JP2004353100A - 衣服 - Google Patents
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Abstract
【課題】表地の防水性を実着用上問題ないレベルを確保するため、表地表面に裏地との中綴じのための縫目を出さないように中綴じ部を構成し、着用状態で表地と裏地のずれを防止し、着用状態での審美性を保つ目止めテープ接着衣服を提供すること。
【解決手段】表地と裏地からなる衣服において、該表地の少なくとも一部が二枚以上の生地で構成されるとともに、該二枚以上の生地で構成される縫着部分が目止めされてなり、かつ該二枚以上の生地の内層側の生地と裏地とで中綴じが形成されていることを特徴とする衣服。
【選択図】図1
【解決手段】表地と裏地からなる衣服において、該表地の少なくとも一部が二枚以上の生地で構成されるとともに、該二枚以上の生地で構成される縫着部分が目止めされてなり、かつ該二枚以上の生地の内層側の生地と裏地とで中綴じが形成されていることを特徴とする衣服。
【選択図】図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は目止めされてなる衣服において、衣服を構成する表地と裏地の中綴じをおこなうための縫製仕様とされた衣服に関する。
【0002】
【従来の技術】
目止めされている衣服においては、縫目部分からの漏水防止を第1に考慮し、縫代部分を含んだ形で縫目部分を衣服裏面より目止めテープによりシールしてしまうことや縫目を形成しないで高周波や超音波などで生地と生地とを融着してしまうため、従来、表地と裏地とを中綴じするために使用されていた縫代部分が目止めテープにより身頃生地と隙間の出来ないように接着されてしまい、表地と裏地の中綴じが出来ないのが通常であった。
【0003】
従来、たとえば、衿付け部に目止めテープを接着してるため中綴じができない雨衣の構造が提案されている(たとえば、特許文献1参照)。たとえば、図3に示すように、目止めテープが接着された衣服の衿付け部分の構造は、衿表地1と身頃表地2とを縫着した部分に目止めテープ7を接着しており、衿裏地3と身頃裏地4が縫着された場合、通常中綴じを行うための縫代部分がなくなってしまい、衿上部から表地と裏地が離れた状態となってしまう。しかしながら、表地と裏地の中綴じを行わないと表地と裏地が離れてしまうため、衣服の着脱時に表地と裏地のずれが発生するため着用しにくい、また、着用時にも裏地と表地がずれ見栄えが悪くなるなど、衣服としての形態保持性に劣るものであった。また、無理に中綴じを行おうとすると表地に目止めテープを接着することができない縫目が現れてしまい、縫目からの漏水が発生するなど防水衣服としては満足できるものではなかった。
【0004】
また、これらの欠点を解決するため、表地と裏地とを一体化させた生地を用い、衿を縫い付け裏衿の一部を欠損させて雨衣の裏面に目止めテープを接着した雨衣が提案されている(たとえば、特許文献2〜3参照)。しかしながら、表地と裏地を一体化させた生地を用いた場合、生地の風合いが硬くなり、衣服として着用感にかけるものになってしまうなどの問題点を有していた。
【0005】
【特許文献1】
特開平10−292210号公報(第1−2頁)
【0006】
【特許文献2】
特開平7−278914号公報(第1−2頁)
【0007】
【特許文献3】
登録実用新案第3002083号公報(第1−2頁)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記従来技術の問題点を解消し、目止めテープ接着部分について実着用上問題ない防水性を維持しつつ、かつ表地と裏地を部分的に縫着することにより着用時等の裏地のズレを防止する目止めテープ接着衣服の中綴じ仕様を採用した衣服を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明は以下の構成を採用する。すなわち、
(1)表地と裏地からなる衣服において、該表地の少なくとも一部が二枚以上の生地で構成されるとともに、該二枚以上の生地で構成される縫着部分が目止めされてなり、かつ該二枚以上の生地の内層側の生地と裏地とで中綴じが形成されていることを特徴とする衣服。
(2)前記二枚以上の生地で構成される部分が、衿付け部分、袖合わせ部分、前後身頃縫着部分、および袖付け部分から選ばれる1種以上の位置に形成されていることを特徴とする前記(1)に記載の衣服。
(3)前記二枚以上の生地で構成される部分が、衿付け部分、袖合わせ部分、前後身頃縫着部分、および袖付け部分から選ばれる1種以上の位置において部分的に形成されていることを特徴とする前記(2)に記載の衣服。
