JP2004356956A - 映像監視システム - Google Patents

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Abstract

【課題】簡単な構成により、異常発生時の前後の高精度映像を容易に記録することができるようにした映像監視システムを提供する。
【解決手段】撮像手段120からの高精度映像情報121と、この高精度映像情報121から映像変換手段140による低精度映像情報141とを映像記録手段160に記録し、事象発生の際には、事象発生時刻の前の第一の設定時間の間そして事象発生時刻の後の第二の設定時間の間、高精度映像情報121を残すと共に、映像記録手段における記録容量を低減する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、監視対象の映像を記録する映像監視システムに関し、特に事象発生時に高精度映像の記録を実現するための技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、犯罪の発生件数が増大しているのに対して、検挙率は低下している。さらに、社会が高度化するのに伴って、多種多様な事故も発生するようになってきている。
このため、昨今は、警察や警備会社等の専門機関による監視だけではなく、市民レベルでの自主防衛も求められるようになってきている。
したがって、例えば道路,店舗,倉庫等の事故や犯罪が多く発生し得る種々の場所や、一般家庭内においても、映像監視システムが多く利用されるようになってきている。
【0003】
しかしながら、このような映像監視システムは、一般的に事故や犯罪等が発生した時点での映像が不鮮明であることから、撮像した映像があまり利用されず、あるいは活用されないことが多かった。
これに対して、高精度の映像を記録するようにした映像監視システムもあるが、長時間に亘って高精度の映像を記録すると、記録媒体の容量が膨大になるため、コストが高くなってしまう。したがって、特殊用途においては利用されているが、一般向けには実用的ではない。
【0004】
これに対して、特許文献1〜2においては、種々の映像監視システムが開示されている。
まず、特許文献1による映像監視システムにおいては、映像を常に半導体映像記録部に記録しておき、異状検出センサからの異状を表わすセンサ信号が発生したとき、センサ信号発生前後の映像を、半導体映像記録部から磁気映像記録部に送出して記録するようになっている。
これにより、事故,犯罪等の所定の事象が発生したとき、その前後の映像を磁気映像記録部に記録するので、高精度の映像であっても、磁気記録媒体の容量が少なくて済み、コストが低減され得ることになる。
【0005】
次に、特許文献2による映像監視システムにおいては、通常はテレビカメラからの映像情報を所定の低精度で符号化して画像蓄積部に記録しておき、センサが監視対象の異常を検出したときは、テレビカメラからの映像情報をより高い精度で符号化して画像蓄積部に記録するようになっている。
これにより、異常発生時には、高精度の映像を記録することができる。
【0006】
【特許文献1】
特開2000−350163号
【特許文献2】
特開平11−075176号
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した各特許文献1〜2においては、以下のような問題がある。
すなわち、特許文献1においては、常時映像を記録するために、記憶素子として半導体素子を利用した半導体映像記録部が必要であり、この半導体映像記録部が比較的高価であることから、映像監視システム全体のコストが高くなってしまう。
また、特許文献2においては、比較的低い精度の映像によりリアルタイム監視を行なうと共に、異常発生時には、高精度の映像により監視を行なうものであるが、異常発生時に高精度に切換えると、異常発生直前の映像は低精度になってしまうことから、精度切換えのタイミングが難しい。
【0008】
本発明は、上記の問題を解決すべくなされたものであり、簡単な構成により、異常発生時の前後の高精度映像を容易に記録することができるようにした映像監視システムの提供を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するため、本発明の請求項1記載の映像監視システムは、少なくとも一つの監視対象を撮像する撮像手段と、監視対象で発生した異常な事象を検出する事象検出手段と、現在時刻,前もって設定された第一および第二の設定時間に基づいて、時間情報を出力する時計手段と、撮像手段からの高精度映像情報を記録すると共に、映像変換手段からの低精度映像情報を記録する映像記録手段と、映像記録手段から読み出した高精度映像情報を低精度映像情報に変換する映像変換手段と、事象検出手段からの検出信号と時計手段からの時間情報に基づいて、映像記録手段に対する映像情報の記録を制御する書込制御手段と、を設けて、書込制御手段が、事象発生前には、映像記録手段に記録されている現在時刻から第一の設定時間を差し引いた第一の設定時刻以前の高精度映像情報を消去すると共に、事象発生後には、第一の設定時刻から事象発生時刻までの時間帯および事象発生時刻から第二の設定時間を加えた第二の設定時刻までの時間帯について低精度映像情報の映像記録手段への記録を抑止し、第二の設定時刻以後は映像記録手段に記録されている高精度映像情報を消去する構成としてある。
