【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、分離対象物を懸濁粒子、コロイド粒子、分子、イオンなどの形態をとって含む溶液中へ気体を供給し、前記分離対象物を吹き込んだ気体に付着同伴させて浮上させ、浮上させた分離対象物を前記溶液中から分離回収する浮遊分離装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、鉱業の分野において、懸濁粒子などからなる分離対象物を含む溶液中へ気体を吹き込んで、吹き込んだ気体に前記分離対象物を同伴させて気体の浮力を利用して液面上に浮上させ、浮上させた前記分離対象物を除去したり、除去した前分離対象物を更に濃縮したりする技術が、浮遊選鉱(以下、“浮選”と略称する)技術として広く利用されてきた。また、最近では、この浮選技術は、各種金属イオンを相互分離したり、コロイドを分離したりする技術などに応用されるようになって、鉱業分野に止まらず広範囲に渡る分野で利用されるようになっている。
【0003】
このような浮選技術に関して分析化学的応用の立場から大別すると、沈殿浮選、コロイド浮選、イオン浮選に分類される。そこで先ず、沈殿浮選から説明すると、この沈殿浮選では、界面活性剤により沈殿物表面を疎水化させた後、沈殿物に対して気体を吹き込んで、この気体と疎水化された沈殿物の表面を接触させることによって、吹き込んだ気体に沈殿物を付着同伴させて液面上へ浮上させ、液面上で沈殿物を回収する方法であって、迅速かつ確実に分離対象物を溶液中から分離回収できる方法でもある。
【0004】
次に、前記コロイド浮選について説明すると、このコロイド浮選は、溶液中のコロイド粒子に帯電する電荷と反対の電荷を持った界面活性剤を溶液に加えてコロイド粒子の電荷を中和して互いに凝集させて綿状の沈殿物を形成させる。そして、このようにして形成させた沈殿物に対して前述の沈殿浮選と同じ方法を適用して浮選する方法である。なお、このコロイド浮選は、溶液中に広く分散して存在するサブミクロン粒子を凝集させて分離したり回収したりする工程において、その有用性が期待できる分離法である。
【0005】
最後に、前記イオン浮選について説明すると、このイオン浮選は、分離しようとするイオンまたは錯体に対して、これとは反対の電荷を有する界面活性剤を加えて反応させて、これらを疎水性化合物とした後、気体を吹き込んで、吹き込んだ気体の気液界面に前記疎水性化合物を吸着させて浮上分離する方法である。しかしながら、このイオン浮選は、通常、沈殿浮選と比較して分離に要する時間が長く、しかも、溶液pH、界面活性剤の種類や濃度、送気速度、共存元素などに浮選率が影響されやすい。
【0006】
ところで、前記のような浮選技術において、その浮選効率を決定する重要な因子の一つに吹き込む気体の形状(気泡の大きさ、気泡の形状)がある。つまり、例えば沈殿浮選の場合、溶液中に存在する沈殿物に対して吹き込んだ気体を接触させて、気体に同伴させて液面に浮上させた沈殿物を液面上で分離するのであるから、気体の浮力が大きいほど、気体に同伴する沈殿物の液面への上昇速度が速くなる。しかしながら、上昇速度が速くなると、浮選装置内における気体の滞留時間もこれに比例して短くなり、沈殿物との接触機会が減少することになってしまい、その結果として、浮選効率の低下を招くこととなる。
【0007】
このように浮選技術においては、吹き込む気体の浮力を調整することがきわめて重要である。しかしながら、吹き込む気体の浮力を従来から使用されている散気管や散気板などの散気手段を用いて調整しようとしても、気泡化された気体(生成された各気泡)のサイズや形状、吹き込まれた気体の量、気体の放出初速度などを制御することが難しい。しかも、このような方法では生成される気泡径はかなり大きく、例えば、気液の接触装置や反応装置に気体を供給するためにこれらの方法を用いた場合には、気液接触槽内への気体供給量を増やしたり、反応容器内を高圧にしたりすることが必要になり、設備コストやランニングコストの増大を招くという問題点がある。
【0008】
また、吹き込む気体の上昇速度を上げることを許容することを前提に、気体を処理槽内へ大量に供給すると、気体の上昇に伴ってこれに追随する随伴液流の発生と、このようにして上昇する随伴液を補充供給しようとする液流とが生じて、制御されない局所的な対流(下降流と上昇流)が発生する。そうすると、浮上しようとする沈殿物が前期の下降流によって、再び下方に沈殿してしまうような現象を惹起して、浮選効率を低下させてしまう。
【0009】
【特許文献1】
特開平8−276141号公報
【0010】
【特許文献2】
特開平9−75916号公報
【0011】
【特許文献3】
特開2000−279946号公報
【0012】
【特許文献4】
特開2000−51733号公報
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記のような従来の浮選技術が有する問題に鑑みてなされたもので、その目的は、浮選装置の処理槽内に吹き込んだ気体の上昇速度が速くなったとしても処理液の対流が生じず、しかも、浮選する対象物と吹き込んだ気体との間の接触効率を向上させることができ、その結果として、浮選効率の高い装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
ここに、上記目的を達成するための発明として、請求項1に記載のように、「特に重金属物質からなる分離対象物を懸濁粒子、コロイド粒子、分子、イオンなどの形態で含む処理液を収容する処理槽と、前記処理槽中へ界面活性剤を添加させる界面活性剤添加手段と、前記処理槽の底部へ気体を加圧して供給する気体供給手段と、前記処理槽底部横断面に沿って壁面部近傍以外の略全面に設けられた前記気体を吹き出す微小開口群を有する散気手段と、前記処理槽底部から処理槽液面へと気泡化した気体を浮上させると共に浮上する気泡に接触付着させた前記分離対象物を前記処理液中から分離して排出する気泡排出手段とを有することを特徴とする浮遊分離装置」が提供される。
【0015】
また、上記目的を達成するための発明として、請求項2に記載のように、「特に重金属物質からなる分離対象物を懸濁粒子、コロイド粒子、分子、イオンなどの形態で含む処理液を収容する処理槽と、前記処理槽中へ界面活性剤を添加させる界面活性剤添加手段と、前記処理槽の底部へ気体を加圧して供給する気体供給手段と、前記処理槽底部横断面に沿って前記気体を吹き出す微小開口群を有する散気手段と、前記散気手段によって発生させられた気泡と随伴して上昇する処理液に対して新たな補充液を供給する補充液供給手段と、前記処理槽底部から処理槽液面へと浮上した気泡に接触付着させた前記分離対象物を前記処理液中から分離して排出する気泡排出手段とを有することを特徴とする浮遊分離装置」が提供される。
