JP2004360831A - 安全タイヤ用バルブ、カプラー付き充填アダプター、及び放圧アダプター - Google Patents

安全タイヤ用バルブ、カプラー付き充填アダプター、及び放圧アダプター Download PDF

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和貴 松澤
Hisashi Kayukawa
久 粥川
Masahiko Yamamoto
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Abstract

【課題】二重構造のタイヤの内側空気室と外側空気室とに個別に空気を供給可能とし、且つ、チャージ作業を容易に行うことのできる安全タイヤ用バルブを提供すること。
【解決手段】バルブ20の第1中空ステム22、及び第2中空ステム23の軸芯中空部分に棒状弁体25が配置されており、棒状弁体25に形成された貫通孔40にバルブコア41が配置されている。棒状弁体25及びバルブコア41のシャフトを押し下げて空気を供給すると、空気は、バルブコア41、貫通孔40を介して内側空気室14に供給され、第1中空ステム22及び第2中空ステム23と棒状弁体25との間の隙間、第1の細穴46、及び第2の細穴48を介して外側空気室13へ供給され、バルブ20の一側から内側空気室14と外側空気室13とに個別に空気を供給することが出来る。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、安全タイヤ用バルブ、カプラー付き充填アダプター、放圧アダプターに係り、二重構造のタイヤ内に設けた外側気体室と内側気体室とに気体をチャージするための安全タイヤ用バルブ、この安全タイヤ用バルブを備えた二重構造の安全タイヤに気体を充填するためのカプラー付き充填アダプター、及び安全タイヤ用バルブを備えた二重構造の安全タイヤの気体を大気に開放させるための放圧アダプターに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の二重構造の安全タイヤ用バルブとして、例えば、特許文献1、2には、1つの気体供給口から内側気体室と外側気体室とに気体を供給可能とするものが開示されている。
【0003】
【特許文献1】
US3422836
【特許文献2】
US3476168
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
一般に二重構造のタイヤにおいては、内側気体室内の圧力は外側気体室内の圧力よりも高く設定してあることが望ましい。
【0005】
しかしながら、上述した従来の安全タイヤ用バルブでは、1つの気体供給口から供給した気体を内部で内側気体室と外側気体室とに分配しているのみであり、内側気体室の気体圧と外側気体室の気体圧とを個別に設定することが出来なかった。
【0006】
本発明は、上記課題を解決し、二重構造のタイヤの内側気体室と外側気体室とに個別に気体を供給可能とし、且つ、チャージ作業を容易に行うことのできる安全タイヤ用バルブを提供することが第1の目的である。
【0007】
第2の目的は、二重構造のタイヤの内側気体室と外側気体室との間に、簡単に差圧を設けることのできるカプラー付き充填アダプターを提供することである。
【0008】
また、第3の目的は、二重構造のタイヤの気体嚢が膨張しないように内側気体室の気体、及び外側気体室の気体を簡単に大気に開放させる放圧アダプターを提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、二重構造のタイヤに備えた外側気体室と内側気体室とに気体をチャージするためのチャージ口を供えた安全タイヤ用バルブであって、 前記チャージ口と前記外側気体室及び前記内側気体室の何れか一方とを連通させる外側給気路と、前記外側給気路に設けられ、大気側から気体室側への気体を流入を許容すると共に気体室側から大気側への気体の流出を阻止可能とし、所定の操作にて気体室側から大気側への気体の流出を許容する第1の逆止弁部材と、前記逆止弁部材に設けられ、前記チャージ口と前記外側気体室及び前記内側気体室の何れか他方とを連通させる内側給気路と、前記内側給気路に設けられ、大気側から気体室側への気体を流入を許容すると共に気体室側から大気側への気体の流出を阻止可能とし、所定の操作にて気体室側から大気側への気体の流出を許容する第2の逆止弁部材と、を有することを特徴としている。
【0010】
次に、請求項1に記載の安全タイヤ用バルブの作用を説明する。
【0011】
請求項1記載の安全タイヤ用バルブによれば、チャージ口より気体のチャージが行われると、チャージされた気体は、例えば、内側給気路、及び第2の逆止弁を介して内側気体室へと導かれ、外側給気路、及び第1の逆止弁を介して外側気体室へと導かれる。
【0012】
外側気体室の気体は第1の逆止弁で大気側への放出が阻止され、内側気体室の気体は第2の逆止弁で大気側への放出が阻止される。
【0013】
これにより、二重構造の安全タイヤがパンク等して外側気体室の気体が抜けた場合に、例えばタイヤ内の気体嚢(チューブ等)を膨張させて、ランフラット走行を可能とする。
【0014】
なお、第1の逆止弁を操作することで外側気体室の気体を大気側へ放出することができ、第2の逆止弁を操作することで内側気体室の気体を大気側へ放出することができる。
【0015】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の安全タイヤ用バルブにおいて、前記第2の逆止弁部材はバルブコアである、ことを特徴としている。
【0016】
次に、請求項2に記載の安全タイヤ用バルブの作用を説明する。
【0017】
請求項2に記載の安全タイヤ用バルブによれば、第2の逆止弁部材を市販のバルブコアとすることができるので、構造が簡単となり、かつ給排気も容易となる。
【0018】
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の安全タイヤ用バルブに係合して、二重構造のタイヤの外側気体室と内側気体室とに気体供給源からの気体をチャージするためのカプラー付き充填アダプターであって、前記安全タイヤ用バルブに係合する本体部と、前記本体部に設けられ、内側給気路と外側給気路との間に圧力差が生じるように、気体供給源からの気体を分配する差圧設定手段と、を有する、ことを特徴としている。
