JP2004362441A - 2次元データを用いて印刷物をシミュレーションする方法及びその装置 - Google Patents

2次元データを用いて印刷物をシミュレーションする方法及びその装置 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、2次元データを基にして、3DCGの技術を用いて、印刷物をシミュレーションする方法及びその装置である。
【解決手段】2次元データを取得する手段と、前記2次元データから3次元印刷画線モデルを作成する手段と、任意の設計値に基づいて3次元印刷基材モデルを作成する手段と、前記3次元印刷画線モデルと前記3次元印刷基材モデルに属性パラメータを生成する手段と、前記3次元印刷基材モデルと前記3次元印刷画線モデルに対する撮影パラメータを生成する手段と、前記撮影パラメータに基づき、前記3次元印刷画線モデルと前記3次元印刷基材モデルをレンダリングし、3次元画像を生成する手段と、前記生成された3次元画像を表示する手段を有することを特徴とする2次元データを用いて印刷物をシミュレーションする方法である。
【選択図】 図12

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、2次元データを基にして、3DCG(3次元コンピュータグラフィックス)の技術を用いて印刷物の3次元モデルを生成し、印刷物をシミュレーションする方法及びその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
銀行券や証券の印刷に用いられている凹版印刷版を作製するには、熟練した彫刻者が彫刻刀を使って鋼版に彫り付ける手彫り彫刻と、彩紋模様等自動彩紋彫刻機の歯車を変えることにより、バラエティに富んだ雲型やらせん状の彩紋模様を機械彫刻する方法と、描画模様をフィルム撮影してこのフィルムにレジストを塗布した銅版基材の表面に密着させ露光、現像しその後腐食液にて金属を腐食することにより凸状印刷画線を得る方法がある。
【0003】
また、彫刻された凹版原版から印刷に適する刷版を作製するには、多面化や電気化学的な手法である電鋳といわれる複雑な複製工程を経て印刷に供する印刷版を得、さらに耐磨耗性を与えるために表面にクロムめっき処理を施す。このようにして完成した印刷用版面を印刷機に取り付け凹版インキを提供して印刷して初めて3次元構造をもつ凹版印刷物を得るため、凹版印刷版、凹版印刷物の作製には極めて多くの時間、手間、コストがかかる。このため、多くのサンプルを作製することは難しかった。また、凹版印刷版作製時には画線の幅や高さ等を途中工程において変更することが極めて難しかった。
【0004】
模様を基材表面に彫刻する方法、特に凹版版面の作製方法においては、基材表面に複数の線で限定された少なくとも1部の領域が定められ、その一部の領域の縁が所望の輪郭を定め、輪郭の内側に位置する工具軌道が領域の内側に所望の軌道及び彫版工具の食い込み深さを決定する所望深さから決定されて彫刻するエンボスプレートの作成方法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】
特表2000−512231号公報参照(第1−14頁、第1−11図)
【0006】
また、本出願人は、2次元平面上に自由曲線で表現された線画模様と、濃淡で表現された任意のビットマップ画像とを個別に描き、それら線画模様とビットマップ画像とを重ね合わせて、彫刻工具軌跡と彫刻工具の深度を決定する線画模様の直刻方法を開示している(例えば、特許文献2参照)。
【0007】
【特許文献2】
特開平10−58282号公報参照(第2−4頁、第1−2図)
【0008】
更に、本出願人は、線画模様をビットマップデータとして入力した後、種々の変換作用を施して彫刻データを作成し、該データに基づき金属等の基材上に先端形状の異なる複数のバイトを使用して凸状印刷画線を彫刻する彫刻された線画模様形成体及び彫刻方法を開示している(例えば、特許文献3参照)。
【0009】
【特許文献3】
特開2000−263374号公報参照(第5−8頁、第1−11図)
【0010】
このように、コンピュータを用いて凸状印刷画線をデジタルデータの形で生成したり、またそのデジタルデータを利用した機械彫刻法等がいくつか提案されてきている。これは、デザインの原画等がDTP(Desk Top Publishing)環境で作成され、デジタルデータの形で工程間のやりとりが行われるようになってきたことが背景にある。
【0011】
凹版印刷画線を利用した偽造防止技術又は、印刷画線と凹凸基材を利用した偽造防止技術について言えば、銀行券、株券、有価証券、通行券、カード等の偽造、変造を防止する必要性のある貴重印刷物に用いられており、貴重印刷物を傾けて観察することにより潜像画像を視認できるようにして真偽判別を行う技術は公知である。
【0012】
潜像凹版と言われているもので、凹版印刷された3次元的模様の均一なディメンションを有する像配列と、バックグランド配列の一方が他方のディメンションとは異なるように構成された種類や、像配列とバックグランド配列における線の向きが異なることによりマークが現われ又消えるように構成された書類の作成方法が開示されている(例えば、特許文献4参照)。
【0013】
【特許文献4】
特公昭56−19273号公報参照(第1頁、第1−15図)
【0014】
印刷素材に、部分的に角度を異にすることによって図柄を表した各種万線模様、又はレリーフ模様、又は双方の模様のいずれかを印刷素材と同色又は近似した色のインキによって隆起した印刷を施し、該印刷画線上に一定な間隔を持つ各種万線画線又は網点画線、又は双方の画線のいずれかを該印刷画線の色及び無色透明以外の異なった他の有色のインキによって該印刷画線に対して平行又は傾斜を持たせて印刷することによって、正面から観察すると、該一定な間隔を持つ各種万線画線又は網点画線、又は双方の画線のいずれかのみが確認でき、斜めの方向から観察すると、該隆起した印刷画線と該一定な間隔を持つ印刷画線との間に生じる一定でない位置関係によって、該隆起した画線によって構成した図柄が容易に確認でき、逆の斜めの方向から観察すると、図柄の明暗が反転して確認できることを特徴とする潜像印刷物が開示されている(例えば、特許文献5参照)。
【0015】
【特許文献5】
第2600094号公報参照(第3−5頁、第1−10図)
【0016】
部分的に角度を異にすることによって図柄を表した各種万線模様、又はレリーフ模様、又は双方の模様のいずれかのエンボスによって形成された凹凸形状を有する素材に、素材の色及び無色透明以外の異なった他の色のインキによって、一定な間隔を持つ各種万線画線、又は網点画線、又は双方の画線のいずれかを前述の凹凸形状の図柄以外の部分を構成する部分に対して平行又は傾斜を持たせて印刷することによって、正面から観察すると、該一定の間隔の直線で構成された各種万線画線、又は網点画線、又は双方の画線のいずれかのみが確認でき、斜めの方向から観察すると、該凹凸形状と、該一定な間隔を持つ印刷画線との間に生じる一定でない位置関係によって、該凹凸形状によって形成された図柄が容易に確認でき、逆の斜めの方向から観察すると、図柄の明暗が反転して確認できることを特徴とする潜像模様形成体が開示されている(例えば、特許文献6参照)。
【0017】
【特許文献6】
