JP2004354080A - 雨量観測装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、伝搬路を介して到来した準ミリ波帯以上の信号のレベルの偏差と、その伝搬路の長さとからこの伝搬路における降雨強度を算出する雨量観測装置に関し、安価に、かつ精度よく雨量強度を観測できることを目的とする。
【解決手段】伝搬路を介して到来した信号のレベルからその伝搬路の降雨減衰量を得る減衰量監視手段と、伝搬路の降雨減衰量、その伝搬路の長さおよびこの伝搬路の雨滴粒径分布に対してその伝搬路における雨量強度を与える既知の関数の値として、この雨量強度を求める雨量強度算出手段とを備えて構成される。
【選択図】 図1
【解決手段】伝搬路を介して到来した信号のレベルからその伝搬路の降雨減衰量を得る減衰量監視手段と、伝搬路の降雨減衰量、その伝搬路の長さおよびこの伝搬路の雨滴粒径分布に対してその伝搬路における雨量強度を与える既知の関数の値として、この雨量強度を求める雨量強度算出手段とを備えて構成される。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、伝搬路を介して到来した信号のレベルの偏差と、その伝搬路の長さとからこの伝搬路における降雨強度を算出する雨量観測装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
広域に亘る気象予報に供される雨量の観測には、気象衛星や気象レーダが一般に適用されている。
これらの気象衛星や気象レーダは、浮遊する雨滴の集合として構成された雲等の目標に対して可視光(赤外光)や電波を照射し、その目標から到来した反射波の強度を雨量に換算すると共に、このような雨量を地図上にマッピングすることによって、地理的な雨量の分布の観測を可能とする。
【0003】
また、このような雨量の分布は、例えば、国内の約1300箇所の地点に設置された測定器によって所定の頻度で連続的に、かつ自動的に測定され、かつ収集されたこれらの地点にかかわる様々な気象情報が総合的に解析されるAMeDAS (Automated Meteorological Data Acquisition System)によっても、観測されている。
【0004】
【非特許文献1】
http://www.kishou.go.jp/intro/gyomu/ index547.html
【非特許文献2】
http://www.osaka−jma.go.jp/gyomusyokai/rader/
【非特許文献3】
http://sapporo−jma.go.jp/sp/kanku/sp#sub02/web/Amedas/amedas.htm
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した従来例が適用されることによって観測された雨量データは、以下に例示するように、地理的(空間的)な分解能rが低く、または観測が反復して行われる周期pが数分ないし十数時間程度であるために、必ずしも十分な精度では得られなかった。
・ 気象衛星「ひまわり」による観測では、分解能rが4キロメートルであり、かつ周期pが一時間である。
【0006】
・ 最新の気象衛星NOAAによる観測では、分解能rが1キロメートルであり、かつ周期pが12時間である。
・ AMeDASによる観測では、分解能rの平均値が17キロメールであり、かつ周期pが1分ないし10分程度である。
・ 気象レーダによる観測では、分解能rが1キロメールであり、かつ周期pが10分である。
【0007】
また、例えば、準ミリ波帯において形成された無線伝送路を介して通信サービスを提供する固定無線アクセス(FWA:Fixed Wireless Access)システムでは、降雨に起因する不稼動時間が年間に数分程度に抑えられなければならないために、数秒ないし十数秒程度の周期pによる雨量の予測とその予測の結果に基づく適切な回線制御とが要求される。
【0008】
しかし、このような分解能は、従来、上述した分解能rおよび周期pが最小である気象レーダであっても、達成されなかった。
本発明は、安価に、かつ精度よく降雨強度を観測できる雨量観測装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明では、減衰量監視手段は、伝搬路を介して到来した信号のレベルからその伝搬路の降雨減衰量を得る。降雨強度算出手段は、伝搬路の降雨減衰量、その伝搬路の長さおよびこの伝搬路の雨滴粒径分布に対してその伝搬路における降雨強度を与える既知の関数の値として、この降雨強度を求める。
このような降雨強度の分解能は、上述した信号が定常的に、あるいは高い頻度で到来し、かつ減衰量監視手段および降雨強度算出手段が既述の処理を確実に行うことができる限り、伝搬路の長さが短いほど小さな値となる。
【0010】
さらに、この降雨強度は、一般に、上述した伝搬路に適用された多元接続方式、チャネル構成、伝送速度および伝送情報の形式に適応する数百ミリ秒以下の周期で更新され得る。
したがって、従来例では達成されなかった高い分解能および頻度による降雨強度の観測が可能となる。
【0011】
請求項2に記載の発明では、外部インタフェース手段は、外部から与えられる雨滴粒径分布を取得する。降雨強度算出手段は、外部インタフェース手段によって取得された雨滴粒径分布を関数に代入することによって、伝搬路における降雨強度を求める。
すなわち、このような降雨強度の算出に適用されるべき雨滴粒径分布は、マンマシンインタフェースの下で適宜与えられ、あるいは通信路を介して提供される値に適宜設定される。
【0012】
したがって、既述の伝搬路における降雨強度は、関連する機関、組織および人員の全てまたは一部によって与えられる適正な雨滴粒径分布に基づいて多様な形態で算出される。
請求項3に記載の発明では、減衰量監視手段は、複数の伝搬路を介して個別に到来した信号のレベルからこれらの降雨伝搬路の減衰量を得る。降雨強度分布算出手段は、複数の伝搬路に共通に成立し、かつ個々の伝搬路の降雨減衰量、その伝搬路の長さおよびこの伝搬路の雨滴粒径分布に対してその伝搬路の降雨強度を与える既知の関数の値の集合として、これらの伝搬路における降雨強度の分布を求める。
【0013】
すなわち、降雨強度は、単一の伝搬路のみではなく、上述した複数の伝搬路の地理的な配置を示し得る二次元または三次元の空間における分布として求められる。
さらに、これらの降雨強度の地理的な分解能は、既述の複数の伝搬路の数が大きく、これらの伝搬路の地理的な密度が高いほど向上し、例えば、一般的な固定無線アクセスシステムでは、従来例と同等以上となり得る。
【0014】
したがって、上述した降雨強度の分布は、高い分解能で識別され、かつ降雨に起因してこれらの複数の伝搬路その他に生じる事象や影響への対策にかかわる総合的な選定の基準となる。
請求項4に記載の発明では、降雨強度分布予測手段は、複数の無線伝搬路における降雨強度の分布が変位する方向および速度を監視し、その方向および速度に基づいてこれらの降雨強度の分布を予測する。
【0015】
すなわち、降雨に起因して上述した複数の伝搬路その他に生じる事象や影響への対策にかかわる総合的な選定の基準は、これらの事象や影響が生じる時点に先行して与えられる。
