JP2004360848A - 無段変速機の変速制御装置 - Google Patents

無段変速機の変速制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】自動変速機の手動変速モードにおける変速の応答性を向上させる。
【解決手段】自動による変速操作に基づいて変速比を切り替え可能で、変速状態を反映する物理量が、予め設定された目標値になるように変速される無段変速機の変速制御装置において、前記手動による変速操作が最初に行われた場合には操作回数に応じて不連続的に変化する初期目標値を設定する初期目標値設定手段(ステップS4)と、前記手動による変速操作がさらに継続して行われた場合に操作継続時間に応じて連続的に変化する目標値を前記初期目標値に加算して継続時目標値を設定する継続目標値設定手段(ステップS6)とを有し、前記初期目標値と前記連続的に変化する目標値とが、前記手動による変速操作が開始された時点の走行状態を反映した物理量に基づいて決定される。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、無段変速機の制御装置に関し、特に設定された目標値になるように制御される変速制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に無段変速機は、燃料が最適消費されるエンジンの回転数になるように常に変速が自動的におこなわれている。そのため、燃費がよく、また変速が連続的におこなわれるため、変速のショックがない。しかし、運転者が所定の変速比を自由に選ぶことができず、登坂時や加速時などに駆動トルクを大きくしたり、降坂時にエンジンブレーキを効かせるといった、予め設定された以外の条件で使用する場合に、十分なエンジン性能を発揮させることができない場合がある。そのため、運転者が自由に変速比を設定できるように手動変速モードを設定可能にした無段変速機が知られている。
【0003】
手動変速モードでは、変速操作が行われるたびに変速比を変化させていくが、変速操作が行われている間は連続的に変速量を変化させていく方法と、変速操作が一回行われるたびにステップ的に変速量を変化させていく方法とがある。前者の方法は、特許文献1に記載されている。また、後者の方法は特許文献2に記載されている。
【0004】
【特許文献1】
特開平7−301321号公報(段落番号0067)
【特許文献2】
特開2001ー208185号公報
【0005】
特許文献1の発明では、自動変速から手動変速に切り替える際のトルク変動を防止し、運転者の意図する変速比を得るために、マニュアル変速操作している間は変速を継続し、操作が行われなくなると変速を中止する。したがって、マニュアル変速操作中の変速比は、連続して変化する。
【0006】
また特許文献2の発明では、マニュアルシフト操作が行われた場合に制御をフィードバック制御からフィードフォワード制御に切り替えて、マニュアルシフト操作に対する実回転数の応答性を向上させる。そして、マニュアルシフト操作が一回行われると、それに対応して変速比がステップ的に変化する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1に記載の方法では、変速開始時点より連続的に変速比を変化させていたが、手動変速している意図は多様であるので、変速応答性が劣るなどの違和感が生じる可能性が高い。つまり、あえてマニュアルシフト操作に切り替えて変速を行う意図は、変速比を自由に変化させて、いわゆる機敏な車両の挙動を得ることにある場合が多いということである。したがって、変速比の変化が一様であれば、意図にそぐわない変速となって違和感が生じる可能性があった。
【0008】
この発明は上記の技術的課題に着目してなされたものであり、マニュアルシフト操作時に変速が連続的に変化する無段変速機の変速制御装置において、マニュアルシフト操作に対する変速応答性を向上させることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段およびその作用】
上記の目的を達成するために、請求項1の発明は、手動による変速操作に基づいて変速比を切り替え可能で、変速状態を反映する物理量が、予め設定された目標値になるように変速される無段変速機の変速制御装置において、前記手動による変速操作が最初に行われた場合には操作回数に応じて不連続的に変化する初期目標値を設定する初期目標値設定手段と、前記手動による変速操作がさらに継続して行われた場合に操作継続時間に応じて連続的に変化する目標値を前記初期目標値に加算して継続時目標値を設定する継続目標値設定手段とを有することを特徴とする変速制御装置である。
