JP2004355328A - 健康管理支援装置、健康管理支援システム、健康管理支援方法および健康管理支援プログラム - Google Patents
健康管理支援装置、健康管理支援システム、健康管理支援方法および健康管理支援プログラム Download PDFInfo
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Abstract
【課題】ユーザの心理状態に応じて鬱状態を軽減し、心身状態の不調を改善することにより、自己管理に対するモチベーションを維持および向上させることが可能な健康管理支援装置、健康管理システム、健康管理支援方法および健康管理プログラムを提供することである。
【解決手段】ユーザに対して定期的に生活習慣、身体状態およびメンタル状態に関する問診を行う。ユーザは定期的に自身のバイタルデータおよび個人情報を入力する。ユーザにより入力された音声が解析される。問診の回答、バイタルデータおよび音声解析の結果に基づいてユーザの現状に適合した最適なアドバイスの選択およびリラクゼーションプログラムの選択を行う。リラクゼーションプログラムの実行に伴って動的にバイタル目標値および生活習慣目標値をより高い値に変更しながらユーザの自己管理を推進する。
【選択図】 図1
【解決手段】ユーザに対して定期的に生活習慣、身体状態およびメンタル状態に関する問診を行う。ユーザは定期的に自身のバイタルデータおよび個人情報を入力する。ユーザにより入力された音声が解析される。問診の回答、バイタルデータおよび音声解析の結果に基づいてユーザの現状に適合した最適なアドバイスの選択およびリラクゼーションプログラムの選択を行う。リラクゼーションプログラムの実行に伴って動的にバイタル目標値および生活習慣目標値をより高い値に変更しながらユーザの自己管理を推進する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、健康管理を支援する健康管理支援装置、健康管理支援システム、健康管理支援方法および健康管理支援プログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、健康管理を支援する種々のシステムが提案されている。例えば、個人の生活状況やバイタルデータに応じて生活実態やストレス状態に適したアドバイスを提示する生活習慣改善支援システム(特許文献1参照)、目標値に対する達成状況を監視して達成が遅れている場合は本来の達成度に戻せるように支援するシステム(特許文献2参照)等が提案されている。
【0003】
また、リラクゼーション機能および専門家によるカウンセリング受付機能を設けたメンタルヘルス・サーバ装置およびメンタルヘルス・サービス提供システムが提案されている(特許文献3参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−311192号公報
【特許文献2】
特表2001−515233号公報
【特許文献3】
特開2003−108674号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
糖尿病に代表される慢性的な生活習慣病患者は、症状の改善および悪化の防止のために、毎日の生活において適切な生活習慣の自己管理が求められる。しかし、食事の内容を制限したり、嗜好品の摂取を制限するなどの地道な努力を、長期にわたって続ける必要があるため、モチベーションを維持することが困難となる。そのため、途中で挫折してしまう患者が多い。
【0006】
特に、糖尿病患者の場合には、身体的な苦痛が少なく自己管理の重要性を認識しづくらく、また、一部心身機能の喪失を端緒とする抑鬱状態に陥りやすく、健常者に比べて鬱状態が長く継続する。
【0007】
患者が鬱状態にある場合には、食事や日常生活に対する意欲を低下させ、バランスのよい食事をとったり、血糖値を適性に保ったりというような自己管理に対する意識を低下させる原因となる。
【0008】
したがって、患者が諦めることなく持続的に自己管理に取り組めるように、日常生活の中で患者の自己管理に対するモチベーションを維持および向上させるような支援が必要である。
【0009】
本発明の目的は、ユーザの心理状態に応じて鬱状態を軽減し、心身状態の不調を改善することにより、自己管理に対するモチベーションを維持および向上させることが可能な健康管理支援装置、健康管理支援システム、健康管理支援方法および健康管理支援プログラムを提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
第1の発明に係る健康支援装置は、ユーザの健康状態に関する情報を取得する取得手段と、取得手段により取得された情報に基づいてユーザに自己管理に関するアドバイスを提示する第1の提示手段と、取得手段により取得された情報に基づいてユーザにリラクゼーションプログラムを提示する第2の提示手段とを備えたものである。
【0011】
本発明に係る健康管理支援装置においては、ユーザの健康状態に関する情報が取得手段により取得され、取得された情報に基づいて第1の提示手段によりユーザに自己管理に関するアドバイスが提示される。また、取得された情報に基づいて第2の提示手段によりユーザにリラクゼーションプログラムが提示される。
【0012】
このように、ユーザの健康状態に関する情報に基づいてユーザの自己管理に関するアドバイスおよびリラクゼーションプログラムが提示される。それにより、ユーザの心理状態に応じて鬱状態を軽減するとともに心身状態の不調を改善することができる。その結果、自己管理に対するモチベーションを維持および向上させることが可能となる。
【0013】
複数のリラクゼーションプログラムを記憶する記憶手段をさらに備え、第2の提示手段は、取得手段により取得された情報に基づいて記憶手段に記憶された複数のリラクゼーションプログラムのいずれかを選択してユーザに提示してもよい。
【0014】
この場合、複数のリラクゼーションプログラムが記憶され、取得手段により取得された情報に基づいて記憶された複数のリラクゼーションプログラムのいずれかが選択されてユーザに提示される。それにより、ユーザに適合した適切なリラクゼーションプログラムが提示される。
【0015】
取得手段は、ユーザに対する問診を実行するとともに問診に対する回答を入力する問診手段を含み、健康状態に関する情報は、問診手段により入力された回答を含んでもよい。
【0016】
この場合、ユーザに対する問診が実行されるとともに問診に対する回答が入力され、入力された回答が健康状態に関する情報として取得される。それにより、ユーザに適合した適切なアドバイスおよびリラクゼーションプログラムが提示される。
【0017】
問診手段は、ユーザに対する問診として、身体状態に関する問診、精神状態に関する問診および生活習慣に関する問診のうちいずれか1つまたは複数を実行してもよい。
【0018】
この場合、ユーザに対する問診として、身体状態に関する問診、精神状態に関する問診および生活習慣に関する問診のうちいずれか1つまたは複数が実行される。それにより、ユーザにより適合した適切なアドバイスおよびリラクゼーションプログラムが提示される。
【0019】
第1の提示手段は、問診手段による問診のうちアドバイス選択用に予め選択された問診質問項目に対する回答に基づいて複数のアドバイスのいずれかを選択してユーザに提示し、第2の提示手段は、問診手段による問診のうちリラクゼーションプログラム選択用に予め選択された問診質問項目に対する回答に基づいて複数のリラクゼーションプログラムのいずれかを選択してユーザに提示してもよい。
【0020】
この場合、アドバイス選択用に予め選択された問診質問項目に対する回答に基づいて複数のアドバイスのいずれかが選択されてユーザに提示され、リラクゼーションプログラム選択用に予め選択された問診質問項目に対する回答に基づいて複数のリラクゼーションプログラムのいずれかが選択されてユーザに提示される。それにより、ユーザにより適合した適切なアドバイスおよびリラクゼーションプログラムが提示される。
【0021】
取得手段は、ユーザの生理量に関する情報、ユーザに固有の情報およびユーザの音声に関する情報のうちいずれか1つまたは複数を入力する入力手段を含み、健康状態に関する情報は、入力手段により入力された情報であってもよい。
【0022】
この場合、ユーザの生理量に関する情報、ユーザに固有の情報およびユーザの音声に関する情報のうちいずれか1つまたは複数が入力され、入力された情報が健康状態に関する情報として取得される。それにより、ユーザに適合した適切なアドバイスおよびリラクゼーションプログラムが提示される。
【0023】
第2の提示手段は、リラクゼーションプログラムの実行前と実行後または提示前と提示後とで取得手段により取得された情報の変化を検出し、検出した変化に基づいて次に提示すべきリラクゼーションプログラムを選択してもよい。
【0024】
この場合、リラクゼーションプログラムの実行による効果に基づいて次に実行すべきリラクゼーションプログラムが動的に提示される。その結果、より効果的に心身状態の改善および鬱状態の軽減が図られる。
【0025】
なお、リラクゼーションプログラムの実行後は、リラクゼーションプログラムの実行直後であってもよく、実行から一定期間経過後であってもよい。また、リラクゼーションプログラムの提示後は、リラクゼーションプログラムの提示直後であってもよく、提示から一定期間経過後であってもよい。
【0026】
第1の提示手段は、リラクゼーションプログラムの実行前と実行後または提示前と提示後とで取得手段により取得された情報の変化を検出し、検出した変化に基づいて次に提示すべきアドバイスの内容を変更してもよい。
【0027】
この場合、リラクゼーションプログラムの実行による効果に基づいてより効果的なアドバイスが動的に提示される。その結果、より効果的に自己管理を行うことができる。
【0028】
なお、リラクゼーションプログラムの実行後は、リラクゼーションプログラムの実行直後であってもよく、実行から一定期間経過後であってもよい。また、リラクゼーションプログラムの提示後は、リラクゼーションプログラムの提示直後であってもよく、提示から一定期間経過後であってもよい。
【0029】
第1の提示手段は、取得手段により取得された情報に基づいて一定期間後に達成すべきユーザの生理量または生活習慣の目標をアドバイスとともにユーザに提示してもよい。
【0030】
この場合、無理なく効果的に達成可能な目標を設定することができ、自己管理に対するモチベーションがより向上する。
【0031】
第1の提示手段は、第2の提示手段により提示されたリラクゼーションプログラムの内容に基づいて提示すべきユーザの生理量または生活習慣の目標の水準を修正してもよい。
【0032】
この場合、ユーザの生理量または生活習慣の目標の水準がより適切となり、自己管理に対するモチベーションがより向上する。
【0033】
第1の提示手段は、リラクゼーションプログラムの実行前と実行後または提示前と提示後とで取得手段により取得された情報の変化を検出し、検出した変化に基づいて次に提示すべきユーザの生理量または生活習慣の目標を変更してもよい。