(4)衣服が、雨衣、防寒衣、および防塵衣のいずれかであることを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれかに記載の衣服である。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明は、表地と裏地からなる衣服において、該表地の少なくとも一部が二枚以上の生地で構成されるとともに、該二枚以上の生地で構成される縫着部分が目止めされてなり、かつ該二枚以上の生地の内層側の生地と裏地とで中綴じが形成されていることを特徴とする衣服である。
【0011】
以下、本発明の衣服について、図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0012】
図1、図2は、本発明の目止めテープ接着衣服の衿付け部分の中綴じ仕様の一態様を示す断面模式図であり、図3は通常の目止めテープ接着衣服の衿付け部分の一態様を示す断面模式図である。
【0013】
図4、図5は、図1に示す中綴じ部分の一態様を示す外観模式図であり、図6は、図2に示す中綴じ部分の一態様を示す外観模式図である。
【0014】
さらに図7は、本発明の目止めテープ接着衣服の一態様を示す衣服前面全体の外観模式図であり、図8は、図7の後面全体の外観模式図である。
【0015】
本発明において目止め方法としては特に限定されない。例えば、基布層に高融点のポリアミド系、ポリオレフィン系、ポリエステル系、ポリウレタン系等の樹脂類を使用し、接着層に低融点のポリアミド系、ポリオレフィン系、ポリエステル系、ポリウレタン系等の熱溶着樹脂を使用したホットメルト型の通常公知の目止めテープ、シームテープ、シーリングテープ等を縫目部分に当接させ、高周波や超音波、熱プレス等により熱接着樹脂を溶着させる方法、もしくはホットエアー等により熱接着樹脂を溶融後接着させ目止めする方法、あるいは、ゴム系に代表される粘着型の接着剤を縫目部分に塗布して目止めするための基布を接着する方法などが使用できる。また、生地同士を高周波ウエルダーや超音波にて融着させて得られる目止め等が適用できる。これらの方法を適宜選択することにより、衣服外部から縫目を通って衣服内部への水の侵入を防ぐことや衣服内部から縫目を通って衣服外部への塵などのゴミ類が発散しないようにすることが、効果的に可能となる。
【0016】
本発明における表地は、衣服表面を構成する生地であり、目止めテープを接着、あるいは融着により縫着部分を目止めすることができる生地であれば特に限定されるものではなく、衣服に用いられる織物や編物(これらを総称して織編物と呼称する場合がある)、不織布などで構成すれば良く、素材もポリエステル、ポリアミドなどの合成繊維や天然繊維などから選定すれば良い。特にポリアミド繊維よりなる織編物やポリエステル繊維よりなる織編物にコーティングやラミネート、ボンディングなどの方法でウレタン系やPTFE系などの防水膜を付与した透湿防水布やポリアミド繊維よりなる織編物やポリエステル繊維よりなる織編物を高密度に成形し、撥水加工等により生地内部への水の浸透を抑制させた生地などを用いることが好ましい。また、図1に示す衿表地1と身頃表地2とを同一の生地で形成することも可能であるし、別々の生地を用いることもなんら差し支えない。
【0017】
また、本発明における裏地は、衣服内面を構成する生地であり、ポリエステルやポリアミドなどの合成繊維で成形されたメッシュ状の編物や平織物など通常用いられるもので何ら差し支えない。また、裏地の縫着部分は衣服全体に裏地を付ける総裏仕様や後身頃部に裏地を付けない背抜き仕様など適時選定し得るものである。また、図1に示すように、衿裏地3と身頃裏地4とを同一の生地で形成することも可能であるし、衿裏地3を身頃表地2と同一生地とし、身頃裏地4をメッシュ生地などとすることもなんら差し支えない。
【0018】
本発明において実着用上問題ない防水性を維持するために、二枚以上の表地を積層した二重または多重構造部分を形成するものである。たとえば、図1に示す衿付け部分の縫製仕様を例にとると、衿表地1の下部すなわち身頃表地2の衿付け部分と縫着する部分に二枚以上の生地を積層させた二重構造部分5を形成する。その際中綴じの形成方法としては、衿表地1に衿部分となる二重構造部5を縫着しその縫目に目止めテープ7を接着、あるいは衿表地1と衿部分となる二重構造部5を融着して目止めする。その後、衿表地1に衿裏地3を縫着し、二層構造部5の内層側生地と衿裏地3を縫着し、中綴じ6を形成する。その後、二重構造部5と身頃表地2を縫着し、その縫目に目止めテープ7を接着、あるいは二重構造部5と身頃表地2を融着して目止めし、さらに衿裏地3と身頃裏地4を縫着して行くことにより、衣服表面には中綴じ6部分の縫目が出ない仕様で中綴じを行うことが可能となる。
