JP2004355872A - 放電灯直流点灯装置 - Google Patents
放電灯直流点灯装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004355872A JP2004355872A JP2003150119A JP2003150119A JP2004355872A JP 2004355872 A JP2004355872 A JP 2004355872A JP 2003150119 A JP2003150119 A JP 2003150119A JP 2003150119 A JP2003150119 A JP 2003150119A JP 2004355872 A JP2004355872 A JP 2004355872A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- voltage
- lighting
- discharge lamp
- control
- fluorescent lamp
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Abstract
【課題】蛍光灯に流す電流を制御することで調光を行う直流点灯装置において、調光等の条件に依らずに入力力率を改善する。
【解決手段】入力交流電圧を直流化する整流部1と、蛍光灯に流す電流を制御するためのFETを有する定電流部4との間に、制御部8によりPWM駆動される2個のスイッチング素子Q1、Q2を有する昇降圧チョッパ部3を設ける。制御部8は、蛍光灯FLの点灯開始時には300V以上の高電圧を発生するべく、点灯後には電圧を数十〜百数十V程度まで落とすように昇降圧チョッパ部3を制御し、且つ、入力電圧と負荷電圧との波形が同じ形状になるようにPWM駆動信号の位相を調整することで入力力率をできるだけ1に近く保つ。
【選択図】 図1
【解決手段】入力交流電圧を直流化する整流部1と、蛍光灯に流す電流を制御するためのFETを有する定電流部4との間に、制御部8によりPWM駆動される2個のスイッチング素子Q1、Q2を有する昇降圧チョッパ部3を設ける。制御部8は、蛍光灯FLの点灯開始時には300V以上の高電圧を発生するべく、点灯後には電圧を数十〜百数十V程度まで落とすように昇降圧チョッパ部3を制御し、且つ、入力電圧と負荷電圧との波形が同じ形状になるようにPWM駆動信号の位相を調整することで入力力率をできるだけ1に近く保つ。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、蛍光灯等の放電灯を直流点灯させるための放電灯直流点灯装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般家庭用の蛍光灯とは異なり、工場や各種施設等で使用されている検査装置の照明用の蛍光灯では僅かなちらつきが問題となるため、点灯方式として直流点灯方式が採用されることが多い。例えば非特許文献1には、市販の蛍光灯を直流点灯するための調光機能を有する点灯装置が記載されている。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−284086号公報
【非特許文献1】
“直流蛍光灯点灯装置”「DCLSシリーズ」、[online]、京都電機器株式会社、[平成15年5月12日検索]、インターネット、〈URL : http://www.kdn.co.jp/products/dcls/dcls.htm〉
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来、こうした用途の蛍光灯点灯装置では消費電力はあまり問題にされることはなかったが、省エネルギ化やコスト削減の必要性から、低消費電力化が要望されている。特に入力交流電圧として100Vではなく200Vが使用されるような場合、電力損の割合が大きくなるためこうした必要性が大きい。
【0005】
従来、こうした放電灯点灯装置において、入力交流電圧を整流する整流回路の後段に昇圧チョッパや昇降圧チョッパ等を設け、それによって入力力率の改善を行うものが提案されている(例えば特許文献1など参照)。この従来の放電灯点灯装置では、昇圧チョッパや昇降圧チョッパでの出力電圧を調整することにより調光を達成するようにしており、これによって調光が深い場合でも入力力率を良好に維持できるようにしている。