【0016】
その際、請求項3に記載の発明のように、「前記散気手段が、前記処理槽底部横断面の気泡発生部が小ブロックに分割され、前記小ブロックのそれぞれに対して前記気体を前記気体供給手段から分配供給する手段である請求項2に記載の浮遊分離装置」とすることが好ましい。
【0017】
そして、請求項4に記載の発明のように、「前記処理液中に加圧下で気体を溶解させる気体溶解手段が付設された請求項1〜3の何れかに記載の浮遊分離装置」とすることが好ましい。
【0018】
更に、上記目的を達成するための発明として、請求項5に記載のように、「特に重金属物質からなる分離対象物を懸濁粒子、コロイド粒子、分子、イオンなどの形態で含む処理液を収容するユニット化された処理槽と、前記処理槽の側方の一端から他端へ前記処理液を連続して供給するための処理液供給手段と、前記処理液へ界面活性剤を添加する界面活性剤添加手段と、前記処理槽底部から微細気泡を吹き出す散気手段と、前記処理槽底部から処理槽液面へと浮上した気泡に接触付着させた前記分離対象物を前記処理液中から分離して排出する気泡排出手段とを備え、連続して前記処理槽へ供給される前記処理液から前記分離対象物を連続的に浮遊分離する浮遊分離装置」が提供される。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、図面の実施例に基づいて本発明の実施の形態について説明するが、本発明はその要旨が満足される限りにおいて、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
【0020】
図1及び2は、本発明のバッチ式浮遊分離装置に係る2つの実施態様について、その要部構成をそれぞれ示した縦断説明図である。なお、これらの図において、実質的に同じ機能を果たす構成要素については、これら実施形態例に関して共通の参照符号を使用した。
【0021】
本発明において、処理液中に含まれる分離対象物としては、特に、懸濁粒子、コロイド粒子、分子、イオンなどの形態で含まれる金属物質であることが好ましい。具体的には、例えば、重金属含有排水(一例として、鉄1219重量ppm、カドミウム38重量ppm、銅40重量ppm、アルミニウム122重量ppm、カルシウム714重量ppm、カリウム7重量ppm、アンチモン8.2重量ppm)を処理対象とすることが好ましい。
【0022】
前記図1及び2において、1は処理槽、2は散気手段、3は気泡排出手段、4は界面活性剤添加手段、5は気体供給手段、6は補充液供給手段をそれぞれ示す。また、Aは処理液、Bは気泡をそれぞれ示す。このように構成される本発明の浮遊分離装置において、図1に例示した第1の実施態様について詳細に説明する。
【0023】
先ず、前記処理槽1は、底部が円錐状、そして胴部が円筒状を有しており、その下部に気体供給手段5が接続された散気手段2が配設され、その上部には気泡排出手段3と界面活性剤添加手段4とが図示したように配設されている。なお、この処理槽1には、分離対象物として特に重金属を懸濁粒子、コロイド粒子、分子、イオン等の形態で含んだ処理液Aが充填されている。
【0024】
ここで、前記散気手段2は、気体供給手段5から供給された気体を吹き出すために、散気管あるいは散気板などの手段を有し、この散気手段2は微細開口を有する多数の微小孔(図示せず)を備えている。したがって、気体供給手段5から供給された加圧気体は、前記の微小孔から処理槽1に充填された処理液A中へ吹き出すことによって気泡化される。
【0025】
その際、前記散手段に設ける微小開口群は、微小孔群を穿設するような加工を行ってもよいし、このような加工を行わずとも、金属短繊維を焼結することによって成形された多孔質の焼結金属フィルターや金網フィルターような微小開口が形成された、既存の濾過媒体を使用するようにしてもよい。このようにして、散気手段2に設けられた微小開口群から処理液A中に吐出された気体は処理液A中で微細な気泡Bとなる。ただし、このような微細気泡Bを形成させるために用いる気体としては、空気、窒素ガス、水蒸気などを使用することができるが、空気を用いることが運転費用を抑えるために好ましい。また、処理液A中で気泡化させるための気体を処理槽1とは別の加圧室内で一旦溶解させておき、加圧下で気体を溶解させた処理液Aを減圧下におかれた前記処理槽1内へ供給することによっても微小な気泡Bを生成することができる。
【0026】
このようにして、処理槽1内で発生させられた気泡Bは、その浮力のために上昇を開始する。そうすると、このようにして上昇する気泡Bと、処理液A中に含まれる特に重金属からなる分離対象物とが接触して、分離対象物が気泡Bに付着し、気泡Bの上昇と共に処理槽1の液面にまで浮上する。そして、このようにして、分離対象物を付着させた状態で浮上してきた気泡Bは気泡排出手段3から排出され、これによって処理液A中から重金属などの分離対象物が除去される。
【0027】
その際、気泡Bを処理槽1内に分散させて散気する散気手段2としては、略全面に設けられた微小開口群から加圧空気を泡状に噴出させたり、あるいは事前に加圧空気を吹き込んで気泡を生成させておいてから、処理槽1中に圧送したりする手段を採用することができる。さらには、処理液A中で気泡化させるための気体を処理槽1とは別の加圧室内で一旦溶解させておき、この加圧下で溶解させた処理液Aを減圧下におかれた前記処理槽1内へ供給することによっても微小な気泡Bを生成することができる。
【0028】
このように、気泡Bを使用する浮遊分離装置では、気泡Bの表面に懸濁粒子、コロイド粒子、分子、イオン等からなる分離対象物を効率よく付着させることがひとつの重要な要素である。そこで、このような目的を達成するために、本発明においては、界面活性剤添加手段4によって、処理液Aに界面活性剤を添加して、処理液A中に均一に分散させる。何故ならば、界面活性剤による金属物質の捕集は、主として処理液A中に存在する金属が有する電荷と、これと反対の電荷を親水基に有する界面活性剤とを静電的な相互作用によって反応させて分離対象物を疎水性化合物とし、気泡の気液界面に吸着させることにある、と考えることができるからである。
【0029】
そこで、例えば鉄沈殿のように正電荷を有する分離対象物では、オレイン酸ナトリウムのような親水基に負電荷を有する界面活性剤を用いると、分離対象物を疎水性化合物とでき、これによって効率よく捕集できる。また、塩酸水溶液に溶解したアンチモンは、アンチモンのクロロ錯体を形成するので、このクロロ錯体が負電荷を有することから、例えば、シクロヘキシルピリジニウムクロリドのような親水基に正電荷を有する界面活性剤を用いると効率よく捕集できる。
