JP2004363006A - 固体電解質とこれを用いた燃料電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】プロトン電導性を有する固体電解質として経年変化が殆ど生じない長寿命で、高信頼性の固体電解質を提供すること、イオン電導性の向上により発電効率向上した燃料電池を提供することを目的とする。
【解決手段】水晶結晶に3価の元素、例えばアルミニウムを添加した固体電解質に水素極と酸素極とを形成し、水素供給源を水素極側に、酸素供給源を酸素極側にそれぞれ配置して両極間に電力を発生させることを特徴とする固体電解質型燃料電池。
【選択図】 図1
【解決手段】水晶結晶に3価の元素、例えばアルミニウムを添加した固体電解質に水素極と酸素極とを形成し、水素供給源を水素極側に、酸素供給源を酸素極側にそれぞれ配置して両極間に電力を発生させることを特徴とする固体電解質型燃料電池。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は固体電解質、特に1価イオン、例えば水素イオン(プロトン)を移動可能とした固体電解質およびこれを用いた燃料電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、地球環境に配慮したエネルギー源として燃料電池に注目が集まっており、実用化も進みつつある。
燃料電池としてりん酸型、溶融炭酸塩型、固体電解質型、固体高分子型など電解質の種類によって幾つかの方式があり研究が進められているが、固体電解質型燃料電池はメンテナンスフリーであること、高い発電効率が期待できるといった特徴を有する。
現在は、酸素イオン導電性のある固体電解質を用いた固体電解質型燃料電池の研究が盛んに進められている。
例えば、特開平5−326000号公報や特開平10−050329号公報には酸素イオン導電性のある固体電解質を用いた固体電解質型燃料電池について開示されている。
【0003】
図4は、固体電解質型燃料電池の原理構成を示す概略構成図である。この固体電解質型燃料電池101は、酸素イオン導電性のある固体電解質102の両主表面に酸素極 (カソード)103と水素極 (アノード)104をそれぞれ配設する。例えば、酸素極103としてペロブスカイトから成る多孔質の材料が用いられ、水素極104としてNi−YSZサーメットから成る多孔質の材料が用いられる。
酸素極103側の酸素供給室105に酸素ガスO2 もしくは空気を流し込むと、酸素極103で酸素分子は酸素電極によって酸素イオンO2− となる。次式にその反応式を示す。
1/2O2 + 2e− → O2− (1)
【0004】
酸素イオンO2− は酸素イオン電導性のある固体電解質102を拡散しながら水素極104に達する。水素極104側には水素ガスもしくは天然ガスなどの燃料ガスが燃料ガス供給室106に流し込まれていて、固体電解質102を通過してきた酸素イオンO2− は水素極104の燃料ガスと反応して水蒸気や二酸化炭素となって燃料ガス中に除去される。次式は酸素イオンが水素ガスと反応するときの反応式である。
H2 + O2− → H2 O + 2e− (2)
なお、固体電解質102には酸素イオンを通すが、電子には絶縁である物質が使用される。107は負荷であり、この負荷107はカソード103・アノード104間に接続される。
【0005】
現在は、前記固体電解質型燃料電池で使用される固体電解質の材料として、イットリウムなどの酸化物をジルコニアに固溶させて生成されたイットリア安定化ジルコニア(YSZ)を使用したものが主流となっている。
このYSZを使用した燃料電池の動作は約1000℃の高温となるために、固体電解質型燃料電池の構成材料には耐熱性のあるもの例えばセラミックス等の耐熱材料を使用する必要がある。
【0006】
ところが、(2)式から明らかなように水素ガスと酸素イオンとが反応して電気が発生するだけでなく、水素極104側に於いて水(H2 O)が生成される。
この水は、実際には水蒸気となって存在するため、燃料ガス供給室106内には未反応の水素ガスと水蒸気とが混在することになる。
この水蒸気が燃料ガス供給室106内に残留すると、水素ガスと酸素イオンとの反応が妨げられて発電効率が低下するという不具合を引き起こす。そのため、水素極104側に於いては生成された水分の排除が課題となっていた。
例えば、水素ガスと水蒸気との混合ガスを強制排気しつつ多量の水素ガスを供給することにより燃料ガス供給室106内を水素ガスがリッチの状態とすることができる。しかし、燃料として水素ガスを多量に蓄積しておくことは現在のところ困難であり現実的とは言えない。例えば、水素ガスと水蒸気との混合ガスから水素ガスと水蒸気とを分離して、水蒸気を廃棄し水素ガスのみを燃料ガス供給室106に還流するシステムを用いれば良いが、装置が複雑化するため小型化・低価格化といった市場のニーズに応えることが困難であった。
