JP2004362220A - 動態管理システムおよび動態管理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】例えば工事作業者などの動態管理対象を自動的にかつリモートでリアルタイム管理する。
【解決手段】動態管理対象30が移動する範囲である動態管理対象範囲3を位置情報の最小管理単位であるセルに分割し,各セルに識別情報読み取り装置5を内蔵したプレートを設置し,各プレートに位置識別情報を付与しておく。動態管理対象30が移動してプレート31を踏む時に,識別情報読み取り装置5が,プレート31と接触する動態管理対象30が装着する媒体に貼付された対象識別情報とプレート31の位置情報とを読み取って携帯端末2経由で管理センタ1に送信し,管理センタ1が,受信した情報が記憶部13内にある各データベース上のデータと合致するかを確認し,確認結果情報を携帯端末2に送信し,確認結果を携帯端末2またはプレート31により動態管理対象30に通知する。
【選択図】 図1
【解決手段】動態管理対象30が移動する範囲である動態管理対象範囲3を位置情報の最小管理単位であるセルに分割し,各セルに識別情報読み取り装置5を内蔵したプレートを設置し,各プレートに位置識別情報を付与しておく。動態管理対象30が移動してプレート31を踏む時に,識別情報読み取り装置5が,プレート31と接触する動態管理対象30が装着する媒体に貼付された対象識別情報とプレート31の位置情報とを読み取って携帯端末2経由で管理センタ1に送信し,管理センタ1が,受信した情報が記憶部13内にある各データベース上のデータと合致するかを確認し,確認結果情報を携帯端末2に送信し,確認結果を携帯端末2またはプレート31により動態管理対象30に通知する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は,識別情報を利用した動態管理対象の動態管理技術に関し,特に,進入規制があるような工事スペースにおける工事作業者等の動態管理対象を自動的にかつリモートでリアルタイム管理する動態管理システムおよび動態管理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
動態管理の対象となる動態管理対象の例としては,ビル内の配線ケーブルの敷設,敷設した配線ケーブルとキャビネット内にある端子の接続,新規にキャビネットの立架等の多数の作業内容を伴う工事における作業者や工事に必要となる運搬具その他がある。施工の具体例としては,光ファイバケーブルの敷設,心線やコネクタの接続,光カプラの設置,その他の部品およびそれらを収容する棚(以下,架という),箱(キャビネット,クロージャ)等の敷設がある。以下では,動態管理対象が,通信局内で工事する工事作業者である場合の例を説明する。
【0003】
昨今,技術の進展に伴い扱う機器の高度化が発生し,工事に要する技術が多様化している。そのため,特殊な技術を必要とする作業者が効率よく工事を実施することができるようにする必要があり,作業者は,サービスの種類もしくは媒体の種類(メタルケーブル・光ファイバなど)ごとに区分けされて工事を行うように決められている。
【0004】
また,工事には,施工スペースというのが決められており,一つのキャビネットにケーブルを敷設する際には,作業者は該当するキャビネットの周囲の一定のスペースを工事作業範囲と認識し,工具や脚立,必要物品を据え置き,工事を実施する。そのため,隣接するキャビネットの工事が同時に実施されることが判明した場合などは,工事の円滑な進展を促すために,工事管理オペレータによって作業者間の工事スペースの協調を取ることで互いに工事の実施スペースをその都度決定し,その範囲内で工事を行う。
【0005】
しかし,通信局内のフロアには,様々な箇所で工事が執り行われており,工事が密集するフロアでは,動態管理対象の移動可能範囲内での動態管理が必要とされている。特に工事は一定の時間帯や期間に執り行われるものではなく,時間帯や必要日数は工事会社の稼動量やサービス申込者(開通試験等)に依存する。
【0006】
そのため,工事に必要なスペースに対する作業者の動態管理は,常に工事管理オペレータによって厳格に管理されていなくてはならず,その稼動は膨大であった。しかし,既存の技術では,工事管理オペレータによって工事スペースの割り当ては手動で行われていたが何も規制を敷くものは存在しなかったため,最終的には,作業者間のモラルに依存する部分が多かった。
【0007】
特に自動規制の面では,入退室における作業者への進入規制は行われてきたが,日々変化する工事内容によって,工事スペースへの進入規制や,動態管理対象ごとに進入可能なスペースを割り当てるなどのリアルタイムでの遠隔管理はなされていなかった。
【0008】
従来,動態管理対象に関わらず一般的な人間の動態管理には,赤外線や無線タグなどの機器を用いて,もしくは併用して管理されてきた。しかし,従来の管理機能は常に移動する人間を遠隔で管理することを主に開発されたものであり,移動する人間に対して無線による電波もしくは赤外線などを照射し,その照射した情報に対して移動者自体もしくはその移動者から反射される情報を読み取って,その動態を管理していた。
【0009】
しかし,それらの機能は照射する電波や赤外線が確実に移動する人間に照射されることが前提であり,照射元と移動する人間との間に,それら電波や赤外線を遮断する媒体が存在することがあり得るということが考慮されていない。工事作業者の場合には,施工作業用の荷物や物品の梱包物や,通信局内の動態管理対象範囲内においては人間の身長ほどもあるラックが存在し,かつそのラックは電波を反射する金属でできていることから,込み入った場所での工事作業者の遠隔からの自動的な動態管理を実施するのには適していない。
【0010】
また,管理対象スペースに一定区間ごとに識別情報を読み取る装置が作業者の横側に設置され,作業者が管理対象スペースに進入する場合には,作業者の横側に設置されている読み取り装置に作業者のもつ識別情報を読み取らせることで動態管理を実現する技術も存在する。
【0011】
しかし,これらは動態管理対象が常に工事作業を実施しながら,その情報の読み取りを意識しなければならず,横からの情報の読み取りの場合には,情報が読み取れたかどうかの確認が必要であり,読み取り装置と読み取り対象となる識別情報との間にある読み取り角度や情報の露出度などを常に意識していなければならないため,作業者が作業にのみ没頭するような自動的な管理は加味されていない。
【0012】
動態管理対象範囲内での工事作業者においては,上記に述べた作業者と情報を読み取る装置との間に情報を読み取ることを阻害する媒体が往々にして存在するため,確実なる情報取得が必要であるということと,作業者が動態管理のために意識をしなくても管理がリアルタイムに遠隔にて実施できることが非常に重要な基準となる。
【0013】
特に,作業者は日々の施工作業を迅速かつ効率的に実施するだけではなく,他の工事部隊の工事実施に必要なスペースや,工事実施期間や時間を全て作業時に確認しながら作業を履行する必要があるため,動態管理対象にかかる負担が大きいことが問題であり,非常に大きな労力を損失することにつながる。
【0014】
一般的な管理技術として無線タグでの遠隔管理があり,無線タグのような無線識別情報の場合には,情報の読み取り装置と識別情報との間に,ある程度の距離や,媒体が存在する場合であっても,情報を読み取ることができるという機能面での強みがある。
【0015】
しかし,適用する動態管理対象範囲内には,遠隔にて管理を実現できるほどの高周波の無線電波では,電波の影響に弱い装置類や機器類が多く存在するため,近接ではなく遠隔にて無線電波による情報管理をすることには不向きである。また,無線による識別情報の読み取り装置と識別情報との間に電波を阻害する媒体(金属等)があった場合や,識別情報同士が混在していた場合などは読み取り精度が落ちるため,工事中の安全管理も考慮すると,正確性に劣るという理由から採用が難しい場合がある。
【0016】
似た技術として一般的になっているものに,オフィスなどでの動態管理技術として,赤外線と無線タグとを併用した管理技術が存在する。この技術は,作業者が常に無線タグを保有し,外部から赤外線を受光した際には,赤外線に反応した無線タグから情報が発信されるようにし,発信した情報を外部にある読み取り機によって情報を識別するという技術である。
【0017】
しかし,これらは上記に述べたように周囲の環境が無線電波や赤外線に影響や依存をしないという環境や,赤外線が必ず作業者に当たることが前提となっている。実際の対象範囲には,伝送装置や梱包された荷物や,頭上にはケーブルラックと呼ばれるケーブルを天井部に敷設するラックが多数存在する。このため,上記の既存の技術は,上述したように無線情報により遠隔で管理をするためには周囲の装置に影響が発生しやすいのと,赤外線が確実に作業者に当たるという保障がないという問題があり,通信局内における工事スペースなどの動態管理対象範囲内において動態管理対象の情報を正確かつ確実に読み取る必要がある場合に,必ずしも適した技術であるとは言えない。
【0018】
一方,類似するシステムとして,配送業界において一般的となっているバーコードとGPS(Global Positioning System) を利用した動態管理システムもあるが,これらも地上を動くことが前提となっており,通信局内のような地下数階にまたがる動態管理対象範囲での作業などについては想定していないということから,本発明が対象とする分野とは異なる。
【0019】
なお,工事スペースなどの動態管理対象範囲を対象とした動態管理技術に関する先行技術文献は,特に見当たらない。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は,上記従来技術の問題点を解決し,工事等における動態管理対象の動態を管理運用するにあたり,動態管理対象個々に識別情報を付与し,付与した識別情報を読み取るためのプレートを管理対象範囲に設置することで,動態管理対象の工事実施時に進入可能なスペースを自動的かつ遠隔で管理する技術を確立することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】
本発明は,上記課題を解決し,識別情報を利用した動態管理を実施することで,より安全で効率的な管理を実現するため,動態管理対象の移動範囲(動態管理対象範囲という)である面に対して,事前に決定付けられた最小座標位置毎に位置識別情報が貼付もしくは入力されたプレートを配置する。このプレートは,識別情報読み取り装置を内蔵しており,動態管理対象となるもの(者・物)を特定するための一意の識別情報を,識別情報読み取り装置によって読み取ることが可能になっている。動態管理対象の識別情報は,例えば動態管理対象が移動することにより動態管理対象がプレートと接触する部分(靴底など)に二次元バーコードその他の形態で貼付される。
【0022】
また,プレートには動態管理対象に接触または押圧されることによりオン/オフするスイッチが設けられ,動態管理対象の移動によってプレートが踏まれると,スイッチがオン状態になり,プレートの識別情報読み取り装置に電源が入り,動態管理対象の識別情報がプレートに読み取られるように構成されている。
【0023】
プレートによって読み取られた動態管理対象の識別情報と,あらかじめプレートに付与されたプレートの位置を特定する位置識別情報とは,動態管理対象範囲にある携帯端末等のコンピュータ端末から通信ネットワークを介して管理センタのサーバ装置(管理サーバ)へ送信される。
【0024】
管理サーバでは,各動態管理対象ごとに進入(移動)可能な位置識別情報が登録されているデータベースを持っており,コンピュータ端末から動態管理対象の識別情報とプレートの位置識別情報とを受信すると,データベース中の登録情報との照合を行い,位置識別情報によって特定される位置に動態管理対象の進入が許可されているかどうかを確認する。この確認結果をコンピュータ端末に送信し,コンピュータ端末は,確認結果を動態管理対象に通知する。動態管理対象に通知する手段として,コンピュータ端末のディスプレイを利用してもよく,また,プレートに音を発生する手段や点滅もしくは色を変える表示手段を設けて利用してもよい。