【0030】
なお、このようにして使用する界面活性剤は、1分子鎖の中に親水基と疎水基を併せ持つ有機化合物であるが、対象とする金属成分によって、用いる界面活性剤も目的に適したものを適宜選択使用することが好ましいことは言うまでもない。また、このような界面活性剤は、分離対象物である金属の種類、溶液中の金属の濃度、必要な除去率などの諸要因を考慮して、最適な界面活性剤濃度、添加量、通気流量、及び処理時間などを選択すべきことは当然のことであって、これらは処理液A中に含まれる分離対象物の性質、性状などを分析し、分析した結果によって適宜設定すればよい。
【0031】
以上に述べたように、界面活性剤添加手段4を用いて界面活性剤を添加して処理液A中に含まれる分離対象物を気泡Bに効率よく付着させて捕集することは非常に重要なファクターではあるが、分離対象物が処理液A中で気泡Bに遭遇する確率を高めることも非常に重要である。そこで、気泡Bを大量に発生させ、このようにして発生させた気泡Bを長時間処理液A中に滞留させることが必要である。
【0032】
前述の目的を達成するために、本発明においては、処理槽1の底部横断面に沿って、気泡化させるために、気体を吹き出す微小開口群を有する散気手段2を設ける。しかしながら、この散気手段2は、従来の散気手段とは異なって、処理槽1の壁面部近傍を除いた処理槽1の底部横断面において、その略全面に設ける。そうすると、散気手段2から吹き出された気泡Bは、処理槽1の壁面部近傍を除いた中央部の略全面から吹き出されることとなって、このように吹き出された気泡Bに対して処理液Aが随伴したとしても、気泡Bが上昇している処理槽1内の領域においては上昇流が大半を占め、実質的にこの領域では下降流が発生しないために統制が困難な局所対流が生じない。
【0033】
ただし、気泡Bに随伴して上昇する随伴上昇流が生じると、上昇流が生じた部分に対して周囲から処理液Aが流れ込むが、このような処理液Aの流れは、本発明においては処理槽1の壁面側から行われる。ただし、この処理槽1の壁面部では微小気泡Bが発生させられていないために、気泡Bとの接触が少なく、分離対象物は気泡Bに余り捕集されないが、その代わり、処理槽1の底面部の壁面側から気泡Bが発生する中央部へ、随伴上昇流の補充液として供給される。そして、微小気泡Bに随伴する上昇流となる際に、そこに含まれる分離対象物が気泡Bに捕捉されることとなる。したがって、本例においては、気泡Bに細くされた分離対象物はそのほとんどが気泡Bの浮力によって上昇し続けて、液面上に浮上することができるため、浮選効率が向上する。
【0034】
これに対して、図4(概略装置構成図)に例示した従来装置では、散気手段2が処理槽1の底部横断面に局所的に分散させて設けられているために、図中の矢印で示したような処理液の流動状態となって、局所的な対流がどうしても発生することとなる。そうすると、処理液A中の気泡のサイズを小さくしてその滞留時間を稼ごうとしても、気泡Bのサイズが小さくなればなるほど、これに比例して気泡Bの浮力は小さくなるため、気泡Bが前述の局所対流に巻き込まれて処理液A中で上昇と下降を繰り返して、せっかく気泡Bが捕捉した分離対象物を液面上まで浮上させることができないという事態を惹起してしまって、浮選効率の悪化を招くこととなる。
【0035】
ここで、本発明に好適に使用することができる気泡Bとしては、気泡Bの浮力を小さくするために、そのサイズを微細化し、これによって、処理液A中での気泡Bの滞留時間を長くすることが好ましく、このような好ましい気泡径としては、0.05〜3mm程度であって、更に好ましくは0.1〜1mm程度である。
【0036】
以上に述べたようにして発生させた微細気泡Bは、処理槽中で充分な滞留時間をもって懸濁粒子、コロイド粒子、分子、イオンなどからなる分離対象物と接触して、これらを付着させながら、その浮力により処理槽の液面にまで上昇する。そして、気泡排出手段3によって、オーバーフロー、掻き取り、真空吸引などの周知の方法を用いることで捕集し、捕集した気泡から処理液中に含まれていた金属成分などの分離対象物を処理液Aから分離し排出する。
【0037】
つぎに、本発明の第2実施態様について、図2を参照しながら以下に詳細に説明する。この図2に例示した第2実施態様では、図1に例示した第2実施態様とはつぎの点において異なる。すなわち、この第2実施態様では、処理槽1の下部に設けられる装置構成が第1実施態様とは異なる。つまり、本発明の第2実施態様では、処理槽1の下部に、「前記散気手段2によって発生させられた気泡Bと随伴して上昇する処理液Aの後に、この処理液Aを補充するために新たな補充液を供給する補充液供給手段を設けることを一大特徴とする。
【0038】
したがって、第1実施態様では、処理槽1の壁面側から処理槽1内に既に充填されていた処理液Aが供給されるのに対して、第2実施態様では、新たな補充液を処理槽1の底部から供給する補充液供給手段を設ける点において大きく異なる。なお、処理槽1へ補充液が供給されることで、処理槽1の上面からあふれ出た処理液は、溢流液回収手段11によって回収して、再び補充液として循環使用することが好ましい。
【0039】
すなわち、図2の例では、気泡Bに処理液Aも随伴して上昇するが、このとき随伴上昇する処理液Aに対して、補充液供給手段によって処理槽1の外から補充液を処理槽1内へ下方から供給する。そうすると、随伴上昇する処理液Aに対して、処理槽1内に元々充填されていた処理液Aが供給されるわけではないから、随伴上昇流の補充に供するために、処理液Aが下降流となって上昇流の後に供給されることはなくなる。すなわち、本発明の第2実施態様では、下降流の発生は実質的に生じず、したがって、従来のように処理槽1内で処理液Aが対流を起こす恐れもなくなる。
【0040】
以上に述べた理由から、本発明の第2実施態様では、散気手段2を第1実施態様のように限定した形態で設ける必要がなくなる。したがって、第2実施態様では、散気手段2を自由な形態、例えば、処理槽1の底部横断面の気泡発生部が小ブロックに分割され、前記小ブロックのそれぞれに対して前記気体を前記気体供給手段から分配供給するような態様を採っても、処理液Aの局所的な対流が発生することがない。
【0041】
また、前述の補充液についても、単なる補充液ではなく、補充液中に加圧下で気体を溶解させる気体溶解手段を設けることにすれば、処理槽1内が減圧されていると、処理液A内で補充液中に溶解していた気体が気泡化することとなる。しかも、このようにして、気泡化された気泡Bのサイズは、微細形状を呈している。さらにその際、超音波を処理槽1内に照射するようにして、補充液中に溶解した気体の気泡化を促進させることもできる。したがって、本発明の第2実施態様では、多数の微細な気泡Bを発生させることができると共に、従来のように処理液Aの局所対流の心配もなく、処理液A中の分離対象物を好適に分離することができる。