【0007】
上述したように酸素イオン電導性のある固体電解質に於いては、水素極側の水蒸気排除が課題となっている。これに対し、固体電解質として水素イオン(プロトン)電導性を有するものを用いた場合はそのような問題が生じない。
例えば、特開平5−234604号公報や特開2003−15299号公報にはプロトン電導性を有する固体電解質を用いた固体電解質型燃料電池について開示されている。
【0008】
図5は、プロトン電導性を有する固体電解質を用いた固体電解質型燃料電池の原理構成を示す概略構成図である。
この固体電解質型燃料電池201は、水素イオン導電性のある固体電解質202の両主表面に酸素極(カソード)203と水素極(アノード)204とをそれぞれ配設する。
例えば、特開2003−15299号公報に開示されたものは、固体電解質202としてパーフルオロスルホン酸ポリマー樹脂のような高分子電解質膜を、電極203,204としてカーボン粉末(カーボンブラック等)等よりなる導電性触媒担体と、この触媒担体に担持された貴金属(白金等)粒子等よりなる触媒活性物質と、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)等の含フッ素化合物等よりなる疎水性バインダとを構成成分とし、触媒担体上に触媒活性物質を担持してなる触媒担持カーボンが疎水性バインダ粒子に高分散された構造のものを用いている。
【0009】
水素極204側の水素ガス供給室206に水素ガスを流し込むと、水素極204で水素分子は水素極の触媒作用によって水素イオンH+ となる。次式にその反応式を示す。
H2→+ 2H++2e− (3)
水素イオンH+は水素イオン電導性のある固体電解質202を拡散しながら酸素極203に達する。固体電解質202を通過してきた水素イオンH+は酸素極204の触媒の助けを借りて酸素ガスと反応する。次式は酸素イオンが水素ガスと反応するときの反応式である。
2H++ 1/2O2 + 2e−→ H2 O (4)
なお、207は負荷であり、この負荷207はカソード203・アノード204間に接続される。
【0010】
同図から明らかなように、固体電解質としてプロトン電導性を有する固体電解質を用いることにより、燃料電池の酸素極203側に水(水蒸気)が生成され、水素極204側には水が生成されなくなる。つまり、水素ガス供給室206は外部から供給される水素ガスと、反応しきれずに残留した水素ガスとにより満たされているため、常に水素ガスがリッチの状態を維持することが可能となる。
このように、水素ガスと水蒸気とを分離する為の付加装置を必要としない、シンプルな構成の燃料電池を構成できるという点で酸素イオン電導性を有する固体電解質を用いる場合よりも優れている。
【特許文献1】特開平5−326000号公報
【特許文献2】特開平10−050329号公報
【特許文献3】特開2003−15299号公報
【特許文献4】特開平5−234604号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、プロトン電導性を有する固体電解質として一般的に用いられている高分子電解質膜は、素材として安定度に欠けており経年劣化が激しいという問題がある。更に酸素イオン電導性を有するYSZ等に比べて発電効率が低いという問題も抱えている。
これに対し、例えば、特開平5−234604号公報にはプロトン電導性を有する固体電解質としてBaCe1− XGdXO3−αのような焼結体を用いたものが開示されている。このようなプロトン電導性を有するセラミックの固体電解質についても研究が進められている。
【0012】
しかしながら、セラミック固体電解質は微細な原料粉末を押し固めて焼結したものであるからポーラス(多孔質)な材質といえる。イオン電導性を高めるためにその厚みを薄くすると水素イオンのみならず、例えば酸素ガスのように他の分子も通過するという不具合を生じる。
つまり、セラミック固体電解質の場合は薄型化に限界があり、イオン電導性、ひいては発電効率の向上を図るためには高温動作せざるを得ず、低温動作の要求に応えることができない。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、本発明の請求項1に係る発明は、水晶結晶に3価の元素を添加することにより1価イオンの移動を可能とした固体電解質である。
請求項2に係る発明は、水晶結晶にアルミニウムを添加することにより1価イオンの移動を可能とした固体電解質である。
請求項3に係る発明は、水晶結晶に3価の元素を添加した固体電解質に水素極と酸素極とを形成し、水素供給源を水素極側に、酸素供給源を酸素極側にそれぞれ配置して両極間に電力を発生させる固体電解質型燃料電池である。
