JP2004356307A - 金属箔付きフィルムの表面処理方法および配線基板の製造方法 - Google Patents

金属箔付きフィルムの表面処理方法および配線基板の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】粗化液の寿命を延長し、安定した粗化処理を可能とし、配線回路層と、ビア導体及び絶縁層との接合信頼性に優れた配線基板を容易に作製できる金属箔付きフィルムの表面処理方法および配線基板の製造方法を提供する。
【解決手段】フィルム1表面に、接着材3にて金属箔5を張り合わせた金属箔付きフィルム7の前記金属箔5を配線パターン化する工程と、金属箔付きフィルム7の非配線パターン部の接着剤3に含有される粗化阻害物質を低減せしめる前処理工程と、前記金属箔5に粗化液を接触させて粗化処理する工程とを具備することを特徴とする。
【選択図】図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体素子収納用パッケージなどの配線基板の配線層を形成するのに適した金属箔付きフィルムの表面処理方法および配線基板の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来技術】
近年、携帯情報端末の発達や、コンピューターを持ち運んで操作するいわゆるモバイルコンピューティングの普及によって、さらに小型、薄型且つ高精細の配線基板が求められる傾向にある。また、通信機器に代表されるように、高速動作が求められる電子機器が広く使用され、高い周波数の信号に対し、正確なスイッチングが可能であるなど多種な要求を含んでおり、そのような電子機器に対応するため、高速な動作に適した配線基板が求められている。
【0003】
このような高速な動作を行うためには、配線の長さを短くし、電気信号の伝播に要する時間を短縮することが必要である。配線の長さを短縮するために、配線の幅を細くし、配線の間隙を小さくするという、小型、薄型且つ高精細の配線基板が求められる傾向にある。
【0004】
そのような高密度配線の要求に対応するため、従来より、ビルドアップ法と呼ばれる製造方法が用いられている。このビルドアップ配線基板では、従来の印刷による配線の形成に換えて、高密度配線を形成するために、アディティブ法と呼ばれるメッキ法により配線を形成する方法や、サブトラクティブ法と呼ばれるエッチング法により配線を形成する方法等が用いられている。
【0005】
メッキ法では、まず、絶縁層の表面に感光性レジストを塗布し、非配線回路部分を露光、現像して、配線形成部の感光性レジストを除去し、配線部分にメッキにより配線回路層を形成する。
【0006】
また、エッチング法では、例えば、図5(a)に示すように、樹脂フィルム1に接着剤3を介して金属箔5が接着された金属箔付きフィルム7の金属箔5の表面に感光性のDFR(ドライフィルムレジスト)9を塗布した後、図5(b)に示すようにフォトマスク11を介して、波長405nmのUV光をDFR9に露光する。
【0007】
このとき、図5(c)に示すように、UV光を受けたDFR9aは硬化する。
【0008】
次に、DFRが塗布された金属箔付きフィルム7を、NaCOを1質量%溶解させた30℃の溶液に1分間浸漬させ、図6(d)に示すように未硬化のDFR9を除去する。
【0009】
さらに、図6(d)の積層体をFeClを30質量%溶解させた43℃の溶液に90秒間浸漬し、図6(e)に示すようにDFR9が除去された部分の金属箔5を溶解、除去し、配線パターンを形成する。
【0010】
次に、配線パターン化された金属箔(配線回路層)5a上に残存している硬化したDFR9aを、NaOHを2質量%溶解させた50℃の溶液に180秒浸漬させて剥離し、図6(f)に示すように、樹脂フィルム1に接着剤3を介して配線回路層5aである金属箔5が接着された金属箔付きフィルム7を形成する。
【0011】
このようなエッチングにより、配線回路層5aを形成する方法においては、一般に、電解金属箔が用いられ、電解金属箔は絶縁層との密着性を強めるために、金属箔表面を粗化することが行われている。粗化は金属箔付きフィルム7の金属箔5を配線パターン化した後、金属箔付きフィルム7を粗化液に浸漬して配線回路層5aを粗化処理する工程とで行われている。
