JP2004355061A - 分析システム - Google Patents

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Yoko Shiga
陽子 志賀
Jun Mizuno
潤 水野
Kimitoku Sugauchi
公徳 菅内
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Abstract

【課題】ネットワークシステムの構成要素間の依存関係に基づく性能分析において、分析の精度を高める。
【解決手段】分析システムは、分析対象となる性能情報の計測実行タイミング情報を取得する分析対象情報取得手段と、計測実行タイミング情報に基づいて計測処理の実行契機を制御するスケジューリング手段と、実際に性能情報を取得する計測実行手段とを備え、ネットワークシステムの分析を行う。
【選択図】図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ネットワークによって接続される複数のコンピュータやネットワーク機器から構成されるシステムを対象とした性能分析システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、銀行の勘定系システムなどのミッションクリティカルなサービスがIPネットワーク上で構築されるようになり、システムの稼働性能の監視や、性能低下時の原因分析に対する要求が高まっている。
【0003】
システムは、メールサーバ、ウェブサーバなどのインターネットサービスのサーバや、データベース、ネットワーク機器などの独立した複数の要素から構成されており、あるサービスの性能が低下の原因となりうる要素は複数存在する。
【0004】
この要求に対して、サービスの応答性能や、サーバのメモリ使用率などの性能情報を収集し、相関分析を行うことで、それら性能情報間の依存関係を明らかにする分析システムがある。相関分析とは、変数Xと変数Yとの間の相関関係を示すものである。変数Xが増加すると変数Yも増加する場合に、変数Xと変数Yの間には正の相関関係があると言うことができる。一方、変数Xが増加すると変数Yは減少する場合に、変数Xと変数Yの間には負の相関関係があると言うことができる。相関関係は、相関係数によって定量的に表される。相関係数は、公式によって算出することが可能である。分析システムは、管理対象サービスの複数の性能情報を定期的に収集し、性能情報の変化の相関関係を示すことができる。この分析システムを用いることにより、あるサービスの応答性能に影響を与えたと考えられる要素を洗い出すことが可能であり、根本的な原因の発見に役立てることができる。このような分析システムは既に市販されている(例えば、非特許文献1参照。)。なお、多くのサーバやネットワーク機器は、CPU使用率や回線稼働率などをMIB(Management Information Base)として保持している。MIBは、分散システムの管理情報の構造を規定しており、管理情報をオブジェクトIDと呼ばれる一意な識別子で指定することができる。サーバやネットワーク機器が持つMIBの値は、SNMP(Simple Network Management Protocol)と呼ばれるプロトコルで外部から取得することができる。
【0005】
【非特許文献1】
「日経ビジネス」、「社内管理にもIT」、日経BP社、2002年3月18日発行、第1133号、pp. e20, e21
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来技術を利用すると、システムの管理者は、サービスの性能低下時に性能低下の原因となる要素を特定することができる。しかし、従来の技術には次のような問題点がある。
【0007】
分析対象システムが大規模で多数の要素から構成され、同時に複数のサービスを提供していると仮定する。分析システムは、一定の間隔で複数の性能情報を収集する。分析対象となる性能情報は、同じ時刻に取得することが望ましい。しかし、従来の分析システムは、性能情報の取得タイミングを制御していないため、同時に取得すべき性能情報の数が分析システムの性能を上回る場合には、取得処理は本来取得すべき時刻から遅れて実行される。また、取得処理同士が相互に影響し、一定間隔で取得することができない。このような場合には、正確な相関分析ができない。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明による分析システムでは以下の構成をとる。
【0009】
ネットワークシステム対象とした分析システムにおいて、