【0010】
映像監視システムをこのような構成とすると、映像記録手段が、撮像手段からの高精度映像情報を記録すると共に、映像変換手段からの低精度映像情報を記録する。
そして、映像記録手段は、通常は、すなわち異常な事象が発生しないときには、書込制御手段により制御されて、順次現在時刻から第一の設定時間を差し引いた時刻以前の高精度映像情報を消去する。
【0011】
これにより、映像記録手段には、現在時刻から第一の設定時間を差し引いた時刻(第一の設定時刻)以前については低精度映像情報のみが記録されており、第一の設定時刻から現在時刻までについては、高精度映像情報および低精度信号が記録されている。したがって、通常は、映像記録手段は、順次に低精度映像情報のみを記録することになるので、記録容量が少なくて済むことになる。
【0012】
ここで、異常な事象が発生すると、事象検出手段がこの異常な事象を検出するので、書込制御手段は、この事象検出手段からの検出信号に基づいて、時計手段からの現在時刻により、事象発生時刻を検出する。
そして、書込制御手段が、事象検出手段からの検出信号と時計手段からの時間情報に基づいて、映像記録手段を制御することにより、映像記録手段は、事象発生時刻から第二の設定時間を加えた時刻(第二の設定時刻)までの間、映像変換手段による低精度映像情報の記録を停止すると共に、第一の設定時刻以前の高精度映像情報の消去を停止する。
【0013】
これにより、映像記録手段には、事象発生時刻から第二の設定時刻までの間、撮像手段からの高精度映像情報のみが記録されることになる。したがって、映像記録手段には、第一の設定時刻から事象発生時刻までの間の高精度映像情報が消去されずに記録されたままであることから、事象発生時刻に関して、その前の第一の設定時間の間とその後の第二の設定時間の間、映像記録手段には高精度映像情報が記録されることになる。
【0014】
このようにして、本発明による映像監視システムによれば、事象が発生したとき、事象発生前の第一の設定時間の間そして事象発生後の第二の設定時間の間、映像記録手段に高精度映像情報が記録されることになるので、事象発生時に監視対象の鮮明な映像を見て、事象発生を正確に視認することができる。
また、現在時刻から第一の設定時間を差し引いた時刻以前の高精度映像情報は、順次に消去されることになるため、映像記録手段の記憶容量が少なくて済むので、映像監視システムのコストが低減され、あるいはより長時間の映像情報の記録が可能になる。
【0015】
請求項2記載の映像監視システムは、上記映像記録手段が、事象発生の際に、時計手段からの時間情報が表わすデータに基づいて、映像情報と関連付けて事象発生時刻,第一の設定時間および第二の設定時間を記録する構成としてある。
映像監視システムをこのような構成とすると、映像記録手段から高精度映像情報を読み出して再生する際に、事象発生時刻,第一の設定時間および第二の設定時間も読み出すことによって、異常な事象の発生時刻および高精度映像情報の記録時間を確認することができる。
【0016】
請求項3記載の映像監視システムは、上記事象検出手段が、発生した事象の種類に応じた検出信号を出力し、上記映像記録手段が、事象発生の際に、この検出信号に対応して、発生した事象の種類を記録する構成としてある。
映像監視システムをこのような構成とすると、映像記録手段から高精度映像情報を読み出して再生する際に、どのような異常な事象が発生したかを確認することができる。
【0017】
請求項4記載の映像監視システムは、事象発生時に、上記映像記録手段に記録された高精度映像情報,低精度映像情報,事象発生時刻,事象の種類を含む監視情報を送信する送信手段を備えており、この送信手段が、これらの監視情報をネットワークを介して管理部に送信する構成としてある。
【0018】
映像監視システムをこのような構成とすると、事象発生時には、送信手段がネットワークを介して管理部に対して、監視情報を送信することにより、例えば遠隔地に位置する管理部にて、異常な事象が発生したときに、監視情報により事象発生を確実に把握することができると共に、事象発生時にのみ監視情報が送信手段からネットワークを介して管理部に送信されることになり、監視情報の送信容量が少なくて済み、通信料金を低減することが可能になる。
【0019】
請求項5記載の映像監視システムは、上記管理部が、上記送信手段から送信される監視情報を受信する受信部と、受信部で受信した監視情報を管理する映像管理手段と、この監視情報に対応する料金を計算して料金情報を管理する料金管理手段と、映像管理手段により管理する監視情報および料金管理手段で管理する料金情報をネットワークを介して利用者の端末機器に送信する送信部と、を設けた構成としてある。
