JP2004354082A - エンジンオイル劣化検出装置 - Google Patents

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Hironori Oba
洋典 大羽
Akihiro Kuroda
明浩 黒田
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Abstract

【課題】構造が簡単であるにも拘わらず、静電容量を大きく確保することが容易に可能であり、従ってエンジンオイルの劣化状態を精度良く検出することができるエンジンオイル劣化検出装置を提供する。
【解決手段】オイルポンプ8にてエンジンオイル10をエンジン2の摺動部に供給するエンジンオイル循環系にオイル劣化センサを配置し、オイル劣化センサからの検出信号に基いてエンジンオイル10の劣化の有無を検出するようにしたエンジンオイル劣化検出装置において、エンジンオイル10中の金属粉等をろ過するオイルフィルタ11を通過したエンジンオイル10を前記摺動部へ供給するメインギャラリ7にオイル劣化センサ14’を配置する。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車エンジンなどの内燃機関の潤滑系に使用されるエンジンオイルの劣化を検出するエンジンオイル劣化検出装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
自動車エンジンなどに用いられるエンジンオイルの劣化状態は、通常、動粘度,全酸価,或いは全塩基などのエンジンオイルの一般性状を用いて判定するようにしている。しかし、これらの測定にはそれぞれ専用の装置及び多量の試料が必要であり、しかもオイル劣化の検出に時間がかかるため、車載のままエンジンオイルの劣化状態を知ることは不可能である。
【0003】
そこで、一対の対向電極間におけるエンジンオイルの静電容量を測定し、その静電容量の大きさに基いてエンジンオイルの劣化状態を簡易に判定する方法が採用されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
例えば、図7に示すように、エンジンオイルの劣化指数の1つである全酸価(エンジンオイルが劣化するに従って高くなる)と比誘電率とは互いに相関関係が認められる。すなわち、エンジンオイルの比誘電率が大きくなるにつれてエンジンオイルの全酸価が高くなる傾向が認められる。従って、エンジンオイルの比誘電率を測定することにより、エンジンオイルの全酸価を推定してエンジンオイルの劣化状態を判定することが可能である。
【0005】
なお、エンジンオイルの比誘電率の測定に当たっては、一対の対向電極の間にエンジンオイルを通した状態の下で静電容量Cを測定し、その静電容量Cに基いてエンジンオイルの比誘電率ξを下記の関係式を用いて求めるようにしている。
【0006】
【数1】
Figure 2004354082
ここで、
C : 静電容量
S : 電極面積
t : 電極間距離
ξ : 誘電体(エンジンオイル)の誘電率
ξ: 空気の誘電率
ξ: 誘電体(エンジンオイル)の比誘電率
【0007】
【特許文献】
特開2000−338101号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、エンジンオイルの比誘電率を測定するために用いるオイル劣化センサをオイルパンなどに設置するためには、オイル劣化センサ自体の寸法を小さくする必要がある。ところが、オイル劣化センサを小さくすると、次のような不具合を生じる。すなわち、一対の対向電極間のエンジンオイルの静電容量Cは、上記式(1)から明らかなように、対向電極間の誘電体(エンジンオイル)の誘電率ξ並びに対向電極面積Sに比例すると共に、対向電極間の距離tに反比例するので、オイル劣化センサを小さくすると、それに応じて対向電極間のエンジンオイルの静電容量Cは小さくなる。そのため、オイル劣化センサがその周辺の影響を受け易くなり、ひいてはエンジンオイルの劣化状態を精度良く検出することが難しくなる。
【0009】
一方、静電容量Cを大きくとるために対向電極面積を大きくしようとすると、オイル劣化センサの構造が複雑になる。
【0010】
また、静電容量Cを大きくとるために対向電極間の距離tを短くすると、対向電極間の幅が狭くなってエンジンオイル中の異物(金属粉やカーボンなど)が詰り、正確な測定(オイル劣化の検出)を行うことができないおそれがある。