【0034】
この場合、リラクゼーションプログラムの実行による効果に基づいて次の目標が動的に提示される。それにより、ユーザの生理量または生活習慣の目標の水準がより適切となり、自己管理に対するモチベーションがより向上する。
【0035】
なお、リラクゼーションプログラムの実行後は、リラクゼーションプログラムの実行直後であってもよく、実行から一定期間経過後であってもよい。また、リラクゼーションプログラムの提示後は、リラクゼーションプログラムの提示直後であってもよく、提示から一定期間経過後であってもよい。
【0036】
第2の発明に係る健康管理支援システムは、ユーザが使用するユーザ端末と、管理用コンピュータとを備え、管理用コンピュータは、ユーザの健康状態に関する情報をユーザ端末から取得する取得手段と、ユーザ端末に自己管理に関するアドバイスを提示する第1の提示手段と、取得手段により取得された情報に基づいてユーザ端末にリラクゼーションプログラムを提示する第2の提示手段とを備えたものである。
【0037】
本発明に係る健康管理支援システムにおいては、ユーザの健康状態に関する情報が管理用コンピュータの取得手段によりユーザ端末から取得され、取得された情報に基づいて第1の提示手段によりユーザ端末に自己管理に関するアドバイスが提示される。また、取得された情報に基づいて第2の提示手段によりユーザ端末にリラクゼーションプログラムが提示される。
【0038】
このように、ユーザの健康状態に関する情報に基づいてユーザの自己管理に関するアドバイスおよびリラクゼーションプログラムが提示される。それにより、ユーザの心理状態に応じて鬱状態を軽減するとともに心身状態の不調を改善することができる。その結果、自己管理に対するモチベーションを維持および向上させることが可能となる。
【0039】
第3の発明に係る健康管理支援方法は、ユーザの健康状態に関する情報を取得するステップと、取得された情報に基づいてユーザに自己管理に関するアドバイスを提示するステップと、取得された情報に基づいてユーザにリラクゼーションプログラムを提示するステップとを備えたものである。
【0040】
本発明に係る健康管理支援方法においては、ユーザの健康状態に関する情報が取得され、取得された情報に基づいてユーザに自己管理に関するアドバイスが提示される。また、取得された情報に基づいてユーザにリラクゼーションプログラムが提示される。
【0041】
このように、ユーザの健康状態に関する情報に基づいてユーザの自己管理に関するアドバイスおよびリラクゼーションプログラムが提示される。それにより、ユーザの心理状態に応じて鬱状態を軽減するとともに心身状態の不調を改善することができる。その結果、自己管理に対するモチベーションを維持および向上させることが可能となる。
【0042】
第4の発明に係る健康管理支援プログラムは、コンピュータ読み取り可能な健康管理支援プログラムであって、ユーザの健康状態に関する情報を取得する処理と、取得された情報に基づいてユーザに自己管理に関するアドバイスを提示する処理と、取得された情報に基づいてユーザにリラクゼーションプログラムを提示する処理とを、コンピュータに実行させるものである。
【0043】
本発明に係る健康管理支援プログラムによれば、ユーザの健康状態に関する情報が取得され、取得された情報に基づいてユーザに自己管理に関するアドバイスが提示される。また、取得された情報に基づいてユーザにリラクゼーションプログラムが提示される。
【0044】
このように、ユーザの健康状態に関する情報に基づいてユーザの自己管理に関するアドバイスおよびリラクゼーションプログラムが提示されるので、ユーザの心理状態に応じて鬱状態を軽減するとともに心身状態の不調を改善することができる。その結果、自己管理に対するモチベーションを維持および向上させることが可能となる。
【0045】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の一実施の形態に係る健康管理支援システムの概要を示す模式図である。
【0046】
本実施の形態に係る健康管理支援システムにおいて、ユーザに対して定期的に問診が実行される。ユーザは、その問診に対して自身の現状を回答する。ここで、問診は、生活習慣(食事、運動、服薬、飲酒、喫煙、休養等)に関する質問項目、身体状態(体調、自覚症状等)に関する質問項目、メンタル状態(精神状態)(気分、ストレス、やる気等)に関する質問項目等を含む。
【0047】
問診は、主としてユーザ端末からの音声出力または質問表の提示により行われ、回答はユーザ端末への音声入力または質問表へのチェックにより行われる。入力された音声は音声認識によりデータに変換される。
【0048】
また、ユーザは、定期的に自身のバイタルデータおよび個人情報(ユーザ基本データおよびユーザ特性データ)を入力する。ここで、バイタルデータとは、血圧、血糖値、体重、ウエスト値、コレステロール値等の客観的に測定可能な生理量に関するデータ(生理量データ)である。バイタルデータは、測定機器から自動的にユーザ端末に入力され、またはユーザのキー操作または音声によりユーザ端末に入力される。例えば、ユーザが体重計に乗ると、体重計の計測データがユーザ端末に無線通信により自動的に送信される。個人情報とは、性別、年齢、身長、生年月日、病歴、家族歴、服用状況等の自身に固有な情報である。
【0049】
さらに、ユーザにより入力された音声が解析される。ここで、解析される音声として、問診の回答またはバイタルデータの入力の際にユーザ端末に入力された音声を用いてもよく、あるいは音声解析のための質問項目を設け、その質問項目に対してユーザに解析用の音声を発話させてもよい。音声解析により発話のトーン(声の高さ)、抑揚、かすれ等からその時点での精神状態、気分、体調、ストレスの状態等を推測することが可能となる。
【0050】
問診の回答、バイタルデータの入力および音声解析により取得された各種データは判定アルゴリズムの入力パラメータとなる。判定アルゴリズムは、これらの問診の回答、バイタルデータおよび音声解析の結果のうちいずれか1つまたは複数を用いてユーザの現状に適合した最適なアドバイスの選択およびリラクゼーションプログラム(リラクゼーション手法)の選択を行う。
【0051】
アドバイスには、バイタル目標値および生活習慣目標値が含まれる。ここで、バイタル目標値とは、バイタルデータの改善目標の値であり、生活習慣目標値とは、生活習慣の改善目標の値である。
【0052】
リラクゼーションプログラムは、能動的に鬱状態を軽減したり、精神状態を改善させる手法である。リラクゼーションプログラムとしては、自律訓練法(AT: Autogenic Training)、漸進的筋弛緩法(PR: Progressive Relaxation)、瞑想法(MED: Meditation)、イメージ法(IMG: Imaginary Relaxation)、エクササイズ(運動)(EXE: Exercise)、呼吸法(BR: Breathing)、筋バイオフィードバック法(EMG_BF: EMG Biofeedback)、皮膚温バイオフィードバック法(ST_BF: Skin Temperature Biofeedback)、認知療法(CT: Cognitive Therapy)等がある。
【0053】
患者の様々な心身状況に対してそれぞれに適切なリラクゼーションプログラムがある。誤ったリラクゼーションプログラムを適用すると、逆に症状を悪化させる原因となるため、判定アルゴリズムによりユーザに適合した最適なリラクゼーションプログラムが選択される。
【0054】
リラクゼーションプログラムを実行することにより、実行しない場合に比べてユーザのモチベーションを高い状態に置くことが可能になると想定される。そのため、アドバイスにおいて示されるバイタル目標値および生活習慣目標値をリラクゼーションプログラムを実行しない場合に比べて高く設定することが可能になる。
【0055】
また、ユーザが実際にリラクゼーションプログラムを実行し、その後のメンタル状態またはバイタルデータの経過を観察することにより、リラクゼーションプログラムの適合性および設定された目標値の妥当性を確認することが可能となる。したがって、本実施の形態の健康管理支援システムでは、動的にバイタル目標値および生活習慣目標値をより高い値に変更しながらユーザの自己管理を推進することができる。
【0056】
図2は図1の健康管理支援システムにおける目標値の設定方法の一例を示す模式図である。図2の横軸は期間であり、縦軸はバイタル値である。
【0057】
図2において、バイタル値の正常値の範囲を斜線で示す。黒丸印は本実施の形態の健康管理支援システムにおいてリラクゼーションプログラムを実行した場合の目標値を示し、四角印はリラクゼーションプログラムを実行しない場合の通常の目標値を示す。
【0058】
シナリオ1は、健康管理支援システムにおいて提示されたリラクゼーションプログラムが有効に作用することにより1ヶ月後にバイタル値が目標値よりも高い水準に到達することを示している。この場合、同じリラクゼーションプログラムを引き続き提示し、目標値をさらに引き上げる。
【0059】
シナリオ2は、リラクゼーションプログラムを実行したが効果が現れず、1ヶ月後にバイタル値が目標値に到達しないことを示している。この場合、リラクゼーションプログラムを変更した上で目標値を再設定する。
【0060】
図3は本発明の一実施の形態に係る健康管理システムの構成を示すブロック図である。
【0061】
図3の健康管理システムは、サーバ1およびユーザ端末2を含む。サーバ1は例えばサービスセンターに設置される。ユーザ端末2は例えばパーソナルコンピュータからなり、ユーザの家庭内に設置される。
【0062】
サーバ1は、演算部11、内部記憶装置12および通信インタフェース13を含む。演算部11は、CPU(中央演算処理装置)、半導体メモリ等からなる。内部記憶装置12は、例えばハードディスク装置等からなる。演算部11および内部記憶装置12は、通信インタフェース13を介してネットワーク3に接続されている。ネットワーク3は、インターネット、公衆回線網等からなる。
【0063】
ユーザ端末2は、演算部21、内部記憶装置22および通信インタフェース23を含む。また、ユーザ端末2は、表示部24、データ入力部25、データ変換部26、音声入力部27、音声認識部28、音声解析部29、音声合成部30、音声出力部31、GUI(グラフィカルユーザインタフェース)41、マイク42およびスピーカ43を含む。
【0064】
演算部21は、CPU、半導体メモリ等からなる。内部記憶装置22は、例えば、ハードディスク装置等からなる。演算部21および内部記憶装置22は通信インタフェース23を介してネットワーク3に接続されている。
【0065】
サーバ1の演算部11は、問診質問項目の選択、問診回答、バイタルデータおよび音声解析の結果からのユーザの状態(体調、感情、モチベーション等)判定、アドバイス内容の設定、バイタル目標値の設定、生活習慣目標値の設定、リラクゼーションプログラムの選択、自己管理の進捗および改善結果の評価、目標値の変更、リラクゼーションプログラムの変更、各設定基準の変更等を行う。
【0066】