【0020】
映像監視システムをこのような構成とすると、管理部にて、映像管理手段により事象発生時の監視情報を管理すると共に、料金管理手段により個々の監視情報に関する料金を計算して管理することができる。
そして、これらの監視情報および料金情報を、ネットワークを介して利用者の端末機器に送信する。これにより、利用者の端末が、インターネット等のネットワークに接続できる環境にあれば、例えば携帯電話端末やネットワーク接続したパーソナルコンピュータ等を介して、いつでもどこでも監視情報および料金情報を利用者に送信することが可能である。
【0021】
請求項6記載の映像監視システムは、上記管理部の送信部が、事象発生時刻から所定時間経過後に監視情報をネットワークを介して利用者の端末機器に送信する構成としてある。
映像監視システムをこのような構成とすると、送信部により、事象発生から所定時間経過後に、自動的に監視情報が利用者の端末機器に送信されることにより、利用者はほぼリアルタイムに監視情報を受け取ることができる。
【0022】
請求項7記載の映像監視システムは、上記管理部の送信部が、利用者の端末機器からの要求に基づいて、監視情報および料金情報をネットワークを介して利用者の端末機器に送信する構成としてある。
映像監視システムをこのような構成とすると、利用者は、端末機器により映像監視システムの管理部に対して要求することにより、いつでも監視情報および料金情報を受け取ることができる。
【0023】
請求項8記載の映像監視システムは、複数の映像監視システムが、ネットワークを介して一つの管理部に接続されており、管理部の映像管理手段が、各映像監視システム毎に監視情報を管理する構成としてある。
【0024】
映像監視システムをこのような構成とすると、複数の利用者がそれぞれ希望する複数の監視対象に対して、それぞれ映像監視システムを設けることにより、各映像監視システムからの監視情報を、ネットワークを介して一つの管理部により受信することにより、例えば遠隔地に配置された管理部により、複数の監視対象に関する監視情報を一括して管理することができる。
【0025】
請求項9記載の映像監視システムは、上記管理部の送信部が、料金管理手段で管理する料金情報を、前もって利用者が登録した決済部に対してネットワークを介して送信する構成としてある。
映像監視システムをこのような構成とすると、映像監視システムの管理部にて、料金管理手段が管理する料金情報を、ネットワークを介して決済部に送信することにより、利用者の手を煩わすことなく、決済部により映像監視システムの利用料金を回収することができる。これにより、利用者は、金融機関に出向いたり、あるいは例えばネットワーク決済機関を利用して、送金手続を行なうことなく、利用料金の支払いを行なうことができると共に、映像監視システムの運営者は、決済日に確実に料金の支払いを受けることができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
本発明の映像監視システムの一実施形態について、図1〜図6を参照して説明する。
図1は、本実施形態の映像監視システムの構成を示すブロック図である。
【0027】
図1に示すように、映像監視システム10は、少なくとも一つの監視システム100,・・・,10mと、利用者200が使用する携帯電話端末210およびインターネット接続端末220と、管理部としての管理システム300と、決済部としての決済システム400と、ネットワーク500と、を設けてある。
なお、図1においては、監視システム100,・・・,10mは、(m+1)個が図示されているが、(m+1)個に限定されるものではなく、少なくとも一つあればよい。
また、図1においては、利用者200の携帯電話端末210,インターネット接続端末220,決済システム400は、それぞれ一つだけ図示されているが、一つに限定されるものではない。
【0028】
ネットワーク500は、例えばインターネット,携帯電話を含む一般公衆回線網あるいは専用回線網等のネットワークであって、監視システム100〜10mと携帯電話端末210,インターネット接続端末220,管理システム300,決済システム400とを相互に接続して、インターネット接続サービスを提供するものである。
【0029】
上記監視システム100〜10mは、それぞれ監視対象600〜60mを監視するようになっており、互いに同じ構成であるので、監視システム100について、図2を参照して構成を説明する。
図2において、監視システム100は、事象検出手段110と、撮像手段としてのビデオカメラ120と、時計手段130と、映像変換手段140と、書込制御手段150と、映像記録手段160と、送信手段170と、を設けてある。
【0030】
上記事象検出手段110は、監視対象600で発生した異常な事象を検出して、事象の内容を含む検出信号111を時計手段130,書込制御手段150および映像記録手段160に対して出力するようになっている。