したがって、このような対策の準備に要する時間の確保に併せて、これらの対策がとられるべき伝搬路その他の総合的な信頼性の向上が可能となる。
【0016】
請求項5に記載の発明では、外部インタフェース手段は、外部から複数の伝搬路毎に与えられる雨滴粒径分布を取得する。降雨強度算出手段は、外部インタフェース手段によって取得された個々の雨滴粒径分布に対する関数の値として、複数の伝搬路における降雨強度の分布を求める。
すなわち、複数の伝搬路における降雨強度の算出に適用されるべき雨滴粒径分布は、マンマシンインタフェースの下で適宜与えられ、あるいは通信路を介して提供される値に適宜設定される。
【0017】
したがって、これらの伝搬路における降雨強度は、何れも関連する機関、組織および人員の全てまたは一部によって与えられる適正な雨滴粒径分布に基づいて多様な形態で算出される。
請求項6に記載の発明では、関数は、信号の周波数に依存する。
すなわち、個々の伝搬路の降雨強度は、これらの伝搬路を介して個別に到来する信号の占有帯域が異なる場合であっても、その占有帯域が既知である限り、精度よく算出される。
【0018】
したがって、これらの伝搬路の形成に際して適用されるべき多元接続方式、チャネル配置、周波数配置および変復調方式にかかわる自由度が高められる。
請求項7に記載の発明では、関数は、信号の偏波に依存する。
すなわち、個々の伝搬路の降雨強度は、これらの伝搬路を介して個別に到来する信号の偏波が異なる場合であっても、その偏波が既知である限り、精度よく算出される。
【0019】
したがって、これらの伝搬路に適用されるべき偏波にかかわる自由度が高められる。
請求項8に記載の発明では、マンマシンインタフェース手段は、関数の定義と、その関数の更新との双方または一方にかかわるマンマシンインタフェースをとる。
【0020】
すなわち、降雨強度の算出は、その降雨強度に要求される精度だけではなく、この算出に際して与えられる引数の項目、数、精度に適応した関数に基づいて適宜行われる。
したがって、多様なシステムや機器に対する本発明の適用が可能となる。
請求項9に記載の発明では、減衰量監視手段は、信号の品質をその信号のレベルに換算し、そのレベルに基づいてこの信号が伝搬した伝搬路の減衰量を得る。
【0021】
すなわち、個々の降雨強度の算出に適用される降雨減衰量は、伝搬路を介して到来した信号のレベルではなく、その信号の品質の換算値として与えられる。
したがって、このようなレベルを直接計測する手段が備えられず、あるいはその計測に必要な処理量が確保されないシステムや機器に対する本発明の適用が可能となる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の実施形態について詳細に説明する。
図1は、本発明の第一ないし第三の実施形態を示す図である。
図において、無線基地局11によって形成される無線ゾーン12の所定の地点には、無線端局装置13−1が設置される。
また、無線基地局11は、下記の要素から構成される。
・ 上述した無線ゾーン12を形成し、かつ無線端局装置13−1に生起した呼にかかわるチャネル制御および呼設定を行う無線部14
・ この無線部14の制御用端子に縦続接続された回線監視部15および雨量計算部16
以下、図1を参照して本発明の第一の実施形態の動作を説明する。
【0023】
上述した無線ゾーン12において無線端局装置13−1と無線基地局11との間に形成された無線伝送路の降雨減衰量(ここでは、簡単のため、単位「デシベル」で示され、かつこの無線伝送路の全域において一様であると仮定する。)Γは、例えば、以下に列記する値に対して、図2に示すように、後述する降雨強度Rの単調増加関数を示す近似式(1) で与えられる。
【0024】
・ 上記の無線伝送路の長さD(キロメートル)
・ その無線伝送路の形成に供される搬送波信号の周波数と、この無線伝送路における雨滴粒径分布と偏波との全てに依存し、これらの周波数、雨滴粒径分布および偏波に対して一義的に定まる係数kおよび係数a(例えば、搬送波信号の周波数が25ギガヘルツ帯に属し、かつ偏波が垂直偏波である場合には、それぞれ「0.113」、「1.030」となる。)
・ このような無線伝送路における降雨強度R(ミリメートル/時間)
Γ=D・k・Ra ・・・(1)
回線監視部15は、無線端局装置13−1から上述した無線伝送路を介して到来し、かつ無線部14によって受信された受信波のレベルLを監視する。
【0025】
雨量計算部16は、このような受信波のレベルLに応じて、下記を処理を行う。
・ 無線端局装置13−1からその受信波が到来すべき既知の標準的なレベルLref(ここでは、簡単のため、降雨減衰を伴わない晴天時の理想的な状態における実測等に基づいて予め与えられると仮定する。)に対する上記のレベルLの偏差δLを求める。
【0026】
・ 「その偏差δLが既定の下限値を下回ったとき」、または、「チャネル制御の下で与えられ、もしくは操作者によって所定の指令が与えられたとき」に限って、この偏差δLに等しいと推定される降雨減衰量Γに併せて、上述した長さD、係数k、a(ここでは、簡単のため、無線伝送路が形成される地域の気象条件(季節や時間帯に応じて異なってもよい。)の下で統計的に、あるいは経験則に基づいて所望の精度で定まる雨滴粒径分布に適合した既知の値であると仮定する。)が上式に代入されてなる方程式の根として、降雨強度R(=(Γ/D・k)1/a)を算出する。
【0027】
なお、このような降雨強度Rは、例えば、該当する無線伝送路において一様である場合には、無線端局装置13−1と無線基地局11との間に仮想的に描かれた直線の中点(後述する第二の実施形態における「仮想観測点VO−1」に該当する。)の位置における降雨強度と見なされ得る。
また、このような降雨強度Rの分解能rは、上述した受信波が無線端局装置13−1から定常的に(あるいは高い頻度で)送信され、かつ回線監視部15および雨量計算部16によって既述の処理が確度高く行われる限り、無線伝送路の長さDが短いほど小さな値となる。
【0028】
さらに、その降雨強度Rが反復して求められる周期pは、下記の事項の全てに適応した数ミリ秒ないし数百ミリ秒となる。
・ 無線ゾーン12に一般に適用される多元接続方式
・ その多元接続方式の下で実現されるチャネル構成
・ これらの無線チャネルを個別に構成する伝送単位(フレームやタイムスロット)の長さや配置
したがって、本実施形態によれば、既存の固定無線アクセスシステムを構成するハードウエアが有効に活用されることによって、従来例では達成されなかった高い分解能および頻度で降雨強度Rが観測される。
【0029】
以下、本発明の第二の実施形態について説明する。
本実施形態には、無線基地局13−1に併せて、図1に点線で示され、かつ図3(a) に「○」印で示すように、無線基地局11によって形成された無線ゾーン12の異なる位置に個別に設置された無線端局装置13−2〜13−Nが備えられる。
図2は、本発明の第二の実施形態の動作を説明する図である。
【0030】
以下、図1および図2を参照して本発明の第二の実施形態の動作を説明する。
