JP2004363410A - 樹脂封止電子部品ユニット及びその製造方法 - Google Patents

樹脂封止電子部品ユニット及びその製造方法 Download PDF

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隆一 木全
Yasuyo Yamashita
耕世 山下
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Abstract

【課題】ウェルドラインや巣の発生しにくい優れた注型品質を備え、インサート成形時に電子部品が損傷を受けにくい樹脂封止電子部品ユニット及びその製造方法を提供する。
【解決手段】矩形状のプリント配線基板4と、電子部品5(5a,5b,5c),9a,9bと、インサート成形により電子部品5,9a,9bを被覆する樹脂被覆層3とを備える。樹脂被覆層3は、インサート成形時の温度が電子部品5の実装に用いられるハンダの溶融温度よりも低い熱可塑性樹脂からなり、熱可塑性樹脂を基板4の一方の短辺側から他方の短辺側に流動させて形成されている。電子部品5,9a,9bは、熱可塑性樹脂の流路を基板4の幅方向中央部に形成するように、基板4の長手方向に沿って配列されている。インサート成形は、金型11a,11bのキャビティ12a,12b内に配設された基板2の一方の短辺側から該熱可塑性樹脂を射出し、他方の短辺側から空気を放出して行う。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、コンデンサ、ケーブル接続部材等の電子部品が実装されたプリント配線基板を樹脂被覆層で被覆して封止した樹脂封止電子部品ユニット及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、コンデンサ、ケーブル接続部材等の電子部品が実装されたプリント配線基板の防水、防湿または防塵のために、該基板を樹脂被覆層で被覆して封止した樹脂封止電子部品ユニットが知られている。
【0003】
前記樹脂封止電子部品ユニットとして、例えば、前記電子部品が実装されたプリント配線基板全体をエポキシ樹脂等の樹脂で被覆したものがある。このような樹脂封止電子部品ユニットは、前記プリント配線基板をケース内に収容し、該ケースにエポキシ樹脂を注入することにより製造される(例えば特許文献1参照)。
【0004】
前記エポキシ樹脂は、耐環境性に優れ、前記プリント配線基板との接着密着性も良好であるので、前記樹脂封止電子部品ユニットは、防水、防湿または防塵に対する性能に優れている。ところが、前記エポキシ樹脂は熱硬化性であるため、前記ケースに注入した後、100℃以上の温度に数時間保持する必要があり、作業効率が低く、設備の大型化が避けられないとの問題がある。
【0005】
また、前記のようにして製造する場合には、前記プリント配線基板が収容されたケースに樹脂を注入するため、前記プリント配線基板に実装された電子部品のうち、最も背の高い部品の高さにより樹脂の注入量が規定される。従って、樹脂の量を該注入量未満とすることができないという問題がある。
【0006】
前記問題を解決するために、熱可塑性樹脂のインサート成形により、電子部品が実装されたプリント配線基板を被覆する樹脂被覆層を形成し、該基板を該樹脂被覆層で被覆して封止した樹脂封止電子部品ユニットが提案されている(例えば特許文献2参照)。
【0007】
前記インサート成形は、金型のキャビティ内に前記プリント配線基板を配設し、ポリアミド樹脂等の熱可塑性樹脂を該キャビティ内に射出することにより行う。前記ポリアミド樹脂等の熱可塑性樹脂は、比較的低温で溶融し、比較的低圧で射出することができるので、前記プリント配線基板に実装された電子部品が成形時の熱や圧力により損傷を受けることを避けることができる。
【0008】