【0019】
次に、請求項3に記載のカプラー付き充填アダプターの作用を説明する。
【0020】
外側気体室と内側気体室とに気体供給源からの気体をチャージする場合、カプラー付き充填アダプターの本体部を安全タイヤ用バルブに係合させる。
【0021】
気体供給源から気体を供給すると、差圧設定手段は内側給気路と外側給気路との間に圧力差が生じるように、気体供給源からの気体を分配する。
【0022】
このため、二重構造のタイヤの外側気体室と内側気体室とに圧力差を設けることができる。
【0023】
ランフラット走行を可能とする二重構造のタイヤでは、通常、チューブ等で形成される内側気体室の気体圧を外側気体室よりも高く設定しておき、パンク時等にチューブを膨張させる。
【0024】
したがって、本発明のカプラー付き充填アダプターを用いることで、例えば、内側気体室の気体圧を外側気体室よりも高く設定することが容易に行なえる。
【0025】
請求項4に記載の発明は、気体入りタイヤと、前記気体入りタイヤの内側に配置され、内側気体室を構成する膨張可能な気体嚢と、前記気体入りタイヤ、及び前記気体嚢を装着した際に、前記気体入りタイヤと前記気体嚢との間に外側気体室を構成するリムと、請求項1または請求項2に記載の安全タイヤ用バルブと、を備えた安全タイヤ・リム組立体に用いられ、前記内側気体室と前記外側気体室の内の少なくとも前記内側気体室の気体を大気に放出するための放圧アダプターであって、前記安全タイヤ用バルブに係合可能な本体部と、前記本体部に設けられ、前記本体部を前記安全タイヤ用バルブに係合させた際に、第1の逆止弁部材、及び第2の逆止弁部材の内の少なくとも前記内側気体室に関る方に対して所定の操作を行い、少なくとも前記内側気体室の気体を大気に開放させる操作手段と、を有することを特徴としている。
【0026】
次に、請求項4に記載の発明の放圧アダプターの作用を説明する。
【0027】
放圧アダプターの本体部を安全タイヤ用バルブに係合すると、放圧アダプターの操作手段が、第1の逆止弁部材、及び第2の逆止弁部材の内の少なくとも内側気体室に関る方に対して所定の操作を行い、少なくとも内側気体室の気体を大気に開放させることが出来る。
【0028】
なお、操作手段は、外側気体室の気体を大気に開放すべく第1の逆止弁部材、及び第2の逆止弁部材の内の外側気体室に関る方に対して所定の操作を行なうこともでき、これにより、内側気体室の気体と外側気体室の気体とを大気に開放させることもできる。
【0029】
請求項5に記載の発明は、気体入りタイヤと、前記気体入りタイヤの内側に配置され、内側気体室を構成する膨張可能な気体嚢と、前記気体入りタイヤ、及び前記気体嚢を装着した際に、前記気体入りタイヤと前記気体嚢との間に外側気体室を構成するリムと、請求項1または請求項2に記載の安全タイヤ用バルブと、備えた安全タイヤ・リム組立体に用いられ、前記内側気体室と前記外側気体室の気体を大気に放出するための放圧アダプターであって、前記安全タイヤ用バルブに係合可能な本体部と、前記本体部に設けられ、前記本体部を前記安全タイヤ用バルブに係合させた際に第1の逆止弁部材及び第2の逆止弁部材に対して所定の操作を行なって、前記気体嚢が膨張しないように前記内側気体室の気体、及び前記外側気体室の気体を大気に開放させる操作手段と、を有することを特徴としている。
【0030】
次に、請求項5に記載の放圧アダプターの作用を説明する。
【0031】
内側気体室の気体、及び外側気体室の気体を大気に開放させる場合、放圧アダプターの本体部を安全タイヤ用バルブに係合する。
【0032】
これにより、操作手段が第1の逆止弁部材及び第2の逆止弁部材に対して所定の操作を行ない、気体嚢が膨張しないように内側気体室の気体、及び外側気体室の気体を大気に開放させる。
【0033】
ランフラット走行を可能とする二重構造のタイヤでは、通常、内側気体室を形成する気体嚢(チューブ等)は、1回膨張(例えば、タイヤ内で所定以上の大きさに膨張させること。)させたものは再使用しないことになっている。
【0034】
したがって、例えば、タイヤ交換等で気体を抜く場合、内側気体室を形成するチューブ等を膨張させてしまうと使用不可となる。
【0035】
本発明の放圧アダプターを用いれば、気体嚢が膨張しないように内側気体室の気体、及び外側気体室の気体を簡単に抜くことが出来る。
【0036】
【発明の実施の形態】
[第1の実施形態]
以下、本発明の第1の実施形態を図1乃至図16に基づいて説明する。
(タイヤ・リム組立体の構成)
図1は、本実施例の安全タイヤ用バルブを取り付けた二重構造のタイヤ・リム組立体8の断面を示している。
【0037】
この二重構造のタイヤ・リム組立体8は、車輪用のリム10の外周面に嵌合したチューブ11と、そのチューブ11の外周を覆うタイヤ12との間に空間を設けて、そのタイヤ12の一対の内周縁を、リム10に密着させた構造をなす。
【0038】
これにより、リム10とタイヤ12とによって閉塞された外側気体室13の内側に、チューブ11にて閉塞された内側気体室14が形成されている。
(バルブの構成)
リム10の外周面の幅方向(図1の左右方向)のうち、チューブ11が嵌合された中間部分は段付き状に陥没しており、そのリム10の段差部10aに形成された貫通穴10bに本発明に係る安全タイヤ用バルブ20(以下、端に、「バルブ20」という)が取付けられている。
【0039】
図3に示すように、バルブ20の本体を形成するハウジング21は、図3の上下方向に伸びる金属製の中空ステム24と、中空ステム24に挿通される棒状弁体25等により構成されている。
【0040】
本実施例の中空ステム24は、第1中空ステム22と第2中空ステム23によって構成され、第1中空ステム22の反タイヤ側の大径穴36aに形成された雌螺子に第2中空ステム23の雄螺子が螺合して第1中空ステム22と第2中空ステム23とが一体化されている。
【0041】
なお、第1中空ステム22と第2中空ステム23との間に配置されたオーリング30により、第1中空ステム22と第2中空ステム23との間の気密性が確保されている。
【0042】