内部記憶装置12には、問診質問項目選択規準およびその手順、ユーザの状態判定基準およびその手順、アドバイスの選択基準およびその手順、目標値の設定基準およびその手順、リラクゼーションプログラムの選択基準およびその手順、ユーザ基本データ(年齢、性別等)、ユーザ特性データ(性格、既往症等)、問診回答、バイタルデータおよび音声解析の結果の履歴、目標値、アドバイス内容およびリラクゼーションプログラム実行の履歴が記憶される。
【0067】
ユーザ端末2の演算部21は、問診実行、バイタルデータの入力支援、問診回答、バイタルデータおよび音声解析の結果の記録および送信、アドバイス実行、リラクゼーションプログラム実行等を行う。
【0068】
内部記憶装置22には、ユーザデータ、問診質問項目、問診回答、バイタルデータおよび音声解析の結果の履歴、リラクゼーションプログラムの実行手順、目標値およびアドバイス内容が記憶される。
【0069】
GUI41は、目標値、進捗状況等の表示を行うためおよびバイタルデータの入力を行うために用いられる。マイク42は、問診回答、バイタルデータの入力等のために用いられる。スピーカ43は、アドバイス、問診、リラクゼーションプログラムの音声出力のために用いられる。
【0070】
図4は図3のサーバ1の内部記憶装置12に構成されるデータベースを示す図である。
【0071】
内部記憶装置12には、履歴データベース121、リラクゼーション手法データベース122、問診項目データベース123および音声特徴データベース124が構成される。
【0072】
履歴データベース121には問診履歴、音声解析履歴、ユーザの状態判定の結果の履歴等の各種履歴が格納される。リラクゼーション手法データベース122には、各種リラクゼーションプログラムが格納される。問診項目データベース123には、生活習慣問診、身体問診およびメンタル問診の各質問項目が格納される。音声特徴データベース124には、ユーザの平常時の音声の特徴量が格納される。
【0073】
図5は図1の健康管理支援システムの第1の動作を示すフローチャートである。
【0074】
まず、サーバ1の演算部11は、問診の実行(ステップS1)、バイタルデータの取得(ステップS2)および音声解析(ステップS3)をユーザ端末2に指令する。
【0075】
問診の実行および音声解析の詳細ついては後述する。バイタルデータの取得では、ユーザ端末2の演算部21が、GUI41、表示部24およびデータ入力部25を用いてユーザによるバイタルデータの入力を支援する。演算部21は、問診回答、バイタルデータおよび音声解析結果を内部記憶装置22に記憶するとともにサーバ1に送信する。サーバ1の演算部11は、ユーザ端末2から受信した問診回答、バイタルデータおよび音声解析結果を履歴情報として履歴データベース121に記録する。なお、問診の実行、バイタルデータの取得および音声解析の順序は限定されない。
【0076】
サーバ1の演算部11は、履歴データベース121に記録された問診回答、バイタルデータおよび音声解析結果に基づいてユーザの状態判定を行う(ステップS4)。ここで、ユーザの状態とは、体調、感情、モチベーション等を含む。
【0077】
次に、演算部11は、ユーザの状態判定の結果に基づいてアドバイス項目を選択し(ステップS5)、バイタル目標値を算出し(ステップS6)、生活習慣目標値を算出し(ステップS7)、アドバイスおよび目標値を提示する(ステップS8)。
【0078】
この場合、アドバイス項目の選択は、生活習慣問診、身体問診およびメンタル問診のうち予め選択された問診質問項目に対する回答または取得されたバイタルデータのうち予め選択されたバイタルデータに基づいて行われる。
【0079】
バイタル目標値は、例えば血圧の目標値、血糖値の目標値、体重の目標値、歩数の目標値等である。
【0080】
生活習慣目標値は、例えばカロリー摂取量の目標値、禁煙の目標値(タバコの本数)等である。
【0081】
また、演算部11は、ユーザの状態判定の結果に基づいてリラクゼーション手法データベース122に格納されたリラクゼーションプログラムを選択し(ステップS9)、ユーザ端末2にリラクゼーションプログラムの実行を指令する(ステップS10)。ユーザは、ユーザ端末2の指示に従ってリラクゼーションプログラムを実行する。
【0082】
この場合、リラクゼーションプログラムの選択は、生活習慣問診、身体問診およびメンタル問診のうち予め選択された問診質問項目に対する回答または取得されたバイタルデータのうち予め選択されたバイタルデータに基づいて行われる。
【0083】
なお、アドバイス項目の選択用の問診質問項目またはバイタルデータは、リラクゼーションプログラムの選択用の問診質問項目またはバイタルデータとは別個に選択されてもよく、共通であってもよい。
【0084】
図6はサーバ1の演算部11による問診実行の処理を示すフローチャートである。
【0085】
まず、サーバ1の演算部11は、問診項目データベース123に格納されたデータ問診質問項目を選択する(ステップS11)。この場合、演算部11は、ユーザ特性データ、過去の問診履歴等を考慮して例えば3つの問診質問項目を選択する。
【0086】
次に、演算部11は、ユーザ端末2に話し掛けを指令する(ステップS12)。それにより、ユーザ端末2の演算部21は、ユーザにスピーカ43から例えば「こんにちは」と出力する。ユーザは、ユーザ端末2のマイク42を用いて返事を入力する。入力されたユーザの返事は、サーバ1に送信される。
【0087】
サーバ1の演算部11は、ユーザ端末2から返事があったか否かを判別する(ステップS13)。ユーザ端末2から返事があった場合には、演算部11は、ユーザ端末2に1番目の質問項目を送信する(ステップS14)。それにより、ユーザ端末2の演算部21は、ユーザにスピーカ43から1番目の質問項目を出力する。ユーザは、ユーザ端末2のマイク42を用いて回答を入力する。入力されたユーザの回答は、サーバ1に送信される。
【0088】
なお、問診質問項目の例は、「あなたの今日の体調はいいですか?」である。問診質問項目は、「はい」または「いいえ」で答えさせる形式である。
【0089】
サーバ1の演算部11は、ユーザ端末2から回答があったか否かを判別する(ステップS15)。ユーザ端末2から回答があった場合には、演算部11は、ユーザ端末2に2番目の質問項目を送信する(ステップS16)。それにより、ユーザ端末2の演算部21は、ユーザにスピーカ43から2番目の質問項目を出力する。ユーザは、ユーザ端末2のマイク42を用いて回答を入力する。入力されたユーザの回答は、サーバ1に送信される。
【0090】
サーバ1の演算部11は、ユーザ端末2から回答があったか否かを判別する(ステップS17)。ユーザ端末2から回答があった場合には、演算部11は、ユーザ端末2に3番目の質問項目を送信する(ステップS18)。それにより、ユーザ端末2の演算部21は、ユーザにスピーカ43から3番目の質問項目を出力する。ユーザは、ユーザ端末2のマイク42を用いて回答を入力する。入力されたユーザの回答は、サーバ1に送信される。
【0091】
サーバ1の演算部11は、ユーザ端末2から回答があったか否かを判別する(ステップS19)。ユーザ端末2から回答があった場合には、演算部11は、ユーザ端末2に質問終了の通知を送信する(ステップS20)。それにより、ユーザ端末2の演算部21は、ユーザにスピーカ43から例えば「ありがとう」と出力する。
【0092】
最後に、サーバ1の演算部11は、回答内容を問診履歴として出力しかつ履歴データベース121に記録する(ステップS21)。
【0093】
なお、ステップS13,S15,S17,S19において、ユーザから所定の時間内に返事または回答がない場合には、話し掛けの方法および質問項目を変更し、破線で示すように再度ステップS12〜S19の処理を繰り返す。
【0094】
図7はサーバ1の演算部11による音声解析の処理を示すフローチャートである。
【0095】
まず、サーバ1の演算部11は、問診回答の音声を採取する旨をユーザ端末2に指令する(ステップS31)。それにより、ユーザ端末2の演算部21は、マイク42から音声入力部27に入力された音声を音声認識部28により認識するとともに音声解析部29により解析する。音声解析の結果は、サーバ1に送信される。
【0096】
次に、サーバ1の演算部11は、ユーザ端末2により受信した音声の特徴量を抽出する(ステップS32)。そして、演算部11は、抽出した音声の特徴量を音声特徴データベース124に格納されたユーザの平常時の特徴量と比較する(ステップS33)。
【0097】
さらに、演算部11は、比較結果に基づいて評価点を算出し(ステップS34)、算出された評価点を音声解析履歴として出力しかつ履歴データベース121に出力および記録する(ステップS35)。
【0098】
図8は図1の健康管理支援システムの第2の動作を示すフローチャートである。
【0099】
まず、サーバ1の演算部11は、問診の実行、バイタルデータの取得および音声解析をユーザ端末2に指令する(ステップS51)。それにより、ユーザ端末2は、上記の問診の実行、バイタルデータの取得および音声解析を行う。
【0100】
次に、演算部11は、問診の実行により得られた問診データ、取得されたバイタルデータおよび音声解析の結果に基づいてユーザの状態判定を行う(ステップS52)。
【0101】
次に、演算部11は、ユーザの状態判定の結果に基づいてバイタル目標値を算出し(ステップS53)、生活習慣目標値を算出し(ステップS54)、リラクゼーションプログラムを選択する(ステップS55)。
【0102】
さらに、演算部11は、ユーザ端末2を通してユーザにリラクゼーションプログラムを受けるか否かを問い合わせる(ステップS56)。ユーザがリラクゼーションプログラムを受ける場合には、演算部11は、ユーザ端末2にリラクゼーションプログラムの実行を指令する(ステップS57)。ユーザは、ユーザ端末2の指示に従ってリラクゼーションプログラムを実行する。
【0103】
その後、演算部11は、目標値の上方修正を行う(ステップS58)。さらに、演算部11は、ユーザ端末2を通してユーザに目標値を提示する(ステップS59)。
【0104】
ステップS56においてユーザがリラクゼーションプログラムを受けない場合には、演算部11は、ユーザ端末2を通してユーザに目標値を提示する(ステップS59)。
【0105】
上記のステップS58の目標値の上方修正では、各リラクゼーションプログラムが各バイタル項目および各生活習慣項目に与える効果の程度を影響度として指標化する。図9は各リラクゼーションプログラムが各バイタル項目および各生活習慣項目に与える影響度の一例を示す図である。目標値の上方修正では、図9の指標を用い、リラクゼーションプログラムを実行していない人の目標値に影響度分を加算することにより、リラクゼーションプログラムを実行した人の目標値を設定する。
【0106】
図9に示すように、例えば、リラクゼーションプログラムAを実行したユーザは、血圧が平均5%低下し、モチベーションが5%上昇することが分かっているものとする。それにより、ユーザが治療を途中で挫折する確率が減少する。したがって、元の血圧の目標値が135である場合に、リラクゼーションプログラムAを実行した後に新たな目標値を135[mmHg]×95[%]=128[mmHg]に上方修正する。