【0011】
本発明は、このような実状に鑑みてなされたものであって、その目的は、構造が簡単であるにも拘わらず、静電容量を大きく確保することが容易に可能であり、従ってエンジンオイルの劣化状態を精度良く検出することができるエンジンオイル劣化検出装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するために、本発明では、オイルポンプにてエンジンオイルをエンジンの摺動部に供給するエンジンオイル循環系にオイル劣化センサを配置し、前記オイル劣化センサからの検出信号に基いて前記エンジンオイルの劣化の有無を検出するようにしたエンジンオイル劣化検出装置において、エンジンオイル中の金属粉等をろ過するオイルフィルタを通過したエンジンオイルを前記摺動部へ供給するメインギャラリに、前記オイル劣化センサを設置するようにしている。
また、本発明では、前記オイル劣化センサを、筒状の外側電極と、この外側電極内に同軸状に配置される内側電極とで構成し、これら両電極間にエンジンオイルを流すようにしている。
また、本発明では、前記内側電極を筒状に形成すると共に、前記筒状の内側電極の内部に前記外側電極及び内側電極と同軸状に1又は複数の筒状電極を更に配置するようにしている。
また、本発明では、前記オイル劣化センサの軸線を前記メインギャラリの軸線にほぼ一致せしめた状態で、前記オイル劣化センサを前記メインギャラリの内部に収容配置するようにしている。
また、本発明では、前記メインギャラリの加工の際にシリンダブロックに形成される開口にネジを形成し、このネジに螺着される閉塞栓に前記外側電極及び内側電極の一端を固定することにより、前記オイル劣化センサの一端部を前記メインギャラリ内に保持すると共に、前記オイル劣化センサの他端部に前記オイル劣化センサの外側電極と内側電極との間の電極間隔を所定に保つためのスペーサを取付けるようにしている。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について図1〜図6を参照して説明する。
【0014】
図1は、本発明の一実施形態に係るエンジンオイル劣化検出装置1を備える自動車エンジン2を示すものであって、同図において、3はシリンダブロック、4はピストン、5はクランクシャフト、6はカムシャフトである。図1に示すように、シリンダブロック3の内部には、クランクシャフト5の軸線方向にほぼ沿って延びる例えば断面円形のメインギャラリ(オイル流路)7が形成されており、オイルポンプ8により図外のオイルパンからオイルストレーナ9を介して吸い上げられたエンジンオイル(潤滑油)10が、エンジンオイル10中の金属粉などをろ過するオイルフィルタ11を通り、オイルクーラ12を介して各ピストン4内の摺動部(すなわち、図外のシリンダのボア内面とピストン4の外周面との摺動部)に送給されるようになっている。
【0015】
また、本実施形態のエンジンオイル劣化検出装置1は、その主要部を構成するオイル劣化センサ14(図2(a)参照)と、このオイル劣化センサ14に交流電流を供給して静電容量を計測するための静電容量計測装置(図示せず)とにより構成されている。そして、オイル劣化センサ14は、エンジンオイル10の流路であるメインギャラリ7の内部に設置(収容配置)されている。なお、図1においては、エンジンオイル劣化検出装置1のオイル劣化センサ14を図示省略しているが、破線の矢印によりエンジンオイル劣化検出装置1若しくはオイル劣化センサ14の設置場所を仮想的に示している。
【0016】
ここで、上述のオイル劣化センサ14の構造について詳述すると、次の通りである。すなわち、このオイル劣化センサ14は、図2(a)に示すように、全体として細長い筒状の部品(長手状部品)であって、導電性材料(例えば、ステンレスなど)から成る筒状(例えば、円筒パイプ状)の外側電極15と、この外側電極15内に同軸状に対向配置される導電性材料から成る筒状(例えば、円筒パイプ状)の内側電極16とを有している。なお、本実施形態において内側電極16を中実ではなく筒状に形成しているのは、エンジンオイル10の流通断面積をできるだけ大きくするためである。そして、互いに対向する両電極15,16間の距離を一定にして互いに同軸状に配置せしめるために、間隔保持用かつ電極破損防止用の絶縁材から成るスペーサ17が両電極15,16の一端部に取付けられると共に、間隔保持用かつ電極破損防止用の絶縁材から成るスペーサ18が両電極15,16の他端部に取付けられている。なお、これらの両電極15,16間の間隔は、狭ければ狭いほどセンサ精度は向上するが、あまり狭すぎると金属粉などの異物が詰まるような不具合を生じるため、異物の詰りを考慮して、その間隔を0.5mm〜1.5mm程度に設定するのが望ましい。