前記分析システムは、ネットワークシステムを構成する機器やホストからCPU利用率などの性能情報を収集する1つ以上の計測サーバと、前記性能情報を分析する分析サーバと、分析対象となる機器やホスト、および性能情報の種類を指定し、分析実行命令を発行する分析クライアントとから構成され、
前記分析サーバは、分析対象となる機器やホスト、および性能情報の種類を表す分析対象情報を分析クライアントから取得する分析対象取得手段と、取得した情報を保持する分析対象情報記録手段と、前記計測サーバに分析対象情報を送信し、性能情報を受信する通信手段と、取得した性能情報に対して相関分析を行う分析実行手段と、相関分析の実行命令を前記分析クライアントから受け取り、前記分析実行手段によって相関分析を実行し、結果を前記分析クライアントに返す分析制御手段とを備え、
前記分析対象情報は、計測実行に関する情報を含み、
前記計測サーバは、前記分析サーバから分析対象情報を取得し、性能情報を送信する通信手段と、分析対象情報に基づいた計測処理の実行契機を制御するスケジューリング手段と、実際に性能情報を取得する計測実行手段とを備える。
【0010】
これにより、より正確な相関分析を得ることが可能になる。
【0011】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の一実施例の機能構成図である。本実施例の機能構成は、1つの分析クライアント(100)、1つの分析サーバ(110)、1つ以上の計測サーバ(120)、1つ以上の分析対象機器(130)および分析対象サーバ(140)から成る。前記分析クライアント(100)は、前記分析サーバ(110)とIPネットワークにより接続されている。また、前記分析サーバ(110)は、また、前記計測サーバ(120)とIPネットワークにより接続されている。さらに、前記計測サーバ(120)は、前記分析対象機器(130)および分析対象サーバ(140)とIPネットワークにより接続されている。
【0012】
前記分析クライアント(100)は、コンピュータ上で動作するソフトウェアプログラムであり、GUI(Graphical User Interface)を備えていて、ユーザが分析対象機器を示す分析対象情報(318)を入力する分析対象登録部(101)と、ユーザが分析の実行命令を入力し、分析結果を参照する分析指示部(102)を具現化する。前記分析対象登録部(101)のGUIである分析対象登録画面(900)、前記分析指示部(102)のGUIである分析指示画面(910)を図9に示す。
【0013】
前記分析サーバ(110)は、コンピュータ上で動作するソフトウェアプログラムであり、前記分析対象情報(318)を前記分析クライアント(100)から取得する分析対象取得部(111)と、前記分析対象情報(318)を、性能情報を計測する計測サーバ(120)に送信し、前記計測サーバ(120)から計測結果(325)を取得する通信部(121)と、分析クライアント(100)から分析実行命令を取得し、実際に分析を実行する分析実行部(114)によって分析結果を得て、前記分析クライアント(110)に取得した分析結果を返す分析制御部(113)と、相関分析を実行する分析実行部(114)とを具現化し、前記分析対象情報(318)と、当該分析システムを構成する計測サーバの情報である計測サーバ情報(325)と、前記計測結果(335)とを保持するデータベース(115)と、前記計測サーバ情報(325)を格納した構成定義ファイル(116)を処理する。
【0014】
前記計測サーバ(120)は、コンピュータ上で動作するソフトウェアプログラムであり、前記分析サーバ(110)から前記分析対象情報(318)を受信し、受信した分析対象情報(318)に基づいて計測を実行し得られる性能情報を、前記分析サーバ(110)に送信する通信部(112)と、前記分析対象情報(318)の実行時刻を制御するスケジューリング部(122)と、実際に前記分析対象機器(130)や、前記分析対象サーバ(140)にアクセスして、性能情報を得る計測実行部(123)とを具現化し、前記分析対象情報(318)を保持するデータベース(124)と、警告メッセージの出力先であるログファイル(125)を処理する。なお、前記スケジューリング部(122)は、前記分析対象情報(318)に基づいて、一定の間隔おきに性能情報を取得するよう、前記計測実行部(123)が行う計測処理の実行時刻を決定する。前記計測実行部(123)は、分析対象機器のMIB値を取得したり、WebサーバにHTTPリクエストを出して、レスポンスを得るまでの応答時間を求めたりする機能を持つ。
【0015】
前記分析対象機器(130)は、ルータやスイッチなどのネットワーク機器であり、SNMPエージェント(131)を備えている。