第2615401号公報参照(第2−4頁、第1−7図)
【0018】
このように、貴重印刷物における代表的な偽造防止技術は、平面的なオフセット印刷のみによる商業印刷とは異なり、凸状印刷画線インキを利用又は印刷画線と凹凸基材を利用するため、厳密な画線の設計を必要とするものが多い。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】
上記記載の凹版印刷版の作成方法、凹版印刷物等は、多くの時間、手間、材料費がかかるめ、多くのサンプルを作製することは難しかった。また、本出願人は、伝統工芸的で属人的な特殊技能を必要とした従来の凹版彫刻法に対して、コンピュータを利用した種々の変換作用によって、2次元データ(線画印刷図柄データ)から凹版彫刻データを迅速にかつ効率的に生成する方法を開発しながらも、そのデジタルデータを製造や設計支援へと多岐に利用し、総合的な合理化を達成するための既存技術を持ち合わせていなかった。
【0020】
また、特公昭56−19273号公報、第2600094号公報、第2615401号公報が示すように、貴重印刷物における偽造防止技術は、印刷インキや印刷基材の2次元幾何形状や、高さ方向を有した3次元形状の厳密な設計を必要とするもの、あるいは厳密な設計によって、その効果が著しく向上するものが多い。また特表2000−512231号公報、特開平10−58282号公報、特開2000−263374号公報に示す方法で製版し、多くの試作印刷物を短期間のうちに作製することは極めて困難である。また、製造工程中の設計値の修正・変更も容易ではないため、顧客の要望に対して柔軟な対応が困難であった。
【0021】
本発明者は今までの印刷分野に無かった2次元データを用いて印刷物をシミュレーションする方法及びその装置を見出し、上記、問題点を解決するために為されたもので、凹版印刷版等の実際の製造開始に先立って、DTP環境で作成されたデジタルの2次元データ(線画印刷図柄データ)を基にして3DCGの技術を用いて、印刷物の3次元モデルを生成し、コンピュータ上で印刷物の刷り上りの可視化シミュレーションを行うことにより、凸状印刷画線の幅や高さ等の基本設計値の妥当性を検証し、また、凸状印刷画線や印刷基材表面の凹凸形状を利用した潜像を構成している場合は、潜像デザインの設計段階において、観察角度を変化させたり、画線高さ等の設計値を変更させながら製品完成後の潜像の発現状態の可視化を行う事によって、試作品の作製コストの削減や開発期間の大幅な短縮が可能な、2次元データ(線画印刷図柄データ)を用いて印刷物をシミュレーションする方法及びその装置を提案するものである。
【0022】
【課題を解決するための手段】
本発明は、2次元データを用いて印刷物をシミュレーションする方法において、2次元データを取得する手段と、前記2次元データから3次元印刷画線モデルを作成する手段と、任意の設計値に基づいて3次元印刷基材モデルを作成する手段と、前記3次元印刷画線モデルと前記3次元印刷基材モデルに属性パラメータを生成する手段と、前記3次元印刷基材モデルに対して前記3次元印刷画線モデルが所望する位置と画線高さになるように、前記3次元印刷基材モデルと前記3次元印刷画線モデルの位置をレイアウトし、更に、前記3次元印刷基材モデルと前記3次元印刷画線モデルが所望する撮影条件になるように、前記3次元印刷基材モデルと前記3次元印刷画線モデルに対する光源と視点との位置をレイアウトし、撮影パラメータを生成する手段と、前記撮影パラメータに基づき、前記3次元印刷画線モデルと前記3次元印刷基材モデルをレンダリングし、3次元画像を生成する手段と、前記生成された3次元画像を表示する手段を有することを特徴とする2次元データを用いて印刷物をシミュレーションする方法である。
【0023】
また、本発明は、2次元データを用いて印刷物をシミュレーションする方法において、2次元データを取得する手段と、前記2次元データから3次元印刷画線モデルを作成する手段と、任意の設計値に基づいて3次元印刷基材モデルを作成する手段と、前記3次元印刷画線モデルと前記3次元印刷基材モデルに属性パラメータを生成する手段と、前記3次元印刷基材モデルに対して前記3次元印刷画線モデルが所望する位置と画線高さになるように、前記3次元印刷基材モデルと前記3次元印刷画線モデルの位置をレイアウトし、更に、前記3次元印刷基材モデルと前記3次元印刷画線モデルが所望する撮影条件になるように、前記3次元印刷基材モデルと前記3次元印刷画線モデルに対する光源と視点との位置をレイアウトし、前記レイアウトされた前記3次元印刷基材モデルと前記3次元印刷画線モデルを任意の軸に沿って回転させて、前記3次元印刷基材モデル、前記3次元印刷画線モデル、光源及び視点の位置が連続的に変化するようにレイアウトし撮影パラメータを生成する手段と、前記連続的に変化するようにレイアウトした撮影パラメータに基づき、3次元印刷画線モデルと3次元印刷基材モデルを連続的にレンダリングし、印刷物の複数の3次元画像を生成する手段と、前記連続的に生成された複数の3次元画像を順次に表示する手段を有することを特徴とする2次元データを用いて印刷物をシミュレーションする方法である。
【0024】
また、本発明は、2次元データを用いて印刷物をシミュレーションする方法において、2次元データを取得する手段と、前記2次元データから3次元印刷画線モデルを作成する手段と、任意の設計値に基づいて3次元印刷基材モデルを作成する手段と、前記3次元印刷画線モデルと前記3次元印刷基材モデルに属性パラメータを生成する手段と、前記3次元印刷基材モデルに対して前記3次元印刷画線モデルが所望する位置にレイアウトされ、画線高さのみが連続的に変化するように前記3次元印刷画線モデルを基材面鉛直線上高さ方向に移動させて、前記3次元印刷基材モデルと前記3次元印刷画線モデルの位置をレイアウトし、更に、前記3次元印刷基材モデルと前記3次元印刷画線モデルが所望する撮影条件になるように、前記3次元印刷基材モデルと前記3次元印刷画線モデルに対する光源と視点との位置をレイアウトし、前記レイアウトされた前記3次元印刷基材モデルと前記3次元印刷画線モデルを任意の軸に沿って回転させて、前記3次元印刷基材モデル、前記3次元印刷画線モデル、光源及び視点の位置が連続的に変化するようにレイアウトし撮影パラメータを生成する手段と、前記連続的に変化するようにレイアウトした撮影パラメータに基づき、3次元印刷画線モデルと3次元印刷基材モデルを連続的にレンダリングし、印刷物の複数の3次元画像を生成する手段と、前記連続的に生成された印刷物の複数の3次元画像を順次に表示する手段を有することを特徴とする2次元データを用いて印刷物をシミュレーションする方法である。
【0025】
また、本発明は、前記2次元データが、図柄の輪郭線として表現された閉曲線群である場合に、前記2次元データに記述された閉曲線群の座標を基に2次元ポリゴン群を作成し、前記2次元ポリゴン群が配置された平面の法線方向に所望する3次元印刷画線の高さ分の距離を掃引処理し、3次元印刷画線モデルを作成することを特徴とする2次元データを用いて印刷物をシミュレーションする方法である。
【0026】
また、本発明は、前記2次元データが、図柄の中心の軌跡として表現された中心線群である場合に、所望する3次元印刷画線の断面形状に則して画線断面2次元ポリゴンを作成し、取得した2次元データに記述された中心線群の座標を基に各画線の接線方向と前記画線断面2次元ポリゴンの法線方向とが一致するように各画線の中心線に沿って掃引処理し、3次元印刷画線モデルを作成することを特徴とする2次元データを用いて印刷物をシミュレーションする方法である。