【0006】
しかしながら、こうした装置では、昇圧チョッパ及び降圧チョッパを制御する際に力率と調光との両方を考慮する必要があるため制御が複雑になる傾向にある。また、点灯持続時にも最低限の電圧を放電灯に印加する必要があることから、放電灯への印加電圧を下げねばならず、その状態からさらに放電灯への印加電圧を下げることによって深い調光を達成することは難しい。
【0007】
本発明はこのような点に鑑みて成されたものであり、その主たる目的は、簡単な制御によって調光等の条件に依らずに入力力率を改善し、低入力電力容量化を達成することができる放電灯直流点灯装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段、及び効果】
上記課題を解決するために成された本発明に係る放電灯直流点灯装置は、
a)交流入力電圧を整流して直流電圧に変換する直流化手段と、
b)チョッパ用のスイッチング素子を含み、前記直流電圧を昇圧又は降圧するための昇降圧手段と、
c)前記昇圧又は降圧された直流電圧の極性を所定周期で交互に切り換え、その直流電圧を放電灯の両端電極に印加する極性切換手段と、
d)前記昇降圧手段と前記極性切換手段とにそれぞれ被制御端子が接続されるようにその両手段の間に介挿された電流制御用素子を含み、前記放電灯の調光を行うために該放電灯に流れる電流を制御する定電流手段と、
e)前記放電灯の点灯開始時に前記直流電圧を昇圧する一方、該放電灯の点灯持続時には前記電流制御用素子の被制御端子間電圧が点灯開始時よりも低くなるように前記直流電圧を降圧し、且つ前記昇降圧手段への入力電圧波形と負荷電圧波形の形状が略同一になるように前記スイッチング素子の制御端子にPWM駆動信号を印加する制御手段と、
を備えることを特徴としている。
【0009】
本発明に係る放電灯直流点灯装置では、例えば交流入力電圧が200Vである場合に、制御手段の制御の下に、放電灯の点灯開始時には昇降圧手段は例えば300V程度以上の高電圧を放電灯の両端電極に印加するべく直流電圧を昇圧するが、一旦、点灯が開始されて点灯状態を持続させる際には、それに必要な程度の数十〜百数十V程度の相対的に低い電圧を放電灯の両端電極に印加するべく直流電圧を降圧する。またそれと同時に、昇降圧手段のスイッチング素子は、昇降圧手段への入力電圧波形と放電灯を流れる電流に応じた負荷電圧波形の形状とが略同一になるようにそのオン・オフが制御される。
【0010】
したがって、本発明に係る放電灯直流点灯装置によれば、入力力率を高い状態(つまり1に近い状態)に維持することができ、低入力電力容量化に寄与する。それにより、例えば複数の放電灯直流点灯装置を設置する必要があるような場合に、交流電源への接続の自由度が増し、設置が容易になる。また、点灯持続時において、調光は定電流手段により達成され、昇降圧手段は入力力率を改善するように制御されるだけであるので、制御が非常に簡単になる。さらにまた、点灯持続時には、定電流手段の電流制御用素子の被制御端子間に掛かる電圧は低くなる。それによって、その素子での電力損失を軽減するとともに、長寿命化を図ることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施例による放電灯直流点灯装置について、図1を参照しつつ説明する。図1はこの実施例による放電灯直流点灯装置の要部の回路構成図である。
【0012】
商用交流電源ACによる200[V]の交流電圧は、ダイオードブリッジ回路2を含む整流部1で交流−直流変換され、昇降圧チョッパ部3に入力される。チョッパ制御部8aの制御の下に昇降圧チョッパ部3で昇圧又は降圧等の直流−直流変換された直流電圧は、定電流部4を介して極性切換部5へ入力される。極性切換部5では切換制御部8cの制御の下に所定時間毎に電圧の極性が反転され、この矩形波状の電圧が蛍光灯FLの両端の電極F1、F2へ印加される。
【0013】