【0016】
前記分析対象サーバ(140)は、メールサーバやWebサーバなどのインターネットサービスを提供するサーバであり、SNMPエージェント(141)を備えている。
【0017】
図2は本発明の一実施例のシステム構成図である。本実施例のシステムは、前記分析クライアント(100)と、前記分析サーバ(110)と、2つの前記計測サーバ(120)と、分析対象ネットワーク(250)とから構成される。
【0018】
前記分析クライアント(100)と、前記分析サーバ(110)と、1つの前記計測サーバである計測サーバA(120)は、管理用ネットワーク(200)によって、前記分析対象ネットワーク(250)に接続されている。もう1つの前記計測サーバである計測サーバB(120)は、前記分析対象ネットワーク(250)内に接続されている。前記分析クライアント(100)と、前記分析サーバ(110)と、前記計測サーバA(120)および前記計測サーバB(120)は、コンピュータ上で動作するソフトウェアプログラムであり、同一のマシン上で動作しても良いし、それぞれネットワークによって接続された別のマシン上で動作しても良い。ただし、本実施例では、前記分析クライアント(100)と、前記分析サーバ(110)と、前記計測サーバA(120)は同一のマシン上で動作するものとする。
【0019】
前記分析対象ネットワーク(250)は、企業Aの拠点1(241)、センタ2(242)、センタ3(243)と、それらを結ぶ基幹ネットワーク(260)で構成される。前記拠点1(241)、前記センタ2(242)、前記センタ3(243)を結ぶ基幹ネットワーク(260)は、ルータ1(201)、ルータ2(202)、ルータ3(203)で構成される。前記センタ2(242)のネットワークは、スイッチ2(212)によって前記ルータ2(202)に接続している。前記スイッチ2(212)には、Webサーバ2(222)とデータベースサーバ2(232)が接続している。一方、前記センタ3(243)のネットワークは、スイッチ3(213)によって前記ルータ3(203)に接続している。スイッチ3(213)には、Webサーバ3(223)とデータベースサーバ3(233)が接続している。また、前記拠点1(241)のネットワークは、スイッチ1(211)によって前記ルータ1(201)に接続している。前記スイッチ1(211)には、N台のWebクライアント(231)と、前記計測サーバB(120)が接続している。前記計測サーバB(120)は、前記拠点1(241)から前記Webサーバ2(222)および前記Webサーバ3(223)へアクセスした場合の応答時間を測るために、前記拠点1(241)に設置されている。なお、拠点同士を接続するルータは分析対象機器(130)であり、SNMPエージェント(131)を備えており、各サーバも分析対象サーバであり、SNMPエージェント(141)を備えている。なお、これらのルータ、スイッチ、サーバはイーサネット(登録商標)のネットワークインタフェースを持ち、100M/秒のイーサネットケーブルで接続している。
【0020】
前記Webサーバ2(222)と、前記データベースサーバ2(232)は、前記企業Aが生産する製品の在庫管理サービスを実現する。また、前記Webサーバ3(223)と、前記データベースサーバ3(233)は、社員の勤務時間管理サービスを実現する。前記企業Aの社員は、前記拠点1から前記在庫管理サービスおよび前記勤務時間管理サービスにアクセスする。
【0021】
図3は本発明の一実施例において、前記データベースに格納される分析対象リスト(310)を示す図である。
【0022】
前記分析対象リスト(310)は、複数の分析対象情報(318)から成る。前記分析対象情報(318)は、取得すべき性能情報の種類やその取得方法を示すものであり、一意な識別子であるターゲットID(311)と、当該分析対象が所属するグループの識別子であるグループID(312)、取得すべき性能情報の種類を表す種別(313)、性能情報の取得に必要な固有情報(314)、性能情報の取得間隔(315)、性能情報取得処理のタイムアウト値(316)、性能情報を取得する計測サーバの識別子である計測サーバID(317)から成る。前記グループとは、依存関係を持つ性能情報の集合である。例えば、任意のWebサービスの応答時間と、当該サービスを提供するWebサーバのホスト稼働率は、依存関係を持っており、同じグループに含まれる。前記種別(313)には、HTTPサービスの総応答時間を表す「100」、サーバの稼働率を表す「102」などがある。前記固有情報(314)は、前記種別(313)が「100」である場合には、分析対象となるHTTPサービスのURLとなる。また、前記種別(313)が「102」である場合には、分析対象となるサーバのIPアドレスと、MIBオブジェクトIDとなる。なお、性能情報取得間隔(315)の単位は分、性能情報取得処理のタイムアウト値(316)の単位は秒である。
