JP2004363297A - 熱光発電装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】エミッタの発光量の増加とエミッタの温度分布の均一化とを図った熱光発電装置を提供する。
【解決手段】この熱光発電装置は、燃料の燃焼により発生する燃焼ガスをガイドする緻密質エミッタ14と、その緻密質エミッタ14とともに燃焼ガスの流路を形成しつつ燃焼ガスを透過させる多孔質エミッタ12と、緻密質エミッタ14の、多孔質エミッタ12の側と反対の側に配置された光電変換セル18と、を具備する。
【選択図】 図1
【解決手段】この熱光発電装置は、燃料の燃焼により発生する燃焼ガスをガイドする緻密質エミッタ14と、その緻密質エミッタ14とともに燃焼ガスの流路を形成しつつ燃焼ガスを透過させる多孔質エミッタ12と、緻密質エミッタ14の、多孔質エミッタ12の側と反対の側に配置された光電変換セル18と、を具備する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱源から輻射される赤外光(赤外線、熱線ともいう)を光電変換素子(光電変換セル)にて電力に変換する熱光起電力変換(thermophotovoltaic energy conversion)により発電を行う熱光発電装置(TPVシステム)に関する。
【0002】
【従来の技術】
熱光発電装置では、エミッタ(輻射体)を加熱することにより、そのエミッタから一定の波長の赤外光を輻射させ、その赤外光を光電変換素子に入射させて電力に変換する。熱光発電装置は、可動部分を持たないため、低騒音・低振動システムを実現することができる。
【0003】
次世代のエネルギー源として、熱光発電は、クリーン性、静粛性などの点で優れている。エミッタを加熱するために、燃焼熱、太陽熱、原子核崩壊熱などが利用可能であるが、一般的には、ブタンなどのガス燃料や灯油などの液体燃料に代表される化石燃料の燃焼により発生する燃焼ガスがエミッタ加熱用に利用される。
【0004】
例えば、下記特許文献1には、燃料及びエアの供給を受けて燃料を燃焼させる燃焼器と、その燃焼器から発生する燃焼ガスが内部を通過することによって加熱される多孔質体エミッタと、そのエミッタからの輻射光を電力に変換する光電変換素子と、を備えるとともに、燃焼器の上側にエミッタを配置し、燃焼器の下側に光電変換セルを配置したことを特徴とする熱光発電装置が開示されている。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−319693号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
特開2002−319693号公報記載の技術のように、エミッタの一面からの発光が利用される場合には、略均一なエミッタ発光が得られるが、小型化を目的として、多面からの発光を利用する多面エミッタとした場合には、不均一な発光となるという問題がある。これは、燃焼器における火炎発生部位の分布や位置、エミッタ通過流路抵抗の不適合、燃焼ガス流量分布の不適合、等による。また、エミッタへの熱伝達量が小さいことや、高温ガスの逃げといった問題もある。
【0007】
エミッタ(発光部)の発光が不均一である場合には、複数の光電変換セル(受光部)に入射するエネルギー量が個々にばらつくため、各セルの発電量に差が生ずる。その結果として、セル間に発電量に応じた電流量の差が発生する。一方、複数の光電変換セルは一般に直列に接続されているため、総発電量は、「各セル発生電圧の和」×「最小発電量セルの電流」により決まる。したがって、ばらつきが大きいと、「最小発電量セルの電流」が小さくなり、結果として、電力変換効率が低下するという問題が生ずる。
【0008】
本発明は、上述した問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、エミッタの発光量の増加とエミッタの温度分布の均一化(即ち、各セル出力間の差の低減)とを図った熱光発電装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明によれば、燃料の燃焼により発生する燃焼ガスをガイドする緻密質エミッタと、前記緻密質エミッタとともに燃焼ガスの流路を形成しつつ燃焼ガスを透過させる多孔質エミッタと、前記緻密質エミッタの、前記多孔質エミッタの側と反対の側に配置された光電変換セルと、を具備することを特徴とする熱光発電装置が提供される。