【0017】
また、外側電極15及び内側電極16の少なくとも両端箇所には、それぞれ、例えば互いにほぼ180度異なる位置にオイル流通口20a,20b及び21a,21bが形成されており、内側電極16の一端側の開口はスペーサ17にて閉塞されると共に、内側電極16の他端側の開口はスペーサ18の中心孔22を介して外部に開放されている。
【0018】
かくして、オイル劣化センサ14は、その軸線をメインギャラリ7の軸線にほぼ一致せしめられた状態でメインギャラリ7の内部に同軸状に収容配置されて図外の固定手段(係止用クリップやスペーサなど)にて堅固に固定されている。かくして、前記メインギャラリ7に供給されてその中を流通するエンジンオイル10がオイル劣化センサ14に流れ込んで外側電極15と内側電極16との間の領域並びに内側電極16の内部の領域において所定方向に流れてエンジンの摺動部に供給されるようになっており、従って、上述の外側電極15及び内側電極16と、互いに対向配置された外側電極15と内側電極16との間のオイル流路を流れるエンジンオイル10とにより、1つのオイル劣化検出用のコンデンサ(エンジンオイル10の比誘電率を測定するための測定要素)が構成されるようになっている。
【0019】
このような構成のエンジンオイル劣化検出装置1にてエンジンオイル10の劣化状態を検出(判定)するに当たっては、オイル劣化センサ14の一対の対向電極(すなわち、外側電極15及び内側電極16)に交流電流を印加してこれら両電極15,16間のエンジンオイル10の静電容量を図外の静電容量測定装置にて測定し、その測定結果である静電容量値及び前記式(1),(2)を用いて両電極15,16間を流れるエンジンオイル10の比誘電率を求め、その比誘電率に基いてオイル劣化の有無を判定する。
【0020】
このようなエンジンオイル劣化検出装置1によれば、次のような作用効果を得ることができる。すなわち、エンジンオイル劣化検出装置1の主要な構成要素であるオイル劣化センサ14を長手状に延びるメインギャラリ7の内部のほぼ全長に亘って貫通した状態で収容配置するようにしているので、従来のようにオイル劣化センサをオイルパンなどに設置した場合に比べて、電極の対向面積S(外側電極15と内側電極16との対向面積)を大きくとることができる。これによって、静電容量を大きく確保することができることとなり、ひいてはエンジンオイル10の劣化の有無を精度良く検出(判定)することができる。
【0021】
しかも、オイル劣化センサ14は、一対の外側電極15及び内側電極16並びにスペーサ17,18だけの簡素な構造であるため、容易かつ安価に製造することが可能である。
【0022】
また、エンジンオイル10はオイルフィルタ11を通ってメインギャラリ7に流れるため、メインギャラリ7に流れるエンジンオイル10内には金属粉などの異物の混入が少ない。そのため、外側電極15と内側電極16との間の距離(すなわち電極間距離t)を縮める(狭める)ことが可能となり、これに伴って静電容量をさらに大きくすることができ、従って更に高精度のオイル劣化判定を行うことができる。
【0023】
また、メインギャラリ7にはオイルポンプ8にて常にエンジンオイル10が流通し、かつ、オイル流通口20a,20b及び21a,21bを通ってエンジンオイル10がオイル劣化センサ14内に流れ込んでから排出されるため、オイル劣化センサ14内のエンジンオイルの入れ替わりが早い。また、エンジンオイル10がオイル循環系を常に循環する。このため、オイル劣化判定のための静電容量の測定値は、常に現状のオイル劣化状態を反映することとなり、リアルタイムのオイル劣化判定が可能である。
【0024】
更に、外側電極15及び内側電極16はメインギャラリ7内に同軸状に貫通配置されるため、測定誤差の原因となる空気(気泡)が抜け易い構造にすることができる。すなわち、上述のオイル劣化センサ14によれば、外側電極15及び内側電極16がエンジンオイル10の流れの方向に沿って配置されるので、これら両電極(具体的には筒状の極板)15,16間に常にエンジンオイル10が円滑に供給されて、オイル劣化センサ14の検出精度に悪影響を引き起こす空気の排出を行うことができ、リアルタイムのオイル劣化の検出を高精度で行うことができる。また、オイル劣化センサ14の配設位置は、もともとオイルフィルタ11の下流領域なので異物が少ない箇所であり、しかも異物がエンジンオイル10の流れの勢いで良好に流されるので、オイル劣化センサ14の長寿命化を図ることができる。