この場合、検出信号111は、時計手段130に対しては、事象を検出したことを示す信号として出力されることになる。
上記ビデオカメラ120は、映像撮影用のカメラであって、監視対象600を連続的に撮影して、動画としての高精度映像情報121を映像記録手段160に対して出力するようになっている。
【0031】
上記時計手段130は、現在日時(時刻)を表示すると共に、所定の時間を計測する機能を有しており、さらに事象発生の際の第一の設定時間および第二の設定時間を記憶していて、事象が発生したことと事象発生時刻,第一の設定時間および第二の設定時間を含む時間情報131を書込制御手段150および映像記録手段160に対して出力するようになっている。
ここで、第一の設定時間は、事象発生前の高精度映像情報を記録するための時間であり、第二の設定時間は、事象発生後の高精度映像情報を記録するための時間である。
この場合、時間情報131は、書込制御手段150に対しては、第二の設定時間が経過したときに映像記録手段160への高精度映像情報の書込を制御する等のための制御信号として、また映像記録手段160に対しては、事象発生時刻,第一の設定時間および第二の設定時間として、それぞれ出力される。
【0032】
上記映像変換手段140は、映像記録手段160に記録された高精度映像情報121を読み出して、低精度映像情報141に変換して、再び映像記録手段160に出力するようになっている。
【0033】
上記書込制御手段150は、事象検出手段110からの検出信号111と時計手段130からの時間情報131に基づいて、映像記録手段160に対する(事象の種類等のデータとしての)検出信号111,高精度映像情報121,時間情報131および低精度映像情報141の記録を制御する制御信号151を映像記録手段160に対して出力するようになっている。
【0034】
上記映像記録手段160は、書込制御手段150からの制御信号により、ビデオカメラ120からの高精度映像情報121と映像変換手段140からの低精度映像情報141を記録すると共に、事象検出手段110からの検出信号111に基づいて事象の内容を記録し、時計手段130からの時間情報131に基づいて事象発生時刻,第一の設定時間および第二の設定時間を記録する。
さらに、映像記録手段160は、高精度映像情報121を映像変換手段140に送信し、また上述した事象の内容,第一および第二の設定時間と高精度映像情報121および低精度映像情報141の各情報(監視情報)161を送信手段170に送出する。
【0035】
上記送信手段170は、映像記録手段160から送られてくる監視情報161をネットワーク500を介して管理システム300に送信するようになっている。
【0036】
上記利用者200は、映像監視システム10を利用して、監視対象600に関する監視情報を得ようとするものである。
上記携帯電話端末210は、携帯電話機,PHSおよびPDAを含む携帯端末機器であり、ネットワーク500を介して管理システム300に監視情報161および料金情報331(後述)の送信を要求すると共に、ネットワーク500を介して管理システム300に接続することにより、管理システム300から監視情報161および料金情報331を受信するようになっている。
上記インターネット接続端末220は、例えばパーソナルコンピュータ等の端末装置であって、ネットワーク500を介してインターネット接続することにより、管理システム300に監視情報161および料金情報331(後述)の送信を要求すると共に、管理システム300から監視情報161および料金情報331を受信するようになっている。
【0037】
上記管理システム300は、適宜の箇所に設けられた情報管理装置としてのサーバから構成されており、図2に示すように、受信部および送信部としての送受信手段310と、映像管理手段320と、料金管理手段330と、を有している。
【0038】
上記送受信手段310は、各監視システム100〜10mからネットワーク500を介して送信されてくる事象発生時の監視情報161を受信して、映像管理手段320に送出する。
また、上記送受信手段310は、映像管理手段320で管理されている事象発生時の監視情報161を、事象発生時刻から所定時間経過後に、ネットワーク500を介して利用者200の携帯電話端末210やインターネット接続端末220に対して送信すると共に、携帯電話端末210やインターネット接続端末220からの要求に基づいて、映像管理手段320で管理されている事象発生時の監視情報161と、料金管理手段330で管理されている料金情報331を、ネットワーク500を介して利用者200の携帯電話端末210やインターネット接続端末220に対して送信するようになっている。
【0039】
上記映像管理手段320は、各監視システム100〜10mからネットワーク500を介して送られてくる事象発生時の監視情報161を受け取って、これらの監視情報161を図示しない記憶手段に例えばデータベースとして登録することにより、利用者200毎に管理すると共に、送受信手段310からの指令に基づいて、管理している各利用者200毎の監視情報161を送受信手段310に送出するようになっている。
