JP2004353222A - 防犯用錠箱補強体及び錠箱 - Google Patents

防犯用錠箱補強体及び錠箱 Download PDF

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Hajime Ishikawa
石川始
Mikio Hiyoudo
兵道幹男
Masanobu Yamashita
山下真信
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Miwa Lock KK
Miwa Lock Co Ltd
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Miwa Lock Co Ltd
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Abstract

【課題】凶悪な泥棒に対する対策の一環として扉面から突出したシリンダー錠のもぎ取りを防止する防犯用錠箱補強体及び錠箱を提供すること。
【解決手段】炭素鋼を焼き入れ処理してケース状に形成し、かつ、一側壁にサムターン装着用嵌合孔を有し、他側壁にシリンダー装着用嵌合孔を有する防犯用錠箱補強体。
【選択図】 図5

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、扉面から突出したシリンダー錠のもぎ取りを防止する防犯用錠箱補強体及び錠箱に関する。
【0002】
【従来の技術】
普通一般にシリンダー錠は、化粧リング並びにシリンダー筒(固定筒)に内装され、扉の外壁面から他端部(突出端部)が突出するように錠箱にシリンダー装着用嵌合孔を介して取り付けられている。
【0003】
前記化粧リングは、板金加工により製作した薄板素材のすい台状の筒体で、かつ、中空部を有していることから、泥棒にとっては七つ道具の挟み部を有するプライヤー、バール、ドリルなどの工具を用いて化粧リングを変形させることが容易である。
【0004】
したがって、例えば、泥棒が挟み部を有するプライヤーを用い、化粧リングとともに、固定筒及びシリンダー錠を無理やり「もぎ取る」ことが可能になる。
【0005】
そこで、出願人は、化粧リングをこじあけ、外周壁が露出したシリンダー錠に大きな外力を加えることによってシリンダー錠がもぎ取られないように、化粧リング並びに固定筒を改良した錠構造を提案した(特開2003−120083公報)。また、その後にも化粧リングをこじあけ、シリンダー錠をもぎ取られないようにするための発明を提案した。
【0006】
しかしながら、シリンダー錠の保護構造の対策のみでは必ずしも万全ではなく、凶悪な泥棒は、化粧リングの周縁の扉の外壁面に超硬ドリル、超硬ホールソーなどの切削工具を用いて扉の壁面に穴を開け、次いで錠箱のシリンダー装着用の嵌合孔の周縁を破壊し、しいてはシリンダー錠(以下、「シリンダー」という。)そのものを「もぎ取る」ケースもある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の第1の目的は、泥棒が超硬ドリル、超硬ホールソーを用いて扉の外壁面に穴を開けて錠箱を攻撃してきた場合にも防御し得る防犯用錠箱補強体及び錠箱を提供することである。これにより、「シリンダーのもぎ取り」を防御することができる。第2の目的は、製造の段階または現場の後付にて、第1の目的を達成することができる錠箱を得ることである。第3の目的は、既存の錠箱を改良することなく、そのまま用いることができることである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の防犯用錠箱補強体は、炭素鋼を焼き入れ処理して少なくとも一端開口のケース状に形成し、かつ、一側壁にサムターン装着用嵌合孔を有すると共に、他側壁にシリンダー装着用嵌合孔を有することを特徴とする。
【0009】
また、本発明の錠箱は、錠機構を内蔵する既存の錠箱本体21と、この錠箱本体21に外嵌合する錠箱補強体1とから成り、前記錠箱補強体1は、炭素鋼を焼き入れ処理して少なくとも一端開口のケース状に形成し、かつ、少なくとも一側壁に錠箱本体のサンターン嵌合孔と一致するサムターン装着用嵌合孔を有し、一方、他側壁に錠箱本体のシリンダー嵌合孔と一致するシリンダー装着用嵌合孔を有することを特徴とする。
【0010】
上記錠箱は、一端開口または両端開口のケース状に形成されているが、本発明の主たる目的を達成するために、 他の実施例では、錠箱補強体1Aを、炭素鋼を焼き入れ処理して板状或いは端面L型状、或いはまた端面コ字型状に形成されている。
【0011】
【発明の実施の形態】
まず図1乃至図4を参照にして防犯用錠箱補強体1(これを「第1実施例」とする。)について説明する。この錠箱補強体1は、炭素鋼を焼き入れ処理してケース状に形成されている。錠箱補強体1の材質は、例えば「S55C」である。ここで記号「S」はsteelのS、記号「C」は炭素のC、「S」と「C」の間の数値55は、炭素Cの含有率が0.ナンパーセントであるかを意味する。したがって、「S55C」は、炭素Cが0.55パーセント入っている炭素鋼を意味する。