調光制御部8bにより制御される定電流部4は蛍光灯FLに流れる電流を制御する限流回路として機能し、この電流によって蛍光灯FLの輝度を調節する。また、キック電圧発生部6は蛍光灯FLの点灯開始動作に必要なキック電圧を繰り返し発生するためのものである。また、フィラメント回路7は蛍光灯FLの両端電極F1、F2に所定の直流電流をそれぞれ流すことによりフィラメントを予熱して点灯開始をより確実に行うためのものである。
【0014】
次に、昇降圧チョッパ部3の構成について詳しく述べる。この昇降圧チョッパ部3は前段の降圧チョッパ回路と後段の昇圧チョッパ回路とが組み合わされた構成を有し、両チョッパ回路においてインダクタL1が共通化されている。
【0015】
すなわち、いま低抵抗値である負荷電流検知用の抵抗R1を除いて考えると、降圧チョッパ回路においては、整流部1の直流電圧出力端子間に、スイッチング素子Q1、インダクタL1及びコンデンサC2が直列に接続され、インダクタL1とコンデンサC2との直列回路にダイオードD1が並列に接続されている。ダイオードD1は、整流部1、スイッチング素子Q1及びダイオードD1を含む回路ループにおいて、整流部1からスイッチング素子Q1を通してダイオードD1に流れる電流を阻止する方向にその極性が決められている。
【0016】
一方、昇圧チョッパ回路においては、上記降圧チョッパ回路の一部であるダイオードD1の両端子間にインダクタL1及びスイッチング素子Q2が直列に接続され、スイッチング素子Q2の両端子間にダイオードD2と平滑コンデンサC2とが直列に接続されている。ダイオードD2は、スイッチング素子Q2、ダイオードD2及びコンデンサC2を含む回路ループにおいて、コンデンサC2からの放電電流がダイオードD2を通してスイッチング素子Q2に流れるのを阻止する方向にその極性が決められている。
【0017】
2個のスイッチング素子Q1、Q2は典型的には高耐圧の電力用MOSFETであり、その制御端子(ゲート端子)にはチョッパ制御部8aからPWM駆動信号が供給され、この信号に応じてスイッチング素子Q1、Q2は同期してオン・オフする。チョッパ制御部8aはPWM駆動信号のオン期間とオフ期間との比率つまりデューティ比を適宜に制御することにより、この昇降圧チョッパ部3の出力電圧を制御する。
【0018】
基本的には、デューティ比を大きくしてスイッチング素子Q1、Q2のオン期間の比率を大きくすれば、インダクタL1に蓄積されるエネルギにより平滑コンデンサC2が充電される、という昇圧チョッパの作用により、整流部1の出力電圧を昇圧して後段へ出力することができる。一方、デューティ比を小さくしてスイッチング素子Q1、Q2のオフ期間の比率を大きくすれば、主としてインダクタL1に蓄積される小さなエネルギが後段へと放出されるという降圧チョッパの作用により、整流部1の出力電圧を降圧して後段へ出力することができる。
【0019】
実際には、蛍光灯FLの点灯開始時には、この昇降圧チョッパ部3の出力電圧が300〜350[V]程度になるように昇圧する。このとき、定電流部4に含まれる電流制御素子Q3の両被制御端子間に掛かる電圧はかなり高いものとなる。そして、点灯状態に移行した後には、昇降圧チョッパ部3の出力電圧が数十〜百数十[V]程度になるように降圧する。点灯開始時にはこのような高電圧を蛍光灯FLの両端電極F1、F2に印加し、さらにはキック電圧発生部6からキック電圧を繰り返し印加することにより、蛍光灯FLは迅速且つスムーズに点灯が開始される。そして点灯開始後には、蛍光灯FLの両端電極F1、F2間の電圧は、点灯状態を維持可能な程度までの低い電圧に落とされる。このとき、電流制御素子Q3の両被制御端子間に掛かる電圧は低くなるから、この素子Q3における電力損失を小さくすることができる。
【0020】
このように昇降圧チョッパ部3の基本的な機能は点灯開始及び点灯持続状態時に対応した昇圧及び降圧であるが、同時に、入力力率を改善するように、スイッチング素子Q1、Q2のオン・オフのタイミングの位相を制御する。具体的には、チョッパ制御部8aは、抵抗R1の右側端の電位(接地電位)を基準とし、抵抗R1の左側端つまりモニタ点P2の電位をモニタすることで、負荷電流に対応した電圧波形を検出する。そして、その負荷電流に対応した電圧波形と、昇降圧チョッパ部3への入力電圧であるモニタ点P1の電圧波形との形状が略同一になるように、スイッチング素子Q1、Q2へと出力するPWM駆動信号の位相を制御する。それによって入力力率をできるだけ1に近づけ、低入力電力容量化を達成することができる。
