JP2004353575A - 逆止弁付きポンプおよびそれを用いた熱輸送デバイス - Google Patents

逆止弁付きポンプおよびそれを用いた熱輸送デバイス Download PDF

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Yoshinori Yokoyama
吉典 横山
Munehisa Takeda
宗久 武田
Tetsuro Ogushi
哲朗 大串
Toshiyuki Umemoto
俊行 梅本
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Abstract

【課題】この発明は、液体の気液界面を利用した機械可動部のない逆止弁構造を採用し、ポンプの駆動時に、液体の逆向きの流れを阻止し、ポンプの効率を向上できる逆止弁付きポンプおよびそれを用いた熱輸送デバイスを得る。
【解決手段】ポンプ部1は、ダイヤフラム2と、ダイヤフラム2を駆動するための圧電素子3とを備え、ポンプ室4の容積を可変に構成されている。そして、第1および第2ポート5、6がポンプ室4を挟んで相対してポンプ室4に連結されている。さらに、スリット状の弁体8が第1ポート5内に設けられ、ヒータ9が弁体8のポンプ室側に近接して設けられて第1逆止弁7を構成し、スリット状の弁体11が第2ポート6内に設けられ、ヒータ12が弁体11のポンプ室側に近接して設けられて第2逆止弁10を構成している。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、液体の気液界面を利用した機械可動部のない弁構造の逆止弁を採用したポンプおよびそれを用いた熱輸送デバイスに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の逆止弁付きポンプでは、圧電素子を利用したダイヤフラムポンプの入口部と出口部との温度をそれぞれヒータで調整し、入口部および出口部における流体の粘度を変化させ、流体を一方向に流すように構成している(例えば、非特許文献1参照)。
【0003】
【非特許文献1】
「DEVELOPMENT OF BI−DIRECTIONAL VALVE−LESS MICROPUMP FOR LIQUID」(IEEE Micro Electro Mechanical Systems Technical Digest 1999, p.141−146, IEEE Catalog Number:99CH36291C)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の逆止弁付きポンプにおいては、ダイヤフラムポンプの駆動時に、入口部および出口部における流体の粘度をヒータで変えて流体を一方向に流そうとしているので、流体の一部が逆向きに流れてしまい、ポンプの効率が低下するという課題があった。
【0005】
この発明は、上記の課題を解消するためになされたもので、液体の気液界面を利用した機械可動部のない逆止弁構造を採用し、ポンプの駆動時に、液体の逆向きの流れを阻止し、ポンプの効率を向上できる逆止弁付きポンプおよびそれを用いた熱輸送デバイスを得ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明による逆止弁付きポンプは、ポンプ室の容積を増減可能に構成されたポンプ部と、上記ポンプ部に連結された吸入ポートおよび吐出ポートと、上記吸入ポートおよび吐出ポートのそれぞれに構成された逆止弁とを備え、上記ポンプ部のポンプ室の容積増加動作により、上記吸入ポートから液体を流入させ、上記ポンプ部のポンプ室の容積減少動作により上記吐出ポートから液体を吐出させる逆止弁付きポンプにおいて、上記逆止弁は、上記液体が流通する流通路を有する弁体と、上記弁体の近傍の上記液体を加熱して気泡を発生させる気泡発生手段とを有し、上記気泡発生手段の作動により発生した上記気泡が上記流通路を塞口して上記液体の逆流を阻止するように構成されているものである。
【0007】