【0107】
このように、第2の動作では、実際にリラクゼーションプログラムを実行した場合に目標値が上方修正される。
【0108】
図10および図11は図1の健康管理支援システムの第3の動作を示すフローチャートである。
【0109】
まず、サーバ1の演算部11は、問診の実行、バイタルデータの取得および音声解析をユーザ端末2に指令する(ステップS61)。それにより、ユーザ端末2は、上記の問診の実行、バイタルデータの取得および音声解析を行う。
【0110】
次に、演算部11は、問診の実行により得られた問診データ、取得されたバイタルデータおよび音声解析の結果に基づいてユーザの状態判定を行う(ステップS62)。ユーザの状態判定の結果は、履歴データベース121に記録される。
【0111】
その後、演算部11は、ユーザの状態判定の結果に基づいてバイタル目標値を算出し(ステップS63)、生活習慣目標値を算出し(ステップS64)、リラクゼーションプログラムを選択する(ステップS65)。
【0112】
その後、演算部11は、ユーザ端末2にリラクゼーションプログラムの実行を指令する(ステップS66)。ユーザは、ユーザ端末2の指示に従ってリラクゼーションプログラムを実行する。
【0113】
さらに、演算部11は、問診の実行、バイタルデータの取得および音声解析をユーザ端末2に指令する(ステップS67)。それにより、ユーザ端末2は、上記の問診の実行、バイタルデータの取得および音声解析を行う。
【0114】
ステップS67においては、問診実行、バイタルデータの取得および音声解析を最初のステップS61で実施した全ての項目について実施する必要はなく、リラクゼーションプログラムの実行後すぐに変化が現れる項目について実施する。この場合、主としてメンタル問診を行う。
【0115】
次に、演算部11は、問診の実行により得られた問診データ、取得されたバイタルデータおよび音声解析の結果に基づいてユーザの状態判定を行う(ステップS68)。
【0116】
そして、演算部11は、ユーザの状態判定の結果を履歴データベース121に記録されたユーザの状態判定の結果と比較することによりユーザの状態がリラクゼーションプログラムの実行前よりもよくなったか否かを判定する(ステップS69)。ユーザの状態がリラクゼーションプログラム実行前よりよくなった場合には、改善の程度に合わせて演算部11は目標値の上方修正を行う(ステップS70)。さらに、演算部11は、ユーザ端末2を通してユーザに目標値を提示する(ステップS74)。
【0117】
ステップS69においてユーザの状態がリラクゼーションプログラムの実行前よりもよくなっていない場合には、演算部11は、リラクゼーションプログラムがユーザに適合しているか否かを判定する(ステップS71)。リラクゼーションプログラムがユーザに適合している場合には、演算部11は目標値の下方修正を行う(ステップS72)。さらに、演算部11は、ユーザ端末2を通してユーザに目標値を提示する(ステップS74)。
【0118】
ステップS71においてリラクゼーションプログラムがユーザに適合していない場合には、演算部11は、リラクゼーションプログラムを再選択する(ステップS73)。その後、演算部11は目標値の下方修正を行う(ステップS72)。さらに、演算部11は、ユーザ端末2を通してユーザに目標値を提示する(ステップS74)。
【0119】
このように、第3の動作では、実際にリラクゼーションプログラムを実行した場合に生じた効果が測定され、測定結果に応じて目標値が再設定される。
【0120】
図12および図13は図1の健康管理支援システムの第4の動作を示すフローチャートである。
【0121】
まず、サーバ1の演算部11は、問診の実行、バイタルデータの取得および音声解析をユーザ端末2に指令する(ステップS81)。それにより、ユーザ端末2は、上記の問診の実行、バイタルデータの取得および音声解析を行う。
【0122】
次に、演算部11は、問診の実行により得られた問診データ、取得されたバイタルデータおよび音声解析の結果に基づいてユーザの状態判定を行う(ステップS82)。ユーザの状態判定の結果は、履歴データベース121に記録される。
【0123】
その後、演算部11は、ユーザの状態判定の結果に基づいてバイタル目標値を算出し(ステップS83)、生活習慣目標値を算出し(ステップS84)、リラクゼーションプログラムを選択する(ステップS85)。
【0124】
その後、演算部11は、ユーザ端末2にリラクゼーションプログラムの実行を指令する(ステップS86)。ユーザは、ユーザ端末2の指示に従ってリラクゼーションプログラムを実行する。
【0125】
次に、演算部11は、目標値の修正を行う(ステップS87)。さらに、演算部11は、ユーザ端末2を通してユーザに目標値を提示する(ステップS88)。目標値は、履歴データベース121に記録される。
【0126】
ユーザは、一定期間の間、ステップS87で修正された目標値を達成するために自己健康管理を行い、ステップS85で選択されたリラクゼーションプログラムを随時実行する。
【0127】
一定期間後、演算部11は、問診の実行、バイタルデータの取得および音声解析をユーザ端末2に指令する(ステップS91)。それにより、ユーザ端末2は、上記の問診の実行、バイタルデータの取得および音声解析を行う。
【0128】
次に、演算部11は、問診の実行により得られた問診データ、取得されたバイタルデータおよび音声解析の結果に基づいてユーザの状態判定を行う(ステップS92)。
【0129】
その後、演算部11は、実績を履歴データベース121に記録されている目標値と比較することにより、実績が目標値を超えたか否かを判定する(ステップS93)。実績が目標値を超えた場合には、演算部11は、超えた度合いに応じて目標値の上方修正を行う(ステップS94)。
【0130】
実績が目標値を超えていない場合には、演算部11は、リラクゼーションプログラムがユーザに適合しているか否かを判定する(ステップS95)。リラクゼーションプログラムがユーザに適合している場合には、演算部11は、目標値の下方修正を行う(ステップS97)。
【0131】
リラクゼーションプログラムがユーザに適合していない場合には、演算部11は、リラクゼーションプログラムを再選択する(ステップS96)。その後、演算部11は、目標値の下方修正を行う(ステップS97)。
【0132】
このように、第4の動作では、一定期間(例えば1ヶ月)、ユーザが自己健康管理およびリラクゼーションプログラムを実行した後、その実績が評価され、評価結果に基づいて次の期間の目標値が設定される。
【0133】
以上のように、本実施の形態に係る健康管理支援システムによれば、生活習慣病患者の自己健康管理にリラクゼーションプログラムによる心身状態の改善および鬱状態の軽減が図られ、かつ自己管理に関するアドバイスが提示されるとともに目標値の設定およびその達成が支援される。
【0134】
また、目標値の設定を含むアドバイスおよびリラクゼーションプログラムが相互に関連付けられながら実行されるので、アドバイスおよびリラクゼーションプログラムのいずれか一方のみが実行される場合およびアドバイスおよびリラクゼーションプログラムがそれぞれ個別に実行される場合に比べて、より高いモチベーションを維持することが可能となる。その結果、自己管理の持続および目標の達成がより容易になる。
【0135】
本実施の形態では、演算部11およびユーザ端末2が取得手段に相当し、演算部11、内部記憶装置12およびユーザ端末2が第1の提示手段および第2の提示手段に相当する。また、内部記憶装置12およびリラクゼーション手法データベース122が記憶手段に相当し、演算部11、内部記憶装置12およびユーザ端末2が問診手段および入力手段に相当する。
【0136】
なお、本実施の形態では、サーバ1およびユーザ端末2により健康管理支援システムが構成されているが、健康管理支援プログラムの一部または全てをユーザ端末2にインストールすることによりユーザ端末2がサーバ1の機能の一部または全てを備えてもよい。ユーザ端末2に健康管理支援プログラムをインストールした場合には、ユーザ端末2が健康管理支援装置として機能する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る健康管理支援システムの概要を示す模式図である。
【図2】図1の健康管理支援システムにおける目標値の設定方法の一例を示す模式図である。
【図3】本発明の一実施の形態に係る健康管理システムの構成を示すブロック図である。
【図4】図3のサーバの内部記憶装置に構成されるデータベースを示す図である。
【図5】図1の健康管理支援システムの第1の動作を示すフローチャートである。
【図6】サーバの演算部による問診実行の処理を示すフローチャートである。
【図7】サーバの演算部による音声解析の処理を示すフローチャートである。
【図8】図1の健康管理支援システムの第2の動作を示すフローチャートである。
【図9】各リラクゼーションプログラムが各バイタル項目および各生活習慣項目に与える影響度の一例を示す図である。
【図10】図1の健康管理支援システムの第3の動作を示すフローチャートである。
【図11】図1の健康管理支援システムの第3の動作を示すフローチャートである。
【図12】図1の健康管理支援システムの第4の動作を示すフローチャートである。
【図13】図1の健康管理支援システムの第4の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 サーバ
2 ユーザ端末
3 ネットワーク
11,21 演算部
12,22 内部記憶装置
13,23 通信インタフェース
24 表示部
25 データ入力部
26 データ変換部
27 音声入力部
28 音声認識部
29 音声解析部
30 音声合成部
31 音声出力部
41 GUI
42 マイク
43 スピーカ
121 履歴データベース
122 リラクゼーション手法データベース
123 問診項目データベース
124 音声特徴データベース
【発明の属する技術分野】
本発明は、健康管理を支援する健康管理支援装置、健康管理支援システム、健康管理支援方法および健康管理支援プログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、健康管理を支援する種々のシステムが提案されている。例えば、個人の生活状況やバイタルデータに応じて生活実態やストレス状態に適したアドバイスを提示する生活習慣改善支援システム(特許文献1参照)、目標値に対する達成状況を監視して達成が遅れている場合は本来の達成度に戻せるように支援するシステム(特許文献2参照)等が提案されている。
【0003】
また、リラクゼーション機能および専門家によるカウンセリング受付機能を設けたメンタルヘルス・サーバ装置およびメンタルヘルス・サービス提供システムが提案されている(特許文献3参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−311192号公報
【特許文献2】