【0025】
また、図3及び図4は、本発明の別の実施形態に係るエンジンオイル劣化検出装置30を示すものであって、本実施形態においては、メインギャラリ7の加工の際にシリンダブロック3に形成される開口32にネジ33が形成され、このネジ33に螺着される閉塞栓(盲栓)34を利用してオイル劣化センサ14’の外側電極15及び内側電極16の一端部がメインギャラリ7内に保持されている。具体的には、外側電極15及び内側電極16の一端部を互いに所定間隔に保持するスペーサ17が、前記開口32を閉塞するようにシリンダブロック3に螺着された絶縁材から成る閉塞栓34の先端面にネジ止めや接着などの固着手段にて前記スペーサ17が取付けられて保持されている。そして、外側電極15及び内側電極16はリード線35a,35bを介して図外の静電容量測定装置に接続されており、これらのリード線35a,35bを介して交流電流が両電極15,16に印加されるように構成されている。なお、図3において、36はO−リングから成るパッキンである。
【0026】
一方、オイル劣化センサ14’の他端部においては外側電極15及び内側電極16の間に、所定間隔を保持しかつ破損を防止するためのスペーサ18が介在されると共に、オイル劣化センサ14’の他端部が図外のクリップやスペーサなどによりメインギャラリ7内に固定配置され、これによりオイル劣化センサ14’の軸線がメインギャラリ7の軸線にほぼ一致せしめられた状態で、メインギャラリの内部に同軸状に収容配置されている。
【0027】
また、本実施形態においては、互いに対向する例えば4つのオイル流通口38が外側電極15の両端部に形成されると共に、内側電極16の両端部には互いに対向する例えば4つのオイル流通口37が形成されている。また、外側電極15の中央部にオイル流通口39aが設けられると共に、内側電極16の中央部にオイル流通口39bが設けられている。そして、外側電極15の特定の1つのオイル流通口39aに対向してシリンダブロック3に設けられたオイル導入口39を介して、オイルフィルタ11を通ったエンジンオイル10がメインギャラリ7内に供給され、例えば図3において矢印で示す方向にエンジンオイル10が流通されるように構成されている。
【0028】
更に、外側電極15及び内側電極16には、図4に示すように、オイル劣化センサ14’内におけるエンジンオイル10の流動抵抗(オイル流路の抵抗)を少なくするために、多数のオイル流通孔40が均等に形成されている。なお、外側電極15及び内側電極16に開けるオイル流通孔40は、その寸法が大きいほどオイル流通に関しては良好であるが、その寸法を大きくすればするほど電極としての有効面積が減少することとなる。そのため、前記オイル流通孔40の大きさは、直径が100μ程度とするのが望ましい。
【0029】
このような構成のエンジンオイル劣化検出装置30によれば、既述のエンジンオイル劣化検出装置1と同様の作用効果を得ることができる。
【0030】
また、図5及び図6は、本発明の更に別の実施形態に係るエンジンオイル劣化検出装置50を示すものであって、本実施形態においては、オイル劣化センサ14”の外側電極15及び内側電極16の一端部が、シリンダブロック3の開口32に螺着される絶縁材製の閉塞栓34の先端面に同軸状に差し込まれた状態で固定されると共に、これら両電極15,16の他端部が例えばスペーサ51によって所定間隔に保持されてメインギャラリ7内に軸線を一致させた状態で固定配置されるようになっている。上述のスペーサ51は、例えば樹脂製一体成形品から成り、図5及び図6に示す如く、例えば互いに等角度間隔で放射状に延びるように形成された3つの分岐片部52と、これらの分岐片部52の先端にそれぞれ連結された電極間隔保持用の差し込み片部53と、この差し込み片部53に連結された連結部54と、この連結部54に連結されて前記差し込み片部53に対向するように配設された抜け止め用の爪部55とを有している。
【0031】
