JP2004358437A - 水素還元水処理装置 - Google Patents

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直人 上野
Yuji Nakatsuka
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Abstract

【課題】水素還元水の水素濃度を高め、その抗酸化能を増加させることにより、老化防止、美肌効果をより高め、さらにこのような水素還元水を家庭用向けに、簡単な構造で、短時間に大量に得ることを可能とする。
【解決手段】浴槽1から取り出して、ポンプ3で循環させる水を気液混合タンク4内に導入するとともに、気液混合タンク4内に水素ガスタンク及び窒素ガスタンクから水素ガス及び窒素ガスを導入し、水中に窒素を溶解させることにより、水素の抗酸化能を妨げる溶存酸素の濃度を下げて活性酸素作用を減じて水素濃度を高めることで、抗酸化効果の大きな水素還元水を生成する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、浴槽等の水槽の水を循環させて水素ガスを溶解させて水素還元水に処理を行い、SOD(活性酸素除去酵素)活性(抗酸化能)を高めるための水素還元水処理装置に関し、用途は浴槽の水、飲料水、工業用水等の水素還元水処理に適用可能である。
【0002】
【従来の技術】
従来、浴槽等の水中に、空気の微細気泡を効果的に発生させるための気液混合装置は知られている(特許文献1参照。)。又、水槽の水を処理する手段として、水槽から導入された被処理水を電気化学反応によって滅菌処理する電解槽を備え、この電解槽で滅菌処理後に水槽に還流させる水処理経路を備えた水処理装置は知られている(特許文献2参照。)。さらに、水の電気分解によって、原子状の水素(活性水素)を得る技術は知られている。
【0003】
従来の空気の微細気泡を発生させるための気液混合装置は、水中の浮遊物を微細気泡により浮上させる作用を行ったり、入浴者に入浴感及びリラクゼーション作用を高めるためには効果的であるが、あくまでも空気の微細気泡を浴槽内に混入させることによる効果にとどまる。
【0004】
そこで、発明者らは、水素還元水は雑菌繁殖防止効果があり、浴槽等のぬめり防止に効果的であり、又、SOD(活性酸素除去酵素)活性は、人の健康増進に寄与すると言う点に着目した。特に、活性水素を含む水は、還元性を示すとともに、SOD様活性を有するものであり、過酸化脂質等(人が紫外線を浴びることで生成される。)の皮膚の老化促進物質を無害化するものであり、又飲用しても万病に効く、という点に着目した。
【0005】
そして、本発明者らは、特許文献1、2記載の従来例の発明のように、単に水に空気の微細気泡を混入する水処理、或いは単に水の電気分解で滅菌する水処理ではなく、水素還元水や活性水素を含む水の処理及びその利用について鋭意研究した。
【0006】
この結果、本発明者らは、還元性を示す水素還元処理水や、さらにSOD様活性を付与するために有効な、活性水素を含む水を、家庭用向けに、簡単な構造の装置で、短時間に大量に得ることのできる水素還元水処理装置を実現し、先行発明としてすでに提案している(特願2002−227095参照。)。
【0007】
【特許文献1】
特開2001−170618号公報参照
【特許文献2】
特開2001−170640号公報参照
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らが提案した上記先行発明に係る水素還元水処理装置は、水素還元水を家庭用向けに、簡単な構造の装置で、短時間に大量に得ることのできるきわめて有用な装置であり、これを利用することで、水素還元水の抗酸化能(抗酸化作用)により活性酸素を消去し、皮膚の老化を抑える等の効果を有するものである。
【0009】
しかしながら、水素還元水は確かに抗酸化能を持つものの、水中に酸素が溶け込んでいる(このような酸素を「溶存酸素」という。)と、水素還元水の抗酸化能をより十分発揮できない。酸素は、活性酸素の元物質であり、水素の抗酸化能を妨げるものであるために、水中の酸素濃度は出来る限り低めて活性酸素作用をできるだけ低下させ、水中の水素濃度を高めることが望ましく、かつこの処理をより短時間にて行うことが、その利用上(例えば、後述する浴槽の水の処理への適用。)好ましい。