特表2001−515233号公報
【特許文献3】
特開2003−108674号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
糖尿病に代表される慢性的な生活習慣病患者は、症状の改善および悪化の防止のために、毎日の生活において適切な生活習慣の自己管理が求められる。しかし、食事の内容を制限したり、嗜好品の摂取を制限するなどの地道な努力を、長期にわたって続ける必要があるため、モチベーションを維持することが困難となる。そのため、途中で挫折してしまう患者が多い。
【0006】
特に、糖尿病患者の場合には、身体的な苦痛が少なく自己管理の重要性を認識しづくらく、また、一部心身機能の喪失を端緒とする抑鬱状態に陥りやすく、健常者に比べて鬱状態が長く継続する。
【0007】
患者が鬱状態にある場合には、食事や日常生活に対する意欲を低下させ、バランスのよい食事をとったり、血糖値を適性に保ったりというような自己管理に対する意識を低下させる原因となる。
【0008】
したがって、患者が諦めることなく持続的に自己管理に取り組めるように、日常生活の中で患者の自己管理に対するモチベーションを維持および向上させるような支援が必要である。
【0009】
本発明の目的は、ユーザの心理状態に応じて鬱状態を軽減し、心身状態の不調を改善することにより、自己管理に対するモチベーションを維持および向上させることが可能な健康管理支援装置、健康管理支援システム、健康管理支援方法および健康管理支援プログラムを提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
第1の発明に係る健康支援装置は、ユーザの健康状態に関する情報を取得する取得手段と、取得手段により取得された情報に基づいてユーザに自己管理に関するアドバイスを提示する第1の提示手段と、取得手段により取得された情報に基づいてユーザにリラクゼーションプログラムを提示する第2の提示手段とを備えたものである。
【0011】
本発明に係る健康管理支援装置においては、ユーザの健康状態に関する情報が取得手段により取得され、取得された情報に基づいて第1の提示手段によりユーザに自己管理に関するアドバイスが提示される。また、取得された情報に基づいて第2の提示手段によりユーザにリラクゼーションプログラムが提示される。
【0012】
このように、ユーザの健康状態に関する情報に基づいてユーザの自己管理に関するアドバイスおよびリラクゼーションプログラムが提示される。それにより、ユーザの心理状態に応じて鬱状態を軽減するとともに心身状態の不調を改善することができる。その結果、自己管理に対するモチベーションを維持および向上させることが可能となる。
【0013】
複数のリラクゼーションプログラムを記憶する記憶手段をさらに備え、第2の提示手段は、取得手段により取得された情報に基づいて記憶手段に記憶された複数のリラクゼーションプログラムのいずれかを選択してユーザに提示してもよい。
【0014】
この場合、複数のリラクゼーションプログラムが記憶され、取得手段により取得された情報に基づいて記憶された複数のリラクゼーションプログラムのいずれかが選択されてユーザに提示される。それにより、ユーザに適合した適切なリラクゼーションプログラムが提示される。
【0015】
取得手段は、ユーザに対する問診を実行するとともに問診に対する回答を入力する問診手段を含み、健康状態に関する情報は、問診手段により入力された回答を含んでもよい。
【0016】
この場合、ユーザに対する問診が実行されるとともに問診に対する回答が入力され、入力された回答が健康状態に関する情報として取得される。それにより、ユーザに適合した適切なアドバイスおよびリラクゼーションプログラムが提示される。
【0017】
問診手段は、ユーザに対する問診として、身体状態に関する問診、精神状態に関する問診および生活習慣に関する問診のうちいずれか1つまたは複数を実行してもよい。
【0018】
この場合、ユーザに対する問診として、身体状態に関する問診、精神状態に関する問診および生活習慣に関する問診のうちいずれか1つまたは複数が実行される。それにより、ユーザにより適合した適切なアドバイスおよびリラクゼーションプログラムが提示される。
【0019】
第1の提示手段は、問診手段による問診のうちアドバイス選択用に予め選択された問診質問項目に対する回答に基づいて複数のアドバイスのいずれかを選択してユーザに提示し、第2の提示手段は、問診手段による問診のうちリラクゼーションプログラム選択用に予め選択された問診質問項目に対する回答に基づいて複数のリラクゼーションプログラムのいずれかを選択してユーザに提示してもよい。
【0020】
この場合、アドバイス選択用に予め選択された問診質問項目に対する回答に基づいて複数のアドバイスのいずれかが選択されてユーザに提示され、リラクゼーションプログラム選択用に予め選択された問診質問項目に対する回答に基づいて複数のリラクゼーションプログラムのいずれかが選択されてユーザに提示される。それにより、ユーザにより適合した適切なアドバイスおよびリラクゼーションプログラムが提示される。
【0021】
取得手段は、ユーザの生理量に関する情報、ユーザに固有の情報およびユーザの音声に関する情報のうちいずれか1つまたは複数を入力する入力手段を含み、健康状態に関する情報は、入力手段により入力された情報であってもよい。
【0022】
この場合、ユーザの生理量に関する情報、ユーザに固有の情報およびユーザの音声に関する情報のうちいずれか1つまたは複数が入力され、入力された情報が健康状態に関する情報として取得される。それにより、ユーザに適合した適切なアドバイスおよびリラクゼーションプログラムが提示される。
【0023】
第2の提示手段は、リラクゼーションプログラムの実行前と実行後または提示前と提示後とで取得手段により取得された情報の変化を検出し、検出した変化に基づいて次に提示すべきリラクゼーションプログラムを選択してもよい。
【0024】
この場合、リラクゼーションプログラムの実行による効果に基づいて次に実行すべきリラクゼーションプログラムが動的に提示される。その結果、より効果的に心身状態の改善および鬱状態の軽減が図られる。
【0025】
なお、リラクゼーションプログラムの実行後は、リラクゼーションプログラムの実行直後であってもよく、実行から一定期間経過後であってもよい。また、リラクゼーションプログラムの提示後は、リラクゼーションプログラムの提示直後であってもよく、提示から一定期間経過後であってもよい。
【0026】
第1の提示手段は、リラクゼーションプログラムの実行前と実行後または提示前と提示後とで取得手段により取得された情報の変化を検出し、検出した変化に基づいて次に提示すべきアドバイスの内容を変更してもよい。
【0027】
この場合、リラクゼーションプログラムの実行による効果に基づいてより効果的なアドバイスが動的に提示される。その結果、より効果的に自己管理を行うことができる。
【0028】
なお、リラクゼーションプログラムの実行後は、リラクゼーションプログラムの実行直後であってもよく、実行から一定期間経過後であってもよい。また、リラクゼーションプログラムの提示後は、リラクゼーションプログラムの提示直後であってもよく、提示から一定期間経過後であってもよい。
【0029】
第1の提示手段は、取得手段により取得された情報に基づいて一定期間後に達成すべきユーザの生理量または生活習慣の目標をアドバイスとともにユーザに提示してもよい。
【0030】
この場合、無理なく効果的に達成可能な目標を設定することができ、自己管理に対するモチベーションがより向上する。
【0031】
第1の提示手段は、第2の提示手段により提示されたリラクゼーションプログラムの内容に基づいて提示すべきユーザの生理量または生活習慣の目標の水準を修正してもよい。
【0032】
この場合、ユーザの生理量または生活習慣の目標の水準がより適切となり、自己管理に対するモチベーションがより向上する。
【0033】
第1の提示手段は、リラクゼーションプログラムの実行前と実行後または提示前と提示後とで取得手段により取得された情報の変化を検出し、検出した変化に基づいて次に提示すべきユーザの生理量または生活習慣の目標を変更してもよい。
【0034】
この場合、リラクゼーションプログラムの実行による効果に基づいて次の目標が動的に提示される。それにより、ユーザの生理量または生活習慣の目標の水準がより適切となり、自己管理に対するモチベーションがより向上する。
【0035】
なお、リラクゼーションプログラムの実行後は、リラクゼーションプログラムの実行直後であってもよく、実行から一定期間経過後であってもよい。また、リラクゼーションプログラムの提示後は、リラクゼーションプログラムの提示直後であってもよく、提示から一定期間経過後であってもよい。
【0036】
第2の発明に係る健康管理支援システムは、ユーザが使用するユーザ端末と、管理用コンピュータとを備え、管理用コンピュータは、ユーザの健康状態に関する情報をユーザ端末から取得する取得手段と、ユーザ端末に自己管理に関するアドバイスを提示する第1の提示手段と、取得手段により取得された情報に基づいてユーザ端末にリラクゼーションプログラムを提示する第2の提示手段とを備えたものである。
【0037】
本発明に係る健康管理支援システムにおいては、ユーザの健康状態に関する情報が管理用コンピュータの取得手段によりユーザ端末から取得され、取得された情報に基づいて第1の提示手段によりユーザ端末に自己管理に関するアドバイスが提示される。また、取得された情報に基づいて第2の提示手段によりユーザ端末にリラクゼーションプログラムが提示される。
【0038】
このように、ユーザの健康状態に関する情報に基づいてユーザの自己管理に関するアドバイスおよびリラクゼーションプログラムが提示される。それにより、ユーザの心理状態に応じて鬱状態を軽減するとともに心身状態の不調を改善することができる。その結果、自己管理に対するモチベーションを維持および向上させることが可能となる。
【0039】
第3の発明に係る健康管理支援方法は、ユーザの健康状態に関する情報を取得するステップと、取得された情報に基づいてユーザに自己管理に関するアドバイスを提示するステップと、取得された情報に基づいてユーザにリラクゼーションプログラムを提示するステップとを備えたものである。
【0040】
本発明に係る健康管理支援方法においては、ユーザの健康状態に関する情報が取得され、取得された情報に基づいてユーザに自己管理に関するアドバイスが提示される。また、取得された情報に基づいてユーザにリラクゼーションプログラムが提示される。
【0041】
このように、ユーザの健康状態に関する情報に基づいてユーザの自己管理に関するアドバイスおよびリラクゼーションプログラムが提示される。それにより、ユーザの心理状態に応じて鬱状態を軽減するとともに心身状態の不調を改善することができる。その結果、自己管理に対するモチベーションを維持および向上させることが可能となる。
【0042】