【0021】
なお、図1の構成では抵抗R1の左側端をモニタ点P2としているが、回路の接地(0V)位置を適宜変更することにより抵抗R1の左側端の電位を基準とし、抵抗R1の右側端にモニタ点P2を設定して、このモニタ点P2において負荷電流に対応した電圧波形を検出するようにしてもよい。
【0022】
一方、調光制御部8bは外部から制御部8に与えられた調光指示などに基づいて、基準電圧V1の電圧値を変更することで(或いはアンプA1のゲインを変更することで)電流制御素子Q3に流れる電流を制御する。このように調光のために蛍光灯FLに流れる電流を変化させた場合であっても、上記のようにそのときの電流に応じて入力力率が最良又はそれに近い状態に維持されるようにPWM駆動信号は位相制御されるため、常に高い入力力率を確保することが可能である。
【0023】
以上説明したように、本実施例の蛍光灯直流点灯装置では、点灯開始時に蛍光灯に高電圧を印加する一方、点灯開始後には点灯持続状態を維持する程度の低電圧を蛍光灯に印加するための昇降圧チョッパ部3に、入力力率の改善機能を持たせたので、低入力電力容量化を達成することができる。特に、入力交流電圧が高い場合には、スイッチング素子Q1、Q2や電流制御素子Q3での電力損失が大きくなるためにエネルギ効率が悪化しがちであるが、本実施例の蛍光灯直流点灯装置では、こうした場合でも高い入力力率を確保して入力電力容量を抑制することができる。
【0024】
なお、上記実施例は本発明の一例にすぎず、本発明の趣旨の範囲で適宜、変形、修正、又は追加を行っても、本願の特許請求の範囲に包含されることは明らかである。例えば上記実施例は蛍光灯を対象としていたが、本発明はネオン管、ハロゲン灯など放電灯全般の点灯装置に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による蛍光灯直流点灯装置の要部の回路構成図。
【符号の説明】
1…整流部
2…ダイオードブリッジ回路
3…昇降圧チョッパ部
4…定電流部
5…極性切換部
6…キック電圧発生部
7…フィラメント回路
8…制御部
8a…チョッパ制御部
8b…調光制御部
8c…切換制御部
Q1、Q2、Q4〜Q7…スイッチング素子
Q3…電流制御素子
C1、C2…コンデンサ
D1、D2…ダイオード
A1…アンプ
L1…インダクタ
V1…基準電圧
R1〜R4…抵抗
FL…蛍光灯
F1、F2…両端電極
AC…商用交流電源
【発明の属する技術分野】
本発明は、蛍光灯等の放電灯を直流点灯させるための放電灯直流点灯装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般家庭用の蛍光灯とは異なり、工場や各種施設等で使用されている検査装置の照明用の蛍光灯では僅かなちらつきが問題となるため、点灯方式として直流点灯方式が採用されることが多い。例えば非特許文献1には、市販の蛍光灯を直流点灯するための調光機能を有する点灯装置が記載されている。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−284086号公報
【非特許文献1】
“直流蛍光灯点灯装置”「DCLSシリーズ」、[online]、京都電機器株式会社、[平成15年5月12日検索]、インターネット、〈URL : http://www.kdn.co.jp/products/dcls/dcls.htm〉
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来、こうした用途の蛍光灯点灯装置では消費電力はあまり問題にされることはなかったが、省エネルギ化やコスト削減の必要性から、低消費電力化が要望されている。特に入力交流電圧として100Vではなく200Vが使用されるような場合、電力損の割合が大きくなるためこうした必要性が大きい。
【0005】
従来、こうした放電灯点灯装置において、入力交流電圧を整流する整流回路の後段に昇圧チョッパや昇降圧チョッパ等を設け、それによって入力力率の改善を行うものが提案されている(例えば特許文献1など参照)。この従来の放電灯点灯装置では、昇圧チョッパや昇降圧チョッパでの出力電圧を調整することにより調光を達成するようにしており、これによって調光が深い場合でも入力力率を良好に維持できるようにしている。