【0010】
したがって請求項1の発明では、設定された目標値に対する実物理量の応答遅れを考慮して目標値を設定することで、変速操作に対する物理量の変化の応答性が向上する。
【0011】
また、請求項2の発明は、請求項1において、前記初期目標値と前記連続的に変化する目標値とが、前記手動による変速操作が開始された時点の走行状態を反映した物理量に基づいて決定されることを特徴とする変速制御装置である。
【0012】
したがって請求項2の発明では、走行状態を反映した物理量に基づいて目標値を設定することで、自動変速から手動変速へ切り替える際の違和感が防止される。
【0013】
また、請求項3の発明は、請求項1または2において、前記継続時目標値の変化率が零を含まず無限大未満の値の範囲であり、手動による変速の開始の最初の時点での前記継続時目標値の変化率の絶対値が、所定時間経過した時点での前記継続時目標値の変化率の絶対値よりも大きいことを特徴とする変速制御装置である。
【0014】
したがって請求項3の発明では、時間の経過に伴う目標値の変化を必ずしも一定の変化率で変化させる必要がない。したがって、目標値が実物理量の応答特性に応じて柔軟に設定される。
【0015】
また、請求項4の発明は、請求項1ないし3において、手動による変速操作が行われた場合には、前記初期目標値設定手段は選択されず、手動による変速操作が行われた時点から前記継続目標値設定手段が選択される連続設定動作手段と、手動による変速操作が行われた場合には、前記継続目標値設定手段は選択されず、手動による変速操作が行われた時点から前記初期目標値設定手段のみが選択され、前記初期目標値設定手段によって設定された目標値を、次の変速操作が行われるまで保持するステップ設定動作手段と、前記連続設定動作手段と前記ステップ設定動作手段とを手動による変速操作の態様に応じて切り替える変速パターン切替手段とを有することを特徴とする変速制御装置である。
【0016】
したがって請求項4の発明では、手動による変速操作が開始された時点から、目標値を連続的かつ非線形的に変化させられる。また、必要に応じて、目標値を毎変速操作ごとに階段状に変化させられる。
【0017】
また、請求項5の発明は、手動による変速操作に基づいて変速比を切り替え可能で、変速状態を反映する物理量が、予め設定された目標値になるように変速される無段変速機の変速制御装置において、前記物理量を前記予め設定された目標値になるように変化させ、その後手動による変速操作が継続している場合には、変速操作の変化に応じた目標値を連続的に変化させることにより前記物理量を連続的に変化させることを特徴とする変速制御装置である。
【0018】
したがって請求項5の発明では、設定した目標値に対して物理量が追従して変化する。したがって、目標値に対する実物理量の応答遅れを考慮して目標値を設定することで、変速操作に対する物理量の変化の応答性が向上する。
【0019】
【発明の実施の形態】
つぎにこの発明を具体例に基づいて説明する。先ず、この発明で対象とするクラッチを含む駆動系統の一例を説明すると、図5は、ベルト式無段変速機1を伝動機構として含む駆動機構を模式的に示しており、その無段変速機1は、前後進切換機構2およびロックアップクラッチ3付きの流体伝動機構4を介して動力源5に連結されている。
【0020】
その動力源5は、内燃機関、あるいは内燃機関と電動機、もしくは電動機などによって構成されている。なお、以下の説明では、動力源5をエンジン5と記す。また、流体伝動機構4は、例えば従来のトルクコンバータと同様の構成であって、エンジン5によって回転させられるポンプインペラとこれに対向させて配置したタービンランナーと、これらの間に配置したステータとを有し、ポンプインペラで発生させたフルードの螺旋流をタービンランナーに供給することよりタービンランナーを回転させ、トルクを伝達するように構成されている。
【0021】
このような流体を介したトルクの伝達では、ポンプインペラとタービンランナーとの間に不可避的な滑りが生じ、これが動力伝達効率の低下要因となるので、ポンプインペラなどの入力側の部材とタービンランナーなどの出力側の部材とを直接連結するロックアップクラッチ3が設けられている。このロックアップクラッチ3は、油圧によって制御するように構成され、完全係合状態および完全解放状態、ならびにこれらの中間の状態であるスリップ状態に制御され、さらにそのスリップ回転数を適宜に制御できるようになっている。
【0022】