第1中空ステム22は、リム10の貫通孔10bに内側の方、即ち外側気体室13側より挿入されている。
【0043】
そして、第1中空ステム22に形成されたフランジ22aが、リム10の貫通孔10bの周縁付近に突き当てられ、リム10の外側(大気側)から、ワッシャ28と共にナット29を挿通して第1中空ステム22の外周面に形成された雄螺子22cにナット29を螺合することで、ハウジング21がリム10に固定されている。
【0044】
なお、第1中空ステム22のフランジ22aにはオーリング22bが配設されており、第1中空ステム22とリム10との間の気密性が確保されている。
【0045】
第1中空ステム22には、基端部側の外周面に金属リング33が螺着されている。
【0046】
なお、第1中空ステム22と金属リング33との間に配置されたオーリング33aにより、第1中空ステム22と金属リング33との間の気密性が確保されている。
【0047】
金属リング33の外周には、径方向外側に向けて張り出したスパッツ(ゴム座)32が固着されている。
【0048】
スパッツ32は円形をなし、中心部から外側に向けて肉薄になっている。
【0049】
そして、スパッツ32は、チューブ11に形成した孔部11aの周縁部に接着剤で固着されている。
【0050】
これにより、第1中空ステム22の基端部が内側気体室14内に臨んだ状態になっている。
【0051】
第2中空ステム23は、反タイヤ側に雌螺子34aの形成された大径穴34が形成されており、大径穴34のタイヤ側には貫通孔35が形成されている。
【0052】
貫通孔35は、タイヤ側にテーパー状段部35aが設けられ、テーパー状段部35aの反タイヤ側が、前記大径穴34へ開口する一定径の丸孔部35bとされている。
【0053】
テーパー状段部35aは、反タイヤ側へ向けて徐々に孔径が小となっている。
【0054】
一方、第1中空ステム22は、反タイヤ側に大径穴36aが形成され、大径穴36aのタイヤ側に大径穴36aよりも小径の中径孔36bが形成され、中径孔36bのタイヤ側に中径孔36bよりも小径とされた小径孔36cが形成されている。
【0055】
棒状弁体25は、第1中空ステム22、及び第2中空ステム23の軸芯中空部分に配置されている。
【0056】
棒状弁体25は、最も反タイヤ側(図面上側)が第1の小径部25aとされ、第1の小径部25aのタイヤ側が第1の中径部25b、第1の中径部25bのタイヤ側が大径部25c、大径部25cのタイヤ側が第2の中径部25d、第2の中径部25dのタイヤ側が第2の小径部25eとされている。
【0057】
棒状弁体25の大径部25cと、第1中空ステム22の中径孔36bと小径孔36cとの段部との間に圧縮コイルスプリング37が配置されている。
【0058】
棒状弁体25は、圧縮コイルスプリング37により反タイヤ側に付勢され、大径部25cが第2中空ステム23のテーパー状段部35aに当接している。
【0059】
図3の状態では、棒状弁体25の第1の中径部25bが第2中空ステム23の丸孔部35bへ挿入され、棒状弁体25の第2の小径部25eが第1中空ステム22の小径孔36cに挿入されている。
【0060】
棒状弁体25の第1の中径部25bにはオーリング38が嵌め込まれており、第1の中径部25bと第2中空ステム23の丸孔部35bとの間をシールしている。
【0061】
また、棒状弁体25の第2の小径部25eにはオーリング39が嵌め込まれており、第2の小径部25eと第1中空ステム22の小径孔36cとの間をシールしている。
【0062】
棒状弁体25の軸芯には、本発明の内側気体路となる貫通孔40が形成されており、貫通孔40には反タイヤ側にバルブコア41が配置されている。
(バルブコア)
バルブコア41は、内側気体室14とタイヤ外との連通を、開閉可能に密閉している。
【0063】
以下にバルブコア41の詳細を説明する。
【0064】
本実施形態のバルブコア41は、JIS(日本工業規格)に規定(D 4211)された一般的な構造をなす、即ち、図4に示すように、スリーブ(胴)42に挿通したシャフト43の一端側にフランジ状の弁パッキン44を固定して備え、スリーブ42内に収容したコイルスプリング45にてシャフト43を一方側に付勢することで、常には、弁パッキン44がスリーブ42の一端開口に押し付けられている。
【0065】
そして、シャフト43のうち、弁パッキン44と反対側から気体がチャージされたときには、シャフト43の端面に受けた気圧により、シャフト43がコイルスプリング45に抗して移動し、図5に示すように、弁パッキン44がスリーブ42から離れ、気体が図5の二点鎖線の矢印で示すようにスリーブ42内を通過する。
【0066】
一方、弁パッキン44側からの圧縮気体は、弁パッキン44をスリーブ42の一端開口に押し付けるから、スリーブ42内を通過できない。
【0067】
即ち、このバルブコア41は逆止弁構造をなし、タイヤ側への気体の移動は許容するが、タイヤ外への気体の移動を規制することができる。
【0068】
したがって、図3の状態では、内側気体室14の気体は、バルブコア41及びオーリング39でタイヤ外への流出が阻止されている。
【0069】
図3に示すように、また、第1中空ステム22には、小径孔36cの径方向外側に、第1の細穴46が形成されている。
【0070】
第1の細穴46は、タイヤ側の端部から形成されており、先端が第1中空ステム22の中径孔36bの側面に開口し、タイヤ側の開口がセットスクリュー47で密閉されている(図11参照)。
【0071】
また、第1中空ステム22のフランジ22aには、一端が外周側に開口し、他端が第1の細穴46に開口する第2の細穴48が形成されている。
【0072】
したがって、外側気体室13は、第2の細穴48、第1の細穴46を介して、棒状弁体25と第1中空ステム22の中径孔36bとの間の圧縮コイルスプリング37の配置された環状の空間に連結されている。
【0073】
なお、前述した様に、オーリング38が、棒状弁体25の第1の中径部25bと第2中空ステム23の丸孔部35bとの間をシールしているので、図3の状態では、外側気体室13の気体のタイヤ外への流出が阻止されている。
【0074】
また、前述した様に、オーリング39が棒状弁体25の第2の小径部25eと第1中空ステム22の小径孔36cとの間をシールしているので、外側気体室13と内側気体室14とは、各々完全に独立している。
