JP2004360774A - エネルギ吸収部材の製造方法 - Google Patents

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治 新倉
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Abstract

【課題】内外の中空体と多孔質金属から成るエネルギ吸収体を備えたエネルギ吸収部材を製造するに際し、エネルギ吸収体の製造コストの低減を実現することができるエネルギ吸収部材の製造方法を提供する。
【解決手段】内外の中空体2,3と、熱硬化型の接着剤を介して内外の中空体2,3に接する多孔質金属から成るエネルギ吸収体4を備えたエネルギ吸収部材1を製造するに際し、多孔質金属塊からエネルギ吸収体4を切り出して形成し、外側中空体3の内部にエネルギ吸収体4及び内側中空体2を配置した後、内側中空体2に、多孔質金属のプラトー応力以下の圧力を拡管方向に付加し、エネルギ吸収体の表面における開放セルの内部に接着剤を入り込ませて、エネルギ吸収体4と内外の中空体2,3を互いに固定する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば自動車の車体用構造部材に用いられるエネルギ吸収部材の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のエネルギ吸収部材としては、内側中空体と外側中空体との間に、多孔質金属から成るエネルギ吸収体を設けたものがある。内外の中空体は、相似形であって、四角形、六角形又は八角形の断面形状を成すと共に、互いの辺が平行になるように配置してある。他方、エネルギ吸収体は、成形型を用いて、内外の中空体の間に対応する形状に発泡成形したものであって、形成材料(金属)から成る表皮を有しており、その表皮に常温で硬化する接着剤を塗布してから内外の中空体の間に介装することにより、内外の中空体に固定してある(例えば、非特許文献1参照)。
【0003】
【非特許文献1】
Metal Foams and Porous Metal Structures, MIT Verlag(1999)、p313−316
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記したような従来のエネルギ吸収部材にあっては、成形型を用いて、内外の中空体の間に対応する形状のエネルギ吸収部材を一つずつ発泡成形していたため、一度に多量のエネルギ吸収体を成形することが難しいと共に、異なる形状のエネルギ吸収体を成形するにはその分の成形型が必要であり、エネルギ吸収体の製造コストが増加する傾向にあるという問題点があった。
【0005】
【発明の目的】
本発明は、上記従来の課題に鑑みて成されたもので、内外の中空体と多孔質金属から成るエネルギ吸収体を備えたエネルギ吸収部材を製造するに際し、エネルギ吸収体の製造コストの低減を実現することができるエネルギ吸収部材の製造方法を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明のエネルギ吸収部材の製造方法は、内側中空体と、内側中空体を収容する外側中空体と、内側中空体と外側中空体の間に設けられ且つ熱硬化型の接着剤を介して内外の中空体に接する多孔質金属から成るエネルギ吸収体を備えたエネルギ吸収部材を製造するに際し、所定の体積を有する多孔質金属塊からエネルギ吸収体を切り出して形成する。これにより、エネルギ吸収体の表面には、切断された多孔質金属の細孔すなわち無数の開放セルが存在する。
【0007】
そして、当該エネルギ吸収部材の製造方法は、上記のエネルギ吸収体を形成した後、外側中空体の内部にエネルギ吸収体及び内側中空体を配置し、内側中空体に、多孔質金属のプラトー応力以下の圧力を拡管方向に付加することにより、エネルギ吸収体の表面における開放セルの内部に接着剤を入り込ませて、エネルギ吸収体と内外の中空体を互いに固定することを特徴としている。
【0008】
【発明の効果】
本発明のエネルギ吸収部材の製造方法によれば、内外の中空体と多孔質金属から成るエネルギ吸収体を備えたエネルギ吸収部材を製造するに際し、多孔質金属塊からエネルギ吸収体を切り出して形成することから、成形型を用いてエネルギ吸収部材を発泡成形する場合に比べて、エネルギ吸収体を大量生産することや異なる形状のエネルギ吸収体を得ることが容易になり、エネルギ吸収体の製造コストを低減することができると共に、当該エネルギ吸収部材の低コスト化をも実現することができる。
