JP2004353179A - Foundation for structure - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、種々の構造物が設置される地盤に設けられる基礎に関するもので、特に廃タイヤを利用した構造物用基礎に関する。
【0002】
【従来の技術及びその課題】
従来の構造物用基礎は、公知文献を具体的に挙げることは出来ないが、基礎のほとんど全部がコンクリートによって形成されることから、施工コストが高くつく上に、強い地震の際にはクラックが発生し易く、また不等沈下を生じることがあった。
【0003】
本発明は、上記の課題に鑑み、廃タイヤの利用によって、基礎の施工コストを安くできると共に、地盤に対する受圧面積を大きくとれて不等沈下を回避でき、しかも免震性に優れた構造物用基礎を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る構造物用基礎は、構造物が設置される地盤に設けられる基礎であって、単一の又は複数段に積み重ねられた廃タイヤ2からなることを特徴とする。
【0005】
請求項2に係る構造物用基礎は、構造物が設置される地盤に設けられる基礎であって、図10〜図13に示すように、単一の廃タイヤ2又は廃タイヤ2が複数段に積み重ねられた廃タイヤユニット3を複数並置してなることを特徴としている。
【0006】
請求項3に係る構造物用基礎は、構造物が設置される地盤に設けられる基礎であって、図9に示すように、単一の廃タイヤ2又は複数段に積み重ねられた廃タイヤ2からなる下部基礎1aと、この下部基礎1aの上に形成されるコンクリート製の上部基礎1bと、からなることを特徴とする。
【0007】
請求項4に係る構造物用基礎は、構造物が設置される地盤に設けられる基礎であって、図1〜図8に示すように、単一の廃タイヤ2又は廃タイヤ2が複数段に積み重ねられた廃タイヤユニット3を複数並置してなる下部基礎1aと、この下部基礎1aの上に形成されるコンクリート製の上部基礎1bと、からなることを特徴とする。
【0008】
請求項5に係る構造物用基礎は、請求項1〜4の何れかに記載の構造物用基礎において、例えば図3に示すように、各廃タイヤ2の中空部2oに充填材4を詰め込んでなることを特徴とする。
【0009】
請求項6は、請求項2、4又は5に記載の構造物用基礎において、複数段に積み重ねられた廃タイヤ2は、例えば図3に示すように、上下に隣合う廃タイヤ2どうしを溶着又は接着することによって、互いに一体的に連結されることを特徴とする。
【0010】
請求項7は、請求項2、4又は5に記載の構造物用基礎において、複数段に積み重ねられた廃タイヤ2は、例えば図4に示すように、その複数段の廃タイヤ2に複数本の連結用軸筋材5を周方向に間隔をおいて軸方向に貫通させて、複数段の廃タイヤ2の上下両端に当て付けた定着金具6を各連結用軸筋材5の両端部で止着することにより、互いに一体的に連結されることを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明に係る構造物用基礎1を示す斜視図、図2は構造物用基礎1の縦断面図、図3は構造物用基礎1の更に詳細な縦断面図である。この構造物用基礎1は、廃タイヤ2が複数段に積み重ねられた廃タイヤユニット3を多数並置してなる下部基礎1aと、この下部基礎1aの上に形成されるコンクリート製の上部基礎1bとから構成される。この構造物用基礎1の上部基礎1bは、布基礎Aからなる。
【0012】