【0012】
配線回路層5aの粗化処理は、例えば、図6(f)に示すような配線回路層5aが樹脂フィルム1に接着剤3を介して接着された金属箔付きフィルム7を、銅イオンと蟻酸とを含有する20〜40℃のph3程度の粗化液に浸漬して、配線回路層5aの露出した表面を粗化し、水洗、乾燥させて行われ、図6(g)に示すような露出した表面が粗化された配線回路層5aが樹脂フィルム1に接着剤3を介して接着された金属箔付きフィルム7を得るものである。
【0013】
配線基板は、上記のようにして作製された配線回路層5bを、樹脂を含有する絶縁層の表面に転写形成して配線ユニットを形成し、同様にして作製した複数の配線ユニットを積層し、一括して熱硬化することによって作製される(特許文献1〜3参照)。
【0014】
【特許文献1】
特開平10−27959号
【0015】
【特許文献2】
特開平11−74625号
【0016】
【特許文献3】
特開平12−22330号
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の粗化工程では、粗化処理量が増えるに従い、粗化液中に例えば、樹脂フィルム表面に形成された接着剤に由来する粗化阻害物質が溶け込み、粗化液の粗化能力が徐々に低下するために、粗化液の寿命が短い、また、製造ロット内、製造ロット間で、配線回路層の粗化状態が著しく異なるなどの問題があった。また、粗化が十分に行われていない配線回路層を用いた場合には、配線回路層と絶縁層との密着強度が低くなるために、加熱時や使用時の温度サイクル等において、配線回路層とビア導体との電気接続不良や、配線回路層と絶縁層との剥離が生じるなどの問題があった。
【0018】
本発明は、従来技術の上記した課題を解決することを目的とするものであり、粗化液の寿命を延長し、安定した粗化処理を可能とし、配線回路層と、ビア導体及び絶縁層との接合信頼性に優れた配線基板を容易に作製できる金属箔付きフィルムの表面処理方法および配線基板の製造方法を提供するものである。
【0019】
【課題を解決するための手段】
本発明の金属箔付きフィルムの表面処理方法は、フィルム表面に、接着材にて金属箔を張り合わせた金属箔付きフィルムの前記金属箔を配線パターン化する工程と、前記金属箔付きフィルムの非配線パターン部の接着剤に含有される粗化阻害物質を低減せしめる前処理工程と、前記金属箔に粗化液を接触させて粗化処理する工程とを具備することを特徴とする。
【0020】
このような前処理工程を用いることで、金属箔付きフィルムの非パターン部の接着剤に含有される粗化阻害物質を前処理液に溶出させて、低減でき、粗化処理に持ち込まれ、粗化液の能力を劣化させる粗化阻害物質の量を格段に低減できるため、粗化液の急激な粗化能力低下を抑制し、粗化液の寿命を延長することが可能になるとともに、製造ロット内、製造ロット間での金属箔の粗化状態の変化を抑制できるためを金属箔と絶縁層との密着強度が低くなることを解決できるとともに、金属箔の絶縁層への転写性も向上させることができる。
【0021】
また、本発明の金属箔付きフィルムの表面処理方法は、粗化阻害物質が防錆剤及び/又は可塑剤であることを特徴とする。
【0022】
詳細は不明であるが、接着剤に含まれる防錆剤及び/又は可塑剤が、粗化剤に含まれる、例えば、銅イオンなどの金属イオンや蟻酸と何らかの相互作用を起こし、粗化剤の能力を低下させるものと推測される。従って、本発明の金属箔付きフィルムの表面処理方法は、特に、接着剤が防錆剤及び/又は可塑剤を含有する場合において特に有効である。
【0023】
また、本発明の金属箔付きフィルムの表面処理方法は、前処理工程で用いる前処理液が−OH、−COOHのいずれかを具備する化合物を含有することを特徴とする。
【0024】
このような前処理液を用いることで、金属箔付きフィルムの非パターン部における防錆剤、可塑剤、接着主剤を迅速に除去できるため、前処理工程の短時間化を達成できるとともに、粗化液の劣化を防止することができる。
【0025】