【0023】
例えば、分析対象情報1(319)はターゲットIDが「1」であり、グループIDが「1001」であるグループ1に所属し、種別はHTTPサービスの応答時間を示す「100」である。固有情報として、HTTPサービスのURLを持つ。性能情報を取得する間隔は、10分であり、性能情報取得処理のタイムアウトは20秒である。性能情報を取得する計測サーバは、計測サーバIDが「10002」である計測サーバB(120)である。
【0024】
また、分析対象情報2(329)はターゲットIDが「2」であり、グループIDが「1001」であるグループ1に所属し、種別はホスト稼働率を示す「102」である。固有情報として、分析対象となるホストのIPアドレスと、ホスト稼働率のMIBオブジェクトIDを持つ。性能情報を取得する間隔は、10分であり、性能情報取得処理のタイムアウトは10秒である。性能情報を取得する計測サーバは、計測サーバIDが「10001」である計測サーバA(120)である。当該固有情報(314)によって、前記計測サーバ(120)は、計測を実行することができる。
【0025】
図4は本発明の一実施例において、前記データベース(115)に格納される計測サーバリスト(320)を示す図である。前記分析サーバ(110)は、起動時に、前記構成定義ファイル(116)を読み込み、計測サーバリスト(320)を前記データベース(115)に格納する。
【0026】
前記計測サーバリスト(310)は、複数の計測サーバ情報(325)から成る。前記計測サーバ情報(325)は、計測サーバを一意に識別する識別子である計測サーバID(321)と、前記計測サーバ(120)が動作するマシンのIPアドレス(323)と、前記計測サーバ(120)が分析サーバ(110)との間の通信に利用するポート番号(324)から成る。
【0027】
図5は本発明の一実施例において、前記データベース(115)に格納される計測結果リスト(330)を示す図である。計測結果リスト(330)は、複数の計測結果(335)から成る。前記計測結果は、ターゲットID(331)と、計測時刻(332)と、性能情報(333)から成る。前記ターゲットID(331)は、当該性能情報に対応する分析対象情報(318)の識別子であり、前記計測時刻(332)は当該性能情報を取得した時刻であり、UTC(Universal Coordinated Time)で表される。前記性能情報(333)は取得した性能情報の値である。
【0028】
また、前記計測サーバ(120)から、前記分析サーバ(110)へ送信される計測結果は、前記計測結果(335)と同じである。
【0029】
図6は本発明の一実施例におけるタスクリスト(500)および実行タスクリスト(501)を示す図である。
【0030】
前記スケジューリング部(122)は、前記分析対象情報(318)に基づいて、前記タスクリスト(500)を生成、前記計測サーバ(120)のデータベース(124)に格納する。
【0031】
前記タスクリスト(500)は、複数のタスク(504)から成る。前記タスク(504)とは、前記計測サーバ(120)が実行すべき計測処理である。前記計測サーバ(120)は、前記分析対象情報(318)に基づいて、一定の間隔おきに、性能情報を取得するための計測処理を実行する。前記スケジューリング部(122)は、実行すべき計測処理の一覧として、タスクリスト(500)を生成する。なお、同一のグループに属するタスクの集合をタスクグループと呼ぶ。
【0032】
前記タスク(504)は、当該タスク(504)を実行すべき時刻である予定時刻(501)、当該タスク(504)に対応する分析対象情報(318)の一意な識別子であるターゲットID(502)と、当該分析対象が所属するグループの識別子であるグループID(503)とから成る。前記予定時刻(501)は、前記計測サーバ(120)が、当該タスク(504)に対応する性能情報を取得した時刻が最初の値となり、次の予定時刻は、直前の予定時刻(501)に前記間隔(315)を加算して求める。
【0033】
前記スケジューリング部(122)は、前記タスクリスト(500)を、前記実行タスクリスト(510)に変換する。前記タスクリスト(500)と前記実行タスクリスト(510)の相違点は予定時刻(501)と実行時刻(511)である。前記スケジューリング部(122)は、実行時刻を求め、前記予定時刻(501)を前記実行時刻(511)に置き換えることで、実行タスクリスト(510)を生成する。