廃タイヤ2は、例えば大型トラック用のタイヤであって、各廃タイヤ2の中空部2oには図3に示すように充填材4が詰め込まれている。この充填材3としては、コンクリート、モルタル、セメントミルク、コンクリート殻、発泡モルタル、タイヤチップ、土砂、発泡スチロール等が用いられる。各廃タイヤ2に充填材3を詰め込むには、廃タイヤ2を回転させながら、中空部2oに生コンクリート、モルタル、セメントミルク等を遠心力を利用して流し込み充填し、あるいはコンクリート殻、タイヤチップ、土砂、瓦片、レンガ片、陶器片、タイル片、硝子片、発泡スチロール等を夫々単独で、又はそれらの2種類ないし3種類を混合したもの物(例えばコンクリート殻と発泡スチロール)を中空部2oに詰め込むようにする。また、廃タイヤ2にコンクリートやモルタル等の充填材3を詰め込む他の方法としては、廃タイヤ2を立てるか又は寝かせて固定した状態で、廃タイヤ2の側面又は外周面に開けた孔よりホッパーで充填材4を流し込むようにしてもよい。尚、廃タイヤ2は、場合によってはその中空部2oに充填材3を詰め込むことなく、空のままの状態でもよい。
【0013】
廃タイヤユニット3は、上記のように夫々中空部2oに充填材4を詰め込んだ例えば3個の廃タイヤ2を上下に隣り合う廃タイヤ2,2どうしを接着剤で接着することにより、あるいは上下に隣り合う廃タイヤ2,2の接合面部分どうしを加熱溶融して溶着することによって、廃タイヤ2どうしが互いに一体的に連結される。尚、図2及び図3に示す廃タイヤユニット3は、同じ直径の廃タイヤ2を複数段に重合して形成したものであるが、直径の大小異なる廃タイヤ2を交互に重合連結したものでもよい。
【0014】
上記廃タイヤユニット3は、上下に隣合う廃タイヤ2どうしを溶着又は接着することによりそれら複数の廃タイヤ2を互いに一体的に連結したものであるが、図4に示す廃タイヤ2のように、上下複数段に重合される廃タイヤ2に複数本(例えば4本ないし8本)の連結用軸筋材5を周方向に間隔をおいて軸方向に貫通させて、廃タイヤユニット3の上下両端側の各廃タイヤ2に当て付けた定着金具6を各連結用軸筋材5の両端部で止着することによって、複数の廃タイヤ2を互いに一体的に連結してもよい。この場合、各連結用軸筋材5の上端部には、上部基礎1bと連結するための連結筋8が溶接によって取り付けられている。この連結筋8は、上部側の定着金具6にボルトで取り付けてもよい。
【0015】
上記連結用軸筋材5には、PC鋼線又は異形鉄筋が使用される。PC鋼線は、直径が例えば9〜12mmの高抗張力の鋼線からなるもので、両端側に雄ねじが形成され、その一端部には係止用の径大頭部(ボルト留)9が形成されている。異形鉄筋は、鉄筋表面に節状の突起を付けた例えば直径19〜35mmの鉄筋である。図4にはPC鋼線の場合を例示している。
【0016】
図5は、廃タイヤ2が複数段に積み重ねられた廃タイヤユニット3を複数本のアンカー金具12によって地盤中に固定した状態を示す。(a) は廃タイヤ2を3段重ねにした廃タイヤユニット3、(b) は2段重ねにした廃タイヤユニット3であり、(c) はそ平面図である。アンカー金具12は、棒状本体12aと、これの上端部に連設された下向きコ字状のフック部12bとからなるもので、例えば図示のように砂利、砕石又は栗石層G上に複数段に積み重ねた廃タイヤ2の内側面に沿って棒状本体12aを打ち込み、そのフック部12bを最上段の廃タイヤ2に係嵌するようになっている。
【0017】
上記のような構成の構造物用基礎1、即ち廃タイヤユニット3を多数並置してなる下部基礎1aと、この下部基礎1aの上に形成されるコンクリート製上部基礎1bである布基礎Aとからなる図1に示すような構造物用基礎1を施工するには、先ず、建物用地盤を所定範囲にわたって一定の深さ掘削し、その底部に砂利、砕石又は栗位石層Gを設け、この砂利、砕石又は栗位石層Gの上に、廃タイヤユニット3を図1に示すように形成される布基礎Aの配置ラインに沿って前後に隣接させた状態で一列状に配置することにより、下部基礎1aを形成する。この場合、廃タイヤユニット3の廃タイヤ2は、布基礎Aの底面幅w(図2参照)より大きい直径のものを使用する。また、廃タイヤユニット3の各廃タイヤ2には充填材4を詰め込んでおく。
【0018】