また、本発明の金属箔付きフィルムの表面処理方法は、前処理工程で用いる前処理液の−OH、−COOHのいずれかを具備する化合物の濃度が5質量%以上であることを特徴とする。
【0026】
このような前処理液を用いることで、金属箔付きフィルムの非パターン部における防錆剤、可塑剤、接着主剤をさらに迅速に除去できるとともに、前処理液の処理能力を高めることができるため、粗化処理液の交換頻度を減らすことができ、相対的に工程を停止させる時間が減るため、生産性を向上させることができる。
【0027】
また、本発明の配線基板の製造方法は、以上説明した金属箔付きフィルムの表面処理方法によって処理された金属箔付きフィルムから有機樹脂を含有する絶縁層の表面に配線パターンを転写せしめる工程を具備することを特徴とする。
【0028】
以上説明した表面処理方法で金属箔付きフィルムの非パターン部における防錆剤、可塑剤、接着主剤を低減せしめたことにより、粗化液の急激な粗化能力低下を抑えて絶縁層との密着強度を保ち、はんだ耐熱や温度サイクル等の信頼性試験において、絶縁層からの有機成分のガス化に伴う基板の変形等によって、銅箔からなる平面状の配線回路層とビア導体との電気接続不良や、最表面の配線回路層での変形などによる外観不良の発生を解決できるとともに、金属箔の絶縁層への転写性も向上させることができる。
【0029】
【発明の実施の形態】
本発明の金属箔付きフィルムの表面処理方法を図1〜3を用いて説明する。なお、同じ工程が重複するため、符号は従来例と同じにして記載した。
【0030】
図1の(a)に示すように、樹脂フィルム1に接着剤3を介して金属箔5が接着されて、金属箔付きフィルム7が構成される。
【0031】
このような金属箔付きフィルム7に、配線パターンを形成するために金属箔付きフィルム7の金属箔5の表面に感光性のDFR(ドライフィルムレジスト)9を塗布する。次に図1(b)に示すようにフォトマスク11を介して、波長405nm程度のUV光で60〜200mj/cmのエネルギーをDFR9に露光する。照射エネルギーを60mj/cm以上とすることで良好な解像度が得られ、照射エネルギーを200mj/cm以下とすることでDFR9と金属箔5との密着性を保持することができる。このとき、図1(c)に示すように、UV光を受けたDFR9aは硬化する。
【0032】
次に、図2(d)に示すように、UV光を露光したDFR9が塗布された金属箔付きフィルム7をNaCOを1〜5質量%溶解させた20〜50℃の溶液に0.5〜3分間浸漬させ、未硬化のDFR9を除去する。上記条件内で、NaCOの溶解量を1質量%以上、温度を20℃以上、浸漬時間を0.5分以上とすることで未硬化のDFR9を残渣なく除去できる。また、NaCOの溶解量を5質量%以下、温度を50℃以下、浸漬時間を3分以下とすることで硬化したDFR9aの金属箔5からの剥離を防止できる。
【0033】
さらに、図2(d)の積層体をFeClを20〜40質量%溶解させた30〜60℃の溶液に60〜120秒間浸漬し、図2(e)に示すようにDFR9が除去された部分の金属箔5を溶解、除去して、配線パターンを形成し、配線回路層5aを作製する。上記条件内で処理することで解像度の高い配線回路層5aを形成することができる。
【0034】
次に、配線回路層5a上に残存している硬化したDFR9aを、NaOHを1〜5質量%溶解させた30〜60℃の溶液に120〜240秒浸漬させて剥離し、図2(f)に示すように、樹脂フィルム1に接着剤3を介して配線回路層5aが接着された金属箔付きフィルム7を形成する。
【0035】
次に、図3(g)に示すように、樹脂フィルム1に接着剤3を介して配線回路層5aが接着された金属箔付きフィルム7を、前処理液に浸漬するなどして接触させ、金属箔付きフィルム7の非配線パターン部の接着剤3に含有される粗化阻害物質を低減させる。
【0036】
前処理液は、接着剤3に含有される防錆剤、可塑剤などの粗化阻害物質を溶出させて、低減できるものであれば、特に限定されないが、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、蟻酸、酢酸、アセトンなどから選ばれる少なくとも1種以上の−OH、−COOHのいずれかを有する化合物を含有する溶液が効果的に接着剤3から粗化阻害物質を溶出させて低減でき、望ましい。