第4の発明に係る健康管理支援プログラムは、コンピュータ読み取り可能な健康管理支援プログラムであって、ユーザの健康状態に関する情報を取得する処理と、取得された情報に基づいてユーザに自己管理に関するアドバイスを提示する処理と、取得された情報に基づいてユーザにリラクゼーションプログラムを提示する処理とを、コンピュータに実行させるものである。
【0043】
本発明に係る健康管理支援プログラムによれば、ユーザの健康状態に関する情報が取得され、取得された情報に基づいてユーザに自己管理に関するアドバイスが提示される。また、取得された情報に基づいてユーザにリラクゼーションプログラムが提示される。
【0044】
このように、ユーザの健康状態に関する情報に基づいてユーザの自己管理に関するアドバイスおよびリラクゼーションプログラムが提示されるので、ユーザの心理状態に応じて鬱状態を軽減するとともに心身状態の不調を改善することができる。その結果、自己管理に対するモチベーションを維持および向上させることが可能となる。
【0045】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の一実施の形態に係る健康管理支援システムの概要を示す模式図である。
【0046】
本実施の形態に係る健康管理支援システムにおいて、ユーザに対して定期的に問診が実行される。ユーザは、その問診に対して自身の現状を回答する。ここで、問診は、生活習慣(食事、運動、服薬、飲酒、喫煙、休養等)に関する質問項目、身体状態(体調、自覚症状等)に関する質問項目、メンタル状態(精神状態)(気分、ストレス、やる気等)に関する質問項目等を含む。
【0047】
問診は、主としてユーザ端末からの音声出力または質問表の提示により行われ、回答はユーザ端末への音声入力または質問表へのチェックにより行われる。入力された音声は音声認識によりデータに変換される。
【0048】
また、ユーザは、定期的に自身のバイタルデータおよび個人情報(ユーザ基本データおよびユーザ特性データ)を入力する。ここで、バイタルデータとは、血圧、血糖値、体重、ウエスト値、コレステロール値等の客観的に測定可能な生理量に関するデータ(生理量データ)である。バイタルデータは、測定機器から自動的にユーザ端末に入力され、またはユーザのキー操作または音声によりユーザ端末に入力される。例えば、ユーザが体重計に乗ると、体重計の計測データがユーザ端末に無線通信により自動的に送信される。個人情報とは、性別、年齢、身長、生年月日、病歴、家族歴、服用状況等の自身に固有な情報である。
【0049】
さらに、ユーザにより入力された音声が解析される。ここで、解析される音声として、問診の回答またはバイタルデータの入力の際にユーザ端末に入力された音声を用いてもよく、あるいは音声解析のための質問項目を設け、その質問項目に対してユーザに解析用の音声を発話させてもよい。音声解析により発話のトーン(声の高さ)、抑揚、かすれ等からその時点での精神状態、気分、体調、ストレスの状態等を推測することが可能となる。
【0050】
問診の回答、バイタルデータの入力および音声解析により取得された各種データは判定アルゴリズムの入力パラメータとなる。判定アルゴリズムは、これらの問診の回答、バイタルデータおよび音声解析の結果のうちいずれか1つまたは複数を用いてユーザの現状に適合した最適なアドバイスの選択およびリラクゼーションプログラム(リラクゼーション手法)の選択を行う。
【0051】
アドバイスには、バイタル目標値および生活習慣目標値が含まれる。ここで、バイタル目標値とは、バイタルデータの改善目標の値であり、生活習慣目標値とは、生活習慣の改善目標の値である。
【0052】
リラクゼーションプログラムは、能動的に鬱状態を軽減したり、精神状態を改善させる手法である。リラクゼーションプログラムとしては、自律訓練法(AT: Autogenic Training)、漸進的筋弛緩法(PR: Progressive Relaxation)、瞑想法(MED: Meditation)、イメージ法(IMG: Imaginary Relaxation)、エクササイズ(運動)(EXE: Exercise)、呼吸法(BR: Breathing)、筋バイオフィードバック法(EMG_BF: EMG Biofeedback)、皮膚温バイオフィードバック法(ST_BF: Skin Temperature Biofeedback)、認知療法(CT: Cognitive Therapy)等がある。
【0053】
患者の様々な心身状況に対してそれぞれに適切なリラクゼーションプログラムがある。誤ったリラクゼーションプログラムを適用すると、逆に症状を悪化させる原因となるため、判定アルゴリズムによりユーザに適合した最適なリラクゼーションプログラムが選択される。
【0054】
リラクゼーションプログラムを実行することにより、実行しない場合に比べてユーザのモチベーションを高い状態に置くことが可能になると想定される。そのため、アドバイスにおいて示されるバイタル目標値および生活習慣目標値をリラクゼーションプログラムを実行しない場合に比べて高く設定することが可能になる。
【0055】
また、ユーザが実際にリラクゼーションプログラムを実行し、その後のメンタル状態またはバイタルデータの経過を観察することにより、リラクゼーションプログラムの適合性および設定された目標値の妥当性を確認することが可能となる。したがって、本実施の形態の健康管理支援システムでは、動的にバイタル目標値および生活習慣目標値をより高い値に変更しながらユーザの自己管理を推進することができる。
【0056】
図2は図1の健康管理支援システムにおける目標値の設定方法の一例を示す模式図である。図2の横軸は期間であり、縦軸はバイタル値である。
【0057】
図2において、バイタル値の正常値の範囲を斜線で示す。黒丸印は本実施の形態の健康管理支援システムにおいてリラクゼーションプログラムを実行した場合の目標値を示し、四角印はリラクゼーションプログラムを実行しない場合の通常の目標値を示す。
【0058】
シナリオ1は、健康管理支援システムにおいて提示されたリラクゼーションプログラムが有効に作用することにより1ヶ月後にバイタル値が目標値よりも高い水準に到達することを示している。この場合、同じリラクゼーションプログラムを引き続き提示し、目標値をさらに引き上げる。
【0059】
シナリオ2は、リラクゼーションプログラムを実行したが効果が現れず、1ヶ月後にバイタル値が目標値に到達しないことを示している。この場合、リラクゼーションプログラムを変更した上で目標値を再設定する。
【0060】
図3は本発明の一実施の形態に係る健康管理システムの構成を示すブロック図である。
【0061】
図3の健康管理システムは、サーバ1およびユーザ端末2を含む。サーバ1は例えばサービスセンターに設置される。ユーザ端末2は例えばパーソナルコンピュータからなり、ユーザの家庭内に設置される。
【0062】
サーバ1は、演算部11、内部記憶装置12および通信インタフェース13を含む。演算部11は、CPU(中央演算処理装置)、半導体メモリ等からなる。内部記憶装置12は、例えばハードディスク装置等からなる。演算部11および内部記憶装置12は、通信インタフェース13を介してネットワーク3に接続されている。ネットワーク3は、インターネット、公衆回線網等からなる。
【0063】
ユーザ端末2は、演算部21、内部記憶装置22および通信インタフェース23を含む。また、ユーザ端末2は、表示部24、データ入力部25、データ変換部26、音声入力部27、音声認識部28、音声解析部29、音声合成部30、音声出力部31、GUI(グラフィカルユーザインタフェース)41、マイク42およびスピーカ43を含む。
【0064】
演算部21は、CPU、半導体メモリ等からなる。内部記憶装置22は、例えば、ハードディスク装置等からなる。演算部21および内部記憶装置22は通信インタフェース23を介してネットワーク3に接続されている。
【0065】
サーバ1の演算部11は、問診質問項目の選択、問診回答、バイタルデータおよび音声解析の結果からのユーザの状態(体調、感情、モチベーション等)判定、アドバイス内容の設定、バイタル目標値の設定、生活習慣目標値の設定、リラクゼーションプログラムの選択、自己管理の進捗および改善結果の評価、目標値の変更、リラクゼーションプログラムの変更、各設定基準の変更等を行う。
【0066】
内部記憶装置12には、問診質問項目選択規準およびその手順、ユーザの状態判定基準およびその手順、アドバイスの選択基準およびその手順、目標値の設定基準およびその手順、リラクゼーションプログラムの選択基準およびその手順、ユーザ基本データ(年齢、性別等)、ユーザ特性データ(性格、既往症等)、問診回答、バイタルデータおよび音声解析の結果の履歴、目標値、アドバイス内容およびリラクゼーションプログラム実行の履歴が記憶される。
【0067】
ユーザ端末2の演算部21は、問診実行、バイタルデータの入力支援、問診回答、バイタルデータおよび音声解析の結果の記録および送信、アドバイス実行、リラクゼーションプログラム実行等を行う。
【0068】
内部記憶装置22には、ユーザデータ、問診質問項目、問診回答、バイタルデータおよび音声解析の結果の履歴、リラクゼーションプログラムの実行手順、目標値およびアドバイス内容が記憶される。
【0069】
GUI41は、目標値、進捗状況等の表示を行うためおよびバイタルデータの入力を行うために用いられる。マイク42は、問診回答、バイタルデータの入力等のために用いられる。スピーカ43は、アドバイス、問診、リラクゼーションプログラムの音声出力のために用いられる。
【0070】
図4は図3のサーバ1の内部記憶装置12に構成されるデータベースを示す図である。
【0071】
内部記憶装置12には、履歴データベース121、リラクゼーション手法データベース122、問診項目データベース123および音声特徴データベース124が構成される。
【0072】
履歴データベース121には問診履歴、音声解析履歴、ユーザの状態判定の結果の履歴等の各種履歴が格納される。リラクゼーション手法データベース122には、各種リラクゼーションプログラムが格納される。問診項目データベース123には、生活習慣問診、身体問診およびメンタル問診の各質問項目が格納される。音声特徴データベース124には、ユーザの平常時の音声の特徴量が格納される。
【0073】
図5は図1の健康管理支援システムの第1の動作を示すフローチャートである。
【0074】
まず、サーバ1の演算部11は、問診の実行(ステップS1)、バイタルデータの取得(ステップS2)および音声解析(ステップS3)をユーザ端末2に指令する。
【0075】
問診の実行および音声解析の詳細ついては後述する。バイタルデータの取得では、ユーザ端末2の演算部21が、GUI41、表示部24およびデータ入力部25を用いてユーザによるバイタルデータの入力を支援する。演算部21は、問診回答、バイタルデータおよび音声解析結果を内部記憶装置22に記憶するとともにサーバ1に送信する。サーバ1の演算部11は、ユーザ端末2から受信した問診回答、バイタルデータおよび音声解析結果を履歴情報として履歴データベース121に記録する。なお、問診の実行、バイタルデータの取得および音声解析の順序は限定されない。
【0076】
