JP2004356931A - オーディオアンプ - Google Patents

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Masaya Sato
雅也 佐藤
Teruhisa Inoue
照久 井上
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Abstract

【課題】電力増幅部の設置場所の自由度を確保することができ、また、自動車等の車内などの放熱が困難な環境においても好適に使用できるオーディオアンプを提供する。
【解決手段】負荷を直接駆動する半導体素子を含む電力増幅部を備えたオーディオアンプにおいて、前記半導体素子は、バンドギャップエネルギーの大きさが1.9eV以上、望ましくはさらにホウ素(B)、炭素(C)、窒素(N)のうち少なくとも1つの元素を含む半導体材料により構成された半導体素子を用いる。この半導体材料として、GaN系半導体、AlN系半導体、SiC系半導体、ダイヤモンド系半導体などが挙げられる。また、混晶半導体であるInGaN系半導体、AlGaN系半導体なども、本実施形態において使用される半導体材料に含まれる。また、この電力増幅部は、放熱が困難な環境において好適に使用される。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、スピーカ等の負荷を直接駆動する半導体素子を含む電力増幅部を備えたオーディオアンプに関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体素子を含む電力増幅部を備えたオーディオアンプは、スピーカ等を駆動するために広く用いられている。このようなオーディオアンプについては、半導体素子の熱暴走を防止するため、様々な対策がなされている。
【0003】
例えば、電力増幅部を構成する半導体パワー素子の発熱が筐体内の他の回路や機構部品などに与える影響を小さくするために放熱構造に改良を施したもの(特許文献1参照)、電力増幅器の入力をレベル検出器で検出し、冷却用ファンモータを低速/高速で動作させて電力増幅器の冷却を図るもの(特許文献2参照)、プリアンプ入力に接続されたスピーカ音量調節用可変抵抗器に連動してパワー出力部の電源電圧を調整するもの(特許文献3参照)、パワーアンプの出力段トランジスタの温度が所定温度以上の場合にまずパワーアンプへの電源供給を停止し、所定時間経過しても温度が低下しない場合にはパワーアンプ以外の箇所への電源供給も停止するもの(特許文献4参照)などがある。
【0004】
【特許文献1】実開平5−72189号公報
【特許文献2】特開平6−58615号公報
【特許文献3】特開平11−112256号公報
【特許文献4】特開2002−247680号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前述の各特許文献に示された技術は、いずれも電力増幅部を構成する半導体素子の材料としてシリコン(Si)系半導体材料を用いている。このSi系半導体材料による半導体素子の接合部温度は一般的には125℃、高いものでも150〜200℃であり、動作環境温度が高い場合には半導体素子の放熱が不可欠であるため、半導体素子の放熱効率を向上させることが困難であった。
【0006】
そこで、本発明では、設置場所の自由度を確保することができ、また、放熱が困難な設置環境においても好適に使用できるオーディオアンプを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、負荷を直接駆動する半導体素子を含む電力増幅部を備えたオーディオアンプにおいて、前記負荷を直接駆動する半導体素子は、バンドギャップエネルギーの大きさが1.9eV以上の半導体材料により構成されていることを特徴とする。
【0008】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記半導体材料は、ホウ素(B)、炭素(C)、窒素(N)のうち少なくとも1つの元素を含むことを特徴とする。
【0009】
請求項3の発明は、請求項2の発明において、前記半導体材料は、GaN系半導体、AlN系半導体、InGaN系半導体、AlGaN系半導体のうち少なくとも1種類の半導体を含むことを特徴とする。
【0010】
請求項4の発明は、請求項2の発明において、前記半導体材料は、SiC系半導体、ダイヤモンド系半導体のうち少なくとも1種類の半導体を含むことを特徴とする。
【0011】