前後進切換機構2は、エンジン5の回転方向が一方向に限られていることに伴って採用されている機構であって、入力されたトルクをそのまま出力し、また反転して出力するように構成されている。図4に示す例では、前後進切換機構2としてダブルピニオン型の遊星歯車機構が採用されている。すなわち、サンギヤ6と同心円上にリングギヤ7が配置され、これらのサンギヤ6とリングギヤ7との間に、サンギヤ6に噛合したピニオンギヤ8とそのピニオンギヤ8およびリングギヤ7に噛合した他のピニオンギヤ9とが配置され、これらのピニオンギヤ8,9がキャリヤ10によって自転かつ公転自在に保持されている。そして、二つの回転要素(具体的にはサンギヤ6とキャリヤ10と)を一体的に連結する前進用クラッチ11が設けられ、またリングギヤ7を選択的に固定することにより、出力されるトルクの方向を反転する後進用ブレーキ12が設けられている。
【0023】
無段変速機1は、従来知られているベルト式無段変速機と同じ構成であって、互いに平行に配置された駆動プーリ13と従動プーリ14とのそれぞれが、固定シーブと、油圧式のアクチュエータ15,16によって軸線方向に前後動させられる可動シーブとによって構成されている。したがって各プーリ13,14の溝幅が、可動シーブを軸線方向に移動させることにより変化し、それに伴って各プーリ13,14に巻掛けたベルト17の巻掛け半径(プーリ13,14の有効径)が連続的に変化し、変速比が無段階に変化するようになっている。そして、上記の駆動プーリ13が前後進切換機構2における出力要素であるキャリヤ10に連結されている。
【0024】
なお、従動プーリ14における油圧アクチュエータ16には、無段変速機1に入力されるトルクに応じた油圧(ライン圧もしくはその補正圧)が、図示しない油圧ポンプおよび油圧制御装置を介して供給されている。したがって、従動プーリ14における各シーブがベルト17を挟み付けることにより、ベルト17に張力が付与され、各プーリ13,14とベルト17との挟圧力(接触圧力)が確保されるようになっている。これに対して駆動プーリ13における油圧アクチュエータ15には、設定するべき変速比に応じた圧油が供給され、目標とする変速比に応じた溝幅(有効径もしくは巻掛け径)に設定するようになっている。
【0025】
上記の従動プーリ14が、ギヤ対18を介してディファレンシャル19に連結され、このディファレンシャル19から駆動輪20にトルクを出力するようになっている。したがって上記の駆動機構では、エンジン5と駆動輪20との間に、この発明におけるクラッチに相当するロックアップクラッチ3と無段変速機1とが直列に配列されている。
【0026】
上記の無段変速機1およびエンジン5を搭載した車両の動作状態(走行状態)を検出するために各種のセンサーが設けられている。すなわち、無段変速機1に対する入力回転数(前記タービンランナーの回転数)を検出して信号を出力するタービン回転数センサー21、駆動プーリ13の回転数を検出して信号を出力する入力回転数センサー22、従動プーリ14の回転数を検出して信号を出力する出力回転数センサー23、ベルト挟圧力を設定するための従動プーリ14側の油圧アクチュエータ16の圧力を検出する油圧センサー24が設けられている。また、特には図示しないが、アクセルペダルの踏み込み量を検出して信号を出力するアクセル開度センサー、スロットルバルブの開度を検出して信号を出力するスロットル開度センサー、ブレーキペダルが踏み込まれた場合に信号を出力するブレーキセンサーなどが設けられている。
【0027】
上記の前進用クラッチ11および後進用ブレーキ12の係合・解放の制御、および前記ベルト17の挟圧力の制御、ならびに変速比の制御、さらにはロックアップクラッチ3の制御をおこなうために、変速機用電子制御装置(CVT−ECU)25が設けられている。この電子制御装置25は、一例としてマイクロコンピュータを主体として構成され、入力されたデータおよび予め記憶しているデータに基づいて所定のプログラムに従って演算をおこない、前進や後進あるいはニュートラルなどの各種の状態、および要求される挟圧力の設定、ならびに変速比の設定、ロックアップクラッチ3の係合・解放ならびにスリップ回転数などの制御を実行するように構成されている。
【0028】
ここで、変速機用電子制御装置25に入力されているデータ(信号)の例を示すと、無段変速機1の入力回転数(入力回転速度)Ninの信号、無段変速機1の出力回転数(出力回転速度)No の信号が、それぞれに対応するセンサから入力されている。また、エンジン5を制御するエンジン用電子制御装置(E/G−ECU)26からは、エンジン回転数Ne の信号、エンジン(E/G)負荷の信号、スロットル開度信号、アクセルペダル(図示せず)の踏み込み量であるアクセル開度信号などが入力されている。
【0029】