かくして、スペーサ51の3つの差し込み片部53がオイル劣化センサ14の他端部において外側電極15と内側電極16との間に差し込まれてこれら両電極15,16の他端部間の間隔が一定に保持され、これによりこれら両電極15,16が互いに同軸状に配置されると共に、スペーサ51の爪部55が外側電極15の3つの係合孔にクリック係合され(図5参照)、この爪部55と連結部54との間における挟持作用により両電極15,16からのスペーサ51の抜け止めがなされている。さらに、上述のスペーサ51の放射方向の先端部が図5及び図6に示す如くメインギャラリ7の内周面7aに当接され、これにより、両電極15,16の他端部がガタツキなくメインギャラリ7内において同軸状に固定配置されている。なお、本実施形態においては、内側電極16にのみオイル流通孔40が形成されているが、既述の実施形態と同様に外側電極15にもオイル流通孔40を形成するようにしても良い。
【0032】
このように構成したエンジンオイル劣化検出装置50によれば、上述の実施形態に係る装置1,30と同様の作用効果を得ることができる上に、外側電極15及び内側電極16の相互間の同軸状配置、並びに、メインギャラリ7内への同軸状の配置を簡単に行うことが可能である。
【0033】
以上、本発明の一実施形態について述べたが、本発明はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想に基づいて各種の変形及び変更が可能である。例えば、既述の実施形態では、筒状の外部電極15の内部に1つの筒状の内部電極16を同軸状に配置するようにしたが、図2(b)に示すように、この筒状の内側電極16の内部に前記外側電極15及び内側電極16と同軸状にさらに1つの電極60を配置するようにしても良く、さらに複数の電極を配置するようにしても良い。この場合には、電極対向面積を増やすことができ、精度の高い測定が可能となる。また、既述の実施形態では、エンジンオイルの流通断面積をできるだけ大きく確保すべく内側電極16を筒状に形成してその内部にエンジンオイル10を流通させる構造としたが、内側電極16を筒状にする必要は必ずしもなく、導電性の中実の棒状部材としても良い。
【0034】
【発明の効果】
請求項1に記載の本発明は、エンジンオイル中の金属粉等をろ過するオイルフィルタを通過したエンジンオイルを摺動部へ供給するメインギャラリにオイル劣化センサを設置するようにしたものであるから、オイルパンなどにオイル劣化センサを設置する場合に比べて、オイル劣化センサの主要部を構成する電極の面積を大きく取ることができることとなり、従って精度良くエンジンオイルの静電容量(ひいては比誘電率)を測定することが可能となり、エンジンオイルの劣化状態の検出を高精度で行うことが可能となる。しかも、オイル劣化センサが設置されるメインギャラリにはエンジンオイルが常に流れているので、オイル劣化センサ内におけるエンジンオイルの入れ替わりが早く、従って現状におけるオイル劣化の有無をリアルタイムでしかも高精度で検出(判定)することが可能となる。更に、エンジンオイルはオイルフィルタを通った後にメインギャラリに流れるので、メインギャラリ内のエンジンオイル中には金属粉などの異物の混入が少なく、そのため、電極間の距離を縮める(狭める)ことが可能となり、ひいては静電容量を大きくとることができて更に高精度の検出が可能となる。また、エンジンオイルの流れにより異物の詰りを防ぐことができるので、オイル劣化センサの寿命を長くすることができる。
【0035】
また、請求項2に記載の本発明は、オイル劣化センサを、筒状の外側電極と、この外側電極内に同軸状に配置される内側電極とで構成し、これら両電極間にエンジンオイルを流すようにしたものであるから、構造が簡単なエンジンオイル劣化検出装置を提供することができる。
【0036】
また、請求項3に記載の本発明は、内側電極を筒状に形成すると共に、筒状の内側電極の内部に外側電極及び内側電極と同軸状に1又は複数の電極を更に配置するようにしたものであるから、1又は複数の同軸電極を追加することにより静電容量の大きさをより一層大きく確保することができ、ひいては検出精度を更に向上させることができる。
【0037】
また、請求項4に記載の本発明は、オイル劣化センサの軸線をメインギャラリの軸線にほぼ一致せしめた状態(すなわち、同軸状態)で、オイル劣化センサをメインギャラリの内部に収容配置するようにしたものであるから、外側電極及び内側電極はメインギャラリ内に同軸状に貫通配置されてエンジンオイルの流れの方向に沿って配置されることとなるため、これら両電極間に常にエンジンオイルが円滑に供給され、これにより、測定誤差の原因となる空気(気泡)が抜け易い構造にすることができる。従って、オイル劣化センサの検出精度に悪影響を引き起こす空気の排出を行うことができるので、リアルタイムのオイル劣化の検出を高精度で行うことができる。その上、異物がエンジンオイルの流れの勢いで良好に流されることとなるので、オイル劣化センサの長寿命化を図ることができる。