また、この発明による熱輸送デバイスは、上記逆止弁付きポンプと、一端が上記吐出ポートに連結され、他端が上記吸入ポートに連結されてループ状に構成されたループ状流路と、上記ループ状流路上に形成されて冷却機構が載置される放熱部と、上記ループ状流路上に形成されて負荷側対象物が載置される受熱部とを備え、液体が上記逆止弁付きポンプの作動により上記ループ状流路を循環して上記受熱部と上記放熱部との間で熱輸送を行うものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図について説明する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1に係る逆止弁付きポンプの動作を説明する図であり、図1の(a)はその吐出工程を示し、図1の(b)はその吸入工程を示している。
【0009】
図1において、ポンプ部1は、ダイヤフラム2と、ダイヤフラム2を駆動するための圧電素子3とを備えており、圧電素子3に印加される電圧の極性を変えることによりダイヤフラム2が駆動され、ポンプ室4の容積が可変に構成されている。そして、吸入ポートとしての第1ポート5および吐出ポートとしての第2ポート6がポンプ室4を挟んで相対してポンプ室4に連結されている。さらに、第1および第2逆止弁7、10が、それぞれ第1および第2ポート5、6に設けられている。
【0010】
第1逆止弁7は、第1ポート5内にスリット状に設けられた弁体8と、弁体8のポンプ室側に近接して設けられた気泡発生手段としてのヒータ9とを備えている。そして、ヒータ9の加熱により発生する気泡13が弁体8に形成された流通路8aのポンプ室側の開口を塞口し、流体14がポンプ室4から流通路8aを通って流出することを阻止するように構成されている。
第2逆止弁10は、第2ポート6内に弁体8と同様のスリット状に形成された弁体11と、弁体11の反ポンプ室側に近接して設けられた気泡発生手段としてのヒータ12とを備えている。そして、ヒータ12の加熱により発生する気泡13が弁体11に形成された流通路11aの反ポンプ室側の開口を塞口し、流体14が流通路11aを通ってポンプ室4に流入することを阻止するように構成されている。
【0011】
このように構成された逆止弁付きポンプ100の動作について説明する。
まず、図1の(b)に示されるように、圧電素子3に電圧が印加され、ダイヤフラム2がポンプ室4の容積を増大するように駆動される。この時、ヒータ12に通電され、ヒータ12上の液体14が加熱され、気泡13が発生される。なお、ヒータ9は非通電状態となっている。
このポンプ室4の容積増大により、気泡13は直ちに第2ポート6内をポンプ室4側に移動し、流通路11aの反ポンプ室側の開口を塞口する。そして、液体14の第2ポート6からポンプ室4への流入が第2逆止弁10により阻止される。これにより、液体14は流通路8aを通ってポンプ室4内に流入する(吸入工程)。
【0012】
ついで、図1の(a)に示されるように、圧電素子3への印加電圧の極性が反転され、ダイヤフラム2がポンプ室4の容積を減少するように駆動される。この時、ヒータ9に通電され、ヒータ9上の液体14が加熱され、気泡13が発生される。なお、ヒータ12は非通電状態となっている。
このポンプ室4の容積減少により、気泡13は直ちに第1ポート5内を反ポンプ室側に移動し、流通路8aのポンプ室側の開口を塞口する。そして、液体14のポンプ室4から第1ポート5を通っての流出が第1逆止弁7により阻止される。これにより、液体14はポンプ室4から流通路11aを通って流出する(吐出工程)。
【0013】
このように、圧電素子3への通電、さらにはヒータ9、12への通電を制御して、上述の吸入工程と吐出工程とを繰り返すことにより、逆止弁付きポンプ100は、液体14を一方向(図1中矢印で示される)に押し出すポンプとして動作する。
【0014】
この実施の形態1によれば、第1および第2逆止弁7、10の開閉がヒータ9、12への通電により発生する気泡13の有無により行われる。そこで、弁構造に機械可動部がなく、ポンプの信頼性が高められる。また、液体14の流れ方向と逆向きの液体14の流れが確実に阻止され、液体14を一方向に押し出すポンプの効率が向上される。
また、弁体8、11近傍の液体14を加熱するだけで気泡13が生成されるので、ポンプのサイズに拘わらず、加熱量は一定となり、効率のよい逆止弁を構成することができる。
【0015】
なお、圧電素子としては、チタン酸ジルコン酸鉛(Pb(Zr・Ti)O)、ニオブ酸リチウム(LiNbO)、チタン酸バリウム(BaTiO)、チタン酸鉛(PbTiO)、メタニオブ酸鉛(PbNb)等の圧電材料を用いることができる。
【0016】
実施の形態2.