【0010】
また、本発明によれば、前記緻密質エミッタと前記多孔質エミッタとの間及び前記多孔質エミッタの内部を通過した燃焼ガスが燃焼用空気を加熱するための熱交換器が更に具備される。
【0011】
また、本発明によれば、燃焼ガスの流路の抵抗が略等しくなるように前記多孔質エミッタの厚さ及び前記緻密質エミッタと前記多孔質エミッタとの間隔が調節される。
【0012】
また、本発明によれば、前記多孔質エミッタにおいて下流側の空孔粗さが上流側の空孔粗さに比較して細かくされる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
【0014】
図1は、本発明による熱光発電装置の一実施形態を示す断面図である。図1に示されるように、本実施形態においては、同心円上に装置内側より、円筒形の燃焼室10、円筒形の多孔質エミッタ12、有底円筒形の緻密質エミッタ14、有底円筒形のフィルタ16、及び複数個集まって有底円筒形を形成する光電変換セル18が配置された構造となっている。
【0015】
ブロア20がブロアモータ22によって駆動されることにより、燃焼用空気が、燃焼用空気入口24から導入され、フィルタ16とセル18との間を通過する。その際、燃焼用空気は、セル18を冷却することにより、セル18の温度上昇による光電変換効率の低下を防止する。
【0016】
その後、燃焼用空気は、熱交換器26に導かれ、その中の管を通過することにより、後述の如くエミッタ12及び14を加熱した後の燃焼ガスとの間で熱交換を行う。この熱交換により加熱された燃焼用空気は、燃料ガス入口28から導入された燃料ガスと混合室31にて混合される。
【0017】
その混合気は、燃焼室10の入口で点火され、燃焼室10の内部で燃焼する。その燃焼により発生した燃焼ガスは、図2に示されるように、多孔質エミッタ12と緻密質エミッタ14との間を通過しつつ多孔質エミッタ12の内部をも通過していく。
【0018】
高温の燃焼ガスが多孔質エミッタ12の内部を通過すると、多孔質エミッタ12は、熱を得て緻密質エミッタ14へ向けて発光する。緻密質エミッタ14は、多孔質エミッタ12からの発光熱を受け、温度が上昇し、フィルタ16及びセル18へ向けて発光する。
【0019】
フィルタ16は、緻密質エミッタ14からの光のうちセル18の光電変換に有効な波長成分のみを選択して透過せしめる一方、光電変換に寄与しない波長成分を緻密質エミッタ14の側へ反射して緻密質エミッタ14の加熱に寄与せしめる。セル18は、フィルタ16を透過した光を受けて発電する。
【0020】
エミッタ12及び14を加熱した燃焼ガスは、円周上均等に配置された熱交換器入口30より熱交換器26に導かれて前述の如く燃焼用空気を加熱した後、排気口32から装置外部に排出される。
【0021】
セル18は受光により温度が上昇して効率が低下するため、燃焼用空気による冷却に加えて冷却水による冷却が実施される。すなわち、冷却水入口34から導入された冷却水が、セル18の裏面側を通過することによりセル18を冷却した後、冷却水出口36から排出されるように構成されている。
【0022】
上述した実施形態においては、装置内側より、燃焼室10、多孔質エミッタ12、緻密質エミッタ14、フィルタ16及びセル18が配置され、温度のより高い部位の順となっている。すなわち、装置内側に高温部が配され、外側に低温部が置かれるため、装置自体が断熱構造となり、装置の熱効率が向上してエミッタの発光熱量が増加する。
【0023】
また、燃焼室10から排出される高温ガスは、緻密質エミッタ14によりガイドされるため、フィルタ16側に流れることがなく、外部への熱伝達(熱の逃げ)が抑制される。また、多孔質エミッタ12が、その内部に高温ガスが流れるように配されているため、熱交換面積を大きくとることができ、高温ガスから多くの熱を奪うことができる。
