JP2004354032A - 固定全天集光対流防止型太陽エネルギー熱水・発電装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】太陽エネルギーで、各家庭規模のエネルギーの充足をする。
【解決手段】固定全天集光系と対流防止のミニ・ソーラーポンドを組み合わせた構成により、太陽光エネルギーを用いて熱湯と電気を得る。
【選択図】図1
【解決手段】固定全天集光系と対流防止のミニ・ソーラーポンドを組み合わせた構成により、太陽光エネルギーを用いて熱湯と電気を得る。
【選択図】図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
直接的太陽エネルギー装置。特に、固定全天集光系の原理と応用、および、多層式対流防止型ソーラーポンドの原理による太陽エネルギー集蓄熱装置。
【0002】
【従来の技術】
従来の直接的太陽エネルギー利用の主たる技術は、太陽熱温水器と太陽光発電パネルである。1.37kW/m2の太陽定数(理科年表)の強度を持つ太陽光は、約30%の大気吸収と30°程度の平均的斜め入射の影響で強度がほぼ半減するので、太陽熱温水器は、放射冷却と釣り合う最高到達温度は約70℃であり、水深10cmの水温を30度上昇させるのに容器の断熱を完全にしても約6時間かかる。一方、シリコン太陽電池のエネルギー変換効率は理論値が約23.8%(宮本健郎、エネルギー工学入門、p79)であるが、実際上は10乃至20%で、また温度上昇により発電効率が1度につき約0.5%低下する。
【0003】
【発明が解決しようとしている課題】
太陽熱温水器については、以前、発明者の提唱した多層式対流阻止型のソーラー・ポンドの原理で(W.Unno and M.Taga,Physics of porous solar pond,Japan J.Appl.Phys.,32,1329,1993)、対流を阻止して断熱性を高めることによりエネルギー変換効率を格段に高め、約10倍の集光により水深10cmの水を1時間程度で沸騰水にすること。太陽電池パネルについては、10倍集光のうちその約半分をパネルに当てることにより、パネルの単位面積あたりの発電量を5倍程度に増やし、発電のコストを下げること。このように、従来の技術における諸問題を固定の全天集光装置と後に説明する無塩多層式ミニ・ソーラーポンドの結合によって同時に解決するのが本出願の発明の課題である。
また大きくいえば、わが国のような多量のエネルギー消費国は勿論、今後のエネルギー需要の増大する開発途上国の化石燃料に依存しないエネルギー源として太陽エネルギーの直接利用により各家庭規模でエネルギー需要の充足を達成することが本出願発明の目標である。
【0004】
【課題を解決するための手段】
10倍の倍率で集光すれば、地球を水星軌道の内側にもっていったことに対応し、受ける太陽エネルギーとバランスする最高到達温度は優に300℃を越える。多層式対流防止型ミニ・ソーラーポンド(3)は、水深10cmの中程に水平に置いた、多数の小孔を開けた半透明(光学的厚さ1程度)の仕切り板の上部約6cmの水深を、2mm程度のスペーサー付の透明膜を重ねて隙間なく満たし、仕切り板の下約4cmの水底から水道水を直結で注入するようにした装置である。水底の最下部に太陽電池パネルを置けば、温度上昇による発電効率の低下(0.5%/℃)を水冷で防ぎ、同時に太陽熱を無駄なくソーラー・ポンドの予前加熱に利用できる。仕切り板上部の多層膜構造は、対流による熱の移動を防ぎ、10倍集光した太陽光をこれに入射すれば、約1時間で沸騰点に達する熱湯を得る。水は熱伝導度が小さく遠赤外光に不透明なので対流防止により、水深10cmでの熱伝導時間約1日畜熱するから、1時間での熱伝導による熱損失は無視できる。水深を倍にすると、温度上昇に倍の時間がかかるが、保温時間は4倍になるから保温が必要な寒冷地では水深を大きめにするとよい。