上記のように砂利、砕石又は栗位石層Gの上に廃タイヤユニット3を布基礎Aの配置ラインに沿って配置したならば、各廃タイヤユニット3の中空部には図3に示すように掘削土砂Sを詰め込んだ(あるいは、コンクリート、コンクリート殻等からなる前記充填材4を詰め込んでもよい)後、この廃タイヤユニット3列上には、布基礎形成用のコンクリート型枠パネルを仮設してコンクリートを打設することにより、図1〜図3に示すような上部基礎1bとしての布基礎Aを形成する。この場合、布基礎Aの丈は、基礎全体をコンクリートで形成する従来の布基礎より十分低くしてよい。また、布基礎Aを形成する際には、図4に示すように廃タイヤユニット3の各連結用軸筋材5の上端部に連結した連結筋8を型枠パネル内に突入させることにより、各廃タイヤユニット3とコンクリート布基礎Aを一体化することができる。連結筋8は上部側の定着金具6にボルト止めしてもよい。
【0019】
こうして建物用地盤に多数の廃タイヤユニット3からなる下部基礎1aと布基礎Aからなる上部基礎1bとによって構成される構造物用基礎1を形成した後、図2に示すように上部基礎1bがその高さの半分程度埋まるように掘削土砂Sを埋め戻すことによって、構造物用基礎1の施工を終了する。
【0020】
上述のような下部基礎1aと上部基礎1bからなる構造物用基礎1によれば、下部基礎1aが、廃タイヤ2を複数段に重合した廃タイヤユニット3を多数並置することによって形成されるものであって、下部基礎1aに廃タイヤ2を使用するから、この廃タイヤ2により基礎の受圧面積が大きくとれて、不等沈下を防止できる。また、廃タイヤ2のゴムの弾性を利用するから、免震効果が発揮され、地震発生時に有効となる。また、この下部基礎1aは、これまで産業廃棄物として焼却処分されていた廃タイヤ2を利用して形成されるから、廃タイヤを焼却する場合のように環境を汚染することがなく、産業廃棄物の有効利用を図ることができる。また、下部基礎1aに廃タイヤ2を使用することによって、基礎全体をコンクリートが形成されていた従来の構造物用基礎に比べ、基礎の材料費がコンクリートよりもはるかに安くなり、施工費の大幅な低減化を図ることができる。更に、廃タイヤ2の径や廃タイヤ2の積み重ね高さの選択によって所望の基礎支持力を得ることができる。例えば大型トラック等の径の大きい廃タイヤ2を使用すれば、大きな支持力が得られる。
【0021】
また、廃タイヤ2の中空部2oに、コンクリート、モルタル、セメントミルク、コンクリート殻、発泡モルタル、タイヤチップ、土砂、発泡スチロール等の充填材3を詰め込むことによって、下部基礎1aの強度、剛性力を増大できると共に、下部基礎1aの性能の調整を図ることができ、地盤状況に応じた使用が可能となり、またコンクリート殻、タイヤチップ、発泡スチロール等の廃材の有効利用を図ることができる。
【0022】
図6は本発明に係る他の構造物用基礎11を示す斜視図、図7は構造物用基礎11の縦断面図、図8は図7のX−X線断面図である。この構造物用基礎11は、前記構造物用基礎1と同様に廃タイヤ2が複数段に積み重ねられた廃タイヤユニット3を多数並置してなる下部基礎1aと、この下部基礎1aの上に形成されるコンクリート製の上部基礎1bとから構成されるが、上部基礎1bが、べた基礎Bからなる点が構造物用基礎1と異なっている。下部基礎1aの各廃タイヤユニット3の構成については、前述した構造物用基礎1の構成と全く同じであり、各廃タイヤ2には中空部2oに充填材4が詰め込まれている。
【0023】
この構造物用基礎11を施工するには、構造物用基礎1の場合と同様、建物用地盤を所定範囲にわたって一定の深さ掘削し、その底部に砂利、砕石又は栗位石層Gを設け、この砂利、砕石又は栗位石層Gの上面全体に亘り、多数の廃タイヤユニット3を、図7及び図8の平面図に示すような状態に配置することによって下部基礎1aを形成する。そして、各廃タイヤユニット3の中空部に掘削土砂Sを詰め込んだ(あるいは、コンクリート、コンクリート殻等からなる前記充填材4を詰め込んでもよい)後、これら廃タイヤユニット3の上側には、べた基礎形成用のコンクリート型枠パネルを仮設してコンクリートを打設することにより、図6に示すような上部基礎1bとしてのべた基礎Bを形成する。
【0024】