サーバ1の演算部11は、履歴データベース121に記録された問診回答、バイタルデータおよび音声解析結果に基づいてユーザの状態判定を行う(ステップS4)。ここで、ユーザの状態とは、体調、感情、モチベーション等を含む。
【0077】
次に、演算部11は、ユーザの状態判定の結果に基づいてアドバイス項目を選択し(ステップS5)、バイタル目標値を算出し(ステップS6)、生活習慣目標値を算出し(ステップS7)、アドバイスおよび目標値を提示する(ステップS8)。
【0078】
この場合、アドバイス項目の選択は、生活習慣問診、身体問診およびメンタル問診のうち予め選択された問診質問項目に対する回答または取得されたバイタルデータのうち予め選択されたバイタルデータに基づいて行われる。
【0079】
バイタル目標値は、例えば血圧の目標値、血糖値の目標値、体重の目標値、歩数の目標値等である。
【0080】
生活習慣目標値は、例えばカロリー摂取量の目標値、禁煙の目標値(タバコの本数)等である。
【0081】
また、演算部11は、ユーザの状態判定の結果に基づいてリラクゼーション手法データベース122に格納されたリラクゼーションプログラムを選択し(ステップS9)、ユーザ端末2にリラクゼーションプログラムの実行を指令する(ステップS10)。ユーザは、ユーザ端末2の指示に従ってリラクゼーションプログラムを実行する。
【0082】
この場合、リラクゼーションプログラムの選択は、生活習慣問診、身体問診およびメンタル問診のうち予め選択された問診質問項目に対する回答または取得されたバイタルデータのうち予め選択されたバイタルデータに基づいて行われる。
【0083】
なお、アドバイス項目の選択用の問診質問項目またはバイタルデータは、リラクゼーションプログラムの選択用の問診質問項目またはバイタルデータとは別個に選択されてもよく、共通であってもよい。
【0084】
図6はサーバ1の演算部11による問診実行の処理を示すフローチャートである。
【0085】
まず、サーバ1の演算部11は、問診項目データベース123に格納されたデータ問診質問項目を選択する(ステップS11)。この場合、演算部11は、ユーザ特性データ、過去の問診履歴等を考慮して例えば3つの問診質問項目を選択する。
【0086】
次に、演算部11は、ユーザ端末2に話し掛けを指令する(ステップS12)。それにより、ユーザ端末2の演算部21は、ユーザにスピーカ43から例えば「こんにちは」と出力する。ユーザは、ユーザ端末2のマイク42を用いて返事を入力する。入力されたユーザの返事は、サーバ1に送信される。
【0087】
サーバ1の演算部11は、ユーザ端末2から返事があったか否かを判別する(ステップS13)。ユーザ端末2から返事があった場合には、演算部11は、ユーザ端末2に1番目の質問項目を送信する(ステップS14)。それにより、ユーザ端末2の演算部21は、ユーザにスピーカ43から1番目の質問項目を出力する。ユーザは、ユーザ端末2のマイク42を用いて回答を入力する。入力されたユーザの回答は、サーバ1に送信される。
【0088】
なお、問診質問項目の例は、「あなたの今日の体調はいいですか?」である。問診質問項目は、「はい」または「いいえ」で答えさせる形式である。
【0089】
サーバ1の演算部11は、ユーザ端末2から回答があったか否かを判別する(ステップS15)。ユーザ端末2から回答があった場合には、演算部11は、ユーザ端末2に2番目の質問項目を送信する(ステップS16)。それにより、ユーザ端末2の演算部21は、ユーザにスピーカ43から2番目の質問項目を出力する。ユーザは、ユーザ端末2のマイク42を用いて回答を入力する。入力されたユーザの回答は、サーバ1に送信される。
【0090】
サーバ1の演算部11は、ユーザ端末2から回答があったか否かを判別する(ステップS17)。ユーザ端末2から回答があった場合には、演算部11は、ユーザ端末2に3番目の質問項目を送信する(ステップS18)。それにより、ユーザ端末2の演算部21は、ユーザにスピーカ43から3番目の質問項目を出力する。ユーザは、ユーザ端末2のマイク42を用いて回答を入力する。入力されたユーザの回答は、サーバ1に送信される。
【0091】
サーバ1の演算部11は、ユーザ端末2から回答があったか否かを判別する(ステップS19)。ユーザ端末2から回答があった場合には、演算部11は、ユーザ端末2に質問終了の通知を送信する(ステップS20)。それにより、ユーザ端末2の演算部21は、ユーザにスピーカ43から例えば「ありがとう」と出力する。
【0092】
最後に、サーバ1の演算部11は、回答内容を問診履歴として出力しかつ履歴データベース121に記録する(ステップS21)。
【0093】
なお、ステップS13,S15,S17,S19において、ユーザから所定の時間内に返事または回答がない場合には、話し掛けの方法および質問項目を変更し、破線で示すように再度ステップS12〜S19の処理を繰り返す。
【0094】
図7はサーバ1の演算部11による音声解析の処理を示すフローチャートである。
【0095】
まず、サーバ1の演算部11は、問診回答の音声を採取する旨をユーザ端末2に指令する(ステップS31)。それにより、ユーザ端末2の演算部21は、マイク42から音声入力部27に入力された音声を音声認識部28により認識するとともに音声解析部29により解析する。音声解析の結果は、サーバ1に送信される。
【0096】
次に、サーバ1の演算部11は、ユーザ端末2により受信した音声の特徴量を抽出する(ステップS32)。そして、演算部11は、抽出した音声の特徴量を音声特徴データベース124に格納されたユーザの平常時の特徴量と比較する(ステップS33)。
【0097】
さらに、演算部11は、比較結果に基づいて評価点を算出し(ステップS34)、算出された評価点を音声解析履歴として出力しかつ履歴データベース121に出力および記録する(ステップS35)。
【0098】
図8は図1の健康管理支援システムの第2の動作を示すフローチャートである。
【0099】
まず、サーバ1の演算部11は、問診の実行、バイタルデータの取得および音声解析をユーザ端末2に指令する(ステップS51)。それにより、ユーザ端末2は、上記の問診の実行、バイタルデータの取得および音声解析を行う。
【0100】
次に、演算部11は、問診の実行により得られた問診データ、取得されたバイタルデータおよび音声解析の結果に基づいてユーザの状態判定を行う(ステップS52)。
【0101】
次に、演算部11は、ユーザの状態判定の結果に基づいてバイタル目標値を算出し(ステップS53)、生活習慣目標値を算出し(ステップS54)、リラクゼーションプログラムを選択する(ステップS55)。
【0102】
さらに、演算部11は、ユーザ端末2を通してユーザにリラクゼーションプログラムを受けるか否かを問い合わせる(ステップS56)。ユーザがリラクゼーションプログラムを受ける場合には、演算部11は、ユーザ端末2にリラクゼーションプログラムの実行を指令する(ステップS57)。ユーザは、ユーザ端末2の指示に従ってリラクゼーションプログラムを実行する。
【0103】
その後、演算部11は、目標値の上方修正を行う(ステップS58)。さらに、演算部11は、ユーザ端末2を通してユーザに目標値を提示する(ステップS59)。
【0104】
ステップS56においてユーザがリラクゼーションプログラムを受けない場合には、演算部11は、ユーザ端末2を通してユーザに目標値を提示する(ステップS59)。
【0105】
上記のステップS58の目標値の上方修正では、各リラクゼーションプログラムが各バイタル項目および各生活習慣項目に与える効果の程度を影響度として指標化する。図9は各リラクゼーションプログラムが各バイタル項目および各生活習慣項目に与える影響度の一例を示す図である。目標値の上方修正では、図9の指標を用い、リラクゼーションプログラムを実行していない人の目標値に影響度分を加算することにより、リラクゼーションプログラムを実行した人の目標値を設定する。
【0106】
図9に示すように、例えば、リラクゼーションプログラムAを実行したユーザは、血圧が平均5%低下し、モチベーションが5%上昇することが分かっているものとする。それにより、ユーザが治療を途中で挫折する確率が減少する。したがって、元の血圧の目標値が135である場合に、リラクゼーションプログラムAを実行した後に新たな目標値を135[mmHg]×95[%]=128[mmHg]に上方修正する。
【0107】
このように、第2の動作では、実際にリラクゼーションプログラムを実行した場合に目標値が上方修正される。
【0108】
図10および図11は図1の健康管理支援システムの第3の動作を示すフローチャートである。
【0109】
まず、サーバ1の演算部11は、問診の実行、バイタルデータの取得および音声解析をユーザ端末2に指令する(ステップS61)。それにより、ユーザ端末2は、上記の問診の実行、バイタルデータの取得および音声解析を行う。
【0110】
次に、演算部11は、問診の実行により得られた問診データ、取得されたバイタルデータおよび音声解析の結果に基づいてユーザの状態判定を行う(ステップS62)。ユーザの状態判定の結果は、履歴データベース121に記録される。
【0111】
その後、演算部11は、ユーザの状態判定の結果に基づいてバイタル目標値を算出し(ステップS63)、生活習慣目標値を算出し(ステップS64)、リラクゼーションプログラムを選択する(ステップS65)。
【0112】
その後、演算部11は、ユーザ端末2にリラクゼーションプログラムの実行を指令する(ステップS66)。ユーザは、ユーザ端末2の指示に従ってリラクゼーションプログラムを実行する。
【0113】
さらに、演算部11は、問診の実行、バイタルデータの取得および音声解析をユーザ端末2に指令する(ステップS67)。それにより、ユーザ端末2は、上記の問診の実行、バイタルデータの取得および音声解析を行う。
【0114】
ステップS67においては、問診実行、バイタルデータの取得および音声解析を最初のステップS61で実施した全ての項目について実施する必要はなく、リラクゼーションプログラムの実行後すぐに変化が現れる項目について実施する。この場合、主としてメンタル問診を行う。
【0115】
次に、演算部11は、問診の実行により得られた問診データ、取得されたバイタルデータおよび音声解析の結果に基づいてユーザの状態判定を行う(ステップS68)。
【0116】
そして、演算部11は、ユーザの状態判定の結果を履歴データベース121に記録されたユーザの状態判定の結果と比較することによりユーザの状態がリラクゼーションプログラムの実行前よりもよくなったか否かを判定する(ステップS69)。ユーザの状態がリラクゼーションプログラム実行前よりよくなった場合には、改善の程度に合わせて演算部11は目標値の上方修正を行う(ステップS70)。さらに、演算部11は、ユーザ端末2を通してユーザに目標値を提示する(ステップS74)。
【0117】
ステップS69においてユーザの状態がリラクゼーションプログラムの実行前よりもよくなっていない場合には、演算部11は、リラクゼーションプログラムがユーザに適合しているか否かを判定する(ステップS71)。リラクゼーションプログラムがユーザに適合している場合には、演算部11は目標値の下方修正を行う(ステップS72)。さらに、演算部11は、ユーザ端末2を通してユーザに目標値を提示する(ステップS74)。
