アンテナ部の給電点に接続された誘電体アンテナ部とを備え、誘電体アンテナ部を介して給電が行われることを特徴とする逆Fアンテナ。
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- 2003-06-03 JP JP2003158127A patent/JP2004363789A/ja active Pending
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