下部基礎1aを形成する多数の廃タイヤユニット3は、この実施形態では、前後左右ほとんど隙間がないように配置しているが、相互に適当間隔をおいて配置してもよい。この実施形態のように上部基礎1bがべた基礎Bからなる場合は、廃タイヤユニット3の配置が容易であるから、施工がし易くなる。下部基礎1aを形成する廃タイヤユニット3及び各廃タイヤ2の作用効果については、前述した構造物用基礎1の場合と同様である。
【0025】
図9の(a) 及び(b) は、本発明に係る構造物用基礎21を示す斜視図である。(a) に示す構造物用基礎21は、単一の廃タイヤ2からなる下部基礎1aと、この下部基礎1aの上に形成されるコンクリート製の上部基礎1bとから構成され、(b) に示す構造物用基礎21は、複数段、例えば2段に積み重ねられた廃タイヤ2からなる下部基礎1aと、この下部基礎1aの上に形成されるコンクリート製の上部基礎1bとから構成されたものである。上部基礎1bは、束13を支持するコンクリート製の束基礎Cからなる。下部基礎1aの廃タイヤ2については、前述した構造物用基礎1,11の構成と同じであり、各廃タイヤ2には中空部2oに充填材4が詰め込まれている。この構造物用基礎21も、下部基礎1aに廃タイヤ2を使用するから、この廃タイヤ2によって基礎の受圧面積が大きくとれ、不等沈下を防止でき、また廃タイヤ2のゴムの弾性を利用するから、免震効果が発揮され、地震発生時に有効となる。
【0026】
図10は本発明に係る構造物用基礎31を示すもので、(a) は側面図、(b) は斜視図である。この構造物用基礎31は、例えば溝幅及び溝深さが夫々240〜600mmの比較的小型のコンクリート製U型側溝14が設置される地盤に設けられる基礎であって、単一の(複数段に積み重ねられていない)廃タイヤ2を複数並置したものからなる。廃タイヤ2については、前述した構造物用基礎1,11の構成と同じであり、各廃タイヤ2には中空部2oに充填材4が詰め込まれている。この基礎31を施工するには、図10の(a) 及び(b) に示すように、砂利、砕石又は栗位石層Gの上に廃タイヤ2を一列状に並置して基礎31を形成し、この一列状の廃タイヤ2からなる基礎31の上に敷モルタル15を介して既製のU型側溝14を載置すればよい。各廃タイヤ2の中央開口部には土砂を詰め込むようにしてもよい。
【0027】
図11は、図10に示すものと同様な構造物用基礎31であり、砂利、砕石又は栗位石層Gの上には、左右2個の廃タイヤ2と単一の廃タイヤ2とを交互にU型側溝14の長手方向に沿って配置したものである。このような基礎31によれば、受圧面積を十分広くとれて、U型側溝14をより安定状態で支持できる。
【0028】
図12の(a) 及び(b) は、溝幅が1200〜2000mm、溝深さが1100〜1500mmの大型のコンクリート製U型側溝14が設置される地盤に設けられる構造物用基礎31を示したもので、この場合、廃タイヤ2は、(b) に示すように、砂利、砕石又は栗位石層Gの上にU型側溝14の長手方向に沿って例えば4列状態に配置される。廃タイヤ2については、構造物用基礎1,11の構成と同じであり、各廃タイヤ2には中空部に充填材が詰め込まれている。またこの場合、コンクリート製U型側溝14は、この基礎31の上に現場打ちによって形成される。
【0029】
図13の(a) 及び(b) は本発明に係る構造物用基礎41を示す斜視図である。この構造物用基礎41は、例えば人道や車道用のトンネル型材として使用されるコンクリート製ボックスカルバート(例えば内法幅が1000〜5000mm、内法高さが同じく1000〜5000mm)16が設置される地盤に設けられる基礎であって、廃タイヤ2が複数段、例えば2段に積み重ねられた廃タイヤユニット3を複数並置したものからなる。廃タイヤ2については、構造物用基礎1,11,31の構成と同じであり、各廃タイヤ2には中空部に充填材が詰め込まれている。
【0030】