10倍の集光には非結像集光鏡(2)を東西及び南北に四角形の漏斗型に配置する。これはフレネルレンズの原理を非結像工学的に応用したもので、平面鏡の上に後に述べるような小頂角のプリズム柱を水平に階段状に(断面は鋸歯状に)貼り付けた構造により、入射光線を下へ下へと送る装置である。ただし、固定した上部の開口面から入射する光線が鉛直となす入射角に限界があり、その限界内に全天からの光を収めるために開口面に光線方向制御板(1)を二段若しくは三段置く。光線方向制御板(1)は、いわば魚眼レンズの原理に似た方式で、透明な平行平面板の下に小さな30°プリズム柱を一面に南北に貼り付けた非結像のフレネルレンズ構造である。全天集光であるため、太陽に雲がかかっていても雲からの散乱光も利用できる。集光による温度上昇の時間短縮と相俟って、準全天候型の太陽エネルギー装置となる。冷水を注入する最下層に太陽光発電パネルを置けば、温度上昇による効率低下(0.5%/度)なしに集光して、パネルの単位面積当りの発電効率を3倍程度上げることができ、かつ発電に伴う80%以上にのぼるパネルでの熱損失をミニ・ソーラーポンドの予前加熱に利用できるので、原理的にはエネルギー損失は殆どない。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明は、春分南中時の太陽にほぼ正対する請求項1記載の光線方向制御板(1)の下に、更にもう一段ないし二段光線方向制御板を水平に置いて、太陽が天球上どの位置にあっても、太陽光線が鉛直線と30°程度以下の入射角で、同じく請求項1記載の非結像集光系(2)に入射するようにする。非結像集光鏡は、東西および南北に鏡面が鉛直と約30°程度の角度をなすように漏斗状に配置する。更に、漏斗状集光装置の下に直結して、同じく請求項1記載のミニ・ソーラーポンド(3)を配置する。ミニ・ソーラーポンドの最下部の冷水中にに太陽電池パネルを置く。
【0006】
水道水をミニ・ソーラーポンド(3)の底部取水口(3A)より入れ、熱湯を上部出水口(3B)より取り出し、貯湯タンクに入れる。給水量は要求される熱湯温度によって決まる。ミニ・ソーラーポンドは、水深約10cm程度。その中間に、2mm程度の小孔を一面に付けた半透明(光学的厚さ1程度)の仕切り板で仕切り、その上部の水深5cmには2mm程度のスペーサーの付いた市販の断熱用ビニール膜若しくはパッキング用の気泡のついたビニール膜の気泡に穴を貫通させて空気を抜いたものを重ねて隙間なく敷き詰める。ビニール膜は数cm間隔で2mm程度の小孔を開けておく。水はそのビニール多層膜の中を少しづつ上へ押し上げられながら熱湯になり、熱湯取り出し口からタンクへ流入する仕掛けである。理論的には(対流が起きる条件である臨界レーレー数の計算から)、水は上下の温度勾配が10度/cm程度については4mm以下の隙間では対流を起こさない。かつ水は赤外熱放射に不透明で水中からの放射冷却はないので、対流を阻止すれば、熱伝導による冷却が水深10cmでは約1日だから、10倍集光による短時間加熱によって熱伝導冷却も殆どない。多層膜の下の仕切り板は光学的厚さ1程度の半透明とすると、仕切り板の下の太陽電池パネル(6)に達する太陽光は3分の1強となるが、発電に使われる以外の大部分のエネルギーは仕切り板の下約4cmの冷水を加熱する。そこでは対流作用により上部ほど温度が高くなり、下部からの注水により下から押し上げられて仕切り板上部に浸出し、上部で更に加熱されて熱水となる。太陽電池パネル(6)のすぐ上を注入した冷水が流れパネルを冷却するので、パネルの発電効率の温度効果による低下を防ぐことができる。熱水は仕切り板より上の部分から取り出しタンクに入れる。仕切り板の光学的厚さと冷水の注入速度を調節すれば、熱水の温度及び発電に使うエネルギーの比率を調節できる。
【0007】