しかしながら、前記インサート成形では、前記金型に射出された前記熱可塑性樹脂が前記キャビティ内で複数の流れに別れて前記キャビティ内を回流し、各流れの会合点にウェルドラインが形成されたり、該熱可塑性樹脂の流れが空気を抱き込んで巣が形成されることがある。そして、前記樹脂被覆層では、前記ウェルドラインや巣が形成されると、成形後にストレスが加わった場合に、該ウェルドラインや巣を基点とした亀裂が発生し易くなるという不都合がある。
【0009】
また、前記インサート成形では、前記プリント配線基板に実装された電子部品の配置によっては、成形時の圧力により該電子部品が損傷を受けることもあり得る。
【0010】
【特許文献1】
実公平6−11535号公報
【特許文献2】
特開2000−133665号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、かかる不都合を解消して、インサート成形により形成された樹脂被覆層におけるウェルドラインや巣の発生しにくい優れた注型品質を備え、しかもインサート成形時に電子部品が損傷を受けにくくした樹脂封止電子部品ユニットを提供することを目的とする。
【0012】
また、本発明の目的は、前記樹脂封止電子部品ユニットの製造方法を提供することにもある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するために、本発明の樹脂封止電子部品ユニットは、矩形状のプリント配線基板と、該基板上に実装された複数の電子部品と、インサート成形により該電子部品を被覆して該電子部品を封止する樹脂被覆層とを備える樹脂封止電子部品ユニットでにおいて、該樹脂被覆層は、該インサート成形時の該基板表面における温度が該電子部品の実装に用いられるハンダの溶融温度よりも低い熱可塑性樹脂からなり、該熱可塑性樹脂を該基板の一方の短辺側から他方の短辺側に流動せしめることにより形成されており、該複数の電子部品は、該基板の一方の短辺側から他方の短辺側に流動する該熱可塑性樹脂の流路を該基板の幅方向中央部に形成するように、該基板の長手方向に沿って配列されていることを特徴とする。
【0014】
前記複数の電子部品は、前記熱可塑性樹脂の流路を前記プリント配線基板の幅方向中央部に形成するために、前記熱可塑性樹脂の流路の両側に、前記プリント配線基板の長手方向に沿って配列されていることが好ましい。
【0015】
本発明の樹脂封止電子部品ユニットは、前記インサート成形を、該インサート成形時の前記プリント配線基板表面における温度が前記電子部品の実装に用いられるハンダの溶融温度よりも低い熱可塑性樹脂を用い、金型のキャビティ内に、該熱可塑性樹脂の流路を該基板の幅方向中央部に形成するように該複数の電子部品が該基板の長手方向に沿って配列されている基板を配設し、該基板の一方の短辺側から該熱可塑性樹脂を射出し、他方の短辺側から該キャビティ内の気体を放出することにより、該熱可塑性樹脂が該基板の長手方向に沿って流動するようにして行う製造方法により有利に製造することができる。
【0016】
前記プリント配線基板に実装されている電子部品には、コンデンサやコネクタ等のケーブル接続部材等のように比較的背の高い部品が含まれている。このような電子部品が前記熱可塑性樹脂の流路上に配設されていると、該熱可塑性樹脂の流れが該電子部品により分岐せしめられ複数の流れに別れるために各流れの会合点にウェルドラインが形成され易くなる。また、前記熱可塑性樹脂の流れが前記電子部品により妨げられると、該熱可塑性樹脂の流れが該電子部品を回り込んだときに、空気を抱き込み易くなり、巣が形成され易くなる。さらに、前記電子部品が前記熱可塑性樹脂の流れを妨げると、該流れの圧力により損傷を受けることもあり得る。
【0017】
そこで、本発明の樹脂封止電子部品ユニットの製造方法では、前記複数の電子部品が基板の長さ方向に沿って配列されている前記プリント配線基板を金型のキャビティ内に配設して、前記インサート成形を行う。前記プリント配線基板では、前記複数の電子部品が基板の長さ方向に沿って配列されているので、該基板の幅方向中央部に前記熱可塑性樹脂の流路が形成されている。この結果、前記基板の一方の短辺側から前記熱可塑性樹脂を射出し、他方の短辺側から該キャビティ内の気体を放出するようにすると、前記熱可塑性樹脂は前記流路に従って該基板の長手方向に沿って円滑に流動する。