【0037】
なお、−OHを有する化合物としては、安価で揮発性に乏しいという点でメタノールが望ましく、また、毒性が低いという点でエタノールが望ましい。
【0038】
また、−COOHを有する化合物としては、例えば、蟻酸、酢酸、アセトンが例示され、非可燃性であるという点で蟻酸、酢酸が望ましい。
【0039】
なお、前処理液の処理能力を向上させるためには、−OH、−COOHのいずれかを有する化合物を5重量%以上、前処理液に含有させることが望ましい。
【0040】
さらに、粗化液の寿命を延ばすという点から前記化合物を10質量%以上、前処理液に含有させることがさらに望ましい。
【0041】
以上例示した化合物を例えば、水と混合することで、本発明の前処理液を調整することができる。また、必要に応じ、防錆剤や消泡剤を用いてもよいことは勿論である。
【0042】
前処理は、例えば、20〜40℃の温度の上記した溶液に、樹脂フィルム1に接着剤3を介して配線回路層5aが接着された金属箔付きフィルム7を0.5〜5分浸漬して行うことが望ましい。
【0043】
前処理液の温度を20℃以上とすることで、処理時間を短縮することができ、また、前処理液の温度を40℃以下とすることで、前処理液の蒸発を抑制することができ、前処理液のコンディションを長期間にわたり維持することができる。
【0044】
また、処理時間を0.5分以上とすることで、接着剤3の粗化阻害物質量を十分に低減でき、処理時間を5分以下とすることで、接着剤3の粗化阻害物質量を十分に低減できるとともに、接着剤3の粗化阻害物質の低減のばらつきを防止できる。
【0045】
このような前処理により、図3(g)に示すように、金属箔付きフィルム7の非パターン部における接着材3aは、防錆剤、可塑剤などの粗化阻害物質を低減せしめた状態となる。
【0046】
次に、図3(g)で作製した金属箔5a付きフィルム7を粗化液に浸漬して、金属箔5aの露出した表面を粗化処理する。
【0047】
配線回路層5aの粗化処理は、例えば、図3(g)に示すような配線回路層5aが接着された金属箔付きフィルム7を20〜40℃の粗化液に、0.5〜5分浸漬して、配線回路層5aの露出した表面を粗化し、水洗乾燥させ、図3(h)に示すような樹脂フィルム1に接着剤3を介して粗化された配線回路層5bである金属箔5が接着された金属箔付きフィルム7を形成する。
【0048】
粗化液は例えば、蟻酸などの酸性溶液に銅などの金属を溶解させた溶液が用いられる。粗化液の温度を20℃以上とすることで、粗化時間を短縮することができ、また、粗化液の温度を40℃以下とすることで、配線回路層5aの露出した表面の粗化状態のばらつきを抑制することができる。
【0049】
また、粗化時間を0.5分以上とすることで、配線回路層5aの露出した表面を十分粗化できる。また、粗化時間を5分以下とすることで、フィルム1と配線回路層5aとを接着している接着剤3に過度のダメージを与えることがないため、フィルム1と配線回路層5aとの接着性を良好に維持できるとともに、フィルム1と配線回路層5aを接着している接着剤3から、防錆剤が過度に除去されることを抑制でき、配線回路層5bを防錆することができる。
【0050】
なお、以上説明した配線回路層5bの作製方法は、上記の例以外にも本発明の要旨の範囲内で、様々な方法で作製できる。
【0051】
例えば、上記した種々の処理液はシャワー等の手法で金属箔5付きフィルムに接触させてもかまわない。このような手法では、処理時間の短縮が達成される。
【0052】
図4に示すように、配線基板は、上記のようにして作製された配線回路層5bを、例えば、熱硬化性樹脂を含有する絶縁層の表面に転写形成して配線ユニットを形成し、同様にして作製した複数の配線ユニットを積層し、一括して熱硬化することによって作製される。
【0053】
まず、図4(a)に示すように、バイアホールに導電ペースト等が充填されてなるバイア13を具備する絶縁層10の片面あるいは両面に、図4(b)に示すように、図1、2のようにして作製した配線回路層5bを具備するフィルム7の配線回路層5b側を積層する。
【0054】