【0009】
また、本発明のエネルギ吸収部材の製造方法によれば、エネルギ吸収体は、表皮を有するものではなく、多孔質金属塊からの切り出しによって表面に開放セルを有するものとなるが、外側中空体の内部に内側中空体とともに配置した後、内側中空体に、多孔質金属のプラトー応力以下の圧力を拡管方向に付加し、エネルギ吸収体における開放セルの内部に接着剤を入り込ませて、エネルギ吸収体と内外の中空体を互いに固定することにより、多孔質金属から成るエネルギ吸収体を押し潰すことなく、内外の中空体とエネルギ吸収体の間の充分な接着強度を得ることができ、例えば、所定の強度と衝撃吸収性能が要求される車体用構造部材として好適なものとなる。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明のエネルギ吸収部材の製造方法は、内側中空体と、内側中空体を収容する外側中空体と、内側中空体と外側中空体の間に設けられ且つ熱硬化型の接着剤を介して内外の中空体に接する多孔質金属から成るエネルギ吸収体を備えたエネルギ吸収部材を製造するに際し、所定の体積を有する多孔質金属塊からエネルギ吸収体を切り出して形成する。このとき、エネルギ吸収体は、好適な実施形態として、多孔質金属塊から切り出した複数の多孔質金属片を組み合わせて形成するようにしてもよい。
【0011】
すなわち、エネルギ吸収体は、内側中空体と外側中空体の間の形状に応じて当該エネルギ吸収体自体又は複数の多孔質金属片を切り出せばよいので、従来の発泡成形用の成形型が不要になるほか、大量生産することが可能になると共に、異なる形状にも容易に対処することができる。そして、当該エネルギ吸収部材の製造方法では、成形型を用いてエネルギ吸収体を成形する場合に比べて、エネルギ吸収体の製造コストを約20%低減することができた。
【0012】
ここで、エネルギ吸収体は、成形型で成形した場合には形成材料から成る表皮を有するものとなり、内外の中空体との接着に有利であるが、多孔質金属塊から切り出した場合には、その表面に、切断された多孔質金属の細孔による無数の開放セルを有するものとなるので、このままでは内外の中空体との接着性を充分に得ることが難しい。
【0013】
そこで、本発明のエネルギ吸収部材の製造方法では、表面に開放セルを有するエネルギ吸収体を採用したうえで、外側中空体の内部に、エネルギ吸収体及び内側中空体を配置した後、内側中空体に、多孔質金属のプラトー応力以下の圧力を拡管方向に付加する。これにより、多孔質金属から成るエネルギ吸収体を押し潰すことなく、熱硬化型の接着剤をエネルギ吸収体における開放セルの内部に入り込ませて接着剤とエネルギ吸収体との接触面積を増大させると共に、エネルギ吸収体と内外の中空体を互いに固定することとなり、内外の中空体とエネルギ吸収体の間に充分な接着強度を得ることができる。
【0014】
また、本発明のエネルギ吸収部材の製造方法の好ましい実施形態としては、内側中空体に、液圧により拡管方向に圧力を付加することを特徴としている。このように、内側中空体への圧力付加として液圧を用いることにより、内外の中空体とエネルギ吸収体の間に設けた接着剤に均一な圧力を付加することが可能になり、内外の中空体とエネルギ吸収体の間の接着強度をより高くすることが可能になる。
【0015】
さらに、本発明のエネルギ吸収部材の製造方法の好ましい実施形態としては、内外の中空体が、相似する多角形断面を有する筒体であると共に、互いの辺が平行になるように配置してあり、エネルギ吸収体を形成する各多孔質金属片が、少なくとも中空体の多角形断面において頂点同士を結ぶ線で分割してあることを特徴としている。これにより、内側中空体から各多孔質金属片を介して、各多孔質金属片と外側中空体の間に設けた接着剤に均一な圧力を付加することが可能になり、とくに外側中空体とエネルギ吸収体の間の接着強度を充分に得ることが可能になる。
【0016】
さらに、本発明のエネルギ吸収部材の製造方法の好ましい実施形態としては、接着剤が、液状エポキシ樹脂及び加熱活性型硬化剤を含み、本硬化温度が150℃以上であるとともに微発泡することを特徴としている。このように、接着剤として微発泡するものを用いれば、内外の中空体とエネルギ吸収体との接着に際して、双方の隙間管理を容易にしたうえで、充分な接着強度を確保し得るものとなる。
【0017】