【0010】
本発明は、水素の抗酸化能を妨げる溶存酸素の濃度(酸素濃度)を短時間にて低めて、活性酸素作用をできるだけ低下させて、一方、水素濃度を高めることで、水素ガスによる抗酸化効果を増大させ、老化防止、美肌作用などを強化する水素還元水処理装置を実現することを課題とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を解決するために、水槽から取り出した水に、水素を溶解させて溶解水素とし、これを微細な気泡状水素にして水槽に戻すことで水素還元水に処理する水素還元水処理装置であって、前記水槽の水には抗酸化力のある物質が添加されていることを特徴とする水素還元水処理装置を提供する。
【0012】
前記水槽の水に水素を供給する水素供給手段と、水に水素を溶解させる気液混合タンクを有し、前記気液混合タンクの溶存酸素を除去するために窒素を供給する窒素供給手段を備えた構成としてもよい。
【0013】
前記水素供給手段が水素ボンベ、かつ前記窒素供給手段が窒素ボンベであり、前記気液混合タンクに前記水素ボンベと前記窒素ボンベから水素と窒素を同時に供給する構成としてもよい。
【0014】
前記水素供給手段と前記窒素供給手段は、水を電気分解して水素と窒素を発生させる電解槽の陰極である構成としてもよい。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明に係る水素還元水処理装置の実施の形態を実施例に基づいて図面を参照して、以下に説明する。
【0016】
この発明は、水槽の水を循環させて水素還元水に処理する水素還元水処理装置であるが、その特徴とする点は、処理すべき水であって抗酸化力の有る物質(例えば、ビタミンC等)が添加された水に、水素ガスと同時に窒素ガスを加圧して導入(加圧バブリング)することにより、気液混合タンク内で撹拌混合時に、窒素ガスで水中に溶け込んでいる溶存酸素を、ガス分圧の違いで溶存窒素に置き換え(いわゆるガス置換脱気を行う。)、水中の酸素濃度を低め、水素濃度を高めるようにした構成である。
【0017】
この構成により、水素の抗酸化能を妨げる水中の酸素濃度を短時間にて低めて、活性酸素作用をできるだけ低下させて、一方、水素濃度を高めることで、水素ガスによる抗酸化作用をより増大させるものである。以下、水槽の水として浴槽の水を処理する実施例でもって本発明を説明する。
【0018】
(実施例1)
図1は、本発明に係る水素還元水処理装置の実施例1を示す図である。この実施例1は、浴槽1の水が循環され、その循環途中で水素還元水処理装置2によって水素還元水に処理されるものである。
【0019】
図1(a)は、実施例1の全体構成を示す図であり、この水素還元水処理装置2は、処理する水を循環させるポンプ3、気液混合タンク4及び浴槽1に取り付けられた圧力開放部5とを備えている。この処理すべき水には、例えば、ビタミンC等の抗酸化力の有る物質が入浴剤等として添加されている。
【0020】
ポンプ3は、浴槽1内の水を、取出栓6、吸込管7、供給管8、気液混合タンク4、排出管9、圧力開放部5を通して送流し、浴槽1へ戻すように循環する働きをするものである。
【0021】
気液混合タンク4は、浴槽1から取り出した水に水素ガスを溶解するためのタンクであり、ガス管11及び開閉弁12を介して、高圧水素ボンベ10に接続されているとともに、ガス管11’及び開閉弁12’を介して、高圧窒素ボンベ10’に接続されている。
【0022】
この2つの開閉弁12、12’が同時に開いて、気液混合タンク4内の浴槽1から取り出した水に、高圧水素ボンベ10からの水素ガスと高圧窒素ボンベ10’からの窒素ガスが、同時に導入され溶解される(実際は微細な水素ガスの気泡及び窒素ガスの気泡が混入される)。
【0023】
水中に窒素ガスが溶解されると、水中に溶け込んでいる溶存酸素を、ガス分圧の違いで追い出して溶存窒素に置き換えて、いわゆるガス置換脱気を行う。これにより、水中の酸素濃度を低めて、活性酸素作用を減じ、水素濃度を高め、抗酸化能を増大する。気液混合タンク4内で水素ガス及び窒素ガスが溶解された水(窒素水素水)は排出管9で浴槽1に取り付けられた圧力開放部5に送られる。