【0042】
ここで、本発明の浮遊分離装置は、図1及び2を援用して以上に述べたバッチ式の浮遊分離装置だけではなく、分離対象物を含む処理液を連続して供給し、発生させた気泡に分離対象物を付着させて浮上させ、これを回収する連続式浮遊分離装置としても用いることができる。そこで、本発明の第3実施態様である連続式浮遊分離装置について、以下に図3を参照しながら詳細に説明する。なお、この図3においても、実質的に同じ機能を果たす構成要素については、図1及び2において使用した参照符号と共通のものを使用した。
【0043】
図3に例示した第3実施態様では、特に重金属物質を懸濁粒子、コロイド粒子、分子、イオンなどの形態で含む処理液Aは、処理液Aを蓄えた図示省略した貯液槽から、周知の送液ポンプなどの処理液供給手段10によって分散混合手段7へと、図中に白抜き矢印で示した方向へ界面活性剤を処理液A中に分散混合するために送られる。他方、この分散混合手段7へ界面活性剤添加手段4によって添加された界面活性剤は、周知の撹拌翼や静的混合装置(スタティックミキサー)などを有する分散混合手段7によって処理液A中に均一に分散される。
【0044】
このようにして、界面活性剤が分散添加された処理液Aは、必要に応じて例えば多層板やハニカム板などで構成される整流手段8を介して、処理槽1の側方の一端から他端へと連続的に供給される。なお、前記処理槽1に関しては、ユニット化しておき、処理液Aの量、分離対象物の性状などの処理条件が変わっても、これらのユニットを直列に接続する最適なユニット数(図3の例では、3つのユニットを使用)を適宜選択して、選択したユニット群によって処理するようにしておくことが好ましい。
【0045】
以上のようにして、処理槽1内を流れる処理液Aに対して、処理槽1の底部には散気手段2が設けられており、この散気手段2へ気体供給手段5から加圧送気された気体は、図1あるいは図2に例示したバッチ式浮遊分離装置と同様に微細な気泡Bにされて、処理槽1内に吹き出される。そうすると、前段階において界面活性剤の添加により、より気泡Bに付着しやすい形にされた、処理液A中に含まれる重金属物質などの分離対象物が気泡Bに接触して捕捉され、気泡Bの浮上と共に処理液の液面にまで達して、この液面上から気泡排出手段3によって、分離して回収される。
【0046】
以上に述べたように、図3に例示した連続式浮遊分離装置においては、処理液Aは、連続的に処理槽1の一端から他端へと淀みなく流れるために、気泡Bが上下するような対流の発生が実質的に生じないため、気泡Bの発生量を多くすることができ、更にユニット化された処理槽1を直列に好ましい数だけ接続することができる。したがって、処理液A中の分離対象物と気泡Aとの間の接触確率を格段に上げることができる。なお、散気手段2から処理槽1中へは、図3の例では加圧気体を送気しているが、気体を液中にバブリングしたり、溶解したりした補充液を図2の実施態様例に準じて供給するようにしてもよい。
【0047】
【発明の効果】
本発明によれば、特に重金属物質などの分離対象物を懸濁粒子、コロイド粒子、分子、イオンなどの形態で含む処理液に、界面活性剤を添加し、送気により発生させた気泡の浮力を利用することによって、処理槽内で気泡を大量に発生させたとしても、従来技術のように処理槽内で制御されない局所対流の発生がなく、効率よく分離対象物を回収処理することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施態様の概略装置構成を例示した概略図である。
【図2】本発明の第2実施態様の概略装置構成を例示した概略図である。
【図3】本発明の第3実施態様の概略装置構成を例示した概略図である。
【図4】従来装置の実施態様の概略装置構成を例示した概略図である。
【符号の説明】
1 処理槽
2 散気手段
3 気泡排出手段
4 界面活性剤添加手段
5 気体供給手段
A 処理液
B 気泡[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
According to the present invention, a gas is supplied into a solution containing an object to be separated in the form of suspended particles, colloid particles, molecules, ions, and the like. The present invention relates to a floating separation device that separates and collects separated objects from the solution.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, in the field of mining, a gas is blown into a solution containing an object to be separated, such as suspended particles, and the separated object is entrained with the injected gas, and floats on the liquid surface using the buoyancy of the gas. A technique for removing the separated floating objects and for further concentrating the removed pre-separated objects has been widely used as a flotation (hereinafter, abbreviated as “flotation”) technique. In recent years, this flotation technology has been applied to technologies for separating various metal ions from each other and for separating colloids, and is used not only in the mining field but also in a wide range of fields. It has become.