請求項5の発明は、請求項1〜請求項4のいずれかの発明において、前記負荷を直接駆動する半導体素子は、スイッチング動作していることを特徴とする。
【0012】
請求項6の発明は、請求項1〜請求項5のいずれかの発明において、前記電力増幅部は、前記負荷に対してブリッジ接続可能となるように構成されていることを特徴とする。
【0013】
請求項7の発明は、請求項1〜請求項6のいずれかの発明において、前記電力増幅部は、車両に搭載されていることを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を、図面を用いて説明する。
【0015】
図1は、本発明の第1の実施形態であるオーディオアンプの一例を示すブロック図である。図1において、1はオーディオアンプ、2は負荷である。ここで、負荷2は、スピーカ等の音響機器である。
【0016】
オーディオアンプ1は、入力されたオーディオ信号のうち特に電圧成分を増幅する電圧増幅部11と、電圧増幅部11により増幅されたオーディオ信号を負荷2が動作するように電力増幅する電力増幅部12とを備えている。また、電力増幅部12は、負荷2を直接駆動する半導体素子を備えている。ここで、「負荷2を直接駆動する半導体素子」とは、具体的には電力増幅部12の最終段のように、その出力電力が直接負荷2の駆動に寄与するような半導体素子を意味する。
【0017】
そして、本発明の第1の実施形態であるオーディオアンプ1は、電力増幅部12に含まれるスピーカ等の負荷2を直接駆動する半導体素子を、バンドギャップエネルギーの大きさが1.9eV以上の半導体材料により構成したことに特徴がある。これらの条件を満たす半導体材料を表1に示す。
【0018】
また、この半導体材料は、ホウ素(B)、炭素(C)、窒素(N)のうち少なくとも1つの元素を含むことが望ましい。例えば、GaN系半導体、AlN系半導体、SiC系半導体、ダイヤモンド系半導体などが挙げられる。また、混晶半導体であるInGaN系半導体、AlGaN系半導体なども、バンドギャップエネルギーの大きさが1.9eV以上となるため、本実施形態において使用される半導体材料に含まれる。一方、バンドギャップエネルギーの大きさが大きい材料ほど絶縁体に近い性質を有するため、表1に記載されたBN系半導体よりバンドギャップエネルギーの大きさが大きい材料は、本実施形態において使用される半導体材料として好適とはいえなくなる。
【0019】
【表1】
Figure 2004356931
【0020】
このように、表1に示されたバンドギャップエネルギーの大きさが1.9eV以上の半導体材料により半導体素子を構成すると、従来例として示したSiやGaAsにより半導体素子を構成した場合と比較して、下記の利点を有する。また、この傾向は、半導体材料がホウ素(B)、炭素(C)、窒素(N)のうち少なくとも1つの元素を含む場合にはより顕著になると考えられる。
(1)500℃以上の高温でも動作可能となる。
(2)半導体素子を電界効果トランジスタ(FET:Field Effect Transistor)とした場合には、ドレイン(D)−ソース(S)間の導通時抵抗(以下、ON抵抗とする)が数mΩ程度と小さくなるため、素子自体の発熱が抑制される。
(3)半導体素子自体の高周波特性が一般によくなるため、例えば高速スイッチングが可能となり、また負帰還時に位相補償をする必要がなくなるなど、増幅器としての特性も向上する。
【0021】
したがって、表1に例示された半導体材料またはそれらの混晶半導体材料により形成された半導体素子を本発明の実施形態の電力増幅部12に用いることにより、半導体素子の発熱量が小さくなり、かつ動作許容温度範囲が広がるため、電力増幅部12における保護回路の省略または簡略化が可能となり、電力増幅部12の小型化およびコストダウンが可能となる。
【0022】
また、上記半導体素子を用いた本発明の実施形態のオーディオアンプは、従来のオーディオアンプと比較して、下記の利点を有する。
(1)半導体素子の発熱が小さくなるため、電力増幅部の放熱機構が簡略化され、場合によっては不要となる。したがって、電力増幅部の設置場所の自由度が高まり、自動車等の車内や屋内などの放熱が困難な環境においても好適に使用できるオーディオアンプとなる。
(2)半導体素子自体の高周波特性が一般に良好となるため、ディジタルオーディオアンプの場合は高速スイッチングが可能となるため特性の向上が直接的に図られ、ディジタルオーディオアンプ以外のオーディオアンプについても、負帰還時の動作が安定するなど特性の向上が間接的に図られる。
【0023】