【0024】
圧力開放部5は、図1(b)に示すように、筒体13を有し、この筒体13内にその基端側からノズル14(細管又はオリフィス等)が突出するように設けられている。このノズル14に、気液混合タンク4からの排出管9が管継手14’によって接続される。
【0025】
そして、筒体13内においてノズル14の先端に対向するようにセラミック等の材料で形成された多孔体15が装入されている。上記窒素で置換された酸素ガスは、水中に大きな気泡となって存在するが、ノズル14より浴槽の水中に放出され、さらに大気に排出される。
【0026】
以上の構成から成る実施例1の作用について説明する。浴槽1の水は、取出栓6から吸込管7を通り、ポンプ3により気液混合タンク4に送られる。高圧水素ボンベ10からの水素ガスと高圧窒素ボンベ10’からの窒素ガスを、開閉弁12、12’を同時に開いて、気液混合タンク4内に同時に導入し、気液混合タンク4内の水に溶解させる。
【0027】
気液混合タンク4内に同時に導入した水素ガスと窒素ガスは、気液混合タンク4内の水に溶解し、水素の抗酸化能を妨げる水中の酸素濃度を低めて、気液混合タンク4内の水を、溶解水素及び溶解窒素を含む水(窒素水素水)に処理する。
【0028】
即ち、窒素ガスが水に溶解すると、水中に溶け込んでいる溶存酸素(25℃、1気圧で飽和濃度が8.8ppm)が、ガス分圧の違いから追い出され溶存窒素で置き換えられる(ガス置換脱気される。)。このように窒素で置換された溶存酸素は、水中で大きな気泡となり、ノズル14から浴槽1の水中の放出され、さらに大気に排出される。溶存酸素が窒素で置換されると、水素の溶解度が上がり、水素濃度の高い溶解水素を含む水が生成される。
【0029】
このようにして、気液混合タンク4内に窒素を導入し水中に溶解させることで水中の溶存酸素を減じ、水素ガスが高濃度で溶解されることなる。この結果、水素の抗酸化能を妨げる水中の酸素濃度を低めることで活性酸素作用を低下させ、水素還元水による抗酸化作用を高めることとなる。
【0030】
上記の通り、気液混合タンク4内の水に、高圧水素ボンベ10からの水素ガスと高圧窒素ボンベ10’からの窒素ガスを同時に導入しても、水素ガスよりも窒素ガスの方が比重が大きいので、気液混合タンク4内の下部に窒素ガスが、上部に水素ガスが位置するように、自ずから窒素ガス、水素ガスの順に導入される。
【0031】
従って、気液混合タンク4内の水に、高圧水素ボンベ10からの水素ガスと高圧窒素ボンベ10’からの窒素ガスを導入する場合に、先に開閉弁12’を開いてまず窒素ガスを導入してから、次に開閉弁12を開いて水素ガスを導入する等の操作をしなくてもよいし、又このように順に開閉弁を開いて次々と導入する場合に較べて、水素ガス及び窒素ガスを気液混合タンク4内に導入し水に溶解させる処理時間が短縮できる。
【0032】
このようにして、浴槽1から取り出した水に窒素ガスとともに水素ガスが溶解された水(窒素水素水)は、気液混合タンク4から、排出管9を通して圧力開放部5のノズル14から筒体13内に噴出し、さらに多孔体15を通して、溶解された水素ガスについては、水素ガスの微細な気泡16(気泡状水素)が形成され、この水素ガスの微細な気泡16を伴いながら浴槽1内に噴出されて水素還元水として浴槽内に戻される
【0033】
即ち、気液混合タンク4において溶解水素を含む水は高圧状態であるが、この圧力開放部5で開放され、多孔体15から水素ガスの微細な気泡16を伴って浴槽1内に噴出して水素還元水として浴槽内に戻される。
【0034】
このようにして得られた微細な水素の気泡を含む水素還元水は、水と水素ガスの接触面積が大きくなっているので、浴槽1内の雑菌の繁殖を防止し、しかも浴槽1内のぬめりの発生を防止する。本発明では、上述のとおり水素ガスと同時に窒素ガスを気液混合タンク4内に導入し、水素の抗酸化能を妨げる溶存酸素を除去して減じ、水素ガスが高濃度で溶解されているので、水素還元水の抗酸化作用が十分高められる。
【0035】
なお、気液混合タンク4内の水に、同時に導入される水素ガスと窒素ガスの夫々の量については後述するが、両ガスを同量導入した場合について十分な抗酸化能を有することが確認されており、又、水素ガスに対する窒素ガスの水中へ溶解する割合を多少変えても、溶存酸素の減少に対してそれほど影響しないことも確認されている。