【0018】
従って、本発明の樹脂封止電子部品ユニットの製造方法では、前記熱可塑性樹脂の流れが前記電子部品により分岐せしめられたり、妨げられにくくなり、ウェルドラインや巣の発生について大きな抑制効果を得ることができる。また、本発明の樹脂封止電子部品ユニットの製造方法では、前記プリント配線基板に前記熱可塑性樹脂の流路が形成されているので、前記電子部品は熱可塑性樹脂の圧力を受けにくくなり、該圧力による損傷を防止することができる。
【0019】
ところで、前記電子部品は、一般にハンダ付けにより前記プリント配線基板上に実装されている。従って、前記インサート成形時に前記熱可塑性樹脂の温度が前記ハンダの溶融温度よりも高温であると、該ハンダが溶融することが懸念される。
【0020】
この点について、本発明の製造方法では、前記インサート成形時の前記プリント配線基板表面における温度が前記電子部品の実装に用いられるハンダの溶融温度よりも低い熱可塑性樹脂を用いる。従って、前記ハンダの溶融を避けることができる。
【0021】
さらに、前記熱可塑性樹脂を射出する場合、ゲート近傍では該熱可塑性樹脂は比較的高温になっている。従って、前記ゲート近傍に前記電子部品があると、該電子部品は前記熱可塑性樹脂の射出が完了するまで、比較的高温の該熱可塑性樹脂に曝されることとなる。
【0022】
そこで、本発明は、前記製造方法において、前記インサート成形を、前記プリント配線基板の一方の短辺側端部と、該金型の該端部に相対向する内壁との間に所定の空洞部を備える金型を用い、該空洞部側から該熱可塑性樹脂を射出し、他方の短辺側から該キャビティ内の気体を放出することにより行うことを特徴とする。
【0023】
前記金型によれば、前記空洞部側から前記熱可塑性樹脂を射出すると、該熱可塑性樹脂は該空洞部内で冷却されるので、前記プリント配線基板の前記電子部品が実装されている位置に到達するまでに十分に温度が低下する。従って、前記電子部品が前記熱可塑性樹脂が射出されている間に比較的高温の該熱可塑性樹脂に曝されることを避けることができる。
【0024】
また、本発明は、前記製造方法において、前記インサート成形を、前記プリント配線基板の両方の短辺側端部と、該金型の該端部に相対向する内壁との間にそれぞれ所定の空洞部を備える金型を用い、一方の該空洞部側から該熱可塑性樹脂を射出し、他方の該空洞部側から該キャビティ内の気体を放出することにより行うようにしてもよい。前記金型によれば、前記熱可塑性樹脂が前記一方の空洞部内で冷却される効果が得られると共に、他方の空洞部から前記キャビティ内の気体を放出することができ好都合である。
【0025】
また、前記樹脂封止電子部品ユニットは短辺側端部に前記樹脂被覆層と一体的に成形された取付部材を備える場合には、前記空洞部は該取付部材を形成する形状を備えることが好ましい。このようにすることにより、前記取付部材を形成するための空洞部を前記熱可塑性樹脂の射出に利用して、該空洞部内で該熱可塑性樹脂を冷却することができ、または前記キャビティ内の気体を放出するために利用することができるのでさらに好都合である。
【0026】
【発明の実施の形態】
次に、添付の図面を参照しながら本発明の実施の形態についてさらに詳しく説明する。図1は本発明の樹脂封止電子部品ユニットの一実施形態を示す平面図、図2は電子部品が実装されたプリント配線基板の一例を示す平面図、図3は本発明の樹脂封止電子部品ユニットの製造方法の一実施形態を示す説明的断面図である。
【0027】