雨量計算部16は、主記憶または外部記憶の所定の記憶領域に配置され、『図4に示すように、「無線端局装置13−1〜13−Nに個別に対応した下記のN個のフィールドの集合であるレコード」の列として構成され、かつ時系列の順にサイクリックに書き込みが行われると共に、「後述する通りにその雨量計算部16によって行われる処理」の手順に基づいてランダムに参照される面』の集合からなる降雨強度分布テーブル16Tを有する。
【0031】
・ 無線端局装置13−1〜13−Nの内、該当するレコードに対応する単一の無線端局装置(以下、単に「特定無線端局装置」と称し、符号「13−C」を付与して示す。)の識別子(「WT−1」〜「WT−N」の何れか)が予め登録される「端局識別子」フィールド
・ 特定無線端局装置13−Cと無線基地局11とがそれぞれ設置された2つの地点の中点に相当する仮想観測点VO−Cの位置(ここでは、簡単のため、緯度および軽度で示され、かつ一定であると仮定する。)が予め登録される「観測点位置」フィールド
・ 無線基地局11に対するその仮想観測点VO−Cの相対距離が予め登録される「相対距離」フィールド
・ 特定無線端局装置13−Cから到来した受信波のレベルLに基づいて求められた降雨減衰量Γ−Cが格納される「降雨減衰量」フィールド
・ その降雨減衰量Γ−Cに基づいて算出された降雨強度R−Cが格納される「降雨強度」フィールド
雨量計測部16は、始動時だけではなく、無線端局装置の増設等に応じて系構成が更新されたときに、降雨強度分布テーブル16Tの全ての面の個々のレコードを下記の通りに初期化する。
【0032】
・ 「端局識別子」フィールドに、特定無線端局装置13−Cの識別子を格納する。
・ 「観測点位置」フィールドに、既述の仮想観測点VO−Cの位置を格納する。
・ 「相対距離」フィールドに、無線基地局11に対するその仮想観測点VO−Cの相対局を格納する。
【0033】
なお、仮想観測点VO−Cの位置については、ここでは、簡単のため、例えば、無線基地局11が設置された既知の地点と、「無線端局装置13−1〜13−Nの開局の申請に際して適用されたこれらの無線端局装置13−1〜13−Nの緯度および経度」で与えられる地点との中点の位置であると仮定する。
また、雨量計測部16は、『所定の周期Tでサイクリックに更新され、かつ「降雨強度分布テーブル16Tの面の内、書き込みの対象となるべき面」を示す書き込みポインタ(図示されない。)』を有する。
【0034】
さらに、雨量計測部16は、無線部14および回線監視部15と連係することによって、上述した周期Tで下記の一連の処理を反復する。
・ 無線端局装置13−1〜13−Nから到来した受信波のレベルの偏差に基づいて、既述の第一の実施形態と同様の手順に基づいて、これらの無線端局装置13−1〜13−Nに個別に対応した降雨減衰量Γ−1〜Γ−Nと降雨強度R−1〜R−Nとを算出する。
【0035】
・ 降雨強度分布テーブル16Tが有する複数の面の内、既述の書き込みポインタで示される面の第1ないし第Nのレコードの「降雨減衰量」フィールドと「降雨強度」とに、それぞれ降雨減衰量Γ−1〜Γ−Nと降雨強度R−1〜R−Nとを格納する。
また、雨量計算部16は、上述した処理に並行して下記の処理を行う。
【0036】
・ 降雨強度分布テーブル16Tの面の内、既述の書き込みポインタで示される面に先行して時系列の順に書き込みが完了した所望の複数の面を参照することによって、「観測点位置フィールド」の値に基づいて「降雨減衰量」フィールド(または、「降雨強度」フィールド)の値が地理的にマッピングされてなる「降雨減衰量」(または「降雨強度」)の分布を識別する。
【0037】
・ 時系列の順におけるこのような分布の変位の方向と速度とを求め、これらの方向および速度の履歴をとる。
・ その履歴として与えられる方向および速度に基づいて、「観測点位置」フィールドの値で示される仮想観測点VO−1〜VO−Nにおける「降雨減衰量」(または「降雨強度」)が所定の閾値を上回る期間(または時点)を予測し、その期間(または時点)に先行して、該当する仮想観測点に対応する特定レコードの「端局識別子」フィールドの値で示される無線端局装置との間に形成され(あるいは形成され得る)無線伝送路にかかわる適正な回線制御を開始する。
【0038】
すなわち、無線ゾーン12では、無線基地局11に収容された複数の無線端局装置13−1〜13−Nから並行して、あるいはほぼ同時に到来し、かつ所定の多元接続方式やチャネル配置の下で個別に識別可能な受信波のレベルの偏差に基づいて、これらの無線端局装置13−1〜13−Nと無線基地局11との間に形成される個々の無線伝送路における降雨強度が予測され、さらに、これらの予測の結果に基づく適切な回線制御が順次行われる。
【0039】
また、本実施形態では、例えば、無線ゾーン31の径(≧D)が1キロメートル程度である場合には、このような降雨強度の分解能rは、例えば、無線端局装置13−1〜13−Nの台数Nが「20」と少ない場合であっても、これらの無線端局装置13−1〜13−Nが無線ゾーン31内にほぼ一様に設置される限り、約400メートル(=(π×1キロメートル/20台)1/2) と、従来の気象観測システムと同等以上となる。
【0040】
このように本実施形態によれば、突発的な降雨に際して不稼働時間の回避を目的として行われるべき適切な回線制御がその降雨に先行して確度高く、かつ安定に行われる。
したがって、このような回線制御が行われるべき契機が的確に与えられなかった従来例に比べて、サービス品質に併せて伝送品質が高く維持され、かつ適用されるべき無線周波数帯の選定にかかわる自由度が高められる。
【0041】
なお、本実施形態では、既述の回線制御が行われる契機が降雨強度や降雨減衰量の予測の結果に基づいて適切に与えられている。
しかし、このような予測の結果については、気象条件に応じて行われるべき如何なる形態の処理やその処理が起動されるべき契機の特定に供されてもよい。
以下、本発明の第三の実施形態について説明する。
【0042】
本実施形態には、図1に破線で示されるように、ディスプレイ17、キーボード18およびマウス19が雨量計算部16の周辺装置として備えられる。
以下、図1を参照して本発明の第三の実施形態について説明する。
本実施形態の特徴は、雨量計算部16によって行われる下記の処理の手順にある。
【0043】
雨量計算部16の主記憶または外部記憶の何れかの所定の記憶領域には、図5に示すように、下記のフィールドの組み合わせとして構成されたレコードの列である係数ポインタテーブル16CPTが配置される。
・ 既述の無線伝送路の形成に適用されるべき無線周波数が予め登録された「周波数」フィールド
・ その無線伝送路に適用されるべき偏波の形態(例えば、垂直偏波と水平偏波との何れか一方)が予め登録された「偏波」フィールド
・ 既述の「雨滴粒径分布」の値が予め登録された「雨滴粒径分布」フィールド
・ 図6に示され、かつ詳細が後述される係数テーブル16CTのレコードの内、これらのフィールドにそれぞれ登録された無線周波数、偏波の形態および雨滴粒径分布の組み合わせに対して好適な係数kおよび係数aの値が格納されたレコードを示すポインタが予め登録された「ポインタ」フィールド
さらに、雨量計算部16の主記憶または外部記憶の他の記憶領域には、図6に示すように、上述したポインタに対応した係数kおよび係数aの好適な値がそれぞれ予め登録された「係数k」フィールドと、「係数a」フィールドとから構成されたレコードの列として係数テーブル16CTが配置される。