請求項1記載の光線方向制御板(1)は、日周運動する太陽からの光を固定の非結像集光系の有効立体角内に収める装置である。平行平面板の下に頂角30°ほどの南北に長い棒状のプリズム柱が一面に並列に付いた構造を、ガラス又はプラスチックなどの透明材質で作ったもので、安全のため及び製作を容易にするためプリズムの先端がカットされた構造である。プリズム面が平面板法線となす角は、東面と西面がそれぞれ15°弱とするのが適当である。南北方向は、冬至及び夏至の太陽でも赤道面から24°弱しか離れないので、方向制御は必ずしも必要としない。北側背面に立てた補助反射鏡(4)を年二回ほど調整すればよい。
【0008】
請求項1記載の非結像集光系(2)は、鏡板の上面に25度弱の小頂角のプリズムを鋸歯状(2A)につけた一種のフレネル鏡を東西及び南北に漏斗状(傾斜角度約30度)につけた構造である。
【0009】
【実施例】
実施例は、集光系作成の素材を屈折率が平方根2(=1.41)程度のプラスチックとして設計した。集光系は東西系と南北系で本質的な違いはないが、東西系は広い範囲の太陽位置を相手にするめ、固定集光系では集光時間が減少するか集光倍率がやや下がることになるので、図1に(0)、(01)、(02)と示す補助反射鏡(固定)をつけて集光倍率を上げる必要がある。鏡は可動にしてさらに集光倍率を上げることもできる。補助反射鏡は南北系にも有効で、角度調整を季節ごとに行うと良い。方向制御板(1)及び集光鏡(2)のプリズム頂角の設計概念図は2,3の主な光線方向に対して図2、図3、図4に(1a),(1b),(1c),..(2a),(2b),..等の光線方向図に図示する。
【発明の効果】
本発明は、以上説明したような形態で実施され、以下に記載されるような効果を奏する。
【0010】
光線方向制御板(1)(1A),(1B)により、太陽がどの方角にあっても、方向制御板に入射した光束は鉛直方向と30度以内の角度内に射出する。魚眼レンズに似た作用のため、太陽周辺に薄雲がかかっていても雲からの散乱光も利用できる。
【0011】
非結像集光系(2)の表面には小さな頂角(25度弱)の小プリズム(4)が鋸歯状に付いており、斜め上から入射した光線は裏の鏡面で反射ののち水平より下方に射出される。鉛直に近い角度で光線方向制御板(1)から射出した光束のうち、制御板中央部からの光束は直接(2a0)、端にいくに従って一回(2a1)、二回(2a2)と漏斗型に配置した非結像集光系のプリズム底部鏡面から反射して、いずれもミニ・ソーラーポンドに入る仕組みである。集光鏡の傾斜度、プリズムの頂角や屈折率にもよるが、光線方向制御板(1)から射出した光線方向が垂直から30度以上傾いて入射する場合は、何回かの反射屈折の後、外へロスとなる光束もある。それを防ぐには、光線方向制御板を3段(1C)にすればよい。
【0012】
ミニ・ソーラーポンドの水深を10cmにとると、熱伝導で周囲との温度差が半減する熱伝導時間は約1日で、一方、10倍集光の太陽熱で水深10cmの水の温度が100度上昇するに要する時間は約1時間であるから、その間の熱伝導ロスはポンドの外壁からのロスが主で全体としては小さい。2mmスペーサーつきの断熱用ビニール・シートの多層膜構造が、対流防止に有効であることは実験でも確かめられた。南中時以外は加熱の時間が多少延びるが、天気のときは1時間程度で沸騰点に達する熱湯が得られる。また、上記ビニール・シートの代わりにパッキング用の気泡付きビニール・シートの気泡に穴を開けたものでもよく、透明性が良ければ目の粗さ2mm程度のスポンジを用いるのも簡便である。
【0013】
太陽光発電パネルは、集光した太陽光に用いると温度上昇で0.5%/度で発電効率が下がるが、上記ビニール・シートの多重層の下の仕切り板下の対流層最下部の冷水中に置くと、途中のビニール・シートで及び仕切り板での減光を上回る集光により、パネルの面積あたりの発電効率を格段に上げることができる。ちなみに、この集光系による沸騰水を用いてガスタービンを廻して発電し、太陽光発電パネルと併用すれば、火力発電を凌ぐ効率で太陽エネルギー発電が可能となる見込みである。