なお、本発明の第1の実施形態であるオーディオアンプ1においては、電力増幅部12に含まれるスピーカ等の負荷2を直接駆動する半導体素子以外の半導体素子についても、バンドギャップエネルギーの大きさが1.9eV以上の半導体材料、望ましくはホウ素(B)、炭素(C)、窒素(N)のうち少なくとも1つの元素を含む半導体材料により構成してもよい。
【0024】
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。図2は、本発明の第2の実施形態であるオーディオアンプの一例を示すブロック図である。図2において、オーディオアンプ20の内部に電力増幅部を2つ備えている点で図1と相違している。このオーディオアンプ20は、2つの電力増幅部を備え、それぞれの電力増幅部の出力をスピーカ等の負荷2に接続するブリッジ接続型のオーディオアンプである。
【0025】
ブリッジ接続型のオーディオアンプ20は、原理上スピーカ等の負荷2に直流電流が流れないため、電力増幅部を単電源で動作させることができ、また、各々の電力増幅器の電源電圧を低くすることができるため、特に自動車用のオーディオ装置などに好適なオーディオアンプとなる。
【0026】
オーディオアンプ20は、入力された信号のうち特に電圧成分を増幅する電圧増幅部21と、電圧増幅部21により増幅された信号を負荷2が動作するように電力増幅する第1の電力増幅部22と、第1の電力増幅部22の出力の逆相の出力を得るための位相反転部23と、位相反転部23の出力を負荷2が動作するように電力増幅する第2の電力増幅部24とを備えている。また、電力増幅部22、24は、負荷2を直接駆動する半導体素子を備えている。
【0027】
そして、本発明の第2の実施形態であるオーディオアンプ20は、電力増幅部22、24に含まれるスピーカ等の負荷2を直接駆動する半導体素子を、バンドギャップエネルギーの大きさが1.9eV以上の半導体材料により構成したことに特徴がある。また、この半導体材料は、ホウ素(B)、炭素(C)、窒素(N)のうち少なくとも1つの元素を含むことが望ましい。
【0028】
なお、本発明の第2の実施形態であるオーディオアンプ20においては、電力増幅部22、24に含まれるスピーカ等の負荷2を直接駆動する半導体素子以外の半導体素子を、バンドギャップエネルギーの大きさが1.9eV以上の半導体材料、望ましくはホウ素(B)、炭素(C)、窒素(N)のうち少なくとも1つの元素を含む半導体材料により構成してもよい。
【0029】
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。図3は、本発明の第3の実施形態であるオーディオアンプの一例を示すブロック図である。図3において、オーディオアンプ30の内部には、ディジタル信号処理を行う部分が存在し、電力増幅部をスイッチング動作させている点で図1および図2と相違している。このため、図3に示されたようなオーディオアンプ30は、ディジタルオーディオアンプと呼ばれることもある。
【0030】
このオーディオアンプ30は、電力増幅部をスイッチング動作させるため、電源電力の利用効率がよく、また電力増幅部に高速スイッチングが可能な半導体素子を使用することで、音質の向上を図ることができる。
【0031】
オーディオアンプ30は、入力されたアナログ信号のうち特に電圧成分を増幅するアナログ増幅部31と、アナログ増幅部31により増幅された信号をディジタル信号に変換するA/D変換部32と、A/D変換部32の出力または外部からのディジタル信号入力に対してパルス幅変調などの処理を行うディジタル信号処理部33と、ディジタル信号処理部33の出力を負荷2が動作するように電力増幅するディジタル電力増幅部34と、ディジタル電力増幅部34の出力を負荷2の動作のためにアナログ信号に変換するローパスフィルタ(LPF:Low Pass Filter)35とを備えている。
【0032】
ここで、ディジタル電力増幅部34は、負荷2を直接駆動する半導体素子を備えており、ディジタル信号処理部33からの入力に応じてスイッチング動作する。また、ディジタル電力増幅部34の出力の一部は、ディジタル信号処理部33に帰還されている。
【0033】
そして、本発明の第3の実施形態であるオーディオアンプ30は、電力増幅部34に含まれるスピーカ等の負荷2を直接駆動する半導体素子を、バンドギャップエネルギーの大きさが1.9eV以上の半導体材料により構成したことに特徴がある。また、この半導体材料は、ホウ素(B)、炭素(C)、窒素(N)のうち少なくとも1つの元素を含むことが望ましい。
【0034】