【0025】
また,管理サーバに,あらかじめ決められた管理パターンごとに動態管理対象の識別情報とその動態管理対象が進入可能な位置の位置識別情報との対応情報を格納する管理パターン情報データベースを設け,コンピュータ端末から管理パターン情報コードを入力して,管理サーバが,動態管理対象の進入可能な位置識別情報を管理パターン情報データベースからすべて取り出し,事前に動態管理対象が進入可能な位置を,プレート等に明示的に表示するようにすることも可能である。
【0026】
また,管理サーバにおいて,進入の可否を判断した結果を履歴データとして蓄積しておき,特定の動態管理対象が進入不可と判断された回数が所定数以上になった場合に,アラームを動態管理対象またはシステムの管理者に通知する手段を設けることもできる。
【0027】
また,動態管理対象範囲と外界との境界部分にゲートを設け,ゲートIDと動態管理対象の進入可否情報とを管理サーバが管理することにより,動態管理対象の動態管理対象範囲への進入および退出を,プレートから読み取った情報をもとに管理することもできる。
【0028】
プレートから読み取った識別情報の排他処理を実施し,時系列的に管理することにより,ほぼ同時に複数のプレートから識別情報が読み込まれたような場合に,管理サーバにおける確認処理に遅延が生じても問題なく対処することができる。
【0029】
なお,管理サーバにおけるデータベースは,動態管理対象である管理対象者等の意図によって,動態管理対象の進入可能範囲を変更することができるようなデータベースへの登録情報の更新手段を設けることが望ましい。
【0030】
【発明の実施の形態】
図1は,本発明の実施の形態に係る動態管理システムの構成の概要を示す図である。図1において,1は工事情報および動態管理対象を管理し,動態管理対象が踏み入れた領域が進入可能な領域かどうかを確認する管理センタの管理サーバ,2は工事を支援するためのコンピュータ端末であって,動態管理対象に対して管理サーバ1による確認結果情報を通知する携帯端末,3は動態管理対象範囲,4は有線または無線による通信ネットワーク,5は動態管理対象固有の識別情報を読み取る識別情報読み取り装置である。
【0031】
動態管理対象範囲3は,通信局内の工事スペースであって,動態管理対象の進入可否の判断対象となる領域である。動態管理対象30は,本システムの管理対象である人(例えば,工事作業者)や物(例えば,台車や工具等)である。また,31は動態管理対象範囲3内に設置されたプレートであり,集合してプレート群を構成している。各プレート31には,位置識別情報32が電子データに変換可能な形式で付加されている。位置識別情報32は,各プレート31に固有の識別番号またはプレート31が配置された位置に固有の識別番号である。
【0032】
管理サーバ1は,ハードディスクやメモリ等の記憶部13に,各プレート31に付加されている位置識別情報と実際の位置情報との対応情報を格納するための位置情報データベース(DB)130と,各動態管理対象30の識別情報を事前に登録し,登録された動態管理対象30の情報を格納する動態管理対象情報データベース(DB)131と,工事の各管理パターン実施の際には,例えば工事に必要な情報(工事情報コード,契約作業期間,作業時間,管理パターンごとの必要移動領域である作業位置情報,作業者名等)を格納する管理パターン情報データベース(DB)132とを備える。さらに,動態管理対象30の移動履歴が格納される履歴情報データベース(DB)133と,動態管理対象30の動態管理対象範囲3内への進入を管理するための情報が格納される進入管理データベース(DB)134とを備える構成を採ることもできる。
【0033】
また,管理サーバ1は,携帯端末2と通信のためのインタフェースであって,携帯端末2から送信されたプレート31の位置識別情報32と動態管理対象30の識別情報を受信する情報受信部10,受信した動態管理対象30の識別情報とプレート31の位置識別情報32から,その位置識別情報32に対して動態管理対象30が進入可能かどうかを,記憶部13中のデータベースを参照して確認する情報確認部11と,確認した結果を携帯端末2に送信するインタフェースである確認結果送信部12とを備える。また,図示省略するが,管理サーバ1側のオペレータによって事前に動態管理対象30の固有情報と移動可能な位置識別情報の入力と,各管理パターン情報の詳細情報(時間・期間・動態管理対象名)等を入力するデータベースへのインタフェース等を有する。
【0034】
携帯端末2は,CPUやメモリなどからなるコンピュータ端末であって,ソフトウェアプログラム等によって構成される管理サーバ1との間で情報をやり取りする情報流通・照合部20,工事作業者への工事支援情報の入出力を行う支援部21を備える。
【0035】
情報流通・照合部20は,支援部21から動態管理対象30の識別情報や各プレート31の位置識別情報32を受け取って管理サーバ1へ送信する情報送信部200と,管理サーバ1から送信された確認結果情報を受信して,支援部21へ通知する情報受信部201を有する。
【0036】
また,携帯端末2の支援部21は,工事作業者に対して作業進捗情報などの 入出力のための情報入出力部210を備えるほか,プレート31からの位置識別情報32と動態管理対象30の識別情報の読み取り結果を,情報流通・照合部20を経由して管理サーバ1へ送信する読み取り結果送信部211と,管理サーバ1から情報流通・照合部20が受信した確認結果情報を,工事作業者等に通知する確認結果通知部212とを備える。
【0037】
図2は,プレートの構成とプレートに添付される位置識別情報の一例を示す図である。図2において,33は識別情報読み取り装置5の電源をON/OFFするスイッチ,34は識別情報読み取り装置5と携帯端末2とを接続する接続用ケーブルである。
【0038】
例えば,動態管理対象範囲3をX軸方向(横軸)とY軸方向(奥行き軸)からなる線で区切り,メッシュ状に動態管理対象範囲3の一最小単位であるセルに分割した上で,各セルの動態管理対象範囲3における位置を特定するための情報を符号化した位置識別情報32を添付したプレート31を設置する。これにより,動態管理対象範囲3の各最小位置において面的な位置情報管理が可能となる。
【0039】
すなわち,工事の作業場所である動態管理対象範囲3の床面の一部または全部に,図2に示すようなプレート31が配設される。各プレート31に添付されている位置識別情報32は,管理・運用の対象となるものである。各プレート31への位置識別情報32の添付は,ユニークな番号と情報を持つ識別情報(例えば,二次元バーコードなど)を各プレート31に取り付けることにより行われる。なお,位置識別情報32は,二次元バーコードなどの情報ではなく,あらかじめプレート31が電子的に保持する情報でもよい。
【0040】
また,プレート31には,上面からの押圧によってON/OFFするスイッチ33が設けられている。例えば工事作業者である動態管理対象30がプレート31を踏むことにより,プレート31内のスイッチ33がON状態となり,識別情報読み取り装置5の電源がONになる。識別情報読み取り装置5は,動態管理対象30に固有に付与された識別情報を読み取る。
【0041】
図3は,動態管理対象30への識別情報の貼付例を示す図である。図3(A)は,動態管理対象30が人(例えば,工事作業者)の場合,図3(B)は,動態管理対象30が物(例えば,台車など)の場合の識別情報の貼付例を示す。図3において,300は動態管理対象30の二次元バーコードによる識別情報であり,動態管理対象30がプレート31を踏んだ場合に動態管理対象30とプレート31との接触面となる媒体に貼付されている。
【0042】
例えば,図3(A)においては,識別情報300は工事作業者の靴裏に貼付されており,図3(B)においては,識別情報300は台車の車輪に貼付されている。そして,動態管理対象30が各プレート31と接触した時に,識別情報読み取り装置5が,プレート31との接触面となる靴裏や車輪などの媒体に貼付された識別情報300を読み取る。
【0043】
動態管理対象30の識別情報やプレート31の位置識別情報32の他の実現例としては,識別情報読み取り装置5が周囲の装置への影響等が発生しないくらいの微弱な無線電波を利用できる環境であるならば,本実施の形態において採用する識別情報300または位置識別情報32の候補の一つとして,無線ID技術を利用した無線タグのような識別情報の採用も可能である。
【0044】
図4は,本発明の第1の実施の形態の概要を示す図である。本実施の形態では,通信局などの工事現場における動態管理対象範囲3内のプレート31,携帯端末2およびこれらに通信ネットワーク4を介して接続される管理サーバ1の各部が有機的に結合し,動態管理対象30の識別情報300とプレート31の位置識別情報32とが,コンピュータソフトウェアの処理手順に従って処理されることで,動態管理対象30が進入可能なプレート31(=領域)かどうかの管理を図ることが可能となっている。また,正確なデータベース構築を基盤として,設備敷設工事の運用効率化を実現することを可能としている。
【0045】
従来の技術は,動態管理対象と識別情報読み取り装置との間に情報の送受信を阻害する要因となる媒体の存在がないことや,無線等による影響がない環境であることが前提となっており,このような前提が満たされない環境の場合には,リアルタイムでの動態管理対象の位置管理を実施することができなかった。
【0046】
この点,図2に示すように,本発明の第1の実施の形態においては,動態管理対象範囲3において,動態管理対象30がプレート31を踏んだ場合に,プレート31と接触する媒体(例えば動態管理対象30の靴裏)から識別情報読み取り装置5が動態管理対象30の識別情報300を読み取ると同時に,踏まれたプレート31の位置識別情報32を読み取り,それらの読み取った情報を携帯端末2に送信し,携帯端末2では,受信した情報を通信ネットワーク4を介して管理サーバ1に送信する。
【0047】
管理サーバ1においては,動態管理対象30が踏んだプレート31に進入することが許可されているかどうかをデータベースで確認し,確認結果情報を携帯端末2に送信する。携帯端末2は,受信した確認結果情報をプレート31の制御信号に変換してプレート31に出力する。そして,プレート31が備える通知手段を通じて確認結果情報が動態管理対象30に通知される。この例では,プレート31は,識別情報読み取り装置5およびスイッチ33を内蔵するほか,例えば音を発生したり,プレート31の色を変化させたりして動態管理対象30に管理サーバ1による確認結果を通知する通知手段を有している。他の動態管理対象範囲3においても同様の動態管理が行われる。
【0048】
このように,本発明の適用時には,動態管理対象30が移動する場所にプレート31を確保し,プレート31面と接触する媒体に動態管理対象30の識別情報を装着することで,動態管理対象30は,情報を識別されているという意識もなく移動に集中することが可能となり,識別情報の読み取りのために,繊細な装置への電波影響が危惧される場所においても適用が可能になっている。
【0049】
図5は,位置情報DBのデータ構成の一例を示す図である。図5に示すように,管理サーバ1が管理する位置情報DB130に格納されるデータは,例えば,プレート31の位置を一意に識別する位置情報コードである位置識別情報32,プレート31が配設されるフロア名,フロア内のX軸位置,Y軸位置および他の付加的情報(備考)といった項目から構成される。
【0050】