【0006】
しかしながら、こうした装置では、昇圧チョッパ及び降圧チョッパを制御する際に力率と調光との両方を考慮する必要があるため制御が複雑になる傾向にある。また、点灯持続時にも最低限の電圧を放電灯に印加する必要があることから、放電灯への印加電圧を下げねばならず、その状態からさらに放電灯への印加電圧を下げることによって深い調光を達成することは難しい。
【0007】
本発明はこのような点に鑑みて成されたものであり、その主たる目的は、簡単な制御によって調光等の条件に依らずに入力力率を改善し、低入力電力容量化を達成することができる放電灯直流点灯装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段、及び効果】
上記課題を解決するために成された本発明に係る放電灯直流点灯装置は、
a)交流入力電圧を整流して直流電圧に変換する直流化手段と、
b)チョッパ用のスイッチング素子を含み、前記直流電圧を昇圧又は降圧するための昇降圧手段と、
c)前記昇圧又は降圧された直流電圧の極性を所定周期で交互に切り換え、その直流電圧を放電灯の両端電極に印加する極性切換手段と、
d)前記昇降圧手段と前記極性切換手段とにそれぞれ被制御端子が接続されるようにその両手段の間に介挿された電流制御用素子を含み、前記放電灯の調光を行うために該放電灯に流れる電流を制御する定電流手段と、
e)前記放電灯の点灯開始時に前記直流電圧を昇圧する一方、該放電灯の点灯持続時には前記電流制御用素子の被制御端子間電圧が点灯開始時よりも低くなるように前記直流電圧を降圧し、且つ前記昇降圧手段への入力電圧波形と負荷電圧波形の形状が略同一になるように前記スイッチング素子の制御端子にPWM駆動信号を印加する制御手段と、
を備えることを特徴としている。
【0009】
本発明に係る放電灯直流点灯装置では、例えば交流入力電圧が200Vである場合に、制御手段の制御の下に、放電灯の点灯開始時には昇降圧手段は例えば300V程度以上の高電圧を放電灯の両端電極に印加するべく直流電圧を昇圧するが、一旦、点灯が開始されて点灯状態を持続させる際には、それに必要な程度の数十〜百数十V程度の相対的に低い電圧を放電灯の両端電極に印加するべく直流電圧を降圧する。またそれと同時に、昇降圧手段のスイッチング素子は、昇降圧手段への入力電圧波形と放電灯を流れる電流に応じた負荷電圧波形の形状とが略同一になるようにそのオン・オフが制御される。
【0010】
したがって、本発明に係る放電灯直流点灯装置によれば、入力力率を高い状態(つまり1に近い状態)に維持することができ、低入力電力容量化に寄与する。それにより、例えば複数の放電灯直流点灯装置を設置する必要があるような場合に、交流電源への接続の自由度が増し、設置が容易になる。また、点灯持続時において、調光は定電流手段により達成され、昇降圧手段は入力力率を改善するように制御されるだけであるので、制御が非常に簡単になる。さらにまた、点灯持続時には、定電流手段の電流制御用素子の被制御端子間に掛かる電圧は低くなる。それによって、その素子での電力損失を軽減するとともに、長寿命化を図ることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施例による放電灯直流点灯装置について、図1を参照しつつ説明する。図1はこの実施例による放電灯直流点灯装置の要部の回路構成図である。
【0012】
商用交流電源ACによる200[V]の交流電圧は、ダイオードブリッジ回路2を含む整流部1で交流−直流変換され、昇降圧チョッパ部3に入力される。チョッパ制御部8aの制御の下に昇降圧チョッパ部3で昇圧又は降圧等の直流−直流変換された直流電圧は、定電流部4を介して極性切換部5へ入力される。極性切換部5では切換制御部8cの制御の下に所定時間毎に電圧の極性が反転され、この矩形波状の電圧が蛍光灯FLの両端の電極F1、F2へ印加される。
【0013】