【0040】
上記料金管理手段330は、映像管理手段320が管理している各利用者200毎の監視情報161に基づいて、各利用者200毎に利用料金を計算して、料金情報331を作成し、この料金情報331を図示しない記憶手段に例えばデータベースとして登録することにより、各利用者200毎に管理すると共に、送受信手段310からの指令に基づいて、管理している各利用者200毎の料金情報331を送受信手段310に送出するようになっている。
【0041】
上記決済システム400は、例えば金融機関,クレジット会社等の決済機関であって、前もって利用者200が登録することにより、当該映像監視システム10における利用者200の利用料金を決済することができるようになっている。
【0042】
ここで、図3は、監視システム100の映像記録手段160の記録内容を示しており、図示の場合、記録内容としてn個のワードW1〜Wnを含んでいる。
例えばワードW1は、時刻te1に事象ev1が発生し、これを受けて第一の設定時刻(te1−pf1(第一の設定時間))から第二の設定時刻(te1+ps1(第二の設定時間))の間だけ、高精度映像情報121(HD1)を記録すると共に、第一の設定時刻(te1−pf1)以前には、低精度映像情報141(LD1−1)を記録し、第二の設定時刻(te1+ps1)以後には、低精度映像情報141(LD1−2)を記録したことを示している。
同様にして、ワードW2〜Wnは、それぞれ時刻te2〜tenに事象ev2〜evnが発生し、これを受けてそれぞれ第一の設定時刻(te2−pf2),・・・,(ten−pfn)から第二の設定時刻(te2+ps2),・・・,(ten+psn)の間だけ高精度映像情報121(HD2〜HDn)を記録すると共に、第一の設定時刻(te2−pf2),・・・,(ten−pfn)以前には、低精度映像情報141(LD2−1,・・・,LDn−1)を記録し、第二の設定時刻(te2+ps2),・・・,(ten+psn)以後には、低精度映像情報141(LD2−2,・・・,LDn−2)を記録したことを示している。
【0043】
次に、本実施形態の映像監視システム10による詳細な動作について、図4〜図6を参照して説明する。
まず映像監視システム10における監視対象の映像情報の記録について、図4を参照して説明する。
映像監視システム10が起動されると、書込制御手段150の指示により、ビデオカメラ120で撮像された監視対象600〜60mの高精度映像情報121が映像記録手段160に記録される。
そして、この高精度映像情報121が映像変換手段140により低精度映像情報141に変換され、同様に映像記録手段160に記録される。例えば図4において、時刻t0〜t2の間、映像記録手段160の高精度映像エリアには、高精度映像情報H1,H2が記録され、続いてこれらの高精度映像情報H1,H2から映像変換手段140により変換された低精度映像情報L1,L2が、映像記録手段160の低精度映像エリアに記録される。
【0044】
ここで、事象検出手段110により所定の事象が検出されると、その検出信号111が時計手段130,書込制御手段150および映像記録手段160に出力され、そのときの時計手段130の出力である事象発生時刻tenと、第一の設定時間pfn,第二の設定時間psnが映像記録手段160に記録される。
【0045】
次に、事象検出手段110から出力される事象内容evnが映像記録手段160に記録される。
続いて、書込制御手段150からの指示により、ビデオカメラ120で撮像された監視対象の高精度映像情報121が映像記録手段160に記録される。
このとき、映像変換手段140で変換された低精度映像情報141の映像記録手段160への記録は、書込制御手段150の指示により抑止される。
さらに、映像記録手段160内に記録されている事象発生時刻tenから第一の設定時間pfnを差し引いた第一の設定時刻(ten−pfn)以前の高精度映像情報121が消去される。
【0046】
具体的には、図4において、時刻t2〜t4の間に、映像記録手段160の高精度映像エリアには、高精度映像情報H3,H4が記録されると共に、これらの高精度映像情報H3,H4は、映像変換手段140により低精度映像情報L3,L4に変換されるが、書込制御手段150の指示により、映像記録手段160への記録が抑止される。
また、映像記録手段160の高精度映像エリアに記録されている高精度映像情報H1,H2が消去される。これにより、低精度映像情報L1,L2が映像記録手段160の低精度映像エリア内に残ることになる。
【0047】
そして、上記事象発生時刻tenから第二の設定時間psnを加えた第二の設定時刻(ten+psn)までの間は、書込制御手段150の指示により、ビデオカメラ120で撮像された監視対象の高精度映像情報121が映像記録手段160に記録される。その際、映像変換手段140で変換された低精度映像情報141の映像記録手段160への記録は、書込制御手段150の指示により抑止される。