図6は,動態管理対象情報DBのデータ構成の一例を示す図である。動態管理対象情報DB131に格納されるデータは,例えば図6に示すような情報であり,工事作業者を一意に識別する作業者コード,作業者名,作業可能位置情報(▲1▼〜▲7▼)といった項目から構成される。作業者コードは,動態管理対象30の識別情報300に相当するものである。作業者コードは識別情報300そのものであってもよく,また作業者コードと識別情報300とを別のコードとして実現し,作業者コードと識別情報300との対応管理情報を他のデータベースで管理するようにしてもよい。作業可能位置情報は,作業者が立ち入ってもよい場所のプレート31に付加された位置識別情報32である。動態管理対象情報DB131は,作業可能位置情報として,プレート31の位置識別情報32ではなく,フロア名,X軸位置,Y軸位置などの位置情報を持つこともできる。これらの位置情報と位置識別情報32との対応は,位置情報DB130によってとることができる。
【0051】
図7は,管理パターン情報DBのデータ構成の一例を示す図である。管理パターン情報DB132に格納されるデータは,例えば図7に示すようなデータであり,管理単位の工事を識別する工事情報コード,契約会社名,契約作業期間,一日の作業時間,作業位置情報,作業者名(▲1▼,▲2▼,…)といった項目から構成される。これらのデータ項目群の一つを管理パターンと称しており,工事情報コードを「管理パターン情報コード」と呼ぶこともある。
【0052】
図8は,本発明の第1の実施の形態における識別情報の読み取り処理シーケンスの一例を示す図である。以下,図8に示す(A)〜(F)に従って,本システムの基本的な動作例を説明する。工事現場へのプレート31の配置および管理サーバ1における各種データベースへの作業者情報や位置情報などを含む工事情報のデータ登録は,完了しているものとする。
【0053】
(A)動態管理対象(例えば,工事作業者)30が,プレート31の上を歩いてプレートの上を移動する。
【0054】
(B)プレート31が動態管理対象30に踏まれたことにより,プレート31内部のスイッチ33が反応し,識別情報読み取り装置5の電源がONとなる。識別情報読み取り装置5は,動態管理対象30との境目(接触面)にある識別情報300およびプレート31の位置識別情報32の読み取りを実施し,読み取った情報を携帯端末2へ送信する。
【0055】
(C)携帯端末2は,受信したプレート31の位置識別情報32と動態管理対象30の識別情報300とを管理サーバ1へ送信する。
【0056】
(D)管理サーバ1は,以下のようにして,受信した情報が各DB上のデータと合致するかどうかを確認する。管理サーバ1は,受信したプレート31の位置識別情報32が位置情報DB130に登録されているか否かを確認する。また,管理サーバ1は,位置識別情報32と動態管理対象30の識別情報300をキー(KEY)にして,動態管理対象情報DB131を用いて,動態管理対象30が踏んだプレート31が,進入可能な領域か否かを確認する。また,管理パターン情報DB132より,動態管理対象30の移動が,規定期間内,規定時間内に行われたものであるか否かを確認する。そして,確認結果情報を携帯端末2に送信する。ここでは,位置情報DB130,動態管理対象情報DB131,管理パターン情報DB132のすべてを調べる例を説明したが,これらの位置情報の確認方法は一例であり,例えば管理パターン情報DB132を調べるだけでも本発明の実施は可能である。
【0057】
(E)携帯端末2は,動態管理対象30が移動した領域(プレート31)が踏み込んでよい領域(プレート31)かどうかを判定し,動態管理対象30に確認結果の通知を行う。この通知は,例えば,確認結果情報をプレート31に送信し,前述した通知手段を備えるプレート31から音を発生させたり,プレート31の色を変化させたりすることにより行われる。
【0058】
(F)動態管理対象30は,踏み込んでよい領域(プレート31)であるかどうかをプレート31の反応(例えば,音の発生や色の変化)によって認知することができる。
【0059】
上記処理において,一つのプレート31に対して取得した情報への管理サーバ1からの返信が来る前に,他のプレート31から次の情報を取得した場合において,取得した情報を時系列に従って保持し,携帯端末2および管理サーバ1において,各プレート31から取得した情報を排他制御によってシーケンシャルに処理し,確認結果を時系列順に通知する機能を設けることもできる。
【0060】
図9は,本発明の第1の実施の形態における携帯端末2の処理フローの一例を示す図である。まず,携帯端末2は,識別情報読み取り装置5が読み取った動態管理対象30の識別情報300と動態管理対象30が踏んだプレート31の位置識別情報32とを,プレート31から受信する(ステップS1)。
【0061】
携帯端末2は,受信した識別情報300とプレート31の位置識別情報32とを管理サーバ1に送信する(ステップS2)。そして,管理サーバ1から確認結果情報を受信し(ステップS3),受信した確認結果情報を通知するための信号をプレート31に出力し(ステップS4),処理を終了する。確認結果情報をプレート31に出力するのではなく,携帯端末2のディスプレイまたはスピーカーに出力してもよい。
【0062】
図10は,本発明の第1の実施の形態における管理サーバ1の処理フローの一例を示す図である。まず,管理サーバ1は,携帯端末2から動態管理対象30の識別情報300とプレート31の位置識別情報32とを受信する(ステップS11)。管理サーバ1は,受信したプレート31の位置識別情報32が位置情報DB130に格納されているかを確認する(ステップS12)。次に,管理サーバ1は,位置識別情報32と動態管理対象30の識別情報300をキー(KEY)にして動態管理対象情報DB131を検索し,動態管理対象30が踏んだプレート31が,進入可能な領域か否かを確認する(ステップS13)。
【0063】
また,管理パターン情報DB132を検索し,動態管理対象30の移動が,規定期間内,規定時間内のものであるか否かを確認する(ステップS14)。管理サーバ1は,これらの確認結果情報,すなわち動態管理対象30である作業者が進入してよい場所であるかどうかの情報を,携帯端末2に送信する(ステップS15)。
【0064】
本発明の第2の実施の形態は,携帯端末2から管理パターン毎に割り振られた一意の工事情報コード(管理パターン情報コード)を管理サーバ1に送信し,管理サーバ1が管理パターン情報DB132を検索し,該当パターンに許可された移動可能領域の位置識別情報を携帯端末2に送信する。そして,携帯端末2が,この位置識別情報をキー(KEY)にして移動可能なプレート31の位置を動態管理対象30に対して通知する。
【0065】
具体的には,携帯端末2の支援部21の情報入出力部210に入力された工事情報コードを,情報流通・照合部20の情報送信部200から管理サーバ1に送信する。
【0066】
管理サーバ1では,この工事情報コードを情報受信部10にて受信し,情報確認部11に通知する。情報確認部11は,情報受信部10が受信した工事情報コードに基づいて管理パターン情報DB132を検索し,工事情報コードに対応して格納されている作業位置情報から,許可された移動可能領域の位置識別情報を取得する。確認結果送信部12は,取得した位置識別情報を携帯端末2の情報受信部201に送信する。
【0067】
携帯端末2の情報流通・照合部20は,情報受信部201により受信した位置識別情報を支援部21の確認結果通知部212に通知する。確認結果通知部212は,通知された位置識別情報に対応する位置のプレート31に対して,移動可能領域である旨を通知する制御信号を出力し,通知制御信号を受信したプレートの通知手段が音を発生させたりプレート31の色を変化させたりして,動態管理対象30に移動可能なプレート31の位置を知らせる。
【0068】
図11は,本発明の第2の実施の形態における携帯端末の処理フローの一例を示す図である。まず,携帯端末2は,管理パターン情報コードの一例である工事情報コードを管理サーバ1に送信する(ステップS21)。
【0069】
携帯端末2は,管理サーバ1から該当管理パターンに許可された移動可能領域の位置識別情報を受信する(ステップS22)。そして,携帯端末2は,受信した位置識別情報に対応する位置のプレート31に対して移動可能領域である旨を通知する制御信号を出力して(ステップS23),処理を終了する。なお,受信した位置識別情報に対応するプレート31がどの出力端子に接続されるかについては,各プレート31の識別情報読み取り装置5によって位置識別情報を読み取ることにより決定することができる。
【0070】
図12は,本発明の第2の実施の形態における管理サーバの処理フローの一例を示す図である。管理サーバ1は,まず,携帯端末2から工事情報コードを受信する(ステップS31)。受信した工事情報コードに基づいて管理パターン情報DB132を検索し,該当管理パターンに許可された移動可能領域の位置識別情報を取得する(ステップS32)。管理サーバ1は,取得した位置識別情報を携帯端末2に送信して(ステップS33),処理を終了する。
【0071】
本発明の第3の実施の形態は,動態管理対象30が移動したプレート31の移動履歴を保存,蓄積し,動態管理対象30が移動不可のプレート31へ所定の回数以上移動した場合に動態管理対象30にアラーム通知を行うものである。。
【0072】
本発明の第3の実施の形態では,まず,管理サーバ1が,第1の実施の形態と同様の方法で,動態管理対象30が移動に伴って踏んだプレート31への進入が許可されるか否かを確認する。そして,この進入可否の履歴を管理サーバ1内の履歴情報DB133に格納する。
【0073】
図13は,履歴情報DB133のデータ構成の一例を示している。ここでは,進入可能なプレート31への移動回数をOK回数,進入不可のプレート31への移動回数をNG回数として表している。履歴情報DB133には,図13に示すように,OK回数,NG回数,総数(OK回数+NG回数)の履歴情報が,工事情報コードごと,動態管理対象30である作業者ごと,および位置識別情報ごとに格納される。
【0074】
管理サーバ1の情報確認部11は,履歴情報DB133において,一定値以上のNG回数が発生したかを監視し,一定値以上のNG回数が発生した場合には,確認結果送信部12が,一定値以上のNG回数が発生したことを示す情報であるアラーム情報を携帯端末2に送信する。
【0075】
携帯端末2は,このアラーム情報を情報受信部201が受信し,受信したアラーム情報を支援部21の確認結果通知部212に通知する。確認結果通知部212は,受信したアラーム情報に基づいて,アラームの通知先である動態管理対象30の識別情報が読み込まれた最新の位置識別情報,つまり,動態管理対象30の現在位置または現在位置に最も近い位置のプレート31の位置識別情報を取得し,その位置識別情報に対応する位置のプレート31に対してアラーム情報を送信する。アラーム情報を受信したプレート31は,通知手段を用いて動態管理対象30に対してアラームの通知を行う。
【0076】
図14は,本発明の第3の実施の形態において,動態管理対象にアラームの通知を行う際の携帯端末2の処理フローの一例を示す図である。携帯端末2は,管理サーバ1からアラーム情報を受信する(ステップS41)。
【0077】
携帯端末2は,受信したアラーム情報に基づいてアラームの通知先である動態管理対象30の識別情報が読み込まれた最新の位置識別情報を取得する(ステップS42)。そして,取得された位置識別情報に対応する位置のプレート31に対してアラーム情報を送信して(ステップS43),処理を終了する。
【0078】
図15は,本発明の第3の実施の形態において,動態管理対象にアラームの通知を行う際の管理サーバ1の処理フローの一例を示す図である。管理サーバ1は,履歴情報DB133において一定値以上のNG回数が発生したかを監視する(ステップS51)。NG回数が一定値未満の場合にはステップS51に戻り,監視を続ける。一定値以上のNG回数が発生した場合には,アラーム情報を携帯端末2に送信する(ステップS52)。