(カプラー付き充填アダプター)
本実施形態のバルブ20を用いて気体を充填する際には、図6に示す専用のカプラー付き充填アダプター49を用いる。
【0075】
図6に示すように、カプラー付き充填アダプター49は、図面の下側から上側へ向けて大径の丸穴50が形成された本体51を備えている。
【0076】
本体51には、図面下側部分に筒部材52が外周側に配置され、筒部材52のの外側にはスライドリング53が配置されている。
【0077】
本体51と筒部材52とは、筒部材52の図面上側内面に形成された溝54と、本体51の外周に形成された段部55とにCリング56を係合させることによって分解可能に連結されている。
【0078】
本体51の丸穴50には、ピストン57が相対回転可能、かつ軸方向にスライド自在に挿入されている。
【0079】
ピストン57と丸穴50の底との間の上部空間には、ピストン57を図面下方に向けて付勢する圧縮コイルスプリング58が配置されている。
【0080】
ピストン57の図面下側の外周端部には、第1のパッキン固定リング59が固定されている。
【0081】
第1のパッキン固定リング59の内周面に形成された溝60にはリング状の第1のパッキン61が嵌め込まれている。
【0082】
この第1のパッキン61は、第1のパッキン固定リング59の内面から内側に突出した部分の下面が、第2中空ステム23の上端面に当接可能となっている。
【0083】
ピストン57の外周面には一対の溝62,63が形成されており、図面上側の溝62にはオーリング64が、図面下側の溝63には弾性体からなるピストンリング65が嵌め込まれ、それぞれピストン57の外周面と丸穴50の内周方向面との間をシールしている。
【0084】
本体51の側面には、図面上側に孔66が形成され、孔66の図面下側に孔67が形成されている。
【0085】
図6、及び図7に示すように、孔66には、内圧測定時に用いる第1の継ぎ手68が固定されており、孔67には、気体充填用の第2の継ぎ手72が固定されている。
【0086】
図6に示すように、第1の継ぎ手68の軸芯には貫通孔69が形成されており、貫通孔69にはバルブコア41が固定されている。
【0087】
貫通孔69は、バルブコア41よりも本体側に孔径が徐々に小となる段部70が形成されており、この段部70とバルブコア41との間に弾性体からなる球状の弁体71が配置されている。
【0088】
球状の弁体71は、バルブコア41側から気体を充填しようとした場合に段部70に当接し、本体51内の上部空間への流入を阻止する役目をしている。
【0089】
次に、第2の継ぎ手72の軸芯には貫通孔73が形成されており、貫通孔73にはバルブコア41が固定されている。
【0090】
ピストン57の外周面には、オーリング64とピストンリング65との間に環状の浅溝74が形成されている。
【0091】
本体51の孔67は、ピストン57の浅溝74と対向しており、第2の継ぎ手72から供給された気体が浅溝74と丸穴50との間の環状の空間に流入する。
【0092】
ピストン57の軸芯には、貫通孔75が形成されている。
【0093】
貫通孔75は、最も図面上方側が大径部75a、大径部75aの図面下側が中径部75b、中径部75bの図面下側が小径部75cとされている。
【0094】
なお、ピストン57の長手方向中間部分には、浅溝74の底部と、貫通孔75の小径部75cとを連結する孔76が複数本形成されている。
【0095】
小径部75cの図面下側の端部には、バルブコア押圧部材77がねじ込まれている。
【0096】
図8に示すように、バルブコア押圧部材77は、一端側の大径部分77aを除いて外周面のほぼ全体に雄螺子78が形成されている。
【0097】
大径部分77aには、軸方向に沿って延びる複数の小孔79aが、軸芯部分を除いて周方向に形成されている。
【0098】
また、バルブコア押圧部材77の軸芯には、大径部分77aの反対側端部から大径部分77aに向けて穴79bが形成されており、この穴79bの端部と前述した複数の小孔79aとが内部で連結している。
【0099】
図6に示すように、ピストン57の図面下側の端部には、バルブコア押圧部材77の外側に環状の溝80が形成されており、この溝80に小径の第2のパッキン81が嵌め込まれている。
【0100】
図8に示すように、バルブコア押圧部材77の大径部分77aには段部82が形成されており、この段部82に第2のパッキン81の内端の一部分が引っかかって溝80からの脱落が阻止されている。
【0101】
なお、この第2のパッキン81は、バルブ20の棒状弁体25の上端面に当接可能となっている。
【0102】
図6に示すように、ピストン57の貫通孔75の大径部75aには、図9に示すストッパ83が挿入されている。
【0103】
ストッパ83の外周面には、気体を流す溝87が軸方向に沿って複数本形成されている。
【0104】
図6に示すように、ストッパ83は、大径部75aの中間部に形成された段部84と、大径部75aの内周面に形成された溝に嵌めこまれたCリング86との間に固定されている。
【0105】
ピストン57の貫通孔75の中径部75bには、図10に示す弁体88がスライド自在に挿入されている。
【0106】
図10に示すように、弁体88は、外周面に気体を流す溝89が軸方向に沿って複数本形成されており、端部に設けられた小径軸部90の溝91にオーリング92(図10では図示せず。図6参照)が嵌め込まれている。
【0107】
図6に示すように、ストッパ83と弁体88との間には、弁体88を図面下側へ付勢する圧縮コイルスプリング93が配置されている。
【0108】
弁体88が圧縮コイルスプリング93で付勢され、これにより、弁体88のオーリング92が貫通孔75の中径部75bと小径部75cとの間のテーパー状の段部94に当接している。
【0109】
なお、この状態では、弁体88の小径軸部90の先端が、貫通孔75の小径部75cに挿入されている。
【0110】
また、ピストン57には、貫通孔75の側方に、側部貫通孔57aが形成されており、この側部貫通孔57aはピストン57の両端に開口している。
【0111】