【図面の簡単な説明】
【図1】固定全天集光系(光線方向制御板2枚とフレネル非結像集光鏡)及びミニ・ソーラーポンド全体の斜視図である。
【図2】光線方向制御板の東西方向一部断面図である。代表的な光線の進行方向を矢印で示す。(a,..e)
【図3】東西に配置した非結像集光用フレネル鏡の東西断面図である。代表的な光線経路を矢印で示す。(2a0,...,2a3,2b)
【図4】非結像集光用フレネル鏡東鏡一部拡大断面図である。代表的な光線経路を矢印でしめす。(a..,e)
【図5】ミニ・ソーラーポンドの概念図である。仕切り板を太い点線と破線で示す。
【符号の説明】
0補助集光鏡
1光線方向制御板
2非結像集光用フレネル鏡
3ミニ・ソーラー・ポンド
4(フレネル・)プリズム
5対流防止用ビニール多層膜
6太陽電池パネル
【発明の属する技術分野】
直接的太陽エネルギー装置。特に、固定全天集光系の原理と応用、および、多層式対流防止型ソーラーポンドの原理による太陽エネルギー集蓄熱装置。
【0002】
【従来の技術】
従来の直接的太陽エネルギー利用の主たる技術は、太陽熱温水器と太陽光発電パネルである。1.37kW/m2の太陽定数(理科年表)の強度を持つ太陽光は、約30%の大気吸収と30°程度の平均的斜め入射の影響で強度がほぼ半減するので、太陽熱温水器は、放射冷却と釣り合う最高到達温度は約70℃であり、水深10cmの水温を30度上昇させるのに容器の断熱を完全にしても約6時間かかる。一方、シリコン太陽電池のエネルギー変換効率は理論値が約23.8%(宮本健郎、エネルギー工学入門、p79)であるが、実際上は10乃至20%で、また温度上昇により発電効率が1度につき約0.5%低下する。
【0003】
【発明が解決しようとしている課題】
太陽熱温水器については、以前、発明者の提唱した多層式対流阻止型のソーラー・ポンドの原理で(W.Unno and M.Taga,Physics of porous solar pond,Japan J.Appl.Phys.,32,1329,1993)、対流を阻止して断熱性を高めることによりエネルギー変換効率を格段に高め、約10倍の集光により水深10cmの水を1時間程度で沸騰水にすること。太陽電池パネルについては、10倍集光のうちその約半分をパネルに当てることにより、パネルの単位面積あたりの発電量を5倍程度に増やし、発電のコストを下げること。このように、従来の技術における諸問題を固定の全天集光装置と後に説明する無塩多層式ミニ・ソーラーポンドの結合によって同時に解決するのが本出願の発明の課題である。
また大きくいえば、わが国のような多量のエネルギー消費国は勿論、今後のエネルギー需要の増大する開発途上国の化石燃料に依存しないエネルギー源として太陽エネルギーの直接利用により各家庭規模でエネルギー需要の充足を達成することが本出願発明の目標である。
【0004】
【課題を解決するための手段】
10倍の倍率で集光すれば、地球を水星軌道の内側にもっていったことに対応し、受ける太陽エネルギーとバランスする最高到達温度は優に300℃を越える。多層式対流防止型ミニ・ソーラーポンド(3)は、水深10cmの中程に水平に置いた、多数の小孔を開けた半透明(光学的厚さ1程度)の仕切り板の上部約6cmの水深を、2mm程度のスペーサー付の透明膜を重ねて隙間なく満たし、仕切り板の下約4cmの水底から水道水を直結で注入するようにした装置である。水底の最下部に太陽電池パネルを置けば、温度上昇による発電効率の低下(0.5%/℃)を水冷で防ぎ、同時に太陽熱を無駄なくソーラー・ポンドの予前加熱に利用できる。仕切り板上部の多層膜構造は、対流による熱の移動を防ぎ、10倍集光した太陽光をこれに入射すれば、約1時間で沸騰点に達する熱湯を得る。