【0118】
ステップS71においてリラクゼーションプログラムがユーザに適合していない場合には、演算部11は、リラクゼーションプログラムを再選択する(ステップS73)。その後、演算部11は目標値の下方修正を行う(ステップS72)。さらに、演算部11は、ユーザ端末2を通してユーザに目標値を提示する(ステップS74)。
【0119】
このように、第3の動作では、実際にリラクゼーションプログラムを実行した場合に生じた効果が測定され、測定結果に応じて目標値が再設定される。
【0120】
図12および図13は図1の健康管理支援システムの第4の動作を示すフローチャートである。
【0121】
まず、サーバ1の演算部11は、問診の実行、バイタルデータの取得および音声解析をユーザ端末2に指令する(ステップS81)。それにより、ユーザ端末2は、上記の問診の実行、バイタルデータの取得および音声解析を行う。
【0122】
次に、演算部11は、問診の実行により得られた問診データ、取得されたバイタルデータおよび音声解析の結果に基づいてユーザの状態判定を行う(ステップS82)。ユーザの状態判定の結果は、履歴データベース121に記録される。
【0123】
その後、演算部11は、ユーザの状態判定の結果に基づいてバイタル目標値を算出し(ステップS83)、生活習慣目標値を算出し(ステップS84)、リラクゼーションプログラムを選択する(ステップS85)。
【0124】
その後、演算部11は、ユーザ端末2にリラクゼーションプログラムの実行を指令する(ステップS86)。ユーザは、ユーザ端末2の指示に従ってリラクゼーションプログラムを実行する。
【0125】
次に、演算部11は、目標値の修正を行う(ステップS87)。さらに、演算部11は、ユーザ端末2を通してユーザに目標値を提示する(ステップS88)。目標値は、履歴データベース121に記録される。
【0126】
ユーザは、一定期間の間、ステップS87で修正された目標値を達成するために自己健康管理を行い、ステップS85で選択されたリラクゼーションプログラムを随時実行する。
【0127】
一定期間後、演算部11は、問診の実行、バイタルデータの取得および音声解析をユーザ端末2に指令する(ステップS91)。それにより、ユーザ端末2は、上記の問診の実行、バイタルデータの取得および音声解析を行う。
【0128】
次に、演算部11は、問診の実行により得られた問診データ、取得されたバイタルデータおよび音声解析の結果に基づいてユーザの状態判定を行う(ステップS92)。
【0129】
その後、演算部11は、実績を履歴データベース121に記録されている目標値と比較することにより、実績が目標値を超えたか否かを判定する(ステップS93)。実績が目標値を超えた場合には、演算部11は、超えた度合いに応じて目標値の上方修正を行う(ステップS94)。
【0130】
実績が目標値を超えていない場合には、演算部11は、リラクゼーションプログラムがユーザに適合しているか否かを判定する(ステップS95)。リラクゼーションプログラムがユーザに適合している場合には、演算部11は、目標値の下方修正を行う(ステップS97)。
【0131】
リラクゼーションプログラムがユーザに適合していない場合には、演算部11は、リラクゼーションプログラムを再選択する(ステップS96)。その後、演算部11は、目標値の下方修正を行う(ステップS97)。
【0132】
このように、第4の動作では、一定期間(例えば1ヶ月)、ユーザが自己健康管理およびリラクゼーションプログラムを実行した後、その実績が評価され、評価結果に基づいて次の期間の目標値が設定される。
【0133】
以上のように、本実施の形態に係る健康管理支援システムによれば、生活習慣病患者の自己健康管理にリラクゼーションプログラムによる心身状態の改善および鬱状態の軽減が図られ、かつ自己管理に関するアドバイスが提示されるとともに目標値の設定およびその達成が支援される。
【0134】
また、目標値の設定を含むアドバイスおよびリラクゼーションプログラムが相互に関連付けられながら実行されるので、アドバイスおよびリラクゼーションプログラムのいずれか一方のみが実行される場合およびアドバイスおよびリラクゼーションプログラムがそれぞれ個別に実行される場合に比べて、より高いモチベーションを維持することが可能となる。その結果、自己管理の持続および目標の達成がより容易になる。
【0135】
本実施の形態では、演算部11およびユーザ端末2が取得手段に相当し、演算部11、内部記憶装置12およびユーザ端末2が第1の提示手段および第2の提示手段に相当する。また、内部記憶装置12およびリラクゼーション手法データベース122が記憶手段に相当し、演算部11、内部記憶装置12およびユーザ端末2が問診手段および入力手段に相当する。
【0136】
なお、本実施の形態では、サーバ1およびユーザ端末2により健康管理支援システムが構成されているが、健康管理支援プログラムの一部または全てをユーザ端末2にインストールすることによりユーザ端末2がサーバ1の機能の一部または全てを備えてもよい。ユーザ端末2に健康管理支援プログラムをインストールした場合には、ユーザ端末2が健康管理支援装置として機能する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る健康管理支援システムの概要を示す模式図である。
【図2】図1の健康管理支援システムにおける目標値の設定方法の一例を示す模式図である。
【図3】本発明の一実施の形態に係る健康管理システムの構成を示すブロック図である。
【図4】図3のサーバの内部記憶装置に構成されるデータベースを示す図である。
【図5】図1の健康管理支援システムの第1の動作を示すフローチャートである。
【図6】サーバの演算部による問診実行の処理を示すフローチャートである。
【図7】サーバの演算部による音声解析の処理を示すフローチャートである。
【図8】図1の健康管理支援システムの第2の動作を示すフローチャートである。
【図9】各リラクゼーションプログラムが各バイタル項目および各生活習慣項目に与える影響度の一例を示す図である。
【図10】図1の健康管理支援システムの第3の動作を示すフローチャートである。
【図11】図1の健康管理支援システムの第3の動作を示すフローチャートである。
【図12】図1の健康管理支援システムの第4の動作を示すフローチャートである。
【図13】図1の健康管理支援システムの第4の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 サーバ
2 ユーザ端末
3 ネットワーク
11,21 演算部
12,22 内部記憶装置
13,23 通信インタフェース
24 表示部
25 データ入力部
26 データ変換部
27 音声入力部
28 音声認識部
29 音声解析部
30 音声合成部
31 音声出力部
41 GUI
42 マイク
43 スピーカ
121 履歴データベース
122 リラクゼーション手法データベース
123 問診項目データベース
124 音声特徴データベース
Claims (11)
- ユーザの健康状態に関する情報を取得する取得手段と、
前記取得手段により取得された情報に基づいてユーザに自己管理に関するアドバイスを提示する第1の提示手段と、
前記取得手段により取得された情報に基づいてユーザにリラクゼーションプログラムを提示する第2の提示手段とを備えたことを特徴とする健康管理支援装置。 - 複数のリラクゼーションプログラムを記憶する記憶手段をさらに備え、
前記第2の提示手段は、前記取得手段により取得された情報に基づいて前記記憶手段に記憶された複数のリラクゼーションプログラムのいずれかを選択してユーザに提示することを特徴とする請求項1記載の健康管理支援装置。 - 前記取得手段は、ユーザに対する問診を実行するとともに問診に対する回答を入力する問診手段を含み、
前記健康状態に関する情報は、前記問診手段により入力された回答を含むことを特徴とする請求項1または2記載の健康管理支援装置。 - 前記問診手段は、ユーザに対する問診として、身体状態に関する問診、精神状態に関する問診および生活習慣に関する問診のうちいずれか1つまたは複数を実行することを特徴とする請求項3記載の健康管理支援装置。
- 前記取得手段は、ユーザの生理量に関する情報、ユーザに固有の情報およびユーザの音声に関する情報のうちいずれか1つまたは複数を入力する入力手段を含み、
前記健康状態に関する情報は、前記入力手段により入力された情報であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の健康管理支援装置。 - 前記第2の提示手段は、リラクゼーションプログラムの実行前と実行後または提示前と提示後とで前記取得手段により取得された情報の変化を検出し、検出した変化に基づいて次に提示すべきリラクゼーションプログラムを選択することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の健康管理支援装置。
- 前記第1の提示手段は、リラクゼーションプログラムの実行前と実行後または提示前と提示後とで前記取得手段により取得された情報の変化を検出し、検出した変化に基づいて次に提示すべきアドバイスの内容を変更することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の健康管理支援装置。
- 前記第1の提示手段は、前記取得手段により取得された情報に基づいて一定期間後に達成すべきユーザの生理量または生活習慣の目標を前記アドバイスとともにユーザに提示することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の健康管理支援装置。
- ユーザが使用するユーザ端末と、
管理用コンピュータとを備え、
前記管理用コンピュータは、
ユーザの健康状態に関する情報を前記ユーザ端末から取得する取得手段と、
前記ユーザ端末に自己管理に関するアドバイスを提示する第1の提示手段と、
前記取得手段により取得された情報に基づいて前記ユーザ端末にリラクゼーションプログラムを提示する第2の提示手段とを備えたことを特徴とする健康管理支援システム。 - ユーザの健康状態に関する情報を取得するステップと、
前記取得された情報に基づいてユーザに自己管理に関するアドバイスを提示するステップと、
前記取得された情報に基づいてユーザにリラクゼーションプログラムを提示するステップとを備えたことを特徴とする健康管理支援方法。 - コンピュータ読み取り可能な健康管理支援プログラムであって、
ユーザの健康状態に関する情報を取得する処理と、
前記取得された情報に基づいてユーザに自己管理に関するアドバイスを提示する処理と、
前記取得された情報に基づいてユーザにリラクゼーションプログラムを提示する処理とを、コンピュータに実行させることを特徴とする健康管理支援プログラム。
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