筒部材52に対してスライドリング53は軸方向にスライド自在とされており、スライドリング53は、スライドリング53の大径孔部98と筒部材52との間の環状の隙間に配置された圧縮コイルスプリング95によって図面の下方に付勢されている。
【0112】
スライドリング53の内側は、大径孔部98の図面下側が中径部99とされ、その下端側に拡大部96が形成されている。
【0113】
一方、筒部材52の下端付近の外周面の溝にはCリング97が嵌め込まれている。
【0114】
圧縮コイルスプリング95によって図面下方に付勢されたスライドリング53は、中径部99と拡大部96との間の段部がCリング97に当接しており、図6の状態からは図面上方に所定寸法スライド可能となっている(スライドした状態は、図14参照)。
【0115】
図6に示すように、筒部材52には、Cリング97の図面上側に、テーパー孔100が周方向に複数個(図面では1個のみ図示)形成されている。
【0116】
テーパー孔100は、筒部材52の径方向外側へ向けて径が拡大している。
【0117】
テーパー孔100には、硬球101が挿入されている。
【0118】
硬球101は、スライドリング53の内面に当接し、一部分が筒部材52の内面側に突出している。
【0119】
なお、突出した硬球101の一部分は、第1中空ステム22の外周に形成した溝22dに挿入可能となっている。
【0120】
通常、スライドリング53の位置は、図6に示す位置にあるが、圧縮コイルスプリング95に対抗してスライドリング53を図面上方に移動させると、図14に示すように、スライドリング53の拡大部96に硬球101が対向し、硬球101が外側に移動することで硬球101が筒部材52の内面へ突出しなくなる。
(放圧アダプターの構成)
本実施形態のバルブ20を用いてタイヤの気体を抜く際には、図12に示す専用の放圧アダプター102を用いる。
【0121】
図12に示すように、放圧アダプター102は、外周面にあや目ローレット加工を施した筒状部材103を備えている。
【0122】
筒状部材103の孔104には、図面の下側部分に雌螺子105が形成されており、図面の上側部分には環状の溝106が形成され、溝106の図面下側には段部107が形成されている。
【0123】
なお、筒状部材103の雌螺子105は、第1中空ステム22の雄螺子22cに螺合可能となっている。
【0124】
筒状部材103の孔104には、図面上側に蓋部材108が回転自在に挿入されている。
【0125】
蓋部材108は、中間部分にフランジ109を備え、軸芯に貫通孔110が形成され、軸芯の側方に貫通孔111が形成されている。
【0126】
貫通孔110には、図面下側にバルブコア押圧部材77がねじ込まれている。
【0127】
筒状部材103の溝106には、Cリング112が嵌め込まれており、Cリング112と段部107との間で蓋部材108のフランジ109を挟持し、蓋部材108を筒状部材103に対して相対回転可能としつつ、孔104の所定位置に保持している。
(作用)
次に、本実施形態のバルブ20の作用を説明する。
【0128】
最初に、タイヤ・リム組立体8に気体をチャージする場合の作用を説明する。
【0129】
タイヤ・リム組立体8に気体をチャージする場合、バルブ20にカプラー付き充填アダプター49を取り付ける。
【0130】
カプラー付き充填アダプター49を取り付ける際には、スライドリング53を指で把持して引き上げ、筒部材52の内部にバルブ20の端部を押し込み、指を離す。
【0131】
これにより、図13に示すように、圧縮コイルスプリング95に付勢されたスライドリング53は元の位置に戻り、硬球101が第1中空ステム22の溝22dに入り込み、カプラー付き充填アダプター49がバルブ20にロックされる。
【0132】
なお、カプラー付き充填アダプター49、及びバルブ20では、接合部分の気体の流路がそれぞれ同心円状に配置されているので、カプラー付き充填アダプター49の向きを気にせずバルブ20を端部を押込むことが出来る。
【0133】
また、筒部材52の内部にバルブ20の端部が押込まれると、第2中空ステム23の端部が第1のパッキン61に当接すると共に、棒状弁体25の端部が第2のパッキン81に当接し、カプラー付き充填アダプター49のピストン57を内方へ押込み、圧縮コイルスプリング58が圧縮される。
【0134】
さらに、第2のパッキン81でバルブ20の棒状弁体25を図面下側に押し下げると共に、バルブコア押圧部材77でバルブコア41のシャフト43を押圧する。
【0135】
なお、カプラー付き充填アダプター49がバルブ20にロックされた状態では、第1のパッキン61、及び第2のパッキン81は各々圧縮コイルスプリング58による付勢力を受けて圧縮され、シール性が向上する。
【0136】
また、カプラー付き充填アダプター49のバルブコア押圧部材77がバルブ20のバルブコア41のシャフト43を押圧するので、バルブコア41での気体の流通を可能とする。
【0137】
次に、図示しない給気ノズルを第2の継ぎ手72に接続して気体をチャージする。
【0138】
ここで、第2の継ぎ手72の取り付けられている本体51は、ピストン57に対して相対回転可能となっているので、給気ノズルを接続し易いように第2の継ぎ手72の向きを所望の方向に向けることが出来る。
【0139】
給気ノズルを第2の継ぎ手72に接続すると、バルブコア41のシャフト43が押圧され、バルブコア41での気体の流通を可能とする。
【0140】
なお、給気ノズルに圧縮気体を供給するコンプレッサの気体圧力は、本実施形態では950kPa(9.5kg/cm)に調整しておく。
【0141】
気体がチャージされると、その気体は、第2の継ぎ手72のバルブコア41、ピストン57の複数の孔76、貫通孔75の小径部75c、及びバルブコア押圧部材77を介し、さらに、バルブ20のバルブコア41を介して内側気体室14へと供給される。
【0142】
貫通孔75の小径部75cでの圧力が高まって、小径部75cので圧力により弁体88を図面上方に押し込む方向の力(F1:小径部75cでの圧力×弁体88の小径軸部90の断面積)が、圧縮コイルスプリング93による小径部75c側(図面の下方向)への付勢力(F2)と外側気体室13の圧力により弁体88を小径部75c側(図面の下方向)へ移動させようとする力(F3:外側気体室13内の圧力×弁体88の小径軸部90の断面積)とを合わせた合力(F2+F3)とのバランスが崩れ、力(F1)が合力(F2+F3)よりも大きくなると、弁体88が図面の上方に移動し、気体がピストン57の上部空間側へ流れ、さらにその気体は、側部貫通孔57aを介してバルブ20の棒状弁体25と第2中空ステム23との間、及び棒状弁体25との間に形成された環状の隙間を介して、更に、第1の細穴46、及び第2の細穴48を介して外側気体室13へとチャージが行われる。