水は熱伝導度が小さく遠赤外光に不透明なので対流防止により、水深10cmでの熱伝導時間約1日畜熱するから、1時間での熱伝導による熱損失は無視できる。水深を倍にすると、温度上昇に倍の時間がかかるが、保温時間は4倍になるから保温が必要な寒冷地では水深を大きめにするとよい。10倍の集光には非結像集光鏡(2)を東西及び南北に四角形の漏斗型に配置する。これはフレネルレンズの原理を非結像工学的に応用したもので、平面鏡の上に後に述べるような小頂角のプリズム柱を水平に階段状に(断面は鋸歯状に)貼り付けた構造により、入射光線を下へ下へと送る装置である。ただし、固定した上部の開口面から入射する光線が鉛直となす入射角に限界があり、その限界内に全天からの光を収めるために開口面に光線方向制御板(1)を二段若しくは三段置く。光線方向制御板(1)は、いわば魚眼レンズの原理に似た方式で、透明な平行平面板の下に小さな30°プリズム柱を一面に南北に貼り付けた非結像のフレネルレンズ構造である。全天集光であるため、太陽に雲がかかっていても雲からの散乱光も利用できる。集光による温度上昇の時間短縮と相俟って、準全天候型の太陽エネルギー装置となる。冷水を注入する最下層に太陽光発電パネルを置けば、温度上昇による効率低下(0.5%/度)なしに集光して、パネルの単位面積当りの発電効率を3倍程度上げることができ、かつ発電に伴う80%以上にのぼるパネルでの熱損失をミニ・ソーラーポンドの予前加熱に利用できるので、原理的にはエネルギー損失は殆どない。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明は、春分南中時の太陽にほぼ正対する請求項1記載の光線方向制御板(1)の下に、更にもう一段ないし二段光線方向制御板を水平に置いて、太陽が天球上どの位置にあっても、太陽光線が鉛直線と30°程度以下の入射角で、同じく請求項1記載の非結像集光系(2)に入射するようにする。非結像集光鏡は、東西および南北に鏡面が鉛直と約30°程度の角度をなすように漏斗状に配置する。更に、漏斗状集光装置の下に直結して、同じく請求項1記載のミニ・ソーラーポンド(3)を配置する。ミニ・ソーラーポンドの最下部の冷水中にに太陽電池パネルを置く。
【0006】
水道水をミニ・ソーラーポンド(3)の底部取水口(3A)より入れ、熱湯を上部出水口(3B)より取り出し、貯湯タンクに入れる。給水量は要求される熱湯温度によって決まる。ミニ・ソーラーポンドは、水深約10cm程度。その中間に、2mm程度の小孔を一面に付けた半透明(光学的厚さ1程度)の仕切り板で仕切り、その上部の水深5cmには2mm程度のスペーサーの付いた市販の断熱用ビニール膜若しくはパッキング用の気泡のついたビニール膜の気泡に穴を貫通させて空気を抜いたものを重ねて隙間なく敷き詰める。ビニール膜は数cm間隔で2mm程度の小孔を開けておく。水はそのビニール多層膜の中を少しづつ上へ押し上げられながら熱湯になり、熱湯取り出し口からタンクへ流入する仕掛けである。理論的には(対流が起きる条件である臨界レーレー数の計算から)、水は上下の温度勾配が10度/cm程度については4mm以下の隙間では対流を起こさない。かつ水は赤外熱放射に不透明で水中からの放射冷却はないので、対流を阻止すれば、熱伝導による冷却が水深10cmでは約1日だから、10倍集光による短時間加熱によって熱伝導冷却も殆どない。多層膜の下の仕切り板は光学的厚さ1程度の半透明とすると、仕切り板の下の太陽電池パネル(6)に達する太陽光は3分の1強となるが、発電に使われる以外の大部分のエネルギーは仕切り板の下約4cmの冷水を加熱する。そこでは対流作用により上部ほど温度が高くなり、下部からの注水により下から押し上げられて仕切り板上部に浸出し、上部で更に加熱されて熱水となる。太陽電池パネル(6)のすぐ上を注入した冷水が流れパネルを冷却するので、パネルの発電効率の温度効果による低下を防ぐことができる。熱水は仕切り板より上の部分から取り出しタンクに入れる。仕切り板の光学的厚さと冷水の注入速度を調節すれば、熱水の温度及び発電に使うエネルギーの比率を調節できる。