次に、本発明の樹脂封止電子部品ユニットの実施形態について説明する。図1に示すように、本実施形態の樹脂封止電子部品ユニット1は、実装プリント配線基板2の表裏両面に樹脂被覆層3を備えている。実装プリント配線基板2は、矩形状のプリント配線基板4の一方の表面に、半導体、LSI、コンデンサ等の複数の電子部品5がハンダ付けにより実装されている。樹脂被覆層3は、成形時の実装プリント配線基板2表面における温度が電子部品5の実装に用いられるハンダの溶融温度よりも低い熱可塑性樹脂、例えばポリアミド樹脂により形成されている。
【0028】
樹脂封止電子部品ユニット1は、プリント配線基板4の短辺側両端部に連接して樹脂被覆層3と一体的に成形された取り付け用フランジ6を備え、フランジ6には取り付け用孔部7が設けられている。また、プリント配線基板4は、表面に入出力用の複数のケーブル群8a,8bが接続されるケーブル接続部材9a,9bを備えており、ケーブル群8a,8bはプリント配線基板4の長辺側端部に連接して樹脂被覆層3と一体的に成形されたグロメット10a,10bを介して、1本ずつプリント配線基板4外に引き出されている。尚、本実施形態では、ケーブル接続部材9a,9bも電子部品として説明する。
【0029】
実装プリント配線基板2では、矩形状のプリント配線基板4の長さ方向に沿って、コンデンサ等の背の高い電子部品5a,5b,5cが配列され、電子部品5a,5b,5cの列と平行にケーブル接続部材9a,9bが配列されている。この結果、前記ポリアミド樹脂Rは、電子部品5a,5b,5cの列と、ケーブル接続部材9a,9bの列との間を流路として基板2の一方の短辺側から他方の短辺側に流動する一方、該流路から短辺方向両側に広がって樹脂被覆層3を形成している。
【0030】
次に、図2,3を参照して、図1に示す樹脂封止電子部品ユニット1の製造方法について説明する。
【0031】
本実施形態の樹脂封止電子部品ユニットの製造方法では、図2に示す実装プリント配線基板2を樹脂被覆層3で被覆する。実装プリント配線基板2は、前述のようにプリント配線基板4の一方の表面に、半導体、LSI、コンデンサ等の複数の電子部品5が実装されており、表面に設けられたケーブル接続部材9a,9bに入出力用の複数のケーブル群8a,8bが接続されている。そして、矩形状のプリント配線基板4の長さ方向に沿って、コンデンサ等の背の高い電子部品5a,5b,5cが配列され、電子部品5a,5b,5cの列と平行にケーブル接続部材9a,9bが配列されている。尚、実装プリント配線基板2は、取り付け用フランジ6、グロメット10a,10bを備えていない。
【0032】
本実施形態の樹脂封止電子部品ユニットの製造方法では、まず、図3(a)に示すように、アルミニウム製の金型11a,11bのキャビティ12a,12b内に図2に示す実装プリント配線基板2を配設する。尚、図3(a)〜図3(c)は、いずれも前記キャビティ12a,12b、実装プリント配線基板2を模式的に示すものであって、図1、図2に示す構成とは一致しない部分がある。
【0033】
金型11aのキャビティ12aは、実装プリント配線基板2の外形に沿う形状、より具体的にはプリント配線基板4上に実装された電子部品5、ケーブル接続部材9a,9bの外形に沿う形状を備えている。
【0034】
一方、金型11bのキャビティ12bは、実装プリント配線基板1の短辺側両端部と、金型11bの該端部に相対向する内壁との間にフランジ6を形成するためのフランジ形成部13a,13bを備えている。また、金型11bは一方のフランジ形成部13aに連通して前記ポリアミド樹脂を射出するランナ14と、他方のフランジ形成部13bに連通してキャビティ12a,12b内の空気を外部に放出せしめる空気抜15とを備えている。
【0035】
尚、金型11a,11bのキャビティ12a,12bは、実装プリント配線基板2の長辺側の一方の端部にグロメット10a,10bを形成するためのグロメット形成部(図示せず)を備えている。
【0036】
次に、図3(b)に示すように、金型11a,11bを閉じる。このとき、実装プリント配線基板2は、図示しない押さえピンにより、所定の位置に保持される。