【0012】
錠箱補強体1の各部に符号を付す。図1を基準にすると、2は左側壁、3は右側壁、4は上壁、5は底壁、6は開口である。前記開口6は既存の錠箱を「すっぽっと」受け入れることができる大きさに形成されている。
【0013】
そこで、図2乃至図4を参照にすると、7は後壁、8は左側壁(一側壁)2の上部に形成されたサムターン装着用嵌合孔、9は右側壁(他側壁)3の上部に形成されたシリンダー装着用嵌合孔である。
【0014】
サムターン装着用嵌合孔8とシリンダー装着用嵌合孔9とは、同一形状であり、しかも、内部空間13を介して対向状態に連通している。したがって、錠箱の錠機構が左右勝手の場合には、前記嵌合孔8.9のいずれかにサムターンまたはシリンダーを装着するかは任意に選択可能である。ここでは説明の便宜上、左側壁2の嵌合孔8をサムターン装着用嵌合孔8として説明する。
【0015】
10は左側壁(一側壁)2の下部に形成された外側又は内側ハンドル用の装着孔、11は右側壁(他側壁)3の下部に形成された内側又は外側ハンドル用の装着孔である。内外のハンドル用装着孔10.11も同一形状でありかつ内部空間13を介して対向状態に連通している。錠箱補強体1の左右の側壁2.3の適宜箇所には、カシメ用又は/及び固着具用の小孔或いは切欠部12が複数個形成されている。なお、図示しない錠箱は、内外のハンドルが必要でないタイプも存在するので、前記内外ハンドル用の装着孔10.11は本発明の本質的部分ではない。
【0016】
次に図5及び図6を参照にして防犯用錠箱補強体1をそのまま含む錠箱X(これを「第2実施例」とする。)について説明する。この錠箱Xは、錠機構を内蔵する既存の錠箱本体21と、この錠箱本体21に外嵌合する錠箱補強体1とから成り、前記錠箱補強体1は、炭素鋼を焼き入れ処理してカセットケース状に形成され、かつ、一側壁に錠箱本体21のサンターン嵌合孔8Aと一致するサムターン装着用嵌合孔8を有し、一方、他側壁に錠箱本体21のシリンダー嵌合孔9Aと一致するシリンダー装着用嵌合孔9を有する。ここで、便宜上、錠箱本体21の各側壁に錠箱補強体1の各側壁に対応した符号を付する。
【0017】
2Aは錠箱補強体1の左側壁(一側壁)2に対応する左側壁、3Aは錠箱補強体1の右側壁(他側壁)3に対応する右側壁、4Aは錠箱補強体1の上壁4に対応する上壁、5Aは錠箱補強体1の底壁5に対応する底壁、7Aは錠箱補強体1の後壁に対応する後壁である。なお、22はフロント、23はデッドボルト、24はラッチ、25は装着孔10.11に対応する内外ハンドル用の取り付け孔、26は錠箱補強体1の固着具用小孔12に符合する固着具用孔や切欠である。
【0018】
次に図7乃至図10を参照にして少なくとも一側壁に防犯用錠箱補強体1Aを備えた錠箱X1(これを「第3実施例」とする。)について説明する。なお、以下の各実施例は前記第2実施例の錠箱Xと技術的思想が同一なので、同一の部分には同一または同様の符号を付して重複する説明を省略する。
【0019】
この錠箱X1は、第2実施例の錠箱Xと同様に錠機構を内蔵する既存の錠箱本体21Aと、この錠箱本体21Aの左右側壁2A.3Aにそれぞれ固定された二枚(分割型)の錠箱補強体1A.1Aとから成り、前記錠箱補強体1A.1Aは、炭素鋼を焼き入れ処理して板状に形成され、かつ、一方の錠箱補強体1Aは、錠箱本体21Aのサンターン嵌合孔8Aと一致するサムターン装着用嵌合孔8を有し、一方、他方の錠箱補強体1Aは錠箱本体21のシリンダー嵌合孔9Aと一致するシリンダー装着用嵌合孔9を有する。
【0020】
左右の錠箱補強体1A.1Aは、錠箱X1の左右勝手を考慮すると、左右側壁2A.3Aにそれぞれ固定さていることが望ましいが、発明の主たる目的との関係では、少なくとも扉の外壁面側に位置する一側壁に固定されていれば良い。
【0021】
しかして、二枚の錠箱補強体1A.1Aは、予め(製造段階)又は後付(現場)にてビス、ネジ等の固定手段を介して錠箱本体21Aの左右側壁2A.3Aにそれぞれ固定する必要があるので、本実施例では、カシメ用の孔28が単数または複数個、ネジ用の孔29が単数または/及び複数個適宜に設けられている。
【0022】
ここで、図8を参照にして錠箱本体21Aの左右側壁2A.3Aに対する錠箱補強体1Aの固定例を説明する。錠箱本体21Aは、ケース身1aと、ケース蓋1bとから成る。ケース身1aとケース蓋1bの内壁面には、当業者から「ダルマ受け、サムターン受け」と称されている取り付け座31.31がそれぞれ固定され或いは形成されている。
【0023】
また前記ケース身1aの内壁面には、メネジを有する支持柱32が複数個設けられている。そこで、ケース身1aの外壁面(左側壁)2Aに添設された錠箱補強体1Aは、主として第1の固定手段(ビス)33をカシメルことにより固定され、一方、ケース蓋1bの外壁面(右側壁)3Aに添設された錠箱補強体1Aは、主として第2の固定手段(オネジ)34を前記支持柱32に螺合により固定されている。