さらに、その積層物を60〜150℃で加熱し、4.0〜8.0MPaで加圧した後、図4(c)に示すように接着剤3付き樹脂フィルム1をはがすことにより、図4(d)に示すような絶縁層10の片面あるいは両面に、金属箔5bが埋没された配線基板aを作成することができる。
【0055】
同様にして作製された図4(e)に示すような配線基板a〜cを積層した後、これらを絶縁層10中の熱硬化性樹脂が完全に硬化する温度、例えば、250℃に加熱し、5.0MPaの圧力で加圧することにより、図4(f)に示すような配線基板の内部あるいは表面に配線回路層5bが形成された配線基板を作製することができる。
【0056】
なお、図4(b)、(c)では、金属箔付きフィルム7の非パターン部における防錆剤、可塑剤などの粗化阻害物質を低減せしめた接着材3aは省略した。
【0057】
【実施例】
先ず、図1の(a)に示すように、接着剤3を介して電解銅箔5が接着された樹脂フィルム1の表面に配線を形成するために、感光性のDFR(ドライフィルムレジスト)9(旭化成製:AQ−2558)を塗布した。
【0058】
次に、図1(b)に示すようにフォトマスク11を介して、波長405nmのUV光で100mj/cmのエネルギーをDFR9に露光した。このとき、図1(c)に示すように、UV光を受けたDFR9aは硬化した。
【0059】
次に、UV光を露光したDFR9が塗布された銅箔付きフィルム7を、NaCOを1質量%溶解させた30℃の溶液に1分間浸漬させ、図2(d)に示すように未硬化のDFR9を除去した。
【0060】
さらに、図2(d)の積層体をFeClを30質量%溶解させた43℃の溶液に90秒間浸漬し、図2(e)に示すようにDFR9が除去された部分の金属箔5を溶解、除去し、配線パターンを形成し、配線回路層5aを作製する。
【0061】
次に、配線回路層5a上に残存している硬化したDFR9aを、NaOHを2質量%溶解させた50℃の溶液に180秒浸漬させて剥離し、図2(f)に示すように、樹脂フィルム1に接着剤3を介して配線回路層5aである配線回路層5aが接着された銅箔付きフィルム7を作製した。
【0062】
次に、以上説明した工程で作製した銅箔付きフィルムを用いて、1Lの前処理用槽と、1Lの粗化液浸漬槽とを用意し、前処理液として、表1に示す組成の1Lの前処理液を用いて、配線パターンを形成した銅箔付きフィルムを前処理し、さらに、粗化液として蟻酸などの酸性溶液に銅などの金属を溶解させた1Lの溶液を用いて銅箔の粗化処理を行った。
【0063】
前処理、粗化処理は、表1に示す前処理液を用いて1000枚行い、1、100、500、1000枚処理したときの銅箔表面の粗さを測定し、粗化能力の変化を測定した。尚、前処理液及び粗化液への浸漬時間は2分間とした。
【0064】
なお、銅箔付きフィルムは、転写不良率を測定するために、配線パターン形成後の銅箔占有面積が5%となり、配線形状が直径100μmの円となる100cmの銅箔付きフィルムとなるように加工した。
【0065】
このようにして作製した粗化処理済みの銅箔フィルムと絶縁層とを積層し、さらに、その積層物を120℃で加熱し、5.0MPaで加圧した後、接着剤3付き樹脂フィルム1をはがす。その際、絶縁層10に転写されなかった金属箔5bを不良とした。
【0066】
配線回路層5bの転写不良率は、表1に示す組成の前処理液で500枚処理した配線回路層5bが接着された金属箔付きフィルム7を絶縁層10の片面に図3(b)に示すように積層して、転写されなかった配線回路層5bの数を転写されるべき配線回路層5bの数で割って計算し、表1に示した。
【0067】
なお、比較例として前処理を行わない試験も、前処理を行わない以外は同様の工程で行った。
【0068】
【表1】
Figure 2004356307
【0069】
本発明の範囲外である前処理を行わずに粗化処理を行った試料No.1では、1枚目では銅箔の表面粗さは500nmであったが、100枚処理時に350nmとなり、500枚処理時には220nm以下となり、銅箔表面の粗化が十分に行われていないことが判る。そのため、銅箔転写の不良率も10%となり、粗化処理液の寿命が短いことが判る。
【0070】