【0079】
本発明の第4の実施の形態は,動態管理対象範囲3と外界との接続地点に進入ゲートを設け,ゲートに進入した動態管理対象30に対して,ゲートの進入許可および不許可を通知する例である。
【0080】
図16は,本発明の第4の実施の形態の概要を示す図である。図16において,35は動態管理対象範囲3と外界との接続地点に設けられたゲート,36は,ゲート35と携帯端末2との接続線,134は進入管理DBである。接続線36は,有線,無線のいずれでもよい。
【0081】
図17は,進入管理DB134のデータ構成の一例を示す図である。進入管理DB134には,例えば,ゲートID,作業者コード,作業者名,NG回数,前回入室時間,前回退出時間といった情報が格納される。作業者コードは,動態管理対象30の識別情報に相当する。このNG回数は,動態管理対象30による許可プレート以外への移動回数である。
【0082】
本発明の第4の実施の形態においては,ゲート35の前面部と背面部とにプレート31を設置し,動態管理対象30がゲート35の前面部のプレート31を踏むことにより,識別情報読み取り装置5が動態管理対象30の識別情報を読み取り,携帯端末2の支援部21の読み取り結果送信部211に送信する。
【0083】
また,動態管理対象30がゲート35を通過する時に,動態管理対象範囲3内に進入したことを示す情報(進入確認情報)およびゲート35のゲートIDが,ゲート35から接続線36経由で携帯端末2の支援部21に送信される。支援部21は,動態管理対象30の識別情報300,ゲートIDおよび進入確認情報を情報流通・照合部20の情報送信部200に送信し,情報送信部200が,これらの情報を管理サーバ1の情報確認部11に送信する。
【0084】
管理サーバ1の情報確認部11は,受信した識別情報300とゲートIDとの対応情報が,進入管理DB134に格納されているかを確認する。対応情報が格納されていない場合には,ゲート35への進入は不許可として処理される。対応情報が格納されていることを確認した場合には,この確認と同時に進入管理DB134の入室時間に関する項目を更新する。
【0085】
確認結果送信部12は,上記識別情報300とゲートIDとが進入管理DB134において対応情報として格納されているか否かの確認結果情報を携帯端末2の情報流通・照合部20の情報受信部201に送信し,情報受信部201は受信した確認結果情報を支援部21の確認結果通知部212に送信する。
【0086】
確認結果通知部212は,確認結果情報をゲート35に送信する。ゲート35においては,動態管理対象30に対して,ゲート35の進入許可または不許可の通知もしくは進入許可または不許可の結果に見合う動作を行う。
【0087】
動態管理対象30がゲート35を退出した時には,ゲート35の背面および前面にあるプレート31をこの順序で踏むことにより,識別情報読み取り装置5が動態管理対象30の識別情報を読み取り,携帯端末2に送信する。また,動態管理対象30がゲート35を通過する時に,動態管理対象範囲3外に退出したことを示す情報(退出確認情報)およびゲート35のゲートIDが携帯端末2に送信される。
【0088】
携帯端末2は,上記識別情報,退出確認情報およびゲートIDを管理サーバ1に送信し,管理サーバ1において,進入管理DB134の退室時間に関する項目が更新される。
【0089】
図18は,本発明の第4の実施の形態における携帯端末2の処理フローの一例を示す図である。携帯端末2は,ゲート35近辺のプレート31の識別情報読み取り装置5から動態管理対象30の識別情報を受信する(ステップS61)。また,携帯端末2は,ゲート35から進入確認情報およびゲートIDを受信する(ステップS62)。
【0090】
携帯端末2は,受信した識別情報,進入確認情報およびゲートIDを管理サーバ1に送信する(ステップS63)。次に,携帯端末2は,送信した識別情報300とゲートIDとの対応情報が,進入管理DB134において格納されているか否かの確認結果情報を管理サーバ1から受信し(ステップS64),受信した確認結果情報をゲート35に送信して(ステップS65),処理を終了する。
【0091】
図19(A)は,本発明の第4の実施の形態において,動態管理対象のゲートへの進入時における管理サーバ1の処理フローの一例を示す図である。管理サーバ1は,まず,動態管理対象30の識別情報300,ゲートIDおよび進入確認情報を携帯端末2から受信する(ステップS71)。受信した識別情報300とゲートIDとが進入管理DB134において対応情報として格納されているかを確認する(ステップS72)。また,進入管理DB134の入室時間に関する項目を更新する(ステップS73)。管理サーバ1は,ステップS72で確認した結果の確認結果情報を携帯端末2に送信して(ステップS74),処理を終了する。
【0092】
図19(B)は,本発明の第4の実施の形態において,動態管理対象30のゲート35からの退出時における管理サーバ1の処理フローの一例を示す図である。管理サーバ1は,まず,動態管理対象30の識別情報300,ゲートIDおよび退出確認情報を携帯端末2から受信する(ステップS81)。そして,進入管理DB134において,受信した識別情報300,ゲートIDに対応する動態管理対象30についての退室時間に関する項目を更新し(ステップS82),処理を終了する。
【0093】
上記本発明の第4の実施の形態において,例えば,管理サーバ1において進入管理DB134のNG回数を監視し,NG回数が予め設定されたNG回数の上限閾値を超えた場合には,該当する動態管理対象30の情報を進入管理DB134から一時的に消去し,この動態管理対象30のゲート35の通過許可を発生させないようにすることも可能である。
【0094】
ゲート35に赤外線などを利用した動態管理対象30の通過検出機構を設けてもよいが,このような通過検出機構を設ける代わりに,ゲート35の入口側から見て前面と背面とに配置されたプレート31からの識別情報の読み取り順序を検査することで,動態管理対象30の入室,退出を判断することもできる。
【0095】
以上説明した本発明は,通信局内や識別情報を受動的識別情報のみに特化した技術ではなく,容易に他分野(屋外等)に適用することも,識別情報を装置に影響しない程度の無線タグ等を利用して実施することも可能である。
【0096】
【発明の効果】
本発明によって今までの手動による動態管理対象の動態管理ではない,自動的かつリモートでのリアルタイム管理が可能となる。このことより,今まで膨大な稼動を費やして動態管理対象範囲内の管理パターンに伴う動態管理対象の進入可能な領域管理(=動態管理)をオペレータによって手動で実施していた反面,誤作業などのサービス品質の劣化などが避けられない事象であったものを未然に防ぐことができ,通信サービスの迅速かつ正確な提供という観点で効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る動態管理システムの構成の概要を示す図である。
【図2】プレートの構成とプレートに添付される位置識別情報の一例を示す図である。
【図3】動態管理対象への識別情報の貼付例を示す図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態の概要を示す図である。
【図5】位置情報DBのデータ構成の一例を示す図である。
【図6】動態管理対象情報DBのデータ構成の一例を示す図である。
【図7】管理パターン情報DBのデータ構成の一例を示す図である。
【図8】本発明の第1の実施の形態における識別情報の読み取り処理シーケンスの一例を示す図である。
【図9】携帯端末の処理フローの一例を示す図である。
【図10】管理サーバの処理フローの一例を示す図である。
【図11】携帯端末の処理フローの一例を示す図である。
【図12】管理サーバの処理フローの一例を示す図である。
【図13】履歴情報DBのデータ構成の一例を示す図である。
【図14】携帯端末の処理フローの一例を示す図である。
【図15】管理サーバの処理フローの一例を示す図である。
【図16】本発明の第4の実施の形態の概要を示す図である。
【図17】進入管理DBのデータ構成の一例を示す図である。
【図18】携帯端末の処理フローの一例を示す図である。
【図19】管理サーバの処理フローの一例を示す図である。
【符号の説明】
1 管理サーバ
10 情報受信部
11 情報確認部
12 確認結果送信部
13 記憶部
130 位置情報DB
131 動態管理対象情報DB
132 管理パターン情報DB
133 履歴情報DB
134 進入管理DB
2 携帯端末
20 情報流通・照合部
200 情報送信部
201 情報受信部
21 支援部
210 情報入出力部
211 読み取り結果送信部
212 確認結果通知部
3 動態管理対象範囲
30 動態管理対象
31 プレート
32 位置識別情報
33 スイッチ
34 接続用ケーブル
35 ゲート
36 接続線
300 識別情報
4 通信ネットワーク
5 識別情報読み取り装置
【発明の属する技術分野】
本発明は,識別情報を利用した動態管理対象の動態管理技術に関し,特に,進入規制があるような工事スペースにおける工事作業者等の動態管理対象を自動的にかつリモートでリアルタイム管理する動態管理システムおよび動態管理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
動態管理の対象となる動態管理対象の例としては,ビル内の配線ケーブルの敷設,敷設した配線ケーブルとキャビネット内にある端子の接続,新規にキャビネットの立架等の多数の作業内容を伴う工事における作業者や工事に必要となる運搬具その他がある。施工の具体例としては,光ファイバケーブルの敷設,心線やコネクタの接続,光カプラの設置,その他の部品およびそれらを収容する棚(以下,架という),箱(キャビネット,クロージャ)等の敷設がある。以下では,動態管理対象が,通信局内で工事する工事作業者である場合の例を説明する。
【0003】
昨今,技術の進展に伴い扱う機器の高度化が発生し,工事に要する技術が多様化している。そのため,特殊な技術を必要とする作業者が効率よく工事を実施することができるようにする必要があり,作業者は,サービスの種類もしくは媒体の種類(メタルケーブル・光ファイバなど)ごとに区分けされて工事を行うように決められている。
【0004】
また,工事には,施工スペースというのが決められており,一つのキャビネットにケーブルを敷設する際には,作業者は該当するキャビネットの周囲の一定のスペースを工事作業範囲と認識し,工具や脚立,必要物品を据え置き,工事を実施する。そのため,隣接するキャビネットの工事が同時に実施されることが判明した場合などは,工事の円滑な進展を促すために,工事管理オペレータによって作業者間の工事スペースの協調を取ることで互いに工事の実施スペースをその都度決定し,その範囲内で工事を行う。
【0005】
しかし,通信局内のフロアには,様々な箇所で工事が執り行われており,工事が密集するフロアでは,動態管理対象の移動可能範囲内での動態管理が必要とされている。特に工事は一定の時間帯や期間に執り行われるものではなく,時間帯や必要日数は工事会社の稼動量やサービス申込者(開通試験等)に依存する。
【0006】
そのため,工事に必要なスペースに対する作業者の動態管理は,常に工事管理オペレータによって厳格に管理されていなくてはならず,その稼動は膨大であった。しかし,既存の技術では,工事管理オペレータによって工事スペースの割り当ては手動で行われていたが何も規制を敷くものは存在しなかったため,最終的には,作業者間のモラルに依存する部分が多かった。
【0007】
特に自動規制の面では,入退室における作業者への進入規制は行われてきたが,日々変化する工事内容によって,工事スペースへの進入規制や,動態管理対象ごとに進入可能なスペースを割り当てるなどのリアルタイムでの遠隔管理はなされていなかった。