【0038】
また、請求項5に記載の本発明は、メインギャラリの加工の際にシリンダブロックに形成される開口にネジを形成し、このネジに螺着される閉塞栓に外側電極及び内側電極の一端を固定することにより、オイル劣化センサの一端部をメインギャラリ内に保持すると共に、オイル劣化センサの他端部にオイル劣化センサの外側電極と内側電極との間の電極間隔を所定に保つためのスペーサを取付けるようにしたものであるから、従来より用いられているメインギャラリの開口閉塞用の閉塞栓(盲栓)を利用して外側電極及び内側電極の一端の固定を簡素な構造にて保持して両電極をメインギャラリ内に簡単に収容配置することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るエンジンオイル劣化検出装置を備える自動車エンジンの斜視図である。
【図2】メインギャラリ内に設置されるオイル劣化センサの断面図であって、図2(a)は筒状の外側電極内に1つの内側電極を同軸状に配置して成るオイル劣化センサの断面図、図2(b)は筒状の内側電極内に更に1つの内側電極を同軸状に配置して成るオイル劣化センサの断面図である。
【図3】本発明の別の実施形態に係るエンジンオイル劣化検出装置に用いられるオイル劣化センサの構成を概略的に示す断面図である。
【図4】オイル劣化センサの外側電極或いは内側電極の斜視図である。
【図5】本発明の更に別の実施形態に係るエンジンオイル劣化検出装置に用いられるオイル劣化センサの構成を概略的に示す断面図である。
【図6】図5におけるX−X線拡大断面図である。
【図7】エンジンオイルの比誘電率と全酸価との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1,30,50 エンジンオイル劣化検出装置
2 自動車エンジン
3 シリンダブロック
4 ピストン
5 クランクシャフト
6 カムシャフト
7 メインギャラリ
7a 内周面
8 オイルポンプ
10 エンジンオイル
11 オイルフィルタ
14,14’,14” オイル劣化センサ
17,18 スペーサ
15 外側電極
16 内側電極
20a,20b オイル流通口
21a,21b オイル流通口
33 ネジ
34 閉塞栓(盲栓)
37,38 オイル流通口
39 オイル導入口
39a,39b オイル流通口
40 オイル流通孔
51 スペーサ

Claims (5)

  1. オイルポンプにてエンジンオイルをエンジンの摺動部に供給するエンジンオイル循環系にオイル劣化センサを配置し、前記オイル劣化センサからの検出信号に基いて前記エンジンオイルの劣化の有無を検出するようにしたエンジンオイル劣化検出装置において、エンジンオイル中の金属粉等をろ過するオイルフィルタを通過したエンジンオイルを前記摺動部へ供給するメインギャラリに、前記オイル劣化センサを設置したことを特徴とするエンジンオイル劣化検出装置。
  2. 前記オイル劣化センサを、筒状の外側電極と、この外側電極内に同軸状に配置される内側電極とで構成し、これら両電極間にエンジンオイルを流すようにしたことを特徴とする請求項1に記載のエンジンオイル劣化検出装置。
  3. 前記内側電極を筒状に形成すると共に、前記筒状の内側電極の内部に前記外側電極及び内側電極と同軸状に1又は複数の電極を更に配置したことを特徴とする請求項2に記載のエンジンオイル劣化検出装置。
  4. 前記オイル劣化センサの軸線を前記メインギャラリの軸線にほぼ一致せしめた状態で、前記オイル劣化センサを前記メインギャラリの内部に収容配置したことを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載のエンジンオイル劣化検出装置。
  5. 前記メインギャラリの加工の際にシリンダブロックに形成される開口にネジを形成し、このネジに螺着される閉塞栓に前記外側電極及び内側電極の一端を固定することにより、前記オイル劣化センサの一端部を前記メインギャラリ内に保持すると共に、前記オイル劣化センサの他端部に前記オイル劣化センサの外側電極と内側電極との間の電極間隔を所定に保つためのスペーサを取付けたことを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載のエンジンオイル劣化検出装置。
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