なお、本発明の第3の実施形態であるオーディオアンプ30においては、電力増幅部34に含まれるスピーカ等の負荷2を直接駆動する半導体素子以外の半導体素子を、バンドギャップエネルギーの大きさが1.9eV以上の半導体材料、望ましくはホウ素(B)、炭素(C)、窒素(N)のうち少なくとも1つの元素を含む半導体材料により構成してもよい。
【0035】
ここで、図1ないし図3に例示したオーディオアンプ1、20、30は、1つの負荷2を駆動するための必要最小限の構成を示しており、これだけでもモノラルオーディオアンプとして機能するが、本発明の実施形態はこれに限られず、例えば複数の負荷2を駆動するために、電力増幅部12、22、24、34を必要数備えたオーディオアンプ、例えば2チャネル以上のステレオオーディオアンプなども、本発明の実施形態に含まれる。
【0036】
また、本発明の実施形態は、様々な用途に適用が可能である。例えば、自動車等の車両のオーディオ設備、屋内におけるオーディオシステム、ビル等の音響設備および放送設備等、コンサート会場等の音響設備等、オーディオアンプを使用可能な環境であれば、事実上用途が制限されることはない。
【0037】
以下、上述の各実施形態の電力増幅部の最終段周辺の回路例を説明する。なお、以下の説明において、電力増幅部の最終段の半導体素子はFETとし、バイアス回路等の説明は省略する。また、各図におけるNチャネル型FET(Nch FET)とPチャネル型FET(Pch FET)との区別を表記し、ゲート(G)、ドレイン(D)、ソース(S)の各極も表記している。
【0038】
図4は、本発明の実施形態のオーディオアンプの電力増幅部の最終段およびその周辺の回路の第1例を概略的に示す説明図であって、(イ)はソース側に負荷を接続した例、(ロ)はドレイン側に負荷を接続した例を示す。第1例の回路は、本発明の第1の実施形態のオーディオアンプ1に好適に用いられる。
【0039】
図4において、2はスピーカ等の負荷、41は電力増幅部である。また、42は負荷2を直接駆動する半導体素子、43は半導体素子42のバイアス電流を流すための定電流回路である。図4は、半導体素子42に流れるバイアス電流をオーディオ信号電流の振幅以上とする、いわゆるA級シングル型の回路である。
【0040】
図4の回路において、半導体素子42としてバンドギャップエネルギーの大きさが1.9eV以上の半導体材料により構成された半導体素子を用いることにより、半導体素子42に流れるバイアス電流の値が大きい場合であっても素子自体の発熱が抑制され、また高温でも動作可能となるため、電力増幅部42の設置場所の自由度が確保される。
【0041】
また、半導体素子42自体の高周波特性がよいため、負帰還時の動作が安定するという利点もある。
【0042】
図5は、本発明の実施形態のオーディオアンプの電力増幅部の最終段およびその周辺の回路の第2例を概略的に示す説明図であって、(イ)はソース側に負荷を接続した例、(ロ)はドレイン側に負荷を接続した例を示す。第2例の回路は、第1例の回路と同様、本発明の第1の実施形態のオーディオアンプ1に好適に用いられる。
【0043】
図5において、2はスピーカ等の負荷、51は電力増幅部である。また、52aは負荷2を直接駆動する第1の半導体素子、52bは第1の半導体素子52aのドレイン−ソース間電圧(VDS)を設定するために第1の半導体素子52aに対してカスコード接続された第2の半導体素子、53は第1の半導体素子52aのバイアス電流を流すための定電流回路、54は第1の半導体素子52aのVDSを設定するVDS設定回路である。なお、図5において、負荷2は第1の半導体素子52aのソース側に接続されている。
【0044】
図5は、第1の半導体素子52aに流れるバイアス電流をオーディオ信号電流の振幅以上とする、いわゆるA級シングル型の回路である。
【0045】
図5の回路において、第1の半導体素子52aとしてバンドギャップエネルギーの大きさが1.9eV以上の半導体材料により構成された半導体素子を用いることにより、第1の半導体素子52aに流れるバイアス電流の値が大きい場合であっても素子自体の発熱が抑制され、また高温でも動作可能となるため、電力増幅部51の設置場所の自由度が確保される。
【0046】
また、第1の半導体素子52a自体の高周波特性がよいため、負帰還時の動作が安定するという利点もある。
【0047】
なお、図5において、第2の半導体素子52bについても、バンドギャップエネルギーの大きさが1.9eV以上の半導体材料により構成された半導体素子を用いることが、上述の第1の半導体素子52aと同様の理由から望ましい。
【0048】