図2はこの発明の実施の形態2に係る逆止弁付きポンプの構成を説明する模式図である。
図2において、第1逆止弁7Aは、第1ポート5内に設けられた三角形形状の流通路15aを有する弁体15と、弁体15のポンプ室側に近接して設けられたヒータ9とを備えている。そして、ヒータ9の加熱により発生する気泡13が弁体15に形成された流通路15aのポンプ室側の開口を塞口し、流体14がポンプ室4から流通路15aを通って流出することを阻止するように構成されている。
第2逆止弁10Aは、第2ポート6内に設けられた流通路15aと同様の三角形形状の流通路16aを有する弁体16と、弁体11の反ポンプ室側に近接して設けられたヒータ12とを備えている。そして、ヒータ12の加熱により発生する気泡13が弁体16に形成された流通路16aの反ポンプ室側の開口を塞口し、流体14が流通路16aを通ってポンプ室4に流入することを阻止するように構成されている。
なお、他の構成は上記実施の形態1と同様に構成されている。
【0017】
従って、この実施の形態2においても、第1および第2逆止弁7A、10Aの開閉がヒータ9、12への通電により発生する気泡13の有無により行われるので、上記実施の形態1と同様の効果が得られる。
【0018】
実施の形態3.
図3はこの発明の実施の形態3に係る逆止弁付きポンプの構成を説明する模式図である。
図3において、第1逆止弁7Bは、第1ポート5内に設けられた三角形形状の流通路17aを有する弁体17と、弁体17のポンプ室側に近接して設けられたヒータ9とを備えている。そして、ヒータ9の加熱により発生する気泡13が弁体17に形成された流通路17aのポンプ室側の開口を塞口し、流体14がポンプ室4から流通路17aを通って流出することを阻止するように構成されている。
また、第2逆止弁10Bは、第2ポート6内に設けられた流通路17aと異なる三角形形状の流通路18aを有する弁体18と、弁体18の反ポンプ室側に近接して設けられたヒータ12とを備えている。そして、ヒータ12の加熱により発生する気泡13が弁体18に形成された流通路18aの反ポンプ室側の開口を塞口し、流体14が流通路18aを通ってポンプ室4に流入することを阻止するように構成されている。
なお、他の構成は上記実施の形態1と同様に構成されている。
【0019】
従って、この実施の形態3においても、第1および第2逆止弁7B、10Bの開閉がヒータ9、12への通電により発生する気泡13の有無により行われるので、上記実施の形態1と同様の効果が得られる。
このように、第1および第2ポート5、6に設けられる弁体17、18の流通路17a、18aは気泡13の有無により液体14の流通を阻止できる形状であればよく、流通路17a、18aの形状は必ずしも同一にする必要もない。
【0020】
実施の形態4.
図4はこの発明の実施の形態4に係る逆止弁付きポンプの構成を説明する模式図である。
図4において、第1および第2ポート5、6が、ポンプ室4の一側に並んで連結されている。
なお、他の構成は上記実施の形態1と同様に構成されている。
【0021】
この実施の形態4においても、第1および第2逆止弁15、16の開閉がヒータ9、12への通電により発生する気泡13の有無により行われるので、上記実施の形態1と同様の効果が得られる。
【0022】
実施の形態5.
図5はこの発明の実施の形態5に係る逆止弁付きポンプの逆止弁構造を説明する模式図である。
図5において、第1逆止弁7Cは、第1ポート5内に設けられたスリット状の流通路8aを有する弁体8と、弁体8のポンプ室側に近接して設けられた気泡発生手段としてのヒータ20とを備えている。このヒータ20は、各流通路8aのポンプ室側の開口に近接する部位の熱流束を大きくするような形状に形成されている。即ち、ヒータ20は、例えば、複数の三角形を連設するパターンに形成され、各三角形の頂部を各流通路8aのポンプ室側の開口に近接するように配設されている。
また、図示していないが、第2逆止弁においても、ヒータは、各流通路の反ポンプ室側の開口に近接する部位の熱流束を大きくするような形状に形成されている。
なお、他の構成は上記実施の形態1と同様に構成されている。
【0023】
この実施の形態5においては、第1逆止弁7Cのヒータ20に通電されると、抵抗の最も大きい各三角形の頂部での発熱量が最大となる。そこで、ヒータ20の各三角形の頂部上の液体14が加熱され、気泡13が各流通路8aのポンプ室側の開口位置に発生される。その結果、気泡13が速やかに流通路16aの反ポンプ室側の開口を塞口する。
また、第2逆止弁のヒータに通電されると、同様に、気泡が各流通路の反ポンプ室側の開口位置に発生され、気泡が速やかに流通路の反ポンプ室側の開口を塞口する。
【0024】
このように、この実施の形態5によれば、上記実施の形態1の効果に加え、第1逆止弁7Cでは、気泡13の発生位置を各流通路のポンプ室側の開口位置に合わせ、第2逆止弁では、気泡13の発生位置を各流通路の反ポンプ室側の開口位置に合わせているので、第1および第2逆止弁の閉弁速度が速められ、ポンプの効率が向上される。
【0025】
実施の形態6.