【0008】
従来,動態管理対象に関わらず一般的な人間の動態管理には,赤外線や無線タグなどの機器を用いて,もしくは併用して管理されてきた。しかし,従来の管理機能は常に移動する人間を遠隔で管理することを主に開発されたものであり,移動する人間に対して無線による電波もしくは赤外線などを照射し,その照射した情報に対して移動者自体もしくはその移動者から反射される情報を読み取って,その動態を管理していた。
【0009】
しかし,それらの機能は照射する電波や赤外線が確実に移動する人間に照射されることが前提であり,照射元と移動する人間との間に,それら電波や赤外線を遮断する媒体が存在することがあり得るということが考慮されていない。工事作業者の場合には,施工作業用の荷物や物品の梱包物や,通信局内の動態管理対象範囲内においては人間の身長ほどもあるラックが存在し,かつそのラックは電波を反射する金属でできていることから,込み入った場所での工事作業者の遠隔からの自動的な動態管理を実施するのには適していない。
【0010】
また,管理対象スペースに一定区間ごとに識別情報を読み取る装置が作業者の横側に設置され,作業者が管理対象スペースに進入する場合には,作業者の横側に設置されている読み取り装置に作業者のもつ識別情報を読み取らせることで動態管理を実現する技術も存在する。
【0011】
しかし,これらは動態管理対象が常に工事作業を実施しながら,その情報の読み取りを意識しなければならず,横からの情報の読み取りの場合には,情報が読み取れたかどうかの確認が必要であり,読み取り装置と読み取り対象となる識別情報との間にある読み取り角度や情報の露出度などを常に意識していなければならないため,作業者が作業にのみ没頭するような自動的な管理は加味されていない。
【0012】
動態管理対象範囲内での工事作業者においては,上記に述べた作業者と情報を読み取る装置との間に情報を読み取ることを阻害する媒体が往々にして存在するため,確実なる情報取得が必要であるということと,作業者が動態管理のために意識をしなくても管理がリアルタイムに遠隔にて実施できることが非常に重要な基準となる。
【0013】
特に,作業者は日々の施工作業を迅速かつ効率的に実施するだけではなく,他の工事部隊の工事実施に必要なスペースや,工事実施期間や時間を全て作業時に確認しながら作業を履行する必要があるため,動態管理対象にかかる負担が大きいことが問題であり,非常に大きな労力を損失することにつながる。
【0014】
一般的な管理技術として無線タグでの遠隔管理があり,無線タグのような無線識別情報の場合には,情報の読み取り装置と識別情報との間に,ある程度の距離や,媒体が存在する場合であっても,情報を読み取ることができるという機能面での強みがある。
【0015】
しかし,適用する動態管理対象範囲内には,遠隔にて管理を実現できるほどの高周波の無線電波では,電波の影響に弱い装置類や機器類が多く存在するため,近接ではなく遠隔にて無線電波による情報管理をすることには不向きである。また,無線による識別情報の読み取り装置と識別情報との間に電波を阻害する媒体(金属等)があった場合や,識別情報同士が混在していた場合などは読み取り精度が落ちるため,工事中の安全管理も考慮すると,正確性に劣るという理由から採用が難しい場合がある。
【0016】
似た技術として一般的になっているものに,オフィスなどでの動態管理技術として,赤外線と無線タグとを併用した管理技術が存在する。この技術は,作業者が常に無線タグを保有し,外部から赤外線を受光した際には,赤外線に反応した無線タグから情報が発信されるようにし,発信した情報を外部にある読み取り機によって情報を識別するという技術である。
【0017】
しかし,これらは上記に述べたように周囲の環境が無線電波や赤外線に影響や依存をしないという環境や,赤外線が必ず作業者に当たることが前提となっている。実際の対象範囲には,伝送装置や梱包された荷物や,頭上にはケーブルラックと呼ばれるケーブルを天井部に敷設するラックが多数存在する。このため,上記の既存の技術は,上述したように無線情報により遠隔で管理をするためには周囲の装置に影響が発生しやすいのと,赤外線が確実に作業者に当たるという保障がないという問題があり,通信局内における工事スペースなどの動態管理対象範囲内において動態管理対象の情報を正確かつ確実に読み取る必要がある場合に,必ずしも適した技術であるとは言えない。
【0018】
一方,類似するシステムとして,配送業界において一般的となっているバーコードとGPS(Global Positioning System) を利用した動態管理システムもあるが,これらも地上を動くことが前提となっており,通信局内のような地下数階にまたがる動態管理対象範囲での作業などについては想定していないということから,本発明が対象とする分野とは異なる。
【0019】
なお,工事スペースなどの動態管理対象範囲を対象とした動態管理技術に関する先行技術文献は,特に見当たらない。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は,上記従来技術の問題点を解決し,工事等における動態管理対象の動態を管理運用するにあたり,動態管理対象個々に識別情報を付与し,付与した識別情報を読み取るためのプレートを管理対象範囲に設置することで,動態管理対象の工事実施時に進入可能なスペースを自動的かつ遠隔で管理する技術を確立することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】
本発明は,上記課題を解決し,識別情報を利用した動態管理を実施することで,より安全で効率的な管理を実現するため,動態管理対象の移動範囲(動態管理対象範囲という)である面に対して,事前に決定付けられた最小座標位置毎に位置識別情報が貼付もしくは入力されたプレートを配置する。このプレートは,識別情報読み取り装置を内蔵しており,動態管理対象となるもの(者・物)を特定するための一意の識別情報を,識別情報読み取り装置によって読み取ることが可能になっている。動態管理対象の識別情報は,例えば動態管理対象が移動することにより動態管理対象がプレートと接触する部分(靴底など)に二次元バーコードその他の形態で貼付される。
【0022】
また,プレートには動態管理対象に接触または押圧されることによりオン/オフするスイッチが設けられ,動態管理対象の移動によってプレートが踏まれると,スイッチがオン状態になり,プレートの識別情報読み取り装置に電源が入り,動態管理対象の識別情報がプレートに読み取られるように構成されている。
【0023】
プレートによって読み取られた動態管理対象の識別情報と,あらかじめプレートに付与されたプレートの位置を特定する位置識別情報とは,動態管理対象範囲にある携帯端末等のコンピュータ端末から通信ネットワークを介して管理センタのサーバ装置(管理サーバ)へ送信される。
【0024】
管理サーバでは,各動態管理対象ごとに進入(移動)可能な位置識別情報が登録されているデータベースを持っており,コンピュータ端末から動態管理対象の識別情報とプレートの位置識別情報とを受信すると,データベース中の登録情報との照合を行い,位置識別情報によって特定される位置に動態管理対象の進入が許可されているかどうかを確認する。この確認結果をコンピュータ端末に送信し,コンピュータ端末は,確認結果を動態管理対象に通知する。動態管理対象に通知する手段として,コンピュータ端末のディスプレイを利用してもよく,また,プレートに音を発生する手段や点滅もしくは色を変える表示手段を設けて利用してもよい。
【0025】
また,管理サーバに,あらかじめ決められた管理パターンごとに動態管理対象の識別情報とその動態管理対象が進入可能な位置の位置識別情報との対応情報を格納する管理パターン情報データベースを設け,コンピュータ端末から管理パターン情報コードを入力して,管理サーバが,動態管理対象の進入可能な位置識別情報を管理パターン情報データベースからすべて取り出し,事前に動態管理対象が進入可能な位置を,プレート等に明示的に表示するようにすることも可能である。
【0026】
また,管理サーバにおいて,進入の可否を判断した結果を履歴データとして蓄積しておき,特定の動態管理対象が進入不可と判断された回数が所定数以上になった場合に,アラームを動態管理対象またはシステムの管理者に通知する手段を設けることもできる。
【0027】
また,動態管理対象範囲と外界との境界部分にゲートを設け,ゲートIDと動態管理対象の進入可否情報とを管理サーバが管理することにより,動態管理対象の動態管理対象範囲への進入および退出を,プレートから読み取った情報をもとに管理することもできる。
【0028】
プレートから読み取った識別情報の排他処理を実施し,時系列的に管理することにより,ほぼ同時に複数のプレートから識別情報が読み込まれたような場合に,管理サーバにおける確認処理に遅延が生じても問題なく対処することができる。
【0029】
なお,管理サーバにおけるデータベースは,動態管理対象である管理対象者等の意図によって,動態管理対象の進入可能範囲を変更することができるようなデータベースへの登録情報の更新手段を設けることが望ましい。
【0030】
【発明の実施の形態】
図1は,本発明の実施の形態に係る動態管理システムの構成の概要を示す図である。図1において,1は工事情報および動態管理対象を管理し,動態管理対象が踏み入れた領域が進入可能な領域かどうかを確認する管理センタの管理サーバ,2は工事を支援するためのコンピュータ端末であって,動態管理対象に対して管理サーバ1による確認結果情報を通知する携帯端末,3は動態管理対象範囲,4は有線または無線による通信ネットワーク,5は動態管理対象固有の識別情報を読み取る識別情報読み取り装置である。
【0031】
動態管理対象範囲3は,通信局内の工事スペースであって,動態管理対象の進入可否の判断対象となる領域である。動態管理対象30は,本システムの管理対象である人(例えば,工事作業者)や物(例えば,台車や工具等)である。また,31は動態管理対象範囲3内に設置されたプレートであり,集合してプレート群を構成している。各プレート31には,位置識別情報32が電子データに変換可能な形式で付加されている。位置識別情報32は,各プレート31に固有の識別番号またはプレート31が配置された位置に固有の識別番号である。
【0032】
管理サーバ1は,ハードディスクやメモリ等の記憶部13に,各プレート31に付加されている位置識別情報と実際の位置情報との対応情報を格納するための位置情報データベース(DB)130と,各動態管理対象30の識別情報を事前に登録し,登録された動態管理対象30の情報を格納する動態管理対象情報データベース(DB)131と,工事の各管理パターン実施の際には,例えば工事に必要な情報(工事情報コード,契約作業期間,作業時間,管理パターンごとの必要移動領域である作業位置情報,作業者名等)を格納する管理パターン情報データベース(DB)132とを備える。さらに,動態管理対象30の移動履歴が格納される履歴情報データベース(DB)133と,動態管理対象30の動態管理対象範囲3内への進入を管理するための情報が格納される進入管理データベース(DB)134とを備える構成を採ることもできる。
【0033】
また,管理サーバ1は,携帯端末2と通信のためのインタフェースであって,携帯端末2から送信されたプレート31の位置識別情報32と動態管理対象30の識別情報を受信する情報受信部10,受信した動態管理対象30の識別情報とプレート31の位置識別情報32から,その位置識別情報32に対して動態管理対象30が進入可能かどうかを,記憶部13中のデータベースを参照して確認する情報確認部11と,確認した結果を携帯端末2に送信するインタフェースである確認結果送信部12とを備える。また,図示省略するが,管理サーバ1側のオペレータによって事前に動態管理対象30の固有情報と移動可能な位置識別情報の入力と,各管理パターン情報の詳細情報(時間・期間・動態管理対象名)等を入力するデータベースへのインタフェース等を有する。