さらに、エ本発明のエネルギ吸収部材の製造方法の好ましい実施形態としては、ネルギ吸収部材が、車体用構造部材であって、車体に被覆した塗膜を焼付けする際に接着剤を本硬化させて、エネルギ吸収体と内外の中空体を互いに最終固定することを特徴とし、さらに、エネルギ吸収体の材料である多孔質金属が、発泡金属から成ることを特徴としており、これにより、塗膜の焼付けと接着剤の本硬化が同一工程で行われることとなり、作業性や生産性の向上に貢献し得ると共に、高い衝撃吸収性能を有する車体用構造部材を提供することができる。
【0018】
ここで、熱硬化型の接着剤は、ある種の高分子(重合体)が加熱により硬化する性質を利用した接着剤のことであり、例えば、自動車の車体用構造部材において、パネル同士の接着や、ボディーサイド部等の剛性向上を目的として使用されている。本発明では、一段階目に仮硬化(プレゲル化)が起こり、この仮硬化時の温度よりも高温で二段階目の本硬化が生じる熱硬化型の接着剤を採用した。
【0019】
この熱硬化型の接着剤は、基本粒径5μm未満の粉末状(メタ)アクリレート重合体Aと、基本粒径5〜100μmより好ましくは20〜50μmの粉末状(メタ)アクリレート重合体Bを、A/B=1/9〜9/1の重量比率範囲内で混合し、これを接着性組成物にエポキシ樹脂100重量部に対し10〜100重量部添加したもので、優れた擬似硬化性と貯蔵安定性をバランス良く有するエポキシ樹脂系組成物である。なお、熱硬化型の接着剤の仮硬化温度(擬似硬化被膜形成温度)は、使用するエポキシ樹脂、硬化剤及び硬化促進剤の組み合せにより適当に設定できることは周知である。
【0020】
さらに、本発明のエネルギ吸収部材は、上記の製造方法により製造したものであって、より好ましくは車体用構造部材であり、上記製造方法によって製造コストが低減されたものになると共に、内外の中空体とエネルギ吸収体の接着性の向上等によりもたらされる車体用構造部材としての強度と、高い衝撃吸収性能を兼ね備えたものとなる。
【0021】
【実施例】
以下、図面に基づいて、本発明のエネルギ吸収部材の製造方法の実施例を説明する。なお、本発明の適用範囲は以下の実施例に限定されるものではない。
【0022】
図1に示すエネルギ吸収部材1は、断面が概略四角形状を成す長尺材であり、内側中空体2と、内側中空体2を収容する外側中空体3と、内側中空体2と外側中空体3の間に設けられ且つ熱硬化型の接着剤を介して内外の中空体2,3に接する多孔質金属から成るエネルギ吸収体4を備えている。
【0023】
内外の中空体2,3は、相似する断面四角形状の金属製の筒体であって、互いの辺が平行になるように配置してある。また、この実施例の外側中空体3は、一対のハット形部材3A,3Aを接合したものである。
【0024】
エネルギ吸収体4は、図2に示すように、所定の体積を有する発泡金属製の多孔質金属塊5から四本の多孔質金属片4Aを切り出し、これらを組み合わせることで形成してある。このとき、各多孔質金属片4Aは、多孔質金属塊5からの切り出しにより、その表面に、多孔質金属の細孔である無数の開放セルを有していると共に、エネルギ吸収体4の全体形状に対して、内外の中空体2,3の断面において頂点同士を結ぶ線Aで分割してある。
【0025】
そして、上記エネルギ吸収部材1は、外側中空体3の内部にエネルギ吸収体4を形成する各多孔質金属片4A及び内側中空体2を配置すると共に、内外の中空体2,3と各多孔質金属片4Aの界面に熱硬化型の接着剤を塗布した後、内側中空体2に、多孔質金属のプラトー応力以下の圧力を拡管方向に付加する。これにより、接着剤が各多孔質金属片4Aの開放セルの内部に入り込んで、接着剤と多孔質金属片4Aとの接触面積が充分に確保され、且つ多孔質金属を押し潰すこともなく、各多孔質金属片4Aから成るエネルギ吸収体4と内外の中空体2,3が互いに固定される。
【0026】
このとき、当該エネルギ吸収部材の製造方法では、接着剤として、液状エポキシ樹脂及び加熱活性型硬化剤を含み、本硬化温度が150℃以上であるとともに微発泡するものを用いている。これにより、内外の中空体2,3と各多孔質金属片4Aとの間に寸法誤差があっても双方の隙間が接着剤で確実に満たされ、充分な接着強度を確保し得る。
【0027】