【0027】
また、本発明は、前記属性パラメータが、前記3次元印刷画線モデルと前記3次元印刷基材モデルに対して彩度、色相、明度及び反射率の少なくとも一つを付与することを特徴とする2次元データを用いて印刷物をシミュレーションする方法である。
【0028】
また、本発明は、前記属性パラメータが、3次元印刷基材モデルに対して、万線及び彩紋模様の少なくとも一つを含むバックグラウンド模様を属性パラメータとしてマッピングすることを特徴とする2次元データを用いて印刷物をシミュレーションする方法である。
【0029】
また、本発明は、前記3次元画像が、潜像を有することを特徴とする2次元データを用いて印刷物をシミュレーションする方法である。
【0030】
また、本発明は、2次元データを用いて印刷物をシミュレーションする装置において、2次元データを取得する2次元データ取得部と、前記2次元データから3次元印刷画線モデルを作成する掃引処理部と、任意の設計値に基づいて3次元印刷基材モデルを作成する印刷基材モデル作成部と、前記3次元印刷画線モデルと前記3次元印刷基材モデルに属性パラメータを生成する属性パラメータ生成部と、前記3次元印刷基材モデルに対して前記3次元印刷画線モデルが所望する位置と画線高さになるように、前記3次元印刷基材モデルと前記3次元印刷画線モデルの位置をレイアウトし、更に、前記3次元印刷基材モデルと前記3次元印刷画線モデルが所望する撮影条件になるように、前記3次元印刷基材モデルと前記3次元印刷画線モデルに対する光源と視点との位置をレイアウトし、撮影パラメータを生成する撮影パラメータ生成部と、前記撮影パラメータに基づき、前記3次元印刷画線モデルと前記3次元印刷基材モデルをレンダリングし、3次元画像を生成するレンダリング工程部と、前記生成された3次元画像を表示する表示部とからなる2次元データを用いて印刷物をシミュレーションする装置である。
【0031】
また、本発明は、2次元データを用いて印刷物をシミュレーションする装置において、2次元データを取得する2次元データ取得部と、前記2次元データから3次元印刷画線モデルを作成する掃引処理部と、任意の設計値に基づいて3次元印刷基材モデルを作成する印刷基材モデル作成部と、前記3次元印刷画線モデルと前記3次元印刷基材モデルに属性パラメータを生成する属性パラメータ生成部と、前記3次元印刷基材モデルに対して前記3次元印刷画線モデルが所望する位置と画線高さになるように、前記3次元印刷基材モデルと前記3次元印刷画線モデルの位置をレイアウトし、更に、前記3次元印刷基材モデルと前記3次元印刷画線モデルが所望する撮影条件になるように、前記3次元印刷基材モデルと前記3次元印刷画線モデルに対する光源と視点との位置をレイアウトし、前記レイアウトされた前記3次元印刷基材モデルと前記3次元印刷画線モデルを任意の軸に沿って回転させて、前記3次元印刷基材モデル、前記3次元印刷画線モデル、光源及び視点の位置が連続的に変化するようにレイアウトし撮影パラメータを生成する撮影パラメータ生成部と、前記連続的に変化するようにレイアウトした撮影パラメータに基づき、3次元印刷画線モデルと3次元印刷基材モデルを連続的にレンダリングし、印刷物の複数の3次元画像を生成するレンダリング工程部と、前記連続的に生成された複数の3次元画像を順次に表示する表示部とからなる2次元データを用いて印刷物をシミュレーションする装置である。
【0032】
また、本発明は、2次元データを用いて印刷物をシミュレーションする装置において、2次元データを取得する2次元データ取得部と、前記2次元データから3次元印刷画線モデルを作成する掃引処理部と、任意の設計値に基づいて3次元印刷基材モデルを作成する印刷基材モデル作成部と、前記3次元印刷画線モデルと前記3次元印刷基材モデルに属性パラメータを生成する属性パラメータ生成部と、前記3次元印刷基材モデルに対して前記3次元印刷画線モデルが所望する位置にレイアウトされ、画線高さのみが連続的に変化するように前記3次元印刷画線モデルを基材面鉛直線上高さ方向に移動させて、前記3次元印刷基材モデルと前記3次元印刷画線モデルの位置をレイアウトし、更に、前記3次元印刷基材モデルと前記3次元印刷画線モデルが所望する撮影条件になるように、前記3次元印刷基材モデルと前記3次元印刷画線モデルに対する光源と視点との位置をレイアウトし、前記レイアウトされた前記3次元印刷基材モデルと前記3次元印刷画線モデルを任意の軸に沿って回転させて、前記3次元印刷基材モデル、前記3次元印刷画線モデル、光源及び視点の位置が連続的に変化するようにレイアウトし撮影パラメータを生成する撮影パラメータ生成部と、前記連続的に変化するようにレイアウトした撮影パラメータに基づき、3次元印刷画線モデルと3次元印刷基材モデルを連続的にレンダリングし、印刷物の複数の3次元画像を生成するレンダリング工程部と、前記連続的に生成された複数の3次元画像を順次に表示する表示部とからなる2次元データを用いて印刷物をシミュレーションする装置である。
【0033】
また、本発明は、前記掃引処理部は、前記2次元データが、図柄の輪郭線として表現された閉曲線群である場合に、前記2次元データに記述された閉曲線群の座標を基に2次元ポリゴン群を作成し、前記2次元ポリゴン群が配置された平面の法線方向に所望する3次元印刷画線の高さ分の距離を掃引処理し、3次元印刷画線モデルを作成することを特徴とする2次元データを用いて印刷物をシミュレーションする装置である。
【0034】
また、本発明は、前記掃引処理部は、前記2次元データが、図柄の中心の軌跡として表現された中心線群である場合に、所望する3次元印刷画線の断面形状に則して画線断面2次元ポリゴンを作成し、取得した2次元データに記述された中心線群の座標を基に各画線の接線方向と前記画線断面2次元ポリゴンの法線方向とが一致するように各画線の中心線に沿って掃引処理し、3次元印刷画線モデルを作成することを特徴とする2次元データを用いて印刷物をシミュレーションする装置である。
【0035】
また、本発明は、前記属性パラメータ生成部は、前記3次元印刷画線モデルと前記3次元印刷基材モデルに対して彩度、色相、明度及び反射率の少なくとも一つを付与することを特徴とする2次元データを用いて印刷物をシミュレーションする装置である。
【0036】
また、本発明は、前記属性パラメータ生成部は、3次元印刷基材モデルに対して、凹版印刷方式とは異なる他版式によって印刷される万線及び彩紋模様の少なくとも一つを含む2次元データを属性パラメータとしてマッピングすることを特徴とする2次元データを用いて印刷物をシミュレーションする装置である。
【0037】
また、本発明は、前記3次元画像が、潜像を有することを特徴とする2次元データを用いて印刷物をシミュレーションする装置である。
【0038】
上記記載の3次元印刷画線モデルをイメージする印刷方式は、凹版印刷、オフセット印刷、スクリーン印刷等、特に限定されるものではない。ただし、凹版印刷方式が好ましい。また、上記記載の3次元印刷基材モデルの形状は特に限定されるものではなく、凸状印刷画線モデルを重ね合せる面が、平面又は凹凸形状でも良い。また、3次元画像が潜像を有するとは、例えば、上記記載の特公昭56−19273号公報、第2600094号公報、第2615401号公報等の印刷物であり、これらの印刷物を印刷する前に、基材又は/及び画線形状の変化に伴う、観察角度による潜像の出現/消失をシミュレーションする方法及びその装置である。