【0034】
そして、前記スケジューリング部(122)は、前記実行タスクリスト(510)を参照し、時刻が前記実行時刻(511)になった時に、前記ターゲットID(512)が指す分析対象情報(318)に基づいて性能情報の計測を行う。
【0035】
図7は本発明の一実施例における分析対象登録時のシーケンスを示す図である。当該図7および図2に示した前記分析対象ネットワーク(250)と、前記分析対象情報リスト(310)と、前記計測サーバ情報リスト(320)と、前記性能情報リスト(330)とを用いて、本発明の一実施例における分析システムの動作を具体的に説明する。
【0036】
図2に示した前記分析対象ネットワーク(250)において、分析システムは、Webサーバ2(222)とデータベースサーバ2(232)が提供する在庫管理サービスと、Webサーバ3(223)とデータベースサーバ3(233)が提供する勤務時間管理サービスの分析を行う。前記計測サーバ(120)は、性能情報として、前記在庫管理サービスの応答時間と、データベースサーバ2(232)のホスト稼働率と、ルータ1(201)と、ルータ2(202)の回線利用率を計測する。これらの性能情報を1つのグループとする。ユーザが、当該分析クライアントに入力する分析対象情報(318)は、は図3の(b)に示すものと同じである。
【0037】
さらに、前記計測サーバ(120)は、前記勤務時間管理サービスの応答時間と、データベースサーバ3(233)のホスト稼働率と、ルータ1(201)と、ルータ3(203)の回線利用率を計測する。これらの性能情報を1つのグループとする。
【0038】
ユーザは前記分析クライアント(100)の分析対象登録部(101)から、前記分析サーバ(110)に分析対象情報(318)を入力する(601)。入力する前記分析サーバ(110)は、分析対象取得部(111)により、入力された分析対象情報(318)を受け取り(602)、前記データベース(115)に記録する(603)。
【0039】
前記分析サーバ(110)は、分析対象情報(318)を計測サーバ(120)に送信する。送信先の計測サーバ(120)は、前記計測サーバID(317)により決定する。例えば、ターゲットIDが1である分析対象情報(319)は前記計測サーバID(317)が「10002」であるため、前記分析サーバ(110)は、前記計測サーバリスト(320)を参照し、計測サーバID(321)が「10002」である前記計測サーバB(120)に送信する。
【0040】
前記計測サーバA(120)は、前記通信部(121)により、前記分析サーバ(110)から分析対象情報(318)を取得し(604)、前記データベース(124)に記録する(605)。なお、当該計測サーバは、分析対象情報(318)を取得した時点から24時間の間、定期的に性能情報を取得するものとする。前記計測サーバA(120)のスケジューリング部(122)は、前記分析対象情報(318)から、24時間以内に実行すべき前記タスク(514)の一覧を生成し、スケジューリングを行う(606)。前記スケジューリング部(122)の処理の詳細は図7で説明する。前記計測実行部(123)は、前記スケジューリング部(122)によって決定された時刻にタスク(514)を実行する。
【0041】
具体的には、前記計測実行部(123)は、分析対象機器(130)、分析対象サーバ(140)のSNMPエージェント(131、141)にGETメソッドを発行して、ルータ1(201)、ルータ2(202)の回線稼働率、Webサーバ2(222)、Webサーバ3(223)、データベースサーバ2(232)、データベースサーバ3(333)のホスト稼働率を取得する。そして、前記計測サーバA(120)は、前記分析サーバ(110)に計測結果を送信する(608、611)。
【0042】
前記計測サーバB(120)も、前記計測サーバA(120)と同様に、前記分析サーバ(110)から分析対象情報(318)を取得し、前記データベース(124)に記録、前記計測サーバB(120)のスケジューリング部(122)は、前記分析対象情報(318)から24時間以内に実行すべき前記タスク(514)の一覧を生成し、スケジューリングを行う。そして、前記計測実行部(123)は、Webサーバ2(222)およびWebサーバ3(223)にHTTPリクエストを発行して、HTTPレスポンスを得るまでの応答時間を取得する。その後、前記計測サーバB(120)は、前記分析サーバ(110)に計測結果(335)を送信する。
【0043】
前記分析サーバ(110)は、前記計測サーバA(120)および前記計測サーバB(120)から送信された前記計測結果(335)を受信し、前記データベース(115)に保存する(612)。以後、24時間が経過するまでの間、前記計測サーバ(120)は計測処理と計測結果の送信を繰り返す。