【0143】
こうして、内側気体室14と外側気体室13の両方にチャージが行われる。
【0144】
徐々に外側気体室13内の圧力が上昇し、弁体88を貫通孔75の小径部75c側(図面の下方向)へ移動させようとする力(F3)と圧縮コイルスプリング93の付勢力(F2)との合力(F2+F3)が、弁体88を図面の上方へ押し込む方向の力(F1)よりも大きくなると、弁体88が小径部75c側に押されて、弁体88のオーリング92が貫通孔75のテーパー状の段部94に密着する。
【0145】
本実施形態では、気体は、先ず内側気体室14へ50kPa充填され、弁体88、圧縮コイルスプリング93等で構成される差圧機構が作動し、内側気体室14と外側気体室13との間に50kPaの差圧を保ちながら内側気体室14と外側気体室13とへ気体が交互に充填されて行き、ほぼ同一の時期で充填が完了する(最終的に、外側気体室13は900kPa、内側気体室14は950kPaとなる。)。
【0146】
充填が完了すると、作業者によって給気ノズルが離される。
【0147】
なお、本実施形態では、第2の継ぎ手72より気体を供給して行き、弁体88が図面上方に移動してピストン57の上部空間側へ気体が流れ込むと、上部空間に流入した気体の圧力がピストン57に作用し、ピストン57がバルブ20側へ付勢され、第1のパッキン61、及び第2のパッキン81は各々圧縮力を受けてシール性が更に向上する。
【0148】
また、弁体88、圧縮コイルスプリング93等で構成される差圧機構の作用により、ピストン57をバルブ20側へ付勢する力は、給気ノズルを外してもカプラー付き充填アダプター49を取り外さない限りは保たれ、高いシール性が維持できる。
【0149】
このように、本実施形態のバルブ20、及びカプラー付き充填アダプター49を用いれば、従来のように弁の切替えを行うことなく、外側気体室13と内側気体室14とに気体をチャージすることができ、且つ外側気体室13と内側気体室14とに所定の圧力差を設けることができる。
【0150】
ここで、外側気体室13と内側気体室14と圧力差は、弁体88を付勢する圧縮コイルスプリング93の付勢力により調整することができる。
【0151】
チャージ終了後は、カプラー付き充填アダプター49のスライドリング53を指で把持して引き上げ、カプラー付き充填アダプター49をバルブ20から取り外す。
【0152】
カプラー付き充填アダプター49をバルブ20から取り外すと、棒状弁体25が反タイヤ側に移動して図3に示す状態となり、チャージした気体は、バルブコア41及び棒状弁体25によってタイヤ12外に漏れることが防止される。
【0153】
最後に、図15に示すようなバルブキャップ113をバルブ20に付ける。
【0154】
なお、バルブキャップ113の内側には、第2中空ステム23の開口部を塞ぐパッキン114が取り付けられている。
【0155】
なお、さらに高い圧力でチャージを行うと、外側気体室13と内側気体室14との間に所定の圧力差(本実施形態では50kPa)が設けられるように、外側気体室13と内側気体室14との両方にチャージが行われる。
【0156】
また、リム10の貫通穴10bにバルブ20を挿入する際、バルブ20が傷付かないように、図16に示すような金属または合成樹脂のバルブカバー115を取り付けることが好ましい。
(気体圧の計測方法)
外側気体室13の内圧(所謂タイヤの気体圧)をチェックする場合には、カプラー付き充填アダプター49をバルブ20に取り付け、内圧測定用の第1の継ぎ手68に圧力計を取り付ける。
(タイヤの気体を抜く(放圧)方法)
外側気体室13と内側気体室14の気体を抜く場合には、図12に示すように、バルブ20に放圧アダプター102を取り付ける。
【0157】
これにより、バルブコア押圧部材77によりバルブコア41のシャフトが押圧されると共に、棒状弁体25が押圧され、外側気体室13の気体は放圧アダプター102の貫通孔111を介して大気に放出され、内側気体室14の気体は放圧アダプター102のバルブコア押圧部材77及び貫通孔110を介して大気に放出される。
【0158】
なお、気体を抜く際には、チューブ11をタイヤ内で膨張させないようにすることが好ましい(気体を抜く前の状態に対して)。
【0159】
したがって、放圧アダプター102をねじ込んで取り付ける際に、棒状弁体25を先に押圧して、その後、バルブコア41のシャフト43を押圧するように、蓋部材108の下端の位置、及びバルブコア押圧部材77の下端の位置(及び又は、バルブコア41のシャフト43の上端の位置、または棒状弁体25の上端の位置)を予め設定しておく必要がある。
【0160】
本実施形態でカプラー付き充填アダプター49をバルブ20に取り付ける際には、スライドリング53を指で把持して引き上げ、筒部材52の内部にバルブ20の端部を押し込み、その後、指を離す必要があったが(操作が所謂ツーアクション)、カプラー付き充填アダプター49の筒部材52の内部にバルブ20の端部を押し込むのみでロックが完了(所謂ワンアクション)するような流体継ぎ手に使用されているロック機構を採用しても良い。
[第2の実施形態]
以下、本発明の第2の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、第1の実施形態と同一構成に関しては同一符号を付し、その説明は省略する。
(バルブの構成)
図17に示すように、本実施形態のバルブ200は、第1の実施形態のバルブ20と略同一構成であるが、一部分が異なっている。
【0161】
なお、以下には第1の実施形態のバルブ20と異なる部分を説明する。
【0162】
図17に示すように、本実施形態のバルブ200は、第1中空ステム22に形成される第1の細穴46がタイヤ側の端部に開口しており、第1の細穴46が内側気体室14と連通している。
【0163】