【0039】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明に係る2次元データを用いて印刷物をシミュレーションする方法及びその装置について図面を用いて説明する。また、本発明に係る2次元データを用いて印刷物の刷り上りをコンピュータ上でシミュレーションする方法及びその装置は、本実施の形態に限定されるものではない。ここで言う、2次元データとは、2次元印刷データのことであり、好ましくは2次元線画データのことである。
【0040】
図1は本装置の概念を示す電気的なシステム構成図であり、可視化シミュレーションとしての一連の処理は本システムのプログラム動作によって行われる。データ転送路1には、操作入力部2、コンピュータディスプレイ等の表示部3、及び本システムのプログラム動作を行う2次元データ取得部4、掃引処理部5、印刷基材モデル作成部6、属性パラメータ生成部7、2次元データのマッピング部8、撮影パラメータ生成部9、レンダリング工程部10、及び生成画像保存部11が接続される。
【0041】
図1の2次元データ取得部4において取得される、DTP環境において作成された線画データの概念を示す例を図2に示す。図2中に列記された座標(x,y)は、任意の線画の輪郭の軌跡を表現したものである。なお、2次元データとは、DTP環境において広範な用途に作成された線画データを指し、その用途は必ずしも凹版印刷用に限定されたものではない。また、別の表現方法として、線画の中心線の軌跡が、座標(x,y)で表現される場合がある。線画データの取得元としては、一般に、DTP環境において作成される線画データの他に、機械彫刻凹版用のNCデータがある。NCデータとは、任意の線画の輪郭の軌跡、或いは線画の中心線の軌跡を表現した座標に、彫刻深さ(z)の値を合わせもち、3次元の座標値(x,y,z)の形で彫刻データが表現されている。2次元データ取得部5において、有用となる数値は、2次元の(x,y)で表現される座標データである。
【0042】
掃引処理部5は、2次元データ取得部4で取得した座標値(x,y)に基づきポリゴン図形を生成し、高さ方向、すなわちx,y平面と直交する方向に掃引処理を施し、3次元印刷画線モデルを作成する。
【0043】
印刷基材モデル作成部6では、3次元印刷基材モデルが作成される。6面から構成される直方体であり、高さが用紙基材の厚みに相当する。また、別の形状として基材にエンボス等で凹凸を設けた3次元印刷基材モデルを生成することもできる。
【0044】
属性パラメータ生成部7は、掃引処理部5に保存された3次元印刷画線モデルと、印刷基材作成部6で作成された3次元印刷基材モデルを読み出し、3次元印刷画線モデル(インキ)及び3次元印刷基材モデル(印刷基材)の色や質感を支配する反射率等のパラメータの生成を行う。また、必要に応じて、2次元データのマッピング部8においては、凹版印刷方式とは異なる他版式の2次元データを、印刷基材の3次元モデル表面に対してテクスチャマッピングが行われる。
【0045】
撮影パラメータ生成部9は、3次元印刷基材モデルに対して前記3次元印刷画線モデルが所望する位置と画線高さになるように、3次元印刷基材モデルと3次元印刷画線モデルの位置をレイアウトし、更に、3次元印刷基材モデルと3次元印刷画線モデルが所望する撮影条件になるように、3次元印刷基材モデルと3次元印刷画線モデルに対する光源と視点との位置をレイアウトし、撮影パラメータを生成する。又は、撮影パラメータ生成部9は、3次元印刷基材モデルに対して3次元印刷画線モデルが所望する位置と画線高さになるように、3次元印刷基材モデルと3次元印刷画線モデルの位置をレイアウトし、更に、3次元印刷基材モデルと3次元印刷画線モデルが所望する撮影条件になるように、3次元印刷基材モデルと3次元印刷画線モデルに対する光源と視点との位置をレイアウトし、レイアウトされた3次元印刷基材モデルと3次元印刷画線モデルを任意の軸に沿って回転させて、3次元印刷基材モデル、3次元印刷画線モデル、光源及び視点の位置が連続的に変化するようにレイアウトし撮影パラメータを生成する。又は、撮影パラメータ生成部9は、3次元印刷基材モデルに対して3次元印刷画線モデルが所望する位置にレイアウトされ、画線高さのみが連続的に変化するように3次元印刷画線モデルを基材面鉛直線上高さ方向に移動させて、3次元印刷基材モデルと3次元印刷画線モデルの位置をレイアウトし、更に、3次元印刷基材モデルと3次元印刷画線モデルが所望する撮影条件になるように、3次元印刷基材モデルと3次元印刷画線モデルに対する光源と視点との位置をレイアウトし、レイアウトされた3次元印刷基材モデルと3次元印刷画線モデルを任意の軸に沿って回転させて、3次元印刷基材モデル、3次元印刷画線モデル、光源及び視点の位置が連続的に変化するようにレイアウトし撮影パラメータを生成する。
【0046】
つまり、撮影パラメータ生成部9は、印刷位置の情報と凸状印刷画線の高さの情報に基づいて、3次元印刷画線モデルを3次元印刷基材モデルの表面上にレイアウトし、3次元上の印刷物モデルとする。ここで、3次元上の印刷物モデル、光源、及び視点との位置は、1場面の固定的なものに限定されず、3次元上の印刷物モデルを任意の軸に沿って連続的に回転したり、任意位置への視点の連続的な移動のための指令情報の設定が行われる。
【0047】
レンダリング工程部10は、撮影パラメータ生成部9によって決定された、3次元上の印刷物モデル、光源、視点との固定的な位置、及び連続的に変化する位置の情報に基づき、対象となる印刷物の3次元画像の生成を行う。レンダリング工程部10で生成された3次元画像は、表示部3に送られて静止画像、及び動画像の状態で表示したり、生成画像保存部11に静止画像、及び動画像の形式で保存される。また、各工程部の保存部は、例えば、作成された3次元印刷画線モデルは、掃引処理部に保存され、作成された3次元印刷基材モデルは印刷基材モデル作成部に保存されることも可能である。
【0048】
図3に3次元画像の生成手段を示す。ステップ1において、図2で示した2次元データを取得する。ステップ2は3次元印刷画線モデルの作成ステップである。ステップ2ではステップ1で取得された2次元データを3次元化して3次元印刷画線モデルの作成を作成する。
【0049】
次に図3に示すステップ3において、必要とする印刷基材用紙の寸法値(縦、横、厚さ)に基づいて、直方体形状の3次元印刷基材モデルを作成する。
【0050】
次に図3に示すステップ4において、ステップ2及び3で作成された3次元印刷画線モデルと3次元印刷基材モデルに対して、3次元印刷画線モデル(インキ)及び3次元印刷基材モデル(印刷基材)の色や、質感を支配するパラメータの生成を行う。パラメータは、一例として、インキ及び印刷基材に対して色相、明度、反射率を設定することができる。また本ステップにおいて、3次元印刷画線モデルの背景模様として使用される地紋印刷模様等の2次元データが3次元印刷基材モデルの表面にマッピングされることがある。
【0051】