【0048】
具体的には、図4において、時刻t4〜t5の間に、映像記録手段160の高精度映像エリアには、高精度映像情報H5が記録されると共に、この高精度映像情報H5は、映像変換手段140により低精度映像情報に変換されるが、書込制御手段150の指示により、映像記録手段160への記録が抑止される。
これにより、映像記録手段160には、時刻t2〜t5の間は、低精度映像情報が残されず、高精度映像情報H3〜H5のみが記録されている。
【0049】
その後、上記事象発生時刻tenから第二の設定時間psnが経過した第二の設定時刻(ten+psn)以後は、書込制御手段150の指示により、ビデオカメラ120で撮像された監視対象の高精度映像情報121が映像記録手段160に記録される。
そして、この高精度映像情報121は、映像変換手段140により低精度映像情報141に変換され、映像記録手段160に記録される。
さらに、書込制御手段150の指示により、映像記録手段160内に記録されている第二の設定時刻(ten+psn)以降の高精度映像情報121は消去される。
【0050】
具体的には、図4において、時刻t5以降には、映像記録手段160の高精度映像エリアには、高精度映像情報H6〜H9が記録されると共に、この高精度映像情報H6〜H9は、映像変換手段140により低精度映像情報L6〜L9に変換され、映像記録手段160の低精度映像エリアに記録される。そして、書込制御手段150の指示により、映像記録手段160の高精度映像エリアに記録されている高精度映像情報H6〜H9は消去される。
これにより、映像記録手段160には、時刻t5以降は、高精度映像情報が残されず、低精度映像情報L6〜L9のみが記録されている。
【0051】
このようにして、映像記録手段160には、時刻t0〜t2の間は低精度映像情報L1,L2(LDn−1)が記録され、時刻t2〜t5の間は高精度映像情報H3〜H5(HDn)が記録され、時刻t5以降は低精度映像情報L6〜L9(LDn−2)が記録されるので、事象発生時刻tenに対して、その前の第一の設定時間pfnとその後の第二の設定時間psnの間の時間帯のみ、高精度映像情報が記録されることになる。
【0052】
具体的には、事象が発生しない場合には、図5に示すように、現在時刻tnに対して、第一の設定時間pfnを差し引いた第一の設定時刻t1(tn−pfn)以前は、高精度映像情報は消去されるので、低精度映像情報141のみが記録され、上記時刻t1(tn−pfn)から現在時刻tnまでの間は、高精度映像情報121が記録される。
【0053】
これに対して、例えば前述したワードW2に関して、事象ev2が発生した場合には、図6に示すように、時刻t0〜t1の間は低精度映像情報LD2−1が記録され、時刻t1〜t3の間は高精度映像情報HD2が記録され、時刻t3以降は低精度映像情報LD2−2が記録されるので、事象発生時刻t2(ten)に対して、その前の第一の設定時間pf2とその後の第二の設定時間ps2の間の時間帯のみ、高精度映像情報が記録されることになる。
このようにして、事象発生の際の映像記録手段160に対する映像情報の記録が行なわれることになる。
【0054】
次に、映像監視システム10における事象発生の際の管理システム300における処理について説明する。
上述した事象発生時刻tenから所定時間の経過後に、監視システム100は、送信手段170により、映像記録手段160に記録されている監視情報161、すなわち事象発生時刻ten,事象の内容evn,第一の設定時間pfn,第二の設定時間psnおよび映像情報を、ネットワーク500を介して管理システム300に送信する。
【0055】
これにより、管理システム300は、この監視情報161を送受信手段310により受信して、映像管理手段320に送出する。そして、映像管理手段320は、この監視情報161を例えば図示しない記憶手段にデータベースとして登録することにより、監視情報161を利用者200毎に管理すると共に、送受信手段310に送出する。
さらに、料金管理手段330は、この監視情報161を映像管理手段320から受け取って、この監視情報161に基づいて、その内容にしたがって利用料金を計算して、料金情報331を作成し、例えば図示しない記憶手段にデータベースとして登録することにより、料金情報331を利用者200毎に管理すると共に、送受信手段310に送出する。
これを受けて、管理システム300の送受信手段310は、映像管理手段320からの監視情報161と料金管理手段330からの料金情報331を、前もって登録してある利用者200の携帯電話端末210またはインターネット接続端末220に対して、ネットワーク500を介して例えば電子メールとして送信する。
【0056】
次に、利用者による事象発生確認要求があった場合の処理について説明する。