【0024】
さらに、フィルタ16は、燃焼ガスをガイドする必要がないため、緻密質エミッタ14が光電変換に有効な一定波長の光のみ放射する材料で構成される場合には、フィルタ16を省略することができ、コストの低減が図られる。
【0025】
また、本実施形態においては、図2に示されるように、燃焼室10から熱交換器入口30までの高温ガス流路の抵抗が略等しくなり、発光が均一となるように、多孔質エミッタ12の厚さ及び多孔質エミッタ12と緻密質エミッタ14との間隔が適正化されているため、多孔質エミッタ12の部位による流量のバラツキが抑えられている。
【0026】
すなわち、多孔質エミッタ12のどの部分を高温ガスが通過しても、その流路抵抗が定格出力状態にて一定となるようにされ、圧損及び流量が調整されることにより、発光量が略均一となるように構成されている。エミッタ12の部位によるガス流量が均一になる結果、高温ガスとエミッタ12との熱交換量が部位によらず均一になる。ひいては、エミッタの発光量が部位によることなく一定となり、セルごとの受光量及び出力のバラツキを小さくして装置の効率を向上させることができる。
【0027】
また、多孔質エミッタ12においては、下流側部分の空孔粗さが上流側部分の空孔粗さに比較して細かくされている。これは、下流側部分では燃焼ガスの温度が低くなるため、熱伝達面積が大きくなるようにしているためである。また、ガス流速の増大による熱交換量の増大も図られている。
【0028】
このように、エミッタ12及び14の各部表面温度がほぼ一定となるように、各発光表面の受けるエネルギー量が一定とされている。ガス温度が低くなる下流側エミッタ表面の流速が大きくなり、熱伝達率が向上することで、エミッタ発光量のバラツキが抑えられる。
【0029】
多孔質エミッタ12から緻密質エミッタ14への発光は、両者の温度差の4乗に比例する。そのため、図3に示されるように、緻密質エミッタ14の温度の低い部位に多孔質エミッタ12からの発光熱が与えられることとなり、緻密質エミッタ14において部位による温度のバラツキが小さくなる。その結果、緻密質エミッタ14からの発光量の部位によるバラツキが小さくなる。
【0030】
また、本実施形態においては、図4に示されるように、高温ガス流路の断面積が円周上で均等に配され、円周方向のガス流量の片寄りが無いように構成されている。
【0031】
図5は、本発明による熱光発電装置の他の実施形態を示す断面図である。本実施形態においては、装置内部に、円筒形を形成する複数個の光電変換セル118が配置され、それを囲む形で内側より、円筒形のフィルタ116、円筒形の緻密質エミッタ114、円筒形の多孔質エミッタ112が配置された構造となっている。そして、緻密質エミッタ114と多孔質エミッタ112との間に燃焼室110が形成される。
【0032】
ブロア120によって燃焼用空気導入部124から導入された燃焼用空気は、セル118とフィルタ116との間を通過してセル118を冷却した後、装置外側部分から熱交換器126に導かれ、エミッタ112及び114を加熱した後の燃焼ガスとの間で熱交換を行う。この熱交換により加熱された燃焼用空気は、燃料ガスパイプ150から供給される燃料ガスと混合される。
【0033】
その混合気は、燃焼室110の入口で点火され、燃焼室110の内部で燃焼する。その燃焼により発生した燃焼ガスは、緻密質エミッタ114と多孔質エミッタ112との間を通過しつつ多孔質エミッタ112の内部を通過していく。
【0034】
高温の燃焼ガスが多孔質エミッタ112の内部を通過すると、多孔質エミッタ112は、熱を得て緻密質エミッタ114へ向けて発光する。緻密質エミッタ114は、多孔質エミッタ112からの発光熱を受け、温度が上昇し、フィルタ116及びセル118へ向けて発光する。
【0035】
フィルタ116は、前述のように選択的な透過及び反射を行い、セル118は、フィルタ116を透過した光を受けて発電する。エミッタ112及び114を加熱した燃焼ガスは、排気ガス熱交換器入口130より熱交換器126に導かれて燃焼用空気を加熱した後、排気口132から装置外部に排出される。また、冷却水入口134から導入された冷却水が、セル118を冷却した後、冷却水出口136から排出されるように構成されている。