図6は、本発明の実施形態のオーディオアンプの電力増幅部の最終段およびその周辺の回路の第3例を概略的に示す説明図であって、(イ)はソース側に負荷を接続した例、(ロ)はドレイン側に負荷を接続した例を示す。第3例の回路は、本発明の第1、第2、第3の実施形態のオーディオアンプ1、20、30のいずれにも好適に用いられる。
【0049】
図6において、2はスピーカ等の負荷、61は電力増幅部である。また、62aは負荷2を直接駆動する第1の半導体素子、62bは負荷2を直接駆動する第2の半導体素子である。なお、図6に例示される第3例の回路を本発明の第2の実施形態のオーディオアンプ20に適用する場合は、負荷2はグラウンドに接続されることなくブリッジ接続される。
【0050】
図6は、いわゆるプシュプル型の回路であって、第1の半導体素子62aおよび第2の半導体素子62bの出力電流に対するバイアス電流の割合を小さくして、AB級またはB級の動作をさせることが多い。また、第3の実施形態のオーディオアンプ30に適用する場合は、ゲートの電位を閾値付近に設定して、第1の半導体素子62aおよび第2の半導体素子62bにスイッチング動作をさせるようにする。ここで、第1の半導体素子62aの特性と、第2の半導体素子62bの特性とは実質的に相補(コンプリメンタリ)である必要がある。
【0051】
図6の回路において、第1の半導体素子62aおよび第2の半導体素子62bとしてバンドギャップエネルギーの大きさが1.9eV以上の半導体材料により構成された半導体素子を用いることにより、素子自体の発熱が抑制され、また高温でも動作可能となるため、電力増幅部61の設置場所の自由度が確保される。
【0052】
また、半導体素子62a、62b自体の特性により、ON抵抗が小さくなるためクロスオーバーひずみが小さくなり、高周波特性がよいため負帰還時の動作が安定するという利点もある。また、図6の回路を本発明の第3の実施形態のオーディオアンプ30に適用する場合は、半導体素子62a、62bの高速スイッチングが可能となるため、音質のよいオーディオアンプを得ることができる。
【0053】
図7は、本発明の実施形態のオーディオアンプの電力増幅部の最終段およびその周辺の回路の第4例を概略的に示す説明図であって、(イ)は両電源型、(ロ)は+側の片電源型の例を示す。第4例の回路は、本発明の第1の実施形態のオーディオアンプ1および第2の実施形態のオーディオアンプ20に好適に用いられ、図7(イ)の回路は第3の実施形態のオーディオアンプ30にも好適に用いられる。
【0054】
図7において、2はスピーカ等の負荷、71は電力増幅部である。また、72aは負荷2を直接駆動する第1の半導体素子、72bは負荷2を直接駆動する第2の半導体素子である。なお、図7に例示される第4例の回路を本発明の第2の実施形態のオーディオアンプ20に適用する場合は、負荷2はグラウンドに接続されることなくブリッジ接続される。
【0055】
図7は、いわゆるプシュプル型の変形回路であって、第1の半導体素子72aおよび第2の半導体素子72bの出力電流に対するバイアス電流の割合を小さくして、AB級またはB級の動作をさせることが多い。また、第3の実施形態のオーディオアンプ30に適用する場合は、ゲートの電位を閾値付近に設定して、第1の半導体素子72aおよび第2の半導体素子72bにスイッチング動作をさせるようにする。
【0056】
ここで、第1の半導体素子72aの特性と、第2の半導体素子72bの特性とは実質的に同一である必要がある。第4例の回路は、第3例の回路の応用的一例であって、特性が相補のFETが入手しにくい場合、電源が単電源である場合などに好適に用いられる。
【0057】
また、図7(ロ)の回路においては、電力増幅部71の出力が通常はグラウンドレベルにならないため、負荷2に直流電流が流れることを防止することを目的として、電力増幅部71と負荷2との間にコンデンサ73が接続されているが、この回路が本発明の第2の実施形態のオーディオアンプ20に用いられる場合は、コンデンサ73を省略することができる。
【0058】
図7の回路において、第1の半導体素子72aおよび第2の半導体素子72bとして、バンドギャップエネルギーの大きさが1.9eV以上の半導体材料により構成された半導体素子を用いることにより、素子自体の発熱が抑制され、また高温でも動作可能となるため、電力増幅部71の設置場所の自由度が確保される。
【0059】
また、半導体素子72a、72b自体の特性により、ON抵抗が小さくなるためクロスオーバーひずみが小さくなり、高周波特性がよいため負帰還時の動作が安定するという利点もある。また、図7(イ)の回路を本発明の第3の実施形態のオーディオアンプ30に適用する場合は、半導体素子62a、62bの高速スイッチングが可能となるため、音質のよいオーディオアンプを得ることができる。