【0019】
また、図2に示すように、身頃表地2側に二重構造部分5を形成することも可能である。この場合、衿表地1に身頃部となる二重構造部5を縫着し、その縫目に目止めテープ7を接着、あるいは衿表地1に身頃部となる二重構造部を融着して目止めする。その後、衿表地1に衿裏地3と身頃裏地4を縫着した裏地を縫着し、二層構造部5の内層側生地と身頃裏地4を縫着し中綴じ6を形成する。その後、二重構造部5と身頃生地2を縫着し、目止めテープ7を接着、あるいは二重構造部5と身頃生地2を融着して目止めすることにより、衣服表面には中綴じ部分の縫目が出ない仕様で中綴じ6を行うことが可能となる。
【0020】
また、本発明における中綴じを行うための二重または多重構造部分は、図1、図2に示す衿付け部以外にも、袖合わせ部分、脇合わせ部分、肩合わせ部分、前後身頃縫着部分、袖付け部分などに二枚以上の生地を縫着することにより形成することが可能である。
【0021】
また、衿付けや袖付けなど地縫い部分以外で1枚の生地で形成されている部分であっても、さらに1枚以上の別生地を当接させることにより二重または多重構造部分を形成することも可能であるが、切り替え部を設け、二重または多重構造を形成する二枚以上の生地を同時に縫着することが防水性能を向上させるためにはより効果的である。
【0022】
また、目止めテープ7の接着部の縫代は上下左右どちらの方向にも倒すことは可能であるが、衣服下方向に向かって倒すと、縫代を倒した側のほうが生地厚が厚くなり必然的に段差ができることになり、衣服着用時衣服表面を流れる水滴を受けてしまう構造になってしまうため、水滴を受けない方向、すなわち縫代を衣服上方に向け倒していることがより好ましい。
【0023】
本発明における二重または多重構造部は、図4に示すように、衿表地2の衿付け部全周にわたって設けることも可能であるが、デザイン上の制約が多く二重または多重構造部を形成出来ない場合には、図5に示すように、衿表地2の衿付け部の一部分に形成することも可能である。また、図5に示す衿付け部分に限らず、図6に示すように、身頃表地2側の部分に部分的に形成することも可能であり、袖合わせ部分、脇合わせ部分や肩合わせ部分など前後身頃縫着部分、袖付け部分など地縫い部分であれば二重または多重構造部を形成することが可能である。
【0024】
また、本発明によれば、図7に示すデザインの衣服を縫製した場合においては、図8に示すように、衿後部に中綴じを設けることにより中綴じを設けないものとほぼ同等の外観を得ることが可能である。
【0025】
【発明の効果】
本発明により、目止めテープを接着あるいは融着された衣服においても、衣服表地と衣服裏地の中綴じを形成することが可能であり、着用時、裏地がずれるなど衣服の形成性を向上させた衣服を提供することができ、その実用性は大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の目止めテープ接着衣服の衿付け部分の中綴じ仕様の一態様を示す断面模式図である。
【図2】本発明の目止めテープ接着衣服の衿付け部分の中綴じ仕様の他の一態様を示す断面模式図である。
【図3】従来の目止めテープ接着衣服の衿付け部分の縫製仕様の一態様を示す断面模式図である。
【図4】本発明の目止めテープ接着衣服の衿付け部分の中綴じ仕様の一態様を示す外観模式図である。
【図5】本発明の目止めテープ接着衣服の衿付け部分の中綴じ仕様の他の一態様を示す外観模式図である。
【図6】本発明の目止めテープ接着衣服の衿付け部分の中綴じ仕様のさらに他の一態様を示す外観模式図である。
【図7】本発明の目止めテープ接着衣服の衣服全体の一態様を示す前面外観模式図である。
【図8】本発明の目止めテープ接着衣服の衣服全体の一態様を示す後面外観模式図である。
【符号の説明】
1:衿表地
2:身頃表地
3:衿裏地
4:身頃裏地
5:二重構造部分
6:中綴じ
7:目止めテープ
【発明の属する技術分野】
本発明は目止めされてなる衣服において、衣服を構成する表地と裏地の中綴じをおこなうための縫製仕様とされた衣服に関する。
【0002】
【従来の技術】
目止めされている衣服においては、縫目部分からの漏水防止を第1に考慮し、縫代部分を含んだ形で縫目部分を衣服裏面より目止めテープによりシールしてしまうことや縫目を形成しないで高周波や超音波などで生地と生地とを融着してしまうため、従来、表地と裏地とを中綴じするために使用されていた縫代部分が目止めテープにより身頃生地と隙間の出来ないように接着されてしまい、表地と裏地の中綴じが出来ないのが通常であった。
【0003】
