JP2004359369A - ワインダー - Google Patents

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浩祐 田埜
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Abstract

【課題】キャストコート紙のような高品質かつ損傷しやすいウエブであっても、送り量を正確に測定でき、かつウエブの表面を傷つけたり破損したりすることを防ぐことができるワインダーを提供する。
【解決手段】巻戻しロール1に巻き取られているウエブWを、製品ロール2に巻き換えるための装置であって、装置が、巻戻しロール1と製品ロール2との間に設けられ、巻戻しロール1から製品ロール2に送られるウエブWの長さを測定するための送り量測定部10を備えており、送り量測定部10が、ウエブWを案内するガイドロール4との間に、ウエブWを挟むように配設された測定ローラ15と、測定ローラ15を、ガイドロール4に押し付ける付勢手段とを有しており、測定ローラ15の外周面に、ウレタンゴムの層15b が形成されている
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ワインダーに関する。抄紙機等で使用されるワインダーでは、巻戻しロールに巻き取られているウエブを巻き戻して、製品ロールに巻き換えることが行われている。かかる巻き換え時には、巻戻しロールから製品ロールに送られたウエブの長さが測定されており、製品ロールの芯材に巻き付けられたウエブの長さが所定の長さとなるように調整されている。
本発明は、巻戻しロールから製品ロールに送られたウエブの長さを測定する測定装置を備えたワインダーに関する。
【0002】
【従来の技術】
図4(A)は従来のワインダーの概略説明図であり、(B)は従来例1のワインダーの概略説明図である。図4(A)に示すように、従来、巻戻しロール1から製品ロール2に送られたウエブWの長さは、製品ロール2を回転させるドラムロール3の回転数を測定し、その回転数から製品ロール2に巻き取られたウエブWの長さを推定していた。
しかしこの方法では、ドラムロール3等とウエブWとの間に滑りが生じないことを前提としているが、実際にはウエブWとドラムロール3との間にはスリップが発生するため、計測されたウエブWの長さと実際に巻き取られたウエブWの長さには大きな差が生じていた。したがって、メーカは製品ロール2の巻き長不足が発生することを防ぐために、余分に巻き足しを行っていた。
そこで、巻戻しロール1から製品ロール2に送られたウエブWの長さを正確に測定する技術として、従来例1の巻取紙巻取装置(特許文献1)が開発されている。
図4(B)に示すように、従来例1の巻取紙巻取装置は、巻戻しロール1から製品ロール2に送られる紙を、両者の間に設けられた変向ローラ4との間に挟む測定ローラ15を備えており、この測定ローラ15の回転数を測定して、巻戻しロール1から製品ロール2に送られたウエブWの長さを測定するものである。この場合、測定ローラ15はドラムローラ3に比べて軽量かつ小型となるので、ウエブWとの間のスリップの発生を抑えることができ、測定精度を高くすることができる。
【0003】
【非特許文献1】
特公平5−7298号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかるに、高品質かつ傷付き易いキャストコート紙等を巻戻す場合には、ウエブWの表面の傷付きを防止するために、測定ローラ15のとして表面が平滑なロールが使用されるが、この場合には紙と測定ローラ15の表面との間の摩擦抵抗が小さくなるため、測定ローラ15が軽量かつ小型であったとしても、測定ローラ15とウエブWとの間でスリップが発生しやすくなり、測定精度が低下してしまう。
かといって、測定ローラ15を変向ローラ4に押し付ける押付力を強くすればスリップを少なくすることはできるが、ウエブWに加わる面圧が高くなり、ウエブWが損傷しやすくなり、最悪の場合には破れてしまう可能性がある。
【0005】
本発明はかかる事情に鑑み、キャストコート紙のような高品質かつ損傷しやすいウエブであっても、送り量を正確に測定でき、かつウエブの表面を傷つけたり破損したりすることを防ぐことができるワインダーを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1のワインダーは、巻戻しロールに巻き取られているウエブを、製品ロールに巻き換えるための装置であって、該装置が、前記巻戻しロールと前記製品ロールとの間に設けられ、前記巻戻しロールから前記製品ロールに送られるウエブの長さを測定するための送り量測定部を備えており、該送り量測定部が、ウエブを案内するガイドロールとの間に、ウエブを挟むように配設された測定ローラと、
該測定ローラを、前記ガイドロールに押し付ける付勢手段とを有しており、前記測定ローラの外周面に、ウレタンゴムの層が形成されていることを特徴とする。
請求項2のワインダーは、請求項1記載の発明において、前記付勢手段が、前記測定ローラが先端に取り付けられ、基端がベースに揺動可能に取り付けられた揺動アームと、該揺動アームを、その基端を支点として揺動させる揺動部とを備えており、該揺動部が、前記ベースと前記揺動アームとの間に設けられた、低摺動型のエアシリンダであることを特徴とする。
請求項3のワインダーは、請求項1記載の発明において、前記揺動アームが、その基端部に、前記測定ローラと釣り合うカウンタウエイトを備えていることを特徴とする。