利用者200の携帯電話端末210またはインターネット接続端末220から、事象発生確認の要求201がネットワーク500を介して管理システム300に送られてくると、管理システム300の送受信手段310がこの要求201を受信して、この利用者200に関する監視情報161を映像管理手段320から読み出す。そして、管理システム300の送受信手段310は、この監視情報161を、ネットワーク500を介して、当該利用者200の携帯電話端末210またはインターネット接続端末220に対して送信する。
これにより、利用者200は、いつでも事象発生の有無を確認することができる。
【0057】
また、利用者による料金確認要求があった場合の処理について説明する。
利用者200の携帯電話端末210またはインターネット接続端末220から、料金確認の要求202がネットワーク500を介して管理システム300に送られてくると、管理システム300の送受信手段310がこの要求202を受信して、この利用者200に関する料金情報331を料金管理手段330から読み出す。そして、管理システム300の送受信手段310は、この料金情報331を、ネットワーク500を介して、当該利用者200の携帯電話端末210またはインターネット接続端末220に対して送信する。
これにより、利用者200は、いつでも利用料金を確認することができる。
【0058】
さらに、上記管理システム300は、その料金管理手段330で管理されている料金情報331を、料金発生の都度、あるいは定期的、例えば毎月精算して、決済システム400に転送することにより、利用者200毎の利用料金を決済する。
【0059】
上述した実施形態においては、事象発生時または利用者200から事象発生確認の要求201があった場合には、管理システム300から監視情報161が利用者200の携帯電話端末210またはインターネット接続端末220に対して送信されるようになっているが、比較的記憶容量の小さい携帯電話端末210に対しては、容量の大きい映像情報を除いて、他の事象発生時刻,事象内容等のみを送信するようにしてもよい。これにより、利用者200は、携帯電話端末210であっても、迅速に事象が発生したことを確認することができる。
【0060】
また、上述した実施形態においては、利用者200の利用料金の決済は、決済システム400により行なうようになっているが、これに限らず、映像監視システム10から直接に利用者200に対して料金請求を行なうようにしてもよい。
【0061】
さらに、上述した実施形態においては、各監視システム100〜10mは、それぞれ一つの監視対象600〜60mをビデオカメラ120により撮像して監視するようになっているが、これに限らず、各監視システム100〜10mがそれぞれ複数の監視対象を監視するようにしてもよい。
【0062】
また、上述した実施形態においては、映像監視システム10は、(m+1)個の監視システム100〜10mを備えているが、これに限らず、少なくとも1個の監視システムを備えていればよい。
【0063】
さらに、上述した実施形態においては、唯一つのネットワーク500を設けてあるが、これに限らず、各監視システム100〜10mと管理システム300との間を構内LAN等のネットワークにより接続するようにしてもよい。
【0064】
また、上述した実施形態においては、利用者200は、その携帯電話端末210またはインターネット接続端末220にて、管理システム300から監視情報161を受信するようになっているが、これに限らず、各監視システム100〜10mから監視情報161を受信するようにしてもよい。
【0065】
さらに、上述した実施形態においては、第一の設定時間pfおよび第二の設定時間psは、事象ev毎に設定されているが、これに限らず、所定時間に固定されていてもよく、また任意に変更可能であってもよい。
【0066】
また、上述した実施形態においては、監視情報161として、事象発生時刻と第一および第二の設定時間が映像記録手段160に記録されるようになっているが、これに限らず、高精度映像情報の記録開始時刻および記録終了時刻が記録されるようにしてもよい。
【0067】
さらに、上述した実施形態においては、高精度映像情報121は、第一の設定時間が経過後に消去されるようになっているが、これに限らず、消去せずに、必要な時点で、すなわち映像記録手段160の高精度映像エリアに空き領域がなくなったときに、より古い高精度映像情報に対して上書きするようにしてもよい。
【0068】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、事象が発生したとき、事象発生前の第一の設定時間の間そして事象発生後の第二の設定時間の間、映像記録手段に高精度映像情報が記録されることになるので、事象発生時に監視対象の鮮明な映像を見て、事象発生を正確に視認することができる。
また、現在時刻から第一の設定時間を差し引いた第一の設定時刻以前の高精度映像情報は、順次に消去されることになるため、映像記録手段の記憶容量が少なくて済むので、映像監視システムのコストが低減され、あるいはより長時間の映像情報の記録が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の映像監視システムの構成を示すブロック図である。