【0034】
携帯端末2は,CPUやメモリなどからなるコンピュータ端末であって,ソフトウェアプログラム等によって構成される管理サーバ1との間で情報をやり取りする情報流通・照合部20,工事作業者への工事支援情報の入出力を行う支援部21を備える。
【0035】
情報流通・照合部20は,支援部21から動態管理対象30の識別情報や各プレート31の位置識別情報32を受け取って管理サーバ1へ送信する情報送信部200と,管理サーバ1から送信された確認結果情報を受信して,支援部21へ通知する情報受信部201を有する。
【0036】
また,携帯端末2の支援部21は,工事作業者に対して作業進捗情報などの 入出力のための情報入出力部210を備えるほか,プレート31からの位置識別情報32と動態管理対象30の識別情報の読み取り結果を,情報流通・照合部20を経由して管理サーバ1へ送信する読み取り結果送信部211と,管理サーバ1から情報流通・照合部20が受信した確認結果情報を,工事作業者等に通知する確認結果通知部212とを備える。
【0037】
図2は,プレートの構成とプレートに添付される位置識別情報の一例を示す図である。図2において,33は識別情報読み取り装置5の電源をON/OFFするスイッチ,34は識別情報読み取り装置5と携帯端末2とを接続する接続用ケーブルである。
【0038】
例えば,動態管理対象範囲3をX軸方向(横軸)とY軸方向(奥行き軸)からなる線で区切り,メッシュ状に動態管理対象範囲3の一最小単位であるセルに分割した上で,各セルの動態管理対象範囲3における位置を特定するための情報を符号化した位置識別情報32を添付したプレート31を設置する。これにより,動態管理対象範囲3の各最小位置において面的な位置情報管理が可能となる。
【0039】
すなわち,工事の作業場所である動態管理対象範囲3の床面の一部または全部に,図2に示すようなプレート31が配設される。各プレート31に添付されている位置識別情報32は,管理・運用の対象となるものである。各プレート31への位置識別情報32の添付は,ユニークな番号と情報を持つ識別情報(例えば,二次元バーコードなど)を各プレート31に取り付けることにより行われる。なお,位置識別情報32は,二次元バーコードなどの情報ではなく,あらかじめプレート31が電子的に保持する情報でもよい。
【0040】
また,プレート31には,上面からの押圧によってON/OFFするスイッチ33が設けられている。例えば工事作業者である動態管理対象30がプレート31を踏むことにより,プレート31内のスイッチ33がON状態となり,識別情報読み取り装置5の電源がONになる。識別情報読み取り装置5は,動態管理対象30に固有に付与された識別情報を読み取る。
【0041】
図3は,動態管理対象30への識別情報の貼付例を示す図である。図3(A)は,動態管理対象30が人(例えば,工事作業者)の場合,図3(B)は,動態管理対象30が物(例えば,台車など)の場合の識別情報の貼付例を示す。図3において,300は動態管理対象30の二次元バーコードによる識別情報であり,動態管理対象30がプレート31を踏んだ場合に動態管理対象30とプレート31との接触面となる媒体に貼付されている。
【0042】
例えば,図3(A)においては,識別情報300は工事作業者の靴裏に貼付されており,図3(B)においては,識別情報300は台車の車輪に貼付されている。そして,動態管理対象30が各プレート31と接触した時に,識別情報読み取り装置5が,プレート31との接触面となる靴裏や車輪などの媒体に貼付された識別情報300を読み取る。
【0043】
動態管理対象30の識別情報やプレート31の位置識別情報32の他の実現例としては,識別情報読み取り装置5が周囲の装置への影響等が発生しないくらいの微弱な無線電波を利用できる環境であるならば,本実施の形態において採用する識別情報300または位置識別情報32の候補の一つとして,無線ID技術を利用した無線タグのような識別情報の採用も可能である。
【0044】
図4は,本発明の第1の実施の形態の概要を示す図である。本実施の形態では,通信局などの工事現場における動態管理対象範囲3内のプレート31,携帯端末2およびこれらに通信ネットワーク4を介して接続される管理サーバ1の各部が有機的に結合し,動態管理対象30の識別情報300とプレート31の位置識別情報32とが,コンピュータソフトウェアの処理手順に従って処理されることで,動態管理対象30が進入可能なプレート31(=領域)かどうかの管理を図ることが可能となっている。また,正確なデータベース構築を基盤として,設備敷設工事の運用効率化を実現することを可能としている。
【0045】
従来の技術は,動態管理対象と識別情報読み取り装置との間に情報の送受信を阻害する要因となる媒体の存在がないことや,無線等による影響がない環境であることが前提となっており,このような前提が満たされない環境の場合には,リアルタイムでの動態管理対象の位置管理を実施することができなかった。
【0046】
この点,図2に示すように,本発明の第1の実施の形態においては,動態管理対象範囲3において,動態管理対象30がプレート31を踏んだ場合に,プレート31と接触する媒体(例えば動態管理対象30の靴裏)から識別情報読み取り装置5が動態管理対象30の識別情報300を読み取ると同時に,踏まれたプレート31の位置識別情報32を読み取り,それらの読み取った情報を携帯端末2に送信し,携帯端末2では,受信した情報を通信ネットワーク4を介して管理サーバ1に送信する。
【0047】
管理サーバ1においては,動態管理対象30が踏んだプレート31に進入することが許可されているかどうかをデータベースで確認し,確認結果情報を携帯端末2に送信する。携帯端末2は,受信した確認結果情報をプレート31の制御信号に変換してプレート31に出力する。そして,プレート31が備える通知手段を通じて確認結果情報が動態管理対象30に通知される。この例では,プレート31は,識別情報読み取り装置5およびスイッチ33を内蔵するほか,例えば音を発生したり,プレート31の色を変化させたりして動態管理対象30に管理サーバ1による確認結果を通知する通知手段を有している。他の動態管理対象範囲3においても同様の動態管理が行われる。
【0048】
このように,本発明の適用時には,動態管理対象30が移動する場所にプレート31を確保し,プレート31面と接触する媒体に動態管理対象30の識別情報を装着することで,動態管理対象30は,情報を識別されているという意識もなく移動に集中することが可能となり,識別情報の読み取りのために,繊細な装置への電波影響が危惧される場所においても適用が可能になっている。
【0049】
図5は,位置情報DBのデータ構成の一例を示す図である。図5に示すように,管理サーバ1が管理する位置情報DB130に格納されるデータは,例えば,プレート31の位置を一意に識別する位置情報コードである位置識別情報32,プレート31が配設されるフロア名,フロア内のX軸位置,Y軸位置および他の付加的情報(備考)といった項目から構成される。
【0050】
図6は,動態管理対象情報DBのデータ構成の一例を示す図である。動態管理対象情報DB131に格納されるデータは,例えば図6に示すような情報であり,工事作業者を一意に識別する作業者コード,作業者名,作業可能位置情報(▲1▼〜▲7▼)といった項目から構成される。作業者コードは,動態管理対象30の識別情報300に相当するものである。作業者コードは識別情報300そのものであってもよく,また作業者コードと識別情報300とを別のコードとして実現し,作業者コードと識別情報300との対応管理情報を他のデータベースで管理するようにしてもよい。作業可能位置情報は,作業者が立ち入ってもよい場所のプレート31に付加された位置識別情報32である。動態管理対象情報DB131は,作業可能位置情報として,プレート31の位置識別情報32ではなく,フロア名,X軸位置,Y軸位置などの位置情報を持つこともできる。これらの位置情報と位置識別情報32との対応は,位置情報DB130によってとることができる。
【0051】
図7は,管理パターン情報DBのデータ構成の一例を示す図である。管理パターン情報DB132に格納されるデータは,例えば図7に示すようなデータであり,管理単位の工事を識別する工事情報コード,契約会社名,契約作業期間,一日の作業時間,作業位置情報,作業者名(▲1▼,▲2▼,…)といった項目から構成される。これらのデータ項目群の一つを管理パターンと称しており,工事情報コードを「管理パターン情報コード」と呼ぶこともある。
【0052】
図8は,本発明の第1の実施の形態における識別情報の読み取り処理シーケンスの一例を示す図である。以下,図8に示す(A)〜(F)に従って,本システムの基本的な動作例を説明する。工事現場へのプレート31の配置および管理サーバ1における各種データベースへの作業者情報や位置情報などを含む工事情報のデータ登録は,完了しているものとする。
【0053】
(A)動態管理対象(例えば,工事作業者)30が,プレート31の上を歩いてプレートの上を移動する。
【0054】
(B)プレート31が動態管理対象30に踏まれたことにより,プレート31内部のスイッチ33が反応し,識別情報読み取り装置5の電源がONとなる。識別情報読み取り装置5は,動態管理対象30との境目(接触面)にある識別情報300およびプレート31の位置識別情報32の読み取りを実施し,読み取った情報を携帯端末2へ送信する。
【0055】
(C)携帯端末2は,受信したプレート31の位置識別情報32と動態管理対象30の識別情報300とを管理サーバ1へ送信する。
【0056】
(D)管理サーバ1は,以下のようにして,受信した情報が各DB上のデータと合致するかどうかを確認する。管理サーバ1は,受信したプレート31の位置識別情報32が位置情報DB130に登録されているか否かを確認する。また,管理サーバ1は,位置識別情報32と動態管理対象30の識別情報300をキー(KEY)にして,動態管理対象情報DB131を用いて,動態管理対象30が踏んだプレート31が,進入可能な領域か否かを確認する。また,管理パターン情報DB132より,動態管理対象30の移動が,規定期間内,規定時間内に行われたものであるか否かを確認する。そして,確認結果情報を携帯端末2に送信する。ここでは,位置情報DB130,動態管理対象情報DB131,管理パターン情報DB132のすべてを調べる例を説明したが,これらの位置情報の確認方法は一例であり,例えば管理パターン情報DB132を調べるだけでも本発明の実施は可能である。
【0057】
(E)携帯端末2は,動態管理対象30が移動した領域(プレート31)が踏み込んでよい領域(プレート31)かどうかを判定し,動態管理対象30に確認結果の通知を行う。この通知は,例えば,確認結果情報をプレート31に送信し,前述した通知手段を備えるプレート31から音を発生させたり,プレート31の色を変化させたりすることにより行われる。
【0058】
(F)動態管理対象30は,踏み込んでよい領域(プレート31)であるかどうかをプレート31の反応(例えば,音の発生や色の変化)によって認知することができる。
【0059】
上記処理において,一つのプレート31に対して取得した情報への管理サーバ1からの返信が来る前に,他のプレート31から次の情報を取得した場合において,取得した情報を時系列に従って保持し,携帯端末2および管理サーバ1において,各プレート31から取得した情報を排他制御によってシーケンシャルに処理し,確認結果を時系列順に通知する機能を設けることもできる。
【0060】
図9は,本発明の第1の実施の形態における携帯端末2の処理フローの一例を示す図である。まず,携帯端末2は,識別情報読み取り装置5が読み取った動態管理対象30の識別情報300と動態管理対象30が踏んだプレート31の位置識別情報32とを,プレート31から受信する(ステップS1)。
【0061】