請求項4に係る発明は、水晶結晶にアルミニウムを添加した固体電解質に水素極と酸素極とを形成し、水素供給源を水素極側に、酸素供給源を酸素極側にそれぞれ配置して両極間に電力を発生させる固体電解質型燃料電池である。
請求項5に係る発明は、所定の温度、圧力を加えて人工水晶を育成する水熱合成法に於いて、添加材として水酸化アルミニウムもしくは炭酸アルミニウムを加えることにより、1価イオンの移動を可能とした固体電解質として機能する水晶結晶を育成する固体電解質の製造方法である。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態例と添付図面により本発明を詳細に説明する。なお、複数の図面に同じ要素を示す場合には同一の参照符号を付ける。
【0015】
図1は本発明に係る固体電解質型燃料電池の概略構成図である。
この固体電解質型燃料電池1は、水素イオン導電性のある固体電解質2の両主表面に酸素極(カソード)3と水素極(アノード)4とをそれぞれ配設したものを備えており、固体電解質2として水晶の単結晶板を用いたところが最大の特徴である。電極3,4の材質としては、従来より周知のものをそのまま適用することができる。
【0016】
水素極4側の水素ガス供給室6に水素ガスを流し込むと、水素極4で水素分子は水素極の触媒作用によって水素イオンH+ となる。その反応式は従来の(3)式と同じである。
水素イオンH+は水素イオン電導性のある固体電解質2を拡散しながら酸素極3に達する。固体電解質2を通過してきた水素イオンH+は酸素極4の触媒の助けを借りて酸素ガスと反応する。酸素イオンが水素ガスと反応するときの反応式は従来の(4)式と同じである。
【0017】
なお、7は負荷であり、この負荷7はカソード3・アノード4間に接続される。
同図から明らかなように、固体電解質2としてプロトン電導性を有する固体電解質を用いることにより、燃料電池の水素極4側には水(水蒸気)が生成されず酸素供給室5側にのみ水が生成されることになる。つまり、水素ガス供給室6は外部から供給される水素ガスと、反応しきれずに残留した水素ガスにより満たされているため、常に水素ガスがリッチの状態を維持することが可能となる。酸素供給室5側で発生した水は反応後に残留した酸素ガス(空気)と共に廃棄すればよく、酸素ガスは大気(空気)から容易に調達できるので動作上の問題は全く生じない。
このように、水素ガスと水蒸気とを分離する為の付加装置を必要としない、シンプルな構成の燃料電池を構成できるという点で酸素イオン電導性を有する固体電解質を用いる場合よりも優れている。
【0018】
本発明はプロトン電導性を有する固体電解質として水晶の単結晶板を用いたところに特徴がある。
ここで水晶結晶について簡単に説明しておく。
水晶の組成は周知の通りSiO2である。但し、同じ組成(SiO2)を有する石英等とは異なり三方晶系の結晶構造を有するという特徴がある。
水晶の結晶構造は、4価のSi(珪素)から延びる4本の「腕」に対して、2価のO(酸素)から延びる2本の「腕」の1方が結合した(SiO4の四面体)ものを基本構造としてらせん体を形成しており、このらせん体同士の連結により三方晶系となっている。そして、結果として六角柱状の結晶が析出することになる。
図2は水晶結晶(左水晶)の外観図であり、六角柱の中心軸はZ軸と称されている。
【0019】
上述したように、水晶結晶はらせん体を連結した構造を有するため、結晶中に微少な「空隙」を必然的に含むことになり、その最大径は約3オングストロームとも言われている。そして、この空隙はZ軸方向に連続して存在して空洞になっているため、直進する光が複屈折を起こさずに自由に通過することができる。それ故このZ軸のことを光学軸(c軸)と呼んでいる。
【0020】
これまで、水晶結晶は圧電性を有することから、電気−機械変換機能を利用した振動子やフィルタなどの振動デバイスとして広く用いられてきた。また、上述した光学的な特性を利用した光学デバイスとしても利用されてきた。
更に、水晶結晶が三方晶系の極めて安定した物質であることから、工業的には経年変化に優れたデバイスとして広く認識されていることは周知の通りである。
【0021】
本発明は、この水晶結晶をこれまでの振動デバイスや光学デバイスといった用途ではなく、プロトン電導性を有する固体電解質として用いるという全く新しい技術分野を開拓するものである。
図3は、本発明に係るプロトン電導性を有する固体電解質として機能する水晶結晶を製造するための装置「オートクレーブ」の構造を示す断面図である。
【0022】
人工水晶は、特殊鋼製の細長いオートクレーブ(高温高圧容器)8を用いて水熱温度差法により育成される。
オートクレーブ8の内部には対流制御板(バッフル)9が配置されており、これを境にして下方に原料水晶(ラスカ)10を充填し、対流制御板9の上方には種子水晶11を吊下しておく。