【0024】
次に図11乃至図14を参照にして少なくとも一側壁に防犯用錠箱補強体1Bを備えた錠箱X2(これを「第4実施例」とする。)について説明する。この第4実施例の錠箱X2は、第3実施例の錠箱補強体1Aが板状であることから、より強靭にするために端面L型に形成した点に特徴がある。したがって、錠箱X1の変形例と言える。錠箱X2のその他は錠箱X1と同一なので、固定手段など重複する説明は割愛する。また便宜上、同一または同様の符号を付する。
【0025】
第4実施例では、左右一対の端面L型錠箱補強体1B.1Bは、その一つはケース身1aの外壁面(左側壁)2Aに固定的に添設され(図13)、もう一つはケース蓋1bの外壁面(右側壁)3Aに固定的に添設されている(図14)。
【0026】
この錠箱X2も錠箱X1と同様に錠機構を内蔵する既存の錠箱本体21Bと、この錠箱本体21Bの少なくとも扉の外壁面側に位置する一側壁に固定された錠箱補強体1Bとから成り、前記錠箱補強体1Bは、炭素鋼を焼き入れ処理して端面L型状に形成され、かつ、錠箱本体21Bのシリンダー嵌合孔9Aと一致するシリンダー装着用嵌合孔9を有する。
【0027】
次に図15及び図16を参照にして両側壁に防犯用錠箱補強体1Cを備えた錠箱X3(これを「第5実施例」とする。)について説明する。この第5実施例の錠箱X3は、第4実施例の錠箱補強体1Aが端面L型状であることから、より一層強靭にするために端面コ字型に形成した点に特徴がある。
【0028】
すなわち、錠箱X3も錠箱X1または錠箱X2と同様に錠機構を内蔵する既存の錠箱本体21Cと、この錠箱本体21Cの内外の側壁に嵌合固定された錠箱補強体1Cとから成り、前記錠箱補強体1Cは、炭素鋼を焼き入れ処理して端面コ字型状に形成され、かつ、錠箱本体21Cのシリンダー嵌合孔9Aと一致するシリンダー装着用嵌合孔9を有する。
【0029】
【実施例】
防犯用錠箱補強体1は、一端開口のケース状(例えば録画済み磁気テープの収納ケース)に形成されているが、両端開口の収納ケースであっても良い。また、端面L型状及び端面コ字型状の錠箱補強体1B、1Cは、錠箱本体21B,21Cの上部、側部、下部より被せるようにそれぞれ形成することができる。したがって、設計如何によっては、平面視端面L型状、或いは端面コ字型状、背面視端面L型状或いは端面コ字型状などの形態に成る。
【0030】
また、錠箱補強体1、1A,1B,1Cは、製造段階で既存の錠箱にカシメ固定することができるのみならず、現場で錠箱にネジによる固定手段を介して後付することもできる。
【0031】
さらに、錠箱補強体1、1A,1B,1Cの材質は、例えば「S55C」であるが、これに限定するものではない。要は泥棒が用いる超硬ドリル、超硬ホールソー攻撃を防御できるような焼き入れ素材であれば良い。
【0032】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明にあっては、次に列挙するような効果がある。
(1)近年の凶悪な泥棒に対する対策の一環として扉面から突出したシリンダー錠のもぎ取りを防止する防犯用錠箱補強体及び錠箱することができる。特に、泥棒が超硬ドリル、超硬ホールソーを用いて扉の外壁面に穴を開けて錠箱を攻撃してきた場合にも防御し得る。
(2)製造の段階または現場の後付により、第1の目的を達成することができる錠箱を得ることができる。
(3)既存の錠箱を改良することなく、そのまま用いることができる。
【図面の簡単な説明】
図1乃至図4は本発明の第1実施例を示す各説明図、図5及び図6は本発明の第2実施例を示す各説明図、図7乃至図10は本発明の第3実施例を示す各説明図、図11乃至図14は本発明の第4実施例を示す各説明図、図15及び図16は本発明の第5実施例を示す各説明図である。
【図1】第1実施例の正面からの説明図。
【図2】右側面図。
【図3】図2の3−3線断面図。
【図4】図2の4−4線断面図。
【図5】第2実施例(錠箱X)の斜視図。
【図6】第2実施例(錠箱X)の斜視図。
【図7】第3実施例(錠箱X1)の斜視図。
【図8】図7の8−8線に基づく要部の概略端面説明図
【図9】平面からの説明図。
【図10】要部(錠箱補強体1A)の斜視図。
【図11】第4実施例(錠箱X2)の斜視図。
【図12】要部(錠箱補強体1B)の斜視図。
【図13】ケース身の説明図。
【図14】ケース蓋の説明図。
【図15】第4実施例(錠箱X3)の斜視図。
【図16】図8と同様の概略断面説明図。
【符号の説明】
1、1A、1B、1C…錠箱補強体、2…左側壁、3…右側壁、4…上壁、5…底壁、6…開口、7…後壁、8…サムターン装着用嵌合孔、9…シリンダー装着用嵌合孔、9A…シリンダー嵌合孔、10、11…ハンドル用の装着孔、12…小孔、X〜X3…錠箱、1a…ケース身,1b…ケース蓋、1、1A,1B,1C…錠箱補強体、21、21A、21B、21C…錠箱本体、28、29…固定手段用の孔、33、34…固定手段。