図6はこの発明の実施の形態6に係る逆止弁付きポンプの逆止弁構造を説明する模式図である。
図6において、第1逆止弁7Dは、第1ポート5内に設けられたスリット状の流通路8aを有する弁体8と、弁体8のポンプ室側に近接して設けられた気泡発生手段としてのヒータ21とを備えている。さらに、各流通路8aのポンプ室側の開口に近接するヒータ21の部位に沸騰核22を形成するものとしている。この沸騰核22は、例えば鋭利な先端を押し当てて微小なくぼみを形成することで実現できる。
また、図示していないが、第2逆止弁においても、各流通路の反ポンプ室側の開口に近接するヒータの部位に沸騰核を形成されている。
なお、他の構成は上記実施の形態1と同様に構成されている。
【0026】
この実施の形態6においては、第1逆止弁7Dのヒータ21に通電されると、気泡13が沸騰核22から発生する。そこで、気泡13が各流通路8aのポンプ室側の開口位置に発生され、速やかに各流通路16aの反ポンプ室側の開口を塞口する。
また、第2逆止弁のヒータに通電されると、同様に、気泡が各流通路の反ポンプ室側の開口位置に発生され、速やかに各流通路の反ポンプ室側の開口を塞口する。
【0027】
このように、この実施の形態6によれば、上記実施の形態1の効果に加え、第1逆止弁7Dでは、気泡13の発生位置を各流通路のポンプ室側の開口位置に合わせ、第2逆止弁では、気泡13の発生位置を各流通路の反ポンプ室側の開口位置に合わせているので、第1および第2逆止弁の閉弁速度が速められ、ポンプの効率が向上される。
【0028】
実施の形態7.
図7はこの発明の実施の形態7に係る熱輸送デバイスの構成を説明する模式図、図8は図7のVIII−VIII矢視断面図である。
図7および図8において、一対の平板状の基板30、31が相対して配置され、ループ状流路33が一対の基板30、31間に気密にループ状に形成されている。そして、逆止弁付きポンプ100がループ状流路33の経路中に形成され、液体14がループ状流路33内に封入されている。
このように構成された熱輸送デバイス101は、全体として薄板状をなし、冷却機構(図示せず)が密着して載置される放熱部34と、負荷側対象物(図示せず)が密着して載置される受熱部35とがループ状流路35により連結されている。
【0029】
つぎに、この熱輸送デバイス101の製造方法について説明する。
まず、シリコンウエハからなる基板30の裏面からエッチング処理を施し、ダイヤフラム2を形成する。ついで、チタン、ニッケル、ITOなどの電極層が真空蒸着やスパッタなどにより基板30の表面に成膜され、写真製版技術、エッチング技術を用いて、電極層のパターニングを行い、ヒータ9、12を形成する。その後、SiO、Alなどの絶縁膜がヒータ9、12上に成膜される。
ついで、銅などの金属層32が真空蒸着やスパッタなどにより基板30の表面に所定厚み成膜され、写真製版技術、エッチング技術を用いて、金属層32のパターニングを行う。これにより、ループ状の細溝がダイヤフラム2およびヒータ9、12上を通るように形成される。この時、スリット状の弁体8が細溝内のヒータ9の反ダイヤフラム側に形成され、スリット状の弁体11が細溝内のヒータ12のダイヤフラム側に形成される。
ついで、基板31が基板30上に接合され、細溝が一対の基板30、31により密閉され、ループ状流路33を構成している。そして、圧電素子3がダイヤフラム2の裏面側に接合され、さらに液体14が不凝縮ガスを除去した状態でループ状流路33内に封入されて、熱輸送デバイス101が作製される。
【0030】
この熱輸送デバイス101においては、ダイヤフラム2上のループ状流路33の部位がポンプ室4を構成し、第1ポンプ室4に接続するループ状流路33の部位がそれぞれ第1ポート5および第2ポート6を構成している。また、弁体8およびヒータ9から第1逆止弁7を構成し、弁体11およびヒータ12から第2逆止弁10を構成している。そして、ダイヤフラム2、ポンプ室4、第1および第2ポート5、6、および、第1および第2逆止弁7、10などから上記実施の形態1による逆止弁付きポンプ100を構成している。
【0031】
つぎに、この熱輸送デバイス101の動作について説明する。