そして、オートクレーブ8の内側に適量のアルカリ溶液12、例えば水酸化ナトリウム溶液や炭酸ナトリウム溶液等を加えた後に密封する。
オートクレーブ8の外側を包囲するように電気炉13が配置されており、密封したオートクレーブ8を加熱する。すると、加熱によりオートクレーブ8の内圧が高まることとなる。
【0023】
このとき、オートクレーブ8の温度を上部を低く、下部を高く保持することにより、内部のアルカリ溶液12は自然対流を起こす。
原料水晶10はアルカリ溶液12に溶け出し、そのアルカリ溶液12が対流によって上部に移動すると、アルカリ溶液12は冷えて過飽和状態となり、種子水晶11上に析出成長することになる。種子水晶11の成長は原料水晶が無くなるまで継続する。
【0024】
本発明に係るプロトン電導性を有する水晶結晶を得るために、水晶(SiO2)を構成するSi(4価)の一部を3価の元素、例えばAl(アルミニウム)に置換する如く添加するのである。
実際には、予めアルカリ溶液12の中に、水酸化アルミ或いは炭酸アルミといったアルミ化合物を溶解しておくことで、オートクレーブ内で育成される水晶結晶にアルミニウムを添加することができる。
【0025】
このような方法で、水晶結晶を育成すると、本来は4価の元素であるSiが存在すべき位置に3価の元素であるアルミニウム等が存在するするため、前述したSiO4の四面体を構成する酸素の「腕」が1本余ってしまう。
この余った1本の「腕」がプロトンH+を伝搬する足掛かりとなり、プロトンは散在する「腕」を伝って水晶結晶内を移動することになる。
即ち、水晶結晶がプロトン電導性を有する固体電解質として機能することになるのである。
【0026】
更に上述したように、水晶結晶は三方晶系の結晶構造を有し、その内部には微少な空隙を備えているため、この空隙がプロトンの移動通路として機能し、高い伝導性を備えた固体電解質として機能する。特に、空隙が連続して空洞を形成しているZ軸方向をプロトンが移動するように構成することが望ましい。
また、水晶結晶はセラミックに比べて研磨による加工がし易く、水晶振動子などでは数十μmの厚みの水晶基板加工を実現している。更に、特開平06−334461に開示されている様に、エッチングの手法により水晶基板の板厚を数μmまで加工することも可能である。
プロトン電導性は、固体電解質を薄板化することにより向上するから、薄板加工に適した水晶製の固体電解質は、600℃以下の低温度の環境でも高いプロトン電導率を呈するのである。
【0027】
尚、前述した空隙は極めて微少であるから、水晶基板の板厚を薄肉に加工したとしても、燃料電池を構成したときに酸素極側の空気に含まれる酸素分子や窒素分子などが透過することは不可能である。
従って、水素極側から酸素極側にプロトンのみが高効率で移動する極めて優秀な燃料電池を実現することができるのである。
【0028】
以上、本発明を実施例に基づいて説明したが、本発明はこれのみに限定されるものではなく、水晶に添加する元素としてはアルミニウム以外の3価の元素であっても同様にプロトン電導率の高い固体電解質を実現することが可能である。
また、水晶に2価の元素をSiと置換する如く添加すれば、2価イオン伝導体として機能する固体電解質を実現することも可能であろう。
さらに、水晶結晶を用いた固体電解質を燃料電池に適用した事例を示したが、水素ガス分離装置、水素センサ、水素製造装置などへの応用も可能であることは言うまでもない。
【0029】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は、一般的に用いられている高分子電解質膜よりも安定した結晶構造を有する水晶結晶であるから、経年変化が殆ど生じない長寿命で、高信頼性の固体電解質を提供する上で著しい効果がある。
また、プロトン以外のガス成分に対する遮蔽性を備えているので、イオン電導性の向上、燃料電池に適用した場合の発電効率向上のために薄板加工してもよく、低温動作の要求に応えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る固体電解質型燃料電池の概略構成図。
【図2】水晶結晶(左水晶)の外観図。
【図3】水晶結晶を製造するためのオートクレーブの構造を示す断面図。
【図4】固体電解質型燃料電池の原理構成を示す概略構成図。
【図5】プロトン電導固体電解質型燃料電池の原理構成を示す概略構成図。
【符号の説明】1・・・固体電解質型燃料電池、2・・・固体電解質、3・・・酸素極(カソード)、4・・・水素極(アノード)
【発明の属する技術分野】
本発明は固体電解質、特に1価イオン、例えば水素イオン(プロトン)を移動可能とした固体電解質およびこれを用いた燃料電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、地球環境に配慮したエネルギー源として燃料電池に注目が集まっており、実用化も進みつつある。