また、シフト装置27からは、現在のポジション信号が変速機用電子制御装置25へ入力されている。このポジション信号は、現在のポジション状態が、手動変速モードに設定されているか否かの判断に用いられる。また、ポジションが手動変速ポジションである場合には、手動変速モードへ切り替えられ、シフト信号が変速機用電子制御装置25へ入力される。なお、シフト装置27にはポジションを変更するシフトレバーとは別に設けられた変速スイッチなども含まれる。
【0030】
自動変速モード時には、無段変速機1によれば、入力回転数であるエンジン回転数を無段階に(言い換えれば、連続的に)制御できるので、これを搭載した車両の燃費を向上できる。例えば、アクセル開度などによって表される要求駆動量と車速とに基づいて目標駆動力が求められ、その目標駆動力を得るために必要な目標出力が目標駆動力と車速とに基づいて求められ、その目標出力を最適燃費で得るためのエンジン回転数が予め用意したマップに基づいて求められ、そして、そのエンジン回転数となるように変速比が制御される。
【0031】
それに対し、手動変速モード時には、自動変速モード時のような制御は行われず、シフト信号が入力されている継続時間によって目標回転数が設定される。手動変速モード時の制御例を図1に示す。
【0032】
先ず、現在の状態が、手動変速モードか否かが判断される(ステップS1)。手動変速モードになっていなければ、否定的に判断され、このルーチンを抜ける。そして、時間が経過し、手動変速モードに設定されると肯定的に判断され、シフトレバーの操作が行われたか否か、すなわち、手動変速モード時における手動変速操作が行われたか否かが判断される(ステップS2)。
【0033】
ステップS2で否定的すなわち、シフトレバーの操作が行われていないと判断された場合には、このルーチンを抜ける。シフトレバーの操作が行われた場合、すなわち、ステップS2で肯定的に判断された場合には、前回のルーチン実行時にシフトレバーが操作されていないか否か、すなわち、そのシフトレバーの操作の検出が最初の検出か否かが判断される(ステップS3)。
【0034】
ステップS3で肯定的すなわち、今回のシフトレバー操作の検出が最初の操作である場合、設定する目標回転数NINTを予め定められている初期設定量KNINSTEPに設定してルーチンを抜ける(ステップS4)。
【0035】
そして時間がさらに経過し、シフトレバー操作、すなわち手動による変速操作が継続中の場合、すなわち、ステップS3で否定的に判断されると、現在の実回転数NIN が初期設定量KNINSTEPに達したか否かが判断される(ステップS5)。当初、実回転数NIN は初期設定量KNINSTEP よりも低いので、ステップS5で否定的に判断され、このルーチンを抜ける。したがって、現在の目標回転数NINTは変化することなく維持される。
【0036】
ステップS5で肯定的に判断された場合、すなわち、実際の回転数NIN が目標回転数NINTに達した場合、目標回転数NINTを増加させる(ステップS6)。具体的には、前回の目標回転数NINTに連続操作時変速勾配KCONTINUE を加えた値を新たな目標回転数NINTとして設定し、その後ルーチンをぬける。
【0037】
図2は上記の制御を実行した場合の目標回転数、実回転数、変速制御量、シフトダウンスイッチの状態を示すタイムチャートである。シフトダウンスイッチが操作されると(A時点)、目標回転数に初期設定量が設定される。これは、ステップS4に相当する。そして時間が経過に伴って、目標回転数を上昇させていく。これは、ステップS6に相当する。
【0038】
実回転数は目標回転数の上昇より遅れて上昇する。その後、時間の経過に伴って、目標回転数との差は小さくなっていき、(B時点からC時点)、ついには一致する(C時点)。これはステップS5で肯定的に判断された場合に相当する。ステップS5で肯定的に判断された場合には、それに続く処理は行われず、現在の目標回転数で維持される(C時点以降)。
【0039】
目標回転数の初期設定値は、ステップ的に設定される(A時点)。そのため、実回転数は目標回転数に比べて急激に上昇する(A時点からB時点)。従って、ステップを入れない場合に比べて急速に目標回転数に近づけることができる。そのため、シフトスイッチの操作に対する実回転数の応答を良くすることができる。
【0040】
また、図3のタイムチャートに示すように、変速操作の態様によりステップ的な変速に切り替えることもできる。例えば、シフトスイッチを断続的に操作することにより、ステップ的に変速を行うこともできる。この場合、ステップ一段あたりの高さが、上記ステップS4で設定した初期設定値にシフトスイッチを操作している間に増加した分の目標値を加えた値に相当する。
【0041】