[0003]
Such flotation techniques can be broadly classified into sedimentation flotation, colloid flotation, and ion flotation from the standpoint of analytical chemistry applications. Therefore, first, the sedimentation flotation will be described. In the sedimentation flotation, after the surface of the precipitate is hydrophobized by a surfactant, a gas is blown into the sediment, and the gas and the hydrophobized sediment are separated. By contacting the surface, the sediment adheres to the blown gas and floats on the liquid surface, and the sediment is recovered on the liquid surface. It is also a method that can be separated and collected.
[0004]
Next, the colloid flotation will be described. In this colloid flotation, a surfactant having a charge opposite to that charged to the colloid particles in the solution is added to the solution to neutralize the charge of the colloid particles. Agglomerated with each other to form a flocculent precipitate. Then, the sediment thus formed is subjected to flotation by applying the same method as the above-mentioned sediment flotation. The colloid flotation is a separation method that can be expected to be useful in the step of aggregating and separating or collecting submicron particles that are widely dispersed and present in a solution.
[0005]
Finally, the ion flotation will be described. In the ion flotation, an ion or a complex to be separated is reacted by adding a surfactant having an opposite charge to the ion or complex to make them hydrophobic. After forming the compound, a gas is blown, and the hydrophobic compound is adsorbed on a gas-liquid interface of the blown gas to float and separate. However, this ion flotation usually requires a longer time for separation than sedimentation flotation, and the flotation rate affects the solution pH, type and concentration of surfactant, air supply rate, coexisting elements, etc. Easy to be.
[0006]
By the way, in the flotation technique as described above, one of the important factors that determine the flotation efficiency is the shape of the gas to be blown (the size of the bubbles, the shape of the bubbles). In other words, for example, in the case of sedimentation flotation, the gas blown against the sediment existing in the solution is brought into contact with the gas, and the sediment floated on the liquid surface accompanying the gas is separated on the liquid surface. The higher the buoyancy of the gas, the faster the sediment accompanying the gas rises to the liquid surface. However, when the ascending speed increases, the residence time of the gas in the flotation device also decreases in proportion to this, and the chance of contact with the sediment decreases, and as a result, the flotation efficiency decreases. Will be invited.
[0007]
As described above, in the flotation technique, it is extremely important to adjust the buoyancy of the gas to be blown. However, even if an attempt is made to adjust the buoyancy of the gas to be blown in using a conventional air diffuser such as a diffuser tube or a diffuser plate, the size and shape of the bubbled gas (each generated bubble) and the size of the blown gas are increased. It is difficult to control the amount of gas released, the initial velocity of gas release, and the like. Moreover, the diameter of the generated bubbles is considerably large in such a method. For example, when these methods are used to supply a gas to a gas-liquid contact device or a reaction device, the gas bubble into the gas-liquid contact tank is not provided. It is necessary to increase the gas supply amount or to increase the pressure in the reaction vessel, which causes a problem of increasing equipment costs and running costs.
[0008]
Also, assuming that the rising speed of the gas to be blown is allowed to increase, if a large amount of gas is supplied into the processing tank, the accompanying liquid flow that follows the rise of the gas, and thus, A liquid flow that attempts to replenish the associating liquid is generated, and uncontrolled local convection (downflow and upflow) is generated. Then, a phenomenon in which the sediment to be floated precipitates downward again by the downward flow in the previous period is caused, and the flotation efficiency is reduced.
[0009]
[Patent Document 1]
JP-A-8-276141
[Patent Document 2]
JP-A-9-75916
[Patent Document 3]
JP 2000-279946 A
[Patent Document 4]
JP 2000-51733 A
[Problems to be solved by the invention]
The present invention has been made in view of the above-described problems of the conventional flotation technology, and has as its object to improve the processing liquid even when the gas blown into the processing tank of the flotation device is increased in speed. Therefore, it is possible to improve the contact efficiency between the object to be flotated and the blown gas, and as a result, to provide a device with high flotation efficiency.
[0014]
[Means for Solving the Problems]
Here, as an invention for achieving the above-mentioned object, as described in claim 1, "a treatment liquid containing a separation object composed of a heavy metal substance in the form of suspended particles, colloid particles, molecules, ions, etc. A processing tank to be accommodated, a surfactant adding means for adding a surfactant into the processing tank, a gas supply means for supplying a gas to the bottom of the processing tank by pressurizing, and a cross section along the bottom cross section of the processing tank A diffuser having a group of fine openings for blowing out the gas, provided on substantially the entire surface other than the vicinity of the wall surface, and contacting the bubbles that float while floating the bubbled gas from the processing tank bottom to the processing tank liquid surface. And a bubble discharging means for separating and discharging the adhered separation target object from the processing liquid.