【0044】
図8は本発明の一実施例における計測サーバのスケジューリング部(122)の処理フローを示す図である。はじめに、前記スケジューリング部(122)は、前記データベース(124)から前記分析対象情報(318)を取り出し、24時間分のタスクリスト(500)を生成する(701)。そして、前記タスクリスト(500)から、最も早い時刻に実行すべきタスクを全て取り出し(702)、同一タスクグループに所属するタスク(514)を全て同時に実行できる、最も予定時刻(501)に近い時間である最適予約可能時刻を検索する(703)。
【0045】
以下、前記最適予約可能時刻の検索について具体的に説明する。図10の(a)は本発明の一実施例における前記計測サーバ(120)が備える前記スケジューリング部(122)のスケジューリング処理を示す図である。前記計測サーバB(120)は、同時に5つの計測処理を実行することができる。横軸は時間を表わし、縦軸は5つの処理を表す。タスク1(1001)からタスク6(1006)に対し、まず、前記グループ1に属するタスク1(1001)、タスク2(1002)、タスク3(1003)を10:00:00に実行するよう登録する。次に、前記グループ2に属するタスク4(1004)、タスク5(1005)、タスク6(1006)を同時に実行できるように、前記グループ1に属するタスク1、タスク2が終了する10:00:20から実行するように登録する。タスクの終了時刻は、当該タスクの実行時刻(511)に当該タスクのタイムアウト値(315)を加算して求める。このようにスケジュールすることにより、相互に、相関分析の対象となる性能情報の取得時刻を合せることができる。上記のようなスケジューリングを行わない場合には、図10の(b)に示すように、タスク4(1004)、タスク5(1005)、タスク6(1006)の実行時間は異なる。
【0046】
次に、前記スケジューリング部(122)は、前記最適予約可能時刻と前記予定時刻(501)との差が1分以内であるか否かを確認する(704)。前記最適予約可能時刻と前記予定時刻(501)との差が1分以内である場合には、前記最適予約可能時刻を実行時刻(511)として、当該タスクを前記実行タスクリスト(510)に登録する(706)。1分を超える場合には、予定時刻(501)とのずれが大きすぎるとみなし、スケジューリング部(122)は、当該タスクグループのタスクグループIDを含む警告メッセージを、前記計測サーバ(120)のログファイル(125)に出力し(705)、前記最適予約可能時刻を実行時刻(511)として、当該タスクを前記実行タスクリスト(510)に登録する(706)。ユーザは、前記ログファイル(125)を定期的に確認し、警告メッセージが出力されている場合には、当該計測サーバ(120)に割り当てたタスクを減らすなどの対策を実行する。
【0047】
そして、前記計測サーバ(120)のスケジューリング部(122)は、前記タスクリスト(500)中に実行時刻(511)が未定のタスクがあるか確認する(707)。実行時刻(511)が未定のタスクが存在する場合には、同様の処理を繰り返す(702)。実行時刻(511)が未定のタスクが無くなると、前記スケジューリング部(122)は処理を終了する。
【0048】
このようにして、前記スケジューリング部(122)はタスクのスケジューリングを行い、この結果に基づいて、前記計測実行部(123)は計測を行う。
【0049】
図9は本発明の一実施例における分析クライアント(100)が備える分析対象登録画面(900)、分析指示画面(910)を示す図である。
【0050】
まず、分析対象登録画面(900)について説明する。ユーザは、前記分析対象登録画面(910)において、ターゲットIDをターゲットID指定テキストボックス(909)に、分析対象の種別を分析対象種別指定テキストボックス(901)に、分析対象のIPアドレスをIPアドレス指定テキストボックス(902)に、分析対象のMIBオブジェクトIDをMIBオブジェクトID指定テキストボックス(903)に、グループIDをグループID指定テキストボックス(904)に、計測サーバIDを計測サーバID指定テキストボックス(905)に、計測の間隔を間隔指定テキストボックス(906)に、タイムアウト値をタイムアウト指定テキストボックス(907)に指定し、登録実行ボタン(908)を押下することで、登録を行う。
【0051】