【0036】
この実施形態においても、前述した第一の実施形態における効果とほぼ同様の効果を得ることができる。
【0037】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、熱光発電装置においてエミッタの発光量の増加とエミッタの温度分布の均一化(即ち、各セル出力間の差の低減)とが図られ、発電効率の向上に寄与する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による熱光発電装置の一実施形態を示す断面図である。
【図2】燃焼ガスの流れを示す図である。
【図3】多孔質エミッタ及び緻密質エミッタの発光の様子を示す図である。
【図4】流路面積の均一化について説明するための図である。
【図5】本発明による熱光発電装置の他の実施形態を示す断面図である。
【符号の説明】
10…燃焼室
12…多孔質エミッタ
14…緻密質エミッタ
16…フィルタ
18…光電変換セル
20…ブロア
22…ブロアモータ
24…燃焼用空気入口
26…熱交換器
28…燃料ガス入口
30…熱交換器入口
31…混合室
32…排気口
34…冷却水入口
36…冷却水出口
110…燃焼室
112…多孔質エミッタ
114…緻密質エミッタ
116…フィルタ
118…光電変換セル
120…ブロア
124…燃焼用空気導入部
126…熱交換器
130…排気ガス熱交換器入口
132…排気口
134…冷却水入口
136…冷却水出口
150…燃料ガスパイプ
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱源から輻射される赤外光(赤外線、熱線ともいう)を光電変換素子(光電変換セル)にて電力に変換する熱光起電力変換(thermophotovoltaic energy conversion)により発電を行う熱光発電装置(TPVシステム)に関する。
【0002】
【従来の技術】
熱光発電装置では、エミッタ(輻射体)を加熱することにより、そのエミッタから一定の波長の赤外光を輻射させ、その赤外光を光電変換素子に入射させて電力に変換する。熱光発電装置は、可動部分を持たないため、低騒音・低振動システムを実現することができる。
【0003】
次世代のエネルギー源として、熱光発電は、クリーン性、静粛性などの点で優れている。エミッタを加熱するために、燃焼熱、太陽熱、原子核崩壊熱などが利用可能であるが、一般的には、ブタンなどのガス燃料や灯油などの液体燃料に代表される化石燃料の燃焼により発生する燃焼ガスがエミッタ加熱用に利用される。
【0004】
例えば、下記特許文献1には、燃料及びエアの供給を受けて燃料を燃焼させる燃焼器と、その燃焼器から発生する燃焼ガスが内部を通過することによって加熱される多孔質体エミッタと、そのエミッタからの輻射光を電力に変換する光電変換素子と、を備えるとともに、燃焼器の上側にエミッタを配置し、燃焼器の下側に光電変換セルを配置したことを特徴とする熱光発電装置が開示されている。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−319693号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
特開2002−319693号公報記載の技術のように、エミッタの一面からの発光が利用される場合には、略均一なエミッタ発光が得られるが、小型化を目的として、多面からの発光を利用する多面エミッタとした場合には、不均一な発光となるという問題がある。これは、燃焼器における火炎発生部位の分布や位置、エミッタ通過流路抵抗の不適合、燃焼ガス流量分布の不適合、等による。また、エミッタへの熱伝達量が小さいことや、高温ガスの逃げといった問題もある。
【0007】