【0007】
請求項1記載の光線方向制御板(1)は、日周運動する太陽からの光を固定の非結像集光系の有効立体角内に収める装置である。平行平面板の下に頂角30°ほどの南北に長い棒状のプリズム柱が一面に並列に付いた構造を、ガラス又はプラスチックなどの透明材質で作ったもので、安全のため及び製作を容易にするためプリズムの先端がカットされた構造である。プリズム面が平面板法線となす角は、東面と西面がそれぞれ15°弱とするのが適当である。南北方向は、冬至及び夏至の太陽でも赤道面から24°弱しか離れないので、方向制御は必ずしも必要としない。北側背面に立てた補助反射鏡(4)を年二回ほど調整すればよい。
【0008】
請求項1記載の非結像集光系(2)は、鏡板の上面に25度弱の小頂角のプリズムを鋸歯状(2A)につけた一種のフレネル鏡を東西及び南北に漏斗状(傾斜角度約30度)につけた構造である。
【0009】
【実施例】
実施例は、集光系作成の素材を屈折率が平方根2(=1.41)程度のプラスチックとして設計した。集光系は東西系と南北系で本質的な違いはないが、東西系は広い範囲の太陽位置を相手にするめ、固定集光系では集光時間が減少するか集光倍率がやや下がることになるので、図1に(0)、(01)、(02)と示す補助反射鏡(固定)をつけて集光倍率を上げる必要がある。鏡は可動にしてさらに集光倍率を上げることもできる。補助反射鏡は南北系にも有効で、角度調整を季節ごとに行うと良い。方向制御板(1)及び集光鏡(2)のプリズム頂角の設計概念図は2,3の主な光線方向に対して図2、図3、図4に(1a),(1b),(1c),..(2a),(2b),..等の光線方向図に図示する。
【発明の効果】
本発明は、以上説明したような形態で実施され、以下に記載されるような効果を奏する。
【0010】
光線方向制御板(1)(1A),(1B)により、太陽がどの方角にあっても、方向制御板に入射した光束は鉛直方向と30度以内の角度内に射出する。魚眼レンズに似た作用のため、太陽周辺に薄雲がかかっていても雲からの散乱光も利用できる。
【0011】
非結像集光系(2)の表面には小さな頂角(25度弱)の小プリズム(4)が鋸歯状に付いており、斜め上から入射した光線は裏の鏡面で反射ののち水平より下方に射出される。鉛直に近い角度で光線方向制御板(1)から射出した光束のうち、制御板中央部からの光束は直接(2a0)、端にいくに従って一回(2a1)、二回(2a2)と漏斗型に配置した非結像集光系のプリズム底部鏡面から反射して、いずれもミニ・ソーラーポンドに入る仕組みである。集光鏡の傾斜度、プリズムの頂角や屈折率にもよるが、光線方向制御板(1)から射出した光線方向が垂直から30度以上傾いて入射する場合は、何回かの反射屈折の後、外へロスとなる光束もある。それを防ぐには、光線方向制御板を3段(1C)にすればよい。
【0012】
ミニ・ソーラーポンドの水深を10cmにとると、熱伝導で周囲との温度差が半減する熱伝導時間は約1日で、一方、10倍集光の太陽熱で水深10cmの水の温度が100度上昇するに要する時間は約1時間であるから、その間の熱伝導ロスはポンドの外壁からのロスが主で全体としては小さい。2mmスペーサーつきの断熱用ビニール・シートの多層膜構造が、対流防止に有効であることは実験でも確かめられた。南中時以外は加熱の時間が多少延びるが、天気のときは1時間程度で沸騰点に達する熱湯が得られる。また、上記ビニール・シートの代わりにパッキング用の気泡付きビニール・シートの気泡に穴を開けたものでもよく、透明性が良ければ目の粗さ2mm程度のスポンジを用いるのも簡便である。
【0013】