【0044】
雨量計算部16は、下記の一連の処理を行う。
・ 既述のディスプレイ17、キーボード18およびマウス19を介してマンマシンインタフェースをとり、上述した無線周波数、偏波の形態および雨滴粒径分布の全てまたは一部の設定および更新を適宜行う。
・ これらの無線周波数、偏波の形態および雨滴粒径分布を示す値の内、上述したマンマシンインタフェースの下で新たに設定され、あるいは更新された値と、このような設定や更新の対象とならなかった他の項目の値との組み合わせを取得する。
【0045】
・ 係数ポインタテーブル16CPTのレコードの内、このような組み合わせとの相関性が最も高いレコードを特定し、そのレコードの「ポインタ」フィールドの値にポインタを更新する。
・ 係数テーブル16CTのレコードの内、このようなポインタに対応したレコードの「係数k」フィールドと「係数a」フィールドとの値に、係数kと係数aとの値をそれぞれ更新する。
【0046】
したがって、本実施形態によれば、上式(1) に基づいて求められる降雨強度およびその降雨強度の分布は、既述の無線周波数、偏波の形態および雨滴粒径分布の何れかが変更された場合であっても、上述したマンマシンインタフェースを介して操作者によって与えられる方針や形態で精度よく求められる。
なお、本実施形態では、上述した無線周波数、偏波の形態および雨滴粒径分布の何れの設定や更新がマンマシンインタフェースの下で適宜行われている。
【0047】
しかし、本発明は、このような構成に限定されず、例えば、無線周波数や偏波の形態がチャネル制御の手順や無線伝送路の状態に応じて自動的に更新され、かつ雨滴粒径分布が「気象情報を提供する機関や企業体」によって通信路を介して適宜与えられてることによって、精度や実時間性の向上が図られ、あるいは多様な分野に対する適応が図られてもよい。
【0048】
また、上述した各実施形態では、上式(1) のみに基づいて降雨強度Rが算出されている。
しかし、このような式は、「実測によって求められた値」と、「既知の情報として特定された値」との双方もしくは何れか一方のみに基づいて降雨強度Rを所望の精度で与える限り、如何なる式で代替されてもよい。
【0049】
さらに、このような降雨強度Rの算出に供されるべき式は、例えば、マンマシンインタフェースの下で操作者によって指定され、あるいは何らかの通信路を介して外部から指定されることによって、その降雨強度Rの精度や引数との整合が図られてもよい。
また、上述した各実施形態では、無線部14によって受信された受信波のレベルLがその回線監視部15によって直接監視されている。
【0050】
しかし、このような受信波のレベルLは、例えば、その受信波の変調方式に適合した信号空間上におけるシンボル単位の誤差の平均値、またはこの受信波に適合した伝送路復号化の過程で評価されたビット誤り率その他の伝送品質の換算値として与えられてもよい。
さらに、上述した各実施形態では、降雨強度の算出に適用されるべき降雨減衰量は、固定無線アクセスシステムに収容された無線端局装置13−1〜13−Nから到来し、かつミリ波帯以上の周波数帯に占有帯域を有する受信波のレベルの偏差として与えられている。
【0051】
しかし、このようなレベルの偏差が計測されるべき信号は、無線周波信号に限定されず、例えば、レーザ光、超音波その他の波動信号だけではなく、単発のパルス信号、または所定の頻度で到来するパルス信号であってもよい。
また、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲において多様な形態によく実施形態が可能であり、かつ構成装置の一部もしくは全てに如何なる改良が施されてもよい。
【0052】
【発明の効果】
上述したように請求項1に記載の発明では、従来例では達成されなかった高い分解能および頻度による降雨強度の観測が可能となる。
また、請求項2に記載の発明では、既述の伝搬路における降雨強度は、関連する機関、組織および人員の全てまたは一部によって与えられる適正な雨滴粒径分布に基づいて多様な形態で算出される。
さらに、請求項3に記載の発明では、既述の降雨強度の分布は、高い分解能で識別され、かつ降雨に起因して複数の伝搬路その他に生じる事象や影響への対策にかかわる総合的な選定の基準となる。
【0053】
また、請求項4に記載の発明では、降雨に起因して既述の複数の伝搬路その他に生じる事象や影響への対策の準備に要する時間の確保に併せて、これらの対策がとられるべき伝搬路その他の総合的な信頼性の向上が可能となる。
さらに、請求項5に記載の発明では、複数の伝搬路における降雨強度は、何れも関連する機関、組織および人員の全てまたは一部によって与えられる適正な雨滴粒径分布に基づいて多様な形態で算出される。
【0054】
また、請求項6に記載の発明では、個々の伝搬路の形成に際して適用されるべき多元接続方式、チャネル配置、周波数配置および変復調方式にかかわる自由度が高められる。
さらに、請求項7に記載の発明では、個々の伝搬路に適用されるべき偏波にかかわる自由度が高められる。
【0055】
また、請求項8に記載の発明では、多様なシステムや機器に対する本発明の適用が可能となる。
さらに、請求項9に記載の発明では、伝搬路を介して到来した信号のレベルを直接計測する手段が備えられず、あるいはその計測に必要な処理量が確保されないシステムや機器に対する本発明の適用が可能となる。
【0056】
したがって、これらの発明が適用されたシステムや機器では、信頼性および性能が総合的に高く維持され、かつ保守や運用にかかわる作業の省力化に併せて、ランニングコストの削減が図られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一ないし第三の実施形態を示す図である。
【図2】降雨強度に対する降雨減衰量の変化を示す図である。
【図3】本発明の第二の実施形態の動作を説明する図である。
【図4】降雨強度分布テーブルの構成を示す図である。
【図5】係数ポインタテーブルの構成を示す図である。
【図6】係数テーブルの構成を示す図である。
【符号の説明】
11 無線基地局
12 無線ゾーン
13 無線端局装置
14 無線部
15 回線監視部
16 雨量計算部
16T 降雨強度分布テーブル
16CPT 係数ポインタテーブル
16CT 係数テーブル
17 ディスプレイ
18 キーボード
19 マウス
【発明の属する技術分野】
本発明は、伝搬路を介して到来した信号のレベルの偏差と、その伝搬路の長さとからこの伝搬路における降雨強度を算出する雨量観測装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
広域に亘る気象予報に供される雨量の観測には、気象衛星や気象レーダが一般に適用されている。
これらの気象衛星や気象レーダは、浮遊する雨滴の集合として構成された雲等の目標に対して可視光(赤外光)や電波を照射し、その目標から到来した反射波の強度を雨量に換算すると共に、このような雨量を地図上にマッピングすることによって、地理的な雨量の分布の観測を可能とする。
【0003】