エミッタ(発光部)の発光が不均一である場合には、複数の光電変換セル(受光部)に入射するエネルギー量が個々にばらつくため、各セルの発電量に差が生ずる。その結果として、セル間に発電量に応じた電流量の差が発生する。一方、複数の光電変換セルは一般に直列に接続されているため、総発電量は、「各セル発生電圧の和」×「最小発電量セルの電流」により決まる。したがって、ばらつきが大きいと、「最小発電量セルの電流」が小さくなり、結果として、電力変換効率が低下するという問題が生ずる。
【0008】
本発明は、上述した問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、エミッタの発光量の増加とエミッタの温度分布の均一化(即ち、各セル出力間の差の低減)とを図った熱光発電装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明によれば、燃料の燃焼により発生する燃焼ガスをガイドする緻密質エミッタと、前記緻密質エミッタとともに燃焼ガスの流路を形成しつつ燃焼ガスを透過させる多孔質エミッタと、前記緻密質エミッタの、前記多孔質エミッタの側と反対の側に配置された光電変換セルと、を具備することを特徴とする熱光発電装置が提供される。
【0010】
また、本発明によれば、前記緻密質エミッタと前記多孔質エミッタとの間及び前記多孔質エミッタの内部を通過した燃焼ガスが燃焼用空気を加熱するための熱交換器が更に具備される。
【0011】
また、本発明によれば、燃焼ガスの流路の抵抗が略等しくなるように前記多孔質エミッタの厚さ及び前記緻密質エミッタと前記多孔質エミッタとの間隔が調節される。
【0012】
また、本発明によれば、前記多孔質エミッタにおいて下流側の空孔粗さが上流側の空孔粗さに比較して細かくされる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
【0014】
図1は、本発明による熱光発電装置の一実施形態を示す断面図である。図1に示されるように、本実施形態においては、同心円上に装置内側より、円筒形の燃焼室10、円筒形の多孔質エミッタ12、有底円筒形の緻密質エミッタ14、有底円筒形のフィルタ16、及び複数個集まって有底円筒形を形成する光電変換セル18が配置された構造となっている。
【0015】
ブロア20がブロアモータ22によって駆動されることにより、燃焼用空気が、燃焼用空気入口24から導入され、フィルタ16とセル18との間を通過する。その際、燃焼用空気は、セル18を冷却することにより、セル18の温度上昇による光電変換効率の低下を防止する。
【0016】
その後、燃焼用空気は、熱交換器26に導かれ、その中の管を通過することにより、後述の如くエミッタ12及び14を加熱した後の燃焼ガスとの間で熱交換を行う。この熱交換により加熱された燃焼用空気は、燃料ガス入口28から導入された燃料ガスと混合室31にて混合される。
【0017】
その混合気は、燃焼室10の入口で点火され、燃焼室10の内部で燃焼する。その燃焼により発生した燃焼ガスは、図2に示されるように、多孔質エミッタ12と緻密質エミッタ14との間を通過しつつ多孔質エミッタ12の内部をも通過していく。
【0018】
高温の燃焼ガスが多孔質エミッタ12の内部を通過すると、多孔質エミッタ12は、熱を得て緻密質エミッタ14へ向けて発光する。緻密質エミッタ14は、多孔質エミッタ12からの発光熱を受け、温度が上昇し、フィルタ16及びセル18へ向けて発光する。
【0019】
フィルタ16は、緻密質エミッタ14からの光のうちセル18の光電変換に有効な波長成分のみを選択して透過せしめる一方、光電変換に寄与しない波長成分を緻密質エミッタ14の側へ反射して緻密質エミッタ14の加熱に寄与せしめる。セル18は、フィルタ16を透過した光を受けて発電する。
【0020】
エミッタ12及び14を加熱した燃焼ガスは、円周上均等に配置された熱交換器入口30より熱交換器26に導かれて前述の如く燃焼用空気を加熱した後、排気口32から装置外部に排出される。
【0021】
セル18は受光により温度が上昇して効率が低下するため、燃焼用空気による冷却に加えて冷却水による冷却が実施される。すなわち、冷却水入口34から導入された冷却水が、セル18の裏面側を通過することによりセル18を冷却した後、冷却水出口36から排出されるように構成されている。
【0022】