太陽光発電パネルは、集光した太陽光に用いると温度上昇で0.5%/度で発電効率が下がるが、上記ビニール・シートの多重層の下の仕切り板下の対流層最下部の冷水中に置くと、途中のビニール・シートで及び仕切り板での減光を上回る集光により、パネルの面積あたりの発電効率を格段に上げることができる。ちなみに、この集光系による沸騰水を用いてガスタービンを廻して発電し、太陽光発電パネルと併用すれば、火力発電を凌ぐ効率で太陽エネルギー発電が可能となる見込みである。
【図面の簡単な説明】
【図1】固定全天集光系(光線方向制御板2枚とフレネル非結像集光鏡)及びミニ・ソーラーポンド全体の斜視図である。
【図2】光線方向制御板の東西方向一部断面図である。代表的な光線の進行方向を矢印で示す。(a,..e)
【図3】東西に配置した非結像集光用フレネル鏡の東西断面図である。代表的な光線経路を矢印で示す。(2a0,...,2a3,2b)
【図4】非結像集光用フレネル鏡東鏡一部拡大断面図である。代表的な光線経路を矢印でしめす。(a..,e)
【図5】ミニ・ソーラーポンドの概念図である。仕切り板を太い点線と破線で示す。
【符号の説明】
0補助集光鏡
1光線方向制御板
2非結像集光用フレネル鏡
3ミニ・ソーラー・ポンド
4(フレネル・)プリズム
5対流防止用ビニール多層膜
6太陽電池パネル
Claims (1)
- 対流を防止した熱水装置:ミニ・ソーラーポンド(3)とこれに太陽光を集光する固定の非結像集光鏡(2)及び全天からの光を鉛直に近い立体角内に射出する光線方向制御板(1)の三装置とその結合。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003185782A JP2004354032A (ja) | 2003-05-27 | 2003-05-27 | 固定全天集光対流防止型太陽エネルギー熱水・発電装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003185782A JP2004354032A (ja) | 2003-05-27 | 2003-05-27 | 固定全天集光対流防止型太陽エネルギー熱水・発電装置 |
Publications (1)
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---|---|
JP2004354032A true JP2004354032A (ja) | 2004-12-16 |
Family
ID=34055352
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2003185782A Pending JP2004354032A (ja) | 2003-05-27 | 2003-05-27 | 固定全天集光対流防止型太陽エネルギー熱水・発電装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004354032A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN109458656A (zh) * | 2018-11-28 | 2019-03-12 | 广东大粤新能源科技股份有限公司 | 一种基于太阳能光伏发电的智能型热水供应站 |
-
2003
- 2003-05-27 JP JP2003185782A patent/JP2004354032A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN109458656A (zh) * | 2018-11-28 | 2019-03-12 | 广东大粤新能源科技股份有限公司 | 一种基于太阳能光伏发电的智能型热水供应站 |
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