【0036】
(実験例)
図2(a)は、実施例1について各種活性処理を施した水素水のSOD活性(阻害率:人体に有害なスーパーオキサイドラジカルを消去する率であり、換言すれば、このラジカルの活性を阻害する率である。)とpH値を測定し、水道水等と比較実験をした実験例1の結果を示すものである。
【0037】
この実験例1のサンプルは、通常の水道水、水素水、窒素水素水、ビタミンC(グラフ中ではVt.Cと記載されているが、本明細書ではビタミンCと標記する。)が0.03%含まれる水素水、実施例1の水素還元水処理装置2により生成したビタミンCが0.03%含まれる窒素水素水の夫々についてSOD活性(阻害率)とpH値を測定した。なお、ビタミンCが0.03%含まれるとは、溶液100ml中の溶質のグラム数(重量%濃度)であり、このの濃度は入浴剤処方の目安となる。なお、図2(a)中、●はpH値の測定値を表し、その値は右側の目盛りで示している。また、棒グラフはSOD活性(阻害率)の測定値を表し、その値は左側の目盛りで示している。
【0038】
図2(a)に示す実験結果によると、水道水及び窒素水素水に比較して、ビタミンCが0.03%含まれる水素水、ビタミンCが0.03%含まれる窒素水素水は、そのSOD活性が著しく高く、pHは低い。さらに、ビタミンCが0.03%含まれる水素水に較べて、本発明の実施例1により生成されたビタミンCが0.03%含まれる窒素水素水は、そのSOD活性が高く、pHは低い。これにより、実施例1により生成された窒素水素水によって、水に添加されるビタミンCの効果が増強され、SOD活性が高く抗酸化作用に優れていることが実証された。
【0039】
図2(b)は、実施例1について各種活性処理を施した水素水のSOD活性とpH値を測定し、水道水等と比較実験をした実験例2の結果を示すものである。この実験例2のサンプルは、実験例1と同様であり、通常の水道水、水素水、窒素水素水、ビタミンCが0.03%含まれる水素水、実施例1の水素還元水処理装置2により生成したビタミンCが0.03%含まれる窒素水素水の夫々についてSOD活性(阻害率)と酸素濃度を測定した。なお、図2(b)中、◆は酸素濃度の測定値を表し、その値は右側の目盛りで示している。また、棒グラフはSOD活性(阻害率)の測定値を表し、その値は左側の目盛りで示している。
【0040】
図2(b)に示す実験結果によると、水道水及び窒素水素水に比較して、ビタミンCが0.03%含まれる水素水、ビタミンCが0.03%含まれる窒素水素水は、そのSOD活性が著しく高く、酸素濃度は低い。さらに、ビタミンCが0.03%含まれる水素水に較べて、本発明の実施例1により生成されたビタミンCが0.03%含まれる窒素水素水は、そのSOD活性が高く、酸素濃度は低い。
【0041】
これにより、実施例1により生成された窒素水素水は、酸素濃度を低下させることにより酸素の抗酸化作用を妨げる作用を低くし、水に添加されるビタミンCの効果が増強され、SOD活性をより高めて抗酸化作用をより増加させていることが実証された。
【0042】
図3は、実施例1について各種活性処理を施した水素水のSOD活性とpH値を測定し、水道水等と比較実験をした実験例3の結果を示すものである。この実験例3のサンプルは、次の合計8つのサンプルであり、これらのサンプルの夫々について、SOD活性とpH値を測定した。
(1)通常の水道水(サンプル▲1▼)
(2)水素水(サンプル▲2▼)
(3)ビタミンCが0.03%含まれる窒素水素水であって、本発明の実施例1に示す通りに窒素と水素を同時に水中に放出し、窒素と水素の比率を、次の比率とした4つのサンプル
窒素:水素
100:0(サンプル▲3▼)
75:25(サンプル▲4▼)
50:50(サンプル▲5▼)
25:75(サンプル▲6▼)
(4)ビタミンCが0.03%含まれる窒素水素水であって、窒素と水素を順次水中に放出し、窒素と水素の比率を、100:100としたサンプル(サンプル▲7▼)
(5)ビタミンCが0.03%含まれる水道水(サンプル▲8▼)
なお、図3中、●はpH値の測定値を表し、その値は右側の目盛りで示している。また、棒グラフはSOD活性(阻害率)の測定値を表し、その値は左側の目盛りで示している。
【0043】