上述した実施形態においては、装置内側より、燃焼室10、多孔質エミッタ12、緻密質エミッタ14、フィルタ16及びセル18が配置され、温度のより高い部位の順となっている。すなわち、装置内側に高温部が配され、外側に低温部が置かれるため、装置自体が断熱構造となり、装置の熱効率が向上してエミッタの発光熱量が増加する。
【0023】
また、燃焼室10から排出される高温ガスは、緻密質エミッタ14によりガイドされるため、フィルタ16側に流れることがなく、外部への熱伝達(熱の逃げ)が抑制される。また、多孔質エミッタ12が、その内部に高温ガスが流れるように配されているため、熱交換面積を大きくとることができ、高温ガスから多くの熱を奪うことができる。
【0024】
さらに、フィルタ16は、燃焼ガスをガイドする必要がないため、緻密質エミッタ14が光電変換に有効な一定波長の光のみ放射する材料で構成される場合には、フィルタ16を省略することができ、コストの低減が図られる。
【0025】
また、本実施形態においては、図2に示されるように、燃焼室10から熱交換器入口30までの高温ガス流路の抵抗が略等しくなり、発光が均一となるように、多孔質エミッタ12の厚さ及び多孔質エミッタ12と緻密質エミッタ14との間隔が適正化されているため、多孔質エミッタ12の部位による流量のバラツキが抑えられている。
【0026】
すなわち、多孔質エミッタ12のどの部分を高温ガスが通過しても、その流路抵抗が定格出力状態にて一定となるようにされ、圧損及び流量が調整されることにより、発光量が略均一となるように構成されている。エミッタ12の部位によるガス流量が均一になる結果、高温ガスとエミッタ12との熱交換量が部位によらず均一になる。ひいては、エミッタの発光量が部位によることなく一定となり、セルごとの受光量及び出力のバラツキを小さくして装置の効率を向上させることができる。
【0027】
また、多孔質エミッタ12においては、下流側部分の空孔粗さが上流側部分の空孔粗さに比較して細かくされている。これは、下流側部分では燃焼ガスの温度が低くなるため、熱伝達面積が大きくなるようにしているためである。また、ガス流速の増大による熱交換量の増大も図られている。
【0028】
このように、エミッタ12及び14の各部表面温度がほぼ一定となるように、各発光表面の受けるエネルギー量が一定とされている。ガス温度が低くなる下流側エミッタ表面の流速が大きくなり、熱伝達率が向上することで、エミッタ発光量のバラツキが抑えられる。
【0029】
多孔質エミッタ12から緻密質エミッタ14への発光は、両者の温度差の4乗に比例する。そのため、図3に示されるように、緻密質エミッタ14の温度の低い部位に多孔質エミッタ12からの発光熱が与えられることとなり、緻密質エミッタ14において部位による温度のバラツキが小さくなる。その結果、緻密質エミッタ14からの発光量の部位によるバラツキが小さくなる。
【0030】
また、本実施形態においては、図4に示されるように、高温ガス流路の断面積が円周上で均等に配され、円周方向のガス流量の片寄りが無いように構成されている。
【0031】
図5は、本発明による熱光発電装置の他の実施形態を示す断面図である。本実施形態においては、装置内部に、円筒形を形成する複数個の光電変換セル118が配置され、それを囲む形で内側より、円筒形のフィルタ116、円筒形の緻密質エミッタ114、円筒形の多孔質エミッタ112が配置された構造となっている。そして、緻密質エミッタ114と多孔質エミッタ112との間に燃焼室110が形成される。
【0032】
ブロア120によって燃焼用空気導入部124から導入された燃焼用空気は、セル118とフィルタ116との間を通過してセル118を冷却した後、装置外側部分から熱交換器126に導かれ、エミッタ112及び114を加熱した後の燃焼ガスとの間で熱交換を行う。この熱交換により加熱された燃焼用空気は、燃料ガスパイプ150から供給される燃料ガスと混合される。
【0033】
その混合気は、燃焼室110の入口で点火され、燃焼室110の内部で燃焼する。その燃焼により発生した燃焼ガスは、緻密質エミッタ114と多孔質エミッタ112との間を通過しつつ多孔質エミッタ112の内部を通過していく。