また、このような雨量の分布は、例えば、国内の約1300箇所の地点に設置された測定器によって所定の頻度で連続的に、かつ自動的に測定され、かつ収集されたこれらの地点にかかわる様々な気象情報が総合的に解析されるAMeDAS (Automated Meteorological Data Acquisition System)によっても、観測されている。
【0004】
【非特許文献1】
http://www.kishou.go.jp/intro/gyomu/ index547.html
【非特許文献2】
http://www.osaka−jma.go.jp/gyomusyokai/rader/
【非特許文献3】
http://sapporo−jma.go.jp/sp/kanku/sp#sub02/web/Amedas/amedas.htm
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した従来例が適用されることによって観測された雨量データは、以下に例示するように、地理的(空間的)な分解能rが低く、または観測が反復して行われる周期pが数分ないし十数時間程度であるために、必ずしも十分な精度では得られなかった。
・ 気象衛星「ひまわり」による観測では、分解能rが4キロメートルであり、かつ周期pが一時間である。
【0006】
・ 最新の気象衛星NOAAによる観測では、分解能rが1キロメートルであり、かつ周期pが12時間である。
・ AMeDASによる観測では、分解能rの平均値が17キロメールであり、かつ周期pが1分ないし10分程度である。
・ 気象レーダによる観測では、分解能rが1キロメールであり、かつ周期pが10分である。
【0007】
また、例えば、準ミリ波帯において形成された無線伝送路を介して通信サービスを提供する固定無線アクセス(FWA:Fixed Wireless Access)システムでは、降雨に起因する不稼動時間が年間に数分程度に抑えられなければならないために、数秒ないし十数秒程度の周期pによる雨量の予測とその予測の結果に基づく適切な回線制御とが要求される。
【0008】
しかし、このような分解能は、従来、上述した分解能rおよび周期pが最小である気象レーダであっても、達成されなかった。
本発明は、安価に、かつ精度よく降雨強度を観測できる雨量観測装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明では、減衰量監視手段は、伝搬路を介して到来した信号のレベルからその伝搬路の降雨減衰量を得る。降雨強度算出手段は、伝搬路の降雨減衰量、その伝搬路の長さおよびこの伝搬路の雨滴粒径分布に対してその伝搬路における降雨強度を与える既知の関数の値として、この降雨強度を求める。
このような降雨強度の分解能は、上述した信号が定常的に、あるいは高い頻度で到来し、かつ減衰量監視手段および降雨強度算出手段が既述の処理を確実に行うことができる限り、伝搬路の長さが短いほど小さな値となる。
【0010】
さらに、この降雨強度は、一般に、上述した伝搬路に適用された多元接続方式、チャネル構成、伝送速度および伝送情報の形式に適応する数百ミリ秒以下の周期で更新され得る。
したがって、従来例では達成されなかった高い分解能および頻度による降雨強度の観測が可能となる。
【0011】
請求項2に記載の発明では、外部インタフェース手段は、外部から与えられる雨滴粒径分布を取得する。降雨強度算出手段は、外部インタフェース手段によって取得された雨滴粒径分布を関数に代入することによって、伝搬路における降雨強度を求める。
すなわち、このような降雨強度の算出に適用されるべき雨滴粒径分布は、マンマシンインタフェースの下で適宜与えられ、あるいは通信路を介して提供される値に適宜設定される。
【0012】
したがって、既述の伝搬路における降雨強度は、関連する機関、組織および人員の全てまたは一部によって与えられる適正な雨滴粒径分布に基づいて多様な形態で算出される。
請求項3に記載の発明では、減衰量監視手段は、複数の伝搬路を介して個別に到来した信号のレベルからこれらの降雨伝搬路の減衰量を得る。降雨強度分布算出手段は、複数の伝搬路に共通に成立し、かつ個々の伝搬路の降雨減衰量、その伝搬路の長さおよびこの伝搬路の雨滴粒径分布に対してその伝搬路の降雨強度を与える既知の関数の値の集合として、これらの伝搬路における降雨強度の分布を求める。
【0013】
すなわち、降雨強度は、単一の伝搬路のみではなく、上述した複数の伝搬路の地理的な配置を示し得る二次元または三次元の空間における分布として求められる。
さらに、これらの降雨強度の地理的な分解能は、既述の複数の伝搬路の数が大きく、これらの伝搬路の地理的な密度が高いほど向上し、例えば、一般的な固定無線アクセスシステムでは、従来例と同等以上となり得る。
【0014】
したがって、上述した降雨強度の分布は、高い分解能で識別され、かつ降雨に起因してこれらの複数の伝搬路その他に生じる事象や影響への対策にかかわる総合的な選定の基準となる。
請求項4に記載の発明では、降雨強度分布予測手段は、複数の無線伝搬路における降雨強度の分布が変位する方向および速度を監視し、その方向および速度に基づいてこれらの降雨強度の分布を予測する。
【0015】
すなわち、降雨に起因して上述した複数の伝搬路その他に生じる事象や影響への対策にかかわる総合的な選定の基準は、これらの事象や影響が生じる時点に先行して与えられる。
したがって、このような対策の準備に要する時間の確保に併せて、これらの対策がとられるべき伝搬路その他の総合的な信頼性の向上が可能となる。
【0016】
請求項5に記載の発明では、外部インタフェース手段は、外部から複数の伝搬路毎に与えられる雨滴粒径分布を取得する。降雨強度算出手段は、外部インタフェース手段によって取得された個々の雨滴粒径分布に対する関数の値として、複数の伝搬路における降雨強度の分布を求める。
すなわち、複数の伝搬路における降雨強度の算出に適用されるべき雨滴粒径分布は、マンマシンインタフェースの下で適宜与えられ、あるいは通信路を介して提供される値に適宜設定される。
【0017】
したがって、これらの伝搬路における降雨強度は、何れも関連する機関、組織および人員の全てまたは一部によって与えられる適正な雨滴粒径分布に基づいて多様な形態で算出される。
請求項6に記載の発明では、関数は、信号の周波数に依存する。
すなわち、個々の伝搬路の降雨強度は、これらの伝搬路を介して個別に到来する信号の占有帯域が異なる場合であっても、その占有帯域が既知である限り、精度よく算出される。
【0018】
したがって、これらの伝搬路の形成に際して適用されるべき多元接続方式、チャネル配置、周波数配置および変復調方式にかかわる自由度が高められる。
請求項7に記載の発明では、関数は、信号の偏波に依存する。
すなわち、個々の伝搬路の降雨強度は、これらの伝搬路を介して個別に到来する信号の偏波が異なる場合であっても、その偏波が既知である限り、精度よく算出される。
【0019】
したがって、これらの伝搬路に適用されるべき偏波にかかわる自由度が高められる。
請求項8に記載の発明では、マンマシンインタフェース手段は、関数の定義と、その関数の更新との双方または一方にかかわるマンマシンインタフェースをとる。
【0020】
すなわち、降雨強度の算出は、その降雨強度に要求される精度だけではなく、この算出に際して与えられる引数の項目、数、精度に適応した関数に基づいて適宜行われる。