携帯端末2は,受信した識別情報300とプレート31の位置識別情報32とを管理サーバ1に送信する(ステップS2)。そして,管理サーバ1から確認結果情報を受信し(ステップS3),受信した確認結果情報を通知するための信号をプレート31に出力し(ステップS4),処理を終了する。確認結果情報をプレート31に出力するのではなく,携帯端末2のディスプレイまたはスピーカーに出力してもよい。
【0062】
図10は,本発明の第1の実施の形態における管理サーバ1の処理フローの一例を示す図である。まず,管理サーバ1は,携帯端末2から動態管理対象30の識別情報300とプレート31の位置識別情報32とを受信する(ステップS11)。管理サーバ1は,受信したプレート31の位置識別情報32が位置情報DB130に格納されているかを確認する(ステップS12)。次に,管理サーバ1は,位置識別情報32と動態管理対象30の識別情報300をキー(KEY)にして動態管理対象情報DB131を検索し,動態管理対象30が踏んだプレート31が,進入可能な領域か否かを確認する(ステップS13)。
【0063】
また,管理パターン情報DB132を検索し,動態管理対象30の移動が,規定期間内,規定時間内のものであるか否かを確認する(ステップS14)。管理サーバ1は,これらの確認結果情報,すなわち動態管理対象30である作業者が進入してよい場所であるかどうかの情報を,携帯端末2に送信する(ステップS15)。
【0064】
本発明の第2の実施の形態は,携帯端末2から管理パターン毎に割り振られた一意の工事情報コード(管理パターン情報コード)を管理サーバ1に送信し,管理サーバ1が管理パターン情報DB132を検索し,該当パターンに許可された移動可能領域の位置識別情報を携帯端末2に送信する。そして,携帯端末2が,この位置識別情報をキー(KEY)にして移動可能なプレート31の位置を動態管理対象30に対して通知する。
【0065】
具体的には,携帯端末2の支援部21の情報入出力部210に入力された工事情報コードを,情報流通・照合部20の情報送信部200から管理サーバ1に送信する。
【0066】
管理サーバ1では,この工事情報コードを情報受信部10にて受信し,情報確認部11に通知する。情報確認部11は,情報受信部10が受信した工事情報コードに基づいて管理パターン情報DB132を検索し,工事情報コードに対応して格納されている作業位置情報から,許可された移動可能領域の位置識別情報を取得する。確認結果送信部12は,取得した位置識別情報を携帯端末2の情報受信部201に送信する。
【0067】
携帯端末2の情報流通・照合部20は,情報受信部201により受信した位置識別情報を支援部21の確認結果通知部212に通知する。確認結果通知部212は,通知された位置識別情報に対応する位置のプレート31に対して,移動可能領域である旨を通知する制御信号を出力し,通知制御信号を受信したプレートの通知手段が音を発生させたりプレート31の色を変化させたりして,動態管理対象30に移動可能なプレート31の位置を知らせる。
【0068】
図11は,本発明の第2の実施の形態における携帯端末の処理フローの一例を示す図である。まず,携帯端末2は,管理パターン情報コードの一例である工事情報コードを管理サーバ1に送信する(ステップS21)。
【0069】
携帯端末2は,管理サーバ1から該当管理パターンに許可された移動可能領域の位置識別情報を受信する(ステップS22)。そして,携帯端末2は,受信した位置識別情報に対応する位置のプレート31に対して移動可能領域である旨を通知する制御信号を出力して(ステップS23),処理を終了する。なお,受信した位置識別情報に対応するプレート31がどの出力端子に接続されるかについては,各プレート31の識別情報読み取り装置5によって位置識別情報を読み取ることにより決定することができる。
【0070】
図12は,本発明の第2の実施の形態における管理サーバの処理フローの一例を示す図である。管理サーバ1は,まず,携帯端末2から工事情報コードを受信する(ステップS31)。受信した工事情報コードに基づいて管理パターン情報DB132を検索し,該当管理パターンに許可された移動可能領域の位置識別情報を取得する(ステップS32)。管理サーバ1は,取得した位置識別情報を携帯端末2に送信して(ステップS33),処理を終了する。
【0071】
本発明の第3の実施の形態は,動態管理対象30が移動したプレート31の移動履歴を保存,蓄積し,動態管理対象30が移動不可のプレート31へ所定の回数以上移動した場合に動態管理対象30にアラーム通知を行うものである。。
【0072】
本発明の第3の実施の形態では,まず,管理サーバ1が,第1の実施の形態と同様の方法で,動態管理対象30が移動に伴って踏んだプレート31への進入が許可されるか否かを確認する。そして,この進入可否の履歴を管理サーバ1内の履歴情報DB133に格納する。
【0073】
図13は,履歴情報DB133のデータ構成の一例を示している。ここでは,進入可能なプレート31への移動回数をOK回数,進入不可のプレート31への移動回数をNG回数として表している。履歴情報DB133には,図13に示すように,OK回数,NG回数,総数(OK回数+NG回数)の履歴情報が,工事情報コードごと,動態管理対象30である作業者ごと,および位置識別情報ごとに格納される。
【0074】
管理サーバ1の情報確認部11は,履歴情報DB133において,一定値以上のNG回数が発生したかを監視し,一定値以上のNG回数が発生した場合には,確認結果送信部12が,一定値以上のNG回数が発生したことを示す情報であるアラーム情報を携帯端末2に送信する。
【0075】
携帯端末2は,このアラーム情報を情報受信部201が受信し,受信したアラーム情報を支援部21の確認結果通知部212に通知する。確認結果通知部212は,受信したアラーム情報に基づいて,アラームの通知先である動態管理対象30の識別情報が読み込まれた最新の位置識別情報,つまり,動態管理対象30の現在位置または現在位置に最も近い位置のプレート31の位置識別情報を取得し,その位置識別情報に対応する位置のプレート31に対してアラーム情報を送信する。アラーム情報を受信したプレート31は,通知手段を用いて動態管理対象30に対してアラームの通知を行う。
【0076】
図14は,本発明の第3の実施の形態において,動態管理対象にアラームの通知を行う際の携帯端末2の処理フローの一例を示す図である。携帯端末2は,管理サーバ1からアラーム情報を受信する(ステップS41)。
【0077】
携帯端末2は,受信したアラーム情報に基づいてアラームの通知先である動態管理対象30の識別情報が読み込まれた最新の位置識別情報を取得する(ステップS42)。そして,取得された位置識別情報に対応する位置のプレート31に対してアラーム情報を送信して(ステップS43),処理を終了する。
【0078】
図15は,本発明の第3の実施の形態において,動態管理対象にアラームの通知を行う際の管理サーバ1の処理フローの一例を示す図である。管理サーバ1は,履歴情報DB133において一定値以上のNG回数が発生したかを監視する(ステップS51)。NG回数が一定値未満の場合にはステップS51に戻り,監視を続ける。一定値以上のNG回数が発生した場合には,アラーム情報を携帯端末2に送信する(ステップS52)。
【0079】
本発明の第4の実施の形態は,動態管理対象範囲3と外界との接続地点に進入ゲートを設け,ゲートに進入した動態管理対象30に対して,ゲートの進入許可および不許可を通知する例である。
【0080】
図16は,本発明の第4の実施の形態の概要を示す図である。図16において,35は動態管理対象範囲3と外界との接続地点に設けられたゲート,36は,ゲート35と携帯端末2との接続線,134は進入管理DBである。接続線36は,有線,無線のいずれでもよい。
【0081】
図17は,進入管理DB134のデータ構成の一例を示す図である。進入管理DB134には,例えば,ゲートID,作業者コード,作業者名,NG回数,前回入室時間,前回退出時間といった情報が格納される。作業者コードは,動態管理対象30の識別情報に相当する。このNG回数は,動態管理対象30による許可プレート以外への移動回数である。
【0082】
本発明の第4の実施の形態においては,ゲート35の前面部と背面部とにプレート31を設置し,動態管理対象30がゲート35の前面部のプレート31を踏むことにより,識別情報読み取り装置5が動態管理対象30の識別情報を読み取り,携帯端末2の支援部21の読み取り結果送信部211に送信する。
【0083】
また,動態管理対象30がゲート35を通過する時に,動態管理対象範囲3内に進入したことを示す情報(進入確認情報)およびゲート35のゲートIDが,ゲート35から接続線36経由で携帯端末2の支援部21に送信される。支援部21は,動態管理対象30の識別情報300,ゲートIDおよび進入確認情報を情報流通・照合部20の情報送信部200に送信し,情報送信部200が,これらの情報を管理サーバ1の情報確認部11に送信する。
【0084】
管理サーバ1の情報確認部11は,受信した識別情報300とゲートIDとの対応情報が,進入管理DB134に格納されているかを確認する。対応情報が格納されていない場合には,ゲート35への進入は不許可として処理される。対応情報が格納されていることを確認した場合には,この確認と同時に進入管理DB134の入室時間に関する項目を更新する。
【0085】
確認結果送信部12は,上記識別情報300とゲートIDとが進入管理DB134において対応情報として格納されているか否かの確認結果情報を携帯端末2の情報流通・照合部20の情報受信部201に送信し,情報受信部201は受信した確認結果情報を支援部21の確認結果通知部212に送信する。
【0086】
確認結果通知部212は,確認結果情報をゲート35に送信する。ゲート35においては,動態管理対象30に対して,ゲート35の進入許可または不許可の通知もしくは進入許可または不許可の結果に見合う動作を行う。
【0087】
動態管理対象30がゲート35を退出した時には,ゲート35の背面および前面にあるプレート31をこの順序で踏むことにより,識別情報読み取り装置5が動態管理対象30の識別情報を読み取り,携帯端末2に送信する。また,動態管理対象30がゲート35を通過する時に,動態管理対象範囲3外に退出したことを示す情報(退出確認情報)およびゲート35のゲートIDが携帯端末2に送信される。
【0088】
携帯端末2は,上記識別情報,退出確認情報およびゲートIDを管理サーバ1に送信し,管理サーバ1において,進入管理DB134の退室時間に関する項目が更新される。
【0089】
図18は,本発明の第4の実施の形態における携帯端末2の処理フローの一例を示す図である。携帯端末2は,ゲート35近辺のプレート31の識別情報読み取り装置5から動態管理対象30の識別情報を受信する(ステップS61)。また,携帯端末2は,ゲート35から進入確認情報およびゲートIDを受信する(ステップS62)。
【0090】
携帯端末2は,受信した識別情報,進入確認情報およびゲートIDを管理サーバ1に送信する(ステップS63)。次に,携帯端末2は,送信した識別情報300とゲートIDとの対応情報が,進入管理DB134において格納されているか否かの確認結果情報を管理サーバ1から受信し(ステップS64),受信した確認結果情報をゲート35に送信して(ステップS65),処理を終了する。
【0091】
図19(A)は,本発明の第4の実施の形態において,動態管理対象のゲートへの進入時における管理サーバ1の処理フローの一例を示す図である。管理サーバ1は,まず,動態管理対象30の識別情報300,ゲートIDおよび進入確認情報を携帯端末2から受信する(ステップS71)。受信した識別情報300とゲートIDとが進入管理DB134において対応情報として格納されているかを確認する(ステップS72)。また,進入管理DB134の入室時間に関する項目を更新する(ステップS73)。管理サーバ1は,ステップS72で確認した結果の確認結果情報を携帯端末2に送信して(ステップS74),処理を終了する。