まず、冷却機構(図示せず)が放熱部34に密着して載置され、負荷側対象物(図示せず)が受熱部35に密着して載置される。
そして、上記実施の形態1で説明したように、圧電素子3への通電、さらにはヒータ9、12への通電を制御して、吸入工程と吐出工程とを繰り返すことにより、逆止弁付きポンプ100が動作し、液体14がループ状流路33内を一方向(図7中矢印で示される)に循環される。
そこで、液体14は、ポンプ室4からループ状流路33内を流通して受熱部35に到達し、負荷側対象物との間で熱交換して暖められる。受熱部35で暖められた液体14はループ状流路33内を流通して放熱部34に到達し、冷却機構との間で熱交換し、冷やされる。そして、放熱部34で冷やされた液体14はループ状流路33内を流通し、ポンプ室4に戻される。
このようにして、熱輸送デバイス101では、液体14がループ状流路33内を一方向に流れ、熱輸送を行う。
【0032】
この実施の形態7によれば、逆止弁付きポンプ100が機械可動部のある制御弁を必要としないので、極めて高い信頼性を得ることができる。また、ダイヤフラム2の制御を調整することにより、液体14の熱輸送能力を簡易に制御することができるので、負荷側対象物を所定の温度に高精度に制御することができる。
また、真空蒸着、スパッタなどの真空成膜技術、写真製版技術、エッチング技術を用いて、基板30にダイヤフラム、弁体、細溝などを形成しているので、逆止弁付きポンプおよび熱輸送デバイスのマイクロ化を実現できる。
【0033】
なお、上記実施の形態7では、逆止弁付きポンプを含めた熱輸送デバイスの製造方法の一例について説明しているが、本発明による逆止弁付きポンプ及び熱輸送デバイスは、この製造方法により製造されたものに限定されるものではない。
また、ダイヤフラム、ポンプ室、第1および第2ポート、第1および第2弁体、基板などの材料は、液体14と反応しない材料であればよく、ステンレス、銅などの金属材料や、シリコンなどの無機材料を用いることができる。
また、液体14はポンプ構成材料や熱輸送デバイス構成材料と反応しないものであればよく、例えば水、エタノール、メタノール、各種冷媒などを用いることができる。
さらに、第1および第2ポート5、6やループ状流路33は平板上の流路であっても、管路であってもよい。
【0034】
また、上記各実施の形態では、ダイヤフラム2の駆動手段として圧電素子3を用いるものとして説明しているが、圧電素子に代えて、電磁力(電磁石)や静電力を用いてダイヤフラム2を駆動するようにしてもよい。
また、上記各実施の形態では、ポンプ部1は、ダイヤフラム2および圧電素子3を用いてポンプ室4の容積を増減するものとして説明しているが、ポンプ部1はポンプ室4の容積を増減できるように構成されていればよく、ダイヤフラム2および圧電素子3に代えて、例えばシリンダーアクチュエータを用いてポンプ室4の容積を増減するようにしてもよい。
【0035】
また、上記各実施の形態では、気泡発生手段としてヒータ9、12を用いるものとして説明しているが、気泡発生手段はヒータ9、12に限定されるものではなく、例えばレーザビームを照射して液体14を加熱して気泡を発生させるようにしてもよい。
また、上記各実施の形態では、逆止弁付きポンプが一対の吸入ポート(第1ポート5)および吐出ポート(第2ポート6)を備えているものとしているが、吸入ポートおよび吐出ポートの本数は1本ずつに限定されるものではなく、両ポートを複数本ずつ、あるいは吸入ポートを1本とし、吐出ポートを複数本設けてもよい。
【0036】
【発明の効果】
この発明は、以上説明したように、ポンプ室の容積を増減可能に構成されたポンプ部と、上記ポンプ部に連結された吸入ポートおよび吐出ポートと、上記吸入ポートおよび吐出ポートのそれぞれに構成された逆止弁とを備え、上記ポンプ部のポンプ室の容積増加動作により、上記吸入ポートから液体を流入させ、上記ポンプ部のポンプ室の容積減少動作により上記吐出ポートから液体を吐出させる逆止弁付きポンプにおいて、上記逆止弁は、上記液体が流通する流通路を有する弁体と、上記弁体の近傍の上記液体を加熱して気泡を発生させる気泡発生手段とを有し、上記気泡発生手段の作動により発生した上記気泡が上記流通路を塞口して上記液体の逆流を阻止するように構成されているので、ポンプの駆動時に、液体の逆向きの流れが確実に阻止され、ポンプの効率を向上できるとともに、弁構造に機械可動部がなく、ポンプの信頼性が高められる逆止弁付きポンプを得ることができる。