図3に示す実験結果によると、水道水(サンプル▲1▼、▲2▼)及びビタミンCが0.03%含まれる含まれる水道水(サンプル▲8▼)に較べて、同じくビタミンCが0.03%含まれる窒素水素水(サンプル▲3▼〜▲7▼)はそのSOD活性が高く、pHは低い。これにより、少なくとも実施例1により生成された窒素水素水(サンプル▲3▼〜▲6▼)は、水に添加されるビタミンCの効果が増強され、SOD活性が高く抗酸化作用に優れていることが実証された。
【0044】
さらに、本発明の実施例1に示す通りに窒素と水素を同時に水中に放出し窒素と水素の比率をいろいろ変えたサンプル(サンプル▲3▼〜▲6▼)と窒素と水素を順次水中に放出し、窒素と水素の比率を、100:100としたサンプル(サンプル▲7▼)を比較すると、窒素と水素の比率が同じサンプル▲5▼は、サンプル▲8▼をほぼ同じ結果が得られた。
【0045】
これにより、窒素と水素とを実施例1に示すように、同時放出により短時間処理を行っても、時間のかかる順次放出する場合に較べてSOD活性は変わらず、等量同時放出で生成された窒素水素水は、SOD活性が高く抗酸化作用に優れており、十分効果が得られることが実証された。
【0046】
(実施例2)
図2は、本発明に係る水素還元水処理装置の実施例2を示す図である。この実施例2は、浴槽1の水が循環されて水素還元水処理装置17により水素還元水に処理されるものである。この水素還元水処理装置17は、処理する水を循環させるポンプ3、気液混合タンク4、電解装置18及び浴槽1に取り付けられた圧力開放部5とを備えている。この処理すべき水には、例えば、ビタミンC等の抗酸化力の有る物質が入浴剤として添加されている。
【0047】
ポンプ3は、浴槽1の水を水素還元水処理装置17に吸い込み、処理後、浴槽1内に戻すように水を循環する働きをするものである。具体的には、ポンプ3は、水素還元水に処理すべき浴槽1の水を、浴槽1の取出栓6から吸込管7を通してこの水素還元水処理装置17内に取り込み、供給管8から気液混合タンク4内に送り、排出管9及び圧力開放部5を通して浴槽1内に戻すように循環して送流させるものである。
【0048】
本実施例では、水素ガス及び窒素ガスを発生させる電解装置18を、気液混合タンク4の下方に設けた構成に特徴がある。具体的には、電解装置18は、図4(a)、(b)に示すように、気液混合タンク4の下方に設けられた電解槽20を備えている。この電解槽20は、気液混合タンク4と配管19で連通する。なお、配管19の内容は、配管19の内面にガスを含む気泡が付着しても、詰まらない程度の径に設定されている。
【0049】
電解槽20内の左右に、陰極21と陽極22が配設されている。図4(c)に示すように、陰極21は、Ti合金23の表面に硝酸イオン還元触媒である銅系合金層24が形成されて成る構造である。陽極22は、Ti合金23の表面に白金系焼成膜又は白金系メッキ25の付与された構造とする。陰極21及び陽極22には、夫々電解槽20の外部に配置された直流電源の陰極側及び陽極側に配線で接続されている。なお、本実施例では、陰極表面の銅系合金、陽極表面の白金により構成される金属触媒の作用を利用するが、すず又はすずの合金等、他の金属触媒の作用を利用してもよい。
【0050】
電解槽20内の陰極21と陽極22との間であって、陰極21より陽極22に近い位置に、隔膜26が配設されている。隔膜26は、電気(電子)、イオンを通過させるが、陰極21及び陽極22側で発生する気体は通過させない材料で形成し、例えば、イオン交換膜、多孔質膜等から成る。
【0051】
そして、この隔膜26は、電解槽20の頂部から下方に向けて電解槽20を左右に仕切るように設けられているが、電解槽20の下部には設けられていない。要するに、電解槽20内を陰極21側と陽極22側に完全に仕切るのではなく下方に開口を設けた半隔膜型を採用している。従って、隔膜26で左右に仕切られた電解槽20における陰極21側のスペースと陽極22側のスペースは、隔膜26の下方では互いに連通している。
【0052】
隔膜26で仕切られた電解槽20の陰極21側の頂部に気液混合タンク4と連通する配管19が接続されている。そして、電解槽20の陽極22側の頂部にエア抜き管27が接続され、このエア抜き管27はエア抜き弁28を介して大気に開口している。
【0053】