【図2】図1の映像監視システムにおける監視システムおよび管理システムの構成を示すブロック図である。
【図3】図1の映像監視システムにおける映像記録手段の記録内容を図式的に示す図である。
【図4】図1の映像監視システムにおける事象が発生したときの映像記録手段内の映像情報の状態を示すタイムチャートである。
【図5】図1の映像監視システムにおける事象が発生しないときの映像記録のタイムチャートである。
【図6】図1の映像監視システムにおける事象が発生したときの映像記録のタイムチャートである。
【符号の説明】
10 映像監視システム
100〜10m 監視システム
110 事象検出手段
120 ビデオカメラ(撮像手段)
121 高精度映像情報
130 時計手段
140 映像変換手段
141 低精度映像情報
150 書込制御手段
160 映像記録手段
161 監視情報
170 送信手段
200 利用者
201 事象発生確認要求
202 料金確認要求
210 携帯電話端末
220 インターネット接続端末
300 管理システム(管理部)
310 送受信手段(送信部,受信部)
320 映像管理手段
330 料金管理手段
331 料金情報
400 決済システム(決済部)
500 ネットワーク
600〜60m 監視対象

Claims (9)

  1. 少なくとも一つの監視対象を撮像する撮像手段と、
    監視対象で発生した異常な事象を検出する事象検出手段と、
    現在時刻,前もって設定された第一および第二の設定時間に基づいて、時間情報を出力する時計手段と、
    撮像手段からの高精度映像情報を記録すると共に、映像変換手段からの低精度映像情報を記録する映像記録手段と、
    映像記録手段から読み出した高精度映像情報を低精度映像情報に変換する映像変換手段と、
    事象検出手段からの検出信号と時計手段からの時間情報に基づいて、映像記録手段に対する映像情報の記録を制御する書込制御手段と、
    を設けて、
    書込制御手段が、事象発生前には、映像記録手段に記録されている現在時刻から第一の設定時間を差し引いた第一の設定時刻以前の高精度映像情報を消去すると共に、事象発生後には、第一の設定時刻から事象発生時刻までの時間帯および事象発生時刻から第二の設定時間を加えた第二の設定時刻までの時間帯について低精度映像情報の映像記録手段への記録を抑止し、第二の設定時刻以後は映像記録手段に記録されている高精度映像情報を消去する
    ことを特徴とする映像監視システム。
  2. 上記映像記録手段が、事象発生の際に、時計手段からの時間情報が表わすデータに基づいて、映像情報と関連付けて事象発生時刻,第一の設定時間および第二の設定時間を記録することを特徴とする請求項1に記載の映像監視システム。
  3. 上記事象検出手段が、発生した事象の種類に応じた検出信号を出力し、上記映像記録手段が、事象発生の際に、この検出信号に対応して、発生した事象の種類を記録することを特徴とする請求項1または2に記載の映像監視システム。
  4. 事象発生時に、上記映像記録手段に記録された高精度映像情報,低精度映像情報,事象発生時刻,事象の種類を含む監視情報を送信する送信手段を備えており、
    この送信手段が、これらの監視情報をネットワークを介して管理部に送信することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の映像監視システム。
  5. 上記管理部が、上記送信手段から送信される監視情報を受信する受信部と、受信部で受信した監視情報を管理する映像管理手段と、この監視情報に対応する料金を計算して料金情報を管理する料金管理手段と、映像管理手段により管理する監視情報および料金管理手段で管理する料金情報をネットワークを介して利用者の端末機器に送信する送信部と、を設けたことを特徴とする請求項4に記載の映像監視システム。
  6. 上記管理部の送信部が、事象発生時刻から所定時間経過後に監視情報をネットワークを介して利用者の端末機器に送信することを特徴とする請求項5に記載の映像監視システム。
  7. 上記管理部の送信部が、利用者の端末機器からの要求に基づいて、監視情報および料金情報をネットワークを介して利用者の端末機器に送信することを特徴とする請求項5に記載の映像監視システム。
  8. 複数の映像監視システムが、ネットワークを介して一つの管理部に接続されており、
    管理部の映像管理手段が、各映像監視システム毎に監視情報を管理することを特徴とする請求項5〜7のいずれかに記載の映像監視システム。
  9. 上記管理部の送信部が、料金管理手段で管理する料金情報を、前もって利用者が登録した決済部に対してネットワークを介して送信することを特徴とする請求項5〜8のいずれかに記載の映像監視システム。
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