【0034】
高温の燃焼ガスが多孔質エミッタ112の内部を通過すると、多孔質エミッタ112は、熱を得て緻密質エミッタ114へ向けて発光する。緻密質エミッタ114は、多孔質エミッタ112からの発光熱を受け、温度が上昇し、フィルタ116及びセル118へ向けて発光する。
【0035】
フィルタ116は、前述のように選択的な透過及び反射を行い、セル118は、フィルタ116を透過した光を受けて発電する。エミッタ112及び114を加熱した燃焼ガスは、排気ガス熱交換器入口130より熱交換器126に導かれて燃焼用空気を加熱した後、排気口132から装置外部に排出される。また、冷却水入口134から導入された冷却水が、セル118を冷却した後、冷却水出口136から排出されるように構成されている。
【0036】
この実施形態においても、前述した第一の実施形態における効果とほぼ同様の効果を得ることができる。
【0037】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、熱光発電装置においてエミッタの発光量の増加とエミッタの温度分布の均一化(即ち、各セル出力間の差の低減)とが図られ、発電効率の向上に寄与する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による熱光発電装置の一実施形態を示す断面図である。
【図2】燃焼ガスの流れを示す図である。
【図3】多孔質エミッタ及び緻密質エミッタの発光の様子を示す図である。
【図4】流路面積の均一化について説明するための図である。
【図5】本発明による熱光発電装置の他の実施形態を示す断面図である。
【符号の説明】
10…燃焼室
12…多孔質エミッタ
14…緻密質エミッタ
16…フィルタ
18…光電変換セル
20…ブロア
22…ブロアモータ
24…燃焼用空気入口
26…熱交換器
28…燃料ガス入口
30…熱交換器入口
31…混合室
32…排気口
34…冷却水入口
36…冷却水出口
110…燃焼室
112…多孔質エミッタ
114…緻密質エミッタ
116…フィルタ
118…光電変換セル
120…ブロア
124…燃焼用空気導入部
126…熱交換器
130…排気ガス熱交換器入口
132…排気口
134…冷却水入口
136…冷却水出口
150…燃料ガスパイプ
Claims (4)
- 燃料の燃焼により発生する燃焼ガスをガイドする緻密質エミッタと、前記緻密質エミッタとともに燃焼ガスの流路を形成しつつ燃焼ガスを透過させる多孔質エミッタと、前記緻密質エミッタの、前記多孔質エミッタの側と反対の側に配置された光電変換セルと、を具備することを特徴とする熱光発電装置。
- 前記緻密質エミッタと前記多孔質エミッタとの間及び前記多孔質エミッタの内部を通過した燃焼ガスが燃焼用空気を加熱するための熱交換器を更に具備する、請求項1に記載の熱光発電装置。
- 燃焼ガスの流路の抵抗が略等しくなるように前記多孔質エミッタの厚さ及び前記緻密質エミッタと前記多孔質エミッタとの間隔が調節されている、請求項1に記載の熱光発電装置。
- 前記多孔質エミッタにおいて下流側の空孔粗さが上流側の空孔粗さに比較して細かくされている、請求項1に記載の熱光発電装置。
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2016042749A1 (ja) * | 2014-09-18 | 2016-03-24 | 日本電気株式会社 | セラミックエミッタ |
-
2003
- 2003-06-04 JP JP2003159520A patent/JP2004363297A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
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WO2016042749A1 (ja) * | 2014-09-18 | 2016-03-24 | 日本電気株式会社 | セラミックエミッタ |
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