電解槽20内では、アンモニアを含む水が電気分解され、陽極22側で酸素ガス、塩素ガスが発生するとともに、次亜塩素酸イオン(Cl)が生成される。一方、陰極21側では、水の電気分解で水素が発生するとともに、陰極21の硝酸イオン還元触媒の機能によりアンモニウムイオン(NH4)が生成される。
【0054】
陽極22側に発生した酸素ガス、塩素ガスは、隔膜26を設けたので陰極21側に拡散することなく、エア抜き管27及びエア抜き弁28を介して大気に放出される。そして、陰極21側で生成された次亜塩素酸イオンは、隔膜26が陰極21より陽極22の近くに配設されているために、隔膜26の下方を通り陰極21側で生成されたアンモニウムイオン(NH4)と容易に混ざり合って反応し、窒素ガスを発生する。
【0055】
このようにして陰極21側で発生した窒素ガス及び水の電気分解で発生した水素ガスは、隔膜26を設けたので陽極22側に拡散することなく、配管19を通して気液混合タンク4内に自然に入る。
【0056】
浴槽1に取り付けられた圧力開放部5の構造は、図1(b)に示す実施例1の圧力開放部5の構造と同じであるからその説明は省略する。なお、空気をパージする配管29及びエア抜き弁30が気液混合タンク4の頂部に接続されている。
【0057】
以上の構成から成る実施例2の作用について説明する。浴槽1の水は、取出栓6から吸込管7を通り、ポンプ3により供給管8を通り気液混合タンク4に送られる。気液混合タンク4内に送られた水は、排出管9を通して圧力開放部5から浴槽内に循環して戻されるが、気液混合タンク4内に送られた水の一部は、配管19を通して電解装置18の電解槽20内に送られる。
【0058】
このようにして電解槽20内に送られた浴槽1から取り出した水は、電解装置18により電気分解される。この結果、陰極21側で窒素ガスと水素ガスが発生し、陽極22側で酸素ガスと塩素ガスが発生する。酸素ガスと塩素ガスはエア抜き管27、エア抜き弁28を通って外気に放出される。
【0059】
陰極21側で発生した窒素ガスと水素ガスは、ポンプ3の動作が停止している時に、その浮力で配管を通過して気液混合タンク4内に溜められる。この時、窒素ガスと水素ガスの比重差により、気液混合タンク4の上部に水素ガス、下部に窒素ガスが夫々分離されて貯留される。
【0060】
この際、気液混合タンク4内に水が残留している場合には、その水に窒素ガス及び水素ガスが溶解されて、微細な気泡状の溶解窒素、溶解水素となる。気液混合タンク4内に水が残留していない場合には、気液混合タンク4内に窒素ガス及び水素ガスとして事前に貯留されることとなる。
【0061】
本発明の水素還元処理装置を動作するためにポンプ3を駆動すると、浴槽1の水は、取出栓6から吸込管7を通り、ポンプ3により供給管8を通り気液混合タンク4内に送られる。
【0062】
このようにして気液混合タンク4内に供給された水は、気液混合タンク4内に水が残留している場合には、上記のとおり予め気液混合タンク4内に貯留された窒素ガス及び水素ガスが溶解された水とさらに混合する。又、気液混合タンク4内に水が残留していない場合には、気液混合タンク4内に上記のとおり貯留される窒素ガス及び水素ガスを巻き込んで水中に溶解し、窒素水素水が生成される。
【0063】
窒素ガスが水に溶解すると、実施例1で説明した通り、水中に溶け込んでいる溶存酸素が、ガス分圧の違いから溶存窒素で置き換えられて追い出され、水素の抗酸化能を妨げる溶存酸素の濃度が低下し、活性酸素作用を減じることができる。一方、水素の溶解度が上がり、水素濃度の高い水素還元水が生成され抗酸化作用が増大し、ビタミンCの効果を増強する。
【0064】
このようにして生成された溶解窒素及び溶解水素を含む水(窒素水素水)は、気液混合タンク4から排出管9を通して、圧力開放部5に送られる。圧力開放部5では、溶解水素を含む水は、ノズル14から筒体13に内に噴出し、多孔体15を通して、水素ガスの微細な気泡16を形成し、この微細な気泡16を伴いながら浴槽1内に噴出される。このようにして得られた水素ガスの微細な気泡を含む水は、過酸化脂質等の皮膚の老化促進物質を無害化することができる。
【0065】
この実施例2の水素還元水処理装置は、窒素ガスボンベ等の高圧ガスを取り扱うことがないので、安全であり、ボンベ交換等のメインテナンスが不要で取り扱いが便利である。