一方、本発明の前処理液を用いて前処理を行い、その後に粗化処理を行った試料No.2〜17では、500枚処理時でも、銅箔の表面粗さは250nm以上となり、転写不良が半減していることが判る。
【0071】
特に、塩酸、硫酸、蟻酸、酢酸、アセトン、メタノールの10質量%水溶液で前処理を行って粗化処理を行った試料No.4〜7では、500枚処理時でも銅箔の表面粗さは450nm以上となり、また、銅箔転写不良率がいずれも0%となり、粗化液の寿命が延びていることが判る。
【0072】
なかでも、−COOH、−OHを有する試料No.4〜7では、1000枚処理後も、銅箔の表面粗さは450nm以上で、粗化液の寿命が格段に延びたことが判る。
【0073】
蟻酸、酢酸、アセトン、メタノールの水溶液濃度を変化させた溶液で前処理を行った試料No.8〜17では、蟻酸、酢酸、アセトン、メタノールの添加量が1%の場合でも、前処理工程無しの試料No.1に比べ、銅箔転写の不良率が4%に減少しているが、特に、場合に添加率5%以上とすることで、銅箔転写の不良率を0%にすることができ、1000枚処理後でも、銅箔の表面粗さを400nm以上に維持することができることが判る。
【0074】
【発明の効果】
本発明の金属箔付きフィルムの表面処理方法および配線基板の製造方法によれば、粗化液の能力を低下させる粗化阻害物質を、銅箔付きフィルムから、低減、除去する前処理工程を設けることで、粗化液の寿命を格段に延ばすことができるとともに、安定した粗面加工が可能となり、配線回路層と樹脂絶縁層との密着性に優れ、密着不良による基板の変形の発生を防止し、ビア導体の電気接続不良や外観不良を改善できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における金属箔付きフィルムの製造方法を説明するための工程図である。
【図2】本発明における金属箔付きフィルムの製造方法を説明するための工程図である。
【図3】本発明における金属箔付きフィルムの製造方法を説明するための工程図である。
【図4】本発明における配線基板の製造方法を説明するための工程図である。
【図5】従来技術における金属箔付きフィルムの製造方法を説明するための工程図である。
【図6】従来技術における金属箔付きフィルムの製造方法を説明するための工程図である。
【符号の説明】
1・・・フィルム
3・・・接着材
5・・・金属箔
7・・・金属箔付きフィルム
10・・・絶縁層

Claims (5)

  1. フィルム表面に、接着材にて金属箔を張り合わせた金属箔付きフィルムの前記金属箔を配線パターン化する工程と、前記金属箔付きフィルムの非配線パターン部の接着剤に含有される粗化阻害物質を低減せしめる前処理工程と、前記金属箔に粗化液を接触させて粗化処理する工程とを具備することを特徴とする金属箔付きフィルムの表面処理方法。
  2. 粗化阻害物質が防錆剤及び/又は可塑剤であることを特徴とする請求項1記載の金属箔付きフィルムの表面処理方法。
  3. 接着剤に前処理液を接触させる前処理工程で用いる前処理液が−OH、−COOHのいずれかを具備する化合物を含有することを特徴とする請求項1又は2記載の金属箔付きフィルムの表面処理方法。
  4. 前処理工程で用いる前処理液中の−OH、−COOHのいずれかを具備する化合物の濃度が5質量%以上であることを特徴とする請求項3記載の金属箔付きフィルムの表面処理方法。
  5. 請求項1又は請求項4のいずれかに記載の方法によって処理された金属箔付きフィルムから有機樹脂を含有する絶縁層の表面に前記配線パターンを転写せしめる工程を具備することを特徴とする配線基板の製造方法。
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KR101015770B1 (ko) 2008-11-11 2011-02-22 삼성전기주식회사 세미 애디티브 공법에 의하여 제조되는 인쇄회로기판에 대한 절연층 형성방법과 이를 이용한 인쇄회로기판 제조방법 및 이에 의하여 제조되는 인쇄회로기판

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