従来、たとえば、衿付け部に目止めテープを接着してるため中綴じができない雨衣の構造が提案されている(たとえば、特許文献1参照)。たとえば、図3に示すように、目止めテープが接着された衣服の衿付け部分の構造は、衿表地1と身頃表地2とを縫着した部分に目止めテープ7を接着しており、衿裏地3と身頃裏地4が縫着された場合、通常中綴じを行うための縫代部分がなくなってしまい、衿上部から表地と裏地が離れた状態となってしまう。しかしながら、表地と裏地の中綴じを行わないと表地と裏地が離れてしまうため、衣服の着脱時に表地と裏地のずれが発生するため着用しにくい、また、着用時にも裏地と表地がずれ見栄えが悪くなるなど、衣服としての形態保持性に劣るものであった。また、無理に中綴じを行おうとすると表地に目止めテープを接着することができない縫目が現れてしまい、縫目からの漏水が発生するなど防水衣服としては満足できるものではなかった。
【0004】
また、これらの欠点を解決するため、表地と裏地とを一体化させた生地を用い、衿を縫い付け裏衿の一部を欠損させて雨衣の裏面に目止めテープを接着した雨衣が提案されている(たとえば、特許文献2〜3参照)。しかしながら、表地と裏地を一体化させた生地を用いた場合、生地の風合いが硬くなり、衣服として着用感にかけるものになってしまうなどの問題点を有していた。
【0005】
【特許文献1】
特開平10−292210号公報(第1−2頁)
【0006】
【特許文献2】
特開平7−278914号公報(第1−2頁)
【0007】
【特許文献3】
登録実用新案第3002083号公報(第1−2頁)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記従来技術の問題点を解消し、目止めテープ接着部分について実着用上問題ない防水性を維持しつつ、かつ表地と裏地を部分的に縫着することにより着用時等の裏地のズレを防止する目止めテープ接着衣服の中綴じ仕様を採用した衣服を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明は以下の構成を採用する。すなわち、
(1)表地と裏地からなる衣服において、該表地の少なくとも一部が二枚以上の生地で構成されるとともに、該二枚以上の生地で構成される縫着部分が目止めされてなり、かつ該二枚以上の生地の内層側の生地と裏地とで中綴じが形成されていることを特徴とする衣服。
(2)前記二枚以上の生地で構成される部分が、衿付け部分、袖合わせ部分、前後身頃縫着部分、および袖付け部分から選ばれる1種以上の位置に形成されていることを特徴とする前記(1)に記載の衣服。
(3)前記二枚以上の生地で構成される部分が、衿付け部分、袖合わせ部分、前後身頃縫着部分、および袖付け部分から選ばれる1種以上の位置において部分的に形成されていることを特徴とする前記(2)に記載の衣服。
(4)衣服が、雨衣、防寒衣、および防塵衣のいずれかであることを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれかに記載の衣服である。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明は、表地と裏地からなる衣服において、該表地の少なくとも一部が二枚以上の生地で構成されるとともに、該二枚以上の生地で構成される縫着部分が目止めされてなり、かつ該二枚以上の生地の内層側の生地と裏地とで中綴じが形成されていることを特徴とする衣服である。
【0011】
以下、本発明の衣服について、図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0012】
図1、図2は、本発明の目止めテープ接着衣服の衿付け部分の中綴じ仕様の一態様を示す断面模式図であり、図3は通常の目止めテープ接着衣服の衿付け部分の一態様を示す断面模式図である。
【0013】
図4、図5は、図1に示す中綴じ部分の一態様を示す外観模式図であり、図6は、図2に示す中綴じ部分の一態様を示す外観模式図である。
【0014】
さらに図7は、本発明の目止めテープ接着衣服の一態様を示す衣服前面全体の外観模式図であり、図8は、図7の後面全体の外観模式図である。
【0015】
本発明において目止め方法としては特に限定されない。例えば、基布層に高融点のポリアミド系、ポリオレフィン系、ポリエステル系、ポリウレタン系等の樹脂類を使用し、接着層に低融点のポリアミド系、ポリオレフィン系、ポリエステル系、ポリウレタン系等の熱溶着樹脂を使用したホットメルト型の通常公知の目止めテープ、シームテープ、シーリングテープ等を縫目部分に当接させ、高周波や超音波、熱プレス等により熱接着樹脂を溶着させる方法、もしくはホットエアー等により熱接着樹脂を溶融後接着させ目止めする方法、あるいは、ゴム系に代表される粘着型の接着剤を縫目部分に塗布して目止めするための基布を接着する方法などが使用できる。また、生地同士を高周波ウエルダーや超音波にて融着させて得られる目止め等が適用できる。これらの方法を適宜選択することにより、衣服外部から縫目を通って衣服内部への水の侵入を防ぐことや衣服内部から縫目を通って衣服外部への塵などのゴミ類が発散しないようにすることが、効果的に可能となる。