次に、分析指示画面(910)について説明する。ユーザは、前記分析クライアント(100)の分析指示画面(910)において、分析対象となるグループID(312)を、グループID指定テキストボックス(901)に指定し、分析のキーとなる分析対象情報のターゲットID(311)を、ターゲットID指定テキストボックス(912)に指定して、分析実行ボタン(913)を押下し、前記分析サーバ(110)に分析の実行を指示する。前記分析サーバ(110)は、前記データベース(115)から指定されたグループに属する複数の分析対象情報(318)の性能情報(335)を取得し、前記性能情報(335)の相関分析を実行し、分析結果である相関係数を前記分析クライアント(100)に送信する。前記分析クライアント(100)は、前記相関係数を、ターゲットIDごとに相関係数表示ボックス(915)に表示する。例えば、当該分析指示画面(910)では、ターゲットIDが1である在庫管理システムの応答性能に対して、ターゲットIDが4であるデータベースサーバ2(232)のホスト稼働率が、影響を与えていることがわかる。
【0052】
以上の実施例で説明したように、分析対象情報が、相互に相関分析の対象となる他の分析対象情報を表すグループIDを持ち、グループIDに基づいてスケジューリングを行うことで、相関分析の対象となる性能情報の間の取得時刻を合せることが可能になり、より正確な相関分析の結果を得ることができる。
【0053】
なお、分析対象情報またはグループに優先度をもたせて、前記スケジューリング部は、優先度によって、スケジューリングの順序を決定しても良い。
【0054】
【発明の効果】
本発明によると、より正確な相関分析の結果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施例の機能構成図である。
【図2】一実施例のシステム構成図である。
【図3】一実施例における分析対象リストを示す図である。
【図4】一実施例における計測サーバリストを示す図である。
【図5】一実施例における性能情報リストを示す図である。
【図6】一実施例におけるタスクリストを示す図である。
【図7】一実施例における分析システムのシーケンスを示す図である。
【図8】一実施例におけるスケジューリング部の処理フローを示す図である。
【図9】一実施例における分析クライアントのGUIを示す図である。
【図10】一実施例におけるタスクスケジューリングの例を示す図である。
【符号の説明】
100…分析クライアント、110…分析サーバ、120…計測サーバ、101…分析対象登録部、102…分析指示部、111…対象取得部、112…通信部、113…分析制御部、114…分析実行部、115…データベース、121…通信部、122…スケジューリング部、123…計測実行部、124…データベース、125…ログファイル、310…分析対象情報リスト、320…計測サーバ情報リスト、330…性能情報リスト、50…タスクリスト。

Claims (5)

  1. ネットワークシステム対象とした分析システムにおいて、
    前記分析システムは、ネットワークシステムを構成する機器やホストからCPU利用率などの性能情報を収集する1つ以上の計測機能と、前記性能情報を分析する分析機能と、分析対象となる機器やホスト、および性能情報の種類を指定し、分析実行命令を発行するインタフェースとから構成され、
    前記計測サーバは、分析対象となる性能情報の計測実行タイミング情報を取得する分析対象情報取得手段と、計測実行タイミング情報に基づいて計測処理の実行契機を制御するスケジューリング手段と、実際に性能情報を取得する計測実行手段とを備える
    ことを特徴とする分析システム。
  2. 請求項1記載の分析システムにおいて、
    前記計測実行タイミング情報は、相互に相関分析の対象となる分析対象の優先度であり、
    前記スケジューリング手段は、当該分析対象の優先度に基づいて、計測処理の実行契機を決定することを特徴とする分析システム。
  3. 請求項1記載の分析システムにおいて、
    前記計測実行タイミング情報は、分析対象の優先度であり、
    前記スケジューリング手段は、当該分析対象の優先度に基づいて、計測処理の実行契機を決定することを特徴とする分析システム。
  4. 請求項1記載の分析システムにおいて、
    前記スケジューリング手段は、計測サーバの性能に基づいて、計測処理のスケジューリングを行うことを特徴とする分析システム。
  5. 請求項1記載の分析システムにおいて、
    前記計測サーバは、性能情報の取得時刻が、ユーザが指定した時刻から一定時間以上遅れた場合に、警告メッセージを発行することを特徴とする分析システム。
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