したがって、多様なシステムや機器に対する本発明の適用が可能となる。
請求項9に記載の発明では、減衰量監視手段は、信号の品質をその信号のレベルに換算し、そのレベルに基づいてこの信号が伝搬した伝搬路の減衰量を得る。
【0021】
すなわち、個々の降雨強度の算出に適用される降雨減衰量は、伝搬路を介して到来した信号のレベルではなく、その信号の品質の換算値として与えられる。
したがって、このようなレベルを直接計測する手段が備えられず、あるいはその計測に必要な処理量が確保されないシステムや機器に対する本発明の適用が可能となる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の実施形態について詳細に説明する。
図1は、本発明の第一ないし第三の実施形態を示す図である。
図において、無線基地局11によって形成される無線ゾーン12の所定の地点には、無線端局装置13−1が設置される。
また、無線基地局11は、下記の要素から構成される。
・ 上述した無線ゾーン12を形成し、かつ無線端局装置13−1に生起した呼にかかわるチャネル制御および呼設定を行う無線部14
・ この無線部14の制御用端子に縦続接続された回線監視部15および雨量計算部16
以下、図1を参照して本発明の第一の実施形態の動作を説明する。
【0023】
上述した無線ゾーン12において無線端局装置13−1と無線基地局11との間に形成された無線伝送路の降雨減衰量(ここでは、簡単のため、単位「デシベル」で示され、かつこの無線伝送路の全域において一様であると仮定する。)Γは、例えば、以下に列記する値に対して、図2に示すように、後述する降雨強度Rの単調増加関数を示す近似式(1) で与えられる。
【0024】
・ 上記の無線伝送路の長さD(キロメートル)
・ その無線伝送路の形成に供される搬送波信号の周波数と、この無線伝送路における雨滴粒径分布と偏波との全てに依存し、これらの周波数、雨滴粒径分布および偏波に対して一義的に定まる係数kおよび係数a(例えば、搬送波信号の周波数が25ギガヘルツ帯に属し、かつ偏波が垂直偏波である場合には、それぞれ「0.113」、「1.030」となる。)
・ このような無線伝送路における降雨強度R(ミリメートル/時間)
Γ=D・k・Ra ・・・(1)
回線監視部15は、無線端局装置13−1から上述した無線伝送路を介して到来し、かつ無線部14によって受信された受信波のレベルLを監視する。
【0025】
雨量計算部16は、このような受信波のレベルLに応じて、下記を処理を行う。
・ 無線端局装置13−1からその受信波が到来すべき既知の標準的なレベルLref(ここでは、簡単のため、降雨減衰を伴わない晴天時の理想的な状態における実測等に基づいて予め与えられると仮定する。)に対する上記のレベルLの偏差δLを求める。
【0026】
・ 「その偏差δLが既定の下限値を下回ったとき」、または、「チャネル制御の下で与えられ、もしくは操作者によって所定の指令が与えられたとき」に限って、この偏差δLに等しいと推定される降雨減衰量Γに併せて、上述した長さD、係数k、a(ここでは、簡単のため、無線伝送路が形成される地域の気象条件(季節や時間帯に応じて異なってもよい。)の下で統計的に、あるいは経験則に基づいて所望の精度で定まる雨滴粒径分布に適合した既知の値であると仮定する。)が上式に代入されてなる方程式の根として、降雨強度R(=(Γ/D・k)1/a)を算出する。
【0027】
なお、このような降雨強度Rは、例えば、該当する無線伝送路において一様である場合には、無線端局装置13−1と無線基地局11との間に仮想的に描かれた直線の中点(後述する第二の実施形態における「仮想観測点VO−1」に該当する。)の位置における降雨強度と見なされ得る。
また、このような降雨強度Rの分解能rは、上述した受信波が無線端局装置13−1から定常的に(あるいは高い頻度で)送信され、かつ回線監視部15および雨量計算部16によって既述の処理が確度高く行われる限り、無線伝送路の長さDが短いほど小さな値となる。
【0028】
さらに、その降雨強度Rが反復して求められる周期pは、下記の事項の全てに適応した数ミリ秒ないし数百ミリ秒となる。
・ 無線ゾーン12に一般に適用される多元接続方式
・ その多元接続方式の下で実現されるチャネル構成
・ これらの無線チャネルを個別に構成する伝送単位(フレームやタイムスロット)の長さや配置
したがって、本実施形態によれば、既存の固定無線アクセスシステムを構成するハードウエアが有効に活用されることによって、従来例では達成されなかった高い分解能および頻度で降雨強度Rが観測される。
【0029】
以下、本発明の第二の実施形態について説明する。
本実施形態には、無線基地局13−1に併せて、図1に点線で示され、かつ図3(a) に「○」印で示すように、無線基地局11によって形成された無線ゾーン12の異なる位置に個別に設置された無線端局装置13−2〜13−Nが備えられる。
図2は、本発明の第二の実施形態の動作を説明する図である。
【0030】
以下、図1および図2を参照して本発明の第二の実施形態の動作を説明する。
雨量計算部16は、主記憶または外部記憶の所定の記憶領域に配置され、『図4に示すように、「無線端局装置13−1〜13−Nに個別に対応した下記のN個のフィールドの集合であるレコード」の列として構成され、かつ時系列の順にサイクリックに書き込みが行われると共に、「後述する通りにその雨量計算部16によって行われる処理」の手順に基づいてランダムに参照される面』の集合からなる降雨強度分布テーブル16Tを有する。
【0031】
・ 無線端局装置13−1〜13−Nの内、該当するレコードに対応する単一の無線端局装置(以下、単に「特定無線端局装置」と称し、符号「13−C」を付与して示す。)の識別子(「WT−1」〜「WT−N」の何れか)が予め登録される「端局識別子」フィールド
・ 特定無線端局装置13−Cと無線基地局11とがそれぞれ設置された2つの地点の中点に相当する仮想観測点VO−Cの位置(ここでは、簡単のため、緯度および軽度で示され、かつ一定であると仮定する。)が予め登録される「観測点位置」フィールド
・ 無線基地局11に対するその仮想観測点VO−Cの相対距離が予め登録される「相対距離」フィールド
・ 特定無線端局装置13−Cから到来した受信波のレベルLに基づいて求められた降雨減衰量Γ−Cが格納される「降雨減衰量」フィールド
・ その降雨減衰量Γ−Cに基づいて算出された降雨強度R−Cが格納される「降雨強度」フィールド
雨量計測部16は、始動時だけではなく、無線端局装置の増設等に応じて系構成が更新されたときに、降雨強度分布テーブル16Tの全ての面の個々のレコードを下記の通りに初期化する。
【0032】
・ 「端局識別子」フィールドに、特定無線端局装置13−Cの識別子を格納する。
・ 「観測点位置」フィールドに、既述の仮想観測点VO−Cの位置を格納する。
・ 「相対距離」フィールドに、無線基地局11に対するその仮想観測点VO−Cの相対局を格納する。
【0033】
なお、仮想観測点VO−Cの位置については、ここでは、簡単のため、例えば、無線基地局11が設置された既知の地点と、「無線端局装置13−1〜13−Nの開局の申請に際して適用されたこれらの無線端局装置13−1〜13−Nの緯度および経度」で与えられる地点との中点の位置であると仮定する。