この基礎41を施工するには、図13の(a) 及び(b) に示すように、砂利、砕石又は栗位石層Gの上に、廃タイヤ2を例えば2段に積み重ねたものからなる多数の廃タイヤユニット3をU型側溝14の長手方向に沿って例えば4列状態に並置することによって基礎41を形成する。各廃タイヤユニット3の中空部には土砂を詰めてもよい。こうして形成した基礎41の上にコンクリート製ボックスカルバート16を現場打ちによって形成する。
【0031】
上記のような構造物用基礎31,41によれば、多数の廃タイヤ2を使用するから、これらの廃タイヤ2によって基礎の受圧面積が大きくとれ、不等沈下を防止でき、また廃タイヤ2のゴムの弾性を利用するから、免震効果が発揮され、地震発生時に有効となる。そして、廃タイヤ2の径、その配置個数、積み重ね個数等の選択によって、所望の支持力を得ることができる。また、各廃タイヤ2の中空部2oに充填材4を詰め込むことによって、基礎の強度を増大させることができる。
【0032】
また、図示は省略するが、本発明に係る基礎は、1個の廃タイヤ2によって構成することができる。例えば、銅像などの比較的小さな構造物を設置する場合には、その構造物の径より大きな、例えば大型トラックの廃タイヤ2を構造物用基礎として使用することができる。この場合も、その廃タイヤ2によって基礎の受圧面積が大きくとれ、不等沈下を防止でき、また免震効果が発揮され、地震発生時に有効となる。
【0033】
【発明の効果】
請求項1に係る発明の構造物用基礎は、単一の又は複数段に積み重ねられた廃タイヤからなるため、この廃タイヤにより基礎の受圧面積が大きくとれて、不等沈下を防止できる。また、廃タイヤのゴムの弾性を利用するから、免震効果が発揮され、地震発生時に有効となる。またこの基礎は、これまで産業廃棄物として焼却処分されていた廃タイヤを利用して形成されるから、廃タイヤを焼却する場合のように環境を汚染することがなく、産業廃棄物の有効利用を図ることができ、また施工コストを安くできる。また、この発明の基礎は、小型の構造物を支持する場合に有効に適用される。
【0034】
請求項2に係る発明の構造物用基礎は、単一の廃タイヤ又は廃タイヤが複数段に積み重ねられた廃タイヤユニットを複数並置してなるもので、比較的小さな構造物から大きな構造物迄それらを直接支持する基礎として使用することができ、しかしてこれらの廃タイヤの使用により基礎の受圧面積が大きくとれ、不等沈下を防止でき、また廃タイヤのゴムの弾性を利用するから、免震効果が発揮され、地震発生時に有効となる。また産業廃棄物の有効利用を図ることができる。
【0035】
請求項3に係る発明の構造物用基礎は、単一の廃タイヤ又は複数段に積み重ねられた廃タイヤからなる下部基礎と、この下部基礎の上に形成されるコンクリート製の上部基礎とからなるもので、上部基礎が束基礎のような場合に適用され、その下部基礎に廃タイヤを使用するから、基礎の受圧面積が大きくとれ、不等沈下を防止できる。また廃タイヤのゴムの弾性を利用するから、免震効果が発揮され、地震発生時に有効となり、また産業廃棄物の有効利用を図ることができる。また下部基礎に廃タイヤを使用することによって、基礎全体をコンクリートが形成されていた従来の構造物用基礎に比べて、基礎の材料費がコンクリートよりもはるかに安くなって、施工費の大幅な低減化を図ることができる。また、廃タイヤを複数段に積み重ねる場合、廃タイヤの径又は積み重ねる廃タイヤの個数の選択により所望の基礎支持力を得ることができる。
【0036】
請求項4に係る発明の構造物用基礎は、単一の廃タイヤ又は廃タイヤが複数段に積み重ねられた廃タイヤユニットを複数並置してなる下部基礎と、この下部基礎の上に形成されるコンクリート製の上部基礎とからなるため、上部基礎が布基礎やべた基礎の場合に有効である。他の効果については、請求項3に係る発明の効果と同じである。
【0037】
請求項5に係る発明の構造物用基礎によれば、廃タイヤの中空部に充填材を詰め込むことにより、基礎杭の強度を増大できると共に、基礎杭の性能の調整を図ることができて、地盤状況に応じた使用が可能となり、またコンクリート殻、タイヤチップ、発泡スチロール等の廃材の有効利用を図ることができる。