【0060】
以上、本発明の実施形態の具体例を説明したが、本発明の実施形態は上述した事項に限られず、適宜変更が可能であることはいうまでもない。
【0061】
【発明の効果】
以上のとおり、本発明によれば、負荷を直接駆動する半導体素子を含む電力増幅部を備えたオーディオアンプにおいて、前記負荷を直接駆動する半導体素子を、バンドギャップエネルギーの大きさが1.9eV以上の半導体材料により構成しているため、下記の優れた効果を奏する。
【0062】
(1)半導体素子の発熱が小さくなるため、電力増幅部の放熱機構が簡略化され、場合によっては不要となる。したがって、電力増幅部の設置場所の自由度が高まり、自動車等の車内や屋内などの放熱が困難な環境においても好適に使用できるオーディオアンプとなる。
(2)半導体素子自体の高周波特性が一般に良好となるため、ディジタルオーディオアンプの場合は高速スイッチングが可能となるため特性の向上が直接的に図られ、ディジタルオーディオアンプ以外のオーディオアンプについても、負帰還時の動作が安定するなど特性の向上が間接的に図られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態であるオーディオアンプの一例を示すブロック図である。
【図2】本発明の第2の実施形態であるオーディオアンプの一例を示すブロック図である。
【図3】本発明の第3の実施形態であるオーディオアンプの一例を示すブロック図である。
【図4】本発明の実施形態のオーディオアンプの電力増幅部の最終段およびその周辺の回路の第1例を概略的に示す説明図であって、(イ)はソース側に負荷を接続した例、(ロ)はドレイン側に負荷を接続した例を示す。
【図5】本発明の実施形態のオーディオアンプの電力増幅部の最終段およびその周辺の回路の第2例を概略的に示す説明図であって、(イ)はソース側に負荷を接続した例、(ロ)はドレイン側に負荷を接続した例を示す。
【図6】本発明の実施形態のオーディオアンプの電力増幅部の最終段およびその周辺の回路の第3例を概略的に示す説明図であって、(イ)はソース側に負荷を接続した例、(ロ)はドレイン側に負荷を接続した例を示す。
【図7】本発明の実施形態のオーディオアンプの電力増幅部の最終段およびその周辺の回路の第4例を概略的に示す説明図であって、(イ)は両電源型、(ロ)は+側の片電源型の例を示す。
【符号の説明】
1、20、30 オーディオアンプ
2 負荷
11、21 電圧増幅部
12、41、51、61、71 電力増幅部
22 第1の電力増幅部
23 位相反転部
24 第2の電力増幅部
31 アナログ増幅部
32 A/D変換部
33 ディジタル信号処理部
34 ディジタル電力増幅部
35 ローパスフィルタ(LPF)
42 半導体素子(Nチャネル型FET)
43、53 定電流回路
52a、62a、72a 第1の半導体素子(Nチャネル型FET)
54 VDS設定回路
62b 第2の半導体素子(Pチャネル型FET)
72b 第2の半導体素子(Nチャネル型FET)
73 コンデンサ
G ゲート
D ドレイン
S ソース

Claims (7)

  1. 負荷を直接駆動する半導体素子を含む電力増幅部を備えたオーディオアンプにおいて、前記負荷を直接駆動する半導体素子は、バンドギャップエネルギーの大きさが1.9eV以上の半導体材料により構成されていることを特徴とするオーディオアンプ。
  2. 前記半導体材料は、ホウ素(B)、炭素(C)、窒素(N)のうち少なくとも1つの元素を含むことを特徴とする、請求項1記載のオーディオアンプ。
  3. 前記半導体材料は、GaN系半導体、AlN系半導体、InGaN系半導体、AlGaN系半導体のうち少なくとも1種類の半導体を含むことを特徴とする、請求項2記載のオーディオアンプ。
  4. 前記半導体材料は、SiC系半導体、ダイヤモンド系半導体のうち少なくとも1種類の半導体を含むことを特徴とする、請求項2記載のオーディオアンプ。
  5. 前記負荷を直接駆動する半導体素子は、スイッチング動作していることを特徴とする、請求項1〜請求項4のいずれかに記載のオーディオアンプ。
  6. 前記電力増幅部は、前記負荷に対してブリッジ接続可能となるように構成されていることを特徴とする、請求項1〜請求項5のいずれかに記載のオーディオアンプ。
  7. 前記電力増幅部は、車両に搭載されていることを特徴とする、請求項1〜請求項6のいずれかに記載のオーディオアンプ。
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