また、雨量計測部16は、『所定の周期Tでサイクリックに更新され、かつ「降雨強度分布テーブル16Tの面の内、書き込みの対象となるべき面」を示す書き込みポインタ(図示されない。)』を有する。
【0034】
さらに、雨量計測部16は、無線部14および回線監視部15と連係することによって、上述した周期Tで下記の一連の処理を反復する。
・ 無線端局装置13−1〜13−Nから到来した受信波のレベルの偏差に基づいて、既述の第一の実施形態と同様の手順に基づいて、これらの無線端局装置13−1〜13−Nに個別に対応した降雨減衰量Γ−1〜Γ−Nと降雨強度R−1〜R−Nとを算出する。
【0035】
・ 降雨強度分布テーブル16Tが有する複数の面の内、既述の書き込みポインタで示される面の第1ないし第Nのレコードの「降雨減衰量」フィールドと「降雨強度」とに、それぞれ降雨減衰量Γ−1〜Γ−Nと降雨強度R−1〜R−Nとを格納する。
また、雨量計算部16は、上述した処理に並行して下記の処理を行う。
【0036】
・ 降雨強度分布テーブル16Tの面の内、既述の書き込みポインタで示される面に先行して時系列の順に書き込みが完了した所望の複数の面を参照することによって、「観測点位置フィールド」の値に基づいて「降雨減衰量」フィールド(または、「降雨強度」フィールド)の値が地理的にマッピングされてなる「降雨減衰量」(または「降雨強度」)の分布を識別する。
【0037】
・ 時系列の順におけるこのような分布の変位の方向と速度とを求め、これらの方向および速度の履歴をとる。
・ その履歴として与えられる方向および速度に基づいて、「観測点位置」フィールドの値で示される仮想観測点VO−1〜VO−Nにおける「降雨減衰量」(または「降雨強度」)が所定の閾値を上回る期間(または時点)を予測し、その期間(または時点)に先行して、該当する仮想観測点に対応する特定レコードの「端局識別子」フィールドの値で示される無線端局装置との間に形成され(あるいは形成され得る)無線伝送路にかかわる適正な回線制御を開始する。
【0038】
すなわち、無線ゾーン12では、無線基地局11に収容された複数の無線端局装置13−1〜13−Nから並行して、あるいはほぼ同時に到来し、かつ所定の多元接続方式やチャネル配置の下で個別に識別可能な受信波のレベルの偏差に基づいて、これらの無線端局装置13−1〜13−Nと無線基地局11との間に形成される個々の無線伝送路における降雨強度が予測され、さらに、これらの予測の結果に基づく適切な回線制御が順次行われる。
【0039】
また、本実施形態では、例えば、無線ゾーン31の径(≧D)が1キロメートル程度である場合には、このような降雨強度の分解能rは、例えば、無線端局装置13−1〜13−Nの台数Nが「20」と少ない場合であっても、これらの無線端局装置13−1〜13−Nが無線ゾーン31内にほぼ一様に設置される限り、約400メートル(=(π×1キロメートル/20台)1/2) と、従来の気象観測システムと同等以上となる。
【0040】
このように本実施形態によれば、突発的な降雨に際して不稼働時間の回避を目的として行われるべき適切な回線制御がその降雨に先行して確度高く、かつ安定に行われる。
したがって、このような回線制御が行われるべき契機が的確に与えられなかった従来例に比べて、サービス品質に併せて伝送品質が高く維持され、かつ適用されるべき無線周波数帯の選定にかかわる自由度が高められる。
【0041】
なお、本実施形態では、既述の回線制御が行われる契機が降雨強度や降雨減衰量の予測の結果に基づいて適切に与えられている。
しかし、このような予測の結果については、気象条件に応じて行われるべき如何なる形態の処理やその処理が起動されるべき契機の特定に供されてもよい。
以下、本発明の第三の実施形態について説明する。
【0042】
本実施形態には、図1に破線で示されるように、ディスプレイ17、キーボード18およびマウス19が雨量計算部16の周辺装置として備えられる。
以下、図1を参照して本発明の第三の実施形態について説明する。
本実施形態の特徴は、雨量計算部16によって行われる下記の処理の手順にある。
【0043】
雨量計算部16の主記憶または外部記憶の何れかの所定の記憶領域には、図5に示すように、下記のフィールドの組み合わせとして構成されたレコードの列である係数ポインタテーブル16CPTが配置される。
・ 既述の無線伝送路の形成に適用されるべき無線周波数が予め登録された「周波数」フィールド
・ その無線伝送路に適用されるべき偏波の形態(例えば、垂直偏波と水平偏波との何れか一方)が予め登録された「偏波」フィールド
・ 既述の「雨滴粒径分布」の値が予め登録された「雨滴粒径分布」フィールド
・ 図6に示され、かつ詳細が後述される係数テーブル16CTのレコードの内、これらのフィールドにそれぞれ登録された無線周波数、偏波の形態および雨滴粒径分布の組み合わせに対して好適な係数kおよび係数aの値が格納されたレコードを示すポインタが予め登録された「ポインタ」フィールド
さらに、雨量計算部16の主記憶または外部記憶の他の記憶領域には、図6に示すように、上述したポインタに対応した係数kおよび係数aの好適な値がそれぞれ予め登録された「係数k」フィールドと、「係数a」フィールドとから構成されたレコードの列として係数テーブル16CTが配置される。
【0044】
雨量計算部16は、下記の一連の処理を行う。
・ 既述のディスプレイ17、キーボード18およびマウス19を介してマンマシンインタフェースをとり、上述した無線周波数、偏波の形態および雨滴粒径分布の全てまたは一部の設定および更新を適宜行う。
・ これらの無線周波数、偏波の形態および雨滴粒径分布を示す値の内、上述したマンマシンインタフェースの下で新たに設定され、あるいは更新された値と、このような設定や更新の対象とならなかった他の項目の値との組み合わせを取得する。
【0045】
・ 係数ポインタテーブル16CPTのレコードの内、このような組み合わせとの相関性が最も高いレコードを特定し、そのレコードの「ポインタ」フィールドの値にポインタを更新する。
・ 係数テーブル16CTのレコードの内、このようなポインタに対応したレコードの「係数k」フィールドと「係数a」フィールドとの値に、係数kと係数aとの値をそれぞれ更新する。
【0046】
したがって、本実施形態によれば、上式(1) に基づいて求められる降雨強度およびその降雨強度の分布は、既述の無線周波数、偏波の形態および雨滴粒径分布の何れかが変更された場合であっても、上述したマンマシンインタフェースを介して操作者によって与えられる方針や形態で精度よく求められる。
なお、本実施形態では、上述した無線周波数、偏波の形態および雨滴粒径分布の何れの設定や更新がマンマシンインタフェースの下で適宜行われている。
【0047】
しかし、本発明は、このような構成に限定されず、例えば、無線周波数や偏波の形態がチャネル制御の手順や無線伝送路の状態に応じて自動的に更新され、かつ雨滴粒径分布が「気象情報を提供する機関や企業体」によって通信路を介して適宜与えられてることによって、精度や実時間性の向上が図られ、あるいは多様な分野に対する適応が図られてもよい。
【0048】