燃料電池としてりん酸型、溶融炭酸塩型、固体電解質型、固体高分子型など電解質の種類によって幾つかの方式があり研究が進められているが、固体電解質型燃料電池はメンテナンスフリーであること、高い発電効率が期待できるといった特徴を有する。
現在は、酸素イオン導電性のある固体電解質を用いた固体電解質型燃料電池の研究が盛んに進められている。
例えば、特開平5−326000号公報や特開平10−050329号公報には酸素イオン導電性のある固体電解質を用いた固体電解質型燃料電池について開示されている。
【0003】
図4は、固体電解質型燃料電池の原理構成を示す概略構成図である。この固体電解質型燃料電池101は、酸素イオン導電性のある固体電解質102の両主表面に酸素極 (カソード)103と水素極 (アノード)104をそれぞれ配設する。例えば、酸素極103としてペロブスカイトから成る多孔質の材料が用いられ、水素極104としてNi−YSZサーメットから成る多孔質の材料が用いられる。
酸素極103側の酸素供給室105に酸素ガスO2 もしくは空気を流し込むと、酸素極103で酸素分子は酸素電極によって酸素イオンO2− となる。次式にその反応式を示す。
1/2O2 + 2e− → O2− (1)
【0004】
酸素イオンO2− は酸素イオン電導性のある固体電解質102を拡散しながら水素極104に達する。水素極104側には水素ガスもしくは天然ガスなどの燃料ガスが燃料ガス供給室106に流し込まれていて、固体電解質102を通過してきた酸素イオンO2− は水素極104の燃料ガスと反応して水蒸気や二酸化炭素となって燃料ガス中に除去される。次式は酸素イオンが水素ガスと反応するときの反応式である。
H2 + O2− → H2 O + 2e− (2)
なお、固体電解質102には酸素イオンを通すが、電子には絶縁である物質が使用される。107は負荷であり、この負荷107はカソード103・アノード104間に接続される。
【0005】
現在は、前記固体電解質型燃料電池で使用される固体電解質の材料として、イットリウムなどの酸化物をジルコニアに固溶させて生成されたイットリア安定化ジルコニア(YSZ)を使用したものが主流となっている。
このYSZを使用した燃料電池の動作は約1000℃の高温となるために、固体電解質型燃料電池の構成材料には耐熱性のあるもの例えばセラミックス等の耐熱材料を使用する必要がある。
【0006】
ところが、(2)式から明らかなように水素ガスと酸素イオンとが反応して電気が発生するだけでなく、水素極104側に於いて水(H2 O)が生成される。
この水は、実際には水蒸気となって存在するため、燃料ガス供給室106内には未反応の水素ガスと水蒸気とが混在することになる。
この水蒸気が燃料ガス供給室106内に残留すると、水素ガスと酸素イオンとの反応が妨げられて発電効率が低下するという不具合を引き起こす。そのため、水素極104側に於いては生成された水分の排除が課題となっていた。
例えば、水素ガスと水蒸気との混合ガスを強制排気しつつ多量の水素ガスを供給することにより燃料ガス供給室106内を水素ガスがリッチの状態とすることができる。しかし、燃料として水素ガスを多量に蓄積しておくことは現在のところ困難であり現実的とは言えない。例えば、水素ガスと水蒸気との混合ガスから水素ガスと水蒸気とを分離して、水蒸気を廃棄し水素ガスのみを燃料ガス供給室106に還流するシステムを用いれば良いが、装置が複雑化するため小型化・低価格化といった市場のニーズに応えることが困難であった。
【0007】
上述したように酸素イオン電導性のある固体電解質に於いては、水素極側の水蒸気排除が課題となっている。これに対し、固体電解質として水素イオン(プロトン)電導性を有するものを用いた場合はそのような問題が生じない。
例えば、特開平5−234604号公報や特開2003−15299号公報にはプロトン電導性を有する固体電解質を用いた固体電解質型燃料電池について開示されている。
【0008】
図5は、プロトン電導性を有する固体電解質を用いた固体電解質型燃料電池の原理構成を示す概略構成図である。
この固体電解質型燃料電池201は、水素イオン導電性のある固体電解質202の両主表面に酸素極(カソード)203と水素極(アノード)204とをそれぞれ配設する。
例えば、特開2003−15299号公報に開示されたものは、固体電解質202としてパーフルオロスルホン酸ポリマー樹脂のような高分子電解質膜を、電極203,204としてカーボン粉末(カーボンブラック等)等よりなる導電性触媒担体と、この触媒担体に担持された貴金属(白金等)粒子等よりなる触媒活性物質と、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)等の含フッ素化合物等よりなる疎水性バインダとを構成成分とし、触媒担体上に触媒活性物質を担持してなる触媒担持カーボンが疎水性バインダ粒子に高分散された構造のものを用いている。