【0092】
図19(B)は,本発明の第4の実施の形態において,動態管理対象30のゲート35からの退出時における管理サーバ1の処理フローの一例を示す図である。管理サーバ1は,まず,動態管理対象30の識別情報300,ゲートIDおよび退出確認情報を携帯端末2から受信する(ステップS81)。そして,進入管理DB134において,受信した識別情報300,ゲートIDに対応する動態管理対象30についての退室時間に関する項目を更新し(ステップS82),処理を終了する。
【0093】
上記本発明の第4の実施の形態において,例えば,管理サーバ1において進入管理DB134のNG回数を監視し,NG回数が予め設定されたNG回数の上限閾値を超えた場合には,該当する動態管理対象30の情報を進入管理DB134から一時的に消去し,この動態管理対象30のゲート35の通過許可を発生させないようにすることも可能である。
【0094】
ゲート35に赤外線などを利用した動態管理対象30の通過検出機構を設けてもよいが,このような通過検出機構を設ける代わりに,ゲート35の入口側から見て前面と背面とに配置されたプレート31からの識別情報の読み取り順序を検査することで,動態管理対象30の入室,退出を判断することもできる。
【0095】
以上説明した本発明は,通信局内や識別情報を受動的識別情報のみに特化した技術ではなく,容易に他分野(屋外等)に適用することも,識別情報を装置に影響しない程度の無線タグ等を利用して実施することも可能である。
【0096】
【発明の効果】
本発明によって今までの手動による動態管理対象の動態管理ではない,自動的かつリモートでのリアルタイム管理が可能となる。このことより,今まで膨大な稼動を費やして動態管理対象範囲内の管理パターンに伴う動態管理対象の進入可能な領域管理(=動態管理)をオペレータによって手動で実施していた反面,誤作業などのサービス品質の劣化などが避けられない事象であったものを未然に防ぐことができ,通信サービスの迅速かつ正確な提供という観点で効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る動態管理システムの構成の概要を示す図である。
【図2】プレートの構成とプレートに添付される位置識別情報の一例を示す図である。
【図3】動態管理対象への識別情報の貼付例を示す図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態の概要を示す図である。
【図5】位置情報DBのデータ構成の一例を示す図である。
【図6】動態管理対象情報DBのデータ構成の一例を示す図である。
【図7】管理パターン情報DBのデータ構成の一例を示す図である。
【図8】本発明の第1の実施の形態における識別情報の読み取り処理シーケンスの一例を示す図である。
【図9】携帯端末の処理フローの一例を示す図である。
【図10】管理サーバの処理フローの一例を示す図である。
【図11】携帯端末の処理フローの一例を示す図である。
【図12】管理サーバの処理フローの一例を示す図である。
【図13】履歴情報DBのデータ構成の一例を示す図である。
【図14】携帯端末の処理フローの一例を示す図である。
【図15】管理サーバの処理フローの一例を示す図である。
【図16】本発明の第4の実施の形態の概要を示す図である。
【図17】進入管理DBのデータ構成の一例を示す図である。
【図18】携帯端末の処理フローの一例を示す図である。
【図19】管理サーバの処理フローの一例を示す図である。
【符号の説明】
1 管理サーバ
10 情報受信部
11 情報確認部
12 確認結果送信部
13 記憶部
130 位置情報DB
131 動態管理対象情報DB
132 管理パターン情報DB
133 履歴情報DB
134 進入管理DB
2 携帯端末
20 情報流通・照合部
200 情報送信部
201 情報受信部
21 支援部
210 情報入出力部
211 読み取り結果送信部
212 確認結果通知部
3 動態管理対象範囲
30 動態管理対象
31 プレート
32 位置識別情報
33 スイッチ
34 接続用ケーブル
35 ゲート
36 接続線
300 識別情報
4 通信ネットワーク
5 識別情報読み取り装置
Claims (7)
- 動態管理対象範囲における動態管理対象の位置管理を行う動態管理システムであって,
前記動態管理対象範囲に配設され,動態管理対象による接触により状態がオフからオンに切り換わるスイッチと,該スイッチがオンになることにより動態管理対象に付与された識別情報を読み取る手段とを内蔵する複数のプレートと,
前記プレートから読み取った動態管理対象の識別情報と該プレートにあらかじめ付与された位置識別情報とを管理サーバへ送信する手段と,
管理サーバにおいて,各動態管理対象の識別情報と各動態管理対象が進入可能な位置識別情報との対応情報が格納されているデータベースと,
管理サーバにおいて,受信した前記動態管理対象の識別情報とプレートの位置識別情報とをもとに,前記データベースを参照し,進入可能な位置であるか否かを確認する手段と,
前記管理サーバから進入可能な位置であるか否かの確認結果情報を受信し,前記動態管理対象に確認した結果を通知する手段とを備える
ことを特徴とする動態管理システム。 - 請求項1に記載の動態管理システムにおいて,
前記管理サーバにおけるデータベースとして,所定の管理パターンごとに,管理パターンを識別する管理パターン情報コードと,少なくとも各動態管理対象の識別情報と,各動態管理対象が進入可能な位置識別情報との対応情報を記憶する管理パターン情報データベースと,
前記管理サーバに接続されるコンピュータ端末から前記管理パターン情報コードを前記管理サーバへ送信する手段と,
前記管理サーバにおいて,前記管理パターン情報コードを受信し,前記管理パターン情報データベースから少なくとも該当する動態管理対象が進入可能な位置識別情報を抽出し,前記コンピュータ端末へ返信する手段と,
前記コンピュータ端末が,受信した位置識別情報をもとにそれらの各位置識別情報に対応する前記プレートに動態管理対象の進入可否情報を表示する手段とを備える
ことを特徴とする動態管理システム。 - 請求項1に記載の動態管理システムにおいて,
前記管理サーバにおいて,前記動態管理対象の進入可否を確認した結果の履歴データを,前記動態管理対象の識別情報ごとまたは前記位置識別情報ごとに格納する履歴情報データベースと,
前記履歴情報データベースにおける前記確認結果の履歴データを監視し,前記動態管理対象の識別情報または前記位置識別情報において進入不可と判断された回数が所定の閾値を超えた場合にアラームを出力する手段とを備える
ことを特徴とする動態管理システム。 - 請求項1に記載の動態管理システムにおいて,
前記動態管理対象範囲と外界との接続地点に設置されたゲートと,
前記管理サーバにおいて,少なくとも前記ゲート毎に付与されたゲートIDと前記ゲート内への進入が許可される動態管理対象の識別情報との対応情報とが格納された進入管理データベースと,
前記動態管理対象が移動して前記ゲート内へ進入した時に前記ゲートIDと前記プレートから読み取った動態管理対象の識別情報とを前記管理サーバに送信する手段と,
前記管理サーバにおいて,前記ゲートIDと動態管理対象の識別情報とを受信し,それらが前記進入管理データベースに格納された情報と合致するかを確認する手段と,
確認した結果を前記動態管理対象に通知する手段とを備える
ことを特徴とする動態管理システム。 - 請求項4に記載の動態管理システムにおいて,
前記進入管理データベースは,動態管理対象ごとの進入が不許可となっている地点への移動回数を格納し,
前記管理サーバは前記進入管理データベースに格納された移動回数が予め定めた閾値を超えた場合に,前記動態管理対象に関する情報を前記進入管理データベースから消去し,前記ゲートの通過を不許可とする手段を備える
ことを特徴とする動態管理システム。 - 請求項1に記載の動態管理システムにおいて,
前記プレートからの動態管理対象の識別情報とプレートの位置識別情報との入力と確認結果の通知とを,排他処理によって時系列順にシーケンシャルに行う
ことを特徴とする動態管理システム。 - 動態管理対象範囲における位置管理を行う動態管理方法であって,
前記動態管理対象範囲に配設され,動態管理対象による接触により状態がオフからオンに切り換わるスイッチと,該スイッチがオンになることにより動態管理対象に付与された識別情報を読み取る手段とを内蔵する複数のプレートのいずれかから,動態管理対象の識別情報を入力するステップと,
前記入力した動態管理対象の識別情報と該識別情報を入力したプレートにあらかじめ付与された位置識別情報とを管理サーバへ送信するステップと,
管理サーバにおいて,各動態管理対象の識別情報と各動態管理対象が進入可能な位置識別情報との対応情報が格納されているデータベースを参照し,受信した前記動態管理対象の識別情報とプレートの位置識別情報とをもとに,進入可能な位置であるか否かを確認するステップと,
前記管理サーバにおいて進入可能な位置であるか否かを確認した結果を,前記動態管理対象に通知するステップとを有する
ことを特徴とする動態管理方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003159230A JP2004362220A (ja) | 2003-06-04 | 2003-06-04 | 動態管理システムおよび動態管理方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003159230A JP2004362220A (ja) | 2003-06-04 | 2003-06-04 | 動態管理システムおよび動態管理方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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Family
ID=34052352
Family Applications (1)
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JP2003159230A Pending JP2004362220A (ja) | 2003-06-04 | 2003-06-04 | 動態管理システムおよび動態管理方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2004362220A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2007043139A1 (ja) * | 2005-10-04 | 2007-04-19 | Fujitsu Limited | 物品管理システム及び物品管理方法 |
JP2007172464A (ja) * | 2005-12-26 | 2007-07-05 | Hitachi Electronics Service Co Ltd | 移動軌跡管理・分析サービスシステム、情報収集・監視サーバ及び分析サーバ |
-
2003
- 2003-06-04 JP JP2003159230A patent/JP2004362220A/ja active Pending
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JP2007172464A (ja) * | 2005-12-26 | 2007-07-05 | Hitachi Electronics Service Co Ltd | 移動軌跡管理・分析サービスシステム、情報収集・監視サーバ及び分析サーバ |
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