[0015]
Further, as an invention for achieving the above object, as described in claim 2, "particularly, a processing liquid containing a heavy metal substance to be separated in the form of suspended particles, colloid particles, molecules, ions, etc. is contained. Processing tank, a surfactant addition means for adding a surfactant into the processing tank, a gas supply means for supplying gas by pressurizing the bottom of the processing tank, and along the processing tank bottom cross section A diffuser having a group of minute openings for blowing the gas; a replenisher supplying means for supplying a new replenisher for a processing liquid which rises along with bubbles generated by the diffuser; A floating separation device, comprising: a bubble discharge means for separating and discharging the separation object, which has been brought into contact with the bubbles floating from the tank bottom to the processing tank liquid surface, from the processing liquid. You.
[0016]
At this time, as in the invention according to claim 3, "the air diffuser is configured such that the bubble generating portion of the cross section of the bottom of the processing tank is divided into small blocks, and the gas is supplied to each of the small blocks. The floating separation device according to claim 2, which is a means for distributing and supplying from the gas supply means.
[0017]
Then, as in the invention according to claim 4, the "floating separation apparatus according to any one of claims 1 to 3 provided with a gas dissolving means for dissolving gas under pressure in the treatment liquid". Is preferred.
[0018]
Further, as an invention for achieving the above object, as described in claim 5, "contains a processing solution containing a separation object composed of a heavy metal substance in the form of suspended particles, colloid particles, molecules, ions, etc." A unitized processing tank, processing liquid supply means for continuously supplying the processing liquid from one end to the other side of the processing tank, and a surfactant for adding a surfactant to the processing liquid. Agent adding means, aeration means for blowing out fine bubbles from the bottom of the processing tank, and separating the object to be separated from the processing liquid, which is brought into contact with the bubbles floating from the bottom of the processing tank to the liquid surface of the processing tank. And a bubble discharging unit for continuously discharging and separating the object to be separated from the processing liquid continuously supplied to the processing tank.
[0019]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Hereinafter, embodiments of the present invention will be described based on examples in the drawings, but the present invention is not limited to these examples as long as the gist is satisfied.
[0020]
FIGS. 1 and 2 are longitudinal sectional views respectively showing the main parts of two embodiments of the batch type floating separation apparatus of the present invention. Note that, in these drawings, components having substantially the same functions are denoted by the same reference numerals with respect to the embodiments.
[0021]
In the present invention, the separation target contained in the treatment liquid is particularly preferably a metal substance contained in the form of suspended particles, colloid particles, molecules, ions, or the like. Specifically, for example, heavy metal-containing wastewater (for example, iron 1219 wtppm, cadmium 38 wtppm, copper 40 wtppm, aluminum 122 wtppm, calcium 714 wtppm, potassium 7 wtppm, antimony 8.2 wtppm ) Is preferably processed.
[0022]
1 and 2, 1 denotes a processing tank, 2 denotes a diffuser, 3 denotes a bubble discharging unit, 4 denotes a surfactant addition unit, 5 denotes a gas supply unit, and 6 denotes a replenisher supply unit. A indicates a processing liquid, and B indicates a bubble. In the floating separation apparatus of the present invention configured as described above, the first embodiment illustrated in FIG. 1 will be described in detail.
[0023]
First, the treatment tank 1 has a conical bottom and a cylindrical body, and has a diffuser 2 connected to a gas supply 5 at a lower portion thereof, and an air bubble at an upper portion thereof. The discharging means 3 and the surfactant adding means 4 are provided as shown. The processing tank 1 is filled with a processing liquid A containing a heavy metal as an object to be separated, particularly in the form of suspended particles, colloid particles, molecules, ions, and the like.
[0024]
Here, the diffusing means 2 has means such as a diffusing tube or a diffusing plate for blowing out the gas supplied from the gas supplying means 5, and the diffusing means 2 has a large number of minute openings having minute openings. A hole (not shown) is provided. Therefore, the pressurized gas supplied from the gas supply means 5 is blown out from the micropores into the processing liquid A filled in the processing tank 1 to be bubbled.
[0025]
At this time, the group of micro openings provided in the dispersing means may be processed to form a group of micro holes, or may be formed by sintering short metal fibers without performing such processing. An existing filtration medium in which minute openings such as a porous sintered metal filter or a wire mesh filter are formed may be used. In this manner, the gas discharged into the processing liquid A from the group of minute openings provided in the air diffuser 2 becomes fine bubbles B in the processing liquid A. However, air, nitrogen gas, water vapor, or the like can be used as a gas used to form such fine bubbles B, but the use of air is preferable in order to suppress operating costs. Further, a gas for forming bubbles in the processing liquid A is once dissolved in a pressurized chamber separate from the processing tank 1, and the processing liquid A in which the gas is dissolved under pressure is placed under reduced pressure. Fine bubbles B can also be generated by supplying the gas into the processing tank 1.
[0026]
In this way, the bubbles B generated in the processing tank 1 start rising due to their buoyancy. Then, the bubble B rising in this way comes into contact with the separation target, particularly made of heavy metal, contained in the processing liquid A, and the separation target adheres to the bubble B, and as the bubble B rises, the processing tank 1 Rises to the surface of the liquid. Then, the bubbles B that have floated with the separation target adhered thereto are discharged from the bubble discharge means 3, whereby the separation target such as heavy metals is removed from the processing liquid A.
[0027]
At this time, the air diffusing means 2 for dispersing the air bubbles B in the processing tank 1 and diffusing the air is to blow out pressurized air in a bubble shape from a group of minute openings provided on substantially the entire surface, or to pressurize in advance. Means for blowing air into the processing tank 1 after generating air bubbles may be employed. Further, a gas for forming bubbles in the processing liquid A is once dissolved in a pressurized chamber separate from the processing tank 1, and the processing liquid A dissolved under this pressure is placed under reduced pressure. Fine bubbles B can also be generated by supplying the gas into the processing tank 1.