請求項4のワインダーは、請求項1記載の発明において、前記送り量測定部が、ウエブの幅方向に沿って移動可能に設けられており、前記測定ローラを、ウエブの幅方向の端部に接触させることを特徴とする。
【0007】
なお、本明細書において、「ウエブ」とは薄いシート状に形成されたものを示しており、紙や布等だけでなく、フィルム等も含む概念である。
【0008】
【発明の実施の形態】
つぎに、本発明の実施形態を図面に基づき説明する。
図1は本実施形態のワインダーの概略説明図である。同図において、符号1は,ウエブWが巻き取られている巻戻しロールを示しており、符号2は製品ロールを示しており、符号3は製品ロール2を回転させるドラムロールを示している。
図1に示すように、ワインダーでは、巻戻しロール1から巻き戻されたウエブWは、ガイドロール4に案内されて製品ロール2に送られている。この製品ロール2は、ドラムロール3とともに回転するように配置されているから、ドラムロール3を回転させると巻戻しロール1から送られたウエブWを製品ロール2に巻き取らせることができ、巻戻しロール1に巻き取られているウエブWを製品ロール2に巻き換えることができるのである。
【0009】
図2は送り量測定部10の概略側面図である。図1および図2に示すように、前記巻戻しロール1と前記製品ロール2との間には送り量測定部10が設けられている。この送り量測定部10は、前記ガイドロール4の回転軸と平行な回転軸を有する測定ローラ15を備えている。この測定ローラ15は、ウエブWに対してガイドロール4と反対側に配置されている。この測定ローラ15の回転軸には、測定ローラ15の回転数を測定することができる回転数測定器16が取り付けられている(図3参照)。
【0010】
図1および図2に示すように、測定ローラ15は、送り量測定部10のベース11に設けられた揺動アーム12の先端に取り付けられている。この揺動アーム12は、その基端がベース11に軸支されており、その基端を支点として前記ガイドロール4の回転軸と垂直な面内で揺動できるように配設されている。言い換えれば、揺動アーム12は、測定ローラ15の回転軸をガイドロール4の回転軸と平行に保ったまま、測定ローラ15を前記ガイドロール4に接近離間させることができるように、ベース11に取り付けられているのである。
そして、揺動アーム12とベース11との間には、エアシリンダ13が設けられており、そのロッドおよびシリンダボディが、ベース11および揺動アーム12にそれぞれ回転可能に取り付けられている。
【0011】
このため、エアシリンダ13を伸縮させれば、揺動アーム12を揺動させることができるから、揺動アーム12の先端に取り付けられている測定ローラ15をガイドロール4に対して接近離間させることができる。よって、エアシリンダ13を伸長させて、測定ローラ15をガイドローラ4に押し付ければ、ガイドローラ4と測定ローラ15の間にウエブWを挟むことができる。この状態で、ウエブWが巻戻しロール1から製品ロール2に送られれば、ウエブWの走行によって測定ローラ15が回転されるから、測定ローラ15の回転数が回転数測定器16によって測定することができる。スリップがない場合には、巻戻しロール1から製品ロール2に送られたウエブWの長さ(以下、送り量という)は、測定された測定ローラ15の回転数と測定ローラ15の外周長を掛け合わせた長さになるから、ウエブWの送り量を算出することができるのである。
上記のべース11、揺動アーム12およびエアシリンダ13が特許請求の範囲にいう揺動手段である。
なお、揺動手段は上記のごとき構造でなくてもよく、測定ローラ15を、その回転軸をガイドロール4の回転軸と平行に保ったまま、ガイドロール4に接近離間させることができるような構造であれば、特に限定はない。
【0012】
また、本実施形態の送り量測定部10では、測定ローラ15として、基礎ローラ15a の外周面に、例えばウレタンゴムのシートを貼り付ける等の方法によってウレタンゴムの層15b が形成されたローラを採用している。すると、測定ローラ15をガイドローラ4に押し付けたときに、ウエブWにはウレタンゴムの層15b が接触することになる。ウレタンゴムはその摩擦係数が大きく、測定ローラ15とウエブWとの間のスリップを低減することができるから、測定ローラ15をガイドロール4に押し付ける力を強くしなくても、測定ローラ15による送り量の測定精度を高くすることができる。
なお、測定ローラ15の外周面に形成する層の素材は、ウレタンゴムに限られず、摩擦係数が大きくかつ硬い素材であれば、特に限定はない。
【0013】
さらに、エアシリンダ13として、低摺動型のものを使用すれば、エアシリンダ13に加える空気圧の変化に対して、スムースに伸縮させることができる。そして、空気圧の変化がわずかであっても、その変化にエアシリンダ13の伸縮を追従させることができるから、エアシリンダ13に加える空気圧を調整すれば測定ローラ15をガイドロール4に押し付ける力を正確かつ細かく調整することができる。このエアシリンダ13が特許請求の範囲にいう付勢部である。
なお、付勢部はエアシリンダに限られず、揺動アーム12を揺動させることができるものであれば、油圧シリンダやジャッキ等でもよく、特に限定はない。
【0014】