【0066】
(実験例)
実施例2についても実施例1と同様な実験を行った。即ち、実施例2により活性処理を施した水素水のSOD活性とpH値を測定し、水道水等と比較実験をした。この結果得られた実験結果は、実施例1の実験結果である図2で示すものとほとんど同じ結果が得られたので、その詳細はここでは省略する。
【0067】
以上、本発明に係る水素還元水処理装置の実施形態を実施例に基づいて説明したが、本発明は特にこのような実施例に限定されることなく、特許請求の範囲記載の技術的事項の範囲内でいろいろな実施例があることはいうまでもない。
【0068】
【発明の効果】
本発明は以上の構成であるので、次のような効果が生じる。
(1)水素ガスとともに、窒素ガスタンクで貯留しておいた窒素ガス又は電気分解により生成した窒素ガスを気液混合タンク内に導入し、水中に窒素を溶解させることにより、水素の抗酸化能を妨げる溶存酸素の濃度を下げて活性酸素作用を減じ、水素濃度を高めることで、抗酸化効果の大きな水素還元水を生成することができる。これにより、水に添加されるビタミンC等抗酸化力の有る物質の効果が増強され、SOD活性が高くなる。
【0069】
(2)窒素ガスタンクからの窒素ガスと、水素ガスタンクからの水素ガスと同時に気液混合タンク内に導入した場合、窒素と水素の比重差を利用し、水に効果的に窒素とともに水素を短時間で溶解させることができ、簡単な構造で、短時間で水素濃度の高く抗酸化能の高い水素還元水を提供することができる。
【0070】
(3)水中の酸素ガスを低下することができるので、浴槽と水素還元水処理装置を結ぶ循環用の配管、その他浴槽の水が通過する配管等の腐食するおそれを低減できる。
【0071】
(4)本発明に係る水素還元水処理装置を利用すれば、水素濃度の高い抗酸化能の高い水素還元水を得ることができるから、例えば浴槽の水の水素還元水処理装置として利用すれば、皮膚の老化促進物質を無害化する等の健康増進効果を得ることができ、老化防止、美肌作用などを強化する等ことができ、さらに雑菌繁殖防止効果があり、浴槽等の水槽のぬめり防止に多大の効果を奏する。又、本装置を、飲用水を水素還元水に処理する技術に適用すれば、アルカリイオン水等に代わる健康水としての利用が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1を説明する図である。
【図2】本発明の実施例1、2の実験例を説明する図である。
【図3】本発明の実施例1の実験例を説明する図である。
【図4】本発明の実施例2を説明する図である。
【符号の説明】
1 浴槽
2 実施例1の水素還元水処理装置
3 ポンプ
4 気液混合タンク
5 圧力開放部
6 取出栓
7 吸込管
8 供給管
9 排出管
10 高圧水素ボンベ
11 ガス管
12 開閉弁
13 筒体
14 ノズル
14’ 管継手
15 多孔体
16 水素ガスの微細な気泡
17 実施例2の水素還元水処理装置
18 電解装置
19 配管
20 電解槽
21 陰極
22 陽極
23 Ti合金
24 銅系合金層
25 白金系メッキ
26 隔膜
27 エア抜き管
28 エア抜き弁

Claims (4)

  1. 水槽から取り出した水に、水素を溶解させて溶解水素とし、これを微細な気泡状水素にして水槽に戻すことで水素還元水に処理する水素還元水処理装置であって、
    前記水槽の水には抗酸化力のある物質が添加されていることを特徴とする水素還元水処理装置。
  2. 前記水槽の水に水素を供給する水素供給手段と、水に水素を溶解させる気液混合タンクを有し、前記気液混合タンクの溶存酸素を除去するために窒素を供給する窒素供給手段を備えたことを特徴とする請求項1記載の水素還元水処理装置。
  3. 前記水素供給手段が水素ボンベ、かつ前記窒素供給手段が窒素ボンベであり、前記気液混合タンクに前記水素ボンベと前記窒素ボンベから水素と窒素を同時に供給することを特徴とする請求項2記載の水素還元水処理装置。
  4. 前記水素供給手段と前記窒素供給手段は、水を電気分解して水素と窒素を発生させる電解槽の陰極であることを特徴とする請求項2記載の水素還元水処理装置。
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