調光制御部8bにより制御される定電流部4は蛍光灯FLに流れる電流を制御する限流回路として機能し、この電流によって蛍光灯FLの輝度を調節する。また、キック電圧発生部6は蛍光灯FLの点灯開始動作に必要なキック電圧を繰り返し発生するためのものである。また、フィラメント回路7は蛍光灯FLの両端電極F1、F2に所定の直流電流をそれぞれ流すことによりフィラメントを予熱して点灯開始をより確実に行うためのものである。
【0014】
次に、昇降圧チョッパ部3の構成について詳しく述べる。この昇降圧チョッパ部3は前段の降圧チョッパ回路と後段の昇圧チョッパ回路とが組み合わされた構成を有し、両チョッパ回路においてインダクタL1が共通化されている。
【0015】
すなわち、いま低抵抗値である負荷電流検知用の抵抗R1を除いて考えると、降圧チョッパ回路においては、整流部1の直流電圧出力端子間に、スイッチング素子Q1、インダクタL1及びコンデンサC2が直列に接続され、インダクタL1とコンデンサC2との直列回路にダイオードD1が並列に接続されている。ダイオードD1は、整流部1、スイッチング素子Q1及びダイオードD1を含む回路ループにおいて、整流部1からスイッチング素子Q1を通してダイオードD1に流れる電流を阻止する方向にその極性が決められている。
【0016】
一方、昇圧チョッパ回路においては、上記降圧チョッパ回路の一部であるダイオードD1の両端子間にインダクタL1及びスイッチング素子Q2が直列に接続され、スイッチング素子Q2の両端子間にダイオードD2と平滑コンデンサC2とが直列に接続されている。ダイオードD2は、スイッチング素子Q2、ダイオードD2及びコンデンサC2を含む回路ループにおいて、コンデンサC2からの放電電流がダイオードD2を通してスイッチング素子Q2に流れるのを阻止する方向にその極性が決められている。
【0017】
2個のスイッチング素子Q1、Q2は典型的には高耐圧の電力用MOSFETであり、その制御端子(ゲート端子)にはチョッパ制御部8aからPWM駆動信号が供給され、この信号に応じてスイッチング素子Q1、Q2は同期してオン・オフする。チョッパ制御部8aはPWM駆動信号のオン期間とオフ期間との比率つまりデューティ比を適宜に制御することにより、この昇降圧チョッパ部3の出力電圧を制御する。
【0018】
基本的には、デューティ比を大きくしてスイッチング素子Q1、Q2のオン期間の比率を大きくすれば、インダクタL1に蓄積されるエネルギにより平滑コンデンサC2が充電される、という昇圧チョッパの作用により、整流部1の出力電圧を昇圧して後段へ出力することができる。一方、デューティ比を小さくしてスイッチング素子Q1、Q2のオフ期間の比率を大きくすれば、主としてインダクタL1に蓄積される小さなエネルギが後段へと放出されるという降圧チョッパの作用により、整流部1の出力電圧を降圧して後段へ出力することができる。
【0019】
実際には、蛍光灯FLの点灯開始時には、この昇降圧チョッパ部3の出力電圧が300〜350[V]程度になるように昇圧する。このとき、定電流部4に含まれる電流制御素子Q3の両被制御端子間に掛かる電圧はかなり高いものとなる。そして、点灯状態に移行した後には、昇降圧チョッパ部3の出力電圧が数十〜百数十[V]程度になるように降圧する。点灯開始時にはこのような高電圧を蛍光灯FLの両端電極F1、F2に印加し、さらにはキック電圧発生部6からキック電圧を繰り返し印加することにより、蛍光灯FLは迅速且つスムーズに点灯が開始される。そして点灯開始後には、蛍光灯FLの両端電極F1、F2間の電圧は、点灯状態を維持可能な程度までの低い電圧に落とされる。このとき、電流制御素子Q3の両被制御端子間に掛かる電圧は低くなるから、この素子Q3における電力損失を小さくすることができる。
【0020】
このように昇降圧チョッパ部3の基本的な機能は点灯開始及び点灯持続状態時に対応した昇圧及び降圧であるが、同時に、入力力率を改善するように、スイッチング素子Q1、Q2のオン・オフのタイミングの位相を制御する。具体的には、チョッパ制御部8aは、抵抗R1の右側端の電位(接地電位)を基準とし、抵抗R1の左側端つまりモニタ点P2の電位をモニタすることで、負荷電流に対応した電圧波形を検出する。そして、その負荷電流に対応した電圧波形と、昇降圧チョッパ部3への入力電圧であるモニタ点P1の電圧波形との形状が略同一になるように、スイッチング素子Q1、Q2へと出力するPWM駆動信号の位相を制御する。それによって入力力率をできるだけ1に近づけ、低入力電力容量化を達成することができる。