また、図3に示すステップ5において撮影パラメータの設定を行う。具体的には3次元印刷画線モデルと3次元印刷基材モデルの合成モデルと、視点及び光源との位置のレイアウトである。凸状画線の印刷指定位置の情報と画線高さの情報に基づいて、3次元印刷画線モデルと3次元印刷基材モデルの位置を考慮したレイアウトを行い、両モデルをあわせて3次元印刷画線モデルと3次元印刷基材モデルの合成モデルとする。図9は、前記3項目(合成モデル21、視点22、光源23)の位置を模式的に表した一例である。光源23は合成モデル21の配置面に対して鉛直線上に設定し、視点22は3次元印刷画線モデルと3次元印刷基材モデルの合成モデルの配置面に対して、視点角度24が30度の位置に設定されている。また、時間の経過に伴って、例えば視点角度が90度、88度、86度、84度・・・というふうに変化するような連続的な位置のレイアウトを行ってもよい。
【0052】
次に、図3に示すステップ6において、ステップ5で設定された撮影パラメータに基づいてレンダリング処理を行い、3次元印刷画線モデルと3次元印刷基材モデルの合成モデルから3次元画像の生成を行い、ステップ7において3次元画像をディスプレイ上に表示する。生成された画像に基づき、設定したパラメータや前記3項目の位置の妥当性を評価し、必要に応じてステップ4からステップ7までの作業を繰り返す。また前記3項目の位置が連続的に変化する場合、その位置に基づいて連続的にレンダリング処理を行い、複数枚の3次元画像を生成する。生成された複数枚の3次元画像は本装置の表示装置3に動画像として映し出されたり、必要に応じて生成画像保存部11に保存される。
【0053】
図5に示すステップ1で取得した2次元データが、線画の輪郭の軌跡で表現したもの、又は線画の中心線の軌跡で表現したもの、の2通りの作成方法が開示される。
【0054】
まず、取得した2次元データが、線画の輪郭の軌跡である場合から説明する。図5は、図4に示すステップ1において取得した2次元データから、2次元ポリゴン13を作成したところである。図5において、輪郭の軌跡の一部を14で示した。この2次元ポリゴンに対し、法線方向(画線の高さ方向)に所定の距離の掃引処理を行い、3次元印刷画線モデル15を模式的に作成したものが図6である。実際には、設計する印刷画線の高さの値16、の距離の掃引処理を図中のy軸方向に対して行う。ここでいう掃引処理とは2次元ポリゴンに対し、法線方向(画線の高さ方向)に所定の距離(高さ)の情報を持たせる処理のことである。
【0055】
次に、取得した2次元データが、線画の中心線の軌跡である場合を説明する。図7は、図4に示すステップ1において取得した2次元データから、凸状印刷画線の断面形状となる2次元ポリゴン17である。機械彫刻の工具形状を反映した断面形状とし、通常、V字型、アーチ型等のポリゴン形状をなす。前記2次元ポリゴンの法線方向と、取得した線画の中心線18の法線方向とが常に一致するような向きに2次元ポリゴンを設置し、中心線に沿って掃引処理を行い、凸状印刷画線の3次元印刷画線モデル19を模式的に作成したものが図8である。ここでいう掃引処理とは、2次元ポリゴンに対し、中心線に沿って凸状印刷画線の長さ方向に所定の距離(長さ)の情報を持たせる処理のことである。
【0056】
前記2通りの方法は、取得した線画データが、線画の輪郭の軌跡であるのか、或いは中心線の軌跡であるのかの表現方法に応じて使い分ける。また、取得した線画データが機械彫刻凹版用のNCデータの場合、3次元座標(x,y、z)で記述された(x,y)を有用とし、(z)の値は、画線高さ決定するための参照的な情報とする。
【0057】
本発明のシミュレーションの3次元印刷画線モデルをイメージする印刷方式は、凹版印刷、オフセット印刷、スクリーン印刷等、特に限定されるものではない。ただし、凹版印刷方式が好ましい。また、上記記載の3次元印刷基材モデルの形状は特に限定されるものではなく、凸状印刷画線モデルを重ね合せる面が、平面又は凹凸形状でも良い。また、3次元画像が潜像を有するとは、例えば、上記記載の特公昭56−19273号公報、第2600094号公報、第2615401号公報等の印刷物であり、これらの印刷物を印刷する前に、基材又は/及び画線形状の変化に伴う、観察角度による潜像の出現/消失をシミュレーションする方法及びその装置である。
【0058】
本発明のシミュレーションは潜像凹版等の観察角度によって潜像の出現又は消失される印刷物をシミュレーションすることが好ましいが、通常の凹版印刷物、スクリーン印刷物等のシミュレーションを行うこともできる。
【0059】
本発明の3次元印刷基材モデルの形状は特に限定されるものではなく、基材にエンボス等で凹凸を付与した形状を用いてコンピュータ上でシミュレーションすることができる。よって、エンボス版面作製においてのシミュレーションにも利用することができる。
【0060】
以上、述べてきた工程において、2次元データを用いて印刷物をシミュレーションする方法において、2次元データから3次元画像を表示し、印刷物をシミュレーションして、妥当性を評価し、必要に応じて図4に示すステップ4からステップ7までの作業を繰り返す。ここで、シミュレーションで表示された3次元画像で実際に印刷物を作製する場合、シミュレーションで用いた2次元データと、3次元印刷画線モデルの(高さ)Z値から、NC機械用の彫刻データに変換し、凹版版面等をNC彫刻機で作製する。
【0061】
以上、述べてきた工程から、2次元データを利用して、印刷物及び潜像凹版の出来上がりの形態や潜像発現の様子をコンピュータ上でシミュレーションすることができる。また、3次元印刷基材モデルの表面に属性パラメータの一つとして、3次元印刷基材モデルに対して、凹版方式とは異なる他版式によって印刷される直万線、曲万線、同心円及び彩紋模様の少なくとも一つを含むバックグラウンド模様をマッピングし、印刷物、第2600094号公報、第2615401号公報等の出来上がりの形態や潜像発現の様子をコンピュータ上でシミュレーションすることができる。ここで言う、バックグラウンド模様とは、BMPファイル、TIFファイル等のRGB形式のイメージファイルのことである。
【0062】
本発明の基本要素の方法は、3次元印刷画線モデルを作成する手段と、3次元印刷基材モデルを作成する手段と、所望する位置と画線高さになるように3次元印刷画線モデルと3次元印刷基材モデルを合成し、合成モデルに対して光源と視点との位置をレイアウトする撮影パラメータを生成する手段と、撮影パラメータに基づき、合成モデルをレンダリングし、3次元画像を生成する手段と、生成された3次元画像を表示する手段を有することを特徴とする印刷物をシミュレーションする方法である。
【0063】
本発明の基本要素の装置は、3次元印刷画線モデルを作成する3次元印刷画線モデル作成部と、3次元印刷基材モデルを作成する印刷基材モデル作成部と、所望する位置と画線高さになるように3次元印刷画線モデルと3次元印刷基材モデルを合成し、合成モデルに対して光源と視点との位置をレイアウトする撮影パラメータを生成する撮影パラメータ生成部と、撮影パラメータに基づき、合成モデルをレンダリングし、3次元画像を生成するレンダリング工程部と、生成された3次元画像を表示する表示部とからなる印刷物をシミュレーションする装置である。3次元印刷画線モデルを作成する3次元印刷画線モデル作成部は、2次元データを取得して取得した2次元データから掃引処理部によって3次元印刷画線モデルを形成しても良い。複数の3次元印刷画線モデルを作成する場合は、2次元データから掃引処理部によって3次元印刷画線モデルを形成した方が効率的である。