【0016】
本発明における表地は、衣服表面を構成する生地であり、目止めテープを接着、あるいは融着により縫着部分を目止めすることができる生地であれば特に限定されるものではなく、衣服に用いられる織物や編物(これらを総称して織編物と呼称する場合がある)、不織布などで構成すれば良く、素材もポリエステル、ポリアミドなどの合成繊維や天然繊維などから選定すれば良い。特にポリアミド繊維よりなる織編物やポリエステル繊維よりなる織編物にコーティングやラミネート、ボンディングなどの方法でウレタン系やPTFE系などの防水膜を付与した透湿防水布やポリアミド繊維よりなる織編物やポリエステル繊維よりなる織編物を高密度に成形し、撥水加工等により生地内部への水の浸透を抑制させた生地などを用いることが好ましい。また、図1に示す衿表地1と身頃表地2とを同一の生地で形成することも可能であるし、別々の生地を用いることもなんら差し支えない。
【0017】
また、本発明における裏地は、衣服内面を構成する生地であり、ポリエステルやポリアミドなどの合成繊維で成形されたメッシュ状の編物や平織物など通常用いられるもので何ら差し支えない。また、裏地の縫着部分は衣服全体に裏地を付ける総裏仕様や後身頃部に裏地を付けない背抜き仕様など適時選定し得るものである。また、図1に示すように、衿裏地3と身頃裏地4とを同一の生地で形成することも可能であるし、衿裏地3を身頃表地2と同一生地とし、身頃裏地4をメッシュ生地などとすることもなんら差し支えない。
【0018】
本発明において実着用上問題ない防水性を維持するために、二枚以上の表地を積層した二重または多重構造部分を形成するものである。たとえば、図1に示す衿付け部分の縫製仕様を例にとると、衿表地1の下部すなわち身頃表地2の衿付け部分と縫着する部分に二枚以上の生地を積層させた二重構造部分5を形成する。その際中綴じの形成方法としては、衿表地1に衿部分となる二重構造部5を縫着しその縫目に目止めテープ7を接着、あるいは衿表地1と衿部分となる二重構造部5を融着して目止めする。その後、衿表地1に衿裏地3を縫着し、二層構造部5の内層側生地と衿裏地3を縫着し、中綴じ6を形成する。その後、二重構造部5と身頃表地2を縫着し、その縫目に目止めテープ7を接着、あるいは二重構造部5と身頃表地2を融着して目止めし、さらに衿裏地3と身頃裏地4を縫着して行くことにより、衣服表面には中綴じ6部分の縫目が出ない仕様で中綴じを行うことが可能となる。
【0019】
また、図2に示すように、身頃表地2側に二重構造部分5を形成することも可能である。この場合、衿表地1に身頃部となる二重構造部5を縫着し、その縫目に目止めテープ7を接着、あるいは衿表地1に身頃部となる二重構造部を融着して目止めする。その後、衿表地1に衿裏地3と身頃裏地4を縫着した裏地を縫着し、二層構造部5の内層側生地と身頃裏地4を縫着し中綴じ6を形成する。その後、二重構造部5と身頃生地2を縫着し、目止めテープ7を接着、あるいは二重構造部5と身頃生地2を融着して目止めすることにより、衣服表面には中綴じ部分の縫目が出ない仕様で中綴じ6を行うことが可能となる。
【0020】
また、本発明における中綴じを行うための二重または多重構造部分は、図1、図2に示す衿付け部以外にも、袖合わせ部分、脇合わせ部分、肩合わせ部分、前後身頃縫着部分、袖付け部分などに二枚以上の生地を縫着することにより形成することが可能である。
【0021】
また、衿付けや袖付けなど地縫い部分以外で1枚の生地で形成されている部分であっても、さらに1枚以上の別生地を当接させることにより二重または多重構造部分を形成することも可能であるが、切り替え部を設け、二重または多重構造を形成する二枚以上の生地を同時に縫着することが防水性能を向上させるためにはより効果的である。
【0022】
また、目止めテープ7の接着部の縫代は上下左右どちらの方向にも倒すことは可能であるが、衣服下方向に向かって倒すと、縫代を倒した側のほうが生地厚が厚くなり必然的に段差ができることになり、衣服着用時衣服表面を流れる水滴を受けてしまう構造になってしまうため、水滴を受けない方向、すなわち縫代を衣服上方に向け倒していることがより好ましい。
【0023】