また、当該エネルギ吸収部材の製造方法では、液圧によって内側中空体に拡管方向への圧力を付加する。これにより、内外の中空体2,3とエネルギ吸収体4の間に設けた接着剤に均一な圧力が付加されることとなり、この際、エネルギ吸収体4をその断面において分割した四本の多孔質金属片4Aで形成しているので、内側中空体2から各多孔質金属片4Aを介して、各多孔質金属片4Aと外側中空体3の間に設けた接着剤に均一な圧力が付加されることとなり、内外の中空体2,3とエネルギ吸収体4の間の接着強度をより高くし得る。
【0028】
さらに、上記のエネルギ吸収部材1は、自動車の車体用構造部材に用いることができる。この場合には、車体に被覆した塗膜を焼付けする際に接着剤を本硬化させて、エネルギ吸収体4と内外の中空体2,3を互いに最終固定することで、塗膜の焼付けと、接着剤の本硬化すなわちエネルギ吸収体4と内外の中空体2,3の固定を同じ工程で行うことができ、充分な強度と高い衝撃吸収性能を兼ね備えた車体用構造部材となる。
【0029】
ここで、図3は、接着形態の相違による接着部のせん断強度を試験により調べた結果を示すグラフである。グラフ中において、左側のデータは、内側中空体2に拡管方向への圧力を付加せずに、内外の中空体2,3とエネルギ吸収体4とを接着した場合の先着部の最大せん断荷重である。中央のデータは、内側中空体2に拡管方向への圧力を付加して内外の中空体2,3とエネルギ吸収体4とを接着したが、エネルギ吸収体4を分割していない場合の接着部の最大せん断荷重である。そして、右側のデータは、先の実施例で説明したように、内側中空体2に拡管方向への圧力を付加して内外の中空体2,3とエネルギ吸収体4とを接着すると共に、上記実施例のようにエネルギ吸収体4を複数の多孔質金属片4Aで形成した場合の接着部の最大せん断荷重である。
【0030】
なお、試験のエネルギ吸収部材では、外側中空体3を構成するハット形部材3Aとして、板厚が1.6mmで、強度590MPa級の鋼鈑を用いると共に、エネルギ吸収体4を形成する多孔質金属として、密度0.45g/cmで、プラトー応力10MPaの発泡アルミを用いた。また、グラフに示す最大せん断荷重は、内側中空体2とエネルギ吸収体4の接着部の最大せん断荷重と、エネルギ吸収体4と外側中空体3の接着部の最大せん断荷重の平均値である。
【0031】
上記グラフから明らかなように、内側中空体2に拡管方向への圧力を付加していない場合(左側のデータ)は、エネルギ吸収体4の表面の開放セルに対して接着剤の入り込みが少ないため、結果として内外の中空体2,3とエネルギ吸収体4との接着面積が小さくなり、これにより最大せん断荷重も低くなっている。
【0032】
また、内側中空体2に拡管方向への圧力を付加するもののエネルギ吸収体4が分割されていない場合(本発明の請求項1に対応する中央のデータ)は、内側中空体2とエネルギ吸収体4の間の接着剤に圧縮応力が負荷され、接着剤がエネルギ吸収体4の表面の開放セルに入り込むので、接着面積の増大とともに接着強度が高められ、最大せん断荷重も大きくなる。なお、エネルギ吸収体4を一体型にすると、内側中空体2からエネルギ吸収体4を介して付加される圧力が外側中空体1に均一に伝達され難い場合があるので、その分だけエネルギ吸収体4と外側中空体3との接着強度が不足する。
【0033】
そして、内側中空体2に拡管方向への圧力を付加すると共に、エネルギ吸収体4を複数の多孔質金属片4Aで形成した場合(本発明の請求項2に対応する右側データ)は、内側中空体2とエネルギ吸収体4の間に設けた接着剤がエネルギ吸収体4の表面に存在する開放セルに入り込み、各々の接着面積を大きく確保できると共に、内側中空体2からエネルギ吸収体4を介して付加される圧力が外側中空体1に均一に伝達されることとなり、接着強度がより向上して充分に高い最大せん断荷重を得ることができる。
【0034】
なお、エネルギ吸収体4の表面が形成材料から成る表皮で覆われている場合、試験の範囲内では、各接着条件における接着強度すなわち最大せん断荷重に大きな差は見出されなかった。
【0035】
図4は、本発明のエネルギ吸収部材の製造方法により製造したエネルギ吸収部材の他の実施例を示す図である。図示のエネルギ吸収部材11は、内側中空体12と、外側中空体13と、内外の中空体12,13の間に介装した多孔質金属からなるエネルギ吸収体14を備えてり、断面が六角形状を成している。内外の中空体12,13は、相似形を成しており、各々の対応する辺が平行になるように配置してある。また、エネルギ吸収体14は、内外の中空体12,13の断面において頂点同士を結ぶ線Aで分割した六本の多孔質金属片14Aで形成してある。
【0036】