さらに、上記実施例では、初期目標回転数をステップ的に設定した後、連続操作時変速勾配に比例させて、継続時の目標回転数を直線的に変化させたが、これを直線以外の変化、あるいは複数の比例直線的な変化で置き換えてもよい。例えば、ステップ的に変化させた直後の変化率が最も大きい曲線的な変化で置き換えてもよいし、ステップ的に変化させた直後の変化率が最も大きい複数の比例直線的な変化で置き換えてもよい。要は、ステップ的変化の終了直後の変化率が最も大きな目標回転数の変化であればよい。これにより、目標回転数を油圧回路の特性に応じて柔軟に設定することができる。
【0042】
加えて、初期目標値を零、すなわち、ステップ的変化をさせずに、制御開始時点から直線以外の変化、あるいは複数の直線的変化で置き換えてもよい。例えば、制御開始時点の変化率が最も大きい曲線的な変化で置き換えてもよいし、制御開始時点の変化率が最も大きい複数の比例直線的な変化で置き換えてもよい。要は、制御開始時点の変化率が最も大きな目標回転数の変化であればよい。これにより制御開始時点から、目標回転数を連続してなめらかに変化させることができ、急激な変速による違和感を防止することができる。
【0043】
さらに、実施例では目標回転数を設定することで目標値を設定したが、回転数以外の物理量を使用することもできる。例えば、変速比であってもよい。要は、変速状態を反映した物理量であればよい。
【0044】
また、上記の初期設定量や連続操作時変速勾配などの目標値の変化具合を決定するための値は、車両走行状態を反映した物理量に基づいて決定される。「車両走行状態を反映した物理量」とは、例えば変速比や車速、あるいはシフト操作速度などである。
【0045】
例えば、車速に応じた初期設定量や連続操作時変速勾配を設定することもできるし、シフト操作速度に応じた初期設定量や連続操作時変速勾配を設定することもできる。初期設定量を変化させることや、連続操作時変化勾配を変化させることは、変速パターンを変化させることと実質的に等価であるので、車両走行状態を反映した物理量に基づいて変速パターンを変化させることができるといえる。すなわち、車速やシフト操作速度等によって変速パターンを変化させることができる。
【0046】
図4は変速パターンを切り替える際の処理を機能的なブロック図として表したものである。シフト装置27からは、シフト操作速度や、変速信号などの情報が変速パターン切替手段101に入力される。
【0047】
変速パターン切り替え手段101は入力シフト装置27から入力された、シフト操作信号や変速信号などの変速操作の態様を反映した信号値の状態に応じて連続設定手段102とステップ設定手段103とを切り替える。
【0048】
連続設定手段102からは時間の経過に応じた連続した目標値が出力され、また、ステップ設定手段103からは時間の経過に応じて階段状の目標値が出力される。したがって、連続設定手段102とステップ設定手段103を同時に選択することで、変速開始時点ではステップ的に出力されたのち、その後連続的な目標値の変化を行えるように設定することができる。
【0049】
ここで、上記の具体例とこの発明との関係を簡単に説明すると、ステップS4の機能的手段が、この発明の初期目標値設定手段に相当し、ステップS6の機能的手段が継続目標値設定手段に相当する。また、「初期設定量」がこの発明の「初期目標値」に相当し、「連続操作時変速勾配」が、この発明の「連続的に変化する目標値」の変化率に相当する。また「変速比」や「回転数」等が、この発明の「変速状態を反映する物理量」に相当し、「変速比」や「車速」あるいは「シフト操作速度」等がこの発明の「走行状態を反映した物理量」に相当する。
【0050】
なお、この発明は上述した具体例に限定されない。この発明の無段変速機は、いわゆるベルト式無段変速機以外にも、トロイダル式無段変速機や、遊星歯車を用いた無段変速機構にも適用することができる。また、上述したようなアップシフトの場合だけではなく、ダウンシフトの場合にもこの発明を適用することができる。要は、予め目標値を設定し、その目標値になるように制御される無段変速機であれば、この発明を適用することができる。
【0051】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の発明によれば、設定された目標値に対する実物理量の応答遅れを考慮して目標値を設定することで、変速操作に対する物理量の変化の応答性を向上させることができ、運転者の意図に合致した運転状態を迅速に設定することができる。
【0052】
また、請求項2の発明によれば、走行状態を反映した物理量に基づいて目標値を設定することで、自動変速から手動変速へ切り替える際の違和感を防止することができ、運転者の意図に合致した運転状態を迅速に設定することができる。