【0064】
【実施例】
(実施例1)
本発明の実施例1として、2次元データが線画の輪郭の軌跡で表現された場合の潜像凹版を例にとって説明する。まず、図4で示したステップ2において、2次元データにおける線画の閉曲線状の輪郭から2次元ポリゴンを作成し、凸状印刷画線の高さを40μmとし、前記2次元ポリゴンを、図6中で示されるy軸方向に40μmの掃引処理を行い、図10に示すように凹版印刷画線の3次元印刷画線モデル25を作成する。
【0065】
次に、図4で示したステップ3において3次元印刷基材モデルを作成し、図4で示したステップ4において3次元印刷基材モデルの色として、白色を設定し、3次元印刷画線モデルの色として濃紺を設定する。次に、ステップ5において、3次元印刷画線モデルのxz平面における配置位置が3次元印刷基材モデル面上の中心で、かつ3次元印刷画線モデルが3次元印刷基材モデルの表面に接するように、3次元印刷画線モデルと3次元印刷基材モデルのレイアウトを行い、3次元印刷画線モデルと3次元印刷基材モデルの合成モデルを作成する。図10は、3次元印刷画線モデル25と3次元印刷基材モデル26の合成モデルの一部分を拡大したものである。
【0066】
また、図4で示したステップ5において、光源を印刷物中心の鉛直線上に配置し、視点角度を3次元印刷画線モデルと3次元印刷基材モデルの合成モデルの配置面に対して、90度から30度まで変化させた。このときの、時間の経過に伴って変化する連続的な位置について、時間と視点角度の変化を図11に示す。本実施例では、90度から30度までの視点角度の変化の経過時間を12秒とし、視点角度の刻み幅を5度とした。なお、本実施例では経過時間を12秒としたが、動画像としての再生手続きを規定するためのものであり、実質的には任意の時間の経過でよい。
【0067】
次に図4で示したステップ6において、視点角度が変化する連続的な位置に基づいてレンダリング処理を連続的に行い3次元画像を生成し、潜像発現の様子の可視化を行った。生成された3次元画像の中から、視点角度が90度の画像27、視点角度が60度の画像28、及び視点角度が30度の画像29の3枚を抜粋し図12に示す。これによれば、印刷物の配置面に対する視点の角度を順々に傾けて観察にするに従い、「OK」の文字の潜像が発現する様子が明確に可視化される。
【0068】
また本件で可視化が可能な潜像模様は本実施例で示した模様に限定されることなく、波万線を使用した潜像凹版や、カモフラージュ模様を有した潜像凹版の場合でも、同様な可視化が可能である。また、より精密な潜像発現の様子を可視化するためには、視点角度の刻み幅を5度より小さく設定することが望ましい。
【0069】
(実施例2)
本発明の実施例2として、2次元データが線画の中心線の軌跡で表現された場合の潜像凹版を例にとって説明する。まず、彫刻バイトの切削面の形状が高さ40μmの直角2等辺3角形であると想定し、高さ40μmの直角2等辺3角形の2次元ポリゴンを作成し、2次元ポリゴンの面とy軸とが平行であり、かつ、2次元ポリゴンの法線方向と、取得した2次元データの線画の中心線における法線方向とが常に一致するような向きに2次元ポリゴンを設置し、取得した線画データの中心線に沿って掃引処理を行い、図13に示す凹版印刷画線の3次元印刷画線モデル30を作成する。
【0070】
次に、図4で示したステップ3において3次元印刷基材モデルを作成し、図4で示したステップ4において3次元印刷基材モデルの色として白色を設定し、3次元印刷画線モデルの色として濃紺を設定する。次に、ステップ5において、3次元印刷画線モデルのxz平面における配置位置が3次元印刷基材モデル面上の中心で、かつ3次元印刷画線モデルが3次元印刷基材モデルの表面に接するように、3次元印刷画線モデルと3次元印刷基材モデルのレイアウトを行い、3次元印刷画線モデルと3次元印刷基材モデルの合成モデルを作成する。図13は、3次元印刷画線モデル30と3次元印刷基材モデル31の合成モデルの一部分を拡大したものである。
【0071】
本実施例によれば、作成される3次元印刷画線モデルは、彫刻バイトの切削形状を正確に反映したものであるため、より実際の印刷画線の形状に近い形となる。図4で示したステップ5以降の工程は、実施例1で述べた同様の工程によって潜像発現の様子が可視化可能であるので説明は省略する。
【0072】
(実施例3)
本発明における別の実施例として、潜像凹版における画線の画線高さが変化する場合を例にとって説明する。実施例1又は2に記載のいずれかの方法で、画線の画線高さを60μmに設定して3次元印刷画線モデルを作成し、図4に示したステップ3において、3次元印刷基材モデルの作成を行う。
【0073】
次に、ステップ4において3次元印刷基材モデルの色として白色を設定し、3次元印刷画線モデルの色として濃紺を設定する。次に、ステップ5において、3次元印刷画線モデルのxz平面における配置位置が3次元印刷基材モデル面上の中心で、かつ3次元印刷画線モデルの画線高さが見かけ上連続的に変化するように、3次元印刷基材モデルの表面と重なるように3次元印刷画線モデルと3次元印刷基材モデルのレイアウトを行い、3次元印刷画線モデルと3次元印刷基材モデルの合成モデルを作成する。前記両モデルのy軸方向の重なり具合の量と、それによってみちびかれる見かけ上変化する画線高さの値を図14に示す。ここでの重なり量とは、3次元印刷画線モデルと3次元印刷基材モデルが合成された領域のことで、STEP3において作成された60μmの3次元印刷画線モデルが基準となり、重なり量が多くなるに従い、画線高さは低くなる。例えが、重なり量が0μmの場合、画線高さは60μmとなり、重なり量が40μmの場合、60μmで作成された3次元印刷基材モデルの内、40μmが重なっているため、画線高さは20μmとなる。ここで、両モデルのy軸方向の重なり具合の量を調整することによって、STEP2及びSTEP3を繰り返して複数の異なった画線高さを有するモデルを作成する必要がなく、容易に複数の異なった画線高さを有するモデルを作成することができる。また、図4で示したステップ5において、光源を印刷物中心の鉛直線上に配置し、視点角度を3次元印刷画線モデルと3次元印刷基材モデルの合成モデルの配置面に対して、30度で一定になるようにレイアウトする。
【0074】
こうして、光源と視点角度の位置を3次元印刷画線モデルと3次元印刷基材モデルの合成モデルに対して一定とし、3次元印刷画線モデルと3次元印刷基材モデルの合成モデルが位置が連続的に変化するようにレイアウトし付与された撮影パラメータに基づいて3次元印刷画線モデルと3次元印刷基材モデルの合成モデルを連続的にレンダリングし、複数の3次元画像の生成を行う。
【0075】
生成された3次元画像の中から、画線高さが60μmの画像32、画線高さが40μmの画像33、及び画線高さが20μmの画像34の3枚を抜粋し図15に示す。これによれば、視点角度を一定にし、画線高さの変化によって、「OK」の文字の潜像が変化することが明確に可視化される。また、前記決定された画線高さごとに、それぞれ、視点角度が変化するような連続的な位置のレイアウトを行い、その位置に基づいて連続的なレンダリング処理を行い、複数枚の3次元画像を生成してもよい。これによれば、異なる画線高さ水準ごとに、視点角度を変化させたときの潜像発現の様子が可視化可能である。