また、第1中空ステム22の軸芯に形成された小径孔36cは、本実施形態ではタイヤ側の端部に貫通しておらず、この小径孔36cに第2の細穴48が連結されている。
【0164】
したがって、本実施形態では、バルブコア41を介して供給された気体は外側気体室13に供給され、棒状弁体25の外側を介して供給された気体は内側気体室14へ供給されることになる(即ち、第1の実施形態とは、気体の供給先が逆になる。)。
(カプラーの構成)
本実施形態のバルブ200を用いて気体を充填する際には、図18に示す専用のカプラー201を用いる。
【0165】
このカプラー201は、第1の実施形態のカプラー付き充填アダプター49と略同一構成であるが、一部分が異なっている。
【0166】
なお、以下には第1の実施形態のカプラー付き充填アダプター49と異なる部分を説明する。
【0167】
図18に示すように、本実施形態のピストン57では、第1の実施形態で説明した第1のパッキン固定リング59を一体化させている。
【0168】
ピストン57の略軸芯部に形成される貫通孔75の大径部75aには円筒状のストッパ203が挿入され、Cリング204にて固定されている。
【0169】
なお、ストッパ203の外周面に形成された溝にはオーリング205が嵌め込まれており、ストッパ203と大径孔75との間をシールしている。
【0170】
中径部75bには、弁体88、及びストッパ203が、第1の実施形態と逆に配置されている。
【0171】
なお、本実施形態のストッパ203は、図19に示すように、軸方向に気体が流れるように凹部205a及び切欠205bが形成されている。
【0172】
図18に示すように、本実施形態では、弁体88のオーリング92は、ストッパ203のテーパー状の開口部206に当接している。
【0173】
なお、この状態では、弁体88の小径軸部90の先端が、ストッパ203の孔207に挿入されている。
【0174】
また、本実施形態では、ピストン57の長手方向中間部分に形成される孔76が、浅溝74の底部と、貫通孔75の中径部75b(弁体88とストッパ203との中間部分)とを連結している。
【0175】
なお、この図18では、スライドリング53がスライドされた状態を示している。
(作用)
タイヤ・リム組立体8に気体をチャージする場合、バルブ200にカプラー201を第1の実施形態と同様の手順で取り付ける(取り付けた状態は、図20参照。)
第2の継ぎ手72より気体がチャージされると、その気体は、先ずピストン57の側部貫通孔57aを介して内側気体室14に供給される。
【0176】
ピストン57の図面上方側端部と本体51との間の上部空間部分での圧力が高まって、弁体88を図面下方に押し込む方向の力(F1:上部空間部分での圧力×弁体88の小径軸部90の断面積)が、圧縮コイルスプリング93による上部空間部分側(図面の上方向)への付勢力(F2)と外側気体室13の圧力により弁体88を上部空間側(図面の上方向)へ移動させようとする力(F3:外側気体室13内の圧力×弁体88の小径軸部90の断面積)とを合わせた合力(F2+F3)とのバランスが崩れ、力(F1)が合力(F2+F3)よりも大きくなると、弁体88が図面の下方に移動し、気体がピストン57の貫通孔75の中径部75b、及びバルブコア押圧部材77を介して外側気体室13へとチャージが行われる。
【0177】
こうして、内側気体室14と外側気体室13の両方にチャージが行われる。
【0178】
徐々に外側気体室13内の圧力が上昇し、弁体88を上部空間側(図面の上方向)へ移動させようとする力(F3)と圧縮コイルスプリング93の付勢力(F2)との合力(F2+F3)が、弁体88を図面の下方へ押し込む方向の力(F1)よりも大きくなると、弁体88が上部空間側に押されて、オーリング92がテーパー状の開口部206に密着する。
【0179】
本実施形態においても、第1の実施形態と同様に、気体は、先ず内側気体室14へ50kPa充填され、弁体88、圧縮コイルスプリング93等で構成される差圧機構が作動し、内側気体室14と外側気体室13との間に50kPaの差圧を保ちながら内側気体室14と外側気体室13とへ気体が交互に充填されて行き、ほぼ同一の時期で充填が完了する(最終的に、外側気体室13は900kPa、内側気体室14は950kPaとなる。)。
【0180】
充填が完了すると、作業者によって給気ノズルが離される。
【0181】
このようにして、本実施形態においても第1の実施形態と同様に外側気体室13と内側気体室14とに気体をチャージすることができ、且つ外側気体室13と内側気体室14とに所定の圧力差を設けることができる。
【0182】
チャージ終了後は、カプラー201のスライドリング53を指で把持して引き上げ、カプラー201をバルブ200から取り外す。
【0183】
最後に、図21に示すようにバルブキャップ113をバルブ200に付ける。
(気体圧の計測方法)
外側気体室13の内圧(所謂タイヤの気体圧)をチェックする場合には、カプラー201をバルブ200に取り付け、内圧測定用の第1の継ぎ手68に圧力計を取り付ける。
(タイヤの気体を抜く(放圧)方法)
外側気体室13と内側気体室14の気体を抜く場合には、第1の実施形態と同様にバルブ200に放圧アダプターを取り付ける。
[その他の実施形態]
上記実施形態では、外側気体室13の気体と内側気体室14の気体を同時に抜く場合を説明したが、内側気体室14の気体のみを抜くように放圧アダプター102を変更しても良い。
【0184】
例えば、図12に示す放圧アダプター102では、バルブコア41のシャフト43と棒状弁体25を押圧して、内側気体室14の気体と外側気体室13の気体の両方を抜いているが、バルブ20に装着した際に棒状弁体25を押圧しないように蓋部材108の寸法を変更すれば、内側気体室14の気体のみを抜くことが可能となる。
【0185】
なお、本実施形態では、二重構造のタイヤを主体に記載したが、二重以上の多重構造や、内側気体室や外側気体室をタイヤ幅方向等に分割したような構造にも本発明のバルブは適用可能である。
【0186】
また、本実施形態では、外側気体室13及び内側気体室14に空気を充填したが、本発明はこれに限らず、外側気体室13及び内側気体室14には、窒素ガス等、空気以外の気体を充填しても良い。