【0037】
次に、ランナ14から前記ポリアミド樹脂を射出することにより、キャビティ12a,12b内に該ポリアミド樹脂を導入する。前記ポリアミド樹脂は、図示しない貯蔵タンク内で210〜220℃の温度に加熱されて溶融されており、該貯蔵タンク内に備えられた圧送ポンプにより約1〜4MPaの圧力で、ランナ14に送られる。この結果、前記ポリアミド樹脂は、キャビティ12a,12b内に保持された実装プリント配線基板2の表面に達したときには、約160℃の温度となり、電子部品5の実装に用いられるハンダ(例えばPb:Sn=6:4(重量比))の溶融温度よりも低温となる。
【0038】
キャビティ12a,12b内に配設された実装プリント配線基板2には、前述のように長手方向に沿って電子部品5a,5b,5cの列と、ケーブル接続部材9a,9bの列とが形成されている。そこで、図1に示すように、前記ポリアミド樹脂Rは実装プリント配線基板2の幅方向中央部で、電子部品5a,5b,5cの列と、ケーブル接続部材9a,9bの列との間を流路として実装プリント配線基板2の長手方向に沿って流動し、かつ前記流路から短辺方向両側に広がるように流動して、樹脂被覆層3を形成する。このとき、キャビティ12a,12b内の空気は、前記ポリアミド樹脂がキャビティ12a,12b内に導入されるに従って、フランジ形成部13bに対応する側に備えられた空気抜15から放出される。
【0039】
従って、キャビティ12a,12b内におけるポリアミド樹脂Rの流れは相互の衝突による会合点を殆ど作ることが無くなり、形成された樹脂被覆層3におけるウェルドラインの発生を抑制することができる。また、ポリアミド樹脂Rの流れは、電子部品5a,5b,5c、ケーブル接続部材9a,9bにより妨げられにくくなるので、空気の抱き込みを低減して巣(ボイド)の発生を抑制することができる。さらに、電子部品5a,5b,5c、ケーブル接続部材9a,9bは、ポリアミド樹脂Rの流れを妨げにくい位置に配設されているので、ポリアミド樹脂Rの流れの圧力は大幅に低減される。
【0040】
キャビティ12a,12b内に導入された前記ポリアミド樹脂は、アルミニウム製の金型11a,11bを介して短時間で放熱して冷却固化し、実装プリント配線基板2を被覆する樹脂被覆層3を形成する。また、このとき、取り付け用フランジ6と、グロメット10a,10bが樹脂被覆層3と一体的に成形される。尚、前記押さえピンは実装プリント配線基板2が導入された前記ポリアミド樹脂により支持されるようになった時点で引き抜かれ、該押さえピンの跡には該ポリアミド樹脂が充填される。従って、樹脂被覆層3には、前記押さえピンの痕跡が残らない。
【0041】
次に、前記ポリアミド樹脂が冷却固化したならば、図3(c)に示すように、金型11a,11bを開いて、実装プリント配線基板2が樹脂被覆層3により被覆された樹脂封止電子部品ユニット1を取り出す。本実施形態の樹脂封止電子部品ユニット1において、樹脂被覆層3は、前述のようにウェルドラインや巣の発生についての大きな抑制効果が得られることから、優れた注型品質を得ることができる。また、電子部品5a,5b,5c、ケーブル接続部材9a,9bは、ポリアミド樹脂Rの流れの圧力を受けにくくなるので、該圧力による損傷を防止することができる。
【0042】
尚、本実施形態では、熱可塑性樹脂として前記ポリアミド樹脂を用いているが、熱可塑性樹脂は前記インサート成形時の実装プリント配線基板2の表面における温度が電子部品5の実装に用いられるハンダの溶融温度よりも低いものであれば、どのような樹脂であってもよい。このような熱可塑性樹脂として、例えば、東洋紡績株式会社製ポリエステル(商品名:バイロンHMグレードGM950、バイロンHMグレードGAA10)等を挙げることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の樹脂封止電子部品ユニットの一実施形態を示す平面図。
【図2】電子部品が実装されたプリント配線基板の一例を示す平面図。