【0076】
(実施例4)
本発明の実施例4として、凹版印刷方式とは異なる他版式によって印刷される直万線模様を含むバックグラウンド模様を属性パラメータとしてマッピングすることを特徴とする潜像凹版を例にとって説明する。実施例1又は2に記載のいずれかの方法で、画線の画線高さを40μmに設定し、図16に示す直万線パターン状の3次元印刷画線モデル35を作成し、図4に示したステップ3において、図16に示す3次元印刷基材モデル36の作成を行う。
【0077】
次に、ステップ4において3次元印刷基材モデルの色として乳白色を設定し、3次元印刷画線モデルの色として、基材モデルの色と同じである乳白色を設定し図16に示すような3次元上の印刷物モデルを得る。次に図17に示すような直万線パターン37のバックグラウンド模様のイメージファイルを、図16に示す3次元上の印刷物モデルの表面にマッピングし図18を得る。次に、ステップ5において、光源を3次元上の印刷物モデルの中心の鉛直線上に配置し、視点角度を3次元印刷画線モデルと3次元印刷基材モデルの合成モデルの配置面に対して、90度から30度まで変化させた。次に図4で示したステップ6において、視点角度が変化する連続的な位置に基づいてレンダリング処理を連続的に行い3次元画像を生成し、潜像発現の様子の可視化を行った。生成された3次元画像の中から、視点角度が90度の画像38、視点角度が60度の画像39、及び視点角度が30度の画像40の3枚を抜粋し図19に示す。これによれば、印刷物の配置面に対する視点の角度を順々に傾けて観察にするに従い、「JAPAN」の文字の潜像が発現する様子が明確に可視化される。
【0078】
また本件で可視化が可能な潜像模様は本実施例で示した模様に限定されることなく、波万線を使用した潜像凹版や、カモフラージュ模様を有した潜像凹版の場合でも、同様な可視化が可能である。また、より精密な潜像発現の様子を可視化するためには、視点角度の刻み幅を5度より小さく設定することが望ましい。
【0079】
本実施例では記載していないが、第2615401号公報のような基材の凹凸と印刷の組合せによって潜像が視される印刷物のシミュレーションも行うことができる。この場合、3次元印刷基材モデルに凹凸を設けて設定し、3次元印刷基材モデルの表面に属性パラメータの一つとして、直万線、曲万線、同心円及び彩紋模様の少なくとも一つを含むバックグラウンド模様をマッピングしシミュレーションを行うことができる。
【0080】
【発明の効果】
本発明のシミュレーションする方法及びその装置を用いることによって潜像凹版等の設計段階において、実際の凹版版面製造工程や印刷工程を経ることなく、2次元データから、潜像模様の可視化シミュレーションを可能にした。
【0081】
潜像凹版等の設計には、発現する潜像図形のデザイン性、万線デザイン、画線幅、画線間隔、画線(インキ)高さ等の様々な決定事項がある。本装置によれば、潜像凹版等の設計に必要な決定事項を様々に変化させて可視化シミュレーションを行うことによって、時間、人手、材料、設備面等の莫大な試作品作製コストの削減が可能になった。また、より緻密な製品設計が可能になったため、潜像凹版等の高機能化も図られた。また、複数の製造部門にまたがって行われていた潜像凹版等の開発が本装置1台に集約化され開発期間の大幅な短縮を可能にした。またデザインの企画段階において、完成予想図をディスプレイ上に表示できるので、製品設計のための意思の疎通が円滑に図られ顧客満足も向上した。
【0082】
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の一形態を示す本装置の概略的な構成図である。
【図2】DTP環境において作成された2次元データの概念を示す例である。
【図3】3次元画像の生成手段を示すフローチャートである。
【図4】3次元画像の生成手段を示すフローチャートである。
【図5】2次元データから2次元ポリゴンの作成を示す図である。
【図6】2次元ポリゴンに対し高さ方向に所定の距離の掃引処理を行い、3次元印刷画線モデルを作成した図である。
【図7】凸状印刷画線の断面形状となる2次元ポリゴンを示した図である。
【図8】2次元ポリゴンを中心線に沿って掃引処理を行い、3次元印刷画線モデルを模式的に作成した図である。
【図9】3次元印刷画線モデルと3次元印刷基材モデルの合成モデルと、視点及び光源との位置を示した図である。
【図10】輪郭形状で表現された2次元データから3次元印刷画線モデルを作成し、3次元印刷基材モデルと合成した図である。
【図11】時間の経過と視点角度の関係を示した図である。
【図12】視点角度を変化させたときの潜像発現の様子を示す図である。
【図13】中心線で表現された2次元データから3次元印刷画線モデルを作成し、3次元印刷基材モデルと合成した図である。
【図14】3次元印刷基材モデルと3次元印刷画線モデルの重なり量と決定された画線高さの関係を示す図である。
【図15】画線高さを変化させた場合の潜像発現の様子を示した図である。
【図16】3次元印刷基材モデルと、前記モデルと同色の3次元印刷画線モデルを合成し、3次元上の印刷物モデルとした図である。
【図17】直万線パターンのバックグラウンド模様のイメージファイルを表示した図である。
【図18】3次元上の印刷物モデルの表面にバックグラウンド模様をマッピングした図である。
【図19】視点角度を変化させたときの潜像発現の様子を示す図である。
【符号の説明】
1 データ転送路
2 操作入力部
3 表示装置
4 2次元データ取得部
5 掃引処理部
6 印刷基材モデル作成部
7 属性パラメータ生成部
8 2次元データのマッピング部
9 撮影パラメータ生成部
10 レンダリング工程部
11 生成画像保存部
13 2次元ポリゴン
14 輪郭の軌跡の一部
15 3次元印刷画線モデル
16 印刷画線の高さの値
17 2次元ポリゴン
18 中心線
19 3次元印刷画線モデル
21 3次元画像
22 視点
23 光源
24 視点角度
25 3次元印刷画線モデル
26 3次元印刷基材モデル
27 視点角度が90度の3次元画像
28 視点角度が60度の3次元画像
29 視点角度が30度の3次元画像
30 3次元印刷画線モデル
31 3次元印刷基材モデル
32 画線高さが60μmの画像
33 画線高さが40μmの画像
34 画線高さが20μmの画像
35 基材と同色の3次元印刷画線モデル
36 3次元印刷基材モデル
37 直万線パターン
38 視点角度が90度の3次元画像
39 視点角度が60度の3次元画像
40 視点角度が30度の3次元画像

Claims (16)

  1. 2次元データを用いて印刷物をシミュレーションする方法において、
    2次元データを取得する手段と、
    前記2次元データから3次元印刷画線モデルを作成する手段と、
    任意の設計値に基づいて3次元印刷基材モデルを作成する手段と、
    前記3次元印刷画線モデルと前記3次元印刷基材モデルに属性パラメータを生成する手段と、
    前記3次元印刷基材モデルに対して前記3次元印刷画線モデルが所望する位置と画線高さになるように、前記3次元印刷基材モデルと前記3次元印刷画線モデルの位置をレイアウトし、更に、前記3次元印刷基材モデルと前記3次元印刷画線モデルが所望する撮影条件になるように、前記3次元印刷基材モデルと前記3次元印刷画線モデルに対する光源と視点との位置をレイアウトし、撮影パラメータを生成する手段と、