【0021】
なお、図1の構成では抵抗R1の左側端をモニタ点P2としているが、回路の接地(0V)位置を適宜変更することにより抵抗R1の左側端の電位を基準とし、抵抗R1の右側端にモニタ点P2を設定して、このモニタ点P2において負荷電流に対応した電圧波形を検出するようにしてもよい。
【0022】
一方、調光制御部8bは外部から制御部8に与えられた調光指示などに基づいて、基準電圧V1の電圧値を変更することで(或いはアンプA1のゲインを変更することで)電流制御素子Q3に流れる電流を制御する。このように調光のために蛍光灯FLに流れる電流を変化させた場合であっても、上記のようにそのときの電流に応じて入力力率が最良又はそれに近い状態に維持されるようにPWM駆動信号は位相制御されるため、常に高い入力力率を確保することが可能である。
【0023】
以上説明したように、本実施例の蛍光灯直流点灯装置では、点灯開始時に蛍光灯に高電圧を印加する一方、点灯開始後には点灯持続状態を維持する程度の低電圧を蛍光灯に印加するための昇降圧チョッパ部3に、入力力率の改善機能を持たせたので、低入力電力容量化を達成することができる。特に、入力交流電圧が高い場合には、スイッチング素子Q1、Q2や電流制御素子Q3での電力損失が大きくなるためにエネルギ効率が悪化しがちであるが、本実施例の蛍光灯直流点灯装置では、こうした場合でも高い入力力率を確保して入力電力容量を抑制することができる。
【0024】
なお、上記実施例は本発明の一例にすぎず、本発明の趣旨の範囲で適宜、変形、修正、又は追加を行っても、本願の特許請求の範囲に包含されることは明らかである。例えば上記実施例は蛍光灯を対象としていたが、本発明はネオン管、ハロゲン灯など放電灯全般の点灯装置に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による蛍光灯直流点灯装置の要部の回路構成図。
【符号の説明】
1…整流部
2…ダイオードブリッジ回路
3…昇降圧チョッパ部
4…定電流部
5…極性切換部
6…キック電圧発生部
7…フィラメント回路
8…制御部
8a…チョッパ制御部
8b…調光制御部
8c…切換制御部
Q1、Q2、Q4〜Q7…スイッチング素子
Q3…電流制御素子
C1、C2…コンデンサ
D1、D2…ダイオード
A1…アンプ
L1…インダクタ
V1…基準電圧
R1〜R4…抵抗
FL…蛍光灯
F1、F2…両端電極
AC…商用交流電源
Claims (1)
- a)交流入力電圧を整流して直流電圧に変換する直流化手段と、
b)チョッパ用のスイッチング素子を含み、前記直流電圧を昇圧又は降圧するための昇降圧手段と、
c)前記昇圧又は降圧された直流電圧の極性を所定周期で交互に切り換え、その直流電圧を放電灯の両端電極に印加する極性切換手段と、
d)前記昇降圧手段と前記極性切換手段とにそれぞれ被制御端子が接続されるようにその両手段の間に介挿された電流制御用素子を含み、前記放電灯の調光を行うために該放電灯に流れる電流を制御する定電流手段と、
e)前記放電灯の点灯開始時に前記直流電圧を昇圧する一方、該放電灯の点灯持続時には前記電流制御用素子の被制御端子間電圧が点灯開始時よりも低くなるように前記直流電圧を降圧し、且つ前記昇降圧手段への入力電圧波形と負荷電圧波形の形状が略同一になるように前記スイッチング素子の制御端子にPWM駆動信号を印加する制御手段と、
を備えることを特徴とする放電灯直流点灯装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003150119A JP2004355872A (ja) | 2003-05-28 | 2003-05-28 | 放電灯直流点灯装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003150119A JP2004355872A (ja) | 2003-05-28 | 2003-05-28 | 放電灯直流点灯装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004355872A true JP2004355872A (ja) | 2004-12-16 |