さらに、図2に示すように、揺動アーム12の基端部に、そのベース11との接続部分に対して測定ローラ15の反対側に位置するように、カウンタウエイト17を設けてもよい。この場合、カウンタウエイト17の重量を、測定ローラ15および揺動アーム12の重量と釣り合う重さにすれば、測定ローラ15および揺動アーム12の重量が、測定ローラ15をウエブWに押し付ける力として作用することを防ぐことができる。すると、測定ローラ15をガイドロール4に押しつける力、つまり測定ローラ15とガイドロール4によってウエブWを挟む力をエアシリンダ13が揺動アーム12を揺動させる力とほぼ同じ大きさにすることができる。つまり、エアシリンダ13に供給する空気圧を調整すれば、測定ローラ15とガイドロール4によってウエブWを挟む力を調整できるから、その力をウエブWに最適な力に調整し、その状態を保つことができる。
【0015】
また、図3に示すように、送り量測定部10とワインダーのフレームFとの間に移動機構20を設けて、送り量測定部10をガイドロール4の回転軸の軸方向に沿って移動可能に設けてもよい。例えば、移動機構20として、フレームFにガイドロール4の回転軸と平行なレール21を設け、このレール21に沿って移動可能なスライダ22を送り量測定部10のベース11に設ければ、スライダ22をレール21に沿って移動させるだけで、ウエブWの幅に合わせて送り量測定部10を移動させることができる。すると、所望の位置で測定ローラ15をウエブWに接触させることができる。そして、ウエブWの幅方向の端部、つまり、製品ロール2に巻き取られる前に切り落とされる部分に測定ローラ15を接触させれば、ウエブWに測定ローラ15を接触させたことによって製品ロール2の品質が低下することを防ぐことができる。
【0016】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、ガイドロールと測定ローラとの間にウエブを挟んでいるから、ウエブが巻戻しロールから製品ロールに送られれば、ウエブの走行によって測定ローラが回転される。このため、測定ローラの回転数を測定すれば、このローラの直径と回転数から巻戻しロールから製品ロールに送られたウエブの長さ(以下、送り量という)を測定することができる。しかも、測定ローラの表面には、ウレタンゴムの層が形成されているから、測定ローラとウエブとの間のスリップを低減することができ、測定精度を高くすることができる。
請求項2の発明によれば、エアシリンダを伸縮させれば、揺動アームを揺動させて測定ローラをガイドロールに向けて付勢することができる。しかも、エアシリンダが低摺動型であるから、エアシリンダに加える空気圧を調整すれば測定ローラをガイドロールに押し付ける力を正確かつ細かく調整することができる。
請求項3の発明によれば、揺動アームとベースとの接続部分に対して、測定ローラおよび揺動アームの重量と釣り合うようにカウンターウエイトを設ければ、測定ローラおよび揺動アームの重量が、測定ローラをウエブに押し付ける力として作用することを防ぐことができる。よって、測定ローラとガイドロールによってウエブWを挟む力を正確に調整することができ、しかもウエブを挟む力を最適に保つことができる。
請求項4の発明によれば、ウエブの幅に合わせて送り量測定部を移動させることができるから、所望の位置で測定ローラをウエブに接触させることができる。そして、ウエブの幅方向の端部に接触させれば、その部分は製品ロールに巻き取られる前に切り落とされるので、測定ローラを接触させたことによって製品ロールの品質が低下することを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態のワインダーの概略説明図である。
【図2】送り量測定部10の概略側面図である。
【図3】送り量測定部10の概略正面図である。
【図4】(A)は従来のワインダーの概略説明図であり、(B)は従来例1のワインダーの概略説明図である。
【符号の説明】
1 巻戻しロール
2 製品ロール
3 ドラムロール
4 ガイドロール
10 送り量測定部
12 揺動アーム
13 エアシリンダ
15 測定ローラ
17 カウンタウエイト
W ウエブ

Claims (4)

  1. 巻戻しロールに巻き取られているウエブを、製品ロールに巻き換えるための装置であって、
    該装置が、
    前記巻戻しロールと前記製品ロールとの間に設けられ、前記巻戻しロールから前記製品ロールに送られるウエブの長さを測定するための送り量測定部を備えており、
    該送り量測定部が、
    ウエブを案内するガイドロールとの間に、ウエブを挟むように配設された測定ローラと、
    該測定ローラを、前記ガイドロールに押し付ける付勢手段とを有しており、
    前記測定ローラの外周面に、ウレタンゴムの層が形成されている
    ことを特徴とするワインダー。
  2. 前記付勢手段が、
    前記測定ローラが先端に取り付けられ、基端がベースに揺動可能に取り付けられた揺動アームと、
    該揺動アームを、その基端を支点として揺動させる揺動部とを備えており、
    該揺動部が、前記ベースと前記揺動アームとの間に設けられた、低摺動型のエアシリンダである
    ことを特徴とする請求項1記載のワインダー。
  3. 前記揺動アームが、その基端部に、前記測定ローラと釣り合うカウンタウエイトを備えている
    ことを特徴とする請求項1記載のワインダー。
  4. 前記送り量測定部が、ウエブの幅方向に沿って移動可能に設けられており、
    前記測定ローラを、ウエブの幅方向の端部に接触させる
    ことを特徴とする請求項1記載のワインダー。
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