【0038】
請求項6に係る発明の構造物用基礎によれば、上下に隣合う廃タイヤどうしを溶着又は接着することによって、多数の廃タイヤを簡単に重合連結することができる。
【0039】
請求項7に係る発明の構造物用基礎によれば、多数の廃タイヤに複数本の連結用軸筋材を周方向に間隔をおいて軸方向に貫通させて、これら廃タイヤの上下両端に当て付けた定着金具を各連結用軸筋材の両端部で止着することにより、廃タイヤの連結強度を高めることができると共に、廃タイヤの連結作業を迅速容易に行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る構造物用基礎を示す斜視図である。
【図2】構造物用基礎の縦断面図である。
【図3】構造物用基礎の更に詳細な縦断面図である。
【図4】連結用軸筋材を使用した廃タイヤユニットの縦断面図である。
【図5】(a) 及び(b) は廃タイヤユニットをアンカー金具によって地盤中
に固定した状態を示す断面図、(c) は平面図である。
【図6】本発明に係る他の構造物用基礎を示す斜視図である。
【図7】同上の構造物用基礎の縦断面図である。
【図8】図6のX−X線断面図である。
【図9】(a) 及び(b) は本発明の他の構造物用基礎の斜視図である。
【図10】本発明の他の構造物用基礎を示すもので、(a) は側面図、(b)は斜視図である。
【図11】本発明の他の構造物用基礎を示すもので、(a) は側面図、(b)は斜視図である。
【図12】本発明の他の構造物用基礎を示すもので、(a) は側面図、(b)は斜視図である。
【図13】本発明の他の構造物用基礎を示すもので、(a) は側面図、(b)は斜視図である。
【符号の説明】
1,11,21,31,41 構造物用基礎
1a 下部基礎
1b 上部基礎
2 廃タイヤ
2o 廃タイヤの中空部
3 廃タイヤユニット
4 充填材
5 連結用軸筋材
6 定着金具
A 布基礎
B べた基礎
C 束基礎
14 コンクリート製U型側溝
16 ボックスカルバート[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a foundation provided on a ground on which various structures are installed, and more particularly to a foundation for a structure using waste tires.
[0002]
[Prior art and its problems]
Conventional foundations for structures cannot be specifically cited in the known literature, but since almost all of the foundations are made of concrete, construction costs are high and cracks occur during strong earthquakes. It was easy to occur and unequal settlement sometimes occurred.
[0003]
The present invention has been made in view of the above problems, and by using waste tires, it is possible to reduce the construction cost of the foundation, and to take a large pressure receiving area against the ground to avoid uneven settlement, and for a structure excellent in seismic isolation. The purpose is to provide the basis.