Family
ID=34046015
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003150119A Pending JP2004355872A (ja) | 2003-05-28 | 2003-05-28 | 放電灯直流点灯装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004355872A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014078529A (ja) * | 2008-04-24 | 2014-05-01 | Indice Pty Ltd | 電力コントロール |
-
2003
- 2003-05-28 JP JP2003150119A patent/JP2004355872A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014078529A (ja) * | 2008-04-24 | 2014-05-01 | Indice Pty Ltd | 電力コントロール |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
TWI343170B (en) | Power supply apparatus and system for lcd backlight and method thereof | |
JP3216572B2 (ja) | 圧電トランスの駆動回路 | |
EP2131631B1 (en) | Electric discharge lamp operating device, lighting equipment and lighting system | |
US8324829B2 (en) | Startup control for a high pressure discharge lamp ballast | |
TW201212708A (en) | Control circuit for switching power supply, control method for switching power supply, light emitting apparatus and electronic device using the same | |
WO2007049599A1 (ja) | Oled駆動装置、該駆動装置を備える照明装置及び該装置の調整方法 | |
JP2011034847A (ja) | 電源装置及び照明器具 | |
JP2013513357A (ja) | インバータ用の移行モード整流 | |
JP6323149B2 (ja) | 停電補償機能付き照明用電源装置及び照明装置 | |
JP2009291034A (ja) | 負荷制御装置および電気機器 | |
JP4014576B2 (ja) | 無電極放電ランプ電源装置 | |
JP2004355872A (ja) | 放電灯直流点灯装置 | |
US7317286B2 (en) | Power supply apparatus for discharge lamp and control method for the same | |
JP6534060B2 (ja) | 点灯装置及び照明器具 | |
JP6134492B2 (ja) | 点灯装置 | |
JP6245506B2 (ja) | 点灯装置 | |
JP2017107777A (ja) | 点灯装置及びそれを備えた照明器具 | |
WO2012144274A1 (ja) | Led点灯装置およびled照明装置 | |
JP2018121519A (ja) | 照明器具 | |
JP2010135276A (ja) | 放電灯点灯回路 | |
KR101360656B1 (ko) | Led 구동 회로 | |
JP4590718B2 (ja) | 高圧放電灯点灯装置 | |
JP2010177115A (ja) | 希ガス放電灯点灯装置 | |
JP5720363B2 (ja) | 照明装置 | |
JP4871981B2 (ja) | 点灯装置、及びこれを備えた画像表示装置 |