【0009】
水素極204側の水素ガス供給室206に水素ガスを流し込むと、水素極204で水素分子は水素極の触媒作用によって水素イオンH+ となる。次式にその反応式を示す。
H2→+ 2H++2e− (3)
水素イオンH+は水素イオン電導性のある固体電解質202を拡散しながら酸素極203に達する。固体電解質202を通過してきた水素イオンH+は酸素極204の触媒の助けを借りて酸素ガスと反応する。次式は酸素イオンが水素ガスと反応するときの反応式である。
2H++ 1/2O2 + 2e−→ H2 O (4)
なお、207は負荷であり、この負荷207はカソード203・アノード204間に接続される。
【0010】
同図から明らかなように、固体電解質としてプロトン電導性を有する固体電解質を用いることにより、燃料電池の酸素極203側に水(水蒸気)が生成され、水素極204側には水が生成されなくなる。つまり、水素ガス供給室206は外部から供給される水素ガスと、反応しきれずに残留した水素ガスとにより満たされているため、常に水素ガスがリッチの状態を維持することが可能となる。
このように、水素ガスと水蒸気とを分離する為の付加装置を必要としない、シンプルな構成の燃料電池を構成できるという点で酸素イオン電導性を有する固体電解質を用いる場合よりも優れている。
【特許文献1】特開平5−326000号公報
【特許文献2】特開平10−050329号公報
【特許文献3】特開2003−15299号公報
【特許文献4】特開平5−234604号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、プロトン電導性を有する固体電解質として一般的に用いられている高分子電解質膜は、素材として安定度に欠けており経年劣化が激しいという問題がある。更に酸素イオン電導性を有するYSZ等に比べて発電効率が低いという問題も抱えている。
これに対し、例えば、特開平5−234604号公報にはプロトン電導性を有する固体電解質としてBaCe1− XGdXO3−αのような焼結体を用いたものが開示されている。このようなプロトン電導性を有するセラミックの固体電解質についても研究が進められている。
【0012】
しかしながら、セラミック固体電解質は微細な原料粉末を押し固めて焼結したものであるからポーラス(多孔質)な材質といえる。イオン電導性を高めるためにその厚みを薄くすると水素イオンのみならず、例えば酸素ガスのように他の分子も通過するという不具合を生じる。
つまり、セラミック固体電解質の場合は薄型化に限界があり、イオン電導性、ひいては発電効率の向上を図るためには高温動作せざるを得ず、低温動作の要求に応えることができない。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、本発明の請求項1に係る発明は、水晶結晶に3価の元素を添加することにより1価イオンの移動を可能とした固体電解質である。
請求項2に係る発明は、水晶結晶にアルミニウムを添加することにより1価イオンの移動を可能とした固体電解質である。
請求項3に係る発明は、水晶結晶に3価の元素を添加した固体電解質に水素極と酸素極とを形成し、水素供給源を水素極側に、酸素供給源を酸素極側にそれぞれ配置して両極間に電力を発生させる固体電解質型燃料電池である。
請求項4に係る発明は、水晶結晶にアルミニウムを添加した固体電解質に水素極と酸素極とを形成し、水素供給源を水素極側に、酸素供給源を酸素極側にそれぞれ配置して両極間に電力を発生させる固体電解質型燃料電池である。
請求項5に係る発明は、所定の温度、圧力を加えて人工水晶を育成する水熱合成法に於いて、添加材として水酸化アルミニウムもしくは炭酸アルミニウムを加えることにより、1価イオンの移動を可能とした固体電解質として機能する水晶結晶を育成する固体電解質の製造方法である。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態例と添付図面により本発明を詳細に説明する。なお、複数の図面に同じ要素を示す場合には同一の参照符号を付ける。
【0015】
図1は本発明に係る固体電解質型燃料電池の概略構成図である。
この固体電解質型燃料電池1は、水素イオン導電性のある固体電解質2の両主表面に酸素極(カソード)3と水素極(アノード)4とをそれぞれ配設したものを備えており、固体電解質2として水晶の単結晶板を用いたところが最大の特徴である。電極3,4の材質としては、従来より周知のものをそのまま適用することができる。
【0016】
水素極4側の水素ガス供給室6に水素ガスを流し込むと、水素極4で水素分子は水素極の触媒作用によって水素イオンH+ となる。その反応式は従来の(3)式と同じである。