[0028]
As described above, in the floating separation apparatus using the bubble B, it is one important factor to efficiently attach the separation target including the suspended particles, colloid particles, molecules, ions, and the like to the surface of the bubble B. Therefore, in order to achieve such an object, in the present invention, the surfactant is added to the treatment liquid A by the surfactant addition means 4 and is uniformly dispersed in the treatment liquid A. This is because the collection of the metal substance by the surfactant mainly involves an electrostatic interaction between the charge of the metal present in the processing solution A and the surfactant having the opposite charge to the hydrophilic group. This makes it possible to consider that the separation target is converted into a hydrophobic compound to be adsorbed at the gas-liquid interface of bubbles.
[0029]
Therefore, in the case of a separation target having a positive charge such as iron precipitate, if a surfactant having a negative charge in a hydrophilic group such as sodium oleate is used, the separation target can be a hydrophobic compound, thereby increasing the efficiency. Can collect well. Since antimony dissolved in an aqueous hydrochloric acid solution forms a chloro complex of antimony, since this chloro complex has a negative charge, for example, a surfactant having a positive charge on a hydrophilic group such as cyclohexylpyridinium chloride is used. And can be collected efficiently.
[0030]
The surfactant used in this manner is an organic compound having both a hydrophilic group and a hydrophobic group in one molecular chain. Depending on the target metal component, the surfactant used may be one suitable for the purpose. Needless to say, it is preferable to select and use them appropriately. In addition, such a surfactant is used in consideration of various factors such as the type of the metal to be separated, the concentration of the metal in the solution, and a necessary removal rate, and the optimum surfactant concentration, the amount of the added surfactant, and the ventilation. It is natural that the flow rate, the processing time, and the like should be selected, and these may be appropriately set according to the analysis results of the properties and properties of the separation target contained in the processing liquid A.
[0031]
As described above, it is very important to add a surfactant using the surfactant adding means 4 to efficiently attach and collect the separation target contained in the treatment liquid A to the bubbles B. Although it is a significant factor, it is also very important to increase the probability that the separation target encounters the bubbles B in the processing liquid A. Therefore, it is necessary to generate a large amount of the bubbles B and to cause the generated bubbles B to stay in the treatment liquid A for a long time.
[0032]
In order to achieve the above-mentioned object, in the present invention, an air diffusing means 2 having a group of fine openings for blowing out gas is provided along the bottom cross section of the processing tank 1 to form bubbles. However, unlike the conventional air diffusing means, the air diffusing means 2 is provided on substantially the entire bottom cross section of the processing tank 1 except for the vicinity of the wall surface of the processing tank 1. Then, the bubbles B blown out from the air diffuser 2 are blown out from substantially the entire surface of the central portion of the processing tank 1 except for the vicinity of the wall portion, and the bubbles B blown out in this manner are treated. Even if the liquid A accompanies, the upward flow occupies most of the region in the processing tank 1 where the bubbles B are rising, and the local convection, which is difficult to control because substantially no downward flow occurs in this region, is generated. Does not occur.
[0033]
However, when an entrained upward flow that rises with the bubbles B occurs, the processing liquid A flows from the surroundings into the portion where the upward flow has occurred. However, such a flow of the processing liquid A is treated in the present invention. It is performed from the wall side of the tank 1. However, since no microbubbles B are generated on the wall portion of the processing tank 1, there is little contact with the bubbles B, and the object to be separated is not collected much by the bubbles B. It is supplied from the wall surface side of the bottom portion to the central portion where bubbles B are generated, as a replenisher for the ascending flow. When the upward flow accompanies the microbubbles B, the separation target contained therein is captured by the bubbles B. Therefore, in the present example, most of the separation object narrowed to the bubble B can continue to rise due to the buoyancy of the bubble B and float on the liquid surface, so that the flotation efficiency is improved.
[0034]
On the other hand, in the conventional apparatus illustrated in FIG. 4 (schematic apparatus configuration diagram), since the air diffuser 2 is locally dispersed in the bottom cross section of the processing tank 1, an arrow in the figure is used. As a result, the processing liquid flows as shown in FIG. 1 and local convection is inevitably generated. Then, even if the bubble B in the processing liquid A is reduced in size to increase the residence time, the smaller the size of the bubble B, the smaller the buoyancy of the bubble B becomes. The above-mentioned local convection causes the processing liquid A to repeatedly rise and fall in the processing liquid A, causing a situation in which the separation target captured by the bubbles B cannot be floated to the liquid level, and flotation occurs. This leads to a decrease in efficiency.
[0035]
Here, the size of the bubble B that can be preferably used in the present invention is reduced in order to reduce the buoyancy of the bubble B, thereby increasing the residence time of the bubble B in the treatment liquid A. Preferably, such a preferable bubble diameter is about 0.05 to 3 mm, and more preferably about 0.1 to 1 mm.
[0036]
The microbubbles B generated as described above come into contact with the separation target consisting of suspended particles, colloid particles, molecules, ions, and the like with sufficient residence time in the treatment tank, and adhere these to the separation target. The buoyancy causes the liquid to rise to the liquid level in the processing tank. The bubbles are collected by a well-known method such as overflow, scraping, or vacuum suction by the bubble discharging means 3, and the collected bubbles are used to process a separation target such as a metal component contained in the processing liquid from the collected bubbles. Separate from liquid A and discharge.
[0037]
Next, a second embodiment of the present invention will be described in detail with reference to FIG. The second embodiment illustrated in FIG. 2 differs from the second embodiment illustrated in FIG. 1 in the following points. That is, in the second embodiment, the configuration of the device provided below the processing tank 1 is different from that of the first embodiment. That is, in the second embodiment of the present invention, "the processing liquid A is replenished after the processing liquid A which rises along with the bubbles B generated by the air diffusing means 2". For this purpose, a major feature is to provide a replenisher supply means for supplying a new replenisher.
[0038]
Therefore, in the first embodiment, the processing liquid A already filled in the processing tank 1 is supplied from the wall surface side of the processing tank 1, whereas in the second embodiment, a new replenisher is supplied to the processing tank 1. 1 is greatly different in that a replenisher supply means for supplying from the bottom of the liquid supply device is provided. It is preferable that the processing liquid overflowing from the upper surface of the processing tank 1 by the supply of the replenishing liquid to the processing tank 1 be collected by the overflow liquid collecting means 11 and circulated and used again as the replenishing liquid.