【0053】
さらに、請求項3の発明によれば、時間の経過に伴う目標値の変化を必ずしも一定の変化率で変化させる必要がないので、実物理量の応答特性に応じて柔軟に設定することができる。従って、運転者の意図に合致した運転状態を的確に設定することができる。
【0054】
また、請求項4の発明によれば、手動による変速操作が開始された時点から、目標値を連続的かつ非線形的に変化させることができる。従って、急激な変速による違和感を防止することができる。また、必要に応じて、目標値を毎変速操作ごとに階段状に変化させることもできる。したがって、運転者の意図に合致した機敏な車両の挙動を得ることができる。
【0055】
さらに、請求項5の発明によれば、設定した目標値に対して物理量が追従して変化する。したがって、実物理量の応答遅れを考慮して目標値を設定することで、変速操作に対する物理量の変化の応答性を向上させることができ、運転者の意図に合致した運転状態を迅速に設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の制御装置による制御の一例を説明するためのフローチャートである。
【図2】図1の制御を実行した場合のタイムチャートの一例を示す図である。
【図3】変速を断続的に行った場合のタイムチャートの一例を示す図である。
【図4】この発明を機能的に示すブロック図である。
【図5】この発明で対象とする無段変速機を含む駆動装置を模式的に示す図である。
【符号の説明】
1…無段変速機、 5…エンジン(動力源)、 13…駆動プーリ、 14…従動プーリ、 17…ベルト、 20…駆動輪、 25…変速機用電子制御装置(CVT−ECU)、 26…エンジン用電子制御装置(E/G−ECU)、 27…シフト装置。

Claims (5)

  1. 手動による変速操作に基づいて変速比を切り替え可能で、変速状態を反映する物理量が、予め設定された目標値になるように変速される無段変速機の変速制御装置において、
    前記手動による変速操作が最初に行われた場合には操作回数に応じて不連続的に変化する初期目標値を設定する初期目標値設定手段と、
    前記手動による変速操作がさらに継続して行われた場合に操作継続時間に応じて連続的に変化する目標値を前記初期目標値に加算して継続時目標値を設定する継続目標値設定手段と
    を有することを特徴とする無段変速機の変速制御装置。
  2. 前記初期目標値と前記連続的に変化する目標値とが、前記手動による変速操作が開始された時点の走行状態を反映した物理量に基づいて決定されることを特徴とする請求項1に記載の無段変速機の変速制御装置。
  3. 前記継続時目標値の変化率が零を含まず無限大未満の値の範囲であり、手動による変速の開始の最初の時点での前記継続時目標値の変化率の絶対値が、所定時間経過した時点での前記継続時目標値の変化率の絶対値よりも大きいことを特徴とする請求項1または2に記載の無段変速機の変速制御装置。
  4. 手動による変速操作が行われた場合には、前記初期目標値設定手段は選択されず、手動による変速操作が行われた時点から前記継続目標値設定手段が選択される連続設定動作手段と、
    手動による変速操作が行われた場合には、前記継続目標値設定手段は選択されず、手動による変速操作が行われた時点から前記初期目標値設定手段のみが選択され、前記初期目標値設定手段によって設定された目標値を、次の変速操作が行われるまで保持するステップ設定動作手段と、
    前記連続設定動作手段と前記ステップ設定動作手段とを手動による変速操作の態様に応じて切り替える変速パターン切替手段と
    を有することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の無段変速機の変速制御装置。
  5. 手動による変速操作に基づいて変速比を切り替え可能で、変速状態を反映する物理量が、予め設定された目標値になるように変速される無段変速機の変速制御装置において、
    前記物理量を前記予め設定された目標値になるように変化させ、その後手動による変速操作が継続している場合には、変速操作の変化に応じた目標値を連続的に変化させることにより前記物理量を連続的に変化させることを特徴とする無段変速機の変速制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008190633A (ja) * 2007-02-05 2008-08-21 Fuji Heavy Ind Ltd マニュアルモード付き無段変速装置

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