このエネルギ吸収部材11は、先の実施例と同様に、熱硬化型の接着剤を用いると共に、液圧等により内側中空体12に拡管方向への圧力を付加し、内外の中空体12,13と各多孔質金属片14Aから成るエネルギ吸収体14とを接着する。この際、エネルギ吸収部材11は、圧力の付加に伴って、図4(a)に若干強調して示す如く内側中空体12の各辺が弧状に変形し、厳密には外側中空体13の各辺も弧状に変形するが、多孔質金属のプラトー応力以下の圧力を付加するので、多孔質金属から成るエネルギ吸収体に損傷を与えることはなく、圧力付加が終了すれば、図4(b)に示す如く元の断面六角形状に戻る。なお、このような圧力付加による中空体の変形は先の実施例でも発生するが、エネルギ吸収部材の性能に何ら影響することはない。
【0037】
上記のエネルギ吸収部材11にあっても、先の実施例と同様の効果を得ることができ、また、自動車の車体用構造部材に好適であって、充分な強度と高い衝撃吸収性能を兼ね備えた車体用構造部材となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のエネルギ吸収部材の製造方法により製造したエネルギ吸収部材を説明する斜視図である。
【図2】多孔質金属塊とともに図1に示すエネルギ吸収部材を分解状態で示す斜視図である。
【図3】接着部のせん断強度試験を行った結果を示すグラフである。
【図4】本発明のエネルギ吸収部材の製造方法により製造したエネルギ吸収部材の他の実施例において、圧力付加時の状態を示す断面図(a)及び圧力付加終了後の状態を示す断面図(b)である。
【符号の説明】
1 11 エネルギ吸収部材
2 12 内側中空体
3 13 外側中空体
4 14 エネルギ吸収体
4A 14A 多孔質金属片
5 多孔質金属塊

Claims (9)

  1. 内側中空体と、内側中空体を収容する外側中空体と、内側中空体と外側中空体の間に設けられ且つ熱硬化型の接着剤を介して内外の中空体に接する多孔質金属から成るエネルギ吸収体を備えたエネルギ吸収部材を製造するに際し、多孔質金属塊からエネルギ吸収体を切り出して形成し、外側中空体の内部にエネルギ吸収体及び内側中空体を配置した後、内側中空体に、多孔質金属のプラトー応力以下の圧力を拡管方向に付加することにより、エネルギ吸収体の表面における開放セルの内部に接着剤を入り込ませて、エネルギ吸収体と内外の中空体を互いに固定することを特徴とするエネルギ吸収部材の製造方法。
  2. エネルギ吸収体が、多孔質金属塊から切り出した複数の多孔質金属片を組み合わせて形成してあることを特徴とする請求項1に記載のエネルギ吸収部材の製造方法。
  3. 内側中空体に、液圧により拡管方向に圧力を付加することを特徴とする請求項1又は2に記載のエネルギ吸収部材の製造方法。
  4. 内外の中空体が、相似する多角形断面を有する筒体であると共に、互いの辺が平行になるように配置してあり、エネルギ吸収体を形成する多孔質金属片が、少なくとも内外の中空体の多角形断面において頂点同士を結ぶ線で分割してあることを特徴とする請求項2又は3に記載のエネルギ吸収部材の製造方法。
  5. 接着剤が、液状エポキシ樹脂及び加熱活性型硬化剤を含み、本硬化温度が150℃以上であるとともに微発泡することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のエネルギ吸収部材の製造方法。
  6. エネルギ吸収部材が、車体用構造部材であって、車体に被覆した塗膜を焼付けする際に接着剤を本硬化させて、エネルギ吸収体と内外の中空体を互いに最終固定することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のエネルギ吸収部材の製造方法。
  7. エネルギ吸収体の材料である多孔質金属が、発泡金属から成ることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のエネルギ吸収部材の製造方法。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載のエネルギ吸収部材の製造方法により製造したことを特徴とするエネルギ吸収部材。
  9. エネルギ吸収部材が、車体用構造部材であることを特徴とする請求項8に記載のエネルギ吸収部材。
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