本発明における二重または多重構造部は、図4に示すように、衿表地2の衿付け部全周にわたって設けることも可能であるが、デザイン上の制約が多く二重または多重構造部を形成出来ない場合には、図5に示すように、衿表地2の衿付け部の一部分に形成することも可能である。また、図5に示す衿付け部分に限らず、図6に示すように、身頃表地2側の部分に部分的に形成することも可能であり、袖合わせ部分、脇合わせ部分や肩合わせ部分など前後身頃縫着部分、袖付け部分など地縫い部分であれば二重または多重構造部を形成することが可能である。
【0024】
また、本発明によれば、図7に示すデザインの衣服を縫製した場合においては、図8に示すように、衿後部に中綴じを設けることにより中綴じを設けないものとほぼ同等の外観を得ることが可能である。
【0025】
【発明の効果】
本発明により、目止めテープを接着あるいは融着された衣服においても、衣服表地と衣服裏地の中綴じを形成することが可能であり、着用時、裏地がずれるなど衣服の形成性を向上させた衣服を提供することができ、その実用性は大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の目止めテープ接着衣服の衿付け部分の中綴じ仕様の一態様を示す断面模式図である。
【図2】本発明の目止めテープ接着衣服の衿付け部分の中綴じ仕様の他の一態様を示す断面模式図である。
【図3】従来の目止めテープ接着衣服の衿付け部分の縫製仕様の一態様を示す断面模式図である。
【図4】本発明の目止めテープ接着衣服の衿付け部分の中綴じ仕様の一態様を示す外観模式図である。
【図5】本発明の目止めテープ接着衣服の衿付け部分の中綴じ仕様の他の一態様を示す外観模式図である。
【図6】本発明の目止めテープ接着衣服の衿付け部分の中綴じ仕様のさらに他の一態様を示す外観模式図である。
【図7】本発明の目止めテープ接着衣服の衣服全体の一態様を示す前面外観模式図である。
【図8】本発明の目止めテープ接着衣服の衣服全体の一態様を示す後面外観模式図である。
【符号の説明】
1:衿表地
2:身頃表地
3:衿裏地
4:身頃裏地
5:二重構造部分
6:中綴じ
7:目止めテープ
Claims (4)
- 表地と裏地からなる衣服において、該表地の少なくとも一部が二枚以上の生地で構成されるとともに、該二枚以上の生地で構成される縫着部分が目止めされてなり、かつ該二枚以上の生地の内層側の生地と裏地とで中綴じが形成されていることを特徴とする衣服。
- 前記二枚以上の生地で構成される部分が、衿付け部分、袖合わせ部分、前後身頃縫着部分、および袖付け部分から選ばれる1種以上の位置に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の衣服。
- 前記二枚以上の生地で構成される部分が、衿付け部分、袖合わせ部分、前後身頃縫着部分、および袖付け部分から選ばれる1種以上の位置において部分的に形成されていることを特徴とする請求項2に記載の衣服。
- 衣服が、雨衣、防寒衣、および防塵衣のいずれかであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の衣服。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2003148838A JP2004353100A (ja) | 2003-05-27 | 2003-05-27 | 衣服 |
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---|---|---|---|
JP2003148838A JP2004353100A (ja) | 2003-05-27 | 2003-05-27 | 衣服 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004353100A true JP2004353100A (ja) | 2004-12-16 |
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JP2003148838A Pending JP2004353100A (ja) | 2003-05-27 | 2003-05-27 | 衣服 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004353100A (ja) |
-
2003
- 2003-05-27 JP JP2003148838A patent/JP2004353100A/ja active Pending
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