【0037】
また、上記逆止弁付きポンプと、一端が上記吐出ポートに連結され、他端が上記吸入ポートに連結されてループ状に構成されたループ状流路と、上記ループ状流路上に形成されて冷却機構が載置される放熱部と、上記ループ状流路上に形成されて負荷側対象物が載置される受熱部とを備え、液体が上記逆止弁付きポンプの作動により上記ループ状流路を循環して上記受熱部と上記放熱部との間で熱輸送を行うようにしているので、機械可動部のある制御弁を必要とせず、極めて高い信頼性を得ることができるとともに、ポンプの駆動時に、液体の逆向きの流れが確実に阻止され、ポンプの効率が向上され、負荷側対象物を効率よく冷却することができる熱輸送デバイスを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1に係る逆止弁付きポンプの動作を説明する図である。
【図2】この発明の実施の形態2に係る逆止弁付きポンプの構成を説明する模式図である。
【図3】この発明の実施の形態3に係る逆止弁付きポンプの構成を説明する模式図である。
【図4】この発明の実施の形態4に係る逆止弁付きポンプの構成を説明する模式図である。
【図5】この発明の実施の形態5に係る逆止弁付きポンプの逆止弁構造を説明する模式図である。
【図6】この発明の実施の形態6に係る逆止弁付きポンプの逆止弁構造を説明する模式図である。
【図7】この発明の実施の形態7に係る熱輸送デバイスの構成を説明する模式図である。
【図8】図7のVIII−VIII矢視断面図である。
【符号の説明】
1 ポンプ部、4 ポンプ室、5 第1ポート(吸入ポート)、6 第2ポート(吐出ポート)、7、7A、7B、7C、7D 第1逆止弁、8、15、17弁体、8a、15a、17a 流通路、9、12、20、21 ヒータ(気泡発生手段)、10、10A、10B 第2逆止弁、11、16、18 弁体、11a、16a、18a 流通路、13 気泡、14 液体、33 ループ状流路、34 放熱部、35 受熱部、100 逆止弁付きポンプ、101 熱輸送デバイス。

Claims (2)

  1. ポンプ室の容積を増減可能に構成されたポンプ部と、上記ポンプ部に連結された吸入ポートおよび吐出ポートと、上記吸入ポートおよび吐出ポートのそれぞれに構成された逆止弁とを備え、上記ポンプ部のポンプ室の容積増加動作により、上記吸入ポートから液体を流入させ、上記ポンプ部のポンプ室の容積減少動作により上記吐出ポートから液体を吐出させる逆止弁付きポンプにおいて、
    上記逆止弁は、上記液体が流通する流通路を有する弁体と、上記弁体の近傍の上記液体を加熱して気泡を発生させる気泡発生手段とを有し、上記気泡発生手段の作動により発生した上記気泡が上記流通路を塞口して上記液体の逆流を阻止するように構成されていることを特徴とする逆止弁付きポンプ。
  2. 上記請求項1記載の逆止弁付きポンプと、
    一端が上記吐出ポートに連結され、他端が上記吸入ポートに連結されてループ状に構成されたループ状流路と、
    上記ループ状流路上に形成されて冷却機構が載置される放熱部と、
    上記ループ状流路上に形成されて負荷側対象物が載置される受熱部とを備え、
    液体が上記逆止弁付きポンプの作動により上記ループ状流路を循環して上記受熱部と上記放熱部との間で熱輸送を行うことを特徴とする熱輸送デバイス。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2012144989A (ja) * 2011-01-07 2012-08-02 Seiko Epson Corp 流体噴射装置及び医療機器
CN104265610A (zh) * 2014-09-09 2015-01-07 江苏大学 一种新型气泡泵结构

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