水素イオンH+は水素イオン電導性のある固体電解質2を拡散しながら酸素極3に達する。固体電解質2を通過してきた水素イオンH+は酸素極4の触媒の助けを借りて酸素ガスと反応する。酸素イオンが水素ガスと反応するときの反応式は従来の(4)式と同じである。
【0017】
なお、7は負荷であり、この負荷7はカソード3・アノード4間に接続される。
同図から明らかなように、固体電解質2としてプロトン電導性を有する固体電解質を用いることにより、燃料電池の水素極4側には水(水蒸気)が生成されず酸素供給室5側にのみ水が生成されることになる。つまり、水素ガス供給室6は外部から供給される水素ガスと、反応しきれずに残留した水素ガスにより満たされているため、常に水素ガスがリッチの状態を維持することが可能となる。酸素供給室5側で発生した水は反応後に残留した酸素ガス(空気)と共に廃棄すればよく、酸素ガスは大気(空気)から容易に調達できるので動作上の問題は全く生じない。
このように、水素ガスと水蒸気とを分離する為の付加装置を必要としない、シンプルな構成の燃料電池を構成できるという点で酸素イオン電導性を有する固体電解質を用いる場合よりも優れている。
【0018】
本発明はプロトン電導性を有する固体電解質として水晶の単結晶板を用いたところに特徴がある。
ここで水晶結晶について簡単に説明しておく。
水晶の組成は周知の通りSiO2である。但し、同じ組成(SiO2)を有する石英等とは異なり三方晶系の結晶構造を有するという特徴がある。
水晶の結晶構造は、4価のSi(珪素)から延びる4本の「腕」に対して、2価のO(酸素)から延びる2本の「腕」の1方が結合した(SiO4の四面体)ものを基本構造としてらせん体を形成しており、このらせん体同士の連結により三方晶系となっている。そして、結果として六角柱状の結晶が析出することになる。
図2は水晶結晶(左水晶)の外観図であり、六角柱の中心軸はZ軸と称されている。
【0019】
上述したように、水晶結晶はらせん体を連結した構造を有するため、結晶中に微少な「空隙」を必然的に含むことになり、その最大径は約3オングストロームとも言われている。そして、この空隙はZ軸方向に連続して存在して空洞になっているため、直進する光が複屈折を起こさずに自由に通過することができる。それ故このZ軸のことを光学軸(c軸)と呼んでいる。
【0020】
これまで、水晶結晶は圧電性を有することから、電気−機械変換機能を利用した振動子やフィルタなどの振動デバイスとして広く用いられてきた。また、上述した光学的な特性を利用した光学デバイスとしても利用されてきた。
更に、水晶結晶が三方晶系の極めて安定した物質であることから、工業的には経年変化に優れたデバイスとして広く認識されていることは周知の通りである。
【0021】
本発明は、この水晶結晶をこれまでの振動デバイスや光学デバイスといった用途ではなく、プロトン電導性を有する固体電解質として用いるという全く新しい技術分野を開拓するものである。
図3は、本発明に係るプロトン電導性を有する固体電解質として機能する水晶結晶を製造するための装置「オートクレーブ」の構造を示す断面図である。
【0022】
人工水晶は、特殊鋼製の細長いオートクレーブ(高温高圧容器)8を用いて水熱温度差法により育成される。
オートクレーブ8の内部には対流制御板(バッフル)9が配置されており、これを境にして下方に原料水晶(ラスカ)10を充填し、対流制御板9の上方には種子水晶11を吊下しておく。
そして、オートクレーブ8の内側に適量のアルカリ溶液12、例えば水酸化ナトリウム溶液や炭酸ナトリウム溶液等を加えた後に密封する。
オートクレーブ8の外側を包囲するように電気炉13が配置されており、密封したオートクレーブ8を加熱する。すると、加熱によりオートクレーブ8の内圧が高まることとなる。
【0023】
このとき、オートクレーブ8の温度を上部を低く、下部を高く保持することにより、内部のアルカリ溶液12は自然対流を起こす。
原料水晶10はアルカリ溶液12に溶け出し、そのアルカリ溶液12が対流によって上部に移動すると、アルカリ溶液12は冷えて過飽和状態となり、種子水晶11上に析出成長することになる。種子水晶11の成長は原料水晶が無くなるまで継続する。
【0024】
本発明に係るプロトン電導性を有する水晶結晶を得るために、水晶(SiO2)を構成するSi(4価)の一部を3価の元素、例えばAl(アルミニウム)に置換する如く添加するのである。
実際には、予めアルカリ溶液12の中に、水酸化アルミ或いは炭酸アルミといったアルミ化合物を溶解しておくことで、オートクレーブ内で育成される水晶結晶にアルミニウムを添加することができる。
【0025】
このような方法で、水晶結晶を育成すると、本来は4価の元素であるSiが存在すべき位置に3価の元素であるアルミニウム等が存在するするため、前述したSiO4の四面体を構成する酸素の「腕」が1本余ってしまう。