Claims (5)

  1. 炭素鋼を焼き入れ処理して少なくとも一端開口のケース状に形成し、かつ、一側壁にサムターン装着用嵌合孔を有すると共に、他側壁にシリンダー装着用嵌合孔を有する防犯用錠箱補強体。
  2. 錠機構を内蔵する既存の錠箱本体21と、この錠箱本体21に外嵌合する錠箱補強体1とから成り、前記錠箱補強体1は、炭素鋼を焼き入れ処理して少なくとも一端開口のケース状に形成し、かつ、少なくとも一側壁に錠箱本体のサンターン嵌合孔と一致するサムターン装着用嵌合孔を有し、一方、他側壁に錠箱本体のシリンダー嵌合孔と一致するシリンダー装着用嵌合孔を有することを特徴とする錠箱。
  3. 錠機構を内蔵する既存の錠箱本体21Aと、この錠箱本体21Aの少なくとも扉の外壁面側に位置する一側壁に固定された錠箱補強体1Aとから成り、前記錠箱補強体1Aは、炭素鋼を焼き入れ処理して板状に形成され、かつ、少なくとも錠箱本体21Aのシリンダー嵌合孔9Aと一致するシリンダー装着用嵌合孔9を有することを特徴とする錠箱。
  4. 錠機構を内蔵する既存の錠箱本体21Bと、この錠箱本体21Bの少なくとも扉の外壁面側に位置する一側壁に固定された錠箱補強体1Bとから成り、前記錠箱補強体1Bは、炭素鋼を焼き入れ処理して端面L型状に形成され、かつ、少なくとも錠箱本体21Bのシリンダー嵌合孔9Aと一致するシリンダー装着用嵌合孔9を有することを特徴とする錠箱。
  5. 錠機構を内蔵する既存の錠箱本体21Cと、この錠箱本体21Cの少なくとも扉の外壁面側に位置する一側壁に固定された錠箱補強体1Cとから成り、前記錠箱補強体1Cは、炭素鋼を焼き入れ処理して端面コ字型状に形成され、かつ、少なくとも錠箱本体21Cのシリンダー嵌合孔9Aと一致するシリンダー装着用嵌合孔9を有することを特徴とする錠箱。
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JP2010106540A (ja) * 2008-10-30 2010-05-13 Jfe Jenzai Fence Kk シリンダー錠ボックス
KR101676430B1 (ko) * 2016-03-11 2016-11-15 (주)동방파스텍 개방된 상,하부 폐쇄기능을 갖는 방화문 실린더용 보호커버
GB2601624A (en) * 2019-10-28 2022-06-08 Era Home Security Ltd Locking assembly

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