[0039]
That is, in the example of FIG. 2, the processing liquid A also rises with the bubbles B. At this time, the replenishment liquid is supplied to the processing tank 1 from outside the processing tank 1 by the replenishing liquid supply means. 1 is supplied from below. Then, since the processing liquid A originally filled in the processing tank 1 is not supplied to the processing liquid A which rises accompanyingly, the processing liquid A flows downward in order to supply the accompanying rising flow. As a result, it is not supplied after the upflow. That is, in the second embodiment of the present invention, the generation of the downflow does not substantially occur, and therefore, there is no possibility that the processing liquid A convection occurs in the processing tank 1 as in the related art.
[0040]
For the reasons described above, in the second embodiment of the present invention, it is not necessary to provide the air diffuser 2 in a limited form as in the first embodiment. Therefore, in the second embodiment, the air diffusing means 2 is formed in a free form, for example, the bubble generating portion of the bottom cross section of the processing tank 1 is divided into small blocks, and the gas is supplied to each of the small blocks. Even if the mode of distributing and supplying from the supply means is adopted, local convection of the processing liquid A does not occur.
[0041]
Also, the above-mentioned replenisher is not merely a replenisher, but if a gas dissolving means for dissolving gas under pressure in the replenisher is provided, if the pressure in the processing tank 1 is reduced, the processing solution A The gas dissolved in the replenisher will be bubbled. Moreover, the size of the bubble B thus formed into a bubble has a fine shape. Further, at that time, ultrasonic waves may be applied to the inside of the processing tank 1 to promote gasification of the gas dissolved in the replenisher. Therefore, in the second embodiment of the present invention, a large number of fine bubbles B can be generated, and there is no need to worry about local convection of the processing liquid A as in the related art. Can be separated.
[0042]
Here, the floating separation device of the present invention is not limited to the batch type floating separation device described above with reference to FIGS. 1 and 2, but also continuously supplies and generates a processing liquid containing an object to be separated. It can also be used as a continuous floating separation apparatus that attaches an object to be separated to air bubbles and causes them to float, and collects them. Therefore, a continuous floating separation apparatus according to a third embodiment of the present invention will be described in detail below with reference to FIG. Note that, in FIG. 3 as well, components having substantially the same functions as those used in FIGS. 1 and 2 are denoted by the same reference numerals.
[0043]
In the third embodiment illustrated in FIG. 3, the processing liquid A containing the heavy metal substance in the form of suspended particles, colloid particles, molecules, ions, etc. is supplied from a storage tank (not shown) storing the processing liquid A. The surfactant is sent to the dispersion mixing means 7 by the processing liquid supply means 10 such as a liquid sending pump in the direction indicated by the white arrow in the figure to disperse and mix the surfactant in the processing liquid A. On the other hand, the surfactant added to the dispersion mixing means 7 by the surfactant addition means 4 is uniformly dispersed in the treatment liquid A by the dispersion mixing means 7 having a well-known stirring blade, a static mixing device (static mixer) or the like. Distributed.
[0044]
In this way, the processing liquid A to which the surfactant is dispersed is added from one end on the side of the processing tank 1 to the other through the rectifying means 8 formed of, for example, a multilayer plate or a honeycomb plate as needed. It is fed continuously to the end. The processing tank 1 is unitized, and even if the processing conditions such as the amount of the processing liquid A and the properties of the separation target change, the optimum number of these units connected in series (see FIG. 3). In the example, three units are preferably used), and the processing is preferably performed by the selected unit group.
[0045]
As described above, the air diffuser 2 is provided at the bottom of the processing tank 1 for the processing liquid A flowing in the processing tank 1, and the gas supply means 5 pressurizes and sends air to the air diffuser 2. The gas thus formed is converted into fine bubbles B in the same manner as in the batch type floating separation apparatus illustrated in FIG. 1 or FIG. Then, a separation target such as a heavy metal substance contained in the processing liquid A, which is formed in a form that is more easily attached to the bubbles B by the addition of the surfactant in the previous stage, comes into contact with the bubbles B and is trapped. With the floating of the processing liquid, the processing liquid reaches the liquid level, and is separated and collected from the liquid level by the bubble discharging means 3.
[0046]
As described above, in the continuous floating separation apparatus illustrated in FIG. 3, the processing liquid A continuously flows from one end of the processing tank 1 to the other end without stagnation, so that the bubbles B move up and down. Since substantially no convection is generated, the amount of generated bubbles B can be increased, and a desired number of unitized processing tanks 1 can be connected in series. Therefore, the contact probability between the separation target object in the processing liquid A and the bubble A can be significantly increased. In addition, in the example of FIG. 3, pressurized gas is supplied from the air diffuser 2 into the processing tank 1, but the replenisher obtained by bubbling or dissolving the gas in the liquid is used as shown in FIG. You may make it supply according to an aspect example.
[0047]
【The invention's effect】
According to the present invention, in particular, a surfactant is added to a processing solution containing an object to be separated such as a heavy metal substance in the form of suspended particles, colloid particles, molecules, ions, and the like, and the buoyancy of bubbles generated by air supply is added. By using, even if a large amount of bubbles are generated in the processing tank, there is no local convection that is not controlled in the processing tank unlike the conventional technology, and it is possible to efficiently collect and process the separation target. It becomes.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a schematic diagram illustrating a schematic device configuration of a first embodiment of the present invention.
FIG. 2 is a schematic diagram illustrating a schematic device configuration of a second embodiment of the present invention.
FIG. 3 is a schematic diagram illustrating a schematic device configuration of a third embodiment of the present invention.
FIG. 4 is a schematic diagram illustrating a schematic device configuration of an embodiment of a conventional device.
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF SYMBOLS 1 Processing tank 2 Spreading means 3 Bubble discharge means 4 Surfactant addition means 5 Gas supply means A Treatment liquid B