この余った1本の「腕」がプロトンH+を伝搬する足掛かりとなり、プロトンは散在する「腕」を伝って水晶結晶内を移動することになる。
即ち、水晶結晶がプロトン電導性を有する固体電解質として機能することになるのである。
【0026】
更に上述したように、水晶結晶は三方晶系の結晶構造を有し、その内部には微少な空隙を備えているため、この空隙がプロトンの移動通路として機能し、高い伝導性を備えた固体電解質として機能する。特に、空隙が連続して空洞を形成しているZ軸方向をプロトンが移動するように構成することが望ましい。
また、水晶結晶はセラミックに比べて研磨による加工がし易く、水晶振動子などでは数十μmの厚みの水晶基板加工を実現している。更に、特開平06−334461に開示されている様に、エッチングの手法により水晶基板の板厚を数μmまで加工することも可能である。
プロトン電導性は、固体電解質を薄板化することにより向上するから、薄板加工に適した水晶製の固体電解質は、600℃以下の低温度の環境でも高いプロトン電導率を呈するのである。
【0027】
尚、前述した空隙は極めて微少であるから、水晶基板の板厚を薄肉に加工したとしても、燃料電池を構成したときに酸素極側の空気に含まれる酸素分子や窒素分子などが透過することは不可能である。
従って、水素極側から酸素極側にプロトンのみが高効率で移動する極めて優秀な燃料電池を実現することができるのである。
【0028】
以上、本発明を実施例に基づいて説明したが、本発明はこれのみに限定されるものではなく、水晶に添加する元素としてはアルミニウム以外の3価の元素であっても同様にプロトン電導率の高い固体電解質を実現することが可能である。
また、水晶に2価の元素をSiと置換する如く添加すれば、2価イオン伝導体として機能する固体電解質を実現することも可能であろう。
さらに、水晶結晶を用いた固体電解質を燃料電池に適用した事例を示したが、水素ガス分離装置、水素センサ、水素製造装置などへの応用も可能であることは言うまでもない。
【0029】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は、一般的に用いられている高分子電解質膜よりも安定した結晶構造を有する水晶結晶であるから、経年変化が殆ど生じない長寿命で、高信頼性の固体電解質を提供する上で著しい効果がある。
また、プロトン以外のガス成分に対する遮蔽性を備えているので、イオン電導性の向上、燃料電池に適用した場合の発電効率向上のために薄板加工してもよく、低温動作の要求に応えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る固体電解質型燃料電池の概略構成図。
【図2】水晶結晶(左水晶)の外観図。
【図3】水晶結晶を製造するためのオートクレーブの構造を示す断面図。
【図4】固体電解質型燃料電池の原理構成を示す概略構成図。
【図5】プロトン電導固体電解質型燃料電池の原理構成を示す概略構成図。
【符号の説明】1・・・固体電解質型燃料電池、2・・・固体電解質、3・・・酸素極(カソード)、4・・・水素極(アノード)
Claims (5)
- 水晶結晶に3価の元素を添加することにより1価イオンの移動を可能としたことを特徴とする固体電解質。
- 水晶結晶にアルミニウムを添加することにより1価イオンの移動を可能としたことを特徴とする固体電解質。
- 水晶結晶に3価の元素を添加した固体電解質に水素極と酸素極とを形成し、水素供給源を水素極側に、酸素供給源を酸素極側にそれぞれ配置して両極間に電力を発生させることを特徴とする固体電解質型燃料電池。
- 水晶結晶にアルミニウムを添加した固体電解質に水素極と酸素極とを形成し、水素供給源を水素極側に、酸素供給源を酸素極側にそれぞれ配置して両極間に電力を発生させることを特徴とする固体電解質型燃料電池。
- 所定の温度、圧力を加えて人工水晶を育成する水熱合成法に於いて、水酸化アルミニウムもしくは炭酸アルミニウムなどのアルミニウムイオンを含む添加剤を加えることにより、1価イオンの移動を可能とした固体電解質として機能する水晶結晶を育成することを特徴とする固体電解質の製造方法。
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JP2003161711A JP2004363006A (ja) | 2003-06-06 | 2003-06-06 | 固体電解質とこれを用いた燃料電池 |
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JP2016124783A (ja) * | 2014-12-26 | 2016-07-11 | 株式会社半導体エネルギー研究所 | 珪素酸化物及び蓄電池 |
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