[0004]
[Means for Solving the Problems]
The foundation for a structure according to claim 1 is a foundation provided on the ground on which the structure is installed, and is characterized by being composed of a single or a plurality of
[0005]
The structure foundation according to
[0006]
The structure foundation according to
[0007]
The structure foundation according to
[0008]
The structural foundation according to
[0009]
According to a sixth aspect, in the structural foundation according to the second, fourth, or fifth aspect, the
[0010]
According to a seventh aspect, in the structural foundation according to the second, fourth, or fifth aspect, a plurality of
[0011]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
FIG. 1 is a perspective view showing a structural foundation 1 according to the present invention, FIG. 2 is a longitudinal sectional view of the structural foundation 1, and FIG. 3 is a more detailed longitudinal sectional view of the structural foundation 1. The structural foundation 1 includes a
[0012]
The
[0013]
The
[0014]
The
[0015]
A PC steel wire or a deformed reinforcing bar is used for the connecting
[0016]
FIG. 5 shows a state in which the
[0017]
The structure foundation 1 having the above structure, that is, a
[0018]
As described above, if the
[0019]
After the structural foundation 1 composed of the
[0020]
According to the structural foundation 1 including the
[0021]
Further, by filling the hollow portion 2o of the
[0022]
6 is a perspective view showing another
[0023]
In order to construct this
[0024]
In this embodiment, the large number of
[0025]
FIGS. 9A and 9B are perspective views showing the
[0026]
10A and 10B show a
[0027]
FIG. 11 shows a
[0028]
(A) and (b) of FIG. 12 show the
[0029]
(A) and (b) of FIG. 13 are perspective views showing the
[0030]
In order to construct the
[0031]
According to the
[0032]
Although not shown, the foundation according to the present invention can be constituted by one
[0033]
【The invention's effect】
Since the structural foundation of the invention according to claim 1 is composed of a single or a plurality of stacked waste tires, the waste tire allows a large pressure receiving area of the foundation to prevent uneven settlement. In addition, since the elasticity of the rubber of the waste tire is used, a seismic isolation effect is exhibited, which is effective when an earthquake occurs. In addition, since this foundation is formed using waste tires that have been incinerated as industrial waste, it does not pollute the environment as in the case of incinerating waste tires. And construction costs can be reduced. Further, the basis of the present invention is effectively applied when supporting a small structure.
[0034]
The structure foundation of the invention according to
[0035]
The structural foundation of the invention according to
[0036]
The structural foundation of the invention according to
[0037]
According to the structural foundation of the invention according to
[0038]
According to the structural foundation of the invention according to
[0039]
According to the structural foundation of the invention according to
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a perspective view showing a structural foundation according to the present invention.
FIG. 2 is a longitudinal sectional view of a structural foundation.
FIG. 3 is a more detailed longitudinal sectional view of a structural foundation.
FIG. 4 is a longitudinal sectional view of a waste tire unit using a connecting shaft member.
FIGS. 5A and 5B are cross-sectional views showing a state in which the waste tire unit is fixed in the ground with anchors, and FIG. 5C is a plan view.
FIG. 6 is a perspective view showing another structural foundation according to the present invention.
FIG. 7 is a longitudinal sectional view of the same structure foundation.
FIG. 8 is a sectional view taken along line XX of FIG. 6;
9 (a) and (b) are perspective views of another structural foundation according to the present invention.
10 (a) is a side view and FIG. 10 (b) is a perspective view showing another structure foundation for the present invention.
11 (a) is a side view and FIG. 11 (b) is a perspective view showing another structure foundation of the present invention.
12A and 12B show another structure foundation of the present invention, wherein FIG. 12A is a side view and FIG. 12B is a perspective view.
13 (a) is a side view, and FIG. 13 (b) is a perspective view, showing another structural foundation for the present invention.
[Explanation of symbols]
1,11,21,31,41
Claims (7)
Priority Applications (1)
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