    前記撮影パラメータに基づき、前記3次元印刷画線モデルと前記3次元印刷基材モデルをレンダリングし、3次元画像を生成する手段と、
    前記生成された3次元画像を表示する手段を有することを特徴とする2次元データを用いて印刷物をシミュレーションする方法。
  2. 前記撮影パラメータを生成する手段において、
    前記3次元印刷基材モデルに対する前記3次元印刷画線モデルの所望する画線高さが、画線高さのみが連続的に変化するように前記3次元印刷画線モデルを前記3次元印刷基材モデルの鉛直線上高さ方向に移動させて、前記3次元印刷基材モデルと前記3次元印刷画線モデルの位置をレイアウトすることを特徴とする請求項1記載の2次元データを用いて印刷物をシミュレーションする方法。
  3. 前記撮影パラメータを生成する手段において、
    前記光源と視点との位置をレイアウトされた前記3次元印刷基材モデルと前記3次元印刷画線モデルを任意の軸に沿って回転させて、前記3次元印刷基材モデル、前記3次元印刷画線モデル、光源及び視点の位置が連続的に変化するようにレイアウトすることを特徴とする請求項1又は2記載の2次元データを用いて印刷物をシミュレーションする方法。
  4. 前記2次元データが、図柄の輪郭線として表現された閉曲線群である場合に、
    前記2次元データに記述された閉曲線群の座標を基に2次元ポリゴン群を作成し、
    前記2次元ポリゴン群が配置された平面の法線方向に所望する3次元印刷画線の高さ分の距離を掃引処理し、3次元印刷画線モデルを作成することを特徴とする請求項1、2又は3記載の2次元データを用いて印刷物をシミュレーションする方法。
  5. 前記2次元データが、図柄の中心の軌跡として表現された中心線群である場合に、
    所望する3次元印刷画線の断面形状に則して画線断面2次元ポリゴンを作成し、
    取得した2次元データに記述された中心線群の座標を基に各画線の接線方向と前記画線断面2次元ポリゴンの法線方向とが一致するように各画線の中心線に沿って掃引処理し、3次元印刷画線モデルを作成することを特徴とする請求項1、2又は3記載の2次元データを用いて印刷物をシミュレーションする方法。
  6. 前記属性パラメータが、前記3次元印刷画線モデルと前記3次元印刷基材モデルに対して彩度、色相、明度及び反射率の少なくとも一つを付与することを特徴とする請求項1、2、3、4又は5記載の2次元データを用いて印刷物をシミュレーションする方法。
  7. 前記属性パラメータが、3次元印刷基材モデルに対して、万線及び彩紋模様の少なくとも一つを含むバックグラウンド模様を属性パラメータとしてマッピングすることを特徴とする1、2、3、4、5又は6記載の2次元データを用いて印刷物をシミュレーションする方法。
  8. 前記3次元画像が、潜像を有することを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6又は7記載の2次元データを用いて印刷物をシミュレーションする方法。
  9. 2次元データを用いて印刷物をシミュレーションする装置において、
    2次元データを取得する2次元データ取得部と、
    前記2次元データから3次元印刷画線モデルを作成する掃引処理部と、
    任意の設計値に基づいて3次元印刷基材モデルを作成する印刷基材モデル作成部と、
    前記3次元印刷画線モデルと前記3次元印刷基材モデルに属性パラメータを生成する属性パラメータ生成部と、
    前記3次元印刷基材モデルに対して前記3次元印刷画線モデルが所望する位置と画線高さになるように、前記3次元印刷基材モデルと前記3次元印刷画線モデルの位置をレイアウトし、更に、前記3次元印刷基材モデルと前記3次元印刷画線モデルが所望する撮影条件になるように、前記3次元印刷基材モデルと前記3次元印刷画線モデルに対する光源と視点との位置をレイアウトし、撮影パラメータを生成する撮影パラメータ生成部と、
    前記撮影パラメータに基づき、前記3次元印刷画線モデルと前記3次元印刷基材モデルをレンダリングし、3次元画像を生成するレンダリング工程部と、
    前記生成された3次元画像を表示する表示部とからなる2次元データを用いて印刷物をシミュレーションする装置。
  10. 前記撮影パラメータ生成部において、
    前記3次元印刷基材モデルに対する前記3次元印刷画線モデルの所望する画線高さが、画線高さのみが連続的に変化するように前記3次元印刷画線モデルを前記3次元印刷基材モデルの鉛直線上高さ方向に移動させて、前記3次元印刷基材モデルと前記3次元印刷画線モデルの位置をレイアウトすることを特徴とする請求項9記載の2次元データを用いて印刷物をシミュレーションする装置。
  11. 前記撮影パラメータ生成部において、
    前記光源と視点との位置をレイアウトされた前記3次元印刷基材モデルと前記3次元印刷画線モデルを任意の軸に沿って回転させて、前記3次元印刷基材モデル、前記3次元印刷画線モデル、光源及び視点の位置が連続的に変化するようにレイアウトすることを特徴とする請求項9又は10記載の2次元データを用いて印刷物をシミュレーションする装置。
  12. 前記掃引処理部は、前記2次元データが、図柄の輪郭線として表現された閉曲線群である場合に、
    前記2次元データに記述された閉曲線群の座標を基に2次元ポリゴン群を作成し、
    前記2次元ポリゴン群が配置された平面の法線方向に所望する3次元印刷画線の高さ分の距離を掃引処理し、3次元印刷画線モデルを作成することを特徴とする請求項9、10又は11記載の2次元データを用いて印刷物をシミュレーションする装置。
  13. 前記掃引処理部は、前記2次元データが、図柄の中心の軌跡として表現された中心線群である場合に、
    所望する3次元印刷画線の断面形状に則して画線断面2次元ポリゴンを作成し、
    取得した2次元データに記述された中心線群の座標を基に各画線の接線方向と前記画線断面2次元ポリゴンの法線方向とが一致するように各画線の中心線に沿って掃引処理し、3次元印刷画線モデルを作成することを特徴とする請求項9、10又は11記載の2次元データを用いて印刷物をシミュレーションする装置。
  14. 前記属性パラメータ生成部は、前記3次元印刷画線モデルと前記3次元印刷基材モデルに対して彩度、色相、明度及び反射率の少なくとも一つを付与することを特徴とする請求項9、10、11、12又は13記載の2次元データを用いて印刷物をシミュレーションする装置。
  15. 前記属性パラメータ生成部は、3次元印刷基材モデルに対して、凹版印刷方式とは異なる他版式によって印刷される万線及び彩紋模様の少なくとも一つを含む2次元データを属性パラメータとしてマッピングすることを特徴とする9、10、11、12、13又は14記載の2次元データを用いて印刷物をシミュレーションする装置。
  16. 前記3次元画像が、潜像を有することを特徴とする請求項9、10、11、12、13、14又は15記載の2次元データを用いて印刷物をシミュレーションする装置。
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