また、上述した各実施形態では、上式(1) のみに基づいて降雨強度Rが算出されている。
しかし、このような式は、「実測によって求められた値」と、「既知の情報として特定された値」との双方もしくは何れか一方のみに基づいて降雨強度Rを所望の精度で与える限り、如何なる式で代替されてもよい。
【0049】
さらに、このような降雨強度Rの算出に供されるべき式は、例えば、マンマシンインタフェースの下で操作者によって指定され、あるいは何らかの通信路を介して外部から指定されることによって、その降雨強度Rの精度や引数との整合が図られてもよい。
また、上述した各実施形態では、無線部14によって受信された受信波のレベルLがその回線監視部15によって直接監視されている。
【0050】
しかし、このような受信波のレベルLは、例えば、その受信波の変調方式に適合した信号空間上におけるシンボル単位の誤差の平均値、またはこの受信波に適合した伝送路復号化の過程で評価されたビット誤り率その他の伝送品質の換算値として与えられてもよい。
さらに、上述した各実施形態では、降雨強度の算出に適用されるべき降雨減衰量は、固定無線アクセスシステムに収容された無線端局装置13−1〜13−Nから到来し、かつミリ波帯以上の周波数帯に占有帯域を有する受信波のレベルの偏差として与えられている。
【0051】
しかし、このようなレベルの偏差が計測されるべき信号は、無線周波信号に限定されず、例えば、レーザ光、超音波その他の波動信号だけではなく、単発のパルス信号、または所定の頻度で到来するパルス信号であってもよい。
また、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲において多様な形態によく実施形態が可能であり、かつ構成装置の一部もしくは全てに如何なる改良が施されてもよい。
【0052】
【発明の効果】
上述したように請求項1に記載の発明では、従来例では達成されなかった高い分解能および頻度による降雨強度の観測が可能となる。
また、請求項2に記載の発明では、既述の伝搬路における降雨強度は、関連する機関、組織および人員の全てまたは一部によって与えられる適正な雨滴粒径分布に基づいて多様な形態で算出される。
さらに、請求項3に記載の発明では、既述の降雨強度の分布は、高い分解能で識別され、かつ降雨に起因して複数の伝搬路その他に生じる事象や影響への対策にかかわる総合的な選定の基準となる。
【0053】
また、請求項4に記載の発明では、降雨に起因して既述の複数の伝搬路その他に生じる事象や影響への対策の準備に要する時間の確保に併せて、これらの対策がとられるべき伝搬路その他の総合的な信頼性の向上が可能となる。
さらに、請求項5に記載の発明では、複数の伝搬路における降雨強度は、何れも関連する機関、組織および人員の全てまたは一部によって与えられる適正な雨滴粒径分布に基づいて多様な形態で算出される。
【0054】
また、請求項6に記載の発明では、個々の伝搬路の形成に際して適用されるべき多元接続方式、チャネル配置、周波数配置および変復調方式にかかわる自由度が高められる。
さらに、請求項7に記載の発明では、個々の伝搬路に適用されるべき偏波にかかわる自由度が高められる。
【0055】
また、請求項8に記載の発明では、多様なシステムや機器に対する本発明の適用が可能となる。
さらに、請求項9に記載の発明では、伝搬路を介して到来した信号のレベルを直接計測する手段が備えられず、あるいはその計測に必要な処理量が確保されないシステムや機器に対する本発明の適用が可能となる。
【0056】
したがって、これらの発明が適用されたシステムや機器では、信頼性および性能が総合的に高く維持され、かつ保守や運用にかかわる作業の省力化に併せて、ランニングコストの削減が図られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一ないし第三の実施形態を示す図である。
【図2】降雨強度に対する降雨減衰量の変化を示す図である。
【図3】本発明の第二の実施形態の動作を説明する図である。
【図4】降雨強度分布テーブルの構成を示す図である。
【図5】係数ポインタテーブルの構成を示す図である。
【図6】係数テーブルの構成を示す図である。
【符号の説明】
11 無線基地局
12 無線ゾーン
13 無線端局装置
14 無線部
15 回線監視部
16 雨量計算部
16T 降雨強度分布テーブル
16CPT 係数ポインタテーブル
16CT 係数テーブル
17 ディスプレイ
18 キーボード
19 マウス
Claims (9)
- 伝搬路を介して到来した信号のレベルからその伝搬路の降雨減衰量を得る減衰量監視手段と、
前記伝搬路の降雨減衰量、その伝搬路の長さおよびこの伝搬路の雨滴粒径分布に対してその伝搬路における降雨強度を与える既知の関数の値として、この降雨強度を求める降雨強度算出手段と
を備えたことを特徴とする雨量観測装置。 - 請求項1に記載の雨量観測装置において、
外部から与えられる雨滴粒径分布を取得する外部インタフェース手段を備え、
前記降雨強度算出手段は、
前記外部インタフェース手段によって取得された雨滴粒径分布を前記関数に代入することによって、前記伝搬路における降雨強度を求める
ことを特徴とする雨量観測装置。 - 複数の伝搬路を介して個別に到来した信号のレベルからこれらの伝搬路の降雨減衰量を得る減衰量監視手段と、
前記複数の伝搬路に共通に成立し、かつ個々の伝搬路の降雨減衰量、その伝搬路の長さおよびこの伝搬路の雨滴粒径分布に対してその伝搬路の降雨強度を与える既知の関数の値の集合として、これらの伝搬路における降雨強度の分布を求める降雨強度分布算出手段と
を備えたことを特徴とする雨量観測装置。 - 請求項3に記載の雨量観測装置において、
前記複数の伝搬路における降雨強度の分布が変位する方向および速度を監視し、その方向および速度に基づいてこれらの降雨強度の分布を予測する降雨強度分布予測手段を備えた
ことを特徴とする雨量観測装置。 - 請求項3または請求項4に記載の雨量観測装置において、
外部から前記複数の伝搬路毎に与えられる雨滴粒径分布を取得する外部インタフェース手段を備え、
前記降雨強度算出手段は、
前記外部インタフェース手段によって取得された個々の雨滴粒径分布に対する前記関数の値として、前記複数の伝搬路における降雨強度の分布を求める
ことを特徴とする雨量観測装置。 - 請求項1ないし請求項5の何れか1項に記載の雨量観測装置において、
前記関数は、
前記信号の周波数に依存する
ことを特徴とする雨量観測装置。 - 請求項1ないし請求項6の何れか1項に記載の雨量観測装置において、
前記関数は、
前記信号の偏波に依存する
ことを特徴とする雨量観測装置。 - 請求項1ないし請求項7の何れか1項に記載の雨量観測装置において、
前記関数の定義と、その関数の更新との双方または一方にかかわるマンマシンインタフェースをとるマンマシンインタフェース手段を備えた
ことを特徴とする雨量観測装置。 - 請求項1ないし請求項8の何れか1項に記載の雨量観測装置において、
前記減衰量監視手段は、
前記信号の品質をその信号のレベルに換算し、そのレベルに基づいてこの信号が伝搬した伝搬路の減衰量を得る
ことを特徴とする雨量観測装置。
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