【図3】本発明の樹脂封止電子部品ユニットの製造方法の一実施形態を示す説明的断面図。
【符号の説明】
1…樹脂封止電子部品ユニット、 3…樹脂被覆層、 4…プリント配線基板、 5a,5b,5c,9a,9b…電子部品、 11a,11b…金型、 12a,12b…キャビティ、 13a,13b…空洞部。

Claims (6)

  1. 矩形状のプリント配線基板と、該基板上に実装された複数の電子部品と、インサート成形により該電子部品を被覆して該電子部品を封止する樹脂被覆層とを備える樹脂封止電子部品ユニットにおいて、
    該樹脂被覆層は、該インサート成形時の該基板表面における温度が該電子部品の実装に用いられるハンダの溶融温度よりも低い熱可塑性樹脂からなり、該熱可塑性樹脂を該基板の一方の短辺側から他方の短辺側に流動せしめることにより形成されており、
    該複数の電子部品は、該基板の一方の短辺側から他方の短辺側に流動する該熱可塑性樹脂の流路を該基板の幅方向中央部に形成するように、該基板の長手方向に沿って配列されていることを特徴とする樹脂封止電子部品ユニット。
  2. 前記複数の電子部品は、前記熱可塑性樹脂の流路の両側に、前記プリント配線基板の長手方向に沿って配列されていることを特徴とする請求項1記載の樹脂封止電子部品ユニット。
  3. 矩形状のプリント配線基板と、該基板上に実装された複数の電子部品と、インサート成形により該電子部品を被覆して該電子部品を封止する樹脂被覆層とを備える樹脂封止電子部品ユニットの製造方法において、
    該インサート成形は、該インサート成形時の該基板表面における温度が該電子部品の実装に用いられるハンダの溶融温度よりも低い熱可塑性樹脂を用い、金型のキャビティ内に、該熱可塑性樹脂の流路を該基板の幅方向中央部に形成するように該複数の電子部品が該基板の長手方向に沿って配列されている基板を配設し、該基板の一方の短辺側から該熱可塑性樹脂を射出し、他方の短辺側から該キャビティ内の気体を放出することにより、該熱可塑性樹脂が該基板の長手方向に沿って流動するようにして行うことを特徴とする樹脂封止電子部品ユニットの製造方法。
  4. 前記インサート成形は、前記プリント配線基板の一方の短辺側端部と、該金型の該端部に相対向する内壁との間に所定の空洞部を備える金型を用い、該空洞部側から該熱可塑性樹脂を射出し、他方の短辺側から該キャビティ内の気体を放出することにより行うことを特徴とする請求項3記載の樹脂封止電子部品ユニットの製造方法。
  5. 前記インサート成形は、前記プリント配線基板の両方の短辺側端部と、該金型の該端部に相対向する内壁との間にそれぞれ所定の空洞部を備える金型を用い、一方の該空洞部側から該熱可塑性樹脂を射出し、他方の該空洞部側から該キャビティ内の気体を放出することにより行うことを特徴とする請求項3記載の樹脂封止電子部品ユニットの製造方法。
  6. 前記樹脂封止電子部品ユニットは短辺側端部に前記樹脂被覆層と一体的に成形された取付部材を備え、前記空洞部は該取付部材を形成する形状を備えることを特徴とする請求項4または請求項5記載の樹脂封止電子部品ユニットの製造方法。
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WO2012124682A1 (ja) 2011-03-17 2012-09-20 イリソ電子工業株式会社 樹脂成形品及びその製造方法
JP2019040942A (ja) * 2017-08-23 2019-03-14 沖電気工業株式会社 電子機器
CN111770644A (zh) * 2020-07-17 2020-10-13 融硅思创(北京)科技有限公司 封装电路板低压注胶方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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