【0187】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に記載の安全タイヤ用バルブは上記の構成としたので、二重構造のタイヤ・リム組立体に用いた際に、内側気体室、及び外側気体室に個別に異なる気体圧で気体を供給でき、且つ、チャージ作業を容易に行うことができる、という優れた効果を有する。
【0188】
請求項2に記載の安全タイヤ用バルブは上記の構成としたので、構造が簡単となり、かつ給排気も容易となる。
【0189】
請求項3に記載のカプラー付き充填アダプターは上記の構成としたので、内側気体室の気体圧と外側気体室との間に圧力差を設けて気体を充填することが容易に行なえる。
【0190】
請求項4に記載の放圧アダプターは上記の構成としたので、少なくとも内側気体室の気体を簡単に大気に開放させることができる。
【0191】
請求項5に記載の放圧アダプターは上記の構成としたので、気体嚢が膨張しないように内側気体室の気体、及び外側気体室の気体を簡単に大気に開放させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】二重構造のタイヤ・リム組立体の断面図である。
【図2】第1の実施形態に係るバルブのチャージ口側からみた上面図である。
【図3】バルブの断面図である。
【図4】バルブコアが閉じた状態の断面図である。
【図5】バルブコアが開いた状態の断面図である。
【図6】カプラー付き充填アダプターの断面図である。
【図7】カプラー付き充填アダプターの上面図である。
【図8】バルブコア押圧部材の斜視図である。
【図9】ストッパの斜視図である。
【図10】弁体の斜視図である。
【図11】バルブのタイヤ側からみた底面図である。
【図12】放圧アダプターを取り付けたバルブの断面図である。
【図13】カプラー付き充填アダプターを取り付けたバルブの断面図である。
【図14】スライドリングを引いた状態のカプラー付き充填アダプターの断面図である。
【図15】キャプを取り付けたバルブの断面図である。
【図16】カバーを取り付けた組み付け途中のバルブの断面図である。
【図17】第2の実施形態に係るバルブの断面図である。
【図18】第2の実施形態に係るカプラー付き充填アダプターのの断面図である。
【図19】第2の実施形態に係るバルブのストッパの斜視図である。
【図20】カプラー付き充填アダプターを装着した第2の実施形態に係るバルブの断面図である。
【図21】キャップを取り付けた第2の実施形態に係るバルブの半断面図である。
【符号の説明】
10 リム
12 タイヤ
13 外側気体室
14 内側気体室
20 バルブ(安全タイヤ用バルブ)
25 棒状弁体
35 貫通孔(外側気体路)
40 貫通孔(内側気体路)
41 バルブコア
49 カプラー
102 放圧アダプター

Claims (5)

  1. 二重構造のタイヤに備えた外側気体室と内側気体室とに気体をチャージするためのチャージ口を供えた安全タイヤ用バルブであって、
    前記チャージ口と前記外側気体室及び前記内側気体室の何れか一方とを連通させる外側給気路と、
    前記外側給気路に設けられ、大気側から気体室側への気体の流入を許容すると共に気体室側から大気側への気体の流出を阻止可能とし、所定の操作にて気体室側から大気側への気体の流出を許容する第1の逆止弁部材と、
    前記逆止弁部材に設けられ、前記チャージ口と前記外側気体室及び前記内側気体室の何れか他方とを連通させる内側給気路と、
    前記内側給気路に設けられ、大気側から気体室側への気体の流入を許容すると共に気体室側から大気側への気体の流出を阻止可能とし、所定の操作にて気体室側から大気側への気体の流出を許容する第2の逆止弁部材と、
    を有することを特徴とする安全タイヤ用バルブ。
  2. 前記第2の逆止弁部材はバルブコアである、ことを特徴とする請求項1に記載の安全タイヤ用バルブ。
  3. 請求項1または請求項2に記載の安全タイヤ用バルブに係合して、二重構造のタイヤの外側気体室と内側気体室とに気体供給源からの気体をチャージするためのカプラー付き充填アダプターであって、
    前記安全タイヤ用バルブに係合する本体部と、
    前記本体部に設けられ、内側給気路と外側給気路との間に圧力差が生じるように、気体供給源からの気体を分配する差圧設定手段と、
    を有する、ことを特徴とするカプラー付き充填アダプター。
  4. 気体入りタイヤと、
    前記気体入りタイヤの内側に配置され、内側気体室を構成する膨張可能な気体嚢と、前記気体入りタイヤ、及び前記気体嚢を装着した際に、前記気体入りタイヤと前記気体嚢との間に外側気体室を構成するリムと、請求項1または請求項2に記載の安全タイヤ用バルブと、を備えた安全タイヤ・リム組立体に用いられ、前記内側気体室と前記外側気体室の内の少なくとも前記内側気体室の気体を大気に放出するための放圧アダプターであって、
    前記安全タイヤ用バルブに係合可能な本体部と、
    前記本体部に設けられ、前記本体部を前記安全タイヤ用バルブに係合させた際に、第1の逆止弁部材、及び第2の逆止弁部材の内の少なくとも前記内側気体室に関る方に対して所定の操作を行い、少なくとも前記内側気体室の気体を大気に開放させる操作手段と、
    を有することを特徴とする放圧アダプター。
  5. 気体入りタイヤと、
    前記気体入りタイヤの内側に配置され、内側気体室を構成する膨張可能な気体嚢と、前記気体入りタイヤ、及び前記気体嚢を装着した際に、前記気体入りタイヤと前記気体嚢との間に外側気体室を構成するリムと、請求項1または請求項2に記載の安全タイヤ用バルブと、を備えた安全タイヤ・リム組立体に用いられ、前記内側気体室と前記外側気体室の気体を大気に放出するための放圧アダプターであって、
    前記安全タイヤ用バルブに係合可能な本体部と、
    前記本体部に設けられ、前記本体部を前記安全タイヤ用バルブに係合させた際に第1の逆止弁部材及び第2の逆止弁部材に対して所定の操作を行なって、前記気体嚢が膨張しないように前記内側気体室の気体、及び前記外側気体室の気体を大気に開放させる操作手段と、
    を有することを特徴とする放圧アダプター。
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